不動産業者向けバーチャル内覧用撮影ロボットのGiraffe360が4.7億円調達

Giraffe360はロボットカメラをサブスクリプションサービスと組み合わせて、不動産業者が物件や間取り、バーチャルツアーの高解像度写真を簡単に作成できるようにしている。同社はLAUNCHub VenturesとHoxton Venturesが主導したラウンドで450万ドル(約4億7000万円)を調達した。このラウンドには、HCVC(Hardware Club)と既存の投資家であるChange Venturesも参加した。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を大きな要因として物件の実地見学がバーチャルに移行したため、Giraffe360は2020年に成長のチャンスを得た。

Giraffe360は高スペックなセンサー、LiDARレーザー技術、ロボティクスを活用している。カメラは不動産業者に月額399ポンド(約5万5000円)で提供される。2016年にラトビアの首都、リガでMikus Opelts(ミクス・オペルツ)氏とMadars Opelts(マダルス・オペルツ)氏の兄弟が同社を設立し、ロンドンに本社を置いている。

物件などの写真はこれまでプロのカメラマンに依頼したり不動産業者自身が撮影したりしていたが、Giraffe360はもちろん、こうしたことと競合している。3Dレンダリングやバーチャルツアーにも、たいていはプロの助けが必要だ。

Giraffe360に似た米国企業のMatterportは、これまでに1億1400万ドル(約118億7000万円)を調達した。

Giraffe360の創業者でCEOのMikus Opelts(ミクス・オペルツ)氏は発表の中で「成長している数字が物語っています。サブスクリプションは2019年に800%成長し、2020年にはこれをさらに上回る見込みです。2020年はこれまで以上に、我々の顧客、そして購入やテナント契約を検討している人々が物件を見るデフォルトの方法としてバーチャル見学を利用するようになってきました」と述べている。

LAUNCHub VenturesのパートナーであるTodor Breshkov(トドール・ブレシュコフ)氏は「我々は不動産テックの動向に常に注目しています。不動産業界をモダナイズするGiraffe360のプロダクトは素晴らしいと考えています」と述べている。

Hoxton VenturesのパートナーであるHussein Kanji(フセイン・カンジ)氏は「Giraffe360の顧客は26カ国にわたり、グローバルな可能性があります。その中にはRE/MAX、CBRE、BNP Paribas Real Estateといった業界のトップブランドが含まれています」と述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Giraffe360不動産テック資金調達

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(翻訳:Kaori Koyama)

Cellwizeが3200万ドルを調達、通信事業者や提携する事業者の5Gサービス導入及び運用を後押し

モバイル業界における5Gのカバレッジマップが理論上のものとしてではなく現実的なものとして徐々に移りゆく中(消費者にとっても同様のことが言えるかもしれない)、通信事業者にとって負担の大きい移行に伴う手間とコストを軽減するサービスを提供する企業が今注目を集めている。

マルチベンダー環境の中で5Gネットワークを運用する通信事業者向けに、データを自動化・最適化するプラットフォームを構築したスタートアップ、Cellwize(セルワイズ)が3200万ドル(約34億円)の資金調達を行った。同社はこの資金を活用し、より多くの地域での事業拡大を推し進め、研究開発に投資して同社の主力製品であるCHIMEプラットフォームをさらに強化する予定だ。

この資金調達は、Cellwizeに投資を行う企業の顔ぶれと、同社の推進力の大きさにおいて注目に値する。

シリーズBラウンドはIntel Capital 、Qualcomm Ventures LLC、Verizon Ventures (Verizonの一部でありVerizon Media経由でTechCrunchを所有)、Samsung Nextが共同出資しており、また小売、金融サービス、通信などの分野で複数のブランドを所有するポルトガルのコングロマリットであるSonaeやDeutsche Telekomなど、既存の株主も参加している。

こういった後援者たちの存在がCellwize の成長を裏付けている。イスラエルに拠点を置き、ダラスとシンガポールでも事業を展開している同社によると、現在同社はVerizonやTelefonicaを含む約40の通信事業者にサービスを提供しており、16か国で300万の携帯サイト、8億人の加入者をカバーしているという。

同社は企業評価額を公開していないが、これまでに投資家から5650万ドル(約60億円)を調達している。

5Gには通信事業者、ベンダー、携帯電話メーカー、モバイルエコシステムのその他事業から多くの期待が寄せられている。無線データの高速化と効率化により、消費者やビジネスのための新サービスが生まれ、人だけでなくIoTネットワークもカバーし、収益の新たなチャンスが開かれると考えられているからだ。

健康リスクに対する懸念が取り上げられ、そのリスクのほとんどは時間の経過とともに否定されるようになったが、5Gの技術的な問題点の1つはその実装の難しさにある。

通信事業者がより近い距離により多くの機器を配置する必要があるだけでなく、無線アクセスネットワーク(RAN:デバイスが通信事業者のネットワークとどのように連結するかを制御する)でハイブリッドシステムを実行することになる可能性が高いという点や、2G、3G、4G、LTEなどのレガシーネットワークを5Gと同時に管理しなければならない上に5Gだけでも複数のベンダーと作業を行うことになるという点で、移行には非常に大きなコストと手間がかかる。

CellwizeのCHIMEプラットフォームはクラウド上でAIやその他の技術を活用し、データを最適化及び監視して新たな5Gネットワークを設定し、さらにサードパーティ開発者が統合するためのAPIも提供するオールインワンツールとして機能する。同社はこのプラットフォームを、通信事業者が5Gへの移行の際によりオープンショップ型のアプローチで運用できるようにするための橋渡し役として位置づけている。

CEOのOfir Zemer(オフィール・ゼマー)氏は次のように語っている。「従来のRAN市場では大企業が優位に立っていましたが、5Gはモバイル業界全体の運営方法を変えつつあります。これらの従来のベンダーは通常、自社の機器にプラグインするソリューションを提供し、サードパーティの接続を許可しないため、閉鎖的で限定的なエコシステムが形成されています。大手事業者にとってもまた、1つのベンダーに縛られるのは好ましくありません。技術的にもビジネス面でも、この仕組みが自社のイノベーションの阻害要因になると考えているからです」。

Cellwizeは通信事業者がマルチベンダーのエコシステムの中でRANを計画、展開、管理できるようにするオープンなプラットフォームを提供。「当社のソリューションに対する需要は非常に高く、5Gの導入が世界的に増加し続けていることから、当社の製品に対する需要は今後も拡大していくと予想されます」と同氏は言う。

ゼマー氏は以前、通信事業者がRANでデータを管理するために独自の製品を自社で構築すれば、「5Gのサポートに苦労するだろう」と述べている。

これは単なる口先だけの言葉ではない。主要な点で競合するIntelとQualcommの両社がこのラウンドに投資しているという事実は、Cellwizeが自らをモバイルアーキテクチャーにおけるスイスのような存在であると考えていることを裏付けている。また両社ともに、それぞれの通信事業者の顧客に対する優先順位を考えると、自社の技術と簡単かつ完全に統合できるサービスを価値のあるものと見ているということを示している。

Intel Capitalの副社長兼シニアMDであるDavid Flanagan(デビッド・フラナガン)氏は発表文中で次のように述べている。「過去10年間、Intelのテクノロジーは、通信業界が俊敏でスケーラブルなインフラストラクチャーとともにネットワークを変革することを可能にしてきました。複雑性の高い無線アクセスネットワークの管理が課題となっている中、Intelがサービスプロバイダーやプライベートネットワークにクラウドアーキテクチャーのメリットをもたらすため、AIベースの自動化機能を活用するCellwizeのテクノロジーの可能性に大きな期待を抱いています」。

Qualcomm Ventures Israel およびEuropeのMDでQualcomm Israel Ltd.のシニアディレクターであるMerav Weinryb(メラブ・ヴァインリーブ)氏は、「Qualcommは5G拡大の最前線に立ち、コネクティビティの新時代を切り開く強固な技術のエコシステムを構築しています。RANの自動化およびオーケストレーションのリーダーであるCellwizeは、5G展開において重要な役割を果たしています。当社はQualcomm Venturesの5Gグローバルエコシステムファンドを通じてCellwizeをサポートし、世界各地で5Gの導入を拡大、促進していきたいと考えています」と述べている。

ここが重要な点である。現在5Gの展開は非常に少なく、時折5G の展開に関する今ひとつぱっとしないレポートを読むと、現時点では現実というよりも単なるマーケティングのように感じることがある。しかし、ほぼ設立当初の2013年から同社で勤めるゼマー氏(同氏は同社の共同創設者ではなく、実際のところ創設者らは共に同社を去っている)は、実際に通信事業者らと繰り返し会議を行なっているし、同氏自身、近い将来の成功を確信している。

「今後5年以内にモバイル接続の約75%が5Gによって駆動され、26億もの5Gモバイル契約とともに世界人口の65%にサービスが提供されることになるでしょう。5Gテクノロジーは非常に大きな可能性を秘めていますが、現実にはあらゆる技術、アーキテクチャー、バンド、レイヤー、RAN/vRANプレーヤーで構成される非常に複雑な技術でもあります。当社は世界中のネットワーク事業者と協力して、RANプロセス全体を自動化することで、次世代ネットワークの展開と管理の課題を克服し、顧客への5Gの提供を成功させるための支援を行っていきます」と同氏は抱負を語る。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:5G 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

クラウドキッチンプラットフォーム「cookpy」がプレシリーズAラウンドで資金調達

クラウドキッチンプラットフォーム「cookpy」がプレシリーズAラウンドで資金調達

デリバリーメニューを提供したいレストランと既存飲食店のキッチンをつなぐクラウドキッチンプラットフォーム「cookpy」を提供するcookpyは11月18日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資として資金調達を実施したと発表した。引受先は食の未来ファンド(kemuri ventures)、コロプラネクスト、既存株主であるYJキャピタル、East Ventures。

調達した資金は、特にcookpyパートナーデリバリーブランドの開拓、cookpyクラウドキッチンのサービス・機能拡張、及び質の高いサービス提供のための人材採用に活用していく予定。

将来的には、レストランがデリバリーを起点にビジネスを初めて立ち上げる際に選ばれるプラットフォーム=飲食版のshopifyを目指し、cookpyを進化させたいという。

クラウドキッチンプラットフォーム「cookpy」がプレシリーズAラウンドで資金調達

cookpyは、デリバリーメニューを提供したいレストランと既存飲食店のキッチンを繋ぐクラウドキッチンプラットフォーム。同サービスは、デリバリー/テイクアウトに特化し、最大限に効率化されたブランドとオペレーションの提供を通じ、稼働率の低い商業キッチンスペースを副業型デリバリーハブ転換しイートイン以外の新たな収益の創出を実現するとしている。

cookpyクラウドキッチンの導入に伴う飲食店舗樣の先行投資は不要で、設備への投資や初期費用は必要ない。同社は注文ごとに収益を上げており、飲食店舗が利益を上げている時だけ利益が出る仕組みを採用。cookpyクラウドキッチン導入飲食店舗との利害が一致していることを特徴としている。クラウドキッチンプラットフォーム「cookpy」がプレシリーズAラウンドで資金調達

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、イートインの営業だけでなくキッチンを効率化してデリバリーで収益化したいというニーズが高まり、同社へのお問い合わせ数はサービスローンチした2020年5月以降で200件以上、毎月192%以上の推移で増加しているという。

特に、個店〜小・中規模のチェーン店におけるキッチン/スタッフ稼働率向上と収益化のための導入が加速しており、多くの飲食店が既存経営スタイルからの脱却と変革を迫られていることを強く実感しているとした。

また、このような背景も受け、同社はcookpyを通じて、飲食店のデリバリー/テイクアウトを起点とした「新たな収益化モデルの構築」「販売/販促チャネルのマルチチャネル化支援」「マルチチャネル化に伴うあらゆる業務のデジタル(DX)化」をさらに加速するため、資金調達を実施した。

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3Dプリンターを使ったロケット開発のRelativity Spaceが520億円調達

ロケット開発のRelativity Space(リレイティビティ・スペース)は23億ドル(約2400億円)のバリュエーションで、5億ドル(約520億円)のシリーズDラウンドを調達したとCNBCが報じた。TechCrunchもこの件に詳しい情報筋に確認した。まだペイロードを軌道に打ち上げていない企業にしては悪くない数字だ。

Relativityは、3Dプリントを使うことで打ち上げ用ロケットのコスト抑制と組み立てスピードアップを図ることを狙っている。この方法にはテストで裏付けられた多くのメリットがあり、同社は2021年の初のミッション打ち上げを目指している。

同社の直近の大型資金調達は2019年後半で、1億4000万ドル(約146億円)を調達した。この資金はロングビーチへの新本部設置と、Terran-1ロケットを仕上げるのに使われた。一連の機械や固定されたツールを使っている組み立てラインから、いくつかの巨大カスタム3Dプリンターへの変更はロケット建造プロセスを簡素化し、新たな能力を可能にした。

例えばRelativityは最近、ペイロードに極低温システムを含むために特別の配慮を要するNASA(米航空宇宙局)とLockheed(ロッキード)のミッションという、同社にとって初となる政府との大きな契約を獲得している。1年あるいはそれ以上前に固定されるハードウェアを必要とする通常の建設プロセスと異なり、この特別ミッションミッションの場合は打ち上げの数カ月前まで見直したりテストしたりされる。

5億ドルのラウンドはおそらく、本格的なオペレーション、人員の確保、材料、輸送、保険、その他大きなミッションに必要なものに使われる。Terran-1はまだ打ち上げられていない。しかし予想コストとケイデンスはTerran-1をかなり魅力的な選択肢に仕立てている。Terran-1はRocket Lab(ロケット・ラボ)のElectronより大きく、SpaceX(スペースX)のFalcon 9 より小さい。そして重量当たりの費用対効果はこの2つよりも優れている。

いずれにしろ、RelativityがTerran-1を工場から打ち上げパッドに持ってくる来年にすべてはかかっている。初の軌道試験飛行は2021年後半に予定されている。

CNBCのMichael Sheetz(マイケル・シーツ)氏は、がTiger Global Managementがラウンドをリードし、Fidelityや既存投資家が参加したと報じた。

カテゴリー:宇宙
タグ:Relativity Space資金調達

画像クレジット:Relativity Space

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(翻訳:Mizoguchi

業務用電話システムをアプリへと統合するOpenPhoneが14.6億円を調達

コミュニケーションツールは急速に進化していて、私たちは、個人生活のためのあらゆるソーシャルメディアを手にしている。Slack(スラック)は同僚とのチャットに使えるし、Discord(ディスコード)はゲームその他のコミュニケーション用だ。もし誰かと(ほぼ)目を合わせたければ、Zoom(ズーム)やFaceTime(フェイスタイム)がある。

しかし業務用電話機は、ほとんど過去の状態に留まったままだ。OpenPhone(オープンフォン)がそれを変えようとしている。

米国時間11月17日、1400万ドル(約14億6000万円)のシリーズAラウンドを発表した同社は、私たちが日々使用しているものと同じ、最新のコミュニケーション機能を業務用電話機にもたらそうとしている。今回のラウンドは、Craft VenturesのDavid Sacks(デビッド・サックス)氏が主導し、Slow Ventures、Kindred Ventures、Y Combinator、Garage Capital、 Chapter One Venturesが参加した。

OpenPhoneを使用することで、従業員たちは自分自身のスマートフォンやコンピューターから、電話をかけたり、SMSを送ったり、ビジネスコンタクトの相手に関する共有情報を追加することができるようになる。さらに、このアプリを使うことで、組織はプラットフォームを横断する共同作業を行うことができる。例えば会社または部門は、単一の共有電話番号と個別の個人電話番号を持つことができる。また、組織全体で連絡先に関する情報を共有および同期することも可能だ。

資金調達の発表と同時に、OpenPhoneはHubSpot(ハブスポット)やZapier(ザピアー)との新しい統合を含むプラットフォームのいくつかの新機能もリリースしている。またアプリには国際通話、チームメイト間のグループメッセージング、検索機能、OpenPhoneの使用状況に関する分析機能も提供されている。

同社は、消費者の77%がビジネスコミュニケーションにSMSを使用し、中小企業の80%以上が仕事の通話に個人用の携帯電話を使用していると主張している。にもかかわらず、レガシーなソリューションは、メッセージング機能を持たない非常に複雑な電話機であることが多い。

とはいえ、OpenPhoneと争うように、業務用電話システムを21世紀らしいものにしようと考えている競合相手は複数存在している。例えばRingCentral(リングセントラル)とDialPad(ダイアルパッド)の2社は、業務用電話システムをクラウド化し、それぞれ4400万ドル(約45億9000万円)と2億2000万ドル(約229億2000万円)を調達した。SequoiaやA16Zなどが含まれる2社への投資家のリストは、とても印象的なものだ。

基本プランではOpenPhoneのコストは、ユーザー1人あたり月額10ドル(約1042円)だが、より複雑なユースケースではより高価なオプションが提供される。スタートアップは、ボトムアップアプローチのために組織内の個人に直接販売することも行う。

「これまでのところ最大の課題は、ノイズを減らすことです」と、共同創業者で最高経営責任者(CEO)のMahyar Raissi(マヒヤール・ライシ)氏は語った。「当社の戦略は、スタートアップ企業向けにOpenPhoneを構築することです。なぜなら彼らはやがて成長し、サービスを提供することが難しくなっていく可能性がある小さな企業だからです。もし私たちがそうした企業に対してシステムを構築することができるなら、それはほとんどのユースケースで適用できる可能性のある種類のソリューションだということを意味します」。

OpenPhoneのチームは11人の従業員で構成されている。女性メンバーは25%を超えたところで、同じ比率の非白人従業員がいる。従業員11人のうち共同創業者たちを含む4人は、第一世代の移民だ。

同社は、2020年3月のパンデミックの始まり以来、売上高は3倍になり、ローンチ以降、750万件以上の通話と1730万件以上のメッセージを扱っている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OpenPhone資金調達

画像クレジット:OpenPhone

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(翻訳:sako)

TiDBを開発するオープンソースデベロッパーPingCAPがシリーズDで約282億円を調達

NewSQLデータベースのTiDBで知られるオープンソースソフトウェア開発のPingCAPが、シリーズDで2億7000万ドル(約281億6000万円)を調達した。TiDBはHTAP(Hybrid Transactional and Analytical Processing)をサポートし、決済やeコマースサービスなど増加する大量のデータ処理が必要な急成長中の企業をターゲットにしている。

このラウンドはGGV Capital、Access Technology Ventures、Anatole Investment、Jeneration Capital、5Y Capital (以前のMorningside Venture Capital)が主導した。他にCoatue、Bertelsmann Asia Investment Fund、FutureX Capital、Kunlun Capital、Trustbridge Partnersが参加し、以前に投資していたMatrix Partners ChinaとYunqi Partnersも参加した。

今回の調達で、PingCAPのこれまでの調達金額は3億4160万ドル(約356億3000万円)になった。前回5000万ドル(約52億1500万円)を調達したシリーズCは、2018年9月に発表されていた。

PingCAPによれば、TiDBは世界中でおよそ1500社に採用されているという。採用している企業には、Square、PayPay、eコマースアプリのShopee、ビデオ共有プラットフォームのDailymotion、チケット予約プラットフォームのBookMyShowなどがある。TiDBは同一データベース内でOLTP(Online Transactional Processing、オンライントランザクション処理)とOLAP(Online Analytical Processing、オンライン分析処理)を扱い、PingCAPは他の分散データベースよりリアルタイム分析を高速に実行できるとしている。

2020年6月にPingCAPは、Amazon Web ServicesとGoogle Cloud上のフルマネージドの「TiDB as a Service」であるTiDB Cloudをリリースした(PR Newswireリリース)。同社はさらにプラットフォームを追加し、調達した資金でTiDB Cloudのグローバルでのユーザー数を増やす計画だ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:PingCAP資金調達

画像クレジット: Photographer is my life. / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

契約書レビューAIクラウド「り~が~るチェック」展開のリセが2億1570万円調達

契約書レビューAIのクラウドサービス「り~が~るチェック」を展開するリセ(Lisse)は11月17日、第三者割当増資による2億1570万円の資金調達を発表した。引受先はミロク情報サービスおよび個人投資家など。調達した資金は、中堅・中小企業に対するアプローチ、人材採用などの加速に利用する。

また、ミロク情報サービスとの業務提携のもと、中堅・中小企業に法務部門におけるDXを推進し、より高度な業務効率化、生産性向上の実現を目指す。契約書レビューAIクラウド「り~が~るチェック」のリセが2億1570万円調達

リセは、藤田美樹 代表取締役社長が「弁護士時代に見た、まじめな中小企業が搾取される事例」「アメリカ留学で知った、法分野のテクノロジー格差」から、2018年6月に設立。スタートアップや中小企業に多い、少人数法務を支援する契約書AIレビューのクラウドサービス「り~が~るチェック」を展開している。

リセによると、弁護士に契約書を1通レビューしてもらうには、短い定型的なものであっても平均3万円ほど、英文契約書においては10万円以上はかかるのが一般的で、中堅中小企業にとっては手が出しにくいという。り~が~るチェックにおいては、契約書の作成からレビュー、翻訳、管理やノウハウ共有までを実現するサービスとして、月額2万円(翻訳機能や英文レビュー機能を含める場合は月3万円)という価格帯で提供している。

また同社は、ビジネスへの潜在的な影響が計り知れないコロナ禍、テレワーク定着によって法務ノウハウの蓄積や共有も難しくなっている状況において、法務体制をより多くの企業に届ける必要があると指摘。契約書レビューAIクラウド「り~が~るチェック」のリセが2億1570万円調達

テレワーク導入による契約書の電子化に合わせて、オフィスを離れても経験の浅い人など誰もが契約書レビューができる環境、そして契約破棄に対する検討や交渉案件の決裂防止などにより企業法務からのニーズが急増しているという。り~が~るチェックにおいては、特に5月半ばから問い合わせ件数が増加し続け、コロナ前と比較すると月3倍以上と勢いを増しているとした。

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カテゴリー: リーガルテック
タグ: リセ資金調達(用語)日本(国・地域)

ボイスチャット特化のバーチャルオフィス「roundz」を提供するラウンズが5000万円調達

ボイスチャット特化のバーチャルオフィス「roundz」を提供するラウンズが5000万円調達

テレワーク用バーチャルオフィスツール「roundz」(ラウンズ)を提供するラウンズは11月17日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として総額5000万円の資金調達を実施した。引受先はXTech Ventures、KVP、日本スタートアップ支援1号ファンド。調達した資金は、roundzのサービス強化のための機能開発、人材採用などにあてる予定。

roundzは、2019年10月のサービス開始以来急速に導入企業数が伸長しており、有料版解約数0社となっているという。今回の資金調達により、roundzのさらなる機能拡充を図りバーチャルオフィスソフトウェアの国内シェアNo.1を目指す。ボイスチャット特化のバーチャルオフィス「roundz」を提供するラウンズが5000万円調達

roundzはリアルタイムで同僚とつながり、キーボードのキーを押すだけですぐに話せる(音声で会話できる)環境を構築する声のバーチャルオフィス。テレワークでは「ちょっとした会話」が困難となり、これが蓄積されることでプロジェクトが遅延したり信頼関係に亀裂が生じてしまうことが課題となっているという。

​また、離れた場所にいる相手に「話しかけること」は意識している以上に心理的なハードルが高いため、roundzでは「話しかけることのハードルを下げる」様々な機能を搭載した。

音声主体の類似機能を持つツールとしては ゲーマー向けボイスチャット「Discord」があるが、roundzはテレワーク利用に特化している点が特徴としている。

例えば、あえてカメラを利用せずプライバシーに配慮したり、カレンダーの予定から相手のステータスを自動で表示することで、安心して話しかけられる環境を構築。さらに、発信というひと手間のない軽快なボイスチャット機能によってチームでの会話を促進する。また、ワンクリックで画面とマウスの共有可能な画面共有機能を開始でき、任意の画面を相手に見せながら、「ここ」「そこ」と指示語で会話できる。ボイスチャット特化のバーチャルオフィス「roundz」を提供するラウンズが5000万円調達

roundzは、テキストチャットよりも伝わりやすく、ビデオ会議よりも気軽で素早いコミュニケーションを実現し、テレワークにおけるコミュニケーションストレスを解決するとしている。

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タグ: ラウンズ資金調達(用語)日本(国・地域)

AIベースのオートバイ用安全システムのイスラエルRide Visionが約7.3億円を調達

AIでオートバイの衝突を予防する安全システムを開発するイスラエルのスタートアップであるRide Vision(ライド・ビジョン)は、米国時間11月16日、クラウドソーシングプラットフォームのOurCrowd(アワークラウド)が主導するシリーズA投資700万ドル(約7億3000万円)の調達を発表した。2018年に同社への250万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを主導した本来はサイバーセキュリティー系スタートアップの支援を専門とするYL Ventures、Mobilion VC、オートバイ用のミラーのメーカーMetagalも参加した。

この新規投資ラウンドの他に、Ride Visionは、オートバイ用部品メーカーContinental(コンティネンタル)との新しい提携も本日発表している。

「オートバイを愛するものとして、私たちRide Visionは、海外ローンチへの期待とContinentalとの提携に胸を踊らせています」と、Ride VisionのCEOで共同創設者のUri Lavi(ユリ・ラビ)氏は本日の発表の中で述た。「これは、高い安全性によりライディングを楽しむライダーに力を与えるという私たちの夢に大きく近づく、歴史的瞬間となります」。

基本的な考え方は極めて単純で、自動車の死角モニターシステムと共通するものでもある。Ride VisionのシステムRide Vision1(ライド・ビジョン・ワン)は、コンピュータービジョンを使い、ライダーの周囲の交通をリアルタイムで分析する。前方衝突警報や死角モニターに加え、他のオートバイや車両との車間距離が縮まり過ぎたときにも知らせてくれる機能もある。さらに、ドライブレコーダーや、重大事故の際にライダーに変わって緊急通報する装置も備わる。

同社が主張するとおり、パンデミックの影響でオートバイの数が増えた(自走式の二輪車も含む)。公共交通機関の利用を避け、それに代わる比較的安価に手に入りやすい移動手段が求められた結果だ。ヨーロッパでは、パンデミックの間に二輪車の売り上げが30%増加した。

オートバイに装着されるハードウェアも、とても簡単なものだ。2基の広角カメラ(フロントとリアに1基ずつ)と、ミラーの警告表示灯、そしてメインのコンピューターユニットで構成される。Ride Visionはマンマシン警報インターフェイスと視覚アルゴリズムの特許を取得している。

オートバイ用の視覚モニターソリューションは、 Innovv(イノブ)やSenzar(センザー)など、すでに何種類か市販されていることは指摘しておくべきだろう。同様の技術でホンダも特許(Jalopnik記事)を取得している。だがこれらのシステムでは、Ride Visionが目指す360度の視野は得られない。

Ride Visionは、2021年の早い時期にイタリア、ドイツ、オーストリア、スペイン、フランス、ギリシャ、イスラエル、英国で販売を開始すると話している。米国、ブラジル、カナダ、オーストラリア、日本、インド、中国などその他の国々では、その後に発売される予定だ。

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カテゴリー:モビリティ
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画像クレジット:Ride Vision

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(翻訳:金井哲夫)

英国のMarshmallowが評価額3億1000万ドルで3000万ドルを調達、より「包括的な」自動車保険を目指す

特定の顧客に提供するサービスの種類や価格設定を導くのにアルゴリズムを始めとする計算手法を用いることに関して、保険業界は最も古い活用歴を持つ業界の1つである。しかし、その伝統的なポジションの水面下には、そうした手法による測定の中に改善の余地があるという事実が存在する。プロファイルに適合しない顧客に競争力のある価格を提供できていないからだ。

英国のスタートアップMarshmallowは、リスクを判断する新しいアプローチでこれらのレガシー保険会社大手に挑戦することを展望し、3000万ドル(約31億円)の資金調達ラウンドを発表した。自動車保険からスタートした同社は、より幅広いアナリティクスとシンプルなモバイルやウェブネイティブのインターフェースを活用して、十分なサービスを受けていない市場セグメントをターゲットに展開している。今回調達したシリーズA資金を用いてダイバーシティとインクルージョン(多様性と包括性)を重視した事業拡大を継続し、今後18ヶ月のうちに、より広範な種類の保険を対象国を拡大してローンチする計画だ。

同社は今回のラウンドで3億1000万ドル(約321億円)の評価を得たとみられているが、現時点では市場浸透と成長という観点から顧客数を明らかにしていない。保険業界は巨大産業であり、McKinsey(マッキンゼー)の推計によると、2017年の保険料は全世界で4兆ユーロ(約49兆円)以上であった。一方Allianz(アリアンツ)は最近の報告書の中で、COVID-19による経済不安の結果、市場は今年「冷え込んだ」が、それはまた、新技術と新たなアプローチの傾向を加速させていると指摘した。それに加えて、全体的に巨大な市場のわずかなシェアでも大きな収益につながるという事実は、Marshmallowが注目すべき挑戦者であることを意味する。

同社は今回のラウンドの参加者の名前を明らかにしていないが、著名なフィンテック支援者と、大手金融機関の1つが名を連ねているようだ。PitchBookによると、Outrun Venturesのほか、匿名の投資家がこのラウンドに参加している。以前の支援者はPassion CapitalとInvestecだった。

Marshmallowは2018年、外国人居住者をターゲットにした製品を携えて登場した。英国の保険会社は通常、保険料を決定する際に被保険者の英国での実績を評価するが、それはつまり、海外から英国に移住した成人の場合、履歴は良くとも悪くとも関係しないということだ。同社はそのロジックに着目した。Marshmallowの解決策は、国のデータだけでなく、グローバルなデータを組み込んだ評価アルゴリズムを構築することだった。

同社の共同創設者兼CEOであるOliver Kent-Braham(オリバー・ケントブラハム)氏は当時、TechCrunchに次のように語っている。「自動車保険では概して、人の運転能力、運転歴、現在のライフスタイルを捕捉したうえで保険会社が適正価格を提示する必要があります。残念なことに多くの保険会社は、英国に住む外国人ドライバーを適正に評価することなく彼らに過剰請求しています。英国を拠点とする外国人ドライバーは、市場平均より51%高い提示価格が見込まれています」。

現在ではより幅広い年齢層の、英国で一貫した記録を持たない人たちにもその範囲が広がっている。

「引き続き外国人居住者を対象とした自動車保険を提供していますが、現在当社は21歳から50歳までの人を対象にした保険サービスも手掛けています。これは、住所や信用履歴が断片的で、あまり裕福ではなく信用スコアが低い人たちに対して魅力的な価格と経験を提供することに焦点を当てたものです」と同氏は近況をTechCrunchに語る。「これらの顧客グループはいずれも、従来の保険業界からより高い料金を請求されています」。

ケントブラハム氏自身、規範から外れていることについての意識が高いかもしれない。同氏は双子の兄弟Alexander(アレクサンダー)氏と共同でこの会社を設立したが、両氏は黒人である。アメリカでは黒人の創設者は1%未満であると推定されており、ヨーロッパでも同様に有色人種の創設者の数字は低いものとなっている。なお、David Goate(デビッド・ゴート)氏は3番目の共同創設者である。

実際、Marshmallowの台頭は、少数派の創設者のストーリーとしても、十分なサービスを受けていない社会のセグメントにサービスを提供するという同社のフォーカスにしても、時宜を得たものである。

今年のテック業界の大きな焦点の1つは、ダイバーシティとインクルージョンをより積極的に業界に組み込む方法に関するものだった。米国で黒人が警察に殺害された事件が多発し、社会不安の波が押し寄せたことをきっかけに、経済的、社会的格差にどう対処するのが最善かという問題意識が世界中で高まっている。

テクノロジーの世界では、関係する企業の構成に多様性を持たせることが、より幅広いオーディエンスとニーズに対応するために重要であることが長い間認識されてきた。その意味では、2人の黒人男性が率いる保険スタートアップが、より幅広いユーザーグループのための製品を特定し、構築しようとしていることは驚くことではないだろう。

「当社には、従来の保険会社を悩ませている顧客に保険を提供するためのツールがあります」とアレクサンダー氏は声明で述べている。創業者の1人で現在は会長を務めるTim Holliday(ティム・ホリデイ)氏は、保険業界で長い実績を有する人物だ。既存企業が市場に残したギャップをスタートアップが特定するために同氏は不可欠な存在となっており、Marshmallowは自身の新しいテクノロジーを用いてそれに取り組んでいる。

COVID-19のパンデミックと世界中に広がる不確実性を背景に、前年度はインシュアテックに大きな注目が集まった。

現在の時価総額が28億ドル(約2900億円)を超えるLemonadeの上場に加えて、Hippoの評価額は大幅に上昇し、ターゲット層の選択やモデル化の手法という観点で保険モデルを再考する企業の増加も顕著になってきている。BIMAとWaterdropはそれぞれ、新興市場向けのマイクロ保険と、クラウドファンディング保険サービスのアイデアに注目している。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:イギリス 保険 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

医療・産業分野でAIソリューション開発を手がけるHACARUSが累計13億円のシリーズB調達

医療・産業分野でAIソリューション開発を手がけるHACARUSが累計13億円のシリーズB調達

医療分野・産業分野でのAIソリューション開発を手がけるHACARUS(ハカルス)は11月16日、第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先は、既存株主の大原薬品工業、みやこキャピタル、中信ベンチャーキャピタル、またMTG Ventures、りそなキャピタル6号投資事業組合、PARKINSON Laboratories。京都銀行、日本政策金融公庫からの融資も実施している。今回の資金調達は、2020年4月に実施したシリーズBと同じラウンドで、これにより累積資金調達額は約13億円となった。

調達した資金は、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)および創薬支援のR&D強化、大手企業との共同事業を推進するビジネス開発・コンサルタント人材の採用、日本国内向けに開発されたAIソリューションの欧州、北米、東南アジア地域での展開に用いる。

情報科学を用いた材料開発の手法MIでは、近年、AIの適用が進んでいるものの、AIや提示した新材料の有効性確認には実験が必要であり、ひとつの実験には数ヵ月かかる。このため、いかに少ない実験で最適な新材料に辿り着けるかが課題となっているという。

HACARUSが注力するスパースモデリングは、この課題に対する解決策を提供。ヒトが持つ経験・勘とスパースモデリングを組み合わせることで、短時間で最適な新材料に辿り着くための手法の研究開発に取り組んでいる。医療・産業分野でAIソリューション開発を手がけるHACARUSが累計13億円のシリーズB調達

MIおよび創薬支援のR&D強化

創薬分野においても、MIと同様AIが提示した化合物の有効性・毒性の確認には実験が必要であり、ヒトでの治験を含めると数年単位の時間がかかり、いかに少ない実験で最適な化合物に辿り着けるかが課題となっている。

さらに近年では、ゲノム創薬と呼ばれる、ゲノム情報と患者の反応性情報から、副作用の少ない薬の開発する手法が注目を集めている。また既存の化合物から、様々なデータベースを網羅的に探索することでターゲット疾患の候補を導き出す手法も注目されている。HACARUSは、これら分野においても、スパースモデリングを用いた独自の創薬支援の研究開発に取り組んでいるとした。

AI導入のためのコンサルティングを強化

HACARUSは、100社超の企業・団体に対してAI技術の開発・実用化を行ってきた知見を活かし、企業へのAI導入を支援するコンサルティング業務の強化も行う。AI導入前のビジネスインパクト解析、要件定義、データ解析、アノテーション、モデル開発、アプリケーションのプロトタイプ開発など、AI導入に必要な作業をすべてワンストップで提供する。

AI導入の失敗原因の大半は、AI導入により得られるビジネスインパクトが小さすぎること(誤った課題設定)、AIに対する現実的ではない期待(誤った目標設定)が占めているという。同社はこれまで培ったAI導入の成功事例のノウハウを駆使して、企業でのAI導入を成功に導くとしている。

またAI導入後の運用に必要な人材の育成についても、サービスの強化を実施。企業において不足するデータサイエンス人材をトレーニングプログラムを通じて迅速に育成することで、企業はAIを自社で運用する人材を自社で確保できるようになり、さらに企業内での他の課題に対してAIを適用可能となる。

東京R&Dセンター

HACARUSは2020年10月、東京R&Dセンターを開設。これまでは本社機能を京都、アプリケーション・システム開発をフィリピン子会社(マニラ市内)に持たせる2拠点体制を採用していたが、これに加えてHACARUSが今後注力する分野の研究開発を東京にて実施する。

東京R&Dセンターでの活動は、論文やセミナーなどを通じて発信。国際的な視点を持ったサービス開発に取り組み、将来的に世界進出を行う足掛かりにする。

HACARUSは、AIベンチャーとして、2014年に京都で創業。同社の強みは、少量のデータからの特徴量抽出に優れ、解釈性の高いスパースモデリング技術にあるという。HACARUSでは、このスパースモデリング技術をAIに応用している。

現在、AIの主流技術となっているディープラーニングは、学習に大量のデータが必要であり、AIの意思決定の過程がブラックボックス化されてしまうという課題を抱えている。また、学習フェーズにおいて大量の計算資源が必要になることから、分析に膨大な時間がかかったり、電力の消費量が多いという課題もある。

HACARUSは、このようなディープラーニングが抱える課題を独自のAI技術によって解決。また、スパースモデリングを使うことにより幅広い業種・業態のAIに関連する課題解決を実現しており、これまで100社を超える企業・団体に対してAI技術の開発や実用化に取り組んできたという。今後も、AI技術基盤のさらなる強化と既存サービスの拡販に注力し、さらなる事業拡大を目指すとしている。

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カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: HACARUS資金調達(用語)日本(国・地域)

悪夢のようなグループのスケジュール調整を解決するUndockが1.7億円を調達

過去10年、多くのスタートアップがミーティングや電話のスケジュール調整の仕方を刷新しようと試みてきた(そして多くが失敗に終わった)。しかし我々はカレンダーに関するルネッサンスの真っ只中にいるようだ。Google(グーグル)やOutlook(アウトルック)など現在使用されているものは賢くなる一方で、Calendly(カレンドリー)のような新規参入組は急成長している。

Entrepreneurs Roundtable Acceleratorが支援するスタートアップ(未訳記事)であるUndock(アンドック)はこの業界に参入しようとしている。

Undockはこのほど160万ドル(約1億7000万円)のシードラウンドをクローズした。このラウンドにはLightship Capital、Bessemer Venture Partners、Lerer Hippeau、Alumni Ventures Group、Active Capital、Backstage CapitalのArlan Hamilton(アラン・ハミルトン)氏、PayPal / LinkedInのSarah Imbach(サラ・インバッハ)氏、その他何人かのエンジェル投資家が参加した。

現在のUndockは、グループの全員がUndockを使っているかどうかに関わらず、電子メール内でグループの互いの都合をシームレスにチェックできるChromeエクステンションだ。創業者でCEOのNash Ahmed(ナッシュ・アーメッド)氏はこれを可能にするテクノロジーについて詳細を明かすつもりはない。しかし見たところ、Undockをまだ利用していないユーザーは、グループ内の全員にとって都合のいい時間を自動で見つけるのに、一時的に自分のカレンダーを個々のミーティングリクエストにリンクすることができる。または、グループのメンバーが提案した時間を確認して、メンバーにとって都合のいい時間にマークをつけられる。

これはUndockにとってほんの始まりに過ぎない。同社は2021年第1四半期に機能フル装備のカレンダーを立ち上げる計画だ。搭載される機能にはカレンダーイベント内でのコラボ編集や、ビデオ会議埋め込みといったものがある。

アーメッド氏によると、他のサービスと差異化を図っている最も重要なポイントは、互いの都合にフォーカスし、電子メールクライアント内でそれを実行できることにある。

画像クレジット:Undock

スケジュール調整はUndockではいつでも無料で利用できるが、機能のフル利用(正式にリリースされたとき)では、ユーザー1人あたり月10ドル(約1050円)〜とさまざまな料金が設定される見込みだ。UndockはSlack(スラック)のモデルを拝借し、情報保持に対して課金するサービスとなる。

「最も困難な点は、間違いなく顧客教育です」とアーメッド氏は話し、一部のユーザーはプロダクトのシンプルさに混乱したと説明した。「オートコンプリートのようなものだと伝えました。初期のユーザーは電子メールを確認し、次に何をするのか、あるいはUndockやChromeエクステンションに戻らなけれなならないのかと尋ねるでしょう。そして当社は『いいえ、ただタイプし続けて』といわなければならないでしょう」。

黒人女性が創業したUndockのチーム数は18人だ。うち28%が女性、22%が黒人、11%がLGBTQで、経営陣のダイバーシティーはさらに豊かだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Undock資金調達

画像クレジット:Undock

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(翻訳:Mizoguchi

スタートアップ支援事業を手がけるWARCが約3億円を調達、管理部門特化型の転職サービスを強化

スタートアップ支援事業を手がけるWARCが約3億円を調達、管理部門特化型の転職サービスを強化

成長企業の管理部門のハンズオン支援、管理部門人材紹介、HR Techサービスなど提供のWARCは11月16日、第三者割当増資による総額約3億円の資金調達を発表した。引受先はマネーフォワード、STRIVE、East Ventures、個人投資家など。累計調達額は約5億円となった。また、マネーフォワードとの業務提携も明らかにした。

今回調達した資金は、管理部門特化型の転職サービス「SYNCA」の開発および成長企業支援のための体制強化に投資する予定。

WARCは「想いをカタチに出来る世の中を創る」というミッションを掲げ、管理部門のハンズオン支援を行うCo-WARC事業、M&Aアドバイザリー事業、管理部門人材紹介を行うWARC AGENT事業、管理部門特化型の転職サービス「SYNCA」などのサービスを提供。

マネーフォワードとの業務提携では、スタートアップ・ベンチャー企業支援をさらに強化するため、両社のノウハウを相互に活用した施策を予定しているという。

  • 両社のサービスを相互提供:WARCのクライアント企業に対して、IPOを目指す企業向け会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計Plus」の導入を推進。またバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」ユーザー向けに、WARCのHR techサービスの導入推進を検討
  • 管理部門業務のオペレーション構築支援:マネーフォワードのカスタマーサクセスが蓄積したクラウド導入のノウハウをWARCに共有し、クラウド導入支援プログラムを両社で構築。またWARCのクライアント企業に対して、管理部門のオペレーション設計を実施する
  • マネーフォワードシンカとWARCによるスタートアップ共同支援の実施:マネーフォワードシンカは、フィナンシャルアドバイザリーサービスやキャリア支援を提供する、マネーフォワードのグループ会社。資金調達、上場準備、M&A、税務、人材採用など、スタートアップ・ベンチャー企業が抱える課題に対して、両社の強みを掛け合わせた共同での支援を実施。また、共同でのイベントを開催

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カテゴリー: ネットサービス
タグ: WARCHR Tech資金調達(用語)日本(国・地域)

エンタメ領域のデジタル化を推進するブロックチェーン企業Gaudiyが3億円を調達

エンタメ領域のデジタル化を推進するブロックチェーン企業Gaudiy、3億円の資金調達を実施

ブロックチェーン技術を活用し、エンタメ領域のデジタル化を推進するGaudiy(ガウディ)は、シリーズAラウンドにおいて3億円の資金調達を発表した。引受先はSTRIVE。日本が誇るIPコンテンツを軸としたグローバル展開や大手企業とのソリューション共創事業の推進に注力し、事業拡大・採用強化を加速する。

Gaudiyは、「ファンと共に、時代を進める。」をミッションに、ブロックチェーン技術などの先端テクノロジーを活用し、エンタメ領域のデジタル化を推進するといったトークンエコノミー事業を展開。日本が誇るIPコンテンツから世界規模のビジネス展開を目指し、漫画やアニメ、ゲーム、スポーツ、アイドル領域を中心としたIPコンテンツのコミュニティサービス事業を展開するほか、大手企業とコミュニティ内外で利用可能なソリューションを共同開発している。

現在、週刊少年ジャンプ(集英社)やソニー・ミュージックエンタテインメント、アニプレックス、大手ゲーム会社、大手スポーツチームなど数十社の日本を代表する大手エンタメ企業と共同事業を開始。すでに複数社にてブロックチェーン技術を活用したBtoCコミュニティサービスを提供しているという。また、サービス開発だけでなく、研究機関や大学教授らと共に、先端的な技術・理論を用いて、実証実験、論文発表を行うなど、R&D事業にも注力。エンタメ領域のデジタル化を推進するブロックチェーン企業Gaudiy、3億円の資金調達を実施

現在、ひとつのIPコンテンツは、ヒットするとそのIPコンテンツを軸にさまざまな企業とゲーム化や映画化、アニメ化、宣伝コラボなどのビジネスを展開している。また多くのIPコンテンツは、コンテンツの提供先である配信サービスやチケッティング、ECなどのプラットフォームを介して顧客接点を持つ体裁を採っている。そのため、IPコンテンツ事業者には直接ユーザーとの接点がなく、ユーザー情報や決済を含むマーケティングデータが蓄積されない状況にある。

これに対してGaudiyは、ブロックチェーン技術を活用したコミュニティサービスを提供し、IPコンテンツ事業者に、直接顧客接点をもつ機会を創出。また、ブロックチェーンを活用したDID(分散型ID)などを活用し、ひとつのIPを軸にビジネスを展開する異なる企業間のサービス連携を実現する。その結果、コミュニティ内外のさまざまな接点で一貫したユーザー体験を提供できる、「IPコンテンツ中心型」の新たな顧客体験とビジネスモデルを創出する。

ファンコミュニティの内外で新しい顧客体験を提供し、ファン国家・ファン経済圏がうまれることで、IPとファンが相互に価値還元する新たな関係性を創出していくとしている。エンタメ領域のデジタル化を推進するブロックチェーン企業Gaudiy、3億円の資金調達を実施

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カテゴリー: ブロックチェーン
タグ: Gaudiy資金調達(用語)日本

BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」のユニラボが14.4億円調達、新たに受発注SaaS開始

BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」のユニラボが14.4億円調達、新たに受発注SaaS開始

BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」運営のユニラボは11月16日、シリーズBにおいて、第三者割当増資および融資により14.4億円の資金調達を実施したと発表した。これにより、2019年6月のニッセイ・キャピタル、日本政策金融公庫などからのシリーズAでの初調達を含めた累積資金調達金額は21億円となった。また、本日より新たに展開する受発注SaaS事業の新サービス「アイミツCLOUD」の事前登録を開始した。

引受先の投資家(シリーズB)は以下の通り。

  • Spiral Capital(リード投資家)
  • 日本郵政キャピタル(リード投資家)
  • モバイル・インターネットキャピタル
  • SBIインベストメント
  • 博報堂DYベンチャーズ
  • 日本ベンチャーキャピタル
  • UB Ventures
  • 三菱UFJキャピタル
  • 池森ベンチャーサポート

調達した資金は、「受発注SaaS事業」立ち上げのための人材採用強化にあてる。エンジニア、ビジネス職を中心に今後1~2年間で100名程度の正社員を採用する予定。

BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」のユニラボが14.4億円調達、新たに受発注SaaS開始

アイミツは、BtoBに特化した国内最大級の受発注プラットフォームサービス。「すべては便利のために」というミッションのもと、受発注における不便さ、企業間取引のアンマッチングを無くしていくことを目指す。

取引実績や各事業者の評判など、受発注にまつわるビッグデータに基づくマッチング精度と、あらゆるジャンルに精通したプロが、発注担当者の見積もり取得から比較検討資料作成まで煩わしい業務を代行する「コンシェルジュ」サービスが強みとしている。SaaS、マーケティング、人事総務、士業など、多ジャンル・多業種に対応しており、掲載企業数は7万社以上に上るという。

BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」のユニラボが14.4億円調達、新たに受発注SaaS開始

アイミツは、サービス開始より利用者数・掲載社数ともに順調に増加し、2020年12月期においても売上高が昨年対比170%と安定的に成長を維持。BtoBサービスの新規営業では、コロナ禍により営業先の担当者が在宅勤務を行っているためアプローチが難しいなどの課題が浮き彫りとなっており、見込み顧客獲得のため「アイミツ」への掲載希望が増加。

発注企業側では、経営の効率化やコスト削減などから利用が急増し、月額課金形式での利用を行う受注企業数は約1000社(昨年対比200%以上)となっているという。

「受発注を変革するインフラを創る」をビジョンとして掲げるユニラボでは、これら社会変化を受発注のイノベーション機会として位置付け。企業内に分散した受発注に関わる様々なデータやノウハウを一元管理することで、受発注に関わるオペレーションを限りなく減らし業務の効率化を図る「受発注SaaS事業」を立ち上げる。

カテゴリー: ネットサービス
タグ: アイミツユニラボ資金調達(用語)日本

ベネッセ出資のオンライン学習マーケットプレイスUdemyが最大105億円調達の見込み

オンライン教育は、2020年のテクノロジー業界におけるホットスポットの1つだ。人々はeラーニングツールを利用して、新型コロナウイルスのパンデミックにより閉鎖された学校、閉鎖されたオフィス、ソーシャルディスタンス、以前より増えた自宅での時間などから生じた隙間を埋めている。そしてそれが教育のスタートアップに大きな衝撃を与えた。複数の会社が成長のチャンスを生かすために資金を調達しようとしている。

その最新の動きとして、Udemy(ユーデミー)が最大1億ドル(約105億円)を調達しようとしている。同社はPython(パイソン)の学習やより良い写真の撮影方法、マインドフルネスやビジネスアナリティクスの習得に至るまで、現在65の言語で約13万のビデオベースのコースを用意するマーケットプレイスを提供している。今回のシリーズFラウンドの資金調達で、同社は最大33億2000万ドル(約3490億円)のバリュエーションがつきそうだ。

同社はデラウェア州で資金調達のための書類を提出した。Justin Byers(ジャスティン・バイヤーズ)氏とPrime Unicorn Index(プライム・ユニコーン・インデックス)のチームが最初に気づいた。ラウンドが完了したかどうか、また全額が(または実際にはそれ以上)が調達されたのかどうかははっきりしない。

回答を求められたUdemyは報道を否定しなかったが、現在のところコメントを拒否している。「当社は憶測についてコメントしないという方針です」と広報担当者は電子メールで筆者に述べた。「現時点でコメントはありませんが、何か変化があればご連絡いたします」。

資金調達はUdemyにとって強力な動きになると思われる。同社は2020年初めにシリーズEを終了したばかりだ。5000万ドル(約53億円)のラウンド(ベネッセが出資)で、ポストマネーで20億ドル(約2100億円)以上のバリュエーションとなった。

だがそれは新型コロナが実際に世界を支配する前の2月のことだった。その後、教育分野のスタートアップは今年の春からビジネスが急増した。その結果、新星を支援する良いタイミングだと見る投資家からの注目も急増した。

最近の取引をいくつか見てみよう。Udacity(ユダシティ)は先週、7500万ドル(約78億円)の負債ラウンドを発表し、ついに利益を計上したと述べた。10月にはKahoot(カフート、未訳記事)がソフトバンクから2億1500万ドル(約230億円)を調達するラウンドを発表した。そして9月、Outschool(アウトスクール)が4500万ドル(約47億円)を調達した(そして現在は利益を上げている)。Homer(ホーマー)は戦略的投資家から成る華々しいグループから5000万ドル(約53億円)を調達した(未訳記事)。Unacademy(アンアカデミー)は1億5000万ドル(約160億円)を調達し(未訳記事)、大手のByju’s(ビジュス)はSilver Lake(シルバーレイク)から5億ドル(約530億円)を獲得した

これらは大規模な取引のほんの数例にすぎない。多くの小規模な資金調達があり、新しいエドテックのスタートアップが立ち上げられており、他にも勢いの兆候(未訳記事)が見られる。ちなみにPrime Unicornによると、Duolingo(デュオリンゴ)も資金調達中だ。22億1000万ドル(約2320億円)のバリュエーションで、すべての株式が発行される場合、最大3500万ドル(約36億円)の資金調達となる。TechCrunchはこのニュースを掘り下げているところだ。

Udemyにとって直近の資金調達となった2020年初め、事業部門の社長が筆者にUdemyには5000万人の学生がアラカルト形式でコースを購入しており、また企業の顧客(Adidas、General Mills、トヨタ、Wipro、Pinterest、Lyftなど合計約5000社)はサブスクリプションモデルを使用していると語った。

同社のウェブサイトに掲載されている数字によるとビジネスユーザーは増加して現在7000人を超えており、現在までに合計4億のコースが登録されているようだ。Udemyが現在、多くの資金を使って模索している機会はここに示されているのかもしれない。

しかし、はっきりさせておくと、書類からは最新のラウンドに誰が参加したのか、また資金調達の目的が何なのかは詳述されていない。

2月のラウンド時に書いたように、その時の資金調達はUdemyと提携している日本の教育出版社であるベネッセホールディングスという戦略的投資家1社からのものだった。ベネッセのビジネスには、オンラインと対面の両方に対応する子供向けの教育コンテンツと大人向けの教育コースの開発が含まれている。同社の傘下にあるBerlitz(ベルリッツ)のようなブランド向けの開発もある。Udemyはベネッセのそうしたさまざまな取り組みのためのコンテンツ開発を支援している。

同社の他の投資家にはStripes、Naspers(現在はProsus)、Learn Capital、Insight Partners、Norwest Venture Partnersなどがいる。

Prime Unicorn Indexによると、この最新のシリーズFの条件には「通常の転換権がある他のすべての優先株式に対する均等な残余財産優先分配権、つまり、資金が残っている場合は普通株式に参加しない」が含まれるとある。また、Udemyの直近の1株当たり価格は24.13ドル(約2530円)であり、シリーズEで設定した15.57ドル(約1630円)から上昇した。

詳細がわかり次第続報する。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Udemyベネッセホールディングス資金調達

画像クレジット:DrAfter123

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(翻訳:Mizoguchi

専門家チームによる自閉症治療センターのネットワークSpringtideが18.8億円相調達

米国では子どもの54人に1人が自閉症スペクトラム障害と診断されており、そのように診断された患者の治療方法は、発病率の高さと同じぐらい深刻な問題になっている。

Jia Jia Ye(ジア・ジア・イェ)氏とヘルスケアスタートアップのスタジオRedesign Healthのチームが、新たなスタートアップSpringtide Child Developmentのための最近の資金調達ラウンドで1800万ドル(約18億8000万円)を調達できた理由も、そこにある。

これまでOneMedicalやOscarで長年ヘルスケア企業の役員を務めたイェ氏とRedesign Healthのチームは、2年前に新しいビジネスの可能性について話を交わした。そしてイェ氏によると、彼らの目に映るニーズの高さから、自閉症のケアに的を絞ることになった。

「こんなに早く決められたのは、この分野は供給と需要のアンバランスさがあまりにも明白だからだ」とイェ氏はいう。

簡単にいうとSpringtideはコンシエルジュ的な医療サービスと、Sylvan Learningのような早期保育および教育を組み合わせたビジネスモデルにより、専門家とRBT(Registered Behavioral Technician)のセラピストチームによる自閉症のケアを提供する。

できるだけ多くの人がSpringtideのサービスを利用できるために、同社は民間の保険とMedicaidの両方を受け入れる。

現在、同社のクリニックはコネチカット州に1つあり、リモートと対面の両方でサービスを提供している。計画では今回得た資金により米北東部に数カ所のクリニックを開く予定だ。

同社の施設と治療サービスをイェ氏とともに設計したTiva Pierce(ティバ・ピアース)博士は、以前Constellation Health Servicesで、学校を通じて行動と体のヘルスケアを提供していた。

直接対面のサービスを提供していた企業の多くがそうであるように、Springtideもパンデミックによるロックダウンが北東部を襲うとともにリモートでのケアに変更せざるを得なかった。

画像クレジット:Thetaree Sarmkasat iStock / Getty Images Plus

同社の料金はMedicaidでは1時間46ドル(約4820円)、一般の患者で1時間50〜60ドル(約4230〜6280円)だ。ただし家族が実際に払うのは保険の自己負担分と控除額だけだ。

このようなサービスを必要とする人がもっと多くアクセスできるためには、Medicaidを優遇することが必要だった、とイェ氏はいう。

彼女によると、すでに米国の家族は行動療法ABAセラピーに約170億ドル(約1兆7800億円)を支出している。自閉症関連の問題に対する全体的な支出は、680億ドル(約7兆2000億円)に達する。

今回、Deerfield ManagementやOptum Venturesなどから得た資金は、同社の規模と人員の拡張に充てられる。現在の社員は約30名だ。

DeerfieldのパートナーでマネージングディレクターのJulian Harris(ジュリアン・ハリス)氏は、投資家としての見方を次のように述べている。「自閉症ケアの市場は急成長しているが、統一性がなく、ばらばらで野放しだ。一貫性があって上質なケアにアクセスすべき子どもと家族にとって、これは困った状況である。Springtideは必要なものがすべて一カ所にある学際的なケア体験を提供し、ひとつのセッティングの中に何でもあるケアを求める子どもと家族に、テクノロジーによる総合的なサービスを提供できる。結果の定量化にも力を入れているので、Springtideはケアとリサーチのためのプラットホームにもなり、最終的にはこの分野の最高水準を確立するだろう」。

【更新】
Spingtideの調達額は既報では1560万ドル(約16億3000万円)となっているが、(約18億8000万円)が正しい。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:資金調達

画像クレジット:wildpixel / Getty Images under a iStock/Getty Images Plus license.

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マネ―フォワードベンチャーパートナーズのHIRAC FUNDが美容師向けシェアサロンのサロウィンに出資

マネ―フォワードベンチャーパートナーズのHIRAC FUNDが美容師向けシェアサロンのサロウィンに出資
マネーフォワードのグループ会社マネ―フォワードベンチャーパートナーズは11月13日、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」(HIRAC FUND1号投資事業有限責任組合)において、サロウィン(SALOWIN)への出資を発表した。

2019年7月設立のSALOWINは、美容師ひとりひとりが活躍・稼げる社会を目指し、売上80%を還元する美容師向けシェアサロンを提供。2019年9月の1号店オープンから、3店舗(原宿店・表参道店・池袋店)を展開しており、今後も渋谷、銀座など都心部を中心にさらに店舗の拡大を予定している。

HIRAC FUNDは、SALOWINの美容業界の商習慣を変革する強いビジョンとビジネスモデルに共感し、今回の出資を決定。今後は、資金面に加え、財務戦略、採用・組織づくり、営業、広報などさまざまな領域においてSALOWINを支援していく。

HIRAC FUNDは、テクノロジーによる社会課題解決を目指すシード・アーリーステージのスタートアップに特化したアントレプレナーファンド。ファンド総額は最大30.4億円(予定)で、国内外のシード・アーリーステージのIT/テクノロジー企業全般を投資対象としている。

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カテゴリー: シェアリングエコノミー
タグ: サロウィンHIRAC FUND美容(用語)資金調達(用語)日本

SPACE WALKERによるプレシードエクステンションラウンドの累計調達額が6億円超に到達

SPACE WALKERによるプレシードエクステンションラウンドの累計調達額が6億円超に到達

SPACE WALKER(スペースウォーカー)は11月13日、実施中のプレシードエクステンションラウンドの資金調達において、累計調達額が6億円を超えたと発表した。10月末までに新たに松本大氏(マネックスグループ 代表執行役CEO)、谷家衛氏(あすかホールディングス 取締役会長)をはじめとする個人投資家が参加している。

プレシードエクステンションラウンドにおける新たな引受先

  • 松本大氏(マネックスグループ 代表執行役CEO)
  • 谷家衛氏(あすかホールディングス 取締役会長)
  • 胡華氏(メルカリ)
  • 井門裕貴氏(VENTURE MAFIA 代表取締役)
  • 漆原茂氏(ウルシステムズ 代表取締役社長)
  • 柏野尊徳氏(Eirene University 代表理事/代表取締役)
  • 竹林史貴氏(LOB 代表取締役社長)
  • 尾藤正人氏(UUUM 元CTO)

SPACE WALKERは、「誰もが飛行機に乗るように自由に宇宙へ行き来できる未来の実現」を目指し、サブオービタルスペースプレーン(小型衛星の打ち上げ)の設計・開発、運航サービスの提供を目的に2017年12月に設立。今回プレシードエクステンションラウンドで調達した資金は、主にサブオービタルスペースプレーンの技術実証機「WIRES」(WInged REusable Sounding rocket)の設計・開発・製造および商用機の基本設計に活用する。

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カテゴリー: 宇宙
タグ: SPACE WALKER(企業)資金調達(用語)日本

データサイエンティストコミュニティ「Nishika」が8300万円を調達、特化型求人メディアも

データサイエンティストコミュニティ「Nishika」が8300万円を調達、特化型求人メディアも

データサイエンティストコミュニティ「Nishika」運営のNishikaは11月13日、第三者割当増資および金融機関からの借入による総額8300万円の資金調達を発表した。引受先はサイバーエージェント・キャピタル、G-STARTUPファンド(グロービス)、シナモンのCAIO堀田創氏など。

また、AI人材やデータサイエンティストに特化した求人メディア「Nishika Connect」の2020年10月ローンチを明らかにした。

今回の資金調達により、プロダクト開発と人材採用を進め、ユーザー体験の向上、サービス認知の向上、新規事業の開発を加速させる。

Nishika ConnectはAI人材・データサイエンティストの就職・転職に特化した求人メディア。世界的に課題となっているAI人材・データサイエンティストの人材不足を解決することを目的に、2020年10月にβ版がローンチした。データサイエンティストコミュニティ「Nishika」が8300万円を調達、特化型求人メディアも

NishikaはデータサイエンスやAIの力により企業の経営課題を解決することを目的として2019年5月に設立。2019年11月のサービスローンチ以降、累計で1600人以上のユーザーが同社コンペティションに参加しているという。ユーザーの半数以上が20代であり、30代までを含めると9割を占めるなど、若年層が中心としている。

2020年3月にはAIやデータサイエンスに関する疑問を解決するQ&Aフォーラムを実装するなど、データサイエンティストコミュニティの活性化と企業のAI活用・DXの推進に貢献している。

同社のデータサイエンスコンペティションは、数百人のデータサイエンティストがAIモデルの精度を競うという大会で、これまでのコンペ開催実績は6回。期間は2〜3ヵ月間に渡り実施されることが一般的であり、最終的に最高精度を達成した機械学習モデル(AIモデル)を開発したデータサイエンティストが優勝となり、賞金を受け取れる。コンペのホスト企業は、自社データに最適化する形で優勝者が開発した独自AIモデルを自社システムに実装することが可能になる。

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カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: Nishika資金調達(用語)日本