SpaceXが次世代宇宙船開発で小休止、推進システムのテスト機StarHopperの実験失敗

SpaceX(スペースX)は、次世代宇宙船のStarshipの開発にあたり、つまづきをみせている。具体的には、Starthipの推進システムの開発に使用する小型デモテスト機のStarHopperが、テキサスのボカ・チカ・ビーチのテストサイトで実施された地面への係留なしのテスト飛行に失敗したのだ。

計画では、独自の誘導システムによる推進により、デモ機を離陸させて高度20mまで飛行させ、地上へと着陸させる。しかし実際には、ロケットは出火し煙に包まれ、消火される数分前までテスト機は上部から火を吹いていたようだ。ただし、StarHopperは比較的損傷が少ないように見えた。我々はSpaceXからの正式な回答を待っているが、彼らはテストの配信にて「中止」(Abort)であることを強調していた。

先週のスタティック・ファイア・テストにて、StarHopperは火球に包まれた。これは計画されたイベントではないが、SpaceXは後に大きな損傷はなかったと伝えた。

StarHopperは今年4月に係留状態での最初の飛行に成功し、その後は係留なしでの飛行に備えてさらなるテストを実施している。SpaceXでCEOを務めるイーロン・マスク氏は今月、係留なしでのテストが成功すれば、7月末にSpaceXの宇宙船「Starship」の計画を完全に披露する予定だとしていたが、その後のテストでいくつかの問題に直面している。

SpaceXや他の会社がこのようなテストを行う理由は、開発プロセスの早い段階で潜在的な問題を特定するためなので、それが一般的な係留なしでの飛行という「成功」でなくとも、前進していることは間違いない。

SpaceXが設計したStarshipはFalcon 9やFalcon Heavyとは異なり完全に再使用が可能な機体なので、打ち上げ費用を削減できる。同社は最終的にはStarshipをすべての打ち上げに使うつもりだが、顧客がFalcon 9やFalcon Heavyでの打ち上げを望む場合は、それを受け入れる予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが運搬するISSの新型自動ドッキングアダプタはなぜ重要なのか

SpaceX(スペースX)は米国時間7月25日に国際宇宙ステーション(ISS)へのCRS-18補給ミッションを実施する。この輸送ミッションでの着目点は、Boeing(ボーイング)によって製造された新型のインターナショナルドッキングアダプター「IDA-3」だ。新型のドッキング・アダプターは、Boeingの「CST-100 スターライナー」やSpaceX(スペースX)の「クルー・ドラゴン」、およびそれに続くISS向けの宇宙船に向けた新しいタイプの標準ポートを提供する。

IDA-3に搭載されたこれらの新しい標準ポートとセンサーアレイのおかげで、新しいドッキングステーションはISSの宇宙飛行士の支援がなくても、新しい宇宙船と自動的にドッキングすることができる。これは大きなアップグレードで、なぜならドラゴン補給船のような宇宙船の最終的なドッキング手順では通常、宇宙飛行士が宇宙ステーションのロボットアーム「Canadarm2」を利用してカプセルをキャプチャし、最終的な接続を行っていたからだ。

実際には、これはISSに導入される自動ドッキング機能を備えた2番めの新型ドッキング・アダプタだ。最初のIDA-2は2016年に設置され、SpaceXのクルー・ドラゴンのテスト飛行の際に利用されている。このミッション「Crew Dragon Demo-1」は3月に実施され、3月3日にはIDA-2とのドッキングに成功した。

Canadarm2はIDA-3を降ろし、ISSのHarmonyモジュールに設置するのに利用され、今年後半には宇宙飛行士が船外活動で永続的に固定する予定だ。

一度設置されると、IDA-3は将来のクルーミッションにてISSのドッキング能力を2倍に拡張し、あらゆるタイプのミッションにおけるより多くの機会を提供する。

もしナンバリングが気になるのなら、実際にはIDA-1も存在していた。これは最初にISSに設置される予定だったが、2015年のSpaceXのCRS-7補給ミッションてにFalcon 9ロケットが打ち上げ後に爆発したことにより、損失したのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXのドラゴン補給船によるCRS-18ミッション、天候理由に延期

アップデート:SpaceX(スペースX)は嵐が打ち上げ地点を通過することを理由に、米国時間7月24日の打ち上げを延期した。次の打ち上げ予定は明日だが、当日の天気予報は大きく変化しないことが予測されており、さらなる延期が予測される。

SpaceXは現在、フロリダのケープカナベラル空軍基地のLC-40発射施設から国際宇宙ステーション(ISS)への18回目の商業輸送ミッション(CRS-18)を、東部時間7月24日午後6時24分に予定している。このミッションでは実験や科学研究のための機器のほか、将来ISSを訪れるクルーが利用する宇宙船のドッキングプロセスを自動化する新しいドッキングアダプタも運搬される。

予定では、打ち上げの15分前からライブストリームが始まる予定だ。しかし打ち上げ前の天候状況はいいとはいえず、好天の可能性は30%であると、今週初めに第5空軍は伝えた。本日の打ち上げが延期された場合、7月25日木曜日の6時01分に予備日が用意されている。

今回のミッションで利用されるドラゴン補給船にはアポロ11号の月面着陸ミッションの50周年を記念し、宇宙船のサイドハッチ付近には「アポロ50周年」の記念グラフィックが施されている。1969年7月24日、月面着陸を成し遂げた宇宙飛行士は司令船の「コロンビア」カプセルにて、太平洋に着水したのだ。

新しい自動ドッキングモジュールの輸送は、宇宙開発プログラムの視点からもこのミッションのハイライトであるが、SpaceXにとっては別のマイルストーンがある。このミッションで利用されるFalcon 9の最初のステージはケープカナベラルのLZ-1に着陸し、またこの第1段とドラゴン補給船は再使用品なのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

光の力だけで帆走する宇宙船LightSail 2が帆の展開に成功

クラウドファンディングから生まれた宇宙船「LightSail 2」は、その名に恥じず、ついに軌道上でその太陽帆を広げることに成功し、光の力だけで前進する準備ができた。マイラーでできている帆の表面が太陽からの光子を反射し、数え切れないほど多くの原子よりも小さなレベルのインパクトの累積効果により、徐々に速力を蓄える。チームによると、帆の展開は太平洋時間午前11時47分に始まり、総帆展開は太平洋時間午前11時50分に完了した。

LightSail 2は6月25日にFalcon Heavyの打ち上げに、NASAや空軍の実験器具など、さまざまなペイロードとともに便乗して発射された。この宇宙船を作ったThe Planetary Societyはビル・ナイ(Bill Nye)氏が率いる非営利団体で、宇宙探検の未来の進歩について研究している。現在の同団体の目標が、太陽帆走の実用化だ。その着想は数世紀前からあったが、何らかの実物による検証はきわめて困難だった。そのわずかな例の1つとして、2010年のJAXAのIKAROSミッションがある。

帆の総推力はびっくりするほど小さく、そしてその割には帆のサイズは大きくてボクシングのリングぐらいある。その大きな帆から得られる力は、あなたの手にとまるイエバエ程度だ。しかしそれはまた、理論的には燃料切れがありえない。そして宇宙の真空の中では摩擦がないので、時間とともにスピードは徐々に増えていく一方だ。すごい高速にもなるだろう。

The Planetary Societyのチーフサイエンティストであるブルース・ベッツ(Bruce Betts)氏は、帆の展開のライブストリーミングを見て、「計画どおりにうまくいっている」と語った。展開時の画像は、宇宙船が次に地上局との通信圏域に入った時に得られるだろう。画像が得られたら、本誌の記事もアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

次の月探査プロジェクトに期待してはいけない

私が育った家には、額に入れられた新聞の一面記事が飾られていた。そこには「MAN ON THE MOON」(人類、月に立つ)という見出しが、歓喜にあふれる重々しい書体で書かれていた。小見出しにはもちろん、あの「人類にとって偉大な飛躍」などの言葉が並んでいた。

一歩前進三歩後退。その新聞は50年前の7月20日に発行された。人間が低地球軌道以遠に行った最後のミッション、アポロ17号計画は1972年12月に実行された。現存する人類の大部分が生まれる前のことだ。

宇宙旅行はSF小説の出来事ではない。それは歴史書の中の、過ぎし日の、ざらついた白黒テレビの、私が子供のころすでに色あせていた新聞の中の出来事だ

いったい何が起きたのか?いろいろあるが結局のところコストがかかりすぎ、目に見える恩恵がなさすぎ、スペースシャトルがあらゆる意味で紛れもない大失敗だったからだ。

次は何が起きるのか?それには簡単な答えがある。もう一度行く!米国は2024年までに月面に初の女性を着陸させる!絶対に!

それを大いに疑っているあなたは実に正しい。

「月探査アーキテクチャー」すなわち再び月へ行く方法には数多くの種類がある。友人の物理学者で熱狂的宇宙愛好家で元浮遊技術者のCasey Handmer氏は、自身のブログで数カ月前からそれらの方法を紹介している。その1つがNASAの提案するLunar Gatewayで、月の軌道に宇宙ステーションを配置し、そこを拠点にして月面探査機が往復する。

これは良いアイデアなのか?まあ、1つのアイデアではある。それでも何かを計画してそれが進めていく方がなにもしないより良い。そうだろう?ただし、ここ数カ月間の相次ぐカオスを見ていると、現在NASAの月探査プログラムは混乱状態に陥っている。

例えば、ジョンソン宇宙センターのGatewayプログラム本部で公開された文法やスペリング間違いだらけの5ページからなる無記名書類には、

SLSあるいはその他の大型ロケットシステムを再設計して月面着陸に必要な装置を運ぶ現実的な方法はない。

などと書かれていることをArs Technicaが報じた(Handmer氏がブログで解説している)。そして今月NASAは、有人宇宙探査担当の幹部らを降格、交代させた

これが、時間どおり狙い通りの着陸を目指す月プロジェクトの発言に見えるだろうか?現状では2024年までに再び月に立つというNASAの計画を信じる専門家はほとんどいないという声もある。ほんとに!?
私は2024年までに女性が月面を歩くところをぜひ見たいと思っている。しかし、正直期待していない。2032年には最後の有人月探査から60年、3世代が過ぎる。もう月へ戻るべきではないと考える人たちもいる。もっとやるべき重要なことが地球にはたくさんあるからだという。私はそれには強く反対する。しかし、仮にもう一度月に行けたとしても、その時前回のことを覚えている人が誰もいなかったら、それはあまりにも悲しい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「月のレンガ」が月面コロニーに熱と照明を供給する?

月に「ダークサイド」はないかも知れないが、ある場所が暗くなったときには、それは本当に暗くなる。そしてその状態が2週間は続くことになる。もし私たちがそこにコロニーを建設することになったら、長い月の夜に備えて、暖かさと何よりも照明を維持しなければならないだろう。このたび、月の砂から作られたレンガが、その解決の一部になることが判明した。

もちろん、月の昼間の間はすぐに利用可能な太陽光が使われることになるし、ご想像のように夜に利用するためのバッテリーを充電することもできるだろう。しかし、バッテリーは大きくて重い代物だ。月旅行の手荷物として携行したいものでは決してない。

では、月のコロニーがエネルギーを蓄える手段は、それ以外には何があるだろう?欧州宇宙機関(ESA、European Space Agency )はAzimut Spaceと提携して、月面に蓄熱されたエネルギーが手軽に利用可能かどうかを調査した。

月面上に豊富にあるものは砂、正確に言うなら月のレゴリス(堆積層)だ。そして、アポロ計画によって持ち帰られたサンプルのおかげで、私たちはそれらの性質をよく知っている。そこで研究チームが、地球上の材料を使いながら月のレゴリスで何ができるかをシミュレートしてみた。

「この研究では、月の岩石と同等の性質を持つ地球の岩石を、月面レゴリスの粒子のサイズと一致する大きさになるまで粉砕して利用しました」と述べるのはプロジェクトの総監督であるESAのAidan Cowley(エイダン・カウリー)氏だ。

この人造レゴリスはレンガとして圧縮されて、電線をつないだあと、月の表面で太陽電池から取り込める量の電流が流されて加熱された。そのあと、そのレンガは月面を模した環境(ほぼ真空で摂氏約マイナス150度)に置かれたが、その際同時にレンガから熱を取り出しそれを電気に変換できるシステムに接続された。

真空チャンバー内の人工レゴリスれんがAzimut SpaceのLuca Celotti(ルカ・セロッティ)氏は「月面の熱を蓄熱するために月のレゴリスを使うことで、すぐに使える材料が豊富に手に入ることになります。つまり宇宙旅行者が材料を大量に地球から持っていく必要がないのです」と語った。

ESAの発表した記事によれば、このプロセスは「うまくいった」とだけ書かれているだけで、特に説明的なものは書かれていない。詳しい情報を求めて私はAzimutに連絡している最中だ。とはいえ、もしこの方法が動くには動くが箸にも棒にもかからない程度のものであったとしたら、おそらく私たちの耳に入ることもなかっただろうと思われる。

月の砂から、巨大で荒削りなバッテリーを作り出すためには、まだまだ沢山の基本的な挑戦を乗り越えなければならない。しかしもしそれが、たとえわずかばかりでも上手く行くようならば、すべての月面コロニーが採用すべきエネルギーと熱の貯蔵手段となるかもしれない。

画像クレジット: ESA / Azimut

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(翻訳:sako)

「Starshipプロトタイプは2〜3カ月後に初飛行」とイーロン・マスク氏

SpaceX(スペースX)でCEOを務めるイーロン・マスク氏は、同社が開発するテキサスとフロリダのStarshipのプロトタイプが「2〜3カ月後」に飛行すると考えている。これは、デモ用のプロトタイプとなるStarhopperの地上係留なしでの飛行が先週失敗したことを考えると、強気のスケジュールだ。

SpaceXはテキサスとフロリダの施設で2機のプロトタイプを並行開発しており、これはより良い機体を選定するという意味がある。どちらのチームもそれぞれのロケットを独自に建造しており、内部の競争意識を刺激することで、1つのチームだけでは不可能な共同での進捗の達成を目指しているのだ。

マスク氏は今月はじめ、Starhopper(短距離飛行モデル)の地上係留をしないテスト飛行が7月16日に実施される予定だと述べたが、その計画はエンジンの予備試験点火の結果、多くの現地民が観測した巨大な火の玉に終わり失敗した。マスク氏は後にTwitterにて「予備テストでの燃料漏れ」の結果だと述べ、また小型版となるStarhopperには重大なダメージを与えていないとも付け加えている。

その後、SpaceXのCEOは非地上係留テストの新しいスケジュールを発表し、今週にテストを実施すると述べた。これは、Starhopperのより完全な飛行テストを前にした、重要な段階であることは明らかだ。

マスク氏は7月19日に、これらの初期テストはサブオービタル飛行となり、軌道へのテスト打ち上げは2〜3カ月後の初飛行の「2〜3カ月後」、つまり今から4〜6カ月後に実施されるとしている。ただしマスク氏のツイートでの楽観ぶりを参考にすれば、このスケジュールも非常に楽観的なものだと考えるべきだろう。

マスク氏はまた、Starshipの打ち上げについての詳細も共有している。打ち上げではFalcon 9やFalcon Heavyのように、現在別地点にて建築中の打ち上げ装置を利用する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

NASAのオリオン宇宙船が初の月ミッションに向け準備完了

NASAによる50周年記念は過去の偉業の見返しにとどまらず、2020年6月以降に予定されているアポロプログラム以来となる、Orion宇宙船が月周辺を飛行する最初の旅の準備が整ったことを認めた

Orionの最初の月ミッションでは宇宙飛行士を乗せないかわりに、Artemis 1の一部としてSpace Launch System(SLS)ロケットを利用し、6日間の月周辺飛行を含む合計3週間を宇宙で飛行し、地球へと帰還する。帰還後は大気圏への高速再投入に関する重要なテストを実施し、2022年にArtemis 2で宇宙飛行士を輸送するためのOrionカプセルの耐熱シールドの効果を検証し、最終的には2024年のArtemis 3にて月面に人類を再び立たせる予定だ。

これはOrionにとって最初の宇宙飛行ではなく、2014年にExploration Flight Test 1が行われ、無人のカプセルが打ち上げられ4時間宇宙を飛行し、地球を2周したあと地上へと帰還した。このミッションではSLSではなくDelta IVロケットが利用され、Artemis以前の重要なシステムのテストが実施された。

アポロ月面着陸の記念日に完成した、ロッキード・マーティンによる月へのArtemis 1ミッション用のオリオンカプセル

NASAの契約企業でOrionの製造を担当するロッキード・マーティンは、結合されたクルーモジュールとサービスモジュールが適切に統合されたことにも言及し、打ち上げの最終準備を始めるために年末までにフロリダのケネディ宇宙センターに戻る前に、一連のテストが実施される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アポロ11号が最初に持ち帰った月の石をスマホで堪能しよう

アポロ11号の月面着陸から50周年を迎えたNASAは、今さまざまな方法で祝っている。その中には、世界中どこにいようと、スマホさえあればだれでも体験できるものもある。NASAのARES(Astromaterials Research & Exploration Science=宇宙材料研究探査科学)部門は、史上初めて採取された月の土と石の詳細な3Dモデルを公開した。それは人類として初めて月面に降り立った宇宙飛行士、ニール・アームストロング氏が持ち帰ったもの。

このリンクをスマホで開けば、月の石をその場でいじってみることができる。3Dモデルがブラウザー上に表示されるので、タッチ操作で回して向きを変え、いろいろな角度から見ることができる。そのディテールは驚異的なレベルだ。ARESによれば、実際に「研究グレード」のものだという。これは、ARESが保管している大量の月と南極隕石のサンプルを、研究、教育のために、より多くの人に公開しようという大きな取り組みの一貫なのだ。

これらの3Dモデルは、超高解像度の写真から生成されたもの。現物を240通りの角度から、最大100メガピクセルのカメラで撮影し、30〜60ミクロン(人間の髪の毛の太さよりも細かい)の分解能を達成している。

そして、これはほんの入り口にすぎない。コンピューターによる画像処理によって、正確な体積と、材質に関する情報も得られる。さらに、X線を使った処理によって、実際にサンプルを切断することなく、断面の画像を生成することも可能だ。こうして、できるだけ多くの正確な情報を引き出している。

もし今スマを持っていなくても、たまたま3D赤青メガネを持っているなら、以下の画像から眼を見張るようなディテールを読み取ることができるはずだ。またNASAは、月の岩石サンプルの研究室を初めて地質学者に開放しているので、その場で直接現物を調査することができる。これまでは長年厳重に非公開で保管されてきたものだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

インドの月探査機チャンドラヤーン2号、7月22日に打ち上げ日を再設定

インド宇宙研究機関(ISRO)は先週、月の南極点にローバー(探査車)を送るチャンドラヤーン2号の打ち上げを予定していたが、打ち上げ1時間前に発見された「技術的な障害」のために、計画は延期された。そして、ISROは米東部時間の7月22日の月曜日5時13分に、打ち上げを実施すると正式発表した。

チャンドラヤーン2号は月着陸機とローバーを搭載した探査機を月に届けることを目標としている。月の南極にローバーを軟着陸させるというのは初の試みで、またインドにとっても科学実験装置を搭載し耐衝撃シールドを搭載した着陸機を探査機から発射するのではなく、ランダーを月面へとコントロールし軟着陸させるのは初の試みである。これが成功すれば、インドはこの種の月面着陸を成し遂げた4番目の国となる。

打ち上げ日にはライブストリームを提供する予定で、GSLV Mk-IIIロケットがチャンドラヤーン2号を軌道へと投入する様子は、さぞかし見栄えがすることだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アポロ11号の月面着陸をリアルタイムレイトレーシング技術で再現

アポロ11号の月面着陸ミッションの50周年記念にあたり、Nvidia(エヌビディア)はこの記念日を利用して最新GPU技術を披露している。最新のGTCカンファレンスで焦点となったのは、RTXシリーズで利用できるリアルタイムレイトレーシング技術だ。

Nvidiaは同社の最新技術を利用して、「Turing GPU」 アーキテクチャを披露するために5年前に制作され、昨年リファインされた月面着陸のデモ大幅に改良した。完成したシミュレーションは太陽光をリアルタイムにモデリングする完全にインタラクティブなグラフィックデモで、正確な影やバイザー、金属表面の反射を取り入れた映画のような写実的な月面着陸の描写を実現している。

同社はすでに、最先端グラフィックスハードウェアの一部で動作するこのシミュレーションに注力してきた。例えば仮想世界の構築に着手したときには、同社はランダー(着陸船)や宇宙飛行士の宇宙服の実際の反射率、そして月の表面のダストや地形の特性を研究した。リアルタイムのレイトレーシングにより、太陽の相対的な位置を前後へと移動させたり、すべての地面が実際世界のように光を反射することができるようになったのだ。

愚かな陰謀論者は月面着陸がフェイクだと主張するかもしれないが、Nvidiaのレクリエーション(再構築)は実に見事であり、12人しか実際に体験したことのない「アーカイブよりリアルな」ものをみせてくれる可能性がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

高高度飛行ジェット機からのロケット打ち上げでVirgin Orbitと英国空軍が合意

億万長者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏が率いる小型人工衛星打ち上げ会社のVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)は、英国空軍(RAF)の小型人工衛星の打ち上げに関する初期契約に署名した。この契約は英国空軍のArtemisプロジェクトの一環であり、Virgin Orbitは英国のGuildfordをベースとするSurrey Satellitesのハードウェアを、デモミッションとして打ち上げる予定だ。

これは、英国に人工衛星の打ち上げ能力を提供したいというVirgin Orbitの意向とも一致している。英国は1971年に自国のロケットにより人工衛星を打ち上げたが、その射場はオーストラリアに設置された。Virgin OrbitはCornwallにスペースポートを設置すると発表しており、2020年代前半に改修されたボーイング747からロケットを打ち上げる予定だ。

Virgin Orbitの打ち上げ方法は地上ロケットを含んでいない(必要なのは伝統的な飛行場だけ)ので、コストを考えると大きなメリットがある。基本的にはボーイング747の主翼に小型ロケットが装着され、高高度にて分離し、軽いペイロードを搭載して地球の低軌道へと比較的に短い距離を飛行するのだ。

この方法では、大きくて重い人工衛星を宇宙へと打ち上げることはできない(皮肉なことに、政府や軍関連ではそれが一般的なのだが)。しかし、製造や打ち上げ価格の両面でコスト的なメリットがあり、人気の高まる小型人工衛星の打ち上げには最適だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

宇宙空間で1000日以上運用された中国の宇宙ステーション実験機「天宮2号」が役目を終える

中国の宇宙ステーション実験機ことTiangong-2が正式に運用を終了し、大気圏へと再突入してその使命を終えた。プラットフォームは軌道を外れて米国時間7月19日の午前9時に予定どおりに焼却し、南太平洋上に落下したことが、中国の宇宙機関により正式に確認された。

宇宙ステーションの大気圏突入時の重量は約9トンだが、大気圏再突入時にはほぼすべてが燃え尽きる計算だ。Tiangong-2は宇宙ステーション(ISSと比べた場合)としては比較的に小型で、ちょうど2人の宇宙飛行士が滞在できるだけのスペースを備えた研究用モジュールで構成される。

宇宙空間で1000日以上運用され、予定運用期間を超えたTiangong-2は、もともと大気圏に計画的に再突入する予定だった(対象的に、Tiangong-1の再突入は計画的なものではなかった。最終的に、地上へのリスクはなかったが)。これらの実験モジュールや間もなく登場するTiangong-3は、コアモジュールが打ち上げられ2020年からからミッションが始まる中国の本物の宇宙ステーションこと「天宮」のための、主要技術をテストするために設計された暫定的な実験ステーションだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleがアポロ11号宇宙飛行士と月面着陸50周年を祝う

月面着陸から50周年を迎えた今、Google(グーグル)がこのマイルストーンを祝うことに驚きはない。このイベントを記念して、GoogleはNASAとNeil Armstrong(ニール・アームストロング)船長やBuzz Aldrin(バズ・オルドリン)操縦士が月へと降り立つ間にアポロ宇宙船のコマンドモジュールを担当したMichael Collins(マイケル・コリンズ)操縦士と協力した。

Googleのチームはいたずら書きやアニメーションのほかに、コリンズ操縦士が彼の視点から一連の出来事を語る動画を制作した。熱いコーヒーを飲みながら月の周りを回ったと語れる人物は、そう多くはない。

これは興味深い動画で、おそらくその理由は多くの人が知らないコリンズ操縦士にフィーチャーしているからだろう。

今月にGoogleはアポロ11号をテーマとした体験をいくつかローンチしており、その中にはAndroidやiOSで「アポロ11号」と検索した後、コマンドモジュールをAR(拡張現実)で再現したものもある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがクルードラゴンのパラシュート試験のビデオを公開

SpaceXは同社の宇宙船Crew Dragonの回収用パラシュートシステムの試験風景を詳細に紹介している。最新のビデオには貨物機や高高度バルーンから落下する映像などのテスト風景が収められている。Crew Dragonカプセルのテストバージョンが砂漠のテスト地域に向かって落ちていくところや、宇宙飛行士を送り出すミッションを終えた後、緩やかに着地するための複数パラシュートアレイを展開する様子などが見られる。

イーロン・マスク氏の民間航空会社は、このCrew Dragonパラシュートシステムを以前からテストしているが、4月にデモ用Crew Dragonカプセルの代わりに金属製のそりを使って行われた「高度な開発テスト」がNASAの期待に答えられず失敗に終わったこと以外、ほとんど情報がなかった。ともあれ、最終的な完成システムに向けて提供されたデータによれば今回のテストは両者にとって「成功」だったようだ。

SpaceXは、今日公開されたビデオで信頼性試験や認定試験など7種類のテストを紹介している。同社はまだこのパラシュートシステムが認定を受けたとは発表していないが、ライバルのボーイングは6月にStarliner有人宇宙船の認定を受けている。

パラシュートシステム以外でもSpaceXは、NASA職員を乗せた有人飛行の認定を受けるためにさまざまな試験を実施している。また最近同社は、4月にCrew Dragonがエンジン試験を中断した失敗理由の調査の進捗や、有人試験飛行に向けた改善点についても詳しく報告した。

SpaceXはCrew Dragon初の有人試験ミッションの目標を2019年中としており、以前は7月末の実施を目標にしていた。現時点でSpaceXの宇宙船が今年中に宇宙飛行士を乗せて飛ぶところを見られる可能性は極めて低い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleがアポロ11号ソフトウェア責任者を記念し巨大モニュメント製作

アポロ11号の月面着陸、50周年を記念してGoogleはさまざまな催しを企画しているが、中でも規模最大なのはGoogleマップのチームのプロジェクトだ。アポロ11号の月面着陸を導いたソフトウェアの開発責任者であるマーガレット・ハミルトン氏に対するトリビュートとして、マップチームはモハーベ砂漠のイバンパー太陽発電施設にの巨大なポートレートを製作した。

 

ポートレートは10万7000枚の鏡からなり、3.6平方キロにもおよび、ニューヨークのセントラルパークより広い。エッフェル塔を200個並べることができるという。

巨大画像にはハミルトンのポートレートだけでなく、「Apollo 11」という文字、月着陸船の画像も含まれる。これはハミルトン氏が人類初の月着陸に果たした大きな役割を示すためだ。同氏の業績のひとつである優先表示システムは着陸操縦の最終段階で宇宙飛行士がその時点で最も必要する情報を的確に表示することを可能にした。ポートレートは1900m上空からはっきり見ることができる。

 マーガレット・ハミルトン氏は現在82歳で、最近The Guardianのインタビューを受け、アポロ計画に参加することになったいきさつ、アポロ11号のミッションで果たした役割について詳しく語っている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

光子の力による宇宙帆走をテストするLightSail 2が送ってきた美しい写真

LightSail 2が自分の帆を広げて、本来のミッションである太陽からの光子の力だけによる帆走とそれに関する調査を開始するまで、少なくともまだあと数日はある。しかし、軌道上で時間を浪費していたわけではない。The Planetary Societyがクラウドファンディングで立ち上げたこの宇宙船は、このほどその特徴を生かした有利な場所から撮った、驚異的なほど高解像度の地球の写真を送ってきた。

LightSail 2はファームウェアがアップデートされ、太陽帆走の帆を使わないテストのあと、方向制御に関する問題を修正した。The Planetary Societyによるとパッチのアップロードは成功し、宇宙船は現状で全体として「健康で安定している」そうだ。太陽帆走の開始は早くて米国時間7月21日の日曜日だが、いつにせよそれは、ミッションのチームが実際に帆を広げることに確信を持ったときに限られる。

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LightSail 2の開発資金は、Bill Nye(ビル・ナイ)氏が率いるPlanetary Societyのクラウドファンディングキャンペーンの成功に負うところが大きいが、今でも目下実行中のオペレーションのためにCrowdRiseで資金を募集している。

マイラー(電気の絶縁材料)で作られている帆に当たる太陽からの光子の力だけで、この宇宙船が航行できるかテストすることが目的だ。宇宙の力だけによる航行は、スタートするまでの過程が極端に遅いが、極めて高いエネルギー効率で調査船が長距離航行できるだろう。

現在の軌道への打ち上げは6月25日に、SpaceXの最新機Falcon Heavyの積載量の一環として行われた

画像クレジット: The Planetary Society

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXの宇宙船、Starhopperがテスト中に火だるま、損害は不明

イーロン・マスク氏のSpaceXが開発中の宇宙船、Starshipの小型プロトタイプ、Starhopperが地上でのエンジンテスト中に大火球に包まれた。燃料漏れなのかもしれないが今のところ原因は不明だ。それ以外の部分ではテストは成功だったようだ。Starhopper自体にどの程度の損害があったのか、そもそも損害があったのかどうかもまだ発表がない。

StarhopperはStarship宇宙船のミニ版で地上テストだけでなく、地上に係留されたまま軽く飛び上がるするテストも実施されている(ホッパーというニックネームはここから来ている)。組み立てと実験はテキサス州ボカチカのSpaceXの施設で行われていた。

starhopper

ロケットはステンレス製のため巨大なおもちゃのように見えるが、実際に飛行できる。今週には地上係留なしで20mほどホップすることが計画されていた。しかし昨夜の火だるまからすると何か問題があったようだ。

hopper fire

エンジンの噴射が終了した後も基部で炎が見え、そこに液体(水だろう)が噴射されていた。その後ロケットは大火球に包まれるた。この一部始終はEveryday Astronautが4Kスローモーションで撮影していた。

いかにステンレスが耐熱性が高いといってもこんな具合に火の玉に包まれるのは具合が悪い。エンジンテスト終了後、なんらかの理由で燃料を排出、これが空気より軽い引火性の気体となってロケットを包みこんだのだろうという推測がある。水噴射が逆に着火のきっかけとなったのかもしれない。翌日撮影された写真ではロケットにススなどの付着も見られず、外観には特に異常は認められなかった。

しかしこのような事故は大掛かりな見直しにつながる。別のビデオを撮影していたLabPadreのツイートによれば、地元当局は「SpaceXは付近の道路その他を閉鎖した」と語ったという。つまりStarhopperのテストは当面中止されたわけだ。

私はSpaceXに取材を申し込んであるので何か分かり次第アップデートする。

画像:Everyday Astronaut

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

トヨタとJAXAが燃料電池動力の有人月面探査車開発で3年計画に調印

トヨタ自動車とJAXA (宇宙航空研究開発機構)は「有人与圧ローバ」と呼ばれる燃料電池動力の有人月面探査車の開発で正式に提携した。当面、2029年に予定されている月面探査で利用できることを目標とする。両社が月面探査車両の開発で協力することは以前から知られていたが、今回、3年間にわたって「有人与圧ローバー」のプロトタイプを共同開発することで正式に合意し、契約に調印した。

プロトタイプ開発にあたって3年間のそれぞれの年には異なる目標が設定されている。初年度は必要とされるテクノロジーや解決すべき技術的問題の洗い出しに当てられ、仕様が決定される。2年目には各パーツの開発と全体の組み立てが行われ、2021年度にはプロトタイプの全体および各パーツがローバの本格的生産に向けてテストされる。

3月に発表されたプレスリリースによれば、ローバ探査車は有人、予圧式で、燃料電池と充電可能な太陽電池を用いて1万kmを走行させることを目標としている。通常の定員は2名だが、緊急時には4名が乗車できるスペースがあるという。

トヨタによれば、ローバは全長×全幅×全高がそれぞれ6.0×5.2×3.8mになる。これはマイクロバス2台を横に並べた程度のサイズだ。フロント部分は走行不能になることを防ぐデザインで、コミュニケーション機器はもちろん各種の機器が搭載される。

JAXAでは2007年に打ち上げた月周回衛星「かぐや」(Selene)に引き続き月探査を進めている。「かぐや」は強力なレーダー・サウンダーを搭載し月の地下に大きな空洞を確認するなど重要な成果を挙げた。
JAXAでは無人探査機による月面探査に加え、最終的にはローバによる有人月面探査を目指している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

軌道上で巨大3Dプリント宇宙船部品を製作するArchinautがNASAから79億円強の資金調達

かさばる部品を宇宙に打ち上げるのではなく、その場で3Dプリントしてしまうことを目指すプロジェクトが、その技術を実証するために、NASAから7370万ドル(79億円強)の契約を獲得した。これまで数年に渡って開発が続けられてきたMade In Space(メイドインスペース)社のArchinaut(建築宇宙飛行士的な意味の造語)は、早ければ2022年には打ち上げが予定されている。

私たちの現在の問題は次のようなものだ。もし60フィート(18m強)の太陽電池アレイを装備した宇宙船が欲しいとするならば、そのアレイを装着するための60フィート長の構造物を用意しなければならない。そのような構造物はリボンのようにくるくる巻き付けておくわけにはいかない。しかし、60フィートの支柱、あるいは2本の30フィートの支柱、なんなら10本に分割した支柱群でも良いが、打ち上げる宇宙船に僅かな格納スペースしかないときに、それらをどのようにしまっておけば良いのだろう?たとえ1方向だけでも大きなものを宇宙に持っていこうとするとすると、問題は急速に複雑なものとなる。

Archinautの解決策はシンプルだ。ただその長い部品のための材料を宇宙に持っていって、その場で3Dプリントしてしまえば良いのではないだろうか?材料をコンパクトに保つ手段として、レンガ状に固めておくやり方以上に効率的なものはない。

当然のことながらこれは、単純な棒や柱のプリントだけにとどまるものではない。ソーラー帆などに使える大きな素材シート、他の部品を装着できる入り組んだ構造物。ひとかたまりのものとして一度に宇宙に打ち上げるには大きすぎるものはたくさん存在している。だがそうしたものはもし必要ならば小さなものから作り上げることができる。以下の写真に示された黒い支柱は、中央の部品から離れた位置に機器を装着するために作られた部品だ:

optimast3Made in SpaceはすでにNASAと契約を終え、国際宇宙ステーション(International Space Station)に搭載されている部品の3Dプリントを実証してみせた。同社はまた、宇宙環境とほぼ同等の人工の真空中で部品をプリントできることも示した。

実証の使命を担うArchinaut Oneは、早くとも2022年の初頭以降にRocket Lab Electronの打ち上げロケットに搭載されて宇宙に向かう予定だ。安定軌道に到達したあと、最終的には32フィート(約10m)の長さになる1対の支柱を押し出して成形する。これらの支柱に取り付けられるのは、同時に展開される柔軟な太陽電池アレイの予定で、支柱の堅固な構造にそって取り付けられる。その作業が完成したら、ロボットアームはそれらを所定の位置に固定し、他の管理作業へと移行する。

そうした作業イメージを以下の動画で見ることができる(残念ながら特にエキサイティングではないが)。

完成すると、この長さ32フィートの太陽電池アレイのペアは、理論的には、そのサイズの宇宙船が通常取り込むことのできる電力の、5倍の電力を生成することができる。宇宙船はほとんど例外なく電力不足に悩むシステムなので、より多くの電力を使えたり、軌道上で十分に受光できない場合に備えて電力を保存できることは、もちろん大歓迎されるだろう。

別のプリントでは、ロボットアームが部品を並べ替え、コネクターに差し込んで、まるでコンセプトアートのような複雑な構造を作るようなタスクをこなすこともできる。とはいえ、こうしたすべてのことが実際に行われるのはまだ先の話だ、現在の実証機が焦点を当てているミッションは、最初の支柱と太陽電池アレイに関するものである。もちろんチームはこの作業の中で他のミッションを達成するために必要なさまざまな学びも重ねることだろう。

当然のことながら宇宙空間での製造は、月面およびその周辺でしっかりとした存在感を確立することを計画している国にとっては大きな関心事だ。25万マイル(約40万km)の距離を配送するよりも、必要な場所で製造を行う方が遥かに簡単だからだ。Archinautや宇宙プリンティングに関わるMade In Spaceの他のプロジェクトに関しての情報は、同社のブログで追いかけることができる。

画像クレジット: Made in Space

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(翻訳:sako)