2021年5月に新IT規則を施行したインドのIT大臣と情報放送大臣が辞任

インドのRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)IT大臣と、Prakash Javadekar(プラカシュ・​ジャベードッカー)情報放送大臣が、現地時間7月7日に辞任し、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相の内閣改造に向けて地位を明け渡した同国の大物政治家のリストに加わった。

法務大臣を兼務していたプラサッド氏と、環境・森林・気候変動大臣および重工業・公営企業大臣を兼務していたジャベードッカー氏の辞任は、2021年5月下旬に施行されたインドの新IT規則をめぐり、米国のテクノロジー企業と厳しい対話を重ねていた最中のことだった。

プラサッド氏とジャバデカール氏が新IT規則を施行したことや、米国の巨大テクノロジー企業と公の場で会談したことが、両氏の辞任につながったという証拠はない。

「すべてのソーシャルメディアは、インドで事業を行うことが歓迎されています。ラヴィ・シャンカール・プラサッドや我々の首相、誰を批判しても構いません。問題はソーシャルメディアの乱用です。彼らの中には、我々は米国の法律に制約されているという人もいます。インドで事業を行い、多くの利益を得ているのに、米国の法律に管理されるという立場を取るという。これは明らかに受け入れられません」と、プラサッド氏は先週のオンライン会議で述べていた。

インドの新IT規則は「インドのインターネットユーザーのデータプライバシーとセキュリティに影響を与えるだけでなく、国内外のデジタルメディア企業に負担の大きいコンプライアンスフレームワークを課すことで、これまでインドの経済成長に多大な貢献をしてきたテクノロジー分野にも影響を与える」と、主要なテクノロジー企業を代表する業界団体であるAsia Internet Coalition(アジア・インターネット連盟)のマネージング・ディレクターを務めるJeff Paine(ジェフ・ペイン)氏は5月に述べている。

「ユーザーのインターネット利用とオンラインプラットフォームの説明責任を維持することは重要ですが、インドにおけるオンラインプラットフォームの運営や、ひいては個人、スタートアップ企業、国内のテクノロジーエコシステムへの影響を軽減するやり方で、この規則が施行されるように、政府が業界と緊密に協力することを強く求めます」。

この日、辞任した他の閣僚には、新型コロナウイルス感染拡大への対応が批判されたHarsh Vardhan(ハーシュ・ヴァルダン)保健・家族福祉相と同氏の副官であるAshwani Chaubey(アシュワニ・チャウベイ)氏が含まれている。

「大統領は、首相の助言に従い、辞任を受け入れました【略】これは即時適用されます」と、大統領報道官のAjay Kumar Singh(エージェイ・クマール・シン)氏は声明で述べている。

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タグ:インド辞任ソーシャルメディアSNS

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

トランプ氏がツイッター、フェイスブック、グーグルを提訴、アカウント停止は不当な検閲と主張

2021年初めに不名誉な形でホワイトハウスを去ってから初の記者会見で、前大統領のDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏はTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)とこの3社のCEOに対して集団訴訟を起こすと発表した。3社が米憲法修正第1条に違反した、と主張している。

同氏はニュージャージー州ベッドミンスターに所有するゴルフクラブで開いた記者会見で「シャドーバン(アカウント凍結に近い状態)の終了、みなさんがよく知っている沈黙強制やブラックリスト掲載、追放、取り消しの停止を求める」と述べた。

米連邦議会議事堂で1月6日に起きた暴動を受け、ソーシャルメディアプラットフォームはすぐさま当時のトランプ大統領の投稿権限を禁じた。何年にもわたり、トランプ氏は誤情報と暴力的な脅しに関するプラットフォームの規約の限界を試してきたが、議事堂暴動があった日のトランプ氏の役割は一線を超えた。そして間もなく同氏は、Twitter、Facebook、YouTubeでの何百万というフォロワーにリーチするためのメガフォンを失った。

Twitter上でのトランプ氏の運命は知られている。前大統領は生涯Twitterの使用を禁じられている。しかしFacebookとYouTubeでは、トランプ氏のアカウントは復活する可能性がある。Facebookは外部の規約決定機関であるFacebook Oversight Boardがこの問題を同社に差し戻したことを受けて、まだ判断の審議を続けている。Facebookは現在、トランプ氏の無期限停止の期間を永久とするのか、それとも一定期間にするのかを決める必要がある。

トランプ氏は、フロリダ南部地区裁判所に起こす訴訟の原告代表になる。訴訟では「補償的損害賠償と懲罰的損害賠償」、そしてトランプ氏のソーシャルメディアアカウントの回復を求める。FacebookとTwitterはこの件に関するコメントを却下し、GoogleはTechCrunchのコメント要求に反応しなかった。

訴訟はすでに注意を引くという意図した効果を得たが、それ以上のものにはならなさそうだ。トランプ氏は米憲法修正第1条がうたう権利を侵害したとしてFacebook、Twitter、Googleを非難しているが、米憲法修正第1条は企業ではなく政府による言論の検閲に関係するものだ。

3社はまた、米通信品位法230条によっても守られている。230条はホストするコンテンツに対する法的責任からプラットフォームを守り、また現職大統領をプラットフォームから追放する決定も含め、コンテンツモデレーションの判断を行う権限をプラットフォームに与えている。

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トランプ派のためのSNS「Gettr」は早くも混乱状態

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タグ:Donald TrumpTwitterFacebookGoogleSNS

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

トランプ派のためのSNS「Gettr」は早くも混乱状態

おやおや、早いね。Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏の広報担当者であるJason Miller(ジェイソン・ミラー)氏が、Twitterクローンを立ち上げたのはほんの数日前だったが、この新しいソーシャルネットワークは早くも問題が山積みだ。

まず、ハッカーたちがいち早くGettrのAPIを利用して、ユーザー8万5000人ほどのメールアドレスを盗んだ。そのデータには、ユーザー名と本名、誕生日なども含まれており、セキュリティ企業Hudson Rockの共同創業者Alon Gal(アロン・ガル)氏がそれを明らかにしている。

ガル氏はTechCrunchの取材に対して「APIの実装がいい加減で、悪質なハッカーなどが機密情報を取り出せる状態なら、その結果はデータ漏洩事故と同じであるため、セキュリティの専門企業と規制当局に任せるべきだ」と述べている。

先週、TechCrunchのセキュリティライターであるZack Whittakerは、GettrはもうすぐAPIからデータを盗まれるだろう、と予言していた

データの窃盗はGettrの頭痛の1つにすぎない。実はこのアプリは、2021年6月、App StoreとGoogle Playに登場したが、Politicoへのポストが正式ローンチとなり、その後の7月4日にベータを終了した。アプリは反中国で名高いトランプ陣営に訴求することが目的のはずだが、Gettrの初期の資金を出したのは、トランプ氏の元アドバイザーであるSteve Bannon(スティーブ・バノン)氏を支持する中国の億万長者、郭文貴氏だったようだ。The Washington Postの報道によると、反ワクチンの主張やQAnonの陰謀説などを広めた大規模な偽情報ネットワークの中心人物が郭氏だったらしい。

7月2日にアプリのチームは、ダウンロードの急増によるサインアップの遅れを詫びたが、立ち上げ時のちょっとしたダウンタイムなどは、微々たる問題だ。週末にかけて、Marjorie Taylor-Greene(
マージョリー・テイラー・グリーン)氏やスティーブ・バノン氏、そしてミラー氏本人など複数の人たちの公式のGettrアカウントがハッキングされ、アプリの杜撰なセキュリティがさらに問われた。

そんな事件はともかくとして、フェイクアカウントがとても多いため、どれがGettrの正規ユーザーなのか判別しづらい。アプリ自身が行っているレコメンデーションも同じで、試してみると、アプリ自身のレコメンデーションの中にSteamの偽ブランドのアカウントがあったりする。

おかしなものは、もっとある。アプリのデザインがTwitterと同じなのは異様だし、しかもTwitterのAPIを使って一部のユーザーのフォロワー数やプロフィールをコピーしているようだ。Gettrは登録時に、Twitterのハンドルを使うよう新規ユーザーに勧める。そうすると、場合によってはツイートをコピーできるからだそうだ。しかし試してみたが、私はだめだった。GettrがTwitterとすごく似ていることや、APIの利用についてTwitterに確認しているが返答はない。

モバイル版のGettrは、基本的にはTwitterの完全なクローンだが、その細部はずさんだ。Gettrのコピーには、「最高のソフトウェア品質をユーザーに提供するために最善を尽くし、誰もが自由に意見を述べることができるようにする」とソーシャルネットワークであるという自慢も含め、陳腐で奇妙なものもある。

Gettrは自らを、メインストリームのソーシャルネットワークが極右の考え方に対し敵対的である、と信じている人たちのための代わりになるものだと位置づけている。Gettrのウェブサイトは、「メッセージのキャンセルを拒否せよ。自分の修正第一条を生かせ。自由を祝福せよ」といったトランプ流のメッセージに慣れている人たちを新規ユーザーとして歓迎している。

ミラー氏も週末に、前大統領の言葉を引用している。「ヒドロキシクロロキンは効く!誰もこのポストを取り下げたりアカウントを停止しない!#GETTR」。現在のところGettrでは、コンテンツのモデレーションは緩いかそれとも存在しないかだ。しかしParlerや、陰謀説のその他の避難所で見たように、こんなやり方は結構長く続くのだ。

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ミラー氏やトランプ陣営の元スタッフであるTim Murtaugh(ティム・マートー)氏を通じてトランプ氏と広く関係しているにもかかわらず、元大統領はまだこのアプリで存在感を示していない。Gettrには、スティーブ・バノン氏(フォロワー数84.7万人)やMike Pompeo(マイク・ポンペオ)氏(フォロワー数130万人)など、トランプ氏の周辺にいる人物のプロフィールはあるが、トランプ氏を検索すると、非公式のアカウントしか出てこない。Bloombergの記事は、トランプ氏にはこのアプリに参加する計画がないという。しかし、ソニック・ザ・ヘッジホッグのポルノでのGettrの優位を見れば、彼を非難するのは気の毒だ。

アプリの技術的な問題やトランプ氏の不在が、Gettrへの関心を薄めるだろうか。Sensor Towerの推計によると、Gettrは6月以来、グローバルで130万インストールされている。米国に次いでブラジルが、このアプリの第2の巨大市場だ。

ネットワーク上のトランプ派のエコシステムは、2021年半ば現在も散在して残っている。FacebookやTwitterの上でトランプ氏は禁止され、QAnonの陰謀説ネットワークも歓迎されていない。そんな中でGettrは、メインストリームのソーシャルメディアから追放された多くの人たちの避難所と自らを位置づけている。しかしGettrは初期からの問題が山積みしており、Twitterの雑なクローンが世間の話題になるのも、ここらで終わりなのかもしれない。

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タグ:GettrSNSドナルド・トランプ

画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ツイッターが新しいプライバシー機能のアイデアを公開、アカウントを検索から隠す方法も

米国時間7月6日、Twitter(ツイッター)は健全な会話とプライバシーに関わる新機能について同社が考えているアイデアをいくつか披露した。例えばTwitterの新しい会話制御オプションワンストップで利用できる「privacy check-in(プライバシー・チェックイン)」機能や、ユーザーのサービス内でのプライバシーを高めたり、公開ツイートとプライベートツイートや複数のアカウント間の切り替えを簡単にする仕組みなどがある。

この中でも、プライバシー・チェックインはおそらく最も利用される機能だろう。Twitterの最近のイノベーションの数々によってサービスがますます複雑化しているからだ。いずれは、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)のPrivacy Checkup(プライバシー設定の確認)のように、ユーザーが自分のプライバシー制御を管理するための中央制御機能が必要になるかもれない。

Twitterのプライバシー・チェックイン機能では、一連の質問によってユーザーがTwitterプラットフォーム上でどのように公開またはプライベート状態でいたいかを考える手助けをする。例えば自分のツイートを全員が見ることができるか否か、誰が自分にダイレクトメッセージを送れるか、誰が写真に自分をタグ付けできるかなどだ。

他の検討中のアイデアには、投稿作成画面を改訂して今どのアカウントから投稿しているか(および公開ツイートかどうか)を強調したり、プライベート用アカウントから誰かにリプライしようとすると表示されるリマインダーなどがある。このリマインダーは、自分のアカウントが現在「非公開」に設定されているので相手はリプライを見ることができない、ということを警告する。ツイートを公開に切り替えて会話に参加できるようにするためのボタンもついている。

しかし、今検討されているもっと興味深いコンセプトが、発見されやすさ(discoverability)に関するものだ。誰かがある集団からいじめを受けると、望まない注目がいっそう増えるという問題がしばしば起きる。ユーザーは荒らしやいじめを通報できるが、すぐに攻撃が止むわけではない。この集団いじめ行為に対処するために、アカウントを非公開にしたりTwitterアカウントそのものを削除してしまうユーザーもいる。

Twitterが検討中の新機能は、第3の選択肢を提供する。アカウントを hidden(隠した)状態にすることだ。ユーザーは、自分のアカウントに対するネガティブな注目が増えているという警告をプッシュ通知で受け取ることが可能になり、新しいプライバシー管理画面に誘導され、他のTwitterユーザーが自分を検索で見つけられないようにすることができる。1つのトグルボタンは、自分のユーザー名を検索できるかどうか、もう1つは自分のアカウントが「Who To Follow(おすすめユーザー)」で推奨されるかどうかを切り替える。一定期間だけ隠しておきたいときのために、これらのオプションを無効化しておく期限を設定することもできる。

画像クレジット:Twitter/Lena Emara 

Twitterは、これらは単なるアイデアであり開発中の機能ではないと言っている。会社はTwitterユーザーコミュニティから意見を聞きたがっていて、そのフィードバックを今後重視していくつもりだ。

このところTwitterは、この種のデザインコンセプトをいくつも公表している。つい先週も、友達のみへのツイートや複数ペルソナなどの新しいアイデアを紹介した。2021年6月には、ユーザーが他人のツイートから自分のタグを外せる「unmention(アンメンション)」機能も披露した。

現時点でTwitterは、これらの新コンセプトのどれが実際に機能として提供されるのか、まだ決めていない。しかしこれは、何年もの停滞期間を経て再活性化された同社がより革新的に、より速いペースで変わろうとしてしていることを示す新たな例だ。たとえば2020年、Twitterは自社版ストーリー機能であるFleets(フリート)を全ユーザーに公開した。その後も重要な新機能を次々と展開あるいは展開予定で、オーディオ・ネットワーキング・サービスのTwitter Spaces(ツイッター・スペース)、クラウドソースを利用したファクトチェッカーであるBirdwatch(バードウォッチ)、プレミアム・サブスクリプションのTwitter Blue(ツイッター・ブルー)、Revue(レビュー)発行のニュースレター、投げ銭機能のTip Jarに加え、クリエイターのためのサブスクリプションSuper Follow(スーパーフォロー)のアプリケーションを公開した。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

インド政府がツイッターは同国での免責措置を失ったと主張、新IT規制不遵守を理由に

インドの新しいIT規制をめぐり同国政府とTwitter(ツイッター)の間で緊張が高まっている中、インド政府は現地時間7月5日、Twitterはインドにおいて、ユーザーが作成したコンテンツに関して責任を問われない免責措置を享受できなくなったと、ニューデリーの高等裁判所に提出した書類で述べた。

インド政府は5日に提出した裁判所への申し立ての中で、米国のソーシャルネットワークであるTwitterが2021年2月に発表され5月下旬に施行されたインドの新しいIT規制に従わなかったため、同社はインドでの免責を失ったと主張した。

専門家たちはここ数週間、Twitterが世界第2位のインターネット市場である同国でセーフハーバー保護を維持できるかどうか決定する権限は、インド政府ではなくインドの裁判所にあると述べてきた。

インターネットサービスは「セーフハーバー」と呼ばれる広義の保護を受けており、ユーザーがネット上に投稿したり共有するコンテンツに関して、技術系プラットフォームは責任を問われないとされている。例えば、Twitterであなたが誰かを侮辱した場合、同社はその投稿を削除するよう求められることはあっても(侮辱した相手が裁判所に訴え、削除命令が出された場合)、ユーザーの言動に対して法的な責任を問われることはないだろう。

この保護がなくなれば、モバイル調査会社のApp Annieによるとインドに1億人以上のユーザーを抱えているTwitterは、名目上ではこれらのユーザーがプラットフォーム上で発言するすべての内容に対して責任を持つことになる。

「第79条第1項で媒介者に与えられる免責は、媒介者が第79条第2項および第3項の条件を満たすことを前提とした条件付きの免責であることを述べます。規則7に規定されているように、2021年情報技術規則を遵守しなかった場合、2000年IT法79条1項の規定は当該媒介者には適用されません」と、IT省のN Samaya Balan(N・サマヤ・バラン)氏は申請書に記している。

この動きは、インド政府とTwitterの間で緊張関係がエスカレートしているのを受けたものだ。この新規則では、重要なソーシャルメディア企業(インド国内に500万人以上のユーザーを抱える企業)は、チーフコンプライアントオフィサー、常駐グリーバンスオフィサー、および現場の懸念に対応するいわゆるノーダルコンタクトパーソンを任命することが求められている。Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)をはじめとする他のいくつかの該当企業は、新IT規制を部分的または全面的に遵守している。

Twitterは、これらの要件のいずれにも準拠していないと申し立ては批判している。Twitterは5日に提出された書類についてはコメントを差し控えたが、過去にはIT規制を遵守するつもりであると述べていた。

Ravi Shankar Prasad(ラビ・シャンカール・プラサッド)通信情報技術相は先週の会見でこう述べた。「インドは、すべてのソーシャルメディアプラットフォームのビジネスを歓迎しています。ラビ・シャンカール・プラサッド、または首相、誰を批判しても構いません。問題なのは、ソーシャルメディアの悪用です。彼らの中には、我々は米国の法律に縛られているという人もいます。インドで事業を行い、大金は稼いでいるが、米国の法律が適用されるという立場を取るのでしょうか。これは明らかに許容できません」。

免責措置が剥奪されると、インドのTwitter幹部は、プラットフォーム上で好ましくないと判断されたコンテンツに関して、いくつかの刑事責任を問われる可能性がある。インド警察は諸問題に関し、同社またはその関係者に対して、すでに少なくとも5件の訴訟を起こしている。

デリー警察の特殊部隊は、2021年5月下旬にTwitterの2つのオフィスを突然訪問し、多くの人がそれを威嚇戦術と受け止めた。Twitterは当時「インドの従業員に関する最近の出来事と、当社がサービスを提供している人々の表現の自由に対する潜在的な脅威に懸念を抱いている」と述べ、インド政府に対し、新しいIT規則に準拠するための3カ月間の追加猶予を要請した。

WhatsApp(ワッツアップ)も、新IT規制に完全には対応していない。今回のIT規制では、暗号化されたメッセージングアプリの運営者に対して、法執行機関が問題のあるメッセージの発信者を「追跡」できる方法を導入することも義務付けられている。インドで5億3000万人以上のユーザーを抱えるWhatsAppは「トレーサビリティ(追跡可能性)」を可能にすることは国民のプライバシーに関する憲法上の権利を侵害するとして、2021年5月にこの要件についてインド政府を訴えた

Signal(シグナル)もまた、このトレーサビリティの要求に応じていないと報じられている。同メッセージングサービスは、コメントの要請に応じなかった。インドで数千万人のMessages / iMessageユーザーを抱えるApple(アップル)が、トレーサビリティの要件を遵守しているかどうかは不明だ。Appleはこの件に関してコメントを控えている。

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

Twitterがより目立つ「誤報警告ラベル」をテスト中

Twitter(ツイッター)は、完全に削除するほど危険ではないと同社が判断した「誤解を招くツイート」に対する扱いの変更を現在検討している。

同社は、米国時間7月1日に、この新しい誤報警告ラベルの画像を添付したツイートを通して、このテストを発表した。今回の限定的なテストでは、そうした誤報ラベルの背景が色分けされて表示されるようになり、ユーザーにとってフィード内での視認性が向上するとともに、視覚的な手がかりから情報をすばやく解析できるようになっている。今週中にはこの変化を目にするユーザーも出てくるだろう。

2020年から、ツイートに誤解を招くような情報が含まれている場合には、ラベルでお知らせするようにしています。

これから、ウェブをお使いの一部のユーザーの方にむけて、そのツイートがなぜ誤解を招く可能性があるのかをより深く理解していただくために、さらに多くの文脈を含んだ新しいラベルデザインをテストする予定です。

Twitterが「誤解を招く」とみなしたツイートは背景が赤くなり、簡単な説明が添えられ、ユーザーがツイートに対して返信、いいね、シェアできない旨の注意が表示される。積極的な誤解を招くような内容ではないコンテンツに対しては、黄色いラベルが表示される。どちらの場合でも、Twitterはラベルをクリックすることで、目の前のトピック(この場合はパンデミック)に関する検証済みの情報を見つけられることを、より明確にしている。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対して「この限定的なテストの中で新しいラベルを目にしたユーザーの方々は、ラベルそのものに使用される文言とシンボル、そしてカラーなどを通じて、それらが関与している情報やコンテンツに関する明確な文脈を引き出すことができ、単にラベルがあるというだけではなく、よりコミュニケーション上のインパクトがあることに気がつくでしょう」と述べている。

画像クレジット:Twitter

Twitterは、わずかなデザインの変化でも、人々がラベル付きのツイートをどのように操作するかに影響を与えることに気が付いた。たとえばピンク色のラベルを使ったテストでは、ユーザーがTwitterが提供した権威ある情報をより多くクリックした現象は観察されたが、コンテンツ自体の引用ツイートも増えたのでさらに拡散が進んだ。Twitterによれば、今回新しい誤報警告ラベルに採用された文言、色、シンボルに関しては、多くのバリエーションをテストしたとのことだ。

今回の変更は、長期に渡った一般からのフィードバックを経て行われた。その結果から、Twitterは誤報のラベルはツイートの海の中でより目立たせる必要があると確信した。一方、Facebookの誤報ラベルは、あまりにも簡単に通常の投稿に溶け込んでしまい、プラットフォーム上の潜在的に危険な情報に対して、大きな注意を喚起することができていないという批判にさらされている。

Twitterが最初にコンテンツラベルを作ったのは「操作されたメディア」にフラグを立てることが目的だった。たとえば2019年に流行したNancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)氏の加工されたディープフェイクのように、意図的に人を誤解させるように変更された写真や動画がターゲットとされたのだ。2020年5月にTwitterは、パンデミック初期にソーシャルメディアを席巻した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の誤報に対応するため、そのラベルの使用を拡大した。

1カ月前には、ワクチンに関係した誤報に特化した新しいラベルを展開し、ルールにストライクベースのシステム(警告を受けた回数によって利用制限がだんだん厳しくなる)を導入した。基本的な考えは、Twitterが、誤報の実害の可能性に応じて適切に対応するためのツールキットを構築するということだ。

Twitterの広報担当者は「……当社のポリシーの範囲内だとしても、誤解を招く表現のすべてが、同じように有害であるとは限らないことは理解しています」と語る。「例えば新型コロナを治療するために漂白剤を飲めというのは、洪水に見舞われた高速道路を泳ぐサメのバイラル画像を共有して、それがハリケーンの際の映像だと主張することよりも、より直接的で深刻な有害情報です(サメの件はハリケーンの季節になると実際に起こることです)」。

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これらのラベルは、クリックに対する警告や、扇情的なツイートを衝動的に共有しないように人々をさりげなく誘導するためのポップアップメッセージなど、Twitterがここ数年で開発してきたコンテンツ管理オプションの1つだ。

Twitterが、コンテンツを完全に削除しない場合には、コンテンツを制限するための各種対応策を用意している。

  • ツイートにラベルや警告文を付ける
  • ツイートを「シェア」や「いいね」する前に、警告を表示する
  • Twitter上でのツイートの視認性を下げたり、推奨されないようにする
  • いいね、返信、リツイートをオフにする
  • キュレーションされたランディングページや、関連するTwitterのポリシーなどの、追加の説明や明確化へのリンクを提供する

ほとんどの場合、Twitterは上記のすべてを適用するだろう。

広報担当者は「さまざまな種類の誤報がもたらす個々の課題に対処できる、唯一の答えはありませんが、複数のアプローチに投資することで、常に変化している世論の動きに合わせて機動的に変化することができると考えています」という。

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タグ:TwitterSNS

画像クレジット:TechCrunch

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(文: aylor Hatmaker、翻訳:sako)

TikTokが動画の長さを最大60秒から3分に拡大

TikTokに、より長い動画を投稿できるようになる。過去数カ月の間に多くのクリエイターを対象とするテストを行った結果、同社は最長3分間の動画を作成できるオプションを導入すると、米国時間7月1日に発表した。TikTokの動画の長さは、当初の15秒から60秒に拡大されたが、この60秒の動画フォーマットは「Snapchat Spotlight(スナップチャット・スポットライト)」や「YouTube Shorts(ユーチューブ・ショート)」など、TikTokの新たな競合製品に模倣されていた。

TikTokによると、クリエイターコミュニティから寄せられた意見に基づいて、同社は動画の最大時間を拡大することに決めたという。クリエイターたちは、ある種の動画を作成する際に、例えば料理の実演や、美容のチュートリアル、教育コンテンツ、コメディタッチの寸劇などの動画では、より多くの時間と柔軟性を求めていた。

TikTokのプロダクトマネージャーを務めるDrew Kirchhoff(ドリュー・キルヒホフ)氏は「より長い動画を投稿できるようになったことで、クリエイターは新しい、あるいは拡張された種類のコンテンツを、もう少し余裕を持って、柔軟に制作することができるようになります」と、同社の発表の中で説明している。

3分に拡大される以前、多くのクリエイターはTikTokの制限を回避するために、動画をパート1とパート2(あるいは3、4……)に分け、続きを見せるために視聴者に「いいね」や「フォロー」を促していた。フォロワーを増やすためには有効かもしれないが、視聴者の側には、最初に興味を持った動画の続きを見るためだけに、そのクリエイターの他の動画をわざわざスクロールしたくないという不満があった。またこれは、どれほど多くのTikTokクリエーターが、無意味で人為的な制限に対する解決策を見つける必要に迫られているかということも明らかにした。

動画の長さを拡大した今回の変更によって、TikTokはさらに強力なYouTubeの競争相手となる可能性もある。YouTubeはTikTokの成長を懸念して、自社のアプリに「YouTube ショート」というTikTokと直接競合する機能を導入した。しかし、TikTokは、自社のプラットフォームの優位性は、動画が短いことではなく、さまざまな特殊効果や、ARツール、音楽カタログ、そしてステッチやデュエットなどの特殊なツールを使ってクリエイター同士が生み出す対話など、豊富な機能の組み合わせにあることを理解している。

他のライバル企業も、TikTokの脅威に注目している。

今回のTikTokの発表の前日には、Instagram(インスタグラム)の責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏が、これまで写真の共有に特化していたこのFacebook傘下のアプリで、短くておもしろい動画を、よりInstagram体験の中心に据える実験を間もなく開始すると語ったばかりだ。Instagramでは「フルスクリーン、没入型、エンターテインメント性、モバイルファーストの動画」など、動画をより良く魅力的にするための新しい方法を試していくと、モセリ氏は約束している。

「率直に言って、今は非常に厳しい競争があります。TikTokは巨大です。YouTubeはさらに大きい」と、モセリ氏は言及した。

TikTokは、2020年末より3分間の動画のテストを始めていた。同社によると、より長い動画を撮影できるオプションは、今後数週間のうちに世界中のユーザーが利用できるようになるとのこと。アップデートが適用されたら、ユーザーに通知があるはずだ。

関連記事:TikTokのライバルとなる60秒以内の動画サービス「YouTubeショート」が米国に上陸

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画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitterが「友達だけへのツイート」「複数のペルソナ」など新機能を検討中

Twitter(ツイッター)には、検討中の機能やデザインを非常に早い開発段階で公表してきた歴史がある。たとえば2021年6月中旬、同社はユーザーが他者のツイートから自分のタグを外す 「unmention(アンメンション、メンション削除)」機能のコンセプトを披露した。そして米国時間7月1日、Twitterはユーザーが自分のツイートを誰が見られるか、誰がリプライできるかなどを細かく管理できる仕組みを発表した。新たなコンセプトには、信頼している友だちのグループのみに向けてツイートする方法、リプライを投稿する前に言葉の選択を考え直すよう促すプロンプト、仕事、趣味、興味に関するツイートなど、異なる状況に応じてツイートできる「ペルソナ」機能などが入っている。

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同社は、これらのコンセプトを熟考中であり、開発の参考にするためのフィードバックを集める予定だと言っている。

最初のアイデアは、2020年公開した投稿者が自分のツイートに誰がリプライできるかを選べる機能とともに検討が始まった。現在ユーザーはリプライできる人を、ツイートでメンションされた人のみ、自分がフォローしている人のみ、あるいはデフォルトの「全員」から選ぶことができる。しかし、こうすることで返信できる人を制限することはできるが、ツイートそのものは誰でも見られる。また、いいねやリツイートや引用したりすることもできる。

提案されているTrusted Friend(信頼する友達)機能では、ユーザーが自分で選んだグループに向けてツイートできる。これは、Twitterをリアルライフの友達や個人的によく知る少人数のネットワークとのやりとり使う方法になり得る。たとえばニューヨークの友達だけにツイートして自分がそこを訪れていることを知らせる、といった使い方もできる。あるいは、テレビ番組やスポーツイベント、趣味などの嗜好が共通する人たちだけにツイートすることもできるだろう。

画像クレジット:Twitter

公開のツイートと別にプライベートな会話を可能にすることで、Twitterの利用を促進することが期待され、初めてツイートするユーザーを後押しすることもできるかもしれない。しかし同時にこれには、Twitterにとって破壊的な一面もある。誰もが会話に参加できる公開メッセージボードのようなプラットフォーム、という同社本来のアイデアを損なうものだからだ。ユーザーは自分の投稿が公共でシェアされる価値があるかどうかを考えた結果、その多くを広くTwitterユーザーに公開することを控えるようになるかもしれない。それはTwitterのエンゲージメント指標に影響を与える可能性がある。またこれは、一部の投稿だけを世界に向けて発信し、友達とだけシェアすることのほうが多いFacebook(フェイスブック)の領域にTwitterを近づけるものでもある。

Twitterはこのプライベートな「友達のみ」方式の利点について、現在行われている回避方法、たとえば複数のアカウントを使ったり、公開ツイートと非公開ツイートを切り替えることをしなくてすむことを挙げている。

次に検討されている新機能が、Reply Language Prompts(リプライ表現プロンプト)だ。この機能によってTwitterユーザーは、自分へのリプライで見たくない言葉遣いを選ぶことができる。誰かがリプライしようとすると、該当する単語とフレーズが強調表示され、投稿主がなぜこれらの言葉遣いを望んでいないかを説明するプロンプトが表示される。例えばユーザーは自分の投稿への下品な表現を含むリプライに対してプロンプトを出すように設定することができる。

画像クレジット:Twitter

この機能はリプライの送信を止めるものではない。どちらかというと、よく考えて欲しいという穏やかな「nudge(ナッジ、ひと押し)」だ。

こうした「ナッジ」には影響力が期待できる。例えば、以前Twitterが、リツイートして拡散する前に投稿を読むことを促すナッジを導入したとき、ユーザーは以前より40%多くリツイート前に記事を開くようになった。もっとも、荒らしに確信犯にはさほど効果がないかもしれない。

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第3の、おそらく最も複雑な機能は、Twitterが「Facets(ファセット)」と呼んでいるものだ。
これは1つのアカウントから異なるペルソナでツイートすることに関する初期段階のアイデアだ。この機能は、仕事、副業、個人や家族の生活、熱中しているものなど、自分の異なる側面についてツイートすることの多い人にとって意味がある。

画像クレジット:Twitter

Trusted Friendsがパーソナルなネットワークに向けてツイートするのに対して、Facetsは、自分の全ツイートをフォローして欲しいのか、興味のある「facet」に関するものだけをフォローして欲しいのかをユーザーが選ぶことができる。例えば誰かのテクノロジーに関するツイートはフォローするが、その人がひいきチームのプレイを見たリアクションの連続投稿は無視できる。あるいは、友達の個人的なツイートだけをフォローして、仕事関係のコンテンツを無視することもできる、等々。

これは興味深いアイデアだ。なぜならTwitterユーザーは、いわゆる「off-topic(オフトピック、主題から逸脱した)」なツイートでフォロワーを遠ざけてしまうことを常に恐れているからだ。しかしこれは、どのツイートをどのユーザーに見せるかという問題をエンドユーザー自身に決めさせるものでもある。どのコンテンツが合っているか、どれを無視しがちかを理解しているアルゴリズム的タイムラインのほうが、ユーザーにとってありがたいかもしれない。

これらの機能が開発中であるかどうか、Twitterは何も述べていない。これは会社が考えているアイデアを見せるための単なるモックアップ・デザインだ。どれかを開発するかどうかも決まっていない。Twitterが期待しているユーザーフィードバックが決定を手助けするだろう。

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タグ:TwitterSNS

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックが自動モデレーション機能などのグループ管理者向け新ツール発表

Facebook(フェイスブック)は米国時間6月17日、プラットフォーム上のコミュニティを適切に管理し、意見が対立して荒れるなどの状況を防ぐことを目的としたグループ管理者向けの新しいツールを発表した。特に興味深いツールは、機械学習を利用して、グループ内で不健全な会話が発生している可能性を管理者に警告する機能である。管理者がグループメンバーの投稿の頻度を制限して、白熱した会話のペースを落とす機能もある。

Facebookグループを利用するためにFacebookのアカウントを持ち続けるユーザーも多い。同社によると、現在、数千万のグループが存在し、世界中で7000万人以上のアクティブな管理者とモデレーターによって管理されているという。

Facebookは長年にわたり、グループオーナーのためのより優れたツールの導入に取り組んできた。大規模なオンラインコミュニティの運営には大き過ぎる管理責任がともなう。それに疲弊した管理者が仕事を放棄し、グループが管理されないまま放置され、誤った情報やスパム、不正行為の温床となってしまうことも多い。

2020年秋、Facebookはこのような問題に対処するために新しいグループポリシーを導入し、アクティブな管理者のいないグループを取り締まるなどの対策を講じた。同社はもちろん、グループの運営を簡単にできるようにして、グループが存続し、成長し続けることを維持したいと考えている。

米国時間6月17日、満を持して新機能が登場した。

新しいダッシュボード「管理者ホーム」には、管理者ツール、設定、機能が集約され、グループのニーズに合わせて役に立つツールを提案するヒントが表示される。

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もう1つの新機能「管理者アシスト」では、グループ内のコメントを自動的に調整することができる。グループ内で議論が白熱した際に、事後的にコメントや投稿を削除すると、問題が生じる可能性がある。「管理者アシスト」機能を使うと、管理者は(事後的ではなく)より積極的にコメントや投稿を制限することができる。

管理者は「管理者アシスト」機能を使って、Facebookアカウントを取得してから間もないユーザーや、最近グループのルールに違反したユーザーの投稿を制限することができる。特定の内容の宣伝(マルチ商法へのリンクなど)を含む投稿を自動的に拒否し、その投稿が拒否された理由を投稿者に自動的にフィードバックすることも可能だ。

管理者は、Facebookが推奨する条件を利用して、スパムを制限したり、対立を管理したりすることもできる。

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注目すべきアップデートは「対立の可能性のアラート」という、新しいタイプのモデレーションアラートだ。Facebookによると、この機能は現在テスト中で、グループ内で論争や不健全な会話が行われている可能性がある場合に管理者に通知する機能である。管理者はこのアラートを見て、コメントを消す、コメントできるユーザーを制限する、投稿を削除するなど、状況に応じて迅速に対応することができる。

「対立の可能性のアラート」は機械学習を利用している、とFacebookは説明する。機械学習モデルは、返信時間やコメントのサイズなどの複数のシグナルを見て、ユーザー間の相互作用がマイナスな方向に進行していないか、あるいは進行する可能性があるかどうかを判断するという。

これは、現在多くの管理者が使用しているキーワードアラート機能を自動化、拡張した機能で、言い争いになりそうなトピックを探すことができる。

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これに関連した新機能では、管理者は、特定のメンバーによるコメントの頻度を制限したり、指定した投稿へのコメントの頻度を制限したりすることもできるようになる。

この機能を有効にすると、メンバーのコメントは5分に1回に制限される。根底にあるのは、議論が白熱する中、ユーザーにいったん立ち止まって自分の発言を考えてもらうことで、より文化的な会話につなげるというアイデアである。この考え方は、他のソーシャルネットワークでも採用されている。例えばTwitterは、リツイートする前に記事を読むように促したり有害である可能性のある返信にプロンプトを表示して、投稿を再確認するように呼びかけたりしている。

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その一方で、Facebookは、たとえそれがポジティブなやり取りや体験につながらない場合でも、プラットフォーム上でのコミュニケーションを幅広く受け入れてきた。今回の機能は大掛かりなものではないが、健全なオンラインコミュニティを構築するためには、頭に浮かんだことをすぐに書き込んだりコメントしたりできないようにする必要もある、とFacebookが認めたことを意味する。

Facebookは、管理者が特定のグループメンバーの活動を一時的に制限できるようにするツールもテスト中である。

管理者はこのツールを使って、特定のメンバーが1日に共有できる投稿数(1~9件)と、制限を有効にする期間(12時間、24時間、3日、7日、14日、28日)を設定したり、特定のメンバーが1時間あたりに共有できるコメント数(1~30件、5件単位)と、制限期間(12時間、24時間、3日、7日、14日、28日)を設定したりすることができる。

また、より健全なコミュニティの構築に向けて「メンバーの概要」という新機能で各メンバーのグループでの活動状況を把握したり、投稿数やコメント数、投稿の削除やミュートの回数などを確認したりすることも可能になる。

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Facebookは、これらの新しいツールの活用法については言及していないが、管理者が詳細な「メンバーの概要」を利用して散発的にメンバーベースのクリーンアップを行い、議論を妨害してばかりいる悪質なユーザーを排除する、といったユースケースなどが考えられる。このツールで、グループの活動に貢献している無違反のユーザーを見つけてモデレーターに昇格させることもできるだろう。

さらに、管理者は、コメントと投稿にグループルールをタグ付けしたり、特定の投稿タイプ(アンケートやイベントなど)を禁止したり、グループの違反に関連する決定を再調査するようFacebookに「異議申し立て」したりすることができるようになる。

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ここまでのニュースに埋もれてしまった感があるが、以前発表された「チャット」の復活も興味深い。

2019年、Facebookは突然チャット機能を削除した。(Facebookは製品インフラの問題であるとしたものの、)おそらくスパムが原因ではないかと一部で推測されている。以前と同様、チャットには、アクティブメンバーと、チャットからの通知をオプトインしたユーザーを含めて、最大250人が参加できる。上限に達すると、チャットのアクティブメンバーが退出するか、誰かが通知を停止するまで、他のメンバーはそのチャットルームに参加することができない。

Facebookグループのメンバーは、Messengerを使用するのではなく、Facebookグループ内で他のメンバーとのチャットを開始したり、チャットを検索して参加したりすることができる。管理者やモデレーターも同様だ。

今回の変更が、評価額が11億7000万ドル(約1290億円)の新しいユニコーン企業であるIRL(アイアールエル)のようなメッセージングベースのソーシャルネットワークの他、Telegram(テレグラム)やSignal(シグナル)などのメッセージングアプリ、さらに非主流のソーシャルネットワークの成長を後追いしている、という点は注目すべきだろう。

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以上のようなたくさんの新機能の他にも、Facebookは管理者からのフィードバックに基づいて、いくつかの機能に変更を加えている。

現在、固定されたコメントと、重要なニュースをグループの(グループの通知を受信する設定になっている)メンバーに通知する「管理者からのお知らせ」という新しい投稿タイプがテスト中である。

また、管理者がグループメンバーを除外する際、フィードバックを共有できるようになる予定だ。

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これらの変更は、今後数週間のうちに、全世界でFacebookグループ全体に展開される。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

Snapがビデオで使える音楽の拡充でユニバーサル・ミュージックと提携

Snap(スナップ)は6月24日、世界最大の音楽会社の1つであるUniversal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ、UMG)との複数年契約を発表した。QueenからJustin Bieberに至るまで、ユーザーは自分のSnapsの中で、そしてTikTokと競合するSpotlightで使うために広大なUMGのカタログから曲をクリップできる。

今回の発表に先駆けてSnapchatは昨年10月、Sounds機能を加えていた。この機能ではユーザーはSnapがライセンスを獲得した音楽で自身のSnapsを充実させることができる。機能を追加して以降、5億2100万本超のビデオがSoundsを使って制作され、310億回超閲覧されたとSnapは話す。

もちろん、Snapchatの音楽への投資はTikTokで使える音楽が増えていることへの直接の対応だ。昨年、Fleetwood Mac(フリートウッドマック)のレコードに収録された曲「Dreams」がTikTokで流行った後、1977年のアルバム「Rumours」がビルボードに再登場した。TikTokではダンスもよく流行っていて、そうしたダンスで曲が採用されたアーティストの売り上げを支えている。なので、TikTokやSnapchatのようなアプリがライセンスを取得した曲が多いほど、Nathan Apodaca(ネイサン・アポダカ)氏のような機会、つまり無料の宣伝は多くなる。

Olivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)氏のようなZ世代アーティストは、すでに新しい音楽を宣伝するのにこうしたソーシャルプラットフォームを活用してきた。Snapでは、ロドリゴ氏の曲「Driver’s License」を使ったビデオが1000万本制作された、とSnapは指摘する。ロドリゴ氏はまた、記録破りのデビュー曲「Sour」を宣伝するためにSnapchatでAR Lensesを使った初めてのアーティストでもあったが、公平のために言うとロドリゴ氏はInstagramでもARエフェクトを共有した。

オリビア・ロドリゴ氏は新しいアルバムで「deja vu(デジャブ)」について歌っているが、Snapの発表からもデジャブ感を受けるかもしれない。TikTokはまた、2月にUMGと提携を結んだ。その前の2020年11月には、TikTokはソニーとの新たなライセンス契約合意を発表した。一方、Snapの音楽パートナーのポートフォリオにはWarner Music GroupやSony Music Publishingなどが含まれる。

これらの提携は独占ではない。「deja vu」を使ってSnapchat、TikTok、Instagramなどでビデオを制作できる。こうした提携は他者を出し抜くための、常に繰り広げられる戦いだ。もしTikTokがUMGと提携すれば、Snapchatは競争力を保つために同様にUMGと提携する必要があり、これは現在我々が目にしているものだ。我々の友オリビアが言うように、厳しい世界だ。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Instagramがデスクトップブラウザから投稿できる機能をテスト中

モバイルプロダクトだけに何年も注力してきたのちに、Instagram(インスタグラム)はようやくユーザーがコンピューターから投稿できるようにすることを検討している。多くのTwitterユーザーが、テスト機能が米国時間6月24日に使えるようになったことを指摘し、InstagramはTechCrunchにテストを展開していることを認めた。

「多くの人がコンピューターからInstagramにアクセスしていることに気づいています」とInstagramの広報担当は述べた。「そのエクスペリエンスを向上させるために、当社はデスクトップブラウザからInstagram上でフィード投稿ができる機能をテストしています」。

なぜ、今なのか。明らかにパンデミックの間にスマートフォンからではなくコンピューターからInstagramを利用する人が増えた。

テストが使えるかどうかをチェックするには、ブラウザでInstagramにいき、新しい「プラス」のアイコンが右上のアイコントレイにあるかどうかを確認する。テストはすべての人に提供されているわけではなく、またメインフィードへの投稿が作成できるだけだ。

新しいテストはInstagramのデスクトップに関する最新の動きだ。Instagramは2017年にウェブでStoriesを閲覧できるようにし、2020年後半にデスクトップにダイレクトメッセージ機能を加えた

「Instagramデスクトップウェブのエクスペリエンスがネイティブアプリの使用を減らすという証拠は見つかっていません」とInstagramのデータサイエンティストはウェブメッセージ機能の立ち上げ時に述べた。

「実際はまったく逆です。どちらのインターフェースも使うユーザーは、どちらかのインターフェースだけを使うユーザーよりも、それぞれのインターフェースでより多くの時間を費やします」。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

TwitterでツイートをInstagramストーリーに直接シェア可能に

それは小さなことだが、味わい深い変更だ。

あなたがスクリーンショットのツイートや再シェアされたTikTok(ティックトック)でごちゃまぜになったInstagram(インスタグラム)フィードに飽き飽きしているなら、それがなくなることはないが、もうすぐ見た目はぐっとよくなる。

Twitter(ツイッター)はツイートを直接Instagram Stories(ストーリー)にシェアする機能を追加し、クロスプラットフォーム体験を改善した。ツイートをタップしてTwitterに飛ぶことはできないが、見た目はよい。Androidユーザーには残念なことだが、今のところiOSのみだ。

新しいクロスプラットフォーム機能は、停滞気味な同社を非難し、CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏追放を計画した投資家たちからの度重なる圧力の結果、最近Twitterが次々と打ち出している改善作業の一環だ。また同社は、ユーザーが自分のツイートを収益化するための主要機能を2つ追加した。「Super Follows」(スーパーフォロー)と呼ばれる有料サブスクリプションとチケット制のイベントだ。

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Twitterユーザーは長年、生活の質を向上させる数々のちょっとした変更の実現を待ち望んできた。未だにツイートの編集ができないことに対するジャーナリスト界全体からの苦情としてしばしば表面化している現象だ。しかし、このまま行けばTwitterはついに実行するかもしれない。

それっていいと思わない?

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タグ:TwitterInstagramSNS

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokの好敵手Kuaishouが全世界でMAU10億人突破、東京オリンピックの放映権獲得

TikTok(ティックトック)の中国での最大のライバルであるKuaishou(クアイショウ、快手)にとって、現地時間6月23日は特別な日となった。海外では動画アプリ「Kwai」で知られる中国のショートビデオ企業は、月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破したと発表した。

それはどのくらいの規模なのか?FacebookのMAUは2021年3月時点で28.5億人だった。TikTokは2021年中に12億MAUを超えると予測されており、その中国版Douyin(抖音)は2020年9月にすでに6億人のデイリーユーザー(DAU)を獲得したと発表している。つまり、Kuaishouにはまだ追いつく余地があるということだ。

中国はKuaishouの主要な市場であり続ける。同社の海外のMAUは第1四半期に1億人を突破し、その間に「南米や東南アジアでの戦略を進めた」ことで、2021年4月には1億5000万人にまで急増したと、同社は決算説明会で述べている。

香港に上場しているKuaishouの株価は、6月23日に6%以上も上昇して1株あたり200香港ドル(約2860円)近くになり、時価総額は約8300億香港ドル(約11兆8640億円)に達したが、それでも2021年2月のピーク時の415香港ドル(約5930円)を大きく下回っている。

Kuaishouの世界進出は、海外市場で躍進している中国のインターネット企業はByteDance(バイトダンス)だけではないことを思い出させてくれる。中国のJoyy(ジョイ)が所有するBigoはインドで非常に人気のあるライブビデオアプリだったが、現地政府によって禁止されてしまった

Kuaishouの創業者兼CEOのSu Hua(宿华)氏は23日の記者会見で「Kuaishouは2011年からパイオニアとして、世界中のインターネットユーザーに自分のライフストーリーを記録し、共有する機会を提供してきました」と述べるとともに、同アプリが東京2020オリンピックの公式放映権を獲得したことを発表した。

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画像クレジット:Kuaishou’s Kwai app

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

フェイスブックがネットショッピングに関連する4つの新機能を発表

Facebook(フェイスブック)は、高校時代の同級生が飼っていた犬の写真を見て商品を購入するようなことが、さらに簡単にできるように、ショッピング関連の新機能をいくつか導入する。もちろん、Instagram Shops(インスタグラム ショップ)や「Facebook Marketplace(フェイスブック マーケットプレイス)」は、すでにアプリの下部ナビゲーションタブに大きく表示されている。しかし今回、その他のアップデートとともに、WhatsApp(ワッツアップ)でもショッピングができるようになった。

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Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは米国時間6月22日、Facebookの音声チャット「Live Audio Room(ライブオーディオルーム)」で、同社のプラットフォームに新たに導入されるeコマース機能を発表した。「Shops on WhatsApp(ショップ・オン・ワッツアップ)」「Shops on Marketplace(ショップ・オン・マーケットプレイス)」「Shops Ads(ショップ・アド)」そして「Instagram Visual Search(インスタグラム・ビジュアル・サーチ)」の4つだ。

ザッカーバーグ氏はFacebookの投稿で「毎月10億人以上の人がMarketplaceを利用しています。そこで私たちは、企業が自分たちのShops(Facebookショップ)をもっと多くの人に利用してもらえるように、Marketplaceに導入できるようにします」と書いている。また、企業はWhatsAppでもFacebookショップを表示させることが可能になり、ユーザーは商品を購入する前にその企業とチャットできるようになる。

画像クレジット:WhatsApp

2021年6月初めに開催された「F8 Refresh(F8リフレッシュ)」の基調講演で、FacebookはWhatsApp Business(ワッツアップ・ビジネス)のアップデートを発表した。それまで、ビジネスアカウントの開設には数週間を要していたが、今ではわずか数分で登録できるようになった。WhatsAppには全世界で20億人以上のユーザーがいるが、カスタマーサポートなどのためにWhatsApp Businessアカウントで毎日メッセージを送っている人は約1億7500万人ほどしかいない。FacebookはInstagramなどのプラットフォームでeコマース向け機能の強化を推進しているため、この取り組みをWhatsAppにも拡大しようとするのは理に適っている。

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Shops on WhatsAppは間もなく導入が開始される予定で、Shops on Marketplaceはすでに米国ではオンサイトチェックアウトが可能になっている。

3つ目の機能であるShops Adsは、人々のそれぞれの買い物の傾向に基づき、より個人に合わせたショッピング体験を提供することを目的としている。「人々の買い物の行動に基づいて、企業が買い物客を最も購入する可能性の高い場所に送り込むことができる機能の提供を開始します」と、ザッカーバーグ氏は述べている。米国ではAR Dynamic Ads(ARダイナミック広告)の導入が始まっており、Huda Beauty(フーダ ビューティー)やLaura Mercier(ローラ メルシエ)などの企業は、この広告を利用して、顧客が購入する前にARで口紅の色合いを試せるようにしている。このようなAR試着体験は、Modiface(モディフェイス)やPerfect Corp(パーフェクト、玩美移動)とのAPI統合によって提供されるものだ。2021年初めには、Pinterest(ピンタレスト)がModiFaceと協力して、アイシャドウのAR試着を始めている。

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そして4つ目として、Instagramでは今後数カ月以内に、AIを活用したVisual Search機能のテスト導入を開始する。

「ショッピングディスカバリーは、多くの場合、ビジュアルディスカバリーから始まりますよね。良いなと思うものを見かけたら、同じような商品を他にも見たいと思ったり、その商品を手に入れる方法を知りたいと思ったりするでしょう」と、ザッカーバーグ氏は説明する。「そんな問題の解決を、AIが助けてくれるのです」。

このAIを使えば、人々は自分で写真をアップロードして(Instagramに投稿していない写真でもOK)、似たようなアイテムを見つけることができるようになる。この技術を採用したのはFacebookが初めてというわけではない。例えば、CadeeraDonde SearchStye.aiなどではすでに活用されている。しかし、Instagramのようなメジャーなプラットフォームにこの技術が導入されたら、我々の買い物の仕方が変わるかもしれない。それこそが、Facebookの現在の目標であるようだ。

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タグ:FacebookショッピングeコマースSNSWhatsAppInstagramAR人工知能ソーシャルコマース

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

成熟が進むスニーカーコミュニティ、SoleSavyはE2Eの独自プラットフォーム構築を目指す

新型コロナウイルス感染流行時には、コレクター向け収集品がブームとなった。NBA Top Shot(NBAトップショット)のようなNFT(非代替性トークン)デジタルカードゲームが、新たな消費者の物欲を掻き立て爆発的に売れた一方で、スニーカーの世界はさらに成熟し、愛好家たちは趣味、情熱、こだわり、代替資産に特化したコミュニティに深く入り込んでいった。

バンクーバーに拠点を置くSoleSavy(ソールサヴィ)は、靴の世界をナビゲートするためにキュレーションされた場所をファンに提供することを目的としたスニーカーコミュニティだ。同社は200万ドル(約2億2000万円)の資金を調達したシードラウンドからわずか数カ月後、シリーズAラウンドで1250万ドル(約13億8000万円)を調達し、垂直特化型のプレミアムなソーシャル体験に、投資家が熱い視線を注いでいることを示した。今回のラウンドは、Bedrock Capital(ベッドロック・キャピタル)が主導し、Dapper Labs(ダッパーラボ)のCEOであるRoham Gharegozlou(ロハム・ガーレゴズルー)氏や、Diplo(ディプロ)、Bessemer Ventures(ベッセマー・ベンチャーズ)、Turner Novak(ターナー・ノバック)氏のBanana Capital(バナナ・キャピタル)などが参加した。

SoleSavyのDejan Pralica(デヤン・プラリカ)CEOによると、2020年末にシード資金を調達して以来、同社のユーザー数は3倍に増加し、同時に従業員も10人から37人に増えたという。

現在、SoleSavyのコミュニティは、ユーザーがあらゆることを話し合えるSlack(スラック)のグループによるネットワークを中心に構成されている。今のところ、SoleSavyのチャットコミュニティはSlack上で運営されているものの、将来的にはメンバーのための独自のチャットハブを構築し、アプリやウェブサイトそしてオンライン上の会話を、さらに結びつけることができると、同社では考えている。より近い将来の目標は、このコミュニティを信頼できる買い手と売り手のハブに成長させ、ピア・ツー・ピアの会員制マーケットプレイスとして成功させることだ。SoleSavyは、特定の分野に特化したコミュニティが、包括的なプラットフォームに集まって成長していくという、新世代のソーシャルインターネットマーケットプレイスの最前線にいる企業と言えるだろう。

「私が構想しているのは、非常に統合されたエンド・ツー・エンドのプラットフォームです」と、プラリカ氏はTechCrunchに語った。「私はもう一度スニーカーの楽しさを盛り上げ、スニーカーに情熱を持っている人たちに楽しんでもらえるようにしたいのです」。

自由参加型のチャットグループでは、その楽しさの一部が損なわれてしまう恐れがある。不快な発言が急速に蔓延したり、司会進行役が私利私欲のためにネットワークを利用するようになることがあるからだ。SoleSavyは、よりキュレートされたアプローチを取ることで、そうなることを回避できると期待している。

筆者の上司であり、TC編集部のスニーカーヘッズであるMatthew(マシュー)は、2021年初めに行われたSoleSavyのシード資金調達を報じる記事の中で次のように述べている。

このポジティブなコミュニティの雰囲気こそが、SoleSavyの長期的な焦点であり、米国とカナダに住む4000人のメンバーに、毎日のようにグループと交流したいと思わせるSoleSavyの差別化要因であると、プラリカ氏は語っている。【略】私はこれまで、製品が発売されると大量に購入して転売することを目的とした十数種類のグループに参加してきたが、その多くは婉曲的に言えば騒々しく、率直にいうと不快だ。SoleSavyでは、そのような環境になることを避けたかったとプラリカ氏はいう。そうではなく、靴を買って履きたい人、交換したい人、そして最終的には個人的な所蔵品を転売して別の貴重な品を手に入れたいと思う人も、集まる場所になることを、SoleSavyは目指しているのだ。

同社の大規模なシリーズA資金調達は、多くの投資家がソーシャルコミュニティを中心に構築された垂直型マーケットプレイスのアイデアに興味を持っていることを示している。プラリカ氏は今回の資金調達について、今後しばらくの間は資金のことを考えずに、スニーカー市場における新たな機会を見極めながら「未来に向けた構築」に集中できるチャンスだと考えている。

SoleSavyは、これまで北米のスニーカーユーザーを中心に事業を展開してきたが、今回の多額なシリーズA資金を活用し、オーストラリア、ニュージーランド、英国、シンガポール、日本、欧州全域など、新たな市場への参入も視野に入れている。また、この資金によってポッドキャストや特集記事、オリジナルビデオ、メンバーイベントによる独自ネットワークを構築することも計画している。

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タグ:スニーカーコレクションSoleSavy資金調達SNS

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

TikTokが試験していた「発見を促進する」サードパーティー統合機能Jumpを全ユーザーに提供

TikTok(ティックトック)は米国時間6月21日、サードパーティー統合の可能性を拡大するJumpプログラムの立ち上げを発表した。TikTokはレシピ共有アプリのWhiskと2021年2月にこの機能のベータ版テストを開始したが、選ばれたクリエイターのみがこの機能を使うことができた。そして現在、すべてのユーザーがパートナーが増えたJumpを使うことができるようになる。

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Jumpはアプリケーションプロセスを通じて承認されたサードパーティーのプロバイダーによってのみ構築される。ベータ版のテストにはBreathwrkWikipediaQuizletStatMuseTabelogといったプラットフォームが参加し、BuzzFeedJumpropeIRLWATCHAなどのプロバイダーが今後数週間以内にJump実装を開始する、とTikTokは話す。そのため教育分野のクリエイターはTikTokで説明したコンセプトをレビューするのにQuizletのフラッシュカードへのリンクを貼ることができる。あるいはヨガインストラクターはBreathwrkで呼吸エクササイズを共有することができる。すべてのユーザーにプロフィール欄でリンクを含ませていないプラットフォームにとって、これはクリエイターがオーディエンスを引きつけなければならない既存のツールを拡大する。

TikTokはJumpを、発見を促進する機能と位置付けている。米国TikTokでプロダクト責任者を務めるSean Kim(ショーン・キム)氏は次のように書いている。「TikTokはエンターテインメントを提供される、そして学習する場所となりました。TikTok Jumpを通じて、当社はコミュニティの発見に向けた旅の「ラストマイル」を構築し、プラットフォーム内外での行動やより深い相互作用を刺激するのをサポートしています」。

しかしSnapchatやWeChatのような他のアプリでは、これらのライト版サードパーティーの統合はeコマースを促進している。Jumpは、たとえばAtomを通じて映画のチケットを購入することができるSnapchatのMinis機能に似ている。Minis、Jumpの統合はHTML5を使って行うことができる。一方、WeChatは独自のミニアプリを通じた年間決済額が2500億ドル(約27兆5680億円)を超え、2018年時点でWeChatには100万超のミニアプリがあった。

InstagramはTikTokと競合するReelsでeコマース機能を強化しており、Jumpが後に動画で特集されたアイテムを販売するのに使われるのはあり得る。2020年12月にWalmartはTikTokでビデオショッピングを試験し、3月に再び実施するほどうまくいった。しかし差し当たり、Jumpはユーザーエクスペリエンスを高め、プラットフォームのサードパーティとの関係を深めるために使われるようだ。

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タグ:TikTokSNS

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが@mentionをユーザーが管理できる新しい攻撃防止ツールを検討

あるツイートが予想外に話題になると、それに反対するツイートが大量に送られてくるなど、ユーザーにとって望ましくない注目を集める(炎上する)ことがある。この対策として、Twitter(ツイッター)は、プラットフォーム上で攻撃を受けるユーザーをサポートするための新しい機能の追加を検討している。

人種差別的なツイートも大きな問題になっている。

TwitterのプライバシーエンジニアであるDominic Camozzi(ドミニク・カモッツィ)氏によると、同社は、ユーザーが「望まない注目を管理」できるように、ユーザーによる@mention機能のコントロールを可能にすることを検討している。

Twitterの通知システムでは、ユーザーがツイートに直接タグ付けされる。つまりツイートの内容が注目されると通知が届く。ツイートの内容が良かったり、おもしろかったりする場合は問題ないが、ユーザーを罵倒するような内容の場合、瞬く間にネット上のいじめ(攻撃)が拡大することになる。

Twitterは、今回の新しい攻撃防止プランを「初期のコンセプト」として、今後の検討のためにユーザーからのフィードバックを奨励している。

検討中の機能には、ユーザーが自分自身を「unmention(アンメンション)」できるようにすることなどが挙げられる。これは、他のユーザーのツイートから自分の名前を削除して、そのツイートにタグ付けされないようにする機能で、そのツイートが自分のメンションフィードに表示されることもなくなる。

また、フォローしていないユーザーが自分をメンションした場合には「望ましくない状況が発生する可能性がある」という特別な通知を表示し、より強力なメンション削除設定にしてもらうことも検討している。

Twitterは、ユーザーが自分をアンメンションした際に、他のユーザーが元ツイートのユーザーを再度タグ付けする機能を停止することを想定しているが、@mention機能を悪用するフォロー外のユーザーに対する強力なツールになりそうだ。

さらに、Twitterは、特定のアカウントによるメンションを完全に禁止する設定を追加することも検討している。この設定が有名人にも適用できたなら、プラットフォームを利用していたトランプ前大統領にはかなり便利な機能だっただろう。

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Twitterは、一定の期間(1日、3日間、7日間)、どのユーザーも自分に@mentionできないようにするスイッチの追加も検討しているという。基本的には「完全な静穏」モードだ。

今回の検討では、Twitterは「状況がさらに炎上するのを防ぐ」ことで、ユーザーをサポートし、協力できるような変更を行いたいと考えている。例えば多くのメンションを受けているときにユーザーに通知を行い、問題のあるツイートを簡単に確認して、1日(またはそれ以上)、すべてのメンションをブロックするなど自分を守れるように設定を変更できるようにすることが含まれる。

ネット上の「荒らし」がTwitterユーザーを標的とした攻撃に同調してさらに攻撃することはよく知られているが、攻撃の対象となっているユーザーは、見知らぬ大勢のユーザーからの攻撃から身を守るために、大変な苦労をすることになる。

攻撃してくるアカウントを個別にブロックしたり、特定のツイートをミュートしたりしても、不適切なアカウントやツイートが数百~数千に及ぶ場合には到底太刀打ちできない。

現在のところ、Twitterがカモッツィ氏のスレッドで紹介されている機能をそのまま実装するかどうかは不明である。

Twitterの広報担当者は、このコンセプトが「デザインモック」であり「まだデザインと研究の初期段階」であるとし「初期段階とはいえ、コミュニティからのフィードバックに期待している」と続ける。

同社は、これらの機能によってサービスが複雑になり過ぎないかを検討する必要があるだろう。例えば自動的にスケジュールされたツイートに「すべての言及をブロック」の設定をオンしたユーザーのTwitterハンドルが含まれていた場合、そのツイートはどうなるのか?ツイートは公開されないのか、それとも、そのユーザーのTwitterハンドルが消える(すなわちコンテキストが不明瞭になる)のか?

とはいえ、これらは些細なことで、Twitterが、ユーザーがネット上の攻撃から身を守るために使えるツール(ブロック、ミュート、ツイートの通報など、既存のかなり貧相な攻撃防止機能を超えるツール)の実用性を高める努力をしていることは非常に喜ばしいことだ。

他のツイートに同調した荒らしは、長年にわたってTwitterのプラットフォーム上の望ましくない「特徴」で、Twitterは、ハラスメントや攻撃的な使用を防ぐために十分な対策を講じていないと批判されている。

2021年半ばになっても、Twitterが、炎上を防ぐためのより優れたツールを模索しているという事実は、プラットフォームから攻撃者を排除できていないことを暗黙のうちに認めていることに他ならない。Twitterは再三の要請にもかかわらず、行動を起こさなかったのだ。

Googleで「* leaves Twitter after abuse」(炎上後にツイートを止めた *)と検索すると、著名なTwitterユーザーが、相次ぐ攻撃に対応しきれずにTwitterを辞めた例が数多くヒットするが、人種差別的なツイートで攻撃を対象となったサッカー選手など、2021年だけでも数件の例がある。

2013年にまで遡る例もあり、Twitterが攻撃への対応に何度も失敗し、ユーザーが10年以上も攻撃に苦しめられている(あるいはアカウントを完全に削除してしまった)ことも明らかになっている。

最近では、10年にもわたってTwitterを利用してきたモデルのChrissy Teigen(クリッシー・テイゲン)が、3月にアカウントを削除したが、最後のツイートには「深く傷ついた」「もはやTwitterは私にとってマイナスにしかならない」と書かれていた。

ソーシャルメディア上の人種差別に反対するキャンペーンを行っている英国のサッカー選手もいる。このキャンペーンでは、Twitterのような企業に人種差別を行っているユーザーへの対応を強く求めるために、ボイコットを行った。

ソーシャルメディアを利用している有名人は、一般的なユーザーに比べて、ネット上で攻撃的な荒らしに遭う可能性が高いかもしれない。しかしこれは有名人に限られた問題ではない。例えばTwitterでは人種差別的な発言が依然として問題となっている。前述の、Googleの検索で出てくる、有名人が攻撃でTwitterを止めてしまった例は、氷山の一角に過ぎない。

熱心にツイートしていたユーザーが絶望してTwitterの利用を止めざるを得ない状況になれば、Twitterのビジネスにとって最悪の事態となることはいうまでもない。

同社は問題を抱えていることを理解している。2018年の時点で、同社はプラットフォーム上の「対話の健全性」を向上させる方法を模索しているとしており、さらに最近では、暴言や脅迫、差別的言動に対するポリシー強制力を拡大している。

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また、ユーザーが記事を直接リツイートする前に記事を読むように促すなど、ユーザーの再考を求め、怒りを抑えようとする戦略的な工夫を加えている。

特に注目すべきは、サービスを悪用した著名人を追放したことだろう。2021年の初めには、ついにトランプ前大統領のアカウントが停止された

他にも多くの悪名高い攻撃者ここ数年で追放されたが、多くの場合、Twitterは憎悪に満ちた攻撃に対するポリシーを迅速かつ強力に適用することを最後まで怠り、プラットフォームで同調して他者を攻撃することを許してしまい、自分たちが起こした炎上にほくそ笑む攻撃者を逃がしてしまった。

Twitterは、長期にわたり自社のプラットフォームの悪用に適切に対処することができず、自らの不始末によって有害な遺産を作ってしまった。そして、本来ならばプラットフォームの広報的な役割を担うはずだった著名なユーザーから、望まない注目を浴び続けている。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

ライオンが美白ハミガキによる白い歯を疑似体験できるTikTokの「ブランドエフェクト」を公開

ライオンが美白ハミガキによる白い歯を疑似体験できるTikTokの「ブランドエフェクト」を公開

TikTok for Business(ティックトック・フォー・ビジネス)とライオンは6月14日、2021年3月に発売した美白ハミガキ「Lightee」(ライティー)のPR施策として「明るく白い歯」を疑似体験できるオリジナルのブランドエフェクト(Branded Effect)を共同開発し、6月13日よりハッシュタグチャレンジ「#顔の印象は歯で変わる」を開始したと発表した

TikTokのブランドエフェクトとは、2D・3D・ARなど様々なクリエイティブコンテンツにより、ブランドの世界観や商品の機能性を「体感的」に提供するというデジタルブランド体験機能。ライオンの場合は、「歯の色が明るいことが顔の印象まで明るく見せる」という同社の調査データに着目し開発したものという。「顔の印象は変わるのよ、歯で」という台詞をきっかけに、歯が白く、肌のトーンも明るくなり、「可愛く盛られた」自分の姿を確認できる。

ライオン エクスペリエンスデザイン 西岡勢奈氏は、「ご自身でも実際に『歯が白く明るいと、顔の印象も明るく見える』ということを体感いただくとともに、『Lightee』の認知を獲得することを目的に、オリジナルエフェクトの開発および、#チャレンジを実施させていただきました。オリジナルエフェクトの中では、CMにご出演いただいている中村アンさんのセリフに合わせて、印象が実際に変わることを疑似体験いただけます。ぜひ、エフェクトを通して印象がどれだけ変わるのかお試しいただき、実際にLighteeも使って頂けたら嬉しいです」と話している。

@kaneko_miyuこの美白*ハミガキ「ライティー」のエフェクトめちゃくちゃ白くなるwみんなも試してみて!#顔の印象は歯で変わる #PR *歯本来の白さへ

♬ #顔の印象は歯で変わる – Lightee(ライティー)

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TikTokが米国ユーザーの「顔写真や声紋」を含む生体情報の収集を表明

米国時間6月2日水曜日に発表されたTikTok(ティックトック)の米国におけるプライバシーポリシーの変更では、同社のソーシャルビデオアプリがユーザーのコンテンツから「生体識別子および生体情報を収集する場合がある」という項目が新たに追加された。これには「フェイスプリント(顔写真)やボイスプリント(声紋)」などが含まれると説明されている。TikTokにコメントを求めたところ、製品開発におけるどのような理由でユーザーから自動的に収集する情報に生体情報を加える必要が生じたのかは確認できなかった。しかし、そういったデータ収集活動を始める場合には、ユーザーに同意を求めると述べている。

生体情報収集の詳細については、同ポリシーの「自動的に収集する情報」の下に新たに追加された「画像および音声情報」セクションの項目として記述されている。

これは、TikTokのプライバシーポリシーの中で、アプリがユーザーから収集するデータの種類を列挙している部分であり、すでにかなり広範囲にわたっている。

新しいセクションの最初の部分では、TikTokがユーザーのコンテンツに含まれる画像や音声に関する情報を収集する場合があるとし「ユーザーコンテンツに含まれる物体や風景の識別、顔や体の特徴と属性の画像内の有無や位置、音声の特徴、テキスト化した会話内容など」と説明している。

気味が悪いと思うかもしれないが、他のソーシャルネットワークでは、アクセシビリティ(例えば、Instagramの写真の中に何が写っているかを説明する機能)の強化やターゲティング広告のために、アップロードされた画像の物体認識を行っている。また、AR(拡張現実)効果の演出のためには、人物や風景の位置を認識する必要があり、TikTokの自動キャプションは話し言葉をテキスト化することで実現している。

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また、このポリシーでは、新たなデータ収集は「映像の特殊効果、コンテンツモデレーション、人口統計学的分類、コンテンツや広告のリコメンデーション、個人を特定しないその他の処理」を可能にするためとも述べている。

新しい項目の中でも特に気になるのは、生体情報の収集計画の部分だ。

そこには次のように書かれている。

当社は、お客様のユーザーコンテンツから、フェイスプリントやボイスプリントなど、米国の法律で定義されている生体識別子および生体情報を収集することがあります。法律で要求される場合、当社は、そのような収集を行う前に、お客様に必要な許可を求めます。

この声明自体は、連邦法、州法、またはその両方を対象としているのかどうかを明確にしていないため、曖昧なものとなっている。また、他の項目と同様に、TikTokがなぜこのデータを必要とするのか説明しておらず「フェイスプリント」や「ボイスプリント」という言葉の定義さえもない。加えて、どのようにしてユーザーから「必要な許可」を得るのか、同意を得るプロセスは州法や連邦法を参考にするのかについても言及はない。

これは憂慮すべきことだ。というのも、現在のところ、生体認証情報プライバシー法を制定しているのはイリノイ州、ワシントン州、カリフォルニア州、テキサス州、ニューヨーク州など、ほんのひと握りの州にすぎないからだ。TikTokが「法律で要求される場合」にのみ同意を求めるのであれば、他の州のユーザーはデータ収集について知らされる必要がないということになりかねない。

TikTokの広報担当者は、生体情報の収集における同社の計画や、現在または将来の製品にどのように関わるかについて、詳細は明らかにしていない。

「透明性に対する継続的なコミットメントの一環として、当社が収集する可能性のある情報をより明確にするために、今回プライバシーポリシーを更新した」と同担当者は述べる。

そして、同社のデータセキュリティへの取り組みに関する記事、最新の透明性レポート、アプリ上でのプライバシーの選択についての理解を深めることを目的として最近立ち上げたプライバシーとセキュリティのページを紹介した。

画像クレジット:NOAH SEELAM/AFP via Getty Images

今回の生体情報に関する開示は、TikTokが一部の米国ユーザーの信頼回復に取り組んでいる時期と重なる。

Trump(トランプ)政権時、連邦政府は、TikTokが中国企業に所有されていることから国家安全保障上の脅威であるとして、米国内での運営を全面的に禁止しようとした。TikTokは、この禁止令への対抗として、TikTokの米国ユーザーのデータは、米国内のデータセンターとシンガポールにのみ保存していることを公表した。

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同社はまた、北京を拠点とするByteDance(バイトダンス)が所有しているにもかかわらず、TikTokのユーザーデータを中国政府と共有したことも、コンテンツを検閲したこともないと述べている。また、頼まれても絶対にしないとしている。

TikTokの禁止令は当初、裁判所で却下されたものの、連邦政府はその判決を不服として控訴した。しかし、Biden(バイデン)大統領が就任すると、同政権はトランプ政権の措置を再検討するため、控訴プロセスを保留した。そして、6月4日現在、バイデン大統領は、監視技術に関連する中国企業への米国の投資を制限する大統領令に署名しているが、同政権のTikTokに対する立場は不明のままだ。

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しかし、今回の生体情報収集に関する新たな開示は、ソーシャルメディアアプリがイリノイ州の生体認証情報プライバシー法に違反したとして、2020年5月に提起されたTikTokに対する集団訴訟における9200万ドル(約100億円)の和解を受けたものであることは注目に値する。この集団訴訟は、TikTokがユーザーの同意なしに個人情報や生体情報を収集・共有したことをめぐる、同社に対する20件以上の個別訴訟とも併合されていた。具体的には、特殊効果を狙ったフェイスフィルター技術への使用に関するものだ。

そういった状況のため、TikTokの法務部門は、アプリによる個人の生体情報収集に係る条項を追加することで、将来の訴訟に対する予防策を手早く講じたかったのかもしれない。

今回の開示は、米国向けのプライバシーポリシーにのみ追加されたものだ。EUなど他の市場では、より厳しいデータ保護法やプライバシー保護法があることも忘れてはならない。

この新しいセクションは、TikTokのプライバシーポリシーの広範な更新の一部であり、他にも旧版のタイプミスの修正から、セクションの改訂や新規追加まで、大小さまざまな変更が加えられている。しかし、これらの調整や変更のほとんどは、簡単に説明できる。例えば、TikTokのeコマースへの意欲を明確に示す新しいセクションや、ターゲティング広告に関するApple(アップル)の「App Tracking Transparency(アプリのトラッキングの透明性)」に対応する調整などが挙げられる。

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大局的に見れば、TikTokは、たとえ生体情報がなくても、ユーザーやコンテンツ、デバイスに関するデータをふんだんに持っている。

例えば、TikTokのポリシーには、ユーザーのデバイスに関する情報を自動的に収集するとすでに記載されている。その情報には、SIMカード・IPアドレス・GPSに基づく位置データ、TikTok自体の利用状況、ユーザーが作成・アップロードしたすべてのコンテンツ、アプリから送信したメッセージのデータ、アップロードしたコンテンツのメタデータ、クッキー、デバイス上のアプリやファイル名、バッテリーの状態、さらにはキーストロークのパターンやリズムなどが含まれている。

これは、ユーザーが登録したり、TikTokに連絡したり、コンテンツをアップロードしたりしたときに送られる「ユーザーが提供することを選択した情報」とは別だ。この場合、TikTokは、ユーザーの登録情報(ユーザー名、年齢、言語など)、プロフィール情報(名前、写真、ソーシャルメディアアカウント)、プラットフォーム上でユーザーが作成したすべてのコンテンツ、電話やソーシャルネットワークの連絡先、支払い情報、加えてデバイスのクリップボードにあるテキスト、画像、動画を収集する(Apple iOS 14の警告機能により、TikTokや他のアプリがiOSのクリップボードのコンテンツにアクセスしていることが発覚したことはご記憶にあるだろう。今回のポリシーでは、TikTokは「ユーザーの許可を得て」クリップボードのデータを「収集する場合がある」としている)。

プライバシーポリシーの内容自体は、一部のTikTokユーザーにとっては、すぐに気がかりになるものではなく、むしろ、バグだらけのロールアウトに関心が集まった。

一部のユーザーは、プライバシーポリシーの更新を知らせるポップアップメッセージが表示されたものの、そのページを読もうとしても読めなかったと報告している。また、ポップアップが繰り返し表示されるという報告もあった。この問題は全ユーザーに共通ではないようだ。TechCrunchによるテストでは、このポップアップに関する問題は発生しなかった。

【追加レポート】Zack Whittaker(ザック・ウィッタカー)

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTok生体情報アメリカSNS個人情報プライバシーフェイスプリントボイスプリント透明性中国

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

G7は有害オンラインコンテンツ規制に取り組むべきと仏マクロン大統領が力説

エリゼ宮での記者会見で、フランスのEmmanuel Macron(エマニュエル・マクロン)大統領はオンライン規制、特に有害なコンテンツ規制に繰り返し言及した。G7サミットが今週英国で開催されるため、マクロン大統領は国際協力を呼びかけた。

「効果的な多国間主義の恩恵を受けるかもしれず、また我々が今回のG7サミットで取り上げる3つめの大きなトピックはオンライン規制です」とマクロン大統領は述べた。「再度話すことになると私が確信しているこのトピックは我々の民主主義にとって不可欠なものです」。

マクロン大統領はまた、記者会見の場を利用してこの件に関するフランスの取り組みを総括した。「2017年夏に我々はオンラインテロリストコンテンツに取り組むイニシアチブをTheresa May(テリーザ・メイ)首相と立ち上げました。当時も今日同様にクレイジーでしたが、イニシアチブはほとんど失敗に終わりました。言論の自由のために、人々は余計なお世話だ、というようなことを言いました」。

2019年にニュージーランドのクライストチャーチで恐ろしいモスク銃乱射事件が起こった。その銃撃の様子をとらえたビデオの複数のコピーがFacebook、YouTube、Twitter上で出回った。マクロン大統領はニュージーランドのJacinda Ardern(ジャシンダ・アーダーン)首相や何人かのG7のデジタル大臣、テック企業をパリに招待した。

出席者は「Christchurch Call」という拘束力のない誓約に署名した。ソーシャルプラットフォームを運営するテック企業は基本的に有害コンテンツ、なかでもテロリストのコンテンツの阻止でさらに取り組むことに同意した。

Facebook、Twitter、Google (そしてYouTube)、Microsoft、Amazon、その他のテック企業も誓約に署名した。17カ国と欧州委員会もまたChristchurch Callを支持した。ただし1つ大きな例外があった。米国は誓約に署名しなかった。

「誓約に署名したすべてのオンラインプラットフォームが従ったため、この戦略はいくらか具体的な成果につながりました」とマクロン大統領は話した。「この証拠はフランスが昨秋テロ攻撃に直面したときに起こったことに見られます」。2020年10月、フランスの教師Samuel Paty(サミュエル・パティ)氏がテロリストによって殺され、斬首された。

「プラットフォームはコンテンツにフラッグを立て、1時間以内にコンテンツを削除しました」とマクロン大統領は続けた。

その後、さらに多くの国やオンラインプラットフォームがChristchurch Call支持を表明した。2021年5月に米国のJoe Biden(ジョー・バイデン)大統領も有害コンテンツに対する国際的な取り組みに加わった。「米国で法人化されている企業の数を考えたとき、大きなステップであり、私はこれを歓迎します」とマクロン大統領は述べた。

しかしChristchurch Callの次に何がくるのだろう。マクロン大統領はまず、Christchurch Callを支持するようさらに多くの国に働きかけたいとと考えている。たとえば中国とロシアはChristchurch Call支持の輪に加わっていない。

「2つめは、あらゆる種のオンラインのヘイト言論、差別的言論、反ユダヤ主義言論、そしてオンラインハラスメントに関連するフレームワークづくりを進める必要があります」とマクロン大統領は話した。

そしてこの件に関するフランスの規制についても手短に言及した。オンラインプラットフォーム上のヘイトスピーチに関するフランスの規制は2020年、新しい法律が合憲かどうかを判断する最高機関である憲法評議会によって違憲だと判断された。

ヘイトスピーチコンテンツのリストは長く広範で、その一方で科され得る罰金はかなり高額だ。憲法評議会はオンラインプラットフォームがあまりにも早くコンテンツを検閲するのではないかと危惧した。

しかしそれでもマクロン大統領は欧州レベルとG7レベルでンラインコンテンツに関する新しい規制を支持するのをやめはしないようだ。

「G20サミットで議論でき、またオンラインでのやりとりの中の粗暴な行為に対して戦えるようにする効果的なフレームワークを構築する唯一の方法です。ゆえに、我々の新しい世界の秩序の中に粗暴な行為をおくことになります」とマクロン大統領は物議を醸している「粗暴な行為」という暗喩(フランス語ensauvagementは「野蛮化する」の意を使って述べた。この言葉は最初に極右の政治家によって広まった

マクロン大統領によると、世界のリーダーがオンライン規制で共通点を見つけ出せなかったらインターネットの崩壊につながる。たとえば一部のオンラインサービスをブロックすることを選択する国も出てくるかもしれない。

そして最近の事件は、そうした事態がすでに起こりつつあることを示している。ナイジェリア政府は数日前にTwitterを禁止した。テロリストコンテンツを阻止するために合意するのは簡単だが、他のコンテンツをモデレートしようと思えばあっという間に大変な作業になる。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:エマニュエル・マクロンコンテンツモデレーションSNSフランスG7

画像クレジット:Pascal Rossignol / AFP / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi