SoundCloudに土壇場で救いの手――LjungはCEOから退く

ユーザー生成音楽のストリーミングサービス、SoundCloudは運営を継続するための資金調達ラウンド完了した。共同ファウンダーのAlex LjungはCEOを辞任するが会長には残る見込み。

新CEOにはVimeoの元CEO、Kerry Trainorが就任する。Mike WeissmanがCOOに就任し、SoundCloudの共同ファウンダーでCTOのEric Wahlforssは最高プロダクト責任者に留まる。ニューヨークの投資銀行、Raine Groupとシンガポールの国営ファンド、TemasekがシリーズFの資金調達に応じ、1億6950万ドルを出資した。

SoundCloudは先月、コスト削減のためとして社員の40%にあたる173人を突如解雇した。このときCEOのAlex Ljungは「運営資金が第4四半期の開始までしかない」と発表し、同社は瀬戸際状態にあることが明らかとなった。土壇場での資金調達に成功したことで、SoundCloudは新たな航海に出発する準備を整えるか、あるいは買収によって大企業の傘下という安全な港に停泊するか選ぶ余裕を得た。

SoundCloudは今回のラウンドについて会社評価額などの具体的な数値を明かすことを避けている。昨日(米国時間8/10)のAxiosの記事によれば、SoundCloudは投資前会社評価額1億5000万ドルで1億6950 万ドルのラウンドを実施したという。この会社評価額は前回のラウンドの会社評価額が7億ドルだったことからすると暴落といっていい。 今回のシリーズFでRaineとTemasekは清算の際の残余財産分配優先権(liquidation preference)を得たものとみられる。これは他の残余財産分配優先権すべてに優先し、シリーズEの投資家の優先権は40%減額された。他の投資家はこれで満足しているわけはないが、投資が紙くずになるよりはましだろう。

SoundCloudを崖っぷちから引き上げるのと引き換えにRaineは取締役会に2人分の席を得た。元音楽業界の弁護士でRaineのパートナーのFred Davis、同グループで音楽関係の投資を担当してきた副社長、Joe Puthenveetilの2人がRaineが取締役に就任する。

CEOから退くことになったのはLjungには不本意だろうが、取締役会の会長として会社の運営に関与を続けることができた。Ljungは「(この資金調達の成功は)SoundCloudが独立企業として力強く前進することを保証するものだ」と書いている。

SoundCloudでは、通年換算の売上高は1億ドルあるとしている。この売上高を確保できるのであれば、コストを低く抑えることで最終的にはブレークイーブンを達成できるかもしれない。そうなれば今回のような外部からの緊急投資に頼る必要はなくなる。

TechCrunchはSoundCloudの危機について先月報じた。【略】この報道を受けて、ファンやアーティストからSoundCloudを守ろうとする声が多数上がった。これはTwitterがビジネス上の理由からビデオサービスのVineを終了したときを思わせた。有名ミュージシャンのChance The Rapperは自らSoundCloudを援助する道を探った。Chanceや他の多くのインディーのミュージシャンはこのプラットフォームからデビューし名声を勝ち得ている。結局Vineとは異なり、SoundCloudは救われたわけだ。【略】

2011年にハリウッドのHollywood Hotelで開催された2011 TVサミットに参加したKerry Trainor。当時AOLのエンタテインメント担当上級副社長 (写真 Todd Williamson/WireImage)

Featured Image: TechCrunch

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SoundCloudが深刻な危機に――ユーザー生成音楽のストリーミング事業に残された時間は50日

ユーザーが生成した音楽をストリーミング配信するサービスの大手、SoundCloudは深刻な状況を迎えている。昨日(米国時間7/11)、同社では全社員集会を開き、先週突然に40%の社員のレイオフを行った理由を説明した。

残留組はなぜ事前に経営悪化に関して何も知らせがなかったのか、またこのコスト削減がSoundCloudの経営を長期にわたって保証するものなのか知りたがっていた。

しかしベルリン本社からビデオキャストが放映される際、世界中のSoundCloudの会議室には警備員が溢れており、社員は望んでいた答えが得られそうな状況ではないと悟ったようだ。SoundCloud社員の一部はTechCrunchに対し、共同ファウンダーのAlex LjungとEric Wahlforssは「レイオフはコストを減らすことで第4四半期まで時間を稼ぐためだった」と告白したと述べた。しかし第4四半期までわずか50日しかない。

Ljungはレイオフの発表に当って、「長期的計画を練り直し厳しい決定をすることになった」という声明を発表していた。しかし手持ち資金が尽きるのがそれほど差し迫っていることにはまったく触れていない。

TechCrunchが取材した別のSoundCloud社員は、別のオフィスで全社員ミーティングのビデオを見たが、「(その際の雰囲気は)ひどいものだった。優秀な人間はみな辞めると思う。Eric
[Wahlforss]はSoundCloudのファミリーがどうとか言ったが、そこで部屋中に失笑が起きた。たった今173人も首にしておいて何がファミリーだ?」と述べた。

SoundCloudの共同ファウンダー、CTOのEric Wahlforss

SoundCloudは音楽ストリーミング・サービスの中でも独特の位置を占めてきた。楽曲はセミプロ・ミュージシャンであるユーザーが製作してアップロードしたものだ。この中には非公式のカバー曲、長時間のDJパフォーマンスなどSpotifyやAppleなどメインストリームの音楽サービスでは配信されないような楽曲が多数含まれていた。こうした楽曲はSoundCloundの人気を支える一方で著作権問題に付きまとわれる原因となっていた。

【略】

クラウド上の楽曲はどうなる?

創立後10年間に2億ドルの資金を集めながらSoundCloudは「音楽のYouTube」となることに失敗した。SoundCloudの経営はもやは多少の経費削減くらいではどうにもならないところに来ているようだ。SoundCloudが生き延びるためには維持可能なビジネスモデルを構築することができる買い手を探すしかないだろう。たしかにYouTubeはストリーミング・ビデオの世界で巨大な存在となったが、初期の段階でGoogleの傘下に入らなかったらそれが達成できたかは疑わしい。SoundCloudには大きな力のある援助者が必要だ。【略】

ホームメイド・リミックスやガレージ・バンドの楽曲の世界最大のコレクションは危機に瀕している。もしSoundCloudがこのまま運営を停止するならそれでなくても綱渡りを強いられているインディー・ミュージシャンたちにとって深刻な打撃となるだろう。

それだけにSoundCloudの社員がTechCrunchに語った一言が重く感じられる―「戦略がゼロだった」 。

〔日本版〕SoundCloudはTechCrunchでもSony Musicとの契約が成立したという記事やビジネスモデルを解説した投稿を掲載していた。

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音楽ストリーミングのSoundCloudがSony Musicと契約―サブスクリプション導入へ大きな弾み

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今日(米国時間3/18)、音楽ストリーミングのスタートアップ、SoundCloudはSony Musicとの契約が成立したことを発表した。 この情報は今週初めに流れていたが、これで正式な確認が取れたことになる。SoundCloudによれば、この契約によって加入者はSony Music Entertainmentレーベルのアーティストの楽曲を自由に聞くことができるようになり、将来、売上を増やすのに効果があるとしている。

SoundCloudはすでにメジャーレーベルを含む他のレコード会社と同様の契約を結んでいる。今年6月にはインディーのアーティスト2万が登録している,Merlinと契約し、またUniversal Music Groupとも今年契約を結ぶことに成功した。Warner Musicとはいち早く、2014年に契約している。しかし世界最大のレーベルであるSonyを加えることができたのは大きな成果だろう。SonyはSpotify、Pandoraなどライバルのサービスとはすでに契約しているが、SoundCloudとはまだだった。

SoundCloudは今日のブログ記事で「1億1000万曲を持つSony Music Entertainmentがレパートリーに加わったことで、SoundCloudはさらに大きく成長し、多様化した」と説明している。 【略】

今回の契約に先立ち、SoundCloudはプラットフォームを利用するアーティストのためのツールの開発に大いに力を注いでいた。SoundCloud Pulseアプリは、アーティストが楽曲などを簡単に公開し、ファンと交流すると同時にSoundCloud上での自分たちの活動を詳しくモニターできるアプリだ。

Sonyの追加でSoundCloudは3大メジャーレーベルと1800万のアーティストを擁するサービスとして音楽ストリーミングのメインストリームでライバルと競争する準備が整った。

SoundCloudは今年中にサブスクリプションモデルをスタートさせると述べているが、ビジネスモデルの展開にも弾みがついたはずだ。

Music Business WorldwideThe Vergeなどのメディアは正式発表に先立ち、火曜日にSonyとの契約を報じていた。 それらの記事によると、SonyはSoundCloudの株式を入手し、次回の資金調達に参加する権利を与えられたという。当面SoundCloudはコメントを避けている。

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SoundCloudがラジオ機能“Stations”をiOSとAndroidでスタート、好みの曲の見つけやすさで差別化

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Appleが制作するiTunes Radioの有料化(無料制の廃止)を絶好のタイミングと見た音楽ストリーミングサービスSoundCloudが今日(米国時間2/2)、そのラジオサービス”Stations”をローンチした。Pandoraなどのラジオサービスと同じくStationsも、ユーザーの曲指定や検索結果などに基づいて音楽ストリームをエンドレスで流す。

同社の発表声明によると、このラジオ局は“これまでどこでも聴いたことのない曲を発見する新しい方法”を提供する。そのため、ユーザーの好みに基づいて容易に曲を見つけることができる。

SoundCloudには前から”Related Tracks”(関連曲)という機能があり、曲と曲の関係や類似性を理解する能力があるが、これまではその能力がエンドユーザーの便宜として生かされていなかった。だからSoundCloudでは、自分の関心に沿う音楽を見つけるのが困難だった。優秀な新人や、隠れた才能を見つける場所、とされているSoundCloudがこれでは、困るのだった。

もちろん、ユーザーからの要望も殺到していた。しかし今日までは、新しい曲を見つけるのがかなり面倒だった。

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自分のラジオ局、SoundCloud Stationを最初に作るときは、曲名や何かのキーワード、コンテンツストリーム、自分のCollectionなどで検索をしたあとに出るメニューで、”Start Station”(Stationをスタートする)を選ぶ。そうすると、自分のStationが、LikesやPlaylistsなどと並んで自分のCollectionの一部になる。ユーザーが選べる曲の数は、1億以上あるそうだ。

SoundCloudは今、収益化の方法を模索しているが、Stationsはまさにそんな時期に登場した。同社は2015年の初めに、3200万ユーロを投資でなく融資で調達し、最近では年内における、有料会員制とグローバル市場を対象とする広告の展開を計画している。

もちろん有料制を採用するからには、競合他社に負けないだけの、サービスの充実した構成を確立する必要がある。当然その中にはStationsのようなラジオ局も含まれるだろう。PandoraもApple MusicもSpotifyもGoogle Play Musicも、すでにやっていることだ。

SoundCloudによると、Stations機能は今日からiOSAndroidの各アプリで使える。

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SoundCloudは音楽のYouTubeだ―ビジネスモデルはSpotifyよりはるかに有利

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SoundCloudは最近、長らく待ち望まれていたユニバーサル・ミュージックとのライセンス契約を締結することに成功した。ユニバーサルのアーティストにはカニエ・ウェスト、アデル、テイラー・スウィフトといったビッグネームが含まれる。

この契約によってSoundCloudはメジャー・レーベルの楽曲の約半分をカバーできた。ワーナーはSoundCloudとすでに契約しているが、Sony BMG、Sony/ATVはまだ様子見というところだ。

ユニバーサルのライセンスとベンチャー資金の獲得によって、このベルリン生まれの音楽コンテンツ・プラットフォームはSpotifyのライバルとして非常に有望な存在となった。

音楽のYouTube

メディア上ではSoundCloudについて聞くことはSpotifyの場合よりだいぶ少ない。しかし SoundCloudとSpotifyはどちらも巨大なサービスだが、ユーザーベースについていえばSpotifyが7500万人であるのに対してSoundCloudは月間利用者が1億7500万人だ。

SoundCloudにSpotifyの2倍以上の登録ユーザーがある理由はこうだ。Spotifyの本質は有料ユーザーに対する音楽ストリーミング・サービスなので総ユーザー数そのものはあまり大きな意味をもたない。Spotifyにとって重要なのはそのうちのどれだけが有料契約を結ぶかだ。これに対してSoundCloudは(すくなくともまだ今のところ)収益化の必要が薄く、成長のために無料コンテンツを大量に提供する余裕がある。

第2に、SoundCloudはSpotifyよりもビジネスモデルが有利だ。SoundCloudの主要なユーザーは同時に音楽コンテンツの提供者でもあり、彼らの目的はフォロワーを増やすことで、収益化そのものには関心が薄い。今回のユニバーサルとの契約は同社に関連するやっかいな著作権訴訟を避ける効果がある。これに対してSpotifyは収入の80%を著作権の保有者に支払っている

こうした数字でも分かるとおり、SpotifyとSoundCloudのビジネスはまったく異なる。

SoundCloudのビジネス・モデルはプラットフォーム提供であり、その上に流れるコンテンツはユーザー自身がアップロードしてくれる。Spotifyのように著作権者にライセンス料金を払って楽曲をストリーミングするのが本業ではない。SoundCloudのネットワークは、楽曲をアップロードするユーザーが増えれば楽曲を聞こうとするユーザーも増えるという構造になっている。
ネットワークが拡大すればそれに連れて楽曲を投稿するインセンティブも大きくなるというネットワーク効果が働くことがSoundCloudの急成長のもうひとつの理由だ。

プラットフォームが才能ある新たなアーティストを日々惹きつけているなら、その将来はきわめて有望だと言わざるをえない

逆にSpotifyの場合、基本的にレコード・レーベルがライセンスを保有する楽曲の再販売業者であり、いわば音楽ストリーミングのウォルマート〔スーパーマーケット〕のようなものと考えることができる。そのため、Spotify上の楽曲のほとんどはApple MusicにもPandoraにも他のストリーミング・サービス上にも存在する。そのためSpotifyはSoundCloudのようなネットワーク効果を期待することができない。

これはビデオ・サービスにおけるYouTubeとNetflixの差によく似ている。こういう比較は、Netflixには成功のイメージが強いのでSpotifyをひいきしているように感じるかもしれない。しかしそうではない。実はYouTubeの単独の価値は850億ドルとNetflixの価値の2倍なのだ。その理由は簡単だ。2016年にNetflixはCBS、 Viacom、Time Warner、Foxのどれよりも多額のライセンス料金を支払うことになる。Spotify同様、Netflixの売上もほとんどはライセンス保有者に流れる。

SoundCloudは音楽のYouTubeとなれるか?

この双方の組には深いところまで類似点が見い出される。Netflixと同様、アーティストはフォロワーを増やすのにSpotifをあてにはしない。そのためにはSoundCloudに参加する。これはビデオグラファーがYouTubeに作品をアップロードするのと同じだ。

ラッパーのFetty WapはSoundCloudで大評判になってからビルボードのチャートに載った。DJの大物、DiploやSkrillexもメインストリームで有名になるための足掛りとしてSoundCloudを利用している。 こうした事情でSoundCloudはSpotifyよりも良好な関係をアーティストとの間に築いている。

Spotifyのコンテンツのほとんどはメジャー・レーベルから来ており、他のサービスでも聞ける。しかし音楽ファンがインディーの最新トラックやDJのリミックスを聞きたければSoundCloudを探すことになる。SoundCloudは新しいアーティストや曲などユニークな音楽コンテンツを探す場所になってきた。またSoundCloudではユーザー同士がフォローし合うことによって交流が深まり、音楽に関する情報が密接にやり取りされる。

コンテンツのユニークさによって音楽におけるセレンディピティ〔思いがけぬ発見〕がSoundCloudの特長になった。これによりユーザーのネットワークも日々拡大している。またそのコンテンツは主としてユーザー自身が無料でアップロードしたものだ。こうしたことはすべてSpotifyには望めない。

プラットフォームが才能ある新たなアーティストを日々惹きつけているなら、その将来はきわめて有望だと言わざるをえない。逆にSpotifyは現在のような利益を確保するために苦闘することになりそうだ。NetflixがそうであるようにSpotifyもストリーミングを継続していくためにははコンテンツの権利保有者との苦しい妥協を強いられる。またライバルのサービスに対して独自性を出していくのも難しい。もしこの両社のどちらかを選ばねばならないのなら、今のところ私は「音楽ストリーミングのYouTube」であるSoundCloudの方を選ぶだろう。

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SoundCloudがクリエイターのためのツールを集めた専用アプリを発表

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iOSとAndroidの両方で音楽アプリのトップ5のひとつであるSoundCloudが、アーチストやクリエイターのためのアプリSoundCloud Pulseを今日(米国時間11/2)リリースした。このアプリを使ってユーザは、作品を共有したり、人気情報を調べたり、コメントに答えたり、他のユーザをフォローしたりできる。共有は、一般公開でも、会員登録制でもどちらでもできる。もっと高度な機能も今準備中なので、今後のアップデートにご期待を、ということだ。

現時点ではSoundCloud PulseはAndroidのみで、iOSバージョンはまだだ。

しかし今後リリースされるバージョンでは、より詳しい人気情報や、曲の情報の編集、曲のアップロード、拡張メッセージングなどの機能がサポートされる。

SoundCloudのコミュニティをいつも盛り上げているクリエイターたちのためのモバイルツールが出るのは、今回が初めてだ。

SoundCloudは今、完全な合法化を目指してレーベルと交渉したり広告のない有料会員制をやろうとしている。そんなとき、アーチストとの関係を深めることができれば、同サイトはインディー音楽のさらに良いソースになり、また新人クリエイターたちの登竜門にもなる。これまでのような法律のグレーゾーンで、一部のレーベルに嫌われて音楽を引き上げられるサイトではなくなるだろう。ただしそのほかのレーベルは同社とすでに売上共有契約を結んでいる。

SoundCloudのメインのアプリケーションも最近改作され、SoundCloudと同じくインディーのアーチストも参加できるApple Musicに対抗しようとしている。

SoundCloud本体アプリには、音楽の発見と全体的なユーザ体験を改良するための機能が盛りだくさんだが、これまで、クリエイターが自分のアカウントを管理するためのツールは、増えなかった。

Pulseは、そのほかの要望にも対応している。まず、これまでの数年間で、クリエイターが頼りにしてきた機能の多くがなくなっている。SoundCloud Pulseの発表を告げるブログ記事のコメントにも、この不平がある。SoundCloud Pulseなんていう別のアプリを出さずにSoundCloudアプリ本体が充実すれば、それでいいじゃないか、というわけだ。SoundCloudのマーケティング部長Brendan Codeyは、こう答えている:

それは、社内でも激しく議論しました。クリエイターとリスナー両方のニーズを満たすためには、アプリを二つに分けるのがベスト、という結論に達しました。機能豊富でしかも使いやすくメンテナンスしやすいツールを作ることは、大仕事でしたが、アプリを二つに分けたことによって、双方が互いの邪魔をすることなく、今後の改良を進められるようになりました。

SoundCloudの登録ユーザ数は1億5000万に達し、月間リスナは1億7500万いる。年齢層は、SpotifyやPandoraより若い、と最近のBloombergが報じている

さきごろ同社は、“今年の終わりごろ”有料会員サービスを始める、と言っている。でもまだ、公式日程の発表はない。クリエイターのためのアプリをまず改良してから、そのような有料サービスをローンチする、という心算なのかもしれない。

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SoundCloudがApple Musicに対抗して音楽発見機能を充実…関連曲再生やソーシャルな共有で

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今週のたぶん最大の話題がApple Musicのローンチだろう。しかしその同じ週に、人気の高い音楽ストリーミングサービスSoundCloudも、そのモバイルアプリを大幅にアップデートした。アップデートの内容には、関連曲の紹介、シャッフル、プレイリストの直接編集などがあり、主に音楽をより見つけやすくすることと、ユーザ体験の向上に力を入れている。

Apple MusicはSoundCloudのテリトリを侵そうとしている。インディーのレーベルをたくさん集めたし、インディーのアーチストたちはソーシャルな共有サービスConnectを利用して、音だけでなく画像やビデオもアップロードできる。Appleの人気アプリケーションGarageBandから直接、Apple Music Connectに作品を発表できるようになった。インターネットラジオサービスBeats1は、その新曲紹介‘番組’が好評だ。

というわけでSoundCloudは、大急ぎでサービス内容やインタフェイスの微修正を迫られたのだ。

プレイリストの編集や、好きな曲やプレイリストのシャッフルは、音楽ストリーミングサービスの定番のような機能だから、まあ、あるのが当たり前だ。でも最大の変化は、SoundCloud独自の新曲発見機能、‘関連曲紹介’だ。

聞きたい曲を指定したあとで”Play Related Tracks”(関連曲を再生する)をタップすると、音楽発見の旅が始まり、SoundCloudのアルゴリズムが、そのユーザが好むかもしれない曲を次々とピックアップしてストリーミングする。今、世界最大の音楽ストリーミングサービスと言われるSoundCloudには1億あまりの曲があり、どんな曲でも見つかるだろう。その中には、無名の宝石のようなアーチストもいるから、この新しい機能は彼らのファン獲得にもきっと貢献する。

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SoundCloudのソーシャル共有機能も改良され、ユーザは検索画面や好きな曲リストから直接、ソーシャルネットワーク上での共有をSoundCloudに指示できる。それはSoundCloud上のユーザのエンゲージメントを活発にするための工夫だが、曲の発見機能にも寄与する。共有がしやすくなればなるほど、SoundCloudのユーザでなかった人もこのアプリを知るようになり、またすでにユーザである人も、再訪のきっかけを得る。

アップデートはすでに可利用だが、当面はSoundCloudのiOSアプリのみだ。

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SoundCloudがポッドキャスト機能を一般公開…意欲的な料金体系で業界支配をねらう

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SoundCloudは2011年以来、ポッドキャスト機能をテストしてきたが、今日から一般公開されることになった。SoundCloudのポッドキャスト機能には、無料プランと二種の有料プランがある。それはLibsynなど既存の優勢勢力に挑戦するとともに、iTunesへパブリッシュしたり、Overcastなどのポッドキャストアプリに拾われるためにRSSフックを提供している。

SoundCloudは、いきなり勝負に勝つ気だ。有料プランは、1か月6時間のオーディオアップロードで年額55ドルと、無制限が年額135ドルだ。Lisbonは月額5ドルから始まるが50MBというストレージの容量制限はすぐ尽きてしまう。月額15ドルでは250MBになるが、SoundCloudの無制限プランにはかなわないだろう。たまにしか使わない人向けの無料プランは、3時間のオーディオをアップロードできる。

SoundCloudのベーシックなポッドキャスト機能は前から誰でも使えたが、リスナーもSoundCloudにアクセスしていなければならない、という制約があった。新しい機能ではユーザのポッドキャストのRSSフィードが生成されるので、それをiTunesにパブリッシュしたり、ほかのオーディオ発見ソースや、DeezerのStitcherなどのインターネットラジオに配信できる。InstacastやOvercastなどのアプリも利用できるし、またフィードのURLを友だちなどに教えてもよい。

またSoundCloudのポッドキャストはただちにSoundCloudにパブリッシュされるから、潜在的オーディエンスは大きい。埋め込みツールを使うとソーシャルメディアやブログなどのWebサイトで共有することもできる。

ただしポッドキャストのコンペティタはLibsynのようなレガシーだけでなく、今後増えるだろう。たとえばSpotifyには、本誌が以前報じたモバイルアプリ発見機能をベースとするポッドキャストを導入する計画がある。ただしSpotify自身がホストするのではなく、AppleとiTunesの関係みたいな形になるとの噂もあるので、もしそうならSoundCloudのポッドキャスト収益化にもメリットがある。

SoundCloudのポッドキャストのやり方はここに書かれている。本誌もSoundCloudのアカウントがあるので、近く試してみるだろう。

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“オーディオのYouTube”SoundCloudがコンテンツの有権状態を追跡するZefrとパートナーして売上増に本腰

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音楽ストリーミングのSoundCloudは今、できるだけ多くの曲から、広告や有料化による収益を上げたいと努力しているが、その努力の一環としてこのほど、このサイト上でどの曲がいつ聴かれているかを知るための重要なパートナーシップを結んだ。これからパートナーZefrの力を借りて同社は、どんなコンテンツがいつポストされて、いつ聴かれているかを逐一知ることができる。

今日の発表声明には詳細が乏しいが、Zefrはパートナーシップのねらいを、“このプラットホーム上の共有の様相をよく理解すること”、と述べている。今両社に、パートナーシップによって具体的に何をするのか、Kobaltのような著作権管理サービスの関与は今後あるのか、など、いくつかの質問を送っているので、答が得られ次第この記事をアップデートしたいが、今すでに明らかなのは、これが今後の売上増大策の一環であることだ。

SoundCloudの協同ファウンダでCEOのAlexander Ljungは、声明で次のように述べている: “SoundCloudはレーベルとアドバタイザーズのための成熟したプラットホームとして進化を続けている。Zefrと協働することによりSoundCloudは、デジタルオーディオビジネスにおける強力なプレーヤーになるための次の一歩を踏み出した”。

このパートナーシップは、ZefrとSoundCloudの両方のビジネスにとって重要だ。

Zefrは、YouTubeのパートナーとして、このビデオネットワークにポストされるビデオの著作権の有無の状態を調べ続けた。同社の旗艦サービスContent IDとBrand IDは、音楽や映画のストリームだけでなく、Cokeのような製品まで判定する。NascarやレーベルとしてのSonyなども顧客にしているZefrは、各月に2億7500万のオンラインビデオと、それらの310億あまりの視聴を調べているという。

とはいえ、これまでZefrにとってはYouTubeが唯一の、メジャーなストリーミングプラットホームのパートナーだった。しかし同社は、昨年IVPからの3000万ドルの資金を獲得したとき、今後はGoogleのビデオ部門に限定されずに、メディアストリーミングやソーシャルメディアなど、そのほかの成長企業に対する顧客開拓努力に資金を使っていく、と声明した。SoundCloudは、その声明以降同社が発表した最初のパートナーだ。もちろん、今後ほかにも出てくるはずだが。

SoundCloudは“オーディオのYouTube”と呼ばれることもあるから、それはお似合いのカップルでもある。

SoundCloudはこれまで、1億2300万ドルあまりの資金調達を公表しており、もっとも最近発表された2014年の数字では1億7500万のアクティブユーザがいる。その後も成長が続いているから、今はもっと多いだろう。

しかしながら、その成長には、昨年の決算報告にも見られるように、高い費用が伴っている。

2013年度の決算では、Soundcloudの売上は1120万ユーロ(1410万ドル)で、2012年度の800万ユーロから40%の増加だ。しかし同じ時期に経常損失は倍増し、2012年度の1240万ユーロから2013年度には2310万ユーロ(2920万ドル)になった。

ということは、同社はさらなる投資を必要としているはずだ。実際に今、12億ドルの評価額で1億5000万ドルの資金調達を進めているという報道もある。しかし、それではなぜ、そんなときにSoundCloudは収益化のための新しい技術(Zefr)を導入しようとしているのか?

コンテンツビジネスの日々の詳細な内情を追跡するZefrのようなパートナーを得たことによって、SoundCloudは主なコンテンツオーナーたちとの交渉がやりやすくなる。今現在は、SoundCloudとコンテンツのライセンス契約を結んでいるメジャーなレーベルはWarner Musicだけだが、Warner Musicは、SoundCloudのストリームからお金を得ている唯一のレーベルではない。ではそもそも、他社は今後、このサービスからコンテンツを引き上げたり、コンテンツの提供を控えたりするつもりなのか? それを避けるためにSoundCloudは何をすべきか?

Zefrの協同ファウンダZach Jamesは、今日の声明の中で次のように述べている: “Zefrは長年、権利管理におけるリーダー企業であり、SoundCloudはファンがコンテンツをシェアする活気に満ちたプラットホームだ。そのファンのアクティビティを正しく利用するやり方を見つけることは、SoundCloudとその音楽レーベルのパートナー、およびパブリッシャーにとって利益である。SoundCloudがコンテンツクリエイターやアドバタイザーズにとって積極的に利用したいプラットホームになるために、弊社の技術と専門知識が活かされることは、まことに欣快至極である”。

SoundCloudの企業サイズはYouTubeに比べてずっと小さいが、しかしユーザの滞在率や再訪率はきわめて高いことが実証されている。同サイトにアップロードされる音楽やそのほかのオーディオコンテンツの量は、毎分12時間ぶん以上にも達する。

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Twitterは音楽スタートアップのSoundCloudを買うべきでない[アップデート:買わないらしい]

TwitterがSoundCloudを買収しようとしているという情報が流れた。Re/codeのPeter Kafkaが両者に近い情報源から聞いたという。

SoundCloudは誰でもオーディオファイルをアップロードでき、誰でもストリーミングあるいはダウンロードして再生できるサービスだ。ユーザーは互いにフォローでき(この点はTwitterに似ている)、新人のDJやインディーバンドばかりでなく、大物ミュージシャンもプロモーションのためによく利用している。SoundCloudのビジネスモデルはアップロード、ダウンロード数の制限を外した有料のProアカウントだ。加えてスライドショー形式の画像やフォロー相手の推薦などのネーティブ広告も実験中だ。

SoundCloudはなるほど音楽版のYouTubeになる可能性がある。しかしそのことはGoogleの真似をしてTwitterがこのドイツのスタートアップを買収すべきだということにはならない。株式上場で得た20億ドルの資金の使い道ならもっと他にあるだろう。

[アップデート: ドイツのニュースメディア、SPIEGEL ONLINEが先ほど伝えたところでは、TwitterはSoundCloudを買収しないという。SPIEGELの情報源によれば、TwitterがSoundCloudの買収を検討していたのは事実だが、結局、断念したという。]

2007年の創立以来、SoundCloudはMyspaceが人気を失った後、その穴を埋める形で、セルフ・プロモーションを試みるミュージシャンに高い人気を得ている。2013年7月には登録ユーザーが4000万、非登録聴取者も加えれえば月間ユーザー数は2億人にもなると発表された。2013年10月には月間ユーザー数はさらに2億5000万人に達した。現在では3億人に近いものと推定されている。

SoundCloudは6000万ドルを調達した今年1月のラウンドで7億ドルと評価されている。Twitterが買収するならその額の何倍も支払う必要があるだろう。Twitterは上場によって市場から21億ドルの資金を調達したものの、依然として赤字だ。SoundCloudの買収はTwitterのキャッシュを大きく減少させる。

【中略】


Twitterは拡大の前に本業への集中が必要

私は何人もの音楽系テクノロジー企業のトップに取材したが、SoundCloudの買収がTwitterにとって必須である理由を説明できたものは誰もいなかった。

Twitterはすでに音楽分野への拡大を模索してきた。昨年4月、買収したWe Ar Huntedのテクノロジーをベースにスタンドアローン・アプリの#Musicを発表したものの、不人気のため今年3月にはアプリを取り下げている。音楽は生活の中で非常に重要だが、人々は必ずしもTwitterにそれを求めていないようだ。.

TwitterがSoundCloudを買収しても事情は変わらないだろう。SoundCloudはTwitterのような一般ユーザーの投稿によって成り立つソーシャル・メディアではない。SoundCloudのコンテンツは大部分がプロないしセミプロのミュージシャンによって作られている。

TwitterやVineでも著名ユーザー、インフルエンサーの影響力は大きいが、投稿のほとんどは一般ユーザーによるものだ。しかし一般ユーザーがSoundCloudに音源をアップしても誰も反応はゼロだろう。SoundCloudの圧倒的多数のユーザーはリスナーであり、マネタイズは非常に難しい。Twitterがミュージシャン向けにプロモーション・ツールを作りたいならSoundCloudを買収するより独自に開発する方がはるかに現実的だ。

これに対してInstagramを買収できていたら、Twitterは大量のユーザー投稿コンテンツと大量のPVを確保できただろう。しかしInstagramはとうにFacebookのバスに乗って出発してしまった。

一方でSoundCloud側にはTwitterの傘下に入ろうとする動機が十分にある。Twitterのネットワークを通して音楽をプロモーションし、Twitterのビジネス・チームの力を借りて収益化が図れるからだ。SoundCloudの現在のビジネスモデルでは株式上場を成功させるのは難しいだろう。私が取材した情報源よると、大手レコード会社はSoundCloudに対するライセンス条件を厳しくしており、おそらく一部のレーベルはSoundClouddを叩き潰すつもりだろうという。

そうであればこの時点で買収によるエグジットを狙うのは自然だ。だがユーザー数の急成長が示すとおり、この難局を生き延びることができれば大企業への成長も夢ではないかもしれない。

Twitterがもっと体力のある会社であればこの買収も意味があるかもしれない。YouTubeを買収したときGoogleはすでにAdSenseビジネスが軌道に乗っており、GmailとGoogleマップも初期の欠点を克服しつつあった。当時YouTubeは創業1年で調達した資金総額もわずか1200万ドルだった。それに引き換えTwitterはいまだにコア・ビジネスで安定して利益を出せるようになっていない。広告事業もすばらしいスタートは切ったものの、会社を黒字化させるのはまだ先の話だ。SoundCloudは創立7年で1億2300万ドルを調達している。なるほどSoundCloudは買収候補として有望な企業かもしれないが、現在のTwitter向きではないだろう。

今のTwitterはコア・サービスの充実に務める時期だ。特にまだフォロワーをもっていない新しいユーザーがTwitterを快適に利用できるように機能を強化する必要がある。Twitterは虎の子の資金をコア・サービスを改良できるような人材の採用や会社の買収にあてるべきだと思う。

[画像: Len Peters/Flickr via NHPR]

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