没入型ゲームをプレイ・作成したり、それプレイ以外の時間も過ごせる「ソーシャル」なプラットフォームRec Roomが急成長

ユーザーが作成したゲームコンテンツのプラットフォームで大ヒットしたRoblox(ロブロックス)に続き、また別のスタートアップ企業が、没入型体験を目的とした独自のユーザー生成プラットフォームを構築するために、大規模な資金調達を行った。無料でダウンロードして遊べるクロスプラットフォームのソーシャルゲーム会社Rec Room(レック・ルーム)は、1億4500万ドル(約165億円)の資金を調達した。

この資金は、モバイル機器、ゲーム機、PC、VRヘッドセットで独自の体験を生み出すツールの継続的な開発と、それを利用するゲーマーを増やしていくために使用される。なお、対応するOS / プラットフォームは、iOS、Xbox(エックスポックス)、PlayStation(プレイステーション)、Oculus(オキュラス)、Steam(スチーム)、そして8月時点ではAndroid(アンドロイド)となっている。

今回の資金調達は、Coatue Management(コーチュー・マネジメント)が主導し、既存投資家のSequoia Capital(セコイア・キャピタル)、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)、Madrona Venture Group(マドローナ・ベンチャー・グループ)が参加。同社の評価額は35億ドル(約4000億円)に達している。

この評価額は、2021年3月にSequoiaの主導により1億ドル(約114億円)を調達した際の12億5000万ドル(約1400億円)と比較すると、大幅に上昇している。この間、Rec Roomは非常に印象的な成長を遂げてきた。3月には200万人がゲームをプレイ / コンテンツを作成していたが、現在のユーザー数は3700万人に達しているという。

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今回の資金調達が行われた背景には、Rec Roomが大きく成長し、規模を拡大していることに加え、VRや没入型体験、そして特にこれらのメディアでユーザーを惹きつけるコンテンツ(またはコンテンツのための手段)を構築している企業が、突如として多くの注目を集めるようになった現在の状況がある(確かに、これまでは不便なVRヘッドセットを使用したり、その他の先鋭的な技術に投資するほど、魅力的なコンテンツがなかったことが問題だった)。

Rec Roomは、いくつかの意味において「ソーシャルゲーム」の会社だ。興味深いことに、Rec Roomの成長の鍵は、ゲームを作成したり、他の人が作成したゲームをプレイしたり、ルームに参加して一緒にプレイしたりする機能(これがおそらく最も明白な「ソーシャル」な側面)だけでなく、ユーザーがゲームプレイ以外の時間を過ごすためによく使われる仮想のソーシャルスペースを提供する能力にある。

Rec Roomは、Facebook(フェイスブック)などの他のプラットフォームにゲーム体験のソーシャルな側面を依存していた他の多くのソーシャルゲーム企業とは異なり、すでにバーチャル結婚式、ビジネスミーティング、よりカジュアルな会合などに利用されているという。これらの活動は、新型コロナウイルスの大流行と、その影響による実際の社会的な会合や旅行が減少した結果、さらにバーチャルな発展を遂げたものと思われる。Rec Roomは、初心者と経験豊富なゲーマーのどちら対しても、多様な体験を提供しているため「Rec Life(レック・ライフ)」というコンセプトは、どちらの層のユーザーにとっても非常に参入障壁が低くなっている。

2016年にシアトルで設立されたRec Roomは、創業から約5年間、他の多くのヒットしたソーシャルゲームの特徴である、急成長と急落を(少なくとも今のところは)避けている。現在は獲得した3700万人のユーザーが、他のユーザーと仮想的に一緒に過ごす「ルーム」でゲームを作ってプレイしている。同社によると、このプラットフォームにはすでに約1200万ものルームが存在するという。

この3700万人という数字のうち、どれだけアクティブユーザーがいるのかは不明だが、Rec Roomによると、毎月のユーザー数は2020年(2020年11月以降)から約450%増加しており、中でもその成長を牽引するモバイルユーザーは、同期間に10倍に増加したという。

「Rec Roomが、ミニゲームの小規模なコレクションから、コミュニティによって構築された何百万もの体験を提供するグローバルなプラットフォームに成長する過程を目の当たりにすることは、すばらしい体験でした。このプラットフォームは、人々が集まって有意義なつながりを築き、コミュニティを構築し、創造性を共有することができる場となっています」と、Rec Roomの共同設立者兼CEOであるNick Fajt(ニック・ファイト)氏は、声明の中で述べている。「やりたいことはまだたくさんあります。私たちは2022年に向けて、より多くの体験を構築し、新しいプラットフォームに拡張し、クラス最高の信頼性と安全性のシステムに投資し、クリエイターツールを拡大し続けることを、非常に楽しみにしています」。

同社は現在、収支の数字を一切公表していないものの、3月には同社のプラットフォームでゲームクリエイターに約100万ドル(約1億1400万円)を支払っていると発表していた。

「Rec Roomが創作した友達と一緒にゲームを作って遊べる世界に、我々は魅了されました」と、Coatue ManagementのMatt Mazzeo(マット・マッツェオ)氏は、声明の中で述べている。「スマートフォンからVRまで、何百万人ものプレイヤーがRec Roomに集っています。デジタルの世界をより楽しく、より没入感のあるものにするチームとパートナーを組めることに、我々は興奮しています」。

画像クレジット:Rec Room

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

モバイルゲームの巨人ZyngaのCEOが広告危機への対応とブロックチェーンゲーミング部門について語る

ウォール街と自身のガイダンスを上回る実績を上げたZynga(ジンガ)は、第3四半期決算で売上7億500万ドル(約804億円)、前年同期比40%を記録し、月間アクティブユーザー数1億8300万人、前年同期比120%増でモバイルユーザー数は過去最大に達した。

第2四半期にはApple(アップル)のプライバシーポリシー変更の深刻な影響を受け、8月5日から11月4日の間に持ち株の30%を売却するという劇的な出来事があったにも関わらず、予測を超えるユーザー数を獲得し、好調のうちに年を終える見込みが立ったことを伝える米国時間11月10日のニュースを受け、Zyngaの株価は急騰した。

ZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏(画像クレジット:Zynga)

TechCrunchはZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏をインタビューし、モバイルゲームの巨人がどうやって広告危機を乗り越えながら、クロスプラットフォームの拡大とブロックチェーンへの進出という転換ができているのかを尋ねた。

嵐を乗り切る

4月26日、Apple(アップル)はIDFA(広告識別子)を変更し、デベロッパーにATT(アプリ追跡透明性)ツールを使ってユーザーがiOSアプリを横断して追跡されることからオプトアウトできるようにすることを要求し、モバイル広告エコシステムを震撼させた。ロックダウン中に獲得した新規ユーザーは、パンデミックによる制約が解除されると一気に離脱し、獲得コストは急増した。企業は次々と15~20%の売上減少を報告し始めた、とConsumer Acquisitionは伝えている。中でも最も影響が大きかったのが、Snapchat(スナップチャット)のような広告プラットフォームや広告主のPeloton(ペロトン)、広告プラットフォームでも広告主でもあるZyngaなどだ。

「2021年の中間点は大変でした」とジボー氏がTechCrunchに語った。「当社はIDFAと大きな再開需要の問題の重なりから最初に立ち直った企業の1つです。進路を正すために、広告出費を抑え、新しいツールと技術の実験を開始して、9月には平常状態に戻りはじめました」。

ジボー氏は、「FarmVille 3」の公開を成長速度が回復するまで待ったことを話し、11月4日の発売後、この新作ゲームがiPadとiPhoneのApp Storeでそれぞれ第1位と第2位になったことを大いに喜んでいた。

「最悪の状態を脱したことを実感し、第4四半期に向けて新規ゲームへの投資を拡大できることを喜んでいます。この時期を乗り越えるための鍵は、当社のファーストパーティーデータ(自社で収集したデータ)をChartboost(チャートブースト)プラットフォームでどう使うかです」と、Zyngaが2021年買収した広告ネットワークに言及した。

「プレイヤーが当社のゲームにやってきた時に起きることやプレイしたイベント、当社の既存サービスで広告主が何をしているかなどに関して、私たちは大量のデータを持っています。ファーストパーティーデータを活用することで、会社にとって有益なリターンやオークションを予測するためのモデルを構築することができます」と同氏は語った。

Zyngaは、Unity(ユニティ)、Google(グーグル)、Iron Source(アイアンソース)とも提携して、プレイヤーをターゲットするよりよい方法を見つけようとしている。

「この問題には多くの賢い人が取り組んでいます。これはどちらかというと時間の問題で、答えがないわけではありません。長期的に見て、Appleは健全な広告市場を支える有効なプラットフォームを作ると同時に、プレイヤーのプライバシーを守ろうとしているので、私たちは喜んで協力しています」と同氏は語った。

ハイパーカジュアルを使いこなす

Zyngaのビジネスの80%はサブスクリプションとアプリ内購入の少額決済だが、売上の5分の1は広告によるものだ。ハイパーカジュアルゲームと呼ばれる、シンプルなインターフェースで通常30秒以内にプレイが終わるゲームの人気が広告を支えている。

第3四半期、Zyngaは広告売上を前年同期の2倍近くに伸ばした、とジボー氏はいう。この成功に寄与したのは、Zyngaが1年前に買収したトルコ拠点のゲームメーカーRollic(ロリック)で、Zyngaが同カテゴリーのトップ3パブリッシャーになるきっかけとなった。

「アプリストアのインストール数を見ると、ハイパーカジュアルは最大のカテゴリーです。非常に安上がりのゲームで膨大なオーディエンスにリーチできるので、広告を主要な収益方法として利用しています。当社にとって非常に実入りの良い分野であり、私たちのネットワークにユーザーを誘う理想的な入口です。このネットワークは、2022年以降に当社の成長を支える大規模なパブリッショングと広告のプラットフォームを作るという私たちの野心的計画につながっています」とジボー氏は言った。

すべての道はメタバースに続く

Zyngaが次にリリースする大型ゲームは、「Star Wars:Hunters」で、Androidの一部市場で2021年11月中旬に限定公開し、iOSとSwitchで2022年にテストを開始するとジボー氏はいう。これは同社にとってゲーム専用機で動く最初のクロスプラットフォームゲームであり、「Farmville 3」は、macOSで公開された最初のクロスプラットフォームゲームだった。

ジボー氏は、Zyngaのモバイルゲームを他のプラットフォームでプレイできるようにすることへの関心について話した。

「FarmVilleファンとStar Warsファンはどこにでもいるので、プラットフォーム無依存にして私たちの体験をできるだけ多くの場所に提供するのは至極当然のことです」と彼はいう。「結局私たちは、ゲームは1人より一緒にプレイするほうが楽しいと信じているソーシャルゲーム会社です。だから、革新を起こして新しいことを試すことは会社カルチャーの一部なのです」。

2020年以来、ZyngaはSnapchatGoogle Nest、およびAmazon Alexaでゲームを提供してきた。そしてつい最近、TikTokで同社初のゲーム、Disco Loco 3Dを公開した。これは無料でプレイできる音楽とダンスのチャレンジだ。

関連記事:TikTokがモバイルゲームに挑戦、まずはZyngaとの提携で

「ゲーミングの世界では、次のプラットフォームを逃すと窮地に追い込まれます。そこで失敗すると、非常に痛い目にあいます。だから、さまざまなソーシャルプラットフォーム向けに体験を開発して、チャンスがあるかどうかを見ることは非常に重要だと思いました。Snapchatとの提携では、彼らのエコシステムでゲーミングの存在を大きくするに方法を協力して考え、いくつか良い結果を得ていますが、まだ始まったばかりです」とジボー氏はいい、それらのゲームは概念証明が目的であり収益を生むためではないことを強調した。

Netflix Gaming(ネットフリックス・ゲーミング)は11月2日に公開され、Zyngaの元最高クリエイティブ責任者であるMike Verdu(マイク・バードゥ)氏が指揮をとった、とジボー氏は語った。「Netflixにとって、このビジネスのサブスクリプション部分にどうアプローチしたいのか、ユーザーはゲームをどのような操作するのかなど、検討すべきことがまだたくさんあるので、彼らがサードパーティーコンテンツを受け入れる準備ができているのかどうか私にはわかりませんが、将来どこかの時点で話をするのはとても有意義だと思います」。

さらにジボー氏はこう付け加えた「それがNetflixでもRobloxでもEpicでもValveでも、そこにプラットフォームがあり、私たちのコンテンツがそこにあって聴衆に届けることが理に適っているなら、私たちは間違いなく追究していきます」。

しかし、おそらくZyngaにとって今後最大の冒険は、元EA(エレクトロニック・アーツ)幹部のMatt Wolf(マット・ウルフ)氏を新設のブロックチェーンゲーミング部門の責任者として迎えたことにかかっている。NFT(非代替性トークン)の狂乱がゲーミング業界に吹き荒れ、ブロックチェーンのスタートアップ、Mythical Games(ミシカル・ゲームズ)やAnimoca(アモニカ)やForte(フォーテ)の評価額は過去数カ月で10億ドル(約1140億円)に達し、デベロッパーがゲームを横断して使える永久収集アイテムを作る後押しをした。

「この分野には多くの資金と人材が流れ込んでいます」とジボー氏は言い、決断のタイミングを説明した。「当社のファンダーで会長のMark Pincus(マーク・ピンカス)氏と、長年取締役を務めているBing Gordon(ビン・ゴードン)氏がこの分野に非常に熱心なので、ブロックチェーンは長期的にゲーミングの一部になると私たちは信じています。

ウルフ氏が現在最適な道筋を見極めるための専門部隊を立ち上げているところで、FarmVilleで農場を所有することでエンゲージメントや定着率が向上するかどうかなどを調べる予定だとジボー氏は語った。

「私たちはZyngaのスピードで動くつもりなので、数カ月のうちには何かをお見せできると思います」と同氏は語る。

画像クレジット:Zynga

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(文:Martine Paris、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「本当」のクロスプレイと協力プレイがみんなで楽しめるソーシャルゲームをElodie Gamesが開発中

新型コロナウイルス感染流行の最も暗い時期には、何百万人もの人々が、ロックダウン中の時間を過ごしたり、直接会えない友人とつながったりする方法として、オンラインゲームを利用した。しかし、社会的で、協力的で、楽しい、クロスプラットフォームのゲーム体験を見つけることは非常に難しい。Elodie Games(エロディー・ゲームズ)はそんな状況を変えるために設立された。

Elodie Gamesの共同設立者であるChristina Norman(クリスティナ・ノーマン)氏とDavid Banks(デヴィッド・バンクス)氏は、いずれもゲーム業界のベテランであり、Riot Games(ライアットゲームズ)在籍時に世界的にヒットした「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」の開発に携わっていた。パートナーでもある2人は、2019年に退社して自分たちの会社を設立。協力プレイやクロスプレイに対応し、オープンエンドなサンドボックスプレイを示唆する「無限に魅力的な体験」に焦点を当てたゲームを作ると、2020年に発表した。

同社の従業員はすでに30人を数える(現在も求人中)が、彼らが現在開発に取り組んでいるゲームは、依然として謎に包まれている。サイトに掲載されている画像は一般的なアイデアであり、開発中のものではない。しかし、彼らが内々に見せたものが、Galaxy Interactive(ギャラクシー・インタラクティブ)とa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)が主導したシリーズA資金調達で、3250万ドル(約35億7000万円)を獲得するのに十分なものだったことは確かだ。この投資には、Patron(ペイトロン)のBrian Cho(ブライアン・チョウ)氏と、Electric Ant(エレクトリック・アント)のChris Ovitz(クリス・オーヴィッツ)氏も参加した。同社は前回、2020年に500万ドル(約5億5000万円)を調達して活動を開始したが、明らかにその資金を有効に活用してきた。

ノーマン氏は、多くのゲーマーが避けられないものとして受け入れてきた障壁を取り除くことが、彼らの主なアイデアであると説明する。

「最も単純なレベルで言えば、私たちはプレイヤーがより簡単に、より頻繁にすばらしい体験ができるように、ゲームをデザインしています」と、同氏はTechCrunchに語った。「そのためには、まず、友達と一緒にプレイすることを妨げる要因を、取り除くことから始めました。ほとんどのソーシャル・マルチプレイヤー・ゲーマーは、プラットフォームやゲームに費やす時間、購入、スキルなどによってセグメント化されており、誰と、どのようにプレイするかということは、制限されます。このような制限を個別に克服する例はあるものの、例えばAmong Us(アマング・アス)が上手くやっていますが、全体としては進歩が遅く、私たちはこれを加速させることに興奮しているのです」。

確かに、筆者の個人的な経験を振り返っても、例えば、仲間の誰かがアプリやOSをアップデートしなければならなかったり、誰かがロビーをロードできなかったり、AndroidとiOSの間で不一致が発生したりなど、ほんの少しの摩擦でせっかくのプレイセッションが中断してしまうことがあった。それで結局、我々はビデオチャットアプリに搭載されている貧弱なゲームをプレイすることになったのだが、それは単純に、毎回ちゃんと作動するという理由からだ。楽しさは集まった仲間の雰囲気に左右されるものではあるとはいえ、何が楽しいかを皆で決められるようにすることも、Elodie社の野望の1つである。

ゲームのクロスプラットフォーム化は、現在ではUnreal(アンリアル)やUnity(ユニティ)のような共通のアーキテクチャのおかげで、以前ほど難しくはないものの、それでも朝飯前というわけにはいかない。

「もちろん、現代のゲームエンジン技術は、クロスプレイを可能にするために非常に役立っていますが、それだけで楽しいゲームになるわけではありません。従来のクロスプラットフォーム開発のアプローチは、時間がかかり、コストがかかり、繰り返しになります」と、バンクス氏はいう。「だから私たちは、優れたクロスプレイを実現するために、Eldieの開発手法を構築しているところであり、最初から我々が本当のクロスプレイ体験と呼んでいるものに焦点を当てています」。

「本当の」クロスプレイとはつまり「XboxプレイヤーがPCプレイヤーと一緒にプレイできる」という初歩的なレベルから一段上がり、実際にどちらのプラットフォームでプレイしても同等の楽しさが味わえるということだと推測される。それが本当に実現できるかどうかは、議論の余地がありそうだ。しかし「プリンの味は食べてみないとわからない(論より証拠)」という言葉があるように、Elodie社がゲームを世に送り出したときに、それは明らかになるだろう。

画像クレジット:Elodie Games

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ソーシャルゲーム用動画インフラの構築を目指すPowderが14.5億円を調達

Powder(パウダー)を紹介しよう。大好きなゲームの動画を簡単にシェアでき、好みの合う人たちをフォローしたり、会話ができるようにしてくれるフランスのスタートアップだ。同社はSerenaが主導するシリーズA投資1400万ドル(約14億5000万円)を調達した。

Powderはソーシャルゲーム用動画インフラの構築を目指している。すでに数多くのゲーマーコミュニティがTwitchやDiscordやRedditなどを使ってゲーム動画をシェアしているが、ゲームに特化して大きな支持を得ているモバイルアプリはまだ存在しない。

ゲーマー専用のInstagramやSnapchatといえないこともないが、Powderはそうした主流のソーシャルプラットフォームと似て非なる特別なツールを提供する。

Powderは、あらゆるプラットフォームの動画をキャプチャーできる。Powderのアカウントに接続すれば、ゲーム機でも録画ができて、これまでに取り込んだ動画の再生もできる。同社のデスクトップアプリを使えばパソコンで動画キャプチャーが行える。さらに、モバイルゲームの動画もキャプチャー可能だ。

同社では、好きなゲームの最も価値ある場面の特定にも挑んでいる。たとえば「Rocket League(ロケットリーグ)」のゴールの瞬間や「Fortnite(フォートナイト)」で最後まで勝ち残ったときなどだ。

録画した動画は、トリミングやフィルター加工が可能で、音楽やステッカーをつけてフォロワーにシェアできる。またそれを見た人たちは、リアクションやコメントをつけたり、メッセージを送ったりができる。

 画像クレジット:Powder

同社の調達額は総計で1800万ドル(約18億8000万円)だが、その調達物語は実に透明性が高い。2018年8月、同社はプレシードラウンド40万ドル(約4200万円)を、Kima VenturesとZenlyの共同創設者Antoine Martin(アントニー・マーティン)氏とAlexis Bonill(アレクシス・ボニル)氏から調達。2019年3月にGeneral Catalyst、Slow Ventures、Dream Machine、SV Angel、Brian Pokorny(ブライアン・ポコルニー)氏、Florian Kahn(フロリアン・カーン)氏、Guillaume Luccisanoから150万ドル(約1億5700万円)を調達した。

2020年5月ごろ、同社はシードラウンドの追加拡張で130万ドル(約1億3600万円)を、Alven Capital、Seraam Invest、Farmers、Maxime Demeure(マクシム・デムア)氏、Jean-Nicolas Vernin(ジーンニコラス・バーニン)氏、そして従来からの投資者の一部から調達した。BpifranceとCNCも同社に資金援助している。そして今回は、Serenaが1400万ドルのシリーズAラウンドを主導し、General Catalyst、Slow Ventures、Alven Capital、BpifranceのDigital Venture fund、Secocha Ventures、Turner Novak(ターナー・ノバック)氏、Kevin Hart(ケビン・ハート)氏が参加した。

ご覧のとおり、それは紆余曲折の長い道のりだった。というのも、Powderがゲームのためのソーシャルアプリというものを、すぐに思いついたわけではなかったからだ。同社はこれまで、数々の消費者向けアプリに挑戦してきた。数週間アイデアを練り上げては、うまくいかなければコンセプトを捨てるという繰り返しだった。しかし、どうやらPowderは、大量のダウンロードを促し大量のユーザーを誘い込む、強力なディストリビューションのメカニズムを発見したようだ。

「Powderの基礎となる考え方は、2019年12月に生まれました。当時すでにいくつかのプロジェクトに取りかかっていましたが、どれもあまりうまくいっていませんでした。そこで私たちは、まずコミュニティを作ってからアプリを開発するのが得策だと気づいたのです」と、共同創設者でCEOのStanislas Coppin(スタニスラス・コピン)氏は私に話した。彼は以前、音楽動画アプリMindieを開発した企業を共同創設している。

PowderはDiscordのサーバーとしてスタートし、数万人のメンバーを集めた。その後彼らは、そのコミュニティにアピールするアプリの開発に着手した。それは、コピンの言葉によれば「メタバースカメラ」だ。おかげでローンチ以来、そのiOSアプリのダウンロード数は合計15万件に上っている。

共同創設者はコピン氏の他に3人。Barthélémy Kiss(バルセレミー・キス)氏とYannis Mangematin(ヤニス・マンゲマチン)氏とChristian Navelot(クリスチャン・ナヴェロット)氏だ。従業員数は18名。このほどAndroid版もローンチされた。

 画像クレジット:Powder

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Powder資金調達ソーシャルゲーム

画像クレジット:Powder

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(文:Romain Dillet、翻訳:金井哲夫)

ソーシャルゲームプラットフォームのRec Roomの人気衰えず、シリーズCで20億円超を調達

ソーシャルゲームのプラットフォームを運営するRec Roomが、新たな資金を獲得した。かつてはVR中心だったその世界を、すべてのメジャーなゲームプラットフォームに持ち込もうとしている。

同社はこのほど、Madrona Venture Groupがリードする2000万ドル(約20億6500万円)のシリーズCの資金調達を完了した。First Round CapitalやIndex、Sequoia、そしてDAGなど、これまでの投資家もこのラウンドに参加した。これで同社の調達総額は5000万ドル(約51億6400万円)近くになる。

同プラットフォームは、数年前から仮想現実のユーザーにソーシャルハブとゲームプラットフォームを提供してきた。最近の同社は「VRのRoblox」という定評を得ており、若いユーザー向けに規模を拡大してきた。今年はRec Roomとって好機だった。

CEOのNick Fajt(ニック・ファジット)氏の推計では、同社のユーザーは昨年の3倍に伸び、新しいプラットフォームへの強力な売り込みが功を奏してきたそうだ。今でもRec Roomのユーザーの主力はVRだが、2020年にはコンソールのユーザーベースが相当増え、来年中にはモバイルがRec Roomの一番普通の入り口になるとファジット氏は予想している。一方Androidでは、Rec Roomは相変わらず定着していない。

新年を迎える同社の大きな狙いは、創作ツールの拡大だ。ゲームのプレーヤーは創作ツールを使って、ゲームの中で独自の体験を作り出せる。同プラットフォームの1000万人の登録ユーザーの内の100万人あまりが、クリエイターツールを使ってエンゲージし、プラットフォーム上に400万室の部屋を作っている。ファジット氏の計画では、来年はクリエイターへの支払を増やして、2021年中には合計100万ドルを彼らのネットワークに支払える状態にしたいという。

Rec Roomの創作ツールはRobloxなど他社よりも、一般ユーザーにとって使いやすくしたいと考えており、そのためにはシンプルなツールを心がけ、普通のユーザーがそのクリエイションプラットフォームに時間を投資するようなものを考えているそうだ。

画像クレジット:Rec Room

ファジット氏はTechCrunchに対して「Robloxには素晴らしいビジネスがあります。それは否定できなません。しかし、表現の深さよりも表現の幅で勝負したいのです。Rec Roomの利用者はどんな人でも作れるようする予定です」と語る。

VR市場は成熟が遅いが、同氏は同社のルーツであるVRから近いうちに逃げ出す気はない。最近は人気のバトルロワイヤルモードRec Royaleを、新しいクエスト2に向けてアップデートしたばかりだ。また、iOS上のアップデートも実施した。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Rec RoomソーシャルゲームVR / 仮想現実

画像クレジット:Rec Room

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa