ソーシャルゲームプラットフォームのRec Roomの人気衰えず、シリーズCで20億円超を調達

ソーシャルゲームのプラットフォームを運営するRec Roomが、新たな資金を獲得した。かつてはVR中心だったその世界を、すべてのメジャーなゲームプラットフォームに持ち込もうとしている。

同社はこのほど、Madrona Venture Groupがリードする2000万ドル(約20億6500万円)のシリーズCの資金調達を完了した。First Round CapitalやIndex、Sequoia、そしてDAGなど、これまでの投資家もこのラウンドに参加した。これで同社の調達総額は5000万ドル(約51億6400万円)近くになる。

同プラットフォームは、数年前から仮想現実のユーザーにソーシャルハブとゲームプラットフォームを提供してきた。最近の同社は「VRのRoblox」という定評を得ており、若いユーザー向けに規模を拡大してきた。今年はRec Roomとって好機だった。

CEOのNick Fajt(ニック・ファジット)氏の推計では、同社のユーザーは昨年の3倍に伸び、新しいプラットフォームへの強力な売り込みが功を奏してきたそうだ。今でもRec Roomのユーザーの主力はVRだが、2020年にはコンソールのユーザーベースが相当増え、来年中にはモバイルがRec Roomの一番普通の入り口になるとファジット氏は予想している。一方Androidでは、Rec Roomは相変わらず定着していない。

新年を迎える同社の大きな狙いは、創作ツールの拡大だ。ゲームのプレーヤーは創作ツールを使って、ゲームの中で独自の体験を作り出せる。同プラットフォームの1000万人の登録ユーザーの内の100万人あまりが、クリエイターツールを使ってエンゲージし、プラットフォーム上に400万室の部屋を作っている。ファジット氏の計画では、来年はクリエイターへの支払を増やして、2021年中には合計100万ドルを彼らのネットワークに支払える状態にしたいという。

Rec Roomの創作ツールはRobloxなど他社よりも、一般ユーザーにとって使いやすくしたいと考えており、そのためにはシンプルなツールを心がけ、普通のユーザーがそのクリエイションプラットフォームに時間を投資するようなものを考えているそうだ。

画像クレジット:Rec Room

ファジット氏はTechCrunchに対して「Robloxには素晴らしいビジネスがあります。それは否定できなません。しかし、表現の深さよりも表現の幅で勝負したいのです。Rec Roomの利用者はどんな人でも作れるようする予定です」と語る。

VR市場は成熟が遅いが、同氏は同社のルーツであるVRから近いうちに逃げ出す気はない。最近は人気のバトルロワイヤルモードRec Royaleを、新しいクエスト2に向けてアップデートしたばかりだ。また、iOS上のアップデートも実施した。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Rec RoomソーシャルゲームVR / 仮想現実

画像クレジット:Rec Room

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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