非技術系チームでもアプリの通知を最適化して送れるようにするNotivize

Notivize(ノーティバイズ)という新しいスタートアップは、製品チームにとって、ユーザーのエンゲージメントを高める上で最も重要なツールを直接操作できる方法を提供している。そのツールとは「通知」だ。

同社は、2019年からその製品を一部の顧客に試してもらい、すでに数十万件の通知を送っているという。そして今週、Heroic Ventures(ヒロイック・ベンチャーズ)主導のシード投資50万ドル(約5400万円)を調達したと発表した。

Notivizeの共同創設者Matt Bornski(マット・ボーンスキー)氏は、Applovin(アプラビン)、Wink(ウィンク)などの数々のスタートアップで働いてきた。彼は「スタックの奥底に埋もれた通知の変更にどれだけ時間がかるか、いくらでも語れる」と話している。

ひとつはっきりさせておくが、ボーンスキー氏が言っているのは、予定されたキャンペーンの一環として送られる簡単なマーケティング用メッセージのことではない。ユーザーが実際に応答するような「最も価値のある」通知は、アプリの使用中に発生すると彼は言う。

たとえば、製品を買ってくれた人にSMSメッセージを送るのは、ごく当たり前のことのように思えるが、ボーンスキー氏によれば、そうした通知を実際に作成しようとすれば、通常はエンジニアに新しいコードを書いてもらわなければならないという。

「その昔ながらやり方は、こうです。製品チームは、製品が売れたときに電子メールを送信する、または売れたときにSMSや通知を送る必要があることを仕様書にまとめます。そこへエンジニアチームが加わり、コードを解析して、製品が売れたことを認識する箇所を見極めます」と彼は言う。「私たちが本当にやりたかったのは、そのためのツールキットを『製品チーム』に提供することであり、実現できたと思っています」

そのためNotivizeを利用すれば、製品チームやマーケティングチームのコーディング技術を持たない人でも、「if-then」の条件文を書くことで通知を送信できるようになる。そしてこれは、通知の効果がが最大限になるよう「A/Bテストと、文章、送信のタイミング、チャンネルの最適化も簡便化します」とボーンスキー氏は言う。

彼は、企業がこうしたツールを自社開発することは滅多にないと言う。なぜなら、同社がこのアプリの開発を始めた当時は「市場を試したり、プロダクトマーケットフィットに取り組むためだけに時間と労力を費やすのは合理的ではない」とされていたからだ。しかし後に「深いところから古い物を破り取る」ことの難しさが知られるようになり、企業は、それならNotivizeがすでに作っているものを利用したほうが早いと思うようなった。

またボーンスキー氏は、これは通知のための「配管」を提供するサービスに置き換わろうとはしてないと強調している。事実、NotivizeはSendGrid(センドグリッド)やTwilio(トゥイリオ)と統合して通知を送ることができる。

「通知を送ること自体は『私たちの事業の』コアバリューではありません」と彼は言う。「私たちは、みなさんがお金を払っているもの、送信するものの質を高めているのです」

Notivaizeでは、利用者は月に100件までのメッセージを無料で送信できる。それ以上は、月額14.99ドル(約1620円)からの料金がかかる。

「製品管理とマケティングスタックにおけるローコードとノーコードの確かな潮流は、これからも市場の速度と製品のイノベーションの解放を推し進めます」と、Heroic Venturesの創設者Michael Fertik(マイケル・ファーティック)氏は声明の中で述べている。「いくつかの開発者用プラットフォームに早期の投資をしてきた経験上、Notivizeは、非常に重要ながら複雑な製品ワークフローの管理能力を非技術系チームから引き出す秘策を解明したと明言できます」

OneSignalは無料の通知ツールで7億5000万円を調達(未訳)

画像クレジット:rambo182 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Facebook、うっとうしい「○○さんがMessengerを利用し始めました」通知を削減へ

BuzzFeedのKatie Notopoulosは昨日(米国時間6/7)の記事で、”‘You Are Now Connected On Messenger’ Is The Worst Thing On Facebook” 、と正しく指摘した。FacebookかMessengerで誰かと友達になったときや、古い友達がMessengerを使い始めたとき、この種のうっとうしい通知が送られてくる。誰かが本当にあなたとチャットしたがっていると思うようにだまそうとした結果、本物のメッセージを見逃しかねない。

幸い、Facebookはすでにこの恥知らずなグロースハックに罪悪感があるようだ。同社がTime Well Spent(有意義な時間)を強く推進するなか、なぜこんな通知を送るのか理由を尋ねたところ、彼らははすでに規模縮小のプロセスに入っていると答えた。

Facebookの広報担当者はTechCrunchに以下の声明を伝えた:

友達がMessengerを使い始めたときに通知が送られてくることを多くの人たちが喜んでいます。しかし、この通知をいっそう価値あるものにするべく機械学習を導入し、通知をもらうのを喜んでいない人には送る量を減らす作業を開始しました。フィードバックはどんなものでも歓迎なので、私たちの製品をよくするために今後も送り続けてくださるよお願いいたします。

つまり基本的には、あのチャットを始めようといううるさい警告をあなたが決して開いていないことにMessengerが気づけば、送ってくる回数を減らそうということだ。

数年前同社は全ユーザーにFacebookチャットからMessengerに移行することを強要した。しかし一部のユーザーは最近ようやくあきらめてアプリをインストールしている。そうやってMessengerを使い始めたユーザーについてのアラートは一切送るべきでないと私は考える。同じように、友達申請を承認すれば、その人とはMessengerでもつながっていることはわかるので、通知で教えてくれる必要はない。

しかしとりあえず今のところ、あのアラートが嫌いな人は決して開かないこと。そうすればこれ以上欲しがっていないことがFacebookに伝わる。

Facebookはこの種のうっとうしいグロースハッキングを片っ端からやっている。友達がストーリーにあなたを追加したことや、「明日近所で行われるイベントにXさんとYさんほか86人の友達が興味をもっている」ことの通知から、サイトに行かなくなったときに送られてくるさまざまなメールまで。われわれユーザーは、漠然と愚痴をこぼしているよりも、こうした押しつけがましく気を取らせる行為を具体的に指摘して、IT巨人に恥ずかしい思いをさせることで、ユーザーの注目を尊重する方向に早く動かすことができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Firefoxであの迷惑な通知リクエストをブロックできるようになった

最近はどのサイトも、プッシュ通知の受信を迫る。それはオープンなWeb上のちょっとした迷惑だが、でも嬉しいことに、Firefoxのユーザーならあのポップアップを出ないようにできる。デスクトップ向けのFirefox 59では、Webサイトに、通知の送信を求めることを、やめさせることができる。

この同じ設定ダイアログ(下図)で、Webサイトがユーザーのデバイスのカメラやマイクロフォンや位置情報へのアクセスを求めることも、やめさせられる。ただし、ブラウザーを使用するビデオ会議にように、カメラやマイクが必要なWebアプリケーションもある。また、一部の地図アプリは、ユーザーの位置を知る必要があるだろう。しかしプッシュ通知だけは、たいていの人が、どこからの通知でもいいから欲しい、とは思わない。

今のところ、この新しい設定は設定メニューの中にやや埋もれている。見つけるためには、FirefoxのOptionsメニューからPermissions > Notification Settings > Blockへ行き、通知許可を求める今後のリクエストをブロックする。〔v58でも、個々のサイトごとに通知(やカメラなど)を不許可にすることはできる。〕

多くのサイトは、Webのスタンダードを利用してプッシュ通知を送り、これらの通知リクエストをポップアップしている。しかし一部のサイトはHTML5のオーバレイ機能を利用して通知をリクエストするから、いろんな用途のあるオーバレイを一律にブロックすることはできない。ただしMozillaは今、この問題の対策にも取り組んでいるそうだ。

最近の数か月でFirefoxはメジャーなアップデートがいくつかあったが、今回のv59は相対的にマイナーだ。そのほかの新しい機能としては、Macにおけるグラフィクスのレンダリング(描画)の高速化、FirefoxのHomeページの改良、アノテーションやスクリーンショット、ペンやタッチによる入力機能の改良などがある。Private Browsing Modeにもやや改良があり、リファラ(リンク元)のパス情報が削除される。これにより、ユーザーを追跡することがやや難しくなる。

Firefoxは遅くて面倒、と思ってこのところ使ってなかった人も、今なら試してみる価値がある。今のFirefoxは、あなたが知っていたFirefoxとは違う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スマートフォンにやってくる大量の通知の、重要なものだけを通すSnowballがAndroidでデビュー

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モバイルアプリの数は膨大で、しかし日常よく使うのは五指に足りる、という現状では、デベロッパがユーザの注意を自分のアプリに向けるための唯一の方法がプッシュ通知だ。そしてユーザは、無用な通知の洪水に悩まされる。また、スマホの設定でいちいち、通知OKのアプリを指定するのも面倒だし、慣れないとやりにくい。

そこで今日ローンチしたSnowballは、もっと便利なインタフェイスで、重要な通知だけを指定できるようにする。

実はこのアプリの前身は、ユーザが使っているすべてのメッセージングアプリの来信を一箇所にまとめるアプリだった。このお利口なアプリはこれまでに25万回ダウンロードされ、今でも数万人が愛用しているが、SnowballのファウンダでCEOのAnish Acharyaから見れば、成功とは言えない。

そこでスタートアップの本場サンフランシスコに拠を構える同社は、アプリの設計からやり直した。そしてメッセージの統一受信箱ではなくて、通知のための“優先度指定受信箱”ならいける、と判断した。

そのアプリの開発は、かなりの難産だった。

“そんなアプリは、前例がまったくなかったから、雲をつかむような設計課題だった。1年前には、そんなのできない、とすら思っていた”、とAcharyaは説明する。Androidにおける、通知のプルダウンインタフェイスや、すべての通知をスワイプするやり方を、Snowballが支配しないといけないのだ。誰もやったことのない、ワザだ。

たどり着いたソリューションの詳細を同社は明らかにしないが、Acharyaによればそれは、“ハッキング”ではない。リバースエンジニアリングもやっていない。そして、その方法をGoogleにも試してもらって、ゴーサインをもらった。

SnowballをAndroid機にインストールすると、それが通知関連のインタフェイスをすべて乗っ取ってしまう。そしてアプリのアップデート通知のような、多すぎて迷惑な通知をすべて隠してしまう。そのほかの通知は、それらが来たときに、重要/重要でないを、スワイプで指定する。重要でないのは、次回から隠される。

隠された通知を見たくなったら、Snowballのドロップダウンペーンを呼び出せる。それらを見ても、次回からは、やはり隠される。〔余計な訳注: うーん、このへんがちょっと問題か…。〕

Snowballのメインの画面は“重要(Important)”と“そのほか(Everything Else)”に分かれている。“そのほか”に入れた通知は、次回から自動的に隠される。

今後Snowballは、ユーザのアプリの使い方から学んで、重要な通知とそうでない通知を自動的に見分けるようにしたい、とAcharyaは言っている。

今度のSnowballにはその前身の機能もすっかり残っていて、たとえばいちいち個々のメッセージングアプリを開かなくても、とにかくすべての来信を読めるし、それらへの返信もその場でできる。Facebook Messengerに来たのか、WhatsAppに来たのか、などなどをいちいち気にする必要がない。とにかく、メッセージ来信の通知がSnowballに来るので、単純にそれを読めばよい。友だちがメッセージで知らせてきたYouTubeのビデオや、そのほかのURLも、それらをユーザがいちいち開かなくても、専用カードの上で見ることができる。

そしてカレンダーのリマインダーが来たら、Snowballは現在地のUberやLyftの料金を教えてくれる。

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こうやって、何らかのアプリからの通知を優先することもできるから、そのあたりに今後のSnowballのビジネスモデルの手がかりがありそうだ。たとえば、UberやLyftのコンペティタの料金情報を見ることもできる、とか。もちろんそれは、Snowballのユーザがもっと増えてから、の話だけど。

“長期的な目標としては、今のスマホはアプリが主、通知が従だけど、それを逆転して、スマホの利用はすべて通知から始まる、という日常にしたい。通知は実は、スマートフォンの利用の中心にあるものなんだ。そしてアプリの利用は、そこから派生していく。通知にオーケストレーションされて、いろんなアプリを取っ替え引っ替え、有意義に使っていくのが、日常のスタンダードなスマホの使い方なのだ”、とAcharyaはすごい目標を語る。

同社はこれまで、First Round、Felicis Ventures、Golden Venture Partners、Google Ventures、Metamorphic Venturesなどから計230万ドルのシード資金を支援されている

Snowballの最初のバージョンは今日からリスト上にないから、ユーザは新しいアプリをGoogle Playのここで入手しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Chrome Beta 28に新たな通知機能(デベロッパがカスタマイズ可)を導入–ブラウザが閉じていても有効

これは実は、待望のデスクトップ版Google Nowとは言えないが、Googleは今日(米国時間5/23)、Chromeに充実した通知能力をもたらすための機能をChromeの最新のベータバージョン(v28)に導入する、と発表した。これで、Google Nowがまた一歩デスクトップに接近してきたことは、確実である。

この新しい通知機能は、デベロッパが自作のChrome用パッケージアプリやエクステンションに容易に加えることができ、通知はブラウザのウィンドウの外にポップアップするので、ユーザはブラウザを開いてなくても通知を受け取れる。

この機能が今使えるのはWindowsとChrome OSだが、OS XとLinuxも“もうすぐ”対応だそうだ。

Chromeにはもちろん前からWeb上のベーシックな通知機能があり、ChromeとGoogle AppsのユーザはGmailなどで通知を体験してきたはずだ。しかし今回発表されたリッチな通知は、一味も二味も違う。デベロッパが独自のアイコンや画像やヘッドライン(見出し)や短いメッセージを、通知に添付できるのだ。また通知の表示持続時間や複数の通知アラートのプライオリティをデベロッパは指定できる。

WindowsのシステムトレイやChrome OSのランチャから、新たにできた通知センターにアクセスできる。

先週Googleは、Chromeにプッシュ通知サービスを実現するクラウドメッセージングを発表した(本来はモバイルAndroidの機能)。今日の発表にそのことの言及はないが、通知センターにはこのプッシュ通知も当然入るはずだ。

Chrome 28に盛り込まれた新機能や変更の詳細は、ここで見られる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))