Googleは黒人/ラテンアメリカ人/先住アメリカ人社員の定着に苦戦

信じられないかもしれないが、Google における黒人およびラテンアメリカ人従業員の定着率は2018年の方が2017年よりもよかった。しかし、Googleの黒人・ラテンアメリカ人の減少率(年間に辞めた社員の割合)は未だに全国平均よりも高い。

先住アメリカ人従業員に関して、Googleの減少率は前年から著しく増加した。念のために言うとこれは悪くなったという意味だ。なお、どう解釈すべきかわからないがGoogleは白人従業員の定着率も決して芳しくない。

Googleはデータを加重指数で表しており、平均減少率を100としている。各グループが100に近いほど、Googleは平均に近い。あるグループの指数が90なら、定着率が平均より10%低いことを意味している。

「好ましい傾向もあるが、やるべき仕事はまだある」と、多様性受容・平等担当グローバルディレクターMelanie Parkerがブログに書いた。「特に、先住アメリカ人の減少率が悪化した。黒人およびラテンアメリカ人社員の数値は改善したが、まだ平均に達していない。これはいずれも当社が今年力を入れている領域だ」、

Googleは昨年初めて多様性報告書を公開し、年間何人の従業員が会社を去ったかを明らかにした。昨年のデータを見ると、Googleは黒人および褐色人種(brown)の維持に最も苦労した。実際、Googleでは黒人と褐色人種が全国平均以上の速さで退職した。

当時Googleの多様性担当VPだったDanielle BrownはTechCrunchに、黒人とラテンアメリカ人の減少率は「明らかに良くない」と言っている。

しかし、注目すべきなのは、女性がGoogleを辞める率は平均より低いことだった。そして2018年のデータは前年よりわずかに改善され、減少指数は94から90になった。しかし、最近のGoogleにおける騒動(ハラスメント、ストライキなど)の波を踏まえると、2019年の数値がどうなるのか予断を許さない。

アプリ開発でヘマしないための控えめな提案

設計と開発のための技術の分野は進化し続けているのだから、そうしたシステムをデザインするためのプロセスも進化すべきだ。

投資のためなのか、製品の開発を手助けするためなのかは別として、起業家や企業にとって、その製品の長期的な影響を考慮し、よりよく気を配った慎重なアプローチを熟慮することの必要性を伝えることは重要なことだ。

製品化のためのプロセスは、常に次の順序で実行する必要がある。まず戦略、次に設計、最後にエンジニアリングだ。これらのプロセスの柱に対して、「なぜ?」という態度で臨めば、より優れた製品、より高い消費者の関心が得られるはずだ。そして拡張し続けるインターネットに対しても、有益な貢献ができるかもしれない。

フェーズ1:製品戦略

この製品戦略の柱の中では、製品を開発できる人がいるからといって、必ずしもその人に開発を任せるべきとは限らない、ということを覚えておくことが重要だ。ある種の技術が利用できるからといって、それが使いやすさを向上させるとは限らない。目的が製品開発を推し進めるのはであって、技術自体ではけっしてない。

最近開催された第40回のInternational Conference of Data Protection(国際データ保護会議)で、その会議のホストであるGiovanni Buttarelliは、「法律に準拠していて、技術的に実現可能でありさえすれば、道徳的に持続可能だというわけではない」と述べた。言い換えれば、「それを開発すべきなのか?」という問いを、この段階では常に問い続けるということになる。このフェーズを真に理解するためのヒントは、「このフェーズを始める前と、終えた後で、自分の考えがどのように変わるのか?」と自問してみることだ。

考え方が発展すればするほど良い、ということになる。

フェーズ2:製品設計

もし設計者がフェーズ1と2の間を行ったり来たりするようなら、それは良い兆候だ。フェーズ1で消えてしまうアイデアは、それにどれだけの作業や時間が費やされていたとしても、成功と見なされるべきだというを覚えておこう。

そして製品設計のフェースに移行する際には、消費者は飽きている、本当に飽き飽きしている、ということを意識しておくのは非常に重要となる。

従来的技法のほとんどに、もはや消費者は共鳴しないと仮定すべきだ。それは技術の燃え尽き症候群が広まったような状態、App Fatigue(アプリ疲労)というべきものなのだ。この完璧な例は、通知や、思慮を欠いた警告に見られる。

通知によって使いやすさは増すだろうか? 通知があることによって、ユーザーはそのソフトウェア、アプリを使いたいと思うようになるだろうか? もしそのように問われたら、それには大声で「ノー」と答えることになる。戦略フェーズに戻り、顔を洗ってやり直すべきだろう。

ここで質問すべきことは非常にシンプルだ。「通知や、似たような小細工を使わずに、この製品を使い続けたいとユーザーに思わせるものは何なのか?」ということ。

顧客と共鳴できるようにするには、どのような体験を作り出せばよいのだろうか? もしユーザー体験が、全般的に個々のユーザーと共鳴するものであれば、彼らは通知機能などなくても、喜んで使い続けるだろう。これは自明で簡単なことに思えるかもしれないが、自明な答えというものは、概して答えるのが最も難しく、そのために無視されがちだ。

Uberがタクシーを呼ぶために、あるいはAirbnbが休暇の賃貸のために何をしたか、ちょっと立ち止まって考えてみよう。これらの企業は、消費者にとって本当に有意義で豊かな機会を提供する製品体験を可能にするための技術を利用している。彼らは、消費者をつなぎ留めておくために通知は必要としなかった。 消費者がその必要性に気付いていなかったサービスを提供しているのだ。それは、独創的な差別化されたアイデアだった。問題は、障害を乗り越える新たな飛躍が遂げられるか? ということなのだ。

開発者が戦略段階を経て、設計すべきコアな機能を理解したら、エンジニアリングのアーキテクチャとユーザーのデータについて、より安全で配慮の行き届いた体験を提供できるようにするため、新たなエンジニアリングの解法に集中べきときだ。

フェーズ3:エンジニアリング

現在、Facebook、Google、Amazonのいずれの会社でも、ほとんどのユーザーデータは集約されたサーバー内に格納されている。これはセキュリティとプライバシー上の懸念を生じさせている。

こうした数の限られた大手ハイテク企業のどれかに託すのではなく、もっと配慮の行き届いた方法でユーザーデータを扱うために、開発者はどうすれば良いだろうか? フォロワー、友達、その他の似たようなメカニズムを利用して製品上の人々を結び付けるようなアーキテクチャでは、データを暗号化して、集約型のサーバーではなく、ネットワークで接続された電話機内に保存すべきだろう。簡単に言えば、ユーザーデータのバトンを、大企業ではなく、あなたの友達に手渡すのだ。

まだ初期段階のものだとしても、このようなアーキテクチャは、将来の世代のアプリに焦点を合わせた全般的な製品体験と、うまく組み合わせることができるはずだ。それによって、企業ではなく、消費者に有利な分散型アーキテクチャを作り出すことができる。これも、配慮の行き届いた「ユーザー優先のアプローチ」の例の1つだ。これは、スタートアップにとって大きな飛躍となる得る。この場合は、ユーザーデータとセキュリティに関して、新しいアプローチについて考え、常に規範に挑戦し続ける好例となる。

それらをすべて統合して

以下のようなケーススタディを青写真として考えてみよう。ここでは、本質的にソーシャルなアプリケーションの開発を提案することを想像してみる(この例は現実的だ。というのも、多くの若い起業家は、依然として彼らの中核にソーシャルを位置付け、多くの企業はソーシャルが、重要な第一の差別化要因であると信じているから)。

この回答例は、「なぜそのようなソフトウェアを開発したいと思っているのか?」というもの。さらに、「それが、人々や社会に対して、ポジティブな、あるいは生産的な方法で役立つと感じているか?」と続く(別に彼らの注意を引こうとしているわけではない)。これらの的を絞った質問は、ソフトウェアの行く末の重要性と、それが社会に及ぼす大きな影響に焦点を合わせたものだ。

これ以降は、高レベルの戦略(何を開発しているのか、そしてそれはなぜ?)から、具体的な機能(設計フェーズ)に焦点をシフトしてみよう。通常は、友達やフォロワーという、つながりのモデルがある。それによって人の活動を見ることができるが、ある程度の煩わしい通知や、入力の要求、あるいはアップデートもある。

それから、こうした標準的な機能に代わる、配慮の行き届いたソリューションを提供することに焦点を合わせる。製品が提供しているものを明確にするために、友達リクエストの数を制限することを検討すべきだろうか? あるいは、開発がもう少し先に進んでいる場合には、広告は見たくないという潜在的な顧客のために、有料コンテンツを設定することも考えてみるべきか? または、一定のアルゴリズムによってコンテンツを並び替える代わりに、ポストされたらすぐにコンテンツを表示するのか、あるいは消費者にオプションを提供するのか、といったことも考慮すべきだろうか?

いくつかの企業は、こうした類の選択肢を模索し始めている。Appleが、最近のiOSのリリースで、マップ共有のために採用した方法を考えてみよう。Googleも、それに追従している。

ソフトウェア設計および開発の世界では、現在も将来も、少ないほど効果が多い、と言われる。そして、配慮の行き届いた思慮深い決定が、次世代のアプリと、より大きなソフトウェアのエコシステムの基盤を強化することにつながる。

混雑した市場で価値を提供するのは、非常に困難だが、やりがいのあることだ。配慮の行き届いたアプローチを製品設計に取り入れることによって、合理化されたアーキテクチャーが可能になる。それによって、時間を節約し、人々が本当に使いたいと思う製品を開発するための枠組みを提供することができるのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleが導入する聴覚障がい者用アクセシビリティ機能2つ

Googleは、今朝、聴覚障がい者や難聴者のためのAndroidの新機能を2つ発表した。同社が今朝のブログ記事でも触れているように、WHOは聴覚に障がいのある人は、2055年までに9億人に達すると推定している。特にAndroidというモバイルデバイスの普及率の高さを考えると、そうした人々にコミュニケーションの扉を開く確実な可能性を提供することができるはずだ。

その2つの機能のうちで、より有力なのはLive Transcribeだ。その名前が示すように、この機能は音声をリアルタイムで文字に書き起こすもの。聴覚に障がいのあるユーザーも、音声をテキストとして読むことができるので、双方向の会話が可能になる。デフォルトでは、黒の背景に白のテキストを表示するので読みやすい。また、外部マイクを接続すれば、さらに良好な結果を得ることができる。

この機能は、同社の提供するテキストの読み上げや翻訳機能を、さらに強化することになる。今日から、Pixel 3ユーザー向けの限定的なベータ版として展開される。いずれ、70以上の言語と方言に対応することになっている。

一方、昨年のGoogle I / Oで発表されたSound Amplifierは、周囲の環境音や、不要な雑音を除去するもの。最初から大きな音は増幅しない。これはヘッドフォンで機能し、効果の強さはユーザーが手動で自由に調整できる。これについては、すでにPlay Storeで入手できるようになっている(訳注:日本語版は「音声増幅」)。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Y Combinatorで育った女性プロフェッショナルのためのネットワークLeapがElphaと改名して独立

Y Combinatorが開発した女性のネットワーキンググループLeapがついに、Elphaという新しい名前でひとり立ちした。

Cadran CowansageとAbadesi Osunsade、そしてKuan Luoの三名が創業したElphaは、テクノロジー産業で働くプロフェッショナルの女性のためのネットワークで、女性が孤立せず互いに結びつけるためのさまざまなコンテンツやリソースへのアクセスを提供する。そのブログポストでCowansageは、女性を重視する企業に関する情報へのアクセスも提供していく、と言っている。

ElphaのアイデアをCowansageは長年温めてきたが、2017年にY Combinatorの支援でローンチできた。Cowansageによると、Leapは最初、夜と週末だけのプロジェクトだったが、今では7500名のアクティブメンバーがいる。協同ファウンダーのAbadesiとKuanのうち、Leapグループの最初のコミュニティリードになったAbadesiはProduct Hunt出身で、テクノロジー業界のインクルージョンにフォーカスしたHustle Crewのファウンダーでもある。

元ニューヨーカーのKuanはスタートアップ世界のベテランで、ニューヨークのデータベース企業Cockroach Labsでデザインチームを率いていた。テクノロジー業界の女性リーダーたちのために退職後の生活プランをコンサルするFor The Womenの、アーキテクトでもある。

同社はもはやY Combinatorの系列企業ではないが、その冬季クラスを受講し、またYCからの投資も受けている。Cowansageによると、それはYC支援企業の標準的な形で、15万ドルの投資でYCが7%のオーナーシップを取る、という形だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米国H-1Bビザ、ルール変更で申請手続きはシンプルに

米国政府は昨日、H-1Bビザプログラムに加える変更を発表した。このビザプログラムは専門知識を有する人が米国に来て働くのに最も活用する手段の一つだ。

今回のルールには2つの重要な変更がある。まず1つは、H-1Bビザ申請者は申し込み書類を提出する前に、H-1Bビザ抽選のために入国管理局に電子登録する必要がある。これは2020年に始まる。

このプログラムでビザが認可される労働者の数については議会が厳しい制限を課したため、数万の人が申し込んでも結局ビザを取得できない。現況では、申請者は移民当局USCISが行う抽選に申し込むために、企業によるサポート書類を含む全ての申請書類を提出しなければならない。

昨年は、全部で8万5000の枠に対して約19万人の申請があった。つまり、10万5000人は申請を完了させたが、抽選で漏れた。

2020年のH-1B手続きから適用される新ルールでは、申請者はまずUSCISに電子登録する。ここで抽選が行われる。もし選ばれたら、申請者はそれから申請書類やサポート書類を提出するよう案内される。ここでのポイントは、実際に抽選で選ばれた時のみ申請作業を行えばいい、ということだ。

この変更では、申請者の申請書類を準備する移民専門弁護士の収入減につながることが予想される。シリコンバレーの移民専門弁護士に企業がH-1Bビザ申請1件につき支払う一般的な予約金は安くて数千ドルだ。新ルールが始まっても弁護士は準備作業をすることを勧めるだろうが、新ルールは企業にとってコスト減となる。

2つめの変更点は、抽選の仕方についてだ。変更はいくぶん微細で、これについてはインターネット上でデタラメが多く見受けられるので、かなり注意しなければならない。

H-1Bプログラムでは、申請者を2グループに分けている。1つを通常グループ、もう1つを高学歴グループと呼ぶとしよう。通常グループにはビザ6万5000という制限があり、高学歴グループ(修士号以上を保持する者に限定されている)には2万という制限がある。

現在のプロセスでは、高学歴の申請者は最初に高学歴グループ内の抽選にかけられ、もしそこでの抽選に漏れたら通常グループにまじって2度目の抽選にかけられる。USCISがいうには、新ルールではプロセスが逆になる。全申請者を対象にまず通常グループで抽選があり、それから、1回目の抽選に漏れた高学歴申請者を対象に高学歴グループで2回目の抽選が行われる。

これが申請者にとって何を意味するのか。理解するには、テーブルのナプキンで確率論の計算を少しばかりしなければならないようだ(もしただ答えが知りたければ読み飛ばしてもらっても構わない)。

昨年は高学歴者用の2万の枠に対し9万5885人の申請があり、ビザを取得できるチャンスはおおよそ20.85%だった。これにより抽選に漏れた7万5885人の高学歴申請者は通常グループの9万4213人に加わった。そして、6万5000の枠に対して17万98人が申請し、ビザ取得確率は38.21%だった。2回にわたる抽選で、高学歴者は統計的に最初の抽選で2万のビザを取得し、通常グループの抽選で7万5885人の38.21%、つまり2万8998のビザを取得した。結局、高学歴者の51.1%がH-1Bを取得し、これに比べ通常グループ申請者のビザ取得率は38.21%だった。

これは古いルールでの話だ。では、新ルールで確率がどのように変わるかみてみよう。6万5000の枠に対し、高学歴者9万5885人が通常グループの9万4213人に加わって申請すると、取得の確率は34.19%となる。すると、高学歴者3万2786人が通常グループの抽選でビザを取得する。この抽選で漏れた6万3099人の高学歴者が、2万の枠が用意された高学歴グループの抽選に進むと、取得できる確率は31.7%となる。この数字を足すと、2万+3万2786=5万2786となり、高学歴者9万5885人のビザ取得率は55.05%とはじき出される。

最終数字としては、高学歴者のビザ取得率は旧ルールでは51.1%なのに対し、新ルールでは55.05%となる。一方、通常グループの申請者のビザ取得率は38.21%から31.70%に下がる。

より端的に言うと、USCISは(統計の観点から)高学歴者を“優先している”と言ってもいいだろう。もちろん、もしあなたがビザを申請しているのなら重要な修正だ。しかし、究極的には移民の優先順位が法に盛り込まれて以来大きな変化はなく、こうしたシステムを変更するだけの柔軟性を行政部門はさほど持ち合わせていない。

(追記:確率の計算はあくまでも“粗”だ。というのも、H-1Bプログラムにはいくつもの小さな優先事項があり、これにより確率は申請者によって異なってくる。チリとシンガポールの市民は特例を受けられる。またグアムやその他いくつかの米国領での労働を申請した場合も特別なプロセスを経ることになる)。

国境についての話:Huaweiとスマホプライバシー

米国、そして世界の多くの国々は国境ではプライバシー権をさほど提供していない。国は、どの旅行者の電子機器もスキャンし、引っかかるような内容のファイルやデータを保存できる。そうした策はACLU(米国自由人権協会)のようなプライバシー啓発機関のおかげでかなり明らかになってきている。

あらゆるものをスキャンすることは、国際的な捜査の面では有用だ。米司法省はHuaweiのCFO、Meng Wanzhouをさまざまな容疑で起訴した。容疑には米国の対イラン制裁措置にHuaweiが違反したことに関連する銀行詐欺や通信詐欺が含まれる。

起訴状によると、このケースの主要な証拠のいくつかは、MengがJFK空港を通過するときに行なった彼女のスマホのスキャンからのものだ。JFK空港の入国管理当局は、イランとSkycomのつながりに関するHuaweiの疑惑を裏付けるものをとらえた。起訴状には「Mengが米国に入国したとき、彼女は未割り当てスペースにファイルを含んだ電子機器を携帯していた。これは、ファイルが削除されたかもしれないことを意味している」。

エンド・トゥ・エンドの暗号についての議論があるが、国境で提供されるべきプライバシーのレベルについては複雑だ。一般的なプライバシー権については守られるべきだが、一方で法執行機関は正当な手続きにおいて犯罪を阻止するためのツールを持っているべきだろう。

国境についての話:ブレグジットと製造展開

私は昨日、Foxconnのウィスコンシンと広州での工場建設中止に関連する製造展開の記事を書いた。最近“ネジ探し”に失敗しているのは何もAppleだけではない。いまや英国に生産拠点を置く全ての企業は部品の確保を懸念している。

Bloombergは、「調査会社IHS Markitグループが金曜日に発表したレポートでは、英国企業の在庫は同グループが調査を行なってきた過去27年間の中で1月としては最も多くなった」と報道した。企業は、英国議会が欧州連合からの脱退の計画を繰り返し否決したために合意なしブレグジットのリスクが高まっているとして、ネジやパーツから医薬品に至るまで在庫を増やしている。

在庫は好きなだけ増やしていい。しかし、中国の改革・開放から30年がたち、中国の成功は国境や関税、港を世界で最も効率のいいものにしてきた。英国は競争したければ、同様の措置をとる必要がある。

TechCrunchは新たなコンテンツ方式を試している。このスタイルは“お試し”であり、あなたの考えを筆者(Danny:danny@techcrunch.comまで寄せてほしい。

スタートアップの弁護士に関する体験をシェアしてほしい

同僚Eric Eldonと私はスタートアップの創業者や役員に、スタートアアップの弁護士についての経験を聞いて回っている。我々の目標は、その業界を導くような方法を特定し、最善のプラクティスについての議論を起こすことだ。あなたのスタートアップのために素晴らしい仕事をした弁護士を知っているなら、短いGoogleフォームの調査を使って我々に知らせてほしい。そして世の中に広めてほしい。数週間内に結果などを公開する予定だ。

次は?

・社会のレジリエンスについてさらに取り組む

・私はいま、中国を舞台に多国で活躍する人物が登場するCho Chongnaeが書いたThe Human Jungleという韓国の小説を読んでいる。4分の1ほどを読んだが、これまでのところいい小説だ。

このニュースレターはニューヨークのArman Tabatabaiの助力を得て執筆された。

アップデート:H1-BからH-1Bへとハイフンの位置を直した。また、電子登録は立法案公告に基づく一般からのコメントを経て、今から2サイクル後に正式に変更される。最初の表記では今年導入される、としていた。

イメージクレジット: Scott Olson (opens in a new window)/ Getty Images

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

ニューヨークの130のハイスクールがAmazonの出資でコンピューターサイエンスのクラスを導入

【抄訳】
Amazonが新本社のひとつをニューヨーク市クイーンズ区ロングアイランドシティーに置く、と決めてから、その後同社は、ニューヨークの130あまりのハイスクールにコンピューターサイエンスのクラスを開設するための出資をする、と発表した。具体的には、Amazonはニューヨーク市の5つの区すべてに、コンピューターサイエンスの入門クラスとアドバンスト・プレイスメント(AP)クラスを設けるための出資をするが、とくに新本社のお膝元であるクイーンズ区では30あまりの学校を対象にする。

そのコースはAmazon Future Engineer事業がサポートする。この事業の目標は1年に1000万以上の子どもにコンピューターサイエンスを教え、また、アメリカの低所得地域のハイスクール2000校の恵まれない子どもたち10万名あまりに、コンピューターサイエンスの学習資金を提供することだ。そしてさらに、1年に100名の生徒に4年間1万ドルの奨学金とAmazonにおけるインターンシップを提供する。

Amazonによると、ニューヨーク地区の学校への出資は、入門課程と個人指導と教師のための専門教育を対象とする。生徒たちには計画性のあるデジタルカリキュラムを提供し、また教師も生徒も共に、ライブの–リアルタイムの–オンラインサポートを受けられる。

参加生徒の全員がAWS Educateに無料で入会し、プログラミングの実習などではAWS Cloudのコンピューティングパワーを無料で利用できる。

Amazonがニューヨーク市での教育事業に力を入れるのはもちろん、新本社のある地域で将来の人材を育てたいからだが、Amazonの“HQ2”(第二本社)計画に立候補して落選した地域は、そのことだけでなく将来の科学技術教育でも割りを食うことになる。

また全国的に、科学技術教育で後れを取り、教育資金もままならない地域はたくさんあるが、今回AmazonがFuture Engineer事業の対象地域として選んだニューヨーク市などは、むしろ–Amazonからの施しがなくても–科学技術教育の機会に恵まれている場所である。

【中略】

Amazonによると、Amazonが提供するコースを各高校のカリキュラムに組み込む作業は、カリキュラムプロバイダーEdhesiveが行なう。それらのクラスが組み込まれる学校のリストは、ここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オークション形式で電力の最安値が分かる「エネオク」開始

日本では、2016年4月より電力小売事業への新規参入の全面自由化が始まった。経済産業省の発表によれば、自由化が始まった当時の事業者数は291社。しかし、この自由化により2019年1月末時点で事業者数はその約2倍の559件にまで拡大した。

消費者にとってもメリットがある電力小売事業の自由化だが、その一方で、事業者数の急増や電力プランの乱立により、消費者がどの事業者を選べばいいか分からないなどの課題も生まれている。

そんな中、エネルギー領域のスタートアップであるエナーバンクは1月30日、電力コストの削減や「新電力」と呼ばれる新しい小売事業者への切り替えを望む法人向けに、電力のリバースオークションサービス「エネオク」をリリースした。

エネオクは、オフィスビルなどの施設情報と直近12ヶ月の電力使用明細をアップロードするだけで、複数の電力事業者による入札で決定した電力プランの「最安値」が分かるリバースオークションサービスだ。通常、電気情報の入力から約2週間で最安の事業者が見つかるという。

また、エネオクには電力事業者側の担当者と直接やりとりができるチャット機能もあるため、法人ユーザーはエネオクを通して担当者に質問したり、料金交渉などを行うことも可能だ。法人ユーザーは同サービスを無料で利用することができ、最安値が決定したあとも電気プラン切り替えの義務はない。エナーバンクは契約の切り替えが成立したときに、電気事業者から成果報酬を受け取るというモデルだ。

経済産業省「電力小売全面自由化の進捗状況について」(2018年11月8日発表)より

エネオクは電気事業者、特に新電力の課題解決にもつながる。経済産業省が2018年11月に発表した資料によれば、自由化以降、全販売電力量における新電力のシェアは増加傾向にあるものの、現時点ではまだ15.5%程度と低い。これは、新電力がもつ「営業パイプ」が大手事業者に比べてまだ少ないことが理由の1つとして考えられるだろう。

しかし、そうした新電力の事業者がエネオクを利用することで、入札条件次第ではこれまで接点がなかった法人との営業窓口を作ることができるようになる。エナーバンク代表取締役の村中健一氏は、「エネオクではいわゆる『新電力』と呼ばれる事業者 からの利用もある。それらの事業者がエネオクを利用することで、これまでは接点がなかった法人と自社をつなぐ窓口を作ることができる」と同サービスが事業者側に与えるメリットを説明した。

エナーバンクは2018年7月に創業したばかりのスタートアップ。同年10月にはエネオクのベータ版をリリースしている。本日の正式リリース時点では、エネオクを利用する小売電気事業者の数は十数社ほど。リバースオークションサイトとして本当の意味での「最安値」を提示するためにも、まずはこの数を増やすことが同社にとって喫緊の課題だと言えるだろう。

国境の壁の必要性を全否定するシンプルな調査結果

[著者:Ken Miller]
Omidyar Networkの技術パートナー。以前はPaypalとIntuitの役員、Squareの顧問を務めた。

目的のためには手段を選ばない人がいるが、それがまったく正当化されないときもある。しかしこの珍妙な世界、つまり今のアメリカの政治的状況下では、手段が目的化してしまうことがある。

この現象の立役者は、あの悪名高き国境の壁だ。トランプ大統領は壁が必要だと強調している。もちろん、民主党は必要ないと言っている。

ここで問われるべきは、国境の壁の最終目的はいったいどこにあるのか? ということだ。その壁は、どのような問題を解決することになっていて、実際にその効果はあるのか? 不法移民に関するトランプ大統領の攻撃的な発言や選挙キャンペーンで繰り返されるスローガンを聞けば、アメリカに流れ込んできた悪質な不法移民、つまりトランプ大統領が呼ぶところの「Bad Hombres」(訳注:悪いやつらといいう意味だが、悪質なメキシコ人を暗示している)によって増大している犯罪や麻薬の問題に対処するために壁を建てなければならない、というのが回答のようだ。

アメリカへの不法侵入は大変に深刻な問題で、行政サービスをストップするに値する危機なのだと私たちは大統領から聞かされてきた。そのおかげで、アメリカの80万世帯がこのチキンレースの政治的なコマに使われている。しかし、アメリカの国境突破を目論む犯罪予備軍による前代未聞の攻撃など、本当にあるのだろうか?

先日、メキシコとの国境に接するテキサス州リオグランデを旅していたとき、大統領は、国境警備隊による逮捕者が、「歴史上経験のない」ほど多くなっていると述べていた。幸いなことに、私たちに付き添ってくれた国境警備隊員は、偶然にも行政サービスの停止による給料未払いの被害者だったのだ、大統領が言っていることはまったく事実と違うと話していた。

米国土安全保障省の実際の逮捕記録を見れば、大統領がいかにいい加減な発言をしているかがわかる。それどころか不法入国による逮捕者数は、ピークに達した2000年の167万人から76パーセントも激減しているのだ。実際、ここ数年の逮捕者は、この50年間で類見ないほど大幅に減っている。

国境警備隊の年間逮捕者数(1970〜2018) グラフの赤いところ:これなら危機と言えるかも。

逮捕者数が激減して1970年のレベルにまで低下した陰には、次のような改革があった。(1)国境警備隊の職員を90年代の6000〜7000人態勢から1万9000人を超える規模に増やした。(2)モバイルまたは固定型の監視技術(レーダー、ドローン、センサー、モバイルおよび固定型カメラ、暗視ゴーグルなど)を導入した「バーチャルフェンス」に資金を投じた。隊員たちはこれで「潮目が変わった」と話している。(3)Scure Fence Act(安全フェンス法)に基づくターゲットを絞った柵の建設。これらの投資は(メキシコの経済が改善されたこともあるが)、狙いどおりの効果をもたらしたと言える。カオス状態だったピーク時から、劇的に逮捕者数を減らせたのだから。

国境警備隊の年間逮捕者数(1970〜2018) 黒い折れ線グラフは国境警備隊の職員の数を示したもの。矢印の時期に国境監視システムの導入、特定箇所の柵の建設が実施されている。

だが、逮捕者が減ったということは、それだけ不法移民が国境をすり抜けたことだとは解釈できないだろうか? 逮捕者が減ったことが、すなわち不法移民の「侵入」が減ったことを意味するのはなぜか? まあそれは、直感と、米税関国境警備局(CBP)が我々にそう言ったからなのだが。CBPのウェブサイト(国土安全保障省の一部)にはこう書かれている。「感覚的に納得がいかないかも知れませが、逮捕者数の増加は、入国を阻止する物理的または認識可能な障害物がほとんどないアメリカの国境が、制御不能の状態になっていることを意味します。逮捕者数が多いことは、アメリカでの違法行為の抑止力が低下していることと見なされます」

国境警備隊員1人あたりの年間逮捕者数を調べると、さらに確証を深めることができる。もし、職員の数を2倍や3倍に増やしても、1990年代から2000年代の初めにかけての比率を圧倒するようであれば、本当の国家的危機と言えるだろう。ところが、1993年の国境警備隊員1人あたりの年間逮捕者数は313人だったのに対して、2017年には隊員1人あたりの逮捕者数は16人にまで落ち込んでいる。95パーセントもの減少なのだが、一旦立ち止まってそこに目をやったり、これまでに行われた投資との関係に着目する人は少ないようだ。

国境警備隊員1人あたりの逮捕者数

逮捕者数のデータが不法入国活動を測る合理的な指標となり、ここ数年間の不法入国活動は大幅に減っていると言えるなら、すでにアメリカ国内に居住している不法滞在者の増加が抑えられることも期待できる。ピュー研究所の最新のデータ(一般にこの件に関してもっとも信頼性が高いとされている)は、まさにそれを裏付けている。それは、アメリカに滞在する不法移民の数は2007年にピークに達したこと、そしてそこから減少に転じ、122万人から107万人に減っていることを示唆している。上の逮捕者数のグラフと見比べると納得できる。

アメリカに不法滞在する移民の数は、この10年間で減少している。

しかし、不法移民が大幅に減り、アメリカの不法滞在者の総数も減少してはいるが、国境の壁の最終目的は、大統領が私たちに再三警告するように、危機的なまでに犯罪率を高める大量の殺人者やレイプ魔や麻薬密売人が国境からなだれ込んで来るのを阻止することにある。しかしその根拠もまた、事実ではない。アメリカに住むヘロインやその他の合成麻薬の乱用者の多くが、メキシコ出身であることは事実だが、大統領の管轄下にある司法省も、2018年に発表した164ページにのぼる報告書で、合法的な通関手続地(つまり合法的な移民による持ち込み)以外で摘発された麻薬の割合はわずかであり、大部分は合法的な通関手続地から個人所有の車両やトラックによって持ち込まれていることを認めている。通常は、合法的な荷物に紛れ込ませてアメリカ国内に持ち込まれている。

同時に2018年、ケイトー研究所(民主党的な考え方を擁護しないことで知られる)も、テキサス州の移民の状況について調査している。その結果、不法移民が逮捕され有罪が確定した割合は、アメリカ出身者の場合よりも明白に低いことがわかった。下の表は、不法移民による犯罪(殺人、性犯罪、窃盗を含む)の有罪確定の割合を示したものだが、アメリカ出身の有罪確定者の割合よりも5割ほど低い(それぞれの人口に対する比率)。

テキサス州における不法移民の犯罪有罪確定率
各部分母集団の10万人あたり(2015年)
左から、アメリカ出身者、不法移民、全移民、合法移民
出典:テキサス州公安局、米国勢調査、移民研究センターのデータから著者が分析。

有罪確定数ではなく逮捕者数に着目しても、同等の結果が得られる。同じ犯罪での不法移民の逮捕者総数は、アメリカ出身者の総数よりも4割少ない。

各部分母集団の10万人あたり(2015年)
左から全逮捕者数、殺人による逮捕者、性犯罪による逮捕者、窃盗による逮捕者
上からアメリカ出身者、不法移民、全移民、合法移民
出典:テキサス州公安局、米国勢調査、移民研究センターのデータから著者が分析。

ネットで話が拡散する今の世の中では、大勢の保守派の人たちが、何かと言えば「All lives matter」(訳注:Black Lives Matter、黒人の命を尊重せよという運動に対抗してトランプ支持者が訴える「すべての命が大切だ」とのスローガン)と主張するが、この社会に暮らす、実際には驚くほど安全と思われる住民を重大犯罪者であるかのように言い立てる根拠に乏しい説に固執するあまり、その主張が脇に追いやられているのは皮肉なことだ。

数十年前、たしかに国境は危機的状態にあった。不法移民が国境からなだれ込み、国境警備隊は必死に対処しようとしたがその数に圧倒されてしまった。しかし、その後は減少を続け、1970年代前半のレベルにまで落とすことができた。これは、行政機関が問題にうまく対処できた稀有な例だろう。

さて、政府が言う最終目的が、たとえば、不法移民の数をできる限りゼロに近づけることであり、そうしなければ国は不必要な経済的負担を強いられ、合法的に入国しようとする人たちを不公平に使うことになると主張するならば、選挙キャンペーンでのスローガンよりも、よっぽど説得力のある票集めの宣伝になる。だが、ホワイトハウスからそんな話は聞こえてこない。おそらくそれは、炎上を誘発する一言サイズの選挙スローガンにしにくいからだろう。「国境警備隊による年間逮捕者数を16から0に減らすために壁を作ろう!」では内容が難しすぎる。まったく浅薄さがない。

もし、不法入国が危機的状態でないのなら、またアメリカに暮らす不法滞在者の数が減少傾向にあり、とても安全な人々なのだとすると、壁を作る目的は、単に選挙公約を守るためだけなのか? どうも、答えはイエスのようだ。

結果として、18年以上前に実際にあった国境警備上の危機から180度方向転換すべきだと私たちが訴える今の状況を、押し付けられたままでいる。「壁を作る」必要性を売り歩く行商はまだ続く。しかし、壁の建設は、明確な目的のための合理的な方法であるとはまったく思えない。むしろ、それ自体が目的化されてしまっている。これはその行商人を、無知と不誠実に挟まれた細い尾根の上を、落ちないように永遠に歩かせることになる。

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(翻訳:金井哲夫)

2019年に世界のプライバシーはどうなる? 【抄】

昨年EUで一般データ保護規則(GDPR)が施行され、今年に入って同規則違反としてGoogleが巨額の罰金を課せられたこことは記憶に新しい。TechCrunchでは8人の専門家に「2019年を迎えてプライバシーに関する根本的な状況の変化はあったのか?」という質問を行った。この記事はMelika Carrollの寄稿。同氏はInternet Associationの各国政政策担当シニア・バイスプレジデント。この組織にはGoogle、Facebook、Amazon、Twitter、Uber、Airbnbなどを含む有力インターネット企業45社が参加している。【抄訳につき全回答は原文を参照】。

われわれは現代の各国のプライバシー保護法を支持する。これはデータの使用方法、表示方法、共有方法について人々が十分な知識に基づいた選択ができるようにし、また企業に提供するデータを有効に管理できるようにすることが目的だ。

あらゆる国家的プライバシー・フレームワークはデータがオフラインで収集されたかオンラインで収集されたかにかかわらず、どのような業種であれ、個人のデータに対して同じレベルの保護を提供すべきだ。

われわれインターネット企業は、すべてのアメリカ人が、企業に提供するデータにアクセス、修正、削除、ダウンロードする能力を持つべきだと考えている。 アメリカでは、州法の規定がばらばらであるので、連邦政府がプライバシーに対する規定を整備することから最も恩恵を受けるはずだ。ニューヨークのの市民がフロリダに住む祖母とビデオチャットするならば、双方に同様のプライバシー保護があるべきだ。

オンラインとオフラインとを問わず、すべての企業がデータを収集し、利用しているに留意する必要がある。どの国のプライバシーフレームワークでも、データがオフラインで収集されているかオンラインで収集されているかにかかわらず、個人データに対して同じ保護を提供する必要がある。
あらゆる国家的プライバシー・フレームワーク、データがオフラインで収集されたかオンラインで収集されたかにかかわらず、どのような業種であれ、個人のデータに対して同じレベルの保護を提供すべきだ。

連邦のプライバシー法規に関して重要な点が2つある。、ひとつはユーザーが通常抱くであろう期待、他方はデータが第三者と共有されるコンテキストだ。期待の具体的内容は個人と企業との関係、期待するサービス、共有されるデータの秘密の度合いによって異なる。

たとえばレンタカー会社が、貸出中の車両の位置をモニターできるとする。この場合ユーザーはレンタカー会社がリアルタイム位置情報を競争入札でサードパーティーに販売するとは予期していない。またたとえ同じデータであっても使用または共有されているコンテキストが変われば秘密性も変わってくる。たとえばも自分の名前にしても、名刺に刷られている場合と薬物中毒リハビリ・グループのミーティングの出席簿に記入されている場合では秘密性の度合いは違ってくる。

今年はワシントンにとって特別なチャンスを与える年になるだろう。トランプ政権と超党派の上下両院は連邦プライバシー法の制定が必要であるという点で一致している。われわれインターネット企業は議員を始めとする政策担当者、関係者と協力し 企業にイノベーションを保障し、人々を益するプロダクトの開発を可能にすると同時に、個人のプライバシーを保護し、アメリカとしてのプライバシーへのアプローチを見出す努力を続けている。.

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滑川海彦@Facebook Google+

Googleは顔認識技術を外部に売らないと決定…悪用を防ぐため

このところテクノロジー企業に対する、顔認識技術に関する強力な規範の要請が厳しい。先頭を切ったMicrosoftは厳格なポリシーを約束し、そのほかの企業にも同社の後に続くことを求めた。

そしてGoogleのSVP Kent Walkerは、アジアの医療に人工知能を活用することの利点を挙げたブログ記事の終わりの方で、同社が顔認識技術のAPIを売らないことを確約している。そして彼は、この技術の悪用を心配する声を列挙している。

Walkerは曰く: “顔認識技術は、行方不明者を見つけるなど、さまざまな良いアプリケーションの可能性がある。しかし多様な使い方のあるそのほかの多くの技術と同様に、顔認識技術の利用には細心の注意が必要であり、一定の原則と価値観に従う必要がある。そしてそれにより、悪用と有害な結果を避けなければならない。われわれは今後も多くの企業との協力関係を継続して、これらの課題を特定し対策を講じなければならない。そして一部の他社と違ってGoogle Cloudは、重要な技術的および政治的疑問がクリアされるまでは、顔認識の汎用APIを外部に提供しないことを選んだ”。

GoogleのCEO Sundar Pichaiは今週のThe Washington Post紙のインタビューで、AIの倫理をめぐる同様の懸念の高まりについて述べた: “テクノロジーは、とにかく作ってだめだったら直す、という従来のやり方をやめるべきだ。そんなやり方は、もうだめなのだ。長期的には、人工知能は核よりもずっと危険なものになりえる”。

顔認識技術をめぐって、とくにそのプライバシー問題と人種差別的問題を批判してきたACLUは、ピチャイの声明を賞賛するとともに、大企業に対しては今後も圧力をかけ続けなければならない、と言っている。

ACLUのテクノロジー担当部長Nicole Ozerが声明で述べている: “Googleが人権を侵害する顔監視プロダクトを今後も作らないし売らないようにするために、継続的に圧力をかけ続ける必要がある。またAmazonやMicrosoftに対しても、危険な顔監視技術を政府に提供しないよう、これから何度も呼びかけていく必要がある。企業には、自分たちの製品がコミュニティの攻撃に使われたり、人間の権利と自由を侵さないようにする責任がある。責任はすべての企業にある、という古い言い訳は、もはや通用しない”。

同団体はとくに、AmazonのRekognitionソフトウェアを厳しく批判している。今週同団体はまた、顔認識技術を使って“不審者”を見分けるインターホンで同社が特許を申請したことを、やり玉に挙げた

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa