セールス情報プラットフォームのSlintelが4.3億円を調達

パンデミックが蔓延する中で、企業は販売の最前線を探している。販売につながる可能性が最も高い顧客に関する、適切なデータを持っていることが、いまでは大きな促進手段になる可能性があるのだ。セールス情報ツールを構築する初期スタートアップ企業のSlintel(スリンテル)は、米国時間11月6日、420万ドル(約4億3000万円)のシードラウンドを発表した。

このラウンドは、Accelが主導し、Sequoia Capital Indiaや既存の投資家のStellaris Venture Partnersが協力している。同社は、2019年のプレシードラウンドを含めると、これまでに570万ドル(約5億9000万円)を調達したと報告している。

同社の創業者でCEOのDeepak Anchala(ディーパック・アンチャラ)氏は、企業のセールスチームやマーケティングチームが、幅広い市場をターゲットにしようとしているにもかかわらず、ほとんどの場合には、電子メールをはじめとする顧客とのコミュニケーション形式は変わらないままだと指摘する。この問題こそが、アンチャラ氏が、以前勤務していたスタートアップであるEightFold(エイトフォールド)とTracxn(トラクスン)のセールス担当者として、何よりも感じていた問題だったのだ。データの力を信じていた彼は、この問題を改善できると考えていた。そうして彼は、以前のポジションでは手に入らなかったセールスデータを提供するツールを構築するために、Slintelを起業したのだ。

「当社は、購入意欲の高い相手を特定することで、お客様のデータ不足を解決できるよう支援することに重点を置いています。例えば私たちはセールスチームやマーケティングチームに対して、製品やサービスを購入する可能性が最も高い相手が誰かを、そして今から2カ月または6カ月先ではなく『いま』製品を購入する可能性が最も高い相手が誰であるかを伝えることができるのです」とアンチャラ氏は説明した。

彼らは必ずしも明白ではない兆候をみることでこれを実現しているが、セールスチームに対して、相手企業の重要な情報や相手がすぐにでも購入する可能性があるかどうかを伝える。彼は、どんな企業でも技術的に追跡可能な足跡(フットプリント)を残しているのだと語る。例えばSECへの申告書、年次報告書、求人情報などのデータなどだ。

「現在は、企業が特定の製品を使用することによって、膨大な量の足跡がオンラインに残されていきます。そこで、当社のアルゴリズムは、約1500万社の企業で使われている製品を、私たちが特定できるさまざまなソースから割り出してマッピングしているのです。そのすべてを毎週追跡しています」と彼はいう。

現在、同社は45人の従業員を抱えているが、2021年末までにその数を倍増させる見通しだ。アンチャラ氏は会社を創り上げていく過程で、特に移民の創業者として、多様で包括的な組織を構築したいと考えている。

「現代の企業にとって、重要な成功の1つは、多様性があることだと思っています。私たちはグローバルにチームを抱えていますが、米国とインドのチームのそれぞれを活用したいと考えているのです。次の採用フェーズでは、より多様な候補者、より多くの女性従業員、異なる国籍の人びとを雇用することを検討しています」と彼はいう。

2018年に設立され、2019年にステルス状態から浮上した同社は、合計100社の企業顧客を抱えている。そのほとんどの顧客が、今年、新型コロナウイルスによってセールスプロセスをより効率的にすることを迫られた企業たちなのだ。

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タグ:Slintel資金調達マーケティング

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(翻訳:sako)

米大統領選、ジョー・バイデン氏が当選確実

緊張の票集計週間を経て、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏はペンシルベニア州を制し、次期米国大統領選挙の接戦を抜け出した。重要な州で勝利を収め、現職の候補を振り切って当選に必要な選挙人270人以上を獲得した。

バイデン氏はウィスコンシン州、ミシガン州、ペンンシルベニア州など2016年の大統領選でDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏が抑えた鍵を握る州を奪還した。トランプ氏は前回に続きフロリダ州とオハイオ州で勝利したが、当選にはつながらなかった。バイデン氏はまた一般投票数でも何百万票もリードした。その多くは郵便によるもので、今回は記録的な数となった。

バイデン政権で副大統領を務めるKamala Harris(カマラ・ハリス)氏は、初の女性、しかも有色人種の副大統領と、多くの点で歴史を作ることになる。同氏はカリフォルニア州選出の上院議員で、同州で司法長官も務め、テック産業が盛んな同州でキャリアを築きあげた。

分断はさておき、2020年の選挙は多くの米国民にとって悪名高いものになりそうだ。誤情報の嵐、拡大された郵便投票システムの運命に対する恐れ、米国において23万人超の命を奪った新型コロナウイルスに代表されるように、近年において最も奇妙な選挙だった。バイデン氏の選挙活動は投票を呼びかけるためにドアをノックして直接顔を合わせる代わりに、車に乗ったまま、そしてデジタルのキャンペーンを展開することを余儀なくされた。

また、そうした状況は完璧な誤情報エコシステムを作りだした。11月4日朝のトランプ大統領の誤った勝利宣言や、いまも続く民主党による投票不正があったという主張などが状況をさらに悪化させた。トランプ大統領は選挙結果を受け入れるつもりはないようだ。しかし最終的には票がものをいい、ジョー・バイデン氏が2021年1月20日から大統領となる。

慣習上の民主主義の規範をはねのけながら大統領の座に居座っても、トランプ大統領の決断は最終的な結果にはほとんど影響しない。今後どのようなことがあろうと、米国は誤情報、政治的緊張そして政治的動機による暴力が溢れかえる新たな、そして前例のない不確実な時代に突入する。

元副大統領の勝利により、4年間のトランプイズムは終焉を迎える。しかしその残響は米国政治のあらゆるところに何十年も残るだろう。そうした中で、ジョー・バイデン氏は政治的領域を超えたありそうもない民主党の連合の影響力を利用する計画で新たな時代を切り開く。上院は、2021年1月に対決するジョージア州の結果まではどちらに転ぶかわからない。

バイデン氏は抜本的な気候変動対策や、より多くの米国人をカバーするヘルスケアの拡大、Medicareのような公的選択肢の提供といった計画を示してきた。しかしそうした壮大な計画のほとんどを実行できるかどうかは、民主党上院によるところが大きくなる。民主、共和いずれの党もテック業界に対する規制を積極的に検討すると予想されていたことから、テック政策がどうなるのかTechCrunchは注目していく。

しかし上院の協力はなくても、新大統領は最も必要とされている点において迅速かつ重大な影響を及ぼすことができるだろう。それは新型コロナウイルスパンデミックだ。このウイルスとの戦いにおける国のプランが欠如し続け、またホワイトハウスが新型コロナを軽視してマスク着用を推奨しなかったこともあり、新型コロナは米国中でコントロール不能な状態になり、多くの死亡者をともなう厳しい冬が待ち構えている。

カテゴリー:ニュース
タグ:米国大統領選挙アメリカジョー・バイデン

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokの親会社ByteDanceが香港上場を前に2065億円調達を模索か

大人気のソーシャルメディアTikTok(ティックトック)の親会社であるByteDance(バイトダンス)は、Bloombergの報道によると、海外事業のかなりの部分を香港証券取引所に上場させる前に20億ドル(約2065億円)の調達を画策している。

Bloombergの情報筋は、新たな調達によりByteDanceのバリュエーションは1800億ドル(約18兆6000億円)になるとしている。

SequoiaなどByteDanceの既存出資者を含む投資家が新たな出資を実行中だとBloomberg(ブルームバーグ)は報じている。

Sequoiaは、ByteDanceの最も価値のある海外資産であるTikTokの米国事業をOracle(オラクル)に引き継がせるという、トランプ政権が押し売りしいまや行き詰まった取引を主導する企業の1社として登場した。

Sequoia、Oracleともに、Sequoiaのマネジングパートナーで共和党に巨額を献金しているDoug Leone(ダグ・レオン)氏、Oracle社長Safra Catz(サフラ・キャッツ)氏、Oracle創業者Larry Ellison(ラリー・エリソン)氏を通じてトランプ大統領と密接な結びつきがある。

ByteDanceは長らく、同社の売上高に貢献しているアジアでの最大事業Douyin(抖音)とToutiao(今日頭条)の上場を計画してきた。

TechCrunchは以前、ByteDanceの財務状況を知っている投資家の話として、同社2019年の売上高が1200億元(約1兆8800億円)だったと報じた。その売上高の67%が、TikTokの中国版であるDouyinと人気のニュースアリゲーターであるToutiaoでの広告売上によるものだった。Douyinそしてその他のByteDance傘下のアプリのユーザーをターゲットとするライブストリーミングが売上高の17%を占めた。ゲーム、eコマース、TikTokを含む初期段階にある事業は約17%、額にして200億元(約3100億円)だった。

ByteDanceは2020年の売上高は2000億元(約3兆1300億円)と予想している。投資家によると、うち15%、額にして300億元(約4700億円)がTikTokと他の新興事業によるものだ。Reuters(ロイター)やBloombergの以前の報道も似たような数字を報じた。

ByteDanceはすでに、世界で最も価値のある株式非公開のベンチャー支援テクノロジー企業だ。しかしそうした価値の少なくとも一部は、TikTokの売上を生み出すポテンシャルとつながっている。そして新たな調達は、TikTokのスピンオフがByteDanceに影響を与えるかもしれないという懸念を投資家が払拭していることを示すものとなりそうだ。

今後どうなるかは米国大統領選挙と進行中の法廷での争いに左右されそうだ。バイデン政権になればTikTok、Oracle、Walmart (ウォルマート)間で計画されたディール、そしてTikTokが米国で上場するというタイムラインはなくなるかもしれない。

またTikTokのディールの参加者間で、誰がどれくらい株式を所有し、それがいつ決着して、ディールが前に進むのかについて内部で混乱もある。

TechCrunchの9月の報道は以下の通りだ。

TechCrunchの仮定では、OracleはTikTok Globalの12.5%を、Walmartは7.5%を取る。取引条件ではTikTokの価値を約600億ドル(約6兆2000億円)と見積もることが予想される(Bloomberg記事)。

シンプルな話だが、明らかに完全なものではない。というのも、別の問題が起こっているからだ。

Oracleの副社長Ken Glueck(ケン・グリュック)氏の名前で出された声明の中で、同社は「TikTok Globalの設置に関し、OracleとWalmart は投資を行い、TikTok Globalの株式はオーナーに分配される。米国人が大多数となり、ByteDanceはTikTok Globalの所有権を持たないだろう」と述べた。

ドナルド・トランプ大統領はCNBCなどでTikTokは完全に米国人によって管理されなければならない、と訴える発言をしていた。

米政府のTikTokとのしがらみは、いくつかの原因に起因している。その1つが、プラットフォームのユーザーがかなり執念深い大統領を揺さぶり、計画されていた大統領のイベントを茶番に変えたことだ。明らかにトランプ政権にとってはそうではなかったが、米国にとってさらに大事なこととしてTikTokの中国とのつながりは米国市民のデータをCCP(中国共産党)にさらすことになるかもしれず、アプリに何を投稿し、そして投稿しないかというTikTokの判断を通じて操作される可能性もある。

SequoiaとByteDanceはこの記事執筆時点でコメントの求めに応じていない。

関連記事:トランプ政権のTikTok禁止令が予想どおり遅れる

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ByteDanceTikTokドナルド・トランプ

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(翻訳:Mizoguchi

今週の記事ランキング(2020.11.1〜11.5)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「Teslaが「フル自動運転」オプションの価格を100万円超に引き上げ」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

カリフォルニア州でのギガワーカー法案通過を見込んでUberとLyftの株価が高騰

米国ライドシェアリングの両巨人、UberとLyftの株価は本日11月4日午前の時間外取引で急騰した。カリフォルニア州の投票法案、Proposition(プロポジション)22の通過を見込んだ行動だ。同法案が成立すれば、テック利用のオンデマンド企業は、引き続きギグワーカーを個人事業主として分類できる。

Uberの株価は時間外取引で11.88%上昇し、Lyft(米国市場、すなわりカリフォルニア州への依存度が高い)は驚きの14.9%高を市場開始前から示している。

TechCrunchは、この投票法案が通過見込みであることを東海岸時刻11月3日午前3時に指摘した。開票は続いており、Google(グーグル)の選挙データによると、プロポジション22は開票率71%時点で賛成が58.4%だ。

我々が見ているのは「公開」オンデマンド企業の株価だけだが、この日はDoorDashの価値も高まった。DoorDashはSoftBank(ソフトバンク)らが支援する(未訳記事)フードデリバリーの大手企業で、非公開で上場申請しているが、まだS-1書類を公開していない。

それでも同社の投資家は、本日UberとLytfの株主と同じ喜びを享受している。カリフォルニア州で価格やビジネス手法を大きく変えることなく運用を続けられるという意味でも、潜在的企業価値が高まるという意味でも。

プロポジション22を背景に、おそらくDoorDashは上場に向けていっそう意欲的に行動するだろう。

上記3社はPostmatesとともに、プロポジション22の通過に向けて多大な費用を投下していることを米国時間11月2日夜にTechCrunchは報じている。

Prop 22は主にUber、Lyft、DoorDash、Postmatesが支持していた。先週DoorDashは「Yes on 22(Prop 22に賛成)」キャンペーンに追加で375万ドル(約3億9000万円)を注ぎ込んだ。11月2日には、Uberも追加で100万ドル(約1億400万円)を出した。そうした資金の注入もあってYes on 22が集めた総額は約2億500万ドル(約213億8000万円)になる。これによりProp 22は1999年以来、カリフォルニア州で行われた住民投票で最も費用をかけたものとなった。

その費用は、ビジネス視点では有益に使われたといまはいえるだろう。労働者擁護団体にとっては残念な結果だ。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:UberLyftDoorDashギグワーカーカリフォルニア

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陰謀論組織Qアノンを支持する共和党議員がジョージア州で当選、国政へ

ジョージア州下院選挙でのMarjorie Taylor Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)氏の勝利は、QAnon(Qアノン)の連邦議事堂への進出を意味する。

QAnonはとんでもない主張を展開しているが、その1つである性的目的の児童人身売買などに関わっているエリート集団とDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が秘密の戦争を展開しているとする複雑で奇異な説をグリーン氏は大っぴらに支持している。FBI(米連邦捜査局)は2019年に、QAnonが「陰謀論に駆られた国内過激派」(Yahoo News記事)にとって潜在的にインスピレーションとなる存在だと認定している。

グリーン氏の勝利は危険な陰謀論にとって正当性を示す衝撃的なものだが、予想されていなかったものではなかった。同氏の民主党の対立候補は2020年9月に個人的な事情で出馬を取り止め、グリーン氏の下院議席への道は明確なものになっていた。

一連の陰謀論についてのグリーン氏の支持は、密やかなものではなかった。トランプ大統領が「未来の共和党スター」と呼ぶグリーン氏は声高に人種差別的な考え(POLITICO記事)やイスラム教徒に対する偏見(Daily Beast記事)を表明してきた。同氏はまた、9.11の「真相究明者」説(Media Matters for America記事)も信奉し、新型コロナウイルス感染を減少させる科学的根拠のある手段であるマスクの使用を批判してきた。

かつてインターネットの極右メンバーだけに信奉されていたQAnonは、実世界で犯罪行為を行うようフォロワーをそそのかしてきた。その結果、スタテン島での銃撃事件(npr記事)や、武装によるフーバーダム橋占拠事件(ABC News記事)が起こった。

陰謀論の支持者はまた、ハッシュタグ#savethechildrenも乗っ取り、長らく展開されてきた子供の安全のための取り組みを妨害し、子供を助けると装って極端な思想を主潮に持ってきた。以前QAnonを禁止したFacebook(フェイスブック)はこうした事態を受け、ハッシュタグの使用を制限した

今回の選挙の立候補者にはグリーン氏の他にもQAnon支持者がおり、Jo Rae Perkins(ジョー・レイ・パーキンズ)氏はオレゴン州で民主党の上院議員Jeff Merkley(ジェフ・マークリー)氏に敗れることが予想される。パーキンズ氏は自身の思想についてかなりオープンにしてきて、6月には陰謀論に関連する人気のハッシュタグとともに、自身はQAnonのための「デジタルソルジャー」だと忠誠を誓うビデオをツイートした

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テック株が米国大統領選挙当日に値上がり

テック株は米国有権者が投票に出かけるなか値上がりし、大統領選挙結果が出るはるか前に恩恵を受け始めている。

米国株は全体的に上昇し、S&P 500インデックスは1.78%高の3369.11ドル(投票日のS&Pとしては最上級)、テック寄りのNASDAQ総合指数は1.85%高の1万1160.57ドルだった。唯一の例外はエネルギー株で、この日約0.75%値を下げた。SaaSおよびクラウドコンピューティング株は他の米国株とともに上昇し、2.28%高だった。

この上昇は些細に思えるかもしれないが、先月、2020年10月を思い出して欲しい。NASDAQは米国時間11月3日の取引開始時点で史上最高値から8%強下がっていた。このため本日の値上がりは最近の安値と最高値レベルとのギャップを1/4ほど埋めた。Nasdaqは10月末に回復し始める前、直近のピークから10%以上落ち込んでおり、この日の反発は生まれつつある上昇傾向の一環となった。

その人が事前予想をどう解釈するかよって、この値上がりはどちらの候補者に対する支持であるとも読み取れる。

本日の株式市場の動きの裏には、テクノロジー企業の一様ではない収益サイクルがある。主要テック企業が苦境に陥っている(未訳記事)一方、Five9のように新型コロナ感染症を追い風に(SiliconANGLE記事)好調な結果を残した中小企業もある。Netflix、Intel、Apple(アップル)などは投資家を満足させるのに苦労している。事実、「予測超え」決算に対する国内株式市場の反応はこのサイクルを弱めた(Twitter投稿)。

テック業界にとってこの日の反発は歓迎であり、年内に予定されているIPO申請の多発につながるかもしれない。Airbnb(エアービーアンドビー)、DoorDash(ドアダッシュ)などは現在も2020年の上場候補だ。

一部の株価、中でもUber(ウーバー)、Lyft(リフト)は11月2日にはすでに値上がりを始めており、これはカリフォルニア州の有権者が「プロポジション22」を通過させると信じてのことだ。もしこの法案が承認されると、ライドシェアリング会社はギグエコノミーワーカーを個人事業主ではなく社員として分類するよう強制する新しいカリフォルニア州法の適用を除外される。

現在のところUber株はまだ1カ月前より3.87%安だが、この2日間の高値で回復しつつある。Uberの株価は11月2日に2%高で引けた。本日の終値は2.76%高の35.77ドルだった。Lyftはここ数日でさらに大きく伸ばした。本日のLyft株は7.06%高の26.23ドルで引けた。

UberとLyftにとってこの投票の賭け金は大きい。もしプロポジション22が通らなければ、ビジネスモデルを変えなくてはならない、と両社はいっている。いずれの企業も、もし新しいカリフォルニア州法への遵守を強制されれば一時的に州内の営業を停止すると脅しをかけている。現状、投資家たちはUberとLyftがいつもどおり営業を継続できると信じている。

関連記事:Uberソフトウェアエンジニアとして企業にとって都合のいいルールをギグワーカーに押しつけるProp22に反対

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タグ:米国大統領選挙

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IBMが量子コンピューターの競技型オンライン・プログラミング・コンテスト開催、慶応大とコラボ

IBMが量子コンピューターのオンライン・プログラミング・コンテスト開催、慶応大がコラボ

IBMは11月2日、慶應義塾大学量子コンピューティングセンターとのコラボレーションのもと、量子コンピューターの競技型オンライン・プログラミング・コンテスト「IBM Quantum Challenge」を開催すると発表した。期間は日本時間11月9日9時から3週間(11月30日午前8時59分59秒まで)。高校生以上なら誰でも応募可能だが、参加枠2000名限定となっているため早めの登録を呼びかけている。また事前にIBMアカウント(IBM id)へのアカウント登録(無料)が必要。

なお、参加登録を完了した人すべてに参加権が与えられるわけではなく、参加確定者には、本番開始前までに確定通知とともに本番サイトから参加方法を案内する。

  • IBM Quantum Challenge
  • 開始: 11月8日19時00分(米国東部標準時)、11月9日9時00分(日本時間)
  • 終了: 11月29日午後6時59分59秒(米国東部標準時)、11月30日午前8時59分59秒(日本時間)
  • 参加枠: 2000名限定
  • 応募方法: 「Hello, quantum world」または「IBM Quantum Experience」より応募。IBMアカウント(IBM id)へのアカウント登録(無料)が必要
  • 参加確定者には、本番開始前までに確定通知とともに本番サイトから参加方法を案内

IBM Quantum Challengeは、初心者から経験者までコンテスト形式チャレンジに参加することで、量子コンピューティングに関する基礎から応用まで学べるというもの。

今回のチャレンジは第3回にあたり、参加者には量子コンピューティングの可能性をさらに押し広げ、次の重要なハードウェアのマイルストーンを達成するために新たな課題に挑戦してもらうという。より大規模な量子システムを考えるときに不可欠な要素となる量子データ構造について学び、探求することになる。

2019年9月実施の「IBM Quantum Challenge 2019」では、世界中から初心者と経験者を問わず参加(量子アルゴリズム開発のスタートアップ「QunaSys」チームが準優勝)。2020年5月の第2回チャレンジでは、45ヵ国から1745人が参加し、1日で、18台のIBM Quantumシステム上で10億回路以上の実行に成功した。

IBM Quantum Challenge

IBM Quantum Challengeでは、オープンソースの量子コンピューター向けPython用フレームワーク「Qiskit」を用いて、毎週新しい演習問題に取り組むことで、量子コンピューティングの知識とスキルを向上させることができる。

Qiskitについては、「Qiskit 0.23.0 documentation」の日本語版が公開されている。

  • 1週目: 最初の週の演習セットは、初心者に向け量子計算の基礎を学べるよう設計。また、有名な量子アルゴリズムであるグローバーのアルゴリズムを学習し、その特性を探る。経験者にとっても、第1週目は第2週に備えるための良いウォーミングアップとなる
  • 2週目: 近未来の量子システムを想定した量子データ構造の実装を学習し、グローバーのアルゴリズムを使って解く量子ゲームソルバーを設計する方法を学ぶ。この演習は、第1週で学んだ知識を活かしながら、第3週(最終週)の準備にもつながる
  • 3週目: 参加者はより複雑なデータ構造を扱うことを求められ、前の週に学習したグローバーのアルゴリズムを使って問題を解くことが求められる。経験豊富な量子プログラマーにとっても、難しく感じるはず

なお、前回および今回のチャレンジは、慶應義塾大学量子コンピューティングセンターとのコラボレーションのもと、開催。出題問題の作成を中心とする、佐藤隆貴彦氏と西尾真氏の貢献も挙げられている。

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米国のホリデー商戦オンライン売上高は新型コロナ影響で過去最多の20兆円予想

Adobe Analytics(アドビ・アナリティクス)が発表した予測によると、新型コロナウイルスパンデミックによるeコマースへの急激なシフトは米国のオンラインホリデー商戦に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。Adobe Analyticsは、2020年11月と12月の米国のオンライン売上高が1890億ドル(約20兆円)に達すると予想している。この数字は前年比33%増で、過去最多となる。

Adobe Analyticsは2019年の売上高の増加幅が13%にとどまったことを指摘し、今シーズンだけで2年分の成長を達成することになる、と話す。

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消費者が景気刺激策の追加の小切手を受け取り、そして新型コロナウイルス感染症拡大を押さえ込むために米国の広い範囲で再び実在店舗が閉鎖される事態になれば、オンライン売上高はさらに増える可能性がある。その場合、消費者はオンラインでさらに110億ドル(約1兆1500億円)多く使うことが予想され、オンライン売上高の総額は前年比47%増の2000億ドル(約21兆円)となる。

画像クレジット:Adobe Analytics

また、消費者の今シーズンの買い物の仕方はいつもと違うものになりそうだ。

通常、オンラインショッピングシーズンは実在店舗で展開されるセールのデジタル版であるブラックフライデーセールで始まる。このセールはサイバーマンデーへと続き、消費者は実在店舗での買い物でお得に買えなかったアイテムをオンラインで探す。

ここ何年かで、それぞれのセールイベントの境界は曖昧になっていた。たとえば、オンラインショッピングはサンクスギビングデーへとシフトし、サイバーマンデーまで引っ張る。

今年は、いわゆる「サイバーウィーク」(サンクスギビングからサイバーマンデーまで)が「サイバーマンス」になるとAdobe Analyticsは予想する。

画像クレジット:Adobe Analytics

これは部分的には、11月の最初の2週間に始まる大幅なホリデー割引に始まり、ブラックフライデー週末とサイバーマンデーにかけて最も値引きが大きくなるという流れによるものだ。

Adobe Analyticsはまた、11月1日から21日にかけてのオンライン売上高が毎日20億ドル(約2090億円)を超え、11月22日から12月3日までは1日あたり30億ドル(約3140億円)に増えると予想する。

ブラックフライデーのオンライン売上高は前年比39%増の100億ドル(約1兆500億円)となり、サイバーマンデーは前年比35%増の127億ドル(約1兆3000億円)に達して年間を通じて最大のオンラインショッピングデーになる見込みだ。

画像クレジット:Adobe Analytics

テレビや家電製品の最もお得なセールはブラックフライデーまで続くが、玩具や家具のセールはサイバーマンデーの前日の11月29日に始まる。スポーツ用品の最もお得なセールは12月13日、電子機器は12月18日だとAdobeは話す。

過去数年と同様、モバイルがeコマース支出に大きく貢献することになりそうだ。米国の消費者は2020年に、前年より281億ドル(約2兆9000億円)多くスマホで買い物することが見込まれ、率にして55%の増加だ。

小規模の小売事業者(年間オンライン売上高が1000万ドル〜5000万ドル)も活発なオンラインショッピングの恩恵を受ける。オンライン売上高は大規模な小売事業者よりも大幅に増加する(107%増)。一方の大規模事業者の売上高は前年より10億ドル(約1050億円)増え、率にして84%増だ。

今年、米国の消費者の中には家族に会うための旅行を控える人がいることから、パンデミック前の年に比べると普段なら直接会っていた人に小売から直接送るギフトに米国人は18%多く支出するとAdobe Analyticsは予想している。しかし消費者は迅速な配達に余計にお金をかけるのに興味はなく、64%が即配サービスを利用しないと答えた。つまり、小売事業者は無料配送の締め切り日についてはっきとさせておく必要がある。

画像クレジット:Adobe Analytics

オンラインで購入したものを店舗でピックアップする(BOPIS)傾向も強まるとみられる。多くの小売がカーブサイドピックアップという選択肢も提供していることから、BOPISの注文は昨年よりも40%多くなり、クリスマス前の週に小売が提供するオプションでの全注文の半分を占めることが予想される。

パンデミックのためにホリデーオンライン買い物客の9%が新規顧客だとAdobe Analyticsはみている。コンバージョンレートも13%上昇し、その一方で売上高は33%増加する。ただし、注文1件あたりの額に増減はない見込みだ。

こうした予想を複雑にする要因の1つとして、選挙が挙げられる。これまで選挙年のオンライン売上は選挙結果の影響を受けてきた。2016年の選挙後は14%減、2018年の中間選挙後は6%減だった。Adobe Analyticsによると、消費者の26%が選挙結果がホリデー支出に影響する、と答えた。

今回の予測に使われたデータはAdobe Analyticsのものだ。同社は米国の小売サイトへの1兆もの訪問を分析している。ここには1億ものSKU(最小管理単位)と、米国における大手小売100社のうち80社が含まれているとのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi

今週の記事ランキング(2020.10.25〜10.29)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「機械学習の最前線「アルツハイマー病スクリーニング」「森林マッピングドローン」「宇宙での機械学習」など」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

悪化する新型コロナの感染者数に怯える株式市場でテック株が急落

米国時間10月29日、米国株式市場が苦闘している。中でもテック株が強く打撃を受けている。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への懸念からヨーロッパ株が暴落した(The Guardian記事)のに続き、米国株も後を追っている。特にテック株が。

本稿執筆時点で、時代遅れかもしれないが由緒ある株式市場指標であるダウ平均株価は2.81%安。大局的でより有益なS&P 500は2.90%安だ。そしてテック重視のNASDAQ総合指数も3.14%下げている。

しかし、おそらくスタートアップとスタートアップのファウンダーにとって何よりも重要なのは、SaaS重視のBessemer Cloud 1ndex(ベッセマー・クラウドインデックス)がいっそう激しく3.80%下げていることだろう。

何が起きているのか?刺激策はしばらく出ていない。新型コロナの症例と入院患者は増える一方だ(Twitter投稿)。死亡者数も同様。政治の停滞は国の定めだ。そしてIntel(インテル)とNetflix(ネットフリックス)の低調な決算とMicrosoft(マイクロソフト)の期待はずれのガイダンス(CNBC記事)は、 テック株買いに重くのしかかる(そうそうSAPも急落していた!)。

早い話が大混乱が起きている。そして終わりそうにない。テック株にとっても、レイトステージのスタートアップが非上場市場で企業価値計算に使っている強気な公開市場評価額にとっても、素晴らしい一日というわけにはいかない。

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Microsoftの決算はAzureの好調で予想外の成績、でも株価は横ばい

今日(米国時間10/27)の取引終了後、Microsoft(マイクロソフト)が、2020Q3の決算報告を発表した。それは同社の会計年度では2021Q1に該当する。9月30日に終わる3か月でMicrosoftの売上は372億ドル、一株あたり利益は1.82ドルだった。

アナリストの予想では、同社の一株あたり利益は1.54ドル、売上は357億2000万ドルだった。

予想を上回る結果の後にもかかわらず、同社の株価は実質的にフラットで、時間外取引では小数点以下の上げがあっただけだ。Microsoftの午後の取引では2%弱のアップだったが、やや不均一な市場でもあった。

Microsoftの株価を上げた要因としては、Azureのアップデートが不可欠だった。Microsoft自身は、こう言っている:

サーバープロダクトとクラウドサービスの売上が、Azureの売上増48%(実質ベースで47%)に押されて22%(実質ベースで21%)増加した。

投資家心理としては40%台の下の方を期待していたようで、Azureの結果はそれに比べても強かった。

Azureが含まれるカテゴリーは「Intelligent Cloud」(インテリジェントクラウド)と呼ばれ、売上は130億ドルで前年同期比20%の増となった。それは、Microsoftの三大カテゴリーの中では最優秀で、OfficeとLinkedInが大きい「Productivity and Business Processes」(生産性とビジネスプロセス)が売上123億ドルで11%増、WindowsとXboxが鎮座する「More Personal Computing」(その他のパーソナルコンピューティング)は売上118億ドル6%増だった。

決算報告の聴衆に紛れ込んだ財務オタクである私は、読者のお楽しみのために以下の表をかっさらった:

決算報告をざっと見て、ほかに目立つものといえば、これらだ:

  • Surfaceの売上が強くて、前年同期比で37%の増。
  • Bingの売上は下降。同社によると、トラフィック取得費用を除いた後の検索広告の売上は10%減った。,
  • 商用クラウドの売上は152億ドルで前年同期比31%増。
  • LinkedInは四半期売上が16%増加した。
  • ゲームの売上は前年同期比22%増。
  • 消費者PCの需要によりProでないWindows OEMの売上が前年同期比で31%増加した。Pro向けのWindows OEMは22%減少。OEM全体としては5%の減となった。

次期(現四半期)の一株あたり利益のアナリスト予想値は1.60ドル、売上は404億ドルだ。同社自身の予想は、決算報告で発表される。

アップデート: MicrosoftのIRチームのMike Spencer氏から電話があり、今回の結果についてチャットした。COVID-19関連で広告収入の落ち込みについて聞いたら、Spencer氏はBingもLinkedInも初期の落ち込みからは回復した、と言った。両社とも、同社の期待を上回ったそうだ。前年同期比ではもちろん、LinkedInがBingより好成績だが、予想を上回ったこと自体は良い。Bingの数値は、Googleにとって何を意味するだろうか。

Spencer氏は、社内と社外の予想値が出る前から、Azureの数値を期待していた。ProでないWindows OEMについても、注目すべき数値だ、と。まさに、そのとおりだ。Azureの数値は、MicrosoftがAmazonやGoogleに対して善戦していることを示す。後者の消費者PCの伸びは、家に足止めを食らっている子どもたちのために買うコンピューターは、Chromebookだけではないよ、ということ。

関連記事: Microsoft Azure announces its first region in Austria(未訳)

画像クレジット: TechCrunch

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カリフォルニアの控訴裁がUberとLyftのドライバーを従業員とする下級裁の判決を支持

米国時間10月22日の控訴裁判所は、UberとLyftが彼らのドライバーを従業員に分類しなければならないと判決を下した。しかし、この判決は裁判所が送達を出した後、30日間延期されることになっている。つまりProposition 22の住民投票結果によっては、LyftやUberによるドライバーの分類の決定要因にならないこともある。

この訴訟全体を通じてUberとLyftは、ドライバーを従業員に分類すれば修復不能な被害が会社に生じると主張してきた。本日の判決では、裁判官はどちらの企業も「法律違反を禁止されていることによって重大なまたは回復不能な被害を被ることはない」と述べた。そして両社に生ずる財務的負担は「回復不能な被害のレベルと呼べるほどの大きさではない」とも述べた。

さらに裁判官によれば、仮差止命令はUberとLyftがドライバーに柔軟性と独立を与えることを妨げる要因ではないという。最後に裁判官は「今回の訴訟の契機となったAB5ギグワーカー法が決まったのは2年前の2018年であり、UberとLyftにはドライバーを独立した契約業者から従業員に移行させるに十分な時間があった」と述べている。

Lyftの広報担当者であるJulie Wood(ジュリー・ウッド)氏は本誌宛の声明で「この裁定によって、ドライバーの味方となりProp.22に賛成票を投じることが、ますます緊急になってきた」と述べている。

Prop 22は、ライドシェアのドライバーやデリバリーのワーカーを独立の契約労働者のままとどめるという、カリフォルニア州の住民投票で決まる条例案だ。これが成立すると、その企業のドライバーとデリバリーワーカーは、彼らをW-2級の従業員とする新しい州法の対象外となる。そうなると、アプリを使う旅客輸送やデリバリーのワーカーには、運転した時間に基づく最低賃金とヘルスケアの助成が給付される。

一方Lyftによると、同社はすべての法的選択肢を検討しており、その中にはカリフォルニアの最高裁への控訴も含まれるという。Uberもやはり控訴を検討している。

Uberの広報担当者は次のように述べている。「本日の判決が意味しているのは、Proposition 22が投票で否決されたら、ライドシェアのドライバーは独立の契約業者として働き続けることができなくなり、何十万ものカリフォルニアの住民が仕事を失い、州の大部分からライドシェアが姿を消す事態になるということだ。否決された場合の控訴も検討しているが、状況はむしろドライバーにとって分が悪い。彼らの72%がProp 22を支持している。カリフォルニアの経済はいまでも数百万人の失業者が存在し、今週だけでも新たに15万8000名が失業者支援を求めている」。

本日の判決の前には、カリフォルニア上位裁判所のEthan Schulman(イーサン・シュルマン)判事が2020年8月に、UberとLyftがドライバーを従業員へと分類変えするよう強制するために、仮差し止めを認めた。UberとLyftはその判決を控訴したが、しかしいまでは控訴裁判所が下級裁判所の判決を維持している。

この訴訟(未訳記事)は2020年5月に、カリフォルニアの司法長官Xavier Becerra(ザビエル・ベセラ)氏と、ロサンゼルスとサンディエゴとサンフランシスコ各市の弁護士たちが提起した。彼らは、労働者を独立契約労働者と誤分類することによって、UberとLyftが不公平で違法な競争上の優位性を得ていると主張した。そして6月に原告は、UberとLyftにドライバーの分類変えを強いるための仮差し止めを申請した。8月にシュルマン判事がそれを認めた

「本日の法的勝利は2社が対象だが、この戦いの範囲はもっと広い。これには、この国の労働の未来がかかっている。今後すべての世代が、真の福利厚生がある良質な雇用を確保できるかできないかがかかっている。もしUberとLyftがProp. 22の成立に成功し、人びとの意志を否定したら、他の数え切れないほど多くの企業もビジネスモデルを変えてワーカーを誤分類し、富める少数者が彼らの労働者の犠牲の上でさらに裕福になるだろう」とGig Workers Risingは声明で述べている。

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Uberソフトウェアエンジニアとして企業にとって都合のいいルールをギグワーカーに押しつけるProp22に反対
UberとLyftにドライバーを従業員として扱うようカリフォルニア州最高裁が命令

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:UberLyftギグワーカー裁判

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Huaweiの1〜9月期売上高は9.9%増も成長鈍化が鮮明に

Huawei(ファーウェイ)は米国時間10月23日、第3四半期決算を発表した。成長の大幅鈍化が示され、中国最大手の通信機器・スマートフォン企業である同社は「生産とオペレーションが大きな困難に直面している」と述べた。

Huaweiは手短かな発表の中で、特定の貿易規制について言及しなかったが、同社は米政府による一連の輸出規制の対象となっている。そうした政策の影響はまだ具体的に現れていない。というのも、米国政府がHuawei、ZTEとの取引禁止の実行を2021年5月まで遅らせるなど、いくつかの免除措置を取っているからだ。

2020年の第3四半期までのHuaweiの売上高は6713億元(約10兆円)で、前年同期比9.9%増、利益率は8%だった。こうした数字は「基本的に目標を達成した」が、2019年同期に比べると大幅な落ち込みだ。昨年、同社は24.4%の成長を達成し、利益率は8.7%だった。

Huaweiは非上場企業であり、スマートフォンや通信機器の売上高、その他の詳細などは明らかにしなかった。

同社は「世界が新型コロナウイルスと戦う中で、Huaweiのグローバルサプライチェーンは大きな影響を受け、生産とオペレーションは大きな困難に直面しています。Huaweiはソリューションを見つけ、生き残って前進し、顧客やサプライヤーに対する義務をまっとうすべく引き続き最善を尽くします」。

米政府による他の規制には、米国のソフトウェアと特定の半導体プロセスに使用されるハードウェアのHuaweiへの提供禁止が含まれ、これによりHuaweiは新たなチップ供給元の確保を余儀なくされている。

米国に加え、Huaweiは英国など他の国からも厳しい目が向けられている。英国では通信企業が新しい5G機器をHuaweiやZTEから購入することを禁じ、またすでに英国の5Gネットワークに使用されたそれら中国企業のパーツを2027年までに排除することを通信企業に求める新たな方針を実施する計画だ。

Huaweiの機器を取り替えることは通信企業にとってコストの増大を意味する。というのも、Huaweiは世界で最大のサプライヤーの1つだからだ。先月、米連邦通信委員会は、HuaweiとZTEのネットワーク機器を取り替えるのに18億3700万ドル(約1925億円)かかり、地方の通信ネットワークには財政的負担が大きくのしかかると述べた。

しかしHuaweiにとって、2020年はこれまでいくつかの明るいニュースがあった。2020年7月、Huaweiが同年第2四半期のスマホ出荷台数でSamsung(サムスン)を抜き世界トップとなったことがCanalysのレポートで明らかになった。これは大きなマイルストーンだ。これまでの9年間でトップの座をApple(アップル)かSamsung(サムスン)以外の企業が奪ったのは初めてだ。これは部分的には全体のスマホ出荷台数が新型コロナウイルスパンデミックで影響を受けたことによる。しかしHuaweiは中国国内マーケットの売上に助けられた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Huawei決算発表

画像クレジット:VCG / Getty Images

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今週の記事ランキング(2020.10.18〜10.22)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「Amazon Echo Dot with Clockはベットサイドでの音声操作に最適、360度スピーカーでない点に注意」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

四半期決算発表後インテル株が10%も下げた理由、データセンタービジネスの弱さが影響か

第3四半期の決算が報告される季節となった。しかし、すでにいくつかの企業が発表した決算は、株主にとって好ましくないものとなっている。動画ストリーミングの大手Netflixが発表した四半期決算には、株主を失望させる数字がいくつか含まれていたため株価は下落した。米国時間10月22日に四半期決算を発表したIntel(インテル)もまた、株価を下げてしまった。

CPU大手であるインテルの株価は第3四半期の決算データ発表(Intelリリース)の後、市場外取引で約10%下がった。市場では調整済1株当たり利益1.11ドル(約116円)、 収入182億6000万ドル(約1兆9118億円)で、対前年比でそれぞれ5%と22%のダウンだった。今期のインテルは収入で183億ドル(約1兆9160億円)と期待を上回る成績だった。また調整済一株当たり利益でも1.11ドルという目標も達成している。

では、なぜ株価が急落したのだろうか?

急速に浮上(CNBC記事)した見方(Seeking Alpha記事)として、同社のデータセンタービジネスの弱さが影響したというものがある。インテルの事業は、データセンター部門と主力のチップ製造部門に大別される。インテルのデータ部門であるDCG(Data Center Group)の決算結果は、明暗入り混じるものだった。クラウド事業の収入は15%伸びたが、大企業および政府部門の収入は前年同期比で47%もダウンした。この部門は(インテルの表現を借りれば)先立つ2期で連続して30%以上も成長していた。

データ事業の失速は、DCGに大きな収入ダウンをもたらした。市場の期待(Seeking Alpha記事)は62億2000万ドル(約6513億円)だったところ、59億ドル(約6178億円)しか達成できなかった。

インテルはこの原因を、新型コロナウイルスの世界的流行による景気後退に求めている。同社はまた IoT事業(33%ダウン)、メモリ事業(11%ダウン)の不振を、パンデミックの所為にしている。

最近、北米とヨーロッパで新型コロナウイルスが流行が再び拡大し始めた。市場ではこのマクロ経済の不振が、インテルの授業に今後も影響を与えるのではないかと懸念している。そうであれば収入減少はこれまでの予想以上に長く続くことになるだろう。こうした懸念が、四半期決算発表後の株の売りにつながったものとみられる。

決算報告と同時に発表されたガイダンスが、株価下落に影響しているだろうか?ガイダンスには悪材料はなかったため、おそらく影響していないだろう。2020年第3四半期の決算に比べて、ガイダンスは収入利益ともに小幅ながら市場の予測を上回る数字を上げている。インテルの第4四半期ガイダンスでは、収入を174億ドル(1兆8220億円)、調整済み1株当たり利益を1.10ドル(約115円)としている。これに対してアナリスト予測は、それぞれ173億4000万ドル(約1兆81581億円)、1.06ドル(約111円)だった。

つまりインテルの第4四半期のガイダンスの数字は予測を上回るものなので、今回の株価下落の原因とは考えにくい。そうなるとやはり、データビジネスの影響だろうという推測に行きつく。

ある時点で、株価がどのように動くかに関するあまりに詳細なストーリーを作るのは危険だ。しかし今回のケースでは、データビジネスの不振が株価下落の大きな要因となっていることは間違いないだろう。新型コロナウイルスが原因だとする同社の説明に納得するかどうかは、それぞれの投資家のマクロ経済の読みにかかっている。

関連記事:Netflixが第3四半期の決算報告後に株価を下げた理由

カテゴリー:ニュース
タグ:Intel決算発表新型コロナウイルス

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滑川海彦@Facebook

iPad Airレビュー、Appleの個人利用のポータブルコンピュータで一番オススメなデバイス

2020年の最新iPad Airは、Apple(アップル)のリリースサイクルの中では興味深いタイミングでやってきた。iPad Proはスペックの観点からはまだ強力だが、技術的にみるとCPUでは半世代ほど遅れている。新しいProモデルは(理論的には)あと数カ月間は登場しないだろう。

つまり、Airで手に入るのはiPad Proのデザイン哲学を共有し、その最高の機能を継承しながら、同時に基礎となる計算能力では先を行くデバイスなのだ。これによってAirは、アップルのあらゆるコンピューティングデバイスの中で、総合的にみたときに優れた価値を提供するものの1つになる。実際、MacBookを含むアップルのラインナップ全体から、カジュアルでポータブルコンピュータとして私が一番お勧めしたいのがこの製品なのだ。

クリーンな新しいデザインは、薄くて、好ましい色あいのシンプルさを持っている。新しいiPhone 12の美的思想にもよくマッチしている。スムーズに丸みをおびたコーナーと、くすんだピーニング仕上げが、これまでのiPadの中でもより見栄えの良いものにしている。何年もの間、アップルはiPad側面の枠部分を狭くして消そうと努力してきた。今回の新しいデザインは、オリジナルの持っていた率直なシンプルさと、新しいiPad Proの方向性のバランスを上手くとったものだ。シャープなエッジが少し減り、ぴしりとした外見でありながらも「フレンドリー」なものとなっている。

私がAirを愛してやまないのは、それがその名前に恥じず、1ポンド(約450グラム)ぴったりというその重さが、アップルの歴代ポータブルデバイスの中でも最も軽量だからだ。これに、Magic Keyboard(マジックキーボード)を加えれば、素晴らしい極めつけのポータブルライティングマシンの出来上がりとなる。

アップルはデバイス上のカメラ位置を修正しなかった。これはiPad Proの場合には不満の種になっている、なぜならFace IDを使用してロックを解除する必要があるのだが、横向き位置では手が常に邪魔になってしまう。その代わりAirでは、True DepthカメラとFace IDを完全に捨て去り、Touch IDを電源ボタンに組み込んだ。

指紋をセットアップするための最初のスキャンプロセスは、ホームボタンで行っていたものよりは、やや手間どる感じだった。私はホームボタンが楕円形であることや、指紋センサーの配置の仕方に関係があるのではないかと考えている。とはいえ一度スキャンして取り込んでしまえば、それはiPhoneのホームボタンのバージョンよりも優れてはいないにしても、遜色なく動作したことは読者にお伝えすることができる。私は横向き(ランドスケープ)モードでのみiPadを使用するので、左手の指をセットした。しかし、読者がキーボード派ではなく、たくさん読書をする人物なら右手での設定の方が適切だろう。

スワイプしようとして自分の手が邪魔になっていることに気がついて、その手をどけてカメラを覗き込むことになるよりも、私はこのやり方の方がはるかに自然なジェスチャーだと感じている。まあiPad Proでも、カメラが水平エッジに沿って置かれているか、あるいはコーナーに配置されていれば、私も違った気持ちになるかもしれない。しかし、アップルがこのユニットにTrue Depthカメラを出荷する必要がないようにするために行った妥協は、十分うまく動作している。

Touch ID ボタンの表面は、不透明のサファイアクリスタルのカバーで覆われている。このカバーは枠とよく調和しつつ、指紋を読み取ることができる。

一度iPad Airのロックを解除したら、それはすぐに「iPhone X」で導入されたスタイルのナビゲーションシステムとなる。スワイプすることで開いたり、移動などを行うことができる。アップルのデバイスラインナップ(iPhone SEを除いたもの)全体で、ほぼ同等のナビゲーションがもたらされることは素晴らしい。

カメラは問題ない。iPadで写真を撮影するだろうか?えっ本当にするって?へー、それはおもしろい。おそらく、その場合は完全な LiDARセンサーと、広角ならびに超広角レンズを搭載するiPad Proを購入た方が良いだろう。それならば作品作り、スキャン作業、レファレンス作業などに最適だ。iPad Airのカメラは、そこそこではあるもののお約束として付いているものだといえるだろう。それはどんな目的にも使えるし、品質も劣ってはいないが、そこにある理由は、単に「そこになければならない」からだ。

iPadとiPhoneを持って旅行する人なら、iPad AirのUSB-CポートからiPhoneを充電できることを知ればうれしいはずだ。そしてもちろん、USB-Cハブやカードリーダーもうまく動作する。

iPad Pro 2020のRAMは6GBだが、iPad AirのRAMは4GBだ。またLiquid Retina(リキッドレティナ)ディスプレイを採用しているが、ProMotion(プロモーション)の120Hzのリフレッシュレートではない。ProMotionが搭載されなかったのは残念だが、理解はできる。そのためには、かなり高価なディスプレイ技術のレイヤーをまるごと導入する必要がある。だが慣れてしまったいまでは、このような大きな画面でのProMotionの欠如は、11インチのProモデルにグレードアップするためにさらに150〜200ドル(約1万5700〜2万1000円)を費やすための、最良の言い訳だといえるだろう。それは本当に素晴らしいのだ。まあそれを持ったことがないのなら、そのことを惜しむ可能性は低いのだが。

だが、iPad Pro 2020モデルがまだApple A12Zを搭載しているのに対して、AirはA14 Bionicチップを搭載している。この「Z」は、グラフィックスコアの数が拡張されている(8コアCPU / 8コアGPU)という事実に関連しているので、パフォーマンスのギャップは想像されるほど大きくはない。

iPad Airはシングルコア性能ではiPad Proを上回るが、マルチコアの数は基本的に同等だ。これは、iPad Proが画像とビデオを処理するために、並行するスレッドで複数のプロセスを処理するように調整されていることの証だ。iPadでPhotoshop(フォトショップ)やPremiere Rush(プレミア・ラッシュ)、LumaFusion(ルマフュージョン)を実行するならProが欲しくなる。他のほとんどの用途に対しては、Airで十分だろう。

私は最低価格である599ドル(日本価格6万2800円・税別)のAirが64GBではなく、128GBだったら良かったのにと思わずにはいられない。アップルはついに、iPhoneラインナップ全体の最低限のストレージを、最適なもの(128G)にした。iPad Airもそれにマッチすればよかったのにと思う。もし大量のストレージが重要な場合には、最大では1TBを提供するiPad Proと違い、iPad Airでは256GBを超えるものを手に入れることはできないことに注意しなければならない。

iPad Airの2つのスピーカーシステムは、これまでよりもはるかに優れた水平配列が行われているが、その数はiPad Proの半分であり、その結果もそれを反映したものとなっている。全体的な音量は少し小さくなるものの、実際にはトップボリュームは一般的なiPadの視聴距離では必要以上の大きさではある。

私が1万マイル(約1万6000キロ)を超える旅行にアップルのiPad Proをともなって書いたことの多くが、ここでも直接当てはまる。それは一旦、自分のワークフローに上手く取り込めたらなら、どんなノートPCにも負けないくらい強力なものになるという、素晴らしい体験のことだ。このレビュー以降、iOS 14に加えられた機能は、iPadを真剣な作業のためのより良いプラットフォームにする一方だ。

そしていまや、Proのラインナップ外のiPadでも第2世代のペンと素晴らしいMagic Keyboard(マジックキーボード)を手に入れることができるようになり、本当に大きな利便性が加わった。

私のアドバイスはこうだ。持ち歩くか持ち歩かないかにかかわらず、MacBookやデスクトップパソコンと一緒に使うためにiPad Proを買いたいと思っているなら、iPad Airを買おう。唯一のコンピュータとしてiPad Proが必要な場合は、大きな方のiPad Proを手に入れよう、だがおそらくあと数カ月で行われるアップデートを待つべきだ。

関連記事:最新iPad Proは旧モデルから乗り換えるほどではないが、マウスとキーボードは快適で便利 

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPadレビュー

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(翻訳:sako)

カメラ付きサングラスのSnapchat Specaclesで撮影した気象変動ドキュメンタリー「First Person」の予告編が公開

Snapchat(スナップチャット)は、Snapchat Spectacles(スナップチャット・スペクタクルズ)で撮影した同社初のオリジナルシリーズ、 “First Person”(ファーストパーソン)をまもなく公開する。

AR目的のスマートサングラスを使ってドキュメンタリーを撮影するというのは、少々ウケ狙いにも感じられるが、”First Person”が挑戦するのは、気象変動という重いテーマだ。

シリーズを制作したのはジャーナリストのYusuf Omar(ユスフ・オマー)氏(Spectaclesを「2016年以来毎日の生活で」着用していると言っている)と彼のプロジェクトであるHashtag Our Storiesで、そこでは140か国の1万人以上に、各自がスマートフォンを使って作品をつくるための訓練を行った。

“First Person”は、あの、Spectaclesを6か国の人々に配布して、それぞれが気象変動と戦うために行っていることを記録できるようにした仕事の延長線上にあるように思える。

「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に襲われた時、世界のメディア制作者は撮影をやめました」とOmar氏が私宛のメールに書いた。「それでもわれらがイノベーターたちは手を休めませんでした。彼らにSpectaclesを送ることで、コロナウイルス禍の中では伝えるのが困難だった物語に私たちが触れることができるようになりました」

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Spectaclesで映像を作ることは単なる制作方法のひとつではない、と彼は付け加えた。視聴者は文字通り、気象活動家の視点から物事をみることができる。

「こういう番組に一人称映像を使うことの素晴らしさは、変革を起こす人たちが実際に手を動かして、自分たちの見たい変化を生み、アップサイクルし、リサイクルし、実現するところを私たちが目撃できることです」と同氏は語った。「彼らが両手をつかって行う肉体的行為を本人の視点から見ることで、その行動は語ることのできる興味深く没頭的なものになる。若い視聴者が見れば、『自分でもできるかもしれない』と思うでしょう」

シリーズでは各話ごとにARレンズを使っている。あるレンズは地面にひび割れを付加して水不足を表現し、別のレンズは空に二酸化炭素の雲を付加して炭素排出を表現した。

“First Person”は10月24日土曜日に封切られる。予告編を下に貼ってある。

画像クレジット:Snap

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

電子商取引ビジュアル検索プラットフォームのSyteが、米国とアジアでの拡大のためにシリーズCで31.4億円を調達

Syteの共同創業者、最高経営責任者Ofer Freyman(オファー・フレイマン)氏、最高収益責任者 Lihi Pinto-Fryman(リヒ・ピント=フライマン)氏、最高執行責任者Idan Pinto(アイダン・ピント)氏

イスラエルのテルアビブを拠点とする、ビジュアル検索ならびにプロダクト発見プラットフォームのSyte(サイト)は、Farfetch(ファーフェッチ)やFashion Nova(ファッション・ノバ)といったブランドですでに使用されており、今回の資金調達終了後に米国およびアジア太平洋地域へと拡大する予定だ。スタートアップは米国時間10月21日、3000万ドル(約31億4000万円)のシリーズC調達を行い、さらに1000万ドル(約10億5000万円)の借入を行ったことを発表した。

このラウンドは、Viola Venturesによって主導され、新規の投資家としてLg Tech Ventures、La Maison、MizMaa Ventures、Kreos Capital、および既存の投資家としてMagma、Naver Corporation、Commerce Ventures、Storm Ventures、Axess Ventures、Remagine Media VenturesおよびKDS Media Fundが参加した。Syteの最後の資金調達ラウンド、2150万ドル(約22億5000万円)のシリーズBが公表されたのは2019年のことだ。スタートアップはこれまでに合計で、7100万ドル(約74億2000万円)を調達している。

洋服のビジュアル検索に焦点を当てて2015年に立ち上げられた(未訳記事)Syteの技術は、今ではジュエリーや家の装飾のような他の品目をカバーし、Farfetch、Fashion Nova、Castorama(キャストラマ)、Signet Jewelers(シグネット・ジュエラーズ)などのブランドで使用されている。Syteによれば、そのソリューションを使うことでコンバージョンが平均177%上昇するという。

同社のプラットフォームは3つの主要プロダクトで構成されている。1つめのVisual Discovery(ビジュアル・ディスカバリー)は企業にビジュアル検索、レコメンデーションエンジン、そしてディスカバリーボタンを提供する。2つめの「Searchendising」(サーチエンディジング)は検索ならびにレコメンデーション結果を改善するために、ビジュアルAIに基きタグを自動生成する。そして出版社、スマートデバイスメーカー、ソーシャルプラットフォームによって使われる3つめのDiscovery Marketplace(ディスカバリー・マーケットプレイス)はプロダクト広告のリーチを広げる役割を果たす。

Syteは、2020年の初頭に比べて、顧客基盤が38%成長していると述べている。この理由の一部には、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に伴う移動制限によるeコマーストラフィックの増加も挙げられる。

同社のプレス発表で、CEOで共同創業者のOfer Freyman(オファー・フレイマン)氏は、Syteはパーソナライズされたレコメンデーションを生み出すために、「視覚、テキスト、音声など、私たちの感覚の全範囲にまたがる」プロダクト発見技術の開発または買収に焦点を当てると述べた。

Syteの現在の顧客の多くはヨーロッパ、中東、アフリカにいるため、米国およびアジア太平洋市場でのプレゼンスを高めるためにも新しい資金が使われる。

ますます多くのソーシャルメディアプラットフォームや、Amazon(アマゾン)、Target(ターゲット)、IKEA(イケア)、Walmart(ウォルマート)、eBay(イーベイ)、Snap(スナップ)、Pinterest(ピンタレスト)などのeコマースプラットフォームは、ユーザーにキーワード検索の代替手段を提供するために、ビジュアル検索ならびに認識技術を利用している。検索プロセスを簡素化したり、タグを自動的に生成したりすることで、ビジュアル認識技術は検索結果や製品レコメンデーションを改善し、より多くのコンバージョンが可能になる。

電子商取引のためのAIベースのビジュアル認識と検索技術に取り組んでいる企業は他にもある。ベンチャーキャピタルの資金を調達している、同じ分野の他のスタートアップには、Donde Search(ドンデサーチ)、ViSenze(ビセンゼ)、Slyce(スライス)などがある。

Syteのマーケティング担当副社長にGal Fontyn(ギャル・フォンティン)氏はTechCrunchに対して、同社の技術は、以前CERN(欧州核研究機関)で物理学者として働いていた、共同創業者で最高技術責任者のHelge Voss(ヘルガ・ボス)氏によって開発されたビジュアルAIアルゴリズムによって差別化されているのだと語った。

ボス氏のニューラルネットワークと機械学習のバックグラウンドによって、Syteは1秒未満で95%以上の精度のオブジェクトマッチング結果を生成できる、ビジュアル検索ソリューションを構築することができたのだとフォンティン氏はいう。そのアルゴリズムは、世界中のベンダーの何百万もの製品についても訓練されていて、それをSyteは「最大の特定業界向け辞書」だと主張している。これにより、画像内の複数のオブジェクトを認識し、詳細なタグを割り当てることができるのだ。

Syteを使用するブランドは、ROIの平均として423%の増加を見ている、とフォンティン氏は付け加えた。

関連記事:
・Syte snaps up $21.5M for its smartphone-based visual search engine for e-commerce(未訳記事)
・Walmart is testing its own, in-house visual search technology on Hayneedle(未訳記事)

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(翻訳:sako)

アップルが「ブランド価値」ランキング8年連続で第1位、テクノロジーブランドが躍進

アップルが「ブランド価値」ランキング8年連続で第1位、テクノロジーブランドが躍進

企業のブランディングを専門とするインターブランドジャパンは10月20日、21回目となるグローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2020」(BGB 2020)を発表した。同社は、1974年に英国・ロンドンで設立されたブランディング専門会社インターブランドの日本法人。BGB 2020に関し時代の不安定性・不確実性がコロナ禍で加速され、ランキングにも大きな影響を与えているとした。

  1. 201020_BGB2020_press-51-100

なお、日本企業のブランドランキング「Best Japan Brands 2020」については、2020年2月に発表済み。「ブランディング」の取り組みを評価するアワード「Japan Branding Awards 2020」を2020年12月に開催し、受賞ブランドを発表予定としている。

 

Appleが8年連続で第1位、テクノロジーとプラットフォームブランドが成長

BGB 2020では、Appleが8年連続で第1位(ブランド価値 3230億ドル)。第2位がAmazon(2007億ドル)、第3位がMicrosoft(1660億ドル)。2013年から第2位が続けていたGoogle(1654億ドル)は、BGB 2020では第4位となった。また、Samsungが第5位(623億ドル)となり初めてトップ5にランクインした。

また、ソーシャルメディアとコミュニケーションのブランドが躍進。19位Instagram(261億ドル)、30位YouTube(173億ドル)、100位Zoom(45億ドル)となった。これら3つは初のBest Global Brandsランクインとなっているほか、Tesla(128億ドル)が40位に返り咲いた。

テクノロジーブランドの躍進により100ブランドの合計金額価値は2兆3365億ドルとなり、2019年に比べ9%成長。前年比で成長したブランドの成長率は平均14%であるのに対し、テクノロジーとプラットフォームブランドは20%成長しており、100ブランドの合計価値の48%を占めているとした(2010年は17%)。さらに、トップ3のテクノロジーブランドの合計価値は、100ブランドの合計価値の30%を占める結果となっている(2010年は16%)。

Amazonがブランド価値60%向上で成長率1位、2桁成長ブランドの6割がサブスクモデルを採用

最も成長率の高い5ブランド(Top5 Growing Brands)は、Amazon(前年比+60%)、Microsoft(同+53%)、Spotify(同+52%)、Netflix(同+41%)、Adobe(同+41%)となった。コロナ禍の影響でオンラインサービスブランドが発展しており、2桁成長したブランドの6割がサブスクリプションモデルを採用しているという。

また、60位PayPal(前年比+38%)、57位Mastercard(同+17%)、45位Visa(同+15%)も、それぞれブランド価値を高めている。これらは、感染拡大の影響から主要な支払方法として電子決済への急速な移行が進んだことや、ロックダウンの中で地元ビジネスをサポートするプログラムを迅速に展開したことなどにより、不確実な時代に家計や資本へのアクセスを提供する信頼できるブランドとして飛躍を遂げた。

コロナ禍でラグジュアリー業界がブランド価値低減、物流が生活に欠かせない存在となり向上

業種別に見ると、コロナ禍の影響により多くの店舗の閉店を余儀なくされた35位Zaraと37位H&Mは、それぞれブランド価値が-13%、-14%と低下し、昨年より順位を下げた。2年連続で成長率がトップであったラグジュアリー業界は、そのブランドのほとんどがブランド価値を下げた。

その一方で、コロナ禍で成長した業種のひとつは物流という。平均5%の成長が見られ、24位UPS、75位FedEx、81位DHLはすべてブランド価値を上げました。物流ブランドは、世界各地でロックダウンされた人々の生活に欠かせない存在となっている。

BGB 2020における、日本ブランドに関する分析

Toyota(トヨタ自動車。516億ドル)は2019年に続き第7位で、17年連続で自動車ブランドの最高位となった。Toyotaは、CASEの時代に合わせたビジネスモデルの転換を図り、「モビリティカンパニー」へのフルモデルチェンジを宣言。CASEは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字を取ったもの。

またCES 2020では、「コネクティッド・シティ」プロジェクトを発表。業界を超えたアライアンスにより、「人」が中心となる未来の実現に向けた活動を着実に進めている。2019年の第3四半期で売上は前年度を上回り、Toyotaは日本の企業として初めて30兆円企業となった。

20位Honda(本田技研工業。217億ドル)は、主軸である二輪、四輪事業のビジネスで苦戦。その一方で、ラリーやHonda Jetなどでは成功を収め、本田技研工業の直下にR&D部門を移行するなど、事業一体のR&Dに注力。Hondaはまた2025年までにヨーロッパで販売されるすべての四輪を電気自動車に置き換えることを宣言した。日本で展開された企業TV広告「Go, VantagePoint.」は、YouTubeで視聴回数(1500万回)を獲得し、消費者との高いエンゲージメントを築いている。

51位Sony(ソニー。120億ドル)は、エレクトロニクス企業から創造的なエンターテインメントブランドへのシフトを加速。エレクトロニクス事業やゲーム&ネットワークサービス事業に加え、イメージング&センシングソリューション事業が成長をドライブしている。Sonyは、コロナ禍において、最前線の医療に従事する人々、遠隔で学ぶ子供や教師、エンターテインメント業界全体に携わる人々を含む、Covid-19の影響を受けた世界中の人々を支援する1億ドルの救援基金を創設するなど社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

59位Nissan(日産自動車。106億ドル)は、2019年度通期のグローバル全体需要は、中国市場の減速や、新型コロナウイルス感染拡大の影響により第4四半期に各市場が低迷したことを受け、前年比6.9%減の857万台となった。その状況下において、Nissanは、「事業規模の最適化」「選択と集中」の推進による事業基盤改革と、市場をリードしてきた電気自動車と運転支援技術などをベースに、新しいモビリティへのチャレンジを続けている。

71位Canon(キヤノン。81億ドル)は、エントリーユーザー向けのカメラやレーザープリンターの市場縮小の加速が反映され、また景気低迷により売上・純利益ともに大きな影響を受けている。コロナ禍により、オフィス向け複合機とレーザープリンター、カメラ市場はこれまでの縮小傾向がさらに強まっている。インクジェットプリンターは、一部の新興国では減速が見られる中、先進国と中国では在宅勤務や在宅学習向けに需要が高まりつつありる。医療機器は、Covid-19の影響の長期化による移動制限などにより、販売活動が影響を受ける見通し。

76位Nintendo(任天堂。73億ドル)は、コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、ゲームサービスへの需要が爆発的に高まったことで、ブランド価値向上(前年比+31%)。ゲームとフィットネスを合わせた「リングフィット アドベンチャー」は、都市封鎖の間一時在庫がなくなり高値がつくほど最も需要が高まったゲームのひとつ。コロナ禍の初期、「あつまれ どうぶつの森」は、過酷な状況から逃避できるゲームとして1100万人以上がプレイ。世界で一番多く楽しまれたゲームとなった。

85位Panasonic(パナソニック。58億ドル)は、コロナの影響を受け減収・減益。新中期経営計画において、「くらしアップデート」を実現する企業という新たな方向性を打ち出し、「基幹事業」「再挑戦事業」「共創事業」を中心とする事業ポートフォリオ改革を行い、売上成長と収益性改善を目指している。

B2C事業では、サウンドシステム、ノイズキャンセリングイヤホン、一眼レフカメラなどの製品を開発し、顧客の新たなニーズに対応。一方、B2B事業ではToyotaやTeslaとの自動車用電池のコラボレーション、コールドチェーン、プロジェクションマッピング、ファクトリーオートメーションなど社会的に期待される技術を生み出している。

Best Global Brands

同ランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので、レポートの発表は2000年から今年で21回目。以下基準を満たす企業・商品を抽出・評価しており、上位100ブランドを公表している。

評価対象基準

  • 主要基盤地域(Home Region)以外での売上高比率が30%以上であること
  • 北米・欧州・アジア地域で相応のプレゼンスがあり、新興国も幅広くカバーしていること
  • ブランドの財務的評価実施に必要な各種財務情報が公表されていること
  • 資本コストを織り込んだ経済的利益(Economic Profit)が長期的にポジティブであること
  • 主要基盤地域のみならず、世界の主要な国々で一般に広く認知されていること
  • ブランドが顧客の購買行動に影響を与えていること

同社のブランド価値評価手法は、企業が生み出す利益の将来予測を行う「財務分析」、利益のうちブランドの貢献分を抽出する「ブランドの役割分析」、ブランドによる利益の将来の確実性を評価する「ブランド強度分析」という観点からみたブランド価値の評価となっている。証券アナリストによる事業価値の分析・評価と同様に、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」という視点に基づいて、ブランドの価値を分析・評価しているという。この手法は、ブランドの金銭的価値測定のための世界標準として、国際標準化機構(ISO)からISO10668の認定を受けているそうだ。

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