走行距離で課金する自動車保険のMetromileがSPACを通じて公開市場へ

2020年初め、新型コロナウイルスにともなう経済の不確実性により、スタッフの3分の1を解雇した「Pay-per-mile」(従量制)自動車保険の会社であるMetromile(メトロマイル)が、SPAC(特別目的買収会社)を通じた公開市場への道を進んでいる。

2011年創業で、CEOのDan Preston(ダン・プレストン)氏が率いる同社は、SPACであるINSU Acquisition Corp. IIとの合併契約に至ったと述べた(GlobeNewswire記事)。株式価値は13億ドル(約1350億円)だ。

MetromileはChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏の会社であるSocial Capitalがリードした投資ラウンドにおいて、公開会社への私募増資(PIPE)により1億6000万ドル(約170億円)を調達したと述べた。既存投資家からHudson Structured Capital ManagementとMark Cuban(マーク・キューバン)氏が、新規投資家としてMiller ValueとClearbridgeが参加した。Metromileは、クロージング時には約2億9400万ドル(約310億円)の現金を保有していることになる。

同社はその資金で既存の負債を減らし、成長を加速する。特に個人向け保険と法人事業を支えるために従業員を雇用し、進出地域を現在の8州から来年末には21州とすることを目標とする。2022年末までに全国をカバーする計画だ。

Metromileは、自動車保険のビジネスモデルの非効率性、特にユーザーの課金方法に革新をもたらしたことで知られる。Metromileはユーザーに対し、標準的な定額料金の代わりにマイレージ(走行距離)に基づいて課金する。マイレージは車に装着する機器が計測する。Metromileによると、米国のドライバーの約3分の2は走行距離が少ないと考えられる。Metromileは、走行距離に応じて課金すると、ユーザーは従来の保険会社と比較して平均47%を節約できると話す。

同社はモバイルアプリも開発した。このアプリは、ユーザーが保険金の請求を行うことができるほか、たとえば街路清掃活動中に駐車違反の可能性をドライバーに警告するなどの機能もある。いまや30億マイル(約48億3000万km)のドライバーデータにより、同社はユーザーのコストを削減し、ユーザーの全体的なエクスペリエンスを向上するための予測モデルを構築することができる。

新型コロナのパンデミックは、ベイエリアで最も急成長していたスタートアップの1つ(未訳記事)であるMetromileにとって初めての逆風となった。Metromileは従業員の削減のため最終的に約100人を解雇した。同社は当時、パンデミックによる自宅待機勧告の影響を受けてユーザーの運転が減ったと語った。またパンデミックにより、米国のドライバーは減った走行距離を支えてくれるような保険を探し回るようになった。

投資家のキューバン氏は、MetromileのSPACに関する発表の中に同社の事業の可能性を見出したと語っている。

「経済的困難、失業、在宅勤務の時期にMetromileは保険の重要な選択肢を提供してくれます」とキューバン氏は述べた。「1マイル(約1.6km)ごとに保険料を支払うという選択肢はまさにゲームチェンジャーであり、Metromileの将来に私が信じられないほど興奮している理由です」。

Social Capitalのパリハピティヤ氏も同様に強気で、米国時間11月24日火曜日に「バフェットはGeicoを保有しました。私はMetromileを選びます」とツイートした

Metromileはこの春に一時解雇したスタッフを再雇用し、従業員を取り戻した。現在、同社には230人以上の従業員がおり、将来的に従業員が減少することはないとの見通しだ。それどころか、同社はTechCrunchに、個人と法人向けの両方が今後数年で「かなり」成長すると見込んでおり、追加のスタッフを雇う予定だと語った。

合併は2021年第1四半期に完了する予定。合併後の会社はMetromile Inc.,と名付けられ、NASDAQ(ナスダック)に新しいティッカーシンボル「MLE」で上場を維持する。

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(翻訳:Mizoguchi

トランプ氏は負けを認めないがバイデン氏への政権移行は進む

​空前の数の郵送投票で、2020年の選挙結果が出るまで例年より少し長くかかった。しかし、米国人は「選挙週間」と予想をしていたが、11月は「選挙ドラマの月」になり、各州がJoe Biden(ジョー・バイデン)氏の勝利を認定していた(npr記事)にもかかわらず、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は選挙結果をにケチをつけ、政権移行プロセスを遅らせようとする前代未聞の取り組みを始めた。

米国時間11月23日、トランプ大統領はについに選挙結果を受け入れたように見えたが、言葉はそうではなかった。それは確かに敗北宣言ではなかったが、おそらくこれまでで最も近いものだった。

​「……我が国の最大の利益のために、エミリーと彼女のチームが最初の手順に関して必要なことを行うことを奨め、私のチームにも同じことをするように話した」とトランプ氏はツイートし、GSA(米一般調達庁)のEmily Murphy(エミリー・マーフィー)長官が、ホワイトハウスは移行を阻止する決定に影響を与えなかったと明言したばかりの主張と矛盾している(Twitter投稿)ようだった。​一般調達庁は選挙結果を正式なものとし、連邦レベルでの移行を行う役割を担っている。

​バイデン次期大統領の政権移行は、障害にもかかわらず進められており、次期大統領は、新型コロナウイルス(COVID-19)を管理下に置く計画(nature記事)の一部について述べ、任命を予定している担当官の名前を挙げた(The New York Times記事)。​しかし、GSAのトップがこの移行のために630万ドル(約6億6000万円)の連邦資金を出すことを拒否したため、バイデン氏はいくつかの重要な点で手詰まりになっている。​選挙結果を認めないというマーフィー氏の極めて異例な拒否は、大統領当選者が安全な政府デバイスにアクセスし、パンデミック対応に関与している機関を含む連邦機関から説明を受けることができないようにしている。

​バイデン氏の政権移行を軌道に乗せることとは別に、トランプ大統領の発言とGSAの協力の遅れは、米国がまた別の重要な方法で前進する助けになるかもしれない。​ここ数週間、選挙に関する陰謀説がインターネットを混乱させ(未訳記事)、トランプ支持者の多くが主要なソーシャルネットワークを非難し、選挙結果をユーザーに思い出させ、一部の偽情報が厳重に取り締まられた。こうした陰謀説はトップダウンで広まることが多く、トランプ大統領は、郵便投票や投票機を使った詐欺だという根拠のない主張を叫んだ(Bloomberg記事)。

ネット上の大統領支持者たちは当分の間、この選挙に固執すると思われるが、トランプ氏の後を追う可能性は高い。少なくとも今のところ、トランプ氏は負けを認めるようだ。

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Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認

インドの規制機関、Competition Commission(CCI、インド競争委員会)は米国時間11月20日、Future GroupとReliance Retailという同国の2大小売業巨人間の34億ドル(約3530億円)の契約を承認し、この提携に不服申立をしていた米国のeコマースグループ、Amazon(アマゾン)に新たな頭痛をもたらした。

インドの公正取引機関であるCCIは短い声明で、インド第2の小売業チェーンであるFuture Groupの小売、卸売、運輸、および倉庫事業を、最大チェーンのReliance Retailが買収することを承認したことを発表した。Relianceはアジア最大の富豪、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が支配している。

Reliance RetailとFuture Groupは2020年8月末、両社間の34億ドルの買収契約を発表した。Future Groupの持株会社の1つの株主(未訳記事)であるアマゾンはこの契約に不服を申し立て、同社がインサイダー取引を行い契約に違反したと主張した。アマゾンは、Future Groupの持株会社であるFuture Couponsとの契約によって、同グループの資産をReliance Retailのような競合他社に売却することは禁じられていると訴えた。

10月末、シンガポール仲裁裁判所はインドの2大小売業巨人間の契約に一時停止命令を発行した(未訳記事)が、それがインドでどの程度有効なのかは未だに不明だ。裁判所命令の発行後すぐ、Future GroupとReliance Retailは、契約は「一切の遅滞なく」完了に向けて進められていると語った。

20日の発表は極めて重要だ。 インド事業に65億ドル(約6740億円)以上を投資しているアマゾンは、インド競争委員会と証券取引委員会に対し、シンガポール国際仲裁センターの命令を考慮して取引を中止させるよう、要望を出していた。

Future Groupは現在デリーの裁判所でアマゾンと係争中で、そこではインド企業の弁護士が奇っ怪な文言で米国企業を非難している。弁護士は一度ならず、Future Groupの取引を阻止しようとするアマゾンの行為を、インドの200年近い植民地支配の始まりとなった英国商社、東インド会社になぞらえた。

アマゾンはコメント要求に「直ちには」応じていない。

Future Groupは、アマゾンとの契約はReliance Retail との契約に対して無効であり、もし買収が阻止されると何万人もの人が職を失うと主張している。

インドの2大小売りチェーン同士の契約は、CCIが小売業界の価値連鎖(卸売、運輸、倉庫、店頭販売)全体を見直す機会としても見られていた。この日に下された承認決定は、公正取引機関がこの買収について、関連する業界の競争に悪影響を及ぼさないだろうと結論を下したことを意味している。

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BuzzFeedがVerizon MediaからHuffPost(旧The Huffington Post)を買収

HuffPostのオーナーが変わった。現在の親会社であるVerizon Mediaが、同サイトをBuzzFeedに売却する合意に達したのだ。

The Wall Street Journalがこのニュースを最初に報じ、それは株式取引だと説明している。Verizon MediaもBuzzFeedに投資し、このデジタルメディア企業の少数株主になる。

契約には両社間でコンテンツを互いに配信する合意があり、また広告で協力するとともに、合同のイノベーショングループを作ってその他の収益化機会を探求する。

BuzzFeedのプレスリリースで述べられているように、この契約でHuffPostはぐるっと1周し、元の位置に戻ってきたことになる。BuzzFeedの共同創業者でCEOのJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏は、かつて「The Huffington Post」という名前で知られていたメディアの創業者の1人だったからだ。

「メジャーなニュースアウトレットに育っていく初期のHuffPostの姿を、昨日のことのように思い出す。しかしBuzzFeedがこの買収を行ったのは、HuffPostの未来と、今後何年間もメディアのあり方を定義していくそのポテンシャルを信じているためです。HuffPostが加わったことによって私たちのメディアネットワークは読者が増え、あらゆる同業他社と比べても読者が私たちのコンテンツと過ごす時間が長くなるでしょう」とペレッティ氏は声明で述べている。

AOLが10年近く前に3億1500万ドル(約327億2000万円)でThe Huffington Postを買収し(未訳記事)、それから数か月後にTechCrunchを買収した。

この買収はジャーナリズムとデジタルメディアの世界への本格的な進出と見られたが、その後企業レベルでの一連の変化が生じて、AOLをVerizonが買収し(未訳記事)、VerizonはYahooも買収(未訳記事)、さらに両社を合わせた組織をまずOathと改名(未訳記事)、そしてその後Verizon Mediaになった(未訳記事、現在でもTechCrunchのオーナー)。この買収の背後にいた役員のTim Armstrong(
ティム・アームストロング)氏は、2018年に同社を去った(未訳記事)。

何年も前から、HuffPostの売却は何度も噂になっていた。2019年にVerizon MediaのCEOであるGuru Gowrappan(グル・ゴウラパン)氏は、HuffPostは売却しない「我々のコンテンツの核だからだ」といっていた。

BuzzFeedは、HuffPostの新しい編集長も探している。その席は、2020年3月にLydia Polgreen(リディア・ポルグリーン)氏が辞めて(Huffington記事)から空いている。

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NEDOがバイデン次期大統領の技術イノベーション・気候変動政策の情報を整理・分析した短信レポート公開

NEDOがバイデン次期大統領の技術イノベーション・気候変動政策の情報を整理・分析した短信レポート公開

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月18日、短信レポート「バイデン次期大統領で変わる米国の技術イノベーション・気候変動政策」を公開した

米国第46代大統領になるジョー・バイデン氏は、トランプ大統領とは大きく異なる技術イノベーション政策および気候変動政策を公約に掲げている。NEDOはこうした変化について、様々な分野で発信されている客観的な情報を整理・分析したTSC Foresight短信レポートとして公表。日本と関わりの深い米国の新たな方向性を注視しつつ、NEDOはこのレポートを基にあらゆる領域で議論を深め、「イノベーション・アクセラレーター」としての役割を強化することで、世界的な課題解決に貢献するとしている。

技術イノベーション政策部分

バイデン次期大統領は「Innovate in America」(アメリカでのイノベーション)を政策として掲示。3000億ドル(約32兆円)を新産業・技術の研究開発に投資し、数百万人分の質の高い雇用を創出するとしており、アメリカの世界的なリーダーシップを確保したい考え。技術流出には慎重なものの、国際的な枠組みを重視する姿勢も見せる。米国第一主義を推し進めたトランプ大統領とは異なり、米国の技術イノベーション政策を強化しながらも、より一層同盟国重視の姿勢に転じる見込み。

NEDOがバイデン次期大統領の技術イノベーション・気候変動政策の情報を整理・分析した短信レポート公開

NEDOがバイデン次期大統領の技術イノベーション・気候変動政策の情報を整理・分析した短信レポート公開

 

気候変動政策部分

バイデン次期大統領は、大胆な気候変動対策を講じることで気候変動に伴う不平等の是正を追求するという、環境正義の基本思想を持つ。現政権が離脱したパリ協定への復帰も公約に掲げており、また遅くとも2050年までに、米経済全体でCO2排出量をゼロにすることも表明している。具体的施策として、大規模なインフラ整備などからなる「クリーンエネルギー/持続可能インフラ計画」を発表し、4年間で約215兆円を投入する計画。さらに気候変動に焦点をあてた省庁横断的な先進研究プロジェクト機関として「ARPA-C」(Advanced Research Projects Agency focused on Climate)新設を表明し、米国の気候変動政策は大きく前進すると予測。

NEDOがバイデン次期大統領の技術イノベーション・気候変動政策の情報を整理・分析した短信レポート公開

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楽天と投資会社KKRがウォルマート保有の西友株の大半を取得、ウォルマートは日本事業からほぼ撤退

Walmart(ウォルマート)は米国時間11月16日、12年前に買収した日本のスーパーマーケットチェーン「西友」の株式の大半をKKRと楽天に売却すると発表(楽天リリース)した。西友の評価額は約16億ドル(約1670億円)で、ウォルマートは日本での事業からほぼ完全に撤退することになる。

今回の合意では、投資会社のKKRが西友の65%の株式を取得し、日本最大のeコマース企業である楽天が子会社の楽天DXを新たに設立して20%の株式を取得する。ウォルマートは西友の15%の株式を保有する。

ウォルマートは2019年、国内での競争激化や利益率の低さに苦しんだ後、西友やその持ち株会社であるウォルマート・ジャパン・ホールディングの再上場を検討したと報じられている(Markets Insider記事)。

楽天が西友の事業に精通しているのは、2018年にウォルマートと戦略的提携を結び(Walmartリリース)、オンライン食料品配達サービスを日本で開始したためだ。​「楽天西友ネットスーパー」 と呼ばれるこのオンライン配送サービスでは、西友のスーパーの在庫からの集荷に加え、専用の配送センターも利用される。

出資後に西友はRakuten DXの一部となり、楽天のeコマースやキャッシュレス決済チャンネルを通じて、より多くの実店舗をオンライン化することを目指している。

日本の食料雑貨のオンライン配送市場は、買い物客が生鮮食品をオンラインで購入することに消極的なこともあり、他国に後れを取っている。​しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行は消費者の習慣に急速な変化をもたらした。​The Japan Timesの7月4日の報道によると、食料品の総売上高に占めるインターネット売上高の割合は、パンデミック前の2.5%から約5%になった。

楽天のライバルには、イオン(Ocadoと提携)、Amazon(アマゾン)、イトーヨーカドーなどが運営する食料品宅配サービスがある。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

トランプ氏の疑念にもかかわらず投票ソフトウェアに対する懸念は杞憂に終わる

米国の約半数の州に投票集計ツールを提供するDominion Software(ドミニオンソフトウェア)が数百万票を「削除」したとのニュースは、退場しつつあるトランプ大統領がでたらめなインターネットフォーラムで言及された数字をオウム返しにした後、明確に否定された。

米国時間11月12日の朝、選挙の不正に関して根拠のない主張をツイートしたDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏は、右翼のニュースサイトであるOANNから引用した。ツイートは、係争中の内容を含んでいるという警告がなされ、すぐに隠された。

そのサイトに投稿した匿名の人物は、出口調査やその他の選挙関連の評価を行う会社であるEdison Research(エジソンリサーチ)とDominionの数字を比較し、まったく異なる数字に到達したと主張した。検証方法は十分に説明されておらず、その結果もきちんと説明されていない。何を何となぜ比較したのか、またどのような理由でこの「不正」を実行したと思われる会社自身が公にしたのかは本当にはっきりしない。この分析を検証した人もいない。

Politifact(ポリティファクト)へのコメントで、Edisonの社長であるLarry Rosin(ラリー・ロージン)氏は、「不正投票の証拠はありません」と述べた。その分析とやらが何を指しているのかはほとんどわからない。

Dominionは11月9日の週の初め、わずかな誤りにより多数の票がトランプ氏ではなく次期大統領Joe Biden(ジョー・バイデン)氏に入れたように見えたことで注目を集めた。しかし誤りはすぐに発見され、人為的ミスの結果だと判明した。同社はソフトウェアに関する偽情報と戦うための専用ウェブページを用意している

Politifactはトランプ氏の主張を「Pants on Fire(嘘をつくとお尻に火がつくよ)」「ばかげている」と評した。ツイートには、予想される不正の数すら正しく記載されていなかったことは注目に値する。

「分析」には何のメリットもないようだが、投票機の仕組みをよく知らない人、つまりこの問題に直接関与していないほとんどの人がソフトウェアを根本的に信頼できないと判断する傾向があることを示す優れた例だ。

しかし、民間のソフトウェアツールに全面的に頼らずに、選挙後数時間または数日で数百万の投票を数え、集計し、検証する方法はない。実際には民間のソフトウェアの信頼性と安全性は高まっている。選挙のプロセスは党派を超えて極めて綿密に監視されている。

選挙委員と州の幹部は、パンデミックの中で選挙を実施することの難しさと投票所・郵送の両方で非常に高かった投票率を考えれば、選挙は驚くほど円滑に運んだと口をそろえて明言した。

サイバーセキュリティおよびインフラストラクチャーセキュリティ当局の下にある主要な連邦委員会は11月12日、先週の選挙についてこう述べた(CISAリリース)。「米国史上最も安全な選挙でした。投票システムが投票を削除した、失くした、投票内容を変更した、何らかのかたちで侵害したという証拠はありません。我々は選挙の安全性と完全性に最大限の自信を持っていることを保証します。あなたもそうすべきです」。

政府内で数を減らしつつある重要人物らによる非難にもかかわらず、先週の選挙で重大な不正投票やその他の不正があったという証拠は提示されていない。その結果、元副大統領で現在は次期大統領のジョー・バイデン氏が勝利した。

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ後初の「独身の日」に中国で30億個の小包が出荷

世界最大のショッピングフェスティバル「独身の日」に先立ち、深セン市のアパートの外に積み上げられた小包

中国のeコマースの巨人AlibabaJD.comが、現地時間11月11日に行われた世界最大のショッピングイベント「独身の日」(Singles’ Day)で再び新登録を打ち立てたことを宣言した。こうした数字は、永続的な成長のバラ色の絵を描くために、しばしば誇張されがち(Bloomberg記事)なものだと、ジャーナリストやアナリストは長い間の経験で知っている。そのため数字そのものは、新型コロナウイルス時代の企業のパフォーマンスや中国の消費者の購買力を測定するためのものとしては、限られた指標に過ぎない。

とはいうものの、宅配業者の重い作業負荷は、議論の余地なく現実的で目に見えるものだ。

私は11月の第2週から、深圳市のダウンタウンにある私のアパートの外に、最終的な個々の部屋への配達を待つ小包が、積み上げられ始めていることに気がついた。宅配業者の担当者たちはエレベーターに駆け足で出入りし、買い物客がディスカウントで購入したり、賢い買い物をしたと思い込まされて買わされたりしたアイテムの入った箱を放り投げていた。

プレセールの時期に受けた注文も含め、業者たちが発送を始める11月11日から16日にかけて「独身の日」に関連して中国全土で送られる小包は29億7000万個に達するだろう、と中国国家郵政局は声明を出している。これは、前年比28%の増加であり、通常の1日分の分量の2倍となる。

またそれは、すべての中国人がこのショッピング騒ぎの間に、平均すると2個以上の小包を受け取るということを意味する。また同時に段ボール、テープ、気泡シート(いわゆるプチプチ)などの、多数のeコマース廃棄物を受け取ることになる。JD.com(JD.comブログ)と、Alibabaの物流部門Cainiao(ツァイニャオ)は(Alizila記事)、オンラインショッピングをより持続可能にすることを目的としたプログラムを展開している。

新型コロナウイルス感染症は多くの国で増加し続けているが、中国では数カ月間、地域感染はほとんど発生してこなかった。そのため、今回のパンデミックは2020年の独身の日の配送スピードに影響をほとんど与えていない、とJD.comとAlibabaの両社はTechCrunchに語った。

それでも、両社は安全性とスピードを確保するための新しいルールを採用している。例えばJD.comは、配送ステーションやトラックを消毒し、労働者がマスクを着用し、毎日体温を測定する必要があると表明している。これは現在、中国内の物流業界では標準となっている慣行である。プレセールを行うことによって、事前に購入者の近くの在庫を割り当てることも可能となった。また自身の物流システムで出荷された注文のうち、93%が24時間以内に完了したと述べている。

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タグ:AlibabaJD.com独身の日

画像クレジット:Rita Liao

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(翻訳:sako)

米次期大統領バイデン氏の首席補佐官にスタートアップに好意的なロン・クレイン氏内定

米国の次期大統領Joe Biden(ジョー・バイデン)氏は長年の同僚であり側近であるRon Klain(ロン・クレイン)氏を首席補佐官に選んだとNew York Timesが報じた。クレイン氏は現在、ベンチャーキャピタル企業Revolution(レボリューション)の上級副社長を務めている。

クレイン氏はオバマ政権時代に、副大統領だったバイデン氏の首席補佐官を2年間務め、2011年に首席補佐官職を辞してRevolutionに移った。Revolutionは前AOLのCEOで創業者のSteve Case(スティーブ・ケース)氏が興した会社だ。Revolutionはコメントの求めに応じていない。

もしクレイン氏が2度目のホワイトハウス入りを果たすとなれば、バイデン氏は35年以上の知り合いを引き込むことになる。この2人が最初に一緒に働いたのはバイデン氏が上院議員だった1989年で、クレイン氏はハーバード大学法科学院を卒業したばかりだった。同氏は、2014年10月から2015年2月までホワイトハウスのエボラ対策責任者を務め、またオバマ大統領やクリントン大統領、その他にもAl Gore(アル・ゴア)氏、John Kerry(ジョン・ケリー)氏、Hillary Clinton(ヒラリー・クリントン)氏の討論アドバイザーとしても活躍した。

クレイン氏の指名は、スタートアップとバイデン・ハリス政権の間で起こり得る緊張を和らげるかもしれない。バイデン氏はテック産業に規制を課すと明言しており、これはGoogle(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)といった大企業にマイナスの影響を与えるかもしれない。クレイン氏は、規制がいかにスタートアップ分野における主要なイノベーションを妨げるかについてTechCrunch(未訳記事)で語ったことがある。同氏はまた政治に焦点を当てたスタートアップにフォーカスしているインキュベーターアクセラレーターのHigher Ground Labs(ハイアー・グラウンド・ラブズ)をサポートする取り組みも主導してきた。クレイン氏の指名はテック大企業に大きな影響は与えなさそうだが、バイデン氏の最側近の1人がスタートアップに甘い点を持っていることには変わりはない。

カテゴリー:その他
タグ:Joe BidenRon Klain米国大統領選挙

画像クレジット:WHITE HOUSE POOL (ISP POOL IMAGES) / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ARMベースMac発表イベントで、アップルの懐かしいCMに出ていた「私はPCです」氏が再登場

Apple(アップル)は、米国時間11月10日に開催したARMベースMacの発表イベントで、俳優のJohn Hodgman(ジョン・ホッジマン)氏をカメオ出演で呼び戻し、2000年代中期の同社CMのちょいと間抜けな「I’m a PC(私はPCです)」氏キャラクターとして再登場させた。彼の役割は、アップルのApple Siliconの未来に直面したIntelベースPCの慌てぶりを表現することだ。

この短編は、米国時間11月10日に開催された「One More Thing」イベントの終了後に放映された(今回のイベントでは新しいM1チップと、今後のMacBook Air、MacBook Pro、Mac Miniの新しいデザインが披露された)。ホッジマン氏演じるキャラクターは、昔なつかしいキャンペーン音楽と共に白い部屋の中に登場し、新しいマシンのパワーマネジメントをネタにして話した。

当時Mac役を務めていたJustin Long(ジャスティン・ロング)氏のカメオ出演は特になかった。ホッジマン氏の登場が単にに今回のイベントを飾るだけだったのか、あるいはアップルが懐かしいキャンペーンシリーズの計画を練っているのかは不明だ。いずれにしろ、それはアップルの人気キャンペーンを楽しく思い出させた。

下の動画の45:29からPC氏の姿を見ることができる。

カテゴリー:その他
タグ:AppleApple SiliconMacApple Mac Event

画像クレジット:Apple

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(翻訳:sako)

アップルが労働条件めぐりサプライヤーのペガトロンと新規取引凍結

Apple(アップル)は、台湾を拠点とするOEMメーカーのPegatron(ペガトロン)による学生労働者の取り扱いに問題があったとして、同社との新規取引を停止した。アップルによると、ペガドロンがサプライヤーに関する行動規範を破ったという。

アップルはBloomberg(ブルームバーグ)への声明の中で「ペガトロンは学生が夜間労働をしたり残業をしたり、場合によっては専攻とは関係のない仕事をしたりすることを認めるなど、プログラムの学生労働者への対応を誤り、書類を偽造するなど規範の違反を隠蔽した」と述べた。

ブルームバーグによると、アップルはペガトロンによる是正措置が完了するまで同社を観察処分にしているという。

ペガトロンは、アップルのもう1つの主要サプライヤーであるFoxconn(フォックスコン)と競合している。両社は台湾に本社を置くが、中国やその他の国にも工場を所有しており、労働条件に関する問題に直面している。その一例として、労働者が両社によって過度に長時間労働を強いられていると非難されている。

TechCrunchでは、アップルとペガトロンにコメントを求めている。

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カテゴリー:その他
タグ:ApplePegatron

画像クレジット:SOPA Images/ Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

有望な新型コロナワクチン開発のニュースを受けZoomやPelotonの株価が急落

新型コロナウイルスのワクチン候補に90%の予防効果が認められ、数カ月もしないうちにワクチン接種が始まるかもしれないというニュースを受け、世界の株式市場は反発している。相場はひっくり返り、先物も取引開始前で急上昇した。新型コロナによって打撃を受けた産業にとってはいいニュースだ。しかし、すべての企業が上昇気流に乗っているわけではない。

実際、米国時間11月9日に航空会社やクルーズ会社の株価はラザロのように復活している一方で、これまでもてはやされていたZoom(ズーム)やPeloton(ペロトン)のような企業の株価は急落している。

Pelotonのエクササイズマシーンは外出がままならなくなった運動習慣のある人に愛用されたため、同社の株価は急成長していた。しかし、ワクチンのニュースを受けて同社株は13%近く下げている。企業に活用されている人気のビデオチャットサービスZoomの株価も13%下げている。またEtsy(エッツィー)やWayfair(ウェイフェア)といったオンライン小売も影響を受けていて、2桁の下げ幅となっている。Amazon(アマゾン)すら取引開始前で2.3%下げている。

11月9日の朝は、これまでのトレンドの反転となっている。今夏、テック株は投資家のお気に入りだったが、いまは明らかにテック株から金が逃げ、さほど高くない他の株へと移っている。

時期尚早ではあるが、投資家がいまや大幅に広がった成長投資に資金を注ぐにつれ、ソフトウェア業界の株価も大幅に下げそうだ。そうなれば、テック業界はぱっとしない公開企業のバリュエーションを受け入れざるをえなくなるだろう。

そうした動きはスタートアップ、特に上場に向けてバリュエーションを気にかけているレイターステージのスタートアップに影響をおよぼすかもしれない。レイターステージスタートアップ投資は2020年、投資家がIPOや他のメカニズムを流動性オプションととらえたためか活発だった。そうした投資額が少なくなれば、テックスタートアップは資金確保が厳しくなるかもしれない。

もちろん語るにはまだ早く、状況は変わりうる。実際の経済活動に影響をおよぼすには数カ月かかるニュースに、投資家はあまりにもアグレッシブに反応しているのかもしれない。しかし11月9日に、2020年の株式市場における新章が始まったようだ。

カテゴリー:その他
タグ:新型コロナウイルス株式市場

画像クレジット:MarsYu / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

IPOの次なる波がきている

うんざりしてるって?私はそうだ。なんという1週間だ。しかし、目を米国政治でなく株式市場に向けていれば、ストレスの一週間などではない。祝福のときだった。

たしかに、選挙は株価に影響を与えているように見える。分断されそうな政府を投資家は喜んでいた。彼らが賭けたのは、異なる正当が政府のさまざまな部分を支配すると何も起こらず、その結果税金や規制は変わらないこと。掛け率の予想はご随意に。

ともあれ、先週の 株式市場の高騰は多面的な出来事だった。ソフトウェア株は勢いを取り戻し(未訳記事)、自分の富を成長性あるものに留めておきたい投資家がSaaSとクラウド株に資金を注ぎ込んだ。ソフトウェア会社の売上もこれまでのところかなり好調(本誌はJFrogとPing Identity、BigCommerceと会話した、未訳記事)で、初期の業績(未訳記事)を改善しつつある。

Uber(ウーバー)とLyft(リフト)は、長年続く労働問題に関してカリフォルニア有権者が両社に賛同する決断を下したことで、 彼らなりの立ち直りをみせた。Uberはその後の決算発表でもなんとか被害を最小限に食い止めた

大型テック株も上昇した。一週間前の市場に漂っていた恐怖のあと、テック企業にとって状況は良い方向に回っている。そしてそれは、みんなの期待通り、IPOの次の波を押し出すことを意味している。

Airbnb(エアービーアンドビー)は来週〈公開で〉上場申請すると予想されている(本誌には答えを待ちきれない質問が4つある)。そしてUpstartは今週すでに申請したが、おそらく他のなにかを見ていた読者は気づかなかっただろう。心配無用。ここで紹介する。

もう1つ著名な上場候補であるDoorDash(ドアダッシュ)は、カリフォルニア規制当局との金のかかる戦いからようやく解放された。果たして何社がデビューするのか?少なくないことを期待したい。

注目株

UbstartのIPO申請は、フィンテックIPOに脚光を浴びせるものであり、顧客の集中度合いを考えると全体的に数字はかなり良好(未訳記事)だ。同社の上場はフィンテック全体にとって良い兆候だ。多数のスタートアップがひしめき合うフィンテックは、PayPalの第3四半期決算というレンズを通して見ても絶好調の一年を迎えている。

フィンテックVCも積極的で、財務テクノロジーを使った製品・サービスに特化したスタートアップに、第3四半期だけで100億ドル(約1兆328億円、未訳記事)以上を投じた。支払いサービス、インシュアテック(保険テクノロジー)、資産管理、バンキングといったスタートアップは、ニッチの中で注目すべき分野として我々の目を引きつけた。

ただし今週はフィンテックにとって理想的な一週間とはいかず、米国政府はVisaとPlaidの合併を許さない(未訳記事)という判断を下した。なんということだ。本誌のEquityコラム(未訳記事)で論じたように、この決定はフィンテックスタートアップ買収への大物企業の関心を薄れさせかねない。それは、この分野の流動性をフィンテックIPOが引き受けなくてはならないことを意味しているのか?

そうかもしれない!そしてもしそうなら、差し迫ったUpstartのの上場はいっそう重要になってくる。本誌は引き続き報じていく。

まず、中国政府によるAnt Group(アントグループ)のIPO中止(未訳記事)は、おそらく先週最大のテックニュースだろう。同社の企業価値は数千万ドル(数十億円)であることから、これはスタートアップのイベントとはいえない。中国にとってこれは悪い日であり、世界の金融中心地になるという目標を逃した。Antにとってとてつもなく大きな後退だ。Jack Ma(ジャック・マー)氏にとっては、少なくとも1つの警告ではある。

その他いろいろ

最後に、先週起きたさまざま出来事を羅列しておく。

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ドラッグのマーケットプレイスSilk Roadから押収された100億円相当のビットコインは米政府ものに

米国時間11月3日に、2013年にSilk Roadのマーケットプレイスが摘発されて以来眠っていた約1億ドル(約103億円)相当のビットコインの持ち主が突然変わった(Guardian記事)。Silk Roadは、ダークウェブにおける最大のドラッグウェブサイトの1つだった

誰がそれを持っていったのか?そのミステリーが解けた。それは米国政府だった。

米司法省は米国時間11月5日の声明で、70000ビットコインを押収したことを確認した。それはSilk Road上のマーケットプレイスで販売されたドラッグの売り上げで、以前の持ち主は「Individual X」と呼ばれているハッカーだ。彼はその暗号通貨をSilk Roadから自分がコントロールできるウォレットへ移していた。

司法省の権利喪失訴状によると、政府はIndividual Xの本名などをすでに知っているという。

米国時間11月3日の押収時には、ビットコインの価値は10億ドル(約1030億円)以上だった。

「Silk Roadは当時、最も悪名高いオンラインの犯罪的マーケットプレイスだった。2015年にSilk Roadの創設者の告訴に成功して以来、10億ドルの謎が残った。その金はどこへ行ったのか?本日の権利喪失訴状がその答えのない疑問に一部答えている」と弁護士のDavid Anderson(デイビッド・アンダーソン)氏は述べている。

アンダーソン氏は、「犯罪による収益10億ドルはいま、合衆国が所有している」と述べている。

2013年の司法省の声明によると、Silk Roadは一時、「インターネット上で最も高度で大規模な犯罪的マーケットプレイスだった」。2013年に創設者で管理者であるのRoss Ulbricht(ロス・ウルブリヒト)が逮捕され、サイトは差し押さえられた。ウルブリヒトは2015年に有罪となり、2回の無期懲役刑と40年の懲役刑を、サイトにおける彼の役割に対して宣告された。検察によるとサイトにはドラッグやその他の違法なサービスの記録が13000件近くあり、それらが数百万のビットコインを生み出していた。

司法省は11月5日に、押収したビットコインは正規の権利喪失手続きに入るという。

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大統領選挙期間中、AppleやMicrosoftをはじめとしたハイテク株が急騰

米国時間11月3日の大幅な上昇を受けて、4日の時間外取引ではハイテク株が再び急上昇している。テック株の多いNASDAQ総合指数の先物取引は今朝、3.4%の上昇を示しており、より業種が幅広いS&P 500指数の1.7%という上昇予測を、はるかに上回っている。

世界で最も価値の高い企業の時価総額、つまりApple(アップル)は3.9%上昇し、Microsoft(マイクロソフト)が4.4%とさらに上昇したことで、数百億ドル(数兆円)の価値を追加した。

テック市場のより小さな他の企業も株価が上昇しており、時間外取引ではSalesforceが2.9%上昇し、Twilioが3.3%の時価総額を上げている。

取引量の多い資産の価格は過去24時間で急落(The Wall Street Journal記事)し、11月3日夜の米国政府債務の利回りは低下した。これは、投資家が経済全体に対して強気であったことを示している。その後、いわゆるBlue Wave(ブルーウェーブ)が形成されていないことが明らかになったため、再び上昇した。議会が分裂するという見通しが今後の景気刺激策を阻害する可能性があり、その可能性がここ数カ月の市場取引の重要な柱となっている。

11月4日朝、ハイテク株が上昇している理由は完全には明らかにはなっていない。明らかな1つの可能性としては投資家が取引市場に戻り、経済の不透明感が強い時期に定期的に成長する可能性のある企業に資産を集中するため、ソフトウェア関連企業の株を高く買うというシナリオだ。

議会の分裂が景気刺激策の足かせを意味するのであれば、以前のやり方に戻ってみてはどうだろうか。

年末までに、あるいは2021年初頭に株式を公開したいと考えているテック企業やテック関連企業にとって、今回の株価上昇は歓迎すべきニュースである。しかし2020年の選挙がそうであるように、状況はまだ変わる可能性がある。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Samsung会長イ・ゴンヒ氏が78歳で死去、同社を世界最大級に育て上げる

韓国の大手通信社の聯合ニュースによると、Samsung(サムスン)を世界最大級の大企業に育て上げた長年の会長である李健熙(イ・ゴンヒ)会長が米国時間10月25日、78歳で死去した。

サムスンの物語は、サムスン共和国(The Washington Post記事)と呼ばれることもある韓国の歴史と深く絡み合っている。サムスン創業者李秉喆(イ・ビョンチョル)氏の息子である李氏は1980年代後半、韓国が独裁から民主主義へと移行し、軍事政権の全斗煥(チュンドゥファン)氏から盧泰愚(ノ・テウ)氏へと政治が引き継がれた時にサムスンの主導権を握った。彼の経営の下、サムスンは半導体、メモリーチップ、ディスプレイ、その他今日のデジタル機器のバックボーンとなっている部品など、多くのエレクトロニクス分野でエレクトロニクス分野でさまざまな取り組みを率先して行ってきた。。

李氏は韓国をはじめとするいくつかの「アジアの虎」と呼ばれる国々の経済が崩壊しかけた1998年のアジア金融危機や、世界的にインターネット株が崩壊したドットコムバブルなど、1990年代の困難な経済問題を乗り切ってきた。

このような困難な時期を経て、サムスンを産業界の強者から世界的な消費者ブランドへと発展させたスマートフォン 「GALAXY」 シリーズに投資したことで、李氏は最も有名になった。サムスン電子はクモの巣のような存在のサムスングループ企業の1つに過ぎないが、今日では約3500億ドル(約36兆7000億円)の価値があり、世界で最も価値のある企業の1つになっている。

李氏のビジネスセンスとサムスンの戦略的洞察力は称賛されたが、近年はトラブルに直面していた。2000年代後半に脱税で有罪判決を受けたが、最終的には当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領によって恩赦を受けた。

2014年に李氏が心臓発作(未訳記事)を起こした後、財閥のリーダーを実質的に引き継いだ息子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長のためにサムスンの財務的な将来を確保しようとした李会長の試みは、Elliott Managementといったグループから非難を浴びている。イ・ジェヨン氏は贈収賄罪で有罪判決を受け、懲役5年の判決(未訳記事)を受けたが、最終的には執行猶予が与えられた。

聯合ニュースによると、イ・ゴンヒ会長は心臓発作の後入院し、状態は安定していた。彼の病状についての噂は、それから6年の間に広まっていた。

ブルームバーグによると、李氏は約200億ドル(約2兆1000億円)の財産を残しており、韓国で最も裕福な国民だ。遺族は妻と4人の子供となる。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

カメラ付きサングラスのSnapchat Specaclesで撮影した気象変動ドキュメンタリー「First Person」の予告編が公開

Snapchat(スナップチャット)は、Snapchat Spectacles(スナップチャット・スペクタクルズ)で撮影した同社初のオリジナルシリーズ、 “First Person”(ファーストパーソン)をまもなく公開する。

AR目的のスマートサングラスを使ってドキュメンタリーを撮影するというのは、少々ウケ狙いにも感じられるが、”First Person”が挑戦するのは、気象変動という重いテーマだ。

シリーズを制作したのはジャーナリストのYusuf Omar(ユスフ・オマー)氏(Spectaclesを「2016年以来毎日の生活で」着用していると言っている)と彼のプロジェクトであるHashtag Our Storiesで、そこでは140か国の1万人以上に、各自がスマートフォンを使って作品をつくるための訓練を行った。

“First Person”は、あの、Spectaclesを6か国の人々に配布して、それぞれが気象変動と戦うために行っていることを記録できるようにした仕事の延長線上にあるように思える。

「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に襲われた時、世界のメディア制作者は撮影をやめました」とOmar氏が私宛のメールに書いた。「それでもわれらがイノベーターたちは手を休めませんでした。彼らにSpectaclesを送ることで、コロナウイルス禍の中では伝えるのが困難だった物語に私たちが触れることができるようになりました」

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Spectaclesで映像を作ることは単なる制作方法のひとつではない、と彼は付け加えた。視聴者は文字通り、気象活動家の視点から物事をみることができる。

「こういう番組に一人称映像を使うことの素晴らしさは、変革を起こす人たちが実際に手を動かして、自分たちの見たい変化を生み、アップサイクルし、リサイクルし、実現するところを私たちが目撃できることです」と同氏は語った。「彼らが両手をつかって行う肉体的行為を本人の視点から見ることで、その行動は語ることのできる興味深く没頭的なものになる。若い視聴者が見れば、『自分でもできるかもしれない』と思うでしょう」

シリーズでは各話ごとにARレンズを使っている。あるレンズは地面にひび割れを付加して水不足を表現し、別のレンズは空に二酸化炭素の雲を付加して炭素排出を表現した。

“First Person”は10月24日土曜日に封切られる。予告編を下に貼ってある。

画像クレジット:Snap

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナで映画産業が低迷する中、AMCが貸切上映サービスを約1万円から提供

エンターテインメント業界のあらゆる分野と同じく、世界的なパンデミックが映画館に与えた打撃の影響は終わる気配がない。当初の閉館は数カ月にわたり、配給会社は最大のヒット作品を遅らせたり、中間業者を飛び越してビデオ・オン・デマンドサービスへの直接販売まで行っている。

一部の州では映画館が再開しているものの、感染力が強いウイルスが蔓延する中で映画ファンを座席に呼び戻すことは口でいうほど簡単ではない。期間限定のドライブインからポップコーンのデリバリーサービスまで、継続する都市封鎖の中でなんとか立ちまわる方法を見つける賢い人々もいる。そして、いくつかの地域ではプライベートシアターのレンタルを提供し始めた。映画ファンに、赤の他人に囲まれることなく映画鑑賞体験に戻る機会を提供する暫定的アプローチだ。

CNNによると、映画館チェーン最大手のAMCは、シアター貸し切りサービスを系列館で開始する(AMCリリース)。価格は99ドル(約1万400円)からという驚きの安さだ(ただしニューヨーク州、アラスカ州、ハワイ州を除く)。友達10人で分け合えばもう通常の映画チケットより安い。

利用者は最大20名を上映に招待できる。作品は「ジュラシックパーク」などの名作やハロウィンに向けた「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」など。そこから先は価格は上がり、「TENET テネット」や「ニュー・ミュータンツ」などの新作では1回の上映が349ドル(3万6800円)に跳ね上がる。前者は大ヒット映画監督のChristopher Nolan(クリストファー・ノーラン)がメガホンをとった作品で、映画ファンの劇場に戻る意志を確認する一種のリトマス試験紙という位置づけだった。

しかし数カ月におよんだ遅れの後、ワーナー・ブラザースは、未だに新型コロナウイルスとの戦いが続く米国より早く、同作品を海外でまず公開するという比較的稀な方法を選んだ。止まらない米国の苦闘は、興行成績世界最大の座を中国に明け渡す(The Hollywood Reporter記事)という最近の結果にもつながった。2020年の夏、AMCはパンデミックを乗り切れる可能性について「大いなる疑問」を持っていると語った。

関連記事:AMCが8月20日に全米約100カ所で映画館を再開、1日限りでチケット価格1920年時の15セントに戻す

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タグ:映画AMC新型コロナウイルス

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アリババグループが中国スーパーマーケット大手Sun Artの経営権を3800億円で取得

Alibaba Group(アリババグループ、阿里巴巴)は米国時間10月19日、36億ドル(約3800億円)を投入して中国スーパーマーケットチェーン最大手、Sun Art(サン・アート、高鑫零售)の支配権を取得すると発表した。取引完了後、同グループはSun Artの72%を所有する。

他の国々同様、新型コロナウイルスによる都市封鎖は中国のオンライン食料品購入需要の増加をもたらし、これまで食料品を店頭で購入することを好んでいた買い物客も引き寄せた。封鎖が解けた後も、多くの人たちがネット購入を続けている。アリババのSun Artへの投資は、フランス拠点のAuchan Retail InternationalからA-RT Retail Holdings株式の70.94%を取得することによって実施される。A-RT RetailはSun ARTの株式の約51%を保有している。

契約完了後、アリババはSun Artを自社の財務諸表に組み入れる。Sun ArtのCEOであるPeter Huang(ピーター・ホアン)氏は同社の取締役会会長にも就任する。

アリババが最初にSuna Artに投資したのは2017年で、約28億8000万ドル(約3040億円)を費やして株式の36.16%を取得した。Sun Artは“New Retail” 戦略の一環として、RT-Martブランドを展開している。.

今回の「New Retail」の狙いは、実店舗でのオンライン注文の受け取り、サプライチェーンの統合、買い物客がeコマースと実店舗で同じデジタル支払い方法を使えるようにするなどの方法によって、オンラインとオフラインコマースの境界をなくすことだ。

中国にあるSun Artの実店舗484カ所はすべて、食料品はアリババのスーパーマーケット、Taoxianda(淘鮮達)とTmall(天猫)に、オンデマンド食品配達アプリと運送事業はEle.me(餓了麼)とCainiao(菜鳥)にそれぞれ統合される。これは顧客にとって、配達の迅速化と商品選択の幅が広がることを意味し、アリババにとってもサプライチェーンや事業運営の改善に役立つ情報源が増える。

他のeコマース企業もオンラインとオフラインの食料品購入を統合する同様のアプローチをとっている。アリババの最大のライバルであるJD(京東商城)は、スーパーマーケットグループのYonghui Superstore(永輝超市)やWalmart(ウォルマート)と同じような提携を結んでいる。

報道資料でアリババのDaniel Zhang(ダニエル・チャン)CEO兼会長は、「新型コロナウイルスのパンデミックが消費者のライフスタイルや企業運営のデジタル化を加速する中、このSun Artに対する取り組みによって、当社の『New Retail』ビジョンを強化し、さらに多くの消費者に完全統合された体験を届けることができる」と語った。

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タグ:AlibabaSun Art買収中国

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ドバイに移住しリモート環境で働く機会を提供する「バーチャル・ワーキング・プログラム」が開始

ドバイに移住しリモート環境で働く機会を提供する「バーチャル・ワーキング・プログラム」が開始

ドバイ政府観光・商務局は10月16日、リモートワーカーが母国の雇用主のもとで業務を行いながら、ドバイに住むことを可能にする「バーチャル・ワーキング・プログラム」を発表した。

同プログラムでは、リモートワーカーとその家族が、世界有数の観光・ビジネスの地であるドバイに移住する機会を提供。リモートワーカーは、仕事の合間に太陽を浴びながらビーチでくつろいだり、世界各国料理を楽しんだり、様々な文化を体験できる。

また、UAEの強力なデジタル・インフラと接続性、安全で質の高いライフスタイル、グローバルなネットワーキングの機会、さらに個人の所得税がゼロといったメリットを享受できる。

個人の加入希望者は、「Work remotely in Dubai」ウェブサイトから年間プログラムに申し込み可能。同プログラムの申込料金としてはは、約3万円(287米ドル)に加えて、別途UAE国内で有効な医療保険への加入、および手続きに対する手数料が必要となる。

同プログラム申し込みの際には、以下の条件を満たす必要がある。

  • パスポートの有効期限が6ヵ月以上あること
  • UAE国内で有効な医療保険への加入
  • 現雇用主からの雇用証明書で、1年間の契約有効期間があり、月収約55万円(5000米ドル)以上である前月の給与明細書、前月分の銀行口座明細書の提出
  • 申請者が会社経営者である場合は、1年以上の会社所有の証明、平均月収約55万円(5000米ドル)の月収明細書、前3ヵ月分の銀行口座明細書の提出

ドバイでは、以下ワーキングスペースから希望に沿ったものを選べるようになっており、より生産性を上げて、業務に集中できる環境を用意している。

  • Letswork: ドバイ市内のカフェやホテル、ビジネスセンターなど様々なロケーションのワークスペースを用意。アプリを使って現在利用できる場所を探し出すことで予約を行える。会議室の予約ほか、他の利用者とのネットワーキングの機会などニーズに合わせて利用可能
  • Nasab: プライベートなワークスペースとソーシャルクラブを融合させた施設で、ワーク、ウェルネスなど他者と関わりを持つには最適なスペースを提供。仕事と遊びを両立させたい方にぴったりで、プライベートオフィスほか、オープンな場での共有ワーキングスペースも用意。併設のプール、ジム、テニスコートも利用できる
  • Our Space ドバイ: プライベートデスク、オフィス、ミーティングルームに加え、「より活発な自己表現」をするためのタン・ルーム、音波セラピーベッドを備えたゼン・ルーム、ウェルネスに特化したシグネチャーカフェ、スパ施設を併設
  • A4 Space: アルサーカル・アベニューに位置するA4 Spaceは、一般の方も利用できるコワーキング・コミュニティの場を提供。映画館や、図書館、専用のワークスペース、カフェなどを利用可能

ドバイ政府観光・商務局は、ドバイが世界を代表する観光地として商業の中枢を担うというビジョンのもと、世界中のオーディエンスのドバイに対する認知度の拡大、首長国への対内投資の牽引を使命としている。本国の観光分野における計画、管理、開発、マーケティングにおける主要局であり、首長国の商業分野のマーケティングやプロモーション、宿泊施設や旅行案内業者を含めたすべての観光サービスの許認可・種別分類を担当している。

カテゴリー: そのほか
タグ: シェアリングエコノミーリモートワーク / テレワークドバイ