ベッドにくくりつける睡眠センサBeddit, 本体の資金募集額は達成したので次はクラウドアプリケーションに挑戦

最初は歩数計アプリだった。そしてその後、ありとあらゆるセンサが登場して、われわれの動きや運動、家で何をしているか、どんな睡眠をとっているか、などなどを調べ始めた。

先週は、フィンランドのヘルシンキ出身のBedditを取り上げた。同社はベッドに取り付ける睡眠センサのためにIndiegogoで資金募集をしていた。非常に感度が良くて、心拍数も計れるそうだ。同社は過去2年間、医療の専門家たちのための機器を作っていたが、今回149ドルという安価な消費社製品を出したのだ。

目標額の8万ドルには1週間ぐらいで到達したので、同社はさらに額を増やし、睡眠データのバックアップと共有のためのWebアプリケーションBeddit Cloudを作るための資金として20万ドルの目標額を掲げた。Beddit本体はBluetoothでモバイルアプリにつながる。

しかしBeddit Cloudができたら、BedditのユーザはプライベートなWebアカウントに自分の睡眠データを自動的にアップロードできる。そしてそのデータの時系列を視覚化して見たり、スプレッドシートにエクスポートしたり、ほかのユーザ(匿名)のデータと比較したりできる。

さらにそのデータを容易にソーシャルネットワークで共有できるし、またBeddit Cloud自身にも、Jawbone Upなどより汎用性のあるアクティビティトラッカーにもあるような、一般的なソーシャル機能も一部ある。そしてこのWebアプリケーションは、APIを公開してサードパーティ製のアプリの制作を可能にする。目標額を達成したら、Beddit Cloudは来年の第二四半期に立ち上げる予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


老人在宅モニタ機器の情報化とネットワーク化とモバイル(移動)化を初めて実現したAmulyte

テレビコマーシャルから流行語になった“I’ve fallen and I can’t get up”(転んじゃって起きれないの)は、今やお笑いネタにもされているが、でも実際にあなたのおじいさんおばあさんがそんな状況になったら笑い話ではすまされない。

カナダのWaterloo大学の同級生Jaclyn KonzelmannとPerry Haldenbyにも祖父母がいるので、今出回っている高齢者用のモニタリングシステムのどーしょーもない限界に気づき、もっと良いものを作ろう、と思い立った。それが、Y Combinatorの支援で立ち上がったAmulyteとその製品、ご老人用のより“スマートな”救命ガジェット(lifeline)だ。

Konzelmannは開口一番、“これまでの製品はどれも、30年前の技術を使って基地局だけに接続する”、と言う。そもそも、それを身につけた状態でずっと家の中にいるならよいが、ばあちゃんがちょっと散歩に出かけたときはどうなるのだ? バスに乗って遠くの友だちを訪ねた、なんて“想定外の”事件が起きたら?

ばあちゃんは、予約価格99ドルを払って、Amulyteを買うべきだったのだ。同社の、その名を“お守り(amulet)”に借りたガジェットは、首にかけたりポケットに入れておく小さなペンダントで、シンプルな外見だが中身は濃い。Amulyteはセルラー無線、WiFi、GPS、加速度計、そして全体をコントロールするマイコンを搭載しており、しかも電池は一週間もつ。最終製品はスピーカーとマイクを搭載して双方向通信ができるようになる予定だが、この小さなペンダントにそれらを詰め込むのが難しい。

もちろん、部品はユーザには見えず、見えるものは真ん中にある大きな’help’ボタンだけだ。そのボタンを押すと、あらかじめ設定されている連絡先全員に、音声やテキストで緊急情報が行く。深刻な状態なら、救急サービスも呼び出せるが、その区別の方法は目下検討中だ。

また緊急時でなくても、当人の身体情報をいつでもチェックできる。活動のレベルや位置などだ(WiFiを使うので屋内でもよい)。それらの情報はリアルタイムで送られ、介護担当者などがリモートで状態を知ることができる。もちろん、異変があれば駆けつける。

このような、ネット接続型のハードウェアの多くがそうだが、Amulyteもその利用に課金するつもりはない。Konzelmannは曰く、ハードウェアの代金だけでコストは十分にカバーできる。ただし月額30ドルの会費を払うと、携帯電話的にも使えるし、またAmulyteの健康モニタポータルにもアクセスできる。

老人モニタ器具/システムの革新を目指すスタートアップは、Amulyte以外にもある。バージニア州のBeCloseは昨年、独自の在宅モニタリングシステムを発売したし、Livelyは人間ではなく、家中のいろんな物の位置や状態を追う。それらの中でAmulyteの差別化要因は、家の外でも使えるし、介護者をはじめ複数の連絡先に情報が行くことだ(緊急時送信と常時モニタリングの両方)。文字通り“スマートな”製品だと言える。

ただし製品の完成と発売は数か月後だ。今二人はもっぱら、デザインを磨き上げ中で、いろんなプロトタイプ機を地元の老人ホームでテストしている。評判は概して良いが、消費社製品としての完成は来年初頭とのこと。

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話題のMisfit Shineはどうかな?-本誌スタッフが愛用者になったので感想を聞いた

フィットネスはとても個人的なことなので、今みたいにさまざまな活動記録デバイスが出回っているときには、実際にそれを使ってみた人の感想を聞いて、自分との相性を推察するのがよろしかろう。それは、今度行くレストランを決めるときYelpを見ることに似ている。いろんな人の意見や感想を読んで、自分なりの結論を導くのだ。

本誌TechCrunchで、TechCrunch TVの番組編成を担当しているFelicia Williamsが、最近Misfit Shineを買ったらしい。そこで私は彼女をテレビカメラの前に引きずってきて、彼女なりの使用体験を語ってもらった。

Feliciaが言うには、自分は全然、活動記録計(activity tracker)なんか身につけるタイプじゃない。そもそも、腕に何かを付けることが嫌いだ。そんな彼女がMisfit Shineにはまったのだから、おもしろい。ShineがAppleのストアに出たのは先週だが、Felicia はIndiegogoで出資していたのでそれより一週間前にに手に入れていた。

上のビデオでは、Feliciaが毎日のジョギングや犬の散歩でShineを使っている。彼女は、Shineのアプリが“きれいだ”と言う。どうやらそこから、はまったらしい。ただし、いくつか気に入らないところがあるので、10点満点はあげられないそうだ。

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スマートフォンを高度なDNA検査機器に変えるBiomeme, へき地でも正確な疾病診断が可能に

スマートフォンのアクセサリは今ではものすごく種類が多いが、でもそのほとんどが、第一世界の…ぜいたくな、どうでもよい…問題を解決するものばかりだ(栓抜きのついたスマホケースとか)。でもたまには、取り残された世界に変化をもたらそうとするものもある。Dreamit Venturesが資金を提供しているBiomemeの連中はこのほど、iPhoneやiPod touchをDNA複製マシンに変えて、病気の診断や治療を都市から遠い僻地にも提供できるデバイスを開発した。

(聞かれる前に言っておこう。Androidのサポートも今準備中だ。)

そのデバイスの高度な技術はもっぱら、qPCR thermocycler(定量PCRサーモサイクラー)と呼ばれるDNA複製増幅法に依存している。その装置を使うと、少量の細胞からでも詳細なDNA情報を知ることができる。疾病の診断には理想的だが、使用技術が難しい、値段が高い、などのため、利用できる医療機関/研究機関は限られている。そしてそこが、Biomemeの出番となる。

同社の5人のチームは、1年足らずで、精度が高価な装置並でお値段は格安というサイクラーを作り上げた。お安いのは、頭脳の部分をBluetoothで接続されたスマートフォンが担当するからだ。では、その仕組みを見よう。

まず、ユーザのスマートフォンを同社のモバイルPCRマシンにBluetoothで接続する。次に別売のテストキットを取り出して、そこにごく少量のサンプルを取り出す…テストキットは使い捨てなのでこれが同社の収益源になる。サンプルテストのための簡単な準備を行い、サンプルをマシンの上部にロードし、結果を待つ(協同ファウンダで事業開発を担当するMax Perelmanによると、以上一連の作業は手の不器用なVCたちですら間違えないだろう、と言う)。

このプロトタイプの、3Dプリントで作った筐体中にはArduinoが鎮座してかんじんのお仕事をする。ヒーターとファンを制御してマシンの温度を調節、励起光源のコントロール、スマートフォンとのワイヤレス通信、などなど。一方、スマホ側ではカメラが活躍してDNA配列の発光状態をアプリに伝える。そしてその専用アプリが、DNAの状態を疾病の特徴と対照する。このハードウェアの今のバージョンは、まだかなり荒削りで、しかも大量のオープンソースコードをセキュリティ的に無防備で使っている。でも協同ファウンダのMarc DeJohnは、当面はこれでよい、と考えている。

この、スマートフォンを電脳として使うPCRマシンは、予価が1000ドルだが、今後医療世界で需要が増えれば、興味を抱(いだ)いた消費者が気軽に買えるぐらいの値段にはなるだろう、という。そうなると、DNA検査の民主化という、たいへんな事態が訪れる。

しかしPerelmanによると、スマートフォンを利用する医療検査機器に対して合衆国の規制はまだ寛容でない。サラダ菜の葉っぱのDNAを調べるぐらいしか、できない。そこでBiomemeは、南アメリカやアフリカに進出して分散検査システムを構築することを考えている。そして各地の小さなラボが、リアルタイムで疾病の検査を行い、結果を専門医に送るようにしたい、と。

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日本製の高性能金属を使用したアクティビティトラッカーShineはAppleの元CEOが協同ファウンダ–社名もApple的

【抄訳】

Fitbits。NikeのFuelbands。JawboneのUp。PulseArgus。LGのSmart Activity Tracker。…。…。コンピュータ内臓あるいはコンピュータのアプリとしての、そしてインターネット接続型の、アクティビティトラッカー(activity tracker, 活動追跡機)の市場は、最近ますます混雑と渋滞がひどくなっている。しかも、まだ勝者がはっきりしない。

Misfit WearablesのShineも、最近この混雑に加わった一人だが、ハードウェアのデザインとしては、これがいちばん美しいのではないだろうか。Shineを作ったMisfit Wearablesは、AppleのファウンダSteve Jobsの有名な“Think Different”(違う考え方をしよう)キャンペーン(1997年)の有名なコマーシャルの、冒頭ナレーションから、社名をいただいている: “Here’s to the crazy ones. The misfits.”*(おかしなやつらに乾杯。はみ出し者に勝利を)。〔*: misfit, 不適応者。〕

同社にはFounders FundとKhosla Venturesが出資し、協同ファウンダとして名を連ねるSonny Vuが作った血糖値測定企業Agamatrixは、世界初のiPhone用公式医療機器アドオンを提供した。もう一人の協同ファウンダJohn Sculleyは、Appleの元CEOだ。小さなスタートアップなのにチームはきわめて多国籍で、工業デザイナーはサンフランシスコから、データサイエンティストはベトナム、そして製造は韓国と日本で行う。

Shineは小さな円形で、25セント硬貨と同じぐらいの大きさだ。外殻には、日本製の航空機用アルミニウムを使用している。小さな穴がいくつかリング状に開いていて、その直下にはLEDライトがある。それらは、その人の本日の活動目標達成度を表す。それを見るためには、Shineを二度タップする。ライトが半分しか点灯しなければ、やることは半分しか終わっていない。ライトが完全にリング状に点灯したら、目標達成だ。

私は本機を一週間ほど借りて、毎日の散歩やダンス、ダウンヒルのマウンテンバイク乗りなどをチェックしてみた。

全体的に、印象はとても良い。機械というより、ある種のジュエリーみたいだが、ハードウェア企業でデザインをやっている友人たちは、Shineの作りと形はとても良い、と感心していた。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


家庭用3Dプリンターは有害物質を放出している[研究報告]

家庭用3Dプリンター ― 特にFDM、Makerbotの類 ― は未だ初期段階にあり、安全面に関しては試されていない。そこでイリノイ工科大学の構築環境研究グループの研究者らは、人気モデルの超微粒子放出をテストし、これらのプリンターを使うとどんな有害物質が排出されるかを測定することにした。

結果は? PLA(ポリラクチド)というデンプン由来の材料は、毎分200億個の粒子を放出したのに対して、プラスチックであるABSは、2000億個を放出した。これは、ガスコンロを使ってタバコに火をつけたり、香りのろうそくをともすのに似ている。要するに、これはフィルターされていない環境における著しい汚染の可能性を意味しているが、これは既にわれわれが日々行っていないことでも何でもない。

研究では、放出された材料の内容は考慮に入れていないが、それはさらに気になるところだ。例えば、PhysOrgによると、ABSは実験用ラットに有害であることが知られており、一方PLAは、なぜか、薬物送達のためのナノテクノロジーで使用されている。

結論? 3Dプリンターを換気すること。

現在殆どの3Dプリンターはスタンドアローン機器として販売されており、排気やフィルター処理が行われていないため、換気が不十分あるいはフィルターされていない室内環境で使用するには注意が必要だ。さらに、実験結果を踏まえると、さまざまな種類の3Dプリンターから放出される粒子をより基本的に評価するために、制御された実験をさらに実施すべきである。

当然のことながらこれらのプリンターは家庭やオフィスで使用されることを想定しており、実験室グレードの換気フードの下で使われることは今後もおそらくないだろう。しかし、3Dオブジェクトを作るために用いられる様々なプロセスを考えると、学校で使うかもしれない子供たちや教員、デザイナー、さらには日常的に使用する作り手の人々に超微粒子が与える影響を減少させるために、この研究が行われたことは重要である。

報告書の全文はここで読める。あるいは換気扇のスイッチを入れるだけでもよい。

via Physorg

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(翻訳:Nob Takahashi)


登録者に健康スナックを毎月送付するNatureBoxが、General CatalystおよびSoftbankより850万ドルを調達

NatureBoxは、美味しくて、健康によいスナックを毎月登録者に配送する、サブスクリプション型サービスだ。18ヵ月前にスタートした。このNatureBoxからのアナウンスによれば、General CatalystおよびSoftbank Capital主導によるシリーズAにて、850万ドルの資金を調達したとのことだ。エンジニアリングチームを拡充し、顧客満足を向上させるプロダクトの開発を行うために資金を活用したい考えだ。

NatureBoxを簡単に説明すると、健康スナック向けのBirchboxといったものだ。月に20ドルの登録料で、ときどきパクついてしまうジャンクスナックの代わりとなる健康スナックが一箱送られてくるのだ。NatureBoxから送られてくるスナックはすべて栄養士が承認したもので、異性化糖、部分水素化油、トランス脂肪酸、および人工甘味料、香味料、着色料などを含んでいないものに限られている。また地元栽培家や、小規模食品サプライヤーとの協力関係も進めていこうとしている。

NatureBoxから発送されるスナックのバリエーションは現在80種ほどとなっている。月間に5ないし10種が追加されている。尚、リストから消されるものも僅かながら存在する。年末までに品揃えを100以上程度に持っていくことが当面の目標となっている。但し、品揃えを揃えればそれで良しという話ではない。NatureBoxとしては、揃えた品物を消費者に食べてもらうことが必要なのだ。そのため、NatureBoxは消費者の好みや、あるいは食餌制限などにマッチしたスナックを提供できるようにしている。

これまでの状況を見ると、NatureBoxのアイデアは消費者から支持されているようだ。2012年には登録者向けに50000箱を出荷したとのこと。今年については年間100万箱以上の出荷を目指しているところなのだそうだ。

もちろんサービス向上のために為すべきことは、まだまだ多い。データ分析能力を精密に行い、特定顧客向けに推奨すべきプロダクトをきちんと判別できるようにもしたいところだ。この点についてはNatureBoxのCEOであるGautam Guptaも同意見で、そのためにエンジニアリングチーム拡充の必要性を感じているそうだ。また製品開発およびマーケティング部門についても拡充していくらしい。

昨年12月、NatureBoxはGeneral Catalyst、Redpoint Ventures、およびエンジェルたちから200万ドルの資金を調達している。業務の拠点はカリフォルニア州サンカルロスにある。現在の従業員は35名。Guptaによると年内に45人体制を実現したいのだとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)


血液検査で自閉症を早期発見するSynapDxが$15.4MをGoogle Venturesらから調達

自閉症は社会的技能やコミュニケーション能力の障害で、最近はそう診断される人が増えている。原因は遺伝的な要素や環境などさまざまだが、症状が主に行動に現れるため、診断は子どもがある程度大きくなってからでないと行われないことが多く、より必要性の高い早期診断の確立と普及を阻んでいる。

しかしマサチューセッツ州のSynapDxは、高度な生命情報科学とゲノムシークエンシング、および血液検査を組み合わせた方法で、子どもたちが従来よりも低年齢の時期に診断を行おうとしている。

同社は最近、この障害を血液検査で診断する方法を開発するために、Google Venturesが率いるラウンドにより1540万ドルの資金を調達した。その方法は、障害を持つ子どもたちの遺伝子組成の研究から生まれたものだ。自閉症と関連する遺伝子変異を多く知れば知るほど、障害の兆候を知るための血液検査は精度を増す。

同社の商用化部門担当VP Theresa Tribbleは次のように言う: “自閉症の根本原因はまだ分からないが、弊社の方法では血液検査の結果と障害の診断とのあいだの、相関性を見つけることができる。今後はより多くの研究者との共同研究により、原因究明に力を入れていきたい”。

同社の最終目標は完全な精度を持つ血液検査方法の開発だが、その前の段階では、親たちが早期に本格的な診断を受けさせるべきかを決断する手助けとなる、初期段階的な検査方法を完成させたい、という。

“それは、どちらかというとリスク評価だ”、と彼女は言う。“小児科医がその血液検査の結果を見て、その子を普通よりも早く本格的な臨床検査にかけるべきかを判断する、それが当面の目的だ”。

今の診断年齢は平均4歳半ぐらいだが、心配性の親たちは18か月ぐらいで気にし始める場合もある、という。

“時間差が大きすぎるわね”、と彼女は言う。

今回の投資には、North Bridge Venture PartnersやGeneral Catalyst Partnersと並んでFoundation Medical Partnersも参加した。

このラウンドに伴い、GoogleのAndrew Conrad(元LabCorpのCSO(chief scientific officer)でNational Genetics Instituteの協同ファウンダ)が取締役会に加わる。Google Venturesで多くの保健医療関連投資を手がけたKrishna Yeshwantが、ラウンドを仕切った。

SynapDxは今、自閉症だけを対象にしているが、遺伝的変異と血液検査の結果との相関性を見つける技術は、ほかの障害にも応用できそうだ。

“脳神経の発達障害を見つけるための客観的なゲノム研究は、ここ当分のあいだ、未対応のニーズがものすごく多い。だからそれらは、弊社の技術の当然の拡張方向でもある”、とTribbleは言う。“ここしばらくは、自閉症に専念するけど”。

SynapDxが利用するゲノムシークエンサーは、そのほかのゲノム研究関連スタートアップが利用しているIlluminaなどからのものだ。しかし同社はそれらに独自の技術を適用して、疾病のリスクと遺伝的変異とを関連付ける。

“弊社の技術の基盤は、医学や遺伝科学などではなく、あくまでも情報科学だ”、とTribbleは言う。同社の検査技術は、多様な遺伝子からコピーしたRNAの量を計測する。それぞれの遺伝子に関して、コピーされたRNAの量からそこに作られたたんぱく質の量が分かる。そしてそのたんぱく質の量が、人間の脳の発達と、言語や行動能力の発達に影響するのだ。

同社は、その検査技術の商用化に関して明確なスケジュールを持っていない。同社は今年初めに、全国20か所で、660名の子どもたちの臨床研究を行った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


健康測定センサーをテディベアに埋め込んで、子供をリラックスさせつつデータを取得

クロアチアのザグレブで、メディカル系テクノロジーのスタートアップであるIDermaは、ここしばらく子供向け医療センサーの開発を行なってきた。医療センサーらしさを自己主張するScanadu Scout風のものではなく、外見をテディベアにして、子供にとっての親しみやすさをアピールしている。

(本校執筆はEliza Brooke

この医療センサーは名前をTeddy the Guardianという。心拍数、血圧、血液酸素濃度、そして気温を計測し、Bluetooth経由で保護者のスマートフォンにデータを送信する。センサーはテディベアのあちこちに埋め込まれている。たとえば指をテディベアの手のひらに押し付けると、心拍と血液酸素濃度がわかるようになっている。

医療用機械をおもちゃに仕込んだのは、可愛らしく見せかけることだけが目的なのではない。一貫した、正確なデータを親ないし小児科医に提供しようと考えてのことだ。子供の場合、医者を目の前に検査をすると、緊張感などからバイタルの数値が異常を示すことがある。子供たちが自然な状態にあるときにデータを取得することにより、実際に異常があるのかどうかを正確に判断することができるようになるわけだ。

もちろん、可愛らしい外見でありながら健康チェックができるということもメリットのひとつではある。IDermaの共同ファウンダーであるJosipa Majićも、子供にぬいぐるみを渡しておくことで、子供がいつ頃ストレスを感じたり体調をおかしくしているのかがわかるので、ずっと子供と一緒にはいられない親にも便利であろうと話している。

また、特定の病気に応じたセンサーを埋め込むことも考えているとのこと。たとえば糖尿病を患った子供のために、血糖値を測定するためのセンサーを搭載するなどといった感じだ。

マーケットとしてはまずアメリカおよびヨーロッパを考えているのだとのこと。ただ、中国やインドにも可能性があると考えているそうだ。そうした急成長中の国々でも可処分所得が増しつつあり、最初の子供にかける金額も徐々に大きくなるのだそうだ。

「途上国においてもママ友関係が広まりつつあると感じています。コミュニティ内では最大8時間ほども携帯電話やスマートフォンを使って交流が行われることがあるようです。中国では、生活時間の90ないし91%ほどをもコミュニケーションに使っているケースもあります。インドでも、テック系ガジェットを使うことで、より良い母親になれると感じている人も多いようです」と、Majićは言っている。

Teddy the Guardianは、発売に向けた最大の障壁となり得るFDAの認可を既に取得している。尚、IDeramaでも独自のセンサー開発を行なっているが、Teddy the Guardianで利用するセンサーについては、外部のヘルスケア企業から調達しているのだそうだ。但し、いずれの企業であるのかは教えてもらえなかった。

外部調達を行なっているのは、FDAやCEからの認可を得るための費用がかかってしまうことによる。Majić曰く、認可を得るためには相当規模のリーガルチームも必要となり、今のところはそうした余力を持っていないのだとのこと。

「スタートアップにとっては、認可を得るのが本当に難しいと感じます。敵視しているのではないかと思うほどです」ということなのらしい。

曰く、アメリカのスタートアップにとっても認可取得は難しく、さらに中央ないし東ヨーロッパの国々にとっては難題になっているのだそうだ。また、ヨーロッパ各国も、アメリカでの認可取得に負けないほど難しい認可手続きがあるのだとのこと。

ちなみにTeddy the Guardianのプロジェクトは、IDermaの過去の蓄えにより運営されている。しかしクラウドファンディングを活用したり、ロンドンやシリコンバレーのアクセラレーターに相談することも考えているのだとのこと。プレオーダーを受け付け始めてはいるのだが、いろいろな企業とも相談しているところなのだそうだ。

健康データを扱うJawbone Upや、消費者向けメディカル機器を扱っているScanaduが主な競合相手ということになる。但し、小さな子供をターゲットとしている点に特徴があるといえる。FDAの認可を得ているのも有利に働くだろう。他者がTeddy the Guardian風のデバイスを扱おうとしても、先に市場で勝負することができるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


ヘルススキャナのScanadu ScoutがIndiegogoの過去最高記録を達成;目標10万に対し138万ドル

[筆者: Eliza Brooke]

今日(米国時間7/12)、Indiegogoにおける、ヘルススキャナScanadu Scoutの資金募集が、同サイトの5年間の歴史における最高記録を作った。現在137万8545ドルでまだ終了していないが、これはBuild A Goddamn Tesla Museumが作った記録137万461ドルをすでに上回っている。

Scanaduは図のように小型で円形のスキャナで、人の生命信号を読み取って無線でスマートフォンに送る。それはどうやら、保健医療の自己管理という、これまでどの企業も未対応だった消費者ニーズを掘り当てたようで、最初の目標額10万ドルは2時間足らずで達成し、5時間でその倍になった。

まだ締切りまで8日あるが、出資者は100か国7000名に上(のぼ)る。現時点で最終到達額は予測できない。この記事を書き終えた時点でさらに4000ドルあまり増えている。

Indiegogoで100万ドルを超えたプロジェクトは4つあり、Scanadu ScoutとTesla Museumはその内の2つだ。またこの2つは、期間延長を許されたごく少数のプロジェクトにも属している。

Indiegogoの協同ファウンダでChief Customer Officer(顧客担当最高責任者)のDanae Ringelmanによると、同サイトは資金募集に関する制約を他より少なくすることによって、プロジェクトの市場性を十分にテストできるようにし、市場参入時の失敗のリスクを低くしている。プロジェクトのオーナーは、いくつかの特典を加えることによってどの機能に人気があるかを調べたり、価格をあとから変えたり、需要が生産にゴーサインを出せるほどの臨界量に達しているか、などを資金募集の期間中に判定できる。Indiegogoはホームページで特定のプロジェクトを取り上げず、平等主義/実力主義に徹している。

でも、これらのことは、期間延長をしなくてもとっくに市場性が確証されたScanadu Scoutが、期間延長を認められた理由を説明していない。

Indiegogoの実力主義の下(もと)では、すべてのプロジェクトに期間延長の機会がある。短期間に大量の関心が集まったプロジェクトの場合には、期間延長がプロダクトの細部調整や、消費者との対話、調達額の増額、それに広告宣伝などの機会を与える。すでに離陸したプロジェクトの場合は、期間延長は単に時間の無駄である。

それが良いことか悪いことかは定かではないが、それ…期間延長制…によって、少なくともIndiegogoの上では、クラウドファンディングの性質が変わることは確かだ。

Scanaduの作者Walter De Brouwerによると、この製品は消費者テストなどをいっさいしない、完全な真空中で作られた。だから最初は、クラウドファンディングを利用することにもためらいがあった。でも結局は、消費者の関心を測るためにはそれがベストの方法だった。

Scanadu Scoutの製作の次のフェーズは、消費者教育のための部位を作ることだ。人々が自己の健康管理を自主的に行えるためには、スキャナがデータを集めてくれるだけではだめで、データの意味と、それらへの対応方法が分からなければならない。De Brouwerはこのことを、保健医療の医療機関化から消費者化への遷移、と呼んでいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートウォッチの日常的な定着は‘腕の上’を生かす独自のアプリ次第–7分間の高密度フィットネスアプリにその好例を見る

トロントのデベロッパ兼起業家Alex Kennbergが作った、スマートウォッチPebble用のアプリは、New York Times Magazineなどに紹介されて話題になった、科学的根拠のある7分間の高密度フィットネス体操を、そのウォッチの機能だけを使ってガイドする。このアプリは、スマートウォッチが単なるスマートフォンのコンパニオンではなくて独自の機能を持ちうることを示す、好例だと感じた。

このPebbleアプリは、要するに12種類のエクササイズから成る計7分のワークアウトを、ちょうど昔のラジオ体操の指導ビデオのようにガイドしていく。それぞれのエクササイズに要する時間をカウントダウンし、そのあとに10秒間の休憩を挟む。エクササイズや休憩の開始は、Pebbleの振動機能で伝えるから、ユーザは体操しながらいちいち画面を見なくてもよい。

このアプリは、スマートフォンを最新バージョンにアップデートし、指定されたWebサイトからダウンロードしてインストールする。インストールが済むと、アプリはスマートフォンからは完全に独立して動くから、スマホがなくてもこのアプリは使える。

Kennbergのアプリはきわめてシンプルだが、Pebbleが今提供している簡易SDKと、その‘腕上のプラットホーム’を使ってできることを端的に示している。つまり、Pebbleなどのスマートウォッチには、デベロッパにとって、それら独自の機会がある、ということだ。そしてスマウォならではのアプリが出揃ってくれば、それらのデバイスは一時的な流行の域を卒業して、人びとの生活の中に定着するだろう。GoogleもGoogle Glassに関して、GlassならではのネイティブのSDKの必要性を認識しているようだが、Pebbleなどに関しても、やはり独自性のあるアプリが必要という点では、課題が共通している。

Pebbleは、もうすぐ資金調達と並行して拡張SDKをリリースするようだから、もっと高度なアプリが作れるようになる。でも、デベロッパの気づき能力とアイデア次第では、こんな簡単なアプリでも、新しいカテゴリーのデバイスを日常的な実用性へ向けてイメージアップすることができるのだ。

〔余計な訳注: ゴルフのフォーム矯正アプリ、なんてだめか?〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))