3Dプリンターを使ったロケット開発のRelativity Spaceが520億円調達

ロケット開発のRelativity Space(リレイティビティ・スペース)は23億ドル(約2400億円)のバリュエーションで、5億ドル(約520億円)のシリーズDラウンドを調達したとCNBCが報じた。TechCrunchもこの件に詳しい情報筋に確認した。まだペイロードを軌道に打ち上げていない企業にしては悪くない数字だ。

Relativityは、3Dプリントを使うことで打ち上げ用ロケットのコスト抑制と組み立てスピードアップを図ることを狙っている。この方法にはテストで裏付けられた多くのメリットがあり、同社は2021年の初のミッション打ち上げを目指している。

同社の直近の大型資金調達は2019年後半で、1億4000万ドル(約146億円)を調達した。この資金はロングビーチへの新本部設置と、Terran-1ロケットを仕上げるのに使われた。一連の機械や固定されたツールを使っている組み立てラインから、いくつかの巨大カスタム3Dプリンターへの変更はロケット建造プロセスを簡素化し、新たな能力を可能にした。

例えばRelativityは最近、ペイロードに極低温システムを含むために特別の配慮を要するNASA(米航空宇宙局)とLockheed(ロッキード)のミッションという、同社にとって初となる政府との大きな契約を獲得している。1年あるいはそれ以上前に固定されるハードウェアを必要とする通常の建設プロセスと異なり、この特別ミッションミッションの場合は打ち上げの数カ月前まで見直したりテストしたりされる。

5億ドルのラウンドはおそらく、本格的なオペレーション、人員の確保、材料、輸送、保険、その他大きなミッションに必要なものに使われる。Terran-1はまだ打ち上げられていない。しかし予想コストとケイデンスはTerran-1をかなり魅力的な選択肢に仕立てている。Terran-1はRocket Lab(ロケット・ラボ)のElectronより大きく、SpaceX(スペースX)のFalcon 9 より小さい。そして重量当たりの費用対効果はこの2つよりも優れている。

いずれにしろ、RelativityがTerran-1を工場から打ち上げパッドに持ってくる来年にすべてはかかっている。初の軌道試験飛行は2021年後半に予定されている。

CNBCのMichael Sheetz(マイケル・シーツ)氏は、がTiger Global Managementがラウンドをリードし、Fidelityや既存投資家が参加したと報じた。

カテゴリー:宇宙
タグ:Relativity Space資金調達

画像クレジット:Relativity Space

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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