2020年版「Microsoft Flight Simulator」の陰の立役者はオーストリア拠点のスタートアップBlackshark.ai

マイクロソフトの最新フライトシミュレーターである2020年版「Microsoft Flight Simulator」は、このジャンルで新基準を打ち立てた技術的な驚異(未訳記事)である。さて、マイクロソフトと、このシミュレーターの開発を担当したフランス拠点のゲームスタジオのAsobo Studios(アソボ・スタジオ)が、このリアルで生き生きとした世界を再現するために複数の企業と連携したことをご存じだろうか。

その1社が、オーストリアで人口第二の都市であるグラーツを拠点とするスタートアップ企業のBlackshark.ai(ブラックシャークAI)だ。同社は、わずか50人ほどのチームで、クラウド上のAIと大規模なコンピューティングリソースの助けを借りて、世界中のあらゆる都市や町をリアルに再現した。

新しいフライトシミュレータの発売を前に、TechCrunchはBlacksharkの共同創業者でCEOのMichael Putz(マイケル・プッツ)氏にマイクロソフトとの協業と同社のビジョンについて話を聞いた。

画像クレジット:Microsoft

Blackshark は、多人数参加型オンライン(MMO)ゲーム「World of Tanks」の開発元であるBongfish(ボンフィッシュ)のスピンオフとして誕生した。Bongfishは、World of Tanksのほか、Frontline、Motocross Madness、そしてスノーボードゲームのStokedシリーズの開発に携わったゲームスタジオだ。プッツ氏によると、Blackshark創業の道を切り開いたのはStokedシリーズだったという。

「2007年に手がけた最初のゲームの1つが『Stoked and S Stoked Bigger Edition』というスノーボードゲームで、360度の山を完全に再現したゲームでした。山自体はプロシージャル(数式による画像合成)によって構築・描写していましたが、植生やほかのスノーボーダー、小動物などの障害物の配置もプロシージャルを使っていました。このゲームの開発後、レースやシューティング、ドライビングのジャンルも手掛けましたが、我々の心の奥底にはこのプロシージャルによる配置と描写のアイデアがずっと残っていました」と語る。

BongfishがWorld of Tanksでプロシージャルによる描写に戻ったのは、すべての岩を手作業で配置した巨大な地図を作るのに時間がかかったからだ。

そしてこの経験を基にBongfishは、社内にAIチームを立ち上げることになる。このチームは、さまざまな機械学習技術を使って、デザイナーがどのようにマップを構築するかを学習し、独自のAIが作成したマップを構築するシステムを作った。同チームは、マイクロソフトと連携する前にも、実際にいくつかのプロジェクトでこのシステムを使っている。

「偶然にも、新しいフライトシミュレータの開発を手伝ってくれるスタジオを探しているマイクロソフトの担当者と会いました。新しいフライトシミュレータの核となるアイデアは、マイクロソフトの地図サービスであるBing Mapsを、地図としてはもちろん、背景として使うことでした」とプッツ氏。

しかし、Bing Mapsの写真測量データからは400の都市の正確な1:1のデータは得られるものの、地球上の大多数の都市の同様のデータは存在しなかった。マイクロソフトとAsobo Studiosは、残りの都市を構築するためのシステムを必要としていた。そんな状況で現れたのがBlacksharkだったのだ。同社はMicrosoft Flight Simulator向けに、2D衛星画像から15億棟の建物を再構築した。

さて、パッツ氏はマイクロソフトチームと偶然出会ったと話したが、実はこれには少し裏がある、その昔、同社の拠点であるグラーツではBing Mapsチームが働いており、初期の鳥瞰写真地図や3D版のBing Mapsを開発していた。その後、Googleマップが市場を制してしまったが、3DマップにおいてはBing MapsはGoogleマップよりも優れていた。マイクロソフトがグラーツに立ち上げた研究センターがのちに閉鎖されると、アマゾンなどが地元の人材を獲得するためにグラーツに入ってきたという経緯がある。

「だから、建物の再構築を専門とする博士号のようなポジションを埋めるのは簡単でした」とパッツ氏は当時を振り返る。「私は研究センターの存在すら知らなかったのですが、そこからまさに私たちが必要としていた2人のエンジニアを獲得できました」と続ける。

「2Dの地図から3Dの建物を再構築するのが難しい理由は簡単に説明できます。建物の正確な輪郭を把握するは非常に難しいのです」と同氏。

画像クレジット:Blackshark.ai

「基本的にフライトシミュレータでやっていることは、2Dのエリアを解析して建物の足跡(フットプリント)を見つけることですが、これはコンピュータビジョン(画像解析)の作業になります。例えば非常にシンプルな例ですが、建物が木の影に遮られている場合は影が重なっているため、何が建物の一部で何がそうでないのかがわからなくなります。そこで機械学習が重要になってくるのです」とパッツ氏。

Blacksharkは、写真、センサーデータ、既存の地図データなど、ほかのデータも活用できたが、建物の高さや特徴の一部については、非常に少ない情報に基づいて判断しなければならなかった。

もう1つの難題は、建物の高さを把握すること。既存のGIS(地理情報システム)データがあれば、この問題は簡単に解決できるが、世界のほとんどの地域ではGISデータが存在しないか、容易に利用できない。そういった地域では、開発チームは2D画像を使用して、影などの画像の中にあるヒントを探す。とはいえ、影から建物の高さを判断するには時間帯の情報も必要になる。Bing Mapsの画像には正確なタイムスタンプが記録されていなかったが、Blacksharkはそれを可能にする技術を有していたことで突破口が開けた。ここで再び機械学習が注目されることになる。

画像クレジット:Blackshark.ai

「機械学習は少し違った道を歩んでいます」とパッツ氏は指摘する。「機械学習では影の部分も見ていると思いますが、実際はブラックボックスなので何をしているのかよくわかりません。実際の高層ビルやショッピングモールの屋上を見てみるとどちらもほとんどが平らですが、屋上の設備は異なります。この違いをAIが認識することで建物を正しく分類することができます」と説明する。

そして、ある地域のショッピングモールの平均的な高さが通常3階建てであることをシステムが知っていれば、それに合わせて3D画像を生成することもできる。

Blacksharkが「このシステムは間違いを犯す」ことも公言している。実際にFlight Simulatorをプレイしてみると、いくつかの建物の配置に明らかな間違いがあることがわかるだろう。実際にパッツ氏は、このプロジェクトで最も困難だった課題の1つとして「マイクロソフトにこのアプローチを使う許可を得ることだった」と話してくれた。

「15億棟のビルを再構築する話をしています。この膨大な数字の前では、従来のQA(品質保証)のプロセスは役に立ちません。AIによる統計に基づいて開発を進める場合、FPSゲームのHaloのように『このピクセルはイマイチだから修正してくれ』と指を立てるような伝統的なQAは現実的ではないのです。15億棟もの建物を手作業でモデル化することは、論理的にも予算から見ても不可能なので、この課題に取り組むには他に方法がありませんでした」。

時間が経てば、このシステムも改善されていくだろう。マイクロソフトはAzureからゲームに多くのデータをストリーミングしているので、ユーザーは時間が経てば必ずその変化を目にすることになるはずだ。

画像クレジット:Blackshark.ai

このような建物のラベリングはAIモデルを訓練するために開発チームが取り組むべきことの1つで、実際にこのAIによってBlacksharkは大きな進歩を遂げた。しかし、AIモデルの詳細については、パッツ氏はあまり多くを語ろうとしなかった。たった50人のチームで成し遂げたことからも、かなりの企業秘密なのだろう。

「我々のパートナーにとってデータラベルは優先事項ではありませんでした。そこで我々は、独自のライブ・ラベリングを使用して、2~3人の少人数で地球全体のラベリングを進めました。簡単に説明すると、データアナリストが船を検出したい場合、学習アルゴリズムにその船が何であるかを伝えると、サンプル画像の中で検出された船をすぐに出力してくれるような感じです」。

このようにしてデータアナリストがアルゴリズムを鍛え、船のような特定の物体やショッピングモールを検出できるようしている。「ほかの地理空間解析会社は特定のニッチな分野に焦点を当てる傾向がありますが、Blacksharkのツールは解析対象のコンテンツの種類にとらわれないのが特徴です」とパッツ氏。。

画像クレジット:Blackshark.ai

そして、ここにBlacksharkのより大きなビジョンが登場する。Blacksharkは現在、マイクロソフトとの提携で高い評価を得ているが、実はほかの企業とも協力関係にあり、自動運転のシミュレーションのために街の風景をデモリングなども手掛けている。

「我々の大きなビジョンは、地球の表面のほぼリアルタイムのデジタルツインを作ることです。Google Earthやアップル製マップのような従来の写真測量によるモデリングは用途が限られますが、我々のデータを使えば何兆件ものユースケースを切り開くことが可能です。我々は航空データから必要な情報を抽出しています。これらは2D画像の場合が多いですが、そこから3D化することが可能で、すでに別のプロジェクトで実現しています」。

同社の技術を使えば建物を非常に詳細に描画できるため、写真測量に比べて大きな利点が1つある。一般的な写真測量では、基本的に光と影の情報がイメージに組み込まれるため、各シーンを現実のように照らすことは困難だ。Blacksharkの技術では、その建物の構造まで把握しているので、ビルに窓や照明を設置することが可能にあり、実際にMicrosoft Flight Simulatorでは驚くほどリアルな夜のシーンを作り出すことができる。

Flight Simulatorでは使われていない点群(ポイントクラウド、コンピュータで扱う点の集合)も、Blacksharkが注目している分野の1つだ。点群は人間にとっては非常に理解しずらいデータだが、同社はAIシステムを使用して点群を分析することで建物の階数を判別している。

「会社全体がこの大きなビジョンに到達するには、技術的に大きなアドバンテージが必要です。アサシン クリードやGTA(グランド・セフト・オート)のようなビデオゲーム大作は、今では何千人もの人々が開発に携わっておりキャパシティーの限界に達しており、製品管理が非常に困難になっています。この状況を変えるには、より自動化、または半自動化されたステップが必要であることは明らかでした」と同氏。

Blacksharkはゲーム分野からスタートし、マイクロソフトやAsobo Studiosと共同で取り組んでいるが、実際にはゲームではなく自動運転や地理的分析のような分野にも焦点を当てている。プッツ氏は「ゲームエンジンとしてスタートして、他分野でも活用されているUnreal Engineがもう1つの好例でしょう」と語る。

「ゲーム業界に長く携わってきた私にとって、ゲームを開発しているとほかの業界と比べて技術がどれほど画期的なものであるかを知ることができるは非常に心強いです。軍事用・産業用シミュレータの映像をみると、ドライビングゲームに比べてかなりクオリティーが低く見えてしまいます。ゲーム技術がゲームスタックから広がって、他のすべての産業を助けるときが来ています。Blacksharkは、それを可能にした例の1つだと思います」と同氏は締めくくった。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Fortniteを削除されたEpic Gamesが反アップルキャンペーンを全力展開、提訴も準備

Epic Gamesは全力でアップルとApp Store のガイドラインに反対するキャンペーンを開始した。

米国時間8月13日の朝、Epic GamesはFortnite(フォートナイト)のサーバー側のソフトをアップデートして新しい支払い方法を導入した。これによりプレイヤーはApp Storeを経由することなくEpic Gamesから直接ゲーム内通貨でFortniteのバーチャルグッズを購入できるようになった。新しいゲーム内課金システムはAppleに手数料を支払う必要がない。このためアップルは直ちにApp Store から Fortniteを削除した。

アップルはすぐに以下の声明を発表した。

Epic Gamesがアプリに導入した機能は、アップルの審査ないし承認を受けておらず、かつApp Store利用上のガイドラインに違反するという明確な認識があったものと認められる。このガイドラインはApp Storeでデジタルグッズないしサービスを販売するすべてのデベロッパーが遵守している。

しかしEpic GamesはFortniteがApp Storeから追放されることを十分予期していた。

Epicはすぐに「アップルは市場における優越的な地位を不当に利用している」として、アップルに対して法的措置をとる(PDF文書)ことを発表した。同社は声明で「アップルによるFortniteの削除は他者に対して不合理な拘束を加えるために同社が巨大な市場支配力を利用した新たな例だ。アップルはiOSアプリにおけるアプリ内課金において100%独占しており、不当な手段でこの状態の維持を図っている」とした。

さらにそのあとすぐ、Epic GamesはFortnite内フォーラム「Fortnite Party Royale」に短いビデオを発表した。これは アップルがIBMの独占を打ち破ろうとして公開した有名なCM「1984」をモチーフにしたものだ。ビデオの最後には「Epic GamesはApp Storeの独占に挑戦した。アップルは報復として10億ものデバイスにインストールされている FortniteをApp Storeから排除した。2020年が「1984年」になるのをストップさせる戦いに参加しよう。#FreeFortnite」というテロップが流れる。

独占を理由にアップルを訴えることは、たとえ特定の目的に絞った訴訟であっても、難しい戦いになる。アップルのCEOであるティム・クック氏はすでに下院司法委員会で証言している。このとき議会でアップルに対し反トラスト法を根拠とした措置を取ろうとする動きはなかったことを考えれば、なおさらだ。しかし法廷闘争が困難であっても、Epic Gamesは3億5000万人のFortniteユーザーに絶大な影響力を持っている。反企業キャンペーン、特にその分野のトップ企業を攻撃するキャンペーンに動員するためにゲーマーはまさに理想的なターゲットだ。

実はこのドラマは、アップルがクラウドゲームストリーミングアプリ「Microsoft xCloud」のApp Storeへの登録を拒否し、非難を集めた数日後に起きている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Android版FortniteもGoogle Playストアから消滅、2018年に続き二度目

Epic Gamesがモバイルエコシステムにおける手数料の額をめぐってアップルと戦いを始めた(Epic Gamesリリース)が、同社はさらにもう1つの戦いを始めることになりそうだ。

同社は米国時間8月13日にFortnite(フォートナイト)に直接支払いオプションを追加したことで、アップルのApple Storeから削除された。その後、Android版FortniteもGoogle Playストアからも消えてしまった。

グーグルは声明の中で「プラットフォームのルールに違反しているとしてFortniteを削除した」と述べている。

オープンなAndroidエコシステムは、開発者が複数のアプリストアを介してアプリを配布することができます。開発者がGoogle Playストアを選んだ場合、開発者にとって公平であり、ユーザーにとって安全なストアを維持するための一貫したポリシーの下でアプリを配布できます。FortniteはAndroidでもこれからも利用できますが、当社のポリシーに違反するためGoogle Playからはダウンロードできなくなりました。しかし、グーグルはEpic GamesとFortniteをGoogle Playに復活させるための話し合いを続けます。

現在Epic Gamesは、法的な申し立てを進めているほか、Fortnite内でアップルの象徴的な1984年のCMをパロディー化した派手な抗議活動を展開している。しかしこれは、モバイル版Fortniteをめぐる最初の争いではない。実は同社は、2018年にGoogle PlayストアからFortniteを一度除外する宣告を受けている(The Verge記事)。これはグーグルとアップルが各アプリストアで売上から30%を徴収することに対する現在の抗議内容と非常に類似した問題だった。Fortniteは無料でプレイ可能だが、プレイヤーがEpic Gamesからシーズンパスを購入すれば、その進行システムのロックを解除できるだけでなく、ゲームプレイに影響を与えないスキンのようなゲーム内のアイテムを購入することができたのだ。

Epic Gamesは、この4月にGoogle PlayストアにFortniteを戻した(未訳記事)ときに、Google Playストア外のアプリに対するグーグルの扱いを非難する声明を出していた。特定社内向けなどを除きiOSのすべてのアプリはApp Storeからしか入手できないが、グーグルはFortniteのようなアプリをGoogle Playストア以外で配布することを許可している。とはいえ、外部サイトでの配布はマルウェア混入の危険性などもあり、あまり普及していないのも事実だ。

Epic Gamesの広報担当者は4月に「グーグルは、ダウンロードされたソフトウェアや更新されたソフトウェアのための恐ろしくて反復的なセキュリティポップアップ、制限的なメーカーやキャリアとの契約や取引などの技術的およびビジネス上の措置によって、Google Play外でダウンロード可能なソフトウェアを不利な立場に置いています。こういった事情を踏まえて、我々はAndroid用のFortniteの配布をGoogle Playストアで再開しました」と述べている。

Fortniteは、Googleのアプリストアからダウンロードできないだけで、Androidではもちろん利用可能だ。Epic Gamesのウェブサイトでは、QRコードを介して直接ダウンロードできるようにプレイヤーに案内しているほか、サムスンのGalaxy Storeからも入手可能となっている。

画像クレジット:Photo by Christian Petersen/Getty Images) / Getty Images
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(翻訳:TechCrunch Japan)

大人気バトルロワイヤルゲームFortniteがApp Storeから消滅、メタバースの未来どうなる?

大人気バトルロワイヤルゲームFortnite(フォートナイト)を運営するEpic Gamesが、アップルのApp Storeでの高額な手数料徴収を回避する機能をアプリに組み込んだところ、FortniteはApp Storeから姿を消してしまった。具体的には、Epic Gamesがモバイル上でゲーム内通貨をApp Storeを介さずに直接支払いできる機能(Epic Gamesリリース)を追加した日に、App Storeからのアプリの取り下げが断行された。その後、Epic Gamesはゲーム内通貨のV-Bucksを20%割引の価格で永続的に提供することを決めている。

「アップルとグーグルの支払いオプションを利用する場合、30%の手数料が徴収されるため、最大20%の値下げは適用されません」とEpic Gamesはこの新しいオプションを紹介するブログ記事で説明している。「将来、両社が支払いの手数料を引き下げた場合、Epic Gamesはその引き下げぶんをユーザーに還元します」とも説明されている。

App Storeを介さないFortniteのアプリ内決済機能。App Store経由の決済方法も選べる

アップルはTechCrunchへの声明の中で「App Storeのルールに違反するという『不幸な一歩』を踏み出したことを理由にFortniteを削除したこと」を確認した。

Epic Gamesは、アップルの審査や承認を受けていないアプリ内機能を有効にしており、デジタル商品やサービスを販売するすべての開発者に適用されるアプリ内課金に関するApp Storeのガイドラインに明確な違反しています。

同社は10年前からApp Storeでアプリを提供しており、アップルがすべての開発者に提供しているツール、テスト、配布システムなど、App Storeのエコシステムの恩恵を受けてきました。これまでEpic GamesはApp Storeの規約とガイドラインに同意しており、同社がApp Storeで大成功を収めたことをうれしく思っています。同社のビジネス上の利益のために特別な取り決めを求めるようになったという今回の事実は、App Storeのガイドラインがすべての開発者にとって公平な競争の場を作り、すべてのユーザーにとって安全なストアを作るという事実を変えるものではありません。アップルはEpic Gamesと協力してこれらの違反を解決し、FortniteをApp Storeに復帰させるために全力を尽くします。

Epic Gamesの創業者兼CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は最近のツイートで、App Storeの手数料を巡ってアップルを何度も攻撃していた。今回の決定を「意図的で反競争的」と呼び、アップルは「メタバースを非合法化した」と断じている。

FortniteのTwitterアカウントでは、権威主義とアップルを対比させた象徴的な1984年のCMを連想させるような辛辣な投稿が見られ、同社が手を引くつもりはないことを示唆している。

Epic Gamesはまた、アップルがFortniteを削除することは「アップルがその巨大な力を使ってデベロッパーを不当な拘束を課し、iOSのアプリ内決済処理市場の100%の独占を維持している」と主張し、カリフォルニア州北部地区の米国連邦地方裁判所で、アップルに対して法的な訴状を提出したようだ。

同社が「恒久的」と呼ぶ直接支払い機能を追加することを決定した際、App Storeらの削除がある可能性を十分に認識していたはずだ。いずれにせよ、新しい支払い方法を追加することで、Epic GamesはApp Store料金をめぐる最近の激しい論争に火をつけた。アップルとこのような著名なソフトウェアメーカーとの対決で次に何が起こるかは誰にもわからないが、TechCrunchはこのあとの展開に注目している。

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

次世代Xboxは2020年11月発売。ようやくマイクロソフトが発表

この数カ月間、次期Xboxコンソール関する情報が小出しされてきた。そのデバイスはXbox Series X(未訳記事)と呼ばれている。

どんな外観かわかっている。中身についてもいろいろわかっている(未訳記事)。新ゲーム機のために開発中のタイトルも10種類以上わかっている(未訳記事)。

わかっていないのは、「いつ」店頭に並ぶのかだ。Microsoft(マイクロソフト)は年末までには発売するといったが、それ以上の詳細は明かしてこなかった。そして米国時間8月11日、マイクロソフトは発売日の範囲を狭め11月中に出荷すると 発表した(Microsoftリリース)。

同社は、11月の「いつ」かはいっていないため、正確な発売日についてはまだ幅がある。しかし、これまでの3カ月間の幅よりはいい。

このニュースは、343 IndustriesがHalo Infiniteの発売を2021年に延ばすことを発表したのとほぼ同時だった。「343のビジョンに合致するHaloのゲーム体験を届けるため」と同社は述べた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマゾンのTwitch PrimeがPrime Gamingとしてリニューアル

米国時間8月10日、AmazonプライムにPrime Gamingが登場しゲームのサービスが強化された。

Prime GamingはTwitch Primeの新バージョンだ。Twitch Primeは、Amazon(アマゾン)が2014年に人気のゲームストリーミングプラットフォームを買収し(未訳記事)、2016年に始めたサービスだ(未訳記事)。

これまでのTwitch Primeと新しいPrime Gamingのどちらも、通常のプライム会員特典の一部として追加料金なしでゲーム、ゲーム内コンテンツ(武器やスキンなど)、Twitch.tvのサブスクリプションを利用できる。今回の発表でアマゾンは、Prime Gamingには「さらに多くのゲームのための新しいコンテンツに加え、多くの無料ゲームやTwitchチャンネルの月ごとのサブスクリプション」が含まれると述べた。

eスポーツの専門家であるRod Breslau(ロッド・ブレスロー)氏は米国時間8月10日の早朝に、このリブランドがリリース間近であることをツイートしていた。

Prime Gamingでは現在、GTAオンライン、レッドデッドオンライン、Apex Legends、EAスポーツFIFA 20、League of Legendsなど、20を超えるPC、コンソール、モバイルゲームのゲーム内コンテンツが提供されている。毎月、PCゲームを無料でダウンロードすることもできる。今月はSNKの40周年コレクション、Metal Slug 2、Treachery in Beatdown Cityなど20種類以上の無料ゲームが対象となっている。

Prime GamingのLarry Plotnick(ラリー・プロトニック)GMは発表の中で「Prime会員にはすでに最高のTV、映画、音楽を提供してきた。今回は最高のゲームなどエンターテインメントのサービスを拡張する。我々はお客様に、すべてのプラットフォームで好きなゲームをもっと楽しむための新しいコンテンツを提供する。お客様はPrime Gamingを利用すれば、どんなゲームでも、どこでプレイしても、これまで以上に楽しめる」と述べている。

画像クレジット:Amazon

関連記事:Amazonプライムビデオにユーザープロフィールが加わる、子供用含め最大6人ぶん

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(翻訳:Kaori Koyama)

米ゲーム業界は新型コロナ特需で第2四半期も好調、支出額は1.2兆円

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は過去数カ月、多くの産業に打撃を与えてきた。しかし米国のゲーム産業は、いまだに外出がままならない状況で、その恩恵を受け続けている。米国のゲーム支出は第2四半期として過去最多を記録したことがNPDのレポートで明らかになった。

レポートによると、ゲーマーは第2四半期に前年同期比30%増の116億ドル(約1兆2300億円)を使った。新型コロナが猛威をふるい続けているのに伴いゲーム支出も増え続けていて、109億ドル(約1兆1600億円)だった前四半期から7%増だ。

116億ドルのうちゲームそのものは102億ドル(約1兆800億円、前年同期比28%増)で、あつまれ どうぶつの森シリーズ、Call of Duty: Warzone(コール オブ デューティー ウォーゾーン)、Call of Duty: Modern Warfare(コール オブ デューティー モダンウォーフェア)など、馴染みのタイトルがトップの座を占めた。ゲームハードウェア部門の売上は前年比57%増で、Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox Oneいずれも好調だった。

Switchに関しては、昨年の不足を考えれば好調なのは不思議ではない。少し予想外だったのは、PS4とXbox Oneの好調の維持だろう。というのも、どちらのコンソールも今年後半に新世代投入が予定されているからだ。もちろん、今後登場するシステムは外出禁止となっているいま役に立つものではない。

画像クレジット:Frederic J. Brown/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

NTTドコモとPUBG JAPANが「PUBG MOBILE」公式eスポーツ大会開催、賞金総額1000万円

NTTドコモ PUBG JAPAN PUBG MOBILE

NTTドコモとPUBG JAPANは8月7日、スマホ向けゲーム「PUBG MOBILE」の公式eスポーツ大会「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON 0」を開催すると発表した。開催期間は8月29日~10月18日。NTTドコモは、世界的に盛り上がりを見せるeスポーツにおいて、若年層の会員基盤の拡大および5G時代における新たな価値創造を目指し、同大会を開催するとしている。

賞金総額は1000万円。最後まで生き残り、勝利を手にしたチームには優勝賞金400万円のほか、PUBGが公認する世界大会への出場権を獲得できる。

同大会は全試合4人でチームを構成するSQUAD戦で行うため、1チーム4名(+補欠1名まで)でエントリーを募集。一般参加チームのエントリー受け付けは同大会の特設サイトで行える。

同大会はオープン大会で、8月29日~9月13日にGROUP STAGE1、GROUP STAGE2、GROUP STAGE3を実施。勝ち上がった23チームと、「PUBG MOBILE JAPAN CHAMPIONSHIP SEASON3」(PMJC SEASON 3)の優勝チーム1チームを加えた全24チームが、9月26日~10月11日のSEMI FINALで対戦。さらに勝ち残った16チームが10月17日~10月18日のGRAND FINALで対戦する。

なお、GROUP STAGEについては全日程、またSEMI FINAL・GRAND FINALは全試合をYouTubeの「PUBG JAPAN Officialチャンネル」などで生中継する。

「PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUNDS」(PUBG。プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ)は、バトルロイヤルゲームのパイオニアとして知られ、全世界で1億人がプレイしているとされる。そのモバイル版アプリ「PUBG MOBILE」は、2018年の配信開始以来全世界総ダウンロード数6億を達成。世界中で大会が開催されるなど高い人気を誇っているという。

ゲームクリエイターの最悪の年を描いたビデオゲーム、「Linda & Joan」のプロローグをプレイする

Russell Quinn(ラッセル・クイン)氏は2017年を「人生最悪の年」と呼ぶが、それも無理はない。その年、彼は母の世話をするためにイギリスに戻ったが、母と祖母が1か月のうちに立て続けに亡くなるという経験をしたのだ。

クイン氏は、その後ロサンゼルスに戻り、経験したトラウマすべてを解消しようと試みた時のことを思い起こした。その時期、彼は「制作に関わるクリエイティブな人々がどう悲しみに対処したかについて多くの本を読み、作家が個人的な悲劇について書いた本が実に豊富にあることに気づいた」と述べた。

デザイナー兼プログラマーのクイン氏は、McSweeney(マクスィニー)社の元デジタルメディアディレクターで、デジタル小説「The Silent History(サイレントヒストリー)」を共同制作した経験を持つ。その彼が自らの経験に基づくビデオゲームを制作することを決心した。

悲しみは、ゲームのテーマとして人気があるとは言えない。しかしクイン氏は「自分には納得の行くアプローチだった」と述べた。

「私は作家でもないし映画監督でもありません」と彼は言う。「私は少し前からゲームを制作したいと思っていました。それで、私自身が最も慣れ親しんだ媒介で、自分の経験を語るのは理にかなっていると感じました。」

彼は制作過程が心理的に負担になったことを認めた。例えば、彼は母の3Dモデルをなかなか作ることができず、代わりに母のキャラクターをピンクのシリンダーで表現したのだ。映画の中に母を登場させることで、彼女の死が「あまりに現実感のあるものになってしまう」ことを恐れたからである。しかし、モデルが完成してからは、「これは自分の母ではなくて、俳優であり、アバターだと感じることができました。それ以降は、舞台で俳優に指示を出す監督のような気分で臨むようになりました」と語っている。

Linda & Joan Prologue: “Four Months Earlier” – Release trailer from Russell Quinn on Vimeo.

そして今週、クイン氏はWindows、Mac、iOSでプレイできる無料のプロローグ、「Four Months Earlier(4か月前)」をリリースした。タイトルが示すように、このプロローグはゲーム本編の数か月前に起こったことを描いており、クイン氏は訪ねてきた母リンダと散歩に出る。台詞の選択を通じて、彼らが誰であるか、彼らが直面している課題はなにかを理解することができる。

クイン氏はゲーム「Linda & Joan(リンダとジョアン)」の全てを完成させるには2022年までかかると見込んでいるが、将来のプレイヤーおよび潜在的なパブリッシャーの両者に向けたプロモーションとして「Four Months Earlier」を現時点でリリースすることにした。

太陽が輝くロサンゼルスから「小さなイギリスの家々」に舞台が移るゲーム本編とプロローグは大きく異なるようである。クイン氏は「Four Months Earlier」と比べると 「Linda & Joan」は 「解くべきタスクとパズルが盛り込まれたポイントアンドクリックによる冒険が増える」と述べた。

実際のストーリーに架空のドラマやハッピーエンドを付け加えようとしているわけではない。彼は「パズルはすべて感情ベースのものだ」と述べた。プレイヤーはラッセル、リンダ、ジョアン(彼の祖母)のニーズのバランスを取るよう努めながら、それぞれの役を演じることになる。

クイン氏は「ゲームは2人の死で終わります。これを避けることはできません」と述べた。「プレイヤーが変えられるのは、2人に対しどのような感情を持つか、という部分であり、それは『実人生』を写す一種の鏡です。仮に家族の誰かが末期の病にあると診断を受けた場合、最後の時が来るのを避けることはできません。 しかし、あなたはまだ何か月もその家族と一緒に暮らす必要があり、その現実にどう向き合うかによって毎日は変化し得るのです。」

関連記事:Halo InfiniteやForzaなどXboxシリーズXゲームのデモビデオが一挙公開

カテゴリー:ゲーム / eSports

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(翻訳:Dragonfly)

ゲームプラットフォームRobloxの月間ユーザーが1.5億人突破、2020年の開発者報酬は263億円超の見込み

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって利用が急増したゲームプラットフォームであるRobloxの、月間アクティブユーザー数が1億5000万人を突破した。米国の在宅避難命令が発令される前の2020年2月時点では、1億1500万人(未訳記事)と発表されていた。また同社によれば、2020年に開発者コミュニティが手にする報酬は、2019年の1億1000万ドル(約116億円)から増えて、2億5000万ドル(約263億円)を超えるペースだという。

これらの数値やその他の企業ニュースが発表されたのは、新型コロナウイルスの大流行のために初めてオンラインで開催された、Robloxの年次開発者会議(RDC)でのことだ。

はっきりさせておきたいのだが、Robloxはそのプラットフォーム上で実行されるゲームそのものは構築していない。その代わりに、App Storeと同様の開発者向けのプラットフォームを提供するのだ。最も人気のあるゲームの多くは無料だが、Robux(ロバックス)と呼ばれる仮想キャッシュを、プレイヤーがゲーム内アイテムに対して使用することで収益化が行われている。パンデミックが発生する前は、同社の大きめのゲームの中には平均で月間1000万ユーザーを数えるものもあった。また2月の時点では10以上のゲームが、10億回以上のアクセスを誇っていた。

画像クレジット:Roblox

しかしパンデミックのおかげで、これらのゲームの各数値は大幅に拡大した。

2020年の前半には、Robloxゲームの「Adopt Me!」が、同時接続ユーザー数161万5000人、アクセス回数は100億を超えた。2020年1月に開始された「Piggy」という新しいゲームは、現在50億回以上プレイされている。「Jailbreak」は、2020年4月に開催されたライブイベント中に、50万同時アクセスユーザーを超えた。

合計でRobloxプラットフォーム上におけるゲームを収益化している開発者の数は34万5000人となり、Robuxのカタログの半分以上が、ユーザー作成コンテンツ(UGC)アイテムで占められている(UGCカタログプログラムが始まってまだ12カ月も経っていない)。

Roblox開発者の収益が前年比で2倍以上になっているのは、プラットフォームの成長するゲームカタログ、新しい開発ツール、国際的な拡大(Robloxリリース)、そしてもちろん子供たちを友だちから遠ざけて屋内に閉じ込め、オンライン接続に向かわせるパンデミック、といった様々な要因の組み合わせに関連している。

とはいえ、開発者の収益増加を牽引した1つの注目すべき要因は、Robloxが最近導入したプレミアムペイアウトの導入だった。この仕組はプレミアム会員がゲームに滞在した時間に応じて、支払いをするというものだ。今年の初春に開始されたこのシステムを通じて、開発者たちはこのプログラムからだけでも2020年6月に200万ドル(約2億1000万円)を獲得した。

画像クレジット:Roblox

RDCイベントの期間中、Robloxは、拡張される開発者ツールとプラットフォームの更新計画についても詳しく説明を行った。それには、大規模な開発チーム向けの新しいコラボレーションツールも含まれている。これによって、開発者はチームメンバーならびに外注業者にゲームの特定の部分のみで作業する権限を付与することができる。また、年末までにタレントマーケットプレイスを立ち上げて、開発者がゲーム開発に役立つ人材やリソースを見つけられるようにする予定だ。

さらにRobloxは、サポートされているすべての言語(ブラジルポルトガル語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、スペイン語を含む)に対する自動機械翻訳の提供を開始するという。この機能は、開発者たちが国内版のゲームをより簡単に海外ユーザーに届けるための役に立つだろう。

Robloxはこの夏の終わりに「Developer Events」を立ち上げると発表した。これは開発者たちが、地元のコミュニティでお互いを知るために役立つ新しいサービスだ。最初の段階では、これらのイベントはオンライン開催となる予定だが、安全に開催できるようになったら対面イベントに移行する。

同社はまた、ゲームタイトルやMarshmello(マシュメロ)やVicetone(ヴァイストーン)といったアーティストとのコラボレーションで知られるインディーエレクトロニックミュージックレーベルのMonstercat(モンスターキャット)との、初の音楽レーベルパートナーシップにも署名した。このパートナーシップにより、開発者がゲーム内で無料で使用できる51の楽曲がまず提供された。これにはドラム&ベース、シンセウェイヴ、エレクトロ、チルアウト、エレクトロニック、ブレイク、フューチャーベースなどの、さまざまなEDMジャンルの曲が含まれている。Robloxによれば、今後さらに楽曲が追加される予定だという。

「私たちの開発者コミュニティの生み出す成果は、私たちの高い期待をはるかに上回っています。Robloxプラットフォーム上に生み出されたユニークでクリエイティブな作品に、圧倒されています」と語るのはRobloxの創業者でCEOであるDavid Baszucki(デビッド・バズッキ)氏だ。「私たちが力を注いでいるのは、開発者たちがビジョンを追求しより大きく、より複雑で、より現実的なエクスペリエンスを開発し、みんなで仮想空間(メタバース)を構築していくために必要なツールとリソースを、開発者に提供することです」。

Robloxは、新型コロナウイルスの危機が米国を襲う直前にAndreessen Horowitzの後期ベンチャーファンドの主導で1億5000万ドル(約157億円)のシリーズG資金調達を行った。そのときの評価額は40億ドル(約4198億円)だった。これに先立ってRobloxは、プラットフォームをより米国外に広げ中国へと展開するために、特にコーディングカリキュラムに力を入れたTencent(テンセント)との戦略的パートナーシップ(未訳記事)と、中国語へのサポート強化に取り組んできた。またRobloxは、前記の調達資金を使って、その拡大効果をさらに強化し、より多くのツールと開発者エコシステムを構築することを計画していると述べている。

画像クレジット:Roblox

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(翻訳:sako)

Halo、ForzaなどXboxシリーズXゲームのデモビデオ一挙公開

ソニーは先月、スパイダーマン マイルズ・モラレス、ロボット・ネコがサイバーシティを散歩するStray、プロバスケットのNBA 2K21など多数のPlayStation 5向けゲームを紹介 した。今度はMicrosoftの番だ。5月にXboxシリーズX向けのタイトル13本が予告されているが、今回ははるかに詳しいデモビデオだ。年末商戦でこの次世代コンソールを買う必要があるかどうかゲーマーが判断するのにかっこうの材料となっている。

ソニー同様、Microsoftも発売予定のタイトルから実際のゲームシーンをデモしている。このバーチャル・プレゼンにはこうした迫力あるゲーム録画以外に通常の予告編も含まれている。Xboxの責任者、フィル・スペンサー(Phil Spencer)氏は「(リリース予定の)15タイトルのうち9タイトルが紹介される。うち5タイトルは1人称視点のゲームだ」と述べている。.

予想どおり、まずはトップはHaloの最新バージョンの予告だ。HaloのアップデートがなければXboxのアップデートもないというくらいこの一人称戦闘ゲームはXboxゲームの代名詞となっている。Halo Infiniteのゲーム実況はバーチャル・プレゼンの冒頭にあるだけでなくかなりの長さもある。

開発元のBungieの説明では新しいHaloは「最近のいくつかのバージョンを合計したより数倍もサイズが大きい」だそうだ。 Bungie関連のビッグニュースはまだある。Destiny 2がXbox Game Passに登場するという。今年末にはGame Passのメンバーはこのタイトルを無料でプレイでできるようになる。

Rareの新作ゲーム、Everwildは今回のプレゼンでいちばん驚かされたタイトルだった。 プレビュー版の予告編が先月公開されていたが、今回のビデオはさらに詳しくサイケデリックなタッチがいかんなく感じ取れる。

ForzaもXboxの主力ゲームの一つで、時間を取って紹介されている。 このレーシングゲームも従来の番号式バージョン命名を捨てた。レンダリングは60fps、4Kでシステムのレイトレーシングを利用しており、迫真性が大きくアップしている。実際のリリースは来年になるもようだ。

ゾンビーもののState of Decayシリーズも長寿命の定番タイトルだ。.バージョン3にあたる新作についは情報が乏しいが映画的な緊迫感ある予告編となっている。

デスクトップとXbox Oneでこの夏すぐにもプレイできるのがGroundedだ。これは突然ミニサイズに縮められてしまった子供たちの冒険を描いた楽しいファンタジーで、舞台は裏庭だが巨大なクモが出てくる。このタイトルもXboxシリーズXでリリースされる。今回のイベントではPlayground GameのFable IVの「妖精がヒキガエルにひと飲みにされてしまう」という非常に短い予告編も公開された。

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滑川海彦@Facebook

ゲームボーイをはじめとしたレトロなポータブルゲームが遊べるAnalogue Pocketが8月3日に予約開始

Analogueは、レトロゲームに関しては業界のリーダーであることをたびたび証明してきた。ファミコン、スーファミ、メガドライブなど、さまざまなゲームを最新のハードウェアでかなり忠実に再現してみせた。同社は2019年10月に、次世代のポータブルゲーム機となるAnalogue Pocketを発表した。それがようやく予約注文を受けるところまでこぎ着けた。標準でゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスのカートリッジがそのまま動く。アダプターを使えば、さらに多くのレトロなポータブルゲーム機用のゲームで遊べるようになる。

画像クレジット:Analogue

Analogue Pocketは、米国太平洋標準時の8月3日の午前8時(東部標準時では同日午前11時)から199.99ドル(約2万1000円)で予約を受け付ける。ただし実際に出荷されるのは、それよりかなり後になる。Analogueでは、実際にこのゲーム機を予約者に向けて出荷できるのは、2021年5月になると考えている。同社によれば、それも「我々にはどうすることもできない不幸な世界情勢とサプライチェーンの問題」によるのだという。もちろん、進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックと、それが電子部品のサプライヤーに与える影響について危機感を抱いている独立系のメーカーは、Analogueだけではない。

画像クレジット:Analogue

とはいえ、辛抱強く待ちさえすれば、この製品はほぼ確実に入手できると安心していいだろう。Analogueには、これまでにもNt mini、Super Nt、Mega Sgなど、多くの製品を出荷してきた実績がある。そうしたゲーム機は、単に約束を果たしたというだけのものではなかった。エミュレーションに頼ることなく、最新のテレビやディスプレイで、クラシックなゲームをプレイ可能にするという素晴らしいパフォーマンスを提供したのだ。

Analogue Pocketは、2019年に発表されたときのものと比べて、若干デザインが変更されている。スタートとセレクトの両ボタンが、本体前面の底部に近い場所に移動した。同社によると「使いやすさを最適化する」ためだという。またPocketをテレビに接続して大画面でゲームを楽しめるようにするDockは、埋め込み式のUSB-Cポートを備え、接続をより安定したものとしている。

クラシックなゲームプレイと最新の便利さを融合させる同社お得意の機能として、現在のスマホやタブレットと同様のスリープ/復帰機能を実現している。このゲーム機の電源ボタンを軽く1回押すと、低消費電力のサスペンド状態になる。その後、また電源ボタンを押せば、以前の続きからプレイを再開できる。これは、独自のセーブ機能を備えていないゲームをプレイする際には大きなメリットとなる。

画像クレジット:Analogue

Analogue Dockは99.99ドル(約1万500円)だ。有線、Bluetooth、または2.4GHzのワイヤレス接続で、最大4つのコントローラーを同時にサポートできる。別売りのマルチリンクケーブルを使えば、最大4台のPocketを接続して、ローカルでマルチプレーヤー対戦も可能となる。

Analogueでは、Pocket用のアクセサリもあれこれと提供する。例えば保管や持ち運びにも便利な透明なハードケース、USB-Cの急速充電器といったものから、ゲームギア、ネオジオポケットカラー、Atari Lynxのようなゲーム機のカートリッジ用アダプターもある。またMIDIアナログ同期ケーブルを使えば、MacやPC、電子楽器と接続して、同社製のNanoloop音楽制作ソフトウェアが利用可能となる。

画像クレジット:Analogue

同社は、このゲーム機のソフトウェア的な特長もいくつか明らかにした。例えば「オリジナルディスプレイモード」では、オリジナルのゲーム機でのディスプレイ表示を、バグっぽいものも含めて忠実に再現する。一方、Pocketの内蔵ディスプレイは、耐久性の高いゴリラガラス製だ。リフレッシュレートは可変で、360度の自由な回転表示も可能となっている。

Analogue Pocketは4300mAhの充電式バッテリーを内蔵し、6〜10時間のプレイ時間を実現している。プレイを中断した際には、スリープ状態で10時間以上持続するはずだ。

これはこれまでのAnalogue製品の中でも、間違いなく最も素晴らしいものであり、ポータブルゲーム機として驚きをもって迎えられる製品となるはずだ。

画像クレジット:Analogue

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

スナドラ865 Plus搭載のレノボ製ゲーミングスマホ、2基のバッテリや横画面水平カメラなどを搭載

ゲーム用スマートフォンは、おかしな存在だ。単なる言葉としてなら、あってもいいかもしれない。なぜなら、今や誰もかれもがゲーマーで、そのゲームのほとんどがモバイルデバイスでプレーされている。それなら、ゲーム専用のスマートフォンにもっと人気があってもよいのではないか?しかしそれは、誰も作らなかったからないのではない。

Lenovo(レノボ)は、その特殊な分野に参戦を表明した最新の企業だ。Lenovoのような大きな企業でないと、そんな実験はできない。ゲーミングスマートフォンは一発狙いの製品開発企画だが、同社はゲーミングPCであるLegionシリーズのモバイルバージョンのLegion Phone Duelで、確かに一発を狙っている。

画像クレジット: Lenovo

何よりもまず、このハンドセットはQualcomm(クアルコム)の新製品Snapdragon 865 Plusの発表で、少しだけ言及された。そして今ではそれは、その最新のチップを使ってることがウリのスマートフォンの小さなクラブの一員だ。しかしライターの立場として興味があるのは、それがスマートフォンのメーカーに主力機ではできない実験の機会を与えることだ。今回のレノボの製品にも、いくつかの面白い機能が盛り込まれている。

たとえば、バッテリーが2つある。それは、折り畳み(フォルダブル)以外ではありえない仕様だろう。もちろん、スマートフォンのバッテリーが折り畳み式にならないのには、十分な実用的理由がある。しかしここでは、バッテリーを分割して過熱を防ぎ、5000mAhという強大な電源を2つに分けて提供している。ゲーム専用の5G機なら、それぐらいは必要だ。

関連記事:Asus and Lenovo among the first to launch Qualcomm Snapdragon 865 Plus devices(未訳記事)

もう1つは水平に飛び出る自撮りカメラだ。初期のリーク情報の中では、これが一番興味深い。これはもちろん、本格的なモバイルゲームはスマートフォンを横に持つからだ。そしてこのデザインなら、ビデオの映像をTwitchやYouTubeのような動画共有サービスにストリーミングできる。非常に特殊なユースケースかもしれないが、今回はスマートフォンそのものが非常に特殊な製品だ。もちろん、ゲーム中にモバイルデバイスで撮る自撮りビデオの結果もゲームによってさまざまだ。

画像クレジット: Lenovo

ユニークな機能という点では、USB-Cの充電ポートが2つある。1つは下の標準的な位置、もうひとつは横だ。これもやはり、ランドスケープ(横画面)を容易に維持するためだ。スマホでゲームしながら充電するのは結構面倒だ。

前述のSnapdragonのチップ以外では、16GBのメモリーと512GBのストレージがある。ディスプレイは6.65インチで2340×1080ドット、144Hzのリフレッシュレートだ。米国での発売予定は現状ではないが、中国ではLegion Phone Proという名称で今月発売され、その後アジア太平洋、ヨーロッパ、中東、アフリカ、ラテンアメリカと続く。

価格は未定だ。

画像クレジット: Lenove

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナで絶好調のゲーム業界がさらに成長

2020年6月の最新データ公開から数日後、市場調査会社のNPDはゲーム業界全体の傾向に関するレポートを発表した。2020年のゲーム業界が好調を続けていると聞いても驚く人はいないだろう。そして新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止命令は、米国のゲーム利用にいっそう拍車をかけた。

レポートによると、米国の4人中3人が何らかのビデオゲームをプレイしている。これは2.44億人にあたり、2018年から3200万人増えた。プレイした人の39%はライトゲーマーで、プレイ時間は週に5時間以下、32%が中間層で5~15時間、そして20%が週に15時間以上プレイするヘビーゲーマーだった。回答したゲーマーの平均プレイ時間は週に14時間で、2018年の12時間から増えている。

新型コロナウイルスがゲームの利用を後押ししたことを、ここ数カ月のゲーム売上が示している。回答者の35%が、パンデミック制限以前より多くプレイしていると答えた。ただし、大半はすでに所有しているスマートフォン、タブレット、パソコンなどの非ゲーム専用機でプレイしているだけだ

新たなプラットフォームでゲームを始めたのは回答者の6%にすぎない。この比較的小さな数字は、過去数カ月間の厳しい経済状況をある程度反映しているのだろう。新しいゲーム機を買った人はごくわずかだ。Nintendo Switch(スイッチ)の場合、任天堂は深刻な供給問題に直面し、多くのオンラインストアで在庫がなくなる事態となった。ちなみにMicrosoft(マイクロソフト)とSony(ソニー)は、2020年中に新システムを発売する予定であり、これは現行システムが遠くない将来、旧式になることを意味している。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2020年6月のゲーム売り上げが絶好調、Switchはトップに返り咲く

まだまだ家に閉じ込められている人が多いため、ビデオゲームがどんどん売れている。とても単純な話だ。もちろん、もっと細かい話がないことはないが、それはNPDの6月のゲームの売上ランキングに任せておけばいい。

具体的に2020年6月は、ゲームへの総支出が12億ドル(約1280億円)で前年比26%増だった。6月の数字としては、2009年6月以降で最高のものとなる。その6月も含めて今年前半の支出は66億ドル(約7060億円)で、これは70億ドル(約7490億円)だった2010年以来の最高だ。経済状況が極端に悪い中でこの数字はかなりすごい。

ゲームソフトは、6月の支出が5億7000万ドル(約610億円)で、2019年から49%の増加だ。「The Last of Us: Part II」が6月の1位で2020年3位のベストセラー、また最初の1カ月の売上としては今のところ最高だ。

さらに注目すべきは、Nintendo Switchのエクササイズゲームである「Ring Fit Adventure(リングフィットアドベンチャー)」で、5月には835位だったのに6月は7位になった。ジムにも行けないし、他のワークアウトもできないため、このゲームが売れたのだろう。以前の数字は、このゲームの在庫が少なすぎたためだ。それが、Switch自体の売上にも影響した。

しかしそれでも、任天堂のコンソールは2020年6月にベストセラーに返り咲いた。

関連記事:米国の2020年Q1におけるゲーム売上高が過去最高、新型コロナ外出禁止で需要増

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国の大多数のゲーム開発者はリモートに移行中

Game Developers Conference(GDC)が、これから開催する大規模な年次会議(今回はオンライン開催のみ)に先立ち、2500人のゲーム開発者に対して、業界がCOVID-19パンデミックの影響に、どのように対処しているかの調査を行った。多くの人びとが、在宅命令に従うために、ゲームに目を向けたことから、ゲームの売上高は伸びてはいるものの、今回のウィルスは、無数の他の産業で与えているものと同様の影響を(程度はある程度低いものの)、開発者たちに与えているようだ。

まず、32%の開発者が、労働時間が長くなっているにもかかわらず、生産性が落ちていると回答している。これは、パンデミックになってホームオフィスへの移行を試みた人には、お馴染みの現象だろう。そして開発者の約70%が在宅勤務に移行したと答えている。もしこの数字が少し低いのではないかと思えるとしたら、それは単に調査対象の27%の開発者がすでに在宅勤務だったからだ。ということで、オフィスに残されているのは3%程度なのだろう。

回答者の4分の1は、世帯収入が減少していると答え、3分の1は過去数か月間でビジネスが減っていると答えている。3分の1はまた、プロジェクトが遅れていると回答している。このことによって、年末に最新版のリリースが予定されているXboxとPlayStationは、今後の予定が複雑になる可能性が高い。

オンラインへの移行により、異なるクラウドサービスへの移行を含め、多くの企業がワークフローの見直しに取り組もうとした。とはいえ、業界の性質上、多くの開発者はパンデミック以前に労働力を分散させることにすでに慣れていた。3分の2が、自身の勤務する会社はオフィスへ従業員を戻す計画を持っていると答えているが。現在オフィスに戻って安全だと感じている開発者は12%だけだ。

回答者の大多数は、パンデミックが今後、職場のいくつかの側面を永久に変えると信じていると付け加えている。ある開発者は「オフィスで物理的に一緒に仕事をする代わりに、日々の仕事のやりかたに手を加える必要がありましたが、結局そのことによって効率性と生産性が向上したことが明らかになりました」という。「最近、パンデミックの後も、ホームオフィスの取り込みを続けるための話し合いも行いました」。

画像クレジット: AMY OSBORNE/AFP (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

7月第1週に2500本超のiOS用ゲームが中国App Storeから削除される

7月の第1週に2500本超のモバイルゲームが中国のApp Store(アップストア)から削除された。アプリストア調査会社であるSensor Towerの最新レポートで明らかになった。ライセンスのないゲームに対する計画通りの取り締まりで削除は予想されていた。しかしこれはアプリ経済への影響を示すデータとしては初めてのものとなる。

比較材料として、7月に削除されたアプリの数は4月第1週の4倍、5月第1週の5倍、6月第1週の4倍超だ。アプリ削除は、中国のゲーミング規則へのApple(アップル)の新たなコンプライアンスと関係がある。

今年初め、アップルはアプリのデベロッパーに6月30日までにモバイルゲームに関する中国の法律に則るよう案内した。2016年に施行されたこの法律では、有料ゲームとアプリ内課金のゲームを提供しているゲームデベロッパーに、中国の検閲団体の1つ、広報出版総局からライセンスを取得することを義務付けている。

何年もの間、iPhoneゲームデベロッパーは、ゲームをリリースした後にライセンス承認を待つことで法律を回避してきた。ライセンス承認は時間がかかる退屈なプロセスで、2018年にあったように審査作業の一時停止があれば数カ月以上もかかる。中国当局がポルノやギャンブル、暴力、その他の政府が不適切とみなすコンテンツを含んでいるゲームをさらに取り締まるために業務を見直した時、ライセンス発行が9カ月間止まった。

メジャーなAndroidアプリストアはすでに2016年ルールを適用していたが、アップルでは抜け道があり、モバイルゲーム業界は中国のiPhoneプラットフォームで何年も生き延びていた。

画像クレジット:Sensor Tower

アップルの対応から、App Storeで何千ものゲーム削除が7月に始まることが予想されていた(Engadget記事)。Sensor Towerのデータはそのときがきたことを示している。しかしSensor Towerのデータは、サブカテゴリーチャートを含むApp Storeのチャートにランクインするほどダウンロードが多かったゲームのみをとらえている。

削除された2500本あまりのゲームのうち、2000本のゲーム(80%)は2012年以来のダウンロードが1万回以下だったとSensor Towerは推定している。それらのゲーム合わせて計1億3340万回のダウンロードがあった。削除されたゲームの総売上高は合計で3470万ドル(約37億円)で、うち1つのゲームが1000万ドル(約11億円)超、そして100万ドル(約1億1000万円)超を売り上げたゲームは6つあった。

削除されたゲームの中で有名なものには、GluのContract Killer Zombies 2、ZyngaのSolitaire、Crazy LabsのASMR Slicing、FlaregamesのNonstop Chuck Norrisがある。直近では、SupercellのHay Dayも削除された。

ゲームマーケットへの変更、そしてアプリ経済への新型コロナウイルスの影響により、第2四半期におけるiOS消費者の消費額においては米国が再びトップとなっている。App Annieによると、第2四半期の米国iOS消費者の消費額は前年同期比30%増だった。

中国は世界で最も儲かるモバイルゲームマーケットだっただけに「ゲーム削除による長期的な影響がアップルの収支に表れるかもしれない」とSensor Towerは指摘した。2019年に中国のApp Storeのゲームは推定126億ドル(約1超3500億円)を売り上げた。これはアップルのマーケットプレイスでの昨年のグローバルゲーム支出の33.2%を占めるという。

画像クレジット: Sensor Tower

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(翻訳:Mizoguchi

NES35周年を記念してスーパーマリオが走る2646ピースのレゴが登場

あなたにもそんな感覚がわかるだろうか。ファミコンの海外版であるNES(ニンテンドーエンターテインメントシステム)の35周年があなたにそっと近づいてくるときに、熱い血が駆け巡るような過ぎ去った青春を懐かしむ紛れもなく圧倒的な感覚を。元祖NESは7月15日に35歳を迎える。我々自身がいつか死ぬ運命にあることを衝撃的なかたちで思い出させ、またそのことを祝福するために、Lego(レゴ)はこの夏発売予定の感動的なセットを発表した。

画像クレジット:Lego/Nintendo

短い予告を経て、NES Building Kit(NES組み立てキット)が正式に発表された。組み立て可能なコンソール、カートリッジ、コントローラーを備えており、コンソール側面にアナログ音声端子もある。ゲームをシステムに差し込むことができ、コントローラーにはシステム正面に接続するコードがある。しかし、最も魅力的なのはあの時代にふさわしいテレビだ。手動ハンドルを回すと、組み込んだ2次元のマリオがスクロールするステージを走ったりジャンプしたりする。

画像クレジット:Lego/Nintendo

正直、出来栄えは素晴らしい。本当にうまい。クラシックコンソール上の角ばった8ビットグラフィックスを背景に動く。そのかわいい相棒にすでに発表されたレゴのマリオセット(未訳記事)が加わる。相乗効果の力は強い。レゴセットからマリオをテレビの上に差し込み、2Dの相棒がステージを進むと、スピーカーからBGMと効果音が流れる。

画像クレジット:Lego/Nintendo

価格については何も公表されていないが、多くのファンにとって最終的な価格は問題にならないことは間違いない。また、レゴに関して知られていることを踏まえれば、安くはならないと推測するのが無難だと思われる。セットには2646ピースある。筆者が見た中で技術的に最も印象的なレゴセットの1つだ。精巧なコンソールから始まり、回転システムで背景を前進させると、棒に刺さったマリオが上下に弾みながら実際に段差を登る。一方、レゴセットのマリオはテレビの上からさまざまなブロックの色を認識して、対応する音を出すようだ。

正直なところ、これは人間のあらゆる郷愁のツボを巧みにかつ同時に刺激する。あなたが抗うことはできない。だからそれなりに資金を用意し、棚の場所を確保しておいたほうがいいだろう。あえて推測するなら、ざっくり300ドル(約3万2000円)くらいだろう。子供が遊べるマリオセットで、元祖NESで遊んで育った両親が子供と話せる材料だと考えてほしい。スーパーマリオセットとともに、8月からレゴサイト(およびオープンしている実店舗)で入手可能。来年のどこかでもっと多くの小売店で入手可能になっているはずだ。 

画像クレジット:Lego/Nintendo

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(翻訳:Mizoguchi

Microsoft Flight Simulator 2020は8月18日に発売、使用可能な飛行機と空港数が異なる3エディション

一連のアルファテストを経て米国時間7月13日、Microsoft(マイクロソフト)のXbox Game Studios(エックスボックス・ゲームスタジオ)とAsobo Studio(アソボ・スタジオ)は次世代Microsoft Flight Simulator 2020(マイクロソフト・フライトシミュレーター2020、FS2020)を8月18日に発売することを発表した。現在予約受付中のFS2020には、スタンダードエディション(59.99ドル、日本版税込7450円)、デラックスエディション(89.99ドル、日本版税込1万700円)、プレミアムデラックスエディション(119.99ドル、日本版税込1万3100円)の3種類があり、上位バージョンほど飛行機の種類と特別にモデリングされた国際空港が多くなっている。

最後の部分はちょっとした驚きかもしれない。マイクロソフトとAsoboはBing Maps(ビング・マップ)の資産とAzure(アジュール)のAIマジックを使って、Filght Simulator 2020では事実上地球(全空港を含む)全体を再現しているからだ。それでも開発チームは一部の大型空港を特にリアルに再現するためにさらに時間をかけたに違いない。その大型空港の1つをFlight Simulator XやX-Planeのアドオンとして購入する場合でも、30ドル(約3200円)以上を使うことになる。

スタンダードエディションには20種類の飛行機と、30カ所のハンドメイド空港が利用可能で、デラックスエディションでは25機と35カ所、プレミアムデラックスエディションでは30機と40カ所になる。

ちなみに、スタンダードエディションでこの特別なモデリングで作られていない空港はアムステルダム・スキポール、シカゴ・オヘア、デンバー、フランクフルト、ヒースロー、サンフランシスコとなる(特別なモデリングされていないだけで空港自体は存在する)。

飛行機についても同様で、787はデラックスエディション以上でしか使用できない。ただし、Asoboがこれまで発表してきた情報によると、スタンダードエディションで使用可能な20機も、これまでのバージョンよりもはるかに詳細にモデリングされていて、現在のアドオン以上かもしれない。

画像クレジット: Microsoft

マイクロソフトとAsoboが開発しているシステムの大部分はクラウド技術を使用しており、例えば詳細な景色はオンデマンドでコンピューターにストリーミングされるため、コンテンツのアップデートが定期的に行われる可能性が高いが、詳細はまだ明らかになっていない。

「飛行機の種類や詳細にモデリングされた空港は、どのエディションでも発売当日からすべて利用可能であり、今後のコンテンツアップデートによってフライトシミュレータープラットフォームは発展と拡大を続ける」とマイクロソフトはいう。

Flight Simulator 2020はまもなくクローズドベータフェーズに入るため、近々詳細が発表されるはずだ。

画像クレジット: Microsoft

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

評価額35億ドルのDiscord、ビデオゲーム縮小の方針でさらに1億ドルを調達

Discordは今後単なるゲーマーのための場としてだけでなく、Slackのソーシャルライフ版として大成するべく取り組んでいる。

新たな1億ドル(約107億円)の資金調達ラウンドが完了し、35億ドル(約3760億円)の評価額となった同社は、新しい売り込み内容と共にゲーマーのための場所(および白人ナショナリストのためのバーチャルな集いの場)としての過去を払拭しようとしている。

現在同社はユーザーベースを監視したり、同社のサービスがゲーマーのためだけのものではないというイメージを促進したりするための自由な資金を手に入れた。「多くのユーザーにとって、弊社のサービスはもはやビデオゲームのためだけのものではないことがわかりました」と、共同創設者のJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏とStanislav Vishnevskiy(スタニスラフ・ヴィシュネフスキー)氏はブログにて述べている

二人の創設者は同社を「自分のコミュニティや友達と共に遊び、話し合うためにデザインされた場所」であり、かつ「何かを学んだりアイデアを共有するなど、人々と共に誠実な会話を交わし質の高い時間を過ごせる場所」だと説明している。

同社のサービスはこれまでもずっとこのような場であったわけではない。3年前、同社は多くの人種差別主義ユーザーを追放しようと試みたのだが、ヘイトスピーチを広めるためにプラットフォームを使用するユーザーは依然として根深く残り続けた。2019年半ばまで白人ナショナリストたちは、極右ネオナチサイトDaily Stormerの創設者、Andrew Anglin(アンドリュー・アングリン)氏のメッセージを正当化するためにこのサービスを存分に利用しており、アングリン氏が彼のフォロワーに向けて同社のサービス使用を止めるよう促したほどである

Data & Society Research Instituteのメディア操作主任研究員であるJoan Donovan(ジョアン・ドノヴァン)氏はオンラインマガジンSlateにて「Discordは常に極右グループの中に存在しています。彼らがドクシングや嫌がらせのキャンペーンの組織化を行う場所となっているのです」と述べている。

Discordによると、これらのユーザーは同社のユーザーベースの中でもごく一部であり、次第に人数も減少していると言う。今ではゲーマーの他、Black Lives Matterの主催者、ソーシャルメディアのインフルエンサーも含まれるようになったとのことだ。

同社によると、今ではこのサービスを利用するアクティブユーザーは1億人を超え、670万台のアクティブサーバーで40億分が会話に費やされていると言う。

Discordの成功は、ソーシャルゲームとソーシャルメディアの急速な成長がもたらしたものである。同社のサーバーはゲームプラットフォーム間でのリアルタイムのコミュニケーションを可能にし、世代を超えたプレーヤーにとっての主要なソーシャルエクスペリエンスの場となった。また、さまざまなソーシャルメディアプラットフォームのインフルエンサーが、ファンとより直接的な関係を持つことができるようにしたのだ。

Taylor Lorenz(テイラー・ローレンツ)氏が、ソーシャルメディアの起業家や有名人の間でDiscordが新たに獲得したファン層について次のような記事を書いている

昨年3月、世界で最も人気のあるビデオゲームライブストリーマーの1人であるNinja(ニンジャ)が、フォートナイトをプレイしながらDiscordの使い方をラッパーのDrake(ドレイク)に教えました。Philip DeFranco(フィリップ・デフランコ)氏、Grace Helbig(グレース・ヘルビッヒ)氏、Try Guys(トライガイズ)などのYouTubeの大物は皆独自のサーバーを持っており、「The Bachelor」や「The Real Housewives」についての話し合いに特化されたサブレディットにも独自のDiscordグループがあります。2億人以上がこのサービスを利用しているのです。

「我々は単に話しをするためにDiscordをデザインしたのです。延々とスクロールしたり、ニュースフィードを見たり、いいねを集めたりするためのものはありません。表示すべきものを算出するアルゴリズムもありません。コミュニティや友人と一緒に過ごす、という感覚や経験を再現するためにDiscordを設計したのです。自分のサーバーに自分が招待した人を集め、個人的な空間を作り出し、自分が設定したトピックについて話し合うのです」と創設者らは言う。

より親切でフレンドリーになったDiscordは、同社の社名とルーツを良い意味で裏切るものとなった。これは投資家の認識をシフトし、潜在的な新ユーザーをサービスに呼び込むための努力の証である。

新たな資金に加え、同社は新しいユーザーエクスペリエンスを強化し、ユーザーがより簡単にコミュニケーションできるようにするためサーバービデオを追加した。ユーザーがサーバーを作成する際に役立つテンプレートを揃え、また音声と動画の容量を200%増やしている。

Discordは製品における新たなフォーカスの一環として、同社の規則や規制を明確に定義し、ヘイトスピーチやスペースの乱用が生じた際にサービスの使用を監視、管理するためにユーザーが実行できるアクションを明確にした「Safety Center」と呼ばれる取り組みを開始した。

「私たちは白人至上主義者、人種差別主義者、そして悪のためにDiscordを使用しようとする人々に対して断固たる行動をとります」と創設者らは述べている。

Discordへの最新の1億ドル(約107億円)の資金注入のため投資家グループを率いたIndex Ventures(インデックスベンチャーズ)の共同創設者であるDanny Rimer(ダニー・ライマー)氏は、Discordがビジョンを広げたことに対し賛同の意を表明している

「Discordはしっかりと責任を持って管理されたサイトなら、共通の関心を持つ人々に安全なスペースを提供できるということを示しており、これこそがプラットフォームの未来であると感じています。Facebookのように単に生のコンテンツを投ずるのではなく、自分と友人が共に体験できるものを同社は提供しています。Slackがプロフェッショナルな会話のために作り出されたものなら、Discordはソーシャルな会話のために生み出されたものだと認識しています」とライマー氏は声明を出している。

Slackと同社の類似点は興味深いもので、両社は共に通信サービスに転換する以前にゲームスタジオとして事業を開始したという背景がある。

ライマー氏はIndex Venturesの最新の投資について説明した文中で、「今年フランスでは、政府公式の試みが失敗した後にDiscordが遠隔学習の主要なアプリとして採用されました。その結果、同社はフランスで3月にアプリダウンロード数のトップ10に達し、現在でもアメリカとイギリスではトップ50に入っています。Discordは次の成長段階に向けた計画を立案中です。今後同社は新たなユーザーやコミュニティにとってさらに包括的で快適なものとなり、また当初から発展に寄与してきたユーザーによって引き続き導かれていくことでしょう」と言及している。

関連記事:隔離生活で求められる自然発生的なコミュニケーションを生むソーシャルアプリ

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