PayPalが返品サービスHappy Returnsの利用範囲を拡大、全米5000カ所以上で利用可能に

PayPal(ペイパル)は2021年買収した商品返却サービスのHappy Returns(ハッピー・リターンズ)の利用範囲を拡大し、PayPal Checkout(ペイパル・チェックアウト)を利用している売り手は追加費用なしで利用できるようにした。米国時間3月28日にPayPalは、売り手がHappy Returnsの返却・交換ポータル・ソフトウェアを無料で利用できるようにした他、化粧品チェーンのUlta Beauty(アルタ・ビューティー)との提携によって、全米1300カ所以上のUlta店舗に、Return Bars(返品カウンター)を設置すると発表した。

Ulta Beautyの拡大は、まず一部の店舗から始め、年間を通じて他の場所へも展開していく予定だ。

これは、ソフトウェア物流サービスのHappy Returnsを2021年に買収して以来初めての同社に関する大きな取り組みだ。

Return Barの設置場所は買収当時の2600カ所から、Ulta Beauty店舗を含めて5000カ所以上へと2倍近くに増えた。Return Barは全米に広く展開されており、PayPalによると、米国人の78%は半径10マイル(約16km)以内にReturn Barがあるという。

利用者はこの返品サービスを利用するために、別のウェブサイトを訪れる必要はない。売り手がHappy Returnsに対応していれば、販売サイト上で直接返品手続きを進められる。利用者にはQRコードが発行されるので、近くのReturn Barに商品と一緒に持ち込めばよい。商品を箱詰めしたり、箱やラベルを持っていく必要はない。QRコードがスキャンされると、利用者はすぐに返金を受けられる。返品された商品は再利用可能な手提げ袋に、他の返却物と一緒に入れられる。この袋は回収されて処理施設に送られるので、物流の回数を減らすことができるとPayPalは説明する。

Happy Returnsのパートナー小売店は、店舗の入り口とレジで、顧客に返品サービスのことを知らせる掲示を行う。さらに、返品した顧客にはその店で使えるクーポンが渡され、パートナー店にいる間に買い物をするインセンティブが与えられる。これはAmazon(アマゾン)が同社のパートナー店舗、Kohl(コール)などで行っているのと同様のプロセスだ。

返品サービスの利用は、この1年間にオンラインショッピングの成長にともなって増加している。PayPalによると、Happy ReturnsのReturn Barでの対面返品の利用は、2021年2月から2022年2月の間に4倍近く増えた。パートナー小売店の数も倍増し、Everlane(エバーレーン)、Rothys(ロジス)、Gym Shark(ジム・シャーク)、Mack Weldon(マック・ウェルドン)他多数が加わった。買い物客は,Ulta Beautyに加え、Staples(ステープルズ)、FedEx(フェデックス)、PaperSource(ペイパーソース)、Cost Plus World Market(コストプラス・ワールドマーケット)その他の対応店舗にも返却する商品を持ち込める。

PayPalを利用している売り手は、Happy Returnsを追加料金なしで利用できるようになるが、PayPalのチェックアウト手数料はこれまで通りかかる。売り手は、このソフトウェアとポータルを利用して、Returns Barのネットワークを利用せず自身による返品と交換の管理を行うこともできる。ソフトウェアを利用することで、自動化された返品・交換をよりユーザーフレンドリーな体験にすることができる、とPayPalは言い、売り手には返却データの詳細レポートや返品に関する顧客の問い合わせをリアルタイムで見られるダッシュボードも提供している。

Return Barを利用する売り手は返品ごとに追加費用(金額非公開)をPayPalに支払う。それでも、返品配送をまとめられ、配送料金の割引が受けれらることで売り手は費用を削減できるとPayPalは言っている。

「消費者のオンラインショッピングの頻度が高まっても、返品は「対面」で行われることが多く、売り手にとっては費用がかさむ面倒な処理です、とHappy Returns by PayPalのDavid Sobie(デビッド・ソビー)副社長は声明で語る。「Ulta Beautyとの提携は、当社の対面持ち込みネットワークを拡大し、オンラインショッパーが返品を完了するための選択肢を増やします。Return Barは、新たな顧客を店舗にもたらし、売り手はより費用効果の高い実用的な方法でリバースロジスティックを管理できます。

PayPalはHappy Returnsの買収に支払った金額を明らかにしていないが、SEC(証券取引委員会)提出書類には、これは2021年に実施された4件の買収の1つであり(Paldlyを含まない)、合計金額は5億4200万ドル(約669億円)だと書かれている。PayPalはかつてHappy Returnsに戦略的投資を行っており、2019年のBラウンド後の企業価値は550万ドル(約6億9000万円)だった。PitchBook(ピッチブック)のデータによる。

Happy Returnsのサービスは、小規模な売り手がAmazonやWalmart(ウォルマート)のようなeコマース巨人と戦いやすくために作られている。両巨人とも、AmazonはWhole Foods(ホールフーズ)をはじめとする小売店などのパートナーで、Walmartは同社の小売店舗で、顧客が対面で容易に返品できる手段を持っている。Amazonの返品窓口や店内ロッカーを設置することによる潜在的来客への期待は、Amazonの返品にくる買い物客を取り込むことで、KohlやStein Martといった小売店が敵を利用することへと繋がっている。

UltaはHappy Returnのサービスをこれまでパイロットテストしてきたが、同様に来客数の増加と購買への転化に魅力を感じていると報じられている。

画像クレジット:PayPal

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

PayPalがウクライナ人への直接送金を可能にするサービスを拡充

PayPal(ペイパル)は、ユーザーがウクライナ人に送金できるようにサービスを拡充すると、米国時間3月17日に発表した。この拡充以前は、ウクライナのユーザーはPayPalを使用して国外に送金することしかできなかった。これにより、ウクライナのPayPalアカウント保有者は、世界中の友人や家族と送金し合うことができるようになる。PayPalウォレットでお金を受け取ったウクライナの顧客は、対象となるMastercardまたはVisaのデビットカードやクレジットカードをリンクすることで、自分の銀行口座に資金を移すことができるようになる。

また、PayPalは、6月30日まで、ウクライナのPayPal口座への送金、またはウクライナのPayPal口座への入金の手数料を一時的に無料にすると発表している。同社の国際送金サービスであるXoom(ズーム)も、ウクライナの受取人に送金する際の取引手数料を無料にする予定だ。

今回のPayPalの発表は、ウクライナ政府から同国の人々が支払いを受けられるような新サービスを展開するよう同社に要請があったことを受けてのものだ。

ウクライナの副首相兼デジタル変革担当大臣のMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)氏は、Twitterでこの拡大を称賛し、PayPalから受け取った手紙を公開した。

PayPalからの手紙には「我々のチームは、PayPalがどうやったらウクライナの人々に最善かつ迅速に追加サービスを提供することができるかを見極めるために集中的に取り組んできました」と書かれている。「このサービスは、ウクライナの人々が世界中の友人や親戚からお金を受け取るために役立つと信じています。また、他の国にいるウクライナ人難民にとっても、現在住んでいる場所でお金を受け取ったり、引き出したりすることができるので、助けになると思います」。

ウクライナの顧客は、ウクライナのPayPalウォレットからUSD、CAD、GBP、EURで送受信することができるようになる予定だ。顧客がPayPalウォレットから対象のデビットカードやクレジットカードに資金を送金するとすぐに、そのカードに関連する通貨で資金を利用できるようになる。

今回の発表は、PayPalが今月初めにロシアでのサービスを停止したことを受けて行われたものだ。PayPalだけでなく、Mastercard(マスターカード)とVisa(ビザ)もロシアでのネットワークサービスを停止しており、同国から撤退した決済企業はPayPalだけでない。

戦争が始まって以来、人々はウクライナの人々を経済的に支援する方法を探してきた。Airbnb(エアービーアンドビー)のCEOであるBrian Chesky(ブライアン・チェスキー)氏は、世界中の一部の人々が、ウクライナのホストに経済的支援を送るため、宿泊するつもりがなくてもウクライナのAirbnbを予約していると述べた。また、ウクライナは、対ロシア戦の援助を求める人々から数千万ドル(約数十億円)相当の暗号資産による寄付を受けている

PayPalのサービス拡充により、ウクライナの人々を支援する、より直接的な方法が促進されることになるだろう。同社によると、これらの新サービスは本日から利用可能になるとのことだ。

画像クレジット:Yichuan Cao/ NurPhoto / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Netflix、PayPal、Adobe、Epic Games、任天堂もロシアでの事業停止

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアでの事業を停止するハイテク企業のリストが増え続けている。この動きに最近加わった企業には、Netflix(ネットフリックス)、PayPal(ペイパル)、Mastercard(マスターカード)、Visa(ビザ)などの有名どころが含まれている。

Varietyが最初に報じたように、Netflixは米国時間3月6日、ロシアでのサービスを停止すると発表した。この措置は、同社が先週、ストリーミング配信会社にロシアの20のプロパガンダチャンネルホスティングを義務づけるロシアの新法に従わないと述べたことを受けたものだ。Netflixはまた、ロシアで制作を予定していた今後のすべてのプロジェクトを一時停止している。

Adobe(アドビ)も、ロシアにおける自社製品・サービスの新規販売をすべて停止すると発表した。同社は、自社の製品やサービスが「法律に反した戦争の支援に使用されない」ようにする責任があると信じている、と述べている。

PayPal(ペイパル)は、米国時間3月5日にロイターが最初に報じたように、ロシアでのサービスを停止すると発表した。ウクライナのMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)副首相はツイートで、PayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏がこの措置を確認している書簡を公開した。

ロシアから撤退した決済企業はPayPalだけではない。Mastercardは米国時間3月5日、ロシアにおけるネットワークサービスを停止すると発表した。つまり、ロシアの銀行が発行したカードは、今後Mastercardのネットワークではサポートされなくなる。また、ロシア国外で発行されたすべてのカードは、ロシアの商店やATMで使用できなくなる。同社は、適切な時期に業務を復活させるとしている。

同様にVisaも同日、ロシアでの全業務を停止したと発表した。同社は、ロシア国内の顧客やパートナーと協力し、すべてのVisa取引を停止するとしている。ロシア国内で発行されたVisaカードでの取引はすべてロシア国外では機能しなくなり、ロシア国外の金融機関が発行したVisaカードはロシア国内で使えなくなる。

ゲーム会社もまた、テック業界の他の企業とともにロシア国内でのビジネスを終了する。Epic Games(エピックゲームズ)は米国時間3月5日、ゲームに関するロシアとの取引を停止すると発表した。しかし同社は「他のコミュニケーションツールがオンラインであるのと同じ理由で、アクセスをブロックしていない。自由な世界は、すべての対話をオープンにしておくべきだ」と述べた。

態度を明らかにしたゲーム会社はEpic Gamesだけではない。Activision Blizzard(アクティベーションブリザード)も同じ日にロシアの消費者へのゲーム販売を一時停止すると発表した。同社はまた、ロシアでのゲーム内購入の提供も停止する予定だ。

任天堂も、利用している決済サービスが「ルーブルでの決済処理を停止した」ため、ロシアのeショップを一時的にメンテナンスモードにし、同国でのデジタル販売を停止した。

Snapchat(スナップチャット)は先日、安全予防策としてウクライナで公開されているSnap Mapの「ヒートマップ」を無効化すると発表し、対応を拡大した。ヒートマップ機能は通常、人々が多数のSnapを共有した場所を目立たせる。この措置は、同社がその前にロシアで広告を一時停止していると発表したのに続くものだ。

また、TikTok(ティクトック)は米国時間3月6日、ロシアの新しい「フェイクニュース」法に対応して、ライブストリーミングと動画サービスの新コンテンツを停止すると発表した。この法律では、ロシア政府がウクライナ侵攻に関する偽情報と見なすものを公開した者は刑務所に入ることになる、と脅している。TikTokは、従業員とユーザーの安全を維持するために、同国での事業を停止することを決定した。

Samsung Electronics(サムスン電子)は「このところの地政学的な動きにより」ロシアへの全製品の出荷を停止すると発表した。出荷が停止された製品には、スマートフォン、半導体、家電製品などが含まれる。この動きは、デバイスメーカーのApple(アップル)やDell(デル)、チップメーカーのIntel(インテル)、ソフトウェア大手のMicrosoft(マイクロソフト)からの同様の発表に続くものだ。

GrubHub(グラブハブ)は、ロイターが最初に報じたように、ロシアのテック大手Yandex(ヤンデックス)との提携を終了すると発表した。複数年にわたるこの提携は、大学生に食事を配達するドライバーレスロボットに関するものだった。Grubhubは、欧州最大の食事宅配会社Just Eat Takeaway.com(ジャストイート・テイクアウェイ・ドットコム)の一部門だ。

ロシアに対抗する姿勢を示したこれらの最新の企業グループは、AppleやGoogleなどの仲間入りをしている。Appleは3月1日、ロシアでの製品販売を停止したことを認めた。また、App StoreからSputnikとRT Newsを削除し、同国でのApple Payサービスの一部を無効にしたGoogleはAppleに続き、自社のモバイルアプリストアからRT(ロシア・トゥデイ)とSputnikのアプリを削除した。Googleはロシアでの広告販売も一時停止した

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

米アマゾンがPayPalと提携、2022年からVenmoでも支払い可能に

PayPal(ペイパル)は米国時間11月8日、Amazon.comが2022年から、米国ユーザーの精算にVenmoオプションを追加すると発表した。そのニュースとともに、オンライン決済大手の同社は、第3四半期に前年同期比13%の増収という堅調な業績を発表した。

Amazon(アマゾン)の利用者は2022年中に、Amazon.comとモバイルショッピングアプリのいずれで購入した商品についても、自分のアカウントを人気のモバイル決済サービスにリンクさせることができるようになる。

「当社の顧客が、Amazonでの買い物の方法に選択肢と柔軟性を求めていることは理解しています」とグローバルペイメントアクセプタンス担当ディレクターのBen Volk(ベン・ボルク)氏は声明で述べた。「Venmoと提携し、顧客がVenmoアカウントを使って支払いができるようになり、Amazonで新しい支払い方法を提供できることをうれしく思います」。

この取引が双方にとって有益であることは間違いない。PayPalによると、同社のユーザー数は現在、米国内だけで8000万人を超えている。同社はまた、最近行われた社内の「行動調査」を引用し「Venmoユーザーの65%が、パンデミックの間にオンラインでの購買行動が増えたと答え、47%が加盟店で精算する際にVenmoで支払うことに興味を持っている」と指摘する。

問題は、これまで何の支障なくクレジット決済に頼ってきたAmazonのユーザーが、このサービスをどれだけ利用するのかということだ。Amazonでは現在、クレジットカード、デビットカード、ストアカード、当座預金、HSAやFSA、EBTカードなどの支払い方法が用意されている。だが支払い方法としてPayPalをサポートしていないため、Venmoが加わったことはPayPalにとってうれしい勝利だといえる。

広く言えば、PayPalがもうすぐAmazonへ組み込まれると、多国籍電子商取引企業であるAmazonに、待望した暗号資産(仮想通貨)という先進的な一面をもたらす可能性がある。

PayPalは3月、米国の消費者が何百万ものサイトで暗号資産による支払いができるようになると発表した。一方、Venmoは最近、Venmoクレジットカードを使って買い物し、そこで得たキャッシュバックを利用して暗号資産を購入できる新機能を用意し、暗号資産への対応を拡大した。

しかし、それは現時点では現実というよりもビジョンにとどまっているのかもしれない。Amazonは、デジタル通貨とブロックチェーン技術の責任者を募集しているが、最近では、支払いに暗号資産を受け入れる計画についての噂を否定した。PayPalは、TechCrunchへの声明で、Venmoが暗号資産に全面的に対応しているわけではないことから、今後の提携に暗号資産は含まれないと示唆した。

「本日の発表は、米国におけるVenmoの顧客が精算時にVenmoで支払えるようにするためのものです。今後もこの関係を発展させていきたいと考えていますが、現時点ではこれ以上お伝えできることはありません」と同社は声明で述べた。

画像クレジット:Venmo

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(文:Brian Heater、Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi

PayPal、Pinterest買収を検討か

あっと驚く買収劇だが、Bloombergの報道によると、PayPalはソーシャルメディア企業Pinterestの買収を検討しているという。

同記事によると、カリフォルニア州サンノゼに本社のあるPayPalは、買収の可能性をめぐって最近Pinterestに接近している。

匿名の情報筋によると、その場合PayPalは1株あたり70ドルを払い、Pinterestの評価額は約390億ドル(約4兆4464億円)になる。

この記事についてPinterestはコメントを拒否している。またPayPalは、本稿の締切までにコメントの要求に応じなかった。

このニュースを受けてPinterestの株価は約12%上昇し、10月20日の正午には62ドルを超える水準で取引された。これは、52週間高値の89.90ドルを下回っている。

噂されている買収価格は、Pinterestの現在の時価総額400億ドル(約4兆5600億円)に匹敵するものだ。一方、PayPalの時価総額は3080億ドル(約35兆1120億円)となっている。

2021年9月、PayPalは日本でのビジネスを強化するために日本のBNPL(Buy Now, Pay Later)サービスプラットフォームPaidyを、主に現金で約27億ドル(約3080億円)で買収することを発表した。2019年11月には、PayPalは安価な販売サイトを探す探すブラウザのアドオンやモバイルアプリケーションを開発するHoney Science Corporationを40億ドル(約4560億円)で買収する計画を発表している。

Pinterestを買収するというPayPalの計画は、想像以上に理に適っている。

ここ1年半ほどの間に、Pinterestはeコマースプラットフォームへの展開に力を入れ、いくつかの新機能を発表している。2020年4月、同社はプラットフォーム上での新たなショッピング方法を導入し、Pinterestユーザーは、検索やのボード上に新たに追加された「ショップ」タブから、在庫のある商品を閲覧できるようになっている。また、ビジュアル検索を改善し、ピンからより多くの商品をショッピングできるようにしている。

2021年10月初め、Pinterestは、広告主やブランドがサイト上のユーザーに自社製品を宣伝するための新機能を導入すると発表した。これは、Pinterestのプラットフォーム上でのオンラインショッピングや広告の拡大を目的とした最新の取り組みとなる。

米国時間10月14日、Pinterestは共同創業者のEvan Sharp(エヴァン・シャープ)氏が同社の常勤役員の座を離れることを発表した。彼は同社のデザインとクリエイティブの最高責任者だったが、Jony Ive(ジョナサン・アイブ)氏とともに彼の新しいクリエイティブ集団であるLoveFromに移籍している。Pinterestに関してはシャープ氏は同社の顧問として、会社の戦略やプロダクト、デザイン、ブランド、企業文化などの面に注力していく。Pinterestの取締役の座には留まる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hiroshi Iwatani)

インドの新しい決済ルール発効による影響に備えるテックジャイアントたち

世界第2位のインターネット市場であるインドで、中央銀行が定期的支払いを処理するための新たな指令を施行したことにともない、Apple(アップル)、Sony(ソニー)、Google(グーグル)、Zoom(ズーム)、PayPal(ペイパル)などのハイテク企業や多くの銀行が、インドの顧客やパートナーに対して、取引の拒否が急増することを予想して注意を促している。

インド時間10月1日に発効したインド準備銀行(RBI、インドの中央銀行)の指令は、銀行、金融機関、ペイメントゲートウェイが5000インドルピー(約7490円)以上の自動更新される取引に対して、通知、電子マンデート、AFA(Additional Factors of Authentication、要素追加認証)を介して、ユーザーから追加の承認を得ることを求めている。この指令は、クレジットカードだけでなく、デビットカードのすべての取引にも影響する。

2019年に初めて発表されたこの指令は、2021年4月に発効する予定だったが、銀行などの影響を受ける業者が、遵守するための準備が十分ではないと主張したため、9月30日まで延長された。

中央銀行は、業界の対応に不満があったようで、3月には「延長された期限を超えてフレームワークの完全な遵守を確保するのが遅れれば、厳しい監督措置を取ることになる」と述べていた。

インド準備銀行は、2019年に行われた当初の案内時点で、このフレームワークは「リスク軽減と顧客の簡便化のための措置」として機能するようにデザインされていると述べ、こうした取引を処理する業者は「実際の請求の少なくとも24時間前に、顧客の指定に応じてSMSまたは電子メールで取引前通知を顧客に送信しなければならない」としていた。

複数の企業が、顧客や、場合によっては他のビジネスパートナーに対して、新しい指令についての注意を促している。

水曜日(インド時間9月29日)には、Appleは開発者に対して、この新しい指令によって「要件を満たさない一部の取引は、銀行またはカード発行会社によって拒否されるでしょう」と注意を促した。

インド最大の民間銀行であるHDFCは、ウェブサイトに以下のメッセージを掲載した。「ご注意:2021年10月1日より、HDFC銀行のクレジットカードやデビットカードを使って、加盟店のウェブサイトやアプリで行われた自動引落(定期的な支払いを処理するための電子指示)は、RBI(インド準備銀行)が定めたプロセスに準拠していない限り、承認されません」。HDFC、Axis、Kotakを含む複数の銀行が、今週、新ルールを遵守することを発表している。

2021年5月には、GoogleはPlay Storeでの定期的な支払いを行う新規顧客の登録を停止している。同社は開発者に対して「このエコシステムの課題が解決されるまで」、無料トライアルや導入価格をアプリから削除するよう求めた。YouTubeは、プレミアムサービスに対して、プリペイド方式の、使った分だけ支払い(pay as you go)方法のみをサポートするようになった

また同じ月にAmazonは、追って通知があるまで、Amazonプライムの無料体験への新規会員登録を「一時的に」中止すると発表した。その後、新たな通知は行われていない。

この指令は、リテールバンクの連合体が構築した決済インフラであるUPIを通じた定期的な支払いには影響しない。そのため、Netflix(ネットフリックス)をはじめとするいくつかの企業は、インド国内のUPIを使った自動支払いをサポートしている。

しかし、影響は広範囲に及ぶと思われる。あるフィンテック企業の創業者がTechCrunchに語ったところによると、彼らがFacebookやGoogleで広告を出すために利用している決済サービス会社が、中央銀行のルールを理由に、今週後半から自動決済は処理されないと通知してきたそうだ。この創業者は、デリケートだと思う内容を話すために匿名を希望した。

この新ルールは、インド中央銀行が近年提案または施行してきた一連のガイドラインの中で最新のものだ。Pratik Bhakta(プラティック・バクタ)氏がThe CapTable(キャップ・テーブル)に投稿した概要によると、今回の動きは、規制当局がユーザーのために革新を行うフィンテックスタートアップの普及を奨励している一方で、消費者を傷つけようとしている傾向がないかをRBIが注意深く見守っていることを示しているものだという。

RBIの副総裁であるT Rabi Sankar(T・ラヴィ・サンカー)氏は、今週初めに開催された会議で「法律が追いつくまでは、破壊的ではない方法で金融システムがデジタル・イノベーションを吸収できるよう、規制を適応させなければなりません」と述べ「すべての利害関係者が短期的な利益よりも長期的な改善を重視し、インフォームド・コンセントやデータ利用の透明性といった、成熟した慣行を浸透させてこそ、繁栄し成熟した決済システムに到達することができるでしょう」と語っている。

ソニーは、インド時間9月30日にPlayStation Plus(プレイステーション・プラス)の加入者に宛てた電子メールで「2021年9月30日以降、PlayStation Store(プレイステーション・ストア)でPlayStation Plusのためのサブスクリプション料を支払おうとする際に、クレジットカードおよび / またはデビットカードの支払いが失敗することがあります」と伝えている。

「これは、新規にサブスクリプションを始める場合と、定期的な支払いの両者に適用されます。このため、今後自動的に課金されるように設定されたPlayStation Plusの利用料の支払いが失敗する可能性があります。もしそうなった場合、お客様のPlayStation Plusのサブスクリプションはその時点で終了となります」。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:sako)

PayPalの「スーパーアプリ」が始動、決済、貯蓄、自動引き落とし、暗号、買い物などをサポート

PayPalはかなり前から同社の「スーパーアプリ」の話をしていたし、最近では投資家たちに、デジタルウォレットと決済アプリは立ち上げのゴーサインを出した、と告げた。今日(米国時間9/21)はそのアプリの最初のバージョンが公式に披露され、口座振込や自動引き落とし、デジタルウォレット、個人間送金決済、ショッピングツール、暗号通貨対応などの金融ツールが提供された。同社はまた、その新しい高利回りの貯蓄預金PayPal Savingsのための、Synchrony Bankとのパートナーシップを発表した。

これらの変化によってPayPalは、各所の既存の金融機関を利用する、おおむね単なる決済ユーティリティから、もっと完全にサービスの揃った金融アプリに変身する。PayPal自身は「銀行」を志向しているわけではないが、新しいアプリは、ChimeやVaroなどのように、金融サービスからネオバンクへの変身を狙っている企業と競合する一連の機能を提供する。すなわち今ではそのサービスには、給与支払い小切手Direct Depositsや、PayPalの銀行パートナーによる2日前アクセス、自動引き落としなども含まれている。

これらの機能によってPayPalの競争力は増す。というのも給料日の前に入金しているという機能は、従来の銀行に比べてデジタルバンクを志向するアプリの、大きな魅力のひとつだからだ。

給与の振込先がPayPalになることに加え、顧客のPayPalファンドを使って、彼らの請求書の支払いや貯蓄、ショッピングなど日常的なサービスもできる。

関連記事: メッセージ機能を含むPayPalの新しい「スーパーアプリ」が立ち上げ準備完了

PayPalによると、強化された自動引き落とし機能によって顧客は、何千もの企業や公益企業からの請求を調べて、見て、そして支払える。その中には、テレビやインターネット、保険、クレジットカード、電話などなどもあるだろう。今年初めに自動引き落としが導入されたときは、数千の請求者が利用できたが、今ではおよそ17000の企業等が利用している。また顧客は、インテリジェントで改良された検索機能から請求者を知り、支払い期限の事前通知や自動引き落としのスケジュールなどを求めることができる。支払いはPayPalのアカウントからだけでなく、PayPalのアカウントにリンクしているそのほかの資金源からも行われる。

同じくPayPalによると、PayPal SavingsはSynchrony Bankとのパートナーシップにより、年利率0.40%の高利率貯蓄を提供し、それは国の平均の0.06%の6倍だ。しかしそれでもこれは、デジタルバンキング市場の上位ライバルたちに比べると低い。たとえばChimeは0.50%、Varoは0.20%から最高3.00%まで、Marcus0.50%、Ally0.50%、ONE(Auto-Save取引により1.00%または3.00%)などだ。でもPayPalの利率は、もっと利率が低い従来銀行から乗り換えた人には魅力的だろう。

PayPalによると、その高利回り貯蓄の強みは年利率だけでなく、それに結びついているサービスにもある。


画像クレジット: PayPal

PayPalの消費者担当上級副社長Julian King氏はこう言っている: 「たしかに米国の顧客の約半分は貯蓄口座すら持っていないから、年利率の有利性なんて話は通じない。だからむしろ、プラットホーム上にフルセットのソリューションが揃っていることの方が、個人顧客を獲得する競争で強いだろう」。

PayPalのアプリはすでに、新しい機能と今後の機能に対応して再編されている。

それにはまず個人化されたダッシュボードがあって、顧客の口座の概要を見せる。ウォレットタブでユーザーはDirect Depositsを管理でき、銀行口座やデビットカード、クレジットカードなどの資金源にも接続する。それにはPayPal自身のカードへの登録も含まれる。そして金融タブは高利回り貯蓄口座と、前からある暗号通貨機能にアクセスする。後者ではBitcoinやEthereum、Bitcoin Cash、Litecoinなどの売買や保存ができる。

一方、決済タブにはPayPalの従来からの機能の多くがあり、それには個人間決済や国際送金、慈善や非営利の寄付、そして今や自動引き落としと双方向メッセージング機能があって、支払いの催促や謝辞に利用する。それは友だちや家族間でもよいし、商業者対顧客でもよい。このコミュニケーション機能によってPayPalは、決済にコメントなどを付けられるPayPal保有のVenmoに似てくる。

メッセージングは、PayPalの新しい機能であるShoppingハブにも結びついている。同社が2019年に40億ドルで買収したHoneyも、ここで活用される。Honeyの中核的な機能はPayPalのモバイル体験の一部になり、それには個人化や特別報奨などが含まれている。


画像クレジット: PayPal

PayPalのユーザーはアプリの中で割引や特売などを調べて、そのアプリ内ブラウザーから買い物や決済取引ができる。PayPalのポイントなどはウォレットにためておいて、今後のショッピングで使える。顧客は、買い物に対するキャッシュバックやPayPalのショッピングクレジットなどの、ロイヤリティの対象にもなる。同社によると、このような個人化は今後もっと改良される。

その点に関してKing氏は、「AIや機械学習を利用して、買い物のおまけやお買い得企画として今何に人気があるのかを探り、それを今後も開発していく。そんなAIツールは、使えば使うほど賢くなるだろう」、と言っている。お客が好む企画を見つけて、それと似たものを今後展開する、ということだ。

今回のPayPalモバイルアプリのアップデートでは、クラウドソーシングによる資金調達Generosity Networkも新しい。ローンチしたのは昨年だが、この資金募集ネットワークは、GoFundMeやFacebookのFundraisersに倣ったもので、慈善や小さな企業の立ち上げのための資金をクラウドファンディングする。そのネットワークは今ではドイツやイギリスにも広がっていて、今後はもっと対象国を増やすそうだ。

関連記事: All the reasons why you should launch a credit or debit card(未訳、有料記事)

PayPalも言ってるように、この新しいアプリは今後の新しいプロダクトの基盤になる。そのロードマップ上の最大の企画が、投資への参入、Robinhoodのようなモバイル投資アプリとの競合だ。実現した暁には、株や端株、ETF投信などの買いもサポートする、とPayPalは言っている。

また今後はオフラインの環境ではQRコードによる決済もサポートし、店ではPayPalを使って節約ができるようにする。

このアップデートされたアプリは米国では今日から展開が始まり、徐々に数週間かけて完了する。ただしPayPal Savingsだけは遅れて、米国では「数週間後」になる。ショッピングと報奨ツールも、一部は遅れる。

文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: PayPal

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米PayPalが日本のペイディを3000億円で買収、アジアで「BNPL」後払い市場に参入

米国のフィンテック企業であるPayPal Holdings(ペイパル・ホールディングス)は、日本でのビジネスを強化するために、日本の後払い(BNPL、Buy Now, Pay Later)サービスプラットフォームであるPaidy(ペイディ)を、約27億ドル(3000億円)の現金で買収することを発表した。

規制当局の承認を含む取引完了は、2021年第4四半期を予定している。

買収後、日本を拠点とするペイディは既存の事業を継続し、ブランドを維持するとともに、Paidyの杉江陸社長兼CEOと創業者兼代表取締役会長であるRussel Cummer(ラッセル・カマー)氏は引き続きリーダーとして同社に残る。

日本は世界3位のEC市場であり、今回の買収は、クレジットカードに代わる後払い決済サービスの提供という分野で、日本および地域でのシェア拡大を目指すPayPalにとって重要な動きだ。

PayPalは長年にわたり、決済カードと仲良くやってきた。ユーザーは自分のカードの詳細をPayPalにアップロードし、PayPalをデジタルウォレットのように使ってオンラインでの支払いを管理することができる。しかし、PayPalは実際には、PayPalアカウントへ入金し、そこから支払いを行う決済プラットフォームとしてスタートした。その意味でPaidyは、PayPalのファーストパーティ路線を強化し、カードネットワークを介さず、独自のインフラでお金の流れを「所有する」方法を提供するといえる。

ペイディは基本的に、日本の消費者と加盟店の間の仲介を行う双方向決済サービスだ。機械学習を利用して、特定の購買に関連する消費者の信用力を判断し、数秒でそれらの取引を引き受け、加盟店への支払いを保証する。消費者はPaidyに商品代金を後払いする。

ペイディのプラットフォームは「3回あと払い」と名付けられた月賦払いサービスを提供しており、消費者はオンラインで購入した複数の商品の代金を、毎月、コンビニエンスストアや銀行振込でまとめて支払うことができる。

Paypalの日本担当副社長であるPeter Kenevan(ピーター・ケネヴァン)氏はこう述べている。「ペイディは、日本市場に合わせたBNPLソリューションの先駆者であり、消費者とマーチャントの両サイドで大規模なプラットフォームを構築し、業界リーダーへと急成長しました」。

ペイディの登録ユーザー数は600万人を超えており、今後はPayPalをはじめとするデジタル・QRウォレットを「どこでもペイディ(Paidy Link)」に統合し、オンラインとオフラインのマーチャントをさらに繋げていく計画だ。

同社は2021年4月、デジタルウォレットとペイディアカウントを連携させることができる「どこでもペイディ」を提供開始した。PayPalは「どこでもペイディ」と統合した最初のデジタルウォレットパートナーだった。

杉江氏は声明の中でこう述べた。「PayPalは『どこでもペイディ』の創設パートナーであり、さらなる価値を生み出すために共に歩んでいくことを楽しみにしています」。

「日本は当社のこれまでの成長に貢献してきた活気に満ちた環境であり、当社チームの努力と可能性がグローバルリーダーに認められたことを光栄に思います。Paypalと協力することにより『買い物の手間を省く』という当社のミッション実現にさらに近づくことができるでしょう」とカマー氏は述べている。

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

「Link in Bio」のLinktreeがPayPalと提携、世界中のユーザーがダイレクト決済の支払い受付可能に

ユーザー1600万人超を抱える人気の「Link in Bio」(リンクインバイオ)サービス、Linktree(リンクツリー)が、最近立ち上げた直接支払いのための「Commerce Links」ツールをグローバル展開するためにPayPal(ペイパル)と提携する。メルボルン拠点のLinktreeによると、PayPalがサービスを展開する200カ国超のクリエイターは現在、決済ツールを通じて支払いを受けることができる。

3月に提供が始まったCommerce Linksでユーザーはブラウザやタブを別途開くことなしに自分のLinktreeプロフィールで直接支払いを受けられる。この新しい統合によってLinktreeのユーザーは自分のPayPal口座をつなげて、フォロワーや顧客からPayPal、デビットカード、クレジットカード経由で支払いを受けることができる。ユーザーは取引や決済換算レートなどに関する情報にもアクセスできる、とLinktreeは説明する。利用できる関連データはクリエイターがデジタルプレゼンスを管理するのをサポートするためだという。

「クリエイター経済が成長するにつれ、クリエイターは自身のオーディエンスからできるだけ煩わしい思いをせずに支払いや支援金を回収する新しい方法を求めています」とLinktreeの共同創業者でCEOのAlex Zaccaria(アレックス・ザッカリア)氏は声明で述べた。「当社のソリューションを世界のユーザーに提供し、ユーザーがこれまで以上にデジタルプレゼンスを管理して収益につなげられるようにすべく、PayPalとコラボすることに胸躍らせています」。

クリエイターは、2種類のCommerce Linksを使ってフォロワーや顧客から支払いを受けることができる。「Support Me Link」では、Linktreeユーザーはビジターから支払いや寄付を受けることができ「Request Links」では顧客やフォロワーがクリエイターのLinktreeプロフィールから直接クリエイターに商品やサービスをリクエストできる。

PayPalとのコラボは、クリエイターにフォーカスした一連の取り組みの最新例だ、とLinktreeは話す。今回の提携発表の数日前に、Linktreeは自動音楽リンク集約プラットフォームのSonglink/Odesliの買収を発表していた。LinktreeはSonglink/Odesliを新しく立ち上げた「Music Link」機能に統合する。この機能では、ユーザーが好みのプラットフォームでコンテンツを聴けるよう、曲あるいはアルバムを自動的にすべての音楽ストリーミングサービスで表示する。

2016年創業のLinktreeはいま、Shorby、Linkin.bio、Beaconsなどいくつかの「リンクインバイオ」プラットフォームと競合している。Linktreeは3月にシリーズBで4500万ドル(約49億円)を調達した、と発表した。同ラウンドはIndex VenturesとCoatueが共同でリードし、既存投資家のAirTree VenturesとInsight Partnersも参加した。

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画像クレジット:Linktree

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

PayPalは英国にまで暗号資産の購入、所有、売却のサポートを拡大

PayPal(ペイパル)は、暗号資産(仮想通貨)の購入、所有、売却を初めて米国以外のユーザーに提供する。同社は米国時間8月23日、英国のユーザーがBitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Litecoin(ライトコイン)、Bitcoin Cash(ビットコイン・キャッシュ)の4種類から暗号資産を選び、連携している銀行口座またはデビットカードを使って購入できる新サービスを発表した。

同社は2020年秋、Paxos Trust Company(パクソス・トラスト・カンパニー)と提携して、まず米国内で暗号資産サポートをスタートした。サービスは2020年11月中旬には米国の全ユーザーに公開された。PayPal傘下のVenmo(ベンモ)も今春、暗号資産サポートを追加した。

英国で暗号資産を利用したい顧客は、PayPalのウェブサイトまたはモバイルアプリを通じて購入できる。そこでは事前に決められた購入額の中から選ぶか自分で額を入力できる。暗号資産は、ユーザーが望めば、1ポンド(約151円)から購入できる。ただし、 暗号資産の購入または売却には所定の手数料および為替手数料がかかる、と同社は注記している。手数料は売買される暗号資産の額によって異なる。

新しいサービスの内容そのものは米国内のサービスと概ね変わらないが、1つだけ例外がある。PayPalは、英国ユーザーの取引高制限の調整についてTechCrunchに語った。開始当初、1回の暗号資産購入の上限は1万5000ポンド(約225万7600円)に設定されている。米国では開始当初、1週間の購入限度を2万ドル(約219万4300円)に設定していた。しかし、2021年7月に限度額を10万ドル(約1097万1700円)に引き上げるとともに年間購入額制限を撤廃した。

また同社は暗号資産の最初の海外進出先が英国である理由について、当地がフィンテックハブであること、およびPayPalの世界第2位の市場であり、消費者顧客の大規模な基盤があるからだとTechCrunchに話した。

「私たちは英国の暗号資産エコシステムをさらに発展させる手助けができると考えています。米国でこのサービスに高い需要があることはわかっていました。それでも、PayPalのアプリ内暗号資産サービスに対する顧客エンゲージメントの大きさには初日から驚かされました」とPayPal広報担当者は語った。「サービス開始以来、当社ユーザーの驚くべき、かつ持続的なエンゲージメントが続いています。当社の米国プラットフォームで暗号資産を購入、所要、売却する消費者は、以前の2倍の頻度でログオンしています」と広報担当者は付け加えた。

暗号資産は、今後数カ月のうちに公開が予定されているPayPalの来るべき「スーパーアプリ」の主要機能でもある。

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他の暗号資産サービスをいつ、あるいはいつか英国でも展開するかについて同社はコメントしなかった。最近提供を開始した「Checkout with Crypto」(暗号資産でチェックアウト)がその1つで、ユーザーは所有する暗号資産を使って無数のオンラインショップでチェックアウトできるようになる(取引に必要な暗号資産は事前に不換通過に変換しておく)。しかしPayPaylは、英国で追加機能を提供する前に、まず新機能を使った暗号資産の購入、保持、売却を現地顧客がどう受け入れるかを観察、学習したいと語った。

自社アプリでの暗号資産サポートに加えて、PayPalのベンチャーキャピタル部門は過去数カ月間に暗号資産とプロックチェーンにいくつか投資を行った。暗号資産リスク管理ソフトウェアのTRM Labs(TRMラボ)のシリーズAに1400万ドル(約15億4000万円)、デジタル資産取引インフラストラクチャー会社、Talos(タロス)のシリーズAに4000万ドル(約43億9000万円)、および暗号資産税務ソフトウェア会社のTaxBit(タックスビット)のシリーズAに1億ドル(約109億7000万円)を投資している。

「パンデミックは私たちの生活全般にわたってデジタルの変化と変革を加速しました。金銭のデジタル化や消費者のデジタル金融サービス利用の拡大もそうです」とPayPalのブロックチェーン・暗号資産・デジタル通貨担当ゼネラルマネージャー兼パイスプレジデントであるJose Fernandez da Ponte(ホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ)氏が声明で語った。

「PayPalの世界展開力、デジタル決済の専門知識、および消費者と企業に関する知識に、堅牢なセキュリティとコンプライアンス管理が組み合わさることで、英国の人々が暗号資産を探求するのを手助けする独自の機会と責任が当社に与えられました。今後も英国および世界中の規制当局と密に協力することで、当社のサポートを提供し、将来の世界の金融と商業におけるデジタル通貨の役割を明確にするために意味のある貢献を続けていくことに注力します」。

現在PayPalは、英国以外に米国のハワイ、米国海外領土を除く地域で暗号資産をサポートしているが、世界中の認可・規制された暗号資産プラットフォームおよび中央銀行と提携を結ぶことでデジタル通貨の可能性を探求していくと語った。

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

メッセージ機能を含むPayPalの新しい「スーパーアプリ」が立ち上げ準備完了

PayPal(ペイパル)が自らを「スーパーアプリ」に変身させる計画が、立ち上げに向け動き出した。

PayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏が、今週行われた第2四半期の決算説明会で投資家に向けて語ったところによると、同社の新しい消費者向けデジタルウォレットアプリの初期バージョンの「コードは完成」しており、同社はゆっくりと立ち上げに向け準備を整えているとのことだ。今後数カ月の間に、同社は米国内でのサービスを十分に強化し、四半期ごとに新しい決済サービス、金融サービス、コマース、ショッピングツールを提供していく予定だ。

これは、PayPalを、中国のWeChat(ウィーチャット)やAlipay(アリペイ)、インドのPaytm(ペイティーエム)の米国版にしようとするプロダクトの方向性の転換だ。こうしたアプリと同じように、PayPalはモバイル決済だけでなく、多くの消費者サービスをワンストップで提供することを目指している。

PayPalは過去の四半期で上記の新機能には、高機能な口座振替、小切手現金化、予算管理ツール、請求書払い、暗号資産サポート、サブスクリプション管理、今買って後で支払う機能などが含まれる可能性があると述べていた。また、2019年に40億ドル(約4400億円)を投じて買収したHoney(ハニー)のモバイルショッピングツールにより、商取引機能を統合するとも述べている。

これまでPayPalは、Honeyを単独のアプリケーション、ウェブサイト、ブラウザの拡張機能として運営してきたが、スーパーアプリには、取引検索や価格追跡など多くの機能を組み込む可能性があるという。

シュルマン氏は米国時間7月28日の決算説明会で、スーパーアプリには他にもいくつかの機能、すなわち、高利回りの預金、口座振替資金への早期アクセス、ピアツーピア決済以外のメッセージング機能(アプリのユーザーインターフェースにより家族や友人と直接チャットできること)などが含まれることを明らかにした。

PayPalは、これまでメッセージ機能を搭載する計画を発表していなかったが、今思えば、人々がチャットとピアツーピア決済を組み合わせることが多いという点で、この機能は理に適っている。例えばユーザーは、アプリから自動でリクエストを送るのではなく、自分で送りたいと思うかもしれない。また、お金を受け取った後に「ありがとう」などの感謝の言葉を伝えたい場合もある。現在、このような会話は、決済アプリの外で、iMessageなどのプラットフォーム上で行われている。だが、これは変わる可能性がある。

「これにより、プラットフォーム上で多くのエンゲージメントが得られるようになると考えています」とシュルマン氏は話す。「メッセージをやり取りするために、プラットフォームを離れる必要はありません」。

PayPalは、ユーザーのエンゲージメントが高まることで、アクティブなアカウント1件あたりの平均収益が向上すると見込む。

また、シュルマン氏は「暗号資産関連の機能追加」についても示唆したが、詳細は不明だ。PayPalは今月初め、米国内の適格なPayPal顧客を対象に、暗号資産の購入限度額を2万ドル(約220万円)から10万ドル(約1100万円)に引き上げた(年間購入限度額なし)。また、同社は2021年、消費者が暗号資産を使って何百万ものオンラインビジネスで決済することを可能にした。この場合、まず暗号資産を現金に換え、次に米ドルで決済する。

アプリのコードは完成しているが、シュルマン氏は今後もプロダクトエクスペリエンスを試行錯誤していく予定だと語り、初期バージョンが「すべてではない」と述べた。つまり、四半期ごとに着実にリリースし、新機能を追加していく予定だ。

ただし、初期の新機能としては、高利回りの貯金、ユーザーエクスペリエンスを向上させた請求書払い、請求先やアグリゲーターの増加、口座振替の早期利用、予算管理ツール、新しい双方向メッセージング機能などがあると話した。

すべての新機能をスーパーアプリに統合するため、PayPalはユーザーインターフェースの大幅な見直しを行う。

「明らかに、ユーザーエクスペリエンスは再設計されつつあります」とシュルマン氏は話す。「リワードとショッピングを追加します。また、クラウドソーシングや慈善団体への寄付など、寄付に関する機能も充実しています。さらに、今すぐ購入して後払いする機能も完全に統合されます。前回数えたところでは、スーパーアプリに搭載される予定の新機能は25個ほどになりました」。

また、デジタルウォレットアプリは、エンドユーザーに合わせてパーソナライズされるため、同じアプリは2つとない。これは、人工知能と機械学習の両方の機能を利用して実行され「各顧客の体験と機会を向上させる」とシュルマンは述べている。

PayPalの業績は、第2四半期の売上高については、ウォール街が予想した62億7000万ドル(約6900億円)に対して62億4000万ドル(約6860億円)となり、1株当たり利益は予想1.12ドル(約123円)に対して1.15ドル(約127円)となった。また、顧客からの総支払額も、アナリストが予想していた2952億ドル(約32兆4700億円)に対し、40%増の3110億ドル(約34兆2100億円)となった。しかし、eBayが独自のマネージドペイメントサービスに移行したことが影響し、第3四半期の見通しを下方修正したことから、同社の株価は下落した

なお、PayPalの新規アクティブアカウントは第3四半期に1140万件の純増となり、アクティブアカウント総数は4億300万件に達した。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:PayPalスーパーアプリアプリアメリカ決算発表

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

PayPalの中国における野心と苦戦、クロスボーダー決済に注力

過去数カ月、PayPal(ペイパル)は中国での事業拡大に向けて静かに準備してきた。

最近開催された、ダボス会議の中国版Boao Forumで、米国の決済大手PayPalは同社の中国での戦略がAlipayとWeChat Payの複占に挑むというものではないと述べた。その代わり、PayPalはクロスボーダー事業にフォーカスし、中国の小売業者が集金したり、中国の消費者が海外の商品購入の代金を支払ったりするためのゲートウェイを提供する。

これはもちろん儲けが多い分野だ。マーケット調査会社iResearchによると、中国のクロスボーダーeコマースのマーケット規模は2016年の約3兆元(約50兆円)から2021年には6兆元(約100兆円)近くへと急増した。

しかしこの分野は近年競争が激しくなっており、PayPalの参入は遅かったかもしれない、と中国で米テック大手に勤めるとあるマネジャーは話した。この人物はメディアに話すことを許可されていないため、匿名を希望した。

オンラインで商品を販売する中国の輸出業者にとって最大のマーケットプレイスの1つであるAmazonでは、小売業者が集金するための確立されたオプションがすでにある。高額な送金手数料はいうに及ばず、海外での銀行口座開設は小さな中国の輸出業者にとっては難しい。よって、そうした業者は往々にして、米国のPayoneer、中国のPingpongLianlianなどサードパーティの送金決済ソリューションに頼る。こうしたサービスの業者の売り上げを母国の銀行口座に振り込む手数料は比較的少額だ。

中国は外国為替と電子決済に関し、厳格な規定を設けている。しかしPayPalはすでに規制当局の認可を得ている。同社は中国の決済会社の株式を購入したのち、2021年1月に中国でオンライン決済の事業許可を得た初の海外企業となった。

政府からの認可の取得は最初のステップにすぎない。PayPalのアピールは主に、中国のeコマース輸出業者にどんなサービスを提供できるのかによるところが大きい。中国ではAmazonやeBayのような企業が溢れかえっている。

「最終的には、顧客はどのサービスが一番安くて使いやすいかを重視します」と前述のマネージャーは話した。

「中国のクロスボーダー決済ソリューションはプロダクト、スケール、手数料の点ですばらしい成果を上げました。PayPalに可能性があるとは思いません」。

それでも、PayPalアプリの広範なリーチを考えたとき、主要なマーケットプレイスで販売する代わりに自社オンラインストアを構築した輸出業者は、顧客からの支払いを受けるためのツールとしてPayPalを必要とするかもしれない。

クロスボーダー決済に関しては、PayPalはずいぶん前から中国で広く使われてきたTencentのWeChat Pay、Ant GroupのAlipayと競合している。WeChat Pay、Alipayいずれも中国の海外旅行客が中国国内と同様に海外の小売店でも決済できるよう、グローバル提携を積極的に進めてきた。そうした海外商品の国内での買い物では往々にして中国企業のeコマースアプリを使う。それらのアプリでは決済処理業者としてAlipayやWeChat Payを使う傾向にある。

現在保留されているAntのIPO目論見書によると、クロスボーダー決済はAntの主な成長目標にもなっている。同社の2020年上半期の売上高における海外事業の割合は約5%にすぎなかった一方、その大半はクロスボーダー決済によるものだった。目論見書を提出した当時、AntはIPOから得られる純利益の40%、額にして528億香港ドル(約7400億円)をクロスボーダー決済と業者サービス、海外での機能性の拡大にあてる計画を持っていた。

「PayPalがAntよりも安い手数料を提供できるかどうかにかかっています」と以前中国企業のクロスボーダーウォレット部門で働いていた人物は語った。「しかしPayPalは安い手数料では知られていません」。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:PayPal中国クロスボーダー決済Ant Group

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが新会社「メルコイン」の設立を4月下旬に設立します。メルカリの子会社として、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行い、暗号資産交換業者の新規登録も行います。

発表によると、メルカリグループは「メルコイン」を「メルカリ」「メルペイ」に続く事業の柱に育てる方針。今後は売上金のビットコインでの受け取り機能の提供や、メルペイで決済・送金・与信・資産運用・暗号資産を1つのウォレットで管理できる機能を提供します。

また、価値交換を実現するブロックチェーン技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)等、これまでのモノ・金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形の創出を目指すといいます。

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

暗号資産をめぐっては、米国の決済サービス大手「ペイパル」が自社ウォレットでの取り扱い開始を発表したほか、テスラが自社製品の購入代金にビットコインを利用可能とするなど、各社の参入が相次いでいます。

2020年末からの価格高騰を受けて、暗号資産全体の時価総額は200兆円を超え、金の時価総額(1200兆円)の6分の1に迫っています。また、直近では米フィデリティがビットコインETFの承認申請をSEC(米証券取引委員会)に行ったことでも話題を集めています。

発表の全文は下記の通りです。

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、メルカリの子会社として2021年4月下旬(予定)に株式会社メルコイン(以下、新会社)を設立することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
※メルコインは、今後、暗号資産交換業者の新規登録申請を行う予定です。

暗号資産は、現在、暗号資産全体の時価総額が200兆円※1を超え、これまで採掘された金の時価総額約1200兆円[※2]の6分の1の規模に迫るなど、大きな存在になりつつあります。国内の暗号資産やブロックチェーンの領域においては、2017年4月に「資金決済に関する法律」が改正され、以降、様々な事業者が暗号資産交換業に参入、資産運用を中心に活用が広がっています。一方、グローバルな環境においては、資産運用に加え、決済や送金での利用等、様々なシーンで暗号資産やブロックチェーンの活用が広がっており、国内においてもこれまでに無い新たな顧客体験を提供できる可能性があると考えています。

新会社を設立し、暗号資産事業に取り組むことで、「メルカリ」においては、売上金のビットコインでの受取り機能の提供や、「メルペイ」においても決済・送金機能の提供に留まらず、与信、暗号資産・資産運用の機能を一つのウォレットで提供していく等、より簡単に金融サービスを利用できる環境を構築していきます。

また、価値交換を実現するブロックチェーンの技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)[※3]等、これまでのモノ・お金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形を創出し、さらなる顧客体験の向上や顧客基盤の拡大に繋げていきたい考えです。メルカリは、メルコインにおける新たな挑戦を通じて、メルカリグループの新たな柱となりうる事業の企画・開発を目指してまいります。

※1:CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/ja/)2021年3月30日時点
※2:出典(グラム単価:https://www.kitco.com/kitco-gold-index.html、金の採掘量:https://www.gold.org/about-gold/gold-supply/gold-mining/how-much-gold)2021年3月30日時点
※3:NFT(Non-fungible token)とは、ブロックチェーン上に記録されるNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことで、デジタル資産や権利などの所有や譲渡を記録するものです。

【メルコイン概要】
会社名:株式会社メルコイン / Mercoin, Inc.
設立日:2021年4月下旬(予定)
資本金:5,000万円(株式会社メルカリ100%子会社)
事業内容:暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発
代表者名:青柳直樹
主要役員:
取締役CISO 曾川景介
取締役 伏見慎剛
監査役 栃木真由美
所在地:〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー

(Source:メルカリEngadget日本版より転載)

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タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)SEC / 米証券取引委員会(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)中央銀行デジタル通貨(CBDC)Bitcoin / ビットコイン(用語)ブロックチェーン(用語)Paypal(企業)メルカリ / Mercari(企業)メルペイ(製品・サービス)日本(国・地域)

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが新会社「メルコイン」の設立を4月下旬に設立します。メルカリの子会社として、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行い、暗号資産交換業者の新規登録も行います。

発表によると、メルカリグループは「メルコイン」を「メルカリ」「メルペイ」に続く事業の柱に育てる方針。今後は売上金のビットコインでの受け取り機能の提供や、メルペイで決済・送金・与信・資産運用・暗号資産を1つのウォレットで管理できる機能を提供します。

また、価値交換を実現するブロックチェーン技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)等、これまでのモノ・金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形の創出を目指すといいます。

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暗号資産をめぐっては、米国の決済サービス大手「ペイパル」が自社ウォレットでの取り扱い開始を発表したほか、テスラが自社製品の購入代金にビットコインを利用可能とするなど、各社の参入が相次いでいます。

2020年末からの価格高騰を受けて、暗号資産全体の時価総額は200兆円を超え、金の時価総額(1200兆円)の6分の1に迫っています。また、直近では米フィデリティがビットコインETFの承認申請をSEC(米証券取引委員会)に行ったことでも話題を集めています。

発表の全文は下記の通りです。

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、メルカリの子会社として2021年4月下旬(予定)に株式会社メルコイン(以下、新会社)を設立することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
※メルコインは、今後、暗号資産交換業者の新規登録申請を行う予定です。

暗号資産は、現在、暗号資産全体の時価総額が200兆円※1を超え、これまで採掘された金の時価総額約1200兆円[※2]の6分の1の規模に迫るなど、大きな存在になりつつあります。国内の暗号資産やブロックチェーンの領域においては、2017年4月に「資金決済に関する法律」が改正され、以降、様々な事業者が暗号資産交換業に参入、資産運用を中心に活用が広がっています。一方、グローバルな環境においては、資産運用に加え、決済や送金での利用等、様々なシーンで暗号資産やブロックチェーンの活用が広がっており、国内においてもこれまでに無い新たな顧客体験を提供できる可能性があると考えています。

新会社を設立し、暗号資産事業に取り組むことで、「メルカリ」においては、売上金のビットコインでの受取り機能の提供や、「メルペイ」においても決済・送金機能の提供に留まらず、与信、暗号資産・資産運用の機能を一つのウォレットで提供していく等、より簡単に金融サービスを利用できる環境を構築していきます。

また、価値交換を実現するブロックチェーンの技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)[※3]等、これまでのモノ・お金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形を創出し、さらなる顧客体験の向上や顧客基盤の拡大に繋げていきたい考えです。メルカリは、メルコインにおける新たな挑戦を通じて、メルカリグループの新たな柱となりうる事業の企画・開発を目指してまいります。

※1:CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/ja/)2021年3月30日時点
※2:出典(グラム単価:https://www.kitco.com/kitco-gold-index.html、金の採掘量:https://www.gold.org/about-gold/gold-supply/gold-mining/how-much-gold)2021年3月30日時点
※3:NFT(Non-fungible token)とは、ブロックチェーン上に記録されるNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことで、デジタル資産や権利などの所有や譲渡を記録するものです。

【メルコイン概要】
会社名:株式会社メルコイン / Mercoin, Inc.
設立日:2021年4月下旬(予定)
資本金:5,000万円(株式会社メルカリ100%子会社)
事業内容:暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発
代表者名:青柳直樹
主要役員:
取締役CISO 曾川景介
取締役 伏見慎剛
監査役 栃木真由美
所在地:〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー

(Source:メルカリEngadget日本版より転載)

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タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)SEC / 米証券取引委員会(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)中央銀行デジタル通貨(CBDC)Bitcoin / ビットコイン(用語)ブロックチェーン(用語)Paypal(企業)メルカリ / Mercari(企業)メルペイ(製品・サービス)日本(国・地域)

PayPalが仮想通貨でオンライン精算できる新機能を導入、まずは米国で

PayPal(ペイパル)は米国3月30日、消費者が何百万というオンライン事業者のサイトで仮想通貨を使って精算できる新機能「Checkout with Crypto」の立ち上げを発表した。機能の拡大は、PayPalが現在行っている仮想通貨マーケットへの投資の一環であり、投資の中には顧客がさまざまな仮想通貨の売買や保持ができるようにするためのPaxosとの提携も含まれる。また、直近の動きとしては仮想通貨セキュリティスタートアップCurvの買収がある。

関連記事:PayPalがイスラエルの暗号通貨セキュリティCurvを買収へ

PayPalによると、仮想通貨を持つ米国の顧客は数百万の事業者との取引で自身が所有する仮想通貨を使って精算できるようになる。PayPalはこのサービスを今後数カ月で世界中の同社の顧客、2900万のオンライン事業者に拡大する計画だ。この機能には追加のインテグレーションや手数料はない。

実質的には、Checkout with Cryptoでは顧客が精算時にPayPalを通じて仮想通貨を売却し、その後米国ドルで実際の決済を行えるようにする。事業者側には何ら変更はない。事業者はこれまで同様、仮想通貨ではなく米国ドルで支払いを受ける。しかしPayPalの機能ではこうした決済がこれまでと同じ精算の流れで行われるようになっており、買い物客が簡単に仮想通貨を使ってすばやく買い物できるようにしている。

立ち上げにあたっては、Bitcoin(ビットコイン)、Litecoin(ライトコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)を扱う。しかしそれぞれの決済で使えるのは仮想通貨1種類のみだ。

顧客がオンライン購入の支払いをするのに十分な仮想通貨を持っている場合、銀行口座やPayPal残高、クレジットカード、デビットカードといった従来の決済方法とともにCheckout with Crypto機能が表示される。他の決済方法と同様、Checkout with Cryptoは詐欺防止や対象となるアイテムの返品・購入保護を含むPayPalの安全とセキュリティ保障の対象となる、と同社は記している。

決済が終わると、客は仮想通貨の売却の記録と決済レシートを受け取る。

同社は仮想通貨マーケットに参入した2020年、仮想通貨での決済のサポートを開始する計画を発表していた。その際、仮想通貨売買サポートを開始した後、2021年に精算機能を立ち上げると述べている。

同社は現在、顧客が仮想通貨を買ったり売ったりする際に決済手数料をとることで収益を上げている。これが、販売業者側から手数料を徴収しない理由だ。

PayPalのサービス立ち上げは仮想通貨が実社会での購入に使える場所を大幅に増やすのに役立ち、デジタル通貨の浸透を加速させるのにもひと役買うかもしれない。

同社の上級副社長であるJim Magats(ジム・マガッツ)氏によると、事業者にとって仮想通貨を決済オプションとして提供することは、歴史的に統合要件、テクニカルの障壁、消費者の間での一般的な認識の欠如のために難しかった。

「Checkout with Cryptoでは、事業者が決済手法として仮想通貨の売却の手続きを受け入れられるようにします。すべて現在のPayPal統合の中で行われ、事業者が追加で何かする必要はありません」とマガッツ氏は述べた。「顧客との間で行われる仮想通貨の売却や変換はPayPalが受け持ちます。そして事業所に購入代金を米ドルで渡すことで、事業所側のプロセスを合理化しています」。

PayPalの今回の動きは、先のTeslaの発表から間もない中でのものだ。Teslaは米国の顧客がビットコインを使ってTesla車を購入できるようになったと明らかにした。そして日本のeコマース大手楽天のニュースもあったばかりで、ユーザーは日本のオンライン事業者からの購入を仮想通貨を使って精算できるようになると発表した。そしてVisaも3月29日に仮想通貨を使った決済を導入すると発表している

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「デジタル決済とデジタル通貨の使用は加速していて、PayPal顧客にPayPalウォレットを使った支払方法で選択肢とフレキシビリティを提供する一方で、Checkout with Cryptoの導入で仮想通貨が主流のもになるよう当社は引き続き注力します」と社長のDan Schulman(ダン・シュルマン)氏はCheckout with Crypto立ち上げについての声明で述べた。「世界中の事業所での購入に仮想通貨を使えるようにすることが、デジタル通貨のユビキタスと一般受け入れを促進するという点で次のステップとなります」と付け加えた。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:PayPal仮想通貨

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

PayPalがイスラエルの暗号通貨セキュリティCurvを買収へ

PayPal(ペイパル)はイスラエル・テルアビブ拠点の仮想通貨スタートアップCurv(カーブ)買収を計画していると発表した。PayPalの正式発表に先立ち、イスラエルの新聞Calcalistがこの動きを報じていている

Curvは、暗号資産を安全に管理するのをサポートする仮想通貨セキュリティ会社だ。あなたがハードウェアデバイスなしに暗号ウォレットにアクセスできるよう、クラウドベースのサービスを提供している。

同社はまた、新しいインターンが承認チェーンといったものなしに暗号資産を引き出せないよう、高度なポリシーを設けられるようにしもしている。同様に、通常の取引はより簡単に行えるようリストを作成することもできる。

この裏でCurvは秘密鍵を管理するためにマルチパーティ計算を使っている。あなたがウォレットを作る時、暗号化された秘密がユーザーのデバイスとCurvのサーバーで作られる。そしてユーザーがトランザクションを開始しようとするとき、複数の秘密鍵を使用して完全な公開鍵と秘密鍵を生成する。

秘密鍵は定期的に変わり、1つの秘密鍵だけでは何もできない。もし誰かが防犯対策がなされていないノートパソコンを盗んだとしても、ハッカーはこのデバイスに保存された情報だけでは暗号資産にアクセスできない。

おわかりのとおり、Curvはエンドユーザー向けの仮想通貨ウォレットではない。同社は両替やブローカー、店頭にサービスを提供している。もしあなたがファンドを運営していて、かなりの量の仮想通貨を購入する計画なら、Curvの利用を検討できるかもしれない。

最後に、デジタル資産を管理し、バランスシートを多様化するソリューションを探している金融機関もまたCurvと協業できそうだ。

CurvのチームはPayPal内の仮想通貨グループに加わるとPayPalは話す。同社は徐々に仮想通貨プロダクトを展開してきた。米国のユーザーが自身のPayPalアカウントから仮想通貨を購入、保持、売却できるよう、Paxosと提携した

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近い将来、PayPalは仮想通貨を使ってユーザーが物を売買できるようにもする計画だ。また直近の四半期決算発表で同社は米国外と同社が所有する消費者向けフィンテックスーパーアプリVenmoで仮想通貨プロダクトを立ち上げる計画であることも明らかにした。

買収の条件は非公開で、取引は2021年上半期のどこかで完了する見込みだ。PayPalはこの買収で2億ドル〜3億ドル(約218億〜327億円)支払う、とCalcalistは報じている。PayPalに近いとある人物は買収額は2億ドル以下だと話す。正確な額は次の四半期決算で明らかになるはずだ。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:PayPal仮想通貨Curvイスラエル買収

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

マスターカードが暗号資産に年内対応と発表、中央銀行デジタル通貨(CBDC)で中央銀行数行とも連携

米マスターカードは今年から暗号通貨のサポートを追加することを発表しました。

マスターカードによれば、暗号通貨を自社ネットワーク内で取り扱うことにより、より多くの加盟店で新しい支払い方法が提供できるとしています。また、暗号通貨と従来の通貨の変換の必要がなくなるため、効率性も向上します。

なお、現時点ではマスターカードがどの暗号通貨を取り扱うかは発表されていません。これについては、コンプライアンス対策などの要件を今後検討するとしています。また世界の主要な中央銀行と連携することで、CBDCとよばれる新たなデジタル通貨の発行も検討しています。

暗号通貨をめぐる最近の動きとしては、PayPalがビットコインなど4銘柄に対応したことで、その流通性がさらに高まっています。またかつてはPayPalを所有していたイーロン・マスク氏の米テスラが15億ドル相当のビットコインを購入したことで、一時、同暗号通貨は史上最高値を記録しました。

一方で、マスターカードは「この動きは暗号通貨の購入を促進するものではありません」と説明しています。まだまだ暗号通貨がどう取り扱われるのかについては不透明ですが、着実にその足元を踏み固めているような印象も受けます。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:フィンテック
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)中央銀行デジタル通貨(CBDC)Tesla / テスラ(企業)Paypal(企業)ブロックチェーン(用語)Mastercard(企業・サービス)

モバイル決算アプリVenmoは暗号資産、家計管理、貯蓄に進出、2021年中にHoneyを統合

モバイル決算アプリVenmo(ベンモ)の2021年は、これまでとはずいぶん違う展開になりそうだ。Venmoの親会社であるPayPal(ペイパル)は米国時間2月3日に行った第4四半期収支報告において、Venmoは家計、貯蓄、暗号資産へと範囲を広げ、ネオバンクの領域に少しずつ近づくと話した。さらに、40億ドル(約4210億円)でHoneyを買収し、商品価格の割引、特典、価格調査、ほしいものリストといった機能を含むその買い物ツールをVenmoアプリに統合する計画も発表した。

PayPalは、以前からVenmoに暗号資産を導入する意向を示していた。同社は2020年11月に暗号資産市場に参入し、特定暗号資産サービスプロバイダーPaxos Trust Company(パクソス・トラスト・カンパニー)と提携して米国内での暗号資産の購入、保有、売却を可能にした。当時PayPalは、同様の機能一式を2021年中にVenmoにも導入すると表明している。

そのタイムスケジュールは今も変わりがないことを、PayPalは今回の収支報告で投資家たちに対して明言した。

同社は、Venmoのユーザーは数カ月以内に暗号資産の購入、保有、売却をVenmoアプリ内で行えるようになると話している。これにはその他の「投資選択」も含まれるという(これは、ブロックチェーンで独自の暗号資産を展開したいと考える中央銀行にPayPalが協力していることを示すものだ)。

その他Venmoで新しくなるものを見ると、同アプリがますますネオバンクのライバルになっていくように感じられる。

たとえばPayPalは、2021年に金融業界のパートナーと共同で家計管理や貯蓄のためのツールや、PayPal内での請求書の支払いを可能にするオプションなどを導入すると話している。これらは、現代のモバイルバンキングアプリで一般的に見られるものだ。

Venmoに導入される貯蓄機能は、PayPalですでに利用可能なCash Plusアカウントと似たようなものとなり、米連邦保険公社と提携してパススルー保険が提供される。現在、Cash Plusアカウントにある資金にパススルー保険が適用されるのは、利用者がPayPalのデビッドカードであるCash Cardを所有し、Direct Deposit(口座振り込み)を行ってるか、Cash PlusアカウントでGoal(目標)を設定している場合のみだ。Venmoでも、同じ保険が適用されるように準備を整えている。

もう1つの進化は、Honeyの統合だ。PayPalは、ことあるごとにそれを公言してきたが、その統合のかたちに関する詳細がようやく明らかにされた。PayPalの計画によれば、2021年前半に、Honeyの機能がPayPalとVenmoの両プラットフォームに導入される。これには、Honeyのほしいものリスト、価格調査ツール、おまけ、クーポン、特典なども含まれる。

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この統合により、小売り業者はPayPalの両面マーケットプレイスを利用して、PayPalとVenmoの利用者の特定の顧客層を狙ってパーソナライズした商品の提示や割り引きができるようになる。言い換えれば、特定の商品の特典を探したり、価格を調べたりといった買い物の初期段階から消費者を囲い込もうという狙いだ。Honeyの買い物ツールによって、利用者を最適な取引に導いた上に、Venmoアプリで決済まで完了させることが可能になる。

パンデミックによる店舗の閉鎖や政府によるロックダウンのために実店舗や対面での販売が減少し、商取引がますますオンラインへと移行していく中、さらに、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保など基本的な安全対策が徹底されていない実店舗はもう怖くて行けないという人々が、オンラインショッピングのほうを好むようになってきたこの時期に、それらの新機能が登場することになる。

電子商取引と「非接触」決済が急速に増加したことも手伝って、PayPalにはこの第4四半期に140万件もの小売り業者が新たに加盟した現在、同プラットフォームには2900万件の業者が登録し、3億5000万人もの消費者に対応している。

その一方で、Venmoの総決済額は、前年比で60%増となる470億ドル(約5兆円)に達した。顧客ベースは32%増加し、最終的にアカウント数は7000万件弱にまでなった。同社は2021年の収益が9億ドル(約950億円)に達すると見込んでいる。

画像クレジット:Venmo

Venmoは、単なる決済アプリを超えて急速に成長を遂げている。この数カ月間で、同社は初めてのクレジットカードをローンチし、月末までには100%本格展開される。また、店舗でのQRコード決済、ビジネスプロフィール小切手の換金機能(景気刺激給付金小切手の支給に間に合った)もローンチされる。

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Venmoは、少なくとも今の時点では、完全なネオバンクになろうとしているわけではない。むしろ、いわゆる「デジタルウォレット」と目指している。

「今日のデジタル世界では決済、金融サービス、買い物を視野に入れたデジタルウォレットの必要性が急激に加速しています」とPayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏は投資家たちに向けて述べた。「今年、私たちのデジタルウォレットは、これまでの進化にも増して大きく変化し、単一の、総合的で美しくデザインされたアプリの機能が劇的に増加します。これが、顧客エンゲージメントの大幅な増加を招くでしょう」と彼は話す。

Venmoの新機能が利用可能になれば、アプリの利用数や決済額は増大するとPayPalは期待している。

「今後、エンゲージメントは歴史的な比率で上向きになると思われます。それはすべて、単なる決済アプリから大きく飛躍したデジタルウォレット・アプリの卓越機能によるものです」とシュルマン氏は語った。

カテゴリー:フィンテック
タグ:VenmoPayPal暗号資産電子ウォレット

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(文:Sarah Perez、翻訳:金井哲夫)

PayPalが激戦地インドでの決済事業から撤退へ

米国の決済サービス大手PayPal(ペイパル)は、世界第2位のインターネット市場であるインドでの事業を開始してから4年足らずで、同国での国内業務を終了すると発表した。

「2021年4月1日からは、インド企業の国際的な販売を可能にすることに専念し、インド国内の製品から焦点を移していきます。これは、4月1日よりインド国内での決済サービスの提供を終了することを意味します」と同社の広報担当者は述べている。

PayPalは長い声明の中で同社のインドでの優先事項がシフトしたと述べたが、業務を縮小する理由は詳しく説明していない。最近のニュースでは、同社はインドで36万以上の加盟店と契約したものの、インド市場に浸透するには苦戦していると報じられていた。

インドの報道機関The Morning Contextは2020年12月に、PayPalがインドでの現地決済事業を見限ったようだと報じていたが、同社は当時この主張を否定していた。

同社の広報担当者はTechCrunchにこう語った。「優先事項のシフトにともない、一部のPayPal従業員は新しいチームに配属されました。当社は常に、可能な限り従業員への影響を最小限に抑えることを重視しています。全体的に、当社がインドで雇用している従業員は増加しており、減少してはいません。我々は現在、インド各地のオフィスで多数スタッフを募集しています」。

それにしても、この動きは意外だといえる。同社は2020年の時点で、インドのUPI(Unified Payment Interface、統一支払いインターフェース)を利用した決済サービスを構築していると述べており、インドへの投資の増加を示唆していた。

PayPalはまた、長年にわたり、チケットサービスのBookMyShowやMakeMyTrip、フードデリバリープラットフォームSwiggyなどの多岐にわたるインドの人気ビジネスと提携し、より迅速なチェックアウト体験を提供してきた。本稿執筆時点では、インドのPayPalのウェブサイトは、そうした参照をすべて削除してあるようだ。

インドは近年、モバイル決済企業にとっては世界最大の激戦地の1つとして浮上してきた。
Paytm、PhonePe、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)、そしてFacebook(フェイスブック)を含む多額の資金に支えられた企業の数々が、 2023年には1兆ドル(約105兆円)の価値があるだろうと推定されるインド市場でのシェアを増やそうと競合している。これらの企業のいくつかは、加盟店向けの様々な決済サービスも提供している。

2020年、インドの加盟店向けに14億ドル(約1475億円)相当の国際売上を処理したとする同社は、「インドの企業が世界で3億5000万人近くいるPayPalユーザーにリーチし、国際的に売上を伸ばすお手伝いをし、インド経済の成長回帰を支援するための製品開発」に今後も投資していく、とつけ加えた。

PayPalは10年以上前からインドでクロスボーダー決済サポートを提供している。インドに進出してからは、インドの消費者がオンライン加盟店で買い物をする際、現地通貨で支払うことを可能にしていた。

この記事は、PayPalから提供された追加の詳細を元に更新された。

カテゴリー:フィンテック
タグ:PayPalインド

画像クレジット:Yichuan Cao/ NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

PayPalがクラウドソースの募金呼びかけプラットフォームを米国で立ち上げ

PayPal(ペイパル)はGenerosity Networkを立ち上げ、資金集めに関する取り組みを拡大する。オンラインでの寄付を通じて人々が慈善事業をサポートできるようにするPayPal Giving Fundと異なり、新しいGenerosity Networkでは人々が自分たちのため、あるいはサポートを必要としている人や零細事業者などの組織、慈善事業のために募金を呼びかけることができる。このサービスはGoFundMeやFacebook Fundraisersといった他の資金集めプラットフォームと直接競合するものだ。

立ち上げにあたり、 Generosity NetworkはPayPalの米国の顧客のみに提供される。ユーザーは30日間にわたって最大2万ドル(約210万円)の資金集めキャンペーンを展開できる。

PayPalは、新型コロナウイルス感染症パンデミックを受けてP2Pの資金集めマーケットが成長していることから、この新たなサービスを立ち上げることにしたと話す。また、パンデミックにより従来の慈善事業団体が以前のように金を集めることが困難になっている、とも指摘した。Association of Fundraising Professionalsの調査(PDF)を引き合いに出し、パンデミックによる経済的困難の結果、米国の慈善事業団体の半分以上で2020年の募金額は2019年より少なくなることが予想されると話した。

加えて、パンデミックで6500万人超の米国人がこれまでに失業し、これは往々にして家族や友人、コミュニティに追加の支援を求めることにつながっている、とも述べた。

PayPalが社会的な資金集めにフォーカスして開発したプロダクトはこれが初めてではない。数年前、同社はMoney Poolsを立ち上げた。これはサプライズパーティーやグループでの贈り物、旅行資金など分担し合う費用を貯めるために友人や家族が寄付できるようにするものだ。Generosity Networkはそうした取り組みの延長線上にある。

Generosity Networkでの募金集めはPayPalのウェブサイトから直接行うことができ、寄付は募金活動運営者の口座に直接入金される。そして運営者は必要に応じて集まった資金を分配できる。募金を呼びかけるキャンペーンはGenerosity Networkのプラットフォームで広く共有され、運営者が投稿やソーシャルメディア、ウェブを通じて呼びかけるよりもずっと多くの人に訴えることができる。

すでにPayPalユーザーは災害救援、葬式費用、医療費、コミュニティの活動、組織のためなどの資金を募っている。

他の資金調達プラットフォームと同様、PayPalのGenerosity Networkも手数料を徴収する。しかし当面はクレジットカードやデビットカードを使った寄付の手数料を免除するとしている。ただし国境をまたぐ手数料と為替手数料は徴収する。

参考までに、Facebook(フェイスブック)は慈善団体への寄付では手数料を免除しているが、個人の資金調達には課している(米国では2.60%+0.30ドル)。GoFundMeの米国の取引手数料は2.9%+0.30ドルだ。

TechCrunchはPayPalに手数料体系を尋ねたが、同社は2021年初めまで詳細を提供できないと述べた。

実際、ウェブサイトには手数料に関する情報が示されていない。FAQのリンクはMoney PoolsのFAQに飛ぶようになっている。これはGenerosity Networkの展開準備がまだ完全に整っていないことを暗示している。加えて、PayPalアプリとウェブのMoney Poolsプラットフォームを利用する顧客にはいま、Generosity Networkでキャンペーンを展開するオプションが提供される。

一般にホリデーシーズンには募金活動が活発になるが、PayPalはおそらくこの時期に増加するユーザーを獲得し、手数料を免除することで競争で優位に立つことを描いているのだろう。

同社は審査プロセスにはさほど関与していないようだ。その代わり、同社のAcceptable Use Policyに加えて、Generosity Networkキャンペーン同意基準を導入した。この基準はGenerosity Network Termsで案内されている。しかし、顧客がこのサービスを使用するにあたって同意しなければならないガイドラインがある。ここには、要請があればPayPal情報や説明を送ることに同意するというものがある。審査手順についてPayPalは詳細を明らかにしなかった。

「高リスクの人へのグローサリー配達のための募金集めから、教育者やフロントラインワーカーをサポートするための資金調達キャンペーンまで、PayPalコミュニティがこの前代未聞の年に当社のプラットフォームを使って互いに助け合おうとする溢れ出る善意を目の当たりにしてきました」と PayPalの副社長、Oktay Dogramaci(オクタイ・ドグラマシ))氏は声明文で述べた。「Generosity Networkは、アクセスしやすく簡単で安全な寄付を募る方法を顧客に提供しようと、またそうした活動を行う人と、ホリデーシーズンやそれ以降もサポートを提供できる何百万というPayPal顧客をつなげるようデザインされました」と話した。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:PayPal

画像クレジット:Photo by Thomas Trutschel/Photothek / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi