「本当」のクロスプレイと協力プレイがみんなで楽しめるソーシャルゲームをElodie Gamesが開発中

新型コロナウイルス感染流行の最も暗い時期には、何百万人もの人々が、ロックダウン中の時間を過ごしたり、直接会えない友人とつながったりする方法として、オンラインゲームを利用した。しかし、社会的で、協力的で、楽しい、クロスプラットフォームのゲーム体験を見つけることは非常に難しい。Elodie Games(エロディー・ゲームズ)はそんな状況を変えるために設立された。

Elodie Gamesの共同設立者であるChristina Norman(クリスティナ・ノーマン)氏とDavid Banks(デヴィッド・バンクス)氏は、いずれもゲーム業界のベテランであり、Riot Games(ライアットゲームズ)在籍時に世界的にヒットした「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」の開発に携わっていた。パートナーでもある2人は、2019年に退社して自分たちの会社を設立。協力プレイやクロスプレイに対応し、オープンエンドなサンドボックスプレイを示唆する「無限に魅力的な体験」に焦点を当てたゲームを作ると、2020年に発表した。

同社の従業員はすでに30人を数える(現在も求人中)が、彼らが現在開発に取り組んでいるゲームは、依然として謎に包まれている。サイトに掲載されている画像は一般的なアイデアであり、開発中のものではない。しかし、彼らが内々に見せたものが、Galaxy Interactive(ギャラクシー・インタラクティブ)とa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)が主導したシリーズA資金調達で、3250万ドル(約35億7000万円)を獲得するのに十分なものだったことは確かだ。この投資には、Patron(ペイトロン)のBrian Cho(ブライアン・チョウ)氏と、Electric Ant(エレクトリック・アント)のChris Ovitz(クリス・オーヴィッツ)氏も参加した。同社は前回、2020年に500万ドル(約5億5000万円)を調達して活動を開始したが、明らかにその資金を有効に活用してきた。

ノーマン氏は、多くのゲーマーが避けられないものとして受け入れてきた障壁を取り除くことが、彼らの主なアイデアであると説明する。

「最も単純なレベルで言えば、私たちはプレイヤーがより簡単に、より頻繁にすばらしい体験ができるように、ゲームをデザインしています」と、同氏はTechCrunchに語った。「そのためには、まず、友達と一緒にプレイすることを妨げる要因を、取り除くことから始めました。ほとんどのソーシャル・マルチプレイヤー・ゲーマーは、プラットフォームやゲームに費やす時間、購入、スキルなどによってセグメント化されており、誰と、どのようにプレイするかということは、制限されます。このような制限を個別に克服する例はあるものの、例えばAmong Us(アマング・アス)が上手くやっていますが、全体としては進歩が遅く、私たちはこれを加速させることに興奮しているのです」。

確かに、筆者の個人的な経験を振り返っても、例えば、仲間の誰かがアプリやOSをアップデートしなければならなかったり、誰かがロビーをロードできなかったり、AndroidとiOSの間で不一致が発生したりなど、ほんの少しの摩擦でせっかくのプレイセッションが中断してしまうことがあった。それで結局、我々はビデオチャットアプリに搭載されている貧弱なゲームをプレイすることになったのだが、それは単純に、毎回ちゃんと作動するという理由からだ。楽しさは集まった仲間の雰囲気に左右されるものではあるとはいえ、何が楽しいかを皆で決められるようにすることも、Elodie社の野望の1つである。

ゲームのクロスプラットフォーム化は、現在ではUnreal(アンリアル)やUnity(ユニティ)のような共通のアーキテクチャのおかげで、以前ほど難しくはないものの、それでも朝飯前というわけにはいかない。

「もちろん、現代のゲームエンジン技術は、クロスプレイを可能にするために非常に役立っていますが、それだけで楽しいゲームになるわけではありません。従来のクロスプラットフォーム開発のアプローチは、時間がかかり、コストがかかり、繰り返しになります」と、バンクス氏はいう。「だから私たちは、優れたクロスプレイを実現するために、Eldieの開発手法を構築しているところであり、最初から我々が本当のクロスプレイ体験と呼んでいるものに焦点を当てています」。

「本当の」クロスプレイとはつまり「XboxプレイヤーがPCプレイヤーと一緒にプレイできる」という初歩的なレベルから一段上がり、実際にどちらのプラットフォームでプレイしても同等の楽しさが味わえるということだと推測される。それが本当に実現できるかどうかは、議論の余地がありそうだ。しかし「プリンの味は食べてみないとわからない(論より証拠)」という言葉があるように、Elodie社がゲームを世に送り出したときに、それは明らかになるだろう。

画像クレジット:Elodie Games

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)