Yコンビネーター出身のSIRUMは、未使用医薬品を低所得患者に再配布する


推定50億ドル相当の処方薬が毎年焼却され、下水に流され、あるいはゴミに捨てられている。約20億ドル分の薬が長期療養施設の棚で有効期限が切れるのを待っている。シカゴ大学の研究者の調べによる。

これはとんでもない無駄だ。処方薬はこの国の医療システムにおける最大の費用負担の一つであり、米国の4世帯に一つがその処方薬を買えないでいることを考えればなおさらだ。

SIRUM(Supporting Initiatives to Redistribute Unused Medicine:未使用医薬品再配布支援イニシャティブ)は、Y Combinator出身の非営利組織で、スタンフォード大学ハースセンターで運営されている。特許出願中のソフトウェアプラットフォームは、薬局および医療施設のための一種のオンデマンド在庫システムとして働き、使われることのない医薬品を、処方薬を買うお金のない患者に再配布する。

法は州ごとに異なるが、現在42州およびグアムに「善きサマリア人」プログラムとして、未使用の有効期限内医薬品を、有効な処方箋を持つ低所得患者に寄贈する何らかのしくみがある。州運営による医薬品寄贈機関や、Dispose My Medsのように地域ごとに未使用医薬品を寄付できる場所を探す第三者プログラムもある。

SIRUMは、医薬品寄贈機関、薬局、養護施設および医療機関と協力することによって、ピアツーピア再配布プラットフォームとして運営される。それぞれの組織は、余剰品や必要な薬品をプラットフォームにアップロードして、その時必要としている患者のマッチングを探すことができる。

SIRUMの共同設立者、Kiah Williams、George Wang、Adam Kircherの3人は、彼らのサービスが2011年に再配布した未開封有効期限内の薬品は、およそ300万ドルに相当し、2万人の低所得患者に配られたと推定している。

Y CombinatorRobert Wood Johnson FoundationDraper Richards Kaplan FoundationおよびGoogle.orgから資金協力を得ているSIRUMは、現在カリフォルニア、オレゴン、コロラドの3州で運営している。将来は全50州に展開する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Scanaduの尿検査スティックは、スマホで12種類の測定を同時に行う

医療ITのスタートアップ、Scanaduは、いつの日か病院を手のひらに入れてしまうような新しいタイプの最先端医療IT技術を開発している。

同社は最近Scoutの出荷を開始した。体温、血圧、その他の生理現象を測定し、アプリに送信するデバイスだ。

そしてScanaduは、現在Scanafloのテスト段階に入っている。これは、iPhone対応の尿検査装置で、1回の測定で妊娠、糖尿病から、薬物吸引の有無まで判定する。

われわれは、カリフォルニア州マウンテンビューのNASAエイムズ研究センターにあるSanadu本社を訪れ、Scanafloが動作するところを見てきた。

Scanfloは、ステック上の最大12種類の試薬で測定を行う。グルコース、タンパク質、白血球、亜硝酸、尿中の血液、ビリルビン、ウロビリノーゲン、微量アルビミン、クレアチニン、ケトン、比重、およびpH値。それぞれの試薬が尿と反応してステック上で発色する。iPhoneアプリが色を検出して何が起きているかを判定する。

これは将来の医療技術に大きな可能性を開くものだ。例えば、尿にスティックを浸して白血球の過剰を発見するところを想像してほしい。Scanafloは、まだFDA(米食品医薬品局)の認可を受けておらず、診断を目的としていないが、体に何かが起きていることの警告はできる。

FDAの承認を得ることができれば、Scanafloは病院の行列や検査結果の長い待ち時間を減らし、パーソナル健康管理システムを消費者に手にもたらすことができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、健康医療関連情報もナレッジグラフで提供開始

Googleはセマンティック検索を進化させ、検索用語により深く関連する内容を通常の検索結果よりも前に表示するといったサービスを強化しつつある。そしてこの度、健康関連の検索についてもセマンティック検索の機能を取り入れることを決断したようだ。

Googleによると、Googleプロダクトからの検索のうち、20件に1件は健康関連のものであるらしい。

具体的には健康関連の検索について「ナレッジグラフ」を表示していくという話で、こちらのブログでアナウンスされている。GoogleのプロダクトマネジャーであるPrem Ramaswami曰く、病気の症状を入力する際には医療的な情報を求めている人が多く、そのニーズに対応しようとしているのだとのこと。

一般的な症状や治療法などに加え、緊急を要する症状なのか、伝染の可能性はあるのか、とくに気をつけなければならない年齢はどのくらいなのかなどといった情報も提供していきます。いくつかの症例については協力機関から入手した詳細なイラストで症状を解説します。まずナレッジグラフ経由で基本的な情報を入手すれば、その後に検索すべき内容や、医者に問い合わせるべき内容をわかりやすく把握できると思うのです。

Ramaswamiによれば、Googleは「複数の医師」と協力し「役立ちそうな情報を丁寧に集めている」とのこと。「協力してくれる医師たちや、ウェブ上にあるさまざまな医療系サイトからの情報を集めたもので、集約して情報を提示するナレッジベースの内容についてもGoogle社内の医師やメイヨークリニックによって精査しています」ということらしい。

健康関連の情報については、Googleで検索してみても、間違った情報ばかりが表示されるという悪評もあった。Googleとしては、そうした評判に対抗して、正確な情報を提供できるような仕組みを整えようとしているのだろう。

そしてもちろん、健康関連というのは今後のデジタルサービス(とくにモバイル分野)において主要な戦場になるという見込みもあるのだろう。この分野に早い段階から注力することにより、スタンダードとしての地位を獲得したい狙いもある。医者にいって「ネットでも調べてみたのですが」などと言っても、現在はほとんど相手にされないという状況だ。そういう状況が近く変わるのかもしれない。

(もちろんGoogleのこのサービスは医療行為の代替を目指すものではないと強調している。利用者の知識を「深める」ためのものであるとのこと。ただしそうは言ってもGoogleは最近、ライフサイエンス分野に深い関心を示してはいる。そうした中、提供される情報も「医療行為」に近いものとなっていくことは考えられる)

当初は一般的な症例を案内する程度のものとなるが、それはほんのはじまりに過ぎないと言えるだろう。医療界の百科事典的な存在として機能していきたいという狙いがあるはずだ。今後もさらに医療健康系に力を入れてWebMDなどが存在感を示している領域にも進出していくことになるだろう。

現在のところは英語のみの対応だ。しかしRamaswamiは次のようにも言っている。

取り扱う病状の範囲を広げるだけでなく、多言語対応も進めていきたいと考えています。凍傷やテニス肘、あるいは麻疹の症状について、世界中の人々にGoogleアプリケーションを通じた情報提供を行なっていく予定です。

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(翻訳:Maeda, H


DeNA、ヘルスケア領域での”次の一手”は健保向けサービス-住友商事と合弁で

2014年には遺伝子解析サービス「MYCODE」を開始してヘルスケア領域に踏み込んだディー・エヌ・エー(DeNA)だが、今度は健康保険組合向けの事業を開始する。DeNAは2月3日、住友商事と合弁会社を設立し、新サービス「KenCoM(ケンコム)」を4月から提供することをあきらかにした。

合弁会社の社名はDeSC ヘルスケア(ディーエスシーヘルスケア)、3月設立予定で、資本金は3億円。出資比率はDeNAは51%で住友商事が49%。代表者代表取締役社長にはディー・エヌ・エー ヘルスケア事業部事業部長の大井潤氏が就任する。大井氏はMYCODEを運営するDeNAライフサイエンスの代表も兼任する。

KenCoMでは、利用者の健康データを一元管理し、利用者の健康度に応じた情報提供を行うという。具体的には、健康診断情報を取り込んで時系列で管理・閲覧したり、その健康データや興味・関心もとにユーザーごとに最適なコラムやニュースを提供する。DeNAいわく「これまでに培ってきたゲームや各種サービスのノウハウを活用し、より健康に関心を持って飽きることなく続けていただく仕掛けが随所に盛り込まれます」とのことだ。

厚生労働省では現在、健康保険組合に対してレセプト(医療報酬明細)等のデータの分析、そしてその分析に基づく組合加入者の健康保持増進にむけた「データヘルス計画」の策定と実行を求めているという。DeNAで現在、複数の健保組合に対して導入を提案している。


Bill Gatesが人間のおしっこから作った水を飲んで公衆衛生技術の重要性を訴える

下のビデオを見たら誰もが、Bill Gatesが途上国の公衆衛生の問題に真剣に取り組んでいること、それがこれらの国々の経済的および社会的発展に不可欠と信じていることを、理解できるだろう。

このビデオでGatesは、人間の排泄物から得た水を飲んで、シアトル郊外の小さな技術企業Janicki Bioenergyが開発した技術の効果を証明しようとしている。

途上国における公衆衛生は、とても大きな問題だ。下水処理や廃棄物処理の体制が不備なため、年間数十万人の子どもが疫病で死亡しており、またそれは、子どもたちの体と精神の発達を妨げている。Gatesはそのことを、彼自身の技術系のブログに書いている

“人の排泄物を安全かつ低コストで処理できる方法を開発できれば、これらの死の多くを防ぎ、子どもたちを健康に育てることができる”、と彼は書いている。

Bill and Melinda Gates Foundationは、今年の後半にセネガルで行われるJanickiのプロジェクトのパイロット事業を支援している。

その、蒸留法と呼ばれる技術は、それほど画期的なものではない。加熱して水分を蒸発させると固形物だけが残ることは、高校の化学でも教わる。しかし、排泄物を蒸発させて発生する水蒸気を冷却して水にし、さらにそれを浄化して、Bill Gatesのような億万長者でも平気で飲める飲用水にする部分は、簡単ではなさそうだ。残ったスラッジは蒸気エンジン発電機用の燃料の一部として燃やされる。

汚水から得られた水を飲用にすることには、多くの国で抵抗がある。また、そんな問題以前に、途上国では排泄物の(ほぼ)全人口的集収、という課題をクリアしなければならない。MITからスピンアウトしたSanergyなどのスタートアップが、この問題ん取り組んでいる。

Gatesがブログ記事に書いているやり方では、排泄物をトラックで集めて、Janicki Bioenergyが設計開発したOmniprocessorという装置に投入する。

“先進国で普及している公衆衛生のシステムを、そのまま途上国で実装することは不可能である。途上国では、もっとシンプルなシステムが必要だ”、とBill and Melinda Gates Foundationの事業担当上級職員Doulaye Koneは述べている。

Gatesによると、Janicki Bioenergyの装置の次のバージョンは10万人の排泄物を処理して一日に最大86000リットルの水と、250キロワットの電力を作り出す。それによって家族が、衛生的な水を飲めるようになるのならそれは、明らかに、やるべき価値のある事業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Athos ― 運動時の筋肉の使い方を数値化してチェックできる安価なウェアラブルが登場

しばらくワークアウトを続けていると、服の締め付け具合で、左足の筋肉ばかりを使っているらしいと気づくことがある。この気づきを、ブルートゥース対応ウェアラブルによって行おうとするのがAthosだ。

Athosはシリコンバレーのスタートアップで、ワークアウトを「スマート」にすることを狙っている。ウェアラブルから収集される情報を分析してワークアウトの効率を高め、あるいは怪我を未然に防ぐといったことを可能にしようとするものだ。

Athosのトレーナー兼マーケティングディレクターのJake Waxenbergがプロトタイプを提供してくれたので、実際の機能を試してみることができた。試してみた様子とプロダクトの紹介を下のビデオにまとめてあるのでぜひご覧頂きたい。

ブルートゥース経由で情報をやり取りするコアデバイスの価格が199ドルで、パンツおよびシャツがそれぞれ99ドルであるとのこと。男性用と女性用があり、通常のワークアウトウェアの下に着ることもできる。洗濯機で洗えて、鍵や現金を入れておくためのポケットも備えている。一般販売は2015年の初期を予定しているとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


母体と胎児にとって安全で正確な出生前DNA検査技術のPreneticsが$2.65Mを調達

創業から5年になる企業がシード資金として数百万ドルを調達する、という例はあまりないと思うが、今日香港でまさにそれが起きた。バイオテックのPreneticsが、同社の次世代型出生前DNA検査技術で265万ドルを獲得したのだ。

と同時にPreneticsは、新しいCEOとしてDanny Yeungを迎えた。彼はGrouponの東アジアにおけるビジネスを今年の4月まで率いた。PreneticsではYeungは無給のCEOで、シードラウンドへの参加も個人として行った。しかし彼は、500 Startupsや彼自身が今年協同ファウンダとして創業したSXE Ventures、Grouponのアジア太平洋部門のトップJoel Neoh、SingaporeのCoent Venture Partnersなど、そのほかの投資家たちをかき集めることに尽力した。

同社は最初、香港城市大学(City University Hong Kong)の一研究部門だったが、2009年にスピンオフした。多様なDNA関連サービスを提供しているが、しかし今日は’Prenetics V’と名づけたサービスを公式にローンチした。それは、無侵襲的出生前検査(Non-Invasive Prenatal Test, NIPT)と呼ばれる遺伝学的検査で、DNA検査により胎児の16種類の健康条件を調べる。

安心感を提供

この検査は、母親の血液標本を妊娠10週目という早期に採取して行い、検定の精度は99%以上と高い。主な目的は両親に子どもの健康状態に関する安心感を与えることであり、そのために妊娠初期に今後の問題の可能性の有無を調べる。

NIPTは合衆国や一部の西欧諸国ではすでに標準だが、アジアは違う。

アジアでは、生まれる前の子どもを検査する方法が限られている。しかも、母親の子宮にプローブや針を挿入するなどの侵襲的な手法が多く採られるので、妊娠合併症のリスクがあり、誤診率も10〜20%と高い。また出生前検査をまったく行わない妊婦も多い。

対照的にNIPTは胎児に危害が及ばず、Preneticsによれば診断の精度も侵襲的な方法の200倍正確である。

Preneticsは同社の新製品により、アジアにおける出生前検査の状況を全面的に変えたいと願っている。同社の直接の顧客は医療の専門家であり、最終消費者ではない。とはいえ、同社は香港で消費者向けのマーケティングキャンペーンを行って、ブランドの浸透と、一般人および医療産業における知識と関心の高まりを促進したいと考えている。

生命観の大きな変化

Yeungは彼のグループ購入サイトuBuyiBuyを2010年にGrouponに売り、そのときの契約で今年までGrouponに在籍した。退社後彼は、最初にSXE Venturesを創業したが、やがて彼の“起業家本能”が再び首をもたげ、投資家業から実業へと復帰した。…本誌のインタビューで、彼はそう言っている。

“この会社が大きなインパクトを作り出すのを、ぼくなら支援できると信じている。16名のチームにPhDが4名もいる優秀なスタッフたちだから、ぼくのやることはプロダクトの商用化、サービスのパッケージング、そして製薬業界や一般消費者をこの会社が提供する利益について教育することだ”、と彼は言っている。

さらに彼はこう語る: “妊娠産業の市場は10億ドル規模だが、それにとどまらず、この技術には生命観そのものを根底から変える力がある。アジアではDNAの出生前検査というものの存在を知らない人が圧倒的に多いが、それは必須の検診になるべきだ”。

今はPrenetics Vが同社の主製品だが、Yeungは今後もっと提供製品の幅を広げたいと言う。そのために今回からすでにもっと大きな金額を調達してもよかったが、あえてそうしなかった。

ぼくの二人の子どももアジアで生まれたから、この検査によって得られる安心感が、親の一人として十分納得できる。しかしそのオプションを選べる機会に、これまで遭遇したことはない。でもPreneticsのような企業が香港に現れたのだから、今後は西欧だけでなくアジアでも、母体や胎児にとって侵襲的でないDNA検査がオプションとして存在するようになるだろう。そんな変化を、YeungとPrenetics社はこれから起こそうとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


猫の健康状態をウォッチする電脳猫トイレTailio…複数飼養でも個体を識別

猫を飼ってる人はみんな知ってるが、猫の生活の中には一定の習慣がある。たとえば排泄は、砂などのある一定の場所、“猫トイレ”でする。そして、一定の習慣があるため、コンピュータのアルゴリズムでモニタするのにも適している。ここでご紹介するTailioは、ありふれた猫トイレボックスを、猫の健康をモニタする電脳器具に変える。それは、センサがキャッチした信号とその変化を、スマホなどの通知機能へ伝えるのだ。

Tailioは既存の猫トイレをその上に置くスタンドで(下図)、猫がトイレに来たときに、体重や排泄物の重量、トイレにいた時間、その時刻、トイレ使用の間隔などを記録する。そしてアルゴリズムがこれらのデータをすべて使って、まず猫の個体を識別し、それから健康状態をチェックする。複数の猫を飼っているお家(うち)でも、十分に使える。

メイドインUSAの最新電脳機器Tailioを使うと、一体何が分かるのだろう? 同社によると、健康状態の変化が早めに分かる、という。たとえば体重の減少。また、おしっこの間隔が変われば、腎臓疾患の疑いがある。

猫は好奇心旺盛な動物だけど、自分の健康に関しては比較的無口だ。気分がすぐれないときは、隅っこでじっとしてるだけだろう。だから、深刻な病気なのか、昼寝をしているだけなのか、区別できないことが多い。それだけ慎み深い動物だから、コンピュータのアルゴリズムによる健康チェックは妥当なアイデアだ。ただしそれは信号を時系列で伝えるだけだから、その意味を判断するのはあくまでも人間の仕事だ。

スマホ(iOS、Android)に搭載するTailioアプリは、データの変化を警報として伝えるので、重大な疾患で早めに獣医さんに診ていただくことも可能だ。アプリには、症状をチェックする機能もある。

今はまだTailioはプロトタイプで、Kickstarterで資金募集中だ。目標額は30000ドルで、早めに99ドル以上出資した人には来年4月に完成品が届く。99ドルが一定数に達したら、それ以降は149ドル以上となる。

Tailioによると、プロトタイプといってもほぼ完成品で、今はアプリの磨き上げが主な作業だ。アルゴリズムの分析機能の改良が中心だが、それは、個々の猫個体の習慣パターンを学習するのに最初、3日かかるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートなピルボックスを目指すMemo BoxがKickstarterキャンペーン中

ケンブリッジ大学の学生が、スマート・ピルボックスのクラウドファンディングキャンペーンを展開している。キャペーンを行なっているのはKickstarter上で、目標額は£30,000($48,000)だ。プロダクトの名前を「Memo Box」といい、Bluetoothによる接続機能をもったピルボックスとなっている。2年間をかけて開発してきたものを、いよいよ市場に出そうとしているそうだ。

このピルボックスはスマートフォンと接続する。ピルボックスを忘れて外出しようとしたときなど、AndroidないしiPhoneアプリケーションを通じて通知してくれるようになる。また蓋の開けられた時間などを記憶して、予定時刻になっても蓋が開かないような場合、飲み忘れているのではないかとオーナーに警告を送ってくれたりもする。

共同ファウンダーのMeichen Lu曰く、アラームもインテリジェントになるべきだと話している。たとえばいつもピルボックスを開くのと近い時間に開いたのなら、おそらくは薬を飲んだのだろうと考えられる。それであれば、設定時刻になったからといってもアラームを鳴らさないようにすべきだと言うわけだ。

もちろん蓋を開けたから薬を飲んだのだろうというのは仮定に過ぎない。薬を箱から出したけれど飲むのを忘れてしまったというような事態には対処できない。命に関わるような薬について、このピルボックスのアラートを完全に信頼するのは危険なことなのかもしれない。しかし、日常的なダイエットサプリメントなどの場合については、十分なインテリジェンスを持つものだと言って良いように思う。

「ダイエットサプリメントなどの飲み忘れを防ぐのに使って貰えればと思います。このMemo Boxは利便性と正確性のバランスをとったところでの機能を提供しているものなのです。薬を飲んだかどうかの判断にはベイズ推定モデルを使っていて、ピルボックスを開いたならば薬を飲んだのであろうと判断するようになっています」とLiuは言っている。「たとえば、いつもの時間よりも1時間はやくピルボックスを開けた場合にも、おそらくはちょっとした時間のぶれであるだろうと判断するようになっているのです。もちろん、正確を期すために、利用者に確認をとる場合(利用者側の操作はワンクリックのみ)もあります」とのことだ。

薬の(無用な)再摂取を防ぐ目的でも利用できる。近い時間にピルボックスを開けている場合(システム的には薬を一度摂取したと解される)、その旨を利用者に通知することができるのだ。また、インターネットに繋がっているので、薬を飲んでいないことを他の人に通知するといったこともできる。すなわち、家族がきちんと薬を飲んでいるのかどうかを確認するようなこともできるわけだ。

このMemo Boxを作ったふたりは「less is more」をコンセプトにプロダクトを生み出したようだ。薬を飲んだのかどうかについて、蓋然性に基づく判断をするための仕組みをつくりあげている。正確性を求めて高価なセンサーを用いるデバイスの対極をいくものとなっているわけだ。

「正確性を多少増すために、バランスを無視して高価なセンサーを搭載するようなことは正しいアプローチではないと思うのです」とLuは言っている。「この2年間の開発期間を経て、他プロダクトとは異なるアプローチもあるのだということを学びました。性能が高くても使い勝手の悪いものを作るよりも、自分でも実際に利用するようなプロダクトを作ってみようと考えたのです」とのこと。

Memo Boxにはボタンもついている。ボタンを押すと、アプリケーション上で次に薬を飲む時間を通知するようになっている。

さらに、さまざまなタイプの薬を入れられるようにも工夫されている。クラウドファンディングによる資金調達がうまくいけば、より大きなものも作るつもりであるとのこと。35万ポンド以上が集まれば、希望者に対してはより大きなものを提供するようにしたいとのこと。

価格は早期割引で£25となっている。出荷開始時期は来年の5月を予定している。本稿執筆時点では43日を残して58人から£1,687ポンドを集めている状況だ。

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(翻訳:Maeda, H


Googleもついにフィットネス・アプリをローンチ―Play Storeで公開中

Googleが自製のフィットネス・アプリをPlay Storeに公開した。今年6月のGoogle I/Oデベロッパー・カンファレンスで発表されたAndroidデバイス向けのGoogle Fit SDKを利用したモデルケースとなる。このフィットネス・アプリはごくシンプルだが、ユーザーのヘルス、フィットネス情報を一箇所に集めて簡単に閲覧、共有できる機能を備えている。

Google Fitアプリはデバイスのセンサーを利用して歩行、ジョギング、サイクリングなどの活動をモニタして記録する。ユーザーは身長と体重、それに自動的にモニタされない運動をマニュアルで入力することができる。 Android Wearスマートウォッチのようなデバイスを利用すれば心拍データもインポートできる。Appleのヘルス・アプリのライバルといえるが、UIはシンプルさを最優先してしており、アプローチとしては対照的だ。

Google Fitはまたウェブ上にFitの専用ページを用意しており、ユーザーはこのページで自分のデータを表示したり設定を変更したりできる。今後はGoogle Fitをプラットフォームとしてサードパーティーのデベロッパーが開発に参加し、さまざまな機能が追加されていくことになるだろう。次世代のAndroid OS、5.0 Lollipopとそれを搭載した新しいデバイスのリリースが来週に予定されている。おそらくはヘルス関連でもなんらかのニュースがありそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google[x]、ナノ粒子を飲んでガン細胞を早期発見する画期的検査方法を開発中

近い将来、カプセルを飲むだけでガン細胞を発見することができるようになるらしい。Wall Street JournalのDigitalカンファレンスで、Googleのライフサイエンスの責任者、Andrew ConradはGoogleの秘密研究所、Google[x] がナノテクノロジーとウェアラブルデバイスを結合した疾病検査テクノロジーを開発中であることを発表した。

「われわれは受け身の検査から能動的な検査への転換を図ろうとしており、そのためのツールを開発中だ」とConradは説明した。このナノテクノロジーによる医学的検査はGoogle[x]のライフサイエンス部門として、糖尿病患者の血糖値をモニタするスマートコンタクトレンズ、Parkinson病患者の手の震えを軽減するデバイスに続く3つ目のプロジェクトだ。

このシステムでは疾患特有の細胞と結合する抗体で覆われたナノ粒子を利用して疾患の早期発見を行う。検査を受ける人はカプセルに入れた粒子を経口服用する。吸収された粒子は体内を循環し、異常な細胞があればそれと結合する。粒子はその後専用のウェアラブルデバイスによって「呼び戻され」、分析されて疾患の有無、種類が判定される。

「ナノスケールの『自動運転車』のようなものだ。われわれはこの粒子をコントロールして望む場所に駐車させようとしている」とConradはGoogle[x]のもうひとつのさらに大規模なプロジェクトを引き合いに出して説明した。Conradによれば、現在の医療システムは「エンジンが焼き付いて壊れてから初めてオイル交換をするようなもの」と述べた。

Bikanta’s tiny diamonds luminesce cells in the body.

Y Combinatorが支援するBikantaが開発中のダイヤモンドのナノ粒子を用いたガンの早期発見システムと同様、Googleのナノ粒子もガン細胞をMRIスキャンに写りやすくする特性を持たせることができるという。これにより今までよりずっと早期にガンを発見できるようになる。

またこのテクノロジーの応用範囲はガンの発見にとどまらず、医療のあらゆる分野に及ぶ。今日(米国時間10/28)のGoogle[x]のコメントによれば、 「動脈壁に蓄積したプラークが発する酵素を検知して心筋梗塞や脳卒中の早期発見に役立てることができるだろう。またサードパーティーがガンの手術や化学療法を受けた患者に対して感度の高い再発監視システムを開発するかもしれない。これは非常に需要の高い分野だ。付言すれば、われわれはこのテクノロジーの実用化を自ら行うことはせず、医療分野の専門企業にライセンスする計画だ。特定の疾病の検査手法の開発や安全性を確認する臨床検査などはすべてそのサードパーティーが実施することになる」という。

Conradによれば、われわれは病院に出向いて尿や血液を医師に提出する必要はなくなるという。Googleのナノ・ピルを服用し、専用デバイスを身に着けて結果を日々モニタすればよい。そのデータはクラウドにアップロードされ、医師が判定を行う。すると医師は「これまでは順調でしたが、2月ほど前からこれこれの病気の兆候が現れています」などと診断することになる。

医療分野ではプライバシーとセキュリティーがことの他重要になる。Googleはこのところアメリカ政府の要求に応じて情報を引き渡したとして非難されている。Conradは上記のように、Googleは実施面にはタッチせず、サードパーティーの医療専門企業が実用化を行うことを強調した。「(X線装置を製造している)GEが患者のX線写真を扱わないのと同じだ」とConradは例を挙げた。

ナノテクノロジーに関してはアメリカ政府もきわめて熱心で、2013年には200億ドルを研究開発に投資している。

Conradはこのナノ検査テクノロジーが10年以内にすべての医師が利用できるようになると期待している。またConradのチームは単に異常細胞を検知するだけでなく、そうした細胞を破壊する薬剤を運搬できるナノ粒子の開発も目指している。「ただし、正しい細胞を破壊するのでなければ危険なので、一層慎重な研究が必要になる」とConradは付け加えた。

現在、Google[x]では医学、物理学、化学、電気工学などの専門家100人がナノ粒子プロジェクトに携わっている。Conradは「不必要な死をできるかぎり退けるのがわれわれの目標だ」と語った。

画像:Flickr USER bfishadow

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


食物中のアレルゲンの有無を調べる一般消費者向けデバイスで6SensorLabsが$4Mを調達

合衆国では1500万人が食物アレルギーである。しかしこれまでは、食事の中に彼らが食べてはいけないものが含まれていないかを調べる簡単で確実な方法がなかった。そこで、食物アレルギー関連の症状で病院を訪れる人たちは、年間20万を超えている。

6SensorLabsはこの状態を変えるために、食物中のアレルゲンの有無を素早く簡単にチェックできる安価なデバイスを作ろうとしている。また、ユーザが自分がテストした結果をほかの人たちと共有して、どのレストランの✕✕✕なら安心よという情報を広めるための、モバイルアプリも作る予定だ。

検出すべきさまざまなアレルゲンのうち、6SensorLabsはまずグルテンを対象にする。同社のアレルゲン検出装置Canaryは来年の初めに発売され、セリアック病患者や、なんらかの理由でグルテンを避けなければならない人たちを助けるだろう。

そのセンサ装置は価格150ドル未満を予定しているが、器具の先端に取り付ける食品成分感知ユニットは毎回交換しなければならない。そっちの方の価格は、まだ未定だ。

また同社は、そのセンサ装置とペアになるモバイルアプリも提供する。そのアプリを使ってユーザは、食品を調べた結果をほかの人たちと共有し、ブランド物の加工食品や有名レストランのメニューなどの安全性を、すべての人が自分で調べなくても分かるようにする。

同社の協同ファウンダShireen YatesとScott Sundvorは、MIT在学時にこのプロジェクトを始めた。Yatesはこれまでの長年、グルテン忌避だったが、毎回一つ一つの食品を調べるのが、たいへんな作業だった。そこで彼女は、簡単なテスト器具を作ることを思いつき、化学工学のPhD Jonathan Kielの協力を求めた。

SundvorはMITで機械工学を専攻し、Yatesと組む前はJohnson & Johnsonで製品開発の仕事をしていた。二人はサンフランシスコに移り、あるハードウェアアクセラレータのところでプロトタイピングを開始した。スタートアップの初期段階を助ける投資家Lemnos Labsが彼らを支援した。また化学工学PhDのKielは、同社のアドバイザーになった。

その後同社は複数の投資家から400万ドルのシード資金を獲得し、発売を早めるために、製品開発を加速した。このシードラウンドはUpfront Venturesがリードし、SoftTech VC、Lemnos Labs、Mitch Kapor、SK Ventures、 Xandex Investmentsらが参加した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Garmin、スマートウォッチ機能を融合した新たなウェアラブルとなるVívosmartを発表

Garminがフィットネストラッキング分野に参入することは当然の流れだが、以前に投入したvivofitについて言えば期待はずれだとの評価が多かったのではなかろうか。競合するデバイスとの差別化要素が見当たらなかったのだ。そのGarminがvivosmartという新機種を投入してきた。こちらはなかなか野心的なプロダクトだと言うことができるかもしれない。

vivosmartは、外見のスマートさおよびフィットネストラッキングの性能、そしてスマートフォンとの密な連携を1台のデバイスにまとめたプロダクトだ(面白いが価格がネックだろうか)。

気になる価格は169ドル。単なるリストバンド型デバイスにも見えるが、一体型のOLEDディスプレイも搭載している。フィットネスレコードを記録するだけでなく、心拍計やアクションカメラなど、他のガーミンデバイスと連携させることもできる。

さらに、スマートフォンと連携した通知デバイスとしても動作する。すなわちテキストメッセージやメール、電話着信、カレンダーのリマインダーなどがあれば、それを通知する役割も果たしてくれるのだ。

以前のプロダクトと比して、なかなか魅力的な仕上がりになっているように思う。正直に言えば、Garminはvivofitの発売は見送り、こちらのデバイスを早期に出した方が競合優位を獲得することができたように思う。販売開始時期は11月を予定しているとのこと。価格は単品で169ドル、ないし心拍計とのセットで199ドルとなる予定だそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


アルツハイマー病患者のためのウェアラブルでYbrainが$3.5Mを調達

アルツハイマー病患者のためのウェアラブルを作っている韓国のYbrainが今日(米国時間8/27)、Stonebridge Capitalが率いるシリーズAの投資ラウンドで350万ドルを調達し、調達総額が420万ドルになった、と発表した。協同ファウンダのSeungyeon Kimが本誌に語ったところによると、資金は同社のウェアラブル製品の臨床試験と製造に使われる。

同社は2013年に、California Institute of Technology(カリフォルニア工科大学, カルテック)で学んだ神経科学者Kyongsik Yunと、Samsung出身の技術者たちによって創業された。

Ybrainは今、韓国のSamsung Medical Centerで臨床試験を行っている。

Kimによると、同じくウェアラブルデバイスを作っているSoterix Medicalが、Ybrainの至近で直接の競合企業である。PfizerやNovartisなどの製薬企業は間接的な競合企業だ。彼によるとYbrainは、ウェアラブルの健康器具でアルツハイマー病のための臨床試験を行っている唯一の企業だ。

Ybrainのウェアラブルデバイスは一種のヘッドバンドで、前面に二つのセンサがあり、それらが2ミリアンペアの電子的信号を発して脳を刺激し、アルツハイマー病の症状を抑える。患者は自宅にいながら、このデバイスを一日に30分、週に5日装着する。このヘッドバンドは、軽度の認知症に対しても有効である。

これまでの臨床試験によると、同社のウェアラブル製品は、アルツハイマー病に対する従来の投薬治療よりも20ないし30%は効果が高い。“それが投資家を前向きにした”、とKimは語る。

臨床試験が終わり、合衆国のFDAや韓国のKFDAが承認すれば、同製品はオンラインあるいは病院で買えるようになる。

Stonebridge CapitalのアナリストFortune Sohnは、声明文の中でこう言っている: “アルツハイマー病のエキスパートの多くが、新薬の登場は2025年以降になる、と予測している。Ybrainの世界で初めての、アルツハイマー病患者のためのウェアラブルは、優れたソリューションになるだろう”。

[出典: BeTech]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AppleはHealthKitで人間の福利全般をプラットホームのアドバンテージにする気だ

AppleのHealthKitがiOS 8にやってくるが、このソフトウェアの現在のベータバージョンに関する報道の多くは、これを空の容器として描写している。この入れ物にいずれデベロッパが、ユーザの健康データを何らかのハブに結びつけたり、ほかのアプリから提供されるデータを利用したり、ユーザの医療健康ソフトウェアやフィットネスソフトウェアに情報を提供したりするためのフックを構築していく、というのだ。しかしAppleは、誰かが何かを構築することを待ってはいない。すでに楽屋裏で同社は、Mount SinaiやThe Cleveland Clinic、Johns Hopkins(大学病院)などの大病院や、EHRプロバイダのAllscriptsなどとの話し合いを開始している、とReutersの最新の記事は報じている。

AppleはこのプラットホームのパートナーとしてこれまでにもMayo ClinicやEHRソフトウェアのメーカーEpicを発表している。しかしAppleが上位のヘルスケアプロバイダたちとの協議を、それよりもさらに拡大している現状は、AppleがHealthKitの内容についてきわめて真剣であることを物語っている。’NikeFuel’などのフィットネスデータでその空の容器を満たしても、人間の健康にそれほど本格的に貢献するわけではないからだ。

Appleが本格的な医療機関や研究機関をパートナーにしたがっていることは、大きな課題を同社にもたらすだろう。医師をはじめ、これらの専門機関の職員たちの多くがすでにiPadのユーザだが、今後iPadがますます、本格的な医療情報デバイスになってくれば、政府の規制という名の傘の下に入らなければならないし、また顧客や患者のデータを保護するための安全ネットも要求される。たとえばAppleのHealthKitが本物の医療記録を保存し、ほかのアプリに提供するようになれば、当然、HIPAAへのコンプライアンスが必要になる。

スタートアップたちが保健医療関連のソフトウェアやサービスでイノベーションを実現しにくいのも、こういったハードルがあるからだ。議会への影響力も強く、1600億ドルのキャッシュをはじめとしてリソースにも恵まれているAppleが、どこまでのイノベーションを実現できるだろうか。

そもそもHealthKitは、保健医療関連の規制に触れる部分を今および今後あちこちに分散させたくない、一箇所に閉じ込めたい、という動機から設計された。その初期にAppleがFDAと協議したのも、HealthKitに政府方面から要求されるであろう要件について、打診するためだった。

HealthKitが本格的な医療目的に役立つようになるためには、今後の時間と投資が必要だが、そうなったときにAppleが獲得する利益は巨大だ。Googleなどの競合他社がせいぜいフィットネスのハブのような機能(Google Fit)を提供している中で、Appleはユーザに、そんなささいなものではない、生涯の本格的な福利(wellbeing)のためのデバイスとシステムを提供できることになる。そうなるともう、カメラが良いとか、画面が大きいとかの、従来までの競合要因は、どうでもよいものになってしまうのだ。

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ベッドのマットレスでスタートアップしたCasperがついにシリーズA、$13.1Mを獲得

ベッドのマットレスの作り方と売り方を抜本的に変えたい、と考えているCasperが、New Enterprise Associatesが仕切るシリーズAのラウンドにより1310万ドルを調達し、総資金額が1500万ドルになった。

成功しているeコマーススタートアップの定石に倣ってCasperも、良質なマットレスを中間コミッションなしでなるべく安く売りたい、と考えている。

Casper社を作った連中は、共同作業所のような環境でソフトウェア開発の仕事を体験し、ほかの人たちと同じく、寝られないという体験をした。それはハッカソンなどで徹夜のプログラミングをやったせいかもしれないが、そんな環境こそ、ちょっとでも良く寝れるということが、健康と仕事の効率の両方にとって重要だ。

Casperのマットレスは、メモリフォーム(形状記憶気泡材)の上にラテックスフォームを重ねて、両方の素材の良い点を利用する。スプリング等がないので、圧縮すると嘘みたいに小さくなり、送料が安くなる。Casperは、送料無料だけど。

完全に、Made in USAである。

CEOのPhilip Krimは語る、“Casperを、透明性の高いマットレスのブランドにしたい。正直な価格、消費者を混乱させる、多様性のための多様性にすぎないSKUのバラエティがないこと、ビジネスのやり方全体を通して、消費者の目に隠された部分がないこと”。

Casperは、高品質なマットレスを安く売るだけでなく、マットレスを買う人たちのための顧客サービスの体験から、今後のための貴重な情報を得たいと考えている。だからCasperのマットレスは、100日間の無料試用、という形で買うこともできる。

Casperは売上を公表していないが、立ち上げ後の最初の28日の売上が100万ドル、そして4月以降は毎月、前月を上回っているそうだ。

最近は同社の投資家Ben Lererを、取締役会に加えた。

今後は、そのほかの睡眠関連製品、枕カバーや枕、目覚まし時計なども作っていきたい、と考えている。

“寝室にあるものなら何でも、それを作ってくれと言われたことがある”、とKimは言う。“マットレスにつぎ込んだのと同じユニークなイノベーションを、今度の資金でほかの製品にも試み、機会を探究することができる”。

Casperについてもっと知りたい方は、ここへどうぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YC育ちのBikanta…ダイヤモンドの粉塵が微小段階の癌を正確に見つける

【抄訳】

Y Combinatorが支援するバイオテク企業Bikantaは、小さな蛍光性のダイヤモンドを体内に入れることによって、がんをその発生箇所で退治することを目指す。オックスフォード大学で生物医学工学の博士号を取ったドクターAmbika Bumbが創始したこのスタートアップは、ナノサイズのダイヤモンドを使って、がんのうんと初期の時点で分子レベルの異状を見つけ、その拡大を抑止する。

Bumbはオックスフォード大学における博士課程終了後の特別研究を、国立衛生研究所(National Institute of Health, NIH)との共同研究として行っていたが、そのときに、現在のがん検診技術の限界に不満を抱いた。現在の方法では、やがて微小転移腫瘍に導くような小さな腫瘍、いわゆる遊離腫瘍細胞を見つけることができない。しかしそれを見逃すと、やがてそれはがんとして体のほかの部分にも広がるのだ。Bumbによると、そういう微細レベルの発見ができない原因として、信号の損失ないし喪失、背景的な妨害要素が大きいこと、有効な試薬の毒性が許容レベル以上であること、などが挙げられる。たとえばBumbの方法以外にも二つある蛍光光学方式の一つである量子ドット(quantum dots)は、カドミウム系の化合物を使うため有毒である。

世界保健機構(World Health Organization, WHO)によると、世界のがん患者は今後の20年間で57%増加する。したがってがん検診の受診者は年間1400万人から2200万人に増加する。それらのがん検診で毎年、小さな遊離腫瘍細胞が見逃されれば、防げたはずの死者が発生する。それはもっぱら、今の方法ではそんな腫瘍細胞が形成された時点で、見つけることができないからだ。

【中略】
〔これまでの光学的方法や蛍光素材の限界や制約〕

ナノダイヤモンド(ナノサイズのダイヤモンド)に関してBumbは、不完全なダイヤモンドをダスト(粉塵状)に破砕すると蛍光を発し、その反射により分子の異状を目立たせることができることを、発見した。“それはまるで体の中にフラッシュライトを入れたようなもので、しかも永続性がある”、とBumbは言う。永続性のある無毒な光源物質は、これまでの市場には存在せず、したがって画期的だ。

ナノダイヤモンドには磁気に感じる性質*もあり、その性質は組織内部の画像をより精細にとらえることに利用できる。初期のテストでは、蛍光性のナノダイヤモンドを使用すると、インヴィヴォ(生体内)でのSN比が従来の素材の100倍に改良された。利用技術の完成度が上がればSN比はもっと上がる、とBumbは言う。今この技術はリンパ節の視覚化に利用されているが、それはこれまでの画像技術では可視化が不可能だった。〔*: magnetic sensitivity, この記事の原文にはBumb本人がこの件でコメントを寄せている。〕

ナノダイヤモンドの精細な可視化特性は、がんの発見を超えて、精密な機械化手術にも利用できる。もちろんそのような手術は、がんの破壊にも利用できるだろう。これまで研磨材などに使われていたナノダイヤモンドには固まる性質があったが、Bikanta社のものは分離状態を維持し、液中での浮遊分散も安定している。しかも目的物質(アプタマーや抗体など)との結合性が良い。ということは、将来的には何らかのナノダイヤモンド製剤によりいろんな疾病の発見ができる可能性がある。今ナノダイヤモンド素材は体内の分子レベルの異状の発見に役立とうとしているが、今後は異状の予防にも貢献するだろう。

Bumbは曰く、“一人のお医者さんが一日に10人の患者を救っているとすると、100人のお医者さんの役に立つ技術を作り出す技術者は、一日に1000人の患者を助けることになる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「職場エクササイズ」は普及するか? デスク下でペダル運動をするCubii登場

椅子に座った状態でデスクワークばかりを行うのは非常に身体に悪いのだそうだ。しかしスタンディングデスクに移行するのもさほど簡単ではない。自分ではスタンディングデスクを利用しているが、確かに座っている方がらくに感じる。しだいに慣れてくるものではあるが、それでも1日中立っているとふくらはぎや足の裏なども疲れてしまう。

そんなあれこれに対処するために登場してきたのがCubiiだ。オフィスで使っているデスクの下において使う、ペダル型のエクササイズマシンだ。仕事中でも単に座っているのではなく、ペダルを踏んでエクササイズを行おうとするものだ。

このCubii、見かけも仕組みも非常にシンプルなものではあるが、確かに機能デザイン的には十分な配慮もなされているようだ。たとえば一般的なペダル型エクササイズマシンと異なり、あまり膝を高くあげる必要がないようになっている。これはもちろん、仕事用デスクを裏から蹴飛ばしてしまったりしないようにと考えてのことだ。

またBluetoothにも対応していて、専用アプリケーションと通信を行うようにもなっている。すなわち、現代のフィットネスデバイスらしく、行ったエクササイズはきちんと計量できるようになっているのだ。

製作したのはシカゴのメーカーで、Kickstarterでのキャンペーンに持ち込んだ。まだ若干のキャンペーン期間を残しているが、無事に目標出会った8万ドルの資金を調達し、市場投入への第一歩を踏み出している。

Kickstarterでの早期割引は279ドルだったが、これはすべて申し込み終了となっており、現在の価格は299ドルとなっている。出荷開始は来年の1月を予定しているとのことだ。新年の誓いを忘れないうちにフィットネスを始めることができるかもしれない。

技術的にはとくに細かくみておく必要がある部分はなかろう。新しい仕組みを採用しているというわけでもない。ウォーキングデスクの導入は考えられないが、しかし職場でもエクササイズをしたいという人を対象としたデバイスだ。もちろん座り続けることの健康被害は意識しつつ、しかし一日中ずっと立ってはいられないという人にむけたソリューションでもある。

ところで以下は余計な話だ。Cubii製作チームが言うように、スタンディングデスクには高価なものが多い。しかしそれはおしゃれなメーカー品を望むからだとも言える。たとえば19ドルでイケアのコーヒーテーブルを買って、足の長さを調整して既存の机の上に乗せて使ったりしても良いわけだ。これであれば予算はかからず、なかなか快適に使うことができる(写真は私のスタンディングデスクだ)。

スタンディングデスク化すれば、机の下を物置に使うこともできるのが便利な点だ。たまりにたまったガジェット類をダンボールに詰めて、それを置いておくのにベストな場所だと思う。

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(翻訳:Maeda, H


Google、製薬大手のNovartisと提携―血糖値測定コンタクトレンズなどを5年以内に実用化へ

Googleは大手製薬会社のNovartisに対して血糖値を測定できるスマート・コンタクトレンズのテクノロジーをライセンスしたことを発表した。このコンタクトレンズが実用化されれば、糖尿病患者が苦痛なしに連続的に血糖値をモニタできるようになる。今後の開発はNovartisのAlconアイウェア事業部が担当する。NovartisのCEO、Joe JimenezはFinancial Timesのインタビューに答えて、「商用化に5年以上かからないよう期待している」と述べた。

GoogleとNovartisはまた別種のスマート・コンタクトレンズの開発でも協力していくという。これは現在、2焦点の遠近両用眼鏡を必要している人々がコンタクトレンズを利用できるようにする自動焦点調節機能を備えたコンタクトであるらしい。

有力テクノロジー企業が次々にヘルス、医療分野に参入する中で、今回明らかになったGoogleのアプローチは全く異なるものだった。NovartisのCEOはFTに対して、Googleの支援によって開発される血糖値測定や自動焦点調節機能を備えたスマート・コンタクトの市場は年間100億ドルから10年後には500億ドルにも上るだろう(アメリカの糖尿病患者数は増加を続けている)と述べた。

Googleの血糖値測定センサーとワイヤレス・チップの研究はマスコミに大きく取り上げられたが、本当に巨大な市場となる可能性が高いのは視力補正のスマート・コンタクトだ。もしGoogleが現在のデジタルカメラに備わっているようなオートフォーカス機能を備えたコンタクトレンズの開発に成功するなら、遠視、近視など目の焦点調節能力の障害の度合いに応じて、また読書や運転など用途に応じて多種類の固定焦点レンズを必要とする現在の不便が一挙に解消される。誰もが一種類のコンタクトレンズですむという理想的な解決策が得られる。

視力補正アイウェアは現在アメリカで100億ドルの市場となっている。Novartisとの提携でGoogleはこの市場で強力な地位を築くことを狙っているようだ。

〔日本版〕ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンがGoogleを語る―ヘルス分野は規制が重荷、手を広げすぎた方が実は効率的という記事で、ラリー・ペイジは「ヘルス分野は規制が煩瑣過ぎる。参入するするには苦労が大きい。私が長時間を費やしたいようなタイプの仕事ではない」と述べたため、Googleのヘルス医療分野に関する今後の戦略に注目が集まっていた。Googleは規制のクリアや販売、サポートという膨大な手間のかかる非テクノロジー的作業にリソースを費やすことを避け、十分なノウハウを蓄積したNovartisのような有力パートナーにそれを分担させるというアプローチを取ったようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


薬の服用を忘れないようにする警報機能つき薬瓶のAdhereTechが$1.75を調達

電脳薬瓶(スマートピルボトル)を作っているAdhereTech が今日、シリーズAで175万ドルの資金を調達したことを発表した。投資家の名前などは、公表されていない。

同社はこの資金を同社の保健医療サービスの規模拡大に充てる。また、次世代の、より小型のピルボトルを開発する。それは、従来製品よりも小さくて安くて大量生産がしやすい製品になる、という。

AdhereTechが特許を保有するデジタルピルボトルは、患者が薬の服み忘れをしないようにする。薬を飲み忘れたら同社のWebサーバからテキストメッセージが送られてくるし、それでもだめならライトが点滅したり、チャイムが鳴ったりする。そういうアラートやメッセージへの患者の対応がおかしかったら、ケースマネージャが駆けつけるようにも設定できる。携帯やスマートフォンだけでなく、固定電話で通知が来るようにもできる。

AdhereTechは昨年から、The Walter Reed National Military Medical Center(国立ウォルター・リード陸軍病院)で、患者が臨床的に参加する薬学研究のためのパイロット事業を開始した。この夏その事業は拡大され、製薬企業や有力な研究機関も参加する。

また同社はアラバマ大学と共に、スマートピルボトルに対する2つ目の特許を取得して、それにより送信系を改良し、製品の知財保護をより強化できることになった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))