Twitter(ツイッター)は、同社のプラットフォーム上で新しい広告フォーマットと配置をテストする予定だ。米国時間10月13日、同社の収益プロダクトリーダーであるBruce Falck(ブルース・ファルク)氏は、Twitterがモバイル端末向けに、会話のスレッド内で1、3、8回目の返信の後に広告を表示し始めると述べた。同社はこの変更が永続的なものになるかどうかは明言しなかったが、最も理に適った挿入ポイントとレイアウトを決定するために、この方式で実験を行うという。また、Twitterは、広告の表示をクリエイターに強制するのではなく、クリエイターが選択できるようにすることも検討していると述べている。その場合、クリエイターにも広告収益の一部が還元されることになるという。
Twitterはこれまで、ユーザー数を大幅に増やすことに苦労してきた。そのため、既存のユーザーから得られる収益を最大限にするために、よりクリエイティブにならざるを得なかった。この1年ほどの間に、オーディオチャットルーム、チケット制イベント、クリエイターツール、サブスクリプション、バーチャルチップなど、さまざまな新プロダクトが次々と登場した。Twitterは、2020年に37億ドル(約4200億円)だった収益を2023年には75億ドル(約8500億円)以上に倍増させ、収益化可能な1日のユーザー数を3億1500万人にするという投資家への約束を果たしたいと考えている。
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ほとんどのあららしいプロダクトが初期段階のテストではあるが、Twitterはまだ大ヒットを飛ばしていない。例えば、第三者機関のデータによると、最近のTwitterの新しいクリエイタープラットフォームSuper Follow(スーパーフォロー)は、米国とカナダで公開されてから2週間で約6000ドル(約68万円)、もしくはそれより少しの多い程度の収益しか得られていない。(他の分析によると9月の17日間で1万2400ドル[約140万円])。どちらの数字が真実に近いかは別にして、クリエイターのサブスクリプションに対する需要がまだ高まっていないことは明らかだ。
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一方、Twitterは、新しいプレミアム製品であるTwitter Blue(ツイッターブルー)サブスクリプションを、米国をはじめとする最大の市場にまだ投入していない。このプロダクトには、ユーザーが求める「ツイートの編集」ボタンに近い機能として、誤字脱字をすぐに取り消すことができる「アンドゥ」オプションが含まれている。
しかし、このような新機能が次々と追加されてはいても、Twitterの収益の大半は広告によってもたらされている。Twitterは7月、ウォール街の利益予想を上回る10億5000万ドル(約1190億円)の広告収益を上げた。これは、より良いターゲティングのために2500のトピックカテゴリーを新たに導入し、広告の効果が向上したためと考えられている。
同様に、Twitterは、会話中に表示される広告を、議論されている内容に関連したものにすることを計画している。
Twitterの発表によると、ファルク氏は「私たちは、クリエイターと広告主にとって価値を生み出し、インセンティブを一致させる広告サービスを構築する大きな機会を得たと考えています」と述べている。「今後数カ月間、このフォーマットを試していく中で、このフォーマットがどのように機能するのか、また人々や会話にどのような影響を与えるのかを理解することに集中します。さまざまな頻度、レイアウト、文脈に応じた広告、異なる挿入ポイントなどをテストします。そして、得られた結果を検証し、これを恒久的なものにするかどうかを考えます。私たちは、広告主のためにこの試みを行うことを楽しみにしていますし、Tweetのクリエーターに報酬を与える機会を増やす方法を模索したいと考えています」と付け加えた。
最後の部分は、コンテンツが広告掲載に適した長いスレッドにつながったクリエイターへの収益シェアの提案について言及している。ツイッターでは、ツイートが話題になると、ユーザーはよく画面をスクロールして他のユーザーの反応を読む。これにより、Twitterは、現在提案されているように、スレッドの先頭付近だけでなく、スレッドの下の方にも多くの広告を挿入することができる。しかし、このように話題のツイートをマネタイズすることは、Twitterのコンテンツや文化に影響を与える可能性がある。Twitterはすでに、悪口やジョーク、怒りのツイート、その他の感情的なコンテンツを投稿するような、ある種のパフォーマティブなタイプのユーザーが注目を集める傾向のある場所だ。ツイートの「話題性」をクリエイターの収益に結びつけることは、Twitterが提供したいと主張する、純粋で思慮深い会話からTwitterをさらに遠ざける可能性がある。
しかし、Twitterに多くの広告が表示されることで、それを嫌って広告なしの体験にお金を払う人たちに、Twitterは別のプロダクトを提供できるようになるかもしれない。現在、Twitter Blueは広告ブロック機能を提供していないが、アプリでは、ユーザーがお金を払うことで広告を表示しない方法を提供していることがよくある。この機能は、Twitter Blueにバンドルされるか、あるいは単独で購入できるようになるかもしれない。(念のためにいっておくと、Twitterはこれを検討しているとは述べていない。質問を受けた際、同社は現時点ではその計画の「一部ではない」と答えている)。
必要な場合もあるが、広告の表示は多くの人が好まず、敏感に反応する収益化ツールだ。Twitterは、四半期や年度末になると、タイムライン上に数ツイートごとに広告が表示されるようになり、ユーザーから不満の声があがる傾向にある。この新しい広告に対するユーザーからの激しい反発や、プラットフォーム上での消費者行動への悪影響があれば、Twitterがこのテストを再考する可能性はある。
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しかし、レイアウト、配置、コンテクストターゲティングの正しい方法が確立されれば、収益拡大を目指すTwitterが、この変更を展開していく可能性は高い。すでにTwitterは、広告を掲載するための新しいセクションを提供できるはずだった「stories(ストーリー)」を機能させることに失敗している。storiesは、継続的な投資に見合うだけのユーザーの支持を得られなかった。
そのためTwitterは、広告で収益を上げるための他の方法を模索している。そして、より多くの場所でより多くの広告を表示することが、現在の同社の答えのようだ。
画像クレジット:TechCrunch
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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)