6歳のSriyaがデモしたペッパーはハイタッチで自閉症を改善

2016-09-12-disrupt-pepper-sriya

アメリカの児童は64人に1人の割合で自閉症スペクトラムに起因する問題を抱えているという。明らかにこれには対処のための研究が必要だ。TechCrunchが開催しているSF Disruptのハッカソンでは6歳のShriya Sreejuがこの点を訴えた。Sreejuが紹介したのはペッパー・ロボットをプラットフォームに利用した自閉症ソリューションだ。

「ペッパーはスクリーンにカードを表示します。子供が正しいカードを選んでカメラにかざすと、ロボットとハイタッチできます。ペッパーは『グッドジョブ!』と言います。ハイタッチに2回成功するとペッパーははうれしがってダンスを踊ってくれます。スクリーンにはニコちゃんマークが表示されて感情の表現を助けます」とShriyaは説明しいた。

ロボットが支援する

Sriyaが紹介したとおり、このロボットは自閉症の子供たちが感情、情緒を把握するのを助けることを目的としている。

「パパがコンピューターがやる部分を作りました」ということだ。Shriyaはこのロボットがどのように動くべきかをデザインした。「もし間違ったカードを選ぶと、ペッパーはそのカードの名前を言います。自閉症の子供たちはこれによってカードを選ぶという作業への集中を切らさずにすみます」。

なるほどSriyaはソフトウェアそのものをコーディングしたわけではないが、実際に話し合ってみたところ、彼女がこの問題に本当に熱心に取り組んでいることがわかった。その熱心さはステージでの説明を見ればはっきり感じ取れる。プレゼンには確信があり、明快でわかりやすかった。お許しいただきたいが、一部のハッカソン参加者のプレゼンよりわかりやすかったと思う。

プレゼンを終えてステージから降りてきたSriyaに「緊張しなかった?」と尋ねてみた。

「いいえ?」というのが答えだった。質問自体ナンセンスだったらしい。たいしたものだ。

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Sriyaのパパでメディカル・スタートアップのエンジニアであるSreejumon Purayilによれば「SriyaはDash and Dotでずっと遊んでいた。2人いろいろなテクノロジーを試したのです」ということだ。

Sriyaは将来の進路をテクノロジーに決めたわけではない。「私はいろいろなことが好きです。アート、工作、テクノロジー、それに体操も好き」ということだ。

下のビデオでハッカソンでのプレゼンを見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsung、自閉症児童治療支援アプリケーションの「Look At Me」をリリース

ここ数年、自閉症スペクトラムの子供を持つ親や教師のために、さまざまなテック系ツールが登場してきている。コミュニケーションスキルを磨くためのアプリケーションやゲームが登場しているし、またバーチャルリアリティによって、さまざまな「状況」への対応力を訓練させようとするツールもある。多くは小規模チームが開発するものだが、自閉症スペクトラムの診断が増加する中、大企業の参入も増えてきたようだ。

本稿で紹介するLook At MeはSamsungが開発した自閉症児支援アプリケーションだ。Androidアプリケーションを通じて子供たちに視線を合わせる行為の練習をさせる。多くの自閉症児が視線を合わせるという行為を苦手としているのだ。

Samsungの他にも、たとえばGoogleおよび支援団体で構成するAutism SpeaksはMSSNGプロジェクトをアナウンスしている。自閉症スペクトラムと診断された子供やその家族からの遺伝子情報をあつめた世界最大のデータベースを構築しようとするものだ。データはGoogle Cloud Platformに登録し、科学者や研究者に提供する(MSSNGは以前The Autism Speaks Ten Thousand Genomes Programとして運用されていた)。またマイクロソフトも2001年より従業員の子供たちに対する応用行動分析療法(ABA)の保険適用を認めている。

こうした動きに、企業のPR的側面があることは否定できない。しかし診断例が増える中でも誤解も多い症例であり、社会的な意味も大きいものだ。また学校や家族などで行う治療や対症療法なども非常に高額であることが多い。

Google Playで公開されているLook At Meは、医者、盆唐ソウル大病院、および延世大学の心理学教室の教授などが共同開発したものだ。写真と顔認識技術を使い、自閉症スペクトラムの子供に対してゲームを通じて人とコミュニケートする術を学ばせることを目的としている。開発チームは20人の子供に対して8週間にわたる実験を行い、そのうちの60%でアイコンタクト行動での効果が見られたと発表している。

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(翻訳:Maeda, H