Snapがビデオで使える音楽の拡充でユニバーサル・ミュージックと提携

Snap(スナップ)は6月24日、世界最大の音楽会社の1つであるUniversal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ、UMG)との複数年契約を発表した。QueenからJustin Bieberに至るまで、ユーザーは自分のSnapsの中で、そしてTikTokと競合するSpotlightで使うために広大なUMGのカタログから曲をクリップできる。

今回の発表に先駆けてSnapchatは昨年10月、Sounds機能を加えていた。この機能ではユーザーはSnapがライセンスを獲得した音楽で自身のSnapsを充実させることができる。機能を追加して以降、5億2100万本超のビデオがSoundsを使って制作され、310億回超閲覧されたとSnapは話す。

もちろん、Snapchatの音楽への投資はTikTokで使える音楽が増えていることへの直接の対応だ。昨年、Fleetwood Mac(フリートウッドマック)のレコードに収録された曲「Dreams」がTikTokで流行った後、1977年のアルバム「Rumours」がビルボードに再登場した。TikTokではダンスもよく流行っていて、そうしたダンスで曲が採用されたアーティストの売り上げを支えている。なので、TikTokやSnapchatのようなアプリがライセンスを取得した曲が多いほど、Nathan Apodaca(ネイサン・アポダカ)氏のような機会、つまり無料の宣伝は多くなる。

Olivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)氏のようなZ世代アーティストは、すでに新しい音楽を宣伝するのにこうしたソーシャルプラットフォームを活用してきた。Snapでは、ロドリゴ氏の曲「Driver’s License」を使ったビデオが1000万本制作された、とSnapは指摘する。ロドリゴ氏はまた、記録破りのデビュー曲「Sour」を宣伝するためにSnapchatでAR Lensesを使った初めてのアーティストでもあったが、公平のために言うとロドリゴ氏はInstagramでもARエフェクトを共有した。

オリビア・ロドリゴ氏は新しいアルバムで「deja vu(デジャブ)」について歌っているが、Snapの発表からもデジャブ感を受けるかもしれない。TikTokはまた、2月にUMGと提携を結んだ。その前の2020年11月には、TikTokはソニーとの新たなライセンス契約合意を発表した。一方、Snapの音楽パートナーのポートフォリオにはWarner Music GroupやSony Music Publishingなどが含まれる。

これらの提携は独占ではない。「deja vu」を使ってSnapchat、TikTok、Instagramなどでビデオを制作できる。こうした提携は他者を出し抜くための、常に繰り広げられる戦いだ。もしTikTokがUMGと提携すれば、Snapchatは競争力を保つために同様にUMGと提携する必要があり、これは現在我々が目にしているものだ。我々の友オリビアが言うように、厳しい世界だ。

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画像クレジットSnapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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