元ポッドキャスターのハリー・ステビングス氏がベンチャーキャピタルStrideを退職、自身のマイクロファンド20VCに専念

ポッドキャスターからベンチャーキャピタリストに転身したHarry Stebbings(ハリー・ステビングス)氏が、Stride.VCのパートナーを辞任する。同VCはロンドンに拠点を置くベンチャーキャピタルで、元AccelのFred Destin(フレッド・デスティン)氏とステビングス氏が共同設立した。

一連のツイートの中でデスティン氏は、ステビングス氏はStrideの2つ目のファンドには関与せず(ただし1つ目のファンドのパートナーであり続ける)、代わりに彼のポッドキャストフランチャイズ「The Twenty Minute VC」と彼自身のマイクロファンド「20VC」の運営に専念すると述べた。

「ハリー(・ステビングス)氏のポッドキャスト20VCは彼の情熱のままに、無視できないほどのチャンスを生み出しています。私の相棒は20VCプラットフォームにもっと力を入れたいと思っています」と、デスティン氏はツイートした。

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デスティン氏は同じく一連のツイートで「Strideとチームはこれまで構築してきたものに完全にコミットしています」と述べた。

しかしながら、Strideのチームは2018年後半に正式に発表されて以来、人の動きが激しく、ステビングス氏が最新の異動となっている。パリに拠点を置くパートナーのPia d’Iribarne(ピア・デラバーン)氏は2020年8月に退社し、その後にNew Waveを共同設立している。またStrideは、約1年前にオペレーティングパートナーのArj Soysa(アルジ・ソイサ)を失った。彼は現在、ヨーロッパのMubadala Capitalのファイナンスディレクターを務めている。

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LinkedInによると、Strideの現在のチームメンバーにはデスティン氏の他に、投資家のPietro Invernizzi(ピエトロ・インヴェルニッツィ)氏、財務・運営パートナーのRoss W(ロス・W)氏、エグゼクティブアシスタントのGeorgina Gallagher(ジョージナ・ギャラガー)氏がいる。

ステビングス氏とデスティン氏はそれ以上のコメントを控え、デスティン氏のツイートを案内した。

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画像クレジット:Fred Destin/Harry Stebbings

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(文:Steve O’Hear、翻訳:塚本直樹 / Twitter

金持ち連中はなぜくだらない資産をやりとりしているんだ?

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。
準備はOK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

大変な数週間だった。Robinhood(ロビンフッド)が、荒れ狂う市場の中でその手数料無料モデルを維持するために新しい資金調達を行い、他の新興取引業者たちはそのビジネスモデルを変更し、さらに多くのことが起きていた。しかし、こうしたスタートアップの世界の中に、どうにも腑に落ちない動きがあった。なぜ一部のお金持ちたちは、下らない資産の取引をしているのだろうか?

個人投資家が自分の取引アイデアを実践するのは構わない、これまでもそうだったし、これからもそうだろう。いつになっても変わることはない。しかし私たちは、Elon Musk(イーロン・マスク)氏やChamath Palihapitiya(チャミス・パリハピティヤ)氏のような人たちが、彼らの幅広い市場への影響力を利用して、一般の人たちに対して直接的または間接的に、愚かな取引を奨励しているところを目にしてきた。それは多くの一般人には、失っても構わないとはとても言えない額の損失が出るかもしれない取引だ。

たとえばマスク氏が繰り返しTwitter(ツイッター)に登場してはDoge(ドージ)を称賛することを考えてほしい。Dogeは極めて不安定でほとんど価値を持たない冗談のような暗号通貨の1つだ。あるいは、パリハピティヤ氏が公にGameStop(ゲームショップ)にお金を注ぎ込んだことを考えてほしい。彼は他の人たちよりもより良く準備を整えてそれに臨んだ。彼はそうして金を稼いだ。だがGameStopカジノをプレイした人の多くは、それほど幸運ではなかった。多くの人が余剰資金以上の損失を出している。

もちろんそれは買い手の自己責任だ。しかし私は、抜け目がなく資本力もある人間が、普通の人たちを、長期的なファンダメンタルズに裏打ちされていない、短期的リターンを狙った資産に誘導するのは好きではない。やれやれ。

そうそう、公衆への迷惑というテーマといえば、Hawley(ホーリー)上院議員は先週、大手ハイテク企業による中小企業の買収を阻止するアイデアを発表し、注目を集めている(同議員はトランプ元大統領支持者で先の米議事堂での騒乱にもひと役買っている)。さすが反乱に寛容な議員さんだけあって、とてつもなくまじめな提案というわけではなく、ユーモラスと言えそうなほど曖昧な書き方がされている。

しかし、私の個人的なブログで書いたように、大抵はうんざりさせるようなこの政治家から出てくる意見の何が問題なのかといえば、大規模なハイテク企業による小さい会社の買収を制限しようとする動きに、超党派的な関心があるということなのだ。スタートアップにとってこれは良い報せとはいえない。M&Aによるエグジットはスタートアップにとって重要な流動性イベントであり、最も多くの資金を持っているのは大企業だからだ。

スタートアップの評価額が下がることは、うれしくはない。だが米国の民主党と共和党の一部が、トップダウン形式のテックM&Aを弱体化させようとしていることは注目されているものの、その動きがスタートアップの評価額や資金調達に何をもたらすのかについてはほとんど注目されていないと思う。もしそうした指標が低下した場合には、大企業に対抗しようと働くスタートアップの数が減る可能性がある。

よく考えよう。

マーケットノート

Echangeは、再びUnity(ユニティ)CFOのKim Jabal(キム・ジャバル)氏に話を聞いた。それは単に好きなゲームや、嫌いなゲームについて冗談を言い合うためだけではなく、彼女が入社したときには非公開で今は公開された同社の財務責任者として、ジャバル氏がどのように考えているかを把握しておきたかったからだ。その中からいくつかご紹介しよう。

  • GAAPと非GAAP:直近の第4四半期の純利益についての質問を行った。これは、 一般に公正認められた会計原則(GAAP)を使って計算したものだ。それは株式報酬費用にある程度影響を受けている。ジャバル氏は、彼女のチームや投資家が非GAAPの数字をより重視していることを明言した。なぜかって?それが株式報酬費用のような非現金費用を取り除き、企業業績に異なる視点を提供するからだ。これはスタートアップのやり方としては標準的だが、彼女のコメントは、会社がIPO後に急速に成長していたとしても、使い慣れた数字を使い続けてなんの問題もないことを示している。もし成長が鈍化すれば、きっと変わることになるだろう。
  • COVID: 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はこの先影響があるのだろうか?ジャバル氏によれば、彼女の会社が過去エンゲージメントの上昇を見たときには、結果的には以前の状態には戻らない傾向があったという。私はこれが、スタートアップやビッグテック企業の中の、新型コロナで加速されたすべての部分に当てはまるかどうかを知りたいと思う。もしそうであれば、非常に朗報だ。
  • 数字を把握しよう:ジャバル氏は、彼女の主要な指標は非GAAP営業利益率とフリーキャッシュフローであると語った(成長以外の数字では、と私からつけ加えておこう)。超明快で理解しやすい。スタートアップのCEOのみなさん、最新ラウンドについて話をするときには、同様の数字を用意していてほしい。

スタートアップといえば、私が注目していて最近増資をした会社の話をしよう。Deepgram(ディープグラム)という会社だ。私は、2020年3月に1200万ドル(約12億6000万円)を調達した同社のシリーズAを取材した。それが今回はTigerの主導でさらに2500万ドル(約26億3000万円)を調達しているので、これは大金がアーリーステージに投資されているおもしろい事例だと思う。ともあれ、Deepgramは音声認識の特定のモデルとその市場に賭けていたし、新しい投資は、その双方への賭けがうまくいっていることを意味している。

最近私はDatabricks(データブリックス)のCEOを話をした(最新のメガラウンドについてはこちら)、彼はAI、特にGAN(Generative adversarial networks、敵対的生成ネットワーク)NLPなどから得られた大きな利益について語った。私たちの読みは、AIやそれに類似したデータへのアプローチ方法がワークフローに浸透していくにつれて、さらにDeepgram的ラウンドが増えることが予想できるというものだ。

そして、フィンテック企業のPayoneer(ペイオニア)が上場されることになった。SPACを使ってだ。投資家向け説明会の内容はここから閲覧できる。Payoneerは、収益を上げないままSPACを経由して上場するわけではない。同社の2020の収益は3億4600万ドル(約364億6000万円)になると予想されている。ここで取り上げたのは2つの理由からだ。まず、スライドを読んでほしい。そして「なんでSPACのスライドはこうも読みにくいのだろう?」と自問してほしい。私には意味がわからない。そして次に、「なぜ彼らはこれまでのようなIPOを行わないのだろう?」と自問してほしい。数字は32ページと40ページに書かれている。私には理由がわからない。もし何かわかったら教えてほしい。もっとも良い答えを送ってくれた方には、イーロン・マスク氏お勧めのDogeコインを差し上げよう。

その他のことなど

最後に。TechCrunchが注目アプリに関する新しいニュースレターを発行する。書くのはSarah Perez記者だ。申し込みはここから。無料だ。

何か新しい曲を聴きたいときには、こんな曲はいかがだろう。ではまた。

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画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

ダブリンのVC「Frontline Ventures」がB2Bスタートアップ向けファンドに89億円調達

ダブリン拠点のFrontline Ventures(フロントラインベンチャーズ)が欧州のB2Bスタートアップを対象とする7000万ユーロ(約89億円)のFrontline Seed Fund IIIの詳細を明らかにした。新ファンドによりFrontlineが管理するファンド総額は2億5000万ユーロ(約317億円)になる。同社はロンドン、ダブリン、サンフランシスコにオフィスを構えている。ファンドへの出資者は欧州と米国にまたがり、European Investment Fund(EIF)、Ireland Strategic Investment Fund(ISIF)、アイルランドの大手銀行AIB、そのほか主にエグジットした起業家など10人のテックエンジェル投資家だ。

新規ファンドはすでにアーリーステージの企業への投資を開始し、今後4年間で45社への投資を目指す。投資額は25万〜250万ユーロ(約3200万〜約3億2000万円)だ。新規ファンドはFrontlineの米国拠点のグロースステージファンドFrontline Xに続くもので、アイルランドがEUのメンバーであること、そしてブレグジットの予期せぬ結果の恩恵を受ける立場であることを踏まえている。Frontline Xは欧州やEU地域に進出したい米国のスタートアップ向けのものだ。

パートナーのWilliam McQuillan(ウィリアム・マクキラン)氏は新しいファンドが資金の約50%を新たなアーリーステージ企業に投資すると述べた。残りの資金はすでにポートフォリオにある企業への後の投資に振り向ける。

マクキラン氏の見立てでは、グローバルのB2Bソフトウェアマーケットの26%を欧州が占め、そして米国が50〜55%と欧州は成長する余地がかなりある。

2020年、ロンドンにオフィスを開設したSequoia、そして直近ではGeneral Catalystなど米国のVCファームが欧州に根づきつつある中での新しいシードファンドの立ち上げとなる。2020年5月にFrontlineはKleiner Perkins、Index、Sequoiaとともにアイルランドに本社を置くEvervaultに投資した。

Frontlineのポートフォリオにあるシード期の企業の70%が2012年以降に米国のVCから資金を調達した。そしてFrontlineのパートナーはGoogle、Twitter、SurveyMonkey、Airtable、Yammerなどの企業と協業した。

声明の中で、マクキラン氏は「Frontlineスタート時の2012年のデータをみると、欧州の起業家が欧州外での事業を立ち上げるためのインフラやサポートが欠けていたのは痛々しいほど明らかでした。本日、欧州は当然のことながら米国の投資家のターゲットリストの上位にきます。チームとして、当社は大西洋を超えて創業者たちのサポートに注ぐ経験とリソースを蓄積してきました。Seed Fund IIIは創業者たちが離陸し、世界に進出するのをサポートする我々の取り組みのエクステンションになります」。

Frontlineの投資で目を引くものには、Linked Finance、Clearbanc、Currencyfairが含まれる。Frontline XグロースファンドはTripActionsのシリーズB、People.aiの1億ドル(約105億円)のシリーズC、Clearbancの5000万ドル(約53億円)のシリーズBなどに投資した。

注目すべきエグジットにはRapid7に買収されたLogentries、CenturyLinkに買収されたOrchestrate、2020年にGoogleに買収されたPointyがある。

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タグ:Frontline Ventures資金調達投資

画像クレジット:Frontline Ventures

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

スタートアップ育成のFounder InstituteがVCを育てる無料トレーニングプログラムVC Labを開始

Founder Instituteは、これから新しいスタートアップを立ち上げる起業家を助けるだけでない。その新たな部門であるVC Labで1000の新しいベンチャーキャピタルファンドの立ち上げを促進したいという。

FIの共同創業者であるJonathan Greechan(ジョナサン・グリーチャン)氏はこれを「スタートアップのエコシステムに大きく欠けている部分をなくすためだ」と語っている。

「スタートアップの世界がもっと充実し、インパクトのあるエコシステムに円滑に資金が行き渡るようになったら、それは人間性にとって本当にポジティブなものになる」と彼はいう。

VC Labのセッションはすでに2回行っている。1回目は2020年春で、グリーチャン氏によるとそれはかろうじて通用するプロダクトのようなものだったという。夏から秋にかけてのもう1回のセッションはいわばベータテスト、そして次回の申込の締め切りは2021年2月15日に迫っている。

Greechanによると、以前の受講者からは48のファンドが生まれ、2021年第1四半期には計1億ドル(約105億円)の投資資金を調達する予定だという。

これらのファンドの多くがまだ原資調達の過程にあり、一般公開はできないが、彼によると1/3のファンドは米国社会で弱者と呼ばれているような人々がパートナーとなり、その半数以上が社会的インパクトのあるスタートアップの支援を狙っているという。その例としてグリーチャン氏が挙げるのは、アフリカのサハラ砂漠以南地区にスタートアップを育てようとするPacer Venturesだ。この300万ドル(約3億2000万円)のファンドは、VC Labが育てようとしているVCの好例だ。

「これらの新しいファンドマネージャーが抱える問題の多くは、新しい起業家が抱える問題とよく似ている。彼らは、事業として無事に離陸するまでの1つ1つのステップが、まだよくわかっていない」とグリーチャン氏はいう。

VC Labはまさに、VC志願者が踏むべきステップを教える。カリキュラムがあり、ウェビナーも利用する。オフィスはバーチャルで、Slackで会話をする。参加者は公徳課程のThe Mensarius Oathを受講して、「スタートアップとファンドは。人間性に貢献すべき」とか「不公平や悪徳に導く権力の濫用を避けよ」といった倫理項目も叩き込まれる。

受講は無料だが、専用オフィスは月額500ドル(約5万3000円)だ。Founders InstituteとVC Lab自身は、財政的にはファンドに参加しない。

ビジネスモデルについて尋ねるとグリーチャン氏は、「それは我々のビジネスの次の段階と見ていない。これまでVCとして、おもしろくてインパクトのある企業を作る人たちのコミュニティを育ててきたが、これからはそれと並んで、インパクトのある企業に投資する人々のコミュニティを作ろうとしている。チャリティのためではないが、長期的には卒業者の全員にとって何らかの利益があるはずだ」。

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タグ:VC Lab

画像クレジット:Iaremenko/Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)

デロイト トーマツが日本における科学技術領域研究成果の事業化および産学連携を支援

デロイト トーマツが日本におけるサイエンス・テクノロジー領域研究成果の事業化および産学連携を支援

デロイト トーマツ グループは2月4日、日本におけるサイエンスおよびテクノロジー領域の研究成果の事業化および、そのための産学連携の支援に向けて、グループ横断のバーチャル組織「デロイト トーマツ サイエンス アンド テクノロジー」(DTST)を立ち上げ、サービスを開始すると発表した。

主に起業を目指す研究者、企業の科学技術部門、研究開発型スタートアップといった科学技術の担い手やその事業会社や大学、また、政府機関や金融機関、VC、企業のオープンイノベーション組織など産業振興に関連する者などを対象にサービスを提供する。

近年、新型コロナウイルス感染症、気候変動、高齢化といった社会課題が既存の経済社会やビジネスに深刻な影響を与えており、その解決のためにサイエンスとテクノロジーの領域を起点とした新しい価値の創造が求められている。

日本の場合、アメリカや中国に続き、研究開発費が世界で3番目に大きく、その投資額も近年増加傾向にあり(経済産業省産業技術環境局:令和元年9月「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-」)、そこから多数のイノベーションを生み出していくことが肝要とされるものの、事業化まで到達するのは一部のシーズに限られているのが現状という。

  1. 経済産業省産業技術環境局:令和元年9月「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-」

    経済産業省産業技術環境局:令和元年9月「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-」
  1. 経済産業省産業技術環境局:令和元年9月「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-」

    経済産業省産業技術環境局:令和元年9月「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-」

こうした現状を打開するため、DTSTは、科学技術とビジネスの双方に精通したハイブリッド人材による一気通貫の支援を提供する。最先端の科学技術成果のポテンシャルを理解し、その速やかな事業化に結び付けるために、約150名が多様な専門性を活かして複眼的・創発的なアドバイザリーサービスを行う。

これら約150名は、理系大学院、科学技術研究機関、大企業の研究開発部門などの出身者で、現在は同グループのプロフェッショナルとしてプロジェクトマネジメント、経営戦略、知財戦略、マーケティング、M&A、IPO、会計監査などのビジネス領域の業務に従事しているハイブリッド人材という。

DTSTは、社会や産業のニーズを考慮したマーケットインの観点から研究シーズに着目しながら事業化を支援。例えば、2050年ゼロエミッション達成に向けた様々な環境エネルギー関連の技術開発、少子高齢化社会における効率化向上に向けたAI、ブロックチェーン技術の活用、ワクチンや再生医療等製品の開発といったバイオ産業の推進、防災・防犯に向けた衛星通信技術の開発や新素材開発のための宇宙空間の活用促進といった、中長期的な社会課題解決を担う研究シーズを対象に次のようなサービスを提供する。

官公庁向け:イノベーションエコシステム形成支援

政府・自治体などの科学技術振興に関する調査研究、プラットフォーム形成、アクセラレーションプログラム・研究開発支援プログラムの企画立案・運営を実行。地域の特性や周辺自治体の戦略と整合しつつ、当該地域の持続的な経済発展に貢献できるイノベーションエコシステムの形成を支援する。

大学・大学発サイエンス・テクノロジー系スタートアップ向け:研究シーズの事業化戦略策定・実行支援

研究紹介をビジネス戦略に落とし込み、提案先の探索から提案支援、その後のビジネス拡大までの企画立案から実行支援まで、その研究シーズに合ったイノベーション創出を支援する伴走支援を中長期的な観点で提供する。

大学や研究機関で創出されたシーズを、科学技術とビジネスのハイブリッド人材がその研究をしっかりと理解した上でビジネスの視点で目利きし、研究紹介のビジネスプランへの変換、マーケティングリサーチ、出口戦略策定支援、知財・財務会計アドバイザリー、アライアンス先候補選定からその実行支援を行う。

中小企業・大企業向け:新規事業開発支援

新たな成長の芽を作るために、新技術による新規事業開発の伴走支援、政府や自治体戦略との整合、大学・大学発サイエンス・テクノロジー系スタートアップとの連携などを支援。事業企画の立案から事業化段階でのバリューチェーン構築、事業ローンチ後のフォローまで、一気通貫したビジネスプロデュースにより、新技術を社会実装して社会課題を解決するサポートを実施する。

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新型コロナ時代の調査とインスピレーションについて投資家が知っておくべきこと

【著者紹介】本稿著者のNili Metuki(ニリー・メトトゥキ)氏は、デジタルプロダクトデザインおよび開発におけるインクルーシブな協働のためのプラットフォームInVision(インビジョン)の調査担当シニアディレクター。

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企業は、イノベーションを先導するアイデアで特定分野に衝撃を走らせる「スパーク」によって業界リーダーとなる。Apple(アップル)は、見た目も使い心地もよいコンピューターをポケットに入れて持ち運びたいという人々の願いを実現し、世界を変えた。

スパークを可能にするのは調査だ。現代の経済では「エウレカ」の瞬間は滅多に訪れない。iPhoneやPaypalや、その他数々のプロダクトマーケットフィットは、たしかにイノベーションのスパークの賜物だが、それより重要なものは厳密な調査だ。とはいえ、シャワーを浴びながら素晴らしいアイデアを思いつくことはある。だが大きな前進は、数え切れないほどの時間を市場調査やABテストなどにかけた末に訪れるものだ。

ご想像のとおり、パンデミックによって調査はオンラインに頼らざるを得なくなった。リモート調査の方法を会得した企業は、いまだに躊躇している企業を尻目に、いち早く成功し利益を上げることができる。リモート調査は、幸いにもなんとかパンデミックが終息したとしても、私たちの生活には数カ月間、あるいは数年間にわたって大変動が尾を引くであろうことを考えれば、優位な立場を維持できるはずだ。テック企業への投資を考えている企業にとって、新たに磨き上げたリモート調査の能力は、まだ資産として正当な評価が得られず、企業の健全性を示す指標としては目立たない存在だが、決定的な意味を持つ

パンデミックは、良好な企業調査の大きな障害となった。私自身も含めほとんどの研究者は、顧客や潜在顧客に直接会い、面と向かって話をするのが、昔からの当たり前のやり方だった。すでに2021年がスタートし、企業にはリモート調査問題をどのように解決したか、その方法の説明が求められている。企業には対処のための時間が10カ月あった。まだ解決していない企業は、対応計画を立てるべきだ。

投資家も、企業幹部も、組織の底辺で働く人たちも、企業が適正に調査を行っているかを確認し、またはそうするよう要求することが大切だ。そこには数十億ドル(数千億円)かかっている。誰もQuibi(クイビー)の二の舞は御免だろう。消費者調査をきちんと行ってさえいれば、あんなことにはならなかったはずだ。

デジタルで効果的な調査方式を再構築する方法は、いくつかある。まずリーダーは、調査担当者にどのようなツールを使っているかを知っておくことだ。つまり、斬新な方法で会社の需要を満たすために、彼らがどのような手段を開発したかだ。また調査担当者は、アイデアを引き出し、人々をより深く理解するために協働ツールを活用しているかどうか。

たとえば私は、ある人物の生活状況を理解したいときに、その人の住まいの写真のコラージュを依頼することがある。次に確かめるべきは、調査チームはそうしたツールをどう使っているかだ。ただプレゼンテーションを行うためだけに使っているのか、それとも範囲を限定せずに活発な会話が促されるようなかたちで使っているか。私はよく、デジタルホワイトボードでリアルタイムにスケッチを描いたり図解をして個人的な感覚を伝えているが、楽しいこともあれば、たわいない話になることもある。だがこれによって、人々は心を開くようになる。

次にリーダーは、たとえパンデミックで協働が難しい状況であっても、デザイン工程に必ず会社が関わるように仕向けなければならない。調査担当者とデザインチームは、以下の問題について考えほしい。

  • 調査は、単にチェックマークを付けるだけのものなのか?または、デザイナーや開発者は常にそれを参照しているか?
  • 調査チームは適切に報告を上司に伝えているか?理想的には、最高製品責任者に頻繁に報告し、幹部チームで見識を共有させ、消費者の要望に対する感覚を磨かせているか?
  • 調査担当者は今の異常な現実に対処するために消費者たちが行っている工夫について、深く調査する自由が与えられているか?
  • デザイナーと開発者は調査結果をジャンプ台として利用しているか?新しいかたちでのデザインや開発が許されているか?

いかなる場合でも、優れた製品の判断において、また健全なデジタル製品のデザインと開発において、調査は中核を担っている。もしそうなっていない企業があれば、2021年中に改善すべきだ。

この主張を裏づける定量的データがある。InVision(インビジョン)が行った業界調査によると、対象となった2300社のうち、デザイン的に高度に成熟した調査を実施することで、市場展開を早め、収益と評価額を高めていたチームはわずか10%だった。顧客の意見を重視し、顧客とともに製品を開発している(重要な調査方法だ)と答えたチームはわずか7%に過ぎない。

はっきりいえば、投資対象の企業は、調査を最善のかたちで活用していない傾向にある。この業界調査では、数千社のうちの10%に満たない企業だけが、デザイン調査を重要視していた。つまり、今日のリモート調査の課題を簡単に克服でき、新たな現実をすばやく受け入れ、この極端な変動の時期に成功できる企業は、10%にも満たないということだ。パンデミックの猛威の中では、これは深刻な問題だ。

新型コロナ終息後にも繁栄が続けられるのは、成熟したデザイン能力を持ちデジタル第一に考えられる企業だ。そうでなければ、生き残ることすら難しい。それらの企業は、より多くの収益を呼び込み、顧客との対話を重ね、新たな見識をデジタル式の調査で獲得していく。そうした経済においては、テクノロジーとエンジニアリングの卓越した能力が必須となるが、どのように高い技術的能力を備えていても、消費者が何をほしがっているかを理解できなければ、それは無用の長物だ。フィードバックがなければ役に立たない。イノベーションにつながる見識を持たなければ役に立たない。

有効性を立証し、理解し、アイデアのスパークを実体化できる、調査を活用した成熟したデザイン工程を持たなければ意味がない。

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画像クレジット:Eskay Lim/EyeEm / Getty Images

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(文:ゲストライター、翻訳:金井哲夫)

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

三菱地所サムライインキュベートは2月1日、スタートアップ企業とのオープンイノベーションによる新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」について、採択企業8社を決定したと発表した。

同プログラムは、イノベーション創出とビジネスモデル変革を目的として2017年度より実施。4期目となる今回は、急激な社会変容・行動様式の変化が求められる昨今の状況を踏まえ、ともに課題に向き合い、新しいまちのあり方を提案していくパートナーとなるスタートアップ企業を募集。110件のビジネスプラン応募から、8社のスタートアップ企業を採択した。

同プログラムは、今期含め合計で過去約650件の応募があり、合計24社の企業を採択している。

AirX

2023年以降訪れる「空の移動革命」を見据え、空の交通デジタルプラットフォームを開発するテクノロジーカンパニー。空の観光遊覧事業「AIROS Skyview」、空の移動プラットフォーム「AIROS」を展開する。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

コークッキング

食品ロス削減と意識向上のためのフードシェアリングサービス「TABETE」(タべテ。Android版iOS版)を展開。中食・外食店舗を中心に、食事が余ってしまったお店と、お得な食事を探しているユーザーとのマッチングを行う。

Drone Future Aviation

顧客に合ったドローンや配送ロボット、配膳ロボットを世界中から調達し国内向けにカスタマイズをして販売・リースを行う。

ヘラルボニー(HERALBONY)

福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット。日本全国の知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、2000点以上のアートデータを軸とする事業を展開する。直販サイト「HERALBONY SHOP」を公開中ほか、2021年春に「HERALBONY GALLERY」をオープン予定。

PacPort

「モノ」の受渡を非対面・非接触で実現させる、スマートロックとサービスプラットフォームを提供するデジタルトランスフォーマー。集合住宅向けロッカーサービスを提供。

scheme verge

MaaSを用いたデータ駆動型エリアマネジメント事業会社。エリア全体を回遊するようなMaaS整備を行うとともに、そのデータを分析して潜在ニーズに基づく観光コンテンツや地域拠点の造成とDXを進める。現代アート・地域アートをはじめその地域らしいカルチャースポットを探す、行く、体験するをフルサポートするサービス「horai」(Android版iOS版)などを展開。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

THIRD

800社超が利用するAI不動産管理システム「管理ロイド」を展開。AIが搭載されたアプリによって、不動産管理の労働生産性改善と管理品質向上を実現する。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

AZOO

ホテルシステム「WASIMIL」(ワシミル)を展開。予約取得、フロント・清掃業務、収益管理、マーケティングまでが一つのシステムで全同期、一元管理可能となり、ホテル運営を自動化・効率化する。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

三菱地所は、これまで多種多様なスタートアップ企業との共創を進めるアクセラレータープログラムのほか、社内における新事業提案制度やベンチャー出資、インキュベーション施設の開発・運営を通じビジネスチャンスの創出を実施。今後もビジネスモデル革新の推進を目指し、既存事業領域における競争力強化だけでなく、「ノンアセットビジネス」や「BtoC/BtoBtoCに着目した新たな事業展開」に引き続き注力していく。

またサムライインキュベートは、これまでの国内外におけるイノベーション支援実績を活かして企画・運営・実施を担っており、スタートアップ企業の募集・コミュニケーション、選定などをともに行ってきた。今後は、採択スタートアップとの共創支援メンタリングや優れた共創アイデアを持つ企業への出資検討などを行い、共創支援をより強化していく。

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Beyond Next Venturesが日本初の研究領域対象「起業版サーチファンド」開始

Beyond Next Venturesが日本初の研究領域対象「起業版サーチファンド」開始

Beyond Next Venturesは2月1日、「0→1」事業創造を支援する仕組みとして「起業版サーチファンド」の運用を新たに開始すると発表した。大学・企業などの技術シーズ事業化を後押しするサーチファンド型スキームは、国内初の取り組み。2023年末までに5社以上のスタートアップの設立を目指す。

また専用サイトよりウェブエントリーを行った者にメールで説明会を案内するとしている。

一般にサーチファンドというと、経営者候補(サーチャー)が投資家と連携し、既存産業の優良企業より案件の探索・買収を実行し、経営に参画するという手法を指す。国内においては中小企業の後継者不足を解決するひとつの手法としても注目を集めているという。

これに対してBeyond Next Venturesが運用する起業版サーチファンドは、それら事業買収モデルではなく、同社によるバックアップの下、経営者候補(サーチャー)が大学・企業などの技術シーズの法人化に関わり、経営者として「0→1」の事業創造にコミットすることを支援する仕組みとしている。

大学・企業などの技術シーズには毎年数兆円規模の研究資金が投入されているものの、事業化して成功する事例はごく少数とされており、その主な要因のひとつが「経営人材不足」にあるという。

研究者が研究成果を事業化したい時、「外部人材を投入する」または「自ら経営を担う」が代表的なパターンとなっており、ビジネス経験の少ない研究者の場合外部人材投入のパターンで企業の事業経験者などを経営陣に迎え入れるほうが成功確率を高められるとしている。

しかしBeyond Next Venturesによると、そういった人材が創業初期になかなか見つからず、研究者自ら事業プランを練り、研究活動と同時に法人化に必要な膨大な業務を行おうとして、つまずいてしまうケースが数多く存在しているそうだ。

同社は、起業家になりたい方(経営候補人材)がより挑戦しやすい仕組みを提供することで、経営人材の発掘・育成と研究成果の事業化促進を実現させ、研究資金を社会に還元していくエコシステムをさらに活性化させるとしている。

経営者候補(サーチャー)が受けられる支援

  • 創業および成長資金の確保:創業資金、創業後の継続投資
  • 有望な技術シーズとの出会い:有望な技術シーズリストの提供、ネットワーク提供、伴走支援
  • 専門領域に即した支援:知財評価・取得、事業および投資採算性評価、事業モデル策定ほか
  • 創業および成長支援:メンバー採用、規制対応、アライアンス、海外展開ほか

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クラウドコンサル企業に的を絞った約236億円のVCファンドTerceraがローンチ

クラウド中心の世界への移行が進むにつれ、すべてがより簡単になるはずだった。しかし、実際には多くの可動部分があり、企業はすべてがスムーズに機能するためのサポートを必要としている。そのためには、統合、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境の管理、必要な場所へのデータの取り込みといったタスクでクライアントを支援するために、特定のスキルを持った人材が必要となる。

米国時間1月28日に立ち上げられた新しいベンチャーキャピタルのTerceraは、ヘルパーやコンサルタントとして機能する企業に投資することで、この問題を解決しようとしている。ベンチャーキャピタルが主にソフトウェアとハードウェアに傾倒しがちな世界では、これは一線を画す投資哲学といえる。

Tercera社の創業者兼CEOであるChris Barbin(クリス・バービン)氏は、この件についてはかなり詳しい。彼は2006年に設立されたコンサルティング会社Appirio創業者の1人だった。彼の前の会社は、Salesforce、Google(グーグル)、Workday、AWS(アマゾン ウェブ サービス)などの新しいツールを企業が利用できるように支援を行う会社を設立するというビジョンと先見の明を持っていた。Crunchbaseのデータによると、Appirioは1億1700万ドル(約123億円)以上の資金調達を行った後、2016年にWiproに5億ドル(約524億円)で買収された

バービン氏は現在、複雑さの度合いは増すばかりであり、すべてを噛み合わせるためには、彼が言うところの「人の力」に対するニーズが高まると予測している。「ここ数年、専門サービスを基盤とした企業への投資活動が盛んに行われていますが、この種のビジネスに特化した投資会社はこれまでありませんでした」とバービン氏は説明する。

同社のリサーチ段階で、創業者らはSalesforce、Twilio、Snowflake、DataDog、Cloudflareなどの主要なプラットフォーム企業を特定し、このような企業をサポートするコンサルティング会社は7500から1万社あると見積もっている。「同社の目標は、これらの新興の(プラットフォームの)ためのパワーハウスのような企業を立ち上げる支援をすること、あるいはそれらの(SaaSプラットフォームの)コレクションを実際にツールキットに入れている企業1、2社を支援することです」と同氏は述べた。

同社は目下、収益が500万ドル(約5億2000万円)から2000万ドル(約20億9000万円)で、それを数億ドル規模に成長させることを目指している既存企業をターゲットにしており、1ベットあたり500万ドル(約5億2000万円)から2000万ドル(約20億9000万円)の資本金を投入していくという。

同社はまだスタートしたばかりだが、2021年の半ばまでには8人体制になる予定だ。バービン氏は少なくとも1件の投資がすでに進行中であることを示唆したが、まだ詳細を公表できる段階ではなかった。

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

GGV Capitalが「世界中の起業家」のための新ファンドに合計2630億円を調達

GGV Capitalは、主に米国と中国に長い間投資し、現在20年の歴史を持つベンチャーキャピタルだ。米国時間1月28日、GGV Capitalは新しい4つのファンド合計で25億2000万ドル(約2630億円)の新規資本のコミットメントを得てクローズしたと発表した。

資金の大部分は同社の8番目の旗艦ファンドを通じて投資される。同ファンドは15億ドル(約1560億円)をあらゆるステージのスタートアップへ投入する。ブレイクアウト投資に大きく張るオポチュニティファンド(GGVキャピタルVIIIプラス)も3億6600万ドル(約380億円)でクローズした。また、創業者をネットワークに招き入れ、彼らとともに投資するファンドを8000万ドル(約83億円)でクローズ。さらに、世界中のアーリーステージのスタートアップの創業者に資金を提供する「ディスカバリー」ファンドを6億1000万ドル(約630億円)でクローズした。

GGVはまた、2018年に最初の人民元ファンドの資金調達を2億3600万ドル(約250億円)相当でクローズしてから3年後、2番目の人民元ファンドを約34億人民元(約560億円)でクローズしている。

これらの資本により、同社の運用資産は17ファンド合計で92億ドル(約9570億円)となる。

現在のベンチャー投資の状況を考えると、GGVの最近の実績は驚くに当たらない。過去10年間、低金利(金融機関は「アルファ」を探している)と未公開市場全体の成長に支えられ、資金がこのアセットクラスになだれ込んだ。VCは長い間未公開でいた企業の成長から多くのメリットを享受し、そうした企業の多くが公開するときに大きな飛躍の恩恵を受けた。

もちろん、すべてのファンドが優良な会社のかなりの部分を手に入れるわけではない。GGVは、これというスタートアップに意味のある小切手を書くことに関してかなり熟練しているようだ。

Affirm、Airbnb、Peloton、Slack、Square、Zendeskといった企業のS-1申請書類でわかるようにGGVはポートフォリオ企業の5%未満しか所有していなかったがOpendoor(5%)、Poshmark(7.9%)、Wish(6.2%)といった企業で大きな地位を築いた。

ラテンアメリカ、インド、東南アジア、イスラエルにも投資しているGGVは、非常に高く評価されている多くの未公開企業にも賭けている。こうした中には、2020年に51億ドル(約5340億円)のバリュエーションで資金を調達したインフラ自動化会社のHashicorpがある。オンライン教育会社のZuoyebanは、2020年12月にクローズしたラウンドで65億ドル(約6760億円)の価値があると報じられた。また、オンライン再販マーケットプレイスのStockXは、最新のラウンドをクローズした12月に28億ドル(約2910億円)のバリュエーションがついた。

いずれにせよこの発表は、少なくとも今のところ、大規模ファンドが指数関数的に成長するという長年の傾向にまだ終わりがないことを裏づけているようだ。

米国時間1月27日、創業25年の投資会社TCVが記録的な40億ドル(約4160億円)のファンドを発表した。Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)は2020年末、総額45億ドル(約4680億円)の2つのファンドをクローズした。また、Insight Partners(インサイト・パートナーズ)は2020年に9、これまでで最大のファンドである95億ドル(約9880億円)のグロースエクイィビークルをクローズした。

一貫してトレンドに逆らう数少ないトップベンチャー企業の1つがBenchmark Capital(ベンチマーク・キャピタル)だ。2020年は、1995年の設立以来の9つのファンドの大半とほぼ同じサイズの4億2500万ドル(約440億円)のファンドを静かにクローズしている。

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(文:Connie Loizos、翻訳:Nariko Mizoguchi)

ソフトバンクがマイアミ拠点のスタートアップ向けに104.7億円のファンドを設立

新興のスタートアップハブであるフロリダ州マイアミが、新たなパトロンを得た。Softbank(ソフトバンク)だ。日本の多国籍コングロマリットは、同社の複数のファンドから集めた1億ドル(約104億7000万円)を、マイアミ拠点のスタートアップに投資する計画を米国時間1月28日に発表した。ちなみに、SoftBankの50億ドル(約5235億8000万円)のラテンアメリカファンドもマイアミに本社を構える。

プロジェクトはSoftBank CEOのMarcelo Claure(マルセロ・クラウレ)氏が指揮する。このファンドは、マイアミ在住あるいはマイアミに移転予定の企業を支援する。

SoftBankによる出資は、シリコンバレーの通過儀礼的な意味合いがあり、同社の関わりはマイアミの成長が本物であることを他の投資家にも示すものだ。この非課税の安息地は、その成長シーンに参加しようとしている全米の投資家とファウンダーの集団を引き寄せている。移転組には、Founders FundのKeith Rabois(キース・ラボイス)氏、Blumberg CapitalのDavid Blumberg(デビッド・ブルンバーグ)氏、Andreessen HorowitzのChris Dixon(クリス・ディクソン)氏、Craft VenturesのDavid Sacks(デビッド・サックス)氏らがいる。

マイアミのFrancis Suarez(フランシス・スアレス)市長はTwitter(ツイッター)で、技術者たちにマイアミへの移住を勧め、この都市をスタートアップ震源地に変えようとするさまざまな取り組みを推進している。

Career KarmaのファウンダーであるRuben Harris(ルーベン・ハリス)氏は2018年以来、テック業界への人材勧誘でスアレス市長に協力している。

「SoftBankが行動を起こしたことで、他のファンドがこの例に倣うことが予想されます。これは人種だけでなく社会経済や性別の面から見ても多様化の大きな成果です」とハリス氏は語った。同氏はマイアミへの移住を考えている。現在Career Karmaは、VCファンドと協力して古いノートパソコンをReskill Americaプログラムに寄贈し、マイアミの新興労働者の訓練に役立てようとしている。

マイアミ拠点の非営利投資シンジケートであるFunction(ファンクション)のMonica Black
モニカ・ブラック)氏は、SoftBankの参入について「地域のスタートアップに流れる資金の額が増えてシリーズA以降の段階への成長を後押しするだけでなく、共同出資者として他の機関VCを引きつけます」と期待を寄せる。歴史的に、地域のスタートアップがシリコンバレーやニューヨークのファンドから資金を調達するのは難しい、と彼女はいう。例外はPapa(パパ)で、2020年9月に1800万ドル(約18億8000万円)を調達した同社は、高齢者をSound Ventures(サウンド・ベンチャーズ)やCannan(カナン)のバーチャルコンパニオンとつなぐサービスを提供している。

マイアミ拠点のファンドであるANIMO VenturesのファウンダーNico Berardi(ニコ・ベラルディ)氏は、SoftBankの新たな取り組みを、サンフランシスコのFounders Fundがマイアミにオフィスを開設するという最近のニュースと結びつけた。

「どちらも象徴的な出来事で、象徴は重要だと私は思います」とベラルディ氏はいう。「彼らはここに旗を立てて、ここは将来有望なシーンだと宣言しています」。同氏の16社のポートフォリオ企業の中で、マイアミに拠点を置くのは1社だけだとベラルディ氏はいう。この地に移動する投資家が増えれば増えるほど、多くの人材を引き寄せることができる、とベラルディ氏は楽観している。

「次はマイアミでやろう、というファウンダーを何千人も呼び込むことができると私は期待しています」と同氏は語った。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

5Gを活用したサービス開発を促進する東京都の「TOKYO 5G PROMOTER」、第1期採択企業の6社を紹介

1月28日、東京都の「5G技術活用型開発等促進事業」が実施するアクセラレーションプログラム「TOKYO 5G PROMOTER」の第1期採択企業が発表された。採択されたのはエドガ、FMB、Symmetry Dimensions、FutuRocket、Holoeyes、ホロラボの6社だ。TOKYO 5G PROMOTERでは、採択企業に対して実証実験の場所と機会の提供、通信キャリアなどとのネットワーク構築支援、メンタリングの提供、開発環境の支援、ビジネスマッチングや人材採用など事業成長に必要な要素に関する支援を行うという。

エドガはVR開発を得意とするスタートアップ。5Gの技術を利用することで、非接触で実施できる7万人規模のバーチャルゲームショウ(VGS)の実現を目指す。

FMBは高精緻なファッション3Dモデリングを手がけるスタートアップだ。同社はプレスリリースの中で、「Tokyo 5G Promoterで採択されたXRと3Dモデリング技術をさらに発展させDXを加速する」とコメントしている。

Symmetry Dimensionsは、XRの研究開発を専門に行うスタートアップ。2017年度のTechCrunch Japanスタートアップバトルにも出場した企業だ。現実空間の工場や製造設備、製品、オペレーションをデジタル空間に再現することを意味する「デジタルツイン」の構築と利用を可能にするプラットフォームの実現を目指している。5Gの技術を利用し、人の流れや気象などをデジタル空間に再現する空間・都市向けデジタルツイン・プラットフォームの「SYMMETRY」の開発を進める。

FutuRocketは、小規模事業者向けのAIカメラ「ManaCam」とIoTトイレットペーパーホルダー「カミアール」などを開発するスタートアップ。同社はプレスリリースの中で、「5Gの高速大容量通信を短時間だけちょっと使う。フェラーリでコンビニに買い物に行くような試みですが、5G活用を活性化し、裾野を広げていく上で新たな使い方を提示していきます」とコメントしている。

Holoeyesは患者の臓器や患部の状態を仮想空間で把握できるVRや、Microsoft HoloLensなどのMR技術を使い、術前のカンファレンスや遠隔地との症例共有などを可能にするコミュニケーションツールを開発するスタートアップ。

ホロラボはHoloLensやWindows Holographicを使ったアプリケーションの開発を手がけるスタートアップ。2020年6月には空間上にマニュアルを設置して、作業現場の利便性を高めるアプリ「手放しマニュアル」などをリリースしている。

TOKYO 5G PROMOTERは上記6社に対し、2022年2月まで支援を行う予定だ。

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タグ:5Gアクセラレータープログラム

ロバート・ダウニー・Jr氏が持続可能性スタートアップを支援するローリングベンチャーファンド設立

2年足らず前、俳優でプロデューサー、投資家のRobert Downey Jr(ロバート・ダウニー・Jr)氏が持続可能性に特化したプロジェクトFootPrint Coalition(フットプリント・コーリション)をAmazon(アマゾン)のre:MARSカンファレンスで発表したとき、それは統計情報ウェブサイトと購読申し込み程度だった。

ときは変わり、現在、同組織は5つの投資先企業と非営利プロジェクトを有し、Footprint Coalition Venturesと名づけたローリングベンチャーファンドを国際経済フォーラムのDigital Davos event(デジタル・ダボス・イベント)でスタートする。

AngelListが管理するこの新たなローリングファンドを擁して、ダウニー・Jr.氏のプロジェクトは世界経済を作り変える2大アイデアの交差点に位置を構える。資金利用と投資手段の民主化、および世界の産業を脱炭素化する10兆ドル(約1043兆円)のチャンスだ。

これは、物語と投資と非営利活動の組み合わせで世界の気候危機と戦おうとしている同プロジェクトの新たな秘策だ。

ローリングファンドと金融革命

まさに今、金融界に革命が起きている。Redditユーザーたちは空売り人や大物機関投資家のBlockbuster(ブロックバスター)、Nokia(ノキア)、GameStop(ゲームストップ)、AMCなどへの投資を巡って起きている不正行為に対する報復を試み、新しいクラウドファンディングとローリングファンドが、一般投資家によるアーリーステージ企業への融資を可能にするなど、ウォール街の状況は明らかに変化している。

そして、公開市場のギャンブルが何人かの新たな億万長者を生んでいる一方で、興味深いスタートアップへの投資機会を開くことは、デイトレードギャンブルに対する不信感とは著しく対照的だ。

どちらも投資家をマイナスで終わらせる可能性があるが、ローリングファンドやクラウドファンディングには、何かを作り出す真のチャンスがあり、単に権力に反旗を翻すこととは違っている。

伝統的ベンチャーファンドと異なり、ローリングファンドは四半期ごとに新たな資金を約束し、順次投資していくため、「ローリング」と呼ばれる。投資家は最低1年の約束で四半期単位で投資を行う。ダウニー・Jr.氏のファンドでは、約束は四半期当たり5000ドル(約52万円)で最大2000名の適格投資家(少数の認定投資家を含む)が参加できる、と同団体の計画に詳しい人物は話している。

「浮世離れした大物機関投資家ではなく、リアルな人々にファンドを開放するというアイデアは、サンダンス映画祭よりスラムダンス映画祭に近いもので、私は気に入っています」。

FootPrint Coalition Venturesを知るためのガイド

FootPrint Coalition Venturesは、アーリーステージとレイトステージ投資に分かれていて、アーリーステージ企業には年間6回、レイトステージ企業には4回投資する。

ダウニー・Jr.氏が経営を支援するのは、Jonathan Schulhof(ジョナサン・シュルホフ)氏らの投資家で、シュルホフ氏は以前LOOM Mediaを設立して広告のスマート都市インフラストラクチャーを構築、Motivate Internationlを設立して米国各都市で自転車シェアサービスを運営し、Global Technology Investmentsではマネージングパートナーを務めた。他には、ダウニー・Jr.氏のメディア制作会社 Team Downeyとメディアテクノロジー企業に投資するDowney Venturesの共同ファウンダーであるSteve Levin(スティーブ・レビン)氏もいる。

同社のポートフォリオには、ファウンダーら自身の資産を使って投資を行った企業がすでに4社ある。これらの投資はいずれも100万ドル(約1億400万円)以下だが、資金が集まるつれて約束する金額は増やしていく予定だという。Footprint Coalitionは、プロラタ投資の権利も持っており、将来出資額を増やすことができる。また、これまでに行った投資は、将来もっと高い評価額で追加出資する可能性を見越した規模になっている。

組織内のベンチャーファンド

ダウニー Jr.氏が作りたい組織は、単なる投資部門ではない。同氏も共同ファウンダーたちも、投資についてダウニー・Jr.氏が築きあげた膨大な支持層と彼らが映画ビジネスで過ごした何十年の間に培った話術を活かす幅広いプラットフォームのごく一部だと考えている。

チームには、CAA Foundationの前の責任者だったRachel Kropa(レイチェル・クロパ)氏も加わり、科学的・慈善的活動を指揮し、ファンドのインパクトアドバイザー兼科学・研究コミュニティ窓口を務めると声明には書かれている。

「私たちが作った、コンテンツを個人に結びつけることができるというアイデアは非常に強力です」とクロパ氏はいう。「この問題は実に頑強で世界中が関係しています。自分の食べる魚が持続可能な餌で育てられていることは重要です」。

クロパ氏は、FootPrint Coalitionが持続可能な水産養殖に関連して発表した記事を引き合いに出している。この記事は、コオロギのタンパク質を飼料や人間の食料に利用するために製造している企業であるŸnsect(インセクト)にFootPrint Coalitionが最近出資したというものだ。

「私たちの細胞農業に関するコンテンツは、特定の産業を深く掘り下げる過程で作ることができるコンテンツの典型例です。この分野への投資はまだ行っていませんが、伝えるべき興味深い物語がそこにはあると信じています」と同社で働く人物が語った。

そのメディアはグループの視聴者を活性化させる付加要素で、お金をとるものではなく、投資価値の一部と考えるものでもない。「私たちはビデオクリップにロバート(ダウニー・Jr.氏)の声をかぶせ、アニメーションを重ねた編集作品を制作し、すべてソーシャルメディアに投稿してきました。企業とは自由な関係で、お金をとったり何らかのリターンを要求することはありません」とその人物は述べた。

奇妙な科学と持続可能性

ŸnsectはFootPrint Coalitionが支援する会社の中でも、ダウニー・Jr.氏の支持者の大部分が描くものとは少々異なることを行っている一例たが、竹由来のトイレットペーパーを作るCloud Paperや持続可能性に焦点を当てた金融サービス会社のAspirationへの投資は、消費者と明確な結びつきがある。

このバランスこそ、会社の目的は環境と持続可能性のリターンだけではなく、具体的な利益である、というシュルホフ氏のいう目標の1つだ。

「私たちの目標は意味のある影響力のあるもの、だから私は純粋な資本主義者になります。良い機会であるかどうかという問題は利益率、規模、リスク特性、関わる人々、そして根源的には、投資家に価値を提供できると思うかどうかで決まります」とシュルホフ氏は語った。「私たちはリターンを求めているのです」。

リターンのチャンスは膨大だ。彼らが言うように、ESGセクター(環境、ソーシャル、政治問題に特化したファンド)は急速に成長を続けている。「利害関係者資本主義」への動きの影響もあり、投資ファンド全体は2500億ドル(約26兆1000億円)を超え、持続可能性資産の価値は過去3年間で2倍になった。

「環境を支援する強力なトレンドが2つあります。1つは、魅力的コンテンツとメディア配信によって、1億人ものロバート支持者の中から熱烈なコミュニティが生まれ、その人たちを使ってすばらしい投資を利用できるようにすること。もう1つは、ターンキーテクノロジープラットフォームによって、さまざまな分野の個人投資家を管理できるようになったことてす」とシュルホフ氏が声明で語った。「ベンチャーファンドは伝統的に最低金額が高く、富裕層や寄付や基金団体以外を排除しています。ずっと低い最低金額と短い投資期間を設定することで、私たちは同じ会社群への投資をずっと大きなグループに開放できるようになりました。投資家たちが多くの熱烈な支持者たちにさらに火をつけたとき、正のフィードバックが始まって環境テクノロジーが究極の受益者になることを私たちは望んでいます」。

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タグ:ロバート・ダウニー・JrFootPrint Coalition持続可能性

画像クレジット:Chris Unger/Zuffa LLC / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SPACで知られるVCの最新の合併はSunlight Financial、再生可能エネルギーブームの兆しか

元フェイスブック幹部であり、現在はハイファイナンス界のお騒がせ者Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、太陽エネルギーの融資会社、Sunlight Financialの13億ドル(約1348億円)のSPACとPIPE(限られた投資家を対象に行う私募形式の株式の売出)一石二鳥取引で再びニュースになっている。

Sunlight Financialは、基本的には太陽光発電やバッテリーの設置、その他の住宅改善プロジェクトに資金を提供するために、太陽光発電の設置業者が住宅所有者にローンを提供する方法を与える融資会社だ。

これは世界的な金融システムの壊滅的なメルトダウンの始まりで、狂騒の20年代の再来を示しているかもしれないが、少なくともSunlight取引の狂気には一理ある。

太陽光発電、エネルギー貯蔵、エネルギー効率のアップグレードへのより良いアクセスを提供するために融資を行っているビジネスの背後には、大きな追い風があるからだ

Coatue、Franklin Templeton、BlackRockとともに同氏が主導したこの投資で、Sunlight社の評価額は13億ドル(約1348億円)となる。CrunchbaseによるとSunlight Financialがこれまでに調達した資金は7億500万ドル(約731億円)となっており、それを考えると健全な数字だが、桁外れというわけではない。

Alex Wilhelmの記事が先がけて指摘したように、同社のかなり堅実な財務パフォーマンスを考えると、Sunlight Financialはパンデミックの中でも、遅かれ早かれ公開市場に参入した可能性が高い。

数字を見ると、同社は1、2年で株式を公開できたであろうことはいささか明らかで、もう1年成長すれば、普通に上場するのに十分な収益があったと思われる。このSPAC主導の取引により、より早く上場し、スケールしながらより多くの現金を手にすることができる。おそらくそれがSunlight社にとってのこのSPACの価値だろう。

またSunlightは、機関投資家からの需要が高く同様の企業が不足しているときに、再生可能エネルギー企業として公開されているというメリットも得る。

2020年の間に、気候変動の影響を緩和したり、地球の急速な温暖化を遅らせたりするのに役立つビジネスを支援する方法を見つけるために、大金が動いた

CPP Investmentsのマネージング・ディレクターでサステイナブル投資の責任者であるRichard Manley(リチャード・マンリー)氏は昨年のインタビューでこう語っている。「気候変動リスクを軽減するための業界のコミットメントは、意思決定者の間で変革を推進する機運が高まっていることを投資家に示すものです」。「株式市場では、中核事業子会社や企業のVC部門への投資によるエキサイティングな移行ソリューションは、パブリック・エクイティ投資家が求めてきた、真に焦点を絞った投資機会を提供していないとの評価が高まっています」とも。

パリハピティヤ氏の最新のSPACの立ち上げで、その傾向は2021年にも続きそうだ。Spring Lane Capitalのゼネラルパートナーで長年気候技術に投資してきたRob Day(ロブ・デイ)氏は、昨年末にダイレクトメッセージで以下のように書いていた:

デイ氏によると、「現在の(SPACの)波は、機関投資家の世界がこの24ヶ月間に、気候ソリューションが2020年代以降の主要な成長分野になると確信するようになったにもかかわらず、投資先として利用可能なオプションが見当たらなかったからです」とのこと。

「公開されている『グリーン』企業はすでに買収されており、プライベート・エクイティの選択肢も同様に迫力にかけていました(VCの場合は小規模で、大規模プロジェクトの場合は低リターン)。そこにEVなどへの熱意を持った個人投資家のロビンフッド市場を投入すれば、このようなことが起こるためのちょうどいいレシピができあがるわけです」。

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(翻訳:Nakazato)

北欧発VC企業Northzoneが初の北米・NYパートナーにウェンディ・シャオ・シャデック氏を登用

ロンドンとストックホルムにオフィスを持つNorthzone(ノースゾーン)の新しいパートナーであるWendy Xiao Schadeck(ウェンディ・シャオ・シャデック)氏は、入社したばかりというわけではない。彼女が同社に加わったのは2015年にさかのぼる。

ベンチャーの世界に入る以前、シャデック氏はコワーキングと保育のスタートアップであるCoHatcheryを共同設立している。その後Northzoneのプリンシパルとして、Spring Health(メンタルヘルス)、3box(クラウドインフラ)、Livepeer(ブロックチェーンベースの動画トランスコーディング)、Magic.link(ユーザー認証)への投資に携わってきた。

Northzoneによると、シャデック氏は暗号化、コンシューマーテクノロジー、ヘルス、デベロッパー/ウェブ3.0インフラの分野における同社の投資理論を発展させる手助けをしたという。

「ウェンディは、非常に洞察力に富んだセクター主導の思想的リーダーシップを通じて、すでに能力を証明しており、ニューヨークのエコシステムにおける当社の地位を確固たるものにしてくれました」と、ゼネラルパートナーのPär-Jörgen Pärson(ペール=イェルゲン・ペールソン)氏は声明で述べている。「彼女は、投資家としての彼女自身と、彼女が支援する起業家たちとの間の正直で、本物の、そして刺激となる対話を定義し、再定義してきました」。

シャデック氏は、彼女の関心は「オープンデータ、オープンファイナンス、オープンコミュニティ」という3つの重要な分野を中心に「結晶化」していると筆者に話してくれた。そして、パートナーに昇進したことで、彼女が「夢中になっている」テーマである、創業者たちとさらに密接に仕事をすることが可能になると語った。

「私たちはみな、VCのミームである『どうしたらお役に立てますか?』を見たことがあります」とシャデック氏はいう。「しかし、私たちはそれを本気でいっています。何よりもまず第一に、良い条件で資本を提供する以外に、ますます重要になってきている他の側面は何でしょうか?創業者の方たちが私に求めるものを提供するために、私のアプローチをカスタマイズするにはどうすればいいのでしょうか?」。

シャデック氏は、Northzone初のニューヨークを拠点とするパートナーになるが(同社の他のパートナーはロンドンとストックホルムにいる)、ニューヨークに焦点を当てながらも、地域外でも投資を行う予定だという。

「私たちは、我々がとても興奮しており専門知識や経験を構築したいセクターと、築いていきたい関係を両方含むマトリックス型のアプローチに取り組んでいます」と彼女は語った。「そして、そうした関係は、地元の起業家とのほうが築きやすいものです」。

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タグ:Northzone

画像クレジット:Northzone

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(翻訳:Nakazato)

Eight Roads Ventures Europeの「新星」ルシール・コルネ氏が女性初のパートナーに就任

ヨーロッパとイスラエルのスタートアップ企業に焦点を当てたVCのEight Roads Ventures Europeは、Lucile Cornet(ルシール・コルネ)氏をパートナーに任命した。コルネ氏は同社初の女性パートナーとなる。Eight RoadsはFidelityの支援を受けており、世界で60億ドル(約6228億円)以上の資産を運用している。

コルネ氏はソフトウェアとフィンテック分野に注力する予定で、以前から同社の数多くの投資を主導しており、 5年以下でアソシエイトからパートナーになった。パートナーが効果的にファンドに投資しない限り、ベンチャーキャピタルは「後継者を出さない(養成しない)」文化を持っていることで知られるため、普通では考えられないようなキャリアの軌跡といえる。

コルネ氏は次のようにコメントしている。「私は、ヨーロッパのテクノロジー起業家の将来を、非常に楽観的に考えています。欧州地域全体で、世界のチャンピオンになるという野心と能力を持ったすばらしい創業者や革新的なビジネスが増えてきています。彼らのスケールアップを支援するのが楽しみです」。

TechCrunchのインタビューに対し、同氏はこう付け加えた。「私はとても幸運だと感じています、なぜなら、私たちは技術全般とヨーロッパにおいて、一生に一度の変革期に生きているからです。これらの企業をいくつか設立し、エコシステムの一部になることができたのはすばらしい経験でした。これからの数年間で、どれだけもっとエキサイティングなことが起こるか、私は理解しています」。

コルネ氏はこれまで、パリに拠点を置く支出管理プラットフォームSpendesk、フランクフルトに拠点を置くB2B保険会社Thinksurance、2017年にBNP Paribasによる買収に成功したヨーロッパ初のネオバンクの1つであるCompte-Nickelへの投資を主導してきた。また、VIU Eyewear、OTA Insight、Fuse Universalの取締役も務めている。

フランス生まれのコルネ氏は、投資銀行やSummit Partnersを経て2015年にEight Roads Venturesに入社した。彼女はまた、英GP Bullhoundのインベスター・オブ・ザ・イヤー・アワード2020で「ライジングスター」に選ばれている。

Eight Roads Ventures EuropeのマネージングパートナーであるDavor Hebel(ダヴォル・ヘーベル)氏は、次のようにコメントしている。「Eight Roadsにおける、これまでのルシールの成功をとても喜ばしく思っています。彼女は入社以来、ヨーロッパのみならず世界に大きな影響を与えてきました。彼女はすばらしい仕事に対する倫理観と意欲を持っており、ヨーロッパで最も優れた企業を見極め、世界的な勝者への成長を支援してきています。彼女の昇進は、今後も最高の投資人材を育成し、内部からの昇進を目指したいという私たちの思いの表れでもあります」。

ヘーベル氏はインタビューの中でこう語った。「当社は常に少し違ったアプローチを信じていて、人を採用するときには、最初からでもいいから、判断力を持ってほしい、起業家に会うときにはその存在感を持ってほしいといっています。ですから、多くの人間を採用することはないかもしれませんが、彼らが私たちと長く一緒にいて成長すること、そうする道筋と可能性を持ってもらいたいというのは、いつも当社のモデルの一部でした」。

2020年、Eight Roads Ventures EuropeはCazoo、Otrium、Spendesk、Odaseva、そしてごく最近ではTibberに投資し、8つのフォローアップ投資を完了し、Rimiliaを売却した。また、同社の投資先であるAppsFlyerの評価額は20億ドル(約2076億円)に達している。

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(翻訳:Nakazato)

大学VCの慶應イノベーション・イニシアティブが2号ファンドを103億円で募集終了

大学VCの慶應イノベーション・イニシアティブが2号ファンドを103億円で募集終了

大学ベンチャーキャピタル(VC)の「慶應イノベーション・イニシアティブ」(KII)は1月25日、2号ファンドの募集を総額103億円で1月22日に終了したと発表した。中小企業基盤整備機構をはじめとする追加出資者の参加により、2号ファンドの総額は1号ファンドの約45億円から2倍以上に拡大した。

KII2号ファンドへの追加出資者(有限責任組合員)

  • 機関投資家、金融機関:中小企業基盤整備機構、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、極東証券、三菱UFJキャピタル
  • 事業会社:エーザイ
  • 起業家:金當一臣氏

2号ファンドは2020年1月より運用を開始し、2021年1月25日現在5社に対して投資を実施済み。20〜25社程度への出資を計画しているという。

投資対象は、慶應義塾大学をはじめとする大学や研究機関などの優れた研究成果を活用したスタートアップ。シード・アーリーステージからリード投資家として支援を行っていく方針としている。

KIIは、スタートアップへの投資育成を通じて日本が誇る大学などの研究機関の技術や知的財産といった優れた研究成果の社会実装を推進し社会貢献の一翼を担うと同時に、VCファンドとして高い収益性を確保し持続的なイノベーションエコシステムの構築に取り組んでいくとしている。

KII2号ファンドの概要

  • 名称:KII2号投資事業有限責任組合
  • 投資対象:慶應義塾大学をはじめとする大学、研究機関等の成果を活用したスタートアップ企業
  • ファンド総額:103億円
  • 運用期間:2020年1月24日より10年間(最大2年の延長可能性あり)

KIIでは、2016年7月に開始した約45億円の1号ファンドより慶應義塾大学の研究成果を活用した企業や卒業生が設立した企業19社に対して投資を実施。代表的な投資例としては、2020年12月に東京証券取引所マザーズに上場した創薬ベンチャーのクリングルファーマや、日本で最初にデジタル治療薬として承認されたCureApp、2020年に最も企業価値が増加した未上場企業である次世代バッテリー製造のAPB、2020年12月に人工衛星の実証機を打ち上げた宇宙ベンチャーのSynspectiveなどがある。

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VCと創業者たちの2021年に対する見方の違い

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。準備はOK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

今週は、いつものようにバラバラなセクションを並べるのではなく、一連の大きなテーマやニュースに焦点を当ててお話ししよう。なぜかって?いつものフォーマットに収まりきらないものが多すぎたからだ。オリジナルレイアウトのファンだった方、来週は元に戻るのでご安心を。

今回は、Coinbase(コインベース)の成長、Juked.gg(ジュークドgg)がクラウドファンディングをいかに利用したのか、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)のメディアゲームの話、Talkspace(トークスペース)のSPAC、VCや創業者の2021年の予測、そして会社を設立するのに適した場所はどこか、といった話題を取り上げる。

では、詳しく見ていこう。

IPOを控えたコインベースへの入金額が拡大

消費者の支出に関するデータを提供するCardify(カーディファイ)の親会社であるDrop(ドロップ)の、Kazim Rizvi(カジム・リズヴィ)氏のおかげで、米国の暗号通貨プラットフォームCoinbase(コインベース)の入金が、どれほど急速に拡大したのかを知ることができた。Coinbaseが株式公開を申請し、最終的なS-1の申請が期待されている中で、Coinbaseが人びとに対して購入支援を行っている資産への興味が、どれほど急速に高まっているのかについての方向性を知ることができたことには興奮を抑えられない。

それは急速に拡大している。2019年1月の第1週を基準にすると、2020年12月の最終週には、Coinbaseからの入出金額が1回あたり12倍以上になっていた。これは驚異的な成長であり、データは週毎に多少変動があるものの(私たちはそれを正確な数字ではなく、方向性を示すものとして扱っている)、これはBitcoin(ビットコイン)が再びブームとなって、その取引への関心と消費者の需要が高まる中で、Coinbaseのような企業がどれだけうまくいっているかを強調している。

Cardify提供

Cardifyのデータはまた、同時期におけるCoinbaseの新規顧客獲得が大幅に増加し、ビットコインの価格と並行して入金が拡大していることを示している。最近Bitcoinが3万ドル(約311万円)台を突破し、ここしばらくの四半期よりもさらに急激に上昇していることから、この価格上昇がCoinbaseの2020年第4四半期の堅調な推移を助けただけでなく、おそらく2021年第1四半期も、同様に熱狂的な道へと導いたのだろう。

このデータを見るまでの私たちのCoinbaseのS-1に対する興奮度を100とするなら、いまやその興奮度は120だ。

eスポーツのコンテンツに、エクイティクラウドファンディングで100万ドル(約1億円)を調達

eスポーツは超カッコいいし、同意できないというならそれは間違いだ。だがその設問の答えに対して、どちらが正しいのかはここでは関係がない。市場はほぼ、対戦ゲームは時間と注意と投資家のお金を投入する価値があると判断しているからだ。

eスポーツリーグやゲームなどの急増は、バラバラで無秩序な状態へと陥っている。これは伝統的スポーツの世界でESPNが提供してきたような、中央のハブのようなものを欠いているからだ。

しかし心配は無用だ。Juked.ggが、eスポーツのためのコンテンツハブを提供するために、資金調達を行った。これにより、私のような年寄りでもいつトーナメントが開催されるかを知ることができ、インターネット上で日時を探し回ることなく、「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」や「Starcraft 2(スタークラフト2)」のプロプレイを楽しむことができる。

Juked.ggは500 Startupsの卒業生だ(そのクラスについての詳細はこちら)。Republicプラットフォームで100万ドル(約1億円)を少し超える資金を調達したJuked.ggは、大きな計画を練っている最中だ。

Exchangeは、Juked.ggの共同創業者でCEOであるBen Goldhaber(ベン・ゴールドハーバー)氏に、同社のこれまでの業績についての話を聞いた。ゴールドハーバー氏によれば、Jukedのユーザー数は2019年後半のローンチ時の500人から、2020年12月には5万人にまで増加しているという。この先Jukedはジャーナリズム、ソーシャル機能、ユーザーが作成したコンテンツなどにさらなる投資を行うかもしれない。Jukedは現在2524人の投資家から100万ドル以上の資金を得たが、そのビジョンが実現していくにつれて、私たちもよりたくさんのものを目にすることになるだろう。投資家の一人ひとりが、分散しながらも成長するエンターテイメントカテゴリーを統一するのに役立つ適切な製品を、Jukedが開発してくれることに期待しているのだ。

A16zによるメディアプッシュ

ここで長々と話すつもりはないが、VCがコンテンツを作ることは新しいことではない。First Round Review(ファーストラウンドレビュー)が世に出たのはいつのことだったろうか?A16zが考えているように見えるものは、規模は違うものの、内容に違いはない。もし興味があるなら、私たちがEquityポッドキャストでこの件について話している。

Talkspaceのおそらく無謀ではないSPAC

少なくとも新進企業と関わることの多いSPAC(特別買収目的会社)をからかうことは楽しいが(12345)、SPACによるデビューがすべて愚かしいものというわけではない。期日の迫ったTalkspaceの取引に関してはここから読むことができる。

重要なのは、このチャートだ。

よく見てほしい!歴史的な収益拡大!粗利率の改善!粗利の上昇!

おそらく、Hudson Executive Investment Corpとの合併後の同社は、14億ドル(約1453億円)もの企業価値は持っていないのではと考える向きもあるだろう。だが、まあ、それは少なくとも本当のビジネスだ。

VCと創業者たちは2021年をどう見ているのか

シードVCのNFXが、先日VCと創業者たちにアンケートをお願いしたが、その中に紹介したいと思うものがあった。興味があればここで全文を読むことができる。

ここでは2つの点を取り上げる。

  1. VCは創業者たちよりも経済に対して強気で、創業者たちの約30%が個人消費は横ばいまたは減少すると予想しているのに対し、これに同意したVCは約17%に止まっている。
  2. そして、ベイエリアを離れるというテーマに対しても、これまた同様に、創業者の35%が考えることがあるとしているのに対して、投資家では20%だけが同じような傾向を示している。これは、投資家はベイエリアに家を持っているのに対し、ほとんどの創業者たちは家を持っていないからだと思う。しかし、金も才能もすべてが去っていくという懸念は和らげてくれるだろう。そうではなさそうだ。

どこで起業すべきか

Initialized Capitalは、創業者が会社を設立するのに最適だと考えている場所についてのデータをまとめた。2020年には、調査対象となった創業者の42%近くがベイエリアだと答えている。2021年にはこの数字は28%強にまで落ち込み、42%が分散型企業を選ぶべきだと答えている。

これはアーリーステージの創業者からよく耳にする話だ。彼らはしばしば、私がマイクロマルチナショナル(零細多国籍)と呼んでいるかたちのものを作ろうとしている。小さな企業が、ある国に数人、そして他の国にまた数人という具合に従業員を抱えていくのだ。このセットアップでうまくやっていけることが、人事ソフトのホットスポットになると思う。

それとは関係なく、ベイエリアでの創業要件は厳しい。そこで創業するメリットはこれからも長く続くだろう。

次回予告

来週のExchangeで紹介するのは:新しい5000万ドル(約52億円)ARR(経常収益)シリーズの最初のエントリーとしてAssembly(アセンブリー)、SimpleNexus(シンプルネクサス)、Picsart(ピクスアート)、OwnBackup(オウンバックアップ)などのインタビューを掲載予定だ、また1億ドル(約104億円)ARRのインタビューもいくつかお届けする。

では、今週はこのあたりで。

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タグ:BitcoinIPO

画像クレジット:Nigel Sussman

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(翻訳:sako)

アテネのベンチャーキャピタル集まれ:TechCrunchヨーロッパVC大調査の結果レポートに載ろう

TechCrunchは、ヨーロッパのベンチャーキャピタル投資家を調査する大がかりなプロジェクトを実施する。

本誌のギリシャ、アテネのVC調査では、この国がどんな状態にあり、新型コロナパンデミック下の投資家にどんな変化がもたらされたかを調べる。

本誌はギリシャのスタートアップ発展状況や、テック分野全体が新型コロナウイルス(COVID-19)にどのような影響を受けたか、この先をどう考えているかを知りたいと考えている。

この調査は投資家のみが対象で、VC投資家による出資だけを調べる。1社から2人以上のパートナーが回答するのも歓迎だ。

質問は、簡潔な回答しか必要としていないが、多く書いてくれるほどありがたい。

アンケートにはこちらで回答できる

もちろん、参加してくれた投資家の名前は報告書に掲載され、会社やプロフィールへのリンクも載る予定だ。

我々が知りたいのはどんなことか?質問には以下のような内容が含まれている。最も刺激を受けたトレンドは何か?誰かに作ってほしいスタートアップは何か?見過ごされているチャンスはどこにあるか?次の投資先はどんな分野か?地元のエコシステムはどんな具合か?そして、新型コロナはあなたの投資戦略にどう影響したのか?

この調査は、ファウンダーが適切な投資家を探すのに役立てるために本誌が行っている大規模調査の一環だ。

たとえばロンドンの調査結果はこちら

ギリシャにはいないけれども参加したい人へ。それだも構わない。ヨーロッパVCの投資家は誰でも回答可能で、いずれ本誌があなたの国にも呼びかけることになるだろう。データは将来の分野別の調査でも利用する。

本調査は地中海連合のほぼすべての国を対象としているので、回答フォームで国と都市を見つけて参加してほしい(あくまでもベンチャーキャピタル投資家に限りる)。

ご協力に感謝する。質問があれば mike@techcrunch.com まで。

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タグ:ヨーロッパ

画像クレジット:Wikimedia Commons

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

さらに成長が加速するインドのアグリテック、スタートアップDeHaatが31.2億円調達

かつては見過ごされてきた、インドのアグリテック系スタートアップが、注目を集め始めている。
米国時間1月19日、農家にフルスタック農業サービスを提供するオンラインプラットフォームのインド企業DeHaat(デハート)は、パンデミックにもかかわらず加速するその成長を維持するために、新しい資金調達ラウンドで3000万ドル(約31億2000万円)を調達したことを発表した。

Prosus Ventures(以前はNaspers Venturesの名で知られていた)が、パトナとグルガオンを拠点とする同スタートアップのシリーズC資金調達ラウンドを主導したのだ。RTP Globalと、既存の投資家であるSequoia Capital India、FMO、Omnivore、AgFunderもこの資金調達ラウンドに参加し、同スタートアップのこれまでの資金調達額は4600万ドル(約47億9000万円)以上になった(なお、この資金調達ラウンドのアドバイザーを努めたのはDexter Capital)。

インドの農家が直面している最大の課題の1つは、種子や肥料といった農作業の必需品を確保し収穫を終えた後に買い手を見つけることだ。

ヒンディー語で「村」を意味するDeHaatは、ブランド、機関投資家、バイヤーを1つのプラットフォームに集めることでこの問題を解決しようとしている。プラットフォームへのアクセスは、ヘルプデスクもしくは地元の言語を使ったアプリを通して行うことができる。

業界の推計によれば、インドの農家の収穫量のうち大きな市場に出荷されているのは、約3分の1に留まっている。これまでは、農家が農産物の買い手を見つけるのは非常に難しいことがわかっていた。

収穫が終わると、DeHaatは農家が、作物をマーケットプレイスのUdaan(ウダーン)、Reliance Fresh(リライアンス・フレッシュ)、フードデリバリー会社のZomato(ゾマト)などの一括購入業者に売り込む支援を行う。

創業10年のDeHaatは、作物検査のデータベースも開発しており、人工知能を使ってある季節に何を蒔くべきかについて、農家に無料で個別のアドバイスも提供している。DeHaatはまた、多数の機関投資家とのパートナーシップを通じて、農家の運転資金の確保を支援している。

私たちは2020年に、DeHaatが1200万ドル(約12億5000万円)の資金調達ラウンドを行ったときに記事を書いている。過去9カ月の間に、国家を何度もロックダウンに追い込んだ新型コロナウィルスのパンデミックにもかかわらず、同社の成長は加速を続けた。

同スタートアップは、現在インド東部のビハール州、ウッタルプラデシュ州、ジャールカンド州、オーディシャ州、西ベンガル州などの州で存在感を出している。同社の共同創業者で最高経営責任者のShashank Kumar(シャシャンク・クマール)氏は、2020年4月の時点では約21万だった支援対象農家が、現在では40万近くに増えたと、インタビューでTechCrunchに語っている。

同社がこれらの課題に取り組んでいるやり方も、印象的なものだ。農村部では、4000種類以上の農作業必需品を、地域のハブから農家に配送し、反対に生産物を同じハブに持ち帰る仕事を請け負う零細起業家の数が、2020年の約400人から1400人近くに増えている。「ラストマイル配送や集荷を担当しているのは彼らです」とクマール氏はいう。

DeHaatでは、2020年から3倍から3.5倍に増加している売上を含むすべての面で、成長が続いていると彼はいう。

「2020年3月末の1日の出荷量は約200トンでした。今では600トンを超えています。毎日、農家からそれだけの作物を集荷し、FMCG(日用消費財)業者や現代的な小売業者へ供給しています。同様に、農作業必需品、つまり種子、肥料、農薬などは、2020年3月の約2600件に比べて、毎日1万件近くの注文を処理しています」と彼はいう。

Prosus Venturesのインド投資責任者であるAshutosh Sharma(アシュトシュ・シャルマ)氏は声明の中で、「Prosus Venturesは、イノベーションが社会の大きなニーズに大きく対応できる世界中の産業に投資しています」という。

「DeHaatは、インド経済に3500億ドル(約36兆3620億円)以上の価値を持ち、推定1億4000万以上の農家で構成されているインドの農業部門からの要求に応えようとしています。DeHaatは、エンド・ツー・エンドの農業サービスを提供することで、インドの農家の収入の可能性を向上させ、インドの農業部門の全体的な収量を向上させると同時に、収入の機会が少ない農村部を含む全国の零細企業家を支援することで、インドに大きな社会的影響を与えることができるでしょう」と付け加えた。

DeHaatは、新規に調達した資金を投入してラジャスタン州、マディヤ・プラデシュ州、マハラシュトラ州を含むインドのより多くの州に拡大し、最終的には1000万の農家にサービスを提供することを計画している。

また、同社が注力したいもう1つの分野は、トップ技術者の採用だ。スタートアップは2020年以降採用を倍増させており、大手企業からの注目度の高い採用者も多い。最近2回目の買収を行ったDeHaatのクマール氏は、同社はさらなるM&Aの機会を模索することにもオープンだと述べている。

かつては無視されていたアグリテック系のスタートアップがここ数年でインドに出現し、多くの既存スタートアップたちが、投資家たちから大口の小切手を受け取り始めている。

【追加情報】Omnivore(オムニボア)とAccel(アクセル)が、最近インドのアグリテックの展望についてのレポートを共同執筆している

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画像クレジット:DeHaat

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(翻訳:sako)