企業のクラウドへのデプロイをインフラストラクチャ・アズ・コードでサポートするEnv0

企業がコードをより速く提供するためには、コードを提供するために使用されているクラウドリソースを何らかの形でコントロールし、管理するためのツールが必要となる。Env0は、そのような企業を支援するスタートアップで、米国時間6月24日、1700万ドル(約18億9000万円)のシリーズAを発表した。

MicrosoftのベンチャーファンドであるM12がこのラウンドを仕切り、これに、以前の投資家であるBoldstart VenturesとGrove Ventures、そしてCrescendo Venturesが参加した。TechCrunchが報じたように、同社は2020年4月のシードラウンドで330万ドル(約3億7000万円)を調達し、その後夏には、事前の発表のなかった350万ドル(約3億9000万円)の追加投資を獲得した。今回のラウンドで、同社の総調達額は2380万ドル(約26億4000万円)になる。

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同社のサービスは、企業がクラウドのコストをコントロールすると同時に、開発者がコストを制限しながらクラウドにデプロイする能力を提供する。また、開発サイクルを経てデプロイに至るまでのコードに対して、一定のガバナンスを提供する。

2020年4月の同社のシードラウンドのときは、同社のプロダクトはベータに入ったばかりだったが、現在はすでに一般公開から4カ月経ち、同社共同創業者でCEOのOhad Maislish(オハッド・マイスリッシュ)氏によると機能も大幅に増えている。

「前回お話したときは、手動によるセルフサービスと、非本番環境の開発者の能力向上に焦点を当てていました。現在では、Infrastructure as Codeによる自動化、チームとガバナンスにより、基本的にユーザーのためにすべてのクラウド展開を管理しています」とマイスリッシュ氏は説明する。

2021年にプロダクトの一般販売を開始して以来、同社には数十社の有料顧客がおり、収益を上げているという。顧客にはJFrog、Varonis、BigIDなどが含まれている。

従業員数は2020年4月の7名から17名に増えたが、新たに得た資金でいろいろなことを行うようになると、今後1年半以内には50名に増えるだろう、という。マイスリッシュ氏によると、ダイバーシティに十分配慮することで、会社の成長といろいろな角度から問題を解決していくことが可能になるとのこと。「文化や育ちがさまざまに異なる人びとがいることで、多角的な考え方ができるようになる」。

現在、本社はイスラエルだが、米国にオフィスを開く計画がある。マイスリッシュ氏によると、カリフォルニアへ移る計画はパンデミックで保留になったが、秋にはサニーベールにオフィスを開きたいとのことだ。

イスラエルのオフィスは現在、出勤が最低2日、在宅が3日以上で、その具体的な組み合わせは社員の自由だ。彼の計画では、彼自身の米国での生活が落ち着いたら、米国のオフィスで新たに雇用し、また全体として、在宅の方が合理的と考えられる仕事はリモートで行ってもらう予定になっている。

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タグ:Env 0資金調達イスラエル

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

クラウドによるクラウドのためのサイバー攻撃発生を前提としたインシデントレスポンス「Mitiga」

従来のインシデントレスポンス市場を「完全に変える」ことを目指すイスラエルのクラウドセキュリティ企業Mitigaは現地時間6月23日、シリーズAラウンドで2500万ドル(約27億7000万円)の資金を調達したと発表した。

Mitigaはサイバーセキュリティ分野の他の企業とは異なり、サイバー攻撃を防ぐことを目的としておらず、それらはどんなに対策を講じても避けられないものだと主張している。同社はむしろ、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境への移行時に、企業がインシデントレスポンスを管理できるように支援することを目指している。

2020年7月にシード資金として700万ドル(約7億8000万円)を調達したアーリーステージのスタートアップである同社は、インシデントに対する即応性とレスポンスのための技術スタックにより、インシデント発生後のリカバリーを数日から数時間に短縮できるとしている。Mitigaのサブスクリプションベースのサービスは、ネットワークが侵害されたことを自動的に検知し、迅速に調査を行い、ケースデータを収集して、組織内のすべての関連部門が迅速かつ効率的に対応できるように、修復ステップに変換する。また、Mitigaは各事象を文書化し、組織が今後の攻撃を防ぐために原因を修正することを可能にする。

MitigaのシリーズAラウンドは、ClearSky Security、Atlantic Bridge、およびDNXが主導した。TechCrunchに対し同社は、今回の資金を「インシデントに対する即応性と対応のあり方を変革し続ける」ために使用する他、サイバーセキュリティ、エンジニアリング、セールス、マーケティングのスタッフを「大幅に」増強すると述べている。

同社は、今回の資金調達はインシデントへの即応性と対応に関して、企業組織の「意識の変化」が起こっている中で実施されたと付け加えた。パンデミックの影響でクラウドの導入が加速し、2021年だけでクラウドサービスへの支出は3320億ドル(約36兆8400億円)を超えると予測されている。McAfee(マカフィー)によると、クラウドサービスへのサイバー攻撃は、2020年の最初の4カ月間で630%増加した。

Mitigaの共同創業者兼CEOであるTal Mozes(タル・モゼス)氏はこう語った。「クラウドは、インシデントに対する即応性とレスポンスに新たな課題をもたらします。当社は、業界初のインシデント対応ソリューションを、クラウドのために、クラウドで提供します」。

「今回の資金調達により、リアルタイムでインシデントからの復旧を目指す企業のセキュリティ責任者との連携を強化し、業界で最も革新的なサイバーセキュリティの人材をさらに集め、パートナーネットワークを拡大することができます。サイバーセキュリティにおける即応性とレスポンスの重要性を理解しているクラウドファーストの組織のために、Mitigaが何を成し遂げられるか、この上ないほど胸を躍らせています」とも。

Mitigaは、モゼス氏、Ariel Parnes(アリエル・パーネス)氏、Ofer Maor(オフェル・マール)氏によって2019年に設立され、テルアビブで活動する42名のチームに加え、ロンドンとニューヨークにもオフィスを構えている。金融サービス機関、銀行、eコマース、法執行機関、政府機関など、複数の分野で顧客を抱える。Mitigaはサブスクリプション契約を結んでいない顧客に対しても、ランサムウェアやデータ漏洩などのアクティブなネットワークセキュリティインシデントに対する緊急対応を提供している。

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デジタルギフトカードや航空券、ゲームなどのオンライン取引での詐欺を防ぐイスラエルのnSure AI

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タグ:Mitiga資金調達サイバー攻撃イスラエル

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

デジタルギフトカードや航空券、ゲームなどのオンライン取引での詐欺を防ぐイスラエルのnSure AI

詐欺防止プラットフォームを手がけるスタートアップ企業のnSure AI(エヌシュアAI)は、DisruptiveAI(ディスラプティブAI)、Phoenix Insurance(フェニックス・インシュアランス)、AXA(アクサ)が支援するベンチャービルダーのKamet(カメット)、Moneta Seeds(モネタ・シーズ)、および複数の個人投資家から、シード資金として680万ドル(約7億5000万円)を調達した。

今回の投資ラウンドで得た資金は、nSure AIによる「世界初」の詐欺防止プラットフォームを支える予測型AIと機械学習アルゴリズムを強化するために使われる予定だ。このラウンドに先立ち、同社は2019年3月にKametからプレシード資金として55万ドル(約6000万円)を調達している。

テルアビブに本社を置くこのスタートアップは、現在16名の従業員を擁し、デジタルギフトカード、航空券、ソフトウェア、ゲームなど、リスクの高いデジタル商品を販売する小売業者に不正検知機能を提供している。ほとんどの不正検知ツールは、それぞれのオンライン取引ごとに分析を行い、どの購入を承認してどの購入を拒否するかを決定しようとするが、nSure AIのリスクエンジンは、深層学習技術を活用し、不正取引を正確に特定する。

保険会社のAXAが支援するnSure AIは、購入時の平均承認率が98%と、業界平均の80%に比べてかなり高いため、小売業者はこれまで正当な顧客を減少させることで失われていた年間1000億ドル(約11兆円)近い収益を取り戻すことができると述べている。同社は自社の技術に自信を持っており、そのプラットフォームで承認されてしまった不正取引については、すべて責任を負うとしている。

nSure AIの創業者であるAlex Zeltcer(アレックス・ゼルサー)氏とZiv Isaiah(ジブ・アイザイア)氏は、デジタル資産の小売業者が直面する独特の問題を経験した後、同社を起ち上げた。彼らのオンラインギフトカード事業は、最初の週に売上の40%が不正取引で、チャージバックが発生することが判明した。しかし、他の不正検知サービスではニーズを満たすものがなかったため、創業者たちはリスクの高いデジタル商品の販売をサポートする独自のプラットフォームの開発に着手した。

同社の共同創業者で最高経営責任者を務めるゼルサー氏は、今回の資金調達によって「詐欺を事業に不可避​なものとして受け入れることなく、よりリスクの高いデジタル商品を安心して販売できる数千の新規加盟店を登録することができる」と述べている。

現在、毎月数百万件の取引を監視・管理しているnSure AIは、2019年に稼働して以来、総額10億ドル(約1100億円)近い取引を承認してきた。

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(文:Carly Page、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

飛行機や自動車などでユーザーの認知状態を識別し致命的なヒューマンエラーを予見・回避するCorrActions

センサーデータを用いて、眠気やアルコール、疲労などに影響されるユーザーの認知状態を査定する非侵襲的神経科学のスタートアップ「CorrActions」は、イスラエル時間5月27日、シードラウンドで270万ドル(約3億円)を調達したと発表した。アーリーステージファンドのVentureIsrael、シードファンドのOperator Partners、政府系ファンドのIsraeli Innovation Authority(IIA、イスラエル・イノベーション・オーソリティ)が、OurCrowdのインキュベーターLabs/02を拠点とする同社を支援している。

CorrActionsのアイデアは、戦闘機のコックピットや自動車など人間が機械と相互作用する、そしてユーザーの認知状態を知ることで致命的なエラーを防ぐことができる場所にタッチセンサーを使用するというもの。同社は、独自アルゴリズムによりユーザーの認知状態を識別し「体動監視により無意識の脳信号を解読する」ことで、エラーが発生する150ミリ秒前にエラーを検出できると約束している。このシステムは、基本的にどこに実装するかに依存しない汎用的なプラットフォームであるため、ほとんどの場合ユースケースを問わない。

「CorrActionsは、スマートウォッチやスマートフォン、さらにはステアリングホイールやジョイスティックなど、ほぼすべての電子機器にすでに搭載されているセンサーを使い、ユーザーの筋肉活動の微小な変化を分析することで、その瞬間の認知状態を読み取ることができる世界初のシステムです」と、同社の共同創業者でCSOのEldad Hochman(エルダド・ホフマン)氏は説明する。「ユーザーが2分間電子機器に触れるだけで、認知状態を正確に数値化し、故障や事故につながる急激な悪化を予測することもできます。そのような事態が起こる数秒前に予見できるのです。つまり疲労、酔い度、疲弊、集中力の欠如などのレベルを任意の瞬間に数値化できるということです」。

もちろん、最近の自動車の多くには覚醒度をモニターするセンサーが搭載されている。CorrActionsがすでに自動車業界の数社と共同で実証実験を行っているのも不思議ではない。さらに防衛産業ともプロジェクトを進めており、同社のシステムがパイロットのパフォーマンスを評価できることを示している。ホフマン氏は同社のアルゴリズムによって、スポーツ選手や高齢者が怪我や転倒の危険にさらされているときに警告を発することができるかもしれないとも考えている。

同社は今回の資金調達により、アルゴリズムのさらなる開発と、特に自動車業界における現在の導入パートナーのサポートを行っていくという。

CorrActionsの共同創業者兼CEOであるZvi Ginosar(ズヴィ・ジノサール)氏はこう述べている。「当社は、基本的な操作ミスを防ぐことで企業の工数やコストを削減できる可能性を秘めた技術を開発し、すでに大きな成果を上げています。さらに、当社のプラットフォームを応用することで、人命を救い、何千もの事故やミスを防ぐことができます。今後数カ月のうちに、さらに画期的な成果や実証実験を報告できるようにしたいと考えており、今回の資金調達はこの目標達成に大きく貢献するものです」。

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材料研究を効率化するプラットフォーム開発するのイスラエルMaterials Zoneが約6.5億円を調達

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タグ:CorrActions資金調達イスラエルヒューマンエラー

画像クレジット:anand purohit / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

材料研究を効率化するプラットフォーム開発するのイスラエルMaterials Zoneが約6.5億円を調達

テルアビブに拠点を置くスタートアップ企業で、AIを活用して材料研究の高速化を図るMaterials Zone(マテリアル・ゾーン)は、シードラウンドで600万ドル(約6億5000万円)の資金を調達したと、米国時間4月27日に発表した。この投資ラウンドはInsight Partners(インサイト・パートナーズ)が主導し、クラウドファンディングの「OurCrowd(アワークラウド)」も参加した。

Materials Zoneのプラットフォームはさまざまなツールで構成されているが、その中核となるのは、科学機器や製造施設、実験装置、外部データベース、発表された論文、Excelシートなどからデータを取り込み、それを解析して標準化するデータベースだ。このデータベースは必要に応じて可視化することができ、研究者にとってはこれがあるだけで恩恵になると、同社は主張する。

画像クレジット:Materials Zone

「新しい技術や物理的な製品を開発するためには、まずその製品を構成する材料やその特性を理解する必要があります」と、Materials Zoneの創設者でCEOを務めるDr. Assaf Anderson(アサフ・アンダーソン博士)はいう。「ゆえに、材料の科学を理解することがイノベーションの原動力となります。しかし、材料の研究開発や生産の背景にあるデータは、慣習的に管理が不十分で、構造化されておらず十分に活用されていませんでした。そのため実験が重複したり、過去の経験を生かすことができなかったり、効果的な共同作業ができなかったりして、莫大な費用と手間が無駄になっていました」。

画像クレジット:Materials Zone

アンダーソン博士は、Materials Zoneを設立する以前、バル=イラン大学のナノテクノロジー・先端材料研究所に在籍し、コンビナトリアルマテリアル実験室の責任者を務めていた。

Materials Zoneの創設者でCEOであるアサフ・アンダーソン博士(画像クレジット:Materials Zone)

「私は材料科学者の1人として、研究開発の課題を身をもって経験しているため、研究開発がどのように改善できるかということを理解しています」と、アンダーソン博士はいう。「私たちは長年の経験を元に当社のプラットフォームを開発し、革新的なAI(人工知能)/ML(機械学習)技術を活用して、これらの問題に対する独自のソリューションを生み出しました」。

例えば、新しい太陽光発電用の透明なウィンドウを開発するためには、適切なコア材料とそのパラメータを見つけるために何千回もの実験が必要になる。Materials Zoneは、このようなデータをすべて集約して標準化し、それを扱うためのデータおよびワークフロー管理ツールを提供することで、このプロセスをより速く、より安価に行えるようにすると、アンダーソン博士は説明する。その一方で、同社の分析・機械学習ツールは、研究者がこのデータを解釈するための支援をする。

 

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タグ:Materials Zone資金調達人工知能 / AI機械学習データベースイスラエル材料

画像クレジット:SEBASTIAN KAULITZKI/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

パブリッシャーのコンテンツ推奨収入を最大化を支援するイスラエルのWhizzCo

イスラエルのスタートアップWhizzCoは、OutbrainやTaboolaのようなコンテンツ・レコメンデーション・ウィジェットの広告について、パブリッシャーはプログラムによるオークション方式を採用すべきだと述べている。

結局のところパブリッシャーは、他のデジタル広告ユニットのほとんどにこのアプローチを採用している。しかし共同創業者でCEOのAlon Rosenthal(アロン・ローゼンタール)氏は、自分のウェブサイトを収益化しようとしたとき、それらのウィジェットからの収益を最大化することは「不可能」だと気づいたと語っている。

「それが私たちの本当の苦痛でした」と彼は述べている。

そこでローゼンタール氏と彼のチームはWhizzCoと共同でContent Recommendation Yield Platformと呼ばれるシステムを開発した。これは40以上の異なるコンテンツ・レコメンデーション・プロバイダーからネイティブ広告を抽出し、どのインプレッション(CPM、CPC、CPAのいずれであっても)が最も高い収益をもたらすかを予測し、そのプロバイダーから広告を配信するというものだ。

さらにローゼンタール氏は、WhizzCoがパブリッシャーと協力してレコメンデーションウィジェットと広告がページのネイティブ部分のように見えるようにし、広告がどこから配信されたのかにかかわらず外観が変わらないようにしていると付け加えた。同氏によると、パブリッシャーはWhizzCoのJavaScriptを「ヘッダーではなく、サイトの実際のコードに実装することで、ロード時の問題がすべて解消できます」と述べている。

WhizzCoは2017年に設立され、すでにPenske Media CorporationのShe Mediaをはじめとする多くのパブリッシャーと仕事をしている。She Mediaのオペレーション担当シニアバイスプレジデントであるRyan Nathanson(ライアン・ネイサンソン)氏は声明で「WhizzCoのプラットフォームにより、競争力のあるエコシステムを構築することができ、よりタイトなカスタマイズ、競争、編集ガイドライン管理が可能になり、コンテンツレコメンデーションのCPMが75%増加しました」と述べた。

さらにローゼンタール氏によると、WhizzCoの顧客は平均してコンテンツレコメンデーション収益が37.7%増加しているという。

「私たちのモットーは、100%のパフォーマンスを100%の時間で提供できる人はいないということです」とローゼンタール氏は語った。「たとえGoogle(グーグル)やその他の大手広告会社でであろうと、常に最高のパフォーマンスを発揮することはできません。そこで、私たちの技術が必要となるのです」。

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画像クレジット:Feodora Chiosea / Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:塚本直樹 / Twitter

貨物船にコンピュータービジョンを後付けして衝突事故を防ぐOrca AIがシリーズAで約14億円調達

テルアビブのOrca AIは、貨物船に後付け搭載して航行や衝突回避を改善できるコンピュータービジョンのスタートアップだ。同社はこのたびシリーズAラウンドで1300万ドル(約14億円)の資金を調達し、調達総額を1550万ドル(約16億7500万円)以上に引き上げた。ほとんどの貨物船には防犯カメラが搭載されているが、コンピュータービジョンカメラは珍しい存在だ。Orca AIは同社のソリューションによって、すでに海上にいる船舶に自律的な誘導方法を導入できると期待している。

海難事故は年間4000件以上発生しており、その主な原因はヒューマンエラーだ。同社によると、新型コロナウイルスのパンデミックにより定期的な乗組員の交代が難しくなっているため、この状況は悪化しているという。最近のスエズ運河での事故は、この業界がいかに重要であるかを浮き彫りにした。

今回の資金調達はOCV Partnersが主導し、同社プリンシパルのZohar Loshitzer(ゾハール・ロシッツァー)氏がOrca AIの取締役に就任した。Mizmaa VenturesとPlayfair Capitalも本ラウンドに参加した。

この会社は、海軍技術のエキスパートであるYarden Gross(ヤルデン・グロス)氏とDor Raviv(ドル・ラヴィヴ)氏によって設立された。後者は、元イスラエル海軍のコンピュータービジョンの専門家だ。同社の顧客には、Kirby、Ray Car Carriers、NYKなどがある。

Orca AIのAIベースのナビゲーションと船舶追跡システムは、ビジョンセンサー、赤外線カメラ、サーマル・低照度カメラに加え、環境を見て危険な状況を乗組員に知らせるアルゴリズムを使い、航行が困難な状況や混雑した水路で船舶をサポートする。

今回の発表にあたり、共同創業者兼CEOのグロス氏は次のように述べた。「海運業界は、技術革新の面で航空産業に比べまだ大きく遅れています。船舶は、ますます混雑する水路、悪天候、視界の悪い状況に対処し、しばしば高価な貨物を積んで困難な航海を強いられています。当社のソリューションは、世界中のあらゆる船舶にユニークな洞察力とデータを提供し、将来的にこのような困難な状況や衝突を減らすのに役立ちます」。

OCVのプリンシパルであるロシッツァー氏はこう述べた。「商業海運は歴史的に規制が厳しく、伝統的な産業でした。しかし現在では、安全性と効率性を高めるための技術的なソリューションの導入に前向きな変化が見られるようになりました」。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Orca AIコンピュータービジョン資金調達イスラエル海運業

画像クレジット:Orca AI

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

AIにシンプルな可観測性を持たせるイスラエルのAporiaがシード資金5.5億円調達

機械学習のモデルは、与えるデータの量や質で良し悪しが決まる。特に訓練のときにそういえるが、モデルはプロダクションの質も左右する。現実の世界では、新たな事象が起きるたびにデータそのものが変わり、データベースやAPIの報告やデータ保存の小さな変化でも、モデルの反応に影響することがある。そんなときMLのモデルは平然と間違った予測を与え、エラーを投げないため、そういうシステムではデータのパイプラインを監視することが絶対に欠かせない。

そしてそこに、Aporiaのようなツールが登場する。テルアビブに本社のある同社は米国時間4月6日、同社のMLモデル監視プラットフォームに500万ドル(約5億5000万円)のシード資金を調達したことを発表した。投資家はVertex VenturesとTLV Partnersだ。

画像クレジット:Aporia

Aporiaの共同創業者でCEOのLiran Hason(リラン・ヘイソン)氏は、イスラエル国防軍に5年間在籍し、その後はずっとAdallomのデータサイエンスチームにいた。セキュリティ企業の同社を、2015年にMicrosoftが買収した。買収の後、彼はベンチャー企業Vertex Venturesに入り、2019年にAporiaを始めるまでそこにいた。しかし今、Aporiaが解決しようとしている問題に彼が初めて出会ったのは、Adallomにいたときだ。

Adallomでの経験に関して「私は機械学習のモデルのプロダクションアーキテクチャを担当していました。だから、モデルをプロダクションに持ち込んだときに起きるありとあらゆるサプライズを初めて体験したのは、そこででした」とヘイソン氏は語る。

ヘイソン氏の説明によると、Aporiaの目標はエンタープライズによる機械学習モデルの実装を容易にし、AIの力を責任あるやり方で利用することだという。

「AIはとても強力な技術だが、従来のソフトウェアと違いデータへの依存が極めて大きい。AIのもう1つのユニークなところは、とてもおもしろいことだが、失敗するときに黙って失敗することだ。例外もエラーも何も出ない。だからAIは実に厄介であり、特に一旦プロダクションに入れば、モデルの訓練時のようなデータサイエンティストによる完全なコントロールがないため、なおさら厄介です」とヘイソン氏は語る。

しかもヘイソン氏によると、プロダクションシステムはサードパーティーのベンダーからのデータに依存しているかもしれないし、そのベンダーがある日、誰にもいわずにデータのスキーマを変えるかもしれない。そうなると、モデルの信頼性は完全に壊れる。銀行の顧客のローンが債務不履行になるという予測もできなくなり、数週間か数カ月後に実際に不履行になってから気づくことになる。

Aporiaは絶えず、入ってくるデータの統計的特性を調べ、それが訓練セットからあまりにも乖離してきたらユーザーに警報する。

そしてAporiaがユニークなのは、ユーザーにほとんどIFTTTやZapier的なグラフィカルなツールを提供して、モニター(監視系)のロジックをセットアップさせることだ。納品時にはモニターの50ほどの組み合わせであらかじめ構成されており、それらの楽屋裏での仕事ぶりを完全に可視化する。また企業はこれらのモニターの振る舞いを、特定のビジネスケースやモデルに合わせて微調整できる。

最初チームは、ジェネリックなモニタリングソリューションを構築できると考えていた。しかしチームが悟ったのは、そんなものを目指したら非常に複雑な仕事になるだけでなく、これからモデルを構築するデータサイエンティストが、モデルの仕事の仕方と必要事項をモニタリングのソリューションから正確に知らなければならない。

TLV Partnersの創立パートナーであるRona Segev(ロナ・セゲフ)氏は、「プロダクション(本番時)のワークロードのモニタリングは、ソフトウェア工学の実践としてすでに確立しており、機械学習を同じレベルでモニタリングすることもかなり前に確立しています。Aporiaのチームには強力なプロダクションエンジニアリングの経験があり、そのために彼らのソリューションはシンプルで安全で堅牢なものとして傑出しています」と語る。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Aporia機械学習イスラエル資金調達

画像クレジット:Aporia

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

死別の悲しみに暮れる家族のためのデジタルアシスタント「Empathy」が14億円調達

死は、人生において絶対に避けられない出来事であると同時に、非常に複雑で厄介な問題でもある。感情的あるいは宗教的な複雑で不安な気持ちに圧倒されるなか、多くの遺族はお金や、対処すべきさまざまな問題にも悩まされる。米国時間4月6日、Empathy(エンパシー)というスタートアップが、そうした課題に正面から取り組み、遺族の心の傷を部分的に肩代わりすることを目指して、ステルスモードから姿を現した。同社は、AIベースのプラットフォームを使い、亡くなった家族に関連して行うべき作業や手続きの取りまとめを行ってくれる(したがって、遺族による大変な事務手続きを間接的に支援できる)。

「遺族は、亡くした家族に関連するさまざまな作業に平均500時間を費やしています」と、Yonatan Bergman(ヨナタン・バーグマン)氏と同社を共同創設したCEOのRon Gura(ロン・グラ)氏は話す。「遺族を励ますためのネイティブアプリのかたちでデジタルコンパニオンを提供します」と同氏は述べ、Empathyを「家族を亡くしたばかりの遺族のためのGPS」だと説明した。

同社はイスラエルのスタートアップなのだが、VCs General CatalystとAlephが共同で主導した投資ラウンドで1300万ドル(約14億円)を調達し、まずは米国市場でローンチする。

米国では、平均して年間約300万人が亡くなっている。この数は、このところの新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で跳ね上がった。遅かれ早かれ誰もが遭遇する、ある意味最も自然で予測のつきやすい問題ではあるが、その準備を整えている人は少ない。その理由は、恐れであったり、宗教上の問題であったり、単にそうした不吉なことは考えたくないという感情によるものであったりする。皮肉なことにこの問題は、自身のためのものであれ、人に代わって提供するものであれ、それに対処すべく構築されたサービスが逆に激しく忌み嫌われるという事実によって、あまり改善されていない。

しかしスタートアップ企業にとってこれは、まさに教科書どおりの好機を意味する。

「数年間、私はこの話に取り憑かれてきました」とグラ氏はいう。同氏はバーマン氏とともにThe Gift Project(ザ・ギフト・プロジェクト)で働いていたが、この会社があるソーシャルギフトのスタートアップに買収された後は、イスラエルのeBay(イーベイ)に移った。「死は、イノベーションがまだ及んでいない最後の消費者セクターです。その原因は、技術的な問題でも、規制による障壁の問題でもありません。それは、私たちに内在する楽観主義と、死や死ぬことという避けられない事実を語りたがらない人類の本質によるものと思われます。そのため、今日では多くのセクターが取り組んでいるトランスフォーメーションに取り残された、暗黙のセクターでもあるのです」。

さらに、死は人々の心を大きく挫くため、それを商売とする企業は嫌われるという理由もあると私は推測する。

そこに手を貸そうというのがEmpathyのアプローチだ。そうした考え方の周囲に、できる限り透明なビジネスを構築しようとしている。同社は、最初の30日間は無料でサービスを提供する。それ以降は65ドル(約7100円)の料金を1度払えばずっと使えるようになる。5カ月、5年(もっと長くても)と長期に利用しても料金が上がることはない。

個人的な事情に関する詳細事項をいくつか書き込むと、人の死去にともなうさまざまな手続きや作業をステップ・バイ・ステップでガイドしてくれる。

これには、人々への告知の方法(および告知)、葬儀やその他の儀式の手配、必要な書類の入手、遺書の対応、故人の身元の保証、遺品整理、遺言検認の手配、福祉手当や銀行口座や請求書やその他の資産や税金に関連する決済、また必要ならば遺族のカウンセリングの手配など、まず早急にやらなければならないことも含まれる。多くの人は、気持ちが動転しているばかりでなく、このような手続きを行った経験を持たないため、すでに感情の位置エネルギーによるローラーコースターに乗っている人間がこれだけのことを熟すには、非現実的なカーブを描く学習曲線に立ち向かわなければならない。

Empathyの考え方は、一部にはユーザー自身で対処しなければならないものもあるが、プラットフォームが「デジタルアシスタント」の役割を果たして、次にするべきことを促し、それを乗り切るためのガイダンスを提供するというものだ。他の業者を紹介したり、他のサービスを宣伝したりすることはなく、今後そうする予定もない。プラットフォームにもたらされる個人データは、やるべきことを済ませるための作業の外では、一切使われないとグラ氏は話している。

Empathyは、この分野に興味を持ち、この分野に挑戦して少しずつ成長を見せているスタートアップの一団の中では、先発ではなく後発となる。同社の他には、自分で遺書を書きたい人を支援する英国のFarewill(フェアウィル)、死とその準備に関する話し合いを促すLantern(ランタン)、遺産計画のスタートアップTrust & Will(トラスト・アンド・ウィル)などがある。競争は起きるだろうが、少なくとも現段階では、これらのテクノロジーが、人生で最も難しいこの分野で役に立つことを示すものとなるだろう。

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「終末期業界は、他のあらゆる業界ではすでに起きているデジタルトランスフォーメーションが、未だに手をつけていない大きなセクターです」と、General Catalystの共同創設者で業務執行取締役のJoel Cutler(ジョエル・カトラー)氏は声明で述べている。「Empathyは、死別にともなう悲しみと複雑な事務処理の両面に対処する点がユニークです。このテクノロジーとエクスペリエンスは、すべての家族に恩恵をもたらすと私たちは確信します」。

「Empathyのスタッフは、消費者向けソフトウェアでの幅広い経験を駆使して、死にともなう膨大な負荷の対処方法を大幅に改善しています」と、Alephのパートナーであり共同創設者のMichael Eisenberg(マイケル・アイゼンバーグ)氏はいう。「悲しみに暮れる遺族に、数々の作業や事務手続きに対処する余裕などありません。金融テクノロジーと同情心を組み合わせることで、Empathyは、思いやりを柱とした近親者のための製品を構築しました」。

長期的には、このプロセスの別の面にもEmpathyで挑戦したいとグラ氏は話す。それは例えば愛する人が亡くなる前に物事を整えておくサービスだ。さらには、同様に事後に膨大な処理作業を残す離婚など、その他の問題にも同氏は目を向けている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Empathy資金調達DXイスラエルお葬式遺言資産管理終活プラットフォーム

画像クレジット:Dilettantiquity Flickr under a CC BY-SA 2.0 icense

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:金井哲夫)

PayPalがイスラエルの暗号通貨セキュリティCurvを買収へ

PayPal(ペイパル)はイスラエル・テルアビブ拠点の仮想通貨スタートアップCurv(カーブ)買収を計画していると発表した。PayPalの正式発表に先立ち、イスラエルの新聞Calcalistがこの動きを報じていている

Curvは、暗号資産を安全に管理するのをサポートする仮想通貨セキュリティ会社だ。あなたがハードウェアデバイスなしに暗号ウォレットにアクセスできるよう、クラウドベースのサービスを提供している。

同社はまた、新しいインターンが承認チェーンといったものなしに暗号資産を引き出せないよう、高度なポリシーを設けられるようにしもしている。同様に、通常の取引はより簡単に行えるようリストを作成することもできる。

この裏でCurvは秘密鍵を管理するためにマルチパーティ計算を使っている。あなたがウォレットを作る時、暗号化された秘密がユーザーのデバイスとCurvのサーバーで作られる。そしてユーザーがトランザクションを開始しようとするとき、複数の秘密鍵を使用して完全な公開鍵と秘密鍵を生成する。

秘密鍵は定期的に変わり、1つの秘密鍵だけでは何もできない。もし誰かが防犯対策がなされていないノートパソコンを盗んだとしても、ハッカーはこのデバイスに保存された情報だけでは暗号資産にアクセスできない。

おわかりのとおり、Curvはエンドユーザー向けの仮想通貨ウォレットではない。同社は両替やブローカー、店頭にサービスを提供している。もしあなたがファンドを運営していて、かなりの量の仮想通貨を購入する計画なら、Curvの利用を検討できるかもしれない。

最後に、デジタル資産を管理し、バランスシートを多様化するソリューションを探している金融機関もまたCurvと協業できそうだ。

CurvのチームはPayPal内の仮想通貨グループに加わるとPayPalは話す。同社は徐々に仮想通貨プロダクトを展開してきた。米国のユーザーが自身のPayPalアカウントから仮想通貨を購入、保持、売却できるよう、Paxosと提携した

関連記事:PayPalが仮想通貨の売買サービスを米国で開始、Paxosと提携

近い将来、PayPalは仮想通貨を使ってユーザーが物を売買できるようにもする計画だ。また直近の四半期決算発表で同社は米国外と同社が所有する消費者向けフィンテックスーパーアプリVenmoで仮想通貨プロダクトを立ち上げる計画であることも明らかにした。

買収の条件は非公開で、取引は2021年上半期のどこかで完了する見込みだ。PayPalはこの買収で2億ドル〜3億ドル(約218億〜327億円)支払う、とCalcalistは報じている。PayPalに近いとある人物は買収額は2億ドル以下だと話す。正確な額は次の四半期決算で明らかになるはずだ。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:PayPal仮想通貨Curvイスラエル買収

画像クレジット:Yichuan Cao/ NurPhoto / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

エンジニアリングチームのスケジュール管理をサポートするAcumenが約7.5億円調達

エンジニアリングのチームは、スケジュールどおりに開発を進めていくと厳しい課題に直面することがあり、そのスケジュールの遅れは組織全体に影響を与える。この問題に取り組むために、エンジニアリングオペレーションを専門とするイスラエルのスタートアップ、Acumen(アキュメン)は米国時間2月24日、700万ドル(約7億5000万円)のシード資金を調達したと発表した。

このラウンドには、Hetz(ヘッツ)、10D、Crescendo(クレッシェンド)、Jibe(ジャイブ)が参加しており、同スタートアップが継続して製品の発展と市場投入を行うための資金を提供する。約1年前からベータ版の顧客と協力を続けてきた同社はこの日、ステルスモードからの脱却を発表した。

Acumenの共同創業者でCEOを務めるNevo Alva(ニーボー・アルバ)氏は、経験豊富なスタートアップ創業者だ。同氏はこれまで、エンジニアリングチームが成長するに連れて、データやチームのパフォーマンスに関する洞察力が不足し、苦戦するのを何度も見てきた。そのような企業に欠けている可視性を提供するため、同氏とその共同創業者はAcumenを起ち上げた。

「エンジニアリングチームの規模が大きくなると、チーム内で何が起こっているのかが見えなくなるため、課題に直面することになります。急にタスクの優先順位付けが難しくなるのです。人々はスケジュールに影響を与える相互依存関係を毎日のように経験しています」と、アルバ氏は説明する。

同氏によれば、これは生産性と速度の低下を引き起こし、そして最終的には会社全体に影響を与える納期に間に合わなくなることで現れるという。Acumenがやることは、まずさまざまな計画やコミュニケーションのツールからデータを収集し、それから機械学習を使用してスケジュールに影響を与える可能性のある潜在的な問題を特定。そしてその情報をカスタマイズ可能なダッシュボードに表示する。

関連記事:ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを計るツール「Continuous Insights」

このツールは、さまざまなプロジェクトを期限内に完了させる責任を負ったエンジニアリングチームのリーダーを対象としており、彼らがボトルネックの可能性を認識するための助けとなることを目的とする。このソフトウェアの機械学習アルゴリズムは、どのような状況が問題を引き起こすのかを時間をかけて学習し、大きな問題にならないようにするための提案を示してくれる。

2019年7月にAcumenを設立した後、創業者たちは最初の10カ月で、十数社のパートナーとともに製品の最初のバージョンを構築し、SOC-2などさまざまな標準化団体の審査に合格できるかどうかを確認した。2020年からクローズドプライベートベータの段階に入っており、2月の最終週に正式発表された。

Acumenは現在20人の従業員を抱えており、2021年中に10人の増員を計画している。2020年のほとんどをリモートで仕事した後、もはや新規雇用に場所はまったく重要ではないと、アルバ氏はいう。「どこに住んでいる人を雇用するかということは、明らかに重要ではなくなっています。リモートで仕事をする上で、タイムゾーンはまだ考慮すべきだと思いますが」と、同氏は語っている。実際、同社の20人の従業員はイスラエル、米国、東ヨーロッパに住んでいるという。

アルバ氏は、従業員が孤立して仕事をしていると感じることがあると理解しているため、Acumenでは毎日ビデオ会議を行っており、その最初には仕事以外のことについておしゃべりするという。それが連帯感を維持するための方法になるからだ。Acumenはこれから、本格的に市場参入に向けて力を入れていく。Harness(ハーネス)やPinpoint(ピンポイント)のような競合製品があることをアルバ氏は認識しているが、データと機械学習の活用が差別化に役立つと考えている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Acumen資金調達エンジニアイスラエル

画像クレジット:Jetta Productions Inc / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

AIベースのオートバイ用安全システムのイスラエルRide Visionが約7.3億円を調達

AIでオートバイの衝突を予防する安全システムを開発するイスラエルのスタートアップであるRide Vision(ライド・ビジョン)は、米国時間11月16日、クラウドソーシングプラットフォームのOurCrowd(アワークラウド)が主導するシリーズA投資700万ドル(約7億3000万円)の調達を発表した。2018年に同社への250万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを主導した本来はサイバーセキュリティー系スタートアップの支援を専門とするYL Ventures、Mobilion VC、オートバイ用のミラーのメーカーMetagalも参加した。

この新規投資ラウンドの他に、Ride Visionは、オートバイ用部品メーカーContinental(コンティネンタル)との新しい提携も本日発表している。

「オートバイを愛するものとして、私たちRide Visionは、海外ローンチへの期待とContinentalとの提携に胸を踊らせています」と、Ride VisionのCEOで共同創設者のUri Lavi(ユリ・ラビ)氏は本日の発表の中で述た。「これは、高い安全性によりライディングを楽しむライダーに力を与えるという私たちの夢に大きく近づく、歴史的瞬間となります」。

基本的な考え方は極めて単純で、自動車の死角モニターシステムと共通するものでもある。Ride VisionのシステムRide Vision1(ライド・ビジョン・ワン)は、コンピュータービジョンを使い、ライダーの周囲の交通をリアルタイムで分析する。前方衝突警報や死角モニターに加え、他のオートバイや車両との車間距離が縮まり過ぎたときにも知らせてくれる機能もある。さらに、ドライブレコーダーや、重大事故の際にライダーに変わって緊急通報する装置も備わる。

同社が主張するとおり、パンデミックの影響でオートバイの数が増えた(自走式の二輪車も含む)。公共交通機関の利用を避け、それに代わる比較的安価に手に入りやすい移動手段が求められた結果だ。ヨーロッパでは、パンデミックの間に二輪車の売り上げが30%増加した。

オートバイに装着されるハードウェアも、とても簡単なものだ。2基の広角カメラ(フロントとリアに1基ずつ)と、ミラーの警告表示灯、そしてメインのコンピューターユニットで構成される。Ride Visionはマンマシン警報インターフェイスと視覚アルゴリズムの特許を取得している。

オートバイ用の視覚モニターソリューションは、 Innovv(イノブ)やSenzar(センザー)など、すでに何種類か市販されていることは指摘しておくべきだろう。同様の技術でホンダも特許(Jalopnik記事)を取得している。だがこれらのシステムでは、Ride Visionが目指す360度の視野は得られない。

Ride Visionは、2021年の早い時期にイタリア、ドイツ、オーストリア、スペイン、フランス、ギリシャ、イスラエル、英国で販売を開始すると話している。米国、ブラジル、カナダ、オーストラリア、日本、インド、中国などその他の国々では、その後に発売される予定だ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Ride Vision資金調達イスラエルバイク

画像クレジット:Ride Vision

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(翻訳:金井哲夫)

AIでAIモデルを最適化するプラットフォームを構築するイスラエルのDeciが9.5億円を調達

イスラエルのテルアビブを拠点とするスタートアップのDeciは、AIを使ってAIモデルを最適化し本番環境にする新しいプラットフォームを構築している。同社は米国時間10月27日、EmergeとSquare Pegが主導するシードラウンドで910万ドル(約9億5000万円)を調達したと発表した。

Deciのプラットフォームは、企業がAIのワークロードを簡単に短時間で本番環境にし、さらにその本番環境モデルを最適化して精度とパフォーマンスを向上しようとするものだ。これを実現するために同社は、モデルをパッケージングしてデプロイする前に、エンジニアがトレーニング済みモデルを用意し、それをDeciで管理してベンチマークを取り最適化するエンド・ツー・エンドのソリューションを構築した。ランタイムコンテナまたはEdge SDKを使うことで、Deciのユーザーはほぼすべてのモダンなプラットフォームやクラウドにモデルを提供することもできる。

Deciのインサイト画面には、深層学習モデルに関して本番環境で予測される動作の指標を組み合わせたDeciスコアが表示される。これはモデルのパフォーマンス全般をまとめた単一の評価基準だ

Deciの共同創業者は、深層学習サイエンティストのYonatan Geifman(ヨナタン・ガイフマン)氏、テクノロジーアントレプレナーのJonathan Elial(ジョナサン・エリアル)氏、そしてコンピュータサイエンティストで機械学習の専門家であるテクニオン・イスラエル工科大学のRan El-Yaniv(ラン・エル・ヤニフ)教授だ。

CEOで共同創業者のガイフマン氏は「DeciはAIにおけるパラダイムシフトの先頭に立ち、データサイエンティストや深層学習のエンジニアが有効でパワフルなソリューションを作ってデプロイするために必要なツールを提供しています。ニューラルネットワークの複雑さや多様性が急速に増し、企業にとっては最高のパフォーマンスを得るのが難しくなっています。AI自体を利用してこの問題に取り組むのが最適な戦略であると我々は認識しました。Deciのゴールは、AIを実用的に使うすべての人をAIで支援し、世界で最も複雑な問題を解決することです」と語る。

ユーザーはDeciのラボ画面を使って深層学習モデルのライフサイクルを管理し、推論のパフォーマンスを最適化し、デプロイの準備をすることができる(画像クレジット:Deci)

同じハードウェアで同等の精度であれば、Deciで最適化したモデルはこれまでより5〜10倍速く動作すると同社は述べている。推論のワークロードの実行にCPUとGPUを利用することができ、自動運転、製造、通信、ヘルスケアなどの顧客とすでに連携していると同社はいう。

EmergeのパートナーであるLiad Rubin(リアド・ルービン)氏は「最高のパフォーマンスの深層学習ソリューションを自動で作り上げるDeciの手腕は人工知能におけるパラダイムシフトであり、さまざまな業界にわたる多くの企業の可能性を開きます。我々はこれほど優れた創業者たちと協力し、旅の初日からともに歩めることを大変嬉しく思っています」と述べている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Deci資金調達イスラエル

画像クレジット:Deci

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(翻訳:Kaori Koyama)

ビジュアルデータを管理、アノテートに特化したAIデータ管理プラットフォームのDataloopが約11.55億円を調達

データセットのアノテートなど企業のAIプロジェクトに使われるデータのライフサイクル全般の管理を専門とするテルアビブのスタートアップ、Dataloopが米国時間10月14日、これまでの合計で1600万ドル(約16億8500万円)を調達したことを発表した。これは未発表だったシードラウンドの500万ドル(約5億3000万円)と、最近完了したシリーズAの1100万ドル(約11億5500万円)の合計だ。

シリーズAを主導したのはAmiti Venturesで、ほかにF2 Venture Capital、クラウドファンディングプラットフォームのOurCrowdNextLeap VenturesSeedIL Venturesが参加した。

DetaloopのCEOであるEran Shlomo(エラン・シュロモ)氏は「データのラベリングが制限されていることやリアルタイムで検証するには人間がシステムに入力する必要があることから、多くの組織がAIと機械学習のプロジェクトを最終版に移行するのに苦戦しています。今回の資金で我々はパートナーとともにこうした障壁を取り除き、グローバル市場でAI業界を変えイノベーションのための需要増に対応できる次世代のデータ管理ツールを提供することに努めます」と述べた。

基本的にDataloopは企業のビジュアルデータを管理しアノテートすることに特化している。どのような業界が顧客になるかはまだ定かではないが、ロボティクスやドローンから小売業、自動運転まで、あらゆる業界が対象になると考えられる。

プラットフォーム自体は「人間参加型」モデルを中心としている。これは自動化されたシステムを補完するモデルで、必要に応じて人間がモデルをトレーニングし修正できる。ホストされているアノテーションプラットフォームを開発者向けのPython SDKやREST APIと組み合わせ、データフローを自動化するKubernetesクラスタ上で動作するサーバーレスのFunctions-as-a-Service環境もある。

Dataloopは2017年に創業した。同社は新たに調達した資金で、イスラエルのスタートアップでよく見られるように欧米市場での成長を目指す。またエンジニアリングチームの強化も図る。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Dataloop資金調達イスラエル機械学習

画像クレジット:Dataloop

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(翻訳:Kaori Koyama)

テルアビブ拠点のHailoがエッジデバイス用新AIモジュールでインテルやグーグルに挑戦

高性能なAIチップで知られているテルアビブのHailoは米国時間9月30日、AI処理を高度に加速させるM.2とMini PCIeのモジュールをローンチした。同社のHailo-8チップをベースとするこれらのモジュールは、スマートシティやスマートホーム、産業用アプリケーションなどでエッジデバイス用への利用が想定されている。

同社は本日の発表のほぼ半年前に、シリーズBで6000万ドル(約63億3500万円)を調達した。当時Hailoは「新たな資金は新しいAIチップの開発に投下する」とコメントしており、本日の発表はその約束の実現でもある。トータルで同社の調達額は8800万ドル(約93億円)になる。

HailoのCEOを務めるOrr Danon(オール・ダノン)氏は本日の発表で「あらゆる産業のメーカー企業が、エッジデバイスにAIを統合することの重要性を理解しています。すなわち、AIを欠いたソリューションにはもはや競争力がありません。新製品のHailo-8搭載のM.2とMini PCIeモジュールは世界中の企業に、強力で費用効率の高い革新的なAIベースの製品を短期間で市場に投入する力を与えます。しかもそれらの製品は、システムの熱制約内に収まります。Hailoのモジュールの高い効率と高性能は、エッジ市場の真のゲームチェンジャーなのです」とコメントしている。

開発者は従来同様、TensorFlowやONNXなどのフレームワークを使ってモデルを作れる。その後の工程は、HailoのDataflowコンパイラーが担当する。Hailoのチップが独特なのはそのアーキテクチャで、その上で動くニューラルネットワークのニーズに自動的に適応できる。

Hailoは、Intel(インテル)やGoogle(グーグル)、NVIDIA(エヌビディア)のような大物と比べられることを恐れない。同社のエッジモジュールは、毎秒26テラフロップスの演算能力と、3テラフロップス/ワット(TOPS/W)という電力効率を達成しており、インテルのMyriad-XやグーグルのEdge TPUよりもずっと多いフレーム数を毎秒分析できるという。しかも、すべてにおいてエネルギー効率が高いのも特徴だ。

同社はすでに台湾のFoxconn(フォクスコン)と提携しており、M.2モジュールをそのエッジコンピューティングプラットホーム「BOXiedge」に統合している。標準規格のM.2モジュールなので、フォクスコンはいかなる手直しもなく統合できた。Hailo-8 M.2のソリューションを使ったエッジコンピューティングのサーバーは、同時に20台のカメラのストリームを処理できる。

Foxconn Technology Groupの半導体小グループ担当副社長であるGene Liu(ジーン・リウ)博士は、「HailoのM.2およびMini PCIeモジュールと、性能の高いAIチップであるHailo-8を組み合わせることで、多くの産業が急速に進化している先進的な技術を極めて短期間で採用できます。結果、新世代の高性能低電力と、よりスマートなAIベースのソリューションを導入できるようになります」とコメントした。

関連記事:イスラエルのAIチップメーカーHailoがNECなどから約64億円調達

画像クレジット: Hailo

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テルアビブ拠点のソフトウェア自己修復のAurora Labsが豊田通商やポルシェから約24億円調達

自動車業界は複雑になるばかりのソフトウェアシステムに取り組んでいる。そこには、かなり費用のかかる危険な混乱、信頼性へのダメージを起こしうる欠陥という大きなリスクが伴う。

今日の乗用車、トラック、SUVを10年前のものと比べてほしい。組み立てラインから出てきたばかりの新車には数千万ものコードが搭載されていて、自動車メーカーがソフトウェアにさらに投資するにつれてコードの数は増え続けている。

こうした傾向は自動車メーカーにとってリスクを生んでいる。と同時に、Aurora Labs(オーロラ・ラボ)のようなスタートアップに機会を提供している。同社は車のソフトウェアに問題を見つけてすぐさま修正するプラットフォームを開発した。ソフトウェアは共有されているモビリティ、都市、家などで中心的な役割を果たしているため、同社は現在、オペレーションを自動車以外の業界にも拡大すべく準備を進めている。

Aurora Labsは問題を検知・予測し、リアルタイムに問題を修復するプラットフォームを開発した。このプラットフォームにより車メーカーは車両に搭載したソフトウェアをワイヤレスでアップデートできる。これはTeslaによって普及した無線(Over-The-Air、OTA)ソフトウェアアップデートと呼ばれている機能だ。OTAを行えると、自動車メーカーは車オーナーにディーラーショップに行ってサービスを受けるよう依頼することなくすぐさま変更を加えることが可能になる。

テルアビブ拠点のAurora Labsは、LGグループの投資部門であるLG Technology VenturesとCheck Point Software Technologiesの共同創業者であるMarius Nacht(マリウス・ナハト)氏が共同でリードしたシリーズBラウンドで2300万ドル(約24億円)を調達した。フォルクスワーゲングループの持株会社のPorsche SE、トヨタグループの豊田通商、安全認証企業ULのベンチャー部門も本ラウンドに参加し、Porsche SEは250万ドル(約2億6000万円)、豊田通商は150万ドル(約1億6000万円)を出資した。

調達した資金は、顧客の車メーカー2社の量産をサポートすべく、Aurora Labsの現在30人のチームを倍増させるのに使われる予定だ。同社はグローバル展開する車メーカー4社、そしてエレクトロニクス企業1社と協業している。

Aurora Labsの主要顧客ベースは車業界だが、複数の産業でプロダクトを展開しているPorsche SEや豊田通商、LG Tech Ventures、UL Venturesといった投資家からのサポートを得て、コネクテッドホームやスマートシティといった新たなマーケットへの参入を準備中だとAurora Labsは話している。

画像クレジット: franckreporter / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

脆弱なIoT機器を保護する斬新なシステムを開発するSternumが約6.8億円を調達

安価なインターネット接続機器の大量生産から何かを学んだとすれば、セキュリティは後回しにされているということだ。デフォルトのパスワードは当たり前すぎで、セキュリティ上の欠陥にはパッチが当てられず、スマートデバイス全体が攻撃を受けやすい状態になっている。

しかし、イスラエルのあるセキュリティスタートアップは、脆弱なIoT(Internet of Things)デバイスを保護するために、これまでとは異なるアプローチを取っている。

テルアビブに本社を置くSternum(スターナム)は、EIVという名称で知られる組み込み完全性検証技術を提供しており、アプリが何らかの方法で悪意を持って改変されていないことを検証する。この技術はコードの脆弱性を検出し、攻撃が悪用される前に攻撃を防ぐ仕組みだ。その高度な検出システムであるADSは、リアルタイムの脅威検出サービスを提供し、企業はリアルタイムで攻撃に対応することができる。

これは、脆弱性のあるデバイスを保護するためのほかの方法がない場合のための斬新なアイデアだ。

今年の初めに同社は、何百万ものIoTデバイスを襲った新しい脆弱性の波に対する修正を最初に提供した。「Ripple20」と名付けられたこの脆弱性は、ハッカーが影響を受けた数億台のデバイスを乗っ取ることを可能にするものだった。

「脆弱性へのパッチ適用は終わりのないゲームです」とSternumの創設者であり最高経営責任者のNatali Tshuva(ナタリ・ツシュバ)氏はTechCrunchに語った。「ほかの多くのソリューションとは異なり、私たちはデバイス上のすべての脆弱性にパッチを当てることに焦点を当てているわけではありません。私たちは、搾取の段階、つまりハッカーが脆弱性を利用して攻撃を実行するポイントにのみ焦点を当てています」と同氏。

ツシュバ氏のルーツはセキュリティ研究者で、LinuxやAndroid、その他の組み込みシステムで、これまで発見されていなかったいくつかの脆弱性を発見した経験を持つ。「これらのデバイスを適切に保護するには、技術的にも市場的にも本当に課題があることに気づきました。私は、サイバーセキュリティ、研究、製品、優秀な研究開発チームの管理などのノウハウを応用して、問題をエンドツーエンドで真に解決する革新的なソリューションを生み出したいと考えていました」と語る。

実際にSternumのこの賭けは実を結んでいる。同社は米国時間9月16日、650万ドル(約6億8100万円)のシリーズAラウンドに資金調達を明らかにした。このラウンドは、オーストラリアやイスラエル、東南アジアへの投資を進めているベンチャーキャピタル(VC)のSquare Pegがリードし、Merle Hinrich(メルル・ヒンリッ)氏の財団と欧州のVCであるBTOVが参加した。

Square PegのパートナーであるPhilippe Schwartz(フィリップ・シュワルツ)氏は「Sternumの革新的な製品と多様なチームに感銘を受け、その技術は妥協のないセキュリティ保護と豊富なデータ駆動型の洞察力で、接続された未来に力を与えてくれるだろう」と述べている。

画像クレジット:MacrovectorShutterstock

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(翻訳:TechCrunch Japan)