家具サブスクのsubsclifeが約30億円を調達、シェア拡大に向けた施策を加速

家具・家電サブスクのsubsclifeが30億円を調達、シェア拡大に向けた施策を加速

subsclife(サブスクライフ)は、9月14日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、約30億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は複数のファンド、事業会社および既存株主の10社。今回の調達により、家具のサブスクリプションサービス「subsclife」のシェア拡大に向けた施策を加速させる。

家具・家電サブスクのsubsclifeが30億円を調達、シェア拡大に向けた施策を加速

  • 第三者割当増資引受先: YJキャピタル、エニグモ、ユナイテッド、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号:グローバル・ブレイン)、ダブルシャープ・パートナーズ、SMBCベンチャーキャピタル、セゾン・ベンチャーズ、三菱UFJキャピタル
  • 既存株主による第三者割当増資引受先: XTech Ventures、サイバーエージェント・キャピタル

2016年11月設立のsubsclifeは、 「家の中を、世界一、豊かな国へ。」をビジョンに掲げ、暮らしにサブスクという新しい選択肢を提供するスタートアップ企業。価値あるモノとそれを支える方々を大切にし、サブスクで提供することで、より消費者に提供しやすい仕組みを実現していくとしている。

またsubsclifeは、subscription(定期購買)+life(暮らし)の造語で、月額制で必要な時に、必要な分だけ、暮らしに必要なモノを利用できるサービスとなっている。

同サービスは、初期費用を大幅に軽減した上で新品かつデザイン性の高い家具・家電を利用できるほか、気に入ったら買い取ることも可能。レンタルは使い続けると商品価格を超えるが、subsclifeでは、使い続けても商品価格を超えない月額料金を設定したという。さらに、利用時の傷などの保証付きで安心して利用できるとしている。

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AIヘッドハンティング「LAPRAS SCOUT」のLAPRASが3.5億円を調達、ビジネス体制と新規開発リソース強化

AIヘッドハンティング「LAPRAS SCOUT」展開のLAPRASが3.5億円を調達、既存ビジネス体制と新規開発リソース強化

登録不要のエンジニア向けAIヘッドハンティングサービス「LAPRAS SCOUT」を展開するLAPRASは9月14日、第三者割当増資による3.5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はウィルグループ HRTech2号投資事業有限責任組合。

調達資金は、個人向けのスキル可視化・ポートフォリオサービスの「LAPRAS」、企業向けのエンジニア・ヘッドハンティングサービス「LAPRS SCOUT」のプロダクト開発を強化するための人材投資、また順調に成長するプロダクトのプロモーション、転職エージェントが行っていたキャリアマッチングをウェブ上で自動化するシステム「Matching Intelligence」(β版)をはじめ、新規開発リソースに活用する予定。

既存ビジネスの体制強化とともに、新規プロダクトも同時に進めるため、大きなリソース拡充に資金を投下するとしている。

LAPRASは、「あらゆる選択肢から、その人が最も幸せになれる選択肢をマッチングするシステムを創る」というミッションのもと、LAPRAS、LAPRAS SCOUT、フリーランス・副業エンジニア採用サービスの「LAPRAS Freelance」を運営。LAPRASは、2019年4月公開から1年余りで登録者数1万人となり、LAPRAS SCOUTも累計導入社数250社超となっているという。

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スキマ時間バイトアプリのタイミーが13.4億円を調達、企業向け営業・新規ユーザー獲得のマーケティングなど拡充

スキマ時間バイトアプリのタイミーが13.4億円を調達、企業向け営業・新規ユーザー獲得のマーケティングなど拡充

空き時間に面接不要ですぐに働け、勤務終了後すぐお金を受け取れるスキマ時間バイトアプリ「タイミー」(iOS版Android版)提供のタイミーは9月14日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、13.4億円の資金調達を2020年9月までに実施したと発表した。引受先はプロロジス、肥銀ベンチャー投資有限責任組合、肥銀キャピタル、近鉄ベンチャーパートナーズ、ミクシィ、global bridge HOLDINGS 、コロプラネクスト3号ファンド投資事業組合、そのほか個人投資家複数名。

調達した資金は、主に企業向け営業費用、新規ユーザー獲得に向けたマーケティング費用、プロダクトの機能拡充、採用にあてる予定。

タイミーは、「この時間なら働ける」人と「この時間だけ働いてほしい」企業をつなぐスキマバイトアプリ。働き手は応募や面接がなく、働きたい案件を選ぶだけですぐに働くことができ、勤務終了後すぐにお金を受け取れる。企業は来てほしい時間や求めるスキルを登録するだけで、条件にあった働き手との自動マッチングを行える。

スキマ時間バイトアプリのタイミーが13.4億円を調達、企業向け営業・新規ユーザー獲得のマーケティングなど拡充

新型コロナウイルス感染症の拡大により収入源を絶たれた求職者の働き先を増やすことは喫緊の課題になっている一方、物流業界など一部業界では以前に増して人手不足が深刻な状況だという。この状況下において多くの雇用を生み出し、人手を求める企業と働き先を求める求職者に貢献を目指し、今回の資金調達に至ったとしている。

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ビデオによる採用面接サービスのWilloが需要増を受け3400万円調達

スコットランドはグラスゴーに拠点を置くビデオインタビューのスタートアップWillo(ウィロー)がシードラウンドで25万ポンド(約3400万円)を調達した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるロックダウン中にQ&Aスタイルの非同期性ビデオプラットフォームに対する需要の増大を受けてのものだ。

本ラウンドでは、ガーンジー島拠点のVCファームである1818 Venture Capitalが投資するともに、Willo役員メンバーのSteve Perry(スティーブ・ペリー)氏、Stefan Ciecierski(ステファン・チェセールスキー)氏、Peter Preston(ピーター・プレストン)氏も小規模の資本を投じた。

Willoは2018年に設立された。英国が新型コロナの感染拡大を抑えようと全国的なロックダウン措置を取った4月以降、同社のSaaSプラットフォームの使用は毎月80%増加していると話す。

顧客はまた、パンデミックでリモートワークが加速するにつれ、レビューやトレーニング、L&Dなどビデオインタビュー以外でもWilloを活用するようになった。

「当社は60カ国超にユーザー1000人を抱える。今月はこれまでの倍のスピードで成長している」とCEOで創業者のEuan Cameron(ユーアン・キャメロン)氏は話す。「ターゲットとしているのは主に人材採用、顧客リサーチ、L&D、ボランティアを抱える非営利団体などだ」

シードラウンドで得た資金は国際展開の加速にあてられる。また社員を24人増やす計画やさらなるプロダクト開発にも資金を注ぐ。

キャメロン氏は同社がプラットフォームへのリアルタイムビデオ追加に取り組んでいることを認めた。つまり、Zoomの顧客を取りに行くことを狙っている。

「当社のコアプロダクトが提供するものはシンプルで、リーズナブル価格の非同期性ビデオコミュニケーションだ。だが当社はいま、組織が非同期のビデオをシームレスにリアルタイムのものに変えられるよう、リアルタイム(ライブ)のインタビュー機能を開発中だ」と同氏は言う。

目下、雇用主が候補者に質問を提示し、候補者は質問への答えを録画できるインターフェースを提供している。簡単なレビューや共有ができるよう、同プラットフォームでは全てのビデオをダッシュボードに保存する。

人材採用での使用のために、Willoは質問集も提供している。雇用主が採用プロセスの手間を少しでも減らせるよう「何百もの」事前に用意された質問から選ぶことができるというものだ。

パンデミックの間に顧客によって始まった同プラットフォームの使用方法の拡大について、キャメロン氏はTechCrunchに次のように語った。「当社は仕事やキャリアパスで成功している世界中の人に質問するのにWilloを使っているWorktreeで教育チャリティを展開している。Worktreeはこうしたビデオを子供たちが進路の選択に生かせるよう提供している」

「欧州のとある事業会社は、可能性を秘めたニッチなインフルエンサーを見つけてトレーニングや開発のプログラムに参加してもらうのにWilloを使っている」

また同氏が示す別の使用例はインドの大学だ。学位課程を目指すソフトウェアエンジニアの募集と登録にWilloを活用している。客の声を拾い、そして顧客研究をするのにWilloを使っている企業もある。もちろん、WilloのVC投資家もユーザーであり、検討対象の会社のプレゼンにWilloのプラットフォームを導入している。

「全ての新規企業は『10分間のプレゼン』と名付けられたものの一環として、Willoを経験しなければならない。そうした企業はクールなこのワークフローを自動化するためにWilloを日程調整アプリのCalendyにつなげる」とキャメロン氏は指摘した。そして「さらに興味深いことに、これらの例は全て以前はフェース・トゥー・フェースの会議やビデオ電話に頼っていたが、新たなツールを受け入れなければならなかった」と付け加えた。

Willoはまたユースケース導入でAIを暫定的に使っている。しかしパンデミックによるロックダウン効果の結果、ロードマップは成長追求に重点を置くことにシフトした、と同氏は話す。

同社のウェブサイトは、候補者の話し方に基づいて性格や行動の特徴を特定するという目的でキーワード分析を行う「AIで動く」ベータ機能を宣伝している。

この機能について尋ねると、キャメロン氏は次のように話した。「現在ベータ展開している当社のAIは純粋にオーディオの書き換えにフォーカスしている。正確に書き換えるだけでなく、キーワード傾向をとらえられるよう鋭意取り組んでいる。例えば、あなたが分析的な人間であれば、この機能ではそうした事実を特定でき、インタビュー中の共通する言葉やテーマを分析することでインタビューをする組織にそう報告できる」

「この機能はまだごく初期段階だ。というのも、新型コロナではこれまで取り組んできたサービスの提供、追加のユースケースにフォーカスすることを余儀なくされたからだ」と付け加えた。

採用プロセスの要素を自動化するためのアルゴリズムの適用に取り組むスタートアップの数は近年増えている。そうしたツールの使用にあたっては、それぞれの場所で適用される法律が異なり、また往々にして複雑であることを考えると、偏見や差別をめぐる法的リスクも伴う(たとえば英国では平等、雇用、データ保護の法律を考慮する必要があるだろう)。

WilloがどのようにAIによるキーワード分析がインタビューを受ける候補者にとって不公正・不平等なものにつながるリスクを回避しているのか尋ねたところ、キャメロン氏は次のように答えた。「英国の平等法に関しては、当社は、お役立ちツールとして組織がWilloを使うことを確かなものにするためにスタッフのトレーニングや発達についてマンツーマンベースで組織に対応している。偏見や差別はフェース・トゥー・フェースでもライブのビデオインタビューでも起こり得るものであり、トレーニングを通じて根こそぎにする類のものだと確信している。リクエストに応じてトレーニングを提供できるようにするために人事のコンサルと提携している」

「当社はAIを効果的に、そして合法的に導入するために、そしてインタビューする側とされる側の双方にとって恩恵があるようにするために、驚くほど経験豊富なデータとコンプライアンスの専門家と協業している」とも付け加えた。

「当社のコアバリューは常に透明であり、全てのユーザーに付加価値をもたらすものだ。WilloでAIを活用することの課題の1つは、当社がやりとりの展開継続を保証することだ。ユーザーからのフィードバックで最も多いのは、ユーザーは人々と会って話をするのが好き、ということだ。なのでそれを自動化したいとは決して考えていない」

競争に関しては、キャメロン氏は主な競合相手としてSparkhireVidcruiterRecrightを挙げ、フリーミアム商品を提供しているWilloはより幅広いユーザーが利用できるもの、との考えを示した。

「他社は全て主に採用にフォーカスしていて、大半の中小企業やスタートアップにとっては手が出せないほど高価だ。ビデオインタビューは、大規模の多国籍企業だけでなく、皆に恩恵をもたらすものであるべきだ」とも述べた。

画像クレジット: Willo

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(翻訳:Mizoguchi

法務向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」の日本法務システム研究所が3億円を調達

法務向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」の日本法務システム研究所が3億円を調達

契約書など法務・コンプライアンス領域向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」(ローグ)開発・提供の日本法務システム研究所は9月14日、第三者割当増資および融資として、約3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は新日本法規出版、第一法規、鈴与、AI inside、UB Venturesが運用するファンド。融資については、三菱UFJ銀行からのプロパー融資となっている。

調達した資金は、業務提携関係にある各事業会社との取り組みの加速、また製品開発、営業、サポート体制の強化に利用する。

法務向けAI搭載オンラインエディター「LAWGUE」の日本法務システム研究所が3億円を調達

日本法務システム研究所のLAWGUEは、過去文書を資産化し、条項単位で検索・再利用できるAI搭載のオンラインエディター。組織内のナレッジ共有を実現するとともに、契約書や規程類などの構造化文書作成に携わるビジネスパーソンを、ひな形や過去文書の検索、Wordファイルの履歴参照、ファイル添付メールの往復といった非効率業務から解放する。リーガルテックの枠を越え、現在は知財分野やIR分野など、多くの領域で活用が進んでいるという。

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厳選した報道を読み上げで伝えるCurioが約9.5億円を調達

「専門性の高い」ジャーナリズムから厳選したライブラリで急成長しているオーディオプラットフォームのCurioが、900万ドル(約9億5000万円)のシリーズAを完了した。

シリーズAを主導したのはEarlybirdで、Draper Esprit、Cherry Ventures、Horizons Venturesが参加した。このラウンドは、Cherry Ventures、500 Startups、匿名のプライベートエンジェル投資家から200万ドル(約2億1000万円)の支援を受けたことに続くもので、これまでの調達金額の合計は1100万ドル(約11億6000万円)になった。

ロンドンを拠点とするCurioは、BBCのストラテジストだったGovind Balakrishnan(ゴビンド・バラクリシュナン)氏と事務弁護士のSrikant Chakravarti(シュリカント・チャクラバルティ)氏によって2016年に設立された。同社は厳選した記事をオーディオ化したライブラリを提供していて、リスナーはニュースや分析を毎日聴くことができる。同社のアプリではウォール・ストリートジャーナル、ワシントンポスト、フィナンシャルタイムズのほか、WiredやMIT Technology Review、Aeonといった専門メディアなど50以上の提供元から記事が選ばれている。

記事を読んでいるのはプロの声優だ。リスナーは新着記事、再生回数の多い記事、カテゴリー、メディアごとにブラウズするほか、Curioの編集チームが作成したプレイリストから新しいトラックを見つけることもできる。さらに「Read Along」(合わせて読む)をタップすると提供元のサイトでオリジナルのテキストを見ることもできるので、提供元としてはトラフィックを増やすことにもつながる。

バラクリシュナン氏はこう語る。「我々はクオリティジャーナリズムと優れたストーリーを通じて人々の学びを支援している。Curioは専門性の高いジャーナリズムから厳選したライブラリをそろえたプレミアムなオーディオプラットフォームだ。世界に影響を与える重要なトピックに関するストーリーと洞察をリスナーに提供して、リスナーの学びと成長を支援する。

ジャーナリズムといえば速報と、狭い意味で連想されるようになっている。しかしジャーナリズムは、深く考察された意見、洞察に満ちた分析、しっかりした調査を包含するものだ。世界に影響を与える重要な考えを我々のパートナーであるメディアのオピニオンリーダーが論じ、利用者が学んで成長するためのまたとない機会になる。オーディオのニュースなら毎日の生活の中で深く掘り下げて学ぶことができる」。

こうした主張はユーザーの共感を得ているようだ。バラクリシュナン氏は筆者に対し、購読者で最も多いのは24〜35歳で、男女比はほぼ半々だと説明した。「現在の購読者の60%以上は、これまでポッドキャストやオーディオのリスナーではなかった人々だ。その意味では、クオリティジャーナリズムに関心を持っている幅広い人々の役に立てる大きなチャンスがあるとみている」と同氏は言う。注目すべき点として、Curioのリスナーの70%は米国以外、約40%は欧米以外の市場の人々だ。

こうしたことから、今後は米国と英国の市場での地位を高める一方、インドやオーストラリア、南アフリカなどの英語圏に拡大するために資金を投じていく。さらに共同制作のシリーズやゲストによるキュレーションが多数進行中で、月間200万件以上のデータポイントに基づく「AI主導」のパーソナライズと制作も予定されている。

画像クレジット:Curio

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(翻訳:Kaori Koyama)

ポッドキャスト分析スタートアップのChartableが約2.4億円を調達

ポッドキャストの信頼できるダウンロードチャートで知られるスタートアップのChartableが、シードラウンドで225万ドル(約2億4000万円)を調達したと発表した。

創業者のDave Zohrob(デイブ・ゾーロブ)氏とHarish Agarwal(ハリシュ・アガルワル)氏は以前はAngelListの同僚で、Hacker Newsから主な項目をまとめたポッドキャストのHacker Dailyを一緒に制作していた。ChartableのCEOであるゾーロブ氏は筆者に対し、自分たちでポッドキャストを配信した経験から分析用のプロダクトを作ろうと強く思ったと語った。

「ポッドキャストは奇妙な市場だ。ある日、ダウンロード数が1日4000回から5000回になった。なぜそうなったのか、我々にはわからなかった」と同氏は言う。

そこで2人はChartableを作り、オーディエンスやビジネスを理解するために必要なインサイトをパブリッシャーや広告主に提供することにした。

業界全体のチャートを作っているわけだが、これはパブリッシャーがさまざまなポッドキャストアプリにわたる聴取データを集計したり、ChartableがSmartAdsやSmartLinks、SmartPromosのようなプロダクトを提供したりするのにも役立っている。SmartAdsはポッドキャスト広告の効果を測定するプロダクト、SmartLinksはポッドキャストのダウンロードを促進するデジタルマーケティングキャンペーンの効果を測定するプロダクト、SmartPromosは複数のポッドキャストにまたがるプロモーションキャンペーンのためのアトリビューションプロダクトだ。

2018年に創業したChartableは、1年前には毎月1億回のダウンロードを調査していたが、現在は10億回のダウンロードと広告インプレッションを調査しているという。同社は独立系のポッドキャスター向けに無料版を提供しているが、現時点で世界トップ10のパブリッシャーのうち8社と連携しているとゾーロブ氏は強調した。

Chartable創業者のハリシュ・アガルワル氏とデイブ・ゾーロブ氏(画像クレジット:Chartable)

ゾーロブ氏は、歴史は繰り返すものでChartableはアプリストアに関するApp Annieのような分析会社と同じような役割をポッドキャストに関して担っていると述べる。同時に、ポッドキャストはまったく異なる市場であるとも示唆する。

「もっと細分化されていて、AppleとAndroidだけではない。ビジネスモデルの種類も膨大で、ずっと複雑だ」(ゾーロブ氏)。

iOSでプライバシーの取り扱いが今後変更されるとChartableのアトリビューションツールに影響が及ぶかどうかについてゾーロブ氏は、ポッドキャストのアトリビューションに関するデータは今もすでに制限されているため「大きな変更」は生じないはずだと述べた。

「結局、ほかのデジタル広告で何が起きているかというと、面白いことにポッドキャスト広告のようになり始めている。おそらく最終的に両者はどこかで交わるだろう」と同氏は語った。

今回のラウンドを主導したのは、2019年のラウンドでChartableに150万ドル(約1億6000万円)を調達したInitialized Capitalだ。ほかにNaval Ravikant(ナバル・ラビカント)氏、Greycroft Partners、The Fund、Weekend Fund、Jim Young(ジム・ヤング)氏、Lukas Biewald(ルーカス・ビーワルド)氏が参加した。

Initialized Capital共同創業者のAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏は発表の中で「Chartableはポッドキャストの分析とアトリビューションの権威だ。ブランドやパブリッシャーがポッドキャスト業界を推進するために必要なツールを作っている同社を支援することができ、これほど嬉しいことはない」と述べている。ちなみにオハニアン氏は、Initialized Capitalを去る前にChartableのラウンドを主導した。

画像クレジット:Nicola Katie / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

ウェブをブラウズしながら外国語を学習できるToucanが3億円を調達

Toucan(トウキャン)は、新しい言語を学びたいがモチベーションや時間が見つけられないという人のための Chrome(クローム)ブラウザエクステンションを開発した。

インストールすると、エクステンションはユーザーが閲覧している英語のウェブサイトの文字をスキャンし、自動的にユーザーが学ぼうとしている言語に翻訳する。そして言葉の上にマウスをもってくると、オリジナルの英語の単語が表示される。言語フラッシュカードのブラウザベース版と思ってもらうといい。

ToucanはCEOのTaylor Nieman(タイラー・ニーマン)氏とCTOのShaun Merritt(シャウン・メリット)氏、CPOのBrandon Dietz(ブランドン・ディエズ)氏によって設立された。そして9月11日、同社はGSV Venturesがリードするシードラウンドで300万ドル(約3億円)を調達したと発表した。本ラウンドにはAmplifyher Ventures、Wonder Ventures、Golden Ventures、Halogen Ventures、Vitalize Ventures、そして戦略的エンジェル投資家が参加した。

ニーマン氏はこれまで、Headspace(ヘッドスペース)、スタートアップスチュディオScience(サイエンス)、そして車リースのスタートアップFair.com(フェア・ドット・コム)で事業開発に携わってきた。同氏はそうした経験から学んだことの1つが「実際に人々の時間を取り込む習慣の形成はかなり難しい、ということだった」と話した。

ディエズ氏は、Rosetta Stone(ロゼッタストーン)やDuolingo(デュオリンゴ) のような語学学習ソフトウェアが成功している一方で、「人々に行動を変え、ウェブサイトにいくよう促すのはかなりの要求で、特に毎日行うよう求めるのはそうだ」と同様の点を指摘した。

なのでToucanは現在スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語をサポートしており、ユーザーが新たな言語を学習するのをサポートするようにデザインされている一方で、学習する間にユーザーがいつもしているようにウェブサイトをブラウズできるようになっている。

画像クレジット:Toucan

ニーマン氏は、デジタルクラスや対面式の授業を受けるように、エクステンションはボキャブラリーを強固に、そして広げるのに使うことができると話す。授業を受けていなくても、ユーザーは自分でToucanを使うことができる。そして「外国語のいくつかの言語を知っていると実感する魔法のような瞬間」を経験できるようサポートする。

厳密に言うと、同社は大学の教授や学生を含む翻訳者のチームと協業する一方で、言葉が表示される文脈を理解するために自然言語処理も活用している。誤って訳された言葉があればユーザーはレポートすることができる。

Toucanは、内容を充実させる面白い方法を実験している。たとえば、ユーザーの名前が1週間Toucanが翻訳した言葉でいつでも表示されるという言葉「所有」の機能だ。実際、Toucanのチームは筆者に「writer」(ライター)という言葉を贈ってくれた。言葉の所有は現在無料のため、これは賄賂ではないはず?

ゆくゆくは同社は特定の言葉を所有するために、つまりスポンサーとなるためにユーザーに課金するかもしれない。加えて、ユーザーは追加のボキャブラリーにアクセスできるプレミアムサブスクも利用できる。Toucanは引き続きさまざまなビジネスモデルを模索するが、チームは「アクセスしやすい」教育に注力し、「かなりの」サービスを無料で提供する、とディエズ氏は話した。

今後、Toucanは新たな言語を加え、Firefox(ファイヤフォックス)とSafari(サファリ)向けのブラウザエクステンションを立ち上げる計画だ。最終的には同様のアプローチを「歴史や科学、数学、一般常識」などの科目にも適用したい、とニーマン氏は述べた。

画像クレジット:Toucan

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(翻訳:Mizoguchi

インドでフードデリバリー事業を展開するZomatoが100億円超を調達しIPOに向けて準備

インドのフードデリバリースタートアップであるZomato(ゾマト)は、米国のVCであるTiger Globalから1億ドル(約106億円))を調達し、次の段階であるIPOに向けて準備を進めている。

規制当局のファイリングによると同社は、Tiger Globalが設立した「Internet Fund VI」を通じて資金を調達したという。Zomatoの主要投資家であるInfo Edgeは、米国時間9月10日の夜にこの資金調達を認め、新たなラウンドではZomatoの調達後の評価額が33億ドル(約3500億円)になったと付け加えた。

Zomatoの共同創業者で最高経営責任者のDeepinder Goyal(ディープンダー・ゴヤル)氏は、本日従業員に宛てたメールの中で「Zomatoは銀行に約2億5000万ドル(約265億円)の現金を保有しており、さらに数人の『大物』投資家が今回のラウンドに参加し、現金準備金を「すぐに」約6億ドル(約637億円)に増やす予定」と言及した。

「重要なことですが、これらの資金をどのように使うかについては、すぐには計画していません。我々はこの現金を将来のM&Aのための『軍資金』、そして我々のビジネスのさまざまな分野での競争相手からの挑戦や価格競争を立ち向かうために使う予定です」とTechCrunchへのメールの中で付け加えた。

今年初めにインドでのUberのフードデリバリー事業を買収したZomatoは、同国ではProsus Venturesの支援を受けたSwiggy(スウィギー)と競合している。第3のプレイヤーであるAmazon(アマゾン)も市場に参入しているが、現在はバンガロールの厳選された郊外のみでフードデリバリーを提供している。

ゴヤル氏は従業員に「創業12年になるスタートアップであるZomatoは『来年前半のどこか』でのIPOに向けて動いている」と語った。Zomatoがどのようにしてこの目標を達成するかは不明だが、おそらく米国や他の市場での上場を視野に入れているだろう。現在のインドの法律では、スタートアップはインドで上場する前に少なくとも3年間は利益を上げていなければならない。なお現在、この要件を緩和するという動きもある。

Zomatoの新たな公約は、ここ数四半期の事業が大幅に経済的に改善した結果だ。Zomatoは昨年半ばまで、激しい割引を提供することで顧客を獲得し、それを維持するために月5000万ドル(約53億円)以上の損失(未訳記事)を出していた。

首都デリーの南西部のグルグラム(グルガオン)に本社を置くこの会社は、新型コロナウイルスがオンラインでフードを注文するインド人の食欲を台無しにしたため、Swiggyと同様にここ数カ月で何百人ものスタッフを解雇したが「7月にはその月の損失は100万ドル(1億600万円)以下になるだろう」と語っていた。

Zomatoはまた、新しい資本を調達するうえでの障害に直面した。1年前に資金調達ラウンドを開始したが、1カ月前の時点では5000万ドル(約53億円)しか確保できていなかった。同社は当初、今年1月に約6億ドル(約637億円)でこのラウンドを終えると予想していた。

ゴヤル氏は4月にTechCrunchの問い合わせに電子メールで回答した際、「遅れの原因は新型コロナウイルスの蔓延にあるとし、5月中旬までにはラウンドを終了すると予想していた」と述べていた。同氏は本日、Tiger Global、シンガポールの国家投資部門であるTemasek、Baillie Gifford、Ant Financialが現在のラウンドに参加していることを業員に明らかにした。

画像クレジット:Nasir Kachroo/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

クラウドインフラを管理せずにアプリを展開できるQoveryが1.1億円を調達

最初にHerokuがリリースされたとき、それが大きなブレークスルーを起こしたことを覚えているだろうか?Qoveryは、コードとクラウドインフラストラクチャの間に抽象化レイヤーを構築することで、その再現をしようとしている。QoveryのユーザーがコードをGitのリポジトリにプッシュすると、Qoveryがそのサービスをユーザーに代わって管理してくれる。

共同創業者でCEOのRomaric Philogène(ロマリック・フィロジェーネ)氏は「これは開発者のためのCaaS(コンテナ・アズ・ア・サービス)プラットフォームだ。Herokuのように、ユーザーは.qovery.ymlファイルを作成して、必要な依存関係を記述するだけだ」という。

基本的に、QoveryはユーザーのGitリポジトリとクラウドインフラストラクチャのアカウントの間に位置している。同社は、クラウドホスティング自体を管理しているわけではない。QoveryのアカウントをGitHubやGitLab、Bitbucketなどのアカウントに接続すれば、新しいコードをプッシュした際にQoveryが自動的にトリガーされようになる。

その後、Qoveryが自動的に新たなサーバー、管理されたデータベース、KafkaやRabbitMQのようなブローカーを立ち上げる。デプロイの自動化はTerraformやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)のソフトウェアでもできるが、Qoveryはそれをもっと簡単にできるようにする。

さらに重要なのは、Qoveryが複数のクラウドプロバイダーを統合してくれることだ。すでにAmazon Web Servicesに対応しており、現在、DigitalOceanScalewayのサポートにも取り組んでいる。Google CloudとMicrosoft Azureもロードマップに載っている。

また、ユーザーは各ブランチごとに独自のインフラストラクチャを設計できる点も興味深い。新しい機能を試行するための開発ブランチやステージングブランチがある場合、本番環境を最初から作り直さずに、このブランチ用の新しいサーバーを立ち上げることができる。

そして、これがQoveryの最も重要な機能であることは間違いない。同社によると、クラウドホスティングは今後コモディティ化するという。各プロバイダーは、マネージドデータベースやメッセージブローカーなどを提供することになるとのこと。信頼性た料金、サポートのレベルが、差別化の要因になる。例えば本番用のアプリケーションをAWS上に置き、開発ブランチを別のクラウドプロバイダー上で動かすことを想像して欲しい。

その裏では、QoveryはTerraformとKubernetesに大きく依存し、それらの上にもうレイヤーを追加している。Herokuのモノリシック(一枚岩的)なやり方に比べると、Qoveryのマイクロサービスを軸にゼロから設計されているため、より効率的にスケールすることができる。

Qoveryの料金は、1アプリケーションあたり月額15ドル(約1590円)だ。ただし最近では、1つのサービスのために数十のアプリケーションを動かすことが普通になっているため、すべてをQoveryに切り替えた場合、各アプリケーションに15ドルを支払うことになる。

すでに開発チームと連携するCIツールを使っているところでは、QoveryがビルトインCIサービスの代わりに、そちらを使ってもよい。Qoveryにロックイン効果はないため、独自のDevOpsチームがあるのであれば、使用を止めることもできる。

同社はTechstarsと多数のエンジェル投資家から100万ドル(約1億1000万円)を調達している。

画像クレジット:Qovery

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Qovery 資金調達

画像クレジット:Qovery

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

プロeスポーツチーム「REJECT」運営のCYLOOKが総額5000万円を調達

プロeスポーツチーム「REJECT」運営のCYLOOKが総額5000万円を調達、選手のサポート体制やブランディングを強化

プロeスポーツチーム「REJECT」運営のCYLOOKは9月11日、シードラウンドにおいて、昨年12月からこれまでに累計5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はEast Ventures、iFund、ほか個人投資家。調達した資金は、選手のサポート体制やブランディングの強化、事業拡大に利用する。

REJECTは、2018年発足のプロのeスポーツチーム。世界的に人気のシューティングゲームタイトルを主に取り扱っており、現在はPUBG、PUBGMOBILE、CoD、CoDMOBILE、R6S、ApexLegends、VALORANTの7タイトルの部門を保有。 モバイルシューティングゲームでは日本トップの実績を重ねており、「PUBGMOBILE」部門では、5大会連続で日本代表として世界大会に出場中。

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ウーオが水揚げ直後の鮮魚をスマホで発注できるプラットフォーム「UUUO」公開、資金調達も実施

ウーオが水揚げ直後の鮮魚をスマホで発注できるプラットフォーム「UUUO」公開、資金調達も実施

ウーオ(旧社名: ポータブル)は9月11日、産地市場のセリに並ぶ鮮魚をスマホアプリで発注できるプラットフォーム「UUUO」のリリースを発表。同社が買付の権利(買参権)を保有する鳥取港・網代港および全国の提携産地で水揚げされた鮮魚約60種以上がアプリ経由で発注可能となる。

ウーオが水揚げ直後の鮮魚をスマホで発注できるプラットフォーム「UUUO」公開、資金調達も実施

また同社は、シリーズAにおいて、第三者割当増資として資金調達を実施したと発表した。引受先は伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、インキュベイトファンド、ツネイシキャピタルパートナーズ、広島ベンチャーキャピタル、Full Commit Partners、とっとりキャピタル。調達した資金は、主力プロダクトUUUOの開発人材と国内水産市場開拓の営業人材の強化、またサービス拡充にあてる。

UUUOでは、消費地市場の水産業者および鮮魚バイヤーが遠隔から、当日産地の漁港に水揚げされた魚の写真・水揚げ量・サイズごとの相場をリアルタイムで確認可能。さらに、消費地市場の水産業者および鮮魚バイヤーは、リクエスト機能を活用し自ら希望条件を入力することで、産地の仲卸業者に対して直接買い付け要望を出すことが可能。

またウーオは、自社出荷拠点のUUUO Base以外にも、現在100以上の漁港と提携しており、各産地から鮮魚・活魚の出荷が可能。今後、100港以上の提携産地から直接アプリで買付けられるように開発を進めている。

ウーオが水揚げ直後の鮮魚をスマホで発注できるプラットフォーム「UUUO」公開、資金調達も実施

ウーオの提携産地より一部抜粋

  • 山陰エリア: 鳥取港、網代港、香住港、浜坂港、諸寄、浜田、宇部
  • 近畿・北陸エリア: 舞鶴、大島、佐渡島
  • 四国エリア: 阿南、椿泊、伊座利、阿部、志和岐、東由岐、木岐、日和佐、牟岐東、牟岐、浅川、鞆浦、宍喰、甲ノ浦、野根、愛南町、宇和島、八幡浜
  • 九州エリア: 唐津、九十九島

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インドのミレニアル世代向けの投資アプリGrowwが31.8億円を調達

インドでは毎月1億5000万人以上がデジタル決済アプリを使用しているが、投資信託や株式に投資しているのは約2000万人にすぎない。その状況をミレニアル世代に訴求することで変えようとしているスタートアップが、大きな資金を得た。

バンガロールを拠点とするGroww(グロウ)はインド時間9月10日、シリーズCラウンドで3000万ドル(約31億8000万円)を調達したことを発表した。Y Combinatorの成長ステージ投資ファンドであるYC Continuityがこのラウンドを主導し、既存の投資家であるSequoia India、Ribbit Capital、Propel Venturesが参加した。今回のラウンドによって、創業3年のスタートアップGrowwの調達総額は5900万ドル(62億5000万円)になった(未訳記事)。

Growwを使えば、ユーザーは体系的投資計画(SIP)や 株式連動型貯蓄などを含む投資信託に投資することができる(未訳記事)。このアプリは非常に簡素化されたユーザーインターフェイスを採用することで、主にミレニアル世代を中心とした顧客層に、投資の世界を理解しやすいものとする。なお現在インドで利用可能なすべてのファンドを提供している。

Growwの共同創業者で最高経営責任者のLalit Keshre(ラリット・ケシュレ)氏はTechCrunchのインタビューの中で、この数か月間、同スタートアップは、ユーザーがインド企業の株やデジタルゴールド(現物に裏打ちされた金の所有権)を購入できるようにサービスを拡大してきたと語った。ケシュレ氏とGrowwの他の3人の共同創業者たちは、自分たちのスタートアップを立ち上げる前は、Flipkart(フリップカート)で働いていた。

Growwは、投資信託の提供によって800万人を超える登録ユーザーを集め、20万人以上のユーザーがプラットフォーム上で株式を購入したとケシュレ氏は語る。新しい資金により、Growwは国内でのリーチをさらに拡大し、新製品の導入も行うことができると彼はいう。

そうした新製品の1つは、ユーザーが米国上場企業の株式とデリバティブを購入できるようにする機能だという。ケシュレ氏によれば、スタートアップはすでに一部のユーザーで、この機能をテストしているという。

YC ContinuityのパートナーであるAnu Hariharan(アヌ・ハリハラン)氏は声明の中でこう述べている「Growwはインドで最大の、消費者向け仲介会社になりつつあると思います。まだ会社が単なるアイデアだった時期に、創業メンバーたちとYCで出会いました。彼らは世界レベルでもトップクラスのプロダクト開発者たちだと思います。私たちは世界最大の小売金融プラットフォームの1つとなるGrowwとパートナーであることに感謝しています」。

ケシュレ氏によると、Growwのユーザーの60%以上がインドの小さな都市や町の住人で、さらにその60%が、これまでにこうした投資を行った経験がない人たちだという。スタートアップは、投資の世界について人びとを教育するために、いくつかの小さな都市でワークショップを行っている。そしてそこにこそ成長の機会が転がっている。

Sequoia Capital Indiaの代表であるAshish Agrawal(アシシ・アグラワル)氏は声明の中で、「インドでは金融市場への個人投資家の参加が増加しています、前四半期だけで200万人の新しい株式市場投資家が生まれました」と述べている。

現在Zerodha、ETMoney、INDWealth、Cube Wealthといった数多くのスタートアップがインドで登場し、拡大して、同国内で増加するインターネット人口に資産管理プラットフォームを提供している。Paytmなどを含む多くの既存の金融会社たちも、投資信託への投資を含めるように提供内容を拡大している。ここ数カ月、インドで金融サービスのカタログを積極的に拡大した(未訳記事)したAmazon(アマゾン)も、デジタルゴールドをインド国内で販売している。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:sako)

完全自動化農場のIron OXが約21億円調達、全米配達も計画

ベイエリア拠点のIron Ox(アイロンオックス)は9月9日、2000万ドル(約21億円)のシリーズBを発表した。本ラウンドはPathbreaker Ventureとファンミリーオフィス企業がリードし、Iron OXのこれまでの累計調達額は4500万ドル(約48億円)になった。Crosslink Capital、Amplify Partners、ENIAC Ventures、R7 Partners、Tuesday Ventures、At One Ventures、Y Combinatorなど多くの投資家も参加した。

2015年創業のIron OXは農業ロボティクスの世界では名の知れた企業の1社になった。2018年に同社は最初の屋内農場を発表し、水耕栽培のボックスで多くの葉物野菜を育ててきた。

同社は今日、カリフォルニア州ギルロイに立地する栽培地1万平方フィート(約930平方メートル)の農場が新たに加わったことを発表した。同農場からはすでに、米国内の多くの小売店やレストランに野菜の出荷を始めている。この中にはWhole Foods(ホール・フーズ)のような大手や、カリフォルニアで2店舗を展開するBianchini’s Market(ビアンチニズマーケット)のような小規模店が含まれる。また、来年全米で配達を展開する計画も明らかにされた。

「さまざまな種の美味しいローカル野菜を育てる完全自動化の温室を開発し、食の安全を確保することを当社の使命としてきた」と共同創業者でCEOの Brandon Alexander(ブランドン・アレクサンダー)氏は発表文で述べた。「ギルロイ農場のオペレーションや消費者ブランドがうまくいっていること、2021年にカリフォルニア州外に追加の設備を完成させる計画を発表できることを嬉しく思う」

ロボティック農場のメリットは極めて明快だ。労働力不足やサプライチェーンの問題を解決する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の時代にあって感染の懸念も渦巻き、現在抱える問題のいくつかは喫緊のものとなっている。そのため、投資家はロボティクスとオートメーションに目をつけていて、Iron OXが前回の額の2倍を調達できたことは驚きではない。

何よりも、同社がモデルを証明できたことが大きなアピールとなっている。

画像クレジット: Iron Ox

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(翻訳:Mizoguchi

顧客体験管理のSprinklrが4年ぶりに資金調達、評価額2869億円で212億円調達

ここ数年、Sprinklr(スプリンクラー)は10社ほど会社を買収し、コードベースを書き直して同社の顧客体験プラットフォームに統合することに忙しくしていた。米国時間9月9日、このレイトステージ・スタートアップは4年ぶりの資金調達を行い、評価額27億ドル(約2870億円)で2億ドル(約212億円)を獲得する注目すべきラウンドだった。

出資したのは未公開株式投資会社のHellman & Friedmanで、発行済株式の買い戻しにも3億ドル(約320億円)を投資した。SprinklrはSixth Street Growthから転換社債で1億5000万ドル(約160億円)調達したことも発表した。資金調達の世界で4年間沈黙していた会社にとって目立った行動だ。

創業者兼CEOのRagy Thomas(レイジー・トーマス)氏は今回の資金調達について「顧客体験プラットフォームの構築を終えて加速の準備が整い、そのための資金が必要になったからだと説明した。今年中の年間経常収益4億ドル達成を目指し、その先にはずっと大きなチャンスが待っている」と語った。

「これは1000億ドル(約10兆円9)規模の市場だと思っている。大手の競合相手がそのことを実証しており、今後も競争は続くだろう」と同氏は語った。大手ライバルの中にはSalesforce(セールスフォース)とAdobe(アドビ)も入っている。

トーマス氏は顧客体験管理が、かつてのCRM(顧客関係管理)のような成長をしていると見ていて、この資金を得たことで、大手の未公開株式投資会社と連携しつつ、成長を早めるための選択肢が増えると言っている。

「この市場が私たちにとって魅力なのは、銀行にお金をためて成長や革新や市場開拓やM&Aに少しばかり積極的になれることだけではなく、Hellman & Friedmanのような会社と仕事ができる機会を得られたことだ」と同氏は語った。

同社には1000社の顧客を抱えており、年間数百万ドル使っている会社もある。世界25カ所のオフィスで1900人の社員が働いていて、今後1年間で500人増やしたいとトーマス氏は考えている。そして、年間経常収益10億ドルは会社にとって現実的な目標だと信じている。

会社設立にあたり、有色人種であるトーマス氏は「ダイバシティー&インクルージョン(多様性と包括)」を会社の行動理念に盛り込み「Way」と名付けた。「我々にとってダイバシティー&インクルージョンは不可能ではない。ボックスにチェックを入れて自分を売り込むためではない。われわれのDNAに深く存在しているものだ」と同氏。

出資者であるHellman & FriedmanのパートナーのTarim Wasim(タリム・ワシム)氏はこの会社には成長する市場をリードするとてつもないポテンシャルがあると語った。「Sprinklrには、すでに巨大であり成長している顧客体験管理(CXM)市場をリードするまたとないチャンスがある。大企業がCXMをデジタル転換戦略の中心に置くことが急務であることを認識するにつれ、市場は拡大していく」と同氏は声明で述べている。

Sprinklrは2009年の創業で、これまで2016年に1億500万ドル(約111億円)をTemakek Holdingsのリードで調達したのが最後だった。過去の出資者はBattery Ventures、ICONIQ Capital、およびIntel Capitalだ。

画像クレジット:picture alliance / Getty Images

関連記事:Sprinklr launches major push into customer experience

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GraphQLサービスを提供するHasuraが約26.5億円を調達、MySQLを新たにサポート

米国時間9月8日、データベースにアクセスするためのGraphQL APIを生成するオープンソースエンジンを提供しているHasuraが、シリーズBで2500万ドル(約26億5500万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはLightspeed Venture Partnersで、以前に投資していたVertex Ventures US、Nexus Venture Partners、Strive VC、SAP.iO Fundも参加した。

今回のラウンドは新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大してから開始されたもので、同社がシリーズAで990万ドル(約10億円)を調達したと発表してから半年しか経っていない。Hasuraはこれで合計3560万ドル(約38億7500万円)を調達した。

Hasuraの共同創業者でCEOのTanmai Gopal(タンマイ・ゴパル)氏は筆者に対し「2020年に企業からの引き合いが急速に増えた。企業の顧客の成功のために、Hasuraのコミュニティと最近公開したクラウド製品への投資を加速しようと考えた。VCのインバウンドの関心を考えると、アクセルを踏み余裕をもって成長するための資金調達は理にかなっていた」と述べた。

Hasuraは同日、新たな資金調達に加え、MySQLデータベースに対応したことも発表した。これまで同社のサービスは、PostgreSQLデータベースにのみ対応していた。

左:共同創業者でCOOのRajoshi Ghosh(ラジョシ・ゴーシュ)氏、右:共同創業者でCEOのTanmai Gopal(タンマイ・ゴパル)氏(画像クレジット:Hasura)

ゴパル氏が筆者に対して述べた通り、MySQLのサポートはユーザーからのリクエストが最も多い機能だった。医療分野や金融サービス業など多くのユーザーがレガシーなシステムを使い、モダンなアプリケーションと接続しようとしている。そのためには、長く使われてきたMySQLが重要な役割を果たす。

MySQLに加えSQL Serverも新たにサポートするが、こちらはまだ早期アクセスの段階だ。

ゴパル氏は「MySQLとSQL Serverに関しては、医療や金融サービス、フィンテックのユーザーから多くのリクエストがあった。こうしたユーザーはオンラインのデータ、特にこの2種類のデータベースのデータをすでに大量に持っていて、アプリケーションをモダナイズしつつ新しい機能を構築して有効活用したいと考えている」と述べた。

Hasuraは今回の発表のわずか数カ月前に、企業向けにすでに提供していた有料のProサービスを補完するものとしてフルマネージドのクラウドサービスを公開したばかりだった(未訳記事)。

Lightspeed Venture PartnersのパートナーでHasura取締役のGaurav Gupta(ガウラブ・グプタ)氏は次のように述べている。「開発者がHasuraを採用し、GraphQLのアプローチでアプリケーションを構築していることに、たいへん感銘を受けている。特にReactのようなテクノロジーを使うフロントエンドの開発者にとっては、Hasuraを使えばアプリケーションをすべてのデータが保管されている既存のデータベースに簡単に接続でき、セキュリティやパフォーマンスの問題もない。Hasuraはクラウドネイティブのアプローチでアプリケーションを再プラットフォーム化する素晴らしい橋渡しとなるため、企業の開発者にとってもフロントエンドの開発者にとってもますます魅力的なものになるだろう」。

Hasuraは新たに調達した資金でさらに多くのデータベースをサポートし、さまざまなデータベースが加わることによる難しい技術的な課題やアプリケーションレベルのデータキャッシュシステムに取り組む計画だ。ゴパル氏は「市場獲得戦略とエンジニアリングを両輪として成長できるように企業づくりにもしっかりと投資し、こうした分野の上級職の社員を雇用している」と述べた。

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

LiDARのスタートアップOusterが44.5億円を調達、セールスと製品の多様化を進める

LiDARのスタートアップであるOuster(オースター)は、競合ひしめく市場でシェアを勝ち取ろうと、数年にわたり製品ラインの拡大と改良を続けてきた。今、Ousterは4200万ドル(約44億5000万円)を調達したことを発表。この新たな資金を製品開発とセールスの拡大に投入する予定だ。

早い話が、逆風の中で生き残り戦を続けてきたこのサンフランシスコのスタートアップには、進歩の証がいくつか見られるということだ。今回の4200万ドルのシリーズB投資には、従来からの支援者であるCox Automotive、Fontinalis Partners、Tao Capital Partnersはみな参加したものの、新しい投資家の参加はなく、金額も前回の6000万ドル(約63億5000万円)を下回った。Ousterもご多分に漏れず、新型コロナウイルスの影響により従業員を10%削減したことを認めている。

とはいえ、この新型コロナの渦中でラウンドをクローズし、売上げ拡大を継続させようとするOusterの努力は注目に値する。しかも、新型コロナに関連する政府のシャットダウン政策により、サンフランシスコの工場が一時的に閉鎖されている状態にも関わらずだ。事業はこれ以上のレイオフを必要としない程度に伸びており、すべての従業員と臨時作業員の給料も満額支給されていると同社は話している。Ousterは本日までに、1億4000万ドル(約148億2000万円)を調達した。

Ousterは、収益の具体的な数値は公表していないが、12カ月の収益は62%伸びており、第3四半期の売上げは前年比で209%伸びたとのことだ。そのビジネスモデルと幅広い製品ラインを考えれば、この数値にも納得がいく。

LiDARとは、レーザー光線を使って距離を測定し、自動車の周囲の3Dマップを非常に高い精度で生成する装置だ。LIDARは、自動運転車技術業界のほとんどの企業が、ロボットタクシーやその他の自動運転車両の安全な運用には必須のセンサーだと考えている。Elon Musk(イーロン・マスク)氏や一部の企業は別かも知れない)。

しかし、Ousterの技術とビジネスのアプローチは、多くの競合他社とは違っている。

同社のレーザー発生器と光検知機は、集積回路を作るときの標準的な手法(詳しい人にはCMOSといったほうがわかりやすいだろう)によって2つのチップに印刷されている。それにより、個別のコンポーネントを上下に重ねる一般的な方法を使うことなく、目的のソリューションを実現できるという。このアプローチから作られるセンサーは比較的シンプルで、信頼性も高いとOusterは主張する。

「OusterのデジタルLiDARアーキテクチャーは、我々が製品を提供するすべての市場で顧客を勝ち取るという、根本的な優位性をもたらしてくれました。デジタルCMOSテクノロジーはLiDARの未来であり、OusterはデジタルLiDARを最初に発明し、製作し、特許を取り、商業展開した企業です。手頃な価格のこれらのセンサーの解像度階と信頼性を一度でも体験すれば、レガシーなアナログLiDARにはもう戻れなくなります」と、OusterのCEOであるAngus Pacala(アンガス・パカラ)氏は声明の中で述べている。

2020年1月、Ousterは第2世代のLIDAR製品ラインの発売を開始した。それぞれ128本のレーザービームを発する3モデルがあり、1つは都市環境や倉庫の中での自動走行など、さまざまな用途に対応できる。あとの2つは、計測範囲が120メートル、視野角45度の中距離モデルと、範囲が200メートル以上の高速自動運転用の長距離モデル。Ousterによれば、この3つのセンサーはいずれも出荷を開始しており、50種類の異なる設定が用意されているという。

同社のビジネスモデルも、他の多くの企業のものとは違っている。自動車メーカーやロボットタクシーの商品化を目指す企業をターゲットとはせず、より大きな網を投げて事業の多様化を図っている。このLiDARセンサーの販売先にはロボティクス、ドローン、マッピング、防衛、ビルセキュリティー、鉱業、農業などの企業も含まれる。1月に発売を開始した3つの128ビームの第2世代新型モデルの用途は広い。この第2世代は、64ビームの前モデルの発展形であり、解像度が改善されている。

その戦略は功を奏したようだ。Ousterは、2019年3月から顧客ベースを倍増させたと話している。同社によると、現在は15の市場で800の顧客を抱えているとのこと。そこにはKonecranes(コネクレーンズ)、Postmates(ポストメイツ)、Ike(アイク)、May Mobility(メイ・モビリティー)、Kodiak Robotics(コディアク・ロボティクス)、Coast Autonomous(コースト・オートノマス)、米軍、NASA、スタンフォード大学、MITも含まれる。idriverplus(アイドライバープラス)、WhaleAI(ホエールエーアイ)、Hongjing Drive(ホンジン・ドライブ)、qCraft(キュークラフト)といった中国の自動運転車企業への販売も、同社の成長を支えている。

こうした成長を遂げつつも、Ousterは規模の拡大のための資金を必要としている。LiDARセンサーのデザイン、製造、販売は大変な金がかかる仕事なのだ。Ousterは、グローバルなセールスと顧客サービスの能力を高めようとパリ、ハンブルグ、フランクフルト、香港、蘇州にオフィスを開設した。生産施設は2つある。2019年3月にオープンしたサンフランシスコの工場は、以前は新製品を発表する場として使われていたところだ。こちらの生産能力は低い。バリデーションを終えた製品の生産は、Ousterの契約製造業者である東南アジアのBenchmark(ベンチマーク)に渡されている。

現在、Benchmarkでは第2世代センサーを月間数万台生産していると、Ousterは話していた。

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Ouster LiDAR 自動運転 資金調達

画像クレジット:Ouster

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(翻訳:金井哲夫)

インドのオンライン学習大手Byjuが約530億円を調達、アプリ登録者6400万人超、有料購読者420万人超

インドのオンライン学習プラットフォームを運営するByju’s(ビジュス)は、企業評価額108億ドル(約1兆1400億円)とする資金調達ラウンドで5億ドル(約530億円)を調達した。情報筋がTechCrunchに語った。

このラウンドは、米国カリフォルニア州メンロパークに本社を置くベンチャーキャピタル(プライベートエクイティ)企業であるSilver Lakeが主導し、既存投資家であるTiger Global、General Atlantic、Owl Venturesも参加した。インドで2番目に価値のあるスタートアップであるByju’sは、ラウンドの規模や評価額は明らかにしなかった。

同社の共同創業者兼CEOであるByju Raveendran(ビジュ・ラヴェンドラン)氏は声明で「我々は、Silver Lakeのような強力なパートナーをByju’sファミリーに迎えることに興奮しています」と述べている。ちなみに、ラヴェンドラン氏は来週TechCrunchが開催するDisrupt 2020に出演する予定だ。

「私たちは、この危機の中でポジティブな関連性を持つ分野にいられることを幸運に思っています。オンライン学習を前面に押し出し、親や教師、生徒がその価値を体験し、理解するのに役立っています。私たちの教室は100年ぶりに変化しつつあり、学習の未来を再定義する機会にとても興奮しています」とラヴェンドラン氏は付け加えた。

Byju’sは、学部・大学院レベルのコースを目指す学生を対象としているが、近年では、すべての学校に通う学生にサービスを提供するためのカタログも拡充している。Byju’sアプリ上の講師は、ピザやケーキなどの現実世界の物を使って、複雑なテーマに取り組んでいる。

Byjuのウェブサイト画像句レット:Byju’s)

Byju’sの評価額が上昇しているのは、教育系スタートアップがその使用量が大幅に増加していることを報告しているからだ。Facebook(フェイスブック)が支援する教育技術スタートアップのUnacademyは、先週新たに1億5000万ドル(約160億円)の資金調達を実施(未訳記事)したことで、この数カ月の間にで評価額が3倍近くになった。Byju’sは6月にMary Meeker’s Bondから資金調達した際に105億ドル(約1兆1100億円)の評価を受けていたが、昨年7月には約57億5000万ドル(約6085億円)の評価だった。

今年初めにインドで新型コロナウイルスの流行が広がり始めると、インド政府は全国的な封鎖を施行し、全国の学校も閉鎖された。これにより、多くの親が子供のためにデジタル学習サービスの選択肢を模索するようになったのだ。

インドで4億人以上のユーザーを集めているものの、インド国内ではほとんど稼げていないFacebookの状況からよくわかるように、多くのインド人はオンラインサービスにお金を払わない傾向がある。しかし、教育については例外だ。インドの家族は、より良い未来への道を切り開くために、子供の教育に多額の費用をかけ続けている。

ロックダウン以来、Byju’sはプラットフォーム上で2000万人の新しい生徒を獲得した。現在、アプリには6400万人以上の学生が登録しており、年間420万人の有料購読者がいる。もちろん収益も倍増したという。

Silver Lakeの共同最高経営責任者(Co-CEO)であるGreg Mondre(グレッグ・モンドル)氏は「我々はこの投資をリードし、インドと世界中の子供たちが真の可能性を発揮できるように支援するというミッションの中で、教育技術のパイオニアであるビジュ氏と彼の優れたチームとパートナーになれることをうれしく思います」と述べている。Silver Lakeは今年初め、インドのJio Platformsにも約13億5000万ドル(約1430億円)を投資(未訳記事)している。

「Byju’sが新たなパートナーシップを構築し、革新的な教育サービスを提供する包括的なエコシステムを継続的に育成することで、魅力的な成長軌道を構築し、加速させていく中で、我々は彼らと協力していくことを楽しみにしています」。

なお、いくつかの統合も行われている。Byju’sは、子供にコーディングを教えるWhiteHat Jr.を18カ月前に3億ドル(約320億円)で買収(未訳記事)した。ラヴェンドラン氏はTechCrunchとのインタビューで、Byju’sは買収資金の一部を調達していると語った。

画像クレジット:MANJUNATH KIRAN / AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

年間売上高11億円のスタートアップがVCからの資金調達に18カ月かかった理由

2006年、Joseph Heller(ジョセフ・ヘラー)氏は中国に行き、そこでそれからの10年間製造業について学んだ。その経験を生かして最終的にThe Studio(ザ・スチュディオ)というスタートアップを立ち上げた。スモールビジネスのアイデアを持つ人々を完全にデジタルな方法で中国のメーカーとつなぐ構想だった。

同氏は2016年までに会社を年間1000万ドル(約10億円)、世界各地に100人の従業員を擁するビジネスに育てた。だがヘラー氏は、米国での資金調達に関して、シリコンバレーにコネがない部外者がドアを開けるのは容易ではないと思った。

同氏は踏ん張り、2018年にIgnition PartnersからシリーズAで1100万ドル(約12億円)を獲得し、ビジネスを拡大することができた。だが同氏は、シリコンバレーのアーリーステージのベンチャーキャピタルから得られる資金と知見が早い段階で手に入れば、もっと上手くやれたのではないかと考えた。

TechCrunchは最近ヘラー氏と会い、外部の支援がほとんどない状態で一から会社をどう立ち上げたのか、その際の資金調達はどう進めたのかについて聞いた。

はじめに

ヘラー氏は中国滞在中、製造業の業界全体を把握し、大手ブランドが中国で何かを製造する支援を行う素晴らしいコンサルティングビジネスを築くことができた。だが、もっとできることがあると考えた。特に大規模な工場などが通常求めるよりもはるかに少ないバッチで、中国においてモノを製造したい中小企業を支援するチャンスがあると見た。

後者ははるかに難しい。ヘラ―氏は、Shopify(ショピファイ)のようなプラットフォームを使ってオンラインで商品販売する中小企業を支援するビジネスチャンスがあるかもしれないと感じた。そうした中小企業は商品を製造する手段を欠いていた。

「誰でもShopifyにウェブストアを開設し、メッセージを受け取るためにInstagram(インスタグラム)を使えるようになったことについて、私はクレイジーだと感じた。小さなブランドでもそうしたものすべてが使えるようになったが、製造においてはそうではなかった」とヘラー氏はTechCrunchに語った。

同氏は、中小企業が中国のマイクロファクトリーにカスタム商品を簡単に発注できるようにする会社を立ち上げるというアイデアに取り組むことに決めた。中小企業に大手ブランドと同様の機会を、ただし少ないバッチで提供するというものだ。このアイデアを具現化したのがThe Studioだ。

「当社は基本的に中国のマイクロファクトリーとの関係構築に専念している。少ないバッチの製造ができるようにマイクロファクトリーをトレーニングし、中小企業がそうしたマイクロファクトリーに発注できるソフトウェアを作った。中小企業は3万点を注文する必要はなく、100点から発注できる」。

画像クレジット:The Studio

ミーティング確保に苦労

ヘラー氏が資金の模索を始めたとき、会社は年間売上高1000万ドル(約10億6000万円)のビジネスに育っていた。VCの関心を引き寄せるのに十分だと確信した。

同氏はThe Studioを苦労して育て上げ、その分野で積んだ何年もの経験を元に健全なアーリーステージ企業に成長させた。そしてマーケットに登場させた。プロダクトとメーカーをマッチングできることを証明し、顧客もついた。資金調達は確実にできるように思われた。

しかし実際には、ヘラー氏はミーティングを確保するのに苦労した。黒人であるヘラー氏は、黒人の創業者はベンチャーキャピタル会社にアクセスするのが難しいかもしれないと話す一方で、コネを持っていない創業者は概してVCにアクセスし辛いという大きな問題の一部だと考えている。

「事業を始める際に、VCへのアクセスを持たない人もいる。これは単に黒人だからという問題ではない。どちらかというと、VCがかなり排他的で、コネを持っている白人が大半を占める傾向にあるからだと思う」とヘラー氏は述べた。

そして「もしあなたがシリコンバレーにいるわけではなく、またかなり排他的なVCクラブに属していないのなら、基本的には資金調達することはほぼ不可能だ。なので(初期の)我々にとっては選択肢にもならなかった」と話した。その代わりヘラー氏は自分の資金で会社を立ち上げたが、ある程度まで会社を育てた時、同氏は外部からの資金を必要とした。そしていい位置にいると確信した。

山を登る

ヘラー氏は、カリフォルニア大学バークレー校時代の知り合いでベンチャーキャピタリストのコネを通じてミーティングを持つことができた。それが他のミーティングにもつながったが、大半は落胆するようなものだった。公平にいえば、誰にとってもこのシステムに入り込んで説得力のあるプレゼンを行うのは難しい。しかしヘラー氏は売上高1000万ドルの事業を構築していた。それは何らかの価値を持つはずだった。

「入り込もうとするシリコンバレーで、私が部外者なのは明らかだった。かなり有能なエンジニアチームを有する売上高1000万ドルの事業だったにも関わらずだ。我々は多くのことを証明した。そしてこう思った。もし私がVCネットワークの一員だったら、もっと早くに資金調達できていたはずだ」とヘラー氏は嘆いた。

同氏は、黒人であることは少なくともVCファームの注意を引くのに苦労した要因であることは間違いない、と述べた。「アフリカ系米国人や他の創業者が、事業を始めるための最初の資金を確保するのは特に難しい。私はかなりの個人資金を使い、時間も費やした。なぜなら資本の中心地から遠く離れていたからだ」。

そのためにここに至るまでの間に何かを失ったかもしれない、と同氏は話す。「良いVCとのコネを持っていて、文字通りプロダクトはなし、あるのはアイデアだけなのにシードラウンドで100〜500万ドル(約1〜5億円)調達できる数多くの創業者を見てきた。そうした選択肢は私にはなかった」。

良い返事を獲得

ミーティングの18カ月後、ヘラー氏はようやくIgnition Partnersから1100万ドル(約11億7000万円)を獲得した。プレゼンをし続けるのには苦労、時間、そしてエネルギーを伴っただけに、Ignitionが最終的に資金を提供したとき、素晴らしい達成感を感じたと述べた。

「これが本当に求めていたもので、資金を注入する価値のある真のビジネスを展開してきたことを証明されたような感じだった」。

パンデミックのために製造にとって2020年は難しいとヘラー氏は話すが、2018年のシリーズAラウンド以来、同社の年間売上高は2000万ドル(約21億円)に、従業員は150人に増えた。

同氏はまた、2020年初めにSuppliedShop.comという新規事業を立ち上げた。かなり小規模の事業者が工場から既存の在庫を購入することができるというものだ。新規事業はすでに前月比50%成長をみせているとのことだ。

ヘラー氏が指摘したように、コネはもちろんものをいう。しかしまた、会社を設立するには度胸、決断力、いいアイデアも必要だ。ヘラー氏が今回のプロセスに持ち込んだのはそうしたものだ。同氏は、ここにたどり着くまでの苦労に目を向けるよりも結果を見た方がいい、と考えている。

「人種差別や本当に苦しいことはある思う。と同時に、変化を起こそうとすることを人々は意識すべきだと思う。私の経験がさらに多くの変化を起こすきっかけになることを願う」と述べた。

カテゴリー: VC / エンジェル

タグ:The Studio 資金調達

画像クレジット:The Studio

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(翻訳:Mizoguchi