Uberがドライバーと乗客のマスク着用を義務化へ

Uber(ウーバー)はドライバーと乗客にマスクの着用を義務付けようとしている。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに苦闘するライドシェアリングビジネス復旧に向けての取り組みだ。

CNNが最初に報じたニュースによると、米国を含む一部の地域でドライバーと乗客のマスク着用を義務付ける新たなポリシーを経営陣が承認した。TechCrunchは米国時間5月4日に、Uberが一部の市場向けにポリシーを制定したことを確認した。

しかしUberはまだ、ある大きな課題に直面している。それはドライバーを保護するために必要なマスクその他の用具を十分確保することだ。同社によると、主要メーカーは医療従事者をはじめとする救急作業者を優先しているため、複数の注文が遅延あるいはキャンセルされているという。

Uberがどうやってこのポリシーを強制するかもわかっていない。

「国の経済が再開するにあたり、Uberは安全を最優先し慎重に進めていく」とUberの広報担当者がメールによる声明で語った。「現在当社は、ドライバーに対して可能な限り家に留まるよう求める一方、不可欠な利用に従事するドライバーのために保護用品を配送している。同時に我々は復旧の次期フェーズに向けての準備も進めている。そこには我々全員が果たすべき役割がある。最終方針が決まり次第ユーザーに伝える予定だが、それまでも全乗客およびドライバーには、Uberを利用する際マスクやフェイスシールドを使うことを強く推奨する」。

Uberはユーザーに対しても家に留まるようアプリ内メッセージやテレビCMなどを通じて訴えている。アプリは今も利用可能であり、ユーザーは食料品の買い物や薬局など不可欠な外出に利用している。Uberは乗客とドライバーにマスクなどの顔面保護具の着用を強く勧めているが、まだ強制はしていない。

ドライバーの保護

新型コロナパンデミックがヨーロッパと北米を急速に襲うにつれ、Uberドライバーたちは自分たちが最前線にいることに気づき始めた。医療従事者など感染者と接触した可能性のある救急要員を乗せることも多い。

2020年4月にUberは、全世界のアクティブなドライバーと配達員にマスクを購入、配布すると発表した。しかし、新型コロナは世界中でマスクや消毒薬の供給を圧迫した。Uberやその他のライドシェアリングのドライバーが、マスク入手の問題を報告している

4月第1週、Uberは約50万枚のマスクを入手しドライバーへの配布を開始したと語った。当初同社は、ニューヨーク市、ロサンゼルスなど新型コロナ感染多発地域のアクティブなドライバーを対象とした。ロサンゼルスのEric Garcetti(エリック・エリック・ガーセッティ)市長は、企業が不可欠な任務につく労働者に個人防護具を提供することを義務付ける労働者保護命令に署名している。さらにUberは、ドライバーにマスク着用を義務付けているサンフランシスコ、ワシントンDCおよびニュージャージー州の各地域にも優先的に配布すると語った。

必要な用具をさらに入手でき次第、アクティブなドライバー全員に行き渡るようにするつもりだとUberはいう。同社の最終目標は、地域の規則に関わらず全国にマスクを提供することだ。

Uberは今週までに、米国内でマスク140万枚の発送あるいは発送準備を終えている。さらに同社は、4月初めから消毒薬をシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルおよびワシントンDCのドライバーに配布している。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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