ボストン・ダイナミクスのSpotとPepperのロボット軍団が福岡PayPayドームでソフトバンクホークスを応援

NPB(日本プロ野球)の試合の魅力は、フィールド上でのプレーだけではない。しかし、誰もいない球場でプレーする新型コロナウイルス(COVID-19)の時代には、どうすればいいのだろうか。韓国のKBOリーグや短縮開催されるMLBを含む多くのリーグによる、座席上の人形のダンボールの切り抜きは、非現実的な体験を身近なものにしようとする試みである。

一方、日本はシュールさへと向かっている。福岡ソフトバンクホークスは、おなじみの2種類のロボットに応援を手伝ってもらった。ソフトバンクのPepperとソフトバンク傘下のBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が開発したSpotが今週の楽天イーグルスとの対戦で、応援席を形成したのだ。このパフォーマンスは2020年7月末まで実施される。

ソフトバンクにによると「Spotがスポーツイベントでダンスを披露したのは初めて」だという。ボストン・ダイナミクスのロボットは最近多くの仕事を引き受けており、25年以上の同社の歴史の中で初めて売りに出された。建設とセキュリティがこのロボットの主な用途だが、ソフトバンクがショーにも興味を持っているのは明らかだ。一方、ソフトバンクが2015年に買収したAldebaran Robotics(アルデバラン・ロボティクス)が開発したペッパーは、接客業界で活躍している。

7月下旬に米国で開催されるMLBの短縮シーズンでは、多くのチームがボール紙の切り抜きでスタンドを埋めている。Oakland A’s(オークランド・アスレチックス)は、等身大の人形ダンボールにファンが自分の肖像を展示する有料サービスを発表した(Oakland Athleticsリリース)。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Pepperのブラは胸の小さな女性の悩みに答える

女性に聞いてみれば、ほとんどのブラがぴったりフィットしていないと答えるだろう。事実、大多数の女性が間違ったサイズを着けている。問題の大部分はサイズが標準化されていることにある。しかも年を追うごとにオンラインで買う人が増え、実際にブラを試着する機会は減っている。世界中が封鎖されている今、その傾向は加速されるばかりだ。

中でも、非常によく起きるある問題は、起業家のJaclyn Fu(ジャクリン・フー)氏とLia Winograd(リア・ウィノグラッド)氏によると、ブラは小さな胸の女性にとって概して大きすぎることだという。かつての同僚ふたりが手を組んでd Pepper(ペッパー)を設立したのはそれが理由だった。創業3年になるデンバー拠点のスタートアップは、小さなカップサイズにフィットするブラをつくることに焦点を当てている。

フー氏によると、ほとんどのブラメーカーは、まず36Cなどのサイズをつくり同じデザインを32Aなど別のサイズにも使用する。この手順(標準的なベースデザインを他のサイズに適用する)は論理的なようだが、実際のフィット感には結びつかない。

「これは、32Aの人が36C向けにデザインされたものを着けると、カップのギャップというフィット問題が起きることを意味している」とフー氏は言う。

ふつう女性たちはブラのストラップをきつくしたりサイズを変えたりして問題を解決しようとするが、Pepperのソリューションは、独自の小さなカップの型を、ウィノグラッド氏が育ったコロンビアのメデジンの工場でつくることだった。

フー氏は最初のプロトタイプを彼女自身の胸のサイズに合わせてつくった。その後フー氏は顧客の自宅を訪れてフィッティングとリサーチを続けた。カップサイズだけでなく、Pepperはアンダーワイヤーの悩みにも取り組み、胸の小さな女性の自然なサイズに合わせたカーブのゆるいワイヤーの短い商品をつくった。

顧客とのつながりを強くするために、Pepperは初めてオンラインでブラを購入する顧客向けに、1対1のバーチャル・フィット・セッションを開始した。他の会社と同じように、オンラインで買う人のために「フィット・クイズ」も実施している。

現在Pepperは、30Aから38Bまでさまざまなサイズを販売していいて、価格は48ドルから54ドルまで。

ブラ業界にフィットしようとしているスタートアップはもちろんPepperだけではない。Kala(カラ)、SlickChicks(スリックチックス)、ThirdLove(サードラブ)などもサイズとフィッティングの心地よさと多様性を売りにしている。

上記3社のうちで最大なのがThirdLove。サンフランシスコ拠点のブラ・下着直販メーカーでこれまでに著名なベンチャーキャピタルから6860万ドルの資金を調達している。ThirdLoveは自らを開放的なサイズの「どんなカラダにも合うブラ」を売るブランドとして位置づけており、現在小売、海外市場、水着、アスレチックウェアまで拡大しようとしている。同社の最新会社評価額は7億5000万ドル。

この市場が何社の新ブランドを受け入れられるのか、このパンデミックを生き延びられるのかは誰にもわからない。それなりの市場シェアと豊富の資金をもつ会社でされ、人々が消費を抑える今、沈まずにいることに四苦八苦している。今月始め、ThirdLoveはスタッフの30%を解雇し、新型コロナのビジネスへの影響を理由に挙げた。

そんな中でも、Pepperのファウンダーたちは楽観的だ。PepperのKickstarter 1万ドルスタート・キャンペーン(2017年に設定)は10時間以下で目標を達成した、とフー氏は言う。

このKickstarterキャンペーンの成功は、同社がニューヨーク大学イノベーション・ファンドやDenver Angels(デンバー・エンジェルズ)などの投資家から200万ドルのシード資金を調達する後押しになった。MyFitnessPal(マイフィットネスパル)の共同ファウンダーであるAlbert Lee(アルバート・リー)氏も出資した。

フー氏は、現在3名を雇っている同社が年間売上予測300万ドルで「黒字に近い」ことを付け加えた。2019年の売上はほとんどが同社サイトでの消費者への直販から生まれた。成長をパートナーや小売店に依存するのではなく、ユーザーとの結びつきに求めているのは良い兆候だ。

ブラを買うという微妙な感覚は長年、人間と1対1のつらい体験だった。しかし、新型コロナの流行で多くの実店舗が閉じる中、新しいブラが必要な人たちは初めてオンラインで買わなくてはならない。これはPepperのような会社にとって、巻き尺と試着室がなくても完璧なフィットを実現できることを証明する絶好の機会だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

レストランと納入業者をつなぐプラットフォームのPepperが消費者向け配送に事業転換

新型コロナウイルス感染拡大がレストランに与える影響は言うまでもないが、食品を納入する業者が受けている影響は忘れられがちだ。レストランが休業してしまえば、食品納入業者にはもう納入先がない。そして納入業者は引き続き大量に食品を調達することができる。

一方、一般消費者は食品の確保や、食品を買いに行くリスクをとるか信頼性が低くなりつつある食品配送サービスに注文するかの判断にストレスを感じている。そこで、この分野に参入したのがPepperだ。

Pepperは昨年後半に、レストランと納入業者をつなぐ企業向けプロダクトとしてスタートした。ほとんどのレストランは6社以上の納入業者と取引があり、その1社ずつにメールや留守番電話、テキストメッセージで毎晩発注している。注文受付の確認がないことも多く、レストラン側は注文通りの品物が時間通りに届くのを待っていた。

この業界をデジタル化するために、Pepperはレストランが納入業者の連絡先情報を入力してすぐに発注でき、納入業者がボタンをタップすれば注文を確認して処理に入れるアプリを開発した。

サービス開始から半年が経ち、Pepperにとって状況は劇的に変わった。同社の共同創業者でCEOのBowie Cheung(ボウイ・チャン)氏は、ビジネスを考え直すことになった。

レストランから納入業者への注文に加え、「Pepper Pantry」という消費者向けのポータルを開設し、ユーザーが納入業者に直接注文できるようにした。

ユーザーはプラットフォームの利用料として一律5ドル(約540円)を支払い、精肉、農産物、乳製品などのカテゴリーから食品を選んで家に直接配送してもらうことができる。

もちろん、Pepperと大量の納入に慣れていた業者にとっては、このための対応がかなり必要だった。しかし業者側には、家族や個人に適した量に食品をパッケージするための雇用を創出している。

チャン氏によれば、パッケージの内容量はまだ多いものの、レストランからの発注に比べるとSam’s Clubやコストコで購入するのに近いという。

納入業者は最低注文額を0ドルから150ドル(約1万6000円)の間で設定できる。これまでに納入業者8社がPepper Pantryプラットフォームに参加し、ニューヨーク市周辺(ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット)とボストン市周辺でサービスを提供している。

Pepperはこれまでの調達額を明らかにしていないが、Greylock PartnersのMike Duboe(マイク・デュボエ)氏とBoxGroupから資金提供を受けたことを公表している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Pepperの次はR2-D2みたいな掃除ロボ、ソフトバンクが第2弾「Whiz」を発表ーー月額2万5000円

ソフトバンクが初めに発表した人型ロボット「Pepper」はさまざまな事ができる万能型だったけれど、今日発表されたばかりの第2弾ロボは、たった1つだけの使命を与えられてこの世に生まれてきたみたいだ。

ソフトバンクロボティクスは11月19日、オフィスや業務フロア向けのバキューム掃除ロボット「Whiz(ウィズ)」の申し込み受付を2019年2月に開始すると発表した。カーペットなど床の清掃を目的とした自律走行ロボットだ。

本体には乾式バキュームクリーナーが搭載されているので、ルンバなどの他の掃除ロボットとは違って縦に長い機体が特徴だ。ハンドルを引き伸ばした時なんかは、掃除機そのもの。もちろんコミュニケーションも取れないし、レイア姫のホログラムも映してくれないけれどR2-D2に似ているので個人的には親近感が持てる。

使い方はかんたん。最初にWhizを手押しして清掃エリアを学習させてあげると、自動的にエリアの地図データを作成して記憶する。一度ルートを作成したあとは、スタートボタンを押すだけで地図データをもとに自律走行してくれる。本体には複数のセンサーが搭載されているため、人や障害物に衝突してオフィスの厄介者になってしまうこともない。

手押しをして地図データを覚えさせるというのは一見スマートには思えない方法だけれど、ロボットに触れたこともない人たちでも簡単にWhizを使いこなせるという点では非常に優しい設計だと思う。

ソフトバンクロボティクスは、2019年3月から開始予定のレンタルプランも併せて発表。60ヶ月の貸し出しで月額は2万5000円だ(ロボット手続き手数料の9800円が別途必要)。保証などのオプションサービスの詳細はまだ明らかになっていない。

ソフトバンクはこれまでにも、「AI掃除PRO」という自動運転技術「BrainOS」を搭載した自動運転清掃・洗浄機を利用するためのサービスを提供してきた。同サービスに対応するロボットとしては、2018年8月に発売した「RS26 powered by BrainOS」に続きWhizは2機目となる。最後にWhizの仕様テーブルを下に載せておくので、参考にしてほしい。

 

SoftBankのPepperロボットがあいさつや返事の言葉をWebアプリケーションから設定できるようになった

これまで、SoftBankのロボットPepperは、コントロールするためにプログラミングの知識を必要としたため、大衆的な普及が困難だった(しかもアメリカでは小売チャネルが限られていた)。しかし今朝(米国時間5/1)同社が発表したPromoterというブラウザー上のツールを使えば、ロボットの動きを誰もがカスタマイズできる。残念ながら、まだごく一部の動きだけだけど。

WebアプリケーションPromoterについて同社は、今後続々と発表していくいろんなツールの最初のものだ、と言っている。Promoterを使ってユーザーは、いろんな返事の中からどれかを選んだり、あるいは応答の言葉を文章を書いて指定できる。また店頭で自分の前に人が立ったら注意を向けるとか、住所氏名などマーケティングに必要な情報を書いてもらうなどの、対話的アクションもできる。

同社によると、このアプリケーションを使うにはユーザーに、“Facebookを利用するときぐらいのスキルが要る”。デモを体験して、ぼくもそう思った。ユーザーにできることといえば、ロボットの返事や応答を指定するだけだから、それは、いろんな入力に対する応答/返事を選ぶ作業だ。でも、ロボットのシステムにユーザーの年齢層・性別・感情などを推察させて、それに合わせた返事をさせるなど、おもしろい仕掛けもいくつかある。

これを既成品のロボットに対するプログラミングと呼ぶなら、ちょっと簡単すぎるかもしれない。SoftBankは、今後もっといろんなツールを出していく、と約束しているが、この最初のソリューションを見たかぎりでは、同社がこのロボットに何を期待しているかが明らかだ。それは、物珍しさやおもしろさでお店などに来たお客を惹きつけ、彼らから今後のマーケティングに役立ちそうな情報を得ることだ。

でもPepperに込められているはずの高度な技術が、“店頭の呼び込み”にしか役に立っていないのは、少々残念だ。それに25000円というお値段では、相当大量に売れないと開発費を回収できないのではないだろうか。

Pepperの前のNaoは、高度な研究用ロボットとしてデモされた。さらに高度なRomeoも、そうだった。それから何年も経って発売されたPepperは、明らかに、大衆向けの用途をねらっていた。研究室やロボット同士の対戦ではなくて、この人型ロボットはショッピングモールや空港で人びとにあいさつすることが仕事だった。

同社は、今後のこのようなアプリケーションでPepperの使い勝手を拡大する、と約束している。SoftBankは、初期にはこのロボットのいろんな用途を宣伝していたが、でも今のところは、関節のある高度なモバイルのキオスク、的な用途に限定されている。7月にアメリカでローンチするまでには、もっといろんなものが見られると良いのだが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソフトバンクのPepperロボット、サンフランシスコ対岸のオークランド空港にも登場

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ソフトバンクのPepperはサンフランシスコ湾の冬を楽しんでいるに違いない。昨年のクリスマスにはいくつかのショッピングモールで買い物客に挨拶をしたが、この愛想のいい日本のロボットが従事するのは空港の[咳払い]パイロット・プログラムだ。

今回Pepperが用事を引き受けた場所はオークランド空港のターミナル2のレストランだ。PepperはここのPyramid Taproomにいてレストランの客寄せ兼案内係を務める。

Pepperの主な仕事はお客を店に案内することと飲み物と本日のスペシャルを勧めることだ(ロボットなら知識は確かだろう)。またPepperは空港内の他の飲食スポットも推薦することができる。

もっと役に立ちそうな機能はPepperが対話的マップを表示できることだ。旅行者は搭乗ゲート、トイレなどの位置を確認できる。もちろんこれはパイロット・プログラムなので期間限定の仕事だ。しかしユーザーの反応が良ければPepperは常勤ロボットとなるかもしれない。空港ではロボット職員が増えており、近所のサンノゼ国際空港では昨年10月からFuture Robotsの踊るロボットが3台導入されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

サンフランシスコのショッピングセンターがクリスマス商戦を控えてPepperロボットを投入

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商戦が過熱する時期に合わせて一時的に売り場を増員するのは難しい。そこで当然ながら(かどうかわからないが)、大手ショッピングセンターのWestfieldでは顧客サービス向上のためにロボットの手を借りることにした。今日(米国時間11/22)からサンフランシスコとシリコンバレーのWestfieldに日本のSoftBankのロボット、Pepperが登場する。

当初Softbankの人間タイプのロボットは話題作りが主な役目のように見えた。しかし1月くらい経つと6ヶ国語で「こんにちは」とか「ハロー」とか挨拶できるようになった。また顧客とゲームをしたり、セルフィーを撮影したりする能力も備えた。簡単な顧客アンケートもできるようになるという。それだけでクリスマス商戦を大幅に効率化するようなことはなさそうだが、Softbankではこう言っている。

Pepperのパイロット・プログラムにおいてアンケートは重要な能力となる。Westfieldショッピングセンターではこれによって顧客の総合的ショッピング体験を改善することができる。

また12月からPepperの職務は高度化する。これまで顧客は壁に掲出された「現在地」という地図を眺めていたが、PepperはWestfieldのナビゲーションAPIを活用して顧客に売り場やレストランを案内するようになる。Pepperの活用にあたってWestfieldはモデルケースだという。SoftBankではPepperを季節商戦のアシスタントとして幅広く役立てようとしている。ここ1、2ヶ月で多くの売り場でPepperを見るようになるかもしれない。

画像: Dick Thomas Johnson/Flickr

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

6歳のSriyaがデモしたペッパーはハイタッチで自閉症を改善

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アメリカの児童は64人に1人の割合で自閉症スペクトラムに起因する問題を抱えているという。明らかにこれには対処のための研究が必要だ。TechCrunchが開催しているSF Disruptのハッカソンでは6歳のShriya Sreejuがこの点を訴えた。Sreejuが紹介したのはペッパー・ロボットをプラットフォームに利用した自閉症ソリューションだ。

「ペッパーはスクリーンにカードを表示します。子供が正しいカードを選んでカメラにかざすと、ロボットとハイタッチできます。ペッパーは『グッドジョブ!』と言います。ハイタッチに2回成功するとペッパーははうれしがってダンスを踊ってくれます。スクリーンにはニコちゃんマークが表示されて感情の表現を助けます」とShriyaは説明しいた。

ロボットが支援する

Sriyaが紹介したとおり、このロボットは自閉症の子供たちが感情、情緒を把握するのを助けることを目的としている。

「パパがコンピューターがやる部分を作りました」ということだ。Shriyaはこのロボットがどのように動くべきかをデザインした。「もし間違ったカードを選ぶと、ペッパーはそのカードの名前を言います。自閉症の子供たちはこれによってカードを選ぶという作業への集中を切らさずにすみます」。

なるほどSriyaはソフトウェアそのものをコーディングしたわけではないが、実際に話し合ってみたところ、彼女がこの問題に本当に熱心に取り組んでいることがわかった。その熱心さはステージでの説明を見ればはっきり感じ取れる。プレゼンには確信があり、明快でわかりやすかった。お許しいただきたいが、一部のハッカソン参加者のプレゼンよりわかりやすかったと思う。

プレゼンを終えてステージから降りてきたSriyaに「緊張しなかった?」と尋ねてみた。

「いいえ?」というのが答えだった。質問自体ナンセンスだったらしい。たいしたものだ。

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Sriyaのパパでメディカル・スタートアップのエンジニアであるSreejumon Purayilによれば「SriyaはDash and Dotでずっと遊んでいた。2人いろいろなテクノロジーを試したのです」ということだ。

Sriyaは将来の進路をテクノロジーに決めたわけではない。「私はいろいろなことが好きです。アート、工作、テクノロジー、それに体操も好き」ということだ。

下のビデオでハッカソンでのプレゼンを見ることができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

PepperPayは、商品を画像認識するレジ係ロボット

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画像認識技術が進歩すれば、スマートフォンやタブレットで物体の認識が可能になり、人間の目やバーコードスキャナーに頼る必要がなくなる。TechCrunch Disrupt SFハッカソンの参加プロジェクト、PepperPayは、レジのチェックアウトに画像認識を利用する。

PepperPayを塔載したデバイスを持つロボットの前で商品をかざすと、撮影してそれが何であるかをすぐに識別する。あとは支払いを済ませ、長い列に並ぶことなく店を出ていくだけだ。

チェックアウトの自動化は、リアル店舗の経費を節減し顧客満足度を向上させる。多くの食料品店がセルフチェックアウトを提供しているが、バーコードのスキャンは慣れない利用者にとっては苦痛だ。

商品を持って写真を撮るだけになれば、チェックアウトのスピードは向上し、特殊なハードウェアも大幅に削減できる。

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PepperPayを作ったのは、Dave Idell、Adam Chew、Nisha Garigarnの3人で、IBM Watsonの画像認識技術とPayPalの取引サービスを利用している。Walgreensで長い行列を見て、自分たちのアイデアを使えば簡単に解決できるはずたとこのシステムを思いたった。

PepperPayのデモには、Aldebaran社の人間型ロボット、Pepperが使われたが、iPadに載せた簡易バージョンでも十分機能する。いずれPepperPayのようなテクノロジーが普及すれば、ロボットやAIが人間を置き換えることによる失業問題に対処する必要がでてくるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SoftbankのPepperロボットがアメリカのハイテク製品ショップで販売員のアルバイト

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アジア各地の小売店にPepperが進出中だ。日本のファーストフード店ではレジ係をしているのが一例だ。Softbankのこの人間型ロボットはアメリカでは職を見つけるのに苦労していた。しかしアメリカでのリリースを年内に控え(最初の海外での販売は台湾)、あちこちでPepperを目にする機会が増えそうだ。

実際、Pepperはベイエリアのハイテク製品のチェーン店、b8taで短期のアルバイトをするという。アメリカでロボット販売員が顧客への挨拶を担当するというのはこのデモが最初らしい。 b8taのフラグシップ、パロアルト店では 8月11日から1週間Pepperを雇う。4フィート(1.2m)のロボットはピザハットのレジ係より一段と目立つ存在なりそうだ。

Softbankでは同時にデベロッパー・ワークショップも開催する。5月の I/Oでスタートしたデベロッパー向けのポータルにさらに多数のプログラマーを参加させるのが狙いだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

働き場所を広げるPepper、次はアジア太平洋地域のピザハットで就業予定

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Pepperは就職に困ることはないようだ。世界的に経済状況が思わしくない中での話であり、その点は少なくともPepperを評価すべきなのだろう。Pepperはあちこちに活動範囲を広げつつある。そしてこのたび、店の「高級さ」加減では落ちるのかもしれないが、しかしPepperならきっとうまくやるだろうと思われる分野に職を得たようだ。

すなわちソフトバンクとマスターカードが提携して、Pepperをピザハットで働かせることになったのだ。まずはアジア太平洋地域の店舗がターゲットであり、年内にPepperを配属したい考えだ。

「Pepperは従来のデジタルキオスクを新しくしてくれると思います。タブレットや情報端末を操作するかわりに、ロボットと対話しながら必要な情報を得たり、何らかの操作を行うことができるようになるのです」と、MasterCard VPのTobias Puehseは言っている。「ファストフードショップによって、持ち帰り商品をオーダーする際に、Pepperが注文を受け取ってくれたりするのです」。

Pepperにはマスターカードのデジタルウォレット・サービスであるMasterPass機能が搭載され、Pepperを通じて支払いができるようにもなっている。また、これまでの商品購入履歴などを参照して、カスタマイズされた対応を行うこともできる。さらには客の様子に応じて振る舞いを変えることもできるようだ。「Pepperには感情を読み取る機能が備わっています」とPuehseは言う。「お客様がハッピーなのか、それとも不機嫌なのかを認識することができるわけです。それによってPepperは接し方を変えることができます。さらにはちょっとした冗談などを交えて、お客様の気分に応じた応対ができるのです。いってみれば共感能力を持っているわけです」。

マスターカードはPepperの供給状況に応じて、アジア太平洋地域のどの店舗にPepperを配備するかを決めていく予定であるようだ。同地域ではすでにPepperをカスタマーサービスに応用する動きが見られ、Pepperを通じてオーダーすることにも慣れてもらいやすいだろうという目論見もあるようだ。初期導入がうまくいくようであれば、Pepperが働く店を増やしていきたい考えなのだそうだ。

なお、PuehseはPepper導入について、人員削減的な意味を持つものではないことを強調していた。「利用者の方々に心地よさを感じてもらうための手段という意味付けです。人対人のコミュニケーションを排除しようというような意味ではないのです。たとえばPepperは支払い作業すらより面白く感じられるものにすることができます。さらにPepper側で顧客情報などを活用することにより、タッチパネルを通じてオーダーするよりも、好みに応じたオーダーが行えるようにもなることでしょう」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

Watson日本語版API提供開始、日本IBMやスタートアップが対話デモも披露

IBMとソフトバンクは今日、東京・箱崎の日本IBM本社で記者会見を開催し、日本語化されたWatsonのAPIを6つの提供を開始したと発表した。日本語化したWatsonのデモでは、架空のアパレルショップで「こんにちは中野さん、今日はどのような商品をお探しですか」というWatsonの顧客の対話による商品の推薦の様子を、以下のような、ちょっとドラクエ風にも思える画面を見せながらデモした。

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今回IBMと提携して開発を進めたソフトバンク代表取締役社長の宮内謙氏は、全国2000店舗に及ぶソフトバンクショップでの販売支援のためのWatson導入などに積極的で、来月3月にも1つ目のプロジェクトをスタートすると話した。

IBMの説明によればWatsonは、すでにグローバルでは保険、金融、医療、メディア、製造、営業支援など36カ国、29の産業、400社で利用、もしくは実験的な取り組みが始まっている。例えば、タイの病院でがん治療のソリューションや、シンガポールでの税金処理のシステムなどがあるという。

IBMとソフトバンクの2社は2015年2月の提携アナウンス後、過去1年にわたってWatsonの日本語化を進めてきた。Watsonといえば、2011年に米国のクイズ番組で人間のチャンピオンに買ったことから、自然言語による質問を理解し、膨大なデータから正解を探しだすというタスクで知られている。当初そういうQ&AのためのAPIだけだったWatsonだが、現在は約30のAPIがそろっていて、今回はこのうち6種を日本語化。API経由でパートナー企業や開発者、起業家などに公開するとしている。

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6種類のAPIのことをIBMでは「コグニティブ・サービス」と呼んでいる。具体的には、

自然言語分類:質問方法が異なっても回答を見つけ出す製品やアプリを開発できる
対話:人間が質問するときの個人的スタイルに合わせた会話を生み出せる
検索およびランク付け:機械学習を活用した情報検索精度の向上
文書変換:PDFやHTML、Wordなど異なる系s気のコンテンツをWatsonで利用可能な形式に変換する
音声認識
音声合成

となっている。自然言語処理には文書例となる、いわゆる「コーパス」が必要だが、Watson日本語版には日本語コーパスも含まれるそうだ。企業などで利用する場合には、Watson適用時の効果予測、事前の学習トレーニングを経て、SaaSモデルによる提供となる。会見でWatson導入の現状や展望を説明したマイク・ローディン氏(IBMコーポレーションWatsonビジネス開発担当シニア・バイスプレジデント)によれば、Watsonの日本語対応は英語に次いで2番めの言語。すでに6言語に対応している。このため今後、日本企業がサービスをグローバル対応するのが容易になるだろうと話した。

会見ではWatson適用を進める日本企業が狙いを説明したが、この中にはスタートアップ企業のカラフル・ボードFiNCの姿もあった。カラフル・ボードはSENSYと名付けた人工知能を使ってユーザーのファッションの好みなどを「感性」として理解し、ユーザーに代わって多数のアイテムの中からリコメンドするサービスを作っている。カラフル・ボード創業者でCEOの渡辺祐樹氏は、Watsonによって、このサービスに「言語というインターフェースを実現できる」とし、声でファッションアプリに話しかける次のようなデモを披露した。

「春物のシャツを探したい」
→写真でアイテムが表示される
「もう少し明るめのものがいいかな」
→別のアイテムが表示される
「コーディネートも考えてくれる?」
→追加アイテムが表示される
「ありがとう、お気に入りに入れておいて」

ここで「明るめ」というような曖昧な語句を理解するのがポイントだといい、こうした言語インターフェースと、SENSYによるユーザー個別の感性に合わせた推薦ができるようにするのが狙いだという。今後SENSYではファッション以外にも食べたいデザート、休暇に訪れたい観光地などと適用範囲を広げることも考えているという。

記者会見にはテレビ局関係者も含めて非常に多くの報道陣が押しかけていて、「IBMの人工知能」に対する関心の高さがうかがえた。

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SoftBank、「Pepperだらけの携帯ショップ」を東京に期間限定オープン

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今日(米国時間1/27)、日本のSoftBankは 同社の人型ロボット、Pepperのためにユニークなエコシステムをつくる計画を発表した。なかでも強い興味を惹くのは、日本の大手テレコム・キャリヤ、インターネット・プロバイダーであるSoftBankが接客の大部分をPepperロボットが担当する携帯ショップを開設する点だ。

Japan Timesの記事によれば、SoftBankは東京に「Pepperだらけの携帯ショップ」を3月28日から4月3日まで開く。ショップには6台のPepperが配置される予定だ。このロボット部隊は顧客に挨拶し、スマートフォンをデモし、さまざな方法で購入を助ける。ロボットが最近得た新しい能力を完璧に信頼している人々には残念な情報だが、店内には人間のスタッフもいてロボットの接客に問題がないかチェックする。また顧客が実際に新規契約を結ぼうとする場合、人間のスタッフが身分証の確認を行うという。

SoftBankは昨年秋に法人向けPepperの発売を開始しており、現在、日本ではネスレやみずほ銀行を含む約500社が利用している。

約200社が「ロボアプリマーケット」と呼ばれる法人向けPepper for Biz用のアプリを開発中であり、2月22日以降、ユーザーがダウンロードするすることが可能になる。ダウンロードとインストールは各社の所有するPepperに対して直接実行できる。来週、東京、大阪、名古屋、福岡の4箇所に「Pepper
for Bizアトリエ」と呼ばれるスペースがオープンし、Pepperの導入を希望する法人ユーザーを助ける。

Pepperはパリに本拠を置くスタートアップ、Aldebaran Roboticsによって開発された。SoftBankはAldebaranを2012年に買収している。Pepperは表情、声、動作などから人間の感情を認識し、それに応じて適切な動作をするよう設計されている。法人ユーザーは月額5万5000円(約$465)、3年間のレンタル契約でPepperを導入することができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

PepperとRingの共演に見る近未来のUI

「Ring」との共演も見せた「Pepper」

TechCrunch Tokyo 2014の1日目、2014年11月18日に開催されたセッション「ロボットのいる生活と近未来のUI」では、ソフトバンクロボティクスでPepper事業を手がける吉田健一氏、ユカイ工学の青木俊介氏、指輪型デバイス「Ring」を作るログバーの吉田卓郎氏がロボットとともに登壇した。

壇上には、ソフトバンクが2014年6月に発表したロボット「Pepper」が登壇者とともに立っている。そしてユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO」がテーブルの上にスタンバイしている。これらロボットと人間が、どのようなUIでコミュニケーションを取っていくのか。それはソフトウェア開発者にとっても、ベンチャー起業家にとっても、新たなフロンティアとなる領域だ。

Pepperが「マホウノツエ」で家電を制御、「Ring」で人とコミュニケート

ソフトバンクが2014年6月に発表したPepperは、プラットフォームとして開発されたロボットだ。PepperをめぐるテクニカルカンファレンスであるPepper Tech Festival 2014の場で、ユカイ工学はPepperに対応するソリューションとして「マホウノツエ」を公開した。赤外線通信機能を備えたマホウノツエをPepperが手に持ち、Pepperがテレビやエアコンを魔法でコントロールしているかのような光景を作り出した。

「魔法」をイメージしたというデバイス、ログバーのRingもPepperのためのUIとして活用可能だ。会場で見せたビデオでは、Ringのを付けた指の動き、つまりジェスチャーによりPepperを呼ぶ様子や、今日の予定をPepperに聞く様子が描かれていた。ログバーの吉田氏によれば、RingでPepperに指示を出すデモは、「3日ほどでつなぎ込みができた」そうだ。

ログバーの吉田卓郎氏

家庭を結ぶタイムライン、コミュニケーションロボット「BOCCO」

壇上に置かれていたもう1つのロボットBOCCOは、家庭のためのコミュニケーションロボットだ。公開したビデオでは、両親が共働きで帰りが遅い家庭をイメージしたユースケースを紹介した。子どもが帰宅した際、ドアに付けたセンサーを通じて職場の父親に通知がなされる。それを受けて親が子どもにメッセージを送ると、BOCCOは送られたテキストを読み上げてくれるのだ。

もちろんスマートフォンでテキストメッセージを送ることは容易なのだが、「小さな子どもにスマートフォンを持たせたくない親は多いはず」と青木氏は言う。自由度が大きなスマートフォンを小さな子どもに与えると、YouTubeで時間を使いすぎたり、怪しいサイトを開いてしまったりすることはいかにもありそうだ。BOCCOはロボットとしての個性、つまり人とコミュニケートするための性質を備えたデバイスとして作られているのだ。

Pepperを教育に、人にインプットするのではなくエンゲージする

ソフトバンクロボティクスの吉田健一氏

 

ソフトバンクロボティクス吉田氏は、Pepperにはパソコンやスマホにはない「人との関係」、エンゲージメントがあると強調する。「Pepperに入っているデバイスの技術は、実はそれほど革新的というわけではない。何が(今までのデバイスとの)違いかというと、生き物に見えるかどうか。社長(ソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤文秀氏)の2歳の子どもは、Pepperに一所懸命パンを食べさせようとする。子どもが見て生き物だと思うという関係性はパソコンやタブレットではありえない」。

ユカイ工学の青木氏もBOCCOの見た目が「ロボットっぽい」ことは重要だと考えている。自動販売機も自動改札機も、例えばユーザーの年齢を判別して挙動を変える高度な動作をする点ではロボットと呼べるかもしれないが、ユーザーは人とコミュニケートする機械とは認識しない。このセッションの文脈での「ロボットらしさ」とは、人とコミュニケートするデバイスとしての個性のことだ。

ユカイ工学の青木俊介氏

ソフトバンクロボティクスの吉田氏は、人間との関係の例として、 教育へのPepperの応用について話した。Pepperが子どもに教えるというやり方では、タブレットによる学習となんら変わらない。だが子どもと一緒に学習するスタイルだと関係が変化する。例えばPepperがわざと間違えて、子どもがそれを指摘する方が、子どもの学習スピードは上がるという。「インプットじゃなくエンゲージする、一緒に間違える」――そのようなコミュニケーションがロボットには可能なのだと吉田氏は言う。

セッションの最後で語られたのは、セキュリティ問題だ。Pepperは人と濃密なコミュニケーションをする目的のロボットだが、それは裏を返せばソーシャルハッキングの道具として使われる可能性があることを示している。「Pepperが子どもに『好きな人はいる?』などと聞くと、思わず答えてしまうかもしれない」(ソフトバンクロボティクス吉田氏)。Pepperのアプリストアでは、手作業でセキュリティチェックを実施する方針という。


TCハッカソンに感情認識ロボ「Pepper」が3体も来る! ハックは意外に簡単

ソフトバンクの感情を認識するロボット「Pepper」が、11月15日、16日の週末に予定している「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」に3体ほど来ることになったのでお知らせしたい。

Pepperは現在、開発者向け先行予約として200台限定で出荷準備中だが、実際には2000台を超える申し込みがあって人気となっているそうだ。本体19万8000円、開発者パッケージとしてメンテナンス費を含む月額9800円という比較的高額な価格設定でも、これだけの数を受注しているのにはワケがある。それは、大手企業の新規事業開発部門や、スタートアップ企業、教育や介護での応用を模索する人々などからの引き合いが強いから、という。ソフトバンクの孫社長の当初のプレゼンでは、家庭向けということを強調していたが、介護や店舗での案内係など、今はPepperとビジネスをつなげるという応用に注目が集まってる。

ぼくは、ほかのロボットをプログラムしたことがないので比較はできないのだけど、Pepperを使ったビジュアル開発環境「Choregraphe」は想像以上に手軽だった。開発環境のインストール方法は、ここのQiitaのページにまとまっているけれど、統合開発環境をインストールして同一セグメントのWiFi接続で開発環境を入れたPCをPepperに接続すれば、コードのアップロード準備は完了。統合開発環境にはエミュレーターで動くPepperも入っているので、簡単な動作確認はその場でできる。

開発は「ボックス」と呼ばれる単位で行う。ボックスの1つ1つは、ロボット動作やセンサー入力、条件分岐やループといった制御構造に対応していて、このボックスをドラッグ&ドロップして線で繋いでいくことでプログラムをする。ボックスには具体的には、オーディオ、振る舞い、コミュニケーション、データ編集、フロー制御、LED、数学、モーション、センシング、システム、テンプレート、追跡、ビジョンなどに分類して用意されている。それぞれのボックスには受け付けるインプット・アウトによって、色分けがされていたりして、何となくプログラミング言語の型を思わせるものもあるし、switch/caseのような制御構造で「音声を聞いて、答えがyesならA、noならB」というようなボックスもある。プログラミング経験者ならスラスラとブロックを並べられるだろうし、そうでなければ、むしろ良いプログラミング入門となりそうな印象だ。

ボックスをダブルクリックすると、その場でテキストエディタが開いてPythonで10〜30行程度のコードが表示される。このコードを直接カスタマイズすることでボックスの動作を変えられる。ボックスには、onLoadとかonUnloadといったフックとなるメソッドも用意されていて、JavaScriptなんかのモダンなスクリプト言語で開発経験があれば拡張は簡単にできそう。複数のボックスをグループ化して、新たなボックスを定義するなど抽象化もできるが、これまでの実例だと最大150個程度のボックスを使って複雑な動作をするプログラムを作った人もいるのだとか。

で、どんなアプリができるのか。

たとえば顔認識が搭載されているので、学校の校門に立ったPepperが登校して来る子どもたちの顔を認識し、父母に「学校に到着しました」とメールする仕組みを作ったような事例だったり、ヤマハのボーカロイドを使って、Pepperに何か言葉を投げかけると、その言葉を使った歌を作ってくれるというようなアプリがこれまで実装されたという。視覚と聴覚センサー、それに身振りが加わったハブのような存在として、各APIを繋いで何かを利用者に見せるエージェント的な動きをPepperが果たすというのは分かりやすい応用例。たとえば、占いのアプリをケータイでやると当たり前すぎるが、「占ってます、占ってます! キターッ!」という表現をつけるだけで面白いし、Pepperの担当者によれば、これが意外にハマるそうだ。人の顔写真を撮影して、それを絵画風にレタッチするようなサービスも、Pepperに画家の仮装をさせることで、UIが人型である魅力というのは出てくるという。PCとキーボードの組み合わせがネットを使う最適なデバイスじゃなかったんだね、結局、というのがモバイルシフト時代の共通認識だと思う。同様に、5年や10年経ったときに、天気予報やニュースを見たり、調べ物やレストランの予約をするようなサービスに適したUIは「タッチ画面なんかではなく人型UIだったんだね」ということになる可能性もあるのかなと思う。

ちなみに、今は開発者向けに出しているPepperだが、2月出荷を予定している一般出荷向けPepperには基本的な会話機能に加えて、アプリ数十個が最初から搭載される予定という。ちょうど、iPhone 3Gのローンチのようなもので、アプリストアもオープンして、アプリのエコシステムがスタートする。2月時点で有償アプリの仕組みを提供するかどうかは未定で、これは来年の夏以降となる見通しという。

なお、Pepperを使った開発をTechCrunch Tokyoハッカソンでやってみたい! という人は、9月に行われたPepper Tech Festival 2014のページで、開発者向け資料やクリエーターショー、Pepper技術セッションなどを見て予習しておくように! そして、以下から参加を申し込んで頂ければと思う。

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以下はTechCrunch Tokyo 2014本編のチケット。

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