TikTokは第2四半期に規約違反で動画8100万本を削除、アップロード総数の1%に相当

TikTok(ティクトック)は、2021年4月1日から6月30日の間にプラットフォームから削除されたコンテンツに関する透明性のアップデートを発表した。同プラットフォームによると、同期間中にコミュニティガイドラインや利用規約に違反したとして削除された動画は8151万8334本で、投稿された動画全体の1%にも満たない。これはまた、同四半期中に81億本以上の動画がTikTokに投稿されたことを意味し、1日平均約9000万本の動画が投稿されたことになる。

TikTokは7月に、未成年者の安全、成人のヌードや性的行為、暴力的で生々しいコンテンツ、違法行為などに関するポリシーに違反するコンテンツを自動的に削除する技術を導入した。同プラットフォームは、特にこれらのコンテンツに対して自動化を活用している。というのも、同技術の精度が最も高い分野だからだ。また、報告されたコンテンツを精査する安全チームに人間のコンテンツモデレーターを配置している。

自動化された技術が発表されたとき、TikTokは削除の誤判定率(実際にはルールに違反していないコンテンツを削除してしまうこと)は5%だと発表した。この数字は、今日発表された透明性レポートにも反映されていて、削除された8100万本の動画のうち、約460万本が復活した。削除された動画の41.3%を占めるコンテンツ削除理由で最も多かったのは、軽微な安全ガイドライン違反だった。TikTokによると、削除されたコンテンツの94.1%はユーザーが報告する前に特定・削除されているという。

それでも、誤って削除されたコンテンツの5%の中には、失敗したコンテンツモデレーションのトラブル事例がある。例えば、人気の黒人クリエイターZiggi Tyler(ジギー・タイラー)氏は、自分のアカウントのプロフィールに「Black Lives Matter」や「I am a black man」などのフレーズが含まれていると、アプリが「不適切」と判定すると指摘した。一方で「白人至上主義を支持する」などの表現はすぐには検閲されなかった。

YouTube(ユーチューブ)やFacebook(フェイスブック)といったプラットフォームがワクチンの誤情報を含むコンテンツを禁止する動きを見せる中、TikTokのような他の名の知れたソーシャルメディア企業は、同様の問題にどのように取り組むか態度をはっきりさせなければならない。TikTokのコミュニティガイドラインでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やワクチン、さらに広範な反ワクチン誤情報について、虚偽または誤解を招くようなコンテンツを禁止している

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第2四半期にTikTokは新型コロナウイルスに関する誤情報を理由に2万7518本の動画を削除した。TikTokによると、これらの動画の83%はユーザーから報告される前に削除され、87.6%は投稿から24時間以内に削除された。そして69.7%は閲覧回数がゼロだったという。一方、WHO(世界保健機関)やCDC(米疾病管理予防センター)の情報をもとに開発されたTikTokのCOVID-19情報ハブは、全世界で9億2100万回以上閲覧された。

数字に関して言えば、TikTokの月間アクティブユーザー数は9月に10億人を突破し、TikTokが成長し続けていることは間違いない。今回の透明性報告書の数字も、そうした成長を反映している。2020年上半期にTikTokは1億400万本の動画を削除したが、これは投稿された全コンテンツの1%に相当した。この1%の削除率は、本日発表されたデータと一致しているが、本日の報告書にある削除された動画8100万本というのは、2四半期分ではなく1四半期分だ。

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画像クレジット:Costfoto / Barcroft Media / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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