ニッチながら様々なオンラインビジネスを成功させているニール・パテル、その原動力が彼が運営する複数の人気ウェブマーケティング系ブログ。今回はそんなカリスママーケッターが語るブログのアクセス増加方について。よくある同種の記事とは違い、具体的かつ示唆に富んだアドバイスは本物を感じさせます。 — SEO Japan
私はトップ 100に入るブログのうち20のブログでマーケティングを実行(日本語)した実績を持つ。また、自分のビジネスのために作った3つのブログは、最低でも月に10万回の訪問を獲得している。
このブログ、Quick Sproutに関しては、月間訪問数が10万に達するまで4年と9ヶ月を要した:
KISSmetricsでは、10万に達するまでに、1年と10ヶ月間かかった:
そして、Crazy Eggでは、月間訪問数が10万回に届くまで、1年と6ヶ月間を要した:
上のグラフを見れば分かるように、10万人に到達するまでにかかった時間は、短縮されている。4年と9ヶ月間から、最終的に1年と6ヶ月間で、この偉業を達成することが可能になった。
この功績に関しては、運はまったく関係ない。実は私は公式を見出しており、この公式は毎回結果を出す。例えば、今日この公式を再び活用したら、1年間以内に同じような結果を出すことが出来るはずだ。
今回は、10万回/月の訪問をブログで達成するために、私が利用している公式を伝授する:
多ければ多いほど良い
Quick Sproutに関しては、1週間に1本ではなく、1週間に2本記事を投稿すると、若干トラフィックの量が増えることに気づいた。 KISSmetricsでは、1週間に5本記事を投稿するまで、トラフィックが大きく増加することはなかった。しかし、KISSmetricsに関しては、週に2本から、一気に週に5本に増やしていた。
そのため、KISSmetricsは、Quick Sproutよりも遥かに成長するペースが速くなった。さらに、最近では、5本/週ではなく、6本投稿するテストを行っている。
1週間に5本の記事を投稿した際は、月間の訪問数は42万2885回であった。
1週間に6本の記事を投稿してみたところ、トラフィックは、50万1573回にアップした。.
毎週投稿する記事の本数を1本増やすことで、ブログのトラフィックを18.6%増加させることに成功した。ちなみに、一流の20サイトのブログ(すべてトップ 100入りを果たす)のマーケティングを担当した際、毎日3本の記事を投稿すると(21本/週)、容易に100万回/週を達成することが判明している。
頻繁に投稿する際は、コンテンツの品質を保つことが重要である。 質の低いブログの記事を大量に投稿したところで、トラフィックに大きな変化は起きない。
インフォグラフィック
インフォグラフィックを利用すると、容易にトラフィックを増やすことが出来る。Mashable等のブログで、この手法は抜群の効果を発揮していた。また、KISSmetricsでも急激なトラフィックの増加をもたらしていた。
47点のインフォグラフィックから、2年間で、2,512,596回の訪問、そして、3741サイトからの41,142本の被リンクを獲得した。
2010年8月のトラフィックを報告するページのスクリーンショットに目を通してもらいたい:
次に2010年9月のトラフィックを確認してもらいたい:
インフォグラフィックのおかげで、訪問数が5万6,380から、14万6,197に増えていた。この戦略は、とても効果が高かったため、毎週インフォグラフィックを作って、トラフィックの底上げを行った。現在、インフォグラフィックを配信していなくても、過去の作品から、月に5万回の訪問が寄せられる。
この戦略を真似したいなら、このブログの記事にある手順に従うと良い。人気の高いインフォグラフィックを作成する上で必要な知識を全て得ることが出来るはずだ。
人と検索エンジンを考慮してタイトルを作る
私の3つのブログは、検索エンジンから多くのトラフィックを獲得している。理由が知りたい方も多いのではないだろうか?勝因は、人と検索エンジンの双方にとって、魅力的なタイトルを作ったことだ。
まずは、Crazy Eggブログを見てもらいたい。先月、検索エンジンから12万7,373回の訪問を獲得した。これは、グーグルと人のためにタイトルを作った結果である。
この戦略では、短期においては、あまり大きなトラフィックを得られるわけではないものの、半年以内に、検索エンジンのトラフィックが増えていくようになる。この時点から、四半期ごとに継続してトラフィックが増加する。
トレンドになっているトピックを取り上げる
最も多くのトラフィックが寄せられるのは、当該の分野のメジャーな出来事を取り上げた日であった。
例えば、Quick Sproutでは、パンダやペンギン等のグーグルのアップデートを取り上げると、トラフィックが急激に増加していた。ハミングバードをKISSmetricsで取り上げた日でも、同じような現象が起きていた。
アップルのマーケティングを同社のイベントの前後にブログで取り上げた際も、やはり、トラフィックが急激に増加していた。
このタイプのトラフィックの良いところは、イベントが終わった後、急激に増加する以前のトラフィックよりも、若干トラフィックが増えている点である。
トレンドになっているトピックを取り上げたいなら、グーグルトレンドを使って、ホットなトピックを特定すると良いだろう。ただし、何でも取り上げれば良いわけではない。自分の分野と関連していることが大前提である。グーグルトレンドで、少し検索を行えば、検索量の増えているトピックと減っているトピックを把握することが出来る。
会話のようなトーンで記事を綴る
Quick Sproutでは、1本の記事に176本のコメントが寄せられていることをご存知だろうか?砕けたトーンで記事を作成していることが、その理由だ。
「トップコメント投稿者」等のテクニックを使えば、コメント数を増やすことは可能だが、ブログの記事を小論文ではなく、会話のように綴ることで、自然により多くの読者からコメントが寄せられるようになる。
また、次の手法を使って、同じような効果をブログにもたらすことが可能である:
- コンテンツで「皆さん」と「私」を利用する。
- ブログの記事全体で、質問を投げ掛ける。
- 誰でも理解することが可能なコンテンツを作る…要するに、5年生に伝えるつもりで書く。
- 段落を短く保ち、余計な情報は省略する。
コメントは読者の忠誠心を高める上で心強い味方となる。ブログで頻繁にコメントを投稿している読者は、コンテンツを読んでいる何よりの証拠であり、ソーシャルウェブでシェアしてもらえる可能性は高い。
一人ではなく、複数のライターが記事を投稿している場合、コメントとエンゲージメント(参加を介した交流)は減る。読者が、一人のライターとつながりを形成する機会が少なくなるためだ。 Crazy EggとKISSmetricsを見れば一目瞭然だ。この2つのブログは、複数のライターを抱えており、その多くは、会話のようなトーンを用いていない。その結果、Quick Sproutと比べて、遥かにコメントの本数が少ない。
私の友達のブログ(私のブログのデザインを模倣している…お望みなら皆さんも真似して頂いて結構)は、月間の訪問数は2000回のみだが、一部の記事は13本のコメントを獲得している。これは、会話のように記事を綴っているためだ。
フェイスブックのコメントを使って、エンゲージメントとソーシャルトラフィックを増やそうとしているなら、考え直すべきだ。私が担当した人気の高いブログは、フェイスブックよりも、グーグルから多くのトラフィックを得ていた。フェイスブックのコメントのテキストはインデックスしてもらえないため、検索トラフィックは少なくなる。
提案とオプトインでeメールアドレスを集める
私が作ったブログには、ある共通する傾向が見られる…eメールが、大きなトラフィックの源になっている点だ。
11月、eメールは、Quick Sproutでは、トラフィック全体の18%、KISSmetricsでは6%、そして、Crazy Eggでは4%を占めていた。
割合としては少なく思えるかもしれないが、それには妥当な理由が2つある:
- 3つのブログは大量のトラフィックを獲得しており、ビジターの人数においては、数%であっても、大きな違いをもたらす。
- Quick Sproutを除く2つのブログでは、eメールの収集に失敗している。KISSmetricsとCrazyをQuick Sprout並に最適化していたら、大幅にeメール経由のトラフィックの割合は増えていたはずだ。
ブログでより多くのeメールアドレスを集めたいなら、この記事で描かれている2つのステップに従うと良い。この記事には、必要な知識が全て掲載されている。また、単純にWP Lead Magnetプラグインをダウンロードする手もある。これは、Quick Sproutで私が使った戦略であり、素晴らしい成果を上げた。
eメールリストを入手したら、新しい記事を投稿する度に、ブラストを送信するべきである。なぜなら、トラフィックを増やし、より多くのコメントを集め、そして、何よりも、ソーシャルシェアを生み出すからだ。事実、eメールの購読者は、ブログの通常のビジターよりも、コンテンツをシェアする可能性が3.9倍高い。
コンテンツマーケティングは必ずしも運任せのゲームではない
ブログの最も重要な要素はタイトルである。どれだけ内容が素晴らしくても、タイトルが三流なら、記事を読んでくれる人は少なくなる。
大方、コンテンツマーケティングは、– 大勢の人達に読んでもらえるか、誰にも相手にされないかの — イチかバチかの賭けである…と考えられているが、必ずしも運任せにする必要はない。
Social Crawlytics等のツールを使って、競合するブログで人気を集めているコンテンツのタイプを把握することが出来る。例えば、マーケティングに関するブログを運営しており、Quick Sproutで人気の高いコンテンツを確認したいなら、www.quicksprout.comと入力すれば、次のような表が表示される:
続いて、ソーシャルサイト、または、合計でソートすることが出来る。事実上、人気の高いブログの記事とタイトルが全て表示されるはずだ。トップ 5の記事を見ると、advanced guide to seo、content marketing、growth hackingが入っていることが分かる。 つまり、高度なガイドを作成し、マーケティング関連のトピックに対して、私と同じようなタイトルを使えば、多くのトラフィックを得ることが出来る。
結果を出すトピックとタイトルを探し出す作業に加え、この記事で紹介した公式を使えば、魅力的なタイトルを作り出すことが出来るだろう。この記事では、意見を使って、切迫感を醸し出す方法、または、タイトル内で好奇心を喚起する方法を伝授している。
ソーシャルメディアのプロフィールを構築する
また、私が運営している3つのブログからは、ソーシャルメディアサイトからも多くのトラフィックを獲得している特徴が見られる。過去30日間のデータを紹介していく:
- KISSmetricsは、ソーシャルサイトから3万6,862回の訪問を受けた。
- Crazy Eggは、ソーシャルサイトから5,976回の訪問を受けた。
- Quick Sproutは、ソーシャルサイトから2万5,350回の訪問を受けた。
どのようにして、このような成果を実現したのだろうか?ソーシャルプロフィールを構築しているためだ。以下の戦略に従えば、同じようにソーシャルプロフィールを作ることが可能だ:
ソーシャルプロフィールを構築する際は、忍耐力が必要になる。通常、ソーシャルメディアからブログへ一貫してトラフィックが寄せられるまでには、6ヶ月間を要する。
メジャーなソーシャルメディアサイトに力を入れるだけでなく、当該の分野の小規模なソーシャルメディアを活用することも検討してもらいたい。例えば、InboundとGrowth Hackersは、マーケティング分野に特化したソーシャルメディアである。平均で、InboundとGrowth Hackersは、私のサイトにそれぞれ、400回、1700回の訪問を導いている。莫大な数ではないものの、確実にトラフィックを増やしてくれている。
提携
Crazy Eggブログを立ち上げてから数ヶ月以内に、月間の訪問数は3万回を突破していた。その方法を伝授しよう。
SEOでも、ソーシャルメディアでもない。提携を介して、この功績を実現したのだ。私が最初に提携先として選んだのはSmashing Magazineであった。なぜなら、Crazy Eggは、同サイトのRSSフィードに組み込まれており、1ヶ月間に22181回の訪問を獲得していた。
この提携にかかったコストは$0であった。Smashing Magazineのネットワークに含まれている点を示すバッジをブログに掲載しただけだ。
私が参加したネットワークは、Smashing Magazineだけではない。それ以前に、9rulesのネットワークに参加したこともある。様々なブログネットワークが存在する。自分のブログが該当する業界のネットワークを探せばよい。
ただし、ブログネットワークだけで、満足するべきではない。自分のブログにトラフィックをもたらすことを交換条件に、コンテンツを別のブログとシェアする手もある。Business Insiderは、この記事等、Quick Sproutの記事を配信している。Business Insiderに対して、記事の中で私のブログに向かうリンクを掲載して欲しいと頼むと、快く受け入れてもらえた。
Business Insider等の人気の高いブログは、コンテンツを探している。求めているコンテンツを提供すれば、サイトにリンクを張り、大勢のビジターを送り込むことに反対するはずはない。
提携を結ぶには、同業界の人気の高いブログに継続的に接触する以外、他に手はない。大半のブログはコンテンツを受け入れてくれない、もしくは、ネットワークに参加させてくれないだろう。しかし、10サイトのブログにコンタクトを取れば、少なくともそのうちの1つは、「OK」と答えるはずだ。
まとめ
Quick Sproutを、10万回/月間訪問に到達させるまでには、数年間を要した。しかし、もっと短い期間で同じ結果を出すことは出来る。 Quick Sproutを始めた頃、フェイスブックやツイッターは、今ほど人気が高くなかった。
また、当時と比べると、現在では、活用することが可能なサイトや提携の機会は多く、以前よりも、良質なブログの記事を求めている人達もまた多い。
是非、試してみてもらいたい。上述した手順を踏めば、すぐに10万回/月間訪問数を突破することが出来るかもしれない。
その他に、同じ偉業を達成する上で貢献した戦略をご存知なら、コメント欄で発表してもらいたい。
この記事は、Quick Sproutに掲載された「How to Grow Your Blog to 100,000 Visits a Month Within 1.5 Years」を翻訳した内容です。
リアルな数字を元に具体的なアドバイスを丁寧に解説してくれた記事でした。私もブログ運営者としてどれも納得の内容です。この10万件という数字、特定業界やB2B向けにターゲティングされたブログとしては日米共にそれなりの数字なのではと思います。ちなみにSEO Japan、元々のサイト開設は2002年ですが、2011年に更新を再開してから10万到達までは半年程度でした。とはいえそこからユーザー数はさほど伸びず、月間の訪問者数は10万~15万を行き来する感じです。 — SEO Japan [
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