水出しコーヒーを短時間で作るFirstBuildのPique、近くIndiegogoでクラウドファンディングデビュー

GEの製品開発パートナーFirstBuildが、家庭用の水出しコーヒーメーカーPiqueを発表した。

コーヒーはここ数年で、毎日の無感動な習慣からアートに変わった。ドリップ式コーヒーメーカー、フレンチプレス、シングルサーブ、プアオーバー(ポアオーバー)、それに最新のハイテクマシンの数々が、あの、豆の匂いのする調合薬品のような飲み物を、どれでも、あなた好みの美味に変えてくれる。

今あるそれらがお世話をするのは、ホットコーヒーの味と香りにうるさい人びとだ。しかし今や、水出しコーヒーが急速にブームになりつつある。飲食品に関する消費者調査サイトMintelによると、水出しコーヒーの売上は2014年から2015年にかけて115%増加した(2倍強)。

水出しはホットに比べると時間がかかる(平均12時間ぐらい)。そこでPiqueマシンは、それを12分に短縮した。

FirstBuildはケンタッキー州ルイズヴィルの企業だが、世界中から作品が集まるコーヒーメーカーのデザインコンペを行い、そこで優勝したデザインを近くIndiegogoでクラウドファンディングし、そのマシンを市場に出すための資金を得たいと思っている。

同社はGEのパートナーであることが基本的な資金源だが、スマートホーム製品の売り方としてはParagonの誘導レンジOpalのナゲット状アイスメーカーMonogramのピザ用オーブンなどに倣おうとしている。

この水出しコーヒーメーカーの値段は未定だが、FirstBuildによると、家庭用のコーヒーメーカーとしては高級品の部類になるだろう、という。

本誌TechCrunchはこの夏発売予定のPiqueを、本誌のスタジオで一足早く見ることができた。上のビデオではFirstBuildの協同ファウンダーTaylor Dawsonが、彼の最新の発明について語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

‘すべての児童生徒をテクノロジー・リテラシーにしたい’、littleBitsの新教材キットをニューヨーク市教育局が採用

本誌TechCrunchではみんな、littleBits好きだ。昨年4420万ドルを調達した同社は、子どもたち(と大人たち)にプログラミングとエレクトロニクスを教え、学んだスキルで彼らがクリエイティブになれるための、さまざまなキットを提供している。

同社は今日(米国時間3/8)、同社の最初のSTEAMキットを発売した。STEAMは、STEMに”Arts and Design”(アートとデザイン)を加えた新造語で、既製の基礎学科に、さらに発明やデザインというクリエイティブ要素を加えた概念だ。今はまだ予約販売の段階で、価格は299ドル95セント、発送は4月22日だ。

このキットは同社のGizmos & Gadgetsなどと違ってもっぱら学校教材をねらっており、これをクラスで利用してみたい先生たちのためのコースも、すでにある。

キットには72ページのInvention Guide(発明ガイド)が含まれていて、それを参考に児童生徒は自動運転車の自分独自のバージョンや、日常の習慣を追跡する装置、物を投げるアームなどなど、いろんなプロジェクトに取り組める。

このキットを構成するパーツは19点、中には、ライト、温度センサ、ブザー、サーボモータ、LEDなどがある。アクセサリは49種、USBアダプタや、ホィール、サーボマウントなどだ。

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300ドルもするこのキットは、家庭でlittleBitsを始めるためのキットとしてはたぶん適していない。99ドルのベースキットが、そのためには最適だろう。しかし学校では、何でも入っているこのキットが、何でもトライできて楽しめる教材として適している。

littleBitsのファウンダーでCEOのAyah Bdeirが、今日の発表声明の中で言っている: “すべての児童生徒たちに、テクノロジーのリテラシーと問題解決能力と自分の発明を実際に作れるための技能を持ってもらいたい。それは、障害者を助けるデバイスでもよいし、アーケードゲームや新しい家庭用品でもよい。私たちは先生たちと一緒になって、技術的素質のあるなしを問わずクラスの全員がSTEMやSTEAMの技能を身につけ、斬新な作品やみんなが楽しめる作品を作り出せるための方法を、提供していきたい”。

同社によると、ニューヨーク市の教育局がこのキットを、今年の夏に行われる2〜5学年のための市主催STEM事業のために採用した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Electroloomの「布地用3Dプリンター」は、あらゆるサイズの縫い目のない服を作る

HAX出身のElectroloomは、「布地のための3Dプリンター」を作っている。ポリエステルと綿を含む液体を型紙の上に噴霧することで縫い目のない衣服を作る。

Electroloomの共同ファウンダー、Marcus Foleyによると、この方式は、実験室内で有機組織を生成する際に用いられた技法がヒントになっている。当初チームは、このプロセスが細胞以外の何かでも使えるかどうかを知りたかっただけだった。できるとわかると、彼らの焦点はできるだけ早く簡単に実際の衣服を作ることへと移った。

プリントには通常、現在のElectroloomのプロトタイプで8~14時間かかる。Foleyによると、所要時間は、金属(あるいはスプレー塗装したダンボール)のテンプレートに溶液を噴霧するノズルの数で決まる。各ノズルはごく微量の溶液しか噴出できないため、ノズルを増やすことがプリント時間短縮の近道だ。

チームのKickstarterキャンペーンは最近調達資金目標を達成したので、早期支援者は2016年3月には自分のプリンターを手に入れることになるだろう。

しかし、プリンターを売ることだけがチームを目的ではない。彼らは工学と科学の経験を元に市場にアプローチしているので、衣服の創造にもっと広く便利に使ってもらえるよう改善するために、ファッション経験のあるユーザーからのフィードバックを必要としている。

早期購入者との対話も同社のビジネスモデル構築を助けるだろう。例えば、ユーザーはプリンターで作りたい服のテンプレートが必要になる。プリンターの魅力の一つはコンピューターデザインツールを使って衣服を作れることだ。そのためのソフトウェアは存在するが、そのデザインを繊維を吹きつけるための金属板に変換する手順は複雑だ。Electroloomは、それを簡単にするために、おそらくユーザーのためのテンプレートをシンセンのパートナーと協力して製造することを考えている。

彼らはポリエステル・綿の混紡以外の材料も検討中だ。また、衣類をプリントした後のデザイナーの作業を軽減するために、溶液の中に染料を加え最終的な色や模様でプリントされる方法にも取り組んでいる。

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アナリスト曰く、iPhone 6sは豪華ローズゴールド仕上げ

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Appleの次期iPhone(最近の命名法が続けばおそらく ‘iPhone 6s’)は,ぜいたくなローズゴールド仕入げになるかもしれない、とKGI Securitesのアナリスト、Ming-Chi Kuoが指摘してる(via AppleInsider)。Apple製品の公式発表前予測の正確性には定評のある同氏は、今日の調査メモでそのローズゴールドオプションについて報告した他、カメラの改善およびForce Touchの採用といった大きな変化もあるかもしれないと言う。

iPhone 6sは、通話品質向上のための追加マイクロホンや大画面のPlusタイプ機にはキズに強いサファイアガラスの採用もあり得るが、量産までに現在の落下テストに耐える必要があるとも言っている。

Kuoのリストには12メガピクセルカメラも挙げられており、ここ数世代Appleが解像度を8Mピクセルに留めている(ただしセンサー画素サイズ等の改善は行われている)ことを踏まえれば理にかなっている。高密度高解像度化の続くディスプレーと高解像度カメラセンサーへの変更によって、iPhone写真はさらに様々な分野に広がるかもしれない。

Force Touchは、現行iPhoneユーザーにとってさえアップグレードの理由になり得る楽しみな追加だ。Appleの圧力感知タッチ入力方式は、全く新しい対話モデルを可能にするものであり、サードパーティーアプリもこれを活用できるとすれば、’iPhone 6s’ には、通常の ‘s’ バージョンでは見られなかったタイプの独自アプリが作られることになる。

いつもの通り、アナリストの主張は眉につばをつけて聞かなくてはならないが、同時にKuoが他のアナリストと比べて正確な予測をしてきた経歴を持つことにも注目されたい。Kuoは価格に言及していないので、これが高級Watchと併せて使う ‘Edition’ 版iPhoneの予兆であるかどうかはまだわからない。

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CES:SkySpecs、人間や電線を自動的に避けるGuardianドローンをデモ

SkySpecsはドローンの最大の問題を解決した。障害物の回避だ。今日(米国時間1/6)、CESで開催中のTechCrunch Hardware Battlefield 2015でSkySpecsは最初のプロダクト、Guardianを発表した。このドローンは人間が近づくと回転するブレードで怪我をさせないよう、後ろに下がる。 また飛行中、進路上に木や電線などの障害物があると自動的に避けることができる。

いちばん良いのは、このシステムが既存のドローン・プラットフォームに組み込める点だ。

SkySpecsは6年前からドローンの開発を続けており、DARPAが後援する権威ある国際ドローン・コンペ、MAGICでは2012年に1位を獲得している。ドローンに関してはトップクラスのチームだ。

SkySpecsによればGuardianはこのスタートアップの最初のプロダクトであると同時に、障害物自動回避機能のある最初のドローンだという。われわれのHardware Battlefield CES 2015のデモでは、人がローターブレードに近づくと自動的に離れていくという作動が確認できた。

SkySpecではこのテクノロジーを商用、産業用に実用化していく計画だ。

共同ファウンダーのThomas Bradyは私のインタビューに対して、「われわれはミシガン大学でロボット工学を学んだ後、SkySpecsを創立した。共同ファウンダーは、博士課程の学生やボランティア研究者で、地上、水上、空中のロボティクスの専門家だ」と述べた。

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スタートアップ御用達のコーヒーメーカー、キューリグが700万台リコール―火傷のおそれあり

Keurigは大量のプラスティック廃棄物と少量のコーヒーを産み出す器具のメーカーだ。さらに自社が販売する専用フィルターを使わせようと一種のDRMを考案したが、即座にハックされてしまったことでも知られる。

さてそのKeurigが700万台にも上るコーヒーメーカーをリコールしている。一部のマシンが消費者を火傷させているからだという。このコーヒーマシンはほとんどすべてのスタートアップ・オフィスの標準備品だ。実はTechCrunchにも1台ある。

米国消費者製品安全委員会によれば、 欠陥マシンの場合、「過熱して熱湯が噴出し、消費者を火傷させるおそれがある」ということだ。

Keurigにはこれまでに約200件の「熱湯が噴出した」という報告が寄せられており、そのうちの半数が火傷に結びついたという。

問題のマシンはKeurig MINI Plusコーヒーマシンで、2009年以来製造販売されている。外観は下の写真のとおり。

Keurigのコーヒーマシンが身近にある読者はこちらでリコール対象製品かどうかチェックできる

画像:m01229/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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GoPro、独自ドローンを来年リリースか―アクションカメラ搭載で1000ドル以下

Wall Street Journaによれば、アクションカメラのリーダー、GoProは独自のドローンを開発しているという。新製品はParrot Bebop、DJI Phantom、Inspire 1などに近いものになるようだ。価格は500ドルから1000ドル程度で、GoProのアクションカメラが搭載される。GoProを載せたドローンでホビイストやビデオ映像作家がすでに大量のビデオを撮影していることを考えれば、自然な展開といえるだろう。

ドローン市場への参入はGoPro製品の多様化を図る上でも効果的だろう。現在GoProはアクションカメラという単一製品に頼っており、いわばすべてのタマゴを一つのカゴに入れている状態だ。GoProは自社のカメラ向けの優秀なアクセサリも数多く販売しているものの、有力なライバルが続々とアクション・カメラ市場に現れている現状では、優位性を維持するために新しいことを仕掛けてる必要があった。エントリーモデルのHeroカメラは129.99ドルと低価格だ。アクションカメラ市場での人気をテコに比較的高額で今後の急成長が見込めるドローンという新分野に参入するのは理にかなっている。

Wall Street Journalの記事はGoProの独自ドローンのリリース時期を「来年後半」と予想している。2015年のクリスマス商戦に間に合うかどうか興味が持たれるところだ。GoProはコンシューマー向けドローン市場の2強、ParrotとDJIと差別化する特長を打ち出さなければならない。4K機能を含む次世代カメラ、高度な映像安定化メカニズム、進歩したコントロール・ソフトウェアなどが必要となるだろう。DJIを始め、ドローン・メーカー側でも付加価値でより高価な製品が販売できるよう、独自カメラの搭載を始めようとしている。

GoProはアクションカメラ市場において十分以上の実績を積んでいるだけでなく、価格面でも競争力をもつことになるかもしれない。カメラを搭載したDJI Inspire 1 の市販価格は2800ドルだ。もしGoProがそれに匹敵する能力のカメラ搭載ドローンを半額以下で提供できるなら一挙に大きなシェアを獲得できるかもしれない。

われわれはGoProにこの件に関するコメントを求めている。 なにか情報が得られればアップデートする。

Featured Image: Budi Nusyirwan/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

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GoProの129ドルの新しいエントリーモデルHeroはアクションカメラのキングだ

GoProはHeroアクション・カメラの新シリーズを発表した。ハイエンドのHero 4では初めてタッチスクリーン・ディスプレイを背面に備えたシルバーモデル、4Kビデオが撮影できるブラックモデルが登場した。

しかしいちばん興味をひかれたのはHeroと名付けられたエントリーモデルだ。Heroはアクションカメラというカテゴリーを次のレベルに引き上げる製品だと思う。

HeroはこれまでのGoProのホワイトモデルに相当する。しかし今回の新しいHeroは本体の防水ハウジングや低光量時に自動的に最適化されるモードなど、ライバルが到底及ばない機能を詰め込みながら129ドルときわめてアグレッシブな価格設定になっている。

ホワイトモデルから60ドル値下げするために新しいHeroはWi-Fi接続などいくつかの機能を削っている。つまりこのモデルはスマートフォンからコントロールすることはできず、コンピュータとの接続にはUSBケーブルを使う必要がある。しかしこれは実際に使用する上ではそれほど決定的な不便ではない。特に初めてGoProを使うユーザーにはほとんど気にならないだろう。またセミプロの私もWi-Fi接続はそれほど利用していない。そもそも泥、雪、水中といった厳しい条件ではスマートフォンを携帯することができない。

GoProの価格戦略はこの分野への新たな参入者、たとえば、Cubeアクションカメラを99ドルで売りだしたPolaroidなどにとって手強いハードルになるだろう。CubeにはWi-Fiがないだけでなく、そのままでは防水機能も、GoProのProTuneソフトウェアもない。この分野の初心者向けには低価格のPolaroid Cubeの方が向いているという評判だったが、Heroの登場で価格差は100ドルから30ドルへと大幅に縮小した。こうなれば長年にわたる実績があり、さまざまなマウントを始めとする豊富なアクセサリを揃えたGoPro Heroの方がはるかに有利になるだろう。

129ドルなら、多くの人々が新しいアウトドアの動画記録を始めることになるだろう。また Heroを3台揃えて異なるアングルから同時に撮影すればHero 4ブラックモデル1台で撮影するよりはるかに変化に富んだ作品ができそうだ。公開先がiMaxシアターではなくてYouTubeならますますそうだ。

トップエンドのHero4、特に4Kビデオが撮影できるブラックモデルはネイチャーやエクストリーム・スポーツなどを対象とするプロ、セミプロの映像作家の創作意欲をかきたてているが、Heroはアクションカメラ市場の裾野を大きく広げる画期的な製品だ。

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音楽業界に入り込むBeatroboの「PlugAir」が今度はTMNとタッグ

4月にローソンHMV エンタテイメントなどから110万ドルを調達したBeatrobo。調達の際にも紹介したのだけれども、彼らが手がけているイヤホンプラグ型マルチデバイス「PlugAir」は、スマートフォンのイヤホンジャックに挿入して専用アプリを立ち上げることで、コンテンツのダウンロードや視聴などができるというものだ。

スタートアップのハードウェアながら、すでに米国の人気バンドLinkin Parkがファンクラブ向けの特典として採用しているほか、Universal Musicやアミューズ所属のアーティストの楽曲販売、ツアーグッズとして提供された実績がある。そんなPlugAirが今度はTM NETWORKの先行チケットの購入特典として採用された。

「TM NETWORK 30th WINTER TOUR 2014」の先行チケットをアーティストのファンクラブで購入(抽選)すると、専用のPlugAirを特典として受け取ることができる。これをスマートフォンのイヤホンジャックに差し込めば、オリジナルのオンラインコンテンツをダウンロードできる。

Beatrobo CEOの浅枝大志氏は調達の際にも「今後、より多くのアーティストとの取り組みを進める」と話していたけれども、正直音楽業界とのアライアンスを手がけているスタートアップはそう多くはいない。あくまで提携先が1つ増えただけと見ることができるかも知れないけれども、Beatroboにはガンガンこの分野を切り開いていって欲しい(もちろんPlugAirは音楽に特化しているワケではないらしいので、他の分野も、だ)。


Telepathy CEOの井口尊仁氏が退任–詳細は続報にて

数日前から関係者の間では噂になっていたのだが、ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発中の米Telepathy CEOである井口尊仁氏が退任したことが、関係各社への取材で分かった。

井口氏はTechCrunch Japanが手がけるスタートアップ向けイベント「TechCrunch Tokyo 2013」(当時僕はまだスタッフではなかったのだけど)にも登壇して、2014年内にもデバイスの提供を目指していると語ってくれていた。

TechCrunch Japanでは現在、日本にいるTelepathyのメンバーへのコンタクトをしている。詳細については追ってレポートする。


ソニーの格付けをムーディーズが「ジャンク」に引き下げ

大手証券格付会社のMoody’sはソニーの投資格付をBaa3からBa1に引き下げ、将来見通しを「安定している」とした。Ba1は「投資適格」より1階級下の格付けとなる。つまり現在ソニーは投資先として「投機的」と格付けされたわけで、今後資金調達の困難さが増すことが予想される。

今日(米国時間1/27)の引き下げは純利益の不安定な動きを反映したものだ。大規模な人員削減の努力にもかかわらず、パソコンやテレビ事業は依然として赤字ないし赤字すれすれだ。この不振の原因は競争の激化によるものとされている。

ムーディーズは「われわれはテレビ、モバイル、デジタルカメラ、パソコンなど多くのソニーの中核事業が今後とも利益を引き下げる強い圧力にさらされると予想している」と述べた。

しかしPlayStation 4はユーザーにもジャーナリストにも高い評価を受けているし、クリスマス商戦では400万台が売れた。しかしゲーム機は発売の直後の時期には利幅が薄く、ソニーの利益確保にはまだ大きく寄与していない。しかし初期投資が回収されれれば利益率が向上し、将来はゲームの売上も伸びるようになるだろう。長期的に見れば明るい兆候だ。

また最近ソニーはデジタルカメラで健闘している。しかしこの分野も競争が激しく、スマートフォンの圧力で価格は下落傾向だ。

ソニーは同時に有力な映画スタジオであり音楽レーベルでもある。これらの事業部は好調だが、浮き沈みの激しい業界であり、将来の予測は立てにくい。映画製作における利益のほとんどは公開後数ヶ月で決まってしまう。毎年次々にヒットを重ねていくことが求められるビジネスだ。

スタンダード&プアーズ(S&P)のソニーの格付はBBBで、これはジャンクより1等級だけ上だが、フィッチの格付はジャンクだ。現在(16.03)の株価は 金曜日の終値より4.13%低い。ムーディーズは「ソニーの格付が近い将来改善する見込みは少ない」としている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


車に気付いてもらいやすくする仕掛けを備えた自転車ライトのBlaze(レーザー光を路面に投影)

都市での通勤ないし通学の手段として、自転車の人気がますます高まりつつある。また、行政側も自転車レーンを設けたりして、自転車による通勤通学を安全で楽しいものにしようという努力を行っている。しかしそうした努力はあっても、まだまだ自転車にとって完璧に安全な都市など存在しないのが実際のところだ。そんな中Blazeは、ライトを改良することで自転車をより安全な乗り物にしようとしている。

これまでのライトというのは、自転車が向かう先の暗い道を照らし、また正面からやってくる自動車に自転車の存在を知らせるということにあった。Blazeのライトは、ここに機能をひとつ追加するものだ。正面にいる車以外にも自分の存在を知らせてくれるのだ。レーザー光線を使って、自転車の5ないし6メートルほど先に、自転車マークの光を投影する。これによって実際に自転車の姿が目に入らなくても、自転車の存在に気付いてもらおうとしているわけだ。

実際のところ、自転車関連の事故で非常に多いのはカーブでの巻き込み事故だ。これも自転車の存在に気づかないことで発生する。イギリス国内についてみても、自転車関連事故の80%は巻き込みによるものだ。

(筆者自身も自転車乗りだが、やはり巻き込まれた最大の事故は車がこちらを認識せずに曲がってきたときのことだった)

ちなみにBlazeの魅力は安全だけではない。USB充電に対応しており、また完全防水となっている。マグネット充電端子を備えているので、ケース自体は完全に密閉されているのだ。

投影される自転車イメージは緑色になっている。これは投影時に見やすく、また発光するのに必要な電力が最も低いためなのだそうだ。ちなみにライトには3つのモードがある(high、low、そしてフラッシュモード)。一度の充電で13時間使用できる。もちろん、バッテリー容量が少なくなってくればアラートしてくれるようになっている。

製品にはマウントブラケットと、充電用のUSBコードがついてくる。現在プレオーダーの受付中で、価格は200ドルとなっている。従来の自転車ライトと比べれば高めではあるが、安全は何にも代えがたいものであるということなのだろう。

利用中の様子もあるビデオを下に掲載しておく。

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(翻訳:Maeda, H


マイケル・ベイ監督、CESステージでの失態は彼の責任ではなかった

まるで話題が先行しすぎた夏の大型映画作品のように、マイケル・ベイのCES 2014デビューは失敗に終った。しかし、どうやら悪いのは彼ではなかったようだ。この有名映画監督は、Samsungの演出過剰のやりすぎCES 2014プレス会見に参加していた。彼はステージに呼ばれてSamsungの新しい曲面4Kテレビについて話し、この新しい形状と技術がいかに彼の映画を生き生きとさせるかを強調するはずだった。しかしそれは成らなかった。上のビデオの通りだ。

監督の名誉のために言うと、これは彼の責任ではない。彼が少し話した後、テレプロンプターが正しいテキストを映し出さなくなった。彼は注意深く言葉が選ばれていた台本を読めなくなった。そして諦めた。

アップデート:マイケル・ベイは自身のブログで、同製品の支持を続けることを表明した。「ライブショウは私には向いていないようだ」。

巨大消費者電気メーカーは、次々とハリウッドスターをCESに連れてくる。スターのわずかな時間と引き換えに、膨大な出演料とパブリシティーを提供する。これらの会社は、ブランドネームによる自社製品のお墨付きが欲しいのだ。しかし、思ったようにならないこともある。

トム・ハンクスは、2009年のSonyのプレス会見ですばらしいパフォーマンスを見せた。ご覧あれ。最高だ。

Polaroidは2010年に、新しいカメラ製品の発表にレディー・ガガを起用した。彼女は2時間遅刻して単語を5つほど話した。さらに悪いことに、彼女がデザインに関わったとされるそのカメラは、コンセプトと似ても似つかぬ外見になっていた

Monster Cableが2009年に初めてドクター・ドレーと契約した時、彼らはプレスインタビューを共同開催した。はっきり言って、当時ドクターは彼のヘッドホン・ベンチャーにあまり興味を持っていないようだった。

そして、昨年、2013年にQualcommの基調講演が時代を越えるドタバタ喜劇に転じたことを忘れてはならない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iPhone 5s、普及率10%を越える。5cも好調

iPhone 5sの売上げは実に好調で、iPhone全モデルの利用時間の10%を越えた。モバイル分析会社のMixpanelによる。これは著しい数字であり、消費者はiPhone 5sを、iPhone 5の2~3倍のペースで導入している計算になる。そしてiPhone 5cは、未だにiPhone 5sの後塵を拝しているが、多くの人々が思っているよりも実際には好調だ。

Mixpanelによると、iPhone 5は週に0.25~0.5%の成長だったが、現在iPhone 5sは週当たり0.75~1%の速さで伸びている。これはiPhone 5c導入速度の約3倍だとMixpanelネットワーク経由で集められたデータは語っている ― つまりiPhone 5cの成長はiPhone 5の導入速度とほぼ同じということになる。MixpaneのCEO Suhail Doshiはこれについて「5cはスマートフォン市場の中間層取り込みに関して、妥当な仕事をしている」と言っている。

5sは、未だに飛び抜けて人気の端末である、とMixpanelや他の情報筋は言う。これはAppleの平均販売価格にとって良いニュースである。業界予測によればこれらのデバイスは比較的高い利益率で製造販売されているからだ。そして5cの導入率は、どちらかというと遅咲きデバイスになるだろうという予測と一致しており、今の端末の契約が切れるまで喜んで待てる機械に弱い消費者たちに選ばれていると思われる。

iOS 7の素早い普及に加えて新しいiPhoneモデルの比較的早い立ち上がりと、Appleは全員を同じプラットフォームに乗せるべくすばらしい仕事をしている。それもソフトウェア、ハードウェア両方の最新バージョンについて。これは、これらのデバイスに向けてソフトウェアを開発するデベロッパーにとっても大きな恩恵であると共に、Appleのスマートフォン事業の成長が頭打ちかもしれないとする批判に対する、非常に説得力ある反論だ。真に興味深い数字は、Appleが次の四半期業績を1月末に発表した時に見ることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


(米国の)携帯キャリアが邪悪であることを忘れてはならない

本日の「米国携帯キャリアはアホ」シリーズは、 携帯キャリアとCTIA(セルラー通信工業会)が貴重な収入源を守るために、どうやってスマートフォン盗難防止機能を妨害しているかについてお送りする。

2012年、米国消費者160万人以上がスマートフォンを盗まれた。米国における窃盗の3件に1件がモバイル端末がらみだ。CBS This Morningのインタビューに答えたサンフランシスコ司法長官は、同市の盗難の50%にスマートフォンが含まれるていと言った。これは異常事態であり、携帯キャリアは解決方法を見過ごしている。

ニューヨークのEric Schneiderman司法長官によると、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、およびフィラデルフィアの各当局は、携帯電話業界に解決案の提示を求めた。Samsungは今年、自社端末にこれを実装したが、米国の5大携帯キャリアはこれを顧客に提供しない。

CBSが入手したメールによると、AT&T、Verizon、T-Mobile、Sprint、およびU.S. Cellularの全5社は、自社で販売するSamsung端末にその機能を内蔵しないことを決定した。一方、携帯電話会社の業界団体であるCTIAは、FCCおよび一部の警察署と協力して、盗難携帯電話機のオンラインデータベース作成に協力した。

理論的には、このリスト ― 各キャリアが独自に作成、管理される ― によって盗まれたスマートフォンが再アクティベートされるのを防ぐことができる。しかし、データ盗難には無効であり、海外に持ち宗された電話にはほぼ使いものにならない。必要なのはキルスイッチであり、スマートフォン所有者の手に置かれなければならない。

今年、SamsungとAppleの両社は自社端末にキルスイッチを実装した。AppleはSamsungより幸運だった。Samsungスマートフォンの大半は米国内で販売され、Androidが走っているため、携帯キャリアは端末を消費者に売る前にソフトウェアを変更できる。米国キャリアは単にキルスイッチを外した。

Appleの解は完全ではないが、大きな一歩だ。Find iPhoneアプリを使えば、ユーザーはiPhoneの場所を見つけてデータを消去できる。最新のiOS 7では、端末を再アクティベートするためには、元の持ち主の認証情報を入力しなければならない ― 完全リセットした後であっても。Googleも同様の機能をAndroidに導入しており、盗難電話の位置の特定やデータ消去が可能だ。しかし、リモートで消去された後、新しいアカウントで再アクティベートできてしまう。

なぜ携帯キャリアが、このよく考えられたセキュリティー機能を顧客に提供することを拒んでいるのか、正確なところはわからないが、利益を守るためという説が有力だ。各キャリアはスマートフォン盗難のための保険を提供している。では、自分の携帯電話が盗まれた時、人は何をするべきだろうか。拘束されずに1995年のように歩き回る? ではなく、新しい端末を正規の値段で買うか、新規契約して安く端末を買うか、保険の免責金額を払うかだ。

CTIAの全国データベースがスマートフォン盗難を防ぐかどうか、結論を出すにはまだ早い。しかし論理はそれを不可能だと言っている。盗人たちは、CTIAデータベースもそれを作った携帯キャリアも手の届かない海外に売るだけだ。外国に売るのは難しいとお思いだろうか? 違法なワークフローの中のCraigslistをeBayに変えるだけ ― 盗人たちは再び準備OKだ。

携帯電話業界全体として、端末所有者にもっと力を与える必要がある。持ち主に内蔵キルスイットを与えること。盗まれた電話機をアクティベートしようとすると、端末の中核部分に組み込まれたソフトウェアが、携帯電話をレンガに変えてしまう。

自動車業界は、一時ラジオの盗難に悩まされた。この問題は、自動車メーカーが強固な姿勢を取り、盗まれたラジオが元の車の外では使えなくすることによって解決した。しかし、携帯電話業界がそうした強硬路線を取ることを期待してはいけない。窓ガラスを割られてラジオのなくなった車のオーナーは、高価な新車を買いに行ったりしない。新しいガラスとラジオを買うだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)