社会人アマチュアeスポーツリーグ「AFTER 6 LEAGUE」設立、参加企業を8月募集

凸版印刷 サイバー・コミュニケーションズ AFTER 6 LEAGUE

凸版印刷とサイバー・コミュニケーションズ(CCI)は、社会人アマチュアeスポーツプレイヤー対象のリーグ「AFTER 6 LEAGUE」設立を発表した。2020年8月から参画企業を募集し、10月から運営を開始する。またAFTER 6 LEAGUEは一般社団法人日本eスポーツ連合と一般社団法人東京ヴェルディクラブ後援の元、運営される。

AFTER 6 LEAGUEは、企業によるeスポーツ活動の活性化、eスポーツをきっかけとした企業間交流の機会創出の実現を目的とするリーグ。「たたかう、つながる」をコンセプトに、eスポーツを通じ従来接点がなかった企業同士がぶつかり合い・闘うことで生まれる絆や、つながりの創出を支援するという。

凸版印刷 サイバー・コミュニケーションズ AFTER 6 LEAGUE

リーグ戦を実施するゲームタイトルは個人戦ではなく、チーム戦・団体戦のタイトルを採用することで、企業チーム内外の交流を促進。ライアットゲームズの人気オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」からリーグを順次開催する。

また2020年度内に登録企業数50社、年間約200試合、登録ゲームタイトル数6本を目指して活動を実施。国内におけるeスポーツ振興を目的とした普及・浸透活動を推進し、社会人スポーツのひとつの選択肢として、eスポーツが根付くことを目指す。

さらに、企業がeスポーツ活動を行う上で課題となっている練習環境の整備を同リーグが支援。練習場所として、ディスクシティエンタテインメントが展開するマンガ喫茶・インターネットカフェ「DiCE」を登録企業に提供。企業のeスポーツ活動の活性化をサポートする。

凸版印刷とCCIは、2019年から企業向けeスポーツイベント「eSPORTS TRINITY」を共同開催。ビジネスセミナーや企業交流会を実施し、130社を超える企業が集まったという。同イベント内では企業対抗戦も開催し、eスポーツを通じた参加企業同士のコミュニティ形成を図ってきた。

凸版印刷とCCIはこれら運営で得た知見を活かし、社会人アマチュアeスポーツリーグAFTER 6 LEAGUEを設立。eスポーツの活性化のみならず、企業間交流の機会創出を実現するという。さらに、オンラインでも実施可能なeスポーツの特性を活かし、アフターコロナ時代の「新しい生活様式」における、社会人アマチュアeスポーツプレイヤー同士の「競争」と「絆」の創出を支援する。

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eスポーツをオリンピック公式種目にすべき理由

編集部注:本稿を執筆したBrandon Byrne(ブランドン・バーン)氏は、コンテンツクリエイター、チーム、スポンサーをプログラム上で結び、拡張するテクノロジープラットフォーム、Opera Event(オペライベント)のCEO兼共同設立者である。Team Liquid(チームリキッド)のCFOと、Curse(カース)の財務担当VPを歴任している。

先日、ゲームウェブサイトPocket Gamer(ポケットゲーマー)で、eスポーツとオリンピックについて話し合うパネルディスカッションに出席した。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行によって中止されているオリンピックを含む、スポーツイベントの穴をeスポーツが埋めることはできるかという点が議題に上った。

多くのeスポーツに関するパネルディスカッションと同様に、その議論は興味深い会話から始まった。いつもと異なっていたのは、会話のきっかけが典型的な「eスポーツは従来のスポーツにいつ追いつくのか」という質問ではなく、「eスポーツはオリンピック種目として選ばれるほど主流な競技になれるか」という質問であったことだ。質問の内容は少し異なるが、心情は同じだ。オリンピックはテレビ放映されるスポーツの看板イベントであり、eスポーツ企業もその輪に仲間入りすることを望んでいる。

実のところ、米国におけるオリンピックの視聴率は長期間にわたって比較的安定して下がり続けている。唯一、視聴率トップ5を記録したオリンピックは1992年のソルトレイクシティ冬季大会にまでさかのぼる。そして、高視聴率を得たのは米国で開催されたためであると推測される。近年は全体的に視聴者数が減少し続けており、オリンピックにはかつてのような威厳はもはやない。

また、広告主からすると、オリンピックのオーディエンスは徐々に価値が下がり続けている。視聴者の平均年齢が急速に上昇していることがその理由であり、この傾向は従来からあるスポーツほぼ全般に見られる。

従来からあるスポーツの大半はeスポーツよりも視聴者の平均年齢が高いと聞いても驚く人はいないだろう。しかし、実際のデータは驚異的だ。過去10年ほどの間で、視聴者の平均年齢が下がったプロスポーツは1種目(女子テニス)のみである。しかし、年齢が下がったとはいえ、女子テニスの大会を自宅から観戦する人の平均年齢は55歳なのだ。

eスポーツ視聴者の平均年齢は26歳前後である。これをマーケターの視点から考えてみて欲しい。従来のスポーツは、若い視聴者が圧倒的に少ないのだ。

それで、若者はどこへ?

若者がスポーツを観戦しない傾向が加速している原因は、単にミレニアル世代やZ世代の関心が薄れているからだけではない。アクセスのしやすさも問題になっている。

国際オリンピック委員会(IOC)は近年、ほとんどの若者がコンテンツを視聴する方法であるストリーミングでオリンピックを放送するよう決断した。だが、オンラインで30分以上視聴を続けるためには、ケーブルテレビ会社のアカウントからログインする必要があった。そして、多くのミレニアル世代はケーブルテレビを契約していないのだ。

それに加えて、IOCはイベントを報道するメディアに対しGIFの使用を「禁止」するというばかげた決断を下した。この決断は、これまでにあらゆる運営団体が取り組もうとしたことの中でも、最も愚かなことの1つだと言っていいだろう。まず、そんなものがうまくいくはずがない。そしてより端的に言えば、IOCが過去20年間にわたるメディアの進化について、いかに実態を把握できていないかを物語っている。

しかしバレーボールや棒高跳びの権利を所有する企業が存在しないオリンピックとは違い、eスポーツ企業はどの企業も、ゲーム自体に関連するIPを所有している。つまり、試合、プログラム、ライセンス権利などの代表権について意思決定を行う際、これまではIOCが自由裁量権を享受してきたが、eスポーツの場合にはそうはいかないということを意味する。

最後に、IOCが「暴力的な」ゲームをオリンピック種目に追加することに難色を示しているという点も注目に値する。IOCにとっては、今あるスポーツの仮想競技版が好ましいだろう。だが、eスポーツを少しでも知っている者ならば、eスポーツがそのように機能しないことは分かっている。良いゲームでなければeスポーツのロイヤルティには昇格できない。誰もプレイしないゲームを見たいと思う者はいないだろう。

次に、視聴体験はわかりやすいものでなければならない。World of Warcraft Arena(ワールド・オブ・ウォークラフト・アリーナ)は多くのプレーヤーを魅了するゲームだが、このゲームに詳しくない場合は、画面上のアクションを解説する神がかった実況者がいなければ、何が起きているのかを把握するのはほぼ不可能だ。陸上競技をeスポーツにしても、視聴者がそれを見たがることは期待できない。

IOCの解決策

IOCはこの数年の間、「若者」のスポーツを採用することによって若者の視聴者数が低下する傾向を食い止めようとしている。ここ数年でオリンピック種目に選ばれたのは次の5種目だ。

  • スポーツクライミング
  • サーフィン
  • スケートボード
  • 空手
  • 野球/ソフトボール

野球/ソフトボールはさておき、スポーツクライミング競技がFortnite(フォートナイト)やLeague of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)に匹敵するほど若者からの関心を引き出せると考えているのであれば、世の中の動向を把握していないにも程があるのではないだろうか。率直に言って、「若者を呼び戻す」方法を見つけようとしている老人が考えそうなことに思える。

IOCの名誉のために言っておけば、eスポーツの専門家やゲームパブリッシャーとのパネルディスカッションや会議を設け始めている。だが、こうした話し合いから得られる契約はこれまでIOCが得ていたものとは大幅に異なるものになるだろう。私には、先はまだ長いように思える。

先に述べたパネルディスカッションで、私は、eスポーツがオリンピックを必要とするよりももっと、オリンピックはeスポーツを必要としていると主張した。メディア企業は、いつまでも従来のスポーツの放映権に過剰な金額を支払い続けるわけではない。ある時点で視聴者の中に広告のターゲット層に当てはまるグループがいないことに気付き、去っていくだろう。

eスポーツがオリンピックから唯一学べることは、オーディエンスをマネタイズする優れた方法だ。オリンピックはその点に長けているが、eスポーツは現状、不得手としている。Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)によるオーディエンスの規模とそのオーディエンスに基づくマネタイズを示すレポートでは、より世間に認知された同規模のスポーツリーグに比べて、eスポーツはマネタイズにおける指数が大幅に下回っていることを示している。eスポーツは、マネタイズの観点からは未熟であることは明らかだ。このチャートにはオリンピックが含まれていないが、オリンピックの指数はMLBのように、昨今の実態というよりも評判を売り物にして、eスポーツの指数をはるかに上回る結果になるだろう。

だが、IOCは行動を急ぐべきだ。eスポーツが優れたマネタイズ手法を理解するまでそう長い時間はかからない。そうなれば、メディアに強い影響力を持つeスポーツに、オリンピックが提供できるものはなくなる。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:コラム オリンピック

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(翻訳:Dragonfly)

Twitchは第2四半期に総視聴時間50億時間を突破し記録更新、先行きには不安材料も

Twitchは、コロナウイルスによるロックダウンの最中だった2020年第1四半期に、視聴記録を更新(gamesindustry.biz記事)していたが、第2四半期にはその記録とその他の記録をいくつか再び破ったようだ。

StreamlabsとStream Hatchetからの新しいレポートによれば、この第2四半期にTwitchは、総視聴時間を2020年第1四半期から62.7%と大幅に伸ばして50億時間に達した。

前年比で比べた場合、この数字は83.1%の増加であり、いまや67.6%の市場シェアを占めるTwitchがゲームストリーミングサービスのリーダーとしての地位を固めるのに役立っている。

またレポートによれば、Twitchは第2四半期に、ストリーミングされた時間数、ユニークなチャンネル数、平均同時視聴数の記録も更新した。

ストリーミングに関しては、Q1(第1四半期)の1億2140万時間からQ2(第2四半期)の1億9270万時間へと58.7%増加した。またユニークチャンネル数は、Q1の610万から、Q2では1000万近くへ63.9%増加した。また平均同時視聴数、つまりTwitchを同時に視聴している視聴者の数は前四半期から63.4%増加し、Q2では240万人に達した。

画像クレジット:StreamlabsとStream Hatchet

もちろん、第2四半期のヘッドラインニュースは、ゲームストリーミングサービスのMixerをシャットダウン(The Verge記事)する予定だというMicrosoft(マイクロソフト)からの発表だった。

Mixerは7月22日に終了し、マイクロソフトはFacebookと協力してユーザーに新しい場所を提供する。しかしこれは、Mixerユーザーの切り替えを保証するものではない。おそらくMixerの終了により、Twitchが現在よりもさらに多くの市場シェアを獲得できるようになる可能性があるだろう。

画像クレジット:StreamlabsとStream Hatchet

Mixerは間もなく終了するが、このQ2はこれまでで最高の四半期の1つだった。総視聴時間は1億600万時間に達し、これはQ1に比べると30.6%の増加だ。また、ラインアップのチャンネルを500万個以上に増やした。しかし、より広く市場の状況を眺めた場合、Mixerは大きな影響を与えることはできなかった。第2四半期までにわずか1.4%の市場シェアを確保することができただけだった。これは、実際には前の四半期から0.5ポイント以上低下した数値なのだ。

一方、YouTube Gaming Liveの総視聴時間はQ1からQ2にかけて39.6%増加し、15億時間に達した。この成長は、ある程度は、Jack “CouRage” Dunlop(ジャック・カレッジ・ダンロップ)氏とRachell “Valkyrae” Hofstetter(レイチェル・バルキリー・ホフスタッター)氏を含む最近のトップタレントの獲得と、CouRageの継続的な成功から生じていると報告書は述べている。

画像クレジット:StreamlabsとStream Hatchet

また、YouTube Gaming Liveは、第2四半期ではストリーミング時間数が19.1%増加して1690万時間に達し、ユニークチャンネル数はこの四半期に22.7%増加して110万になった。

Facebook Gamingが、もくろみどおりにMixerの終了の恩恵を受けるかどうかを知るにはまだ時期尚早だ。しかし、Facebook Gamingの総視聴時間はこの四半期に48.5%伸びて8億2200万時間となった。ストリーム時間は610万時間、そしてユニークチャンネル数は20万3554に達した。しかし、Facebookはいまだに市場の11%のシェアしか握っておらず、Q1以来それは変わっていないとレポートは伝えている。

画像クレジット:StreamlabsとStream Hatchet

コロナウイルスが大流行している中、自宅で楽しむ方法を求める消費者が増えていることから、Twitchや程度は低いにせよ他のゲームストリーミングサービスも、明らかに利用が増えてはいるものの、今年はTwitchにとって順風満帆とは言えない状況だった。

Twitchが堅牢な検索ツールや一括削除機能を提供していなかったために、新しくRIAA(米国レコード協会)から取り下げ通知を大量に受けたTwitchのストリーマー(The Verge記事)は、何百時間もの過去の映像を苦心して掘り返して侵害コンテンツを見つけなければならないという事態に陥った。

しかし、さらに懸念されているのはTwitchが 虐待や嫌がらせ(NewYork Times記事)からコミュニティメンバーを適切に保護できなかったこと、大人のストリーマーから子供への略奪的行動を防げなかったことなどの問題で非難されている(The Verge記事)ことだ。6月には、ゲーム業界の70人を超える人々が、性別に基づく差別、嫌がらせ、性的強要に関する申し立てを提起した。Twitchは改善することを誓ったが、初期段階でコミュニティーに対して適切な反応を返すことに失敗したことは、この先足を引っ張りかねない。

これまでのところ、これらの問題はTwitchの成長を視聴率や市場シェアの観点からは弱めてはいないが、収益を生み出すビジネスとしての将来性を損なう可能性がある。すでにTwitchは、広告収入を生み出すのに苦労(The Infoemation記事)しており、コミュニティをな特区させることに失敗した場合には、事態はさらに悪化するだけだ。

現代のマーケティング担当者たちは、自分たちのメッセージが差別的な発言やその他の対立的で有毒なコンテンツの横に配置されることへの懸念をますます強めている。現在進行中の、Facebookへの広告ボイコットは拡大し、現在400以上の広告主が含まれている。たとえばユニリーバ、コカコーラ、ファイザーなどの大手企業がFacebookのソーシャルネットワークへの広告費を見合わせている。こうした広告主たちは、性的虐待を制御できないゲームストリーミングサイトで、自社の製品やサービスを売り込む機会に飛びつくことはないだろう。

StreamlabsとStream Hatchetの完全なレポートはこちらから。

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(翻訳:sako)

ビデオゲームにおける人種的偏見に立ち向かう

黒人系アメリカ人に対する警察の暴力と系統的な人種差別に対する米国全域での抗議は、Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)、Epic Games(エピックゲームズ)、Sony Interactive Entertainment/PlayStation(ソニー・インタラクティブエンタテインメント/プレイステーション)などのゲーム会社が、サポート声明を発表し関連する擁護団体に寄付をするきっかけとなった。

これらは前向きな動きではあるものの、ゲーム会社ができる最も影響力ある取り組みは、内部で実際に行動を起こすということである。人種的偏見はゲームを開発する人々によって通常無意識的にゲームに組み込まれている。その結果、偏見に満ちた黒人やラテン系のキャラクターが繰り返し使用されたり、その逆にこれらの人種のキャラクターが全く存在しなかったりと、不健全で屈辱的な事態が起きている。

世界には25億人のゲーマーが存在し、このグループにはあらゆる人種と年齢の消費者が含まれている。特にモバイルゲームは最大の市場セグメントである。ニュースサイトのQuartzによると「米国における6歳から29歳までのビデオゲームプレーヤーの57%が、今後10年未満で有色人種になる」とのことだ。モバイルゲームとコンソールゲームの両方において、米国の黒人とラテン系の若者は白人の若者よりも平均して多くの時間をゲームに費やしている。同業界の急速な成長を特に牽引しているこのような層がいる中、世界中の数十億人のゲーマーのために用意されたゲームの中に、彼らのような人種が主要キャラクターとなっているゲームはほとんど用意されていない。これは、絶好のビジネスチャンスを逃しているということにもなる。

「こういった話は人々が思うほどニッチなものではありません。マーベル・スタジオ製作の映画、ブラックパンサーが良い例です」とBrass Lion Entertainment(ブラスライオン・エンターテイメント)の共同創設者兼最高クリエイティブ責任者のRashad Redic(ラシァド・レディック)氏は説明する。「コンテンツが面白いか否かのみが重要なのです。」

キャラクターの肌の色を超えて、ゲーム開発には不公平性や誤りにつながる微妙な側面がある。著者がこの記事のためにインタビューしたゲーム会社の幹部とリサーチャーにおける一貫した見解は、主要なゲーム会社の従業員の多様性の欠如であり、その結果、上層部がこの問題に対して無関心のままであるという点である。

こういった単純な批判の提起がいつも歓迎されるわけではない。例えばゲーム業界のジャーナリスト、Gita Jackson(ジータ・ジャクソン)氏はゲーム内のキャラクターの人種について言及するたびに彼女が受ける批判について説明している。「有色人種の女性キャラクターがゲームにもっと登場したら良いと思います。これは物議を醸す発言とみなされるべきではありませんし、私は自分が良いと思ったことを述べ、自分に関わることを発言しただけなのです。しかし読者は、私がまるで足の小指を切断するべきだと提案したかのような反応を見せるのです」。

キャラクターの描写

ゲームの人種的描写に関する最も広範な研究の1つとして、150の人気タイトルを分析した2009年の研究が挙げられる。全体における黒人のキャラクターは10.7%と、アメリカ人の12.3%が黒人であるという当時最新の国勢調査データとほぼ比例した結果に。一方でわずか2.7%がラテン系(米国の人口の12.5%に相当)となっていた。しかし南カリフォルニア大学の教授であり、この研究の筆頭著者でもあるDmitri Williams(ディミトリー・ウィリアムズ)氏によると、主人公だけを見ると黒人の描写率はさらに低くなり、いずれの場合も「黒人キャラクターが登場するのは、ほとんどの場合スポーツゲームのアスリートとしてである」とのことだ。

イリノイ大学シカゴ校の教授であるKishonna Gray(キショナ・グレイ)氏は、ゲームに登場する黒人キャラクターの数を追跡するだけでは、それらがどのように表現されているかという点を見落としていると強調。「歴史的に映画の世界では、黒人の登場人物は3つの役割を果たしてきました。暴力的な黒人、相棒としての黒人、助っ人としての黒人です。ビデオゲームの世界でも同様のことが起きています。」

さらに「スポーツゲームに関しては、現実の世界の実際の選手をそのまま登場させているだけなので、これらの分析から削除する必要がある」とグレイ氏。ほとんどのゲームスタジオにおいて、クリエイティブなプロセスから黒人キャラクターが誕生する確率がどれほどまでに低いかを示す統計が、スポーツゲームによって包み隠されていると述べている。

どのようなメディアにおいても、特定の人種が起用されることによってその人種に対する現実の世界での消費者の認識が大きな影響を受けることとなる。少なくとも1つの学術研究によると、白人の参加者らが黒人キャラクターとして暴力的なビデオゲームをプレイした後の方が、白人キャラクターとしてプレイした後よりも、黒人の顔を否定的な言葉に関連付ける可能性が高いことが分かっている。

ファンタジーの世界をゲームで体験するためには、白人キャラクターとして体験するしか選択肢がないとなると、こういったファンタジーの世界が有色人種のためにデザインされたものではないということが多くのゲーマーに内面化されてしまう。「ゲームの世界では何でも可能なのです」とグレイ氏は業界に対する彼女の情熱を込めて続ける。「しかし、何でも可能なのは白人のキャラクターのみで、黒人がゲームに追加されると、現実の内容に基づいたものにしかなりません…。黒人がドラゴンに乗ることができないのは何故なのでしょうか?」

ゲーム開発者の人種層

ゲーム内のさまざまな人種の存在比率がゲーム開発コミュニティの人種的構成と相関していることがデータによって明らかになっている。ウィリアムズ氏によると「ほぼ同じ割合になっています」とのことだ。

国際ゲーム開発者協会(IGDA)の2019年版年次調査によると、世界中のゲーム開発者の:

  • 81%が白人/ヨーロッパ系と認識している
  • 7%がヒスパニック/ラテン系と認識している
  • 2%が黒人/アフリカ系アメリカ人/アフリカ人/アフリカ系カリブ人と認識している

「人々は自身の経験からインスピレーションを得ています」とグレイ氏は説明する。「そのため描写に問題が生じるのです。」レディック氏はBethesda(ベセスダ・ソフトワークス)やCrytek(クライテック)などのトップゲーム会社での経験を含むキャリアの中で、同氏がほとんどの場合「企業にいる何百人ものゲーム開発者の中で唯一、または非常に少数の黒人」であったと伝えている。

非営利団体I Need Diverse Games(アイニードダイバースゲームズ)の創設者であるTanya DePass(ターニャ・デパス)氏は、コンテンツの多様性を改善したいと望む企業にとって「最も重要なことは職員の多様性、そして管理職レベルのリーダーたちの多様性」だと指摘する。さらに、ゲームスタジオの開発計画をレビューし、特定の民族グループを偏見的な見方で描いたコンテンツに対してフィードバックを提供できる外部の専門家を雇うことが賢明であると述べている。「発売の1か月前ではなく、始めからダイバーシティコンサルタントを雇い、それを真剣にとらえるべきです。」

「Pokémon GO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」を手がけるスタジオNiantic(ナイアンティック)は、コンサルタントを起用している唯一の企業である。同社のダイバーシティ&インクルージョン部門長のTrinidad Hermida(トリニダード・エルミダ)氏によると、同社はまた「ゲームのコンセプト、プリプロダクション、ポストプロダクション段階におけるダイバーシティ&インクルージョンチェック」も実施しているとのことだ。「このチェックではキャラクターデザインから、作品に取り組んでいる社内チームの多様性まで、あらゆる項目を網羅しています。弊社が発表するすべての新ゲームはこのプロセスを経なければなりません。」

善良な意図、遅い進歩

IGDAが2019年に実施した調査でも、ゲーム開発者の87%がゲームコンテンツの多様性は「非常に重要」または「やや重要」であると回答している。ゲーム開発者は抽象的な方法ではなく、実際に出来上がるゲームに直接的に多様性を反映させることができるため、描写の改善の観点からするとこの回答は前向きなものである。

ゲームコミュニティの人口構成が多様化するペースと比較すると、進歩のスピードは非常に遅れているものの、人気ゲーム全体における黒人やラテン系のキャラクターの数は確かに増加し続けている。これは、Moby Games(モビー・ゲームズ)が発表している2017年までの黒人キャラクターリストや、ウィキペディアにある黒人のビデオゲームキャラクターリストなどで確認することができる。

あらゆる見た目のアバターにカスタムできるというオプションをユーザーに提供することで、さまざまな人種のゲーマーに安心感を与え、ゲームに愛着を持ってもらえるようになる。このオプションはより一般的になってきているものの、黒人のアバターはそれでも限られている。例えば自然なヘアスタイルを選択できないことなどが挙げられる。デパス氏によると「ゲーマーが自分自身のアバターを作りたいと感じる場合もあるということをゲーム開発者たちは忘れがちです」。忘れていない場合でも、多様性に欠けた制作チームの性質のせいでありがちな過ちを犯すと言う。例えば「黒人のヘアスタイルの選択肢があったとしてもブレイズの間が5インチほどあいていたり、アフロヘアがたわしのようになっていたりと、最悪な見た目です。彼らは黒人に会った事や、黒人のヘアスタイルの写真を見た事がないのでしょうか?」とデパス氏。

ネットいじめ

ネットいじめはゲーム、特にMMOにおいて大きな問題となっている。女性や黒人、ラテン系ゲーマーが特にいじめの標的にされており、しばしば中傷的で人種差別的なジョークが用いられているという事実を、この問題に打ち勝つためにゲーム会社は認識すべきである。

開発者ができるわずかながらも重要なステップとして、他のユーザーに対して苦情をつける際の理由として人種差別的な行動であるという選択肢を選べるようにするべきだとグレイ氏は説明する。多くのゲームではすでに性差別に関する苦情を知らせる機能があるものの、人種差別に関する同様のオプションがないため、ゲームスタジオはプラットフォームで人種差別が発生する頻度について分からないままとなっている。問題に関するデータを収集することで、その問題をより詳細に測定し、それに対処するためのより効果的なアクションを実行できるようになる。

見過ごされた市場への取り組み

デパス氏が我々との通話中に述べたとおり「黒人のゲームクリエイターは少ないものの、黒人のゲーム購入者は大勢いる。」見過ごされがちなゲーマーコミュニティのセグメントを魅了するコンテンツの制作は、大きなビジネスチャンスと言えるだろう。

黒人やラテン系のキャラクターを中心とした物語のゲームを制作することが魅力的なビジネスチャンスにつながるのであれば、なぜそれがすでに採用されていないのか?HBOのドラマ「Insecure」のIPを利用してモバイルゲームを開発するGlow Up Games(グローアップゲームズ)のCEO、Mitu Khandaker(ミツ・カンダカー)氏によると、実績をもつゲーム会社のリーダーたちは「誰がゲーマーであり、誰がそうでないかという勝手な感覚を持っています。非常に古風な考え方です。」とのことだ。

同様に、このアイデアと共に起業家が自身のスタジオを創設しても、彼らの主要な資金源(パブリッシャーやベンチャーキャピタリスト)のチームが多様性に欠けた人種構成であるため、こういったゲームがニッチなものとして見なされてしまうとカンダカー氏は説明する。

その結果、黒人やラテン系ゲーマーに向けたゲーム制作に注力するゲーム開発者らは、AAAタイトルを開発するための資金や業界での信頼性が欠け、インディーゲームという領域に追いやられてしまう。

ゲーム業界に入り、業界で主導的な役割を担う黒人のソフトウェアエンジニアの人数は極端に少なく、これには多くの社会的原因がある。幼稚園から高校までの質の高いSTEM教育へのアクセスの欠如、歴史的黒人大学の学位を正しく評価しない雇用主白人らしい名前を持つ個人の方がはるかに多くの面接機会を与えられるという事実などが原因として挙げられる。

カンダカー氏は、黒人の起用やロールモデルの欠如は、ゲーム業界を目指している黒人エンジニアにとってこの分野を避ける原因となってしまい、また業界に入ったとしても不満を抱えてしまうことになると指摘する。

責任を持った行動

我々との最近の電話でウィリアムズ氏は、ゲームエグゼクティブ向けのDICEカンファレンスで、ゲームにおける人種的偏見についてパネルで話し合った際の事を話してくれた。「前セッションと私のパネルの間の数分間で、オーディエンスの約90%が席を立ちました」。

私がこの記事のためにインタビューした人々が繰り返し訴えた言葉は、問題は悪意を持ったゲームエグゼクティブではなく、多様性に関する問題を個人的に時間を割くべきものとしてとらえていない無関心さであるというものだ。カンファレンスでもそれ以外でも、多様性に関する議論は政治的正しさを目的としたトピックとして扱われることが多く、解決しなければならない差し迫ったビジネスの問題として扱われていないのが現状だ。

現在ニュースを賑わせている話題が、企業のこの姿勢や業界の流れを変えるための活性剤となっているのであれば、彼らが取るべき最も影響力のある行動は、PR的な行動ではなく、多様性を取り入れた製品開発に実際に取り組むという事である。

関連記事:VC業界のダイバーシティ推進は不況に負けてしまうのか

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:差別 コラム

Image Credits: Igor Karimov / Unsplash

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(翻訳:Dragonfly)

「あつ森」は7月3日のアップデートで海に潜れるようになる

新型コロナウイルスのパンデミックで家に籠もっているときに頭を正常に保つには、楽しくて病みつきになる任天堂の「あつまれどうぶつの森」をプレイするのが一番と考える人々が大勢いる。このゲームのファンにビッグニュースだ。

Nintendo Switch最大のヒットゲームにメジャーアップデートがやってくるのだ。プレイヤーはもうすぐ島の回りの海を探索できるようになる。おっと、海賊の名前は「ガリバー」だそうだ。

「あつ森」の無料アップデートは日本時間7月3日午前10時に配信開始だ。(北半球では)夏のアップデートは2つ予定されているが、その1つ目となる。 このアップデートでプレイヤーは海で泳いだり、潜ったりしてイソギンチャク、ヒトデ、ウツボその他の海の生き物を集め、水族館に寄付することができる。 2回目のアップデートの内容はまだミステリーだが、8月上旬にリリースされるという。

AnimalCrossing: New Horizons(あつまれどうぶつの森):無料の夏のアップデートのお知らせ。第一波は7月3日だ!マリンスーツを着て海に飛び込めるぞ。新しいキャラも登場する。第二波は8月上旬の予定。

アップデートには、ラッコによく似たPascal(ラコスケ)が登場し、ホタテを与えると新しいレシピを教えてくれるらしい。「あつ森」シリーズをプレイしたことがあればおなじみの謎キャラで、一人で門のそばに佇んでおり、何やら哲学的なことを言ってから海の中に飛び込んで去る。

果物を集める、雑草を引き抜く、木を揺すって素敵なリビングルーム用家具を見つけるといったおなじみのサイクルを繰り返すゲームなので、今回海で泳いだりダイビングできたりするというのはかなり大きなアップデートだ。パンデミックが始まってから「あつ森」を熱心にプレイしてもうやることがなくなってきたプレイヤーにとって、このアップデートは大歓迎だろう。

任天堂が今回のアップデートの他に何を用意しているのか興味あるところだろう。「あつ森」は、リリース後にアップデートされ、多様なコンテンツがダウンロードできることが事前に計画されていることが明らかなタイトルだからだ。私の場合、パートナーがSwitchのコントローラーの1つを誤って壊してしまい、3週間もプレイできないので8月上旬にアップデートがあるというのは好都合だ。何事もなかったようにさりげなく村を散歩するいい機会になりそうだ。コントローラーは入荷待ちだという。私はコントローラーを壊されたことを別に恨んでいません。いやホント。

画像:Nintendo

【Japan編集部追記】下は記事内ビデオの日本版

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ソニーがPS4のバグ発見に500万円超の賞金を出すと発表

他人のPS4をレンガも同様に動かなくする方法や実行されるべきでないコードを実行させる方法などのハッキングを発見したら急いでソニーに知らせるといい。ソニーが開催しているチャレンジの賞金を受け取れる。

5月24日、ソニーは「バグ賞金かせぎ」(Bug Bounty Program)プログラムをスタートさせたことを発表した。PlayStation 4、オンラインのPlayStation Networkに影響を与えるバグや悪用可能な欠陥が新たに発見された場合、賞金が支払われる。

ソニーは、対象となるバグの種類について明確に示している。「PlayStation 4の現行版またはベータ版でシステム、OS、アクセサリに影響するか、PlayStation Networkドメインないし APIのいずれかに影響する」可能性のあるものだ。ソニー社員に対するソーシャルエンジニアリングやサーバーに対するDDoS攻撃のような戦術は対象とならない。

PlayStation Networkで発見されたバグは通常100ドル(約1万円)から3000ドル(約32万円)、または深刻度に応じてそれ以上が支払われる。一方PS4専用機に関連して発見された重大なバグには5万ドル(約535万円)以上の賞金が用意されている。対象範囲など正確な情報はこのチャレンジに協力しているHackerOneのページを参照してほしい。なお、PS4がターゲットだという点に注意されたい。古いPS2を壊す方法を発見するのもクールだが、それにはソニーは賞金を払わない。

「バグ賞金かせぎ」を発表したブログ記事でソニーは「従来、この種のプログラムは特に広報を行わず、少数の専門家向けに実施してきた。しかし今回はスキルと関心があるるすべての人々が参加できるようにした」と述べている。HackerOneのこのプログラムに関するページによれば、ソニーはこれまでにバグの発見者に17万ドル(約1820万円)を支払っているという。賞金の1件あたり平均額は4万3000ドル(約460万円)程度だという。

マイクロソフトも今年初めにXbox Live向けに同様のバグ発見に賞金を出すプログラムを実施している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

サブスク型ゲームカタログアプリGameClubがAndroidにも登場

Apple ArcadeGoogle Play Passのような新たなサービスは、モバイルゲームコンテンツにサブスクベースでアクセスできるというスタイルがとられている。昨秋、GameClub(ゲームクラブ)というスタートアップもこの分野に参入した。超ヒットとなったモバイルゲームを新たな収入源とするアイデアを試すためだ。GameClubの月5ドル(約530円)のサブスクサービスはiOSで始まった。これまでに計1億回のダウンロードがあった100超のタイトルを利用できる。そして米国6月18日、Androidでも利用できるようになった。提供するタイトルは現在120を超える。

GameClubのAndroidでの展開は、ゲーム業界が無料でプレイできるF2Pモデルに大きくシフトし、ユーザーがコンテンツに最初からお金を払いたがらくなっている中でのものだ。こうした傾向により、多くのジャンルのゲームがアプリストアからの脱落を余儀なくされている。GameClubのゲームのセレクションに目新しさはなく、アプリ内購入や広告で収益を上げるタイプでもない。

GameClubの共同創業者でCEOのDan Sherman(ダン・シャーマン)氏はサービス開始当時、F2Pモデルは一握りのジャンルでのみうまくいき、アクションやアドベンチャー、アーケード、タワーディフェンスなどの復活を試みている多くのジャンルではそうでないと説明した。基本的にGameClubは永久に続くようにつくられているゲームではなく完結型のゲームを提供する。

Apple ArcadeやGoogle Play Passの仕組みと同様に、GameClubユーザーは全てのゲームにアクセスするために購読料を払う。1つの購読で最大12人がiOS、そしてAndroidの端末でゲームを楽しめる。オンラインとオフラインの両方に対応し、アプリ内購入や広告は一切ない。

iOSでは計87のゲームができるようになり、Androidでは立ち上げにあたってまずは40のゲームが用意された。しかし同社はさらにゲームをリリースし、AndroidもiOSと同じ数になる見込みだ。新しいゲームは毎週追加される。

「サブスクは健全で、さほど高価でないゲームの楽しみ方だ。うっとうしい広告やルートボックスもない」とシャーマン氏は話した。「GameClubはiOSとAndroidの全ゲーマーにこうしたメリットを提供できる唯一のサービスだ。お手頃価格で、スキルベースのエンターテイメントをほぼ全てのスマホとタブレットを通じてあらゆる場所のゲーマーに届けるべく、サービスを拡大する」と付け加えた。

GameClubのカタログはモバイルゲーミングサイトTouchArcadeの前編集主任、Eli Hodapp(エリ・ホダップ)氏が引き続き監督する。GameClubを代表するタイトルとしては、Breach & Clear、Paint it Back、Spider: Rite of the Shrouded Moon、Legendary Wars、Monster Wars、Flick Fishing、Pocket RPG、Cursed Treasure 2などがある。

これらのタイトルは契約を結んだ後にGameClubによって単に再配信されているだけではない。GameClubのデベロッパーチームはゲームが新しく感じられるよう、たとえば最新のスクリーンサイズや解像度に最適化することでアプリのオリジナルコードをアップデートしている。

AppleはiOSアプリが他のアプリを販売するのを禁じているが、GameClubはiOS上での展開が許されてきた。というのも、GameClubハブは自前のアプリストアではないからだ。その代わり、iOSユーザーは個々のGameClubゲームを直接App Storeからダウンロードしなければならない。

ただ、Appleの承認を得るのは簡単ではなかった。GameClubが言うには、立ち上げ前にアプリは127回もAppleに却下され、同社のデベロッパーアカウントは1カ月間調査を受けた。この間、AppleはGameClubの申請のレビューを停止した。

その後、調査は何の説明もなく終わった、とシャーマン氏は述べた。GameClubのレビュープロセスはApple Arcadeがリリースされた後に簡単になった、とも指摘する。しかしGameClubはこれまでにApp Storeで特集されたことはなく、おそらくこれはGameClubの性質がApple Arcadeと競合するものであるためだとシャーマン氏は考えている。

GameClubは購読者数や売上高についての情報を明らかにするのは却下した。

「我々はそうした数字は公開しない。しかしiOSアプリが昨秋リリースされて以来、あらゆるアスペクトで前年比で毎月2桁成長している」とシャーマン氏はTechCrunchに語った。「モバイルゲーミングのコミュニティの大部分は真にプレミアムなゲーム体験を求めていて、GameClubはそうした人々が探しているプレイスタイルを提供している。また、GameClubでは邪魔な広告やユーザーを食い物にするアプリ内課金、そのほか近代のモバイルゲーミングに付き物となっている煩わしいものが一切ない」と述べた。

Androidアプリの開始で、GameClubのライブラリー上では、まだプラットフォームで提供されていない12以上のベストセラーゲームが特集されている。そのうちのいくつかは初めてAndroidで提供される。Flick FishingPuzzlejuiceSwap This!Zombie Match DefenseORC: VengeanceHackycatRaid LeaderWizard Golf RPGCubed Rally RacerReturn of the Zombie KingPotatoman Seeks the Troofなどだ。リスト一覧はここでチェックできる。 

GameClubのAndroidアプリはiOSに加え、Google Playでも入手できる。 

画像クレジット: GameClub

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(翻訳:Mizoguchi

Twitchの無料ブロードキャストソフトのMac版ベータが登場

昨年11月にTwitchは、Twitch Studioのベータをローンチした。それは、無料の簡単なブロードキャストアプリで、このサービスの上で自分もストリーミングをやってみたいと思っているユーザーにとっての、第一歩だった。

最初はPCだけだったが米国時間6月17日、同社はそのベータをMacのユーザーに向けてリリースした。Twitchは、オーディエンスをあまり選り好みしない。Mac向けベータリリースのFAQには「新しいユーザーにサービスを提供するだけで十分であり、今使っているブロードキャストアプリ等に満足している人を転向させる意図はない」と記載されている。しかし、初めてストリーミングをやる人にはTwitchがその初歩を教えてくれるだろう。

このアプリは、初めてストリーミングをする人がその初日から必要とする機能を、どれも簡単に呼び出せる。具体的には、1つの統合化されたビューの中でmチャットのモニタリングや新しい登録者、フォロワーのアクティビティのフィード、ストリームのレイアウトのコントロールなどが可能だ。

同社によると、MacバージョンはPCバージョンほど機能が豊富でなく、「Macではできないこともある」という。例えば、今映っているゲームは直接キャプチャできない。そのためには全画面のキャプチャをTwitch Studioに許可しなければならない。少し面倒だが、でも見る人にとって結果はほぼ同じだ。

Brawl Starsなどのモバイルゲームのプレイ画面をストリーミングする場合は、MacバージョンでiOSデバイスからのフィードをUSB接続でキャプチャできる。

Brawl Starsやほかのモバイルゲームをプレイしている人向けに、Twitch StudioのMac版ではiOSデバイスからのフィードをUSB経由でキャプチャすることもできる。

画像クレジット: Twitch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

経済先行き不透明でも米国のゲーム売上は絶好調、5月は前年比57%増

ゲームの売上高は5月も力強い伸びを見せた。NPDが発表した最近のデータで明らかになった。ソフトウェア、ハードウェア、アクセサリー、ゲームカードなどに、米国人は9億7700万ドル(約1049億円)を費やした。これは昨年同月比57%増で、世界金融危機による不況の影響が出始めていた2008年以来最高となる。

ここ数カ月、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で米国が苦しんできたことを考えると、この力強い伸びは驚異的だ。6月8日の週、米国の新規失業者は150万人(CBS記事)で、新型コロナウイルスによるロックダウンが始まってからの累計失業者数は4420万人だ。必要不可欠ではないものを扱っている店の売上は大打撃を受けているなかで、ゲーム業界は繁盛している。

人々は家にこもり、他人との接触を避けることを余儀なくされ、どのような種類の可処分所得を得ているのかを問わず、米国人が金を使っているのはゲームであることは明らかだ。ゲームへの支出増はここ数カ月続いていて、Microsoft(マイクロソフト)とソニーが次世代コンソールで人々を引きつけた後も続くはずだ。どちらのコンソールも今年末までに発売される予定だ。

これはおそらく、ハードウェア不足にもかかわらず、任天堂がSwitchでコンソール販売を独占し続けてきた理由の1つだろう。「どうぶつの森」シリーズは、ソーシャルファーストのゲームプレイを通じて大勢を引きつけたオンライン熱により、一番売れているコンソール向けタイトルだった(全体では3位)。Call of Duty: Modern Warfareが1位、Grand Theft Auto Vが2位で、いずれもPlayStation 4とXbox Oneで楽しめる。

画像クレジット: Christian Petersen / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

【速報】ついにPlayStation 5の全貌が明らかになったぞ

今日、米国時間6月11日に行われたPlayStation 5のイベントは、 ゲームがすべてだった。年末までに本体が発売されるシステムとしては一般に良い兆候である。しかし、1時間以上にわたる本物のPS5のゲームプレーのキャプチャー動画のあと、ソニーにはひとつ大切な隠し玉があった。コンソール本体だ。1月のCESでの発表以来、われわれはこのハードウェアについてほとんど見ることがなく、先月の新型コントローラー「デュアルセンス」の紹介くらいしか情報はなかった。.

米国時間6月11日、ソニーはついにPS5タワーの全貌を披露した。そして私は、その姿が非常に優美であることを認めざるを得ない。みんなが期待したよりもルーターに近い外観だったXbox Series Xと比べるとなおさらだ。マルチカラーのオプションが提供される可能性が高いが、先月紹介されたコントローラーと同じホワイトにブラックトリムのカラースキームのバージョンでも十分魅力的だ。


ただ、いくつか鋭角の部分がみられることから、システムを水平に配置するのは困難かもしれない。背面は黒く塗られかなり大きな冷却通気孔が見える。上の画像にあるように、システムにはバージョンが2つある。左がスタンダードなPS5、右がDigital Editionで、ディスクドライブが省略されている。どうやらソニーは物理媒体を捨て切られないようだ。Microsoft Xboxのデジタルバージョン同様、スタンダードモデルの廉価版として位置づけられる可能性が高い。筐体もかなり薄く見える。

スペックに関しては、AMD Zen2 CPUとAMD RDNA 2ベースGPUの組み合わせに、16 GBのRAMと825 GBのSSDを搭載しているようだが、2つのモデルに違いがあるかどうかについて言及はない。別売りのアクセサリーには、HDカメラと揃いのPulse 3D ヘッドホンがあり、Sonyが長年推している3Dオーディオを採用している。ホリデーシーズンの発売までにはまだまだ多くの詳細情報が出てくるはずだ。

関連記事:【速報】今日発表のPS5新作ゲームタイトルを一挙紹介:グランツーリスモ、デモンズソウル、バイオなど

Category:ゲーム / eSports

Tag:PlayStation ソニー

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

【速報】PS5の新作ゲームタイトルが発表:グランツーリスモ、スパイダーマン新作など

CESでPlayStation 5のホリデーシーズン発売を発表してから数カ月後、Sony(ソニー)はこの次世代ゲーム・コンソールのラインナップをゲーマーたちに披露した。当初は先週に予定されていたが全国的な抗議運動のために延期されたこのイベントは、MicrosoftのXbox Series Xの同様のイベントから一ヶ月後に行われた。

イベントは通常のE3プレゼンテーションとほとんど同じだったが、COVID-19(新型コロナウイルス)たのためにいつものライブ要素はなかった。正直なところ、昨年Sonyが行ったほぼゲームプレイに特化した地味なイベントよりもよかった。実際、同社によるとショウの最初に流れたGrand Theft Auto V再リリース版のトレーラー以外、すべてはPS5から直接キャプチャーされたものだった。これもまた、いつもの誤解を招くトレーラーの連打から歓迎すべき変化だ。

 

GTA Vがショウの幕開けを飾った。Playstationの発売25周年と同機の全バージョンに人気のRockstarシリーズが載せられてきたことを意識したものだ。アップグレードバージョンの V は、新たなゲームプレイとともに2021年に公開される。さらにエキサイティングなのがSpider-Verse starだ。このタイトルは2020年中に発売される新型コンソールと同時リリースされる。

更新中…


関連記事:PlayStation 5は5GB/秒超で容量825GBのSSD搭載、GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャ

Category:ゲーム / eSports

Tag:Playstation

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(翻訳:Takahashi, Mizoguchi)

ソニーのPS5用ゲームタイトル発表イベントは6月12日早朝にライブ配信で

先週、延期が発表されたソニーのPlayStation 5イベントの新たな開催日程が正式に決定された。PlayStationの公式アカウントからのツイートによると、イベントは日本時間6月12日金曜日の午前5時からTwitchとYouTubeでライブ配信される。

6月11日(木)午後1時(太平洋標準時)にお会いしましょう。ゲームの未来は#PS5

このイベントは当初6月4日の予定だったが、先週、米国に広がった警察の暴力に対する抗議運動の影響で延期されていた。PS5向け新作ゲームタイトルの発表を中心とした派手なイベントになるはずだったが、ソニーは時期がふさわしくないと考えた。延期を発表したソニーのツイートには「世界中のゲーマーがPS5ゲームに大きな期待を寄せていることは知っているが、今はお祝いにはふさわしくない。当面、立ち止まっていっそう重要な声に耳を傾けるべきだときだと感じている」とあった。

ソニーの次世代ゲームプラットフォームとなるPS5について、同社はすでにさまざまな情報を発信している。 しかし年末に予定されているPS5の販売開始と同時にリリースされるタイトルについての情報は乏しかった。ソニーとMicrosoft(マイクロソフト)はクリスマス商戦に新しいゲーム専用機を投入することを決めており、両社は真っ向から激突する。マイクロソフトが有力スタジオの買収でゲーム戦略を強化する中、ソニーが新しいゲームタイトルで優位性を維持できるかどうかに注目が集まっている。

ソニーの説明によれば、このイベントは約1時間の予定で「次世代ゲームに何が用意されているのか」をデモすることになる。

TechCrunchもイベントをカバーして何が発表されたか詳しくレポートする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

本物の駒が動くロボットチェス盤のSquare Offがリモート対戦に対応

物理的に存在するロボットチェス盤のSquare Offはまさに絶好のタイミングで登場した。このボードを使えばコンピュータのAIを相手に一人でゲームをすることもできる。レベルは20段階にも分かれている。あるいはchess.com.を通じて(ステイホームしている)友達と戦うこともできる。

2019年のCESで、当時Square Offを開発中だったインドのムンバイのスタートアップを取材し、本物のボードの上で本物のコマが動くチェス盤という記事を書いたことがあるが、出来上がったシステムは驚くほど優秀だ。

今や新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響で、世界の人々があちこちに孤立を余儀なくされているため、Square Offはビデオチャット機能を導入した。連携アプリを使えばプレーヤーは世界中で互いに相手を画面で見ることができる。これは実際にチェスボードを挟んで向かい合ってゲームをするのと完全に同じではないが、現在のような試練の時期には十分満足できる体験だ。

Square OffのCEOを務めるBhavya Gohil(バビヤ・ゴヒル)氏はリリースで「ロックダウンにより人々は忘れかけていた人々にもチェスへの情熱を再発見させたため、チェスコミュニティは拡大している。最近Square Offはビデオ通話機能を追加した。これは現状に答えるためだ。非常に好意的な反応を受けておりうれしい。これはインターネットを介したボードゲームの体験を新たなレベルに進めるプロダクトだ。Square Offはゲーム体験の本質を実現すべく日々イノベーションに努めている」と述べている。

パンデミック以後、このシステムの利用時間は30%アップしたという。現在 Square Offのサイトでは多様なチェスボードの構成を用意している。磁力て盤面に吸着したコマが指し手に応じて自動的に動くセットが390ドルからだ。興味があればチェックしてみるといいだろう。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ソニーが米政情不安でPS 5の新ゲーム発表イベントを延期

ソニーは、米国がミネアポリスにおける死亡事件に対する抗議に揺れているため6月4日に予定していたPS5イベントの延期を発表した。内外に不安な情勢がある現在、新しいゲームタイトルの予告に注意を集めるのは難しい時期だということは理解できる。

上にエンベッドしたツイートでソニーは、「世界中のゲーマーがPS5ゲームに大きな期待を抱いていることは知っているが、今はお祝いにはふさわしくない。当面、立ち止まっていっそう重要な声に耳を傾けるべきだときだと感じている」と述べた。

イベントでは年末までに発売されるソニーの新世代ゲーム専用機、PS5向けの向けの新しいゲームタイトルが発表される予定だった。 これは5月のマイクロソフトの同種のイベントに継ぐものとなるはずだった。E3などのゲームカンファレンスが新型コロナウイルスの影響を受けて中止されて多くの企業がスケジュールに影響を受けたが、マイクロソフトも新しいゲームプラットフォームであるSeries Xの発表をデジタルイベントに切り替えていた。

ソニーのツイートは、ほかのテクノロジー大企業の同種の声明に続くものだが、ソニーはミネアポリス警察によるジョージ・フロイド氏の死やそれに対する抗議を名指しはしていない。

当然だがゲーマーの反応はさまざまだ。一方にはゲームは現実逃避だという主張があったが、他方新しいゲームの予告を見るためにいま少し待たねばならないことに対する、なんというか、不適切な反応もあった。一部のゲーマーは腹を立てるかもしれないが、ソニーがツイートしたとおり、世の中にはゲームよりも「いっそう重要なこと」がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国時間6月4日にPlayStation 5のローンチタイトルが発表

Sony(ソニー)は、PlayStation 5の詳細をひとつの大きなイベントですべて明らかにするのではなく、小出しにしてきた。最初は2020年のホリデーシーズンに発売するという発表だった。次は超高速SSD標準装備などスペックの概要、最近はコントローラーを披露した。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックでE3やGDCのようなイベントはできないため、このような分割方式は理に適っている。

次に小出しにされる情報は、おそらくPS 5の最初のゲームタイトルになるだろう。

米国時間5月29日、ソニーは太平洋時間6月4日午後1時に、イベントとそのライブストリーミングを行うことを発表した。イベントに関するブログ記事でSony InteractiveのCEOであるJim Ryan(ジム・ライアン)氏は、焦点を明確にしている。

これまでは技術的な仕様を共有し、新しいワイヤレスコントローラーであるDualSenseをご紹介した。でも、ゲームタイトルがない発売はありえない。

だからこそ、PlayStation 5がホリデーシーズンに発売後にプレイするゲームを近日中にご紹介できるのを楽しみにしている。

ライアン氏によると、そのイベントは1時間ほどとのことだが、そこでいくつのゲームタイトルが紹介されるのかはわからない。

Epic Gamesは最近、数百万回再生された動画の中でリリース前のPS 5で動くUnreal Engine 5を初めて公開した。この動画の人気を考えると、ソニーは早期公開を続けるのではないかと考えられる。

ところで、本体であるハードウェアのお披露目いつになるのだろう?それはまだわからない。しかしこれまでの動きから推察すると、本体の紹介は発売直前のイベントになるのではないだろうか。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラの車載ゲームにFallout Shelterが登場、最先端地下シェルターをシミュレーション

1年近く前、Bethesda Games(ベセスダ・ゲームズ)のディレクターであるTodd Howard(トッド・ホワード)氏は同社の「『Fallout Shelter』(フォールアウト・シェルター)がTesla(テスラ)のディスプレイに搭載されるだろう」と話した。そして2020.20ソフトウェアアップデートを通じて到着した。最初にドライバープラットフォームのTeslascopeで案内された。

Teslaのアーケードはドライバーが停車しているときに車内でビデオゲームができる機能で、Fallout Shelterはアーケードのゲームとしては最新作となり、より現代的なゲームの1つだ。他には2048、Atari(アタリ)のSuper Breakout、Cuphead、Stardew Valley、Missile Command、Asteroids、Lunar Lander、Centipedeがある。またアーケードには改善が図られた(より難しくなったことを意味する)バックギャモンやチェスもある。

ゲームの追加といくつかの改良があった2020.20ソフトウェアアップデートは、まだすべてのテスラ車両に行き渡っていない。この中には筆者のドライブウェイに停めてあるModel 3も含まれる(まだ前回の2020.16.2.1アップデートのソフトウェアで、ここにはバックギャモンの改善と新Tesla Toyboxが含まれる)。

しかしYouTubeチャンネルのホスト、JuliansRandomProjectはすでにソフトウェアのアップデートを受けた幸運な人の1人で、Falloutの様子や車両でどう作動するかをうつしたビデオをリリースした。Roadshowもアップデートを報道し、JuliansRandomProjectのビデオを掲載した。そのビデオは以下に埋め込んでいる。

Fallout Shelterはソフトウェアアップデートの中の1つの新機能にすぎない。車のオーナーが(駐車している間)Netflixや他のビデオを鑑賞できるシアターモードでビデオの再生や一時停止、早送りをコントロールできるようハンドルにいくつかの機能が加わった。

Traxという曲を録音できる機能も改良された。Traxではトラックの音を編集したり微調整したりできるピアノロールが表示されるようになった。

画像クレジット: Screenshot of Fallout Shelter

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(翻訳:Mizoguchi

ゲームのトレーニングプラットフォームを提供するStatespaceが16億円を調達

米国時間5月22日、StatespaceはKhosla Venturesが率いるシリーズAのラウンドで1500万ドル(約16億1000万円)を調達した。これによりKhoslaのパートナーであるSamir Kaul(サミル・カウル)氏が同社の取締役会に加わる。既存の投資家であるFirstMark CapitalやLux and Expaらとともに、June Fundが新たに参加した。

Statespaceは2017年にステルスを脱した。そのプロダクトであるAim Labは、人気のFPSゲームの物理シミュレーションを再現しプレーヤーの上達を助けるというものだ。ニューヨーク大学の神経科学者たちが設立したStatespaceは、ゲームの狙いを定める仕組みを提供するだけでなく、画面上の位置によるプレーヤーの視力や反応時間など、ゲーマーとしての特徴や問題点を理解、測定する。

平均的なゲーマーからプロゲーマーまで、誰でもAim Labを使って腕を磨くことができる。また、同社が2020年の第3四半期にローンチ予定のAcademyは、MasterClassおよび有名ストリーマーたちと協力して高度なチュートリアルを提供する。ちなみに主なストリーマーとそのゲームタイトルは、KingGeorge「Rainbox Six Siege」、SypherPK「Fortnite)」、Valkia「Overwatch」、Drift0r「Call of Duty」、Launders「Counter-Strike: Global Offensive」となる。

またStatespaceは、Pro Football Hall of Fame(プロフットボールの殿堂)と強直して「Cognitive Combine」を開発している。これは本物のNFL Combine(ドラフト候補選別評価大会)が選手の運動能力を測定するのと同じように、ゲームにとらわれない方法でに選手の能力を総合的に評価する。

 

 

同社はさらに、100 ThievesやPhiladelphia Fusionのようなeスポーツのサイトと協力してカスタムデータのダッシュボードやプロダクトを作ることで、チームのデータ分析能力と、弱点克服のための練習を助けている。

現在、StatespaceはAim LabのモバイルバージョンやXbox上のバージョンなどによりユーザー層の拡大に取り組んでおり、近くPlayStationのサポートする予定だ。2020年7月には400本のゲームをサポートする計画だという。

Statespaceを支える技術は一般的な認知科学の応用なので、ゲームの成績評価以外にもいろんなアプリケーションがありえる。現在、同社は脳卒中のリハビリを助けるアプリケーションで、複数の大学に補助金を申請している。

またStatespaceは、2019年8月に250万ドル(約2億7000万円)を調達してチームの人数を倍増したが、今回の資金もチームの増員に充てたいとのことだ。有能な人材の引き抜くことにも熱心で、これまでスカウトしてきたエンジニアリング担当副社長のScott Raymond(スコット・レイモンド)氏は元Gowalla、Facebook、Airbnb、マーケティング担当副社長であるJenna Hannon(ジェナ・ハノン)氏は元Uber、Uber Eats、成長担当副社長のPhil Charm(フィル・チャーム)氏は元Checkr、Gainsightだ。

創業者でCEOのWayne Mackey(ウェイン・マッケイ)氏によると、Statespaceの現在の登録ユーザー数は200万で、月間アクティブユーザーは50万、2020年1月以降400%増加したとのことだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国の2020年Q1におけるゲーム売上高が過去最高、新型コロナ外出禁止で需要増

調査会社NPDが発表したデータで、皆が既にわかっていた事実が確認された。ゲーム会社にとって2020年第1四半期はとてもいいものだった、という事実だ。レポートによると、2020年1〜3月期の米国におけるビデオゲーム売上高は過去最高の108億6000万ドル(約1兆1600億円)で、95億8000万ドル(約1兆300億円)だった2019年同期から9%増となった。

主要因は、お察しのとおり新型コロナウイルス(COVID-19)だ。外出禁止令が国家、州レベルで出され、人々はビデオゲームをすることで現在も続いている日々の恐怖に対処している。本当にたくさんのビデオゲームだ。

NPDのMat Piscatella(マット・ピスカテーラ)氏が、我々が持っている疑念に次のように答えてくれた。「このタフな時期に、ビデオゲームは多くの人に安らぎとつながりをもたらしている。家で過ごすようになるにつれ、人々は気晴らしや現実逃避としてだけでなく家族や友達とつながる手段としてゲームをするようになった。コンソール、モバイル、PC、VRに関係なく、第1四半期のゲームの使用と売上高は成長した」。

またこの成長には、多くの消費者が楽しんでいるゲームタイトルも部分的に貢献している。すでに任天堂が発表したとおり、「Animal Crossing(どうぶつの森シリーズ)」が発売後最初の四半期としては同社史上最高の売上を記録した。これは供給問題にもかかわらずSwitchの売上にも貢献した。「Animal Crossing」は外出禁止令が出たちょうどのタイミングにリリースされ、競合するタイトルもさほどない中で前向きなソーシャル体験のようなものをもたらした。

実際にSwitchの成功は他のプラットフォームの不足を補った。Microsoft(マイクロソフト)とSony(ソニー)が次世代コンソールで年末までに巻き返しを図るのは間違いないだろう。しかし当面は、多くの消費者がXboxやプレイステーションに金をつぎ込むホリデーシーズンが来るまで現状を維持することが予想される。米国で急上昇している失業率もまた間違いなくゲーム業界の収支に影響を及ぼすだろう。

画像クレジット: Jasmin Merdan / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

「アサシン クリード ヴァルハラ」や「龍が如く7」などXbox Series Xの新作13タイトル

カンファレンスが無期限に中止される中、企業は製品発表の宣伝をオンラインイベントにますます依存するようになっている。年末までに次世代コンソールをリリースする準備をすすめるMicrosoft(マイクロソフト)とソニーは、それぞれのゲームシステムを肉付けするために、ライブストリームやブログを数多く用意するだろう。

米国時間5月7日、マイクロソフトはYouTubeやMixer、Twitchを利用して、近くリリースされるXbox Series Xの新作タイトルを公開した。当然のことながら、最近のアップデートは主にコンソールのハードウェアに焦点が当てられ、次期PlayStationとの差別化が図られている。最終的には、2つのシステムは数週間以内にローンチされる確率が高い。

しかし、今回はゲームタイトルがメインだ。米国時間5月8日、Xboxチームは以下のタイトルを公表した。

  • アサシン クリード ヴァルハラ(Ubisoft)
  • ブライト メモリー インフィニット(Playism)
  • コール・オブ・ザ・シー(Raw Fury)
  • DiRT 5(Codemasters)
  • Madden NFL 21(Electronic Arts)
  • Scarlet Nexus(バンダイナムコ・エンターテインメント)
  • Scorn(Ebb)
  • Chorus(Deep Silver)
  • Second Extinction(Systemic Reaction)
  • The Ascent(Neon Giant / Curve Digital)
  • The Medium(Bloober Team)
  • Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2(Paradox Interactive)
  • 龍が如く7(セガ)

マイクロソフトはタイトルの具体的なリリース日を発表していないが(パブリッシャーによって異なる)、最近のブログ記事では、「我々の目標は、このホリデーシーズンにXbox Series XとHalo Infiniteを発売することに変わりはない」と伝えている。同社の言葉は明らかに、以前よりも不確実だ。これは、我々が今生きている不確実な時代が影響している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ゲームエンジンのUnityがAR/VRスタートアップのFinger Foodを買収

Unity(ユニティ)は5月7日、AR・VRサービスで知られるバンクーバー拠点のFinger Food Advanced Technology Group(フィンガー・フード・アドバンスド・テクノロジー・グループ)を買収すると発表した。Finger FoodのCEO、Ryan Peterson(ライアン・ピーターソン)氏はUnityのソリューション担当副社長に就任し、同社の225人のチームもUnityに移る。

2011年創業のFinger Foodは企業向けにカスタムソフトウェアを開発していた。過去数年はARやVRにかなり力を入れていて、HoloLens関連プロジェクトでMicrosoft(マイクロソフト)と緊密に連携を取ってきた。Finger Foodはまた、AIやブロックチェーン、ロボティクス、IoT分野の数多くの話題のテックソリューションも追求してきた。Finger Foodのこれまでのクライアントには、Lowe’s、Enbridge、ソフトバンクロボティクスなどがある。

Finger Food買収を通じてUnityの顧客の企業は、プロのサービスをいつでも利用できるようになる。社内の専門家を増強あるいは再訓練したり、プロセスを最初から経たりしなくてもリアルタイムの3Dをすぐさまクリエイトできる」とUnityの広報担当はTechCrunchに語った。

Unityにとって、買収はARやVR に向けられたFinger Foodの強い関心を強化し、そしてゲーム開発の顧客だけでなく企業クライアントを獲得するというUnityの願望を前進させるものだ。Unityのゲームエンジンは新作ビデオゲームの半分超に使用されているが、同社のバリュエーションは揺れ動いていて、Finger Foodの野心でもって価値の高い顧客の引き込みを狙う。UnityはこのほどUnity Industrial部門を立ち上げ、Finger Foodはここに合流する。

Unityは昨年忙しく、やや騒々しかった。前副社長が昨年6月に同社のCEOを相手取ってセクシャルハラスメントの訴訟を起こした。同社は虚偽だと主張している。Unityはこれまでに13億ドル(約1380億円)を調達し、その半分は昨年調達した。

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(翻訳:Mizoguchi