バイデン政権のジーナ・ライモンド商務長官にはファーウェイをエンティティリストから外す理由がない

Huawei(ファーウェイ)の米国における立場は、Joe Biden(ジョー・バイデン)新政権の上空を漂う多くの疑問符の1つだ。このスマートフォンメーカーは、トランプ氏の4年間の在任中、米商務省の「エンティティリスト(禁輸企業リスト)」に載せられた数多くの中国企業に含まれる。

バイデン大統領が商務長官に指名したGina Raimondo(ジーナ・ライモンド)氏が述べた見解は、新政権下における同社の今後を占う上で、現時点における最も明確な見方の1つとなり得るものを提示した。共和党上院議員からの質問に答えて、元ロードアイランド州知事のライモンド氏は、バイデン政権はファーウェイをブラックリストから急いで外すことはないだろうと示唆している。

共和党の下院議員たちは米国時間2月2日の共同声明で、ファーウェイのような企業に対する、まだ明らかでなかったライモンド氏の姿勢に対して懸念を表明している。「我々は、ファーウェイがエンティティリストに残ることを求めていたこれらの上院議員がその原則を遵守して、ファーウェイに関する意図を明らかにし、大量虐殺を行い、我が国の国家安全保障を脅かしている国に対する輸出管理政策を明らかにするまで、自らの原則を守り、ライモンド氏の承認を保留することを強く求めます」と述べている。

ブルームバーグの記事によるとライモンド氏は次のように答えている。

「一般的にその企業が、米国の国家安全保障や外交政策の利益にリスクをもたらすために、エンティティリストと軍のエンドユーザーリストに掲載されることを理解している。現在のところ、これらのリストに記載されているエンティティがそこにあるべきではないと信じる理由がない。商務長官として承認されれば、これらの法人実体とその他の懸念材料に関してブリーフィングを行いたい」。

この声明は、少なくとも閣僚指名者からの声明としては決定的なものが何もない。確かに、この問題に関してトランプ元大統領時代の姿勢からラジカルな変化はない。ファーウェイがリストに追加されたのは2019年で、同社はそれまで長期にわたって安全保障とスパイ行為の懸念で非難を浴びてきた。またファーウェイは、中国政府とのさまざまな結びつきがある。

当時の商務省は、こう書いていた。

ファーウェイは、国際緊急経済権限法(IEEPA)違反の疑い、イランに禁止されている金融サービスを提供することによるIEEPA違反の陰謀、米国の制裁違反の疑いの調査に関連した司法妨害など、米国の国家安全保障または外交政策に反する活動に従事していると同省が結論づけた後、企業リストに加えられた。

トランプ政権は中国のテクノロジー企業をブラックリストに載せることに意外なほど熱心で、これによりファーウェイの経営はすでに大きな影響を受けている。ドローン大手のDJIとAI企業のSense Timeもリストに載り、政権の末期にはXiaomiが別の軍事ブラックリストに追加された。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Huaweiアメリカ中国エンティティリスト

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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