TikTokのファクトチェック、米国でのIPO、中国の所有権、そして5000億円超の税金

さまざまな噂が渦巻く中、TikTokの中国の親会社であるByteDance(バイトダンス)は9月21日の朝に声明を発表(ByteDanceプレスリリース)し、ここ数週間で世界的に注目を集めている現在進行中の取引を明らかにした。

ByteDanceが引き続きオーナー

中国のByteDanceは、「信頼できるテクノロジーパートナー」であるOracle(オラクル)と「商業パートナー」であるWallmart(ウォルマート)にTikTokの株式の20%を売却した後、残りの80%を保持することを明らかにした。

しかし、私の同僚であるJonathan Shieber(ジョナサン・シーバー)氏が主張したように、この取り決めは多くのオブザーバーの懸念の核心に対処するものではない。「この取引は、米国の消費者とTikTokのアルゴリズムや米国内の世論に影響を与えるために使用される方法について、実際にセキュリティ上の懸念を持っている人々以外のすべての人に利益をもたらす」と主張している。

TikTokの取締役会のメンバーはByteDanceの現在のメンバーだが、ByteDanceの創設者であるZhang Yiming(チャン・イーミン)氏以外は中国人ではない。ウォルマートCEOのDoug McMillon(ダグ・マクミロン)氏は、最近の取締役会メンバーに加わった。

TikTokは米国でのIPOを目指す

TikTokは「コーポレートガバナンスと透明性をさらに強化するために」、米国での新規株式公開(IPO)を模索していることを確認した。動画アプリは明らかにIPOを希望しており、これにより多くの世間の目にさらされることになるが、中国が起源であることに起因する国家安全保障上の脅威への懸念を和らげることができるかもしれない。

注目すべきは、ByteDanceが声明の中で動画アプリを「TikTok Global」と表現している点だ。これは、このアプリが米国とそれ以外の地域に分割されることはないことを示している。法廷文書で明らかにされたように、TikTokは世界中で毎月約7億人のユーザーがいると主張している。そしてそのユーザーのうち1億人は、現在の本社がある米国に住んでいる人々だ。

アルゴリズムは転送していない

以前の報道によれば、ByteDanceはTikTokのアルゴリズムや技術をオラクルに引き渡すことはないとの主張していた。代わりに、米国のデータベース大手であるオラクルは「TikTokの米国ソースコード」のセキュリティチェックを実行する権限を得ることになる。

「ソースコードを公開することは、多国籍企業が直面するデータセキュリティの課題に対する普遍的な解決策です」とByteDanceは述べ、今回の決定を中国にあるマイクロソフトのTransparency Center(トランスペアレンシー・センター、製品に関する透明性をアピールする施設)や、Cisco(シスコ)がドイツのボンに設置した同様の施設と同一視しようとしている。

とはいえ、コードの監視とユーザーデータ管理をオラクルを担うことで、TikTokのブラックボックス化されたコンテンツを中国政府がいじる可能性があることに対する懸念がどのように解消されるのかは、まだ明らかになっていない。

50億ドル(約5200億円)の税金

ByteDanceは、TikTokが今後数年の間に、事業で発生した所得税やその他の税金の合計50億ドル(約5200億円)を米国財務省に支払うことになると見積もっている。にもかかわらず、最終的な数字はTikTokの「実際の業績と米国の税制に左右される」と同社は述べ、税金は「現在進行中の取引とは何の関係もない」と強調している。

教育へのコミットメント

TikTokが米国で50億ドル(約5200億円)の教育基金を設立するとの報道に対してByteDanceは、そのような計画は認識していないが「パートナーや株主」と協力してAIやビデオを使ったオンライン授業を設計するなど、一貫して教育に力を注いできたと述べた。

中国ではByteDanceの教育分野への進出が広く報じられている。英語学習プラットフォーム「Gogokid」(ゴーゴーキッド)のような自社製品以外にも、伝統的な高等教育に挑戦するベンチャー出資の教育機関「Minerva」(未訳記事)など、さまざまな外部プレイヤーに投資している。

画像クレジット:Sheldon Cooper/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

インドのモバイルゲームプラットフォームMobile Premier Leagueが94億円を調達

インド・バンガロールを拠点とする、創業2年のMobile Premier League(MPL)が、eスポーツとモバイルゲームプラットフォームが急成長を示し、インド国外への拡大を目指す中で、9000万ドル(約93億9000万円)を新しい資金調達ラウンドで調達した。

SIG、アーリーステージテクノロジー投資家RTP Global、MDI Venturesが、MPLの9000万ドル(約93億9000万円)のシリーズCラウンドを主導し、既存投資家であるSequoia India、Go-Ventures、Base Partnersがラウンドに加わった。Times Internetと俳優のSalman Khan(サルマン・カーン)氏も、MPLの初期投資家だ。

今回の新しい投資によりMPLの調達総額は、1億3050万ドル(約136億1000万円)となった。この件に精通している人によれば、同社は3億7500万ドル(約391億2000万円)から4億ドル(約417億2000万円)の事前評価を受けていたという。

MPL は、さまざまなトーナメントをホストする、専業ゲームプラットフォームを運営している。ユーザー数が6000万人を超えるこのアプリは、他のゲーム会社のための公開プラットフォームとしても機能している。自分自身ではゲームを開発していないMPLは、現在アプリ上で、複数のスポーツにわたる約70種類のゲームをホストしている。

強奪だ!悪党どもだ!他の奴らを打倒してゲームに勝つことはできるか?インド発マルチプレイヤーシューティングゲームのRogue Heistが、MPLで間もなく登場!ちょっとばかり予告編を)

同社はまた、最近インドの多くの地域で流行り始めている(未訳記事)ファンタジースポーツ(実在のスポーツ選手の統計データを基にユーザーが仮想チームを組んで仮想対戦を行うゲーム)も提供している。

ファンタジースポーツはビジネスの一部に過ぎないものの、現実世界の試合のほとんどを中止させた新型コロナウイルスの流行は、ここ数カ月のスタートアップの成長を妨げたりはしていない。スタートアップは今年の3月以来それが4倍に成長したと主張し、20億回以上の現金取引がこれまでにアプリ上で記録されたという。

「私たちは、はるかに資金力のある百戦錬磨の10年選手の企業たちと戦っていますが、私たちの若いチームがここ数年間に達成したことは驚くべきことです。数年前Google Playストアに参加したとき、MPLはその時点でインドで最速で100万DAU(1日に利用したユーザー数)に到達したアプリでした」と同社のマーケティング担当上級副社長のAbhishek Madhavan(アビシェク・マダヴァン)氏はツイートした。

「私たちはまだ設立3カ月だったときに、Virat Kohli(ヴィラット・コーリ)選手と契約しました!私たちがPlayストアから退出したときには、成長を続けるのは非常に難しく、すべてのマーケティング指標が下降するだろうと言われました」。

MPLの共同創業者でCEOのSai Srinivas(サイ・スリニバス)氏は、TechCrunchの取材に対して、今回の新しい資金調達ラウンドでは、eスポーツの勢いが続き、eコマースの重要な機会が見え始めていることを確認できたと語った。

「eスポーツは、クリケットよりもはるか先にオリンピックに採用されると思います。そしてeスポーツの市場価値は、おそらく今後10年間で、すべてのフィジカルスポーツを合わせた市場価値を超えるでしょう」と同氏。

「現在のような困難な環境でも、ユーザーにさまざまな体験と社会的相互作用を提供している、プラットフォームコンセプトの成功とアクセシビリティに感銘を受けています。MPLの実績がそれを物語っていますので、チームの成長と拡大に合わせてサポートできることを嬉しく思っています」と声明で語るのはRTP GlobalのマネージングパートナーであるGalina Chifina(ガリーナ・チフィーナ)氏だ。

しかし、MPLがその一部でファンタジースポーツを扱うために、そのアプリはPlayストアでは入手できない。Playストアでは、オンラインカジノやその他の賭け事が禁止されているからだ。これはグーグルが先週、インドの金融サービスプラットフォームPaytmをアプリストアから8時間で削除した際に、繰り返し述べたガイドラインに基いている。スリニバス氏はグーグルとPaytmのエピソードに関するコメントは拒んだ。

同社は今後数カ月のうちに、インド国外に拡大する計画だとスリニバス氏は語った。彼は進出を狙う新しい市場の名をはっきりとは挙げなかったが、インドの隣国諸国ならびに日本と韓国がおそらくその一部になることは示唆した。

そのほか、ゲームカタログを拡大して、現在MPLにライセンスを販売、レベニューシェアを行ったりしているサードパーティの開発者に、より多くのマーケティングサポートを提供することを計画している。

画像クレジット:Mobile Premier League

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(翻訳:sako)

新型コロナでテック製造拠点の多様化、プロセス自動化が進む

世界のあらゆる業界同様に、製造部門も新型コロナウイルスに不意を突かれた。エレクトロニクス製造の大半を担っている中国は新型コロナの最初のグローバルエピセンターだった。そして当然のことながら業界は、世界が1世紀以上経験したことがなかったスケールのパンデミックの影響から逃れることはできなかった。

「いい対応ができた人はいない」とAnker(アンカー)の創業者でCEOのSteven Yang(スティーブン・ヤン)氏はDisruptのインタビューで語った。「みな不意を突かれたと思う。当社の中国オフィスでは、従業員は旧正月休暇の準備をしていた。最初の対応はというと、休暇が1週間延長され、その後さらにもう数日延長された。人々はただ仕事を休んでいた。いつ仕事に戻れるかは決められていなかった。その時期は最も憂慮するものだった。というのも、見通しが立っていなかったからだ。確実性を模索する必要があった。人々は自宅から働き、必需品を揃えたりしなければならなかった。最初の3〜4週間が一番カオスだった」

パンデミック初期のインパクトは、世界の隅々のハードウェア産業に衝撃を送るという連鎖反応を引き起こし続けた。2020年初め、世界中の誰もが新型コロナの新たな感染拡大はいくつかのエリアでのもので、そう遠くに及ばないだろうと高ををくくっていた。しかし最終的には世界の大部分が急停止することになった。

特に製造が業務停止で最初に苦しんだ。すぐに需要減という影響が供給面にも及んだ。経済停滞と失業の急増はさまざまなエレクトロニクスに対する消費者需要を直撃した。PCのような一部の部門はライフスタイルのシフトで恩恵を受けたが、全体的には可処分所得の減少は業界に大きな打撃を与えた。

製造面では、新型コロナはそれまでのトレンドを推進させる方向に作用した。「新型コロナがこの脱分極をある程度加速させたと思う」とArevo(アレボ)のCEO、Sonny Vu(ソニー・ブー)氏は説明する。「さまざまなソフト製品、ハードウェアを目にしている」。大半の時間をベトナム・ホーチミン市で過ごす同氏は、新型コロナの出現により中国以外のところで製造拠点が増加することになったと指摘する。製造拠点を置く場所として人気がある東南アジアやインドなどは、将来似たような問題が発生したときに備えようと製造拠点の多様化を検討している企業にとってこれまでにも増して魅力的になっている。

ロボティクスや自動化は、今後加速すると思われるもう1つの鍵を握る要素だ。メーカーは、病気になったりウイルスの感染の増加を心配する必要がない合理的なプロセスに目を向けている。

「自動化は効率的であるだけでなく、効果的だと信じている。当社はロボティック自動化にかなり投資した」とヤン氏は話す。「ワイヤを穴に挿し込むとする。この作業を行うロボットのコストは一定で、はっきりとはしないが労働者1人の給料20年分くらいだろう。全ての組み立てラインをロボットにするのはかなり困難だがやりがいがある」。

画像クレジット: Prasit photo / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

セールスフォースは数週間前に1000人レイオフを発表したが来年1.2万人を新規雇用

奇妙なタイミングだ。Salesforce(セールスフォース)は8月末、売上高50億ドル(約5230億円)、年換算では初の200億ドル(約2兆1000億円)というインパクトのある四半期決算を発表した翌日に従業員1000人のレイオフを明らかにした。この2つは注意を引くものだった。

同社のCEO兼共同創業者のMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏は9月18日、同社が今後6カ月で新たに4000人を、来年にかけて1万2000人を採用するとツイートの中で発表した。複数の要素が混ざっているメッセージのようだが、おそらくより必要としているエリアへのリソース再割り当てについて言っているのだろう。

マーク・ベニオフ:Salesforceは、今後6カ月間で4000人、、来年は1万2000人の仕事を追加する予定です。ソフトウェアの未来を定義する5万4000人の従業員を擁する強力なグループに参加してみませんか。セールスフォースは世界で最も急成長しているトップ5のエンタープライズソフトウェア企業です。jobs@salesforce.com @salesforcejobs

セールスフォースは雇用についてそれ以上のコメントはしなかったが、新型コロナウイルスの感染蔓延が顧客に影響をおよぼしているにもかかわらず、同社はかなり好調だ。先の四半期決算で同社は、一部の顧客が景気後退により支払いが困難になっているために売上高の成長は緩やかになるだろうとの見通しを示した(未訳記事)。

それゆえに、CRM巨大企業の同社が8月に四半期決算を発表したときに、状況をものともせずかなりの好成績だったことは驚きだった。同社は1000人のレイオフを明らかにしたが、対象者に社内で別のポジションを見つけるよう60日の猶予を与えると表明した。レイオフ対象となった従業員に新しい適切な仕事を提供し、従業員はさまざまなポジションから選ぶことができる。

レイオフ発表時の同社の従業員数は5万4000人で、レイオフする人数は全体の1.9%にあたる。来年1万2000人を採用すれば、来年の今頃の従業員数はおおよそ6万5000人になる。

画像クレジット: Ron Miller/TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

Apple Watch Series 6ファーストインプレッション、血中酸素計測機能と新バンドソロループに注目

実際のところ、私は新しいApple Watchの完全なレビューにまだ取り組んでいる最中だ。本稿執筆投稿の時点では、私はまだ24時間未満しかこのデバイスを触っていない。正直に言うと、従来はアップルのイベント後のプレススクラムの中で、これまでよりもはるかに多くの時間を検証に割いていたので、今回の記事を完全なレビューと呼ぶのは抵抗がある。レビューを予定しているどんなデバイスでも、良質な時間を過ごすことが重要であり、ウェアラブルにとってそれは特に重要だ。

スマートウォッチという言葉を快適に使えるようになるまでには、スマートウォッチが生活の一部になっている必要がある。私はこれまでwatchOS 7をSeries 5にインストールして多くの時間を過ごしてきたので、OSとデバイスの間にある重要な違いのいくつかについては安心して議論することができる。

Apple Watchのデザイン言語は、長年にわたっていくつかの微妙な審美的な改良を加えながら、プロダクトラインの寿命を通して多かれ少なかれ一貫している。アップルがこれらの製品を何台販売してきたか、そして同社がこの分野をいかに支配し続けているかを考えると、なぜ同社がデザインを大幅に変えないのかは理解できるだろう。製造中止になったSeries 5と共通のDNAを多く持つ、低価格のApple Watch SEにとってはその価値は2倍になるかもしれない。

デザイン言語は変わっていないものの、ケースカラーにはいくつかの新色がある。従来のシルバー、スペースグレイ、ゴールドアルミニウムに加え、ブルーと新しい(PRODUCT)REDが加わった。アップルが私に送ってきたのはブルーで、正直なところ微妙で深い色合いにはちょっと驚いている。ほとんどの照明では、派手な色合いというよりも青みがかって見える。ほとんどのユーザーにとっては、それがベストなのかもしれない。深い青はどんな環境にもマッチしそうだ。一方、(PRODUCT)REDの実物はiPhoneの同色に近い色みだった。

そして、本当に目立つことを望むなら、さまざまな種類のバンドがある。これは依然としてApple Watch専用になっているが、現時点では市場には多くの選択肢があり、品質は別としてサードパーティーの選択肢も多い。正直なところ、1週間ほど経って破れたもので最近ひどい目にあったサードパーティー製バンドもあるのだが。今回追加されたバンドの中では、おそらく「ソロループ」シリーズが最大の注目で、バックルやマジックテープなどがまったくないのが特徴だ。

ソロループとブレイデッドソロループの2つの主要なスタイルとたくさんの異なる色があるが、私はどちらかというと編み込まれたブレイデッドソロループが好きだ。今回登場したものは私の好きな布バンドによく似ているが、少しデザインが異なる。価格は、ソロループが5280円(税別4800円)、ブレイデッドソロループが1万780円(税別9800円)。

ちなみに私は、ストレートなシリコンモデルは好きではないし、ゴム状シリコンバンドのファンになったこともない。一方でソロループは伸縮性に優れており、12種類のサイズの中から自分に最適なサイズを選びたいと思う。自宅で計測して注文することもできるのだが、近くのアップルの直営店が営業しているのであれば、店舗でサイズ調整したほうがいいだろう。

ハードウェア面でのSeries 6の最大の追加は、血中酸素(血中酸素飽和度)センサーだ。アップルは同機能を提供する最初のスマートウォッチメーカーではないが、新型コロナウイルスの感染蔓延の中で、より多くの人々がこのような数字に注目している。

【Japan編集部追記】血中酸素飽和度は、血液中の酸素の量を示す。正常値で99~96%。体に疾患があったり体調不良などを起こしていると数値が低下する。医療機関などで人差し指や中指に挟み込んで利用するパルスオキシメーターを同様の機能を提供するが、医療機器として認定されているかどうかは別問題。なお、日本国内では現在のところ医療機器としては認定されておらず、あくまで健康と運動の状況を自己把握するための目安だ。

この新しい血液酸素センサーは、Apple Watchの文字盤の裏にある4つのLEDクラスターと4つのフォトダイオードで構成されている。完全に再設計されたバッククリスタルに組み込まれたこの新しいセンサーは、「血中酸素」アプリと連動して血中酸素濃度を測定する。検査はバックグラウンドで行われるが、アプリを使って手動で計測することもできる。計測には約15秒かかるが、手の動きの量やバンドの締め具合や位置など、正確な計測には注意点がたくさんある。実際に私は何度か繰り返して計測しなければならなかった。

アップルは、血液中の酸素濃度が実際に何を意味するかについて、もっと状況に即した情報を提供してくれれば素晴らしい。私が思うに、大多数の人々は何が健康レベルを構成するのかを知らない。とはいえ、ずっと歩くのは難しいし、健康状態のレベルは個人差があり、アップルは人を診断しようとは考えていないだろう。しかし同社は、健康モニタリングに関して新型コロナウイルスについて何度か言及している。

Apple Watchは初期の研究にも参加していたようだが、残念ながら明らかな理由から新型コロナウイルスへの感染を確認することはできない。むしろ、ほかのバイタル機器と同様に、潜在的な健康問題を早期に発見することができるだけだ。なお、廉価版のApple Watch SEはECG(心電図)モニタが搭載されていない点には留意してほしい。

新Apple Watchシリーズの発表と、これまでのハンズオンで一番残念だったのは、バッテリー寿命があまり変わっていないことだ。私は今回アップルが、新しい睡眠トラッキングと同時に大きなアップグレードを発表することを本当に望んでいた。バッテリー容量がアップしなかった代わりに、アップルはユーザーは寝る直前か、朝にApple Watchを充電することを提案する機能を搭載した。就寝前に充電が必要な場合、watchOSが警告をポップアップ表示するのだ。

バッテリーについては、初期の段階ではわずかにアップグレードしたとの報道もあったが、公式発表では寿命は18時間でSeries 5と同じだ。私はこの記事を書いている時点で約8時間半のために時計を着用しているし、セルラー回線も利用して残量は74%になっている。アップルによると「Series 6が搭載するS6プロセッサは前モデルよりもバッテリー効率がいい」としている。また前モデルに比べてより速く充電できる点には注目だ。約90分でフル充電になるので寝る前に満タンにしておくこともできる。

Fitness+サービスは悲しいことに少し待たなければならないが、睡眠トラッキングとフィットネス機能の詳細については楽しみだ。私は時計のベルトを下にしてひと晩使ってみた。どうやら私は7時間31分寝たようです。それは今週の、TechCrunch主催イベントDisrupt 2020と、アップルの新製品ラッシュの疲労によるだろう。これまでのところ追跡はかなり基本的なものだが、時間がたてばもっと充実した情報が提供されるだろう。いまのところ、iOS側の新しいベッドタイム機能に加えて、ベッドでの時間と睡眠時間に制限されている。もちろん、一晩の心拍数も随時計測してくれる。

【Japan編集部追記】Fitness+のサービスは、Apple Watchですでに測定可能な、心拍数、消費カロリー、走行速度、走行距離などのさまざまな健康データに基づいて作られている。このサービスには、iPhone、iPadまたはApple TVで見ることのできる数多くのワークアウトビデオが入っている。ユーザーがビデオを開始すると、Apple Watch側で対応するワークアウトアプリが自動的に動き出す。サービスは、オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、英国、および米国で今年中にスタートするが、日本での提供は未定となっている。

watchOS 7で導入された手洗い機能はそれなりに機能するが、バスルームの音響やシンクにはまだ多くのバリエーションがあり、指の間で石鹸がつぶれる音を聞いているときでも問題になることがあった。私の場合は、バスルームのシンクに少し問題があったのかもしれない。

しかし、洗面所で手や皿を洗うと15秒のカウントダウンが自動的に始まったのはうれしかった。「ヘルスケア」アプリでは、手洗いの平均時間や1日あたりの回数など、時間の経過に伴う指標を収集してくれる。予想されるのは奇妙なことだが、アップルが指示するタイミングは最高だった。

これまでのところ、Series 6はApple Watchの飛躍的な前進ではない。しかし、アップルがユーザーの健康について真剣に取り組んでいるのは評価できるポイントだ。Fitness+が利用可能になったときにハードウェアを見直すのは素晴らしいことだ。

Series 6は、40mmサイズのセルラー版が5万9180円(税別5万3800円)から、GPS版の40mmサイズが4万7080円(税別4万2800円)からで発売される。一方、SEも40mmサイズのセルラー版が3万8280円(税別3万4800円)、GPS版が3万2780円(税別2万9800円)からとなっっている。旧モデルで併売されるSeries 3はGPSモデルのみで、38mmサイズが2万1780円(税別1万9800円)からとなっている。

完全なレビューは、新しいApple Watchを実際に長期間使用したあとだ。

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アップルハードウェアイベント

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ナイジェリア拠点のフィンテック企業InterswitchのCEOが語る、アフリカ大陸の金融サービスの現状

アフリカ全土に展開するフィンテック企業のInterswitch(インタースイッチ)は、そのベンチャー投資部門を再開することを計画している。CEOであるMitchell Elegbe(ミッチェル・エレグベ)氏自身から、米国時間9月16日に行われたTechCrunch Disruptの壇上で語られた。

このナイジェリア出身の起業家は、同国の首都ラゴスに拠点を置くInterswitchが予定しているIPOについてはあまり新しい情報を語らなかったが、同社がアフリカのスタートアップへの投資を復活させることを明らかにした。

2002年にエレグベ氏によって設立されたInterswitchは、当時は主に現金ベースで行われていたナイジェリアを、デジタル化するインフラストラクチャを開拓した。同社は現在、アフリカ最大の経済と人口2億人を擁するナイジェリアのオンラインバンキングシステムに、多くのインフラストラクチャを提供している。同社は、アフリカの23の国で、個人向けおよびビジネス向けの決済商品を提供するまでに拡大した。

このフィンテック企業は、2019年に行われたVisaによる2億ドル(約209億6000万円)の株式投資によって、評価額が10億ドル(約1048億円)となりユニコーンの仲間入りをした(未訳記事)。

ベンチャー投資の復活

スタートアップの段階を十分に超えたInterswitchは、2015年に1000万ドル(約10億5000万円)のベンチャー部門(未訳記事)を立ち上げたが、ナイジェリアのフィンテックセキュリティ会社であるVansoを買収(techcabal記事)した2016年以降、そのベンチャー部門を休止していた。

しかしエレグベ氏によれば、Interswitchはまもなくスタートアップへの投資と買収を行うビジネスを再開するという。「私たちはチームを認定したばかりですが、そうした投資を再び開始する予定です」。

彼は新しいファンドの焦点を簡単に紹介した。「今回は、金融投資を行い、Interswitchが持つネットワークを投資企業が自由に活用できるようにしたいと考えています」と同氏はTechCrunchに語った。

「私たちは投資先の企業を厳選していきます。それらは、Interswitch自身が、明確に価値を与えることができる企業でなければなりません。私たちの行動と、私たちが既にお付き合いのあるお客様たちの力で、成長の加速をお手伝いできるような企業でなければならないのです」とのこと。

アフリカのテクノロジー業界における最近のベンチャーの動きが、Interswitchが投資分野に戻るように迫った可能性がある。エコシステムとして、アフリカ大陸のVCは過去5年間でほぼ4倍に増加し、2019年には約20億ドル(約2092億8000万円)に達した(未訳記事)。しかし、そのほとんどは単一企業による投資ファンドからのもので、ベンチャーファンド企業による投資とテクノロジーM&Aは、まだ軽微なものに留まっている。それは過去数カ月にわたって変化し、全体的な上昇がInterswitchの競合他社と見なされる可能性のある法人を中心としたアフリカのフィンテック周辺で発生してきた。

7月には、ドバイのNetwork International(ネットワーク・インターナショナル)が、ケニアに拠点を置くモバイル決済処理会社のDPOを2億8800万ドル(約301億4000万円)で買収(The Africa Report記事)した。買収後まもなく、DPOのCEOであるEran Feinstein(エラン・ファインスタイン)氏は、Network Internationa社はアフリカでの買収をさらに推進する予定だと語った。6月には、別のモバイルマネー決済処理会社であるMFS Africaがデジタル金融会社のBeyonic(ビヨニク)を買収(Venture Burn記事)した。そして8月には、保有資産と融資高でアフリカ最大の銀行である南アフリカのStandard Bank(スタンダード・バンク)が、フィンテックセキュリティ企業TradeSafeの株式を取得(AppsAfrica記事)した。

Safaricomによる主要なM-Pesaモバイルマネー製品(未訳記事)がケニアで台頭して以来、アフリカのフィンテックは成長を続け、競争が激化している。このセクターには数百のスタートアップがあり、現在アフリカ大陸でのすべてのVC投資のほぼ50%を受け取っている。

投資家と創業者が狙っているチャンスは、アフリカに多数いる銀行口座を持たない人々と銀行口座は持つものの活用できていない消費者(Investopedia記事)、そして中小企業たちをオンラインにしようとするものだ。世界銀行のデータによると、サハラ砂漠以南の10億人(世界銀行データ)のおよそ66%が銀行口座を持っていない。モバイルベースの金融プラットフォームは、そうした地域全体をシフトさせるための最良のユースケースを提示してきた。

Interswitchは、アフリカのデジタルファイナンスレースのリーダーとしての地位を確立している。しかし、革新的で若いフィンテックスタートアップに、投資や買収を行う積極的なベンチャー部門がなければ、現在の役割をどのように維持または拡張できるのかを想像することは困難だ。

IPOについての具体的な話は出なかった

エレグベ氏は、長い間期待されてきたInterswitchのIPOに対してはあまり語らなかった。会社はまだ上場するつもりなのかと尋ねたところ、彼はそれについては回答を控えたいとした。「現時点では、ビジネスの成長と顧客のための価値の創造に注力していて、それが私たちの主な焦点なのです」とのこと。

IPOの可能性がまだあるのかどうかについて「はい」または「いいえ」の回答を求めたところ、エレグベ氏はそれは「はい」だと答えた。「私たちはプライベートエクイティの投資家を抱えていますが、この先ビジネスのある時点でのエグジットを彼らは望んでいます」という。「イグジットのタイミングを迎えるときには、テーブルにはさまざまなオプションが置かれることになりますが、IPOもそのオプションの1つです」。

InterswitchのIPOについては長年話題されてきた。エレグベ氏は2016年に、TechCrunchに対して、ラゴスとロンドン証券取引所の二重上場が可能だと語っていた。その後、他のInterswitchチャネルを通じて、2017年のナイジェリアの景気後退と通貨のボラティリティのために公開が遅れたという噂が流れた。2019年11月には、状況を知る情報筋が、TechCrunchに対してその背景を語っていた「IPOの可能性はいまでも非常に高いままです。おそらく2020年の前半のいつかでしょう」。その後、新型コロナウイルス危機とそれに伴う世界経済の低迷が起こり、それがInterswitchのIPO計画を再び遅らせた可能性がある。

同社が上場すれば、それはナイジェリアとアフリカのフィンテックにとって大きな出来事となるう。アフリカ大陸には、VCが支援し世界的に上場しているフィンテック企業は存在していない。Interswitchの投資家のイグジットは、アフリカ大陸のスタートアップに対する投資機会の様子をうかがっている主要なファンドから、より多くのVCをナイジェリアやアフリカ全土へと引き寄せることになるだろう。

アフリカへ再注力

グローバルな製品展開に関してエレグベ氏は、今のところアフリカへの注力を継続する予定だと説明した。「アフリカ大陸の中で、Interswitchには十分な機会があります。私たちはできるだけ多くのアフリカ諸国に広がることを望んでいます。そしてInterswitchをアフリカ大陸への(金融)ゲートウェイとして位置付けたいと考えています」と彼はいう。

エレグベ氏は、主要な金融サービス企業との提携を通じて、アフリカの顧客基盤にグローバルな金融アクセスを提供し続けると説明した。2019年8月にInterswitchは、Verveカード所有者がDiscoverのグローバルネットワークを使って支払いを行えるようにするパートナーシップを開始した。

同氏は、ナイジェリアでのビジネスを行う際の欠点と可能性のバランスをとる見方を示しながら、今回のDisruptにおけるセッションを終えた。近年ナイジェリアは、アフリカにおける大規模な技術拡大、VC投資、そしてスタートアップ形成のための非公式なハブ化が進んでいる。しかし、ナイジェリアはインフラストラクチャーに関しては厳しい運営環境が続いている、それはしばしば政治的腐敗とボコ・ハラムのテロ行為による北東部地域の不安定に関連していることが多い。

「ナイジェリアは非常に大きな人口と非常に大きな市場を抱えています。私たちには解決する必要のある課題がたくさんありますが、ナイジェリアにはチャンスがあるので、多くのお金がそこへ向かっていることは理解できます」と彼はいう。

ナイジェリアの検討をしているテック投資家へのエレグベ氏のアドバイスは以下のものだ「短期的な見方をしないでください。そこには素晴らしい仕事をしている素晴らしい人びとがいます。インパクトを与えたいと思う正直な人たちです。そうした人たちを探し出す必要があります」。

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(翻訳:sako)

今週の記事ランキング(2020.9.13〜9.17)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「ソフトバンクは評価額約4.2兆円のArm株売却で利益確保か、売却先のNVIDIAはCPU/GPUの超ビッグプレーヤーに」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

いますぐ試せるiOS 14用ウィジェット(その2)

iOSの新バージョンは、数年ぶりに消費者がホーム画面を整理する新しい方法を提供する。今回のアップデートでは、あまり頻繁に使わないアプリをiPhoneの背面画面のApp Libraryに移動できるようになった。

ここでは、本日iOS 14と同時にローンチされた、興味深いアプリとウィジェット22本のうち後半の11本を紹介する。これらは、iOS 14のリリース直後に公開される予定だ。

Tangerine(タンジェリン)

習慣や気分をトラッキングするアプリ「Tangerine」は、ランニングや運動、水を飲むなど、その日の目標の進捗状況を思い出させてくれるさまざまなウィジェットを提供。

画像クレジット:Tangerine

Nudget(ヌゲット)

Nudgetのモバイル予算管理アプリは、使いすぎた、または支出が減ったなどのカテゴリや、今週残っている資金の量など、家計を管理するためのウィジェットを提供。

画像クレジット:Nudget

Birch(バーチ)

整理された写真メモアプリであるBirchには、ホーム画面に写真を置くことができるFeatured Photoウィジェットが含まれている。iOSの写真アプリには同様の方法がないのでこれは便利だ。

画像クレジット:Birch

Card Pointers(カードポインター)

クレジットカードのポイントやキャッシュバックを最大限に活用するためのアプリ「Card Pointers」が、3つのウィジェットを搭載して登場します。

画像クレジット:Card Pointers

FunnMedia’s apps(ファンメディアズ・アップス)

FunnMediaの健康トラッキングアプリ「HabitMinder」「WaterMinder」「Calory App」「Healthview」はいずれも、運動や水分摂取量、その他の健康目標をトラッキングするのに役立つウィジェットを本日リリースした。

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    画像クレジット:FunnMedia
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    画像クレジット:FunnMedia
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    画像クレジット:FunnMedia

SmartGym(スマートジム)

1週間のワークアウトのまとめ、よりシンプルでグラフィックの多い「ワークアウト」ウィジェット、さらにはモチベーションアップのための名言を配信するウィジェットなど、いくつかの新しいウィジェットが加わった。また、どれにしようか迷ったときのために、ウィジェットを重ねて使うこともできる。

  1. Summary

    画像クレジット:SmartGym
  2. QuoteOfTheDay

    画像クレジット:SmartGym
  3. Workouts

    画像クレジット:SmartGym
  4. EiEFF8yXYAIT30Z-1

    画像クレジット:SmartGym

Pocketdex(ポケデックス)

Pocketdexは、あなたのホーム画面にあなたのポケモンを配置する。

画像クレジット:Pocketdex

Watch Chess app(ウォッチ・チェス・アップス)

iOS 14のホームスクリーンに「Watch Chess app」のチェスウィジェットを配信する。

Copilot(コパイロット)

ファイナンスアプリ「Copilot」のウィジェット。

Bolt Workout(ボルトワークアウト)

エクササイズアプリ「Bolt Workout」には、ワークアウトや成果などをトラッキングするための大小のウィジェットが用意されている。

画像クレジット:Bolt Workout

Personal Best Workouts(パーソナル・ベスト・ワークアウト)

もう1つのワークアウトアプリ「Personal Best Workouts」では、ウィジェットを使ってワークアウトをトラッキングすることができる。

画像クレジット:Personal Best Workouts

上記のアプリは、いくつかの不測のApp Storeの拒絶を除いて、iOS 14のリリース後、本日配信される予定だ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

iOS 14が正式公開,ダウンロード可能に

Apple(アップル)はiPhone(アイフォーン)の最新バージョンOSであるiOS 14をさきほど公開した。ダウンロードは無料でiPhone 6s以降、両世代のiPhone SE、およびiPod touchの最新モデルで利用できる。iOS 13が動作していルデバイスならiOS 14に対応している。今すぐダウンロードできるかどうかには個人差はあるが、すでにアップデートを受け取っている人たちがいるのでチェックしてみてほしい。

同社はiPad(アイパッド)、Apple Watch(アップルウォッチ)、およびApple TV(アップルティービー)でも主要アップデートを本日公開したのでiPadOS 14、tvOS 14、およびwatchOS 7の新機能にも期待できる。

今回のアップデート公開は多くのデベロッパーを驚かせた(未訳記事)。Appleは昨日(米国時間9月15日)、iOS 14を16日のプライムタイムに公開すると発表した。通常同社は公開の1週間か2週間前にアナウンスを行う。そうすることで、デベロッパーは最後に残っていたバグを修正してアップデートをApp Storeに提出する時間を取れる。

今日iPhoneをアップデートした人は、サードパーティーアプリのあちこちにバグがあっても驚かないでほしい。見えないところに大きな変更があり、これほど急に公開されるとは誰も思っていなかったからだ。

アップデートはすでに配信中で、設定アプリからWi-Fi経由でも、iTunesと有線でつないでもどちらでも可能。ただしまず、バックアップを取ること。iCloudのバックアップが最新かどうかを、iPhoneやiPadの設定アプリのトップにある自分のアカウント情報を開き、デバイス名をタップして確認できる。iOSデバイスをパソコンにつないでiTunesでバックアップすることもできる(両方することも可能)。

iTunesのバックアップを暗号化するのを忘れないように。誰かにコンピューターをハックされたとき、ずっと安全だ。しかも暗号化されたバックアップには、パスワードとヘルスデータも入っているので、オンラインのさまざまなアカウントを再設定する必要がない。

バックアップが終わったら設定アプリを開き、一般 > ソフトウェアアップデートへと進む。「アップデートを要求」が出ているはずだ。ダウンロードが可能になれば、自動的に開始される。

iOS 14でいちばん大きい変更は、ホーム画面のウィジェット、全アプリを一覧できるAppライブラリー、そしてApp Clipの実行だ。App Clipはアプリのごく一部の機能を実行できるもので、一切インストールせずに使える。

ほかにも多くの改善がなされていて、メッセージアプリにはグループ機能や@メンションとリプライ、デバイス上で動作する翻訳アプリ、Appleマップの一部で使える自転車用行き先案内、ノート、リマインダー、天気、ホームなどにもさまざまな改善が加えられている。

画像クレジット:Apple

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iOS 14 gets rid of the app grid to help you find the app you’re looking for

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Social Capitalの白紙小切手会社の1つがOpendoorとの逆さ合併を検討中

世界の大部分をシャットダウンに追い込んだ2020年のパンデミックで活動が減速した人もいる。だがChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は違う。

Bloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、サンフランシスコを本拠とし住宅売買をより簡単にすることを目指すOpendoor(オープンドア)は、Social Capital Hedosophia Holdings Corp II(ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィア・ホールディングス・コープ・II)との合併を通じた上場のための交渉を進めている。

報道によると、パリハピティヤ氏率いる「白紙小切手会社」であるSocial Capitalは4月に3億6000万ドル(約380億円)を調達したが、「この取引のために新たに株式で資金調達することについて投資家候補と協議して」おり、合併新会社の価値は約50億ドル(約5300億円)になるという。ただ、何かが確定したわけではなく契約が成立しない可能性もあると付け加えている。

OpendoorのCEOであるEric Wu(エリック・ウー)氏とパリハピティヤ氏にコメントを求めた。Opendoorの広報担当者は同社がコメントすべきことはないと述べた。パリハピティヤ氏からの回答はまだない。入手次第更新する。

取引が十分な時間検討されたと仮定すると、50億ドルのバリュエーションからOpendoorの魅力が想像できる。未公開市場の投資家による直近の評価は38億ドル(約4000億円)だった。ベンチャーキャピタルが投資する多くの企業と同様、同社にとっても2020年は混乱の年だった。実際、4月に新型コロナウイルスに伴う「公衆衛生、米国経済、住宅への予期せぬ影響」を理由に、当時の従業員の35%に相当する600人を一時解雇した。

しかし、ここ数カ月の間に、住宅ローンの低金利と、特に混雑した都会の外にスペースを求めるニーズにより、全米の住宅販売は活気を取り戻している。

全米不動産業者協会の8月下旬のレポートによると、7月の米国の住宅販売は過去最高の24.7%増加した。昨年の同時期との比較では8.7%の増加だった。6月の住宅販売も20.7%増加した(当時過去最高)。

この取引はパリハピティヤ氏にとっても理にかなう。第一に、多くの個人投資家にとってOpendoorは既に知っていて簡単に理解できるブランドであるため、公開企業になっても支え続ける可能性がある。実際、消費者にとっての同社のわかりやすさは、パリハピティヤ氏の最初の白紙小切手会社が2017年に6億ドル(約640億円)調達後に最終的に買収した宇宙旅行会社のVirgin Galactic(ヴァージンギャラクティック)のそれとそれほど変わらない。

合併した両社は昨年10月に公開し、23億ドル(約2400億円)の時価総額となった。現在、時価総額は40億ドル(約4200億円)を超えている。

注目は、パリハピティヤ氏が4月に同時に組成した3番目の特別目的ビークルで何をするかだ。このSPAC(特別目的買収会社)は7億2000万ドル(約760億円)を調達し、3つの中で最大だ。同社はIPOで得た資金で主に米国外にあるテック企業を買収すると述べている。

パリハピティヤ氏は自身のSPACだけに力を注いでいるわけではない。マサチューセッツ州バーリントンの会社であるDesktop Metal(デスクトップメタル)にも投資しており、別のSPACを介して上場する予定だ。

Desktopは先週、昨年3月に2億6100万ドル(約270億円)を調達した白紙小切手会社であるTrine Acquisition Corpと合併することによりニューヨーク証券取引所に上場する計画を開示した。パリハピティヤ氏はこの取引の資金として、2億7500万ドル(約290億円)のPIPE(上場会社への私募増資)での調達を支援した。

画像クレジット:Opendoor

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(翻訳:Mizoguchi

マイクロソフトもオラクルもTikTokを買収することはないと中国の国家メディアが報道

週の頭の朝から大騒ぎだ。Microsoft(マイクロソフト)がTikTokの米国事業の買収交渉から降りたという ニュースが出され、Oracle(オラクル)が勝者になるという噂が駆け巡り始めた直後に、中国の国営放送CGTNが、ByteDanceは米国のTikTok事業を、マイクロソフトもしくはオラクルのどちらにも売却しないと情報源を示しつつ報道した(CGTNサイト)。

世界で最も企業価値のあるByteDanceは、TikTokを全世界で普及させた重要技術である「ショートビデオのレコメンデーションアルゴリズム」を開発したことで評価されている。情報源がCGTNに語ったところによれば、ByteDanceはそのソースコードを米国の買い手には一切渡さないだろうということだ。情報源の1つはSouth China Morning Post(南華早報)に対して、ByteDanceは人気のTikTokを支えるソースを販売も譲渡もしないことを決定したと伝えていた(South China Morning Post記事)。

ByteDanceはこれらの噂についてはコメントしないと語っている。

TikTokの運命の時は刻一刻と迫っている。中国政府は当初、ByteDanceと米国政府との交渉に表向きは参加していなかったが、ByteDanceが「8月6日から45日以内(ホワイトハウスサイト)すなわち9月20日までに米国内で買収相手を見つけられなかった場合には、そのサービスを停止せよ」と米国政府が脅した期日が迫るにつれて、その態度も変化したようにみえる。

第1に、中国政府は輸出規則を改正したが、それはByteDanceの人工知能技術の譲渡または販売を阻止する可能性がある。そして、オラクルとの取引が確定したという噂を否定する国家の報告書が存在している。

ロイターの記事によれば、TikTokの米国資産の取得金額は500億ドル(約5兆3000億円)にもなると噂されている。

ByteDanceが注目を集めるようになったのは、ビデオ、ミーム、ニュース記事などのコンテンツなどを提供する同社のアプリが利用するアルゴリズムと密接に関係している。機械学習は、人間によるキュレーションの必要性をなくし、ByteDanceサービスにおいてはソーシャルや興味のグラフさえも不要だ。ユーザーがより多くのコンテンツを消費すればするほど、アプリはユーザーの興味をより正確に予測できるようになる。データ主導のプロセスはすでに文化の違いを超越しており、おそらくこのプロセスがTikTokが中国で初めて西洋を征服したコンシューマー向けアプリとなった理由だろう。

画像クレジット: NOEL CELIS/AFP / Getty Images
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(翻訳:sako)

地方自治体はデジタルサービスの導入により困難な時代に真の変革を実現できる

著者紹介:Bob Ainsbury(ボブ・アインズベリー)氏Granicus(グラニカス)の製品部門の最高責任者。

大変な年だ。毎朝目を覚ますと、パンデミック ― 9.11以来最大の予期せぬ人命の喪失、国民の不安、自然災害、迫り来る経済崩壊 ― の悲劇が進行している。

このような状況では、政府機関が市民に対して「ただ今サービスは停止しています。番号を入力して下さい。できるだけ早く折り返しご連絡いたします」と言ったとしても、仕方がないと思う。

しかし、政府機関にそのような選択肢はない。我々が知っているように、公衆衛生リスクと不安定な経済状況に直面する市民のニーズは増え続けており、政府はそれに首尾よく積極的に対応する必要があるからだ。実際、過去数か月において、米国市民の間で効果的な公共サービスや情報の迅速な提供を求める声がやんだことはない。地方自治体やコミュニティ組織に対する市民の要求は高まり、その声はかつてないほど大きくなっている。人々は、自分たちの望む方法で提供される新しい公共サービスを地方自治体に求めており、年中無休かつ24時間対応の情報とサービスへの高まる需要にも対応してほしいと考えている。

2020年を特徴づける出来事は(これまでのところ)グローバルに進展しつつも非常にローカルなレベルで人々に影響を与えている。たとえば、パンデミックをきっかけに、公衆衛生や人種的平等といった問題への米国市民の関わり方が大きく変化した。過去数か月で、地方自治体の権限が強化され、人々の生活に直接影響するサービスや情報を効率よく提供できるようになった。市や地方自治体が抱える目下の課題は、新型コロナウイルス感染症が蔓延する世界における市民活動の新しいあり方を地域のリーダーが受け入れ、誰もが現状に対応できるようサポートするデジタルソリューションを提供する方法を探すことだ。

誰もが利用できるデジタル公共広場を構築する

米国では、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、文字通り市庁舎が閉鎖され、あらゆるレベルの政府機関が、市民サービスをオンラインで平等に提供できるよう、公共部門の業務に近代化の余地があるかどうか再検討することを余儀なくされた。特に市長、市議会議員、地方自治体の職員は、この複雑な時期に生じた機会を逃すことなく、自治体のサービスを誰にとってもわかりやすく、誰もが参加でき、活気あふれるものへと改善するチャンスとして受け入れる必要がある。そのための方法の1つは、地方自治体がオンラインでの市民活動と市民サービスの場を開発するのに役立つデジタルツール、テクノロジー、人材に投資することである。必要とされる行政サービスを提供するだけでなく、市民からの意見を優先し、わかりやすさ、信頼、説明責任を重視した地域社会との対話を促進するプラットフォームが必要なのである。

公共サービスは常に地方自治体の中核をなしてきた。しかし、今日の公共部門のリーダーが直面している主な課題は、重要なサービスをどのようにオンラインで提供するかということである。より具体的には、対面でサービスを受けるために行列に並んで待つことが不可能になったため、オンラインサービスを開発することで、人々が登録して投票する、許可証を取得または更新する、停電を報告するといったことをオンラインで行えるようにする必要がある。

解決策を導き出すためには次の点を考えるべきである。結局のところ、市民は消費者である。市民は、いつでも利用できる行政サービス、市民の利便性に配慮しながらニーズも満たしてくれるサービス提供者を利用できる方法を求めている。デジタルトランスフォーメーションの真っただ中にある地方自治体にとって、自治体内部で提供するデジタルガバメントのサービスやソリューションを実現する際に利便性を組み込むことは重要である。デジタルガバメントが提供するサービスやソリューションは、バックエンドではプラットフォームやデバイスにとらわれない(少なくとも置き換え可能な)設計とし、フロントエンドではウェブ、モバイル、ソーシャルメディア、オフラインのオプションを通じて市民や行政機関のニーズに対応するオムニチャネルアプローチを取る必要がある。

地方自治体の価値を再び輝かせる

パンデミックの中、コミュニティメンバーやリモートワーカーがオンラインで活動することが増えたため、地方自治体がデジタルサービスを推進するための費用対効果の高い機会が新たに生まれている。最近まで、身分証明書用の写真作成、重要書類のスキャン、帳票のデジタル化、ワークフローやケース管理の合理化など、大掛かりな取り組みは、大規模な政府チームが必要に応じて複数の技術を別個に購入し、組み合わせて使うのに十分な予算を持っている場合にのみ実行可能だった。予算と能力に制約のあるコミュニティにできることはほとんどなかった。

良いニュースがある。今日のクラウドベースのソリューションはあらゆるサービスがそろっており、さまざまな規模のコミュニティに合わせて拡張可能であり、なおかつ料金も手頃であることだ。市場には、従来の対面サービスをデジタルでのサービスに移行しつつ、レガシーITシステムと統合できる地方自治体向けのソリューションが用途別に用意されている。そして、こうしたソリューションを活用し、米国において活発になっている市民活動の新たな形を促進し、市民にサービスを迅速に提供することが可能である。

さらに、使いやすくて手頃な価格(無料の場合もある)のデジタルエンゲージメントプラットフォームのおかげで、政府も真に有意義なものを提供できるのだという認識が米国社会で高まっている。このような考え方の変化により、民間企業のような利益の追求ではなく、コミュニティの代表として実政策に影響を与え、公共サービスを形作ることを目指す市民による社会参画活動が行われるようになった。

解決策を導き出すためには次の点を考えるべきである。デジタルガバメントプラットフォームは、常時稼働しているだけでなく、物資やサービスを市民に直接かつスムーズに提供できる必要がある。政府の援助を申請する場合でも、公園の使用許可を申請する場合でも、市民は、簡単かつ効率的に要望が実現してほしいと思っている。新型コロナウイルス感染症が蔓延している中、すべてまたは大部分のサービスをオンラインで提供できるようにすることは、これまで以上に重要である。これに対応するために、行政機関は、双方向のコミュニケーションが可能なデジタルフォーラムの作成に投資し、個々の家庭レベルで地域社会の需要とニーズを正確に反映したフィードバックを収集する必要がある。

デジタフォーラムの説明責任と代表性を高める

今日、市民活動をめぐるエネルギーが高まっているのは、パンデミック消費者活動の拡大、そして最近の組織的不正に対する抗議行動の直接的な結果である。このような要因が重なって、地方自治体には、国中の声を反映した市民活動を単に観察する以上の行動を起こす機会がつかの間与えられている。今や、市民活動と地域社会から寄せられる信頼を施策の土台として、時間をかけて積極的にそうした信頼を成長させていくチャンスがある。

地方自治体は、関心の高い支持者からなるネットワークを拡大し、全市民に情報を提供しながら、誤った情報に対処することで、より多くの市民に接触できるようになった。こうしたネットワークの形成と誤情報への対処を促進するために、行政機関は、市政のリーダーに政策と手続きの進捗状況を共有することを推奨する双方向のフォーラムを提供できる。結局のところ、行政とのやり取りは、銀行口座の残高を確認したり、Amazonでコーヒーポッドを再注文したりするのと同じように、誰にとってもシンプルで透明性のあるものにする必要がある。

解決策を導き出すためには次の点を考えるべきである。地方自治体は、変化を求めるコミュニティの多様な声に耳を傾けるチャンスを活用すべきだ。政府や社会の一部の権力者が彼らを黙らせたり無視したりしようとしている中ではとりわけそうだ。自治体は長い間待ち望まれてきたデジタルソリューションの開発を検討すべきである。そうしたソリューションにより、多様なコミュニティの声を増幅し、重要なサービスを提供し、人々に広く情報を提供できる。市民は、公務員や行政の代表者に意見を述べる、アイデアを共有する、緊急のニーズを伝えるといったことを簡単にできるようになるべきである。公務員や行政の代表者は市民から、安心して話を聞いてもらい、サービスを受けることができるという信頼を得る必要がある。市民活動の影響が拡大すると、Eメール、テキストメッセージ、郵便など、個人に合わせた方法を通じてより多くの人々にアプローチし、対話を確立して行動につなげる必要がある。

私は、全国の地方自治体が、市民とのやり取りの場をオンラインで提供することにより、政策問題に対する個人の認識を高め、市民の生活実態を明らかにし、多様性を許容した市民活動と真の変革を実現することで、現在生じている前例のない課題に立ち向かうことができると確信している。

関連記事:「従来型IPOはナンセンス」という説にIPOの専門家が反論

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:コラム

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(翻訳:Dragonfly)

今週の記事ランキング(2020.9.6〜9.10)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「中国がMITの子供向けプログラミング言語「Scratch」の国内使用を禁止」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

スタートアップ運営の健康保険プロバイダーを小規模企業向けにまとめて提供するSana Benefitsが約22億円を調達

小規模企業向けの自己資金による保険プランの管理事業を展開するSana Benefitsは、スタートアップが運営する最新の健康保険プロバイダーを、小規模企業向けの便利なパッケージにまとめようとしている。同社は最近のシリーズAラウンドで2080万ドル(約22億円)を調達したことを明らかにした。

自己資金による保険プランは、従業員の医療費を自費で負担するために企業が設定するもので、雇用主がどのサービスを提供するかを選択できるため、一般的には安価なのが特徴だ。

Sana Healthの共同創業者であるWill Young(ウィル・ヤング氏)によると、ほとんどの企業は、United Healthcare、Anthem Blue Cross Blue Shield、Aetna、Cigna、Humanaなどの大手保険会社から既製品のプランを購入しているため、出費がかさんでいるという。

同社は、歯科医療を提供するBeam Dental、遠隔医療を提供するPlushCare、メンタルヘルスを提供するCalmとGinger.io、フィットネスを提供するClassPass、マタニティケアを提供するMaven Clinicなどのスタートアップとの提携をウリにしている。

Sana Healthのピッチは、Gigafund、Trust Ventures、mark vcなどのVCの注目を集め、前述の資金調達に漕ぎ着けた。

Gigafundのマネージング・パートナーであるStephen Oskoui(スティーブン・オスコイ)氏は声明で「Sana Healthの健康保険の革新的な点は、中小企業がコスト削減と従業員の福利厚生の改善の両方の実現を可能にすることです。同社のようなウィンウィンのソリューションがなければ、医療危機に真の意味で歯止めをかけることはできないと信じています」とコメントしている。

従業員は何を得られるのか?Sana Healthのプランは、免責額が4000ドル(約42万5000円)で最大の自己負担額が6650ドル(約70万5000円)の健康保険の提供から、免責額が0ドルのプランで最大の自己負担額が1250ドル(約13万3000円)の個人向けのプランまで幅広い。

「我々は従来のプランに比べて20%のコスト削減が可能です」とヤング氏。自己保険とは、厳密には会社が保険を提供し、保険自体を購入することを意味する。

同社は顧客のために健康保険プランを管理し、プランを指示・配布することで収益を上げている。現在はテキサス州とケンタッキー州で事業を展開しており、今年後半にはイリノイ州にも進出する予定だ。

画像クレジット:Ja_inter / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

PostmatesがNFL初の公式オンデマンドフードデリバリーパートナーに

ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は初のオンデマンドフードデリバリーパートナーにPostmates(ポストメイツ)を指名する。

この提携は複数年のスポンサーを意味し、Postmatesはスーパーボウルのスポンサーにもなる。Kansas City Chiefs(カンザスシティ・チーフス)が本拠地にHouston Texans(ヒューストン・テキサンズ)を迎えて行われる試合でシーズンが開幕するが、Postmatesは15 and the Mahomies基金を通じてチーフスのPatrick Mahomes(パトリック・マホームズ)選手、そしてテキサンズのDeshaun Watson(デショーン・ワトソン)選手とタイアップする。両クォーターバックが敵対チームの本拠地の医療機関で働く人に食事の配達を指示する、というものだ。

NFLの事業開発担当副社長Nana-Yaw Asamoah(ナナ-ヤウ・アサモア)氏が声明文で指摘したように、今シーズンは多くのファンがスタジアムや地元のスポーツバーではなく家で試合を観戦することになる。そのため、今年のフードデリバリーとのパートナーシップというのは特に最適のようだ。

「ファンは今シーズン、これまでより家のソファからNFLフットボールを観戦することになり、NFL初の公式オンデマンドフードデリバリーパートナーとしてPostmatesとの連携は最高の組み合わせだ」とアサモア氏は述べた。「Postmatesがシーズンを通じてNFL体験を我々のファンの玄関先に直接届けることを嬉しく思う」

Postmatesは以前、Dodgers(ドジャーズ) Yankees(ヤンキース)など個々のメジャーリーグ野球チームと提携していた。同社はまた、来年クローズが見込まれるディールでUberに買収される(未訳記事)。

画像クレジット: Postmates

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(翻訳:Mizoguchi

スター満載のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版「デューン」のトレーラーが公開

あの奇妙な感覚。新作映画に胸が高鳴るあの興奮が再び?

劇場が徐々に開き始めているいま(ただしニューヨークとカリフォルニアの大部分(Variety記事)ではまだ、そして私は100%それでOK)、映画会社は2020年以降の公開予定作品の人気を煽るべく、再びトレーラー(予告編)を流し始めている。米国時間9月9日、Frank Herbert(フランク・ハーバート)氏の古典的SF小説「Dune」(デューン)の最新映画化作品初のトレーラーがついに公開された。

物語の舞台は砂漠の惑星アラキス、別名デューンで、銀河系勢力争いの中心地になっている。そして宇宙旅行と不死の命の両方に必要なメランジと呼ばれるスパイスの宇宙唯一の採取地でもある。Paul Atreides(ポール・アトレイデ)演じるTimothée Chalamet(ティモシー・シャラメ)はティーンエージャーの王族としてデューンにやってくるが、宮殿を取り巻く陰謀に命を脅かされ惑星の住民フレーメンの救世主に祭り上げられる。予告編によると小説でPaulの「jihad」(ジハード)だったものが映画では「crusade」(十字軍)になっている。

原作のDuneは、シークエル(続編)、プリクエル(過去を舞台にした続編)が書かれ、テレビのミニシリーズが複数作られ、人気のコンピュータゲームにもなった。最も有名なのがDavid Lynch(デビッド・リンチ)が監督を務めた(後に絶縁した)1984年の劇場版だ。リンチ氏のDuneは印象的な話題をいくつか残したが興行面では大失敗で、これを忠実あるいは成功した映画化と認めた小説ファンはほとんどいなかった。なお、Alejandro Jodorwosky(アレハンドロ・ホドロフスキー)氏による同小説の映画化失敗は別のドキュメンタリーのテーマになった。

今回Duneで監督を務めるDenis Villeneuve(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)氏は、以前「Arrival」(メッセージ)と「Blade Runner 2049」(ブレードランナー2049)でメガホンを取った。そして今作はオールスターキャストをうたっている。シャラメ氏に加えて、Oscar Issac(オスカー・アイザック)、Rebecca Ferguson(レベッカ・ファーガソン)、Josh Brolin(ジョシュ・ブローリン)、Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスガルド)、Dave Bautista(デイブ・バウティスタ)、Zendaya(ゼンデイヤ)、Jason Momoa(ジェイソン・モモア)、Javier Bardem(ハビエル・バルデム)らが名を連ねる。

リンチバージョンと異なり、この新しいDuneは、小説の前半だけを映画化し、計画されている続編で後半を扱う予定だ。配給はWarner Bros.(ワーナー・ブラザーズ)だが、親会社であるWarnerMedia(ワーナーメディア)はスピンオフのテレビシリーズをHBO Max向けに計画中(未訳記事)で、ヴィルヌーヴ氏が構想を指揮する。

Duneは2020年12月18日に劇場公開予定。本当にできるのか?ちなみにChristpher Nolan(クリストファー・ノーラン)の「Tenet」(TENET テネット、これもWarner Bros.配給)は新型コロナウイルスの感染蔓延後に公開された初の大ヒット劇場映画であり、特に米国以外で非常に好調(未訳記事)のようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

データ特化クラウドのSnowflakeがIPOで約2.5兆円の評価、セールスフォースとバークシャーハサウェイも出資

Sumo LogicとJFrogによる新規申請(未訳記事)の直後に、データに特化したクラウドサービスの強みをベースに公開を目指すSnowflake(スノーフレーク)がIPOの仮条件の範囲を設定した(米証券取引委員会資料)。ユニコーンの同社にはベンチャーキャピタルが投資している。

IPOでの株価の目標は1株当たり75~85ドル(約8000~9000円)だ。同社のバリュエーションは209~237億ドル(約2兆2600億~2兆5100億円)ということになる。未公開企業としては巨額だ。同社はIPOで27億ドル(約2900億円)以上を調達する可能性がある。

Snowflakeが今年初めのシリーズGで4億7900万ドル(約510億円)相当を調達したときのバリュエーションは約125億ドル(約1兆3200億円)だった。

同社のバリュエーションには2件の私募増資が織り込まれている。よく知られたCRMプレーヤーであるSalesforce(セールスフォース)と、80~90年代の投資リターン、Cherry Coke(チェリーコーク)氏、Charlie Munger(チャーリー・マンガー)氏のユーモアで有名なBerkshire Hathaway(バークシャーハサウェイ)の両方からそれぞれ2億5000万ドル(約270億円)の出資だ。

冗談はさておき、セールスフォースがIPOに関与していることは注目に値するが衝撃的とは言えない。一方、暴力的とも言える歴史的損失を計上したBerkshireがSnowflakeの公開市場デビューに参加するのは衝撃的だ。

S-1/Aに記載された今回の建て付けは以下のとおりだ。

株式公開のクロージング直後に「同時私募増資」のセクションに記載のクロージング条件に従い、Salesforce VenturesおよびBerkshire Hathawayが私募増資により発行されるクラスA普通株式を2億5000万ドル、株式公開における公募価格と同じ1株当たり価格で引き受ける。Salesforce VenturesおよびBerkshire Hathawayは、本目論見書の表紙に記載の価格帯の中間値である1株当たり80.00ドルの想定公募価格に基づき、クラスA普通株式312万5000株を引き受ける。

さらにBerkshire Hathawayは、セカンダリートランザクションにおいてクラスA普通株式の404万2043株を株式公開のクロージング直後の公募価格と同じ1株当たりの価格で引き受けることに同意した。

2つ目の段落は、Berkshireが実際にさらに多くの株を求めた結果、合計購入価格が5億ドル(約530億円)を超える可能性があることを明らかにしている。

Snowflakeの魅力は何か。TechCrunchでは同社が申請したときに少し書いた(未訳記事)が、要は同社が著しい成長を遂げ、粗利益率が向上し、損失を劇的に削減したためだ。それらが価値あるIPOにつながり、Buffett(バフェット)氏を魅了するに至った。

いずれにせよ、ここ米国で今年最大のIPOになる可能性があり(Airbnbの状況による)非常にエキサイティングだ。

画像クレジット:dolgachov / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

1対1のビデオ面接システムとAIを活用し人材採用の偏りを減らすSwygが1.3億円調達

アイルランド・ダブリンに拠点を置くスタートアップのSwyg(スワイグ)は、面接プロセスと独自のAIを組み合わせることで、採用時のバイアスを減らすことができると考えている企業だ。このたび同社がプレシードファンディングで120万ドル(約1億3000万円)を調達した。

ラウンドをリードしたのはFrontline Venturesだ。ほかにPointyの共同創業者のCharles Bibby(チャールズ・ビビー)氏やPipedriveの共同創業者のMartin Henk(マーティン・ヘンク)氏などのエンジェル投資家たちが参加している。今回の資金は、Swygの技術チームと製品チームを成長させ、プラットフォームの開発をさらに進めるために使用される。

「候補者の選考は採用時の大きな問題です」とSwygの創業者のVincent Lonij(ビンセント・ロニジ)氏は私に語った。「それは採用プロセスの中で、最も労働集約的で最も間違いが発生しやすい部分です。一人の評価者や面接官が、履歴書や静的プロファイルなどの限られた情報に基づいて判断しようとすると誤った決定が行われます。そこが人間の偏見がプロセスに入り込む場所となります」。

さらにロニジ氏は、求職側の意見として、就職希望者の圧倒的多数が、時間をかけた就職面接からのフィードバックを受け取りたいと思っていると指摘した。「それなのにフィードバックを受けているのは41%に過ぎません。それが学びと成長の機会を阻害しているのです」。

これを解決するために、Swygプラットフォームでは、あらかじめ定義された構造化された質問を使用し、候補者が多くの面接官と1対1のビデオ・チャットを介して面接を行う「ピアインタビュープロセス」を採用している。

「このピアツーピアプロセスは、1人の採用担当者や採用マネージャーに頼るのではなく、多様な個人グループの専門知識を利用します」とSwygの創業者は説明する。「より多様なレビュアーからのインプットを得るだけでも、偏見を減少させることができます」。さらに、SwygのAIテクノロジーは、ピアインタビュアーを「偏見と人為的エラーを検出して修正することによって」リアルタイムに調整できると主張している。

画像クレジット:Swyg

面接対象者とその面接でのパフォーマンスを理解するには、最初にSwygが面接官についてもっと理解する必要があるというのが、ここでの考えの1つだ。その中には、総合的にどのように候補者を採点しているか(すなわち、採点がポジティブ寄りかネガティブ寄りか)や、高得点をつけた後にはより厳しい審査員になる傾向があるか、またはその逆もあるか、もしくはかなりの一貫性があるかなどの変数が含まれている。

また、参加者が故意に不当な評価を与えた場合などを含め、予期しないことが起こったときにそれを検出するシステムも用意されている。これにより、Swygが特定のレビューを必要ならば除外できるレビュープロセスが起動される。

「簡単に言うと、AIや機械学習で候補者を直接判断するのではなく、面接官を理解するために機械学習を使用しているのです、それが候補者の理解につながります」とロニジ氏は説明する。「このテクノロジーを使用して、インタビュアーの既知の認知バイアスを検出して修正することができ、より正確な評価につなげることができます」。

一方、ロニジ氏は、他のひとたちは、完全に自動化されたソリューションを使うか、または完全に手動のソリューションを使って候補者選択問題を解決しようとしているという。「どちらのやり方も上手くいきません」と彼は主張する。

これは、一般にAIが完全に自動化された方法で人間を判断できるほど十分に発展しておらず、結果として経歴書のキーワードマッチングや録画された動画の自動分析がほとんど信用できないためだ。そしてまた、人間のインタビュアーだけでも間違いが発生しやすく、さまざまな偏見の影響を受ける。

「私たちはハイブリッドなアプローチで違いを生み出します」とロンジ氏は付け加える。「候補者をプロセスの一部にすることで、AIの効率性を得られると同時に、人間の誠実さと適応性の最良の部分を活用することができます」。

画像クレジット: Swyg

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(翻訳:sako)

Disrupt 2020の開催迫る!チケットは$345から

米国版TechCrunchが毎年開催するテクノロジーとスタートアップの祭典「TechCrunch Disrupt」。これまでにFacebookのマーク・ザッカーバーグ、Teslaのイーロン・マスク、Twitterのジャック・ドーシーなど著名起業家も登壇する、米国テック業界のビッグイベントだ。今では誰もが知るDropboxも、かつてはDisruptの前身である「TechCrunch 50」で激しいピッチバトルを繰り広げたスタートアップの1つだった。

今年、新型コロナウイルスの影響により、これまでオフラインのみの開催だったDisruptはオンラインイベントへと進化する。もちろん、日本からもあなたの目の前にあるスクリーンを通してDisruptに参加することが可能だ。TechCrunch Japanの読者のみなさんにも、普段は記事でしか目にすることのない米国スタートアップエコシステムの熱気を、ぜひ肌で感じて欲しいと思っている。

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量子アニーリング研究開発スタートアップ「シグマアイ」とソニーの共同研究成果が国際会議ISITA2020に採択

量子アニーリング研究開発スタートアップ「シグマアイ」とソニーの共同研究成果が国際会議ISITA2020に採択

量子アニーリングマシンを活用した研究開発ソリューション・アプリケーションを提供するシグマアイは9月8日、ソニーと進めていた通信技術における量子アニーリングマシン適用可能性の検討に関する共同研究の成果が、10月開催の国際会議ISITA2020に採択されたと発表した。

同研究成果「Maximum Likelihood Channel Decoding with Quantum Annealing Machine」について、ISITA2020(The International Symposium on Information Theory and Its Applications 2020)および9月開催の量子アニーリングマシンの活用に関する国際会議Qubits Worldwide Users Conferenceで発表される。

シグマアイは、現代の通信技術を支える基本問題に対して、量子アニーリングを適用するという基礎検討に関する研究をソニーとともに実施。

通信において、受信した信号を手がかりに、送信されたデジタル信号を推定する際には、組み合せ最適化を解く必要がある。この際、通信品質を保ち速度を向上させるためには、推定における組み合せ最適化問題を高速に解く必要がある。

今回の取り組みでは、量子アニーリングの適用可能性の検討を行い、実現したい通信の達成目標に対して、必要な量子ビット数の見積りやノイズに対する頑強性について確認を行った。今後も同社は、ソニーとの共同研究を通し通信技術をはじめとするデジタル社会を支える計算基盤として、量子アニーリングの適用可能性を広げ、そしてその技術を深めてまいくとしている。

2019年4月設立のシグマアイは、黎明期から発展期を迎える量子科学時代において、独自の量子アニーリングマシンの性能の限界を超える根幹技術を持ち、量子アニーリングの活用事例を豊富に持つ東北大学の研究成果を社会に還元するために、様々な研究開発機関、事業会社との共同開発を進める世界でも屈指のスタートアップ企業。

D-Wave Systemsの量子アニーリングマシン(2019年7月に日本初の大型利用契約を締結)をはじめ、新しい計算基盤を用いた研究開発事業、および多くのユーザーの生活に寄り添い、身近でありながら、優しく社会に浸透するアプリケーション開発事業を行っている。

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