レーザー測距技術LiDAR活用し人の屋内位置測位技術の研究開発に取り組むHULIXが1.3億円調達

レーザー測距技術LiDAR活用し人の屋内位置測位技術の研究開発に取り組むHULIXが1.3億円調達

大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC)を無限責任組合員とするOUVC2号投資事業有限責任組合(OUVC2号ファンド)は1月28日、レーザー測位スキャナ(LiDAR)を活用して屋内における人の位置を測定できるシステム「ひとなび」を手がけるHULIXに対し、1億3000万円の投資を実行したと発表した。

HULIXは、今回の資金調達によりシステムの改良を行うとともに、プロダクトマーケットフィット(PMF。Product Market Fit)の検証を進め、更なる事業開発を加速化させる計画。

同社事業は、特に現在のようにコロナ禍で人の動きを把握する必要性が高くなっている状況において、社会実装する意義が大きいと判断したため、OUVCは同社に対する投資を決定した。OUVCからは取締役を派遣することで、ハンズオンで支援を継続していく。

HULIXは、人の屋内位置測位技術の研究開発に取り組む大阪大学情報科学研究科・山口准教授の研究成果を基にして、2020年7月に設立された大阪大学発のスタートアップ企業。大阪大学の起業支援施策である「起業プロジェクト育成グラント」の採択案件として、阪大・OUVCの全面的なバックアップのもと、人流空間解析プラットフォーム「ひとなび」の事業化に取り組んできた。

また同社は、LiDARを組み込んだオリジナルエッジ機器の開発を進めており、実証フィールドでの取り組みも進めているという。レーザー測位スキャナ(LiDAR)の点群データから、リアルタイムに人やモノを抽出し空間時系列データへと変換するAIエッジ技術を保有し、こちらも研究開発を行っているそうだ。

ひとなびは、LiDARを活用して屋内における人の位置を測定できるシステムで、大規模空間で不特定多数の人の流れを把握できるという特徴を有している。阪大独自のセンシング技術により、空間に「目」と「知能」を与え、高度な空間理解と空間制御を実現しているという。

また同システムを活用すると、大型商業施設内での消費者行動の分析や混雑状況の可視化や予測が可能になることから、三井不動産と連携し、同社運営の大型複合施設「EXPOCITY」(大阪府吹田市)では、歩行者の軌跡からリアルタイムで混雑状況を予測したり、消費者行動を分析する実証実験を開始している。

なおひとなびは、施設の様々な場所に設置されたセンサーからのデータを基に人の流れを把握しているため、個人情報を取得せずにフードコートや施設内の混雑状況の分析できるとしている。

OUVC2号ファンドは、2015年に設立されたOUVC1号ファンドの後継ファンドで、大阪大学のみならず他の国立大学の研究成果も社会実装する目的で2021年1月1日に設立された。同案件はOUVC2号ファンドの第一号案件となる。

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TikTokがLiDARを使った初のARエフェクトを発表、紙吹雪が拡張現実空間に舞い落ちる

Snapchat(スナップチャット)は、iPhone 12 ProのLiDARスキャナをARに活用(未訳記事)した最初のアプリの1つだったが、TikTok(ティックトック)もそれに続くことになった。このソーシャルビデオアプリは米国時間1月6日、新年を迎えたユーザーに向けて、同社初のLiDARを使ったエフェクトを発表した。このエフェクトは、大晦日にタイムズスクエアに落下するボールに似たARボールを、拡張現実の中に表示するというもので、カウントダウンの後にこのくす玉は落下して爆発し、部屋を紙吹雪で満たすと同時に、空中には「2021」の文字が浮ぶ。

「Light Detection And Ranging(光による検知と測距)」の頭文字を取ったLiDARは、2020年秋に発表されたiPhoneの新しいフラッグシップ5Gモデル、iPhone 12 Proと12 Pro Maxで採用された。この技術は、光が空間内の物体に到達してから反射して戻ってくるまでの時間を測定することで、iPhoneが周囲の世界をより正確に認識するのに役立つ。

これをiPhoneの改良された機械学習機能や開発フレームワークと組み合わせると、より没入感のあるAR(拡張現実)体験が可能になる。

この技術をいち早く採用したSnapchatは、最初に新しいLiDARスキャナーを使用して、アプリ内にARレンズを作成した。このレンズで撮影すると、部屋の中でも自分の周囲に花や草が生えてくる。この仮想植生には、部屋の壁をはい上ったり、棚の周囲に生えてくるものさえある。これはLiDARが正確に壁や棚の位置を認識するから可能になることだ。

2021年に向けて、私たちは新しいiPhone 12 Pro用に初のARエフェクトをリリースしました。これはLiDAR技術を使用して、周囲の環境と相互作用するエフェクトを作成することで、デジタルと物理的な世界を視覚的に橋渡しすることが可能になります。2021年には、さらに革新的なエフェクトを開発していきますので、お楽しみに!

同様に、TikTokの新しいエフェクトは、LiDARで部屋を認識して、ボールが爆発した後の紙吹雪を、よりリアルに着地させるように作られている。

同社が例としてTwitter(ツイッター)で公開した動画には、現実の紙吹雪のように、バーチャルな紙吹雪が床、ソファ、クッションを覆っていく様子が映し出されている。とはいえ、このエフェクトはまだ完璧とはいえない。それが本物の紙吹雪ではなく、AR体験であることは一目瞭然だ。しかし、LiDARによる空間認識を持たない従来のARエフェクトに比べれば改善されている。

TikTokは、このARエフェクトがユーザーの環境とどのように相互作用するかによって、デジタルと物理的な世界を視覚的に橋渡しすることができると説明している。このエフェクトは一部の国を除き、世界中で利用可能だ。

もちろん、楽しいAR効果は、様々なLiDARの活用例のほんの1つに過ぎない。この技術は「3D Scanner App」のようにスキャンして3Dモデルを作成するアプリや、「RoomScan LiDAR」のようにインテリアデザインに役立つアプリ、さらにはApple Arcade(アップル・アーケード)のタイトルに含まれる「Hot Lava( Hot Lava :灼熱のホットラバ)」のようなゲームにも採用されている。

TikTokは、2021年の間に「さらに革新的なエフェクト」を導入する予定だという。

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画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

元アップルエンジニアによるLiDAR開発のAevaが上場を前に206億円調達

元Apple(アップル)のエンジニア2人が創業したLiDAR開発のAeva(アエヴァ)が上場に先立ち香港のヘッジファンドSylebra Capitalからプライベート投資で2億ドル(約206億円)を調達した。

カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くAevaは2020年秋に、特別買収目的会社(SPAC)のInterPrivate Acquisition Corpと合併し、ディール後の時価総額は21億ドル(約2166億円)だと発表した。Aevaによると、InterPrivateの普通株を保有するSylebraからの今回の資金調達により、上場後の調達額は5億6000万ドル(約578億円)超になる。

Aevaは以前、PIPE(限られた投資家を対象に行う私募形式の株式の売出)でAdage CapitalやPorsche SEなどから1億2000万ドル(約124億円)を調達した。InterPrivateが投入していた2億4300万ドル(約250億円)を含め、累計調達額はSylebraが追加投資する前で3億6300万ドル(約374億円)だった。

さらに重要なことには、Sylebraは投資の大半で1年固定契約に踏み込み、全適格株で合併を支持する。合併は2021年第1四半期にクローズする見込みだとAevaは述べた。

Aevaの共同創業者でCEOのSoroush Salehian(ソロウシュ・セールヒアン)氏は投資について、同社の事業モデルと成長プランへの「自信の多数票」と表現した。Aevaは調達した2億ドルをさらなるR&Dへの投資とクルマ、電化製品、産業アプリケーションといった主要特定分野におけるプログラムを大規模展開するのに使う、と同氏はTechCrunchへの電子メールで述べている。

「ここ数カ月、そうした分野で当社のユニークな4D LiDARテクノロジーに対する顧客の関心が高まってきています。追加のリソースによって当社はこの増大する需要によりすばやく対応できます」と同氏は話した。

光検出とレーダー距離測定のLiDARは車周辺の高精度な3D地図を作成するのにレーザー光を使って距離を測定する。Aevaの創業者であるセールヒアン氏とMina Rezk(ミナ・レズク)氏は「4D LiDAR」と呼ぶものを開発した。太陽やその他のセンサーの干渉を抑制しながら、距離に加えて範囲はそのままにすぐさま速度も測定できるというものだ。同社のFMCWテクノロジーは省電力でもあり、知覚ソフトウェアに盛り込むことができる。

LiDARセンサーは、自動運転車の商業展開に必要不可欠なものと広くとらえられている。ただ、このセンサーには多くのユースケースがあり、自動運転車の商業展開への道のりが思っていたよりも長いものになるとわかってから、LiDAR開発会社は他のユースケースを追求し始めた。ここ2年間、自動車メーカーはLiDARを消費者に提供する新しい乗用車、トラック、SUVの高度ドライバーアシスタンスシステムの能力や安全性を高めるために使われる重要なセンサーとして考えられるようになってきた。Aevaのテクノロジーは、主に自動運転車両と高度な運転アシスタンスシステムでの使用を想定して開発されてきた。そしてこのテクノロジーは電化製品での活用でも関心を呼び起こしている、とセールヒアン氏は述べた。

従来のIPO手法を回避してSPAC合併を通じて上場するLiDAR企業はいくつかあるが、Aevaはそのうちの1社だ。VelodyneとLuminarもまた上場企業になるためにSPACと合併した。LiDARスタートアップのOusterは2020年12月にSPACのColonnade Acquisition Corpとの合併を通じて上場することに合意したと発表した。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:AevaLiDAR資金調達SPAC

画像クレジット:Aeva

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(翻訳:Mizoguchi

テスラの中国ライバルXpengがDJI系列LivoxのLiDARセンサーを採用へ

Tesla(テスラ)と中国のライバルである Xpeng(シャオペン、小鵬汽車)の間での戦いは、Xpengが自動運転の将来に対する姿勢を明確にしたことで、加熱している。先の週末に、Xiaomi(シャオミ)やAlibaba(アリババ)たちが投資家として支えるXpengが、Livox(ライボックス)のLiDARセンサーを採用することを発表した。Livoxは中国のドローンの巨人DJIと密接な関係を持つスタートアップだ。

リモートセンシング技術であるLiDARに、中国のサプライヤーを選択したのは、米中技術戦争の複雑さを反映したものだ。これまでTeslaは知的財産権の窃盗疑惑でXpengを告発してきたが、Xpengはそれを繰り返し否定してきた。一部の業界専門家を驚かせたのは、Xpengが2021年には量産型自動運転車にLiDARを搭載すると発表した(Twitter投稿)ことだ。これはTeslaとの差別化を行うためと思われる。Xpengの発表を知ったElon Musk(イーロン・マスク)氏は、XpengにはTeslaの技術が欠けていると一笑に付した。

マスク氏は、これまでずっと自動運転に対するLiDARの採用を「不必要で高価なセンサー」と呼んで却下してきた。その代わりにTeslaは、同社の自動運転車のためにニューラルネットワークのトレーニングとカメラを使った視覚認識に頼っている。中国企業の中には、マスク氏のビジョンに賛同するものもいる。たとえばDaimler(ダイムラー)が出資するMomenta(モメンタ)は、より安価なミリ波レーダーや高精細カメラの利用に賭けている(未訳記事)。

Xpengはすでに、データを収集するために複数のソースを利用している。特にカメラ、ミリ波レーダー、超音波といったセンサーたちだ。今回のLiDARの追加に関して同社は「道路状況をより正確に映像化できるようにすること」で、主要なシステムコンポーネントが故障した場合でも、自動運転車の運転を継続することができる「より高いレベルの安全性のための冗長性を提供する」と述べている。また、LiDARは「目標検知能力、測定精度、低環境光下やその他の困難な知覚条件下での性能を向上させる」と同社は主張している。

Livoxが選択されたことも興味深い。Velodyne(ベロダイン)やLuminar(ルミナー)のような成熟した海外技術も選択肢としてあるが、中国政府が主要産業の技術的自立を推し進めていることを考えると、Xpengの選択は予想されたものだ。一方、中国内でLivoxはBosch(ボッシュ)や中国の検索大手Baidu(バイドウ、百度)が支援するHesai(ヘサイ、禾賽科技)や、国営自動車メーカーのBAIC(北京汽車)やSAIC(上海汽車)から資金提供を受けているRobosense(ロボセンス)などの強敵に直面している。

Livox自体は、スタートアップ自身の説明によれば、2016年にDJI社内インキュベーションプログラムを通じて「独立企業」として設立されたという。同社のセールスポイントの1つは、独自の光電子走査方式を採用することで、LiDARの低価格化を実現できたことだという。

DJIは農業用ドローンのようなB2Bビジネスへの移行を進めているため、自動運転への進出はその目的に適っている。しかし、DJIとLiDARスタートアップとの関係は、少なくとも世間から見れば謎に包まれたままだ。Livoxの企業紹介文には、同社は「センサーの革新とハードウェア製造に対するDJIの深い専門知識に支えられている」と記載されており、その製品はDJIの公式小売店を通して販売されている。それ以外のDJIが株式を保有しているのか、経営を支配しているのかといった点に関しては触れられていない。

この件に詳しい人物の話によれば、結局のところLivoxは「もともとDJI内の単なるチームであり、後から別会社として位置づけられたものである」という。また一方で、「まるで製品ラインの1つのように」製造やサプライチェーンを含むDJIのリソースへのアクセスを行っている、ということだ。

Livoxが意図的にDJIから距離を置いている動機の1つとして考えられるのは、LiDARを中国との技術戦争における重要な分野と見なしている米国政府から、精査を受ける可能性を回避するためだと、その人物はいう。DJIは最近、米国政府の禁輸リストに追加された。このリストに掲載されたHuawei(ファーウェイ、華為)やSenseTime(センスタイム、商湯科技)のような他の中国のハイテク企業たちは、米国のサプライヤーから主要なコンポーネントを入手することを制限されている。DJIの創業者であり最高経営責任者を務めるFrank Wang(フランク・ワン)氏も、世間の注目度を下げたいと考えていると思われている。

LivoxとDJIからのコメントは得られていない。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:XpengLivoxLiDARDJI自動運転

画像クレジット:Xpeng

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(翻訳:sako)

MobileyeがLuminarと契約、2022年の無人タクシー実現に向けLiDARを供給

センサーの開発を手がけるスタートアップで、上場企業入りを目指すLuminarは、Intel(インテル)の子会社であるMobileyeに自律走行車用のLiDARを供給するサプライヤー契約を締結した。

米国時間11月20日に発表されたこの契約は、長い間自動車業界を支配してきた企業と組み合わされることで期待の星となりそうだ。

このサプライヤー契約は、Mobileyeの中心事業であるコンピューターによる視覚イメージ処理技術の規模とはほど遠いものの、いくつかの試験プログラムを超えて拡大が見込める重要なコラボレーションだ。LuminarとMobileyeは、約2年前から開発契約を結んでいる。今回の新たな契約は、両社にとって次の重要なステップを示すものだ。

Mobileyeのカメラを使ったセンサーは、ほとんどの自動車メーカーが先進的な運転支援システムをサポートするために使用している。現在、5400万台以上の車両がMobileyeの技術を搭載している。しかし、2017年に153億ドル(約1兆5900億円)でインテルに買収された同社は、ここ数年で手を広げ、いまや先進運転支援技術を超えて、自律走行車のシステム開発に向けて動き出している。2年前にMobileyeは視覚認識、センサー融合、REM(Road Experience Management)マッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズムを含むキットを発売する計画を発表した。

Mobileyeはそれ以来、自動運転の野心をさらに高めており、業界の一部では、単なるサプライヤーに留まらず、無人タクシー事業に乗り出すという予期せぬ方向に発展するのではないかとみられている。

LuminarとMobileyeの現時点では小規模な契約は、まだ生産契約に過ぎない。LuminarのLiDARは、Mobileyeの第1世代の無人運転車に搭載される予定で、ドバイ、テルアビブ、パリ、中国、韓国の大邱市で試験運転が行われている。Mobileyeの最終的な目標は、無人タクシー事業を拡大し、その自動運転スタック(AVシリーズソリューション)を他の企業に販売することである。MobileyeのAmmon Shashua(アンモン・シャシュア)最高経営責任者(CEO)は、同社が2022年に商業的な無人タクシーサービスを開始することを目標にしていると述べている。

「つまり、この生産契約は基本的に、2022年のサービス開始に向けてMobileyeの車両に装備を整え、同社のカメラソリューションと併用することで、安全性と余剰性を確保する力となるわけです」と、Luminarの創業者でCEOのAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏は最近のインタビューで語っている。

この「AVシリーズソリューション」の最初の用途は、Mobileyeが自社で所有する車両向けだが、ラッセル氏はその後の機会に興味を持っている。

「Mobileyeは、他のどんな民間の自動運転開発会社ともまったく異なる会社で、まったく異なる戦略を取っています」とラッセル氏は語る。「彼らは何千万もの製品を量産車に搭載しています。つまり、何かを量産するために何が必要なのかを知っているわけです。その波に乗り、量産車の分野に有利な立場として関わることができるというのは、私たちにとって特別な関心事でした」。

Luminarは他にも量産レベルの案件を獲得している。VOLVO(ボルボ)は5月、LuminarのLiDARと認識システムを搭載した自動車の量産を2022年に開始すると発表した。これらを使ってボルボは、高速道路用の自動運転システムを展開する。

いまのところ、LiDARはハードウェアパッケージの一部として、XC90から始まったボルボの第2世代の「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ」をベースとする各車にオプションとして用意されている。ボルボはLuminarのLiDARをカメラ、レーダー、ソフトウェアそしてステアリングやブレーキ、バッテリー電力などの機能を制御するバックアップシステムと組み合わせ、高速道路における自動運転機能を実現する予定だ。

ダイムラーのトラック部門は2020年10月、人間が乗っていなくても高速道路をナビゲートできる自律型トラックを生産するための幅広いパートナーシップの一部として、Luminarに投資したと発表している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:LuminarIntel自動運転LiDAR自動車ロボタクシー

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(翻訳:TechCrunch Japan)

LiDARのスタートアップAevaが特別目的買収会社との合併により株式公開、「4D LiDAR」の開発を進める

カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くLiDAR企業のAeva(エイバ)は、Apple(アップル)でエンジニアだった2人が創業し、Porsche SE(ポルシェSE)の支援を受けていた。同社はSPAC(特別目的買収会社)であるInterPrivate Acquisition Corp(インタープライベート・アクイジション・コープ)と合併した。合併取引後の時価総額は21億ドル(約2200億円)だ。

プライベートエクイティ投資家のAhmed Fattouh(アーメド・ファトー)氏がリードしたInterPrivateとの取引は、2021年初頭までに完了する予定だ。Aevaは従来のIPOを避け、SPACとの合併によって公開する最新の企業となった。Velodyne(ベロダイン)とLuminar(ルミナー)に続いて、このルートで公開市場に参入した3番目のLiDAR会社でもある。

LiDAR、すなわち光検出および測距レーダーは、距離を測定する。新興の自動運転業界の多くの人から、重要かつ必要なセンサーとみられている。Velodyneは長い間LiDAR業界を支配し、ほとんどの自動運転車の開発者に製品を提供していた。Velodyneから市場シェアを奪うことを目指して、過去数年間に数十のスタートアップが現れ、テクノロジーとビジネスアプローチの独自性をを売り込んだ。

従来のLiDARセンサーは、可視スペクトル外の高出力の光パルスを送信し、各パルスが戻るまでにかかる時間を追跡することで、距離が決定できる。パルスが戻ってくると、パルスが当たった方向と距離が1点として記録され、最終的に3Dマップが形成される。

Aevaの創業者であるSoroush Salehian(ソルーシュ・サレイアン)氏とMina Rezk(ミナ・レズク)氏は、「4D LiDAR」なるものを開発した。これは、太陽や他のセンサーからの干渉を防ぎつつ、測定範囲を保ったまま距離と瞬間速度を測定できる。同社のFMCWテクノロジーは消費電力も少ないため、知覚ソフトウェアを織り込むことができる。同社の技術は主に自動運転車や先進運転支援システムで使うために開発されたが、サレイアン氏は同社の技術が家電製品からの関心を集めているとも述べた。

画像クレジット:Aeva

「この取引は、4D LiDARの開発を進め、加速する機会だとみています。それが次のレベルのADASや自動運転車両の生産につながります。重要なこととして、特に消費者向けデバイスアプリケーション向けシリコンフォトニクス上に構築されたチップレベルのLiDARの使用に大きな関心が寄せられています。当社のテクノロジーがより広い範囲の機能を提供でき、日光や測定時の動きによる劣化がないためです。これにより、進んだARやVR、さらにその先を行く新しいアプリケーションセットの可能性が開かれます」とサレイアン氏はTechCrunchへのメールで述べた。 「Aevaは私の知る限り、このような価格で自動車および民生用デバイスアプリケーションの高性能要件を満たすLiDARオンチップテクノロジーを提供できる唯一の企業です。そして今こそ、チャンスをつかむのにふさわしい時期だと感じています」。

Aevaのテクノロジーは、VW(フォルクスワーゲン)グループの筆頭株主であるPorsche  Automobil Holding SE(ポルシェ・オートモービル・ホールディングSE)の支援を受けているだけでなく、多くの提携や顧客を獲得している。Aevaは2020年9月、自動車グレードの4D LiDARを供給するために、ティア1メーカーのZFとの製造パートナーシップを発表した。

合併後の会社名はAevaIncに変わり、ニューヨーク証券取引所で上場を維持し、ティッカーシンボル「AEVA」で取引される予定だ。

Aevaは、Adage CapitalとPorsche SEからの投資を含め、公開企業への私募増資(PIPE)で1億2000万ドル(約130億円)を調達することができたと述べた。合併後の会社の総収入は約3億6300万ドル(約380億円)となる。内訳は、InterPrivateが信託している2億4300万ドル(約250億円)とPIPEによる1億2000万ドル(約130億円)だ。Lux Capital、Canaan Partners、Lockheed Martinを含むすべてのAevaの株主は、Aevaが上場企業に移行するまで持ち株を保有し続ける。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AevaLiDARSPAC

画像クレジット:Aeva

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(翻訳:Mizoguchi

iPhoneが目が見えない人に他人の接近とその距離を知らせる機能を搭載する

Apple(アップル)がiOSの最新のベータに、興味深いアクセシビリティ機能を組み込んだ。それは、iPhoneのカメラの視野内に人がいると、その距離を検出するシステムだ。この機能により、現在、何より重要な目が不自由なユーザーが効果のあるソーシャルディスタンスを保つことができるようになる。

この機能はアップルよ拡張現実(AR)システムARKitにあるもので、画像処理の技術用語で「people occlusion」と呼ばれ、人間の形状を検出してバーチャルアイテムがその前や後ろを通るというものだ。この技術に、iPhone 12 ProとPro MaxのLiDAR装置を組み合わせると、目の不自由な人にとって便利なツールができる、とアクセシビリティのチームは気がついた。

一般的に、人が店や横断歩道を歩くときは他の人がどれだけ近く、あるいは遠くにいるかを、目が絶えず判断し注意している。しかしパンデミックの間にまず思いつくのは、他の人と約2mの距離を保つことだ。

この新しい機能は、拡大鏡(Magnifier)アプリ内のもので、iPhone 12 ProおよびPro MaxのLiDAR機能と広角カメラを使って、さまざまな方法でユーザーにフィードバックを行う。

赤外線ビデオに映るiPhone 12 ProのLiDAR。1つひとつの点が、それが反射するモノの正確な距離を教える

第1のフィードバックは、ユーザーに視界に人がいるかいないかを教える。誰かいたら最も近い人までの距離をフィートかメートルでアナウンスし、近づいたり遠ざかったりすると距離を頻繁に更新する。その人がいる方向からの音もステレオで拾う。

第2のフィードバックは、距離を知らせる音をユーザーにセットさせる。例えば6フィート(約183cm)にセットしたら、その人が6フィートよりも離れていたらある音が鳴り、6フィート以内であれば別の音が鳴るようセットさせる。ユーザーが知りたいのは、正確な距離が頻繁にわかることではなく、現在、人と十分な距離が保たれているかどうかということであるためだ。

そして第3のフィードバックは、ユーザーの皮膚に届く振動(周波数)で、人が近づいていることを教えるというものだ。これは目と耳の両方が不自由な人に便利だろう。この機能は検出した人を画面上の矢印で指して教える。視覚が不自由な人にもその程度はさまざまで、どうしても人の助けを必要とする場合も少なくない。これは介護者の役に立つものかもしれない。

このシステムには広角カメラの高画質な画像が必要であるため、暗闇では使用できない。また、ハイエンドのiPhoneに限定されていることも、利用を妨げるかもしれない。

視覚補助ツールは、以前から存在している。多くのスマートフォンや専用デバイスに人やモノを見つける機能が搭載されているが、いずれも標準として活用されているものではない。

この人検出機能は、米国時間10月30日に公開されたiOS 14.2のベータ版が動作するiPhone 12 ProとPro Maxで利用できる。もうすぐ詳細が、AppleのiPhoneアクセシビリティサイトに掲載されるだろう。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOS 14iPhoneLiDAR

画像クレジット: Apple

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ダイムラーがLiDAR企業Luminarに投資、自動運転トラックの高速道路投入を推進

Daimler(ダイムラー)のトラック部門が、LiDAR(ライダー)の開発企業であるLuminar(ルミナー)に投資を行った。これは運転席に人間のドライバーを乗せることなく、高速道路を走行できる自動運転トラックを製造するための、より広範なパートナーシップの一環である。

この契約は、DaimlerとWaymo(ウェイモ)がトラックFreightliner Cascadia(フリートライナー・カスケディア)の自動運転バージョンを共同で開発する計画を発表(未訳記事)してからわずか数日後に公表された。これはロボタクシーや乗合車両を諦め、その代わりに自動運転技術がどのように貨物輸送に応用できるかに集中することにしたDaimlerによる、最新の動きである。

Daimlerによるこの非公開投資は、Luminarが特別目的買収会社(SPAC)であるGores Metropoulosとの合併の一環として調達した、1億7000万ドル(約177億8000万円)に加算される。Luminarは、2020年末に完了する見通しのGoresとの合併により上場企業となる。

Daimlerは、自動運転トラックの製品化を2本立てで目指している。同社は、「レベル4の自動化」が可能なトラックを開発するために社内で取り組んできた。この業界用語は、高速道路など特定の条件や環境において、人間が介入することなく、運転のあらゆる側面に対応できることを意味している。この取り組みが加速したのは、2019年春にDaimlerが、自動運転トラックスタートアップのTorc Robotics(トルク・ロボティクス)の過半の株式を取得してからのことだ。Torcはそれまで2年に渡ってLuminarと共同開発を行っていた。LiDAR(light detection and ranging radar)とは、レーザー光を使用して距離を測定し、車両の周囲の高精度な3Dマップを生成する仕組みだ。自動化された車両技術を安全かつ大規模に導入するための重要なハードウェアである。

この計画では、Torc Roboticsの自動運転システムとLuminarのセンサーをFreightliner Cascadiaトラックに統合し、同時に自動トラックを運用するためのオペレーションとネットワークセンターを構築する予定だ。Daimlerによると、Daimler TrucksとTorcの統合自動運転車両は、高速道路のハブからハブまでの適用、特に物流センター間の長距離で単調な輸送向けに設計される。

一方、Daimler Trucksは、Waymoが自動運転システムを統合できるように、冗長システムを備えカスタマイズされたFreightliner Cascadiaトラックシャーシも開発している。こちらの場合には、ソフトウェア開発はWaymo社内で行われる。Daimlerはシャーシ開発に集中するだけだ。

このデュアルアプローチは、量産型レベル4トラックを世界中の高速道路に投入するという、ダイムラーの野望を中心に据えることになる。またこの取引は、Luminar創業者のAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏の信念である最も商用車への可能性が高く道筋も短いものに集中し、利益の上がる会社を目指すという、Luminar社の戦略をよりはっきりと示すものだ、

ラッセル氏は最近のインタビューで「当社は、常に高速道路上での自動運転のユースケースを中心にしてきました。これは特に旅客用車両やトラックに当てはまります」と述べ、コスト効率の高い生産手段で量産化できる製品を提供することを目標としていると付け加えている。

Luminarはすでに、旅客用車両のユースケースを追い求める自動車メーカーとの契約を公表している。Volvo(ボルボ)は、Luminar社が開発したLiDARと知覚装置を搭載した車両を生産し、2022年から高速道路向けの自動運転システムを投入する予定だ。LuminarにとってDaimlerとの提携は2つ目のユースケースとなる。

「自動運転トラック輸送は、ロボットタクシーよりも大きく、おそらく近い将来には消費者向け車両と同等になる、信じられないほど価値あるビジネスモデルであると、私は絶対的に信じています」とラッセル氏は語る。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:DaimlerLiDARLuminar自動運転

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(翻訳:sako)

iPhone 12 ProのLiDARスキャナーを使ったAR体験一番乗りはSnapchat

Apple(アップル)は、米国時間10月13日に行われたiPhoneイベントにて、最新のフラグシップモデルiPhone 12 Proと12 Pro Maxを発表した。その他の新型iPhoneと異なり、これらの機種にはLiDARスキャナーが搭載されている。より没入感の高い拡張現実(AR)体験をもたらすものだ。Snapchat(スナップチャット)は同じく米国時間10月13日、このLiDAR対応カメラを使う新技術を、他社に先駆けてアプリに採用することを明かした。

同イベントでアップルが説明していたとおり、LiDAR(光検出と測距)スキャナーは、光が目標に到達して戻ってくるまでの時間を計るものだ。

iPhoneの機械学習技術と開発フレームワークを使うことで、iPhoneはLiDARを通じて周囲の世界を理解できるようになる。

アップルは、この技術をiPhone 12 Proに採用し、その「暗闇でも見える」能力を応用して暗い場所での写真の画質を向上させている。

画像クレジット:Appleのプレゼンテーション(スクリーンショットはTechCrunch)

この技術を使えば、アプリ開発者はiPhoneの周囲の正確な深度マップが作れるようになり、即応性が向上するためARは高速化し、ARを応用した新しいアプリ体験が可能になる。

具体的にいえば、アプリ開発者はこの技術を使うことでオブジェクトや部屋のスキャンが可能になるということだ。例えばAR買い物アプリ、家のデザインツール、ARゲームなどが考えられる。

写真や動画のエフェクトにも使える。iPhoneは部屋の奥行きや物の位置を「見る」ことができるため、画像の中に正確にARオブジェクトを配置するといったことも可能になる。

画像クレジット:Appleのプレゼンテーション(スクリーンショットはTechCrunch)

これは、Snapchatが準備しているような新しいAR体験の原動力となる。すでに最上級のAR写真フィルターで知られる同社は、iPhone 12 Pro専用のLiDARを利用した「レンズ」をすぐにローンチすると話している。

アップルは今回のiPhoneイベントでLiDARを説明する際に、SnapchatのLiDARを使った機能をちらりと紹介していた。

上の写真は、SnapchatアプリのARレンズのものだ。テーブルや床の上が花と葉っぱで埋め尽くされ、ユーザーの顔に向かって小鳥が飛んでくる。部屋の奥に置かれた植物は、手前のものよりも遠くにあるように見える。さらにキッチンの戸棚を蔓が覆っている。物理的な空間のどこにテーブルや戸棚があるかを、認識している証拠だ。

Snapchatレンズの小鳥は、人の背後に回ったときには陰に隠れて見えなくなる。また、人の手の上に正確に止まる。

これがまさに、Snapchatが開発中のレンズだとわかるが、今のところ同社はそれ以上の詳細は公表していない。しかし、LiDARを使ったSnapchatの体験がどんなものかを感じることはできる。

Apple iPhoneイベントの動画の59分41秒あたりで、実際にSnapchatのレンズの動作を見ることができる。

【更新情報】米国東部時間10月13日午後4時47分、ここで公開されているレンズが、実際にローンチされるものだとの確認がとれた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ: AppleApple iPhone EventiPhoneLiDARSnapchatAR

画像クレジット:Denis Charlet / AFP / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

レーザーやLiDARで取得した3D点群データをオンラインで自動解析する「スキャン・エックスクラウド」が公開

レーザー測量やLiDARで取得した3D点群データをオンラインで自動解析する「スキャン・エックスクラウド」が正式スタート

スキャン・エックスは9月17日、レーザーやLiDAR(ライダー)など各種機器で取得した3D点群データの高精度クラス分類・解析が可能なクラウドサービス「スキャン・エックスクラウド」を正式にリリースした。1ライセンス月額税込み2万9800円で、毎月500GBまで点群データを処理・解析できる。初月はキャンペーンにより、30日間無料で利用可能。

レーザー測量やLiDARで取得した3D点群データをオンラインで自動解析する「スキャン・エックスクラウド」が正式スタート

3D点群データ(3 Dimensional Point Cloud)とは、建築物や地形などの位置や色といった情報を点の集合体として表現し、コンピューター上で扱いやすくしたもの。LiDARは、レーザー光線を使って、目的の物体までの距離や方向、形状などを高精度で測定・検出する装置。

スキャン・エックスクラウドは、地上型3Dスキャナー(TLS)、ドローン・航空機によるレーザー測量、車両搭載型のMMS(モービルマッピングシステム)、SLAMベースの背負型・手持型スキャナーなど、レーザー測量で使われる様々な機器に適したパラメーターを設定可能。

高度な点群のクラス分類機能によってノイズ除去・地表面抽出を自動で実施可能なほか、建物や樹木の分類もサポートしており、ニーズに応じて統計的手法や機械学習を用いた特定の物体も抽出も行える。個々の樹木を区別し、樹高、材積量も計算できるという。

地表面、樹木、ノイズを自動分類した後の様子 (東豊開発コンサルタント提供)

地表面、樹木、ノイズを自動分類した後の様子 (東豊開発コンサルタント提供)

等高線データを表示している様子 (東豊開発コンサルタント提供)

等高線データを表示している様子 (東豊開発コンサルタント提供)

また、点群からのメッシュデータ生成も対応しており、通常のTIN生成だけではなく、従来は難しかったオーバーハングのTINもサポート。等高線データ生成を生成し、図面データ形式でも出力できる。

​図面データとの重ね合わせによる出来形管理帳票の出力機能も年内にリリース予定で、i-Constructionを積極的に支援するとしている。

また、水流シミュレーションや冠水シミュレーションなどを用いて、災害リスク予測を通じた減災対策を支援。​災害などの被害状況をスキャンした後は、共有リンク発行により関係者に展開可能。実際の災害現場でもすでに使用されており、2020年7月の九州豪雨でも被害状況把握に利用されたという。

7月の九州豪雨で土砂崩れがおきた自然災害現場 (東豊開発コンサルタント提供)

7月の九州豪雨で土砂崩れがおきた自然災害現場 (東豊開発コンサルタント提供)

スキャン・エックスクラウドの正式リリース版を開発するにあたっては、国内外の業界関係者約10社にβ版を試験的導入してもらい、同社からの定期的なフィードバックを元に日々改良してきたという。すでに大手ゼネコン、損害保険会社、各地の測量会社において試験導入されており、様々な実績を残しているとしている。

スキャン・エックスは、イスラエルにおいてSLAMや3D点群データ解析の経験を積んだエンジニア2名が、2019年に設立したスタートアップ。世界各地の3D点群データを解析してきた創業者は、「既存3D点群データソフトは、ハイスペックPCが必要な上に、高価で使い辛い…シンプルで、誰にでも使いやすく、さらに低価格で、場所を選ばすデータ解析ができるものが欲しい」と考え、スキャン・エックスクラウドの開発に着手したという。

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LiDARのスタートアップであるOuster(オースター)は、競合ひしめく市場でシェアを勝ち取ろうと、数年にわたり製品ラインの拡大と改良を続けてきた。今、Ousterは4200万ドル(約44億5000万円)を調達したことを発表。この新たな資金を製品開発とセールスの拡大に投入する予定だ。

早い話が、逆風の中で生き残り戦を続けてきたこのサンフランシスコのスタートアップには、進歩の証がいくつか見られるということだ。今回の4200万ドルのシリーズB投資には、従来からの支援者であるCox Automotive、Fontinalis Partners、Tao Capital Partnersはみな参加したものの、新しい投資家の参加はなく、金額も前回の6000万ドル(約63億5000万円)を下回った。Ousterもご多分に漏れず、新型コロナウイルスの影響により従業員を10%削減したことを認めている。

とはいえ、この新型コロナの渦中でラウンドをクローズし、売上げ拡大を継続させようとするOusterの努力は注目に値する。しかも、新型コロナに関連する政府のシャットダウン政策により、サンフランシスコの工場が一時的に閉鎖されている状態にも関わらずだ。事業はこれ以上のレイオフを必要としない程度に伸びており、すべての従業員と臨時作業員の給料も満額支給されていると同社は話している。Ousterは本日までに、1億4000万ドル(約148億2000万円)を調達した。

Ousterは、収益の具体的な数値は公表していないが、12カ月の収益は62%伸びており、第3四半期の売上げは前年比で209%伸びたとのことだ。そのビジネスモデルと幅広い製品ラインを考えれば、この数値にも納得がいく。

LiDARとは、レーザー光線を使って距離を測定し、自動車の周囲の3Dマップを非常に高い精度で生成する装置だ。LIDARは、自動運転車技術業界のほとんどの企業が、ロボットタクシーやその他の自動運転車両の安全な運用には必須のセンサーだと考えている。Elon Musk(イーロン・マスク)氏や一部の企業は別かも知れない)。

しかし、Ousterの技術とビジネスのアプローチは、多くの競合他社とは違っている。

同社のレーザー発生器と光検知機は、集積回路を作るときの標準的な手法(詳しい人にはCMOSといったほうがわかりやすいだろう)によって2つのチップに印刷されている。それにより、個別のコンポーネントを上下に重ねる一般的な方法を使うことなく、目的のソリューションを実現できるという。このアプローチから作られるセンサーは比較的シンプルで、信頼性も高いとOusterは主張する。

「OusterのデジタルLiDARアーキテクチャーは、我々が製品を提供するすべての市場で顧客を勝ち取るという、根本的な優位性をもたらしてくれました。デジタルCMOSテクノロジーはLiDARの未来であり、OusterはデジタルLiDARを最初に発明し、製作し、特許を取り、商業展開した企業です。手頃な価格のこれらのセンサーの解像度階と信頼性を一度でも体験すれば、レガシーなアナログLiDARにはもう戻れなくなります」と、OusterのCEOであるAngus Pacala(アンガス・パカラ)氏は声明の中で述べている。

2020年1月、Ousterは第2世代のLIDAR製品ラインの発売を開始した。それぞれ128本のレーザービームを発する3モデルがあり、1つは都市環境や倉庫の中での自動走行など、さまざまな用途に対応できる。あとの2つは、計測範囲が120メートル、視野角45度の中距離モデルと、範囲が200メートル以上の高速自動運転用の長距離モデル。Ousterによれば、この3つのセンサーはいずれも出荷を開始しており、50種類の異なる設定が用意されているという。

同社のビジネスモデルも、他の多くの企業のものとは違っている。自動車メーカーやロボットタクシーの商品化を目指す企業をターゲットとはせず、より大きな網を投げて事業の多様化を図っている。このLiDARセンサーの販売先にはロボティクス、ドローン、マッピング、防衛、ビルセキュリティー、鉱業、農業などの企業も含まれる。1月に発売を開始した3つの128ビームの第2世代新型モデルの用途は広い。この第2世代は、64ビームの前モデルの発展形であり、解像度が改善されている。

その戦略は功を奏したようだ。Ousterは、2019年3月から顧客ベースを倍増させたと話している。同社によると、現在は15の市場で800の顧客を抱えているとのこと。そこにはKonecranes(コネクレーンズ)、Postmates(ポストメイツ)、Ike(アイク)、May Mobility(メイ・モビリティー)、Kodiak Robotics(コディアク・ロボティクス)、Coast Autonomous(コースト・オートノマス)、米軍、NASA、スタンフォード大学、MITも含まれる。idriverplus(アイドライバープラス)、WhaleAI(ホエールエーアイ)、Hongjing Drive(ホンジン・ドライブ)、qCraft(キュークラフト)といった中国の自動運転車企業への販売も、同社の成長を支えている。

こうした成長を遂げつつも、Ousterは規模の拡大のための資金を必要としている。LiDARセンサーのデザイン、製造、販売は大変な金がかかる仕事なのだ。Ousterは、グローバルなセールスと顧客サービスの能力を高めようとパリ、ハンブルグ、フランクフルト、香港、蘇州にオフィスを開設した。生産施設は2つある。2019年3月にオープンしたサンフランシスコの工場は、以前は新製品を発表する場として使われていたところだ。こちらの生産能力は低い。バリデーションを終えた製品の生産は、Ousterの契約製造業者である東南アジアのBenchmark(ベンチマーク)に渡されている。

現在、Benchmarkでは第2世代センサーを月間数万台生産していると、Ousterは話していた。

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Ouster LiDAR 自動運転 資金調達

画像クレジット:Ouster

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(翻訳:金井哲夫)

LiDARスタートアップのLuminarが約3600億円のSPAC合併で株式公開へ

何年にもわたってステルスで活動してきたあと、2017年4月に自動運転車の市場に華々しくデビュー(未訳記事)したLiDAR(ライダー、光を用いたリモートセンシング技術)スタートアップのLuminar(ルミナー)が、SPAC(特別目的買収企業)のGores Metropoulos(ゴアズ・メトロポウロス)と合併した。買収後の時価評価額は34億ドル(約3600億円)になると発表された。

NASDAQ取引所に上場しているGores Metropoulosは、1980年代後半にAlec Gores(アレック・ゴアーズ)氏が設立した世界的な投資会社であるThe Gores Grou(ザ・ゴアーズ・グループ)の関連会社が支援するSPACだ。

SPACを利用した合併は、Luminarが重要な節目を迎え、ボルボが2022年にLuminarとパーセプション・スタック(知覚システム)を搭載した自動車の生産を開始すると発表してからわずか3カ月後のことだ。Luminarの技術は、高速道路用の自動運転システムを展開するために使用される。

Luminarの創業者でCEOのAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏はTechCrunchに対して「いつかは株式公開をしたい」と語っていた。「しかし、ボルボとの取引の勢いと公開市場での関心が同社をSPACルートに導いた」とラッセル氏は語った。

Luminarは今夏、従来のIPOプロセスの代わりにSPACを利用した最新のスタートアップ企業であり、2社目のLiDAR企業でもある。LiDAR企業としては、6月にVelodyne LiDARが市場価値18億ドル(約1900億円)でSPACであるGraf Industrial(グラフ・インダストリアル)と合併するための取引を行った。Canoo(カヌー)、Fisker (フィスカー) 、Lordstown Motors(ローズタウン・モータース)、Nikola(ニコラ)の電気自動車のスタートアップ4社も、ここ数カ月で従来のIPOの道を避け、代わりにSPACとの合併契約を通じて株式を公開することを選択している。

LuminarはAlec Gores、Van Tuyl Companies、Peter Thiel、Volvo Cars Tech Fund、Crescent Cove、Moore Strategic Ventures、GoPro創業者のNick Woodman(ニック・ウッドマン)氏、VectoIQなどの機関投資家と、既存の主要な投資家の大半が参加することで、1億7000万ドル(約180億円)の株式公開投資(PIPE)を調達(Velodyne Lidarプレスリリース)できたと述べている。また、今回の取引には、Gores Metropoulosが保有していた約4億ドル(約423億円)の現金残高も含まれる。

買収が完了した後もLuminarは社名を維持し、Nasdaqにティッカーシンボル「LAZR」で上場する。この取引は2020年の第4四半期に完了する予定とのこと。ラッセル氏は引き続きCEOを務め、Tom Fennimore(トム・フェニモア)氏は引き続きCFOを務める。ゴアーズ氏は取引終了後、Luminarの取締役会に参加する。

ラッセル氏は声明で「この節目は、当社にとってだけでなく、より大きな自動車業界にとっても極めて重要なことです。8年前、私たちは技術的にも商業的にも実現可能な解決策はないと考えられていた問題に取り組みました。私たちは、この問題を解決するためにゼロから技術を構築し、世界の主要な自動車メーカーと直接提携して、その可能性を世界に示してきました。現在Luminarは、テクノロジーと自動車の分野で豊富な経験を持ち、Luminarを原動力とした安全な自律型の未来というビジョンを共有しているGores Metropoulosとの長期的なパートナーシップを通じて、次の飛躍を目指しています」と述べている。

Luminarは2012年にラッセル氏によって設立されたが、2017年春にPeter Thiel(ピーター・ティール)氏らの支援を受けてステルスから姿を現すまで、数年間は秘密裏に運営されていた。現在25歳のラッセル氏は、大学を中退してアイデアを追求する若者に2年間で10万ドル(約1060万円)を与えるThielフェローとしてLuminarの技術に取り組んだ。

LuminarはSPAC合併の発表前に2億5000万ドル(約265億円)を調達。同社は現在、シリコンバレーに350人の従業員を抱え、フロリダ州オーランドの工場のほか、シリコンバレーでも事業を展開している。今後はミシガン州デトロイトにもオフィスを開設する予定だという。

LiDARは、レーザー光を使って距離を測定し、車の周りの世界の高精度な3Dマップを生成する。このセンサーは、自動運転車の商用展開に不可欠と広く考えられている技術だ。自動車メーカーはまた、消費者が利用可能な新しい車のトラックやSUVの高度な運転支援システムの機能と安全性を強化するために使用される重要なセンサーとしてLiDARを認識し始めている。

ボルボは、LiDARを重要と考える自動車メーカーの1社だ。LuminarのIris Lidarセンサーは、TechCrunchが以前「本当に厚いサンドイッチくらいの大きさで、以前のバージョンよりも3分の1ほど小さい」と説明したコンパクトサイズで、2022年からボルボの生産車のルーフに搭載される予定だ。

またLuminarは、米国時間8月24日、現在は解散してしまったサムスンのDRVLINEチームで働いていた16人を雇用したことを発表した。サムスンはかつてDRVLINEプラットフォームを、自動運転車市場向けの「オープンでモジュール化されたスケーラブルなハードウェアおよびソフトウェアベースのプラットフォーム」と表現していた。今年初めにTechCrunchは、サムスンがDRVLINE/Smart Machinesチームを閉鎖したと報じた(未訳記事)。

元DRVLINEチームの採用は、Luminarの戦略にも直結している。ラッセル氏は、ロボタクシーにではなく、近い将来に生産車へLiDARを応用することを考えている。同社はロボタクシーの商業化を目指す企業との協力関係を続けていくが、ラッセル氏はロボタクシーとの提携について「長期的な視点」だと考えている。

「ロボタクシーには長期的に大きな期待が寄せられていると思いますが、市場は2020年代ではなく2030年代に大きく成長すると考えています」とラッセル氏。アクティブ・ドライバー・セーフティ・システムをサポートするために使用されるLiDARは、このビジネスを牽引するボリュームと規模の経済性を提供することになるだろう」とラッセル氏は付け加えた。

カテゴリー:モビリティ

タグ:LiDAR  SPAC Luminar

画像クレジット:Luminar

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(翻訳:TechCrunch Japan)