すべてのスタートアップの脳内にある2021年の大問題

私にとって、そしてすべてのスタートアップの頭の中にある2021年最大の問題は、世界的パンデミックのような大異変が、ポストパンデミックのイノベーションの中でどのように起きるかだ。おそらく今は、「あ、なるほど!」の瞬間が企業へと具現化するところを見るにはまだ早い段階にいると私は思う。そして、パンデミックが我々の意識に与える真の影響は、事態が収拾し、振り返ることのできる時期がくるまでわからない。

しかし、それが見ていて興味をそそられるものであることは間違いない。2020年、イノベーターとインベスター(投資家)は、黙って立ち尽くし、社会の亀裂や破壊やがれきを目撃することを余儀なくされた。それは屈辱的な年であり、テック業界のほとんどが、室内やどこか遠くやひとりぼっちで費した1年だった。

これまでに私が気づいたリアクションの1つは、必ずしも新しくないが新たな重みをともなったもの、それは摩擦を減らすことに焦点を当てたイノベーションの急増だ。たとえば 「Building in Public」(公開の場でスタートアップを作っていく)やベンチャーキャピタルの切り離しが増えている傾向。あるいは、リモートワークがコミュニケーションを可能にするためのものから、受動的・能動的なコラボレーションを可能にするものへと変わったこと。それどころか、Y Combinator方式を採用して、運営者を投資家に変えるのを支援したり、社員のサイドビジネスをフルタイムの会社に変えるのを支援する人達さえ目にした。

こうしたムーブメントは新型コロナウイルス(COVID-19)のせいで始まったわけではないが、いずれにもパンデミック規模の巨大な注意マークがついている。

これを些細で、取るに足りない動きだと片付けるのは簡単だ。しかし、同僚のDanny Crichton(ダニー・クライトン)記者が指摘した(未訳記事)ように、「時としてベンチャーキャピタルやスタートアップにとって最も重要な変化は、行動を起こすための最後の摩擦を減らすことだ」。

摩擦を減らす、は2021年に向けて我々全員に必要な合言葉のように思える。

イノベーションがもっと多様な人々の集まりから生まれることを、私はずっと願っている。それが女子学生向けのハッカー・ハウスであれ学生と非営利団体をつなぐ学生の立ち上げたサービスであれ。だから新年を迎えるにあたり、どうかみなさんには楽観的になってほしい。

2020年のテック業界は、人々に疲弊と絶望を残したわけではない。人々にエネルギーと万全の準備を与えたのだ。

Qualtricsに2度目の魔法は働くのか?

SAP(サップ)が、Qualtrics(クアルトリクス)が2020年7月にスピンアウトすると発表したとき、本誌のEquityポッドキャストチームはマイクに飛びつき(未訳記事)、一体なぜなのかと思いを巡らせた。数カ月後の現在、新たなS-1書類が提出され状況が見えてきた。Alex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)記者はユタ州拠点ユニコーン(未訳記事)の数字を分析し、これがQualtircsにとって2度目の申請であることを指摘した。

2度目の申請は、Qualtricsが今回こそ上場するため必要な魔力なのか?みなさんには、アレックスによる企業価値と財務状況の分析(未訳記事)を見て自身で判断してほしい。

マイアミとSubstackとClubhouse

もし、1つの小見出に並んだこの3つの単語があなたにあるリアクションを起こさせようとしているなら、Danny Crichton(ダニー・クライトン)記者は何かいいたいことがあるようだ。先週彼はテック関係者の新しいものへの不信感について記事を書き、Substackの伝統的ジャーナリズムに置き換わる未来と、Clubhouseのソーシャルメディア破壊装置としての未来が予想通り批判の的になっていることを指摘した。

即時の成功に対する皮相的な見方は2020年のスタートアップ界における奇妙な力学の1つだ。スタートアップというものに対して、1人か2人のファウンダーと数人の従業員がどうにかして初日から完璧なプロダクトを作り、問題になりそうなことは事前に解決してしまうという期待がある。おそらくそういうスタートアップは世に広まるのが早すぎただけであり、早期のプロダクトを理解する人たちは、プロダクトの進化を理解しないもっと多くの大衆に呑み込まれていくのだろう。

ダニーの主張は、そういう会社には彼ら自身まだ上っ面もなでていないビジョンを遂行する猶予をもう少し与えようというものだ。スタート時点ですべてを正しく行なっていないという理由で、会社を切り捨てることが成長を阻害するという意見に私は同意する。悲観的になるのは簡単だが、あえて楽観主義者になるのも悪くない。

フロリダ州マイアミ中心部からビスケーン湾のブリッケル地区を臨むビル街の輪郭。ブリッケルは米国最大級の金融街であると同時に多くの高層住宅とタワーマンションが立ち並ぶ

いくつか良いニュースも

屈辱的な時間と楽観主義といえば、本誌のSarah Perez(サラ・ペリッツ)記者がEarlyBirdについて先日、記事を書いた。家族や友達が子供に投資をプレゼントできるアプリだ。

かつてYello.coのVPで、現在EarlyBirdのCOOを務めるCaleb Frankel(カレブ・フランケル)氏が彼らの初期のひらめきについて説明した。

「かわいらしい姪が生まれた数年前に経験した問題からすべては始まりました。私は姪っ子に首ったけで、馬鹿馬鹿しいぬいぐるみに数百ドル(数万円)も使いました。かなりゴミのような贈り物にです」と話す。

画像クレジット:oxygen / Getty Images

関連記事
女子大学生のための「ハッカーハウス」がない、だから学生自身が作ったWomxn Ignite
新型コロナに苦しむ人を救う開発者の卵が作ったDevelop for Goodが学生と非営利団体を繋ぐ
EarlyBirdは子ども将来のために家族が投資できるアプリ
中国政府がジャック・マー氏のフィンテック帝国Ant Groupの「修正」計画を発表
NSO used real people’s location data to pitch its contact-tracing tech, researchers say
インドのスタートアップは2020年に合計9660億円を調達、記録更新ならずも後半回復
日本から来たネコの尻尾つきロボット枕「Qoobo」を使ってみた

カテゴリー:その他
タグ:ポストパンデミック

画像クレジット:MirageC / Getty Images

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TechCrunch Japan編集長 吉田博英、逝去のお知らせ

TechCrunch Japan編集長の吉田博英は、かねてより病気療養中でありましたが、去る2020年12月31日、49歳にて永眠いたしました。吉田は2018年にTechCrunch Japanに加入し、以後編集長としてTechCrunch Japanの成長をけん引してきました。ここに生前のご厚誼に深く感謝いたしますとともに謹んでご報告申し上げます。

ーーー

僕がこれまで一緒に仕事をしてきた人間の中で、彼ほどTechCrunch Japanを愛した人はいませんでした。吉田は少し早く旅立ってしまいましたが、彼が書いた記事はこれからも、そのTechCrunch Japanの中で生き続けます。吉田さん、どうか安心してゆっくりと休んでください。今まで本当にありがとうございました。

2065億円を使い果たした建設業改革のKaterraがソフトバンクから救援資金206億円を獲得

報道によるとソフトバンクグループは、Katerraを救済するために2億ドル(約206億5000万円)を投資している。The Wall Street Journalによると、同社は垂直統合によって建設産業を改造しようとしていた。

Katerraの株主は米国時間12月30日にこの新しい投資を承認し、ソフトバンクからの新たなライフラインは、日本のテクノロジー複合企業が同社にこれまで注ぎ込んだおよそ20億ドル(約2065億円)に上乗せされることになる。

Katerraを倒産から救う資金は、ソフトバンクのVision Fund 1から供出される。WSJによると、KaterraのCEOであるPaal Kibsgaard(パール・キブスガード)氏は株主宛のメッセージでそう述べている。

さらにWSJによると、今回の投資の一環としてソフトバンクが融資している金融サービス企業Greensill Capitalは同社の株式の5%と引き換えにおよそ4億3500万ドル(約449億1000万円)の債務を帳消しにする。

この新たな金融支援は、ソフトバンクがKaterraの救済に乗り出す2020年だけでも2度目の救援措置となる。WSJによると2020年5月には、石油サービスの開発企業Schlumbergerのトップだったキブスガード氏を同社の財務回復のために招聘し、そのための資金としてSoftBankは2億ドルを注いでいる。

Katerraは2015年のローンチ以来これまで、この日本のテクノロジー複合企業から複数回、数億ドル(数百億円)のラウンドを調達している。2018年には、8億6500万ドル(約893億9000万円)を調達(未訳記事)して、そのときKaterraは商用ビルと住宅建設の両方で13億ドル(約1342億2000万円)の契約があり、一部には病院や学生寮もあると主張していた。大きな数字ではあるが、U.S. Census Bureau(米国国勢調査局)によると建設業への支出総額は2018年の11月だけでも1兆ドル(約103兆円)であるため、13億はわずかな額だともいえる。

Katerraは、一部のプロジェクトで工事の遅れやコスト超過に悩まされた。またWSJによると、同社がその会計処理に見つけた不統一性が、頭痛に輪をかけた。

しかし、そういう問題がありながらKaterraの経営は順調で、同社がWSJに与えた数字によると2020年の売上は15〜20億ドル(約1548億8000万〜約2065億円)といわれるている。

カテゴリー:その他
タグ:SoftBank GroupKaterra建築

画像クレジット:Katerra

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2021年を占う今年のTC人気記事(話題のニュース)

何度も触れてしまうが、2020年は全世界的な新型コロナウイルスの蔓延というネガティブな出来事により、多くの人の生活が変化した。テック業界ももちろん各種イベントの中止、オンライン開催への移行から始まり、さまざまな影響を受けてきた。ソフトウェア、ハードウェアを問わず、2021年もまた、ウィズコロナの世界で私たちがより良く生きるための新しいテックが登場することだろう。

ネットが人々の生活にとってより欠かせないものとなる2021年、2020年から続く話題となった出来事の多くはいまだ解決しておらず引き続き注目が集めていくだろう。

アダルト動画配信のPornhubが数百万本の投稿を凍結、違法動画掲載の非難を受けて

Pornhubは先週、アップロードを認証済みユーザーのみに制限すると発表した。Motherboardが確認した(VICE記事)とおり、同サービスは、既存の提携サイトまたはモデルプログラムのメンバーによってアップロードされた動画のみを公開し、それ以外のコンテンツを凍結している… 続きを読む

高精度で注目の機械翻訳「DeepL」が日本で月額750円からの有料サービス開始、API利用も可能

高精度の機械翻訳サービスとして国内外で注目されているドイツ拠点のDeepLが、日本国内で有料サービスの「DeepL Pro」を開始した… 続きを読む

アップルがフォートナイトを筆頭にEpic GamesのApp Storeアカウントを完全削除

Epic GamesがApple(アップル)のApp Storeから削除された。すでにmacOSやiOSデバイスにFortnite(フォートナイト)をダウンロードしている場合はまだ動作するが、EpicアカウントがApp Storeからなくなるため、Fortniteの開発者が新しいアプリやアップデートをApp Store経由では配信できなくなることを意味する… 続きを読む

インターネット分断時代にあってGoogleの影響力は急速に失われつつある

さて、1月2日になってMediumで今度はテック企業の幹部が怒りの辞任発表を行った。Ross LaJeunesse(ロス・ラジュネス)氏が1月2日に投稿した内容がそれだ。同氏は、Google(グーグル)の国際関係の元責任者で、同社で10年以上にわたりさまざまな役割を務めた… 続きを読む

2020年話題になった記事

フォートナイトの急成長、テックジャイアントが注目する「メタバース」とはなにか
「サイバーパンク2077」が大量のバグで販売停止、開発元CD Projekt Redとソニー、マイクロソフトが返金受付中
ソフトバンクは大赤字のポートフォリオ企業間の衝突に介入していた
GitHubがほぼ全面的に無料化
米国土安全保障省がWindowsの「緊急」レベル脆弱性に異例警告、深刻度最大のZerologon攻撃を受ける可能性
ランサムウェア攻撃によってGarminのサービスが世界的に停止
スタートアップは鍵となる従業員に何%の株を渡せばいいのか
「あと5年でデスクトップ型量子コンピューターが登場する」と量子コンピューター企業CEOが発言
InstagramがついにTikTokに敗北を認める
2020年版メンタルヘルステックカオスマップをemolが公開
ローンチ36時間で1.6億円超を売り上げたLora DiCarloが新しい大人のオモチャを引っさげてCESに復帰
上上下下左右左右BA、コナミコマンドの生みの親・橋本和久氏が逝去
歯列矯正装置のbyteが絶好調、2020年の売上高は108億円を予想
テック企業の楽な時代は終わった
WeWork共同創業者のニューマン氏がソフトバンクを権力濫用で訴える
針の頭に乗るほど小さい粒子加速器
AWSの上級役員で技術者のティム・ブレイ氏が従業員解雇に抗議してAmazonを辞職

Googleに関する人気記事

Googleが感染症の数理モデルとAIを組み合わせた都道府県別の新型コロナ感染予測を公開、慶応大監修
Chrome開発チームよありがとう!今度のアップデートで軽く、速くなるぞ
Googleによるノーコード開発のAppSheet買収でプログラマー不在でもアプリ開発が容易に
Alphabet傘下のAI技術企業DeepMindがAIベースのタンパク質構造予測で歴史的なマイルストーン
Google Chromeにタブ整理に役立つラベル・カラーコード機能が加わる、絵文字での分類も可能に
Google Pixel開発チームから二人の主要エンジニアが離脱、チーム内の争いが原因か
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー
Google Oneが15GBまでのバックアップ機能をAndroidとiOSに無料提供
GoogleがAndroid、Chromeに続くOS「Fuchsia」プロジェクトを一般開放へ

ネットサービス・ソフトウェアに関する人気記事

ネットフリックス、ジブリ作品を世界配信へ
人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?
米国スタートアップ界で話題の次世代SNS「Clubhouse」になぜ100億円以上も時価総額がつくのか?
「ストリーミング戦争」の正体:Disney、Netflix、Amazon、Appleなど各社徹底解説
AWSがコードを書かずにウェブとモバイルのアプリが作れるAmazon Honeycodeを発表
フォートナイトをApp Storeに戻すように求めるEpicの要求をカリフォルニア州判事が却下
フォートナイトで著名ラッパーがサイケなコンサートを開催、なんと1230万人が視聴
マイクロソフトがChromeベースEdge安定版を初リリース、Mac版もあり
十代女子に人気の画面共有アプリ「Squad」はZ世代向けZoomを目指す

中国に関する人気記事

中国がMITの子供向けプログラミング言語「Scratch」の国内使用を禁止
ファーウェイは失ったGoogleマップの代わりを求めTomTomを頼る
インド政府がTikTokなど中国企業の59のアプリを禁止すると発表

宇宙に関する人気記事

地球に向かう小惑星のコースを逸らす最良の方法をMITのシステムが提案
NASAの惑星ハンティング衛星が生命存在の可能性がある新しい地球サイズの惑星を発見
ソフトバンクなどからの追加資金を確保できずOneWebが破産を申請
SpaceXの試作機が地上でのエンジンテスト中に爆発
イーロン・マスクがSpaceX製宇宙船の詳細を発表、耐用年数は民間航空機並み

2021年を占う今年のTC人気記事(日本)

全世界を巻き込むパンデミックの影響は、もちろん日本にも暗い影を落とした。現在、そして2021年以降もその影響は続くが、日本のスタートアップの多くは新しい環境に対応し、新たな製品、サービスを発表した。

フィンテックやモビリティなど、一歩進んでいることが多い海外に追いつくべく日本でも次々にサービスが本格的にスタート、普及し初めている。

タイピングゲーム感覚でプログラミングを“写経”して学べる「SHAKYO.io」のベータ版公開

ソースコードを模写して入力する「写経」は、プログラミング初級者が基本的な文法や言語ごとの特徴を学ぶ際の勉強法として長年親しまれてきたものの1つだ。従来は紙の技術書などを開き、そこに記載されているソースコードを見ながら自身のPC上で同じように打ち込んでいくやり方が定番だったが、本日ベータ版がローンチされた「SHAKYO.io」を使えばタイピングゲーム感覚でブラウザ上にて簡単に写経を体験できる… 続きを読む

メイドイン和歌山の公道走れる電動キックボードがMakuakeに、開始1時間で目標金額400万円を突破

和歌山を拠点とするglafitは5月28日、国内製造の電動キックボード「X-SCOOTER LOM」のクラウドファンディングをMakuakeで開始した。本日15時から出資を募っているが、同日17時の時点で500万円以上が集まっており、目標金額の400万円をすでに突破している… 続きを読む

Uberが悲願の東京都内でのタクシーサービスを開始、東京エムケイなどと提携

最近ではUber Eatsの大量のCM放映などでフードデリバリーの会社として知名度を高めているUberだが、悲願、宿願とも言える東京都内でのタクシー配車サービスを開始した。都内ではこれまでハイヤー会社と連携した配車サービスを展開していたが、日の丸リムジン、東京エムケイ、エコシステムの3社との連携でタクシー配車が実現した… 続きを読む

元メルペイ松本氏が手がけるキャッシュレスカフェが麻布十番に開店、月額3800円のコーヒーサブスク機能も

バリスタが丁寧に抽出したスペシャルティコーヒーとこだわりのホットサンドを、専用アプリから事前に注文しておくことで決済や待ち時間のストレスなくスムーズに受け取れる——そんな今風のカフェが本日2月21日、麻布十番にオープンした… 続きを読む

三井住友カードが30年ぶりにクレカ刷新、複数の決済情報を管理できるWalletアプリなども発表

三井住友カードは1月15日、30年ぶりに刷新されたクレジットカード、複数の決済手段を1つのアプリに集約できるWalletアプリ、家族間でシェアできる家計簿アプリを発表した… 続きを読む

OLがたったひとりで下着D2Cブランドを起業、2つのマーケティング戦略

商品入荷後、1日で完売したD2Cランジェリーブランドがある。IT企業でエンジニアとして働いていたOLの「仕事中のブラジャーの締め付けがストレスだった」という悩みをきっかけに作ったノンワイヤーブラ専門のランジェリーブランド「BELLE MACARON(ベルマカロン)」だ… 続きを読む

クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、適切な農作業の判断と適時実行を行う完全無人農機を目指す

クボタは10月6日、農業機械の自動運転分野においてNVIDIAと戦略的パートナーシップを結んだと発表した。NVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを採用し、農業機械のスマート化の加速に向け協業する… 続きを読む

ネクストミーツの「フェイクミート」が焼肉チェーン49店舗で日本初の焼肉用代替肉として販売開始

「焼肉のファストフード」をコンセプトにした「焼肉ライク」は11月26日、ネクストミーツによる大豆を用いた焼肉用代替肉「NEXTカルビ 50g 290円(税抜)」と「NEXTハラミ 50g 310円(税抜)」を国内全49店舗で販売すると発表した。販売開始は12月14日から。焼肉店での焼肉用代替肉の取扱いは日本初… 続きを読む

「空飛ぶクルマ」eVTOL開発の東大発スタートアップ「テトラ」が米コンペ受賞機「Mk-3」飛行動画を初公開

空飛ぶクルマとも称される、1人乗りeVTOL(垂直離着陸型航空機)開発のテトラ・アビエーションは8月20日、ボーイング後援の個⼈⽤航空機開発コンペ「GoFly」において受賞した機体「Mk-3」の飛行動画をYouTube上で初めて公開。またJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究開始を明らかにした… 続きを読む

富士山麓にスマートシティー建設、トヨタが野心的プロジェクトを発表

トヨタ自動車は世界中でロボティクス、新素材、人工知能、自動運転車、代替エネルギーの開発を続けてきたが、さらに野心的なプロジェクトを明らかにした。富士山麓に170万平方メートルにもおよぶ新テクノロジーの実証都市を建設するという… 続きを読む

日本に関する人気記事

メルカリがオープンロジと「あとよろ便」を開始、ヤマトと無人配送拠点「メルカリポスト」を設置
atama plusと駿台予備校が新導入の「大学入学共通テスト」向けオンライン模試を初回無料で開催
Uber Eatsが四国上陸、愛媛・松山、香川・高松で9時〜24時までデリバリー可能に
AIが数秒で契約書をレビューする「LegalForce」が10億円を調達、導入企業は250社を突破
保険料を“わりかん”するP2P保険が日本で開始、中国ではアリババの相互宝が加入者1億人超え
「本気で世界シェア1位を取りにいく」Reproが4年ぶりの増資で約30億円を調達
複数の自治体が「Peatix」不正アクセス・個人情報漏洩についてお詫びとお知らせを掲載
ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」が3月31日に完全終了、不正アクセスが発端
クロネコヤマトの4月の荷物取扱数は約1.6億個、前年比147%のネコポス激増はメルカリなどの影響

日本のフィンテック関する人気記事

三井住友カードがポイント特化型プラチナカード「プラチナプリファード」を9月1日に発行開始、キャッシュレスを推進
VISAがNFC-A/B非接触決済による国内キャッシュレス化を強力推進へ
ウォレットアプリのKyashが約47億円調達、チャレンジャーバンクへの進化目指す
メルペイがOrigamiの全株式を取得して完全子会社化
セブン-イレブンが10月から公式アプリにPayPay採用へ、独自コード決済の夢潰える

日本のモビリティ関する人気記事

タクシー配車サービスのJapanTaxiがDeNAのMOVを吸収、DeNAはJapanTaxiの共同筆頭株主に
和歌山拠点のglafitが公道を走れるスマホ連動電動スクーター「X-SCOOTER LOM」を発表

2021年を占う今年のTC人気記事(ハードウェア)

2020年も数多くの技術とアイデアの結晶であるハードウェアが登場した。TechCrunchでも多くの紹介、レビュー記事を掲載している。

その中から人気となった記事をご紹介しよう。

Apple Watchかと見まがうようなOppo Watchが登場

このOppo Watchは注目に値する。Apple(アップル)の製品から多くのものを取り入れているスマートウォッチは少なくないが、ここまで大胆不敵に実行したのはOppoくらいのものだろう。FitbitもVersaシリーズでは角の丸い四角形の形を真似したではないか、と思われるかもしれないが、そうした漠然とした類似性を言い出したらキリがない… 続きを読む

6.8型液晶ディスプレーも搭載、ラズパイ3対応キーボード一体型PC「DevTerm」が2021年4月発売

Clockwork Techは11月20日、Raspberry Pi コンピュートモジュール 3+(CM3+ LITE)を内蔵可能なキーボード一体型小型PC「DevTerm」のプレオーダーを開始した。6.8インチIPS液晶ディスプレーを搭載し、発売は2021年4月予定。組み立てキットの体裁になっており、12歳以上対象としている… 続きを読む

Pixel 4とiPhone 11 Proのカメラを徹底実写比較、買うならどっち?

iPhoneのユーザーだが、毎日かなりの時間を携帯カメラで写真を撮ることに費やしている。私にとってはカメラの性能が購入にあたって重要な要素だ。同僚のBrian Heater(ブライアン・ヒーター)記者のPixel 4は進化したカメラで勝負という記事を読んで乗り換えも検討することにした… 続きを読む

5G、OLED、トリプルカメラを搭載し約6.5万円の高コスパスマホ「AQUOS zero5G basic」

シャープは、リフレッシュレート240Hzの有機ELディスプレイを搭載したAndroidスマホ「AQUOS zero5G basic」を10月9日にソフトバンクより発売した。本製品には5Gモデムを統合したSoC「Qualcomm Snapdragon 765 5G mobile platform」が採用されており、端末価格は6万5520円と比較的低価格に抑えられている… 続きを読む

Appleと別れたIntelが独自のノートPCを発表、ホワイトラベル製品として提供

Apple(アップル)との長期におよぶ有益な関係は間もなく終わるかもしれないが、IntelはいまだにPC市場でかなり大きな立ち位置を占めている。とはいえ、決してそれで満足していい時期ではない (同社はモバイル機器市場の前線でそれを嫌というほど思い知ったはずだ)… 続きを読む

PCの人気記事

ZOTACの手のひらサイズのカード型PC「PI225」の処理性能と発熱をチェック
AMD Ryzenモバイル搭載を期待したくなる?さらに完成度を高めたデルの13.4型モバイル「New XPS 13(9300)」
画面がちょっと大きくなったSurface Go 2はWindows PCサブ機の有力候補
完成しているからこそあえて変えない新ThinkPad X1 Carbon、第10世代搭載の順当進化だが発熱は高め
Ryzen Pro 4000採用で32GBメモリー搭載可能、13.3型「ThinkPad X13 Gen 1(AMD)」
もう「変態」とは言わせない、実用性を備えた2画面ノートに進化したASUS ZenBook Duo
まだまだ優位を保つIntelの第10・第11世代モバイル向けCPUを知る
PC・タブレットとしてより使いやすく格段の進化を遂げた「Surface Pro 7」
レノボの14型ノートPC「Yoga S940(14)」はMacBook Proのライバルになるか?
圧倒的な性能アップで注目されるAMDのモバイルCPU「Ryzen Mobile」とは?
Raspberry Pi 4を組み込んだキーボード型パソコン「Raspberry Pi 400」が2021年日本発売

スマートフォンの人気記事

TCLのラストモデル「BlackBerry KEY2 Last Edition」の実力は?そして物理QWERTYキースマホの系譜はこれからも続く
ソニーが初の5Gフラッグシップとなるトリプルレンズ搭載のXperia 1 IIを発表
MotorolaのRazrは10万回折りたためなかった
初代iPhone SEよりコンパクト、2万円台で買えるFeliCa搭載Rakuten Miniは首から提げて使えるメイン端末
サムスンのGalaxy S20 Ultraはその超高価格を正当化できているのか
カメラの性能が素晴らしい4万円台のGoogle Pixel 4a、5G対応Pixelを待つ必要なし
Surface Duoの外観をチェック、折り畳み式デュアルスクリーンAndroid端末の完成度は?

ゲーム機の人気記事

PlayStation 5レビュー、次世代コンソールは優秀だが慌てて手に入れる必要はない
任天堂が往年のゲーム&ウォッチをマリオ版としてカラー画面・USB-C化でリメイク、11月13日に5478円で発売
レビュー:時代の先を行くMicrosoftのXbox Series X

その他のガジェットの人気記事

デルの新型32インチ4Kディスプレイ「U3219Q」はホームオフィスのアップグレードに最適だ
Amazonのスマートグラスが12月から一般販売、スマートリングは廃番に
シャオミの「Miスマートバンド5」は機能、装着性、駆動時間が絶妙な注目ウェアラブル端末
さらに紙に近づいたreMarkableの新型Eペーパータブレット
税込4980円!? 触れて聴いて思わず唸ったワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS Sonic」
コンピュータビジョン界のRaspberry Piとなる「OpenCV AI Kit」が新登場
Galaxy Watch 3ファーストインプレッション、やはり回転ベゼルは素晴らしい
シャオミの新ウェアラブルMi Smart Band 5は約2900円と激安、ディスプレイ拡大、新充電方式などを採用
アマゾンから新「Fire TV Stick」と低価格「Fire TV Stick Lite」が登場、双方向ビデオ通話やZoom対応も視野に
「Sonos Arc」は単体でも組み合わせても素晴らしいサウンドバー
2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢

新型コロナに苦しむ人を救う開発者の卵が作ったDevelop for Goodが学生と非営利団体を繋ぐ

2020年は社会的組織の年だった。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界と米国を襲い、国や町、村町などさまざまなレベルの行政府のほかに、非営利組織とボランティア団体のパッチワークのような組織が活動を開始し、ウイルスに苦しんでいる人や家族に食べ物や医療品、子どもたちの本や衣類などを配った。

救援のための最大の格差が、おそらくデジタルの分野だろう。非営利団体は今日の小売企業がまさにそうであるように、受益者じゃインターネットに接続する必要がある。しかしテクノロジー方面の人材は高価であり、なかなか見つからない。そうでなくても非営利団体の多くが裕福でない。

このことを痛感したスタンフォード在学中のMary Zhu(メアリー・ズー)氏とAmay Aggarwal(アメイ・アッガルワール)氏は、コンピューターサイエンスやデザイン、経済学などの学部学生有志と、専門的能力を必要としている非営利団体のプロジェクトを結びつけるサービスであるDevelop for Goodを創業した。彼らはパンデミックの急速な拡散が始まった2020年3月にネットワークを立ち上げ、以後その組織は急速に大きくなった。

「学生たちはボランティアとしての意志があるだけでなく、自分たちのプロとしてのスキルを生かせて体験を積む機会を求めている。学生たちと非営利団体のニーズの両方が、このようにたまたま合ったため、Develop for Goodが提供する両者のマッチングが急速に増えた」とズー氏は説明する。

現在のところ、米国の法律で免税などの資格を認められている非営利団体501(c)(3)団体であるDevelop for Goodは、25000あまりのボランティア時間を各種の事業に配分している。有名な501(c)(3)団体としてメディアがよく取り上げるのは、「Ronald McDonald House」「UNICEF」「Native American Rights Fund(NARF)」「Easterseals」「The Nature Conservancy」「Save the Children」「AARP」などの団体だ。ズー、アッガルワール両氏のスタンフォードにおけるネットワークも、今では全米で12あまりの大学が参加している。2人はスタンフォードの同窓会ネットワークを介して各大学の非営利団体に接触したが、事業の評判が高まっていくにつれ相手先の関心や参加も増えてきた。

ボランティアたちが取り組む典型的なプロジェクトは、週5〜10時間で計10週程度のものだ。チームは少なくとも毎週、クライアントの非営利団体と会合を持ち、プロジェクトに求められる方向性を確認する。プロジェクトで多いのは、アプリケーション開発やデータの視覚化、ウェブデザインだ。期間内に完了するプロジェクトが多いが、中にはプロダクト開発のように今後、時間を必要とするものもある。事業の拡大とともにズー、アッガルワール両氏は本格的なメンター部門も設けて、学生たちの仕事を指導し助けている。

2021年1月に始まる次のバッチは、すでに学生たちの応募を受け付けている。締切は1月2日だ。ズー氏らによると、予想ではおよそ800の応募が集まり、最終的には200名のボランティアを32のプロジェクトに割り当てることになるという。応募者の選別は、彼ら学生たちの関心分野と、今後の事業との相性で決まる。試験による競争のようなものはない。現在までDevelop for Goodが手がけたプロジェクトは50件だ。

次のバッチではAmazon Web Servicesが、(米国人としての)第一世代と低所得の学生に奨学金を提供して、ボランティアワークに取り組んだことによる収入減などの経済的な問題への対処を支援する。「前回は、『家庭が貧しいので無給の仕事はできない』といって、途中でいなくなった人たちもいる」とアッガルワール氏はいう。奨学金はそのような学生を助けて、経済的負担を軽減しながらボランティアを続行できるようにする。

アッガルワール氏によると、この事業のボランティアのデベロッパーとデザイナーは、2 / 3が女性であり、1 / 3が第一世代または低所得層だ。

カテゴリー:その他
タグ:新型コロナウイルスボランティア

画像クレジット:Juhari Muhade/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

サムスン電子の李在鎔副会長に実刑判決、収賄で懲役9年

Samsung Electronics(サムスン電子)の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領を失脚させた贈収賄事件で懲役9年の実刑判決を受けた。検察は、サムスン電子が韓国最大の財閥であるため、刑の長さが正当だと主張している。

米国時間12月30日に行われた最終審問で「サムスン電子は、韓国企業がサムスン電子と非サムスン電子に分かれているといわれるほど、圧倒的な力を持ったグループだ」と述べたとKorea Heraldは報じている。最終判決は2021年1月18日に予定されている。

今回の贈収賄事件は、李容疑者が関与している別の裁判とは異なるもので、会計詐欺と株価操作の疑惑をめぐるものだ。この事件の公聴会は10月に始まっている。

李容疑者は2017年、朴被告と側近の崔順実(チェ・スンシル)被告に金品を渡した疑いで有罪となり、懲役5年を言い渡された。検察は、李会長が父親の李健熙(イ・ゴンヒ)会長(当時)からサムスンの経営権を継承しようとしたことに対して、政府の後ろ盾を確保するためのものだったと主張している。違法な支払いは、朴氏の弾劾、逮捕、25年の実刑判決につながった汚職事件の核心だ(NYTimes記事)。

判決が減刑され控訴審で執行猶予がいい渡された後、2018年に釈放された李氏は、2014年に父親が心臓発作を起こした(未訳記事)後に、サムスンの事実上のトップとして復帰した(NYTimes記事)。

しかし、2019年8月、最高裁は控訴審の判決を覆し、寛大すぎるとしてソウル高裁での再審を命じている。

韓国で最も裕福な国民といわれてきた李健熙氏は2020年10月に亡くなった。彼の資産価値は推定207億ドル(約2兆1350億円)で、同国の税制下では、相続人は約100億ドル(約1兆300億円)の遺産税を課される可能性があるとFortune誌の報道している

TechCrunchはサムスンにコメントを求めている。

カテゴリー:その他
タグ:Samsung裁判

画像クレジット:Chris Jung/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

2021年を占う今年のTC人気記事(Apple)

5Gに対応しデザインも大きく変更されたiPhone 12シリーズ。Appleを代表するプロダクトである新たなiPhoneも話題になったが、2020年最大のトピックは、同社が開発を続けてきたAppleシリコンM1」を搭載したMacbook Pro / Air、miniの登場だろう。圧倒的な性能の高さを実現したM1搭載Macは、新型コロナでパソコンへの需要が高まる中、本命の1台として注目が集まっている。

M1搭載Macと合わせて登場したmacOS Big Surは、2001年に登場して以降、ずっとバージョンは「X(10)」だったが、「11」にアップ。ここ約20年で最も大きな進化を果たしたものだ。

また、「アップル税」とも呼ばれる同社のプラットフォームApp Storeの手数料に関して、2020年8月、Appleと大人気サバイバルシューティングゲームの「フォートナイト」を開発するEpic Gamesとの間で問題が発生している。

M1搭載Mac miniレビュー、高性能で低価格なデスクトップMacの復活

最新のMac miniに小さなところはない。Mac miniの小さなサイズや価格の安さを気にすることはない。この小さなデスクトップは、Apple(アップル)の新しいチップセットのおかげで、ほとんどのユーザーにとって革命的な存在となった… 続きを読む

関連記事
AppleのM1搭載MacBook Proは特にバッテリー駆動時間が驚異的
M1搭載MacBook Airレビュー、新しい扉を開けたAirは多くの人におすすめできるAppleシリコンMac

iPhone 12 miniレビュー、小型ながら主要機能に省略がない近年最高のコスパモデル

iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxを同時にレビューするなんて、超ハードなエクササイズだ。以前行ったiPhone 12とiPhone 12 Proのレビューでは、もっと極端な比較対象がないとミドルクラスモデルの評価は難しいと書いた… 続きを読む

関連記事
iPhone 12 Pro Maxレビュー、プレミアムモデルには扱い難さを乗り越える価値がある
アップル新iPhone発表イベントまとめ、iPhone 12シリーズ、HomePod mini、MagSafe復活

アップルがオーバーイヤー型ノイキャン搭載ワイヤレスヘッドフォンAirPods Maxを発表

Apple(アップル)のオーディオアクセサリーのラインアップにAirPods Maxが加わった。写真のとおり、AirPodsブランドで初のオーバーイヤー型ヘッドフォンだ。本体サイズは以下のとおりで、重さは384.8g… 続きを読む

関連記事:アップル新ヘッドフォンAirPods Maxファーストインプレ、高品質で非常に重いがサウンドはしっかり

macOS Big Surレビュー、Appleは主要OS統一へ向けさらに一歩踏み出した

ついにその日が来た。永遠に待ちぼうけを食らわされるかと思わせた、macOSの最新バージョンBig Sur(ビッグ・サー)が、やっと到着したのだ。想像上の産物ではなかったのだ。確かにいまさら時間についてあれこれ言うのは無意味だが、WWDCでの発表から米国時間11月12日のリリースまで、実に5カ月近くの長い時間がかかった… 続きを読む

関連記事:iPhone/iPadアプリは本当にそのままApple Silicon Mac上で動くのか?

iOS 14のホーム画面デザイン機能搭載でPinterestが驚異的なダウンロード数を記録

iOS 14のリリースでiPhoneのホーム画面をカスタマイズできるようになりユーザーは沸き立っている(CNBC記事)が、その恩恵がPinterest(ピンタレスト)にも及んだ。サードパーティーによる新たな推測では、Pinterestのアプリは1日あたりの世界のダウンロード数を更新し、App Storeのトップチャートに躍り出た… 続きを読む

新iPhone SEはこんな時代だから求められる「安かろう良かろう」なスマホ

正直にいって、iPhone SEについて何かとの比較の会話をするのは難しい。このデバイスはiPhone 11と同じ様相を呈しているが、iPhone 11とは別ものだ… 続きを読む

関連記事:iPhone SEはトリプルカメラを捨てて機種変更したいと思わせる魅力がある

最新iPad Proは旧モデルから乗り換えるほどではないが、マウスとキーボードは快適で便利

過去18カ月間、iPad Proは私の自宅から持ち出した唯一のマシンである。私は最近まで世界中で開かれるイベントに参加するため、またサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンにある当社のオフィスを訪れるため、自宅を離れて何度も国内外を移動した。自宅のデスクにいないときは、常にiPad Proが私のメインのポータブルマシンであった… 続きを読む

Appleに関する人気記事

MacにApple Siliconを搭載するアップルの本当の狙い
Apple Siliconへの移行のキモとなるUniversal 2とRosetta 2とは何か?
アップルがセキュリティ研究者や熟練ハッカーに脱獄済みの特別なiPhoneを提供開始
Apple Fitness+はジムの代わりにはならないが汗を流すには十分
「アップルカー」の噂が再燃、2024年発売を示す新たな報道

iOSに関する人気記事

iOS 14のウィジェットとiPhoneのホーム画面のカスタマイズを最大限に活用する方法
iOS 14の新機能はスタートアップにとって脅威となる
強力なウィジェット作成機能をもたらすLauncher、iOS 14でユーザーの画面カスタマイズ熱高まる
いますぐ試せるiOS 14用ウィジェット(その1)
iOS 14のホーム画面でアイコンをカスタマイズできるLaunch Center Pro

Apple製品紹介、レビューの人気記事

キーボードの欠点が消えた新MacBook Pro 13インチ、Airとの差別化はやはり悩ましい
新型MacBook Airは再びタイプしたい気にさせてくれるノートPC
13インチと16インチのMacBook Pro、どちらを買うべきか?
iPad Airレビュー、Appleの個人利用のポータブルコンピュータで一番オススメなデバイス
アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に
第8世代iPadはカジュアルユーザーに最適、頻繁な文字入力にSmart Keyboardは力不足か
大画面化しつつキーボードやスピーカーを刷新した16インチMacBook Proの実力を改めて検証
Apple Watch Series 6ファーストインプレッション、血中酸素計測機能と新バンド・ソロループに注目
Apple HomePod Miniレビュー、もっと早く登場していたら、小さな躯体で驚くサウンドを楽しめる

テクノロジーへの独占禁止の動きが米国から中国、韓国、インド、ヨーロッパまで勢いを増している

テック分野における何十年にもわたる拡大と統合を経て、独占禁止の動きは世界中の産業にとって重要な課題となっている。

過去10年間にはゆっくりとばらばらに進んできた動きだったが、この数週間で、該当産業に対する急速かつ包括的な行動としてまとまりつつある。これに対して、米国は世界的にも顕著な遅れをとっている。

この動きが最も顕著なのは中国だ。同国の競争当局が、長年続いたインターネット大企業への無干渉政策を突然かなぐり捨てて、同国の最も巨大なテック企業に対して抜本的な措置をとることを決定したのだ。

この動きは、中国の規制当局が11月初旬にAnt(アント)の記録破りのIPOを妨害することから始まった。Antは中国で最も重要なテック企業の1つであるとともに、3000億ドル(約31兆円)以上の評価額を視野に入れていたフィンテック企業で、中国人と華僑を中心に世界で13億人のアクティブユーザーを抱えている。

その規制措置は、Antの株式の33%を保有するAlibaba(アリババ)の、時価総額を即時に600億ドル(約6兆2000億円)下落させた(未訳記事)。

北京からの悪いニュースはテック業界全体に続いている。今週初め、市場規制当局は、貸出基準の厳格化などを含む、Antの「是正」計画を示したが、それらは同社の高い収益、利ざや、成長に深刻な影響を与えることが予想されている。米国時間12月29日のウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、中国政府がAlibaba創業者であるJack Ma(ジャック・マー)氏の、ビジネス帝国に対する影響力を具体的に「縮小」しようとしているとし、中国政府自身も同社の大規模な所有権を取得する可能性があると報じている。

さらに北京政府は、AlibabaとTencent(テンセント)が協業し、連動する2社のウェブの外部に、他のスタートアップたちが生息できる場所を作るように強制するように見える。2020年12月初め、当局はalibabaに僅かな金額の罰金を科し、また、Tencentによる買収案件を調査した(Bloomberg記事)が、その動きは、独占禁止法による介入の新しいラウンドの号令として、アナリストたちには受け止められていた。2021年にはさらなる動きが予想される。

だが、テック企業を服従させようとしているのは中国だけではない。ほぼ1年前、ドイツに拠点を置くDelivery Hero(デリバリー・ヒーロー)は、ソウルに拠点を置く人気フードデリバリーアプリのBaedal Minjok(ベーダル・ミンジョク)を40億ドル(約4133億円)で買収することを発表した。韓国時間12月29日、韓国の競争当局は、Delivery Heroに対し買収の承認のためには既存のローカルデリバリー資産を売却(The Financial Times記事)するよう命じた。この命令はそもそもBaedal Minjokを買収する理由の1つを損なう要求だ。Delivery Heroは、取引を完了させるために対象となる資産を売却する(Bloomberg記事)と述べている。

一方、今月には欧州とEUを離脱する英国は、違法コンテンツに対する法的責任の強化、サービスの透明性の拡大、主要プラットフォームでのオープンな競争の義務化など、テック分野での競争を強化するための新しい政策や規制が相次いで発表された(NYTimes記事)。こうした政策は、ずっと以前から進められてきていたが(未訳記事)、いまや力を持ち始め、旧大陸における最大規模のハイテク企業の運営方法に、大きな変化がもたらされる予兆が現れている。

世界的な政策の多くは、業界の統合や規模を元に戻そうとするものだが、インドでは、規制当局がそもそもそのような大規模化を防ぐために動いている。現地の競争当局は2020年11月に、現地での決済額の30%以上を扱う企業が出てこないようにする枠組み(Bloomberg記事)や、金融相互運用性の基準を義務づけることを発表した。この政策は、中国で見られるAlipay(アリペイ)とWeChat Pay(ウィーチャットペイ)のような、フィンテックの2社独占を避けるためにデザインされているように見える。

このような世界的な独占禁止活動が活発化している中で、後れを取っているのは実は米国だ。おそらく最大手のハイテク企業のすべてが、米国内に本社を置いているからだろう。議会、大統領、複数の州法務長官たちが、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Facebook(フェイスブック)のような企業の領分について、徐々に態度を厳しくして来ているが、巨人たちに対する動きは、まだほんの初期段階に留まっている。

これまでで、最大かつ最も注目すべき動きは、2020年12月初めに46州がFacebookを相手に起こした大規模な訴訟である。その当時私たちはこの訴訟のことをを、同社が成長し市場支配力を維持するために「競合他社を「違法」かつ「略奪的方法」によって買収したと主張している。顕著な例としてFacebookによるInstagramおよびWhatsAppの買収が挙げられている」と報じている。

もちろん、1990年代のMicrosoft(マイクロソフト)に対する米国政府の訴訟を覚えている人もいると思うが、独占禁止法の訴訟は、裁判所での審議に何年もかかることが多く、最終的に何か変更が行われてとして、大きな変化にはつながらないことが多い。

バイデン政権がこれらの動きを劇的に変えるかどうかは不明のままだが、2020年1月の就任に向けての移行準備のために、現時点では非常に限られた情報しか得られていない。

とはいえ、これらすべての独占禁止法に関わる動きは、それぞれこの数週間以内に世界中で同時に発生している。この動きは2021年におけるテック業界の大規模な規制闘争を予感させる。

関連記事
Antの超大型IPOが延期、中国当局がアリババ創業者から事情聴取
中国政府がジャック・マー氏のフィンテック帝国Ant Groupの「修正」計画を発表
食事の出前サービスが4000億円超で買収された韓国は一流スタートアップ拠点になるかもしれない
Facebookが全米46州からの大型反トラスト訴訟に直面

カテゴリー:その他
タグ:独占禁止法

画像クレジット:Aitor Diago / Getty Images

原文へ

(翻訳:sako)

新型コロナで露見したサプライチェーンの脆弱性

パンデミック初期、程度の差こそあれ、世界中でロックダウンが行われそうなことは明らかだった。当然のことながら、トイレットペーパー(および、そこまでではないがペーパータオルとティッシュ)が飛ぶように売れた。店側は突然、人間が消費する最も基本的で便利なモノの1つが売り切れていることに気づいた。

このレベルまで人々が備えるというのはかつて見られなかったし、サプライチェーンの準備も整っていなかった。サプライチェーンは依然としていつも通りのスピードで動いていたため、需要と供給の間にギャップが生じた。

パンデミックがさらに進行すると、基本的な商品の供給というこの問題は、個人用保護具(PPE)の安全の限界を引き伸ばしていた最前線の労働者に移った。これにより需要の急変によるサプライチェーンへの影響が明らかになった。企業は自社の設備を保護具と手指消毒剤の生産に再利用し始めた。手っ取り早く利益を上げる目的の企業もあれば、サプライチェーンのニーズを満たす目的の企業もあった。

政府や企業は緊急に対応した。サプライヤー候補からの申し出をまとめるスプレッドシートがあったようだ。

この間、市場全体を概観することは困難だった。品質、仕入先の検索、価格変動があらゆるところで混乱を引き起こしていたからだ。製造元を追跡し、製造施設の品質管理に関するデータを入手することはほぼ不可能だった。市場は粗悪な製品や偽物で溢れかえっていた。サプライチェーンの構造に関する解説記事が初心者向けガイドとともに出始めた。

消費者は、現状のシステムがこういった激変のために構築されたものではないことを理解し始めた。

再考を促される企業の調達戦略

我々がはっきりと目撃したのは、企業はサプライチェーンをほとんどコントロールできないということだ。大半の企業は通常、直接の調達先に関して穏やかに機能するリスク計画しか用意していない。我々のほとんどがXbox Series XやPlay Station 5なしでこのホリデーシーズンを過ごさなければならない理由はこれだと察しがつく。そうしたゲーム機は1つの調達先からの部品で作られる製品ではない。1つのゲーム機を作るために多数の部品と材料が使われる。

外装材の仕上げ工程から、染色のための材料、各種プラスチック、低コスト国に生産拠点を設ける必要性といった要素すべてが、物事が正常に動かない場合には生産を遅らせる可能性がある。ゲーム機を分解すると企業、プロセス、材料、国からなる非常に複雑なマトリックスを見てとることができる。

もし我々が、ゲーム機の各部品の旅をすべての材料、関係する人間、企業、場所をわかりやすく表現し、直接可視化できれば、サプライチェーンの非効率性がどこにあるのか特定できる。

すべての材料と部品はサプライチェーンのどこかを通るが、その過程でストーリーは失われる。個別具体的なデータは入手できないため、企業と国のいずれも、サプライチェーンを混乱に陥れる世界的な出来事に備える効果的なリスク計画の作成に苦慮している。

現在、ほとんどの人が気づかぬところで革命が起こっている。分散型台帳技術(ブロックチェーン)により透明性をサプライチェーンにもたらすことが可能になりつつあるのだ。

脆弱性を特定する

企業が自らを守るためリスクの所在を把握しようとするなら、いろいろ掘り下げて考える必要がある。そのためには、直接の調達先やそのまた調達先をはるかに超え、流通施設や輸送ハブを含む完全なサプライチェーンのマッピングが必要となる。これは時間と費用がかかるため、ほとんどの大手企業は支出の大部分を占める戦略的な直接の調達先にのみ注意を向けてきた。

だが、サプライチェーンを詳しく調べるよりも、ビジネスを停止させる突然の混乱の方がはるかにコストがかさむ可能性がある。

マッピングプロセスの目標は、サプライヤーを低・中・高リスクに分類し、適切なリスク緩和戦略を練ることだ。ただしこのアプローチは、サプライチェーンの任意のポイントで異なるサプライヤーが生成するデータにアクセスできる場合にのみ可能となる。その場合はデータを信頼することができ、分析が可能になる。

目的は遅延や混乱を早期に警告し、調達先の多様化または主要な材料や品目の備蓄を可能にすることだ。もちろんこれはすべて不確実だ。トイレットペーパーがなくなってからわずか数カ月後にはワクチンが普及している。

パンデミック、ワクチン、サプライチェーン

我々がグローバルで自由な市場だと思っていたものが2020年試された。医薬品会社は、インドで生産された頭痛薬の有効成分など、いくつかの主要成分を調達できない事態に直面した。すべては自国で必要とされる商品を確保するための国同士の戦いになった。この傾向は、貿易におけるナショナリズムと保護貿易主義の高まりによっても強化された。サプライチェーンの管理と可視化の必要性は明白であり、民間部門だけでなく政府にとっても優先事項になった。

ワクチンの展開によりリスク、調達、プロセス管理という点だけでなく、品質と責任という点からも上記の問題が発生する。偽物からサプライチェーンプロセスの極めて特定のポイント(Reuters記事)を標的とするすでにアクティブなサイバー攻撃(ワクチンは特定の温度で出荷・保管する必要がある)まで、製造におけるすべてのタッチポイントのストーリーを伝える分散型物流システムの必要があろう。だがすでに見られるように(The Washington Post記事)、政府が自身のサプライチェーンに対するニーズを管理できないなら、こうしたことはそもそも問題にすらならない。

新型コロナウイルスのパンデミックから教訓を得ることは可能だ。企業と業界全体が政府と緊密に協力して、グローバルなサプライチェーンモデルを再考し変革する時が来た。1つ確かなことは、パンデミックがすでに多くの組織、特に原材料または完成品を世界中からの調達に大きく依存している組織の脆弱性を露呈したということだ。

幸いなことに、サプライチェーン全体の可視性を高め、リスクを軽減し、次のパンデミックという変動性に対処できるインフラを構築する新しいサプライチェーンテクノロジーが登場している。サプライチェーンに沿って提供されるデータの説明責任と信頼を確保するためのソリューションとして、分散型台帳テクノロジーが有用であることはすでに証明されている。デジタルサプライネットワークは、線形サプライチェーンモデルに徐々に取って代わり、機能別のサイロを分解し、エンド・ツー・エンドの可視性、コラボレーション、機動性、最適化を実現する。

これは将来に向けた朗報だ。家から働き、トイレットペーパーを備蓄し、更新ボタンをクリックしてまったく数が足りないゲーム機がカートに追加されているのを期待するような1年を過ごしてきた我々は皆、今やサプライチェーンロジスティクスの専門家だからだ。

【Japan編集部注】Jens Munch Lund-Nielsen(イエンス・ムンク・ルント・ニールセン)氏は、IOTA Foundationのグローバルトレードおよびサプライチェーンの責任者。

カテゴリー:その他
タグ:サプライチェーン新型コロナウイルス

画像クレジット:chain45154 / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

シリコンバレーに広がる冷笑主義に対抗する方法はSubstack、Clubhouseそしてマイアミ脱出だ

映画「Field of Dreams(フィールド・オブ・ドリームス)」ではないが「それを作れば人はやってくる」というのがスタートアップの信念だ。しかし残念ながら本当に人が来るまでの道のりには、何もかも否定しようとするシニシズム(冷笑主義)が満ちることになる。

今年だけでもテクノロジービジネスでは何百万回ものギャンブルがあった。そうした賭けの一部にはベンチャーキャピタルの投資の決断も含まれていた。また地域を選ぶ賭けもあった。サンフランシスコの未来に賭けるのがいいだろうか?それとも他のテクノロジーハブの成長に賭けるべきか?プロダクトに新機能をリリースするべきか、既存機能のブラッシュアップに時間を割くべきか?今の会社に賭けるか、新しい会社を探すか?

2020年の締めくくりとして、こうした賭けの結果について成績表を作ってみよう。このビジネス全体を通してその未来に熱狂な支持を集めることに成功したのは「メディア、特にオーディオメディア、米国のある有名大都市」の3つだけだった。

具体的にいえば、ニュースレター配信のSubstack、ソーシャルメディアのClubhouse、そして新興テクノロジーハブのマイアミだ。もちろんまだ先物買いではある。どれも夢を実現するまでにはまだまだ距離がある。Substackは、テキストベースのジャーナリズムを再建しようと試みている。Clubhouseは、対話可能な音声ベースのソーシャルプラットフォームとしてラジオを活性化するつもりだ。マイアミはこれまでスタートアップ育成の巨大なエコシステムがなかった場所にもサンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンに匹敵するテクノロジーハブを建設できるという賭けだ。

こうしたオプティミズム(楽観主義)は脅威、失敗、障害の可能性を仔細にいい立てる人々からあらゆる否定を浴びている。

現在のテクノロジー業界を覆う否定的な空気は、パンデミックを筆頭に業界を絶え間なく襲った悪いニュースに疲れたための一時的な倦怠感に過ぎないといいいたいところだ。しかしここに底流するシニシズムは新型コロナウイルスがトレンドトピック入りするはるか以前から業界に深く浸透していた。

今までにないほど、多くのスタートアップが資金を調達している(評価額も上昇を続けている!)し、買収や上場によって「出口」を得たスタートアップの数も2020年12月初めの時点で過去数年間で最高だ。

それでも悲観的分析は根強い。そのほとんどをは、テクノロジー業界を覆うある種の不安から生じている。Substackはテクノロジーの不安とメディアの不安が重なる部分に位置するので特に目立つ。テクノロジー側からの批判は、「あんなものはただのメールサービスだ!」と要約できる。誰もがSubstackのようなサービスならこの10年、誰でも構築できたはずだ。そう思えるだけにSubstackの単純さと巨大な評価額は脅威だ。

事実、もともとのコンセプトが単純なだけにSubstack的な試みは何度もあった。しかし単純さは他の多くの成功した消費者向けスタートアップに共通するDNAだ。なるほどSubstackのテクノロジーの本質は電子メールだ。StripeにCMSエディターをプラスしたメール配信サービスともいえる。有能なエンジニアはコンセプト版でよいなら1日で書ける。ところが誰もやらなかった。そこでスタートアップの世界では疑いと不安が始まる。

メディアの観点からはどうだろう?ニュースも出版も過去数年間はひどい状態だった。当然のことながら、マスコミのシニシズムはひどく強いものとなっている(もともとジャーナリストというのは楽観的なことを口にしない人種だ)。マスコミ側の批判の大部分は「Substackは数年前からあったのにマスコミの崩壊を止めるのに少しも役立たたなかった」と要約される。

そのうちに助けになるかもしれないが、大きな影響を与えるようなサービスが出現するには時間がかかる。スタートしたばかりの企業がマスコミを完全に再構築する可能性さえあると見られるているという事実が、まさにSubstack(や類似のスタートアップ)を賭けるべき対象として魅力あるものにしているのだ。Substackは今すぐに解雇された数万人のジャーナリストに再び職を与えたり、ニュース報道や出版ビジネス内の不平等を是正したり、フェイクニュースを追放したりすることはできない。しかしこのペースで成長し機能の構築が続くとしたら、10年後にはできるかもしれない。

現在すでに完璧でないといって対象を否定するシニシズムは、2020年のスタートアップビジネスに流れる奇妙な動きの1つだ。1人か多くて数人の起業家と少数の社員のスタートアップが、創立初日に完璧なプロダクトをリリースし、欠点が表面化する以前にそれを是正しているなどと期待するのは道理に合わない。スタートアップが提供するプロダクトが過早にもてはやされ、プロダクトの真価を理解している少数が理解しない多数の渦の中に飲み込まれているという方が実際に近いだろう。

このパターンはClubhouseの場合にもはっきりしている。幸いにしてTechCrunchでは、おおむね避けるのに成功してきたシニシズムの側面があらわになっている。Clubhouseは新しいダイナミクスを備えた新しいソーシャルプラットフォームだ。もちろん数年先にどうなっているかは誰に断言はできない。投資家、ユーザーはもちろん、(彼なりのビジョンはあるだろうが)創立したPaul Davison(ポール・デイヴィソン)でさえ確たることはいえないだろう。先週、Clubhouseが主催した「Lion King(ライオン・キング)」のライブミュージカルイベントには数千人が参加した。Clubhouseがそうした存在になるとは誰ひとり予想していなかったはずだ。

SubstackにもClubhouseにも解決すべき課題は多々ある。当然だ。しかし創立後日が浅いスタートアップとしてとしては、市場の地形を探り、プラットフォームにユーザーを引き込むために決定的となる機能を発見し、最終的には成長の方程式を見つけねばならない。コンテンツがユーザー投稿であるということは特に安全性と信頼性における問題を生む。成長の過程で問題を発見しなかったスタートアップなど、これまで設立されていない。重要な質問は「このスタートアップには問題が発見されたときにそれを即座に修正することができるリーダーシップを持っているか?」だ。私の見たところ(現実のお金を投じてはいないが、これも賭けだが)答えはイエスだ。

リーダーシップについて語るならマイアミのFrancis Suarez(フランシス・スアレズ)市長を抜きにするわけにはいかない。スアレズ市長の「マイアミはスタートアップを手助けする用意がある」というツイートはシリコンバレー信者はの愛好家や根っからの悲観主義者の間に途方ないばかげた騒動を引き起こした。

Keith Rabois(キース・ラボイス)氏をはじめとする何人かのベンチャーキャピタリストや起業家はサンフランシスコから脱出してマイアミに移れというトレンドのパイオニアとなっている。地元のビジネスと連携して、それまでになかったより良いエコシステムを構築しようとしている。ここで賭けられているのは場所だ。スタートアップとテクノロジーのハブをシニシズムに覆われた既存の場所の外に明るく楽観的な場所を見つけることができるという賭けだ。

マイアミに対するシニシズムは、10年前よりもさらに正当化されにくくなっている。サンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンとそれらの周辺はもちろん米国のハイテクスタートアップのメッカだ。しかしシアトルはもちろん、この10年でソルトレイク、ポートランド、シカゴ、オースティン、デンバー、フィラデルフィアなどの都市が着々と得点を挙げている。マイアミは550万人が暮らす大都市であり、米国最大の経済圏の1つだ。マイアミも成功するかもしれないと考えるのは的外れではない。改革のきっかけとしては、たとえばラボイス氏のようなベンチャーキャピタリストの移住が十分だったかもしれない。

シニシズムから意味あるものが生まれた例はない。「そんなことできっこない」という態度がスタートアップを作った試しはない。こういうシニシズムへの反発が人を起業家にするきっかけとなったことならあるかもしれない。

意味のあるもの作るには、時間がかかる。最初のプロダクトを手にしてから育て上げてるに時間が必要だ。スタートアップのエコシステムを構築し自立したものにするにももちろん時間がかかる。重要なことは、成功のためには個人の力では不十分だという点だ。人々のチーム、コミュニティとメンバーの並外れた努力が必要だ。未来というのは決定論的に固定されたものではない。努力によって変化する可塑性に富んだ存在だ。賭けの報酬は大きい。我々は後ろ向きにあれこれの問題や欠陥を指摘するのを止めて「どんな未来を作りたいのか?」と自問すべきだろう。私は何に賭けたいのかが一番重要なポイントだ。

関連記事:米国スタートアップ界で話題の次世代SNS「Clubhouse」になぜ100億円以上も時価総額がつくのか?

カテゴリー:その他
タグ:SubstackClubhouseマイアミ

画像クレジット:John Coletti / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

2021年を占う今年のTC人気記事(電気自動車、自動運転)

2020年のテック業界最初の大きな話題は、ソニーが発表した電気自動車「Sony Vision-Sセダン」。電気自動車は先にご紹介したTesla(テスラ)が先を進んでいるが、既存の大手自動車メーカーを中心に、EVを登場させ、より具体的なカタチEVへの取り組みを発表している。

また自動運転の技術も着実に進化を遂げているが、新型コロナウイルスの影響で自動配送車やロボタクシーなどへの需要が高まり、実際に街で走り始めている。

なんとソニーが自動車「Vision-Sセダン」を発表

米国時間1月6日、CES 2020でソニーが自動車を発表した。現時点において、このSony Vision-Sセダンの詳細はほとんどわかっていない。会場で見ることができたら続報する予定だ。報道によると、ソニーは業界のリーダーらと協力してこのプロトタイプを作ったといい… 続きを読む

フォードがテスラの挑発に乗り1400馬力のEVマスタングMach-Eを発表

スピードは売りものになる。Tesla(テスラ)が新しい車両を発売したり、既存の車両をアップデートしたりする際には、しばしば0-60mph(停止状態から時速約96.6kmへ)の加速時間が引き合いに出される。こうした数値は、電気モーターが動力を発揮する方法の違いで、ガソリン車の数値を上回ることがしばしばだ… 続きを読む

関連記事:フォードの新型EV「Mustang Mach-E」に初試乗、第一印象はガッカリ

テスラのライバルPolestarが2020年夏発売する初EVの米国価格は約640万円

Volvo(ボルボ)のスピンアウト電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)は、同社初の電気自動車(EV)の米国でのベース価格が当初考えていたよりも低い5万9900ドル(約640万円)になると明らかにした… 続きを読む

テスラオーナーをターゲットにした最高速度320kmで超安全な電動バイク

Damon Motorcycles(デーモン・モーターサイクルズ)は、オートバイメーカーのTesla(テスラ)になるつもりはない。しかし、その電動二輪車はテスラのオーナーの精神を最初に捉えるものだと、このスタートアップは考えている。2万4995ドル(約270万円)というDamonの新型バイクHypersport(ハイパースポート)がターゲットとする市場はそこにある… 続きを読む

米裁判所が自動運転技術の元エンジニアにGoogleへ約192億円を支払うよう命じる

自動運転車のエンジニアでスタートアップの創業者でもある、Anthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキ)氏は、Uber(ウーバー)とWaymo(ウェイモ)との間で争われている機密情報裁判の中心人物である… 続きを読む

電気自動車に関する人気記事

テスラのライバルで時価総額3兆円のNikola、水素電池搭載ピックアップトラックの予約を受け付け
パナソニックがテスラのEV向け新高密度電池を9月から生産、将来的にはコバルトフリーを目指す
ハーレーダビッドソンが電動自転車ビジネスへ参入、新会社Serial 1 Cycle Company設立
「アップルカー」の噂が再燃、2024年発売を示す新たな報道
Lucid Motorsの約73億円工場が完成、最初の高級完全電動セダンAir生産へ
アリババとファーウェイが急成長の中国巨大EV市場に参入
GMが2025年までに電気自動車開発に2.8兆円投資、「リーダーシップを失うつもりはない」
フォードが約470万円の2022年型商用電気カーゴバンE-Transitを公開
BMWが次世代電気自動車のフラグシップ「BMW iX」を発表
ベントレーモーターズが2026年から電気自動車のみの生産にシフト
約840万円のフルEV仕様Hummer EVのティーザー動画公開
アマゾンがRivianとの提携で初の完全電気自動車を発表、車内にはもちろんAlexa内蔵
ガソリン、クロムメッキ、騒音、排気ガスでバイク嫌いだった人向けの電動バイクLuna

自動運転に関する人気記事

Nuroの無人運転配達車がカリフォルニア州初の商業運用許可を獲得、2021年早々にもサービス開始予定
2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ、MotionalとLyftが提携
アマゾン傘下のZooxがドライバーレスの電動ロボタクシーを初披露、最高時速120km
ホンダが市販車初となるドライバーの監視が不要な自動運転レベル3の「レジェンド」を2021年3月発売
自動運転車のスタートアップのAutoXが上海でロボタクシーサービスを開始

モビリティに関する人気記事

マイクロモビリティで脱自動車を目指すパリ、バルセロナ、ロンドン、ミラノ
Uberが空飛ぶタクシー事業ElevateをJoby Aviationに売却、最後の夢の事業から撤退
シェアリング電動キックボードの利用回数が2021年までに5億回を超える5つの理由
ニューヨーク市の電動スクーター参入競争が開始
NY-ロンドン間を90分で飛ぶマッハ5の超音速航空機スタートアップHermeusが1.7億円を調達
ポルシェがガソリンエンジン車を持続可能なものにする合成燃料を研究中

韓国の不動産物件情報をデジタル化・集約表示するDongnaeが約4.2億円調達

パンデミックによりほとんどの時間を1カ所で過ごすことを余儀なくされているにもかかわらず、不動産テックは好調だ。それも米国でだけではない。

Dongnae(トンネ)は韓国の不動産賃貸・売買マーケットのデジタル化に挑んでいる。同社は410万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドのクローズを発表した。本ラウンドはFlybridgeとMetaPropがリードし、Goodwater CapitalやMaple VC、そして韓国と米国のさまざまな戦略的エンジェル投資家が参加した。今回のラウンドによりDongnaehの累計調達額は480万ドル(約5億円)になる。

Dongnaeは韓国生まれ、ニュージャージー育ちのMatthew Shampine(マシュー・シャンパイン)氏によって設立された。WeWork Labsを運営しながら、シャンパイン氏はアジア、特にコワーキング大企業の部門を設立するために韓国に駐在した。何回も転居し、同氏はかなり細分化された韓国の不動産マーケットに巨大な穴を見つけた。

Dongnaeは米国のRedfin(レッドフィン)にかなり似ている。買い手と借り手に新しい家探しのための集約された場所を提供している。現在、Dongnaeは韓国初の真のMLS(不動産情報システム)を構築するために同国の何千ものブローカーと提携していて、買い手側または借り手側にのみ物件を表示する。

いくつか重要な事情がある。韓国の不動産マーケットは米国のものと大きく異なる。まず、ほとんどの建物の1階には小売スペースがあり、建物にはそれぞれブローカーが付いている。つまり、限られた数の不動産だけを扱う何千人ものブローカーが韓国には存在することを意味する。実際、韓国よりもかなり人口の多い米国と同じだけのブローカーが韓国にはいる、とシャンパイン氏は話す。

2つめに、ブローカー業界全体が細分化されているために、取り扱い可能な全物件をまとめている真のMLS(マルティプルリスティングサービス)が韓国には存在しないことだ。借り手や買い手は何十人ものブローカーにあたらなければならず、通常オンラインで写真を閲覧するのではなく、実際に物件を見に行かなければならない。このシステムではブローカーが往々にして買い手・借り手サイドと売り手サイド両方の代理人を務めることになり、つまり買い手側にとって一番良い状態で交渉することにはならない。

Dongnaeは扱われている全物件を1カ所に集約するのにブローカーと提携していて、物件をブラウズできるインターフェースを買い手や借り手に提供している。実際、DongnaeではTinderのようなエクスペリエンスとなる。理想とする物件、最終的にぴったりとくる物件を探すために左右にスワイプできる。

Airbnbと違ってDongnaeは煩雑な作業をこなしている。4Kの写真を撮り、各写真にデジタルウォーターマークを入れ、それをブローカーに渡したりしながら各物件のデジタル一覧を構築し、Dongnaeに掲載している。

「必ずしもフランチャイズではなく、かなり提携に近いものです」とシャンパイン氏は話した。

Dongnaeは、他のブローカー同様に買い手側から手数料を徴収することで収益を上げている。韓国では手数料は約8%だ。Dongnaeのチームは25人で、男女の割合はほぼ半々とかなり多様性がある。

カテゴリー:その他
タグ:Dongnae韓国不動産テック資金調達

画像クレジット:Dongnae

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

EUがグーグルのFitbit買収を承認、健康データの広告利用を10年間禁止することで合意

EUは米国時間12月17日、Google(グーグル)がウェアラブルメーカー、Fitbit(フィットビット)を21億ドル(約2173億7000万円)で買収するプランを承認した数カ月間にわたる規制上の審査(未訳記事)続いて、膨大な量のユーザー健康データをグーグルがむさぼり食うことに関する競争上の懸念を縮小させることを意図した、いくつかの条件を適用する。

グーグルがFitbitを買収するプランを発表したのは1年以上前のことだが、欧州委員会に取引を通知したのは2020年6月15日になってからだった。これはEUから、暫定的にゴーサインが出るまで半年かかったことを意味する。同社はまた現在、本拠地である米国で複数の角度(未訳記事)から、公的な独占禁止法違反容疑に直面している(これらはFitbitには関連していない)。

「Gitbit」誕生にあたりEUの承認を得る条件の下、グーグルは10年間、欧州経済地域内ユーザーのFitbitデータを広告ターゲティング目的のために使用しないことを約束した。

同社は、Fitbitウェアラブルを介して収集された健康データは、グーグルの他のデータから技術的に分離し、別のデータサイロに維持すると述べている。

また、EU地域のユーザーが、GoogleアカウントまたはFitbitアカウントに保存された健康データの使用をグーグルが提供する他のサービスに許可するか否か「実行選択肢(effective choice)」を持っていることを保証する、と同社は約束している。その中にはGoogle検索、Googleマップ、Googleアシスタント、YouTubeなどが含まれる。しかしそれが実施されるにあたり、どれだけ腹黒いパターン設計が適用されるのか、興味深いところだ。

興味深いことに、EUはそのような延長を正当化できる場合、10年の広告誓約をさらに10年、期間延長を決定するかもしれないとしている。

さらに同委員会は、取引が完了する前に任命されなければならない監視トラスティによって、措置の実施状況が監視されることが承認の条件であることにも言及している。

このまだ任命されていない人物は、「グーグルの記録、人材、施設、技術情報」へのアクセスを含む、欧州委員会が「広範な権限」と見なしているものを持つことになる。

EU規制当局は、このビッグテック合併の強圧に対し、「信用するが検証はする」という姿勢で臨んでいるといえるだろう。

さらに、競合に焦点を当てた誓約もある。

グーグルは、サードパーティ開発者がWeb APIを介してFitbitユーザーのデータに無料でアクセスできる機能を維持することに合意した(もちろん、ユーザーの同意を条件としている)。

また同社は、ウェアラブルメーカー競合相手のAndroid APIへのアクセスに関する誓約の数々にも合意している。スマートフォンの中で支配的なOSであるAndroidに競合するデバイスが接続する必要がある場合、すべてのコア機能において無料ライセンスを継続するという。

委員会によると、この合意は、デバイスの機能性改善を配慮したものだ。競合ウェアラブルメーカーがより良い、より有能なデバイスを開発する際、それらがAndroidエコシステムからシャットアウトされるリスクなしに技術革新を行えるようにすることを意図している。

また、グーグルは、Androidオープンソースプロジェクト(AOSP)版のモバイルプラットフォームのAPIサポートを維持しなければならない。

ここ半年間の審査と交渉の間に、欧州委員会がグーグルから引き出したもう1つの譲歩は、ユーザーエクスペリエンスの低下(警告やエラーメッセージの表示など)によって、APIを介してAndroidにアクセスするライバルのキットをサポートするための要求を回避しようとしないということだ。

率直にいって、規制当局が認可のためにそのような警告を送らなければならないとすれば、かなりの機能不全と見てとれる。そしてそれは、グーグルのビジネスがどのように運営されているかについて、蓄積された不信感のレベルを明らかにしている。

そしてこれは、グーグル・Fitbitに屈服し、合併が先に進むことを許したEU規制当局の存在に関する疑問を引き起こす。案の定、欧州委員会のPRは多少守りに入っているように聞こえる。EUの議員は、決定が「最近提案されたデジタル市場法(Digital Markets Act、DMA)を通じて、デジタル分野における公正で競争力のある市場を確保するための欧州委員会の努力を損なうものではない」としている。

また、前述の監視トラスティは同委員会に提供する報告書を、グーグルのデータ保護監督機関であるIrish Data Protection Commission(IDPC、アイルランドデータ保護委員会)と共有する権利があることにも言及している(とはいえ、グーグルの事業の他の要素に関する多数の調査を含む、膨大なビッグテック関連の案件が委員会のデスクに山積みになっていることを考えれば、グーグル側が眠れない夜を過ごす原因にはならないだろう)。

欧州委員会はまた、グーグルとの誓約には「サードパーティが行使できる迅速な紛争解決メカニズム」が含まれているとも述べている。つまり、グーグルがすでに大幅に支配している消費者向けデジタルサービス分野でのさらなる統合を正当化するために、明らかに余計なことをしようとしているのだ。しかも、米国の議員らが正反対の方向に向かっている時に、である。

ヨーロッパの市民社会(とそれ以上)は発表以来、グーグルのFitbit買収について激しく抗議の声を上げていた(未訳記事)。人権の保護を保証できない限り(未訳記事)、ビッグテックがFitbitの所有する健康データをむさぼるのを止めるよう、規制当局に働きかけてきたのだ。

12月17日、委員会はこれらのより広範な権利に関する懸念を回避した。

ひいき目に見て10年後、長くても20年後に議論を先送りしただけだろう。そして2030年(または2040年)までには、グーグルのようなデジタルゲートキーパーに制約を加えるために提案したばかりの規則が、将来の悪用を抑制できる立場にあること(未訳記事)を期待しているのだ。

よくいわれるEUの優先傾向は、巨大テクノロジー企業を規制することで、その帝国を分割することではないというが、さらなる帝国の拡大を邪魔するのも好みではないらしい。

欧州委員会の上級副委員長であるMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベステアー)氏は、次のように述べている。「合意した誓約により、ウェアラブルと新興のデジタルヘルス分野の市場がオープンで競争力のあるままであることを保証できるため、グーグルによるFitbitの買収案を承認できます。これらの誓約は、グーグルが収集したデータを広告目的でどのように使用できるか、競合するウェアラブルとAndroid間の相互運用性をどのように保護するか、そしてユーザーが選択した場合には、健康データを共有し続けることができるかを定めています。」

先に(未訳記事)欧州議会の委員会で質問を受けたベステアー氏は、Gitbitの承認が間近に迫っていることを示唆し、市場を支配するテック企業に対処するためのアプローチが米国と欧州では異なると述べた。「ヨーロッパでは独占を禁止していません」とベステアー氏は欧州議員たちに語った。「米国では法的根拠が違います。我々の場合、成功することは大歓迎だが、成功には責任がともなう、という見方です。そのために、連合条約の第102条があるのです」(条約第102条は、市場で支配的な地位を占める事業者がその地位を悪用することを防ぐことが目的)。

欧州委員会が、デジタル市場における競争法施行を強化するための新しい規制を提案する必要性を感じているのもこのためだ。しかし、DMAが施行されるまでには何年もかかるだろう。

そして、その間にEU規制当局は、グーグルがFitbitの宝庫から人々の健康データをわしづかみにし、個人情報の支配を拡大するのを許すことになる。後でやってくる完全な搾取のために。

いずれにしても、ハーバード大学のShoshana Zuboff(ショシャナ・ズボフ)教授が先に警告した(未訳記事)ように、監視資本主義のビジネスの野望は今や単なるターゲット広告をはるかに超えた規模になっている。目標は「確実性に近づくにつれてより儲かる予測のために」データを使用することだ、と彼女は警鐘を鳴らす。社会は、巨大テック企業の「認識論的クーデター」に歯止めをかけるために、公共の利益のために介入しなければならない、とも。

健康データから生成された正確な予測が、グーグルにとって非常に有益になる可能性があるのは確かだ(同社は近年、健康部門への投資を拡大している)。

それが最終的に人類にとって、善になるか悪になるかは今のところわからない。しかし、規制当局が簡単にサイコロを振って良い類のギャンブルではない。欧州委員会は競争法施行のために便利なバイパスをビッグテックに与えている一方で、道端をいじくり回しているだけだという向きも多い。

この戦いに参加してくれたすべての人に感謝しています。正当で誠実な戦いだと思いました。

個人的には大きな敗北です。大局的な見地から言えば、世界的に禁止されたビッグテックの合併は今のところ0(ゼロ)のままです(合併の総数は1000、増え続けています)。

関連記事
複数州にまたがる最新グーグル反トラスト訴訟は広告ビジネスが標的
EU競争政策担当委員の提言「巨大ハイテク企業を分割してはいけない、データアクセスを規制せよ」

カテゴリー:その他
タグ:GoogleFitbitEU買収

画像クレジット:Fitbit

原文へ

(翻訳:Nakazato)

2021年を占う今年のTC人気記事(テスラ、イーロン・マスク)

2021年も間違いなく電気自動車業界、テック業界を牽引していくTesla(テスラ)。同社も新型コロナウイルス流行の影響を受けているが、2020年も新技術を開発、発表。11月には同社の時価総額は5150億ドル(約53兆7900億円)にまで上昇している。

また、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏自身もまた現在のテック業界を代表する存在であり、発表会もしくはTwitter上での彼の発言も話題に。彼が創業した宇宙関連企業SpaceXや人間の脳とコンピューティングデバイス間のインターフェイスの新しい種類を開発する企業Neuralinkでも注目を集める新たな動きがあった。

来年も引き続き、テスラ、そしてイーロン・マスク氏から目が離せない。

テスラが既存自動車メーカーの友好的買収を検討中とイーロン・マスク氏

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)の5540億ドル(約57兆8400億円)という巨大な時価総額を利用して、既存自動車メーカーの買収を検討している。ただしそれは、友好的に行える場合に限る… 続きを読む

イーロン・マスク氏がバッテリーの技術革新でテスラの電気自動車が約260万円になると発言

Teslaは米国時間9月24日のBattery Dayイベントで、同社の自動車用バッテリー技術におけるさまざまなイノベーションを披露した。イベントでTeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏とパワートレインとエネルギー技術担当上級副社長であるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、同社の新しいアノードおよびカソード技術と材料科学、リチウムの自社採掘、バッテリーをより安価にし持続可能にする製造工程の改良などについて解説… 続きを読む

Teslaが「フル自動運転」オプションの価格を100万円超に引き上げ

Tesla(テスラ)は、その「Full Self-Driving(FSD、フル自動運転)」ソフトウェアアップグレードオプションを先週から段階的にリリースし始めているが、創業者でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の予告通り(未訳記事)、同時にその価格を1万ドル(約104万円)に引き上げた… 続きを読む

テスラが主要製品を大幅値下げ、Model SとModel Xの無料充電は廃止に

Tesla(テスラ)は電気自動車製品ラインアップを値下げした。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの打撃を受けた売上の回復が狙いだ。… 続きを読む

イーロン・マスクの辛辣なツイートのせいで、ビル・ゲイツはテスラを絶対買わないだろう

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は歯に衣着せぬタイプだが、その辛辣なツイートのせいで客を1人失ったかもしれない。その客とは、超有名人のBill Gates(ビル・ゲイツ)氏で、彼は最近、ビューワーが1000万以上いる人気ユーチューバーMarques Brownlee(マーケス・ブラウンリー)氏の動画に登場した… 続きを読む

イーロン・マスクが脳コンピュータインターフェイス企業Neuralinkの最新情報を8月28日に発表

イーロン・マスク氏は今週、Twitterで自身が2016年に創業した脳コンピューターインターフェイス企業であるNeuralink(ニューラリンク)の最新状況に関する報告を8月28日に行うと発表した。Neuralinkのインターフェイスは、人間が高度な人工知能に歩調を合わせるのを助けるという明確な目的に向けて開発されている… 続きを読む

テスラに関する人気記事

テスラが長寿命低コストのバッテリーを開発中、EVの価格をガソリン車と同等に
テスラが5200億円相当の株式売却を申請、同社株価が過去最高値を記録後
TeslaがS&P500種株価指数の構成銘柄に、12月21日取引前に追加
テスラの時価総額が約54兆円に、2020年初めの5倍
「テスラはスタートアップの集合体だ」とイーロン・マスク氏は語る、まもなく保険事業も開始
Teslaが従業員の多様性についてのレポートを初公表、管理職のほとんどが白人男性
テスラがあの「窓ガラス破壊」の自虐Tシャツを公式発売

テスラに関する記事一覧はこちら

イーロン・マスク氏に関する人気記事

テスラの取締役会がイーロン・マスク氏の750億円超の報酬を承認
有人火星面着陸を2024〜2026年に実現させるとイーロン・マスク氏
イーロン・マスク氏のThe Boring Companyがオースティンで事業立ち上げか
イーロン・マスク氏がカリフォルニアに愛想を尽かしてテキサスへ転居
イーロン・マスク氏が脳インターフェイスNeuralinkの技術をライブ披露、脳モニタリング装置を移植した豚を使って

イーロン・マスク氏に関する記事一覧はこちら

2021年を占う今年のTC人気記事(新型コロナウイルス)

後世においても、2020年について語る際の最初のトピックはやはり新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック、そしてロックダウンにより世界中の人々の生活が大きく変わってしまったことになる。

当たり前だった人との接触が感染を恐れて避けられるようになり、仕事においてもリモートが当たり前のものとなった。日本においても「働き方改革」が叫ばれ、クラウドサービスを活用した場所を選ばない働き方が期せずして進むこととなった。

ビデオ会議も当たり前のように行われるようになり、プレゼンそして各種イベントもオンラインで行われるようになっている。今後、新型コロナの流行が落ち着いたとしても、多くの人がその便利さに気づいた各種オンラインサービスは私たちの生活において欠かせないことには代わりがない。

そんな新型コロナに関する記事の中で、2020年に読まれたものをご紹介する。

新型コロナウイルスがパンデミックになったら何が起きるか?

もし、新型コロナウイルス(COVID-19)でパンデミック(爆発的感染)になったら何が起きるのか? ウイルスが世界中に蔓延したら、どんな悪影響が心配されるのか?私たちの生活、仕事、社会、そして移動にどんな変化が起こるのか?… 続きを読む

新型コロナの外出自粛要請を最も無視しているのは名古屋、アップルの移動データ解析サイトから判明

既報のとおり、アップルはiPhoneなどが合法的に記録している各ユーザーの位置情報のデータを匿名化して「Mobility Trends Reports」として毎日更新している。日本はiPhoneのシェアが他国に比べて非常に高いことを考慮すると… 続きを読む

新型コロナ感染回避を強力に支援するビデオチャットアプリ8選

ソーシャルディスタンス(社会的距離)の変遷を多くの人が驚きを持って受けとめる中、ビデオ通話が距離のある人との交流に欠かせない新しいツールになりつつある。しかし、巷にあふれる多くのアプリの中から、あなたと(テクノロジーに疎いかもしれない)友達や家族に適している… 続きを読む

人気ビデオ会議アプリ「Zoom」が今も抱えるさまざまな問題

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのおかげで、ビデオ通話は新奇なものから必需品へと変わった。人気ビデオ会議サービスのZoom(ズーム)は、いちはやく他を引き離して最も使われているサービスになっている。… 続きを読む

軍資金を全投入して自宅で最高のビデオチャット環境をつくる方法、予算別で紹介

数週間前に比べてビデオ会議を使う機会が増えた、という人は多いだろう。以前から頻繁に使っていた人でも、ここ数週間でさらに頻度が高くなったのではないだろうか。この状況がすぐに変わることはなさそうだ… 続きを読む

新型コロナウイルスに関する人気記事

コロナ後の世界、7つのシナリオ
市販の材料を使い1分で完成する医療用フェイスシールドの作り方をニューヨーク大学が無料公開
ビル・ゲイツ氏が財団の全リソースを新型コロナとの戦いに向けると表明
新型コロナは5Gが原因との陰謀説がインターネット上を駆け巡る
有望な新型コロナ抗体を米Sorrentoが発見、実験室では100%の効果と発表
英国がファイザーとBioNTechの新型コロナワクチン緊急使用を世界初承認
米国がモデルナの新型コロナワクチン緊急使用を承認、ファイザーに続き2例目

ビデオチャットに関する人気記事

Zoomが参加者の承認をデフォルトにしてZoom爆撃を防止
私がたまたまある会社の朝のZoom会議に顔を出してしまった話
Zoomが新型コロナによる需要増対応でOracleを選択するという驚きの結果
すべてがセットアップ済みのZoom専用27インチディスプレイが約6.4万円で登場

大混乱の2020年からスタートアップが学べること

覚えているだろうか、ベンチャーキャピタリストの開業がニュースになった頃を。あるいは、Zoomに投資していたのがアナーバーの男1人だけだった頃を(ウソじゃないよ)。この数カ月間はかつてない忙しさで、スタートアップの成長ぶりや注目のIPO、新たな資金調達など年末になってもニュースは途切れることがない。

活況の強気市場の中でも、私は若きスタートアップたちがどうしているかを振り返ってみたかった。本誌のAlex Wilhem(アレックス・ウィルヘルム)記者と私はPichbookが提供したデータに没頭し、果たして次のDoorDashes(ドアダッシュ)やAirbnbs(エアビーアンドビー)が最初の資金調達をするのかを見極めようとした。

答えはといえば、シード資金投資は花開いたがその様相は複雑だった(未訳記事)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、民間投資家にとってどの魅力的なスタートアップの基準が大きく変わった。そしてその変化は一部の分野や人々にリスクとなってふりかかった。

2人の投資家が次のようにその力学を説明している。

FreestyleのJenny Lefcourt(ジェニー・レフコート)氏

シード投資の金額は、「次のDoorDashを逃すわけにはいかない」と考えて早期に動いた大型ベンチャーキャピタルによって釣り上げられたと私は考えます。資金が豊富な大型VCは、2倍、3倍、10倍になりうるスタートアップの勝者を引き当てるためにそれなりの現金をつぎ込むべきだと考えているようです。

Eniac VenturesのNihal Mehta(ニハール・メフタ)氏

直接人と会うことができないので、投資家は「自分たちのソーシャルの輪とすでに繋がりのある」「証明された」起業家に投資することに安心感を覚えます。

この長期的な視野の偏狭は、この時期女性ファウンダーが除外されたことを意味している。ベンチャーキャピタルの社交サークルは殆どが白人男性だからだ。分野別に見ると、eコマースとEdTech(教育技術)にとっては良い時期だったが、旅行、娯楽分野には厳しかった。

こうしたデータはスタートアップ世界に一種の不協和をもたらす。シード投資がかつてないほど活発で豊作だといっても、これは一部の人にとって良いニュースでも、そうでない人にとっては悪いニュースだ。景気と不景気が同時に成り立つというのは覚えておくべき警告だ。

Red, orange and pink sheets of paper on edge on blue background in wave pattern to mimic fire

画像クレジット:Getty Images

Edtech(エドテック)2021年最大の課題

EdTechのような年(未訳記事)を経験したセクターは他にない。この分野は全世界で100億ドル(訳1兆350億円)の資金を集め、リモートラーニングはツールから必需品へと変わった。

2020年私が書いたお気に入りのエドテック記事を以下に挙げる。

そしてTechCrunchに書いた今年最後の記事(未訳記事)で私は、リモートラーニングの普遍化は新規ユーザーに間違いなくブームをもたらしたが、この分野が早く簡単にスケーリングしたことでイノベーションを起こす機会は限定されたかもしれない。

来る年向けて私から贈る最大の助言はこれだ。

2020年のエドテックにとって柔軟性と根性は生き残りの戦術であり、利益と成長そしてなにりよも、私たちが学習するための必要なテクノロジーにとって「これだ」という瞬間をもたらした。新しい年を迎えるにあたり、この分野は短期的修正という思考を捨て、偏狭的視野から広く長い視野へ進化しなくてはならなくなるだろう。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

宇宙スタートアップのための1兆6570億円の小切手帳

宇宙スタートアップへの投資は確率に反する行動だ。それは時として必要になる詩的センスでもある。本誌のイベント、TC Session: Space 2020の中で、TechCrunch記者の何人かがどんな種類の資金が宇宙に注ぎ込まれているのかを詳しく分析した。

  • ある人は、宇宙スタートアップへの投資は経済不況に関わらず落ち込んでいない、なぜなら政府の介入によって予算に余裕がある(未訳記事)からだと考えている。空軍予算160億ドル(約1兆6570億円)を管理する人物は、スタートアップに基地に来て欲しい(未訳記事)と思っている。
  • 3人のVCが、宇宙のゴミと持続可能性、および宇宙での製造のメリット(未訳記事)について語った。

現在ベンチャーキャピタルのDCVC所属でPlanet Labsの共同ファウンダーだったChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)氏による次の発言はよく知られている。

私たちはまだSFの未来に住んでいません。自由に飛び上がってごみを拾い持ち帰ることはできないのです。それはとてもとても大変なことで、おそらく5年先になると思いますが、私たちが支援してこの目で見たいとことの1つです。

アンクル・サムが宇宙に浮かんでいる画像。左肩の上に空軍のロゴが見える。

2020年にいなくなったスタートアップを思い出してみる

スタートアップを立ち上げるのはいつでも難しいが、パンデミックによる予期せぬ展開によって、2020年は多くの企業があまりうれしくない最後を迎えることになった。そこで、TechCrunch年末恒例の一環として、2020年に失われたスタートアップに敬意を評したい。

私のまとめは以下の通りだ。

  • これは楽しいリストではない。失敗はつらいが燃え殻をかき分ければ教訓の1つか2つを見つけられる。たとえば?ビッグネーム、ビッグな計画、そして膨れ上がる資金は実際に金を稼ぐ代わりにはならない。
  • リストには、短編ビデオアプリのstrong>Quibi、法務テックのスタートアップ、Atriumはじめ、ウイルス蔓延とともに破綻した多くの旅行スタートアップが入っている。
  • 一部の企業は新型コロナのために失敗したが、多くの場合根本的なビジネス欠陥やひび割れがパンデミックが始まるずっと以前から見え隠れしていた。

TechCrunch周辺

TechCrunch’s Favorite Things of 2020

Gift Guide: Last-minute subscriptions to keep the gifts going all year

Video: TechCrunch editors choose their top stories of 2020

今週のニュース

TechCrunchにて

米大麻業界回復でラッパーのスヌープ・ドッグの投資ファンドCasa Verde Capitalが103億円調達

寄付やボランティアなど現在の社会に対して行うべき活動を教えてくれるプラットフォームactionable

Letterhead wants to be the Shopify of email newsletters

ユーザー数5億人に迫るインスタントメッセージアプリTelegramが2021年に広告プラットフォーム導入

バイデン政権は新たな暗号資産の法制化でこの世界を変えることができる

Extra Crunchにて

With a $50B run rate, can anyone stop AWS?

Looking ahead after 2020s epic M&A spree

Dear Sophie: What’s ahead for US immigration in 2021?

The built environment will be one of tech’s next big platforms

カテゴリー:その他
タグ:VC / ベンチャーキャピタル教育宇宙

画像クレジット:Vlada Maestro / Getty Images

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

買収でデジタルメディアの整理統合を目指すGroup Nine Mediaが資金獲得のためSPAC設立

ThrillistとNowThis、The Dodo、Seeker、PopSugarを所有するGroup Nine MediaがSECに提出した文書によると、同社はSPACを作る最新の企業になるらしい。

SPAC(特別買収目的会社)と呼ばれるこの特殊な企業は、作った時点では中身がないため白紙小切手企業とも呼ばれているが公開市場から資金を調達する方法として人気になっている。提出文書によるとGroup NineはSPACを「合併と資本株式の交換、資産取得(企業買収)、株式購入、再編成または同類企業の結合を可能にする」ために作ろうとしている。

さらに続けて同社は、特定の買収ターゲットを想定しておらずそれに関する「いかなる実質的議論」もなかった、と主張している。関心があるのはデジタルメディアであり、また「それに隣接する産業」すなわちソーシャルメディアやeコマース、イベント、デジタル出版、マーケティングなどの業種だ。

デジタルメディア企業の資産の整理統合は、何年も前から何度も持ち上がるテーマだった。たとえばBuzzFeedのCEOであるJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏は、整理統合されたデジタルメディアエンティティ(NYTimes記事)には、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)と交渉できるより強力な力があると述べ、実際に彼は最近、TechCrunchのオーナーであるVerizon MediaからHuffPostを買収した。

Group Nine自身も、それまで独立のデジタル企業だった複数企業の集合体であり、それをCEOのBen Lerer(ベン・レラー)氏が束ねて仕切り、2019年にはPopSugarを買収して(未訳記事)大きくなった。The Wall Street Journalが最近の記事で、同社がSPACを検討中と報じている。

「デジタルメディアの分野は現在、整理統合の好機と思われる。デジタルメディア企業はそのエコシステムの中で競合し、長期的には株主に価値を還元するために、力のあるポートフォリオをインフラとして持つスケールアップしたプラットフォームであることを必要としている」とGroup NineのSEC文書には書かれている。

関連記事
特別目的買収会社について知っておくべきほぼすべてのこと
BuzzFeedがVerizon MediaからHuffPost(旧The Huffington Post)を買収

カテゴリー:その他
タグ:Group Nine MediaSPAC

画像クレジット:

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MITメディアラボの新所長は元NASA副長官のデイヴァ・ニューマン教授

学際的研究・開発のパイオニアであり各方面に大きな影響を与えてきたMIT Media Lab(マサチューセッツ工科大学メディアラボ)の新所長はいわば裏庭から選ばれた(MIT News記事)。候補者は世界中に数多くいたが、オバマ政権におけるNASA副長官で現在MITで航空工学と宇宙工学の教授を務めるDava Newman(デイヴァ・ニューマン)氏がこの重要な知的ハブを指揮することになった。

Media Labは自由な気風の中、知性とテクノロジーとの融合によって数々の業績を上げてきた。しかし伊藤穰一氏の辞任以後、1年以上リーダー不在の状態が続いていた。伊藤氏の辞任は児童買春容疑で有罪となって自殺したJeffrey Epstein(ジェフリー・エプスタイン)氏がメディアラボに出資していたことが明らかとなったことによる。報道によれば見返りとしてエプスタイン氏はメディアラボの研究に特別のアクセスが許されていたという。

新所長はまったく予想外の人選ではない(ニューマン氏とMITの関係は何十年も前からだ)が、新しい血を入れることになったことは確かだ。メディアラボは60人の候補者を選び、うち13人と面接したという。最終的にニューマン教授を選んだ理由についてMITのHashim Sarkis(ハシム・サルキス)学部長は任命を発表したメールで次のように述べている。

候補者はいずれもそれぞれの分野でトップクラスの人々でしたが、ニューマン教授は、研究の先駆性、幅広い学際的な取り組み、強いリーダーシップで際立っていました。ニューマン教授はデザイナー、思想家、メーカー、エンジニア、教育者、メンター、組織者、コミュニケーター、未来派、ヒューマニストであり、そして重要なことですが楽観主義者なのです。

ニューマン教授は先週TechchCrunchの宇宙関連の話題を扱うセッション、TC Sessions:Spaceで講演を行い、偶然にも(ではないかもしれないが)、NASAが準備している有人月面探査であるアルテミス計画のような大きなプロジェクトに参加することの重要性についてビジョンを述べた。


TC Sessions:Space

「(アルテミス計画には)科学者とエンジニアが集まるでしょうが、プロジェクトにはアーティストが必要であり、デザイナーも必要です。つまりビジョナリーが必要なのです」と彼女は述べた。

リーダーが持つべき重要な資質は指揮下に入る人々の話によく耳を傾けることだが、ニューマン教授はまさにこの点から仕事を始めるようだ。MITの発表声明でこう述べている。

多くの人々に聞き取りを行って学んでいくことから仕事を始めるつもりです。人々が働く現場に出向き、素晴らしいアイデアをすべてテーブルの上に置いてもらうよう勧めます。これが教職員、学生、スタッフなどコミュニティ全体と協力し、人々の創造性を活用して前進していくための最善の方法だと思います。仕事を始めるのが待ちきれません。

関連記事:伊藤穰一氏がMITメディアラボの所長を辞任、資金調達の不正処理で

カテゴリー:その他
タグ:MITNASA

画像クレジット:Dougas Sonders/Dava Newman/Guillermo Trotti

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook