垂直農業ネットワークの構築継続に向けInfarmが株式と負債で170億円超を調達、日本の紀ノ国屋でも買える

生鮮食品をより消費者に近づけるため、都市部の農場のネットワークを構築している垂直農業企業のInfarm(インファーム)は、シリーズCのファーストクローズで新たに1億7000万ドル(約177億円)の資金調達した。

このラウンドは株式と負債を合わせて2億ドル(約210億円)に達する見込みで、LGT Lightstoneがリードし、Hanaco、Bonnier、Haniel、Latitudeが参加した。Infarmの既存投資家であるAtomico、TriplePoint Capital、Mons Capital、Astanor Venturesもこれに続いた。これにより、同社のこれまでの資金調達総額は3億ドル(約315億円)以上になった。

これは、過去12カ月間の小売店との提携のスピードの速さを物語っていると考えられる。オランダのAlbert Heijn、ドイツのAldi Süd、デンマークのCOOP/Irma、カナダのEmpire CompanyのSobeysやThrifty Foods、日本の紀ノ国屋、米国のSafeway、Kroger、英国のMarks & SpencerやSelfridgesなどが含まれる。

世界10カ国30都市で事業を展開するInfarmは、現在、毎月50万本以上の作物を収穫しており、従来の農業やサプライチェーンよりもはるかに持続可能な方法で収穫しているという。

モジュール式でIoTを搭載した垂直農法ユニットは、土壌ベースの農業よりも使用するスペースが99.5%少なく、水の使用量も95%少なく、輸送量も90%少なく、化学農薬もゼロであると主張している。また、Infarmのネットワーク全体で使用する電力の90%は再生可能エネルギーを使用しており、同社は来年にはゼロエミッションの食品生産を達成する目標を掲げている。

2013年にOsnat Michaeli(オスナット・ミカエリ)氏と兄弟のErez(エレツ)とGuy(ガイ)の Galonska(ガロンスカ)兄弟によって設立されたInfarmの「屋内垂直農業」システムは、ハーブやレタスなどの野菜を栽培することができる。このモジュラー農園を、食料品店、レストラン、ショッピングモール、学校など、顧客に面したさまざまな場所に設置することで、最終顧客が実際に自分で野菜を収穫できるようにしている。さらに規模を拡大するために、地元の流通センターにもInfarmsを設置している。

この分散型システムは拡張性が高く、スペースが許す限りモジュールを追加できる。全体がクラウドベースになっているため、農場をInfarmの中央制御センターから監視・制御することができる。また、IoT、ビッグデータ、クラウド分析を組み合わせた「Farming-as-a-Service」のような信じられないほどのデータ駆動型でもある。

創業チームは、2017年にこのスタートアップを取材した際に「より新鮮でおいしい農産物を生産し、忘れ去られた品種や希少品種を再導入するだけではなく、効率が悪く、多くの無駄を生み出しているサプライチェーン全体を破壊することだ」と語った。

当時ミカエリ氏は「私たちの農場の背後には、精密農業のための堅牢なハードウェアとソフトウェアのプラットフォームがあります」と説明する。「各農園のユニットはそれぞれ個別の生態系であり、植物が繁栄するために必要な環境を正確に作り出しています。私たちは、光のスペクトル、温度、pH、栄養素を調整した栽培方法を開発することができ、味、色、栄養の質の面で、それぞれの植物が最大限に自然に表現されるようにしています」とのことだった。

今回はドイツ・ベルリンに本社を置くInfarmの創業者の2人に話を聞き、最新情報を入手して今後の規模拡大の方法について少し掘り下げてみた。

TechCrunch:興味深いことに、初期の段階ではどのような想定をしていたのでしょうか?

オスナット・ミカエリ氏:4年ほど前に初めて話をしたときは、ベルリンに40人ほどいたのですが、会話の中心は都市型垂直農業へのアプローチが小売業者にもたらす可能性についてでした。多くの人にとってはコンセプトとして興味をそそられるものでしたが、数年後には、世界最大級の小売業者との提携により、10カ国(日本は現在進行中)、30の都市にまで拡大しているとは想像もできませんでした。当時の私たちの想定では、小売業者とその顧客は、目の前の農産物コーナーや農場で育った農産物の味と新鮮さに魅了されるだろうと考えていました。

私たちが予想していなかったのは、気候変動とサプライチェーンの脆弱性が私たちの生活、選択、そして食に与える影響を社会が感じ始める中で、持続可能で透明性のあるモジュール式の農業へのアプローチに対する需要がどれだけ、そしてどれだけ早く高まるかということでした。

もちろん私たちは、新型コロナウイルスの世界的な感染蔓延を予想していたわけではありませんでしたが、このことは、私たちの地球の再生と回復を支援しながら、高品質で驚くほどおいしい食べ物へのアクセスを民主化できる新しいフードシステムを構築することの緊急性を加速させました。この数カ月で、私たちの農業モデルの柔軟性と回復力が確認され、私たちの使命がこれまで以上に関連性の高いものであることがわかりました。

TechCrunch:新規の小売店との契約に関しては、この12カ月間の進捗状況を見る限り、簡単になってきていると思いますが、リードタイムがまだ長いのは間違いありません。あなたが始めた頃と比べて、これらの会話はどのように変わりましたか?

エレツ・ガロンスカ氏:リードタイムや会話のスピードは地域や小売業者によって異なります。コンセプトがよく知られていて、我々がすでに関与している成熟した市場では、ディールの会話は3カ月という短い期間で契約することができます。前回お話をさせていただいた時から、ヨーロッパ、英国、北米の大手小売業者のほとんどとはすでにお付き合いをしています。

それぞれの市場で、消費者を中心としたイノベーションの需要を満たすために急速に進化している小売業界の先駆者であるブランドは、Infarmによって持続可能で高品質、新鮮で生き生きとした農産物へのアクセスが可能であるだけでなく、本日、そして1年を通して毎日のように農産物の通路で入手可能であることを証明しています。

TechCrunch:私が興味を持っているのは、Infarmがどこに設置されているのかという点です。大部分が店頭や消費者に近い場所に設置されているのか。それとも、Infarmの最もスケーラブルで大部分のユースケースである、都市に近いものの人口や店舗密度の高い場所から離れていないが、実際には店頭には設置されていないより大規模な流通ハブなのかという点です。現在の比率はどのようになっているのか、また垂直農業が成長していく中でどのように発展していくと考えているのか、教えてください。

エレツ・ガロンスカ氏:現在、私たちの市場では、店舗にある農場と流通センターにある農場の比率はほぼ半々です。しかし、皆さんが予想しているように、私たちは今年、より多くの流通拠点でネットワークを拡大していきます。この拡大により、早ければ来年には80:20の割合になる可能性が高く、大部分の地域では、中心部に位置するハブから1週間を通して新鮮な生鮮食品が配達されるようになります。これにより、小売店やレストランには生産量の柔軟性がもたらされ、さまざまな規模のフロアエリアに合わせて提供できるだけでなく、現在開発中の次世代農園から地域全体への提供を開始することも可能になります。

これらの農場は当社のハブを拠点とし、25平方mのフットプリントで1エーカー(約4000平方m)以上の生鮮食品を生産し、エネルギー、水、労働力、土地利用を大幅に節約することができます。この技術は、持続可能な垂直農法で何が可能なのかというアイデアに真に挑戦するものだと信じています。

TechCrunch:最後に棚に並んでいる食品について、主な製品ラインを教えてください。

オスナット・ミカエリ氏:65種類以上のハーブ、マイクログリーン、葉菜類のカタログがあり、常に増え続けています。コリアンダー、バジル、ミントなどの一般的に知られている品種から、ペルーのミント、レッド・ヴァインズ・ソレル、ワサビ・ルッコラなどの特殊な製品まで、私たちが提供するものは多岐にわたります。

当社の農場では、植物の成長過程のすべての部分を管理し、さまざまな生態系の複雑さを模倣することができるため、近い将来Infarmが消費者に提供する農産物の多様性を、根菜類、キノコ類、花卉(かき)類、さらには世界中のスーパーフードにまで拡大することができるようになるでしょう。現在のInfarmは、まだ始まりに過ぎません。

画像クレジット:Infarm

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(翻訳:TechCrunch Japan)

クレジットスコアではなく夏のインターンシップや内定に基づいて学生に融資するThrive

Twitterの卒業生であるDeepak Rao(ディーパック・ラオ)氏とSiddharth Batra(シッダール。バトラ)氏によって設立されたThrive(スライブ)は、ローンを評価する方法として、求人票を参考に学生の学費を調達したいと考えている。同社は米国時間4月8日、ローンプラットフォームを立ち上げ、31州の400以上のキャンパスの学生が利用できるようにした。

Thriveはサンフランシスコを拠点として、クレジットスコアに基づいてローンを発行する従来の金融機関では一般的にカバーできない、資金不足の学生を支援している。共同設立者のラオ氏によると『Thriveは『第1世代の米国人、低所得世帯の出身者、第1世代の学生』のような人々を対象にしている」という。

サービスを大々的に立ち上げる前に、Thriveは1025万ドル(約10億7000万円)の資金調達と500万ドル(5億2000万円)の融資(デットファイナンス)を確保している。また本日、同社はクレディ・スイスから2億ドル(約209億円)の融資を受けたことも発表した。

投資家には、PayPalやAffirmの創業者であるMax Levchin(マックス・レヴィチン)氏、Twitterの元COOであるAdam Bain(アダム・バイン)氏、Craft Venturesのジェネラル・パートナーであるDavid Sacks(デビッド・サックス)氏などが名を連ねている。

「我々は人間の可能性に投資するという使命を持って会社を創業しました。私たちは基本的に、資金不足の学生に力を与え、彼らが職業生活に移行するために必要なもののための資金へのアクセスを提供する製品を作っています」とラオ氏は説明する。学生が借り入れた現金は、新しいラップトップやフライトなどに柔軟に使用することができる。

学生はThriveのサイトにサインアップして、近日中に行われる夏のインターンシップやフルタイムの大学の大学院からのオファーのためのオファーレターをアップロードすることができます。Thriveはその書類を確認し、学生にローンを提供します。

Thriveは、学生がインターンシップの場合はその給与総額の25%を、フルタイムの場合は、最初の3カ月間の給与の25%を融資する。

月々の請求額は、学生は毎月1000ドルごとに7ドル〜15ドル。学生が提供可能な金額の中から必要なだけを借りることができる。仮に1000ドルのローンを組んでインターンシップが3カ月後に始まり、それを一括で返済する場合は、返済時に1000ドルにプラスして21ドル〜45ドルを支払わなければならない。

学生がすぐに就職することを証明すれば、1営業日以内に資金にアクセスし、新しい仕事を始めてからThriveへの返済を開始することができる。

Thriveの返済構造は、Lambda Schoolのような会社が使用しているインカムシェアリング(出世払い)の形式に似ている。Lambda Schoolによると、学生は在学中の授業料を払う必要はないが、その後に最低でも年間5万ドル(約520万円)を2年間支払う仕事で得た、給料の17%を支払うというオプションを提供している。

つまり、授業料の支払いを給料に賭けることは目新しいことではないが、Thriveはインカムシェアリングの概念を転換し、ローンの融資に応用しようとしているのだ。

2017年に会社を設立したとき、ラオ氏とバトラ氏はともにスタンフォード大学の同級生で、その後はTwitterの共同研究員だった。ラオ氏は低所得の家庭出身で、個人的に米国の大学院生であることに伴う費用の打撃を感じていたそうだ。飛行機で実家に帰る必要、ラップトップのの費用、そして夕食の費用まで。

Thriveは、具体的な財務情報の共有や収益性についてのコメントを拒否したがラオ氏によると「『年率5倍』の成長を遂げており、2021年末までベンチャーキャピタルの調達を避けるために十分な資金を持っている」とコメントした。

「Thriveの最大の経費は、ローンの資金調達能力であり、調達した資金を使ってローンを融通することはない」とラオ氏は述べた。「結局のところ、ソフトウェアビジネスのようなもので、当社の最大のコストは商品の原価です。これは資本であり、ほかの誰かがその資本に資金を提供しているのです」と続けた。

新型コロナウイルスの感染蔓延による経済不安の時代に突入したいま、より多くのベンチャーキャピタルを必要としないことは特に役立つかもしれない。不透明な経済に向けてリスクに備えるため、引受基準を厳しくしなければならなかったほかのフィンテック企業とは異なり、ラオ氏は「Thriveが融資の意思を変えることはないだろう」とTechCrunchに語っている。

新型コロナウイルスの影響でキャンセルされたテック系インターンシップもある。Thriveは、学生がオファーを取り消された場合には「それに応じて支払いプランを更新する」とラオ氏。「インターンシップが有効である限り、オファーは発行されます。インターンが遠隔地であろうと対面であろうと関係ありません」と付け加えた。

歴史的に高い失業率を誇る就職市場に、大学生や大学院生が参入する中、Thriveは事業を拡大している。厳しい雇用市場が融資をオファーレターに頼っている企業にどのような影響を与えるのか、また代替融資への賭けが報われるのかどうかを注目していきたい。[原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

マーケターと営業のデータをGoogleスプレッドシートに自動集約するDemand Sageが約3億円超を調達

最近、Upland Softwareに買収されたモバイルアナリティクスのLocalytics(Localyticsリリース)の創業者が立ち上げたDemand Sageは米国時間9月17日、Eniac VenturesとUnderscore VCが共同リードするシードラウンドで300万ドル(約3億1500万円)を調達したことを発表した。

CEOのRaj Aggarwal(ラージ・アガーワル)氏とCTOのHenry Cipolla(ヘンリー・シポラ)氏、そしてCPOのRandy Dailey(ランディ・デイリー)氏と2月に話をしたとき、「必要とするデータとインサイトをマーケターがもっと容易に得られるようにしたい」というビジョンを述べていた。そして、彼らが最初に提供したサービスは、インバウンドマーケティング・セールスプラットフォームであるHubSpotのデータからGoogleスプレッドシートのレポートを自動的に作ることだった。そして最近ではDemand Sageは営業データも対象に加えた。

それについてアガーワル氏は「我々はマーケターに強いが、最近は営業のリーダーたちも助けを必要としていることに気付きました。そこで今では、これまでの彼らに欠けていた可視性を提供しています。それにより、どこで商談が行き詰まったのか、実際に売上に貢献しているアクティビティは何かを彼らは知ることができます。営業とマーケティングは重複している部分が大きいので、特に中小企業では両方を相手にする方が理にかなっっています」と説明する。

同氏によると、Demand Sageではコードを必要としない「Report Builder」を導入したり、営業担当者がどの取引に注意を払う必要があるかを判断するのに役立つ見識ツールをテストしたりすることで、あらかじめ用意されたレポートテンプレート以外の製品ラインアップを拡充したという。

Demand Sageの顧客で、DraftedのCEOを務めるVinayak Ranade(ビナヤク・ラナーデ)氏は「私がこれまで使ってきたあらゆるセールスおよびマーケティングツールを使えば、最終的にはデータをスプレッドシートにエクスポートして数字を掘り下げていくことはできる。しかしDemand Sageでは、まるでGoogleスプレットシートのパワーユーザーを雇ったみたいで、本当に見たいデータを自動的に作ってくれる」とのこと。

新型コロナウイルスの感染蔓延中にビジネスがどのように推移したかについて同氏は「需要は本当に急増しました。企業は、ビジネスモデルの変化に応じて、よりコストパフォーマンスに優れたソリューションと柔軟性を必要としています」と語った。

関連記事:Localytics founders announce Demand Sage, a startup bringing marketing intelligence to small and mid-sized businesses(未訳記事)

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Demand Sage 資金調達

画像クレジット:Demand Sage

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

ロボットの高度自律型遠隔制御システム(HATS)の開発およびロボット用制御ソフトウェアの受託開発を手がけるキビテクは9月18日、第三者割当増資として6840万円の資金調達を発表した。引受先は、シンク・アイ・ホールディングス、匠、ウイルテック。

キビテクは、今回調達した資金と出資企業との連携により、来年度の本格サービスインに向け、各種現場の知識に基づいた遠隔アシスト機能実現のためのソフトウェア開発・オペレーションセンター体制の構築を加速する。また、製造現場におけるFA系への取り組みを推進するとしている。

同社は、様々な高難度業務への自律ロボット導入を促進するため、自律ロボットが搭載するAIを遠隔オペレーターが効率よくアシストすることで、「常識を扱えない」「大量の事前知識を必要とする」などのAIの課題を克服する「HATS」(Highly Autonomous Teleoperation System))の開発を進めている。

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

近年、物流現場や店舗などで自律型のロボットが様々な現場で活躍を始めている一方、AIにも限界があり(人間にとっては当然に思える)常識や社会的文脈に沿った臨機応変な対応ができるとは限らない。しかし、様々な状況に対応できるよう、事前にその状況をすべて洗い出してAIに教え込ませることは不可能だ。

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

その結果、わずかに残存する異常状態への対応ができないために自律ロボットの導入に踏み切ることができないか、導入できる業務が限定されてしまうという課題があるという。また、すでに導入済みの場合でも、AIの限界によってロボットが停止してしまい、現場での復旧作業が必要となり、運用効率の低下というケースも見受けられるという。

同社が開発を進めているHATSは、遠隔オペレーターが簡単な操作で要点のみをロボットに指示することで、1名で担当できるロボット台数を格段に多い状態で運行できるようにするという。これにより、停止したロボットの復旧対応などを効率的に行えるようにするサービスとしている。

この事業を通して、障害者、リモートワークに縛られる方、途上国の低所得者などにオペレーター業務を担ってもらうことで就労の機会を増やし、貧困や格差固定化の問題の低減につなげ、より幸せな社会の実現に貢献するとしている。

キビテクは、東大の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者を主として2011年に創業した、知能ロボットの開発を行うスタートアップ企業。企業名「キビテク」の「キビ」は心の「機微」を意味しているという。同社の得意な技術を通して、未来の世界の人々の心の幸せに貢献することを最も大切にしている。

コネクテッド・フィットネスのスタートアップTonalがさらに115億円超を追加調達、多数のアスリートも投資に加わる

コネクテッドホームフィットネスのスタートアップであるTonalは米国時間9月17日、1億1000万ドル(約115億円)の追加資金調達を明らかにした。最新の資金調達ラウンドには、既存投資家であるL Cattertonのほか、Delta-v Capital、AmazonのAlexa Fund、Mousse Partners、アスリートのStephen Curry(ステフィン・カリー)氏、Paul George(ポール・ジョージ)氏、Michelle Wie(ミシェル・ウィー)氏、Bobby Wagner(ボビー・ワグナー)氏などの新規投資家が名を連ねている、このラウンドは、ベイエリアをベースにした会社の総資金調達額を2億ドル(約210億円)にまで引き上げた。

筋力トレーニングの会社にとってはかなり大規模な資金調達であり、特にこの分野は近年ますます競争が激しくなっている。しかし、新型コロナウイルスの大流行により、世界中で公共のジムやフィットネスの施設が閉鎖されていることから、投資家が自宅でのジム体験に近いものを提供できる技術に乗り出したいと考えていることは明らかだ(未訳記事)。

いくつかの施設が再開し始めたとはいえ、その多くは限られた定員数で営業している。ジムに戻ることになると、多くのメンバーは細心の注意を払わなければならない。なんと言っても、感染拡大の危険性が高いからだ。この事実を踏まえると、在宅ワークアウトは今後数カ月から1年の間に成長を続ける可能性が高い。同業のLululemonが最近、おそらくTonalの最大のライバルであるMirrorを5億ドル(約523億円)で買収したという事実もある。

Tonalの他の多くの競争相手と差別化できる点は、反射スクリーンと強度トレーニングの要素だ。システムは、より伝統的なダンベル・バーベルベースのウェイトトレーニングに近い抵抗技術を活用している。

NBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属するバスケットボール選手のステフィン・カリー氏は「私はほぼ2年間Tonalを持っていた。新型コロナウイルスの感染蔓延で隔離されている間、私はハードなトレーニングを維持するためにTonalに大きく依存しているし、そしてTonalは将来的にワークアウトする方法に革命を起こす信じている」と語る。

Tonalもこの機会を使用して、ミネソタ州総合病院であるMayo Clinic(メイヨークリニック)での理学療法の試験のための作業を開始しており、結果はまもなく明らかになる予定だ。また同社は、Andaz Scottsdale Resort & Bungalows(アンダーズ・スコッツデール・リゾート&バンガローズ)、Waldorf Astoria Boca Raton Resort(ウォルドーフ・アストリア・ボカ・ラトン・リゾートとクラブ)、JW Marriott Anaheim(JW・マリオット・アナハイム)を含むホテルやリゾートとも連携している。

画像クレジット:Tonal

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(翻訳:TechCrunch Japan)

コネクテッド・フィットネスのスタートアップTonalがさらに115億円超を追加調達、多数のアスリートも投資に加わる

コネクテッドホームフィットネスのスタートアップであるTonalは米国時間9月17日、1億1000万ドル(約115億円)の追加資金調達を明らかにした。最新の資金調達ラウンドには、既存投資家であるL Cattertonのほか、Delta-v Capital、AmazonのAlexa Fund、Mousse Partners、アスリートのStephen Curry(ステフィン・カリー)氏、Paul George(ポール・ジョージ)氏、Michelle Wie(ミシェル・ウィー)氏、Bobby Wagner(ボビー・ワグナー)氏などの新規投資家が名を連ねている、このラウンドは、ベイエリアをベースにした会社の総資金調達額を2億ドル(約210億円)にまで引き上げた。

筋力トレーニングの会社にとってはかなり大規模な資金調達であり、特にこの分野は近年ますます競争が激しくなっている。しかし、新型コロナウイルスの大流行により、世界中で公共のジムやフィットネスの施設が閉鎖されていることから、投資家が自宅でのジム体験に近いものを提供できる技術に乗り出したいと考えていることは明らかだ(未訳記事)。

いくつかの施設が再開し始めたとはいえ、その多くは限られた定員数で営業している。ジムに戻ることになると、多くのメンバーは細心の注意を払わなければならない。なんと言っても、感染拡大の危険性が高いからだ。この事実を踏まえると、在宅ワークアウトは今後数カ月から1年の間に成長を続ける可能性が高い。同業のLululemonが最近、おそらくTonalの最大のライバルであるMirrorを5億ドル(約523億円)で買収したという事実もある。

Tonalの他の多くの競争相手と差別化できる点は、反射スクリーンと強度トレーニングの要素だ。システムは、より伝統的なダンベル・バーベルベースのウェイトトレーニングに近い抵抗技術を活用している。

NBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属するバスケットボール選手のステフィン・カリー氏は「私はほぼ2年間Tonalを持っていた。新型コロナウイルスの感染蔓延で隔離されている間、私はハードなトレーニングを維持するためにTonalに大きく依存しているし、そしてTonalは将来的にワークアウトする方法に革命を起こす信じている」と語る。

Tonalもこの機会を使用して、ミネソタ州総合病院であるMayo Clinic(メイヨークリニック)での理学療法の試験のための作業を開始しており、結果はまもなく明らかになる予定だ。また同社は、Andaz Scottsdale Resort & Bungalows(アンダーズ・スコッツデール・リゾート&バンガローズ)、Waldorf Astoria Boca Raton Resort(ウォルドーフ・アストリア・ボカ・ラトン・リゾートとクラブ)、JW Marriott Anaheim(JW・マリオット・アナハイム)を含むホテルやリゾートとも連携している。

画像クレジット:Tonal

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国西部が燃える中、森林炭素モニタリングサービス運営のPachamがアマゾンとビル・ゲイツ支援ファンドか資金調達

森林オフセットプロジェクトで実際にどれだけの二酸化炭素が捕獲されたかを追跡する、森林炭素隔離モニタリングサービスを運営しているPachama(パチャマ)は、Amazon(アマゾン)やBreakthrough Energy Venturesなどの著名な投資家から500万ドル(約5億2300万円9)の新たな資金調達を実施した。

この投資は、アマゾンが気候誓約基金を通じて発表したいくつかの取引のうちの1つだ。Bill Gate(ビル・ゲイツ)氏やその他の億万長者が支援するBreakthrough Energy Venturesがこのラウンドを主導し、Pachamaの総資金は900万ドル(約9億4200万円)に達した。

米国西部では干ばつの影響を受けた森林を覆う数エーカーにおよぶ火災による焼失が続き、世界中で森林破壊が問題となっている中で、Pachamaのソリューションはこれ以上にタイムリーなものでは存在しなかった。同社のソリューションは、衛星画像と人工知能を活用した遠隔確認・モニタリングサービスで、森林が捉えた炭素量を計測する。

また、これ以上にパーソナルなサービスもない。同社の創業者であるDiego Saez-Gil(ディエゴ・サエズ-ギル)氏は、今年初めにカリフォルニア州を襲った山火事で自宅を失った(Medium投稿)。「何十万エーカーもの森林を修復する必要があり、炭素クレジットが資金調達のメカニズムになります」とサエズ-ギルはダイレクトメッセージで書いている。

Pachamaは、Breakthrough Energy VenturesとアマゾンのClimate Pledge Fundが共同で出資しているほかの2社に加わる。他の大企業投資家も同社を支援している。Groupe Arnaultの投資部門であるAglaé VenturesやAirbnbの同窓生ファンドであるAirAngelsが投資したほか、多くの著名なファミリーオフィスやアーリーステージファンドも投資を行った。

ゲーム会社King.comの経営陣の個人資産を投資するファンドであるSweet Capital、テニス界のスーパースターSerena Williams(セレーナ・ウィリアムス)の投資ファンドであるSerena Ventures、投資家のChris Sacca(クリス・サッカ)氏のLowercarbon Capitalファンド、Third Kind Ventures、Xplorer Venturesもこのラウンドに参加した。

Breakthrough Energy VenturesのCarmichael Roberts(カーマイケル・ロバーツ)氏は声明で「カーボンニュートラルになる方法を模索しているESG企業からの需要が高まっており、植林は現在、規模的に最も魅力的な炭素除去オプションの1つです」と語る。

「テクノロジーを活用して炭素除去の測定、モニタリング、検証を新たなレベルで行うと同時に、新規の炭素除去プロジェクトをシームレスに導入することで、どんな企業でもカーボンニュートラルを容易に実現することができます。これらの高度なエンタープライズツールとリソースを持つPachamaは、植林を通じた企業のカーボンニュートラルへの取り組みを加速させる大きな可能性を秘めています」と続けた。

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アテネ拠点で消費者を直接結ぶ中古車購入プラットフォーム構築のSpotawheelが12.4億円調達

ポーランドとギリシャで中古車を購入するための「エンド・ツー・エンド」のデジタルプラットフォームを提供しているSpotawheel(スポタホイール)は、新型コロナウイルス危機が発生した売上減から回復し、1000万ユーロ(約12億4090万円)のデットファイナンス(融資)と第三者割当増資による資金調達を実施した。

今回の投資もVentureFriendsがリードし、既存投資家であるVelocity Partners、米国を拠点とするFJ Labs、無名の戦略的投資家が参加した。今回の資金はアテネに本社を置くSpotawheelが以前に調達した800万ユーロ(約10億円)に追加される。

Spotawheelによると、調達した資金はヨーロッパの複数の拠点での事業拡大に使われるという。また、中古車調達インフラの整備にも投資する。人員も、ヨーロッパ全域の商業、技術、オペレーション関連のポジションで追加される予定だ。

2016年創業のSpotawheelは、中古車の売買プロセスをオンラインに移行させるB2Cプラットフォームを運営しており、これにより多くの摩擦を取り除きながら、より大きな透明性をもたらすと主張している。これは、中古車を購入する際の利便性と保護を電子商取引レベルで提供することを目的としている。

昨年にSpotawheelの共同設立者兼CEOであるCharis Arvanitis(カリス・アーバンティス)氏は「顧客は、ヨーロッパ最大の5年間の限定保証を享受しながら、試乗したり、7日間の返品ポリシーの下で全国に納車してもらうことができます」と語っていた。

これを可能にするために、Spotawheelは車ごとに状態と予想される故障の「予測分析」を採用している。「従来のディーラーが必要としていた時間とコストの何分の1かで調達を決定し、市場平均の3倍の速さで在庫の回転を可能にする」と同社は説明する。。

アーバンティス氏によると、Spotawheelは今月の時点で「3桁」の成長に戻っており、6月以降の小康状態から回復しているという。「現在の販売台数はすでに年間数千台に達しており、EUの2カ国でのシェアは0.1%をわずかに超えています」と同氏。

今後の同社の計画では、中古車の調達先を2020年第4四半期にドイツを含む欧州25都市に拡大する予定だ。さらに欧州初の自動車修理センターの設立も進めているが、まだ契約書に署名していないため、アーバンティス氏は今のところその場所を明らかにしていない。

画像クレジット:Spotawheel

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(翻訳:TechCrunch Japan)

屋内トレーニングアプリ開発のZwiftが470億円超を調達、ハードウェア事業にも参入へ

Zwiftは、米国カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置き、サイクリストやランナーを3D生成された世界に没頭させるオンラインフィットネスプラットフォームを350人規模で展開している。この度同社は、投資会社KKRの事業の少数株主と引き換えに4億5000万ドル(約471億円)という高額な資金調達を実施した。

このラウンドには、Amazon Alexa FundのPermira、Specialized Bicycleのベンチャーキャピタルファンド、Zone 5 Venturesのほか、Highland Europe、Novator、Causeway Media、ヨーロッパに拠点を置く消費者専門企業のTrueも参加した。

Zwiftは現在、総額6億2000万ドル(約650億円)を調達しており、その評価額は10億ドル(約1060億円)以上となっている。なぜこのような大規模な資金調達を行ったのか?今のところ、同社は人気のあるアプリを作っているだけだ。

同社は2015年の創業以来、250万人が登録している。米国のアウトドア雑誌のOutsideがかつて表現したように「一部のソーシャルメディアプラットフォーム、一部のパーソナルトレーナー、一部のコンピュータゲーム」の世界に入るためにZwiftに登録しているのだ。この特定の組み合わせによりZwiftのアプリは、外の状況に関係なくトレーニングをしたいと考えているレクリエーションライダーとプロの両方に魅力的なものとなっている。

同社は月額15ドルのアクティブな登録者数を明らかにするのは拒否したが、忠実なユーザーのベースを持っているようだ。例えば、全登録者の内の11万7000人は、Zwiftが7月に主催したツール・ド・フランスのバーチャル版で競い合った。

Zwiftは、この巨大な資金調達ラウンドで得た資金を何に使うのか。現在、Zwiftの自転車愛好家がこのアプリを使うには、EliteやWahooなどのブランドが作った300ドル〜700ドルのスマートトレーナーを購入する必要がある。一方、ランナーはZwiftのアプリを自分のランニングマシンと一緒に使える。

そこでZwiftは、ハードウェアビジネスに飛び込んだ。同社の広報担当者は、「ハードウェアを適切に開発するには時間がかかり、新型コロナウイルスの感染蔓延は生産のプレッシャーを強めている」としながらも「『できるだけ早く』最初の製品を市場に投入したい」と考えていると述べた。また、このハードウェアはZwiftを「より没入感のあるシームレスな体験をユーザーに提供する」とも付け加えた。

いずれにせよ、この方向性は同社にとって驚くべきものではなく、またSpecialized Bicycleが戦略的支援者としてこのラウンドに参加というだけではない。共同創業者兼CEOのEric Min(エリック・ミン)氏は過去に「いつか独自のトレーナーを生産することを望んでいる」と語っていた。

家庭用フィットネスでのPelotonの大成功を考えれば、トレッドミルに続いて、あるいはまったく別の製品が出てきても不思議ではないだろう。Zwiftの広報担当者は「将来的には、他の分野やよりゲームのような体験をもたらすことができる可能性があります」と語る。Zwiftは、フィンランドのゲーム会社Supercellの共同創業者でありCEOであるIlkka Paananen(イルッカ・パーナネン)氏を投資家兼取締役会メンバーとして迎え入れたばかりで、その場合はこの分野の専門家のアドバイスを受けることになるだろう。

それまでの間、「Pelotonが成功を収めているような分野は、類似点を引き出そうとするようなものではない」と同社はTechCrunchに伝えた。

Zwiftは、ユーザーがグループライドやラン、ワークアウトを企画できることを特徴としているが、同社の広報担当者によると、クラスについては「予定していない」と回答した。

画像クレジット:Zwift

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(翻訳:TechCrunch Japan)

バーチャルイベントプラットフォーム開発のインド拠点Airmeetが約12.6億円を調達

バーチャルイベントを開催するためのプラットフォームを提供する、インド・バンガロールに本社を置くスタートアップのAirmeet(エアーミート)は米国時間9月15日、同社がユーザーベースの成長を加速させている中、新たな資金調達ラウンドで1200万ドル(約12億6000万円)の調達を発表した。

Sequoia Capital Indiaは、1年前に設立されたAirmeetの1200万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを主導した。Redpoint Ventures、既存の投資家であるAccel India、Venture Highway、Global Founders Capital(GFC)、DoorDashでCaviarリードのGokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏(未訳記事)もこのラウンドに参加した。ちなみにラジャラム氏が務めるCaviarリードとは、DoorDashが2019年にSquareから買収した、地図上で注文をライブで追跡する機能を擁するCaviarチームを率いる役職だ。

今回の資金調達に詳しい関係者によると、今回の新たなラウンドでのAirmeetの評価額は約5000万ドル(約52 億3800万円)で、3月に300万ドル(約3億1400万円)を調達した時の2倍以上になるという。

Airmeetは、ユーザーや企業がインタラクティブなバーチャルイベントを開催することを可能にしている。そのプラットフォームは、バックステージを提供したり、人々をテーブルにグループ化したり、参加者同士のネットワークを可能にしたり、イベント主催者がスポンサーと協力することさえ可能にしたりと、物理的なイベントの側面を直感的に再現している。現在パブリックベータ版として公開されているAirmeetは、使用量に応じて企業に課金するフリーミアムモデルで提供されている。

TechCrunchとのインタビューの中で、Airmeetの共同創業者であるLalit Mangal(ラリット・マンガル)氏は「広告への投資なしにプラットフォームの利用率が前四半期で2000%成長した」と語った。

ここ数カ月、Airmeetはプラットフォームのユースケースの拡大に取り組んできた。「Airmeetは現在、大規模な会議の開催に加えて、大規模な映画祭でのプロのミートアップにも利用されている」と同氏は説明する。最近では、大学のリソースフェアや技術産業のサミットも開催している。

Sequoia Capital Indiaの副社長であるAbhishek Mohan(アビシェク・モハン)氏は声明で「新型コロナウイルスは多くの業界で恒久的な行動シフトを加速させました。主に伝統的なスペースのデジタル化が数年で飛躍的に進み、8000億ドル(約83兆8000億円)以上の世界的なオフラインイベントスペースが手に入るようになりました。業界のオンラインイベントへの移行を推進するプレイヤーには大きな可能性があります」と述べている。

Airmeetは、ほとんどの最新ブラウザが採用している標準規格であるWebRTCの上に構築されている。「これにより、AirmeetはChromeとFirefoxから完全にアクセスできるようになりました。また、すべてのセッションはエンドツーエンドで暗号化されています」とマンガル氏。Airmeetにはモバイルアプリはないが、同氏によると「人々はプロのイベントではラップトップやデスクトップ、あるいはiPadを使う傾向にあります。ただし、ユーザーはモバイルブラウザからセッションを利用することができます」と説明する。

HopinやAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が支援するRun The Worldと同じ分野で戦うこのスタートアップは、今回調達した資金を使って「Airmeetに新機能を追加し、世界的に規模を拡大する予定だ」とマンガル氏は述べた。

「Airmeetのミッションは、世界中の何百万人ものコミュニティ管理者やイベント主催者が、視聴者との交流と拡大を可能にするグローバルなプラットフォームを作ることです。ラリットとチームの集中力、実行力、革新的な思考により、彼らはその目標を達成するために強力に配置されています」とSequoia Capital Indiaのモハン氏は語った。
画像クレジット:Airmeet

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(翻訳:TechCrunch Japan)

脆弱なIoT機器を保護する斬新なシステムを開発するSternumが約6.8億円を調達

安価なインターネット接続機器の大量生産から何かを学んだとすれば、セキュリティは後回しにされているということだ。デフォルトのパスワードは当たり前すぎで、セキュリティ上の欠陥にはパッチが当てられず、スマートデバイス全体が攻撃を受けやすい状態になっている。

しかし、イスラエルのあるセキュリティスタートアップは、脆弱なIoT(Internet of Things)デバイスを保護するために、これまでとは異なるアプローチを取っている。

テルアビブに本社を置くSternum(スターナム)は、EIVという名称で知られる組み込み完全性検証技術を提供しており、アプリが何らかの方法で悪意を持って改変されていないことを検証する。この技術はコードの脆弱性を検出し、攻撃が悪用される前に攻撃を防ぐ仕組みだ。その高度な検出システムであるADSは、リアルタイムの脅威検出サービスを提供し、企業はリアルタイムで攻撃に対応することができる。

これは、脆弱性のあるデバイスを保護するためのほかの方法がない場合のための斬新なアイデアだ。

今年の初めに同社は、何百万ものIoTデバイスを襲った新しい脆弱性の波に対する修正を最初に提供した。「Ripple20」と名付けられたこの脆弱性は、ハッカーが影響を受けた数億台のデバイスを乗っ取ることを可能にするものだった。

「脆弱性へのパッチ適用は終わりのないゲームです」とSternumの創設者であり最高経営責任者のNatali Tshuva(ナタリ・ツシュバ)氏はTechCrunchに語った。「ほかの多くのソリューションとは異なり、私たちはデバイス上のすべての脆弱性にパッチを当てることに焦点を当てているわけではありません。私たちは、搾取の段階、つまりハッカーが脆弱性を利用して攻撃を実行するポイントにのみ焦点を当てています」と同氏。

ツシュバ氏のルーツはセキュリティ研究者で、LinuxやAndroid、その他の組み込みシステムで、これまで発見されていなかったいくつかの脆弱性を発見した経験を持つ。「これらのデバイスを適切に保護するには、技術的にも市場的にも本当に課題があることに気づきました。私は、サイバーセキュリティ、研究、製品、優秀な研究開発チームの管理などのノウハウを応用して、問題をエンドツーエンドで真に解決する革新的なソリューションを生み出したいと考えていました」と語る。

実際にSternumのこの賭けは実を結んでいる。同社は米国時間9月16日、650万ドル(約6億8100万円)のシリーズAラウンドに資金調達を明らかにした。このラウンドは、オーストラリアやイスラエル、東南アジアへの投資を進めているベンチャーキャピタル(VC)のSquare Pegがリードし、Merle Hinrich(メルル・ヒンリッ)氏の財団と欧州のVCであるBTOVが参加した。

Square PegのパートナーであるPhilippe Schwartz(フィリップ・シュワルツ)氏は「Sternumの革新的な製品と多様なチームに感銘を受け、その技術は妥協のないセキュリティ保護と豊富なデータ駆動型の洞察力で、接続された未来に力を与えてくれるだろう」と述べている。

画像クレジット:MacrovectorShutterstock

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(翻訳:TechCrunch Japan)

新型コロナ需要で絶好調の電動自転車VanMoofが42億円を調達、日本でのシェア拡大も狙う

電動自転車スタートアップのVanMoof(ヴァンムーフ)がNorwest Venture PartnersFelix Capital、そしてBalderton Capitalから4000万ドル(約42億円)を調達した。このシリーズBラウンドは5月の1350万ドル(約14億円)の投資(未訳記事)に続くものだ。今回のラウンドでVanMoofの累計調達額は7300万ドル(約77億円)となり、自転車10億台を展開するという最終目標に向けて歩を進める。

シリーズBラウンドで調達した資金は増大する需要への対応、配達にかかる時間の短縮、一連のライダーサービスソリューションの構築に使われる。また、北米、欧州、そして日本の電動自転車マーケットでのシェア拡大も目指す。

新型コロナウイルスの感染拡大のために通勤手段を公共交通機関から変更する動きもあって、電動自転車熱が高まっている。

さまざまな国の政府はいま、サイクリングのインフラに資金を注入していて、報道によると電動自転車マーケット規模は今後6年間で460億ドル(約4兆8300億円)を超える見通しだ。

VanMoofの共同創業者Ties Carlier(ティーズ・カーリエ)氏は次のようにコメントした。「電動自転車の浸透はすでにここ数年間みられた世界的な不可避のシフトだが、都市をより住みやすいものに変えるために当社が目指していた最低限必要な市場普及率に向けて新型コロナウイルスがかなりの起爆剤となった」。

世界的なロックダウンの間にVanMoofのグローバル売上高は220%増加した、と同社は話す。2020年の最初の4カ月の販売台数は、2018〜2019年のトータル台数を上回ったという。

Norwest Venture PartnersのプリンシパルStew Campbell(スチュー・キャンベル)氏は「Taco、ティーズ、そしてVanMoofのチームは無比のブランドとベストセラー製品を作り出しただけでなく、世界中の都市モビリティを再デザインした」と話した。

Balderton CapitalのプリンシパルColin Hanna(コリン・ハナ)氏は「COVID-19危機が世界中のサプライチェーンを直撃したとき、VanMoofのデザインやプロダクションをめぐる独特の統括は同社が素早くかつ効果的に対応するにあたって大きなアドバンテージとなった。さらには、VanMoofの消費者直結アプローチによって、同社は今後展開される新たなプロダクトやサービスを通じてライダーと近い関係を築くことができる」と述べた。

VanMoofは今年4月にVanMoof S3とX3を立ち上げた。筆者はここでS3をレビューしている(未訳記事)、また前モデルX2についてはここでチェックできる(未訳記事、ビデオ付き)

画像クレジット: Mike Butcher / Mike Butcher under a CC BY 2.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi

長距離輸送用ドローンメーカーのVolansiが新型コロナを追い風に53億円調達

概してロボティクスは、パンデミックの間に成長がみられた。よって、投資家が自律飛行ドローン配達に熱い視線を送るのは理に適っている。これはVolansi(ヴォランシ)にとっていいニュース(MarketWatch記事)であり、同社は5000万ドル(約53億円)のシリーズBを発表した。

Icon Venturesがリードした本ラウンドにより、ベイエリアを拠点とするVolansiの累計調達額は7500万ドル(約79億円)になる。ラウンドには既存投資家の Lightspeed Venture PartnersとY Combinatorも参加し、新たにHarpoon VenturesとMerck Global Health Innovation Fundが加わった。

Volansi (旧社名Volans-i)はこのところドローンの長距離飛行をデモンストレートしてきた。TechCrunchは2017年にVolansiが100マイル(約160km)飛行を発表したときに同社について記事を書いた(未訳記事)。100マイルというのは、既存のドローンの大半に適用される規制を考えた時、かなりの偉業だった。最近の同社の主力ドローンは最大積載量10ポンド(約4.5kg)で50マイル(約80km)飛行できるVoly C10と、航続距離350マイル(約560km)で最高速度時速120kmと同社がうたうM20だ。

画像クレジット:Volansi

主な用途は医療物資の輸送だ。従来の地上輸送では難しかったり、あるいは不可能だったりする地域での運搬にドローンは対応できる。現在は企業や政府機関をクライアントに持つ。新たに調達した資金は従業員の増加、新規プロジェクトの立ち上げ、米国や新興マーケットですでに獲得しているイニシアチブの拡大に充てる。

カテゴリー:ドローン

タグ:Volansi 資金調達

画像クレジット:Volansii

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(翻訳:Mizoguchi

注文から30分以内に食品・お酒・日用品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」運営のレキピオが1.7億円を調達

注文・決済から30分以内に食品・お酒・日用品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」運営のレキピオが1.7億円を調達

注文・決済から30分以内に商品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」(クイックゲット)運営のレキピオは9月16日、第三者割当増資および日本政策金融公庫より総額1.7億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、UB Ventures、マネックスベンチャーズ、サイバーエージェント・キャピタル、FGN ABBALab、F Ventures LLP、個人投資家の赤坂優氏、中川綾太郎氏、吉田浩一郎氏。また同日、「QuickGet」サービスの正式リリースを明らかにした。

同社は、Android版またはiOS版アプリ上で商品を注文・決済すると、30分以内に自宅まで届けるというデリバリーサービスQuickGetを展開(PCからの利用は不可)。調達した資金は、QuickGet正式リリースに伴う事業拡大に向けた採用活動に利用。今後は、六本木エリアでさらなる成長を目指し、随時サービス提供エリアを拡大する。

またデジタルコンビニだけでなく、フードデリバリーや買い物代行など周辺領域にも参入し、顧客が欲しいと思った時に欲しいものが何でもすぐに届く世界を実現させ、デリバリー市場の覇者を目指す。

注文・決済から30分以内に食品・お酒・日用品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」運営のレキピオが1.7億円を調達

QuickGetは、食品・お酒・日用品などを届けるデジタルコンビニとして、現在東京都港区と渋谷区の一部エリアで展開。営業時間は9:00~24:00(年中無休)。料金は、商品代+配送料250円、アプリ利用料は無料となっている。六本木エリアのみでアプリ内累計流通額が数千万円以上、なかには1ヵ月間に数十万円使うユーザーや、コンビニに行かなくなったというヘビーユーザーもいるという。

サービス提供エリアとして、9月7日から恵比寿・神宮前・代官山・白金エリア、9月14日からは霞ヶ関・虎ノ門・西新橋エリアを追加。今後も段階的にエリアを拡大し、9月下旬には品川区や新宿区の一部エリアでも利用可能となる。

対象エリア

  • 港区: 六本木、西麻布、南麻布、東麻布、麻布十番、元麻布、麻布台、赤坂、南青山、北青山、麻布狸穴町、麻布永坂町、白金、三田、虎ノ門、西新橋、愛宕、芝公園2丁目、芝公園3丁目、芝公園4丁目、芝3丁目
  • 渋谷区: 広尾、東、渋谷、恵比寿、恵比寿西、神宮前、桜丘町、鶯谷町、代官山町、猿楽町、千駄ヶ谷2丁目、恵比寿1~4丁目
  • 目黒区: 三田1丁目
  • 千代田区: 霞ヶ関

9月21日以降追加予定

  • 千代田区: 永田町1~2丁目、紀尾井町
  • 品川区: 上大崎2丁目
  • 新宿区: 信濃町、南元町
  • 渋谷区: 南平台、宇田川町、恵比寿南1~3丁目、神南1丁目、鉢山町
  • 港区: 元赤坂1丁目、浜松町2丁目、白金台4丁目、芝2丁目、芝4~5丁目、芝公園1丁目、芝大門2丁目、高輪1丁目

9月28日以降追加予定

  • 千代田区: 内幸町2丁目、平河町2丁目
  • 新宿区: 大京町、左門町、若葉 1.3丁目、須賀町
  • 渋谷区: 千駄ヶ谷1丁目、3丁目
  • 港区: 元赤坂2丁目、新橋1丁目、新橋3~6丁目、浜松町1丁目、芝大門1丁目

同社は、六本木に自社倉庫を構え、商品在庫を抱えることで実店舗を持つ小売店と同等価格での販売を実現。取扱商品は、高級スーパーやコンビニで売られているような商品や日用雑貨品まで1000点以上を常時ラインナップしている。

また、実店舗のPOSシステムでは「何が」「いつ」「何個」売れたのかという購入データと、店員の主観的判断による性別・年代などの属性データしか取れないが、「QuickGet」では「誰が」にあたる個人情報と購入データを紐づけ可能で、より詳細な顧客属性や購買サイクルなどのデータに基づいた、最適なマーチャンダイジングが可能としている。

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配送料一律250円で注文から30分で自宅に届くデジタルコンビニ「QuickGet」、運営元のレキピオが総額1.7億円を調達

デジタルコンビニ「QuickGet」(クイックゲット)を運営するレキピオは9月16日、同サービスを正式リリースした。なお、昨年12月ごろから一部ユーザーに向けてベータリリース済みで、すでにサービスは稼働している。

オレンジが9月21日から、紫は9月28日からの拡大エリア

サービス提供エリアは、東京の港区と渋谷区の一部エリア。営業時間は9時~24時。配送料は一律250円。具体的な対象地域は以下のとおり。iOS版Android版のアプリ、もしくはウェブサイトから注文できる。

港区
六本木、⻄麻布、南麻布、東麻布、麻布十番、元麻布、麻布台、赤坂、南⻘山、北⻘山、麻布狸穴町、麻布永坂町、三田1〜5丁目、⻁ノ門1〜5丁目、白金1〜6丁目、芝公園1〜4丁目、愛宕1〜2丁目、芝3丁目、西新橋1〜3丁目

渋谷区
広尾、東1〜4丁目、渋谷1〜4丁目、恵比寿1〜4丁目、恵比寿西1〜2丁目、神宮前1〜4丁目、6丁目、千駄ヶ谷2丁目、桜丘町、鶯谷町、代官山町、猿楽町

千代田区
霞ヶ関1〜3丁目

9月21日以降には、港区、渋谷区、千代田区のエリア拡大のほか、品川区、新宿区の一部もエリアに加わる予定だ。

QuickGetは、配送料一律250円で注文から30分で自宅に届けるサービスで、現在は東京都の港区、渋谷区を中心にサービスを展開している。取り扱い製品は、コンビニなどで販売されている食品やアルコール類、日用品などで、価格は商品によっては安かったり、高かったりするが、おおむねコンビニなど同レベルとのこと。ベータリリース時は、港区の六本木エリアのみでアプリ内累計流通額が数千万円を超えたほか、中には1カ月に数十万円使うユーザーもいたそうだ。

コンビニなどからの自宅配達は、ローソンとUber Eatsの提携で一部地域で実施されているが、QuickGetは六本木に自社倉庫を構え、そこから専属の配送ドライバーが配送するという仕組み。専用倉庫では、高級スーパーで販売されているワインや、近隣の飲食店から仕入れたおにぎりや弁当などを含め、常時1000点以上をラインアップしているという。同社代表取締役の平塚登馬氏は「六本木の拠点倉庫だけで、15軒ほどのコンビニの営業エリアをカバーできます」とのこと。

一般的なコンビニの実店舗では、POSシステムで「何が」「いつ」「何個」売れたのかという購入データと、店員の主観的判断による性別・年代などの属性データが紐付けられるのみだが、QuickGetでは事前にユーザー登録が必要なため、誰がいつ何を買ったかを完全に紐付けることが可能だ。つまり、詳細な顧客属性や購買サイクルなどのデータに基づいた最適なマーチャンダイジングが可能とのこと。「在庫している商品の多くは長期保存できるもの多いですが、牛乳や食パン、弁当、おにぎりなど賞味期限の短い商品についてもユーザーの購買データなどを分析しながら毎日仕入れています」との平塚氏。また、六本木エリアでは夜に働く人も多いため、出勤前の夕方の時間帯に甘い菓子のオーダーが多く入る傾向もあるという。そのほか、健康に配慮した食品や飲料、グッズなどが売れ筋だという。

宅配サービスとしては配送料一律250円は低価格な部類に入るが「Uber Eatsなどの店頭価格+配送料という料金形態ではなく、商品はすべて卸価格で自社で仕入れるビジネスモデルのため、配送料を高く設定しなくてもマネタイズが可能」とのこと。配達ドライバーも自社でアルバイトを雇用しており、すべて原付バイクで配送を担当する。平塚氏は「フードデリバリーサービスと根本的に異なるのは、QuickGetでは複数のユーザーが注文した商品を混載してルート配送できる点で、配送時間と配達スタッフの効率的化が可能です」と語る。今後、注文数が増えれば、トラックなどでのルート配送も考えてるいるという。

また、運営元のレキピオは1億7000万円の資金調達も発表した。増資と融資による調達で、第三者割り当て増資の引受先はUB Ventures、マネックスベンチャーズ、サイバーエージェント・キャピタル、FGN ABBALab、F Ventures LLPのほか、個人投資家の赤坂 優氏、中川綾太郎氏、吉田浩一郎氏。融資元は日本政策金融公庫。

レキピオでは今回調達した資金を、QuickGetの正式リリースに伴う事業拡大に向けた採用活動に投下するという。拠点倉庫のある六本木から30分で配送できるエリアはまだまだ開拓の余地があり、エリアを拡大していくという。また今後は、フードデリバリーや買い物代行など周辺領域へも参入するとのこと。

インドのファンタジースポーツアプリ「Dream11」の親会社が230億円超を調達、クリケットトーナメントのメインスポンサーに

ファンタジースポーツアプリ「Dream11」の親会社であるインド・ムンバイに本社を置くDream Sportsは、世界第2位のインターネット市場でもあるクリケット好きの国で「エンドツーエンドのスポーツテック企業」と呼ばれている。同社は新たな資金調達ラウンドで2億2500万ドル(約237億円)を調達した。

今回のラウンドではTiger Global Management、TPG Tech Adjacencies(TTAD)、ChrysCapital、Footpath Venturesが、一次、二次の投資を通じて総額2億2500万ドルの資金を提供したことを、設立12年目のDream Sportsは明らかにしている。

今回の新たなラウンドによって「Dream Sportsの価値は25億ドル(約2638億円)以上になる」と情報筋はTechCrunchに語った。Dream11はこれまでに約3億2500万ドル(約343億円)を調達している。なお、ファンタジースポーツとは、特定のプロスポーツなどからユーザーがお気に入りの選手を選び、架空のチームを作って試合をするシュミレーションゲームのことで、ギャンブルと結びついていることも多い。

Dream11はクリケットの人気に乗じて、ディズニー(未訳記事)やFacebook(未訳記事)など複数の大手企業から大きな注目を集めている。同アプリは、ゲーマーが今後の試合で最高の選手を選ぶことができるように、そのファンタジーの部分を探求している。選んだチームの成績に応じて賞金を獲得することができるのだ。

Dream11は、世界で最も人気のあるスポーツイベントの1つであるインド・プレミアリーグ(IPL)のクリケットトーナメントの2020年シーズンのタイトルスポンサーでもある。このスタートアップは、以前は中国のスマートフォンメーカーのVivoが保有していたタイトルスポンサーの権利を3000万ドル(約31億円)の入札で獲得した。ちなみにVivoは、インドと中国という核武装国家間の地政学的緊張の中でスポンサーシップから突然撤退しなければならなかった。IPLの新シーズンは、新型コロナウイルスの発生に起因する遅延の数カ月後に今週後半に開幕する。

「スポーツ部門はインドで高い潜在成長力を持っている。ファン体験を向上させる大きな機会があり、Dream Sportsと提携してテクノロジーを活用することで、インドのファンと彼らの大好きなスポーツとのつながりを深めることができることに興奮しています」とTPGのマネージングディレクターであるAkshay Tanna(アクシャイ・タンナ)氏は声明で述べている。

近年Dream Sportsは、物販などのカテゴリーにも進出している。Dream Sportsの最高経営責任者兼共同創業者であるHarsh Jain(ハーシュ・ジェイン)氏は声明で「Dream Sportsは1億人以上のユーザーを獲得した」と主張する。ちなみにDream11アプリは、Google Playストアでは配布されておらず、人々がモバイル向けウェブサイトにアクセスするか、Androidアプリを別途インストール(サイドローディング)するしか利用する方法がない。

「地元で育ったインド企業として、我々は1億人以上のインドのスポーツファン、投資家、従業員、インドのスポーツエコシステム全体に価値を加え続けることを誇りに思っています。この2年間で、私たちはファンタジースポーツを超えて、スポーツコンテンツ、グッズ、ストリーミング、体験を提供する企業へと成長しました。私たちのビジョンは、スポーツテクノロジーとイノベーションを通じて、インドとインドのファンのために『スポーツをより良いものにする』ことです」とジェイン氏は付け加えた。

大手金融サービス会社であるAvendus Capitalは、今回の取引においてDream Sportsの財務アドバイザーを務めた。Dream11は、インドのファンタジースポーツ分野でニッチ市場を形成する唯一の企業ではない。Sequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インド)とTimes Internetが支援するMobile Premier Leagueも主要なプレイヤーであり、ここ数カ月でモバイルゲームにも進出している。Twitterが支援するShareChat(未訳記事)も、2020年初めにファンタジースポーツの実験をひっそりと始めた。

しかし、ファンタジースポーツはインドの一部ではまだ規制のハードルに直面している。アッサム、オディシャ、シッキム、テランガーナなどのインドのいくつかの州では、ファンタジースポーツ上での賭けが禁止されている

インドのゲーム市場の長年のアナリストであり、ニュースメディア「Mako Reactor」の発行者でもあるRishi Alwani(リシ・アルワニ)氏は「ファンタジースポーツビジネスの正統性を追求する試みが、ギャンブルではなくビデオゲームとして見られようと意図しているかどうかは重要ではない。インドのビデオゲーム開発者イベントのスピーカーパネルをざっと見ただけでもそれは明らかだ」とTechCrunchとの以前のインタビューで語っていた。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:資金調達 インド Dream11 ファンタジースポーツ

画像クレジット:Robert Cianflone / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

建設現場向け協働型ロボットの「建ロボテック」が資金調達、鉄筋結束作業ロボの進化・他作業の省力化ロボを開発

建設現場向け協働型ロボットの「建ロボテック」が資金調達、鉄筋結束作業ロボの進化・他作業の省力化ロボを開発

協働型ロボット「トモロボ」など建設現場の省力化ソリューションを提供する建ロボテックは9月15日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として資金調達を実施したと発表した。引受先は、グローカリンク、モバイルインターネットキャピタル(MICイノベーション5号投資事業有限責任組合)。さらに、中国銀行、商工組合中央金庫による長期融資も合わせて実施しており、調達総額は約2億円となる。

同社は、建設現場用協働型ロボット「トモロボ」シリーズの初代となる鉄筋結束作業ロボットを2019年3月に初公開。2020年1月より正式に販売しており、全国の建設現場で活用されているという。

建設現場向け協働型ロボットの「建ロボテック」が資金調達、鉄筋結束作業ロボの進化・他作業の省力化ロボを開発

調達した資金は、結束作業ロボットのさらなる進化とともに、他作業を省力化するロボットの開発を進め、2021年の発表を目指す。また、全国へのサービス展開を行うため社内強化を進める。

具体的には、これまで対応不可能であった、土木・インフラ工事向けの太径を扱える対応機を、富士ピー・エスの全面的な協力のもと開発を行う。2020年中の完成を目指しており、同社施工現場でのテストなどの模様も公開予定としている。

現場向け動画教育プラットフォーム「tebiki」開発のピナクルズが総額3億円調達、工場や店舗での業務効率化を目指す

現場向け動画教育プラットフォーム「tebiki」を開発・提供するピナクルズは8月15日、シードラウンドでの第三者割当増資による資金調達を明らかにした。引受先は、グロービス・キャピタル・パートナーズ。なお2019年以前に、有安伸宏氏、辻 庸介氏、赤坂 優氏の3人のエンジェル投資家からも出資を受けており、調達総額は3億円となる。

同社が提供しているtebikiは、小売や製造、物流、介護、飲食などの店舗や工場、現場などで働く従業員向けの教育動画プラットフォーム。各業種での日常的な業務を動画と字幕で説明することで、日本人はもちろん外国人労働者に理解しやすい動画を作ることができる。tebikiにはグーグルの音声認識APIと翻訳APIが組み込まれており、日本語音声のテキスト化とその日本語テキストの多言語への翻訳が可能だ。

動画はスマートフォンやタブレット端末で視聴できるほか、動画閲覧データを自動解析してどの従業員がどこまで習熟したかを可視化できるので、リアルタイムで教育の進捗管理も可能とのこと。

今回調達した資金は、主にチームの拡大に投下するとのこと。具体的には、開発、営業、カスタマーサクセス、マーケティング、コーポレートなどの全職種で人材を積極的に採用する計画だ。

同社の代表取締役を務める貴山 敬氏は、三菱商事に勤務していた時代に食品会社の工場長を務めていた経験があり、そのときの工場内での業務効率の問題点がtebikiの開発につながったという。業種によっては半数、3分の2以上が外国人労働者という現場が多い中、業務内容をその都度言葉で教えるのは限界があり、スタッフの理解度も深まらないという問題があったそうだ。

tebikiでは、作成した動画に○、×やブザー音など動画編集が簡単にでき、失敗例と成功例の動画を同時に見せることで、従業員の理解度が深まるとのこと。また音声だけを後から吹き替えることも可能なので、重要なポイントについては動画と音声で強調することもできる。

字幕の自動翻訳の精度について貴山氏は「Google翻訳を使っているため、内容によっては誤訳はありますが、実際の現場では動画と一緒に見るため精度はそれほど問題にはなっていません。むしろ正確性よりもメンテナンス性が重要」と説明する。同氏によると、2分程度の短尺の動画のほうが現場スタッフの理解度が高まるそうで、そうした短尺動画をシリーズにまとめて連続視聴できる機能も備えている。現場スタッフが動画を視聴したかどうかは、各人の自己申告に委ねているということだが「これまでのデータを見る限り、自己申告が正しいことが多く、逆にチェック機能を複雑することでUXの低下につながるほうがデメリット」とのこと。

現場向けの動画サービスとしてスタディストの「Teachme Biz」などが競合になると考えられる。貴山氏はこの点について「手順書ツールのTeachme Bizとはサービスの方向性が少し異なります。tebikiは動画編集に重点を置いており、動画をいかにわかりやすく見せるかという点にこだわっています」と語る。

さらに「実際のところ競合を意識する段階ではない」とも語る。というのも「各業界の現場のDXは非常に遅れており、スマートフォンやタブレット端末を使った動画教育の引き合いは非常に高く、国内の潜在需要をまだまだ掘り起こす段階にある。最大のライバルはWordとExcelで、この環境から現場を引き剥がしてDXを進めることが重要です」と貴山氏。なお現在の顧客は、既存顧客からの紹介や、ウェブ検索でtebikiの存在を知って使い始めた企業が多いとのこと。「現場でもDXの遅れは認識しており、解決するための方法を探している企業がとても多い」とのことだ。

tebikiは現在は、日本人が日本人や外国人のスタッフに作業手順を動画で教えるツールだが、今後は外国人が外国人スタッフに教えられるようにUI/UXの開発も進めたいとしている。日本企業は東南アジアなどに工場拠点を設けることも多いので、そういった企業との協力しながら海外進出も視野入れているようだ。

余談だが社名のピナクルズは、世界の国立公園好きの貴山氏が米国カリフォルニア州のピナクルズ国立公園から名付けたそうだ。

コワーキングスペースの「いいオフィス」が9900万円を調達、店舗開拓とブランディングを強化

コワーキングスペース事業の「いいオフィス」が9900万円を調達、店舗開拓とブランディングを強化

コワーキングスペース事業を展開するいいオフィスは9月15日、第三者割当増資として9900万円の資金調達を発表した。引受先は、Suprieve(スプリーブ)、森武司氏(Suprieve 代表取締役社長)。

調達した資金は、店舗開拓とブランディングの強化に用いる。また1000人以上の営業社員がいるSuprieveとの関係強化も目的のひとつとしており、関西における店舗数増・会員数増を実現するとしている。

2018年4月設立のいいオフィスは、コワーキングスペース「いいオフィス」を全国に展開。運営している国内・海外のコワーキングスペースを月額制でどこでも利用できるというサービスを提供している。
コワーキングスペース事業の「いいオフィス」が9900万円を調達、店舗開拓とブランディングを強化

現在は東京、横浜、埼玉、長野、広島、大阪、神戸、壱岐、フィリピン(セブ、マニラ)など、国内・海外含めて、2020年9月9日時点で178店舗運営しており、2020年度中に契約ベースで400店舗の展開を目指している。

Airtableが195億円を調達、新しいローコードおよび自動化機能も発表

スプレッドシートを中心にしたデータベースとノーコードプラットフォームのAirtable(エアテーブル)は、米国時間9月14日、1億8500万ドル(約195億4000万円)のシリーズDの資金調達を行った。この結果、調達後の評価額は25億8500万ドル(約2730億8000万円)となった。

Thrive Capitalがこのラウンドを主導し、既存の投資家であるBenchmark、Coatue、Caffeinated Capital、CRV、さらに新しい投資家D1 Capitalから追加の資金提供を受けた。これにより、現在20万社がそのサービスを利用していると主張するAirtableは、総額約3億5000万ドル(約369億7000万円)を調達したことになる。現在の顧客に含まれる企業としては、Netflix、HBO、CondéNast Entertainment、TIME、ロサンゼルス市、MITメディアラボ、IBMなどが挙げられる。

さらにAirtableは同時に、最大の機能アップデートもローンチする。これは、現在のノーコード機能を超えて、より多くのローコード機能を、新しい自動化機能(AirtableのためのIFTTTを想像して欲しい)やそのサービスのためのデータ管理ツールとともに、同社の全体的なプラットフォームビジョンの上にもたらす。

Airtableの創業者でCEOのHowie Liu (ハウ・リュー)氏が私に語ったように、2018年にシリーズCラウンド(未訳記事)調達を行って以来、多くの投資家たちが同社にアプローチしてきた。その理由の一部はもちろん、市場がローコード/ノーコード市場の将来的な可能性をはっきりと認識したからだ。

「このスペースは実在し、しかもその規模が極めて大きいという市場の認識が高まっているのだと思います」と彼は私に語った。「私たちは今回の資金を本当に必要としていたわけではありませんが、調達によってプラットフォーム、ビジョンを拡大するための積極的な投資を続けることが可能になりました。それこそ『新型コロナ?どうなるんだろうね?』と心配することなく、積極的に推進できるのです。不確実性はたくさんありますよね?そして、現在でも、来年の見通しについては依然として多くの不確実性があると思っています」。

同社は、カリフォルニアで最初の在宅命令が発令されてから数カ月後に、今回のラウンドを開始した。そしてほとんどの投資家にとって、これは純粋にデジタルなプロセスだった。

リュー氏は、この会社を長期に渡って育てていきたいという気持ちを常に表明していた。特に彼の最後の会社をアーリーステージの段階でSalesforce(セールスフォース)に売却した以降は、ずっとそうだった。それはおそらく、Airtableがより多額の資金を調達し続けていたにも関わらず、彼が創業者として会社に対する自分の持分を高く維持しようとしていることを意味しているのだろう。しかし、法的および構造的な管理よりも、投資家との調整が最も重要であると彼は主張する。

「私の見るところ、より重要なことは投資家たちとの間で、哲学の調整と期待の調整を行うことだと思っています」と彼はいう。「なにしろ私は、会社の将来についての法的権利または構造的な議論が押し寄せてくるような立場にはなりたくないのです。私にとってそれは、物事が行き詰まってどうにもならなくなった段階のようなものに感じられるのです。むしろ私は、テーブルを囲むすべての投資家たちに、法的発言の有無に関わらず、このビジネスで私たちが成し遂げようとすることに対して完全に一致してもらえるような、立場にいたいと思っています」。

新しい資金調達と同様に重要なのは、同社が同時にローンチするさまざまな新機能だ。これらのうち最も重要なのはAirtable Apps(エアテーブル・アプリ)だろう。これまでAirtableユーザーは、事前に準備されたブロックを使用して、地図、ガントチャート、その他の機能をテーブルに追加することができていた。もちろんノーコードサービスだったことは、間違いなくAirtableをユーザーたちが最初に使い始める役には立ったが、どうしても事前に構築された機能だけでは不十分な場合に突き当たってしまい、ユーザーがさらなるカスタムツール(リュー氏はこれをエスケープバルブと呼んでいる)を必要とする場面があった。だがAirtable Appsを使用することで、より洗練されたユーザーはJavaScript(ジャバスクリプト)で追加の機能を開発できるようになる。そして、もしそうすることを選んだ場合には、新しいAirtable Marketplace(エアテーブル・マーケットプレイス)の上で、他のユーザーとそれらの新機能を共有することもできる。

画像クレジット:Airtable

「エスケープバルブが必要な場合と不要な場合がありますが、そうしたエスケープバルブなしでも、これまでAirtableを使用する20万の組織を獲得することができました」と彼はいう。「しかし、Airtable自身で99%の用途で足りるものの、最後の1%で採用、不採用が決まるような場合には、さらに多くのユースケースを切り拓くことができると考えているのです。きっと役立ちます。そして、フルスタックアプリケーションをカスタムビルドアプリケーションとして構築するのではなく、そのエスケープバルブを使って必要なユースケースをAirtable上に1%の労力で作ることができるという点が、大きな違いなのです」。

画像クレジット:Airtable

その他の主要な新機能はAirtable Automations(エアテーブル・オートメーション)だ。これを使うことで、カスタム自動ワークフローを構築してレポートを生成したり、その他の反復的なステップを実行したりすることができる。その多くは、サービスのグラフィカルインターフェイスを介して行うことも、JavaScriptを使用して独自のカスタムフローやインテグレーションを行うこともできる。現時点でにおいてこの機能は無料で利用できるが、頻繁に実行されるようになると、これらの自動化フローのコストが問題になる可能性があることを考慮して、チームは将来的にこの機能に対して課金する方法を検討している。

最後の新機能はAirtable Sync(エアテーブル・シンク)だ。この機能を使うことで、チームは組織全体でより簡単にデータを共有できると同時に、誰が何にアクセスできるかを制御することができる。「目標は、Airtableでソフトウェアを構築した人たちが、そのソフトウェアを相互接続できるようにして、テーブルの異なるインスタンス間で、元となるテーブルの情報を共有できるようにすることです」とリュー氏は説明した。

画像クレジット:Airtable