Formlabsが人工装具・歯列矯正器具向け大型光造形法3Dプリンタを発表

Formlabsは数年前の巨大なテックバブルを乗り越えた数少ないデスクトップ3Dプリンタ企業のひとつだ。マサチューセッツ州サムヴィルを拠点とする同社は、高度な産業用3Dプリント技術をコンシューマー向けに取り入れることで差別化してきた。また最近では、この技術によってさまざまな製造分野に進出し、競合をリードしている。

医療と歯科の2つは重要なターゲットだ。カスタマイズ可能ですぐに作れるという2つのメリットを生かせるプロダクトの最も良い例は、人工装具や歯列矯正器具だ。米国時間9月15日、FormlabsはForm 3LBを発表した。これは最近発表した1万ドル(約106万円)の大型ステレオリソグラフィ(光造形法)プリンタのForm 3Lを医療・歯科に特化したものだ。

Form 3BLは標準のForm 3プリンタのおよそ5倍の体積のものが作れるなど、スペックは3Lとほとんど同じだ。最大の違いは、生体適合性のある材料に最適化されている点だ。このシステムは医療・歯科関係者の院内や社内で、模型や歯科で必要なものをすぐに作ることを想定している。

Form 3LBの発表の同日に、プリントした大きいオブジェクトを処理するWash L + Cure Lも発表された。これは2021年中の出荷を予定している。さらに同日、Form 3Lの出荷と3BLの注文が開始された。3BLは来月から出荷される。

画像クレジット:Formlabs

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(翻訳:Kaori Koyama)

3Dプリントで睡眠時無呼吸治療器具を新型コロナ用人工呼吸器に換えるアダプターを生産

米食品医薬品局(FDA)が、Formlabsの3Dプリント部品に緊急時使用認可(emergency use authorization、EUA)を認めた。この部品は、睡眠時無呼吸の治療に使われていた二相性陽圧呼吸(BiPAPマシン)を現在、強く求められている人工呼吸器に換えることができる。今週末にかけて、数十件もの人工呼吸器やそのアクセサリーに認可が下りた。

Formlabsはマサチューセッツ州サマービルの工場にある150台の3Dプリンターを動員してこの部品を製造し、全米の病院と地方自治体に配布することを計画している。

NorthwellHealth設計のニ相陽圧呼吸器用アダプターの3DプリントにFDAの緊急時使用認可が下りた。このアダプターを使って、睡眠時無呼吸症候群の患者が使用するBiPAPマシンを機能的な侵襲的人工呼吸器に換えることができる。

FormlabsのCEOであるMax Lobovsky(マックス・ロボフスキー)氏は、プレスリリースで「これまでの30年間、FDAの緊急時使用認可は片手で数えるほどしか下りてない。全国の病院がFormlabsの3Dプリンターを使って自分でアダプターを作ることができるし、感染がひどい地域では量産も可能だ」と述べている。

関連記事:3DプリンティングのFormlabsが米食品医薬品局の認可をもらって綿棒の量産へ

Formlabsだけでなく、数多くの3Dプリント企業が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに対応してアクションを起こしている。この前例のない状況が、3Dプリントならではのさまざまな技術的課題を作り出している。Formlabsは既にウイルス検査キットで使う綿棒を3Dプリントで製造することで貢献している。この他にもFormlabsはマスクシールドや、シュノーケルマスクを防護服に換えるアダプターも作っている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

3DプリンティングのFormlabsが米食品医薬品局の認可をもらって綿棒の量産へ

米国マサチューセッツ州の3Dプリンターと3Dプリンティングの事業を展開するFormlabs(非上場)が新型コロナウイルス(COVID-19)の検査キット用に設計した綿棒が、近く米食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、FDA)から認可される見通しだ。

綿棒や試薬など、検査キットのサプライチェーンがグローバルにおよぶので、検査を容易に拡大できないことが米政府が新型コロナウイルスの国内における感染の広がりを知る妨げになっていた。

FormlabsのCPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)を務めるDavid Lakatos(デビッド・ラカトス)氏は「昨日FDAから通知を受け取り、これ(同社製の綿棒)がクラスワンの『人道機器向け治験適用免除』になった。ISO 135の非破壊検査でコントロールされる施設と設備で作られる限り、適用免除になる」と説明した。

患者は全米で見つかっているので、検査は疾病の広がりが速い地域が優先され、その他の地域には検査キットなどが行き渡らず、それらの地域では感染の広がりの全貌がなかなか把握できない。

綿棒に関しては問題がもっと複雑で、喉から手が出るほど必要な検査キットの部品なのにメーカーが少なく、これまでは米国で1社、イタリアで1社だけだった。

「約1週間半前に、弊社はこの取り組みに加わった」とラカトス氏は語る。

同氏によると「Formlabsには3Dプリンターが6万台あるので生産量を増やせるし、最近オハイオ州に買った工場では手術用クラスの高品質な製品も作れる」とのこと。

現在同社は、人間を使った試験を終えようとしており、オハイオの生産施設の能力を拡張している。同氏によると、同社が1日に供給できる綿棒の量は10万本だ。「そのプリンティングは開始しているが、検品でOKとなるまでは出荷しない」と説明する。

現在、綿棒の多くはパートナーの病院のマークがついているが、今後は大手流通企業とも協力して彼らの流通チャネルにもアクセスし、全米でおよそ3000病院に綿棒を納めたいという。

「なんと言っても、これら綿棒をぜひ世の中に出したい」と同氏は話す。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Formlabsが歯科専用の3Dプリンターを発売

今年のCESで3DプリンターのメーカーであるFormlabsに、同社のプリンターを使って、これまでよりも早く安価に義歯を作る初期の実験について話を聞いた。

それから数カ月後、同社はそのコンセプトに深入りしていた。彼らは歯科専用の3Dプリンターを発売し、「Formlabs Dental」という新しい事業部門を立ち上げ、歯科医療に最適の素材を得るためにレジンのサプライヤーを買収した。

重要なのは同社のプリンターが、光造形法(Stereolithography、SLA)を使ってる点。これに対して、3Dプリントという言葉を聞いて誰もが思い浮かべるのが熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling、FDM)だ。光造形法はその名のとおり、光、ここでは紫外線レーザーを精密に照射して、ネバネバしていたレジンを目的の形に硬化する。これに対してFDMプリンターは、固形の素材を熱で溶かし、それをグルーガンのようなノズルから押し出して積層して目的の形を作る。SLAは精度が高く、FDMは安くてしかもさまざまな色や性質の素材を使える。

Formlabsはその歯科専用のプリンターをForm 3bと呼んでいる。それは、同社がこの春発売したForm 3の特殊バージョンだ。ただし製造コストは一般的なForm 3よりも約1000ドル高い。でもそのソフトウェアは歯科医療のワークフローに即しており、また教育訓練やサポート、そして修理に代わる新品交換に応ずるためのサービス体系「Dental Service Plan」がついてくる。歯科医は仕事を休めないので、故障時には修理ではなく新品交換で応ずる。3bはまた、歯科用レジンに向けて最適化されているが、それについて同社は詳しく語らなかった。

レジンと言えば、同社は2012年の創業以来レジンのメインのサプライヤーだったSpectraを買収した。買収の条件を同社は公表していないが、買収を機に同社は医療規格のレジンを得るために数百万ドルかけてクリーンルームを作り、FDAにも登録できた。Spectraの既存の顧客は、継続して同社のレジンを購入できる。

同社の新しい事業部門「Formlabs Dental」は、歯科用の新素材の開発と、プリンターを既存の歯科医のワークフローにぴったり合った製品にするための改良にフォーカスする。同社によると、現状ではForm 3bで、クラウン、ブリッジ、透明リテーナー、インプラント施療時の施術ガイド(サージカルガイド)、カスタムマウスガード(オクルーザルスプリント)、そして義歯をプリントできる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ジレット、Formlabsと提携してカミソリのハンドルを3Dプリント

3Dプリンティングの製造利用は再三話題にはなるものの、本格的な応用例はほとんどない。GilletteとMIT出身のスタートアップ、Formlabsの提携から生まれたプロジェクトが、そんな興味深い未来のい可能性を垣間見せる。

たしかに、カミソリのハンドルのカスタマイズというのは目新しさ以上の何物でもないかもしれない。Invisalignの歯列矯正、人口装具、さらにはスニーカーと比べても革新的とは言えないが、もしスケーラブルになれば、多くの人の日々の生活の一部をなす製品に新たなレベルのカスタム化を加えられる可能性がある。

今のところGilletteの3Dプリントカミソリハンドルプログラムは、シェービングの巨人が個数限定で行っているパイロットプログラムにすぎない。価格は材質に応じて19ドルから45ドルまで。ユーザーはRazor Makerサイトを使って自分だけの特徴あるバージョンを作ることができる。ハンドルはGilletteのボストン本社にあるFormalbsの装置でプリントされる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

光造形3DプリンターのFormlabsが新たな資金調達ラウンドでユニコーンの仲間入り

光の力で樹脂を硬化するユニークな3Dプリンターで脚光を浴びたFormlabsが、ユニコーンになった。マサチューセッツに本社を置く同社はこのほど、1500万ドルの新たな資金調達を行った。これにより同社の調達総額は1億ドルになり、またハードウェアスタートアップにしては珍しく、評価額が10億ドルを超えた。その最新の資金調達は4月の3000万ドルの後続投資で、New Enterprise Associatesがリードした。

3Dプリンティング業界の現状から見ると、このマイルストーンは二重の意味で印象深い。3Dプリントは、最初に長年の誇大な期待があり、そしてバブルがはじけ、競争が激化した。しかし2012年にほそぼそとKickstarterで生まれたFormlabsは、デスクトップサイズの業務用3Dプリンターで最初から明確な差別化を図った。

その技術はたちまち、ハードウェアのプロトタイプを作っている連中に歓迎された。彼らは以前から、MakerBotなどでおなじみのプラスチック沈積型3Dプリンターよりも精細な3Dプリント技術を求めていた。近年同社は、デスクトップの製造技術をさらに強化し、同社の既存の技術と共に、製造業のための3Dプリントという、需要のきわめて多い世界に売り込みをかけている。

今回の資金調達と並行してFormlabsは、GEの元CEO Jeff Immeltを取締役会に迎えた。

Immeltはプレスリリースでこう述べている: “同社の重要な成熟期にFormlabsで仕事ができることは、きわめて喜ばしい。チームはこれまで傑出した進歩を示し、デスクトップ3Dプリンターの中では最良の製品を作り、エンジニアリングやヘルスケア、製造業などきわめて多様な業界で成功を収めている。同社は2011年の創業以来、競合他社を大きく抜き去り、3Dプリンティングにおけるリーダーになっている。今後さらに多くの業界から採用が増え、技術も前進していく中で、私は同社の次のフェーズを支援していきたい”。

Formlabsは現在、北米、ヨーロッパ、およびアジアに500名の社員を抱えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

3Dプリンターでセラミックの精密プリントができる…Formlabsがそのための実験システムとツールを開発

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Formlabsの3Dプリンターは、まるで射出成形で作ったような、しっかりした滑らかなオブジェクトを作る。しかし今回彼らは、改良された素材をいくつか加え、その中には、完全にマットで、最適なプリントを得るために配合を変えられるグレーの素材や、あとでふつうに焼成できるセラミックの素材がある。

さらに同社は、メイカーやエンジニアのための実験的なツールキットForm Xをローンチした。

“3Dプリントと弊社のForm 2でどこまでのことができるかを探求し、即興で作ったりできるために、斬新な素材と研究用ツールを用意したい”、と協同ファウンダーのDavid Lakatosは語る。“セラミックのレジンはその好例だ。今の3Dプリントでは、セラミックは、科学的に探究すべき素材の中でもっとも新奇なものの一つだ。セラミックを3Dプリントできれば、これまでのセラミック製造技術ではできなかったような構造や複雑な形が可能になる”。

上のビデオでは、Davidが新しいレジンとシステムについて語り、プリントしたパーツの一部を見せてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

光硬化型3DプリンタForm 1で世間をあっと言わせたFormlabsから完成度の高いForm 2がお目見え

同社の最初の製品FormlabsのForm 1を初めて見たときは、これは何か特別なものだ、という感想を抱いた。この3Dプリンタはレーザーとレジンを使って、すばらしくきめの細かいプリントをする。その工程は見てて気持ち良いが、それと同時に、養生処理があるため、ある種かったるい。その後Formlabsは初代機の不満点をじっくりと見直し、あらを削って、プロシューマー向け3Dプリンタのベスト、と呼べる最新機種Form 2を作った。

Makerbotなどそのほかの3Dプリンタは押出成形タイプなので、プラスチックの薄い層を押し出して重ねていく。Formlabsの3Dプリンタはステレオリソグラフィー(光造形法)と呼ばれ、レーザー光が当たると硬化するレジンを使う。オブジェクトは一層々々、光で‘描かれて’いき、すべての層が終わったらレジン槽から取り出される。できあがったオブジェクトは、完全な剛体だ。養生工程は、プリント後のオブジェクトを消毒用アルコールに浸ける。これがあるために、この3Dプリンタは子どもの教育用に採用されなかった。そして今回のForm 2では、この工程がやや容易になり、やや単純化されたようだ。

Formlabsの連中と一緒に、新しいプリンタのデモを見た。層の厚さ(高さ)は25〜200ミクロンで、同社の公式のレジン以外のレジンも使える。各層がプリントアウトされると“ワイパー”が動いて表面をなめらかにする。これが、結果オーライだった前機種に比べての、最大の改良点だろう。

オブジェクトの仕上がりは美しいが、養生に時間と場所を取るため、一般的な消費者製品とは言いがたい。デザインショップやそのほかのプロにはおすすめしたいが、ただし、大きなシンクがあること。

しかしForm 2はすばらしい。最初のForm 1は、世界で初めての消費者にも手が届くSLAプリンタのプロトタイプとして歴史的功績があるが、Form 2は完成製品だ。デザインが美しく、本体とPCソフトウェアの機能も優れている。あなたが思いつくものは、何でも作れるだろう。今注文すると3499ドル、レジンは1リットル149ドルだ。

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プロ用の3Dプリンタに価格破壊競争が始まる…Form 1のそっくりさんが1500ドル弱

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上の画像、Riverside Photocuringの3Dプリンタの写真を見て、目の良い方は何かに気がついただろう。デザインのほとんどすべて(リムーバブルなビルドプレートからかっこ良いボタンに至るまで)が、もろに、Formlabs Form 1へのオマージュなのだ。ではRiversideの3Dプリンタは機能性能共にForm 1と互角なのか。でもお値段は、Form 1の3299ドルに対してRiversideは1480ドルだ

正常な市場なら、価格が下がることは良いことだ。かつて20ドルしたTシャツは、大量自動化生産により、2ドルでいくらでもたくさん買えるようになった。しかしテクノロジの世界では、価格の低下は危険な場合がある。それは、低価格化によってそのテクノロジがコモディティになるのではなく、低品質の粗悪品になる場合だ。Form 1の3300ドルが高いとは言わないが、いずれにしても研究開発費も含めてそれが同社の値付けのぎりぎりの線であるはずだ。一方Riversideは、Form 1を真似ることによって研究開発費を節約でき、さらにどこかを切り詰めることによって、1500ドルを可能にしたはずだ。

たしかにRiversideには、おもしろい機能もいくつかある。最大の改良点は、樹脂容器の内壁にフィルムを貼ることによって、その寿命を数週間ではなく数か月に伸ばしたことだ。Form 1が使っているシリコンは、それほど丈夫ではない。しかし使ってるソフトウェアはオープンソースだし、ケースのデザインは奇妙に幼稚で模倣的だ。それは、今市場に氾濫している“安物の”Androidタブレットやノートブックが、健全な競争を破壊し、タブレット市場におけるAndroidの評判を汚(けが)したことと、似ている。

安価な製品によって3Dプリントの利用が広まることを、阻止したいわけではない。低価格製品専門のメーカーなら、Riversideのこの製品を見てそそられるだろう。ただし、機能性能、使い勝手、デザイン、ユーザサポートなど、すべての面で、一般的には由緒正しいメーカーによる高価格製品の方が上だ。Riversideはすばらしい製品かもしれないけど、 大衆価格のFDMプリンタをいろいろ使ってきた経験者として言えば、価格があるレベルより下になると、品質はガタ落ちとなる。

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Formlabsのような由緒正しいメーカーも、今後は値下げが可能になるだろうが、しかし今の半額以下にはならないだろう。Form 1+は一般消費者とプロの両方が使えるという点で、ユニークなプリンタだ。ソフトウェアとハードウェアがしっかりしているので、意外なほど使いやすい。数か月後にAmazonに登場するRiversideは、低価格以外の訴求ポイントがない。まだ実際に触ったことのない者の個人的主観として現時点で言えば、使ってみてがっかりする人の方が圧倒的に多いだろう。

〔余計な訳注: 本誌またはそれ以外からの、良質公正なハンズオン記事を期待しましょう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

高品質な3DプリントができるFormlabsのForm 1がさらなる高品質へアップグレード

  

FormlabsForm 1が改良されてForm 1+になった(Form 2ではない–それならForm 1++と呼ばれるはず)。 この1+は、Form 1を高速化して、スタイルを良くし、制御系を改良してよりスムーズなプリントができるようにしたものだ。

この新型機はレーザーのパワーが従来機の4倍になり、検流計の精度を上げて内部のミラーの動きをより正確にした。プリントは、感光素材の層にレーザーを照射することによって行われる。その素材は光によって硬化し、液体の中からオブジェクトが現れてくる。これまでの一般的な3Dプリンタとは違う独特な方式で、精度も高く、フィラメントを析出する方法(RepRapやMakerbotsなど)に比べて、よりスムーズで結合性の良いプリントができる。

この新型プリンタは1年の保証がつき、2年前のForm 1のローンチ以降、初めてのアップグレードだ。最初のモデルは本誌の上で1年前にレビューした〔上の最初のパラグラフに日本語訳のリンクあり〕。

今Form 1を持ってる人は749ドルでアップグレードできる。新たに買うと3299ドルだ。すでに発売しているので、早速レビューしたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
 


マーサ・スチュワート、CESで3Dプリンタを研究―大型Makerbot Z18お買い上げになるもよう

3Dプリンタと空飛ぶドローンが大人気だが、マーサ・スチュワートもその例に漏れなかった。私はCES 2014の南ホールでマーサ・スチュワートを案内するという光栄に浴し、Parrot、Form Labs、MakerBotその他いくつかのブースを回った。

スチュワートはわれわれの新企画CESハードウェア・バトルフィールド賞の審査員を務めてくれることになっている。スチュワートは日頃からイノベーションに関心があり、新テクノロジーが一般消費者の生活にどんな影響を与えるか知っておきたいと考えている。しかし今回はとkに3Dプリンタを研究したかったという。マーサは多数の生活用品をデザインし販売しているので、そのプロトタイプづくりに利用できないか考えているのだ。

3Dプリンタの区画を訪れる前にはわれわれはParrotの最新のオモチャ、おおきな車輪がついて空を飛ぶMini Droneや地上専用だがカメラを備え、ジャンプもできるSumo Roverのデモを見た。

スチュワートはすでにAR.Drone 2.0を所有しており、所有する施設や、海で泳ぐ孫たちの動画を撮影している。しかしやはり、スチュワートの真剣な関心を引いたのはプロトタイプの製作用に購入を考えている3Dプリンタだった。

われわれはFormlabsとMakerbotを訪れた。スチュワートがいちばん気に入ったのはMakerbotの大型の産業用プリンタ、Z18だった〔幅30.5cm、奥行30.5cm、高さ45.7cmで価格6499ドル。スチュワートは「それは安い」と感心し「きっと買うわ」と語っている〕。

しかし、スチュワートは単に見て回るだけでなく、Makerbotの共同ファウンダー、CEOのBre Pettisと「マーサ・スチュワートの3Dプリントできるコレクション」などの提携の可能性についても話し合っていた。

ツアーの最後に私はMarthaを初級レベルの3Dプリンタのブースに案内した。この3Doodlerは私が知る限り最安の3Dプリンタで価格はわずか99ドルだ。接着剤を加熱して押し出すグルーガンのようなシンプルは仕組みだ。しかしMarthaはこの製品の精度にはあまり満足できないようだった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Kickstarterから巣立った高精細3DプリンタForm 1のFormlabsがシリーズAで$19Mを獲得

Formlabsは、MIT Media Lab(MITのメディアラボ)からスピンアウトして、高精細な3DプリンタForm 1を作っているスタートアップだ。同社は最初、Kickstarterで300万ドル近い資金を集めたが、このほどシリーズAとして1900万ドルを調達した。その投資ラウンドの幹事会社はDFJ Growth、これにPitango Venture CapitalInnovation Endeavors、および、これまで同社に投資していた多くのエンジェル投資家たちも再び投資に参加した。

この投資はFormlabsに、ビジネスを構築していくための大きな力を与える。数か月前には、ライバルのデスクトップ3DプリンタメーカーMakerbotが業務用3DプリンタのStratasysに、4億300万ドルで買収された。Makerbotは今では、Stratasysの子会社として操業している。

2011年に創業されたFormlabsは、今回の資金を研究開発の拡大、グローバルなカスタマサービスの充実、および新しいプリント素材の開発に充てたい、としている。ソフトウェア開発も、重要だ。同社は今日(米国時間10/24)、同社の3Dモデリング/3DプリントソフトウェアPreFormのバージョン1.0を近くローンチしたい、と述べた。

製造施設の拡張も行う。今同社は、マサチュセッツ州Somervilleにある11000平方フィートの建物への引越しを進めている。

Formlabsは最初、180万ドルのシード資金を獲得し、それによって作ったプロトタイプをKickstarterで公開して製造可能なだけの資金を集めた。それから1年後に同社は、Kickstarter上の世界中の支援者たちに900台あまりのプリンタを出荷し、支援者全員への約束を果たしつつある。

今3Dプリントへの関心はますます高まっており、各社がさまざまな観点および価格設定により、3Dプリンタの製品化に取り組んでいる。新規参入者の多くがプロトタイプをクラウドファンディングサイトに持ち込み、安価なデスクトップ3Dプリンタや、消費者向けのシンプルな製品を世に問おうとしている。

しかし少なくとも現時点では、Formlabsあくまでもハイエンドをねらい、価格もMakerbotのReplicatorの2199ドルより高い3299ドルだ。デスクトップ3Dプリンタとしては確かに高価だが、プリントの精細度は群を抜いて高い。

Form 1はレジンにレーザー光線を当てることによって硬化させる、という、いわゆるphotopolymerization(光重合)と呼ばれる方法で3Dプリントを行う。したがってプリントの精度が高く、物の細部を再現できる。

Formlabsのこの方法は安くはないが、業務用3Dプリンタ並の精度を一般向けの低価格機で得たい、という需要はこれからますます高まるだろう。いずれ、今の低精度の低価格3Dプリンタは、過去のものになってしまうかもしれない。

同社は、低価格機市場について、次のように言っている: “弊社はForm 1を最良のデスクトップ3Dプリンタとすることに、今後も力を入れていきたい。今はそのことで手一杯だが、しかし、将来のそのほかの可能性を今から排除するつもりもない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


押し出し成形でなく光硬化ポリマーを使うハイテク3DプリンタForm One–見事な設計だ

Formlabsの天才少年たち、David CranorとMaxim LobovskyとNatan Linderがポストしたビデオには、3DプリンタForm Oneが詳しく紹介されている。それは、最近登場した3Dプリンタの中でも、いちばん良くできた製品ではないだろうか。Form Oneは一種のステレオリソグラフィー技術を使って、オブジェクトを“逆さに”プリントする。素材は光で硬化するポリマーを使う。プリントされたオブジェクトはプラスチック液の槽から現れるが、その様子はThe Matrixで、濡れた繭からNeoが転がり出てくる様子を思わせる。

Formlabsでは最初の15台をテストし、これからの数週間でKickstarterの支援者たちに送る。初心者ユーザのためのサポートフォーラムも立ち上げた。こんな新しい技術には、ぜひ欲しいサービスだ。

今ベータのユーザたちがForm Oneをテストして、その情報をFormlabsが集めている。

彼らのおかげでFormのチームは問題を迅速に把握でき、早めにそれらに対応できる。そのデータはソフトウェアとハードウェアのテストのためにきわめて貴重であり、また今後の何千人というユーザのための、指導ドキュメントを作るためにも欠かせない。

同社は昨年の8月にKickstarterでの資金募集に成功し、これまでの数か月間はそのページで、ハイテクの結晶とも言えるForm Oneの、プロトタイプを見せていた。どうやら、本番製品の完成も近いようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))