アップルがApple Teacher Portfolioの認定、アプリ「スクールワーク」と「クラスルーム」のアップデートを発表

米国時間3月23日、Apple(アップル)は授業用アプリやApple Teacher Portfolioという教員向けの新たな認定など、教育関連のアップデートを発表した。教員はiPadとMacの基本的なスキルを習得する9つのレッスンを完了するとApple Teacherとして認定され、認定された教員は授業事例のポートフォリオを提出してApple Teacher Portfolioの認定を受けることができる。ポートフォリオを同僚と共有したり自分の成果を紹介するために使ったりすることもできる。

教員は、アップルが開設している教員向け自習プラットフォームのApple Teacher Learning CenterでApple Teacher Portfolioバッジの獲得を目指す。iPadやMacのアプリを使ってアートやビデオ、アニメーション、録音、ページレイアウト、ポッドキャスト、データトラッカー、音楽などを作るというように、教員はアップルのテクノロジーを授業にどう取り入れるかを学ぶ。アップルはサンプルのテンプレートを提供しており、教員はこれをカスタマイズしたり組み合わせたりして、iPadやMac、そしてKeynoteやGarageBand、iMovieなどのアップル製ソフトウェアを使うオリジナルのプロジェクトを作成できる。

画像クレジット:Apple

アップルはスクールワークアプリ、クラスルームアプリ、Everyone Can Createカリキュラムのアップデートも発表した。Everyone Can CreateはiMovieやClips、GarageBandなどアップルのクリエイティブツールを活用できるように以前から公開されていたカリキュラムだ。

スクールワークアプリでは、課題を書き出し、その後スクールワークやその他のプラットフォームに書き戻せるようになったため、スクールワークのプロジェクトを同僚と共有できる。またサイドバーのナビゲーションが改良され、クラスや課題、生徒のアカウントにすばやくアクセスできるようになる。

クラスルームアプリのアップデートは、リモート学習に対応するものだ。2020年、米国でロックダウンが大規模に実施されている時期に対応していれば、より有用だっただろう。このアップデートで教員はリモートの生徒をクラスルームのセッションに招待し、アプリの使い方を教え、生徒の許可を得た上で生徒の画面を見て、学習状況を把握することができるようになる。クラスルームアプリはMac Catalystを使って再構築されたため、iPadとMacで動作し、アップルのM1チップを搭載したMacでも動作する。

Everyone Can Createのカリキュラムには小規模なアップデートが多数ある。スケッチのガイドにはKeynoteのモーショングラフィックスとアニメーション、写真のガイドにはKeynoteを使ったアニメーションGIFの作成が追加された。ビデオのガイドではグリーンスクリーンなどの特殊効果を使ったショートフィルムの作成を取り上げ、音楽のガイドにはGarageBandを使ったポッドキャスティングの機能が追加されている。現在、世界で5000以上のK-12教育機関(日本では幼稚園〜高校に相当)がこのカリキュラムを利用している。

アップルは2020年にスクールワークアプリとクラスルームアプリをアップデートし、スクールワークにはクラウドを利用した課題の管理や生徒とのFaceTime通話などリモート学習に対応するアップデートもあった。しかしコロナ禍で学校がリモート学習を余儀なくされる中、Google(グーグル)は積極的にソフトウェアを提供し教員にアピールしてEdTechのライバルたちをリードした。多くの学区で低価格のChromebookが配布され、2020年に需要が急増したBloomberg Quintによれば、Google Classroomも2020年4月までにアクティブユーザーが1億人以上へと急増したという。2021年2月にグーグルは、同社のサービスを利用する生徒、教員、管理者が2020年の4000万人から1億5000万人以上に増えたと述べている

関連記事:GoogleがClassroomなどのオンライン教育ツールに50以上のアップデートを予定、「Google Workspace for Education」に再ブランド

アップルは今回の発表で同社の教育ソフトウェアプログラムの利用者数には言及していない。とはいえ、教員にポートフォリオの作成と共有を奨励すると、アップルのツールを採用するプロセスに教員がこれまで以上に直接関与することになり、このようにしてアップルは採用を推進している。

Apple Teacher Portfolioは米国時間3月23日に発表され、Apple Teacher Learning Centerで提供されている(訳者注:この日本語記事掲載時点で、日本のApple Teacher Learning Centerではまだ提供されていない)。Everyone Can CreateのガイドはApple Booksで無料でダウンロードできる。スクールワークアプリとクラスルームアプリの新バージョンは、AppleSeed for ITでベータ版が提供されている。

カテゴリー:EdTech
タグ:Apple

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

AppleとEpic Gamesの裁判の証人候補はいずれもほぼ役員リスト

AppleがゲームメーカーEpic Gamesとの裁判に向けて提出した証人リストには、まるで両社の役員リストのような顔ぶれになっている。この長期にわたる戦いは、モバイルアプリの決済にとって重要な分岐点になるかもしれない。

両者の対立は、Epic Gamesが「Fortnite(フォートナイト)」がAppleによる手数料徴収をバイパスするようデザインされたゲーム内支払いシステムを追加し、Appleがそのプロフィールをカットし、さらにApp Storeから追い出された2021年8月に始まった。

関連記事:アップルがフォートナイトを筆頭にEpic GamesのApp Storeアカウントを完全削除

Epic GamesはAppleに対して、モバイル決済に関する独占的慣行だと訴えている。一方、AppleはEpicが収益を上げるためにApp Storeの契約を破ったと主張している。

この文書は、Appleが2021年3月19日の夜遅くに提出したもので、両社のトップエグゼクティブの名が並んでいる。AppleはCEOのTim Cook(ティム・クック)氏、ソフトウェアエンジニアリング担当SVPのCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏、そしてAppleフェローのPhil Schiller(フィル・シラー)氏が、Epic GamesのほうにはTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏と副社長Mark Rein(マーク・レイン)氏、さらにMicrosoft、Facebook、NVIDIAの幹部の名前もある。

TechCrunchに提供された声明の中で、Appleは次のように述べている。

当社の上級幹部は、App Storeが過去12年間にわたって革新、世界の経済、顧客体験に与えてきた非常に好ましい影響を法廷で共有することを楽しみにしている。Epicが意図的に契約を破ったのは収益を上げるためだけだということが証明されると確信している。これによってEpicはApp Storeのセキュリティ機能を回避し、競争を減らし、消費者のプライバシーとデータセキュリティを大きなリスクにさらすことになった。

裁判は2021年5月3日に始まる予定だ。TechCrunchはEpic Gamesにコメントを求めている。

関連記事:フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleEpic GamesApp Store裁判

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フランスの競争委員会がアップルのプライバシー保護施策に対する阻止要求を却下

Apple(アップル)は、サードパーティのアプリケーションがユーザーを追跡する前にユーザーの同意を得ることを義務づけるiOSのプライバシー保護施策の導入を予定しているが、これを競争法に違反すると申し立て、阻止しようとしていたフランスの広告業界による企てを回避した。

フランスの競争委員会(FCA)は現地時間3月17日、アップルの動きを阻止するために先手を打って介入するよう求めるIAB France、MMAF、SRI、UDECAMの申し立てを拒否したと発表した。App Tracking Transparency(ATT)機能の導入が、同社による支配的地位の乱用であるとは現時点では考えていないと述べた。

しかし同委員会は「本案に基づいて」アップルの調査を継続すると述べ、同社が自社のアプリにサードパーティーの開発者よりも制限の少ないルールを適用してるのではないかという疑いについて確認するとしている。

Reuters(ロイター)によると、フランス競争委員会は同国のプライバシー監視機関であるCNILと緊密に連携し、ATTの停止要求を却下したとのこと。

CNILにコメントを求めているところだ。

アップルの広報担当者は以下のように語った。

「iOS 14で導入するApp Tracking Transparencyが、フランスのiOSユーザーの利益になると認めてくれたフランス競争委員会に感謝しています。ATTは、アプリ開発者が広告目的で他社とデータを共有したり、データブローカーとデータを共有したりする前に、ユーザーの許可を得るように義務づけることで、ユーザーに強力なプライバシー保護上の利点をもたらします。私たちは、ユーザーのデータはユーザーのものであり、そのデータがいつ、誰と共有されるかはユーザーが管理すべきであると確信しています。当社は、ユーザーのプライバシーと競争に関するこの重要な問題について、FCAとのさらなる協力を期待しています」。

アップルは2021年1月、同年の春よりiOSにATTを適用すると発表した。

関連記事:アップルのApp Tracking Transparency機能はデフォルトで有効に、早春にiOSで実装

その後、フランスのスタートアップのロビー団体であるFrance Digitale(フランス・デジタル)が、同国のプライバシー監視機関に苦情を申し立て、アップルがプライバシーに関する「偽善的」行動を取っていると非難した。

関連記事:アップルのプライバシー対策にフランスのスタートアップのロビー団体が苦情

この苦情も同様に競争上の問題を提起している。アップルは、サードパーティのアプリケーションがiOSユーザーを追跡する前に同意を得ることを義務づけるのに対し、自身のアプリケーションについてはiOSのデフォルト設定で追跡を許可するようになっているというのだ。しかしアップルは、この申し立てを「まったくの誤り」とし、ATTは「アップルを含むすべての開発者に等しく適用される」と述べた。

デフォルトで「許可しない」ようになっているiOSのATT設定は、Facebook(フェイスブック)のようなアドテクノロジー企業には非常に不評で、それらの企業は開発者のアプリの収益化に悪影響を与えると主張している。また、フェイスブックは、アップルの動きが自社の収益を著しく低下させるであろうことも認めている。

関連記事:Facebookは2021年のターゲティング広告と収入に大きな障害を予測する

一方、アップルはこれを、アドテック業界のヒステリーと間違った主張であると非難し、インターネットユーザーに忍び寄って個人情報を搾取し、利益のために人々を操ろうとする「データ産業複合体」を糾弾し続けている。

アップルが自社アプリでiOSユーザーにパーソナライズされた広告を提供できることは事実だが「パーソナライズされた広告のための限定的なファーストパーティデータの使用」と称して、ユーザーにそのオプトアウトを許可しているため、アドテック業界のデータ産業複合体よりも「高い基準」を保っていると同社は主張し、その機能が「当社を一線を画したものにしている」と強調している。

Google(グーグル)に関しても最近同じような動きがあった。2020年末に英国では、Googleが同社のChrome(クローム)ブラウザで、ユーザーがサードパーティーから追跡される方法を変更するのを阻止しようと、競争法違反の申し立てが行われた。

Googleのいわゆる「Privacy Sandbox(プライバシー・サンドボックス)」計画は、広告主からも非常に嫌われている。広告主は、Googleがユーザーを追跡する機能を廃止しながら、自らは追跡を続けることで、支配的な立場を乱用していると非難している。

関連記事:Googleはウェブのプライバシーとフィンガープリントの新たな対策を提案

同時に、アドテクノロジー業界では、ウェブユーザーの行動を追跡する代替手段を考案するためのさまざまな取り組みが行われている。これは、市場で圧倒的なシェアを占めているChromeで、近い将来サードパーティcookieのサポートが廃止されるという見通しによって加速している。

英国の競争・市場庁は1月、プライバシーサンドボックスに関する多くの苦情を受けて、Googleによる競争法違反の疑いについて調査していると発表した。

この調査は現在も続いている。

関連記事:

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Appleフランス広告iOSiOS 14プライバシー

画像クレジット:Apple (livestream)

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Appleの「マップ」が新型コロナワクチン接種場所を表示、まずは米国で

Google(グーグル)は2021年初め、人々が近くの新型コロナウイルスワクチン接種会場を見つけるようにするためGoogleマップのアップデートを発表した。そして今、Apple(アップル)も同様のことを行う。Appleデバイス所有者は米国内でワクチン接種を受けられる場所をSiriに尋ねるかAppleの「マップ」で検索して探すことができる。検索結果にはサービス提供時間や住所、電話番号、ウェブサイトへのリンクといった主要な情報が含まれる。

音声コマンドを通じて情報にアクセスするのに、ユーザーはSiriに「どこで新型コロナワクチンを接種できる?」などと聞くことができ、その後マップに誘導される。

Siriやマップ内でのワクチン情報検索に加えて、マップの「Find Nearby」メニューでも「新型コロナワクチン」というオプションが利用可能だ。

ワクチン接種のロケーションデータは、ボストンの子ども病院が主導するイニシアチブVaccineFinderを情報源としている、とAppleはいう。このデータはGoogleマップのワクチン検索にも使われている、とGoogleは述べていた。ヘルスケアプロバイダー、ラボ、他の事業所も扱っている新型コロナ検査やワクチン会場についてApple Business Registerページから情報の提供を選ぶことができる、とAppleは説明。情報を提供するとAppleが内容を認証し、周辺の新型コロナリソースを検索しているユーザーに表示する。

立ち上げに際しては、ワクチンを提供している2万カ所についての情報がAppleマップを通じて提供される。今後数週間無内にさらにワクチン提供場所の情報が追加される。

パンデミックでは、Appleは米国内外で他の新型コロナ関連健康リソースをAppleマップに統合してきた。たとえば2020年同社はオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、シンガポール、台湾、タイ、米国で新型コロナ検査場所を表示するためにAppleマップをアップデートした。また事業者ページに新型コロナモジュールを加え、新型コロナや検査場所、そして今、ワクチン接種場所についての知識をSiriに盛り込んだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleAppleマップ新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple Watchで心不全の悪化を検知できるか、トロントの研究病院グループが調査開始

トロント市にある研究病院グループUniversity Health Network(UHN)で実施している新しい研究により、ますます関心が高まっている健康分野の治療方法が変わる可能性がある。Heather Ross(ヘザー・ロス)博士が主導するこの研究では、心不全を発症した患者の健康状態が悪化する可能性をApple Watchで早期に警告できるかどうかを調査する。

この研究では、最終的に約200人の患者を対象に調査することを目指しており、すでに25歳から90歳という幅広い年齢層の参加者が多数登録している。研究では、Apple Watch Series 6とその内蔵センサーを使って、心拍数、血中酸素濃度、一般的な活動レベル、6分間歩行試験時の全体的なパフォーマンスといった信号を監視する。ロス博士率いる研究者たちは、このデータを、より正式な臨床試験から得られた測定値と比較する。この測定値は、通常の定期健診時に心不全患者の回復状況を観察するために医師が現在使用しているものだ。

ロス博士とそのチームが期待しているのは、Apple Watchのデータから見える兆候と、実証済みの医療診断および監視装置から収集された情報の相関関係を特定できることだ。Apple Watchが心不全患者の健康状態を正確に検知できることを検証できれば、Apple Watchは治療とケアの面で大きな可能性を秘めていることになる。

「米国には心不全を抱える成人がおよそ650万人います」とロス博士はインタビューの中で話した。「北米では40歳以上の5人に1人が心不全を発症します。そして心不全発症後の平均余命は2.1年ほどで、生活の質にも大きな影響が出ます」。

この統計は心不全が「蔓延しつつある疫病」であることを示しており、ロス博士がいうには、医療制度に「米国では現在1年間に約300億ドル(約3兆1877億円)」の費用がかかっているとのことだ。その大部分は、予防可能な原因によって生じる健康状態の悪化により、必要となる治療費用だ。こうした原因は、適切なタイミングで患者の行動を変えさえすれば回避できる。ロス博士によると、現在、心不全患者の治療法は「断続的」なものである。つまり患者は、3カ月から6カ月おきに通院し、診断看護師のような訓練を受けた専門家の監視下で、高額な機器を使用してさまざまなテストを受ける必要がある。

「治療法についてある程度考えてみると、私たちはそれを逆向きに捉えていました」とロス博士はいう。「私たちは、比較的自然な方法で患者を継続的に監視するにはどうすれば良いかということを考えています。継続的に監視すれば、患者が実際に入院する前に患者の状態変化を検知できます。これはApple(アップル)にとって大きなチャンスです」。

関連記事:Apple Watch Series 6ファーストインプレッション、血中酸素計測機能と新バンド・ソロループに注目

ロス博士によると、現在の推定では、処方された薬の正しい服用、症状の正確な監視、食事摂取の監視といった適切なセルフケアを含め、患者が取る対策によって入院の半数近くを完全に回避できるということだ。アップルのヘルスケア担当副社長であるSumbul Desai(サンブル・デサイ)博士は、治療の水準を高め、良好な長期の治療成績を得るための重要な要素の1つは先を見越した行動である、という見方に同意している。

「医療の世界において、多くの治療では、状態に対する事後対応に焦点が当てられていました」と同氏はインタビューの中で語っている。「自分の健康にもう少し積極的に取り組むべきだという考えは、私たちを本当に力づけますし、その考えから生まれる成果を想像するとワクワクします。私たちは、まず、こうした研究から科学の基礎を身に付けることが非常に重要だと考えていますが、その可能性に取り組むことを心から楽しみにしています」。

デサイ博士は、約4年の間、アップルのヘルスイニシアティブを率い、それ以前もキャリアの大部分を、スタンフォード大学(現在も准教授として在籍)で学術的な取り組みと臨床的な取り組みの両方に費やした。継続的な治療の価値を直接知っている同氏は「この研究は、個人の日常的な健康管理においてApple Watchが果たす役割の中に可能性が見いだされたことを示している」と述べた。

「日常生活を送っている個人のある時点の記録を得ることができるのは非常に便利です」と同氏はいう。「医師であれば、診察の際に『日常生活でお変わりありませんでしたか?』と聞くこともあるでしょう。日常のデータが手元にあり、それを会話に盛り込むことができれば、患者との関わりが非常に強くなります。私たちはこれまでにない方法でインサイトを提供できると信じており、この特定分野でさらにどんな情報が得られるかを考えると本当にワクワクします。私たちはユーザーである患者と医師の両方から、そのようなデータがどれほど価値のあるものかをすでに聞いて知っています」。

関連記事:Apple WatchでPCR検査より1週間早く新型コロナの陽性診断予測可能、マウントサイナイ医科大学発表

ロス博士とデサイ博士の両氏は、Apple Watchについて、設定と学習が簡単で、健康とフィットネス以外のさまざまな目的に適うことや、継続的な治療法における主要な要素であることに触れ、消費者が手軽に使えるデバイスとしての価値を強調している。

「私たちは、人々が自分の健康管理において、より積極的な役割を担うべきであると強く信じています。そして、Apple Watchは強力なヘルスケアツールであると自信を持って言えます。大切な人とつながったり、メッセージをチェックしたりできるデバイスで、安全をサポートしたり、もっと体を動かして健康を維持することを促したり、全般的な健康に関する重要な情報を提供したりできるからです」とデサイ氏はいう。

「Apple Watchは、デサイ博士が述べたようなすべての機能を必要とする人のための、デバイスに組み込まれた強力なヘルスケアツールです」とロス博士は付け加えた。「しかし、これは強力な診断ツールでもあります。このヘルスケアツールを正しく評価できれば、Apple Watchは無限の可能性を秘めたツールになります。このパートナーシップでは、まさにその評価を行っています」。

この研究では、前述のように200人の参加者を対象としているが、登録者数は毎日増えている。3カ月にわたり積極的なモニタリングを実施した後、患者の転帰に関連して収集されるデータを2年間継続して調査する予定である。収集されたデータはすべて完全に暗号化された形式で格納される(ロス博士は、アップルをパートナーにするもう1つの利点として、アップルのプライバシーに関する実績を挙げた)。そして登録者は参加後でも、調査の途中でいつでもやめることができる。

結果が出たとしても、それは大規模な検証プロセスの第一歩にすぎない。しかしロス博士は、心不全と治療についての基本的な考え方を変えることによって、最終的には「治療法が改善され、公平なケアを受けられるようになる」ことを期待していると述べた。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療AppleApple Watchコラム

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Dragonfly)

Appleシリコン「M1」MacでLinux直接起動を目指す「Asahi Linux」、独自ブートローダーm1n1開発

Appleシリコン「M1」MacでLinux直接起動を目指す「Asahi Linux」、独自ブートローダーm1n1開発

Kim Kulish/Corbis via Getty Images

アップル独自開発のM1チップ搭載Macは優れたパフォーマンスが開発者やユーザーから高評価を得ているものの、macOS以外のOSは公式にサポートされていません。そこでLinuxを移植して動かそうというプロジェクトの1つが「Asahi Linux」(Asahiはリンゴの品種名であるMacintoshの和名「旭」から)であり、クラウドファンディング等から資金を募って活動中です(Github)。

その主催者である個人開発者のHector Martin “marcanがブログで初めて進捗報告し、独特すぎるM1のしくみがプロジェクトをどれほど難しくしているかを説明しています。

まずAppleシリコン(M1をはじめアップル独自設計のプロセッサ)搭載Macの起動プロセスは、一般的なPCとは全く違うとのこと。どちらかというとAndroid携帯やiOS端末のような組み込みOSに近く、独自のしくみがいくつも織り込まれていると述べられています。

しかしアップルは起動プロセスを従来のインテル版Macに近づけようと色々な手段を講じており、そのために実際の動作はより複雑になっている模様です。

そのためAsahi Linuxプロジェクトは、「m1n1」なる特注ブートローダーの開発を余儀なくされました。その元になったのはニンテンドーWiiの脱獄研究の一環として作成された「mini」にあり、サードパーティ製コードを起動したり、あるいは開発用コンピュータからリアルタイムでマシンを制御できるしくみも継承されている趣旨が語られています。

そうしてm1n1を通じてアップル独自のシステムレジスタや割り込みコントローラなどハードウェアの文書化に懸命に取り組んできたとのこと。M1チップはArm64アーキテクチャではありますが、独自のシステム周りに関するドキュメントがほとんどなく、自前で分析して資料作りをすることを迫られたわけです。

興味深いのは、Appleシリコンプラットフォームに使われた技術が、どれほど古い製品に由来しているか解き明かされていることです。上記のように起動プロセスはiOS、シリアル通信に使われているUARTチップはサムスン製品、PWRficicentチップに基づくデザインはAmigaOne X1000(2010年に発売されたAmigaクローン。元々のAmigaは1985年発売)でも使われていたというぐあいです。

今後m1n1は強力な研究ツールとなるよう、機能が追加されていく予定と語られています。特に野心的な目標の1つは、その上でmacOSを起動できる非常に軽量なVM hypervisor(仮想マシンを動かすための制御プログラム)に変えて、ハードウェアへのアクセスをすべて傍受すること。これによりアップルのドライバーがどのように動作するか、1つずつ分解せずに調査できて分析が捗ると示唆されています。

このプロジェクトに先行するものとして、すでにM1 Mac上で仮想化なしに「完全に使える」CorelliumによるLinux移植もあります。が、こちらもGPUアクセラレーションは使えず、ネットワーク機能もUSB-Cドングルが必要など、まだまだ実用の域からは遠い感があります。

ほかM1 Mac向け非アップルOSとしては、Arm版Windows 10が挙げられるでしょう。仮想化アプリ上では一歩ずつ実用化に近づいている様子ですが、直接に起動できるBootCampは実現するのか、今後の展開を待ちたいところです。

(Source:Asahi Linux。via:The Register9to5MacEngadget日本版より転載)

関連記事
6.8型液晶ディスプレーも搭載、ラズパイ3対応キーボード一体型PC「DevTerm」が2021年4月発売
これからはchrootツールを使わなくてもChrome OSの上で正規にLinuxを動かせる
Microsoftが新しいIoTサービスのために独自のLinuxカーネルを作った
Apple、iOSとmacOSのARM版カーネルをオープンソース化

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Apple / アップル(企業)Apple M1(製品・サービス)Appleシリコン / Apple Silicon(製品・サービス)オープンソース / Open Source(用語)Linux(製品・サービス)

Appleが初代HomePodの販売を終了、好評のminiに注力

Appleは初代HomePodを4年間で製造中止にした。同社によると、20220年発売されたHomePod miniの生産を継続し、フォースするという。より大きなHomePodはより良い音空間を提供したが、miniは非常に好評を博しており、明らかに大きなHomePodに課せられたタスクを明らかに達成している。(特にこのサイズにしては)サウンドは非常に安定しており、Appleのアシスタント機能であるSiriを利用することもできる。

初代HomePodは、Appleが5年以上かけて開発したオーディオエンジニアリングの偉業だった。その開発のために、Appleのチームはクパチーノにある本社近くに、学術用以外では米国で最大級のものを含む12の無響室を備えた世界最高水準の開発環境を整えていた。発売前にこのセンターを訪れたが、Appleが信じられないほど複雑な一連のツイーターとウーファーを使った音空間を構築するために、特別な努力をしたことに注目している。

しかし、その上には、Appleらしいエクストラマイル・ゼリーがたっぷりとかけられています。Appleによると、最大のテストチャンバーは米国最大級のもので、パッドの上に設置され、外部から吊るされており、オーディオの純度テストを汚染するものは何もありません。これらの試験室では、スピーカーの音響特性だけでなく、小さなキャビネットにハイエクスカーションのサブウーファーを搭載した場合に生じる問題を考慮し、軽減するための工夫が施されています。さらに、電子部品(結局、中にコンピュータが搭載されている)からのハムノイズを分離し、最終的な出力に現れないようにノイズを絶縁・制御するための小さなチャンバーもあります。

2018年にレビューしてみたところ、今までに作られた中で最高の家庭用スピーカーの1つだと思った。ブーンと響くベースと内部のツイーターアッセンブリーの形状の良さ、音質に一切干渉しないように特殊な形状をした布製のカバー、壁などの障害物による音声の形を感知して、それを補うように出力を調整している点など、まさに、スピーカーには「手間を惜しまない」という言葉がぴったりだった。

当時、このスピーカーに対する主な不満は349ドル(約3万8000円)という価格で、これはホームスピーカー市場の最上位に位置し、特にホームアシスタントを内蔵した製品のものではなかった。299ドル(日本では税別3万2800円)に値下げしたことで、その点は多少緩和さたが、それでもこのクラスの価格帯では最上位に位置していた。2020年に発売されたAppleのHomePod miniは、好評を博している。TechCrunchのBrian Heaterは、99ドル(日本では税別1万800円)という価格の割には「驚くほど大きな音」が出ると述べている。

関連記事:Apple HomePod Miniレビュー、もっと早く登場していたら、小さな躯体で驚くサウンドを楽しめる

AppleはTechCrunchに対してHomePodの製造中止について声明を発表している。

HomePod miniは2020年秋の登場以来、驚異的なサウンド、インテリジェントなアシスタント、スマートホームコントロールをたった99ドルで提供し、ヒット商品になっている。我々はHomePod miniに力を入れている。オリジナルのHomePodは販売は終了するが、Apple Online Store、Apple Retail Store、Apple Authorized Resellerで在庫がある間は販売を続ける。AppleはHomePodユーザーに対して、Apple Careを通じてソフトウェアのアップデートとサービスおよびサポートを提供する。

既存のHomePodsの販売は継続されるが、Appleのウェブサイトではすでにスペースグレイの在庫がなくなっている(3月13日現在、日本ではホワイトも販売されている)。また、既存のHomePodsのサポートは継続して行われる。Appleは今後、miniに賭けているようだが、同社はリビングルームに「本当に信じられない」音を集中させるのではなく、すべての部屋を「十分に良い」音で満たしたいと考えているのかもしれない。HomePodは、マルチスピーカー構成ではあるが、ホームシアターの完全な代替品として機能するレベルには達していない。

HomePodの研究・開発の努力は、AirPodsのSpatial AudioなどにつながったAppleの高度なオーディオレンダリングシステムを通じて、ある意味で受け継がれていくだろう。私は自宅のHomePodをとても気に入っているため、まだMiniを追加していない。在庫がなくなるぎりぎりまで探してみるのもいいかもしれない。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleHomePodHomePod mini

画像クレジット:

原文へ

(文:Matthew Panzarino、翻訳:TechCrunch Japan)

アップルがインドでiPhone 12の生産を開始

Apple(アップル)は、世界第2位のスマートフォン市場での生産能力を増強するため、インドでiPhone 12の生産を始めている。同社の契約製造パートナーであるFoxconnはiPhone 12シリーズを生産するが、現在のところインドでProとPro MaxとMiniは組み立てていない。

今回の動きは、インドが世界のスマートフォンメーカーにとって大きな生産拠点として勃興してきていることを浮き彫りにしている。Samsung、Xiaomi、Oppo、Vivo、OnePlusは、インドでスマートフォンのモデルを5年以上にわたって生産しており、ここ数年で生産能力を増強している。

世界的な大企業を誘致するため、インド政府は同国内で生産する企業に税制上の優遇措置を提供しており、ここ数四半期で特典が大きくなっている

関連記事:アップルの委託企業とサムスンがインドのスマホ製造促進プログラムに申し込み

「私たちは楽観的であり、バリューチェーン全体に強力なエコシステムを構築し、グローバルなバリューチェーンと統合して、国内のエレクトロニクス製造エコシステムを強化することを楽しみにしている」とインドのIT大臣であるRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)氏は2020年に述べている。

Appleは2017年、iPhone SEを皮切りに、インドで一部のiPhoneモデルの現地組み立てを開始したが、最初の数年間、同社の契約パートナーはインドで古いiPhoneのみを現地生産していた。

関連記事:アップルがインドで最高の四半期を迎える、150万台のiPhoneを販売し市場シェアは2倍に

アナリストの推計によると、2020年にインドでオンラインストアを立ち上げ2021年に同国初の直営店を開く準備を進めているAppleは、中国への依存を減らすため、iPhone生産の7%から10%をインドに移す計画だという。ただしその数字は、大胆すぎるものと理解している。

関連記事
アップルがインドでオンラインストアをオープン
アップルが年内にインドでオンライン販売を開始、直営店は2021年オープン

Appleは2020年末、インドのバンガロール近郊にある同社の主要な製造パートナーの1つWistronの施設での暴力的な抗議活動後、インドで挫折を経験した。しかし、問題は解決したようだ。同社は2021年2月に従業員を再雇用し、まもなく工場での生産を再開すると発表している。

関連記事:アップルがインドのiPhone工場での暴動を受けサプライヤーWistronへの発注を一時停止

「Appleは、顧客に喜んでいただくために、世界最高の製品とサービスを作ることに尽力しています。インドで現地の顧客向けにiPhone 12の生産を開始できることを誇りに思います」とインドのApple広報担当者は声明で述べている。

Appleはインドのスマートフォン市場のわずか2パーセ円とを想定しているが、ここ数四半期で成長している。調査会社のCounterpointとCyberMedia Researchによると、同社はインドで2020年12月に終了した四半期に150万台以上のiPhoneを出荷し、前年同期比100%増となり、世界最大のスマートフォン市場でこれまでで最高の四半期となった。

Convergence CatalystのチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤンス・コラ)氏によると、インドで製品やサービスを低価格で提供しているいくつかの外国企業とは異なり、Appleは大金を支払う余裕のある人口のごく一部にのみ焦点を当ててきたという。数年かかったが、Appleは成長している市場の一部を切り開いたと同氏は述べている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPhoneインド

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルが5Gや未来のワイヤレス技術の研究開発のためにドイツで1300億円投資

Apple(アップル)が、ドイツにおける企業支出を増やす計画を発表した。特に、ドイツのミュンヘンに新たな施設を設立する計画が大きなものだ。European Silicon Design Center(欧州シリコンデザインセンター)いう名称のこの施設で、Appleは5Gならびに未来のワイヤレス技術に焦点を当てる予定だ。

同社によれば、ミュンヘンはすでに欧州最大のエンジニアリング拠点となっており、すでに1500人のエンジニアが働いているという。特に、Appleは独自のエンジニアチームを編成して、電源管理チップの開発に取り組んでいる。

関連記事:Appleは電力管理チップの内製を目指してドイツで設計チームを編成中

全体的に見れば、電源管理に取り組むAppleのエンジニアの半数はドイツ国内にいるのだ。そして、ドイツ国内のAppleのチームは、電源管理だけでなく他のチップ設計にも取り組むように拡大してきた。

現在、Appleは今後3年間で10億ユーロ(約1300億円)を新社屋や新しい研究開発に投資する計画だ。AppleはiPhone 12のラインナップに5Gモデムを搭載するためにQualcomm(クアルコム)と提携しているが、AppleはまたIntel(インテル)のスマートフォンモデム事業の大半を買収している。

関連記事:アップルがインテルのモバイル向けモデムチップ事業を約1000億円超で買収

Appleのチームは社内でのチップ開発に加えて、iPhone、iPad、Apple Watchなどのデバイスに、サードパーティー製のハードウェアを統合する作業も行っている。

また、Appleはこの発表を利用して、全体としてドイツ国内に多額の資金を投入していることも宣伝している。AppleはDELO(デロ)、Infineon(インフィニオン)、Varta(ファルタ)などの、ドイツの多くの部品メーカーと提携している。全体として、Appleは過去5年間で、ドイツ企業700社に対して150億ユーロ(約1兆9400億円)の支払いを行っている。

以下はミュンヘンのカールシュトラーセに建築される新しいビルの完成予想図だ。オープン予定は2022年後半となっている。

画像クレジット:Apple

カテゴリー:その他
タグ:Appleドイツ

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

アップルのプライバシー対策にフランスのスタートアップのロビー団体が苦情

Apple(アップル)は欧州でまたもやプライバシーに関する苦情に直面している。スタートアップのロビー団体であるFrance Digitale(フランスデジタル)は、EUの規則に違反している疑いについて、同国のデータ保護監視機関調査を依頼した。

Politico(ポリティコ)が報じたこの苦情は、EUのプライバシー保護活動団体「noyb」が2020年、ドイツとスペインで訴えた2つの苦情に続くものだ。

これらの苦情はすべて、(直接および間接的に)Appleの「IDFA」と呼ばれる広告主のためのモバイルデバイス識別子を標的にしている。noybはAppleがその独自の識別子(その目的は、名前が示すように、広告ターゲティングのためにデバイスの追跡を有効化すること)をデバイスに割り当てる前に、ユーザーから同意を得るべきだったと主張している。

一方、France Digitaleによる訴えは、近々行われるAppleのプライバシーポリシー変更が、競争を阻害するという懸念を提起するものだ。この変更が実施されれば、サードパーティーのアプリ開発者は、ユーザーに追跡の許可を得なければならなくなるが、それと対照的に、Appleがユーザーを追跡することができるiOSの「パーソナライズされた広告」設定は、初期状態で有効になっていることをFrance Digitaleは指摘している。

関連記事:アップルのフェデリギ氏はユーザーデータ保護強化でのアドテック業界との対決姿勢を鮮明に

初期状態では、EUの法規(GDPR、EU一般データ保護規則)で求める要件に反しているのではないかと、France Digitaleは提言しているわけだ。

France Digitaleの苦情はまた、Appleが広告ターゲティングに利用するデータアクセスのレベルについての疑問も浮かび上がらせた。Appleは、提供されているiOSユーザーのデータは「一般的なデータ(出生年、性別、場所)」だけで、完全なターゲティングデータではないと述べている。

訴状に対応する声明の中で、Appleの広報担当者は次のように述べている。

この訴状における主張は、明らかに事実に反しており、ユーザーを追跡している人たちが、自分たちの行動から目をそらし、規制当局や政策立案者を誤解させようとする粗末な企てのように思われます。

ユーザーのための透明性と規制は、当社のプライバシー哲学の基本的な柱であり、Appleを含むすべての開発者に、等しく「AppTrackingTransparency(アプリのユーザー追跡の透明性)」を適用するようにしたのはそのためです。プライバシーは我々がプラットフォーム上で販売する広告に組み込まれており、ユーザーを追跡することはありません。

パーソナライズ広告のためのデータの使用は、ファーストパーティであるAppleに限定されており、ユーザーがこれをオフにすることができるようにすることで、より高い基準を維持しています。

CNIL(フランスの「情報処理と自由に関する国家委員会」)にも、この訴えについてコメントを求めているところだ。

今回のAppleに対するIDFA関連の苦情は、プライバシー保護団体によるものではなく、スタートアップのロビー団体からのものという点で少々珍しい。

しかし、サードパーティーのトラッキングをiOSユーザーが許可する必要があるように(「許可しない」を選ぶことができるようにしたのではなく)変更したAppleの決定が、強い反発を招いていることは明らかだ(この動きは、2020年フランスでパブリッシャーのロビー団体が不公正な競争を訴える事態にもつながった)。このあまりにも微妙な意味合いを含んだ行為によって、Appleは偽善という非難を受けている。

France Digitaleに、Appleに対してプライバシーに関する苦情を訴えた理由を尋ねると、広報担当者は次のようにTechCrunchに答えた。「スタートアップはルールに基づいて事業を行っています。世界最大のハイテク企業もそうであることを我々は期待します。競争の場に公平な規制がなければ、どんなに事業を拡大しても繁栄はないと、我々は信じています」。

「我々はCNILに法の執行を求めているに過ぎません。個人情報保護の番人は、私たちスタートアップのメンバーを常に調査しています。彼らの専門知識を、もっと大きな企業にも適用させようということです」と、彼は続けた。

同グループのCNILに対する訴えが急速に注目を集めている一方で、GDPRのワンストップショップのメカニズムの下、この問題はEU内でAppleのデータ運用を監督するアイルランドのデータ保護委員会による参照が必要だ。その後、調査するかどうかについての決定が下されることになる。

だから、この問題に何らかの迅速な規制措置が取られる可能性は低い。

関連記事:Appleのティム・クック氏がアドテックは社会の破滅をもたらすと警告、同社アプリトラッカーのオプトイン機能を擁護

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleフランスGDPRデータ保護プライバシー広告

画像クレジット:Apple (livestream

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルが女性の健康調査の初期結果を発表、むくみやけいれん、吐き気が一般的

Apple(アップル)は先週、継続中の聴覚に関する調査の初期結果を発表した。ミシガン大学公衆衛生学部と共同で行なっているこの調査のデータは世界ヒアリングデーに合わせてリリースされた。そして今度は国際女性デーの翌日、同社が実施している女性の健康調査に関する結果を発表した

関連記事:Appleが「耳」の健康に関する研究結果を公開

聴覚の調査と同様、データはAppleが2019年に立ち上げたResearchアプリ経由で参加を選択した人から収集されている。これはユーザーの健康にこれまで以上に真剣に取り組もうという試みの一環であり、Apple WatchとiPhoneを通じて集められたデータが使用されている。

初期結果は、よく議論されているむくみやけいれんなどとともに、吐き気や睡眠の変化といった症状が一般的であることを示している。調査はまた、追跡された症状は広く議論されていないが、その多くが年代、人種、地理的要因にかかわらず一般的だと指摘した。この調査は部分的にはこうした類いの症状をめぐる議論を恥ずかしいものにしないためだとAppleは話す。

データは米国各地から参加した多様な年代と人種の女性1万人から収集された。データ収集の大半はまだ初期ステージにあるが、Appleとその研究パートナーのハーバード大学は、不妊や多嚢胞性卵巣症候群、閉経周辺期などを含むさまざまな健康状態と月経周期の関わりを調べようとしている。

「科学界の研究者や医師は月経周期について、そして月経周期と長期的な健康との関わり、周期の長さや特徴に影響するかもしれない環境的要因について知る必要があると考えています」とハーバード大学のShruthi Mahalingaiah(シュルティ・マハリンガイア)博士は声明で述べた。「我々はこのテーマでの大規模な基礎データセットをこの研究で構築します。これはゆくゆくは女性の健康の研究とケアにおけるさらなる発見とイノベーションにつながるでしょう」。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Apple

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが子ども向けポッドキャストのキュレーションでCommon Sense Mediaと提携

米国時間3月8日、Apple(アップル)は米国の子ども向けポッドキャストのキュレーションのためにCommon Sense Mediaと提携したことを発表した。家族で楽しむエンターテインメントとして、音声によるものがこのところ関心を集めているためであり、このような関心は、一部にはパンデミックと子どもたちの娯楽のためのスクリーンタイムを短くしたいという親たちの願望によって促されたのかもしれない。

AppleはApple.co/showsforkidsという新しいウェブサイトで、Common Sense Mediaと協力して、ポッドキャストをテーマ別、年齢別にグループ分けした。ローンチ時点でコレクションにはTinkercast、American Public Media、Gen-Z Media、Pinna、Tumble、Highlights、WNYC Studios、Rebel Girls、Nickelodeonといったクリエイターが参加している。

年齢別グループに加えて、一般的な家族向け番組を集めた「Common Sense Media Picks」、ステリアスな物語やアクション満載のドラマを中心の「One More!」、子供たち自身が選んだ番組を紹介する「Kids Know Best」、物語を中心としたショー「Story Time」という4つのテーマ別コレクションも用意されている。

画像クレジット:Apple Podcasts(スクリーンショット)

このサイトは毎月アップデートされて新番組や人気番組が入れ替わり、また、Women’s History MonthやBack to School(新学期)などのテーマの歴史や文化にちなんだ時事的なコレクションも紹介される。

番組の選択基準はCommon Sense Mediaがテレビ番組や映画、書籍、アプリ、ゲームなどにも適用している調査に基づいたものとなる。今回のローンチは、Appleが最近デビューした「Apple for Kids」に次ぐもので、Apple for Kidsは親がFamily Sharingオプションに従って家族のニーズに配慮し、デバイスを子ども向けにセッティングすることをサポートする。

子どもがApple製品を使う時間は長くても、子ども向けポッドキャストの市場はまだ小さい。Appleのポッドキャスト上位100の中に、子ども向けのものはない。しかし専門家によると、今後大人向けポッドキャストの成長にともなって子ども市場も成長する可能性があるという。また、最近のMorning Consultの報道によると、新型コロナウイルスのパンデミックで、家での子どもたちのエンターテインメントに親が気を遣うようになり、オーディオコンテンツへの新しい関心が高まっているという。

その例として、NPRの「Wow in the World」は、パンデミック前に比べてダウンロード数が94%増加した。またNPR’s 2020 Spoken Word Audio Reportによると、現在、米国の大人の15%が、子ども向けの音声コンテンツを聴いている。つまり、親が子どもと一緒にポッドキャストを聴いているのだ。また、子ども向けポッドキャストの普及に努める非営利団体Kids Listenの調査では、ポッドキャストを聴く子どもたちの89%が8歳以下だとMorning Consultは報じている

The Informationの2020年の報道では、Appleは2021年にSpotifyへ対抗するための新しい会員制ポッドキャストを検討しているという。この報道の数週間後にAppleはポッドキャストへの関心をさらに強めたようで、新たな連載編集記事Apple Podcasts Spotlightを立ち上げて興味深い番組制作者の紹介を開始した。

関連記事:アップルが新進気鋭のポッドキャスト製作者に光を当てる「Apple Podcasts Spotlight」発表

このように子ども番組に力を入れることは、おそらくAppleの今後の野心を表している。なぜならポッドキャストを聴いている親の64%が、有料の子ども向けポッドキャストの会員になるというからだ。

新しいシリーズは、米国のApple Podcastsで配信されている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Appleポッドキャスト

画像クレジット:

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルがiPhone、iPad、Mac、Watchの重要なセキュリティパッチをリリース、すべてのユーザーに推奨

AppleはiPhone、iPad、Mac、Apple Watch向けの一連のセキュリティアップデートをリリースした。新機能はないが、これらはインストールすべきアップデートだ。

セキュリティ修正の一環として、iPhoneとiPadはiOSとiPadOS 14.4.1に、watchOSは7.3.2に、macOS Big Surは11.2.3にアップデートされる。旧バージョンのmacOSでは、最新バージョンのSafariをインストールして、バージョンを14.0.3に上げることができる。

Appleによると、これらは「重要」なセキュリティアップデートであり、「すべてのユーザーに推奨」だという。

これらのパッチはすべて、AppleのウェブブラウザーSafariのエンジンであるWebKitのメモリ破壊バグという脆弱性を修正する。

このバグは、この脆弱性を悪用するコードを含む悪意あるウェブページにアクセスすることで発生する。一度悪用されると、攻撃者は影響を受けたAppleデバイス上で悪意のあるコードを実行することができる。

このバグはGoogle(グーグル)とMicrosoft(マイクロソフト)から報告されているが、最近のセキュリティ上の欠陥とは異なり、悪意のあるハッカーが積極的に悪用しているとは考えられていない。

2021年2月に、AppleはiOS 14.4を公開し、「積極的に悪用」されていた3つのWebKitの脆弱性を修正した。これらの脆弱性は、基盤となるiPhoneソフトウェアに侵入するために連鎖していた。

まだアップデートしていない場合は、今すぐアップデートして欲しい。

関連記事:AppleがiOS 14.4を公開、ハッカーが悪用した3カ所の脆弱性を修正

カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSアップデート

画像クレジット:Jack Carter/Unsplash

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

iMac Proが販売終了

これは必然のことだと思って欲しい。「iMac Pro」はまもなくラインナップからなくなる。9to5Macが最初に報じているが、TechCrunchがAppleに確認したところ、現在の在庫がなくなり次第、このオールインワンの販売を終了すると同社は認めた。

Appleのサイトでは、1つのデスクトップの構成がまだ販売されており「While Supplies Last(在庫がなくなり次第終了します。)」と記載されており、価格は5000ドル(日本では税別55万8800円)となっている。サードパーティーの小売店で販売されているものもある。

この人気システムのスペースグレイモデルは、待望のMac Proの刷新に先駆けて2017年に発表された。当時Matthew氏はこれを「開発者へのラブレター」と呼んでいたが、この手紙はもう終わりを迎えるようだ。

それ以来、Appleは標準的なiMacを刷新し、同じユーザーに向けて27インチモデルに焦点を当ててきた。同社によると、本モデルは現在、プロのユーザーの間で最も人気のあるiMacだという。iMacのシステムは基本的にiMac Proのほとんどを冗長化したもので、そのの終わりを予感させるものとなっている。もちろん、Appleが提供する製品には、ハイエンドに位置する新しいMac Proもある。

そして、Appleシリコンを搭載したiMacも間もなく登場するはずだということも忘れてはならない。これまでのところ、AppleはMacBook、MacBook Air、Mac Miniを独自のチップで刷新してきた。21.5インチと27インチのデスクトップの新バージョンが2021年後半に登場すると噂されている。

【Japan編集部】現在、日本のApple Storeでも「在庫がなくなり次第終了します」と注記された3.0GHz 10コアIntel Xeon Wプロセッサ搭載モデルが発売されている。

関連記事:M1搭載MacBook Airレビュー、新しい扉を開けたAirは多くの人におすすめできるAppleシリコンMac

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiMac

画像クレジット:Veanne Cao

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがiOS 14.5で「デフォルト」の音楽サービスは設定できないと明言

Apple(アップル)は、iOS 14.5 betaが一部で言われているようなデフォルトのミュージックサービスを選ぶことを許しているわけではないことを明言した。2021年2月にこのベータ版が公開されて以来、Siriに音楽の再生を依頼した時、どのミュージックサービスを使うかをSiriが尋ねることに多くのベータテスターが気づいた。しかしAppleは、この機能を「デフォルトの設定」とは考えていない。メールとブラウザーのアプリについては最近デフォルトの選択ができるようになった。

実際には、学習機能のあるSiriが、ユーザーの音楽を聞く習慣をより深く理解するためだという。

例えばSiriに楽曲やアルバムやアーティストを演奏するよう依頼すると、Siriはこの種のコンテンツを聴くのにどのサービスを使いたいかを尋ねる。しかし、ユーザーのSiriに対する返答によってそのサービスが「デフォルト」になるわけではない、とAppleは言っている。事実、Siriは後で同じ質問をすることがある。自分の好みがすでに設定されていると思っていたユーザーにとっては混乱を招く要求だ。

画像クレジット:iOS 14.5のスクリーンショット

さらにAppleは、iOSの設定の中にはメールやブラウザーのような「デフォルト」のミュージックサービスを指定する部分がないことも指摘した。これまでにも多くの報道がこの違いを記載していたが、それでもこの機能を「デフォルトの設定」と書いており、それは厳密には誤りである。

もう少し具体的にいうと、これはユーザーが異なるタイプのオーディオコンテンツ(音楽に限らない)を利用する際に使いたいアプリをSiriが学習するのを手助けする仕組みだ。音楽を聴くときにSpotify(スポティファイ)を使う人でも、ポッドキャストはApple Podcastsやサードパーティーのポッドキャストアプリを使いたいかもしれない。さらにオーディオブックはまた別のアプリで聴きたいかもしれない。

このようなオーディオに関するリクエストにどのサービスを使いたいかをユーザーに尋ねる時、Siriはインストールされているオーディオアプリのリストを提示してそこから選ばせる。

画像クレジット:iOS 14.5のスクリーンショット

Siriがユーザーの習慣を(ユーザーの返答や選択に基づいて)理解することに加えて、アプリ開発者は自分のアプリでユーザーが何をなぜ聴いているかについての情報を、APIを通じてSiriに伝えることができる。これによってSiriはユーザーのリクエストに対してより正確に答えることができる。なお、一連の処理はすべてデバイス上で行われる。

このオーディオ選択機能は、普段の好みとは違う特定のサービスを使うようユーザーがリクエストすることを妨げるものではもちろんない。

たとえばユーザーは「スムーズジャズのラジオをPandora(パンドラ)で流して」と言って希望のアプリを使うことができる。ただし、もしその後も音楽のリクエストにPandoraの名前を出し続けると、Siriが最初に尋ねた時にApple MusicやSpotifyなどのサービスを指定していた場合でも、次にサービスを指定せずに音楽再生をリクエストすると、Siriは再度サービスを選ぶようにと尋ねることがある。

画像クレジット:iOS 14.5のスクリーンショット

この明確化は些細なことのように思えるかもしれないが、App Storeとアプリエコシステムを巡ってこのところAppleに向けられている規制当局の監視を踏まえると、大きな意味を持っている。中でもSpotifyは、Appleが反競争的な行動をとっていると告発しており、たとえばAppleが競合する音楽サービスを運営していながらSpotifyのアプリ内購入に手数料を要求しているのは不当な先行者利益だと指摘している。

このオーディオ選択機能が最初登場したのはiOS 14.5 beta 1だったが、beta 2で削除された。それがbeta 3で復活して注目を集め見出しを賑わせ、さらにAppleの反応を呼び起こした。

厳密には「デフォルト」の設定を可能にするものではないとしても、Siriのこの新機能は、一貫したリスニング傾向を持つユーザーにとって、いずれは同じ意味になるかもしれない。こうしてiPhoneは、使いたくないときにはApple自身のアプリを使うことを強制されることなく、あなたの聴きたいものをどうやってプレイするかについてさらに賢くなっていくだろう。

関連記事:アップルがiOS、iPad OSでデフォルトのメールやブラウザアプリの変更を許可

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSSiri音楽

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

2021年にSpotifyのポッドキャストリスナー数がアップルを上回るとの予測

Spotifyはポッドキャスティングに多額の資金を投入し、投資家たちは有料サブスクリプション利用者が増え収益が改善してその資金投入に見合う結果が出ることを待っている。しかし結果を出す前に、Spotifyは同社のアプリでポッドキャストを聴く人をもっと増やさなくてはならない。その面で同社には勢いがある。新しい市場予測によると、2021年にSpotifyでポッドキャストを聴く米国のリスナーは1カ月2820万人以上、Appleのポッドキャストリスナーは2800万人となり、SpotifyがAppleを初めて上回ると予測されている。

eMarketerのアナリストは、2021年にSpotifyのポッドキャストリスナーが41.3%増え、その結果逆転が起きると見込んでいる。

さらにその後の2年間でSpotifyはAppleとの差を広げ、2022年までにSpotifyの米国ポッドキャストリスナー数が月間3310万人に対しAppleは2850万人、2023年までにSpotifyが3750万人でAppleはほぼ横ばいの2880万人と予測されている。

画像クレジット:eMarketer

eMarketerは、同社が2018年にポッドキャスト市場の調査を始めて以来Appleのリスナーのシェアは減少していると指摘する。2018年のシェアは34%だったが、2021年には23.8%に下がる見込みだ。

全体としては、米国で毎月ポッドキャストを聴く人は2021年に1億1780万人となり、対前年比で10.1%増えると予想される。ポッドキャストリスナーは毎月デジタルオーディオを聴く人の53.9%となり、初めて50%を超えるだろうとeMarketerは述べている。この成長はSpotifyにとってはメリットがあり、Appleにとっては痛手となりそうだ。

SpotifyやAmazon、Pandoraなどのストリーミングミュージックサービスが音楽とポッドキャストを組み合わせてエクスペリエンスを統合しているのに対し、Appleはポッドキャストを専用アプリとして分けている。このため、ストリーミングで音楽を聴いている、あるいは聴くつもりだったがやはりポッドキャストを聴こうとか、逆にポッドキャストから音楽へというクロスオーバーが起きにくい。Apple以外のアプリでは音楽とそれ以外のオーディオとの切り替えが簡単だ。Pandora Stories、SpotifyのShows with Musicメディアをミックスしたプレイリストのように、音楽とポッドキャストを組み合わせる聴き方もある。

eMarketer予測アナリストのPeter Vahle(ピーター・ヴァーレ)氏は「ポッドキャストと音楽を1カ所にまとめることで、Spotifyは短期間でデジタルオーディオのすべてが揃う便利なワンストップショップになりました。Appleは長くポッドキャストのデファクトの配信場所でしたが、近年ではポッドキャストのコンテンツとテクノロジーに関してSpotifyの投資とイノベーションのペースについていっていません。Spotifyは独自のホスティング、制作、収益化ツールに投資し、ポッドキャストのクリエイターと広告主を育てています」と述べている。

Appleは現在もポッドキャストに関して実験をしているようだ。最近ではエディターによるキュレーションを増やして質の高いポッドキャストに目を向け始めている。Apple TV+の「For All Mankind(フォー・オール・マンカインド)」に関連するポッドキャスト音楽を取り上げるポッドキャストのようなオリジナルのプログラムもいくつかリリースした。しかしAppleはポッドキャストに関する市場の勢いはほとんど無視しているようで、代わりにストリーミングTVや映画、あるいはサブスクリプションベースのフィットネスといった新しい分野への拡大に取り組んでいる。

関連記事
アップルが新進気鋭のポッドキャスト製作者に光を当てる「Apple Podcasts Spotlight」発表
アップルが新たにオリジナルのポッドキャストをリリース

Spotifyは買収によってオリジナルや独占のプログラムをすでに手に入れ、次へ進もうとしている。例えば2021年2月下旬には、有料ポッドキャストのサブスクリプション、ブログをポッドキャストにするためのWordPressとの統合、ポッドキャストをインタラクティブにするツールなど今後登場するプロダクトや機能を多数発表した。インタラクティブ機能は、Clubhouseなどソーシャルオーディオアプリが関心を集めていることへの対策だ。

Spotifyは新たにポッドキャスト関連の広告ビジネスにも投資し、オーディオ広告マーケットプレイスのSpotify Audience Networkを始める計画だ。

関連記事:Spotifyがオーディオ広告マーケットプレイス「Spotify Audience Network」を開始

画像クレジット:eMarketer

eMarketerの予測からすると、Spotify Audience Networkは良いタイミングでの開始になると思われる。eMarketerは、ポッドキャスト広告は2021年に初めて10億ドル(約1073億円)を超えて前年比41%増の12億8000万ドル(約1373億4000万円)に達すると予測している。この数字は今後も増え続け、2021年にはデジタルオーディオ広告全体のうち24%をポッドキャストが占め、2024年には29%になると見られる。

Spotifyがポッドキャストリスナーを実際にどの程度有料サブスクリプションに転換できるか、あるいは広告による収益化がうまくいくかどうかは、もちろんこれから見ていかなくてはならない。ウォール・ストリートジャーナルが2020年第4四半期の収支報告に関する記事で最近指摘したように、何といっても現在のSpotifyは損失を出しているのだ。これは、同社が当面は利益を出すよりも、サブスクリプション利用者の増加とポッドキャスティングに対する投資を引き続き優先していることによる。そして同社の独占モデルには問題があるかもしれないと示す兆しがいくつかある。例えば2020年には同社にとって初の大物ポッドキャストスターであるラッパーのJoe Budden(ジョー・バドゥン)氏との契約を更新できなかった

一方のAppleも独自のポッドキャストサブスクリプションサービスを模索しているようだ。クラウドストレージ、ストリーミングTV、ゲームなどのサービスとバンドルした価値の高いサブスクリプションを検討していると見られる。Amazonはポッドキャストへの投資としてポッドキャストネットワークのWonderyを買収した。これらの要素が今後数年間の動向に影響して、今回発表された成長予測やSpotifyの今後のポッドキャストリスナー数の増加を鈍化させるかもしれない。

関連記事:アマゾンが米国で第4位のポッドキャストネットワークWonderyを買収

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyAppleポッドキャスト

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

英競争当局がアップルのApp Store独禁法調査を開始

Apple(アップル)はiOS App Storeについて欧州で新たな独占禁止法の調査に直面している。

英国の競争・市場庁(CMA)は現地時間3月4日、デジタル部門での不平等な条件とその結果についてデベロッパーからの数多くの苦情を受けて調査を開始した、と発表した

「CMAの調査は、Appleが英国においてAppleデバイスでのアプリ配信で支配的な地位にあったかどうかを考慮します。もしそうであるなら、Appleが不公正あるいは反競争の条件をApp Storeを使っているデベロッパーに課し、結果的にユーザーが選択肢を失ったりアプリやアドオンに高い料金を払うことになったのかが焦点となります」とプレスリリースで述べられている。

「これは調査の始まりに過ぎず、Appleが違反しているかどうかまだ決定は下されていません」と付け加えた。

声明の中で、CMAのトップAndrea Coscelli(アンドリア・コシェリ)氏は次のように述べた。「何百万という人が天気をチェックしたり、ゲームしたりあるいは持ち帰りを注文したりと毎日アプリを利用しています。Appleが不公正だったり競争や選択を阻害するような条件を課すのに市場での地位を使っているという苦情について、これは結果として顧客がアプリを購入したり使ったるする際に不利益を被っているかもしれず、注意深く精査します」。

Appleの広報担当は、CMAの調査開始に対し次のような声明をTechCrunchに出している。

当社は顧客が好きなアプリをダウンロードできる、そしてデベロッパーがすばらしい事業機会を得られる、安全で信頼できる場所としてApp Storeを作りました。英国だけでもiOSアプリの経済は数十万人の雇用を支えており、すばらしいアイデアを持っているデベロッパーは世界中のAppleの顧客にリーチできます。

あらゆるすばらしいアイデアが溢れている、活気があり競争が展開されているマーケットを当社は信じています。App Storeはアプリデベロッパーにとって成功のエンジンであり続けました。これは部分的には顧客をマルウェアから守り、同意なしの顧客データ収集の横行を防ぐために当社が定めている厳格な基準によるものです。基準はすべてのデベロッパーに公正平等に適用されます。当社のプライバシー、セキュリティ、コンテンツに関するガイドラインがいかにApp Storeを消費者とデベロッパーの両方にとって信頼できるマーケットプレイスにしてきたかを説明するために、英国の競争・市場庁に協力することを楽しみにしております。

EUは音楽ストリーミングサービスSpotify(スポティファイ)による2019年の苦情申し立てを受けて、すでにAppleの事業の多くの要素について独禁法調査を行っている。EUは2020年夏にApp StoreとApple Payについての調査を発表していた。

米国の議員もまたテック大企業に対する主要な独禁法調査の一環としてAppleを問いただしてきた。アリゾナ州ではちょうど、AppleとGoogle(グーグル)にそれぞれのスマホストアでサードパーティの決済オプションを認めることを強制する目的の法案に進展があった

一方、EUのAppleに対する調査はまだ継続中だ。ビデオゲーム開発のEpic Games(エピックゲームズ)は、Appleがデベロッパーに課している不平等な「税」と呼ぶものについてAppleと激しい論争を展開してきたが、2020年2月に欧州委員会に苦情を申し立ててEUの調査に加わろうとした。

関連記事:フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

Epicは以前、同様の苦情を英国でも申し立てた。なので同社はCMAが引用した不満のあるデベロッパーの1社だ。

英国はEUから離脱したことから、CMAは英国の当局として重要な役割を担うようだ。ブレグジット後、コミッションとして同じ問題を自由に調査できる(一方、EUの規則では各国の当局は重複を避けることが求められる)。

英国がEUの当局よりすばやく動くことができれば、テック大企業に適用する基準を形成する機会を得るかもしれない(CMAは3月4日「グローバルな懸念」と表現したものに取り組むためにEUや他の当局と「引き続き緊密に連携を取る」と述べた)。

また英国は2020年秋に、テック大企業のマーケット支配力に取り組むことを目的とする、競争促進の規制体制を確立する計画を発表した。これはCMAが実施したオンラインプラットフォームとデジタル広告についての主要な市場調査を受けてのものだ。CMAは2020年12月に規制体制の確立を政府に提言している

「現在の執行力を補うことになる提言についてCMAは政府と協業している一方で、こうした分野における競争を保護するために既存の力を引き続きフル活用します」とCMAは述べた。

「我々の継続中のデジタルマーケット調査ではすでに懸念すべきトレンドがいくつか見つかっています」とコシェリ氏は付け加えた。「もしテック大企業による反競争のプラクティスが野放しにされれば、事業者そして消費者が実害に苦しむことになります。だからこそ、我々は新たな機関Digital Markets Unitを設置し、必要に応じた新たな調査の立ち上げで前進しています」。

テック大企業を狙った最近の他の動きでは、CMAはGoogleのサードパーティ追跡のクッキーを廃止する計画について調査を開始した。またUberが予定している英国拠点のSaaSメーカーAutocabの買収についても調査を始めた。

関連記事:UberのAutocab買収を英国の競争監視当局が調査

CMAは2020年のオンライン広告マーケットについての最終レポートの中で、GoogleとFacebook(フェイスブック)のマーケット支配力はあまりにも大きく「広範で自己強化」の懸念と要約したものを解決するために、新しい規制アプローチと専従の監視機関が必要との結論を出した。間もなく立ち上がるDigital Markets Unitはテック大企業に対する英国の当局対応の主要部分を担う。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Appleイギリス独占禁止法App StoreEU

画像クレジット:Bryce Durbin

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

Appleが「耳」の健康に関する研究結果を公開

去る2019年、Apple(アップル)はResearch(リサーチ)を公開した。そのアプリはAppleがユーザーの健康に一層真剣に取り組むことを目指したもので、(当然ながら)iPhoneとApple Watchから集めたデータに基づいている。アプリは4部門の研究対象とともにスタートした。心臓の健康、女性の健康、運動および聴覚だ。

米国時間3月2日、同社は ミシガン大学公衆衛生学部と協力して、聴覚の研究結果を発表した。この日はWorld Hearing Day(国際耳の日)の前日にあたる。聴力の喪失は同社が力をいれている問題であり、ヘッドフォン分野への関わりが益々大きくなっていることが主な理由だ。

ヘッドフォンは、その普及とともに長期的聴覚障害の主要原因になっている。Appleは、同社のモバイルOSに騒音レベルの測定機能を組み込み、周囲の騒音が大きいときに警告できるようにした。この情報はヘルスアプリにも組み込まれ、ヘッドフォンと環境音両方の音量を表示する。後者も程度こそ低いが聴覚障害の要因の1つだ。

Appleの米国内「数千人」を対象とした研究によると、回答者の1/4がWHO(世界保健機構)の推奨する1日当たりの環境騒音暴露制限を超えていた。また50%が騒がしい環境で働いているあるいは働いていたと答えた。多くの人々がパンデミック下で在宅勤務に移行したにもかかわらず、その数値は大きい。

「パンデミックで多くの人々が在宅する中でも、被験者の25%が高い環境騒音への暴露を経験しています」とミシガン大学のRick Neitzel(リック・ナイツェル)准教授がこのニュースを伝えるリリース文で語った。「この研究結果は害を与える恐れのある暴露に対する我々の理解を深め、積極的に聴覚を保護する方法を見つけるのに役立つでしょう」。

なお、調査対象者の10%が1週間当たりの推奨ヘッドフォン利用時間を超過しており、1/4が週に数回以上耳鳴りを経験していた。

関連記事:iPhoneとApple Watchで健康調査に参加するための「Apple Research」アプリが米国で公開

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Apple聴覚ヘッドフォン

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルがアップルのプライバシーラベル表示義務に従いiOS用アプリの更新を再開

Google(グーグル)はこの週末に、多くの主要なiOS向けアプリを更新し始めた。同社はApple(アップル)が新たに義務づけたプライバシーラベルの表示を加えなかったため、長い間これらのアプリは更新されずにいた。2021年初め、Googleはこのラベルを「間もなく」同社のアプリを更新する際に追加すると言っていたが、今のところ、Google検索、Googleフォト、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Pay(グーグルペイ)、Chrome(クローム)など多くのアプリはまだ更新されていないままだ。

関連記事:早ければ今週にもGoogleのiOSアプリにApp Storeのプライバシーラベルが追加される見込み

Appleのポリシーに従い、開発者はプライバシーラベルを適用するまで、アプリをそれ以上アップデートすることはできない。そのためGoogleは多くの主要アプリを長い間、更新できなかった。特にバグ修正やパフォーマンスの改善を含むマイナーアップデートを定期的に配信しているGoogleのような規模の企業であれば、通常はそのようなことはない。

例えばGmail(ジーメール)は、この週末にアップデートが行われる以前は3カ月間も更新されていなかった。

iOS App StoreにあるGoogleのアプリ情報を見ると、Googleスライド、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleカレンダーは週末にアップデートが配信されている。また、この数週間で、Googleの他のアプリも、新たにラベルを追加して更新が再開された。例えば、YouTube(ユーチューブ)、YouTube TV、YouTube Music(ユーチューブミュージック)、Google ToDo(Google Tasks)、Google ポッドキャストなどだ。

我々はこのスプレッドシートで、Googleアプリの更新を追ってきた(Appfiguresはその独自のデータと照らし合わせて、我々のシートの正確さを確認している)。

2021年にプライバシーラベルの表示が適用されたGoogleのアプリは、週末にアップデートされた一連のアプリだけではない。アプリの中には、アップデートされずにラベルのみが加えられたものもあるため、見つけることが難しい場合もある。

Googleの全iOS向けアプリで、現在プライバシーラベルの表示が適用されているアプリには以下のものが含まれる。

Google One(グーグルワン)、Googleポッドキャスト、Google Stadia(グーグルステイディア)、Google Fit(グーグルフィット)、Google Fi(グーグルファイ)、Google ToDo、Google Chat(グーグルチャット)、Onduo(オンデュオ)、Project Baseline(プロジェクトベースライン)、YouTube、YouTube TV、YouTube Music、YouTube Kids(ユーチューブキッズ)、YouTube Studio(ユーチューブスタジオ)、Google Meet(グーグルミート)、Google Smart Lock(グーグルスマートロック)、Motion Stills(モーションスチル)、Google Fiberr(グーグルファイバー)、Google広告、Wear OS(ウェアオーエス)、Googleカレンダー、Google Classroom(グーグルクラスルーム)、Googleスライド、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、Googleドライブ、Google Play ムービー、Google Home(グーグルホーム)、Fiber TV(ファイバーTV)、Google翻訳、Google Authenticator(Google 認証システム)

Googleは、プライバシーラベルを適用するために、なぜそれほど時間がかかっているのか、理由を述べていない。当初は、毎年恒例のホリデー・コード・フリーズ、つまり多くの人々が休暇を取るため、アプリの更新を一時的に停止しているから、プライバシーラベルの適用が遅れているとしていた。

しかし、アプリの更新が止まっているのが、数週間から数カ月になるにつれて、Googleが他の大手テック企業よりもはるかに慎重で、プライバシーラベルを適用するために方法論的なアプローチを取っていることが明らかになった。その結果、同社のアプリのアップデートへの注目と監視が高まった。

実際、Googleのアプリがプライバシーラベル表示を加えて更新される度、大々的に報じられることになっている

例えば、Engadgetは米国時間3月1日、週末にGmailなどのアプリが更新されたことを報じている。

2021年1月中旬、Googleは公式にその遅延に対する注目に応え、同社のiOS用アプリは次回の更新を受ける際にプライバシーラベルの表示が適用されると、ブログ記事で説明した。しかし「更新」と「プライバシーラベルの適用」は必ずしも同時に行われているわけではない。報道によると、Gmailはすでに2月22日にプライバシーラベルが追加されていたが、今まで更新はされていなかった。

そしてプライバシーラベルの表示が加えられたアプリは、更新されたアプリよりもずっと多い。

Googleはコメントを求められても現時点で回答していない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAppleアプリiOS

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ハッカーがほぼ全モデルのiPhoneに有効な新しい脱獄ツールを公開

Apple(アップル)が2021年2月、ハッカーによる活発な攻撃を受けていると言っていたのと同じ脆弱性を利用して、あるiPhoneのハッキングチームが、最新モデルを含むほぼすべてのiPhoneに対応した新しい脱獄(ジェイルブレイク)ツールをリリースした。

「unc0ver」チームが米国時間2月27日にリリースした最新の脱獄ツールは、iOS 11 (iPhone 5s以降)から、 Appleが2020年12月にリリースしたiOS 14.3までに対応しているという。

脱獄は、自分の携帯電話をより自由にコントロールしてカスタマイズしたいセキュリティ研究者と、セキュリティのためにiPhoneをロックダウンする必要があるというAppleとの間のいたちごっこだ。ハッカーは、Appleが実施している制限の一部を解除できる脆弱性を見つけ出し、それを利用することで脱獄ツールを構築する。脱獄することで、ほとんどのAndroidユーザーがすでにそうしているように、アプリストアを介さずにアプリをインストールできるようになる。

ツールを開発した脱獄グループはツイートで 、Appleが以前、ハッカーによって「活発に悪用されている可能性」がある3つの欠陥のうちの1つだと言及していたカーネルの脆弱性「CVE-2021-1782」に対し「独自のエクスプロイト」を使用したと述べた。カーネルを標的にすることで、ハッカーたちは根底にあるオペレーティングシステムへ深く入り込める。

関連記事:AppleがiOS 14.4を公開、ハッカーが悪用した3カ所の脆弱性を修正

Appleが2021年に月リリースしたiOS 14.4でその脆弱性を修正したため、それ以降のバージョンでは脱獄ツールは動作しないようになった。iPhoneがハッカーによる活発な攻撃を受けていると同社が認めたのは珍しいことだったが、その際ハッカーが誰であったか、そして彼らは誰をターゲットにしていたかについてはコメントを差し控えた。また、Appleはバグを報告した研究者の名前を出すことも控えた。

同グループの前回の脱獄ツールは、iOS 11からiOS 13.5が搭載されているiPhoneをサポートしていたが、2020年はリリース後数日のうちに修正された。Appleは、これらの同じ脆弱性が悪意を持って利用される可能性があるため、脱獄グループによって発見された脆弱性を理解し、修正するために迅速に対処する。

関連記事:すべてのiPhoneで有効な脱獄ツールが新たに登場

セキュリティの専門家は、一般的に脱獄はしないようにとiPhoneユーザーに助言している。デバイスを攻撃に対してより脆弱にしてしまうからだ。そして、iPhoneを最新のOSに更新しておくことは、脱獄を無効にするセキュリティ修正を導入する一面もあるが、あなたのデバイスを安全に保つための最良の方法の1つでもある。

関連記事:アップルが香港の国家安全法について言及

カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSiPhone

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)