Netflix、PayPal、Adobe、Epic Games、任天堂もロシアでの事業停止

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアでの事業を停止するハイテク企業のリストが増え続けている。この動きに最近加わった企業には、Netflix(ネットフリックス)、PayPal(ペイパル)、Mastercard(マスターカード)、Visa(ビザ)などの有名どころが含まれている。

Varietyが最初に報じたように、Netflixは米国時間3月6日、ロシアでのサービスを停止すると発表した。この措置は、同社が先週、ストリーミング配信会社にロシアの20のプロパガンダチャンネルホスティングを義務づけるロシアの新法に従わないと述べたことを受けたものだ。Netflixはまた、ロシアで制作を予定していた今後のすべてのプロジェクトを一時停止している。

Adobe(アドビ)も、ロシアにおける自社製品・サービスの新規販売をすべて停止すると発表した。同社は、自社の製品やサービスが「法律に反した戦争の支援に使用されない」ようにする責任があると信じている、と述べている。

PayPal(ペイパル)は、米国時間3月5日にロイターが最初に報じたように、ロシアでのサービスを停止すると発表した。ウクライナのMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)副首相はツイートで、PayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏がこの措置を確認している書簡を公開した。

ロシアから撤退した決済企業はPayPalだけではない。Mastercardは米国時間3月5日、ロシアにおけるネットワークサービスを停止すると発表した。つまり、ロシアの銀行が発行したカードは、今後Mastercardのネットワークではサポートされなくなる。また、ロシア国外で発行されたすべてのカードは、ロシアの商店やATMで使用できなくなる。同社は、適切な時期に業務を復活させるとしている。

同様にVisaも同日、ロシアでの全業務を停止したと発表した。同社は、ロシア国内の顧客やパートナーと協力し、すべてのVisa取引を停止するとしている。ロシア国内で発行されたVisaカードでの取引はすべてロシア国外では機能しなくなり、ロシア国外の金融機関が発行したVisaカードはロシア国内で使えなくなる。

ゲーム会社もまた、テック業界の他の企業とともにロシア国内でのビジネスを終了する。Epic Games(エピックゲームズ)は米国時間3月5日、ゲームに関するロシアとの取引を停止すると発表した。しかし同社は「他のコミュニケーションツールがオンラインであるのと同じ理由で、アクセスをブロックしていない。自由な世界は、すべての対話をオープンにしておくべきだ」と述べた。

態度を明らかにしたゲーム会社はEpic Gamesだけではない。Activision Blizzard(アクティベーションブリザード)も同じ日にロシアの消費者へのゲーム販売を一時停止すると発表した。同社はまた、ロシアでのゲーム内購入の提供も停止する予定だ。

任天堂も、利用している決済サービスが「ルーブルでの決済処理を停止した」ため、ロシアのeショップを一時的にメンテナンスモードにし、同国でのデジタル販売を停止した。

Snapchat(スナップチャット)は先日、安全予防策としてウクライナで公開されているSnap Mapの「ヒートマップ」を無効化すると発表し、対応を拡大した。ヒートマップ機能は通常、人々が多数のSnapを共有した場所を目立たせる。この措置は、同社がその前にロシアで広告を一時停止していると発表したのに続くものだ。

また、TikTok(ティクトック)は米国時間3月6日、ロシアの新しい「フェイクニュース」法に対応して、ライブストリーミングと動画サービスの新コンテンツを停止すると発表した。この法律では、ロシア政府がウクライナ侵攻に関する偽情報と見なすものを公開した者は刑務所に入ることになる、と脅している。TikTokは、従業員とユーザーの安全を維持するために、同国での事業を停止することを決定した。

Samsung Electronics(サムスン電子)は「このところの地政学的な動きにより」ロシアへの全製品の出荷を停止すると発表した。出荷が停止された製品には、スマートフォン、半導体、家電製品などが含まれる。この動きは、デバイスメーカーのApple(アップル)やDell(デル)、チップメーカーのIntel(インテル)、ソフトウェア大手のMicrosoft(マイクロソフト)からの同様の発表に続くものだ。

GrubHub(グラブハブ)は、ロイターが最初に報じたように、ロシアのテック大手Yandex(ヤンデックス)との提携を終了すると発表した。複数年にわたるこの提携は、大学生に食事を配達するドライバーレスロボットに関するものだった。Grubhubは、欧州最大の食事宅配会社Just Eat Takeaway.com(ジャストイート・テイクアウェイ・ドットコム)の一部門だ。

ロシアに対抗する姿勢を示したこれらの最新の企業グループは、AppleやGoogleなどの仲間入りをしている。Appleは3月1日、ロシアでの製品販売を停止したことを認めた。また、App StoreからSputnikとRT Newsを削除し、同国でのApple Payサービスの一部を無効にしたGoogleはAppleに続き、自社のモバイルアプリストアからRT(ロシア・トゥデイ)とSputnikのアプリを削除した。Googleはロシアでの広告販売も一時停止した

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

英Amazonで1月19日から英国発行Visaクレジットカードが使えなくなる

Amazon(アマゾン)がVisa(ビザ)との闘いをエスカレートさせている。2022年1月19日から、Amazonは英国で発行されたVisaクレジットカードの取り扱いを停止する。英Amazonの顧客にこの変更がメールで伝えられ、クレジットカード取引にともなってVisaが高額な手数料を課していることが理由であるとされている。Amazonの利用者は年末年始の買い物にはVisaクレジットカードを使うことができるが、その後はVisaデビットカード、またはMastercardやAMEXなど他のクレジットカードに切り替える必要がある。

Amazonの広報は発表の中で以下のように述べている。

カード利用にともなうコストは、お客様にベストプライスを提供しようと努力している企業にとって常に障壁です。こうしたコストは技術の進歩にともない減少してしかるべきですが、実際にはコストは下がらずむしろ上がっています。Visaの利用手数料が依然として高額であることから、残念ながら当社のAmazon.co.ukでは英国で発行されたVisaクレジットカードの利用を2022年1月19日に停止します。お客様は引き続きVisaデビットカードを含むすべてのデビットカード、およびVisa以外のクレジットカードを利用してAmazon.co.ukでショッピングをしていただけます。決済に関する状況が世界中で急速に変化する中、当社は今後もお客様のために革新を続け、世界中の当社ストアで速く、安く、包括的な支払い方法を追加し推進していきます。

一方Visaの広報は「Amazonが今後消費者の選択を狭めると脅しをかけていること」に失望していると述べ「消費者の選択が限られている場合に、勝者はいない」とした。Visaはさらに、カード会員が「2022年1月にAmazonが課す制限を受けることなく」ウェブサイトで英国発行のVisaクレジットカードを使い続けられるようにAmazonとの間で解決に取り組んでいると述べた。ちなみに、Amazonと他のクレジットカード企業との関係はもっと良好だ。英Amazonは現在、消費者向けクレジットカードでMastercardと、ビジネスカードではAMEXと提携している。

AmazonとVisaはお互いから有利な条件を引き出そうとして闘いを公開しているのかもしれない。Amazonはここ数カ月間、Visaに圧力をかけてきた。シンガポールのAmazonサイトでは9月15日からVisaクレジットカードでの購入に0.5%の追加料金を課し、その1カ月半後にはオーストラリアでもVisaでの購入に追加料金を課すようになった。どちらの場合もAmazonは、Visaクレジットカード以外の支払い方法を追加した顧客に対し、ギフトカード(30シンガポールドル / 約2500円、20オーストラリアドル / 約1600円)を提供した。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Håkan Dahlström Photography / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Mariella Moon、翻訳:Kaori Koyama)

Amazon Alexa内蔵、タッチ決済対応のMi Smart Band 6 NFCをシャオミがグローバル発表

Amazon Alexa内蔵、タッチ決済対応「Mi Smart Band 6 NFC」をシャオミがグローバル発表シャオミは9月15日に開催した新製品発表会で、ウェアラブル活動量計「Mi Smart Band 6」のNFC搭載版となる「Mi Smart Band 6 NFC」をグローバル発表しました。Mastercardと提携し、NFCを利用したタッチ決済(コンタクトレス決済)を利用できる点が売りとなります。

Amazon Alexa内蔵、タッチ決済対応「Mi Smart Band 6 NFC」をシャオミがグローバル発表
「Mi Smart Band 6」のNFC搭載版はこれまで中国市場のみの展開となっていました。

グローバル向けのNFC搭載版はAmazon Alexaを内蔵しており、音声操作によるスマートアシスタントも利用できます。SpO2測定や心拍数測定機能なども備えます。

Amazon Alexa内蔵、タッチ決済対応「Mi Smart Band 6 NFC」をシャオミがグローバル発表

本体価格は54.90ユーロ(約7000円)です。

(Source:Mi Smart Band 6 NFC製品ページ(英語)Engadget日本版より転載)

インドがMastercardに新規顧客の受付停止を命令、データ保存規則違反で

インド準備銀行(RBI)は、インドのデータ保存規則を遵守しなかったとして、Mastercard(マスターカード)の同国でのデビットカード、クレジットカード、プリペイドカード新規発行を無期限に禁止した。

禁止措置は7月22日に発効する。「かなりの時間と十分な機会が与えられたにもかかわらず、MastercardはStorage of Payment System Data(決済システムデータの保存)に関する規則を遵守しませんでした」とRBIは現地時間7月14日付の声明で述べた。

RBIによると、禁止措置はMastercardの既存顧客には影響しない。Mastercardはインドにおけるカード発行会社上位3社の1社だ。「Mastercardはカードを発行するすべての銀行とノンバンクにこれらの指示に従うよう通知することになります」。

インドのデータ保存規則を遵守しなかったために同国の中央銀行が企業に罰則を科すのはこれが初めてではない。データ保存規則は2018年に発表され、6カ月以内の遵守を義務化した。この規則では、すべてのインドでの決済データを同国内のサーバーに保存することを決済企業に求めている。

4月にRBIはこの規則に違反したとして、American Express(アメリカン・エキスプレス)とDiners Club(ダイナースクラブ)の新規顧客受付を禁じた

Visa(ビザ)、Mastercard、他のいくつかの企業、そして米政府は以前、この規則は当局に「自由な監督アクセス」を与えるためのものだと主張し、インド政府に再考を要請した。

Visa、Mastercard、American Expressは規則の大幅変更か完全撤廃を求めてロビー活動も展開してきた。

関連記事:インド中央銀行がデータ保存規則違反でアメックスに対し新規顧客の追加を制限

カテゴリー:その他
タグ:インドMastercard

画像クレジット:Roberto Machado Noa / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

Mastercardがオンラインコマースでの急速なDXに対応するためオンラインID認証Ekataを約918億円で買収

オンラインID管理の重要性が増す中で、Mastercard(マスターカード)は米国時間4月19日、ID認証企業Ekata(エカタ)を8億5000万ドル(約918億円)で買収したと明らかにした。

Mastercardは、オンラインコマースで起こっている急速なデジタルトランスフォーメーションを目の当たりにしている。この動きは新型コロナウイルスによって加速した。たとえパンデミックが収まっても、1度始まれば古い事業展開方法には戻らないであろうトランスフォーメーションだ。

Ekataの買収でMastercardは、アカウントを開いたり取引したりする際に詐欺ではないかどうかを示すことができるさまざまなシグナルを使って、決済取引する人物のオンラインIDをリアルタイムに認証できるソリューションを得る。Ekataは、人物が自分だと主張する人物であるかを予想するデータとスコアを提供している。IDであるという点を除き、クレジットカードのリスクスコアと違いはない。

MastercardのサイバーインテリジェンスソリューションのプレジデントAjay Bhalla(アジェイ・バラ)氏によると、それがEkata買収を決断した主な理由の1つだという。「Ekataを取り込むことで、当社はID能力を高め、消費者が新たなデジタル経済の中で自身を証明するのに安全でシームレスな方法を作ります」とバラ氏は声明で述べた。

両社は、Mastercardの詐欺検知ソリューションにEkataのスコアアプローチを組み合わせることで、悪意ある人物が悪事を働くためにオンラインプラットフォームを使うのを防ぐのに役立つと考えている。「オンライン決済の加速は、デジタルトラストを構築して世界中の詐欺と戦うための最大の機会の1つとして、グローバルなデジタルID証明を最前線に押し出しました」とEkataのCEOであるRob Eleveld(ロブ・エレフェルト)氏は声明で述べた。

以前はWhite Page Proとして知られていたEkataは、2019年6月にスピンアウトした。PitchbookとCrunchbaseのデータによると、Ekataは資金調達をしていない。まったく資金調達していない企業にとって8億5000万ドルというのはすばらしいエグジットかもしれないが、Lyft、Stripe、Equifax、Checkout.com、Intuitなど200の顧客を抱える平均的なスタートアップよりもEkataは明らかに成熟している。

EkataのID認証のようなソリューションがかつてなく必要不可欠なものとなり、Mastercardは手に入れたいと思っていた企業を獲得するのに喜んでお金を払ったと思われる。買収は当局の承認次第ではあるが、2020年VisaとPlaidの取引を却下したのは覚えておくべきだろう。Mastercardによると、当局のチェックをパスすれば、取引は6カ月以内に完了する。

関連記事:反トラスト法に阻まれてVisaがPlaid買収中止、フィンテック関係者に落胆の声が広がる

カテゴリー:フィンテック
タグ:Mastercard買収

画像クレジット:Nicolò Campo / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

アダルト動画配信のPornhubが2020年版透明性レポートを公開、違反動画検出の取り組みを詳述

アダルト動画配信のPornhubが2020年版透明性レポートを公開、違反動画検出の取り組みを詳述

Ethan Miller via Getty Images

2020年12月に、児童に対する性的虐待動画を公開し収益の一部を得ているとNew York Timesの記事で告発され、その後承認済みユーザーとコンテンツパートナー以外がアップロードした、ガイドラインに適合しない動画をすべて削除するという大胆な対応を行ったアダルト動画サイトPornhubが、初の透明性レポートを発表しました。この報告書では2020年にPornhubが受けた指摘と、実施してきたモデレーションの実績を明らかにしています。

報告書によると、Pornhubはガイドライン違反、たとえば未成年者が含まれるコンテンツから合意に基づかないコンテンツ、悪意ある表現、動物虐待、近親相姦、血液他の体液を含むもの、暴力的なもの、そして明らかに著作権を侵害しているコンテンツ65万3465件を特定し削除したとのこと。

また、2020年の1年間にサイトは政府、法執行機関、および民間団体から1081件の法的な要請を受けたと述べています。これには合意に基づかないコンテンツや児童労働搾取が含まれているとのこと。

NYTによる問題の告発を受け、Pornhubはアップロードされたコンテンツを公開する前にその違法性を検証するため導入した技術についても報告書には記されています。そのなかにはPornhub独自の映像認識技術であるSafeguardをはじめ、YouTubeが採用する児童性的虐待画像検出テクノロジーのCSAI Match、以前にアップロードされた侵害コンテンツと一致する可能性のあるコンテンツを検出するマイクロソフトのPhotoDNA、コンテンツ認識技術開発企業VobileのMediaWiseなどが列記されています。

さらに、機械的にコンテンツを検証するだけでなく、24時間体制のモデレーターによる人力でのレビューも併用してガイドライン違反のコンテンツ除去に取り組んでおり、利用規約やガイドラインに違反するコンテンツは公開されず、またアップロードしたアカウントの削除などの措置を必要に応じて実施するとのこと。

2月、Pornhubはコンテンツをアップロードするアカウントの身元確認にサードパーティの技術を採用していることも明らかにしていました。また問題が表面化して以降、提携していたVisaおよびMaster Cardは、Pornhubのみならず親会社MindGeekのサービス全体で有料コンテンツの決済処理を停止していましたが、Visaは2020年末頃にMindGeekの一部アダルトサイトで決済処理を再開したとのことです。とはいえPornhubに関してはまだ再開はしていない模様です。

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(Source:Pornhub、via:MotherboardEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:児童ポルノ対策Pornhub(企業・サービス)Visa(企業・サービス)Mastercard(企業・サービス)

アフリカの通信会社Airtel Africaがモバイルマネー事業拡大のためにMastercardから110.6億円調達

2週間前、TPGのRise Fundはアフリカの通信会社Airtel Africaのモバイルマネー事業であるAirtel Mobile Commerce BV(AMC BV)に2億ドル(約221億3000万円)を投資した。契約完了後、Bharti Airtelの子会社であるAirtel Africaは、追加の少数株(発行株式の25%)を別の投資家に売ることを検討していると語った。

現地時間4月1日、同社は新たな出資者として国際的決済プロバイダーのMastercard(マスターカード)を発表した。この契約でAirtel Africaは、同社のモバイルマネー事業のためにさらに1億ドル(約110億6000万円)を受け取る。AMC BVはアフリカ大陸最大級の金融サービスを運営し、ユーザーにモバイルウォレット、国際送金、融資、バーチャルクレジットカードなどのサービスを提供している。企業評価額は26億5000万ドル(約2931億6000万円)だ。

2つの会社には以前からつながりがある。2019年、両社はAirtel Africaの14か国に渡る1億人の登録ユーザーが、Mastercardの国際ネットワークを利用できる契約を締結した(この提携でMastercardとAirtel Africaの間に金銭授受はなかった)。

この日Airtel AfricaとMastercadは、商業契約を延長し新たな商業フレームワークとして、さまざまな地域でカード発行、決済ゲートウェイ、決済プロセス、マーチャント向け受領送金ソリューションなどの分野の提携関係を深める契約を結んだことを発表している。

AMC BVの26億5000万ドルという売掛買掛金ゼロ状態の企業価値は前回から変わっていない。これは、TPGのRise FundとMastercardは契約完了時に、それぞれ7.55%および3.775%の株式を取得することを意味している。Mastercardの場合、 支払いは2回に分けて行われ、最初に7500万ドル(約83億円、4カ月以内に完結)、2回目に5000万ドル(約55億3000万円)投資する。

モバイルマネー事業の少数株をRise FundとMastercardおよびその他の出資者候補に売却することで、Airtel Africaはモバイルマネー事業を収益化し、4年以内の上場を目指すために必要な資金を調達できると信じている。

TPGのRise FundとMastercardからの出資に加えて、Airtel Africaは一部の資産の売却も行う。先週同社は、マダガスカルとマラウィの通信塔1424基を1億1900万ドル(約131億7000万円)でHelios Towersに売った。HeliosとAirtel Africaは、チャドおよびガボンの通信塔の売買でも合意しているが、詳細は明らかにされていない。

一連の行動は、同社の戦略的資産収益化と投資機会、そして最終的な債務削減に向けられている。

「本日、当社のモバイルマネー事業の出資者としてMastercardを迎えることを謹んでご報告いたします。2週間前に発表したThe Rise Fundの出資に続くものです」とAirtel AfricaのCEOであるRaghunath Mandava(ラグナート・マンダヴァ)氏は語った。

「これは、モバイルマネー事業の少数株主を増やして4年以内に上場を目指すという当社の戦略の一環です。現在のMastercardとの戦略的関係を大きく強化することで、当社が事業を運営する国々の金融状況を改善する重要な機会をフルに活用することができます」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Airtel AfricaMastercard資金調達アフリカモバイル決済Airtel

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マスターカードが暗号資産に年内対応と発表、中央銀行デジタル通貨(CBDC)で中央銀行数行とも連携

米マスターカードは今年から暗号通貨のサポートを追加することを発表しました。

マスターカードによれば、暗号通貨を自社ネットワーク内で取り扱うことにより、より多くの加盟店で新しい支払い方法が提供できるとしています。また、暗号通貨と従来の通貨の変換の必要がなくなるため、効率性も向上します。

なお、現時点ではマスターカードがどの暗号通貨を取り扱うかは発表されていません。これについては、コンプライアンス対策などの要件を今後検討するとしています。また世界の主要な中央銀行と連携することで、CBDCとよばれる新たなデジタル通貨の発行も検討しています。

暗号通貨をめぐる最近の動きとしては、PayPalがビットコインなど4銘柄に対応したことで、その流通性がさらに高まっています。またかつてはPayPalを所有していたイーロン・マスク氏の米テスラが15億ドル相当のビットコインを購入したことで、一時、同暗号通貨は史上最高値を記録しました。

一方で、マスターカードは「この動きは暗号通貨の購入を促進するものではありません」と説明しています。まだまだ暗号通貨がどう取り扱われるのかについては不透明ですが、着実にその足元を踏み固めているような印象も受けます。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:フィンテック
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)中央銀行デジタル通貨(CBDC)Tesla / テスラ(企業)Paypal(企業)ブロックチェーン(用語)Mastercard(企業・サービス)

米司法省がMastercardのオープンバンキングスタートアップFinicity買収を承認

米司法省は、Mastercard(マスターカード)によるユタ州ソルトレイクシティ拠点のオープンバンキングスタートアップ、Finicity(フィニシティー)の買収を承認した。買収金額は8億2500万ドル(約862億2000万円)と推定されている(Business Wire記事)。

「当社は司法省が私どもの計画しているFinicity買収の審査を終え、契約を進めることを承認したという通知を受けました。この節目に到達したことを大いに喜んでいます」とMastercardが声明で述べている

Finicityは、ユーザーが自分の財務情報がどのように共有され、誰が自分の金銭取引を代行できるかを、オープンAPIを通じて決められるサービスだ。この買収によってMastercardは、自ら力仕事をすることなく消費者や企業に提供する取引の選択肢を増やすことができる。

CrunchbaseによるとFinicityは、これまでに8000万ドル(約83億6000万円)のベンチャー資金を調達している。契約が完了すると、10億ドル(約1045億1000万円)近い2020年最大級のフィンテック買収になる。

今回の司法省の承認は、同省がVisa(ビザ)の53億ドル(約5539億2000万円)のPlaid(プレイド)買収を阻止する反トラスト訴訟(未訳記事)を起こしてから2週間後のことだった。Plaidは自社データネットワークを通じて、VenmoとAcronsなどの大規模な財務サービスを支えており、買収によってVisaはオンライン支払いサービスを独占すると訴えられている。

Plaidは一連の批判を否定し、「Visaはこの契約を強く保護する意向」であると発言している。当局は、Intuit(インテュイット)が2月に発表(未訳記事)した70億ドル(約7315億1000万円)のCredit Karma(クレジットカルマ)買収提案にも目を光らせている。

Mastercard – Finicity買収の承認は、フィンテックスタートアップの価値を高めるカンフル剤になるかもしれない。PlaidとCredit Karm両社の契約に対する規制当局の監視が強まる中、果たして大規模M&Aはフィンテックユニコーンの選択肢になりうるのかという疑問が投げかけられていた。

もし規制当局の関心によって道が閉ざされるのであれば、フィンテックスタートアップはもっと早くにに安く身売りするか、最終的なIPOまで待つかのいずれかになる。もしそうであれば、ベンチャーキャピタリストはこの分野への投資を避けるかもしれない。しかし、Finictyの買収承認によって価値5億ドル(約522億6000蔓延)以上のフィンテックM&Aがすべて監視の悩みに直面するわけではないことがはっきりした。これはレイトステージフィンテックの評価額にとって歓迎すべきニュースだ。

関連記事:米司法省が阻止しようとするVisaとPlaidの合併問題を理解するための「火山モデル」

カテゴリー:フィンテック
タグ:MastercardFinicity買収米司法省

画像クレジット:gmutlu/iStock / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook