インドのローカル向けソーシャルメディア「Lokal」が中国Tencentから約13.6億円を調達

インドのハイパーローカルソーシャルメディアプラットフォーム「Lokal(ローカル)」が、中国のインターネットコングロマリット「Tencent(テンセント)」が主導する新たな資金調達ラウンドで1200万ドル(約13億6800万円)を調達したことが、この件に詳しい関係者を通して明らかになった。

ベンガルールを拠点とするこのスタートアップ企業のシリーズAには、既存の投資家である3one4 Capital(3one4キャピタル)、Y Combinator(Yコンビネーター)、India Quotient(インディア・クオシェント)も参加しているとのことだが、関係者はこの件が非公開であることから匿名を希望している。

TencentとLokalは、コメントの要請に応じていない。

推計によると、現在オンラインに接続している非英語圏のインド人は4億人以上いると言われている。彼らにとって、インターネットで提供されるサービスは非常に限られたものであり、そのようなユーザー向けに構築されたサービスはあまり存在しない。

Lokalは、このようなユーザーにリーチし、幅広いサービスを提供しようとしている。その名を冠したハイパーローカルソーシャルメディアアプリは、英語を話さないユーザーがお互いにつながり、交流することを可能にする。

また、このアプリは、ユーザーが近くの仕事を見つける手助けをしたり、商品価格や不動産価格、地元の新聞に掲載されているような婚活広告などの最新情報を提供したりもする。また、スキルアップのためのサービスも提供している。

同社のウェブサイトによると、ダウンロード数は1000万を超え、南インドの複数の州で人気を博しているという。

インド企業が中国の投資家から資金を調達する際に、インド政府の承認を得ることを義務付ける規則をニューデリーが導入してから1年半以上が経過した中で、今回の投資が行われた。この動きは、中国企業のインドへの投資ペースを著しく低下させていた。しかし、ここ数カ月の間に、いくつかの企業がTencentから資金を調達している。

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中国TencentがインドのPocket FMの投資ラウンドをリードへ、最大27億円規模か

TechCrunchは8月、インドのPocket FM(ポケットエフエム)がTencentなどからの資金調達に向けて交渉を進めていると報じた。2016年以降、インドのスタートアップに20億ドル(約2280億円)以上を投資している中国の巨人は、2021年初めにもインドのソーシャルメディアプラットフォームShareChat(シェアチャット)に2億ドル(約228億円)以上を投資したが、同スタートアップは発表時にTencentの関与を明らかにしなかった。

インドの音楽ストリーミングサービスのGaana(ガーナ)にもさらに資金を投入した同社は、最近のインド企業への投資を、当事者間の承認の時間稼ぎと、将来的に負債を株式投資に転換する選択肢を得るために、転換社債として行っている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

フェイスブックはルール違反したグループメンバーに対してニュースフィード内でランクダウンするペナルティを予定

Facebookは、Facebookグループの管理者がオンラインコミュニティをより良く管理・運営できるように、グループ機能のアップデートを地道に行ってきた。最近では自動化されたモデレーション機能の提供 や白熱している議論に関するアラート機能といったリリースや、グループを抑制することを目的とした新しいポリシーの発表などが挙げられる。そして米国時間10月20日、Facebookは新たな2つの変更を発表した。今後は、ルールに違反したグループメンバーに対して、より厳格な措置を講じるとともに、新たな「Flagged by Facebook」(Facebookによるフラグ済)機能を使って削除プロセスの透明性を高めていく。

関連記事:フェイスブックが自動モデレーション機能などのグループ管理者向け新ツール発表

具体的には、Facebookプラットフォーム上のあらゆる場所で、Facebookのコミュニティ基準に違反したメンバーのすべてのグループコンテンツの、ランクダウンを開始するとしている。つまり、Facebook内で悪質な行為を行う者は、たとえグループそのもののルールやポリシーに違反していなくても、グループで共有したコンテンツの優先度がランクダウンしてしまう可能性があるということだ。

なお「ランクダウン」とは、そうしたメンバーが共有したコンテンツをニュースフィードの下の方に表示することを意味する。別名「ダウンランキング」とも呼ばれるこうした措置は、これまでもFacebookが、ニュースフィードへの掲載を減らしたいクリックベイトやスパム、さらには報道機関の投稿に対して、ペナルティを科すために行ってきたものだ。

また、Facebookは、ユーザーがFacebook全体でより多くの違反行為を積み重ねるにつれて、これらのランクダウンはより厳しくなるとしている。Facebookのアルゴリズムは、個々のユーザーに合わせてニュースフィードのコンテンツをランク付けしているため、このようなランクダウン措置がどの程度機能しているのか、あるいは機能していないのかを今後追跡するのは難しいだろう。

また、Facebookによると、このランクダウン措置は現在、メインのニュースフィードにのみ適用され、グループタブ内の専用フィードには適用されないということだ。

同社は、この変更によって特定のメンバーが他者の目に触れる機会が減ることを期待している。そしてこのルール違反に対するペナルティが、ユーザーの投稿、コメント、グループへの新規メンバーの追加、新しいグループの作成を制限することなどを含む現在のグループペナルティに加わると指摘している。

もう1つの変更点は「Flagged by Facebook」(Facebookによるフラグ済)という新機能の登場だ。

画像クレジット:Facebook

この機能により、グループ管理者は、Facebookによって自動的に削除フラグを立てられたコンテンツを、コミュニティに公開する前に知ることができるようになる。管理者はその後、コンテンツを自ら削除するか、Facebookの判断を受け入れるかどうかのためにコンテンツをレビューすることができる。もしFacebookの判断に異議がある場合には、コンテンツを残すべきだと考える理由について追加のフィードバックを添えてFacebookにレビューを依頼することができる。これは、自動モデレーションエラーを取り除く役に立つだろう。グループ管理者が関与してレビューを要求できるようにすることで、不必要な攻撃や削除が行われる前にメンバーを保護できるようになるだろう。

この機能は、コミュニティ基準に違反する投稿があった場合に「グループ管理者に投稿を報告」することができる従来のオプションに似ているが、管理者がより積極的にプロセスに関与できる方法を提供する点が異なっている。

Facebookにとって残念なことは、このようなシステムは、グループが積極的に管理されている場合にのみ機能する。残念ながらいつでもそうだとは限らない。グループに管理者がいたとしても、その管理者がFacebookをやめたり、グループの管理をやめたりした場合に、後任の管理者やモデレーターを任命しなければ、そのグループは大混乱に陥る可能性がある。特にそのグループ規模が大きければ大きいほど。4万人以上のメンバーを抱える大規模グループのあるグループメンバーは、彼らの管理者が2017年からグループ内で活動していないと語る。メンバーはこのことを知っていて、モデレーションがないことを利用して、時には好き勝手なことを投稿する者もいるという。

これは、Facebookのグループインフラがまだまだ未完成であることを示す一例だ。もし企業がプライベートグループのためのプラットフォームをゼロから構築する場合、たとえばコンテンツの削除方法やルール違反に対するペナルティなどのポリシーや手順が、何年もかけて追加されることはないだろう。それらは基盤となる要素だからだ。それなのに、Facebookは2010年に登場したグループ機能の中でとっくに確立されていなければならなかったプロトコルを今やっと展開しつつあるのだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

フェイスブックの名称が変わる?メタバースにフォーカスした名称への変更を計画中との報道

The Vergeによると、Facebookは、メタバースの構築に注力するために、新しい名称でリブランディングすることを計画しているという。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日に開催される年次カンファレンス「Connect」でその新名称を発表する予定だというが、報道によるとそれ以前に新名称を発表する可能性もある。

ソーシャルメディア以外でも広く知られたいと目論むFacebookは、米国時間10月17日、同社が将来において重要な要素だと考えるメタバースの構築を支援するために、今後5年間ヨーロッパで1万人の雇用を募集する計画を発表している。

また、同社は1カ月前に、ARとVRの責任者であるAndre Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏が最高技術責任者に昇格することを発表している。Facebookにはすでに1万人以上の従業員がおり、ザッカーバーグ氏がスマートフォンと同じくらいユビキタスになると考えているARグラスといった消費者向けハードウェアを開発、製造している。

2021年7月、ザッカーバーグ氏は、Facebookの未来はユーザーがその中で生活、仕事、遊べるバーチャルメタバースにあると述べた。

今回のブランド変更は、米上院商業科学運輸委員会で証言した内部告発者Frances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏が流出させた一連の内部文書など、さまざまなスキャンダルでFacebookが批判にさらされている時期に行われることになる。Facebookは、現在も米国政府による独占禁止法の調査を受けている

Facebookの広報担当者は「ウワサや憶測にはコメントしない」と述べている。

画像クレジット:Lionel Bonaventure / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Katsuyuki Yasui)

InstagramがCollabs機能、リールの新音楽機能、デスクトップからの投稿などを続々追加

Instagram(インスタグラム)は米国時間10月19日、InstagramのフィードとTikTok(ティックトック)のライバルであるReels(リール)の両方で、今週中いくつかの新機能を展開することを発表した。このクリエイター向けの機能追加により、ユーザー同士のコラボレーション、募金活動、リールでの音楽の有効活用などが可能になる。また、Instagramのデスクトップサイトの使い勝手を向上させ、ついにデスクトップのウェブブラウザから写真と1分以内の動画の両方を投稿できるようにする。

デスクトップからの投稿は以前から要望の多かった新機能で、米国時間10月21日(日本時間10月22日)から全世界のユーザーに提供される。

同社は2021年の夏にこの機能をテストしていたが、多くの人の目には触れていなかった。

画像クレジット:Instagram

その他の新機能は、米国時間10月19日の「Collabs(コラボ)」を皮切りに、1週間を通じて提供が始まっていく予定だ。

InstagramはこのCollabs機能を「テスト」と位置付けているが、フィード投稿とリールの両方を共同制作できるようになると説明している。それを行うために、ユーザーはInstagramのタグ付け画面から、別のアカウントをコラボレーターとして招待することができる。それを相手が承諾すれば、両方のアカウントが投稿やリールのヘッダーに表示され、両者のフォロワーにコンテンツが共有される。Instagramはこのテストを本日発表したばかりだが、同社は7月にこの機能の小規模なグローバルテストを開始しており、多くのInstagramユーザーがすでにアプリ内でこの機能を発見していた。

発表時、Instagramはこの機能にアクセスできるのはごく一部の人に限られると述べ、より広範囲に展開する時期については明らかにしなかった。

Instagramによれば、2人のクリエイターがコラボレーションを選択すると、両方のプロフィールグリッドに投稿やリールが表示され、ビュー数「いいね!」数、コメントスレッドが共有されるという。

また、米国時間10月20日には、Instagramは、非営利団体のための募金活動を行う新しい方法のテストを開始し、作成ボタン(画面右上の「+」ボタン)から直接募金活動を開始できる機能を導入する。このオプションをタップすると「投稿」「ストーリーズ」「リール」「ライブ」を選択する代わりに、非営利団体を選択するオプションが表示され、募金活動リンクをフィード上の投稿に追加することができる。

Instagramは以前から募金活動をサポートしており、2020年にはライブストリーム中に非営利団体の募金活動を行う機能を追加している。しかし、自身のInstagramのプロフィールからすぐに独立したスポットとして募金活動を行う方法は提供していなかった。

この機能は、開発者でありリバースエンジニアでもあるAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏が、今週の発表に先立ち、9月にはすでに開発中の新しい募金ボタンを発見していた。

他にも、音楽に合わせてリールを楽しむための機能が2つ追加されている。

米国時間10月21日に、Instagramは、リール上で音楽を使って編集したりパフォーマンスを行ったりするクリエイターを支援するための、Superbeat(スーパービート)とDynamic Lyrics(ダイナミックリリックス)という2つの新しいエフェクトを投入する。Superbeatは、ユーザーの曲のビートに合わせて音楽に特殊効果をインテリジェントに適用し、Dynamic Lyricsは、曲の「グルーヴ」に合わせて3Dの歌詞を流れるように表示する、とInstagramは述べている。

これらの新機能は、4月にTikTokが発表した6種類のインタラクティブな音楽効果を追いかけるものだ(そのときTikTokに追加された機能には曲のビートに合わせて視覚効果を加えるものなどもあった)。一方、リールはこれまで、標準のクリエイティブなエフェクトの選択肢が非常に限られており、例えばタイマーや速度調整ツールなどの、基本的なものを超えるライブラリの拡張はコミュニティに頼っていた。

このリール機能は、デスクトップからの投稿機能と同時に提供され、Instagramによると、写真と1分以内のビデオに限定される。同社は今月、長尺動画用のIGTVブランドを廃止したが、いまでも60分までの動画は許可されている。現在では、ストーリーズやリールの動画ではないものは、まとめてInstagram Video(Instagram・ビデオ)と呼ばれている。

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画像クレジット:Instagram

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

Facebookアプリの元責任者が内部告発者の議会証言に対して同社を擁護

米国時間10月19日の午後、WSJ Tech Liveイベントで、元FacebookアプリのトップでCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の直属だったFidji Simo(フィジー・シモ)氏が、自分が以前在籍していたソーシャルネットワークを擁護した。Instacartの新CEOになった同氏は、イベントでフードデリバリーの未来について述べたが、質問では、最近のFacebookの内部告発者の議会での証言と、それが喚起した社会的関心についても尋ねられた。

関連記事:グローサリー配達のInstacartが新CEOにフェイスブック幹部のシモ氏を指名

シモ氏によると、Facebookが多くの人の生活に与える影響を考えるとセキュリティは重要だが、Facebookが批判を鎮めるために十分なことをやっていないのが心配だ、という。Facebookは世界最大のソーシャルネットワークとして複雑な問題に取り組んでいるにもかかわらず、まだ十分でない、と。

シモ氏は自分が最近離れたFacebookを擁護し「Facebookは、ユーザーの安全のために大金を投じている。また自らの社会的影響についても、業界屈指の詳細な調査研究を行っています。心配なのは、多くの人が『イエス』か『ノー』かの答えを求めることです。実際のところ、この問題は多くのニュアンスを含んでいます」と述べている

内部告発者のFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏によると、ユーザーのエンゲージメントを優先するFacebookのアルゴリズムにより、人間よりも利益が重視されているという。シモ氏が警告するのは、問題がこれまで説明されてきたようにAかBか、人間か利益かといった、単純な二分法ではないということだ。シモ氏の説明によると、Facebookが行ってきた調査研究に基づいて成し遂げるべき変化は、何かのダイヤルを回して、突然、魔法のように問題が消滅するものではない。なぜならFacebookは基本的に、人間性の反映そのものであるからだ。

画像クレジット:Instacart

シモ氏によると、むしろFacebookの本当の問題は、Facebookが何かを変えるたびに、社会に重要な影響が及ぶことと、その在り方だ。そのためFacebookはついでに何かが起こってしまったではなく、Facebookの事業で問題が起こりそうな部分を判断し、そこをを事前に改善することが重要だ。

「トレードオフがあるときは、それは通常、2種類の社会的インパクト間のトレードオフだ」とシモ氏はいう。

彼女が挙げるかなり単純な調整の例は、ユーザーを怒らせるような投稿を事前に判断して、その種の投稿をあまり見せないようにすることだ。

ハウゲン氏が上院で証言したのは、Facebookのアルゴリズムがエンゲージメントを奨励するようになっていることだ。「いいね!」などのインタラクティブなアクションの多い投稿はより広く拡散され、ユーザーのニュースフィードで上位に表示される。しかしハウゲン氏によると、エンゲージメントが「いいね!」やポジティブなリアクションだけでなく、クリックベイトや人を怒らせるような投稿でも起こるため、アルゴリズムはそれらも優先してしまう。その結果、虚偽情報や悪質で暴力的なコンテンツなど、激しいリアクションを喚起するポストが広まる。

しかしながら、Facebook上の怒りはダイヤルを回して音量を下げるように簡単に減らすことはできない。もしそんなことをしたら、別のタイプの社会的インパクトが生じるだろうとシモ氏はいう

シモ氏によれば、そもそも大きな社会運動は怒りがつくり出すため、企業は多くの人の行動を左右するようなインパクトをどうやって変えるのか、という問題を抱えてしまう。

(しかしWSJの記事によると、そのような状況ではなかった。むしろアルゴリズムの加工によって個人の感情的なポストがプロたちの知的なコンテンツより優先されるようになると、発行者や政党などは怒りやセンセーショナリズムに迎合するポストを発表するようになる。記事によると、この問題を修復せよという提案に対しザッカーバーグしは抵抗している)

シモ氏によると「怒り」の問題はほんの一例にすぎない。「実際には、どんな問題でも常に別のタイプの社会的インパクトとのトレードオフになります。そんな状況に、長くいたためわかりますが、それは『社会にとって良いこと』vs.『Facebookにとって良くて利益になること』という単純な問題ではありません。実際の議論は常に、異なる種類の社会的インパクト同士の間にあります。それは私企業にとって非常に扱いづらい議論です」。

「だからFacebookは公的規制を求めているのだ」とハウゲン氏はいう。

「この部分でFacebookが長年規制を求めてきたのも意外ではない。立場を異にする複数の社会的インパクトがあるとき、私企業はどちらか一方の主張を味方することはできない。行司役を担うのは、政府がふさわしい」とシモ氏はいう。

最近増えているエビデンスによれば、Facebookの事業が社会に負の影響を与えていることはFacebook自身も社内調査などで理解している。そんな中でシモ氏は、Facebookを辞めたことを、Facebook内で起きていることが理由だとはしなかった。

むしろシモ氏は「Facebookにいた10年はあまり勉強しませんでした。Instacartへの移籍は、Facebook以外のいろいろなことを学べる良いチャンスだからです」という。

画像クレジット:Porzycki/NurPhoto/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Facebookアプリの元責任者が内部告発者の議会証言に対して同社を擁護

米国時間10月19日の午後、WSJ Tech Liveイベントで、元FacebookアプリのトップでCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の直属だったFidji Simo(フィジー・シモ)氏が、自分が以前在籍していたソーシャルネットワークを擁護した。Instacartの新CEOになった同氏は、イベントでフードデリバリーの未来について述べたが、質問では、最近のFacebookの内部告発者の議会での証言と、それが喚起した社会的関心についても尋ねられた。

関連記事:グローサリー配達のInstacartが新CEOにフェイスブック幹部のシモ氏を指名

シモ氏によると、Facebookが多くの人の生活に与える影響を考えるとセキュリティは重要だが、Facebookが批判を鎮めるために十分なことをやっていないのが心配だ、という。Facebookは世界最大のソーシャルネットワークとして複雑な問題に取り組んでいるにもかかわらず、まだ十分でない、と。

シモ氏は自分が最近離れたFacebookを擁護し「Facebookは、ユーザーの安全のために大金を投じている。また自らの社会的影響についても、業界屈指の詳細な調査研究を行っています。心配なのは、多くの人が『イエス』か『ノー』かの答えを求めることです。実際のところ、この問題は多くのニュアンスを含んでいます」と述べている

内部告発者のFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏によると、ユーザーのエンゲージメントを優先するFacebookのアルゴリズムにより、人間よりも利益が重視されているという。シモ氏が警告するのは、問題がこれまで説明されてきたようにAかBか、人間か利益かといった、単純な二分法ではないということだ。シモ氏の説明によると、Facebookが行ってきた調査研究に基づいて成し遂げるべき変化は、何かのダイヤルを回して、突然、魔法のように問題が消滅するものではない。なぜならFacebookは基本的に、人間性の反映そのものであるからだ。

画像クレジット:Instacart

シモ氏によると、むしろFacebookの本当の問題は、Facebookが何かを変えるたびに、社会に重要な影響が及ぶことと、その在り方だ。そのためFacebookはついでに何かが起こってしまったではなく、Facebookの事業で問題が起こりそうな部分を判断し、そこをを事前に改善することが重要だ。

「トレードオフがあるときは、それは通常、2種類の社会的インパクト間のトレードオフだ」とシモ氏はいう。

彼女が挙げるかなり単純な調整の例は、ユーザーを怒らせるような投稿を事前に判断して、その種の投稿をあまり見せないようにすることだ。

ハウゲン氏が上院で証言したのは、Facebookのアルゴリズムがエンゲージメントを奨励するようになっていることだ。「いいね!」などのインタラクティブなアクションの多い投稿はより広く拡散され、ユーザーのニュースフィードで上位に表示される。しかしハウゲン氏によると、エンゲージメントが「いいね!」やポジティブなリアクションだけでなく、クリックベイトや人を怒らせるような投稿でも起こるため、アルゴリズムはそれらも優先してしまう。その結果、虚偽情報や悪質で暴力的なコンテンツなど、激しいリアクションを喚起するポストが広まる。

しかしながら、Facebook上の怒りはダイヤルを回して音量を下げるように簡単に減らすことはできない。もしそんなことをしたら、別のタイプの社会的インパクトが生じるだろうとシモ氏はいう

シモ氏によれば、そもそも大きな社会運動は怒りがつくり出すため、企業は多くの人の行動を左右するようなインパクトをどうやって変えるのか、という問題を抱えてしまう。

(しかしWSJの記事によると、そのような状況ではなかった。むしろアルゴリズムの加工によって個人の感情的なポストがプロたちの知的なコンテンツより優先されるようになると、発行者や政党などは怒りやセンセーショナリズムに迎合するポストを発表するようになる。記事によると、この問題を修復せよという提案に対しザッカーバーグしは抵抗している)

シモ氏によると「怒り」の問題はほんの一例にすぎない。「実際には、どんな問題でも常に別のタイプの社会的インパクトとのトレードオフになります。そんな状況に、長くいたためわかりますが、それは『社会にとって良いこと』vs.『Facebookにとって良くて利益になること』という単純な問題ではありません。実際の議論は常に、異なる種類の社会的インパクト同士の間にあります。それは私企業にとって非常に扱いづらい議論です」。

「だからFacebookは公的規制を求めているのだ」とハウゲン氏はいう。

「この部分でFacebookが長年規制を求めてきたのも意外ではない。立場を異にする複数の社会的インパクトがあるとき、私企業はどちらか一方の主張を味方することはできない。行司役を担うのは、政府がふさわしい」とシモ氏はいう。

最近増えているエビデンスによれば、Facebookの事業が社会に負の影響を与えていることはFacebook自身も社内調査などで理解している。そんな中でシモ氏は、Facebookを辞めたことを、Facebook内で起きていることが理由だとはしなかった。

むしろシモ氏は「Facebookにいた10年はあまり勉強しませんでした。Instacartへの移籍は、Facebook以外のいろいろなことを学べる良いチャンスだからです」という。

画像クレジット:Porzycki/NurPhoto/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Facebookアプリの元責任者が内部告発者の議会証言に対して同社を擁護

米国時間10月19日の午後、WSJ Tech Liveイベントで、元FacebookアプリのトップでCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の直属だったFidji Simo(フィジー・シモ)氏が、自分が以前在籍していたソーシャルネットワークを擁護した。Instacartの新CEOになった同氏は、イベントでフードデリバリーの未来について述べたが、質問では、最近のFacebookの内部告発者の議会での証言と、それが喚起した社会的関心についても尋ねられた。

関連記事:グローサリー配達のInstacartが新CEOにフェイスブック幹部のシモ氏を指名

シモ氏によると、Facebookが多くの人の生活に与える影響を考えるとセキュリティは重要だが、Facebookが批判を鎮めるために十分なことをやっていないのが心配だ、という。Facebookは世界最大のソーシャルネットワークとして複雑な問題に取り組んでいるにもかかわらず、まだ十分でない、と。

シモ氏は自分が最近離れたFacebookを擁護し「Facebookは、ユーザーの安全のために大金を投じている。また自らの社会的影響についても、業界屈指の詳細な調査研究を行っています。心配なのは、多くの人が『イエス』か『ノー』かの答えを求めることです。実際のところ、この問題は多くのニュアンスを含んでいます」と述べている

内部告発者のFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏によると、ユーザーのエンゲージメントを優先するFacebookのアルゴリズムにより、人間よりも利益が重視されているという。シモ氏が警告するのは、問題がこれまで説明されてきたようにAかBか、人間か利益かといった、単純な二分法ではないということだ。シモ氏の説明によると、Facebookが行ってきた調査研究に基づいて成し遂げるべき変化は、何かのダイヤルを回して、突然、魔法のように問題が消滅するものではない。なぜならFacebookは基本的に、人間性の反映そのものであるからだ。

画像クレジット:Instacart

シモ氏によると、むしろFacebookの本当の問題は、Facebookが何かを変えるたびに、社会に重要な影響が及ぶことと、その在り方だ。そのためFacebookはついでに何かが起こってしまったではなく、Facebookの事業で問題が起こりそうな部分を判断し、そこをを事前に改善することが重要だ。

「トレードオフがあるときは、それは通常、2種類の社会的インパクト間のトレードオフだ」とシモ氏はいう。

彼女が挙げるかなり単純な調整の例は、ユーザーを怒らせるような投稿を事前に判断して、その種の投稿をあまり見せないようにすることだ。

ハウゲン氏が上院で証言したのは、Facebookのアルゴリズムがエンゲージメントを奨励するようになっていることだ。「いいね!」などのインタラクティブなアクションの多い投稿はより広く拡散され、ユーザーのニュースフィードで上位に表示される。しかしハウゲン氏によると、エンゲージメントが「いいね!」やポジティブなリアクションだけでなく、クリックベイトや人を怒らせるような投稿でも起こるため、アルゴリズムはそれらも優先してしまう。その結果、虚偽情報や悪質で暴力的なコンテンツなど、激しいリアクションを喚起するポストが広まる。

しかしながら、Facebook上の怒りはダイヤルを回して音量を下げるように簡単に減らすことはできない。もしそんなことをしたら、別のタイプの社会的インパクトが生じるだろうとシモ氏はいう

シモ氏によれば、そもそも大きな社会運動は怒りがつくり出すため、企業は多くの人の行動を左右するようなインパクトをどうやって変えるのか、という問題を抱えてしまう。

(しかしWSJの記事によると、そのような状況ではなかった。むしろアルゴリズムの加工によって個人の感情的なポストがプロたちの知的なコンテンツより優先されるようになると、発行者や政党などは怒りやセンセーショナリズムに迎合するポストを発表するようになる。記事によると、この問題を修復せよという提案に対しザッカーバーグしは抵抗している)

シモ氏によると「怒り」の問題はほんの一例にすぎない。「実際には、どんな問題でも常に別のタイプの社会的インパクトとのトレードオフになります。そんな状況に、長くいたためわかりますが、それは『社会にとって良いこと』vs.『Facebookにとって良くて利益になること』という単純な問題ではありません。実際の議論は常に、異なる種類の社会的インパクト同士の間にあります。それは私企業にとって非常に扱いづらい議論です」。

「だからFacebookは公的規制を求めているのだ」とハウゲン氏はいう。

「この部分でFacebookが長年規制を求めてきたのも意外ではない。立場を異にする複数の社会的インパクトがあるとき、私企業はどちらか一方の主張を味方することはできない。行司役を担うのは、政府がふさわしい」とシモ氏はいう。

最近増えているエビデンスによれば、Facebookの事業が社会に負の影響を与えていることはFacebook自身も社内調査などで理解している。そんな中でシモ氏は、Facebookを辞めたことを、Facebook内で起きていることが理由だとはしなかった。

むしろシモ氏は「Facebookにいた10年はあまり勉強しませんでした。Instacartへの移籍は、Facebook以外のいろいろなことを学べる良いチャンスだからです」という。

画像クレジット:Porzycki/NurPhoto/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

企業向け動画配信クラウド・動画SNSの市場データ分析を手がけるエビリーが7億円調達、開発・人材採用・販促活動を強化

企業向け動画配信クラウドのエビリーが総額7億円を調達、開発・人材採用・販売促進活動を強化

企業向けクラウド型動画配信システム「millvi」(ミルビィ)と動画SNSの市場データ分析サービス「kamui tracker」(カムイ トラッカー)を運営するエビリーは10月20日、第三者割当増資と金融機関からの融資による総額7億円の資金調達の実施を発表した。引受先は、大和企業投資、地域創生ソリューション、西武しんきんキャピタル、みずほキャピタル。調達した資金は、動画プロダクトの開発強化、マーケティング強化、開発・幹部をはじめとする全部門での人材採用の強化にあてる。

累計700社以上の利用実績を持つmillviは、企業内でのコミュニケーションや教育において動画の活用が進んだことで新規契約数が前年比の約380%増。動画によるプロモーション活動をサポートするkamui trackerは、YouTuber、広告主、広告代理店など利用者数は2万人以上。YouTubeのチャンネル運用や市場トレンドの分析、YouTuberのキャスティングやタイアップなどに活かされている。

エビリーは「動画の活用で企業のDX推進を支援する」をミッションにかかげ、今後はデータに基づいた動画制作から配信までをワンストップで提供することを目指す。顧客の動画マーケティング領域、インナーコミュニケーション領域の課題解決を支援するためのソリューションをより強化したいという。

WhatsAppがグループチャットに通話の途中参加機能を直接統合することを発表

WhatsApp(ワッツアップ)は米国時間10月18日に、通話参加機能をグループチャットに拡大することを発表した。2021年7月に初めて紹介されたこの通話参加機能は、ユーザーが進行中のグループ通話に途中参加できるという機能だ。今回の拡張により、ユーザーはWhatsAppグループに電話ができ、グループチャットのウィンドウから直接通話に参加できるようになった。

また、通話通知には、参加者の名前ではなくグループ名が表示されるようになったとのことだ。進行中の通話はチャットリストに表示されるため、ユーザーはアプリを開くとすぐにどのグループがライブ通話をしているかを確認することができる。

「我々はユーザーがグループメンバーと自発的につながれることをより簡単にしています。グループとの進行中の通話には、いつでも簡単に、ワンクリックでチャットビューから直接参加することが可能です。グループ通話の人気が高まっている中、通話参加機能を統合することで、WhatsAppユーザーは家族や友人のグループと自発的につながる新しい方法を得ることができます」とWhatsAppは声明で述べている。

さらに、WhatsAppによると、さりげなくも独特の着信音がつき「メッセージを送受信するのと同じくらい軽い感覚で通話ができる 」とのことだ。

Facebook(フェイスブック)傘下のWhatsAppは、新規ユーザーの維持と獲得のために、ここ数カ月の間にいくつかの新機能を展開してきた。直近では、WhatsAppは、iCloudやGoogle Driveにバックアップしたチャット履歴を暗号化できる新機能の展開を開始すると発表していた。WhatsAppは、ユーザー間の暗号化されたチャットをプラットフォーム上で提供しているが、これまでユーザーはクラウド上に保存されたチャットのバックアップを保護する手段を持っていなかった。

関連記事:WhatsAppはチャットのバックアップをクラウド上で暗号化する新機能をついに展開

暗号化されたチャットのバックアップを追加することで、政府がユーザー間の私的な会話を入手するために利用してきた大きな抜け道に対応することができる。WhatsAppは、この新機能を、アプリが稼働しているすべての市場のユーザーに提供するとしている。

画像クレジット:WhatsApp

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(文:Aisha Malik、翻訳:Akihito Mizukoshi)

フェイスブックはフィードの投稿をInstagramにクロスポストするテストを開始

Facebookはすでに、InstagramのストーリーズリールをFacebookにクロスポストできるようにしていた。今度はストーリーズとリール以外の新機能をテスト中だ。Facebookは最近、写真やビデオを含むFacebookの投稿をInstagramにクロスポストするオプションを公開した。両方のプラットフォームをアクティブに使っているユーザーは、この機能を使うとアプリごとに1回ずつ同じメディアをアップロードする時間を節約できる。SnapchatやTikTokなどの競合が成長する中で、Facebookは若年層が使うソーシャルメディアプラットフォームとしてのInstagramの人気を維持するために投資しており、クロスポストによってInstagramに多くのコンテンツを簡単に提供できることになる。

Facebookによれば、この機能はまだ正式に発表していないが、10月前半から公開を開始したという。現在、FacebookのプロフィールにInstagramの個人やクリエイター、ビジネスアカウントをリンクしている少数のユーザーに対してグローバルでテストをしていると同社は述べた。

この機能を利用できる場合は、Facebookで投稿を作成するボックスに表示される。投稿を公開する対象を選んだり新規アルバムを作ったりするボタンの横に、新しいオン/オフボタンが現れる。

iOS版Facebookアプリのスクリーンショット

このボタンをタップすると新しい画面が開き、Facebookのこの投稿をリンクしているInstagramアカウントに共有するかどうかを選択できる。画面には、共有のオプションがこの投稿にだけ適用されると書かれている。ここではデフォルトの設定は変わらない。

デフォルトの設定を変更したい場合は、リンクから「アカウントセンター」に移動し、Facebookの投稿をすべてInstagramに自動で共有するかどうかを選択できる。さらに、FacebookのストーリーズをInstagramのストーリーズに自動で共有することもできる(ストーリーズの方は以前から可能だった)。

画像クレジット:iOS版Facebookアプリのスクリーンショット

FacebookはTechCrunchに対し、Instagramの1枚の写真、1本のビデオ、最大10枚の写真のアルバムにクロスポストできると述べた。10枚というのはInstagramのカルーセルが対応している最大枚数だ。GIF、投票、11枚以上の写真のアルバム、フィードの再シェア、テキストのみの投稿、Instagramのフィードには大きすぎるメディアは、現時点ではクロスポストの対象ではない。

Facebookはここ数カ月、同社の複数アプリの連携に取り組んできた。それは複数のアプリを使うユーザー向けのクロスポストだけではない。

同社は2020年にMessengerとInstagram間のコミュニケーション機能を導入してInstagramユーザーがFacebookユーザーとチャットができるようにし、2021年9月にはその逆もできるようになった。Facebookで増えつつあるリアルタイムのエクスペリエンスで活用する「結合組織」の役割をMessengerにもっと持たせようとしているし、FacebookユーザーがMessengerアプリに切り替えずに音声通話とビデオ通話をFacebook上で直接できるようにするテストもしていた。9月には広告プロダクトに関して、単にユーザーに広告を見せるだけでなく、同社のチャットプラットフォームでユーザーが企業にメッセージを送るツールを追加した。例えばユーザーはInstagramの広告をタップしてWhatsAppで企業とチャットをすることができる。

こうしたことにより、コンテンツがどこにあり、誰がどのアプリを使っているかを見分けづらくなるとしたら、それはおそらく意図的なことだ。連携が緊密になるほどFacebookから完全に抜け出すのは難しくなるだろう。コンテンツとコミュニケーションがFacebookの一連のアプリの間を流れるからだ。さらに、将来のどこかの時点で独占的であると判断され、規制によってFacebookを複数の企業に分割することになったとしても、複雑で分けづらい。

Facebookは、グローバルでのテストの期間や機能を広く公開する時期について明らかにしていない。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Instagramがライブ動画に注力、クリエイター向けの配信スケジュール管理機能と「練習モード」を追加

米国時間10月13日、Instagramはライブ配信のクリエイターのためのツールを2つ発表した。今後のライブ配信を最長で90日前までにスケジュール予約して話題を盛り上げ、ニュースをInstagram全体で共有してファンに知らせることができる。また「Practice Mode(練習モード)」という機能を準備中で、クリエイターはライブ配信前にゲストを集めて接続や照明などをテストし、その他の事前準備を管理できる。

Instagramによると、練習モードは以前からクリエイターたちが要望していたという。

一方、Instagram Liveをスケジュール予約できる機能は、同サービスをYouTubeやTikTokだけでなく、Instagramの親会社Facebookにも負けないものにしてくれる。

YouTubeのライブ配信はかなり前からスケジュールツールがあり、クリエイターは事前に宣伝を始めることができる。2018年には機能を拡張して、クリエイターは以前録画した動画のリリースをプレミア機能でスケジュール予約できるようになった。これもやはり、スーパーチャットへのアクセスなど、似た機能を提供している。2020年はプレショー機能も加わった。

Facebook Liveはかなり前からクリエイターツールを提供しており、スケジューリングやマーケティングや放映前のロビーなどの機能がある。

一方、2021年のTikTokも一連のクリエイターツールを展開し、そこにはTikTok LIVEビデオのスケジューリング機能もある。同社はさらにライブ動画への注力している。

Instagramによると、Live Scheduling機能はグローバルで利用できる。今後のライブ動画をスケジュール予約したら、そのコンテンツをストーリーズやtoriesやフィードでの投稿でフォロワーと直接共有できる。

フォロワーはリマインダーをセットするツールを使って、好きなクリエイターのライブ動画を見逃さないようにできる。

画像クレジット:Instagram

今回のローンチは、ライブコンテンツの市場がホットになってきた時期のものだ。Instagramが大きな投資をしているリアルタイムのeコマースに加えて、Instagramの最大のライバルであるTikTokも、ライブコンテンツをユーザー体験の大きな部分にしようと努力している。TikTokが最近導入したのは、ユーザーがランダムにライブ動画を見つけるのではなく、ライブセクションの「検索&発見」ボタンを使ってライブ動画をカテゴリーで調べる機能だ。

一方、Instagramは、このところ動画戦略を練り直している。2021年10月、IGTVブランドを捨てて、代わりに長編動画をフィードの動画と一緒にする。これらの努力の一環としてIGTVアプリもブランドを変更しリールを除き、そしてLiveも含む、Instagramのすべての動画のホームになる。

リールは、依然としてInstagramアプリの主役の座にあり、センターボタンやユーザーのプロフィール、検索&発見、そして最近確認したところによると、ハッシュタグのページからでもアクセスできる。

Live Scheduling(ライブスケジューリング)は本日から、グローバルで利用できる。Practice Modeのは、同社によると「もうすぐ」だという。

関連記事:InstagramがIGTVブランドを廃止、リール以外のビデオを「Instagram Video」フォーマットに統一

画像クレジット:Instagram

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトがLinkedInを中国市場から撤退

米国のテック巨人Microsoft(マイクロソフト)は米国時間10月14日、同社傘下のプロフェッショナル向けソーシャルネットワーク「LinkedIn(リンクトイン)」を年内に中国市場から撤退させると発表した。

Microsoftは2016年に260億ドル(約2兆9550億円)以上でLinkedInを買収した。

このニュースは、中国で規制の変更が相次ぎ、Microsoftと同国の間で緊張が高まっている中でのことだ。Microsoftは2週間前、中国で特定の米国人ジャーナリストのプロフィールをブロックするという決定を下したことで、厳しい批判を受けた。

中国政府の権威主義的な要求と自社のビジネス目標とのバランスを取るのが難しいと感じている米国企業は、Microsoftだけではない。Microsoftは、時間が経てば経つほど悪化する可能性の高い問題に対して、急激なアプローチを取った。中国国内のメディア環境を考えれば、ジャーナリストがブロックに悩まされるのは驚くべきことではない。同社は、中国政府が容認できないと判断した個人プロファイルへのアクセスを制限するという同国政府の要求に屈するか、あるいは撤退するかを選ぶことができた。

Microsoftは後者を選んだ。

LinkedInはこのニュースを取り上げたブログ記事の中で、同社が2014年に中国市場への参入を決定したことについて、それは「インターネットプラットフォームに関する中国政府の要求を遵守」しながらも、なおかつ「表現の自由を強く支持する」ことを意味していたと書いている。

しかしLinkedInは、現在「中国では、著しく困難な運営環境とより厳しいコンプライアンス要件に直面している」と書いている。このような市場環境の変化により、同社は「中国の人々がLinkedInのグローバル・ソーシャルメディア・プラットフォームにアクセスする手段である、現在のローカライズ版LinkedInの提供を年内に終了させるという決定を下した」としている。

Microsoftの株価は午前中の取引で約1.6%上昇しており、テクノロジーに特化したNASDAQ総合株価指数とほぼ同程度の上昇率となっている。投資家はこのニュースを肩をすくめ無視している、ということだ。

この決定が、Microsoftと中国の市場および国家との関係にどのような意味を持つかは、現時点では明らかではない。中国共産党は、例えば国内のクラウド市場において、外国企業の商業的な将来を制限するような変化をもたらしている。Microsoftの中国LinkedInの決定は、テック企業と中国のより長期的な分離の可能性というレンズを通して見ることができるかもしれない。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッターがユーザーにより多くの広告を見せるための方法を検討

Twitter(ツイッター)は、同社のプラットフォーム上で新しい広告フォーマットと配置をテストする予定だ。米国時間10月13日、同社の収益プロダクトリーダーであるBruce Falck(ブルース・ファルク)氏は、Twitterがモバイル端末向けに、会話のスレッド内で1、3、8回目の返信の後に広告を表示し始めると述べた。同社はこの変更が永続的なものになるかどうかは明言しなかったが、最も理に適った挿入ポイントとレイアウトを決定するために、この方式で実験を行うという。また、Twitterは、広告の表示をクリエイターに強制するのではなく、クリエイターが選択できるようにすることも検討していると述べている。その場合、クリエイターにも広告収益の一部が還元されることになるという。

Twitterはこれまで、ユーザー数を大幅に増やすことに苦労してきた。そのため、既存のユーザーから得られる収益を最大限にするために、よりクリエイティブにならざるを得なかった。この1年ほどの間に、オーディオチャットルーム、チケット制イベント、クリエイターツール、サブスクリプション、バーチャルチップなど、さまざまな新プロダクトが次々と登場した。Twitterは、2020年に37億ドル(約4200億円)だった収益を2023年には75億ドル(約8500億円)以上に倍増させ、収益化可能な1日のユーザー数を3億1500万人にするという投資家への約束を果たしたいと考えている。

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ほとんどのあららしいプロダクトが初期段階のテストではあるが、Twitterはまだ大ヒットを飛ばしていない。例えば、第三者機関のデータによると、最近のTwitterの新しいクリエイタープラットフォームSuper Follow(スーパーフォロー)は、米国とカナダで公開されてから2週間で約6000ドル(約68万円)、もしくはそれより少しの多い程度の収益しか得られていない。(他の分析によると9月の17日間で1万2400ドル[約140万円])。どちらの数字が真実に近いかは別にして、クリエイターのサブスクリプションに対する需要がまだ高まっていないことは明らかだ。

関連記事:ツイッターのクリエイター向け機能「スーパーフォロー」、開始から2週間の売上はわずか66万円

一方、Twitterは、新しいプレミアム製品であるTwitter Blue(ツイッターブルー)サブスクリプションを、米国をはじめとする最大の市場にまだ投入していない。このプロダクトには、ユーザーが求める「ツイートの編集」ボタンに近い機能として、誤字脱字をすぐに取り消すことができる「アンドゥ」オプションが含まれている。

しかし、このような新機能が次々と追加されてはいても、Twitterの収益の大半は広告によってもたらされている。Twitterは7月、ウォール街の利益予想を上回る10億5000万ドル(約1190億円)の広告収益を上げた。これは、より良いターゲティングのために2500のトピックカテゴリーを新たに導入し、広告の効果が向上したためと考えられている。

同様に、Twitterは、会話中に表示される広告を、議論されている内容に関連したものにすることを計画している。

Twitterの発表によると、ファルク氏は「私たちは、クリエイターと広告主にとって価値を生み出し、インセンティブを一致させる広告サービスを構築する大きな機会を得たと考えています」と述べている。「今後数カ月間、このフォーマットを試していく中で、このフォーマットがどのように機能するのか、また人々や会話にどのような影響を与えるのかを理解することに集中します。さまざまな頻度、レイアウト、文脈に応じた広告、異なる挿入ポイントなどをテストします。そして、得られた結果を検証し、これを恒久的なものにするかどうかを考えます。私たちは、広告主のためにこの試みを行うことを楽しみにしていますし、Tweetのクリエーターに報酬を与える機会を増やす方法を模索したいと考えています」と付け加えた。

最後の部分は、コンテンツが広告掲載に適した長いスレッドにつながったクリエイターへの収益シェアの提案について言及している。ツイッターでは、ツイートが話題になると、ユーザーはよく画面をスクロールして他のユーザーの反応を読む。これにより、Twitterは、現在提案されているように、スレッドの先頭付近だけでなく、スレッドの下の方にも多くの広告を挿入することができる。しかし、このように話題のツイートをマネタイズすることは、Twitterのコンテンツや文化に影響を与える可能性がある。Twitterはすでに、悪口やジョーク、怒りのツイート、その他の感情的なコンテンツを投稿するような、ある種のパフォーマティブなタイプのユーザーが注目を集める傾向のある場所だ。ツイートの「話題性」をクリエイターの収益に結びつけることは、Twitterが提供したいと主張する、純粋で思慮深い会話からTwitterをさらに遠ざける可能性がある。

しかし、Twitterに多くの広告が表示されることで、それを嫌って広告なしの体験にお金を払う人たちに、Twitterは別のプロダクトを提供できるようになるかもしれない。現在、Twitter Blueは広告ブロック機能を提供していないが、アプリでは、ユーザーがお金を払うことで広告を表示しない方法を提供していることがよくある。この機能は、Twitter Blueにバンドルされるか、あるいは単独で購入できるようになるかもしれない。(念のためにいっておくと、Twitterはこれを検討しているとは述べていない。質問を受けた際、同社は現時点ではその計画の「一部ではない」と答えている)。

必要な場合もあるが、広告の表示は多くの人が好まず、敏感に反応する収益化ツールだ。Twitterは、四半期や年度末になると、タイムライン上に数ツイートごとに広告が表示されるようになり、ユーザーから不満の声があがる傾向にある。この新しい広告に対するユーザーからの激しい反発や、プラットフォーム上での消費者行動への悪影響があれば、Twitterがこのテストを再考する可能性はある。

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しかし、レイアウト、配置、コンテクストターゲティングの正しい方法が確立されれば、収益拡大を目指すTwitterが、この変更を展開していく可能性は高い。すでにTwitterは、広告を掲載するための新しいセクションを提供できるはずだった「stories(ストーリー)」を機能させることに失敗している。storiesは、継続的な投資に見合うだけのユーザーの支持を得られなかった。

そのためTwitterは、広告で収益を上げるための他の方法を模索している。そして、より多くの場所でより多くの広告を表示することが、現在の同社の答えのようだ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

TikTokは第2四半期に規約違反で動画8100万本を削除、アップロード総数の1%に相当

TikTok(ティクトック)は、2021年4月1日から6月30日の間にプラットフォームから削除されたコンテンツに関する透明性のアップデートを発表した。同プラットフォームによると、同期間中にコミュニティガイドラインや利用規約に違反したとして削除された動画は8151万8334本で、投稿された動画全体の1%にも満たない。これはまた、同四半期中に81億本以上の動画がTikTokに投稿されたことを意味し、1日平均約9000万本の動画が投稿されたことになる。

TikTokは7月に、未成年者の安全、成人のヌードや性的行為、暴力的で生々しいコンテンツ、違法行為などに関するポリシーに違反するコンテンツを自動的に削除する技術を導入した。同プラットフォームは、特にこれらのコンテンツに対して自動化を活用している。というのも、同技術の精度が最も高い分野だからだ。また、報告されたコンテンツを精査する安全チームに人間のコンテンツモデレーターを配置している。

自動化された技術が発表されたとき、TikTokは削除の誤判定率(実際にはルールに違反していないコンテンツを削除してしまうこと)は5%だと発表した。この数字は、今日発表された透明性レポートにも反映されていて、削除された8100万本の動画のうち、約460万本が復活した。削除された動画の41.3%を占めるコンテンツ削除理由で最も多かったのは、軽微な安全ガイドライン違反だった。TikTokによると、削除されたコンテンツの94.1%はユーザーが報告する前に特定・削除されているという。

それでも、誤って削除されたコンテンツの5%の中には、失敗したコンテンツモデレーションのトラブル事例がある。例えば、人気の黒人クリエイターZiggi Tyler(ジギー・タイラー)氏は、自分のアカウントのプロフィールに「Black Lives Matter」や「I am a black man」などのフレーズが含まれていると、アプリが「不適切」と判定すると指摘した。一方で「白人至上主義を支持する」などの表現はすぐには検閲されなかった。

YouTube(ユーチューブ)やFacebook(フェイスブック)といったプラットフォームがワクチンの誤情報を含むコンテンツを禁止する動きを見せる中、TikTokのような他の名の知れたソーシャルメディア企業は、同様の問題にどのように取り組むか態度をはっきりさせなければならない。TikTokのコミュニティガイドラインでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やワクチン、さらに広範な反ワクチン誤情報について、虚偽または誤解を招くようなコンテンツを禁止している

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第2四半期にTikTokは新型コロナウイルスに関する誤情報を理由に2万7518本の動画を削除した。TikTokによると、これらの動画の83%はユーザーから報告される前に削除され、87.6%は投稿から24時間以内に削除された。そして69.7%は閲覧回数がゼロだったという。一方、WHO(世界保健機関)やCDC(米疾病管理予防センター)の情報をもとに開発されたTikTokのCOVID-19情報ハブは、全世界で9億2100万回以上閲覧された。

数字に関して言えば、TikTokの月間アクティブユーザー数は9月に10億人を突破し、TikTokが成長し続けていることは間違いない。今回の透明性報告書の数字も、そうした成長を反映している。2020年上半期にTikTokは1億400万本の動画を削除したが、これは投稿された全コンテンツの1%に相当した。この1%の削除率は、本日発表されたデータと一致しているが、本日の報告書にある削除された動画8100万本というのは、2四半期分ではなく1四半期分だ。

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画像クレジット:Costfoto / Barcroft Media / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Instagramがサービス停止時にアプリ内でそれを通知する機能をテスト中

Instagram(インスタグラム)はプラットフォームの停止や技術的な問題が発生したときにユーザーに通知する機能をテストする。通知はユーザーのアクティビティのフィードに表示される。同社は、停止するたびにユーザーに通知を送るわけではないが、ユーザーが「混乱し答えを求めている」と判断される場合に、通知によって状況を明らかにすることができるかどうかを判断するとしている。

今回の発表の少し前である日本時間10月5日にFacebookとその傘下のサービスが長時間の停止に見舞われ、日本時間10月9日にも短時間停止した。Instagramは、この2回の停止は設定の変更に起因するが関係はないと説明している。

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Instagramはブログの投稿で「コミュニティとの対話や広範囲にわたる調査を通じて、Instagramで一時的な問題が発生した際にどの程度の混乱が生じるかを把握しました。エンゲージメントや配信に影響を及ぼす際には、利用者がその問題は自分だけに起きていて自分の投稿のせいだと考える場合があることもわかりました。このように不明確な状況はいらだたしいことであるため、我々が状況を直接伝えて簡単に理解していただけるようにしたいと考えました」と述べた。

自分側の問題でアプリが動作しないのではないかとユーザーが心配しなくて済むようになるので、この新機能がアプリに追加されることは歓迎だ。Instagramはこの新しいテストを米国で今後数カ月間実施する。同社は、この機能の有効性を確認するために少人数から始めてその後対象ユーザー数を増やしていくとしている。

画像クレジット:Instagram

Instagramは「アカウントのステータス」という新機能も発表した。これは自分のアカウントが無効になる危険性があるかどうかを簡単に確かめる機能だ。同社によれば、この新しいツールは「自分のアカウントがどういう状態かを確かめるためのワンストップショップ」になるという。Instagramが誤って自分の投稿を削除したと考えるユーザーは、このツールですぐに「レビューをリクエスト」を選択してアピールすることができる。

Instagramはこのツールにさらに情報を追加し、自分のコンテンツがアプリのさまざまな部分でどのように配信され、おすすめされているかをユーザーが把握できるようにする計画だ。同社は、この2つの新機能について今後さらに情報を共有していくとしている。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

架空TikTokスターのネットワークを構築するFourFrontがシード資金調達

あらゆる人気ソーシャルメディアプラットフォームが新しい世代のユーザーに新しいタイプのストーリーテリングを提供してきた。ショートフォーム動画プラットフォームのユーザーベースは急速に10億人を超え、ソーシャルメディアのスターの生み出し方を一変させたため、TikTokの影響はおそらく最も迅速なものだった。

FourFrontは、TikTokで新しいタイプのストーリーテリングを定義しようとしているメディアスタートアップだ。TikTok固有の感覚で脚本された短編連続ストーリーを演じる演者のネットワークを普及させることを目指している。架空のストーリーをVlog形式で配信することは、明らかにソーシャルメディアにとって新しい展開ではないが、FourFrontはTikTokの「For You Page(FYP)」の発見力を利用して、新しいオーディエンスを着実に増やしていきたいと考えている。

同社はこのほど、Bam VenturesやSlow Ventures、BDMI、Alumni Ventures GroupそしてHustleFundから150万ドル(約1億7000万円)のシード資金を調達した。

TikTokには数十人のキャラクターが登場しており、数十万人のフォロワーがいるものもある。しかし、すべてのキャラクターがヒットしているわけではなく、FourFrontのライターとソーシャルメディアストラテジストのチームは、9人のキャラクターを決め、これらのキャラクターは、演者たちが有機的に交差する「宇宙」を作り上げることを目指している。キャラクターの筋書きはFourFrontのチームが考えるが、動画の撮影は演者たちに任されている。

脚本化されたコンテンツはメロドラマ風であることが多いが、プラットフォーム上の人気動画のフォーマットに従っている・例えば、FourFrontの人気キャラクターである「Sydney」の動画では、「watch us confront my sister’s cheating fiancecé LIVE(私たちが姉妹の浮気相手と対決するところを見てください)」というが、この動画は6月に公開されて以来、約50万人のフォロワーを獲得している。Sydneyは、姉妹の浮気相手を捕まえるだけでなく、ルームメイトが賃貸契約を早期に破棄したことによるストレスや、出会い系アプリのカスタマーサポートで学んだことなどを語る。

FourFrontの共同創業者Ilan Benjamin(イラン・ベンジャミン)氏によると、キャラクターのネットワークが本物の人間と誤解されないようにしており、彼らのプロフィールでストーリーのフィクション性を強調し、それぞれの動画には#fictional(フィクション)のタグがつけてある。「オーディエンスを混乱させたり騙したりはしたくない、楽しんで欲しいだけだ」とベンジャミン氏はいう。

FourFrontのキャラクター「Tia」(画像クレジット:TikTok)

TikTokのコンテンツづくりでは、FYPの不規則性と付き合わなければならない。視聴者の多くはストーリーの途中でSydneyのようなキャラクターを認識するが、新しい視聴者はキャラクターとわかるまで時間がかかる。しかし既存の視聴者に長時間忍耐を強いるのもよくない。そのバランスが難しい。

ベンジャミン氏によると「状況設定は繰り返しが多くなるでしょう。常にバランスが勝負です。どの動画も、それ自身で自立していなければならないし、どの動画も何度見ても新鮮でなければなりません」。

現在、同社はキャラクターのスターたちとオーディエンスのネットワークづくりに力を入れており、AIによる会話機能のあるチャットボットなどを使って、対話能力を高めようとしている。また投票機能で、ストーリーの方向性を決めることもトライしたいという。

画像クレジット:TikTok

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ツイッターでフォロワーをブロックせずに削除可能に

Twitter(ツイッター)は2021年9月に行ったテストを経て、フォロワーをブロックせずに削除できる機能を全ウェブユーザーに提供し始めている。この安全機能は、誰かをブロックすることによる影響を避けたい場合に役立つ。ブロックされたユーザーが、ブロック後にあなたのプロフィールに移動した場合、Twitterはブロックされたことを伝える。しかしフォロワーを削除することで、完全にブロックしなくても、誰が自分のツイートを見ているか、ユーザーは安心できる。

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確かに、ブロックされたユーザーは、あなたをフォローしていないことに気づくかもしれないが、それは知ったことではない。もしかしたら、誤ってフォロー解除ボタンを押してしまったのかもしれない。手厳しいブロックにはない、説得力のある否認がそこにはある。

Twitterユーザーは長年、フォロワーをすばやくブロックしたり、ブロックを解除したりすることで、フォロワーリストから削除する「ソフトブロック」を行ってきた。しかしいま、Twitterはこれを独自の機能にしようとしている。

Twitterが9月に投稿したテストに関するツイートでは、フォロワーリストを手動でスクロールして、削除したい相手を見つけてからでないとフォロワーリストから削除できないことが画像で示されていた。しかし今回導入した機能では、フォロワーのプロフィールにいき、3つの点のアイコンをクリックし「このフォロワーを削除」を選択することでフォロワーを削除できるようにもなっている。これにより、特に人気のあるユーザーにとっては、より使いやすい機能となっている。

フォロワーの削除とは関係はないが、Twitterはユーザーがタイムライン上でスワイプして、2つの異なるフィード(Twitterのアルゴリズムで分類されたフィードと、時系列で表示されたフィード)を切り替えられる機能のテストを発表した。

Twitterではすでにこの2つのフィードをユーザーが切り替えられるようになっているが、コンテンツのアルゴリズムが注目されている中でのテストとなる。Facebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏は先に、上院で証言した際に、コンテンツを時系列に並べることで、反響を呼びやすいコンテンツを促進するアルゴリズムを採用しているFacebookでは有害性や誤報、暴力的なコンテンツの拡散を抑えることができると考えている、と述べた。Twitterの共同創業者兼CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は以前、ユーザーが複数のアルゴリズムを選択してコンテンツを整理できることを支持する考えを明らかにした。

最近のTwitterは、驚くほど多く新機能をテストし、実装している。Twitterがテストするものすべてが必ずしもずっと使われるわけではないが、かつては同社の関心がどこにあるのかを示す良い指標だった。しかし同社はつい最近、これまでよりもはるかに多くの実験を含む戦略を説明した。これは、Fleetsという同社のストーリー機能でみられたように、うまくいかないプロジェクトや機能を停止する準備ができていることを意味する。

同社のコンシューマープロダクト部門の責任者Kayvon Beykpour(ケイヴォン・ベイポー)氏は2021年9月、大規模な新機能の追加を発表した際に「使えないものに縛られてはいません」と述べた。「たまには物事を縮小しないと、十分に大きな賭けをしていないことになると考えています」。

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画像クレジット:Twitter at CES 2020

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックが米国でポッドキャストやライブオーディオなどを集めた「オーディオ」ハブを公開

Facebook(フェイスブック)はオーディオの取り組みに対する投資を拡大しており、米国でモバイルアプリに新たに「オーディオ」を集めたハブの役割を果たす部分を設けた。ポッドキャスト、Live Audio Rooms(ライブオーディオルーム)、短尺のオーディオと、Facebookで配信されている各種のオーディオフォーマットを1カ所で発見できる。さらに同社によれば、Clubhouse(クラブハウス)のライバルであるLive Audio Roomsをグローバルで利用できるようにし、TikTok(ティックトック)のオーディオ版のような短いオーディオクリップのSoundbites(サウンドバイツ)という新しいプロダクトも公開を開始している。

新しいオーディオハブの初期バージョンは、米国の18歳以上のFacebookユーザーに対してiOSとAndroidで公開がすでに開始されていたが、正式には米国時間10月11日に発表された。Facebookのビデオのハブである「Watch」の上部からアクセスできる。オーディオコンテンツは聴くものであって見るものではないから「Watch」からというのはちょっと違和感がある。

Facebookは、新しいハブを設けたことでクリエイターにとっては自分の番組を見つけてもらいやすくなり、ユーザーにとっては好きなクリエイターのコンテンツを見つけ、知らないコンテンツを発見し、コンテンツを保存して後で聴くこともできるようになるとしている。提供開始時点では、オーディオのセクションにはすでにフォローしているクリエイターのコンテンツの他、パーソナライズされた提案、Facebookで人気のオーディオも表示される。

「オーディオ」ハブは、オーディオコンテンツを聞いたり多くのクリエイターをフォローしたりすることで時間が経つにつれて自分好みにパーソナライズされていくと同社は述べている。

この公開に合わせて、Facebookはオーディオプロダクト全般に関するアップデートも提供する。

2021年春に同社はオーディオの新機能として、ClubhouseのライバルであるLive Audio Rooms、短尺のオーディオプロダクトであるSoundbites、ポッドキャストのサポートを発表した。またSpotify(スポティファイ)との連携で音楽サービスをFacebook上でストリーミングする新しいミニプレイヤーも発表した。

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Live Audio Roomsは2021年6月に米国の著名人やFacebookグループに対して正式に公開された。それ以降、人々がつながり会話を交わす手軽な手段として機能しているとFacebookはいう。Lil Huddy(リルハディ)、Noah(ノア)、Miley Cyrus(マイリー・サイラス)、アメフトのクォーターバックであるRussell Wilson(ラッセル・ウィルソン)、歌手のBecky G(ベッキー・G)、コメディアンのSherry Cola(シェリー・コーラ)、Mereba Music(メレバ・ミュージック)などがこれまでにLive Audio Roomsを利用した。

画像クレジット:Facebook

Live Audio Roomsは米国以外の著名人やクリエイターと、米国以外を拠点とするFacebookグループにも順次公開されているという。iOSに加えてAndroidにもこの機能が導入され、デスクトップでもLive Audioを聴けるようになって、これまで以上に多くの人が利用できる。

一方、短尺オーディオのSoundbitesは2021年6月から注目のクリエイターなどを対象にテストが実施されている。テストには、コメディアンでベストセラー作家のJosh Sundquist(ジョシュ・サンドクイスト)、女優で社会活動に取り組むライフスタイルインフルエンサーのLolo Spencer(ロロ・スペンサー)、デジタルクリエイターのMolly Burke(モリー・バーク)などが参加している。最近になってテストに参加するクリエイターを増やし、Facebookによれば数週間以内にこれまでより多くの米国ユーザーにSoundbitesが公開される予定だという。

Facebookは、2021年前半に発表したポッドキャストのサポートにも引き続き取り組んでいると述べた。2021年夏に米国のユーザーはポッドキャストを利用できるようになった。最近ではポッドキャストの短いクリップをニュースフィードで共有できるようになり、Androidでは字幕に対応した(iOSでは未対応)。ポッドキャスト制作者はデスクトップとモバイルでFacebookページに自分のRSSフィードを追加できるようになった。ただし、ポッドキャストを聴取できるのは当面米国に限られる。

Facebookはオーディオエクスペリエンスの拡張を続けていると語る。Facebook上の有害コンテンツを自動で特定するなど、同社のコミュニティ規定に違反するコンテンツを見つけて対応するツールの開発に取り組んでいる。さらに同社は、規定に違反するオーディオコンテンツを検知して調整するテクノロジーとプロセスの両方を、学習を続けながら対応させていくと述べた。

このところ、Facebookには大変な日々が続いている。これまでで最長のシステム障害が発生し、米国上院では内部告発者がエンゲージメントベースのアルゴリズム、誤情報に対応する能力の欠如、人間よりも利益を優先する企業としての決定といったFacebookプラットフォームによって引き起こされる害悪について証言したニューヨーク・タイムズでは、Facebookの従業員はこの内部告発者の証言に対して意見が割れていると報じられている。同社はオーディオやライブオーディオに深く関わっていこうとしているが、これは節度を保つのが難しい分野だ。オーディオを安全な環境にするのに必要なテクノロジーを構築できなければ、Facebookはこれまで以上に誤情報が広がりやすいプラットフォームになる危険性がある。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

フェイスブック監督委員会が上院で証言した同社内部告発者と面会へ

Facebook(フェイスブック)が外部機関として設けた同社のポリシーを検討する委員会が、先に同社に関する懸念を公表した元社員Frances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏と会うことになった。当のFacebook監督委員会による米国時間10月11日の発表によると、その内部告発者が委員会の招待を受け入れたら数週間後にハウゲン氏に会うという。

監督委員会は「委員会のメンバーはハウゲン氏の経験について話し合い、私たちの今後の決定や勧告を通じてFacebookの透明性と説明責任を高めるために役立つ情報を収集できたことに感謝しています」とブログで述べている。

Facebookで仕事をしていた間に学んだことについてFacebook監督委員会に説明するための招待を、私は受けました。Facebookは同委員会に何度も嘘をついているため、その機会に彼らと真実を共有したい。

ハウゲン氏との会合の発表で監督委員会は、彼らが持ち続けている「クロスチェック」と呼ばれるFacebookの秘密のプログラムへの関心に言及している。それは、一部の著名なユーザーがプラットフォームの規則を回避できるプログラムだ。同委員会によると、彼らが特に調べているのは、クロスチェックシステムに関する質問に答えた際、同社が「完全に正直」であったかということと、その所見を10月後期の決算報告書で共有するかという点だ。

The Wall Street Journalがこのプログラムの存在を報じたのは、2021年9月に同紙が連載したFacebookに関する調査記事の中だ。その記事はハウゲン氏が提供した文書に基づいており、同紙上では匿名の情報提供者となっていた。

画像クレジット:Matt McClain-Pool/Getty Images/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

TikTokが新しいサウンドパートナーを追加、ブランドがオーディオをさらに活用できるように

TikTok(ティックトック)は、ブランドがプラットフォーム上で音楽やサウンドを簡単に利用できるようにすることを目的とした、新しいパートナーシップを発表した。同社は、TikTokマーケティングパートナープログラムを拡張し、ブランドがプラットフォーム上で「サウンドオン」戦略を構築するのを支援する6つの認定パートナーを導入する。TikTokは、ブランドが「サウンドオン」環境を活用して消費者と関わりを持つことができるよう、信頼できるパートナーとブランドを結びつけたいと考えていると述べた。

新しいサウンドパートナーは「カスタムサウンド」と「サブスクリプションサウンド」の2つのカテゴリーでオーディオを提供する。新しいカスタムサウンドのパートナーは、KARM(カルム)、MassiveMusic(マッシブミュージック)、The Elements Music(エレメンツミュージック)だ。TikTokは、カスタムサウンドパートナーが、チャレンジやキャンペーンに関連してコミュニティの参加者を増やすことを目的としたトラックを作成すると述べている。

新しいサブスクリプション・サウンド・パートナーは、Epidemic Sound(エピデミックサウンド)、Songtradr(ソングトレーダー)、UnitedMasters(ユナイテッドマスターズ)だ。これらの新しいパートナーは、月単位、年単位、またはプロジェクトベースのライセンスプランで音楽を提供する。TikTokは、この2つのカテゴリーが、プラットフォームを利用するブランドのさまざまなキャンペーンの目的をサポートするとしている。

「音はTikTokの世界共通言語であり、ブランドがプラットフォーム上で真価を発揮するためには、音楽と音を受け入れる必要があります。当社の新しいサウンドパートナーは、マーケターがTikTokのための戦略を立てるのを支援してきた実績があり、あらゆる規模のブランドに拡張可能なオプションを提供します」。Tiktokのエコシステム部門の責任者であるMelissa Yang(メリッサ・ヤン)氏は、ブログで述べている。「より多くのブランドがTikTokで音を活用し、クリエイティブなサウンドオン戦略によってコミュニティとの有意義なつながりを作ることに期待しています」。

TikTokは、ブランドがトレンドのサウンドをリミックスしたり、独自のジングルを作成したりして、オーディエンスと関わることができるサウンドオンの環境があることを誇りにしている。マーケターの中には、より多くの人にリーチするためにサウンドオフの広告を作ることに慣れている人もいるかもしないが、TikTokは、プラットフォーム上のサウンドがブランドに新しいストーリーテリングのダイナミックさをもたらしたと述べている。例えば、TikTokは、65%のユーザーがオリジナルのサウンドを採用したブランドのコンテンツを好むこと、68%が好きな曲を広告に採用したブランドをよりよく覚えていると答えていることを紹介している。

TikTokは、プラットフォーム上のブランドがユーザーとのつながりを持ちやすくする方法を探しながら、より多くのブランドを登録してきた。先週、TikTokは、クリックできるステッカーや「Choose Your Own Adventure」タイプの広告など、新しいインタラクティブな広告フォーマットを導入する計画を発表した。さらに、今回のサウンドパートナーの拡大は、Square(スクエア)、Ecwid(エクイッド)、PrestaShop(プレスタショップ)など、TikTok Shoppingの新しいブランドパートナーを発表した1週間後に行われた。TikTokは、Wix(ウィクス)、SHOPLINE(ショップライン)、OpenCart(オープンカート)、BASE(ベース)を近日中に追加する予定だ。

TikTokは、ブランドがより多くのオーディエンスにリーチし、差別化された機能のセットでユーザーとのつながりを深めることを支援する方法を模索しているデジタル大手企業の1つだ。例えば、Pinterest(ピンタレスト)は今週初め、ユーザーに一度に多くの商品を購入してもらうことを目的とした、ブランド向けの新しいショッピング機能を導入した。また、YouTube(ユーチューブ)は今週初め、コネクテッドTV上の広告をより買い物しやすいようにし、広告主がより多くのオンライン販売を促進し、ビジネスを成長させることを支援した。デジタル企業がeコマースへの参入を進める中で、ブランドとユーザーの両方をプラットフォームに引き留める方法を模索している。

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画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)