ファーウェイが手書きメモも可能な電子書籍リーダー「MatePad Paper」を発表、約6万4000円

最初の電子書籍端末が発売されてから20年近く経つものの、このカテゴリーが活況を呈しているとは決して言えない。楽天Koboのような企業が最善の努力を続け、Barnes & Noble(バーンズ・アンド・ノーブル)のハードウェアなどが残ってはいるものの、この10年以上の間、Amazon(アマゾン)のKindle(キンドル)が市場を支配し続けている。

今週のMWC(モバイル・ワールド・コングレス)では、窮するハードウェアメーカーのHuawei(ファーウェイ)が「MatePad Paper(メイトパッド・ペーパー)」という新製品を発表し、この市場への参入を表明した。10.3インチのEインクディスプレイを採用し、同社の筆記具「M-Pencil(Mペンシル)」で手書きメモを取る機能を備えたこの製品は、最終的にreMarkable(リマークブル)の製品が最も比較対象となる可能性がある。

同社の最新機種「reMarkable 2」をレビューしたDevin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ)氏は、この製品が「ニッチを貫いている」と書いた(これはKindleシリーズ以外の電子インク製品のテーマでもある)。Huaweiは「ちょっとだけ、なんにでもなれる」を目指したデバイスで押し通すことを望んでいる。その中核は、Huawei Books(ファーウェイ・ブックス)電子書籍ストアにある約200万のタイトルの他、PDFを含むさまざまなファイル形式を閲覧できる巨大なリーダーだ。

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このデバイスは、Huawei独自のHarmonyOS(ハーモニーOS)を搭載している(これはAndroidを使えなくなった後の同社が、MWCで発表するテーマの1つだ)。しかし、そのことが、MatePad Paperをより電子インクタブレットに似た物にしている。現時点では、Huaweiは依然としてサードパーティ製アプリの利用が制限されているため、そのようなアプリは見当たらない。しかし、メールやノート、イベントなどのウィジェットは用意されている。

10.3インチの大画面は、ウィンドウを2つに分割でき、一方のウィンドウで本を読みながら、もう一方のウィンドウにM-Pencilでメモを書く(遅延は26ミリ秒)ことができる。ソフトウェア面におけるもう1つの特長は、Huaweiのノートパソコン「MateBook(メイトブック)」との間でファイルをすばやく行き来させられることだ。翻訳機能も搭載されている。

音声記録用のマイクとオーディオブック用のスピーカーが内蔵されていることも、このタブレットの命題を後援する特長だ。セキュリティのための指紋認証リーダーを搭載し、3625mAhのバッテリーは90分の充電で6日間の読書が可能な急速充電に対応している。

だが、これらすべての機能が色褪せる欠点は、この製品が499ユーロ(約6万4000円)と、電子書籍リーダーよりもハイエンドタブレットに近い価格で販売されていることだ。現在進行中の地政学的な問題により、この製品がいつか米国で正式に発売されると想像することは難しい。それでも、この製品は今週のMWCで最も興味深い消費者向け発表の1つである……と言えば、製品そのものよりもこの展示会について語ることになるかもしれない。

画像クレジット:Huawei

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォルクスワーゲンがファーウェイの自動運転部門を買収する方向で交渉中との報道

自動運転の分野で、2つの大企業の「結婚」が見られるかもしれない。Volkswagen(フォルクスワーゲン)がHuawei(ファーウェイ)の自動運転部門を数十億ユーロ(数千億円)で買収するためにHuaweiと交渉していると、ドイツの月刊ビジネス誌Manager Magazinが2月17日に報じた

HuaweiはTechCrunchの取材に対し、直ちにコメントすることはできないと述べた。VW Chinaもノーコメントとした。

合併の可能性は強力なものになる。Huaweiの自動運転部門は、通信機器とスマートフォンの巨人であるHuaweiが2019年に立ち上げたばかりの「スマート・ビークル・ソリューション」事業部門の下に位置する。smart car BUの設立は、Huaweiが自社で自動車を開発するのではないかとの多くの憶測を呼んだが、同社は製造計画を繰り返し否定し、代わりに「中国のBosch(ボッシュ)」に、つまり自動車ブランド向けの部品供給業者になりたいと述べた。

Huaweiは、少なくともこれまでのところ、この戦略を堅持しているようだ。深センに拠点を置く同社は2021年、中国の自動車メーカーBAIC傘下の新しい電気自動車ブランドであるArcfoxの量産セダンにプリインストールされた自動運転ソリューションを展示した。Huaweiは、この電動セダンのチップセットと車載OSを供給した。

VWにとって、自動運転機能を持つテック企業は、明日の自動車を作るという野望を前進させるのに役立つかもしれない。実際、VWはFord(フォード)とVWが出資するピッツバーグ拠点のスタートアップArgo AI(アルゴAI)と提携している。2021年9月、この2社は共同開発の最初の製品である自動運転電動バンを発表した。

2020年時点で最大の市場である中国で、VWが同様の技術パートナーを探していたとしても、誰も驚かないだろう。中国の自動運転車企業の多くは、すでに自動車メーカーと深い関係を築いており、Baidu(バイドゥ)はGeely(ジーリー)とDidi(ディディ)はBYDとジョイントベンチャーを結成している。

今回の買収報道は、HuaweiのAVチームにとって微妙な時期でのものだ。同社の自動運転プロダクトの責任者だったSu Jing(スー・ジン)氏は、Tesla(テスラ)のAutopilotの致命的な事故が「人を殺す」と非難した後、1月にHuaweiを去った。この発言について、Huaweiは「不適切なコメント」とした。

退社後、スー氏の次の一手は多くの憶測を呼んだ。わかっているのは、スー氏がロボタクシーを嫌っていることだ。2021年のインタビューで、歯に衣を着せないこのエグゼクティブは「ロボタクシーを最終的な商業目標とする企業は絶望的です。ロボタクシーを提供できるのは、乗用車に取り組んでいる企業でしょう。そのマーケットは間違いなく私のものになります。まだそうなっていないだけです」。

Huaweiの自動運転事業の買収は、決して安くはないだろう。同社のスマートカー部門は、2021年に研究開発に総額10億ドル(約1150億円)を費やす計画だった。また、スタッフ5000人を誇る研究開発チームの構築を目指していて、そのうち2000人超が自動運転に専従している。ここで疑問がある。Huaweiはすでにスマート運転に多額の投資をしており、顧客も増えているなかで、なぜこの芽生えつつある事業を手放すのだろう。

画像クレジット:Arcfox Alpha S powered by Huawei

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

バイデン大統領、ファーウェイやZTEなど国家安全保障上の脅威になりうる通信機器に対する規制強化法案に署名

バイデン米大統領、ファーウェイやZTEなどなど国家安全保障上の脅威になりうる通信機器から政府を保護する規制強化法案に署名

Barcroft Media via Getty Images

バイデン米大統領が、国家安全保障上の脅威になりうる通信機器から政府の「機器認可プログラムおよび競争入札プログラムによる通信サプライチェーン」を保護するための「Secure Equipment Act」に署名しました。この法律によってHuaweiやZTEといった米連邦通信委員会(FCC)の「対象リスト」に掲載されている企業に対してFCCは免許の発行や審査プロセスを実施できなくなります。

FCCコミッショナーのブレンダン・カー氏は「我々はすでにこれらの企業の機器が国家安全保障に受け入れがたいリスクをもたらすと判断しており、これは私が “ファーウェイの抜け穴 “と呼んでいるものを粛々と、適切に塞いでいるということだ」と述べました。

2020年にFCCはHuaweiとZTEを国家安全保障上の脅威とみなし、中国政府(中国共産党)と緊密な関係にあると確認しました。しかし、米国の連邦予算が関与しない部分においては、それら企業は依然として通信機器としてのライセンスを申請できる状態にあり、カー氏はその”抜け穴”をなくすために今回の法制定を呼びかけていました。FCCは2021年より19億ドルの予算を投じて、米国内の通信企業がHuaweiやZTEの機器をリプレースための補助金プログラムを実施しています。

今回のSecure Equipment Actの成立に対し、2社は記事執筆時点でコメントを出していませんが、2020年にはFCCが提出した法改正案に対しHuaweiが「見当違いかつ不当に懲罰的だ」としていました。

FCCは今回成立した法律以外にも、すでに機器に付与されているライセンスを取り消し可能にする新たな法律を提案しています。また先月には、FCCが国家安全保障上の懸念を理由としてチャイナテレコムの米国子会社の米国内事業許可を取り消すことを決議しています。

(Source:ZDNetEngadget日本版より転載)

【コラム】中国の労働文化の未来、労働者と経営者の間で揺れ動く労働規則

2021年8月下旬、中国の最高裁判所(最高人民法院)は、中国で最も悪名高い労働慣行の1つを違法とする判決を下した。

中国には「996」という略語があり、週6日、午前9時から午後9時までの勤務時間を示す。中国で急成長しているテック企業によって広められた「996」は、ストックオプションプランを持つ都会のスマートなスタートアップ企業の従業員がIPO(新規株式公開)や資金調達で億万長者になることを目指し、がむしゃらに働く姿をよく思い起こさせる。しかし「996」については、雇用者と従業員がそれをどのように理解し、適用するか、また規制当局がどのように見ているか、徐々に改善が見られる。


実際、8月26日の最高裁判決と人的資源・社会保障部から発表されたガイドラインは、テック企業とその高学歴で高給取りの従業員に影響を与えるだろう。しかし、この訴訟自体は、デジタル経済の階層のかなり下位に位置する労働者(中国主要37都市の平均を少し下回る月給8000元[約1240ドル、約14万2000円]の物流作業員)を対象としたものだ。

中国の規制当局は、雇用者と被雇用者の双方に対し、両者の関係を定義するルールを変える必要があるというメッセージを送っているようだ。最近の中国における多くの事例からわかるように、中国の指導者は、行動だけでなく、中国社会の中核を成す理念、心理、インセンティブ構造の変化を求めている。しかし、それがどのようなものなのか、具体的にはまだ見えてきていない。

オオカミのようなハングリー精神(文化)

画像クレジット:VCG/VCG / Getty Images

多くの中国企業を特徴づけている過酷な労働文化の結果であろうと、多くの企業が模倣した先駆的な例であろうと、Huawei(ファーウェイ)ほど996の労働文化の精神、メリット、潜在的な弊害をよく表すケーススタディはないだろう。

「オオカミの文化」として知られる、深圳(シンセン)を拠点とする通信業界の巨大企業は、その猛烈ぶりを特徴としている。「オオカミの文化」の意味は、誰に聞くかによって答えは変わる。好意的な解釈をすれば、それはある種の絆であり、チームメンバーを共通の目標に向かって協力し合う「群れ」と例えていると考えられる。しかし人によっては、もっと残酷な意味を持つ場合もある。2017年のファーウェイでの取材では、同社のある元社員は「ファーウェイでは『オオカミ文化』とは『食うか食われるか』という意味だ。社内の全員が互いに激しく競い合えば、外部からの脅威との戦いや競争に強い会社になるという考え方だと思う」と説明してくれた。

従業員がどのように考えているかにかかわらず、ファーウェイの文化の中核にある猛烈ぶりは、同社の成功に寄与してきた。同社の競合企業である欧州のEricsson(エリクソン)やNokia(ノキア)が、融通の利かない官僚主義、または独善的と批判されてきたのとは対照的に、ファーウェイはどんな困難が予想されてもプロジェクトを勝ち取って実現しようとする意欲を示し、世界中の通信ネットワークプロバイダーから支持された。

中国政府からの低金利の融資や自国市場での収益性の高い事業という好条件を生かし、海外事業への資金を得ることができたが、会社の文化を支える極端な熱意には競争原理もあり、他の中国企業が「996」という形でそういった精神を模倣した理由も説明できる。

ファーウェイをはじめとする中国企業は、今では一部の分野で最先端のイノベーターとみなされているが、創業当初は海外の同業者に技術力や知識で遅れをとっており、その克服に奮闘の日々が続いた。しかしその後、独自の技術や高度な技術での優位性はないものの、コストやスピード、そして発展途上国では特に厄介なビジネス上の障害を回避する柔軟性を発揮し、競争力を獲得した。

「中国のテック企業は、製品よりも実行力に価値を見出しているようだ」と、中国とシリコンバレーの両方でスタートアップを立ち上げたドイツ人起業家のSkander Garroum(スカンダー・ガロウム)氏はいう。そして「米国を中心としたテック企業のサクセスストーリーでは、1人の天才がすばらしい製品を生み出し、オープンなインターネットとオープンな経済のおかげで、単に製品の明確な優位性が広まることで規模を拡大していくというものが多い。しかし、中国や発展途上国の市場は、障壁が多く、オープンではないため、製品の良し悪しだけでなく、チームがどれだけうまく機能し、どれだけ一生懸命働いたかが規模の拡大では重要になる」と説明する。

このような話は真実を誇張して伝えられることも多いが、ライバル企業を凌駕しようとする姿勢は、多くの中国企業において誇るべきものとして見られている。ライドシェア企業であるDidi Chuxing(ディディチューシン)は、2010年代半ばの中国市場でのUber(ウーバー)とのシェア争いで名高い勝利を収めたが、そこには多数の要因があった。しかし、多くの関係者に聞いたところ、その答えは、単にローカルレベルでより良い仕事をしただけであり、ウーバーが戦い続ける価値がないと判断するまで、より激しく戦おうとしただけだというものが多い。

多くの企業は、それぞれの労働倫理とハングリー精神に基づき、特別優れた経歴は持たなくても、自分の身分を超えて高みを目指す人材を積極的に採用している。例えばファーウェイは「四線都市」や「五線都市」(6つの階級の内下位の2級)の若くて優秀な「第一桶金(人が大金を稼いだり、中流階級になったりする最初の機会)」を狙う人材を対象に採用活動を行っていることで知られている。

中国が成長し、企業が世界的に地位を高めると、過酷な労働時間ではあるものの、手厚い報酬を得ることができ、多くの中国国民が「第一桶金」の夢を叶えることができた。ファーウェイの従業員持株制度に登録している古くからの従業員の場合、年間の配当金は数十万ドル(数千万円)から数百万ドル(数億円)に上り、多くの場合、給料を上回っていたことが知られている。がむしゃらに働き、その苦労は報われたということだ。

企業による搾取を目的としたシステム

悪名高い過酷な労働文化で知られる中国では、法律上、労働者の権利が非常に保護されているというのは、直感的には意外に感じるだろう。実際、それらの法律はほとんど効力を発揮していない。

厳密にいえば、労働時間が標準的な週5日、40時間を超えた場合には残業代が支払われることになっているが、企業は法的義務を逃れるために、公式、非公式を問わず数多くの方法を利用することが知られている。

ファーウェイの場合は「striver pledge(努力家の誓約)」と呼ばれるものがある。これは、新入社員がおそらく表向きは「自発的」に署名する契約書であり、残業代や有給休暇の権利の行使を差し控えるというものだ。ファーウェイはこのような方法で注目されているが、同様の方法は一般的に行われており、ファーウェイほどの特典や出世の道を提供していない企業では特に多いようだ。

中国の国内企業と外資系企業の両方で働いた経験を持つキャリア豊富なある人事マネージャーは「当社の[ブルーカラーの]従業員の場合、残業代はすべて毎月の給料に含まれると契約で定められている」と説明しつつも「良いことではないが、私の知る限り、中国ではかなり標準的なことだ」と述べる。

労働法を逃れるもう1つの方法は、経営者に圧倒的な力を与える業績評価基準を作ることだ。「中国の企業では、欧米にならい業績管理に『成果物』の概念を取り入れているが、その解釈を極端に拡大することがよくある」と、かつて2つの大規模な中国欧州合弁企業で人事を統括していた女性幹部は語る(なお、この女性幹部も、この記事の多くの取材協力者と同様に、デリケートな政策問題について自由に話せるようにと匿名を希望した)。また「しかし『成果物』は多くの場合、達成できないだろう。従業員の「成果」が満足できるものかどうかは、管理職の判断に委ねられているためだ」とも述べる。この女性幹部は、自分のキャリアを通じてこのような慣行を阻止してきたといい、多国籍企業よりも中国のローカル企業でよく見受けられたと付け加えた。このような社内力学が働いた状況であれば、無数の搾取が行われている可能性があることは想像に難くない。

組合の利用を選んだ人たちは、企業だけでなく、国とも対立することが多い。中国では独立した労働組合は機能上違法であるが、国営の中華全国総工会(ACFTU)は以前から労働争議における労働者への支援に一貫性がないといわれている。

2019年、ファーウェイに13年間勤務した元従業員の李洪元氏が、退職金の交渉中に同社を脅迫したという容疑で251日間拘束された。検察当局は、不正行為を示す十分な証拠は確認できなかったとし、最終的に同氏を釈放したが、同氏の長期拘留のニュースを受け、ネット上ではファーウェイに対する激しい非難の声が上がった。

名目上は社会主義国である中国では、近年、労働問題に対する国民の不満が高まりつつあるようだ。2018年、エリート校である北京大学の警備会社が、中国南部での労働運動家への弾圧に抗議していた同大学のマルクス主義団体による抗議活動を取り締まった。また、GitHub(ギットハブ)に「996.ICU」というリポジトリが作成され、テック企業の過酷な職場環境に苛立っていた従業員らが不満をぶちまけ、非道な態度をとる会社に対して注意を喚起するためのオンラインフォーラムとして人気を博した。中国全土の疲れ切った若者たちの間では、一昔前の世代に見られるプレッシャーや野心を拒否する「躺平(タンピン、寝そべる)」というトレンドが人気を集め、政府は主要新聞でこの動きを激しく非難している

シュレーディンガーの労働時間:明記された法律と暗黙の規範

少子化を食い止めるために家庭に対する抑圧を軽減する必要性が増したことから、当局は中国における労働関係を規定してきた暗黙のルールを変えようとしている。

8月26日の判決を受けて、多くの企業が公式の方針を変更するために迅速に動いた。しかし、多くの企業や業界にとって、それ以上に大きな課題として立ちはだかるのは、文化や期待の問題だ。

TikTok(ティックトック)の親会社であるByteDance(バイトダンス)は、これまで公式に週6日制をとっていたことが知られていたが、この方針に終止符を打った。しかし、これは従業員らにとって必ずしも喜んで受け入れられるものではなかった。というのも、従業員は、勤務日数が減る代わりに、それに相応する給与の削減も受けたからだ。

中国の複数のインターネット企業で働いた経験のあるZhou(周)という名の女性は「私たちの多くは、納得した上でインターネット企業で働いている」とし「一生懸命働かなければならないことはわかっているが、その代わりにもっと多くのお金を稼ぐチャンスもあるはずだ」と説明する。そして「もし違うことを望むのであれば、別の会社で働くことにしていただろう」と、バイトダンスの一部の従業員が労働時間と給与の減少に憤慨するのは理解できるという。

一部の中国の技術系従業員の目には、労働時間に関する政府の厳しい要求に従うよう企業に対する圧力が強まることは、直接的な報酬に反映されない非公式な労働時間が増えるだけではないかと映っている。「知る限りでは、自分や自分のチームには何の変化もない」と、米国に上場している中国の人気インターネット企業の従業員は語る。「週末も働いているし、休日(10月1日の国慶節)にも働く予定だ。公式な休日だからといってビジネスが止まるわけではない」といい、また、時間外労働に対する残業代は「もちろん」ないと付け加える。

「ビジネスが止まるわけではない」という考えがあるからこそ、政府の規制が技術系従業員の労働条件改善に効果があるかどうか、疑問を抱く人もいるのだ。「バイトダンスは正規の労働時間と給与を減らしているが、何も変わらなければ何も問題はない」と、周氏は率直に述べ、そして「みんな仕事を続けたいし、昇進したいと思っている。だから当然、働けるだけ働く…あるいは、もっと給料の高い会社に移るだろう」と語る。

しかし、管理職に昇進すると、最近の政府からの指令を法律の文言と精神の両面から真剣に受け止めようとする傾向が非常に強くなる。「企業はこの問題に取り組んでいることを示さなければならないし、そうしなければ当局から見せしめにされる恐れがある」と、中国欧州合弁企業の人事担当者は語る。「人事部は全社的な監査を行い、従業員の勤務時間を明確に把握すべきだ」とし「最もありそうな対応は、少なくとも短期的にでもより多くの人を雇用し、それぞれが短い時間で働くことだろう」と付け加える。

しかし、多くの人が同意しているのは、中国の全体的な傾向だろう。習近平国家主席が「共同富裕」を唱え、巨大国営企業に通告しているように、中国の高成長時代は終焉を迎えようとしているようだ。しかし、政府がどの程度の変化を求めているのかはまだわからない。中国政府は久しぶりに、国営企業コミュニティに対し、今後は労働者よりも企業を圧倒的に優遇するようなことはないというシグナルを発している。問題は、その優遇措置のバランスをどの程度まで調整するかということだ。

画像クレジット:d3sign / Getty Images

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(文:Elliott Zaagman、翻訳:Dragonfly)

クラウド市場の成長を脅かす中国によるテック巨人への弾圧、BATHの中での位置づけは

中国のテック企業が国内の規制当局の監視下に置かれる中、投資家や中国の4大クラウド企業であるBATH(Baidu AI、Alibaba Cloud[アリババクラウド、阿里雲]、Tencent Cloud[テンセントクラウド]、Huawei Cloud[ファーウェイ・クラウド])を含む国内のハイテク企業の間で、懸念やプレッシャーが高まっているとアナリストが報告している。

一連の独占禁止法やインターネット関連規制の取り締まりにもかかわらず、大手クラウド企業4社は着実に成長している。現在の精査は特にクラウド分野に集中しているわけではなく、デジタルトランスフォーメーション、人工知能、スマートインダストリーへの需要が堅調に推移していることから、中国のクラウドインフラ市場規模は、2021年第2四半期に前年比54%増の66億ドル(約7261億円)となった。

それでもなお、Baidu(バイドゥ、百度)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)の3社の株価はこの半年間で18%から30%下落しており、投資家は中国のテック企業に賭けることに慎重になる可能性がある。

「中国のテック企業は、有利な欧米市場へのアクセスが妨げられていたときには特に、常に国内市場に頼ることができました。しかし、過去9カ月間に国内の規制圧力が高まったことで、過去数年間にクラウド事業を大きく成長させてきた企業にとっては、苛立たしい逆風となっています」とCanalysのバイスプレジデント、Alex Smith(アレックス・スミス)氏は語る。

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中国のクラウド市場では、4大クラウド企業がクラウド支出総額の80%を占め、圧倒的な強さを誇っている。Alibaba Cloudは、2021年の第2四半期に33.8%の市場シェアを獲得し、トップランナーの地位を維持している。同じ第2四半期に中国の市場規模の19.3%を占めていたHuaweiは、これまで規制措置を回避してきた存在だ。

CanalysのチーフアナリストであるMatthew Ball(マシュー・ボール)氏はこう語る。「Huaweiはたまたま強力なクラウドビジネスも展開している、インフラとデバイスの会社です。クラウドインフラに関しては、BATだけでなく、BATH企業に注目しています。Huaweiは、特に同社が政府との良好で長期的な関係を持つ公共セクターにおいて、成長を促進するのに強い立場にあります」。

中国の規制当局が自国のテック企業への監視を強化する一方で、弾圧は中国の市場や同国に拠点を置く企業の株式に大打撃を与えている。

中国では、国家安全保障に関わる重要データの保護を目的としたデータセキュリティ法が6月に成立し、9月上旬から施行されている。また、8月下旬には、ByteDance(バイトダンス)、Alibaba Group(アリババグループ)、Tencent、DiDi(ディディ、滴滴出行)などを対象としたアルゴリズム企業の規制に関するガイドライン案が発表された。

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画像クレジット:Alex Tai / SOPA Images / LightRocket / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

米IT企業がファーウェイによるパキスタン政府機関へのバックドア設置を告発、ただし決定的な証拠は出ず

米IT企業がファーウェイによるパキスタン政府機関へのバックドア設置を告発、ただし決定的な証拠は出ず

Wolfgang Rattay / Reuters

ファーウェイに新たなバックドア設置の疑惑が持ち上がっています。カリフォルニアを拠点とするIT企業Business Efficiency Solutions(BES)は、2016年にファーウェイとの提携でパキスタン政府とのプロジェクトで現地警察向けのソフトウェアを開発した際、ファーウェイがソフトウェアにバックドアを仕掛けたと主張しています。

問題のソフトウェアは2016年にHuawei Technologiesが主体となってパキスタン・パンジャブ州の州都ラホールのパンジャブ警察統合通信センター(PPIC3)向けの1億5000万ドル(約164億円)のプロジェクトで開発したもので、政府機関からのデータ収集、建物へのアクセス制御、ソーシャルメディアの監視、ドローンの管理といった8つの主な機能を備えています。

しかし、BESは8月11日、Huawei Technologiesがソフトウェアに「パキスタンの国家安全保障上重要とされる」機密情報を得るためのバックドアを仕掛けたとカリフォルニア州の連邦裁判所に訴え出ました。BESの主張によれば、当初ファーウェイはパキスタン政府のRFP(Request for Proposal:提案依頼書)に含まれる仕様を満たす技術を持たなかったためBESに協力を求め、パキスタン側もこれを評価していたとのこと。

BESは自社の企業秘密となる独自のコードや設計、図面などの情報を含めたベースとなるソフトウェアを開発したところ、ファーウェイはそのソフトウェアをテストするため中国側へ引き渡すよう要求しました。

証拠として提出された資料の中には、BESの創業者でCEOのJaved Nawaz氏が2017年3月28日にファーウェイに対し、機密データを中国に送ることへの承認を書面でPPIC3から得るよう求めたメールが含まれています。しかしファーウェイからはパキスタン政府から承認は得たが書面は「必要ない」との返答メールが来たのみ。その上で要求に応じなければ契約を解除しすべての支払いも行わないと脅迫じみた要求をされた結果、BESはやむなく中国国内へのシステムの設置を認めたとのことです。

しかし、The Registerが伝えるところでは、ファーウェイは中国国内へのシステム設置の後もBESへの支払いを行わないばかりか、BES抜きでカタールやドバイ、アラブ首長国連邦、サウジアラビアでパキスタンと同様のソフトウェア開発契約をまとめようとしたとされます。さらにBESのソフトウェアの一部を改変して中国からパキスタンのソフトウェアへのバックドアを加え、そこから中国へ国家安全保障に関わる重要なデータやパキスタン国民の個人情報を収集。閲覧可能にしたとBESは主張しています。

BESの訴訟では、2019年4月8日にBBCが報じた過去の事例として、パンジャブ州の政府機関PSCAがパキスタンのCCTVシステムからWiFiカードを取り除くようファーウェイに指示した理由は、それが「パキスタン市民を監視する秘密のバックドア」として遠隔から情報を収集できるように設定されていたからだと述べています。当時のファーウェイの担当者はこれを “誤解 “と主張していました。ほかにもBESは提出した書類で2019年と2020年に米国司法省がファーウェイに対して行った企業秘密窃盗の訴訟を指摘し、その主張を補強しています。

一方、Wall Street Journalに対してファーウェイは、いかなる製品にもバックドアを設置した「証拠はない」と述べています。BESのシステムを中国国内に設置させたことは認めたものの、それは他のネットワークからは「物理的に隔離」された試験用であり顧客からデータを入手することはできないと主張しています。またラホールのプロジェクト担当者は「現在のところ」データが盗まれたという証拠はないと述べています。

火のないところに煙は立たぬと言うように、何らかの争いが起こるところには必ずその原因となる問題が潜んでいるはずです。だれが事実と異なる主張をしているのかはわかりませんが、今回の問題もファーウェイが中国の情報収集に協力しているのではないかと継続的に懸念が持たれていることを浮き彫りにする事例のひとつであることは間違いありません。ただ、決定的な証拠も、まだひとつも出ていません。

(Source:The RegisterWall Street Journal。Via ReutersEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:安全保障(用語)中国(国・地域)Huawei / ファーウェイ(企業)バックドア(用語)パキスタン(国・地域)

MWC 2日目。本当にやってる?イーロン・マスク登場

ちょっと聞いて欲しい。イベントが初日に活力がなくなりつつあるのは良い兆候ではない。Mobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)の開幕は、Samsung(サムスン)が見出しを飾り、いくつかの提携の発表と、実際にハードウェアを発売する次のイベントの紹介に同じ時間を割いた。主催者であるGSMAについて語らないわけにもいかず、イベントの運営は、いつもの年でも、おそろしく大変であることを私は繰り返し伝えるべきだろう。2020年のイベント中止は断腸の思いだったに違いなく、今回の実施方法を決定するにあたっても同様だっただろう。ただしまったく別の理由で?

見どころがなかったわけではない。それは何かって?Elon Musk(イーロン・マスク)氏の動画?あれは「この男をどう思うか」によらずあらゆる意味で大きかった。彼を好きでも嫌いでも、見た人はこの人に対して何らかの強烈な印象をもったことだろう。

画像クレジット:Mobile World Congress

Dogecoin(架空の暗号資産)の高僧はSpaceX Starlink(スペースエックス・スターリンク)についてうれしそうに語った。「正直をいうと、私たちは今あの端末で損をしています」とマスク氏がインタビューで言った。「この端末はコストが1000ドル(約11万円)を超えるので、当然今はそのコストを私が補助しています」。懐が深いのはいいことだ。

彼は2022年に新バージョンの人工衛星を出すことを約束した。「能力がずっと高くなります」。

これまでHuawei(ファーウェイ)は消費者よりネットワーキングに大きく焦点を当てている。ただし、あらゆる報道は消費者向きデバイスの発表に焦点を当てているが、MWCがネットワーキングのショーであることを加味することが大切だ。同社は5Gネットワーキングハードウェアを数多く発表し、その中にはMIMO(複数入出力)製品もいくつかあった。

ネットワークといえば、TechCrunchの(そう、今のところの)親会社のことを完全に忘れていた。Verizon(ベライゾン)は5Gブランドをつけたロボットをたくさん発表した。同社は未来のロボット・コミュニケーションにおける携帯通信の重要性を強調した。

CSO(最高戦略責任者)のRima Qureshi(リマ・クレシ)氏がReuters(ロイター)の記事でこう語っている「5Gを使えばロボットは他のロボットやあらゆる種類のデバイスと、これまでまったく不可能だった方法でつながることができます」。

画像クレジット:Huawei

たしかにロボットは良い見世物になる。私の知るところでは、このBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)風の四本脚は、Ghost Robotics(ゴースト・ロボティクス)の製品であり、Verizonは2021年1月のCES(コンシューマー・エレクトコロニクス・ショウ)にも持ち込んでいた。

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もし選らべたとして、私なら2021年夏にバロセロナで有人イベントを開催しただろうか?ない。それはない。主催者のGSMAは金銭的なり何らかの理由で選択肢を持っていたのだろうか?それは答えるのが難しい質問だ。イベントを運営する会社にとって、大きなショウを1つ中止するだけでも莫大なショックなのである。

果たして私はこのショーの概要紹介を木曜日まで続けるべきなのかどうか。もちろん何か興味深いものが登場するか、イーロン・マスク氏が人のまばらなコンベンションセンターをホバーボードで飛び回る動画でもあれば別だが。しかし期待はしていない。

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カテゴリー:イベント情報
タグ:MWCMWC 2021Elon MuskHuawei

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ファーウェイがAndroidに代わるスマホ向けHarmonyOSを正式に発表

Huaweiコンシューマビジネスグループのソフトウェア開発担当プレジデントWang Chenglu(ワン・ チェンルー)氏

ハイパーコネクテッドな世界で生活していることを想像してみよう。中国の通信機器大手Huawei(ファーウェイ)独自のHarmonyOSは、デバイスを動かしているシステムにかかわらずすべてのデバイスに互換性を持たせることで、あるデバイスから別のデバイスに切り替えて使う際のユーザーエクスペリエンスの遅れやギャップをなくすことを目指している。

2019年にHuaweiは米国のエンティティリストに追加され重要なチップセットGoogleのAndroid開発者向けサービスなど米国のテクノロジーの利用が禁止されたが、エンティティリスト追加から2年経って、Androidに代わるHuaweiのスマートフォン向けオペレーティングシステムが発表された。

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米国時間6月2日、Huaweiは正式にスマートフォン向け独自オペレーティングシステムのHarmonyOSを発表した。同社は2016年にオペレーティングシステムの開発を開始し、2020年9月にはタブレット、電気自動車、スマートウォッチ向けにオープンソース化した。同社のフラッグシップデバイスであるMate 40などは同日からHarmonyOSにアップグレードできる模様で、今後数四半期でローエンドモデルにも順次HarmonyOSが搭載される。

Huaweiは、HarmonyOSはAndroidやiOSにとって代わるためのものではないとしている。むしろHarmonyOSのアプリケーションはもっと広範囲にわたり、スマートフォンやタブレットだけでなく、増えつつあるスマートデバイスでも動作する。そのため同社は、ハードウェアや家電メーカーがこのエコシステムに参加するように努めてきた。

これまでに50万以上の開発者がHarmonyOSベースのアプリケーションを開発している。GoogleやFacebookといった欧米の主力アプリのHarmonyOS版が開発されているかどうかは明らかになっていない。

一部の中国テック企業はHuaweiからの呼びかけに答えている。スマートフォンメーカーのMeizuは同社のWeiboアカウントで、同社のスマートデバイスがHarmonyOSに対応するかもしれないと示唆したMeizuよりかなり大手のOppo、Vivo、Xiaomiは、ライバルのオペレーティングシステムの採用にはおそらく抵抗があるだろう。

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HuaweiはHarmonyOSが動作するデバイスを1つのコントロールパネルにまとめようとしている。例えば、1台のテレビと複数のヘッドフォンのBluetooth接続をリモートでペアリングする。スマートフォンでプレイしていたゲームをシームレスにタブレットに引き継ぐ。ユーザーのスマートウォッチから収集したヘルスケアデータをもとにスマート豆乳ブレンダーがドリンクをカスタマイズする。

HarmonyOSが搭載されていないデバイスも、シンプルなプラグインでHuaweiのデバイスと通信できる。WindowsのノートPCにHarmonyOSのプラグインがインストールされていれば、PCに保存されている写真をHuaweiのスマートフォンに直接保存できる。ということは、Android、さらにiOSは、いつか共通の言葉でHarmonyOSと話せるようになるのだろうか。

来週にはAppleのWWDCが開催されるというタイミングで、HarmonyOSが発表された。Macrumorsが指摘したように、Appleの最近の求人情報には新しいコンセプトであると見られるhomeOSの記載があり、Appleのスマートホーム戦略と関連しているようだ。

Huaweiは、HarmonyOSがAndroidの派生であるという憶測を否定し、Androidのコードと同一のコードは1行もないと述べた。Huaweiの広報は、HarmonyOSがLinuxベースであるかどうかについてコメントを避けた。AndroidはLinuxカーネルをベースにしている。

テック大手数社が独自のモバイルオペレーティングシステムの導入を試みたことがあるが、成功しなかった。AlibabaはLinuxベースのAliOSを開発したが、長いことアップデートされていない。Samsungは独自のTizenを手がけたが、スマートテレビなどいくつかのIoT機器に搭載されるにとどまっている。

先行企業と比べると、Huaweiは開発者の関心を集められるかもしれない。米国政府によって重要なチップサプライヤーが遮断され、最先端スマートフォンの製造が阻害されかねない状況になって大きな市場を失ったにもかかわらず、Huaweiは今も中国最大のスマートフォンブランドの1つだ。Androidに不満を持つ開発者のニーズを捉えることができれば、HarmonyOSは開発者にとっての次の選択肢となるチャンスがある。

米国の制裁では、HuaweiがAndroidのオープンソースソフトウェアを使うことは禁止されていない。中国の大手スマートフォンメーカーは自社向けのAndroidオペレーティングシステムを開発するためにAndroidのオープンソースソフトウェアを使用している。しかし米国政府の禁止措置によってHuaweiのスマートフォンでGoogle Playのサービスを利用できなくなり、国外のコンシューマー市場としては終わりを告げられたようなものだった。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:HuaweiOSHarmonyOSスマートフォン中国

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(文:Rita Liao、翻訳:Kaori Koyama)

アップルの中国におけるスマホ売上回復、ファーウェイは王座を失う

中国におけるHuawei(ファーウェイ)のスマートフォンのライバルが、2020年失ったマーケットシェアを急速に奪い返しつつある。

マーケティングリサーチの企業Canalysの調査報告によると、2021年第1四半期で中国では9240万台のスマートフォンが購入され、トップのVivoは23%、姉妹企業Oppoは22%という僅差で2位になった。米国の制裁でサプライチェーンから重要なチップを失ったファーウェイは、スマートフォンの売り上げも落ち込み3位の16%に終わった。そしてXiaomiとApple(アップル)がそれぞれ4位と5位になった。

前年同期、すなわち2020年第1四半期と比べると、すべての大手スマートフォンブランドの中でファーウェイだけを除く全社がマーケットシェアを伸ばした。Appleの中華圏における売上はほぼ倍増し、2021年3月で終わる3カ月の売上は177億ドル(約1兆9287億円)となった。最新の決算報告によると、これまでのすべての四半期売上の中で断トツだ。

今週行われた決算報告でTim Cook(ティム・クック)CEOは「「iPhone 12ファミリーに対する中国のお客様の反応には特に満足しています。中国では、2020年の第2四半期に他の国よりも早くシャットダウンの段階に入ったことを忘れてはなりません。そのため、この四半期には比較的大きな影響を受けました。その点を考慮して結果を考慮する必要があります」と述べている

ファーウェイのシェアは同じ第1四半期で41%から16%へと落ち込んだが、通信機器大手である同社は主にコスト削減により利益率を上げている。2020年11月には低価格機Honorのラインを売却した

今期はまた、中国のスマートフォン市場が4年ぶりに成長した四半期でもある。Canalysによると、その成長率は27%だったという。

CanalysのアナリストであるAmber Liu(アンバー・リュー)氏は「有力ベンダーは市場トップを目指して競争しており、今期は2020年第1四半期、あるいは2020年第4四半期と比較しても、スマートフォンの発売数が異常に多かった。ファーウェイの制裁とHonorの売却は、消費者とチャネルが代替ブランドに対してよりオープンになる中で、この新しい市場成長の特徴となっています」と述べている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:HuaweiApple中国スマートフォンCanalysHonor

画像クレジット:Miguel Candela/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ファーウェイは自動車メーカーになることを否定し一次サプライヤーを目指す

ここ数カ月、中国のハイテク企業が次々と自動車分野への進出計画を発表している。検索エンジンを提供するBaidu(バイドゥ)をはじめとするインターネット企業の中には、自動車を生産するために従来の自動車メーカーと協力することを決断した例もある。Xiaomi(シャオミ)は(自社でスマートフォンを製造しているにもかかわらず、)ソフトウェアサービスで収益を上げるライトアセット企業であることを何年も強調してきたが、ここに来て自動車製造に参入する。業界関係者の間で次は誰かという話になれば、Huawei(ファーウェイ)の名前が挙がるのは当然だろう。

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通信機器やスマートフォンのメーカーであるHuaweiは、製造業としての歴史やサプライチェーン管理の経験、ブランド認知度、広大な小売ネットワークなどの点で、いくつかの純粋なインターネット企業よりも自動車の製造に適しているはずだ。しかし、同社は自動車ブランドを立ち上げるという報道を繰り返し否定し、Huaweiの役割は、自動車メーカーやOEM(相手先ブランドによる製造)企業の一次(ティア1)サプライヤーであることだとしている。

同社の輪番制会長であるEric Xu(エリック・シュー)氏は、最近、深圳で開催された同社の年次アナリスト会議で、Huaweiは自動車メーカーではない、と繰り返し述べている。

「2012年以来、中国の主要な自動車OEM企業の会長やCEO、ドイツや日本の自動車メーカーの幹部と個人的に関わってきた過程で、自動車業界にはHuaweiが必要だと気づきました。Huaweiのブランドが必要なのではなく、彼らは未来志向の自動車を作るために私たちのICT(情報通信技術)を必要としているのです」とシュー氏は語り、2018年に発案されたこの戦略に変わりはないという。

自動車の製造業は主に3つの役割で構成されている。1つ目はAudi(アウディ)、本田技研工業、Tesla(テスラ)といったブランド力のある自動車メーカー。間もなくApple(アップル)もここに名を連ねるであろう。そしてBosch(ボッシュ)やContinental(コンチネンタル)などの老舗やここで取り上げているHuaweiなど、自動車の部品やシステムを自動車メーカーに直接供給するティア1企業。さらにNVIDIA(エヌビディア)、Intel(インテル)、NXP(エヌエックスピー)などのチップサプライヤーで、業界のプレイヤーたちが高度な自律運転車に向けて邁進する現在、その役割はますます重要になっている。Huaweiも自動車用チップを自社で製造している。

中国でロボタクシーを開発するスタートアップの幹部は「Huaweiは、次世代のBoschになることを狙っています」と、匿名でTechCrunchに話す。

Huaweiは、ティア1サプライヤーとしての地位を明確にしていて、これまでにBAIC(北汽集団)、Chang’an Automobile(長安汽車)、Guangzhou Automobile Group(広州汽車集団)という3つの主要な顧客を獲得している。

「このような綿密な協力関係は、あまり多くはないでしょう」とシュー氏は断言する。

レベル4の自律走行は実現したか?

画像クレジット:Arcfox Alpha S

中国国営自動車メーカーBAIC傘下の新しい電気自動車ブランド、Arcfox(アークフォックス、極狐)は、現時間4月17日、(「Powered by Intel」ではなく)Huawei Insideの略語であるHuaweiの「HI」システムを搭載したAlpha Sモデルを初公開した。価格は38万8900~42万9900元(約650万~720万円)で、HuaweiのKirinチップを搭載したOS、HarmonyOS上で動作するアプリ、自動運転、急速充電、クラウドコンピューティングなど、Huaweiの機能を複数搭載している。

おそらく最も注目されるのはAlpha Sがレベル4を達成したことで、この点はHuaweiがTechCrunchに断言している。

ほとんどの場面で人間の介入を必要としない、つまりドライバーがハンドルから手を離してうたた寝することができることを意味する大胆な発言だ。

しかし、この主張にはいくつかの含みが残る。Huaweiの自律走行担当ゼネラルマネージャーであるSu Qing(スー・チン)氏は、最近のインタビューで、Alpha Sは「スキル」の面ではレベル4だが「法的」責任の面ではレベル2だと話している。中国では、安全運転者のいない自律走行車のテストが許可されているのは、制限された地域でごく少数の企業に限られており、都市部の道路を走る消費者向け無人走行車にはほど遠い。

結局、Huaweiの「レベル4」機能はデモの中で示されたに過ぎない。デモでは、Arcfoxの車両が(安全を確保するためにドライバーを乗せた状態とはいえ)人の介入なしに中国の混雑した都市を1000km走行している。この車の自動化を実現するのは、3つのLiDAR、6つのミリ波レーダー、13の超音波レーダー、12のカメラなどのセンサー群と、Huawei独自の自動運転用チップセットだ。

シュー氏はこの車の能力について「Teslaよりもはるかに優れている」と語る。

Huaweiの車両は、厳密な意味ではレベル4ではないという意見もある。この議論は、言葉の問題のようにも見える。

シュー氏は「あなたが今見ているHuaweiの車はレベル4であると断言できますが、あえてドライバーを乗せています」と話す。「レベル4のことは、あなたが長距離のMPI(Miles per intervention、ドライバーの介入を必要としない平均走行距離)を達成してから議論しましょう。これはただのデモです」。

前述のロボタクシー企業の幹部は「ドライバーを排除できなければ、レベル4ではありません」と主張する。「デモは簡単ですが、ドライバーの排除は非常に難しいのです」。

「Huaweiが主張するテクノロジーは、レベル4の自律走行ではありません」と、別の中国自律走行車スタートアップの役員は話す。「レベル4の現在の課題は、ドライバー不在にできるかどうかではなく、どうすれば常時ドライバー不在にすることができるか、ということです」。

レベル4であろうとなかろうと、Huaweiは自動車の未来への投資を止めるつもりはないようだ。シュー氏はアナリスト会議で、2021年はスマートカーの部品や技術に10億ドル(約1080億円)以上を投じる予定だと話している。

5Gの未来

5Gが無人運転車の開発を加速する上で重要な役割を果たすと考える人も多く、世界最大の通信機器メーカーであるHuaweiは、世界各地の5Gの展開で多くの利益を上げるだろう。しかし、シュー氏は、5Gは自動運転車にとって必須ではないと主張する。

「自律走行を実現するためには、クルマ自体が自律的である必要があります。つまり、外部からのサポートなしに車両が自律的に走行できなければならない、ということです」とシュー氏。

「自律走行のために5Gや5.5Gに完全に依存すれば、必ず問題が生じます。5Gの基地局に問題が起きたらどうなるか、想像してみてください。モバイルネットワーク事業者は、自社のネットワークをエリア全域に隈なく広げ、どのような状況でも絶対に問題が起こらないようにして、高いレベルの耐障害性を確保しなければなりません。モバイルネットワーク事業者にとっては非常に高いハードルとなり、非現実的です」。

Huaweiは、Boschの市場を乗っ取ることができれば、ティア1サプライヤーとしては十分に満足なのかもしれない。多くの中国企業が、将来の制裁を見越して、あるいは単に堅牢性に劣らない安価な代替品を求めて、欧米の技術サプライヤーから中国国内のサプライヤーへとシフトしている現在において、ArcfoxはHuaweiの自動車分野における野心の切っ先に過ぎない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:中国電気自動車Huawei自動運転5GBosch

画像クレジット:Baidu’s autonomous driving car

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(文:Rita Liao、翻訳:Dragonfly)

8580円の新スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の24時間常時計測に対応

税込8580円の新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の測定に対応ファーウェイが新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」を日本投入します。価格は税込8580円で近日発売します。

「HUAWEI Band 6」は、先代比で42%大型化した、大画面有機ELディスプレイを搭載。心拍数や血中酸素の測定に対応し、96種類の運動トラッキングモードを備えます。重量は18g(ベルト含まず)と軽量で、5気圧防水にも対応します。

心拍や血中酸素は24時間常時計測に対応するほか、睡眠中に装着すれば睡眠の質もトラッキングできます。ストレスモニタリングにも対応し、基準を上回った場合、呼吸トレーニングを促します。

ペアリング相手がAndroidスマートフォンであれば、着信や天気の確認、音楽再生コントロールが可能。また、ファーウェイ製の対応スマートフォンであればリモートシャッターも利用できます。

バッテリー寿命は最大2週間で、頻繁に使用しても10日間持続します。また、5分間の充電で2日間の動作が可能です。(いずれも公称値)

税込8580円の新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の測定に対応

運動時で汗が染み込まないシリコン製のバンドが付属。カラーバリエーションはサクラピンク・グラファイトブラック・アンバーサンライズ・フォレストグリーンの4色展開です。

いざ実機に触れてみたところ、ディスプレイが大型・かつ高精細で、スポーティーなスマートウォッチとしても十分に使えそうです。

税込8580円の新型スマートバンド「HUAWEI Band 6」日本上陸、心拍数や血中酸素の測定に対応

発売日はグラファイトブラック・サクラピンクが近日、フォレストグリーン・アンバーサンライズが5月以降です。

(Source:ファーウェイ・ジャパンEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ウェアラブルデバイス(用語)ガジェット(用語)スマートウォッチ(用語)Huawei / ファーウェイ(企業)日本(国・地域)

スマホ事業不振のHuaweiはIoTに活路を見出そうとしている

米国・中国間の貿易摩擦に苦しんでいるHuawei(ファーウェイ)は、中国内外の多くのハードウェアメーカーに対抗することになる、他のスマートデバイスでの機会模索を余儀なくされている。

中国テック大手Huaweiの2020年の売上成長は緩やかなものとなり、わずか3.8%増の8914億元(約15兆435億円)で、純利益は3.2%増の646億元(約1兆895億円)だった。こうした決算内容はHuaweiの予測と一致した、と同社は現地時間3月31日に深圳で開いた年次報告会で述べた。報告会は上場していない企業の内情を垣間見る稀な機会だ。

決算の数字を比較すると、Huaweiの売上高は2019年に19%、2018年に19.5%成長していた。

2020年の減速は主に、米国が核となるチップセットの同社への輸出と消費者にとって重要なGoogleサービスの提供を禁止したのち、中国外でのスマートフォン売上高がスランプに陥ったことだ。しかしこうした困難な状況は、同社が事業を多様化し、スマホ事業の損失を相殺するペースを加速させてきた。

過去2年間、HuaweiはAR / VRヘッドセット、タブレット、ラップトップ、テレビ、スマートウォッチ、スピーカー、ヘッドフォン、車載システムなど多数のスマートデバイスでの取り組みを増やしてきた。

世界中でスマート車両がブームとなっているなか、特に同社の車産業への進出はかなり脚光を浴びた。ロイターはこのほど、Huaweiが独自ブランドの車を生産すると報じている。この件について同社は否定している。今日の年次報告会で同社の輪番会長Ken Hu(ケン・フー)氏は、Huaweiが独自の強みを発揮し、車載オペレーティングシステムやスマートコックピットなど特定の構成要素やサービスを供給するだけだと繰り返した。

Huaweiのコネクテッドプロダクトの基盤はXiaomi(シャオミ)のスマホとOSを中心としたIoT戦略を彷彿とさせる。両社の違いは、Huaweiは通信インフラのサプライヤーでもあるということだ。

英国などいくつかの国で、5G推進計画からHuaweiを除外する動きがあるにもかかわらず、Huaweiの通信部門の2020年売上高は前年と同程度だった。新型コロナウイルスパンデミックが通信事業にとってプラスに作用し、人々が家から働いたり教育を受けたりしたのにともない、ネットワークソリューションに対する世界の需要が高まった、とフー氏は述べた。

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HuaweiのIoT推進では初期の牽引力を示したが、競争は激しい。スマートウォッチが2020年の売上高に主に貢献したもの1つだった、と同社は話した。

グローバルではApple(アップル)がウェアラブル部門のトップで、調査会社IDCによると、Appleの2020年のマーケットシェアは34.1%だった。Huaweiはシェア9.8%で3位につけているが、国内のライバルXiaomiのシェアは11.4%と後塵を拝している。

全体的にHuaweiは2020年に成長を維持するために国内マーケットに大きく依存していた。国別では総売上高の65.5%を中国が占め、前年比15.4%増だった。一方、欧州、中東、アフリカの売上高は12.2%減、中国以外のアジアは8.7%減、北米・南米は24.5%減だった。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Huawei中国決算発表

画像クレジット:Ken Hu, Huawei’s rotating chairman

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

ファーウェイが新型折り畳みスマートフォン「Mate X2」を中国で発表、約29.3万円から

Huawei(ファーウェイ)が最初に発売した折り畳み式スマートフォンは、遠い記憶のもののようだ。2019年2月に発表されたのだが、同時期に折り畳み式スマートフォンを発表したSamsung(サムスン)が、その革新的なフォームファクターによる独自の問題にぶつかったことが相次いで報じられたため、Huaweiも発売を延期したのだ。

Huawei初の折り畳み式スマートフォンであるMate Xは、ジャーナリストの間で評判が良かった。筆者は中国にある同社のHQで触れる機会を得て、その製造品質に感銘を受けた。しかし、さまざまな理由で中国国外では市場に出てこなかった。そして今回新たに発表された「Mate X2」が、同様の運命を辿るのではないかと思われるいくつかの理由がある。

この新型スマートフォンは、すでにSamsungの初期モデルで見たことがある特徴を備えている。正直にいって、それは間違いないことだ。このMate X2のフォームファクターは、デザインの観点から、その先代機よりも、Galaxy Fold(ギャラクシー・フォールド)との共通点がはるかに多いように思える。Samsungのモデルは波乱の幕開けとなったが、同社は公然の試行錯誤を経て、折り畳み式スマートフォンをかなりまともな製品に仕上げた最初のメーカーでもあった。

Samsung同様、Huaweiは改善されたヒンジ機構をこのモデルの大きなセールスポイントとしている。これは他のデバイスに差をつける、本モデルの重要な基幹だ。しかしヒンジは、この種のデバイスにおける主なウイークポイントの1つでもあることが証明されている。メーカーが水面下でどれだけテストしても、現実の世界における使い方をすべてカバーできるわけではない。

関連記事:ファーウェイが折り畳み型Mate Xの改良版の発売を計画中

その最も重要なポイントである折り畳み式ディスプレイは8インチで、本体外側には6.45インチのディスプレイがある。どちらもGalaxy Fold 2(それぞれ7.6と6.2インチ)より少しずつ大きい。画像で見た限りだと、フロントスクリーンは筐体のほとんど全面を占めており、細いベゼル(縁)と小さなカメラの切り欠きがあるだけだ。5Gに対応し、Huawei独自のKirin 9000チップセットと4400mAhのバッテリーが組み合わされている。

システムソフトウェアには、もちろん、かなり重要な機能が欠けている。Huaweiが米国商務省のブラックリストに載せられているためだ。同社はAndroid 10をベースにした独自UI「EMUI 11.0」をプッシュしており、おそらくOSはAndroidの代わりにHuawei独自のHarmonyOSを搭載することになるだろう。同社は近年、米中緊張の火種になる可能性が高いとの認識から、自社製OSの開発を進めてきた。

まだ我々はその完全版を見たわけではないが、12年の歴史を持つGoogleのモバイルOSと同じくらいの完成度や堅牢性を持っているとは考えにくい。Google製のさまざまなアプリを有しないのはいうまでもない。

Mate X2は2月25日に中国で発売される予定で、価格は1万7999元(約29万3000円)からとなっている。

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タグ:折り畳みスマートフォンHuawei

画像クレジット:Huawei

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ファーウェイが米商務省による「安全保障上の脅威」指定をめぐり提訴

今週初め、Huawei(ファーウェイ)のRen Zhengfei(任正非)CEOは、同社が望む米国の新政権との会談について、やや外交的な発言をした。このハードウェアの巨人はまた、FCC(米連邦通信委員会)が同社を国家安全保障上の脅威として指定したことに異議を唱え、あまり互譲的ではない路線をとっている。

Huaweiは今週、米国第5巡回区控訴裁判所に提訴し、FCCの裁定を「恣意的、気まぐれ、裁量の乱用であり、実質的な証拠に支えられたものではない」と主張した。

このスマートフォンメーカーと中国政府との関係には長年疑惑が渦巻いていたが、米国はDonald Trump(ドナルド・トランプ)政権時代にHuaweiに対する行動を大幅に硬化させていた。米国政府は、実質的に同社を狙い撃ちするための多くの路線を敷いてきた。中でも特筆すべきは、米商務省が同社を「Entity List(エンティティリスト)」に記載し、米国企業との取引を事実上禁止したことだ。

関連記事:ファーウェイCEOはバイデン新大統領との会談を歓迎

Huaweiは米国の政権移行を、権力者による再評価を受ける機会と捉えているようだ。同社は長い間、スパイ行為やその他の安全保障上の容疑を否定してきた。「私が歓迎するのは、共同開発や成功の共有を回復させる電話やメッセージです」と、今週初めに任氏はJoe Biden(ジョー・バイデン)大統領との会談を熱望していることをメディアに語った。「米国は経済成長を望んでおり、中国も同様に経済成長を望んでいます」。

しかし、FCCの広報担当者は、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)における声明の中で、2020年の決定に固執し「FCCは2020年、当委員会と多数の米国の国家安全保障機関によって示された実質的な証拠に基づき、Huaweiを国家安全保障上の脅威として特定する最終的な指定を発行しました。我々はその決定を引き続き守っていくつもりです」と述べている。

関連記事:バイデン政権のジーナ・ライモンド商務長官にはファーウェイをエンティティリストから外す理由がない

これまでのところ、バイデン政権はHuaweiに対する規制を緩和する計画を示していない。共和党議員の反対に対し、商務長官に指名されたGina Raimondo(ジーナ・ライモンド)氏は、「これらのリストに記載されている企業を、記載されるべきではないと考える理由は現在のところありません」と強調し、「もし承認されたら、これらの企業や懸念される他の企業についての説明が設けられる機会を楽しみにしています」と述べた。

バイデン政権は、トランプ政権時代に行われた中国企業に対する他の措置を見直しているようだ。なお、ホワイトハウスが安全保障上の懸念を再評価している間、計画されていたTikTok(ティックトック)の米国事業の強制売却は保留されている。

関連記事:TikTok米国事業のオラクルへの強制売却が棚上げ

カテゴリー:ハードウェア
タグ:HuaweiJoe BidenアメリカエンティティリストFCC裁判

画像クレジット:VCG / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ファーウェイCEOはバイデン新大統領との会談を歓迎

中国で行われたジャーナリストの集会で、Ren Zhengfei(任正非、レン・チョンフェイ)氏はJoe Biden(ジョー・バイデン)氏が第46代米国大統領に就任して以来初めて公の場で発言を行った。CNBCなどが報じたコメントの中で、Huawei(ファーウェイ)のCEOはテーブルに集まった人々に希望に満ちた口調で語った。

任氏は「私はそのような電話会談を歓迎しますし、共同開発と共有の成功へのメッセージの用意があります」と述べ、新政権との対話の用意があると発言した。「米国は経済成長を望んでおり、中国も同様に経済成長を望んでいます」。

米国でのHuaweiの未来は、新政権にとって大いな疑問符となっている。トランプ政権下では、米商務省のいわゆる「エンティティリスト」に多数の有名中国企業が追加され、さまざまな効果を上げた。Huaweiはこの動きで最も大きな打撃を受けている。

Huaweiは世界第3位のスマートフォン市場での販売を阻止しているだけでなく、Google(グーグル)を含む米国の主要企業と連携できていない。その結果、Androidのエコシステムを含む主要技術へのアクセスがブロックされ、Huaweiは混乱状態に陥った。中国国内では同社への支持が消費者の間で高まっているが、この動きはHuaweiの収益に大きな打撃を与えている。

バイデン次期政権はこの件について、ほとんど口をつぐんでいる。しかし、米商務長官候補のGina Raimondo(ジーナ・ライモンド)氏は共和党議員からの批判が高まっていることを受け、「これらのリストに記載されている企業が存在してはならないと考える理由は、今のところありません。もし承認されれば、これらの企業や懸念される他の企業とのブリーフィングを楽しみにしています」と述べている。

Huaweiにとってこれまでのところ良い兆候はあまりないが、同社のCEOは当然のことながら、新政権と仲良くすることを望むだろう。

任氏は翻訳されたコメントの中で「Huaweiの生産能力を拡大できれば、米国企業にとっても供給機会が増えることになります」と述べた。「私はそれがお互いにとって有益であると信じています。新政権が新しい政策を決定しようとしている中、このようなビジネス上の利益を念頭に置いてくれると信じています」。

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画像クレジット:FABRICE COFFRINI/AFP/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

バイデン政権のジーナ・ライモンド商務長官にはファーウェイをエンティティリストから外す理由がない

Huawei(ファーウェイ)の米国における立場は、Joe Biden(ジョー・バイデン)新政権の上空を漂う多くの疑問符の1つだ。このスマートフォンメーカーは、トランプ氏の4年間の在任中、米商務省の「エンティティリスト(禁輸企業リスト)」に載せられた数多くの中国企業に含まれる。

バイデン大統領が商務長官に指名したGina Raimondo(ジーナ・ライモンド)氏が述べた見解は、新政権下における同社の今後を占う上で、現時点における最も明確な見方の1つとなり得るものを提示した。共和党上院議員からの質問に答えて、元ロードアイランド州知事のライモンド氏は、バイデン政権はファーウェイをブラックリストから急いで外すことはないだろうと示唆している。

共和党の下院議員たちは米国時間2月2日の共同声明で、ファーウェイのような企業に対する、まだ明らかでなかったライモンド氏の姿勢に対して懸念を表明している。「我々は、ファーウェイがエンティティリストに残ることを求めていたこれらの上院議員がその原則を遵守して、ファーウェイに関する意図を明らかにし、大量虐殺を行い、我が国の国家安全保障を脅かしている国に対する輸出管理政策を明らかにするまで、自らの原則を守り、ライモンド氏の承認を保留することを強く求めます」と述べている。

ブルームバーグの記事によるとライモンド氏は次のように答えている。

「一般的にその企業が、米国の国家安全保障や外交政策の利益にリスクをもたらすために、エンティティリストと軍のエンドユーザーリストに掲載されることを理解している。現在のところ、これらのリストに記載されているエンティティがそこにあるべきではないと信じる理由がない。商務長官として承認されれば、これらの法人実体とその他の懸念材料に関してブリーフィングを行いたい」。

この声明は、少なくとも閣僚指名者からの声明としては決定的なものが何もない。確かに、この問題に関してトランプ元大統領時代の姿勢からラジカルな変化はない。ファーウェイがリストに追加されたのは2019年で、同社はそれまで長期にわたって安全保障とスパイ行為の懸念で非難を浴びてきた。またファーウェイは、中国政府とのさまざまな結びつきがある。

当時の商務省は、こう書いていた。

ファーウェイは、国際緊急経済権限法(IEEPA)違反の疑い、イランに禁止されている金融サービスを提供することによるIEEPA違反の陰謀、米国の制裁違反の疑いの調査に関連した司法妨害など、米国の国家安全保障または外交政策に反する活動に従事していると同省が結論づけた後、企業リストに加えられた。

トランプ政権は中国のテクノロジー企業をブラックリストに載せることに意外なほど熱心で、これによりファーウェイの経営はすでに大きな影響を受けている。ドローン大手のDJIとAI企業のSense Timeもリストに載り、政権の末期にはXiaomiが別の軍事ブラックリストに追加された。

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タグ:Huaweiアメリカ中国エンティティリスト

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Chromebookの2020年出荷数がコロナ禍の需要増により前年比2倍以上に

Chromebookの2020年出荷数がコロナ禍の需要増により前年比2倍以上に

2020年の春は、パンデミックにより在宅勤務や自宅学習が一般化するのに伴いPCの需要が急造。日本でもノートPCが品薄になるなどの影響が出ていました。これは世界的なものだったようで、とくにChromebookの需要が急増し、2019年から倍増するほどの勢いだったことが市場調査の結果から明らかになりました。

市場調査会社のCanalysによると、2020年の全世界でのChromebook出荷台数は3060万台で、2019年の1470万台から倍以上に急増したとのこと。もっとも出荷を伸ばしたのはSamsungで、その数は実に前年比の4倍です。ただし、数値自体は190万台とこちらは控えめです。このほか、Lenovoも2.8倍となる680万台と、好調でした。

いずれのメーカーも、出荷台数を大幅に伸ばしたのは第4四半期。この期間に限れば、Lenovoの出荷台数は前年同期比で1766%と驚異的な数値になっています。

これは、パンデミックの第2波により、多くの国や地域で遠隔学習が余儀なくされた結果だとCanalysでは分析しています。Chromebookは米国や欧州で教育向けデバイスとして人気が高く、また、多くの政府が、学生1人に対して1台になるよう目指しているとのことで、2021年もChromebookの需要は続くだろうと予想しています。

なお、タブレットもChromebookほどではないものの需要が増加。こちらも第4四半期に急増しており、iPadの出荷台数は1920万台に。これは2014年第4四半期以来の高水準だったとのこと。

こちらはSamsungやLenovoも第4四半期に順調に出荷台数を伸ばしていますが、トップ5では唯一、Huaweiのみが出荷台数を減らしています。

2020年全体では、タブレットの出荷台数は1億6060万台。市場が大きく、成長率こそ低くなっているもののその数はChromebookの約5倍で、身近なデジタルデバイスとしてはまだまだタブレット人気が強い様子がうかがえます。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:iPad(製品・サービス)Chromebook(製品・サービス)Samsung / サムスン(企業)新型コロナウイルス(用語)Huawei / ファーウェイ(企業)Lenovo / レノボ(企業)

中国におけるファーウェイのスマホシェアが急低下、米制裁の影響如実に、アップルはじめライバルには追い風

米政府による制裁は引き続きHuawei(ファーウェイ)にダメージを与え続けており、中国最大のスマートフォンメーカーである同社の同国でのスマートフォン出荷の勢いを削いでいることがCanalysの最新レポートで明らかになった。しかしHuaweiの出荷減はApple(アップル)含む主要ライバル企業にとっては新たなチャンスとなっている。

iPhone 11とiPhone 12のおかげで、Appleの中国での2020年第4四半期業績はここ数年の中で最高だったとCanalysは指摘する。通年の出荷台数は2018年の水準に戻り、四半期としてはiPhone 6sがローンチされた2015年第4四半期以来、最も多くなった。

2020年の中国における全スマホ出荷台数は前年比11%減の3億3000万台で、Huaweiが新たな端末を出荷できないことがマーケット回復を妨げた。Huaweiデバイスに対する中国国内の需要は依然として大きいものの、同社は米国企業との取引を禁止するトランプ政権時の米政府による制裁への対応に苦慮し、新たなチップを確保する能力が著しく落ちた。

2020年5月、HuaweiのGuo Ping(グオ・ピン)輪番会長は、集積回路のような半導体部品をデザインできても「他の多くをこなすことはできない」と述べている。

そうした事情で、同社は自社デバイスに対する需要に対応することができない。しかしこれはライバル企業にとって新たなチャンスとなっている、とCanalysのモビリティ担当副社長Nicole Peng(ニコール・ペン)氏はレポートに書いた。「Oppo(オッポ)、Vivo(ビボ)、Xiaomi(シャオミ)は過疎地を含め中国各地にあるHuaweiの実在店舗パートナーを獲得しようと争っています。そうしたパートナー企業は店舗拡大やマーケティング支援で莫大な投資を受けてきました。こうした投資は迅速に結果をもたらし、マーケットシェアはものの数カ月で改善しました」。

AppleもHuawei減速の恩恵を受けた。というのもHuaweiのMateシリーズは高価格カテゴリーにおけるiPhoneの主要ライバルであり、第4四半期に出荷されたMateはわずか400万台だったとCanalysの調査アナリストAmber Liu(アンバー・リュー)氏は書いている。「さまざまなeコマースサイトでの積極的なオンライン販促、広く利用できるトレードインプラン、大手銀行との手数料なし分割払いなどがAppleの輝かしい業績につながりました」。

2020年第4四半期の中国本土のスマホ出荷台数は前年比4%減の8400万台だった。Huaweiは出荷台数では1位の座を守ったが、マーケットシェアは前年の41%から22%に急激に縮小した。出荷台数はわずか1880万台で、ここには低価格ブランドHonorの台数も含まれる。Huaweiは2020年11月にHonorの売却で合意している。

中国におけるトップ5のスマートフォンメーカーの出荷台数(画像クレジット:Canalys)

一方、Huaweiの主なライバル企業は軒並み2020年第4四半期に出荷台数を増やした。Oppoが第2位で、出荷台数は前年同期比23%増の1720万台だった。Oppoと熾烈な争いを繰り広げているVivoは1570万台だった。Appleは1530万台超を出荷し、マーケットシェアは前年同期の15%から18%に増やした。トップ5に入り込んだXiaomi(シャオミ)は1220万台を出荷し、この数字は前年同期比52%増だった。

Honorを売却するというHuaweiの決断は、Honorがすでに消費者に認識されているブランドであるため、Honorが2021年にマーケットシェアを急拡大させることを意味する、とペン氏は書いている。5Gもまた中国のスマホ出荷、特にプレミアムモデルの出荷を後押しすると予想されている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Huaweiスマートフォン中国

画像クレジット:Barcroft Media / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi)

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iPhone 11とiPhone 12のおかげで、Appleの中国での2020年第4四半期業績はここ数年の中で最高だったとCanalysは指摘する。通年の出荷台数は2018年の水準に戻り、四半期としてはiPhone 6sがローンチされた2015年第4四半期以来、最も多くなった。

2020年の中国における全スマホ出荷台数は前年比11%減の3億3000万台で、Huaweiが新たな端末を出荷できないことがマーケット回復を妨げた。Huaweiデバイスに対する中国国内の需要は依然として大きいものの、同社は米国企業との取引を禁止するトランプ政権時の米政府による制裁への対応に苦慮し、新たなチップを確保する能力が著しく落ちた。

2020年5月、HuaweiのGuo Ping(グオ・ピン)輪番会長は、集積回路のような半導体部品をデザインできても「他の多くをこなすことはできない」と述べている。

そうした事情で、同社は自社デバイスに対する需要に対応することができない。しかしこれはライバル企業にとって新たなチャンスとなっている、とCanalysのモビリティ担当副社長Nicole Peng(ニコール・ペン)氏はレポートに書いた。「Oppo(オッポ)、Vivo(ビボ)、Xiaomi(シャオミ)は過疎地を含め中国各地にあるHuaweiの実在店舗パートナーを獲得しようと争っています。そうしたパートナー企業は店舗拡大やマーケティング支援で莫大な投資を受けてきました。こうした投資は迅速に結果をもたらし、マーケットシェアはものの数カ月で改善しました」。

AppleもHuawei減速の恩恵を受けた。というのもHuaweiのMateシリーズは高価格カテゴリーにおけるiPhoneの主要ライバルであり、第4四半期に出荷されたMateはわずか400万台だったとCanalysの調査アナリストAmber Liu(アンバー・リュー)氏は書いている。「さまざまなeコマースサイトでの積極的なオンライン販促、広く利用できるトレードインプラン、大手銀行との手数料なし分割払いなどがAppleの輝かしい業績につながりました」。

2020年第4四半期の中国本土のスマホ出荷台数は前年比4%減の8400万台だった。Huaweiは出荷台数では1位の座を守ったが、マーケットシェアは前年の41%から22%に急激に縮小した。出荷台数はわずか1880万台で、ここには低価格ブランドHonorの台数も含まれる。Huaweiは2020年11月にHonorの売却で合意している。

中国におけるトップ5のスマートフォンメーカーの出荷台数(画像クレジット:Canalys)

一方、Huaweiの主なライバル企業は軒並み2020年第4四半期に出荷台数を増やした。Oppoが第2位で、出荷台数は前年同期比23%増の1720万台だった。Oppoと熾烈な争いを繰り広げているVivoは1570万台だった。Appleは1530万台超を出荷し、マーケットシェアは前年同期の15%から18%に増やした。トップ5に入り込んだXiaomi(シャオミ)は1220万台を出荷し、この数字は前年同期比52%増だった。

Honorを売却するというHuaweiの決断は、Honorがすでに消費者に認識されているブランドであるため、Honorが2021年にマーケットシェアを急拡大させることを意味する、とペン氏は書いている。5Gもまた中国のスマホ出荷、特にプレミアムモデルの出荷を後押しすると予想されている。

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タグ:Huaweiスマートフォン中国

画像クレジット:Barcroft Media / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi)

2021年スマートフォン市場がゆっくり回復するもファーウェイに恩恵なしとTrendForceが予測

陰鬱な年を経て、2021年、世界のスマートフォン市場はゆっくりと回復を始めると、TrendForce(トレンドフォース)は予測する(TrendForceリリース)。しかし、Huawei(ファーウェイ)はその恩恵にあずかることができないどころか、同調査会社が作成した生産台数による世界のスマートフォンメーカー上位6社のリストから脱落するという。

2020年、世界のスマートフォン生産量は前年比で11%低下し、12億5000万台だった。2021年は古い機種の買い換えで新興市場での需要が高まることから、9%増加して13億6000万台になるとTrendForceは見ている。しかし、そんなささやかな回復ですら、経済と現在ほぼ全世界の電子機器業界に生産の遅延をもらしている世界的なチップ不足(Reuters記事)に、パンデミックがこのまま影響をおよぼし続けるか否かによって左右される状況にある。

2020年、生産台数トップ6のブランドは、Samsung(サムスン)、Apple(アップル)、ファーウェイ、Xiaomi(シャオミ)、OPPO(オッポ)、Vivo(ヴィーヴォ)だった。だが2021年は、このランキングからファーウェイが脱落し、新トップ6はSamsung、アップル、Xiaomi、OPPO、VivoそしてTranssion(トランシオン)になるとTrendForceは予測した。

この6社は、2021年には世界のスマートフォン市場の80%を占め、ファーウェイは7位に落ち込むと見られている。

ファーウェイ脱落の主な原因は、格安スマートフォンブランドのHonor(オナー)の売却だ。ファーウェイは2020年11月、Honorを企業コンソーシアムに売却し、その部門のサプライチェーンを米国政府の取引制限による打撃から保護する計画があることを認めた。

Honorの独立は、ファーウェイの事業に損害を与えた制裁から同ブランドを守るための対策だ。しかし「新しいHonorがファーウェイの支援なしに消費者の関心を集められるか否かは未知数であり、しかもファーウェイと新しいHonorは、Hoaweiへの米国の制裁が解かれた将来、互いに直接競い合う関係になる」とTrendForceの報告書は伝えている。

Honor売却が発表された直後に公開された前回の報告書では、その取引が、世界的なチップ不足と相まって、2019年には17%、2020年には14%と見積もられていたファーウェイの市場占有率を、2021年にはわずか4%にまで落ち込ませるとTrendForceは予測していた。ファーウェイのハイエンドスマートフォンのシェアの一部はアップルが奪取を目論んでいる。Xiaomi、OPPO、Vivoもその恩恵に浸ろうとしている。独立したてのHonorは、2021年には2%の市場占有率を獲得するとTrendForceは見積もっている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートフォンHuawei中国

画像クレジット:Barcroft Media / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)