Mastercardがオンラインコマースでの急速なDXに対応するためオンラインID認証Ekataを約918億円で買収

オンラインID管理の重要性が増す中で、Mastercard(マスターカード)は米国時間4月19日、ID認証企業Ekata(エカタ)を8億5000万ドル(約918億円)で買収したと明らかにした。

Mastercardは、オンラインコマースで起こっている急速なデジタルトランスフォーメーションを目の当たりにしている。この動きは新型コロナウイルスによって加速した。たとえパンデミックが収まっても、1度始まれば古い事業展開方法には戻らないであろうトランスフォーメーションだ。

Ekataの買収でMastercardは、アカウントを開いたり取引したりする際に詐欺ではないかどうかを示すことができるさまざまなシグナルを使って、決済取引する人物のオンラインIDをリアルタイムに認証できるソリューションを得る。Ekataは、人物が自分だと主張する人物であるかを予想するデータとスコアを提供している。IDであるという点を除き、クレジットカードのリスクスコアと違いはない。

MastercardのサイバーインテリジェンスソリューションのプレジデントAjay Bhalla(アジェイ・バラ)氏によると、それがEkata買収を決断した主な理由の1つだという。「Ekataを取り込むことで、当社はID能力を高め、消費者が新たなデジタル経済の中で自身を証明するのに安全でシームレスな方法を作ります」とバラ氏は声明で述べた。

両社は、Mastercardの詐欺検知ソリューションにEkataのスコアアプローチを組み合わせることで、悪意ある人物が悪事を働くためにオンラインプラットフォームを使うのを防ぐのに役立つと考えている。「オンライン決済の加速は、デジタルトラストを構築して世界中の詐欺と戦うための最大の機会の1つとして、グローバルなデジタルID証明を最前線に押し出しました」とEkataのCEOであるRob Eleveld(ロブ・エレフェルト)氏は声明で述べた。

以前はWhite Page Proとして知られていたEkataは、2019年6月にスピンアウトした。PitchbookとCrunchbaseのデータによると、Ekataは資金調達をしていない。まったく資金調達していない企業にとって8億5000万ドルというのはすばらしいエグジットかもしれないが、Lyft、Stripe、Equifax、Checkout.com、Intuitなど200の顧客を抱える平均的なスタートアップよりもEkataは明らかに成熟している。

EkataのID認証のようなソリューションがかつてなく必要不可欠なものとなり、Mastercardは手に入れたいと思っていた企業を獲得するのに喜んでお金を払ったと思われる。買収は当局の承認次第ではあるが、2020年VisaとPlaidの取引を却下したのは覚えておくべきだろう。Mastercardによると、当局のチェックをパスすれば、取引は6カ月以内に完了する。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Mastercard買収

画像クレジット:Nicolò Campo / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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