TwitchがセクシーなASMR配信で人気女性クリエイター2人を一時停止に

Twitchの人気ストリーマーAmouranth氏とIndiefoxx氏は、性的すぎるコンテンツに関する独自の混乱したルールを実施しようとするTwitchの継続的な戦いにおいて、新たな犠牲者となった。

2人のクリエイターは、Twitchのコミュニティガイドラインで禁止されている「性的コンテンツ」の範囲を超えたASMR配信を行ったことで活動を停止された。Amazonが所有するTwitchは、禁止期間やその原因についてはコメントを避けているが、TechCrunchには性的コンテンツに関するルールを示している。

Amouranth(Kaitlyn Siragusa、ケイトリン・シラグサ)氏とIndiefoxx(Jenelle Dagres、ジェネル・ダグレス)氏の2人が、金曜日に禁じられてから72時間後となる米国時間6月21日に復活することはありうるが、本稿を書いている時点(米国時間6月21日午前11時)ではそれはない。シラグサ氏はPolygonで、ヨガのポーズをしてマイクに向かって人の耳を舐めるような音を立てていたら停止されたと語っている。

Twitch上のいわゆる「ASMR-meta」は、マイクロフォンの近づいて囁いたり、舐める音を立てたりする背景音がともなうコンテンツで、画面がヨガのポーズになることもある。それらは2021年5月に爆裂したホットタブ(大型浴槽)に関する論争の続編となる。一部のTwitchクリエイターによると、いずれも禁止は一律でなく選択的に適用されているという。

シラグサ氏は次のようにツイートしている。「ASMR metaやクレイジーなヨガのポーズは、私の知ってるかぎりでも、他の2人の女の子が2000から5000のビューを稼いでいた。私があの悪名高いASMR metaを止めた何カ月も前からだ。しかも私以外のストリーマーは、未だに禁じられることなく続けている。私の場合、Twitchの怠慢を黙認だと誤解したのが間違いだった。秘密がばれたら3万ビューワーが犠牲者になってしまった」。

ASMR metaもhot tub metaも全員女性であるため、状況そのものもTwitchのコミュニティにいる女性差別主義者たちをさらに多く惹きよせている。Twitchは、女性のストリーマーがセクハラで追い出されることの多いプラットフォームだ。

「暴力的なビデオゲームが銃犯罪を増加させた」という説と戦っている世代(私もそう思う)が「hot tubやASMRの女の子たちが変態的な犯罪者を作り出し他の女性クリエイターを困らせている」という説に尻尾を振るなんて、すごい皮肉ね。

プールやhot tubからの女性のストリーミングが増加しているときTwitchはブログで「他の人が見てセクシーと思うことはルール違反ではない。そしてTwitchは、女性やこのサービス上の誰かが魅力的と思われることに、反対するアクションをとることはない」と述べている。同社は例として、寝室における水着姿は「状況的に不適切」な水着は許されていないからルールに反するという。

Twitchはまた、同社の解釈が難しいルールの複雑性を自らも認めている。

「性を示唆している」ようなコンテンツに対する私たちのポリシーの意図は、過度に、あるいは露骨に、性を感じさせるコンテンツに対して一線を引くことであり、性的と見られるものなら何でも禁じるというものではない。しかし私たちは、私たちのルールがまだ十分に明確ではないことを認める。

それっぽいと解釈されうるあらゆる形式のコンテンツを禁止すると、ビデオゲームや有料コンテンツの極めて多くのものを禁止することになるだろう。特にそうしたコンテンツでは、女性キャラクターが、おかしな形で、性の対象として提示されることもあるからだ。

その際の同社の解決策は「プール、ホットタブ、ビーチ」というカテゴリーをつくり、そんなコンテンツをそこに入れることだった。Twitchのカテゴリーは、その多くが特定のゲームに結びついている。しかもこのプラットフォームのゲームではないストリームは、人気の何でもありの「チャット中」カテゴリーにそのほとんどがある。

ASMRというカテゴリーもあり、240万のフォロワーがいる。耳をくすぐるようなASMRは、Twitchのルールに触れないものや、もっと触れるものもある。現在のところTwitchは、性的なコンテンツを囲い込むもっとスマートな方法を考案するよりも、同社が一線を超えていると判断したものは何でも罰するというやり方を選んでいる。しかし、それががらっと変わる可能性もある。2021年5月、Twitchは性を示唆するコンテンツに対するルールをもっと明確にするために、新しいポリシーを開発中だと発表した。

耳をなめるような配信が氾濫していることから、Twitchにとっても、そしてその偏ったポリシーによって不均衡な影響を受けている女性クリエイターにとっても、わかっているのは新ポリシーができるまで同社は、自分が作った曖昧な領域に無理やり線を引くという同じ形の判断を何度も何度も繰り返すことだ。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Clubhouseがユーザー同士が深くつながれるDMテキストチャット機能を構築中

一部のClubhouse(クラブハウス)のユーザーはお気に入りのアプリであるClubhouse内で驚きの機能が与えられてきたが、それは間もなく全世界で提供される。「backchannel(バックチャンネル)」と呼ばれる新しいUI要素が先週後半に消えるまでのわずかな間登場した。これはClubhouseがアプリの新しいエリア開拓に従事しており、よりつながる方法を受け入れる用意ができているユーザーの間で話題になった。

バックチャンネルのスクリーンはテキスト入力ボックスがなく完全に空白だったが、ClubhouseのCEOであるPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏が以前同社のタウンホールで語っていたテキストチャット機能の構築に取り組んでいるようだ。

「……常にDMバックチャンネルを利用する人は多く、また人々と友情や関係を深めたり、その他にもあらゆる種のことをしたいと考えている人は多いと思います。これは我々が持つべきものだと考えます」とデイヴィソン氏は話した。

Clubhouseの共同創業者である同氏は、アプリのユースケースに合う機能の構築は些細なことではなく、すぐには実現しないと続けた。同氏はまた、アプリが従来の1対1のDM、あるいはよりオープンなテキストチャット機能を追加するかどうかについて詳細を語るのは却下した。

Clubhouseにコメントを求めると、同社はメッセージ機能がもうすぐ導入されるというTechCrunchの憶測を止めはしなかったが、控えめな声明文を出した。

「プロダクト構築プロセスの一環として、Clubhouseは定期的に可能性のある機能を模索し、テストします」とClubhouseの広報担当はTechCrunchに語った。「これらの機能がアプリの一部になることもあれば、そうならないこともあります」。

Clubhouseを真似たSpotify(スポティファイ)のアプリGreenroomは、ユーザーがアプリ内で右にスワイプしてアクセスできるライブのテキストチャットルームを提供しており、Clubhouseがまだ提供していないちょっとしたフレキシビリティを持たせている。Clubhouseのバックチャンネル機能は外観からしてスワイプでアクセスできるようだが、もちろん変更される可能性はある。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokが試験していた「発見を促進する」サードパーティー統合機能Jumpを全ユーザーに提供

TikTok(ティックトック)は米国時間6月21日、サードパーティー統合の可能性を拡大するJumpプログラムの立ち上げを発表した。TikTokはレシピ共有アプリのWhiskと2021年2月にこの機能のベータ版テストを開始したが、選ばれたクリエイターのみがこの機能を使うことができた。そして現在、すべてのユーザーがパートナーが増えたJumpを使うことができるようになる。

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Jumpはアプリケーションプロセスを通じて承認されたサードパーティーのプロバイダーによってのみ構築される。ベータ版のテストにはBreathwrkWikipediaQuizletStatMuseTabelogといったプラットフォームが参加し、BuzzFeedJumpropeIRLWATCHAなどのプロバイダーが今後数週間以内にJump実装を開始する、とTikTokは話す。そのため教育分野のクリエイターはTikTokで説明したコンセプトをレビューするのにQuizletのフラッシュカードへのリンクを貼ることができる。あるいはヨガインストラクターはBreathwrkで呼吸エクササイズを共有することができる。すべてのユーザーにプロフィール欄でリンクを含ませていないプラットフォームにとって、これはクリエイターがオーディエンスを引きつけなければならない既存のツールを拡大する。

TikTokはJumpを、発見を促進する機能と位置付けている。米国TikTokでプロダクト責任者を務めるSean Kim(ショーン・キム)氏は次のように書いている。「TikTokはエンターテインメントを提供される、そして学習する場所となりました。TikTok Jumpを通じて、当社はコミュニティの発見に向けた旅の「ラストマイル」を構築し、プラットフォーム内外での行動やより深い相互作用を刺激するのをサポートしています」。

しかしSnapchatやWeChatのような他のアプリでは、これらのライト版サードパーティーの統合はeコマースを促進している。Jumpは、たとえばAtomを通じて映画のチケットを購入することができるSnapchatのMinis機能に似ている。Minis、Jumpの統合はHTML5を使って行うことができる。一方、WeChatは独自のミニアプリを通じた年間決済額が2500億ドル(約27兆5680億円)を超え、2018年時点でWeChatには100万超のミニアプリがあった。

InstagramはTikTokと競合するReelsでeコマース機能を強化しており、Jumpが後に動画で特集されたアイテムを販売するのに使われるのはあり得る。2020年12月にWalmartはTikTokでビデオショッピングを試験し、3月に再び実施するほどうまくいった。しかし差し当たり、Jumpはユーザーエクスペリエンスを高め、プラットフォームのサードパーティとの関係を深めるために使われるようだ。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

約60万人のミュージシャンらの楽曲を管理する音楽ライセンスマーケットプレイスSongtradrが約55億円調達

音楽ライセンスのマーケットプレイスプラットフォームであるSongtradr(ソングトレーダー)は、シリーズDラウンドで5000万ドル(約55億円)の資金を調達したことを、米国時間6月21日朝に発表した。

募集枠を超えた今回のラウンドには、Regal(リーガル)、Aware Super(アウェア・スーパー)、Perennial(ペレニアル)、Argo(アルゴ)、Greencape(グリーンケープ)が参加。2020年8月に行った3000万ドル(約33億円)の調達に続き、ロサンゼルスを本拠とする同社の資金調達総額は1億ドル(約110億円)を超えた。

同社のプラットフォームは、Disney(ディズニー)、Netflix(ネットフリックス)、Apple(アップル)、Coca-Cola(コカコーラ)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)など、広告、映画、テレビ、ゲームなどの分野で著名な企業に音楽をライセンスしており、約60万人のミュージシャン / ソングライター / 権利者の楽曲を管理している。

Songtradrのこれまでの資金使途には何の問題もない。同社は2021年6月初めに、クリエイティブ・ミュージック・エージェンシーであるMassiveMusic(マッシブミュージック)の買収を発表した。過去1年の間にはCuesongs(キューソングス)、Song Zu(ソング・ズー)、Pretzel(プレッツェル)、Tunefind(チューンファインド)などの企業を買収してきた。

今回の資金調達は、さらなるM&Aや新製品の開発、グローバルな人員の増加に充てられるという。同社はLAに本社を置き、ヨーロッパとアジア太平洋地域にもオフィスを構えている。

Paul Wiltshire(ポール・ウィルトシャー)氏は、プレスリリースで次のように述べている。「Songtradrは、技術を駆使したB2Bの音楽エコシステムの開発と新たな買収の統合を続けながら、急速に加速しています。今回のラウンドでは、このような一流の投資家を集め、急速に進化するデジタル社会における将来の音楽業界に対する我々のビジョンをさらに支持していただくことができ、今後に向けた強固な基盤を得られました」。

ウィルトシャー氏は、同社の2020年の収益が前年比100%の成長を遂げたことを、コメントで付け加えている。

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タグ:Songtradr資金調達音楽エンターテインメント

画像クレジット:Songtradr

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターが@mentionをユーザーが管理できる新しい攻撃防止ツールを検討

あるツイートが予想外に話題になると、それに反対するツイートが大量に送られてくるなど、ユーザーにとって望ましくない注目を集める(炎上する)ことがある。この対策として、Twitter(ツイッター)は、プラットフォーム上で攻撃を受けるユーザーをサポートするための新しい機能の追加を検討している。

人種差別的なツイートも大きな問題になっている。

TwitterのプライバシーエンジニアであるDominic Camozzi(ドミニク・カモッツィ)氏によると、同社は、ユーザーが「望まない注目を管理」できるように、ユーザーによる@mention機能のコントロールを可能にすることを検討している。

Twitterの通知システムでは、ユーザーがツイートに直接タグ付けされる。つまりツイートの内容が注目されると通知が届く。ツイートの内容が良かったり、おもしろかったりする場合は問題ないが、ユーザーを罵倒するような内容の場合、瞬く間にネット上のいじめ(攻撃)が拡大することになる。

Twitterは、今回の新しい攻撃防止プランを「初期のコンセプト」として、今後の検討のためにユーザーからのフィードバックを奨励している。

検討中の機能には、ユーザーが自分自身を「unmention(アンメンション)」できるようにすることなどが挙げられる。これは、他のユーザーのツイートから自分の名前を削除して、そのツイートにタグ付けされないようにする機能で、そのツイートが自分のメンションフィードに表示されることもなくなる。

また、フォローしていないユーザーが自分をメンションした場合には「望ましくない状況が発生する可能性がある」という特別な通知を表示し、より強力なメンション削除設定にしてもらうことも検討している。

Twitterは、ユーザーが自分をアンメンションした際に、他のユーザーが元ツイートのユーザーを再度タグ付けする機能を停止することを想定しているが、@mention機能を悪用するフォロー外のユーザーに対する強力なツールになりそうだ。

さらに、Twitterは、特定のアカウントによるメンションを完全に禁止する設定を追加することも検討している。この設定が有名人にも適用できたなら、プラットフォームを利用していたトランプ前大統領にはかなり便利な機能だっただろう。

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Twitterは、一定の期間(1日、3日間、7日間)、どのユーザーも自分に@mentionできないようにするスイッチの追加も検討しているという。基本的には「完全な静穏」モードだ。

今回の検討では、Twitterは「状況がさらに炎上するのを防ぐ」ことで、ユーザーをサポートし、協力できるような変更を行いたいと考えている。例えば多くのメンションを受けているときにユーザーに通知を行い、問題のあるツイートを簡単に確認して、1日(またはそれ以上)、すべてのメンションをブロックするなど自分を守れるように設定を変更できるようにすることが含まれる。

ネット上の「荒らし」がTwitterユーザーを標的とした攻撃に同調してさらに攻撃することはよく知られているが、攻撃の対象となっているユーザーは、見知らぬ大勢のユーザーからの攻撃から身を守るために、大変な苦労をすることになる。

攻撃してくるアカウントを個別にブロックしたり、特定のツイートをミュートしたりしても、不適切なアカウントやツイートが数百~数千に及ぶ場合には到底太刀打ちできない。

現在のところ、Twitterがカモッツィ氏のスレッドで紹介されている機能をそのまま実装するかどうかは不明である。

Twitterの広報担当者は、このコンセプトが「デザインモック」であり「まだデザインと研究の初期段階」であるとし「初期段階とはいえ、コミュニティからのフィードバックに期待している」と続ける。

同社は、これらの機能によってサービスが複雑になり過ぎないかを検討する必要があるだろう。例えば自動的にスケジュールされたツイートに「すべての言及をブロック」の設定をオンしたユーザーのTwitterハンドルが含まれていた場合、そのツイートはどうなるのか?ツイートは公開されないのか、それとも、そのユーザーのTwitterハンドルが消える(すなわちコンテキストが不明瞭になる)のか?

とはいえ、これらは些細なことで、Twitterが、ユーザーがネット上の攻撃から身を守るために使えるツール(ブロック、ミュート、ツイートの通報など、既存のかなり貧相な攻撃防止機能を超えるツール)の実用性を高める努力をしていることは非常に喜ばしいことだ。

他のツイートに同調した荒らしは、長年にわたってTwitterのプラットフォーム上の望ましくない「特徴」で、Twitterは、ハラスメントや攻撃的な使用を防ぐために十分な対策を講じていないと批判されている。

2021年半ばになっても、Twitterが、炎上を防ぐためのより優れたツールを模索しているという事実は、プラットフォームから攻撃者を排除できていないことを暗黙のうちに認めていることに他ならない。Twitterは再三の要請にもかかわらず、行動を起こさなかったのだ。

Googleで「* leaves Twitter after abuse」(炎上後にツイートを止めた *)と検索すると、著名なTwitterユーザーが、相次ぐ攻撃に対応しきれずにTwitterを辞めた例が数多くヒットするが、人種差別的なツイートで攻撃を対象となったサッカー選手など、2021年だけでも数件の例がある。

2013年にまで遡る例もあり、Twitterが攻撃への対応に何度も失敗し、ユーザーが10年以上も攻撃に苦しめられている(あるいはアカウントを完全に削除してしまった)ことも明らかになっている。

最近では、10年にもわたってTwitterを利用してきたモデルのChrissy Teigen(クリッシー・テイゲン)が、3月にアカウントを削除したが、最後のツイートには「深く傷ついた」「もはやTwitterは私にとってマイナスにしかならない」と書かれていた。

ソーシャルメディア上の人種差別に反対するキャンペーンを行っている英国のサッカー選手もいる。このキャンペーンでは、Twitterのような企業に人種差別を行っているユーザーへの対応を強く求めるために、ボイコットを行った。

ソーシャルメディアを利用している有名人は、一般的なユーザーに比べて、ネット上で攻撃的な荒らしに遭う可能性が高いかもしれない。しかしこれは有名人に限られた問題ではない。例えばTwitterでは人種差別的な発言が依然として問題となっている。前述の、Googleの検索で出てくる、有名人が攻撃でTwitterを止めてしまった例は、氷山の一角に過ぎない。

熱心にツイートしていたユーザーが絶望してTwitterの利用を止めざるを得ない状況になれば、Twitterのビジネスにとって最悪の事態となることはいうまでもない。

同社は問題を抱えていることを理解している。2018年の時点で、同社はプラットフォーム上の「対話の健全性」を向上させる方法を模索しているとしており、さらに最近では、暴言や脅迫、差別的言動に対するポリシー強制力を拡大している。

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また、ユーザーが記事を直接リツイートする前に記事を読むように促すなど、ユーザーの再考を求め、怒りを抑えようとする戦略的な工夫を加えている。

特に注目すべきは、サービスを悪用した著名人を追放したことだろう。2021年の初めには、ついにトランプ前大統領のアカウントが停止された

他にも多くの悪名高い攻撃者ここ数年で追放されたが、多くの場合、Twitterは憎悪に満ちた攻撃に対するポリシーを迅速かつ強力に適用することを最後まで怠り、プラットフォームで同調して他者を攻撃することを許してしまい、自分たちが起こした炎上にほくそ笑む攻撃者を逃がしてしまった。

Twitterは、長期にわたり自社のプラットフォームの悪用に適切に対処することができず、自らの不始末によって有害な遺産を作ってしまった。そして、本来ならばプラットフォームの広報的な役割を担うはずだった著名なユーザーから、望まない注目を浴び続けている。

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タグ:TwitterSNS

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

スピルバーグ監督の映画会社AmblinがNetflixと契約、年間複数の新作映画を制作・配信へ

180度転換したかのような動きで、Steven Spielberg(スティーブン・スピルバーグ)監督が長年率いる映画製作会社Amblin Partners(アンブリン・パートナーズ)は、Netflix(ネットフリックス)向けに年に数本の新作映画を製作する契約を結んだと発表した。この契約はNetflixの躍進を反映したものであり、議論の余地はあるかもしれないが、伝説的な映画監督が、家庭での視聴を第一級市民とする映画界の新秩序を受け入れたことを意味する。

今回の契約はプレスリリースで発表されたが、AmblinとNetflixの幹部が語った社交辞令以外の詳細は明らかにされなかった。確かなことは、AmblinがNetflix向けに「年間複数の新作長編映画」を制作するということだけだ。

スピルバーグ監督はプレスリリースの中で「テッド(Netflixの共同CEO兼コンテンツ最高責任者であるTed Sarandos、テッド・サランドス氏)と私がパートナーシップについて話し合い始めた時から、新たな物語を新たな方法で観客に届けるすばらしい機会だということがはっきりしていました」と述べている。

数年前、Netflix作品をアカデミー賞から除外することを推し進めていると報じられたスピルバーグ氏にとって、それらの新たな方法はそれほどすばらしいものではなかった。

「テレビフォーマットにコミットした途端、テレビ映画になってしまう」と同氏は2019年3月にITVに語っている。「私は、いくつかの劇場で1週間に満たない期間(上映され)、形だけの資格を与えられた映画が、アカデミー賞のノミネート資格を得るべきではないと考えています」とも。

しかし、最終的にはその意見を推すことはなかった。スピルバーグ監督は誤解されていたのか、考えを変えたのか、あるいは空気を読んだのか、その後、自分の立場を改めた。彼はむしろ「劇場体験」を大切にし、守りたいのだと語っているが、これは現代のブロックバスターの先駆者の1人として理解できる。

Netflixにとっては、スピルバーグ作品を得られるという保証はないが、Amblinの作品を安定的に入手できるという点で当然ながら大きなメリットがある。一方のAmblinは、より伝統的な映画製作と配給を担うUniversal(ユニバーサル)との長年のパートナーシップを継続していくとのこと。Amblinは以前にもNetflixなどのストリーミングサービス向けに番組や映画を制作・配信しているが、今回の提携はこれまでで最も重要なものだ。

おそらくスピルバーグ監督とAmblinに、ストリーミングプラットフォームは消滅するどころかさまざまな意味で業界の未来であることを示唆したのは、新型コロナだったのではないだろうか。「劇場体験」が潜在的なスーパースプレッダーイベントであり、人々が自宅で「プレミア」を見る(そしてそのためにお金を払う)ことに完全に満足している世界では、柔軟に対応して物事が立ち直ることを願った方がいいのかもしれない。

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Aya Nakazato)

Shopify特化型グロースプラットフォームを手がける「StoreHero」が5000万円を調達

Shopify特化型グロースプラットフォームを展開するStoreHeroは6月21日、5000万円の資金調達を2021年5月に完了したと発表した。引受先はインキュベイトファンド。また、インキュベイトファンド共同代表のポール・マクナーニ(以下マクナーニ)氏がStoreHeroの取締役に就任した。調達した資金は、グロースデータアーキテクト、サーバサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、グロースコンサルタント、データアナリストなど、グロースプラットフォーム開発を担う人材の採用に活用する。

オンラインコマース市場では、Amazonや楽天などが市場シェアを占める一方で、「商品ページのカスタマイズが可能な範囲が限られるためブランディングが難しい」「獲得できる顧客データの質・量が限定されている」など、自社ブランディングや顧客とのコミュニケーションを行いたい出店者も散見される。コマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)は、こういったニーズに応えるものとしてグローバルで利用が増加している。

しかしStoreHeroによると、日本国内では、グロース人材や実装できるエンジニアの不足から、順調に成長できていないコマース事業者も存在しているそうだ。

2019年11月設立の同社は、「Grow the Friendships」のビジョンの下、コマース事業者向けに独自のグロースプラットフォームをベースとしたグロース支援サービスを提供しているという。具体的には、Amazonなどメガプラットフォーマーが持つ高度なデータ分析基盤やレコメンデーションの仕組みなどを、Shopifyを活用するコマース事業者が使えるようにしているとした。直近の1年間ではANNA SUIやPAUL&JOE、LADUREE、益子オンライン陶器市などを利用企業として挙げている。

今回取締役に就任するマクナーニ氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーに18年間在籍し、シニアパートナーとしてアジア太平洋地域のマーケティング・アンド・セールスグループや小売・消費財グループの責任者を歴任。アジア全体の消費財・小売のトップ企業のデジタルとアナリティクスを活用した成長戦略に携わってきた人物だ。StoreHeroにマクナーニの経験を融合することで、グロースソリューションの進化とグローバル展開を加速するとしている。

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タグ:EC(用語)Shopify(企業)StoreHero(企業)ネットショッピング / eコマース(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

【コラム】SEO担当者はGoogleアルゴリズムアップデートに慌てる必要はない

編集部 注:本稿の著者Eli Schwartz(イーライ・シュワルツ)氏は、10年以上にわたりB2BおよびB2Cの大手企業で働いてきた経験を持つ、SEOの専門家でありコンサルタント。

ーーー

Googleのアルゴリズムアップデートの噂が流れるたびに、SEOコミュニティは大パニックに陥る。皆数字が分析されるまで息をひそめ、アルゴリズム・アップデートを(願わくば)無傷で乗り切ったときには、安堵のため息がもれる。

アップデートが公開され、特にGoogleによる承認があった場合には、Googleが何を変えたのか、新しいパラダイムで勝つにはどうすればいいのかを分析しようとする記事や専門家の分析が相次ぐ。

私はこの悩みはまったくの杞憂だと思う。

Googleアルゴリズムは、あたかも研究室で作られたようなある種の神秘的な秘密のレシピであり、不思議な全知の魔法使いの気まぐれでサイトを盗んだり、サイトに報酬を与えたりするかのように思われている。この時代遅れのスキーマにおけるすべてのSEOとウェブマスターの目標は、この魔法使いを騙して、すべてのアップデートの勝者になることだ。

この考えは、Googleアルゴリズムのアップデートで何が起こるのかに関する根本的な誤解、そしてGoogleに対する根本的な誤解に根ざしている。実際のところ、アルゴリズムは私たちの敵ではない。アルゴリズムは、より良い、より正確なユーザーエクスペリエンスを実現するために設計されているのだ。ここでは、アルゴリズムとの関係を再構築するためのいくつかの視点を紹介する。

Googleは力になろうとしているだけ

まず確認したいのは、Googleは、あくまでも手助けをしようとしているということだ。Googleは、検索する人に快適で高品質なユーザー体験を提供したいと考えている。それ以上でもそれ以下でもない。Googleは魔法使いではないし、そのシステムは恣意的にサイトを奪ったり、報酬を与えたりするためのものでもない。

それを念頭に置いて続けたい。

Googleのアルゴリズムは、大規模で複雑なソフトウェアプログラムであり、実際のシナリオに基づいて常に更新される必要がある。そうしないと、まったくの恣意的なものになってしまうからだ。ソフトウェアのバグが報告されて修正されるように、検索エンジンは何が機能していないかを発見し、解決策を生み出さなければならない。

Googleのアップデートは、他のソフトウェア企業と同様に、自社の製品やサービスを大きく飛躍させるものだ。ただし、Googleの場合は、単なる製品アップデートではなく「メジャーアルゴリズムアップデート」と呼ばれている。

これで、Googleのアルゴリズムアップデートとは何かという知識が身についたことだろう。慌てる必要がないというのはありがたいことではないだろうか?

検索トラフィックが減少しても、必ずしも不利になるとは限らない

大規模なアルゴリズムアップデート後にサイトの検索トラフィックが減少したとしても、それがサイト全体を対象としたものであることはほとんどない。通常、1つのURL群の検索順位が下がっても、他のページは改善されていることが多いようだ。

改善されたページを確認するには、Google Search Consoleを深く掘り下げて、どのURLでトラフィックが減少し、どのURLで増加したかを調べる必要がある。アップデート後にサイトが急激に落ち込むことは確かにあるが、それは通常、そのサイトで勝者よりも敗者が多かったためだ。

トラフィックが減少したとしても、それはアルゴリズムがサイトを懲らしめたからではないことは間違いない。

多くの場合、実際のトラフィックは減少しておらず、クリックに結びついていないインプレッションが減少しただけの可能性がある。最近のアップデートで、Googleは強調スニペットを掲載していたサイトの検索結果を削除した。その結果、インプレッション数は大幅に減少したが、クリック数はほとんど変わらなかった。アップデート後にサイトが勝った、あるいは負けたと決めつけるのではなく、詳細なデータを集めて研究し、より明確な情報を得るようにしたい。

Googleを見習い、優れたユーザー体験を重視する

ユーザーへの高品質ですばらしい体験の提供に注力しているウェブサイトは、アルゴリズムのアップデートを恐れる必要はない。むしろ、アップデートは優れた結果を出すために必要な原動力となることもある。怖がる必要があるのは、ユーザー体験の質が低いために、そもそも検索で上位に表示されるべきではなかったウェブサイトだけだ。

ウェブサイトがユーザーに優れた体験を提供しているのであれば、アップデートによって質の低いサイトが淘汰されるため、アップデートが実際に味方に付いてくれる可能性が高い。

ユーザー体験の質を重視していれば、アルゴリズムの更新でトラフィックが減少するページもあるだろうが、ほとんどの場合、全体としてトラフィックが増加するのが普通だ。何が変化したのかという詳細なデータを調べれば、ウェブサイトはアルゴリズムの更新によって苦境に陥ったり、影響を受けたりすることもなく、特定のURLだけが影響を受けるという見解が裏付けられるだろう。

アップデートは検索エンジンにとっての現実

Googleはアルゴリズムを継続的に更新していくであろうし、そうするべきだ。Googleの一番の目的は、ユーザーを満足させ、維持し続けることができる進化したプロダクトを提供することなのだ。

Googleがアルゴリズムを放置すれば、抜け道を利用したスパマーに蹂躙されるリスクがあることを考えてみて欲しい。スパム的な検索結果を多く提供する検索機能は、AOL、Excite、Yahoo、その他の検索エンジンのように、機能的にもはや存在しないものとなってしまうだろう。Googleは、アルゴリズムを更新することで、関連性を維持しているのだ。

アップデートは検索という行為の一部なのだ。

アルゴリズムではなく、ユーザーを追いかける

オーガニック検索に依存しているすべてのウェブサイトは、必ず変化するアルゴリズムを追いかけるのではなく、もっと重要なところ、つまりユーザー体験に焦点を当てるべきだと私は考える。

ユーザーは、結局のところ検索における顧客だ。サイトがユーザーに貢献していれば、検索体験を保護するために設計されたアルゴリズムの更新に対する免疫がつくだろう。アルゴリズムにおける魔法使いは存在しない。存在するのは、サイトに最適なプロセス、手順、行動を適用する方法を見出したSEOマスターだけだ。

アルゴリズムやアップデートの目的はただ1つ、ユーザーが求めるものを正確に見つけられるようにすることだけだ。サイトがユーザーの役に立っていれば、何も恐れることはない。

【編集部注】この記事は「Product-Led SEO:The Why Behind Building Your Organic Growth Strategy」(製品中心のSEO オーガニック検索における成長戦略を築く際の根拠)からの抜粋となる。

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(文:Eli Schwartz、翻訳:Dragonfly)

TikTok広告価格上昇の中、Instagramがライバル機能「リール」広告をグローバルに展開

Instagram Reels(インスタグラム リール)に広告がやってくる。Instagramは米国時間6月17日、TikTokのライバルでもあるショート動画プラットフォーム「リール」での広告を、世界中の企業や広告主に向けてローンチすると発表した。広告の長さはリールと同じ最大30秒で、フォーマットはInstagram Stories(ストーリーズ)で見られる広告と同様に縦型のフォーマットとなる。また、リールと同じようにこれらの新しい広告はループし、ユーザーはリールの他の動画と同様に、リール広告をいいね、コメント、保存、共有することができる。

同社は、2021年初めにインド、ブラジル、ドイツ、オーストラリアなどの一部の市場でリール広告の試験導入を行い、最近ではカナダ、フランス、英国、米国にもテストを拡大した。BMW、ネスレ(ネスプレッソ)、ルイ・ヴィトン、Netflix(ネットフリックス)、Uber(ウーバー)などのブランドが、この新しいフォーマットをいち早く採用していた。

Instagramによるとこれらの広告は、ユーザーがリールコンテンツを閲覧するほとんどの場所(リールタブ、ストーリーズで公開されているリール、発見タブで表示されるリール、Instagramフィードのリールなど)に表示され、ユーザーが投稿した個々のリールの間にも表示されるとのこと。ただし、リール広告が表示されるためには、ユーザーはまず、没入感のある全画面スクリーンのリールビューアーに入っている必要がある。

画像クレジット:Instagram

同社はユーザーがリール広告をどのくらいの頻度で目にするかについては言及しておらず、視聴者がInstagramをどのように利用するかによって、目にする広告の数は異なるとしている。しかし、Instagramは広告自体に対するユーザーのセンチメントや、リールの全体的な商業性をモニタリングしているという。

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Instagramの他の広告商品と同様に、リール広告はオークションベースのモデルでローンチされる。しかしこれまでのところInstagramは、テストに基づく広告パフォーマンス指標の共有を拒否している。また、広告主がリール広告を始めるのに役立つクリエイターツールやテンプレートも提供していない。その代わりに、リール広告がInstagramの競合他社を含む他の縦型動画広告と似ていることから、同社は広告主がすでにクリエイティブアセットを持っているか、その作り方を知っていると考えているようだ。

縦型動画はすでに消費者をECショッピングサイトに誘導する可能性を示しているが、Instagramはまだリール広告を利用してユーザーを内蔵EC機能であるInstagramショップに誘導していない。同社はアプリのさまざまな部分を結びつけようとしているので、それは自然な次のステップと思われまる。

しかしおそらくその前に、Instagramはリールをより魅力的な目的地にする必要があるだろう。これは、Snap(スナップ)やYouTubeなどのTikTok(ティックトック)のライバル企業が、クリエイターコンテンツに直接資金を提供することで実現していることだ。一方Instagramは、TikTokのスターたちに直接オファーを出していた

リール広告の開始は、TikTokの広告価格上昇のニュースに続くものだ。Bloombergが2021年6月に報じたところによると、TikTokは第3四半期の時点で、米国でホームページのテイクオーバー広告に140万ドル(約1億5000万円)以上を要求しており、第4四半期には180万ドル(約2億円)、さらに休日には200万ドル(約2億2000万円)以上に跳ね上がるという。同社はまだ広告チームを構築中であり、広告主らはまだ動画予算の大部分を同アプリに割り当てていないが、それはユーザー数の増加に追随する傾向がある。そして今やTikTokは、米国で1億人以上の月間アクティブユーザー(MAU)を擁している。

現在、InstagramとTikTokのアプリは、グローバルベースで10億人以上の月間アクティブユーザーを抱えているが、リールはより大きなInstagramプラットフォームの一部に過ぎない。ちなみにストーリーズ機能は約5億人のユーザーに利用されており、アプリのさまざまな領域にトラフィックを誘導するInstagramの能力を示している。Instagramは、6月17日の時点でリール機能のユーザー数を公表することは控えた。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

フランスで介護専門フリーランサーを派遣するマーケットプレイスMediflash

療養施設やクリニック、メンタルヘルス施設のようなヘルスケア施設への人材派遣を改善しようとしている、フランスの新しいスタートアップMediflash(メディフラッシュ)を紹介しよう。同社は自らを従来の人材派遣エージェントに代わるものと位置付けている。派遣スタッフ、施設両方にとってより良い契約を提供するとうたう。

「介護スタッフへの支払いは少ない一方で、ヘルスケア施設側にはかなり費用がかかります」と共同創業者のLéopold Treppoz(レオポルド・トレポズ)氏は筆者に語った。

従来の人材派遣エージェントは給料を払って介護スタッフや看護師を雇っている。施設が十分なスタッフを確保できないときは人材派遣エージェントに派遣を依頼する。そしてエージェントはスタッフを派遣し、施設に課金する。

「我々がMediflashを立ち上げたとき、人材派遣エージェント業をしようと考えていました。しかしよりデジタル化され、テックを使った手法でです」とトレポズ氏は話した。だがMediflashは従来の人材派遣エージェントと同じ問題に直面するだろうということに気づいた。

そして同社はデベロッパーやプロジェクトマネジャー、マーケティング専門家などのためのフリーランス専用マーケットプレイスに取り組んでいるスタートアップに目を向けた。フランスではそうしたスタートアップの数社は極めて成功している。CometMaltStaffMeBrigad などだ。一部の企業はヘルス分野のプロに特化したサービスも展開している。しかしMediflashは特に介護スタッフに注力したいと考えている。

Mediflashに登録する介護専門職の人はフリーランサーだ。Mediflashはヘルスケア施設とそうしたフリーランサーをつなげるマーケットプレイスとして機能する。マーケットプレイスを通じて派遣される介護スタッフはより多くの収入(最大20%増)を見込め、その一方で施設側は人件費を抑えられる、とMediflashは話す。

もちろん、人材派遣会社は介護スタッフを雇っているため、これは公正な比較ではない。フリーランサーはフルタイムで働く従業員と同じ福利厚生、特に失業手当を受けられない。

「しかし介護専門職の多くの人は、需要が多いためこれは問題ではない、と言います」とトレポズ氏は話した。プラットフォームには、小遣いを稼ぎたい看護師養成学校に通っている生徒、すでにパートの仕事を持っていて追加の仕事を探している人、フルタイム職の代替人員となりたい人などがいる。

通常、ヘルスケア施設は人材不足を解消するために3日間だけ人手を欲しがる。Mediflashはヘルスケア施設が1つの人材派遣エージェントを利用することをよく知っている。だからこそ、同社はそれぞれの施設と1対1で話すセールスチームを抱えていえる。目下、MediflashはMetz、Nancy、Strasbourgに注力している。

Mediflashはつい最近、Firstminute Capitalがリードするラウンドで200万ドル(約2億2000万円)を調達した。MaltのAlexandre Fretti(アレクサンドル・フレッティ)氏、NablaのAlexandre Lebrun(アレクサンドル・レブルン)氏、Batch.comのSimon Dawlat氏(シモン・ダウラ)、Twitterに買収されたAiden.aiのMarie Outtier(マリー・アウティエ)氏などのエンジェル投資家も参加した。

これまでにMediflashは派遣要請のあった1400日に対応した。Mediflashは各派遣取引で手数料を取る。同社は他の都市や国にも事業を拡大する計画だ。

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タグ:フランス介護フリーランスMediflash

画像クレジット:Mediflash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

ハイブリッドイベントをサポートするBrellaはコミュニティやグループづくりで体験をより充実したものに

Brellaのチーム

リアルとバーチャル、ハイブリッドのイベントをサポートするBrellaが、Connected CapitalがリードするシリーズAのラウンドで1000万ドル(約11億円)を調達した。オフラインのネットワーキングアプリだったBrellaは、パンデミック以降、ライブのイベントからバーチャルイベントへとピボットしている。現在、同社にはInformaやMarcus Evans、Questex、IQPCなどの顧客がいる。

Brellaの創業者でCEOのMarkus Kauppinen(マーカス・カウピネン)氏によると、同社は、世界がポストコロナになれば「ライブとバーチャルの両方の要素がある没入的なハイブリッドイベントへ移行したい」と考えている。

「多くの競合他社と違い、Brellaは主にライブのビジネスイベントのエッセンスを直感的なデジタル形式に翻訳します。イベント主催者に不必要に長い催しリストを見せて、彼らを圧倒することが私たちのビジネスではありません。むしろ私たちは、すっきりとした美しいデザインのプラットフォームを提供し、すばらしいUXとAIによるスマートネットワーキングで来場者の体験を充実させます」とカウピネン氏はいう。

Brellaの新しいプロダクトは、コミュニティづくりや来場者のグループづくり、バーチャルとライブのオーディエンス分析などとなる。

Connected Capitalの共同創業者でマネージングパートナーのMathijs Robbens(マティース・ロブンス)氏は、次のようにコメントしている。「イベント体験を取り巻く問題へのBrellaの取り組み方は、特に現在のような不確実なときには、新鮮な空気を吸ったときのようにすがすがしいものです。同社の成長とアジリティと、困難な課題をユニークな機会に変えてしまう能力は本当にすばらしい。長期的に彼らは、イベント産業とテクノロジーを合体させようとしています。そのために次に何をやるのか、とても楽しみです」。

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タグ:バーチャルイベントハイブリッドイベントBrella

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

訴訟を受けてSnapchatは物議を醸したスピードフィルターを削除

最近はSnapchatの3D漫画レンズが大好評で、友だちがみんなピクサーのキャラクターみたいになってしまう。しかし2013年以降、短時間で消える写真を共有するそのアプリの主な機能であるフィルターがスピードフィルターになってしまい、写真や動画を撮ったときの移動の速さを誇示するものになってしまった。米国時間6月17日、Snapchatはアプリからそのフィルターを取り去ることにした。

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このニュースを最初に報じたNPRは、その機能に対するSnapの最初の擁護をくつがえす「劇的な逆転」と呼んでいる。最近の数年間で、そのフィルターの使用に関連した複数の事故が起き、負傷者だけでなく死者も出ている。例えば2016年、運転中にSnapchatで自撮りをしていた18歳の少年が、時速172kmで他のクルマにぶつかった。被害者のMaynard Wentworth(メイナード・ウェントワース)氏は脳に外傷を負い、Snapを訴えた。彼の弁護士によると、その18歳は「クルマを時速160kmで走らせてその映像をSnapchatに投稿したかっただけだ」という。

Snapchatのフィルター関連の罪は、これの前にも後にもある。2020年の奴隷制廃止記念日である6月19日にSnapchatは、ユーザーに「笑って鎖を壊しましょう」というフィルターをリリースした。2016年4月20日には、Snapchatはボブ・マーリーの遺産管理団体と提携して、ユーザーのヘアーをドレッドロックスにし、黒い肌にする機能「committing blackface」をリリースした。しかもSnapchatのスピードフィルターで死亡事故が起きた後にもフィルターはアプリに残り「運転中は撮影禁止」という警告が付いただけだ。

Snapの広報担当者は、フィルターの削除を発表する声明で次のように述べている。「ステッカーはもうあまり使われていないため、完全に削除することにしました」。その機能はすでに運転時のスピードでは利用できないようになっている、と付け加えていた。同社はフィルターの削除を始めたが、すべてなくなるまでには数週間かかるだろう。

Snapのこの新しい態度は、2021年5月に米国第9巡回区控訴裁判所が、同社には死亡事故の被告適格ありと裁定した後に出てきた。

一般的には、通信品位法230条がウェブサイトないし「対話的コンピューターサービス」をこのような訴訟から護り、その上にポストされたサードパーティコンテンツからの免責を提供している。しかし2019年には、衝突事故で死亡した2人の子どもの親であるLanden Brown(ランデン・ブラウン)氏とHunter Morby(ハンター・モービー)氏が、もう1件の訴訟を起こした。それによると、原告は「アプリの『怠慢な設計』(何よりもそれはスピードフィルターのことだ)が衝突の原因」と主張している。カリフォルニアの裁判官たちは230条に依拠してその訴訟を却下したが、連邦巡回区控訴裁では3名の判事が、この場合は230条の対象にならないと裁定した。すなわち、触法とされたのはSnapchatのソーシャルメディアプラットフォームとしての役割ではなく、アプリの設計であり、それには危険性を十分証明できるスピードフィルターがあった。

そこで、スピードフィルターの突然の削除は、たまたまに見えても決してそうではない。230条による防御が万能ではなくなったのだからフィルターを維持するという法的リスクに勝ち目はない。フィルター関連の事故があっただけでも、Snapchatがフィルターをやめる理由として十分ではなかったか、とも思えるが、正義は遅くなってもないよりマシである。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Spotifyがポッドキャスト発見プラットフォーム「Podz」を買収

ポッドキャストが大流行しているが、聴きたいポッドキャストを見つけ出すのは難しいものだ。Spotify(スポティファイ)は6月17日、ポッドキャスト発掘にかかる問題を解決しようとしているスタートアップであるPodz(ポッズ)の買収を発表した。

「Spotifyでは、我々は世界で最高の(そして最もパーソナライズされた)ポッドキャストディスカバリーのエクスペリエンスの構築と展開に投資しています」と同社は述べた。「Podzのテクノロジーは発見を促進し、リスナーに正しいコンテンツを正しいときに届け、そしてこの部門の成長を世界中で加速させるためのSpotifyの集中的な取り組みを補い、発展させます」。

ポッドキャストは通常30分ほどの長さであり、リスナーは新しい番組をブラウズするのは難しい。ポッドキャストのエピソードを視聴するのは、新しいアーティストの曲を試すほどに簡単ではないのだ。そのため、Podzはユーザーにさまざまな番組の60秒のクリップを提示する「初のオーディオニュースフィード」と呼ぶものを開発した。ポッドキャスト配信者は往々にして、自身のソーシャルメディアアカウントでの宣伝に使うクリップを制作するためにHeadlinerのようなアプリを活用する。Podzはそれと同じアイデアを踏襲している。しかしポッドキャスト配信者が番組をどのように宣伝するかを手作業で行うのに代わって、Podzは機械学習モデルを使ってクリップを選ぶ。この機械学習モデルは、ジャーナリストやオーディオエディターの監修のもとに10万時間超のオーディオを使って訓練されている。

画像クレジット:Podz

Spotifyに買収される前、PodzはプレシードラウンドでM13、Canaan Partners、Charge Ventures、Humbitionなどから250万ドル(約2億7560万円)を調達した。Katie Couric(ケイティ・クーリック)氏、Paris Hilton(パリス・ヒルトン)氏といったセレブも投資した。

「平均的なポッドキャストリスナーは7つのポッドキャストを購読していますが、Podzでは30近いポッドキャストをフォローしています」とM13のゼネラルパートナーLatif Peracha(ラティフ・ペラチャ)氏は2021年2月に電子メールでTechCrunchに語った。「初期のサインを受け、チームがこの分野で変革的なプロダクトを構築できると我々は楽観的にとらえています」。

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買収は、ポッドキャスティングマーケット、概してオーディオエンターテインメントを独占しようというSpotifyの野心を示すものだ。ちょうど6月16日に同社はClubhouseのライバルとなるライブオーディオ「Greenroom」をデビューさせた。ポッドキャストサブスクからの収益の促進という点では、SpotifyとAppleは互角だ。4月にAppleはポッドキャストサブスクへの進出を発表している。そしてその翌週、Spotifyは2月に予告していたサブスクプラットフォームの展開を開始した。Appleは初年度にポッドキャスト売上の30%を徴収すると述べたが、この割合は2年目に15%に下がる見込みだ。一方、Spotifyのプログラムは2023年までクリエイターから手数料を徴収せず、その後は5%となる。

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ポッドキャストクリエイターはサブスク売り上げの30%の徴収より5%に降参した方が利益が大きいと即決できるが、リスナーは最高のユーザーエクスペリエンスを提供するアプリに群がるだろう。そしてポッドキャスト発見へのSpotifyの投資が報われるのなら、ポッドキャスティング分野で長らく優位性を維持してきたAppleにとっては由々しき事態となる。

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タグ:SpotifyポッドキャストPodz買収機械学習

画像クレジット:Spotify

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Voicyとスタディプラスが「大学に特化した」音声配信サービス開始、新潟医療福祉大学が導入

Voicyとスタディプラスが「大学に特化した」音声配信サービス開始、初期導入大学として新潟医療福祉大学が決定

日本初の音声プラットフォーム「Voicy」(ボイシー)を提供するVoicyは6月17日、学習管理SNS「Studyplus」(スタディプラス)などを提供するスタディプラスと提携して大学に特化した音声配信サービスを6月1日から提供開始したと発表した。

Voicyは、2016年にサービスを開始した音声プラットフォーム。著名人による「声のブログ」、4大マスメディアの記事が声で聞ける「メディアチャンネル」、企業の社外報「オウンドメディア」など500以上のチャンネルがあり、ラジオともポッドキャストとも違う音声体験が楽しめる。

これを活かし、スタディプラスと提携することで、大学が発信する音声コンテンツの企画・制作・編集・配信・分析までを統合的に行うというのが、この大学向けプラットフォームだ。管理はVoicyとスタディプラスが行うので、大学側は人的リソースを確保することなく、リスナーの確保やコミュニティー形成といった支援が受けられる。

また新潟医療福祉大学が導入を決定し、「新潟医療福祉大学健康ラジオ617」として大学教員による「健康になれる話」や「ちょっとした健康雑学」といったコンテンツの配信を6月17日から始めている。

Voicyとスタディプラスが「大学に特化した」音声配信サービス開始、初期導入大学として新潟医療福祉大学が決定

今後は、高校生や高校教員、保護者に向けた「大学のブランディング、興味関心の向上、長期的な関係構築を目的とした音声配信」を可能にしてゆくという。

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アマゾンは2020年に2億ものフェイクレビューをブロックしたがその責任から逃げる

Amazon(アマゾン)はフェイクレビューという問題の存在を認めているが、この問題を詳しく述べたポストではもっぱら、他への非難を広めるために全力を尽くしている。これまで何年間もこのオンラインリテールの巨人は、コピー商品や偽造またはサクラによるレビューに悩まされてきた挙句、ついに対策に乗り出したが、そのための新しい取り組みや規則は何もない。むしろ同社は、Amazonを安全にするのは彼らの努力次第だとしている。

ショップがわざと模倣品を販売したり、AliExpressの再販をしたり、売り手のデータを良く見せるための企業の社内ブランドを宣伝したりしているたね、Amazonのレビューは質の指標としては信頼できないという悪名を着せられている。オンラインショップに無意味な5つ星のレビューをばらまいて無料の商品や現金をもらうという組織犯の例も複数回報告されている。この私も、星数による格付けを上げたらお礼をする、という誘いを受けたことがある。

Amazonはそのポストで「お客様に喜んでいただけることなら何でもいたします」などとご挨拶のような台詞を述べた後、最近では他の多くのテクノロジー大手と同様に、レビューは載せる前に自動化システムを使って審査していると説明している。Amazonはいつも実数を明かさないが、ここでは「2020年にはフェイクと疑われる2億ほどのレビューを、顧客の目に触れる前に停止した」というものすごい数を挙げている。

2億は誰がどう見ても大きな数だが、その大きさをさらに実感するためには、同じ年のCNBCの報道でAmazonが「毎週1000万以上のレビューを分析している」と言ってるのを見るべきだ。毎週1000万なら年間では5億2000万通あまりになる。前述の2億を横に並べると、提出されたレビュー総数の少なくとも3分の1が、フェイクとしてはねられていることになる。

Amazonのレビューの総数は、容易に得られた数字ではない。Amazonのリスティングを分析しているReviewMetaのTommy Noonan(トミー・ヌーナン)氏はBuzzFeedで、2020年にAmazonは約2億5000万のレビューを掲載したと述べている。彼の計算ではその約9%は「不自然な」ものだったが、5億件ほどが2020年に提出され、そのうち約2億がフェイクだったのなら、実際の総数はもっと大きいことになるだろう。現在、Amazonに正確な数字を問い合わせているが、一般的に同社は、数字に関してあまり協力的ではない。

ソーシャルメディア上の何万というグループがこれまで何度も、フェイクレビューのエコシステムへの主要な寄与貢献者である、と指摘されている。Amazonは2020年の第1四半期に、彼らをホストしているプラットフォームに300のそのようなグループを報告したと述べているが、2021年にはそれが1000を超えている。対策時間も増えているが、このような増加の原因を、盛大に繁昌しているビジネスモデル以外のものにすることは難しい。このビジネスモデルそのものが規制の対象になる、という話は聞いたことがない。

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Amazonは「フェイクレビューは、その問題を彼らに告げるよりも前に、もっと先取り的に適切に検出し強制排除する仕組みに対し、ソーシャルメディア企業が投資することが緊急に必要だ」と宣言している。実際、ソーシャルメディア企業は多方面から、そこでユーザーがやってることに対して責任を取れと迫られているが、彼らはAmazonと同じノイズを発している。「できるだけのことをしている」と。そして、それが明らかに不十分だとは言わない。

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Amazonはさらに続けて「世界中の消費者保護規制当局の協同的な支援が必要」と述べている。しかし同社は、悪質な売り手を見つけてオンラインのマーケットプレイスに透明性をもたらすためのINFORM法に強力に反対し成功した。しかも、自分がそうやって反対した行為の一部を売り手に強制している。そして今回の文にも、消費者が護られるべき企業にAmazonが含まれるのはいつのことか言及がない。

そのポストは続けて曰く「悪人をつかまえ、彼らにフェイクレビューを提供して彼らの行動の責任者になっているサービスプロバイダーを阻止することが重要である」。そのためには司法や法執行機関とのパートナーシップも必要だろうが、このような「他とのパートナーシップ」は空しく響く。なぜなら、そういう悪行が起こっている場所はAmazon自身であり、そのエコシステムは司法などに頼らなくても同社自身が完全にコントロールできるからだ。一部の大物は店から追い出されたが、まだ数え切れないほど多くが、ルールをあざ笑っても罪に問われないでいる。

というわけでこのポストのどこにも、悪人たちを抑止し、Amazonが規則を設けたシステムに氾濫している悪用を弾圧するために、Amazon自身が新たに何をするのかという詳細な記述がない。あるのは、検出ツールの「強化を継続」し「プロセスを合理化」してパートナーシップに備え、詐欺師たちを法の下に引き出すことに「強力に努力する」だけだ。それは同社がこれまでずっとやってきたことの継続だから、そもそも同社が今のようになってしまったことの原因である。

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Spotifyがライブオーディオアプリ「Greenroom」を提供開始、Clubhouseのライバル誕生

Spotify(スポティファイ)は2021年3月、ライブオーディオマーケットへの参入を加速させるために、スポーツ専門のオーディオアプリLocker Roomを運営する会社を買収する発表した。そしてSpotifyは6月16日のSpotify Greenroomの立ち上げでその目的を遂行する。Spotify Greenroomは、世界中のSpotifyユーザーがライブオーディオルームに参加したりルームをホストしたり、ときにそうした会話をポッドキャストに変えることができる新しいモバイルアプリだ。同社はまた、新しいアプリに将来多くのコンテンツが加わるようにするためのCreator Fundも発表した。

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Spotify GreenroomアプリそのものはLocker Roomの既存のコードをベースにしている。実際、現在のLocker Roomユーザーは6月16日からブランドとデザインが改変されたGreenroomエクスペリエンスになるのを目にするとSpotifyはTechCrunchに語った。

Locker Roomは白と赤みがかったオレンジ色のスキームを使っていたが、新しいGreenroomアプリはかなりSpotify派生物のような外観で、Spotifyと同じカラーパレット、フォント、イコノグラフィーを使っている。

新アプリを利用するには、Spotifyユーザーは現在のSpotifyアカウント情報を使ってサインインする。そして関心のあるものを結びつけるためのオンボーディングがある。

画像クレジット:Spotify

当面、聴くオーディオプログラムを見つけるプロセスは主にアプリ内でのユーザーのグループ参加に頼る。これはLocker Roomが展開してきたものに似ている。Locker Roomではユーザーはお気に入りのチームを見つけてフォローしていた。しかしGreenroomのグループはもはやスポーツにだけ結びついているのではなく、より大衆的だ。

聴きたいと思われるコンテンツにユーザーをつなげるためにSpotifyのパーソナライゼーションテクノロジーを活用するというのがGreenroomの計画だ、とSpotifyは語った。例えばすでにSpotifyでフォローしているポッドキャスターがSpotify Greenroomでライブを行う場合、ユーザーにノーティフィケーションを送ることができる。あるいは、ターゲットを絞ったレコメンデーションをするために、あなたがどのような種類のポッドキャストや音楽を聴いているのかを活用することもできる。

Spotify Greenroomの機能セットは、ClubhouseやTwitterのSpaces、FacebookのLive Audio Roomsなど、他のライブオーディオサービスのものとほぼ同じだ。ルームのスピーカーは丸いプロフィールアイコンでスクリーン上部に表示され、リスナーはスピーカーのものより小さなアイコンで下部に表示される。ミュートオプションやモデレーションコントロールがあり、ライブオーディオセッション中にリスナーをステージに登場させることもできる。ルームは最大1000人をホストでき、Spotifyは今後この数をさらに増やす見込みだ。

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画像クレジット:Spotify

リスナーはアプリで「ジェム」をあげることでスピーカーにバーチャルの拍手を送ることができる。この機能はLocker Roomから来ている。スピーカーが稼いだジェムの数はセッション中、プロフィール写真の横に表示される。差し当たってはこうしたジェムに金銭価値はないが、Greenroomがまだ収益をあげる方法を提供しておらず、これは明らかに次のステップのようだ。

Spotify Greenroomと同種のライブオーディオアプリの間にはいくつかの主な差別化要因があることは記すに値する。まず第一に、Spotify Greenroomはホストが好きな時にオンにしたりオフにしたりできるライブテキストチャット機能を提供している。ホストはライブオーディセッションが終わった後にそのオーディオファイルをリクエストし、ポッドキャストのエピソード用に編集することもできる。

おそらく最も重要なことは、ライブオーディオセッションがSpotifyによって録音されることだ。これはモデレーション目的のためだと同社は話す。ユーザーがGreenroomオーディオルームに関して何か問題を報告すると、Spotifyはどのようなアクションが必要かを判断するために録音を調べることができる。これはClubhouseが対応に苦慮してきた部分だ。Clubhouseのユーザーはときに、アプリ内でリアルタイムに有害性や乱用に直面してきた。ここには人種差別や女性差別のような問題の多い分野も含まれる。直近では、反ユダヤ主義やヘイトスピーチのために数多くのルームを閉鎖しなければならなかったとClubhouseは述べた。

SpotifyはSpotify Greenroomのモデレーションは既存のコンテンツモデレーションチームによって管理されると話す。もちろん、Spotifyがいかに早く不適切なユーザーに対応したり、行動規範に違反したライブオーディオルームを閉鎖したりできるかは今後明らかになる。

6月16日のアプリの立ち上げはユーザーがつくるライブオーディオコンテンツにフォーカスしている一方で、SpotifyはGreenroomでさらに大きな計画を持っている。今夏、同社はプログラムが組まれたコンテンツに関する発表を行う計画だ。これは他の新機能の立ち上げとともに最優先事項だとしている。Locker Roomで知られていたスポーツコンテンツに加え、音楽、カルチャー、そしてエンターテインメントに関連するプログラミングが含まれる。

画像クレジット:Spotify

同社はまた、Spotify Greenroomに音楽にフォーカスしたコンテンツを根づかせることを期待して、Spotify for Artistsチャンネルを通じてアーティストにSpotify Greenroomを売り込むとも話す。そしてクリエイター向けの収益化オプションも今後視野に入ってくることも認めたが、それらがどのようなものになるか具体的な詳細は示していない。

加えて、Spotifyは米国のオーディオクリエイターが収入を得られるようにするのをサポートするSpotify Creator Fundを発表した。しかしこのファンドの規模や、クリエイターが受け取れる額、基金分配のタイムフレーム、選考基準、その他の要因など詳細は明らかにしなかった。将来この機会について話を聞きたい人向けのサインアップフォームを提供しているだけだ。これはクリエイターにとって、オプションがたくさんある中で比較検討を難しいものにしそうだ。

Spotify Greenroomは世界135マーケットのiOSとAndroidで6月16日から利用できるようになった。Spotifyそのものが展開されている178マーケットと同じ規模ではない。差し当たっては英語のみだが、今後成長とともに拡大する計画だ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが日本を含む170以上の国でApple Podcastサブスクリプションを開始、J-WAVEのチャンネルも

Apple(アップル)は米国時間6月15日、日本も含む170以上の国と地域で「Apple Podcast サブスクリプション」の提供を開始したと発表した2021年春に初めて発表されたこのサブスクリプションは、リスナーがお気に入りのポッドキャストの追加特典を有料で楽しめるというもので、広告なしでの聴取や、新エピソードの先取り聴取、ボーナスコンテンツや独占配信など、ポッドキャスト制作者はファンがお金を払ってでも利用したいと思うようなさまざまな特典を提供できる。また、2021年7月からポッドキャスト制作者が厳選した番組を集めた「チャンネル」と呼ばれる機能も導入される。これは例えば、クリエイターが共通のテーマを持つ番組を集めて独自のタイトルやアートワークを付けたり、無料と有料のコンテンツを別々に提供したりすることが可能だ。

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この新しいサブスクリプション機能は、当初5月に提供開始の予定だったが、6月に延期するとアップルからクリエイターにメールで通知されていた。これは、エピソードの遅延やアナリティクスの不具合など、バックエンドに発生したいくつかの問題がサービスに影響を与えたためと思われる。

アップルによると、ローンチ時には数千のサブスクリプションとチャンネルが用意され、毎週追加されていく見込みだという。

リスナーが番組のサブスクリプションを購入すると、デザインが一新されたApple Podcastアプリで自動的に番組がフォローされる。番組ページには「Subscriber Edition」のラベルが表示され、プレミアムな体験ができるかどうかを簡単に判別できる。

アプリの「今すぐ聴く」タブには、チャンネルを含む有料コンテンツにアクセスするための新しい行が追加される。

このアプリでは、番組ページや検索でチャンネルを見つけたり「今すぐ聴く」タブや「ブラウズ」タブでおすすめの番組を閲覧したり、Messages(メッセージ)やMail(メール)などのアプリで友人とチャンネルを共有したりすることができる。

アップルがポッドキャスト市場への投資を遅らせたことで、ライバル企業はポッドキャストのリスナーを増やすための先手を打つことができた。例えば、春にアップルがサブスクリプションを発表した時点で、ある業界レポートは、Spotify(スポティファイ)のポッドキャストリスナー数が、2021年に初めてアップルのリスナー数を上回るだろうと予想していた。

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2021年中にSpotifyのポッドキャストリスナー数がアップルを上回るとの予測
Spotifyが米国で有料ポッドキャスト開始、2年間クリエイターの取り分は100%

このような激しい競争にもかかわらず、アップルはその膨大なインストールベースがクリエイターを引き寄せることに賭けている。これらのクリエイターは、サブスクリプションベースのiOSアプリと同様に、1年目はサブスクリプション収入の30%、2年目以降は15%を手数料としてアップルに支払うことに同意しなければならない。それに比べ、Spotifyでは、プログラムが軌道に乗るまでの2年間は収益から差し引くことはせず、その後も5%の手数料を取るだけだ。

サブスクリプション開始時のラインナップを見ると、多くのクリエイターやスタジオが、アップルの足元にはより多くの収益が得られる価値があると考えているようだ。

サブスクリプションを早くから採用したのは、Lemonada Media(レモナダ・メディア)、Luminary(ルミナリー)、Realm(レルム)、Wondery(ワンダリー)などの有名企業や、CNN、NPR、The Washington Post(ワシントン・ポスト)、Sony Music Entertainment(ソニー・ミュージックエンタテインメント)などのメディアやエンタテインメント系ブランドだ。

その他の参加しているスタジオは、Audio Up(オーディオ・アップ)、Betches Media(ベッチズ・メディア)、Blue Wire(ブルー・ワイヤー)、Campside Media(キャンプサイド・メディア)、Imperative Entertainment(インペラティブ・エンタテインメント)、Lantigua Williams & Co.(ランティグア・ウィリアムズ)、Magnificent Noise(マグニフィセント・ノイズ)、The Moth(ザ・​マス)、Neon Hum Media(ネオン・ハム・メディア)、Three Uncanny Four(スリー・アンカニー・フォー)、Audacy(オーダシー)のCadence13(ケイデンス13)とRamble(ランブル)、Barstool Sports(バーストゥール・スポーツ)、Jake Brennan(ジェイク・ブレナン)氏のDouble Elvis(ダブル・エルヴィス)、Headgum(ヘッドガム​)、iHeartMedia(アイハートメディア)のThe Black Effect(ザ・ブラック・イフェクト)、Big Money Players(ビッグ・マネー・プレイヤーズ)、Grim & Mild(グリム&マイルド)、Seneca Women(セネカ・ウィメン)、Shondaland(ションダランド)、Relay FM(リレイFM)、Tenderfoot TV(テンダーフットTV)、Radiotopia from PRX(ラジオトピア・フロム PRX)、Pushkin Industries(プーシキン・インダストリーズ)、QCODE(キューコード)などがある。

画像クレジット:Apple

ニュースカテゴリーでは、The Athletic(ジ・アスレチック)、Fox News(フォックス・ニュース)、Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)、Bloomberg Media(ブルームバーグ・メディア)、Politico(ポリティコ)、Vox Media(ヴォックス・メディア)の他、ABC News(ABCニュース)、Axios(アクシオス)、Billboard(ビルボード)、Bravo(ブラボー)、CNBC、CNN、Crooked Media(クルックド・メディア)、Dateline、Entertainment Weekly(デイトライン・エンタテインメント・ウィークリー)、Futuro Media(フトゥーロ・メディア)、The Hollywood Reporter(ハリウッド・リポーター)、LAist Studios(ライスト・スタジオズ)、National Geographic(ナショナルジオグラフィック)、MSNBC、NBC News(NBCニュース)、NBC Sports(NBCスポーツ)、New York Magazine(ニューヨーク・マガジン)、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)、SiriusXM(シリウスXM)、SB Nation(SBネイション)、Southern Living(サザン・リビング)、The Verge(ザ・ヴァージ)、TODAY(トゥデイ)、VICE(ヴァイス)、Vogue(ヴォーグ)、WBURなどの新聞、雑誌、放送局、デジタルパブリッシャーのチャンネルもある。

子ども向けのポッドキャストは、GBH、Gen-Z Media(ジェンズィー・メディア)、Pinna(ピナ)、Wonkybot Studios(ウォンキーボット・スタジオズ)、PRXのTRAX(トラックス)などから配信されている。

アップルは独立系のクリエイターがサブスクリプションを提供していることも紹介しており、Adriana Lozada(アドリアナ・ロザダ)氏の「Birthful(バースフル)」、Beth Silvers(ベス・シルバース)氏と Sarah Stewart Holland(サラ・スチュワート・ホランド)氏の「Pantsuit Politics(パンツスーツ・ポリティクス)」、Glynn Washington(グリン・ワシントン)氏の「Snap Judgment(スナップ・ジャッジメント)」、Martina Abrams Ilunga(マルティナ・エイブラム・イルンガ)氏の「You Had Me At Black(ユー・ハッド・ミー・アット・ブラック)」などが掲載されている。

国際的なサブスクリプションやチャンネルも提供されており、オーストラリアのABC、LiSTNR(リスナー)、SBS、ブラジルのAbrace Podcasts(アブレース・ポッドキャスト)、カナダのCANADALAND(カナダランド)、Frequency Podcast Network(フリークェンシー・ポッドキャスト・ネットワーク)、デンマークのGoLittle(ゴーリトル)、フランスのEurope 1(ヨーロッパ1)、Louie Media(ルーイ・メディア)、Radio France(ラジオ・フランス)、ドイツのDer Spiegel(デル・シュピーゲル)、Podimo(ポディモ)、ZEIT ONLINE(ツァイト・オンライン)、イタリアのIl Sole 24 Ore(イル・ソーレ24オレ)、Storielibere.fm(ストリエリベレfm)、日本のJ-WAVE、韓国のBrainrich(ブレインリッチ)、ロシアのlibo/libo(リボ / リボ)、アラブ首長国連邦のFinyal Media(フィンヤル・メディア)、英国のBroccoli Productions(ブロッコリ・プロダクションズ)、Content Is Queen(コンテント・イズ・クイーン)、Guardian(ガーディアン)、Immediate Media(イミディエト・メディア)などがある。

サブスクリプション料金は月額0.49ドル(約54円)からだが、人気のある番組は月額2.99ドル(約329円)「Luminary」のように月額4.99ドル(約548円)のチャンネルもある。価格の目安になるだろう。Apple Card(アップル・カード)のユーザーは、サブスクリプション料金の3%がキャッシュバックされ、Apple Wallet(アップル・ウォレット)で確認できる。

サブスクリプションに加入するとiPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、CarPlay、HomePod、HomePod miniなどのアップル製デバイスで聴くことができる。

サブスクリプションは、Apple Podcastアプリのデザイン変更と同時に発表された。このアプリには使い勝手に関する多くの不満が寄せられており、ユーザーの中にはサードパーティ製のアプリを探す人も少なくなかった。アップルはユーザーからのフィードバックに応え、iOS 14.6のアップデートでいくつかの問題に対処している。その他の「ライブラリ」タブのアップデートは、今後のリリースで予定されており、おそらくiOS 14.7で行われるだろう。

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タグ:AppleポッドキャストサブスクリプションiOS

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

日本で唯一Clubhouseアクセラレータファイナリストに選ばれた三木アリッサ氏が予期するP2Cの世界

2019年11月にロサンゼルスで開業した和菓子のD2Cを行うMISAKY.TOKYO(ミサキ・トウキョウ)。代表の三木アリッサ氏は、先日、Clubhouseのクリエイター向けアクセラレータープログラムに出場している。

日本の伝統技術を世界へ

三木氏の母親は、アーティストとして活動している。そのため三木氏は、アーティストがマーケティングや財政管理といった創作活動以外のこともしなければ成功が難しい現状に対して懸念を抱いていた。どうやったらクリエイターの広報活動を支援できるのだろうかと考え、三木氏は新卒でネスレへ入社し、同社初の新卒マーケターとしてCM制作などを学んだ。日本酒の会社やフローリストのマーケティング支援も経て、自らも日本発のラグジュアリーブランドを手がけるクリエイターになろうと思ったという。注目したのは日本の伝統技術。当時、グローバルで活躍している日本の伝統技術はほぼ見当たらなかった。起業の前に三木氏はイスラエルでグローバルローカライゼーションを学び、2019年の8月にロスへやってきたという。

三木氏は「事業を維持するには高額商品か高所得者層の顧客が必要。高額商品から手がけるのはハードルが高いため、まずは単価の低い食品を介して富裕層にリーチし、クロスセルしていく事業計画を立てました」という。宝石のような見た目の和菓子は、1粒8ドル(約880円)、送料込みだと約10ドル(約1100円)。ヴィーガン向けの和菓子は、病気が原因でグルテンを摂取できないという友人の悩みから着想を得て、グルテンフリーでもある。

三木アリッサ氏が創業したMISAKY.TOKYOの和菓子

彼女は、見た目にも華やかで健康にも良い和菓子に、グローバル市場での競争優位性を感じているという。Kim Kardashian(キム・カーダシアン)氏などセレブとのコラボレーションも実現。TikToの公式キャンペーンにも選ばれ、30社のみ参加可能なClubhouseアクセラレータに日本代表としてオーディションを勝ち抜き支援されることとなった。

「スター誕生」を目指すClubhouse

日本ではブームがひと段落したと見る人もいるClubhouseだが、英語圏ではTikTokをはじめ、個人による情報発信、マネタイズ可能なプラットフォームのユーザ数は伸びているという。

クリエイターファーストを掲げているClubhouse。「スター誕生」やNizi Projectのように、Clubhouseからスターを輩出するためのオーディションが2021年3月に実施された。全世界から応募があり、53組から20組に絞られる中で、彼女は日本人唯一の公式クリエイターに選ばれた。

MISAKY.TOKYOでの活動と平行して三木氏は、日英でスタートアップニュースを解説するというトークルームを運営している。このスペシャル版である「最新版デジタルアートの未来」では、日本から落合陽一氏、海外からは5分で3億円デジタルスニーカーを売り上げたRTFKTを招いた。5月16日に1時間の番組を実施し、海外のClubhouse評論家からも高い評価も得ている。

Clubhouseで番組を持つクリエーターのうち、1次選考に残った人々(画像クレジット:Clubhouse)

Clubhouseはオワコンなのだろうか。彼女は音声コミュニティの可能性を感じている。「今、Clubhouseのアクティブユーザー数が低下している理由は、クリエイター側がマネタイズできないからと考えています。多くのSNSの黎明期はこのような状態にあるものです」と三木氏はいう。今回のオーディションもクリエイター誕生の場としてClubhouseが育つ一助と考える。

「事業を開始する頃からも感じていましたが、Clubhouseのオーディションを通して、日本人であること、女性であることが、いかに世界でプレゼンスが弱いかを痛感しています。オスカーの前夜祭で選ばれるのも、その多くが白人男性。日本の伝統文化は質としてすばらしいものが多いので、世界でのプレゼンスを上げるために活動を続けたい。その一歩として、ファンを作るには、Clubhouseは有益なプラットフォームであると感じている」という。

P2Cの世界がやってくる

英語圏においては、D2Cはすでに過去のものとして認識されている。「今、期待されているP2C(Person to Customer)という概念です。米国ではTikTokなどを介して、個人が自身のプロデュースしたプロダクトを売っていくのが主流。D2Cも流行し、2020年には寝具のCasperがIPOしましたが、この先は続かないと考えられています」という。企業広告に疲れた消費者たちは、どうせなら好きなものにお金を落としたいという気持ちが強まっており、ファン心理をついたマーケティングが効果的になっていくという。

MISAKY.TOKYOのようなスタートアップにとっても、ファンをつないでくれるClubhouseのようなサービスは、これまで以上にとても重要なものになる。

「新型コロナウイルスの影響もあり、商品とのファーストコンタクトがデジタルシフトしつつある。現物の品質を確認できないため、中長期的ファン獲得に繋がるかはさておき、購入フックはオンライン上での訴求力となってきている」と語る。一個人への共感でものが広まる時代がやってきている。

関連記事:Clubhouseがクリエイター向けアクセラレータープログラム開始、スポンサー紹介もしくは月54.6万円の収入を保証

カテゴリー:ネットサービス
タグ:MISAKY.TOKYOP2CClubhouse和菓子日本マーケティング

ハイブリッドワークに適したホワイトボード重視のカプセル風会議室をKlaxoonが発表

フランスのスタートアップ「Klaxoon」がホワイトボードコラボレーションプラットフォームのアップデートと新しいハードウェア製品を発表した。同社がこれから販売するハードウェア製品は「Hybridity」で、オフィスにいる人と別の場所にいる人の間で実施するハイブリッド会議に最適化された、すぐに使える会議室だ。

ソフトウェアのアップデートから紹介しよう。Klaxoonは2020年にビデオ会議中に共同作業ができるビジュアルインターフェイスの「Board」を公開した。ホワイトボードのインターフェイスでアイデアを共有したりコラボレーションしたりすることができる。付箋の作成、テキストの追加、画像の挿入、アイテムの移動、ホワイトボードからのビデオ会議の開始といった機能がある。

関連記事:プレゼンやアイデア提案に使えるビデオ通話向け共有キャンパスツール「Board」をKlaxoonが発表

会議の参加者は小さいサムネイルで表示されるため、デジタルホワイトボードに集中できる。Boardを既存のビデオ会議ツールに接続することもできる。

6月14日の週にBoardのアップデートが実施され、名称が「Board Hybrid」と変更された。創業者でCEOのMatthieu Beucher(マシュー・ボイカー)氏は記者会見で「Boardの新バージョンはリモートワークだけでなくハイブリッドワークにも使えるように設計したものです」と述べた。

Board Hybridではあらゆる種類のファイルをホワイトボードに追加できる。このため、ファイルを共有ドライブにアップロードし、リンクを作成してホワイトボードにペーストする手間が省ける。PowerPointのプレゼン、Wordの書類、ExcelのスプレッドシートなどをKlaxoonのインターフェイスから直接表示できる。

コネクタなど新しい描画ツールもいくつかあり、例えばマインドマップの作成に使える。Klaxoonのビデオ会議ソリューションから画面を共有することもできるようになった。

画像クレジット:Klaxoon

新製品は、既存の製品とはだいぶ異なる。会議室のHybridityだ。六角形の宇宙カプセルのようだ。窓はなく、外から見るとブラックボックスのように見える。

内部にはイス、画面、カメラ、Klaxoon Boxデバイスが3つずつある。ボイカー氏は「全員が全員をしっかり見て、1人ひとりがコンテンツに集中できます」と説明した。

自宅からハイブリッド会議に参加したことがあるなら、会議の状況に関わる問題点はよくご存じだろう。自分以外のメンバー数人がオフィスにいて同じ部屋から参加していると、そのメンバーたちは小さいアクションフィギュアのようで、誰がしゃべっているのかわからない。

Klaxoonはオフィスにいる人と家にいる人との会議を簡単にすることを目指している。Klaxoon Hybridity会議室の設置には5平方メートルの床面積が必要だ。ある場所に設置して、数年後に別の場所に移動できる。床に固定されていない。

予約注文はまもなく開始される。1カ月2000ユーロ(約27万円)からのサブスクリプションモデルでの販売を予定している。Klaxoonの新しい収入源になるか、単なる楽しい試みか、注目したい。ただ、オフィスに置かれている小さな電話用ブースの代わりにはなるかもしれない。

画像クレジット:Klaxoon

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タグ:Klaxoonハイブリッドワーク会議室フランスビデオ会議デジタルホワイトボードリモートワーク

画像クレジット:Klaxoon

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

WordPress.comのオーナー企業Automatticがプライベートな日記アプリ「Day One」を買収

Automatticは、MacおよびAppleモバイルデバイス向けの人気ジャーナリングアプリ「Day One」を買収し、オンラインライティングプラットフォームのラインナップを拡充する。Day Oneは、2011年3月にMacおよびiTunes App Storeでリリースされて以来、1500万回以上ダウンロードされており、ユーザーが自分の考えを共有できるプライベートな場所を提供、App Storeのエディターズチョイス、App of the Year、Apple Design Awardを受賞し、様々なレビューで賞賛を受けている。

買収の条件は公表されていない。Day Oneは10年間、自己資本のみで運営してきた。

Day Oneの追加は、Automatticの今増加中のライティングツールコレクションの興味深い拡張だ。同社のライティングツールといえば今やブログプラットフォームのWordPress.comとTumblrがその筆頭だが、後者は2019年にAutomatticが、その古びたソーシャルブログネットワークを親会社のVerizonから、同社の買値10億ドル(約1100億円)のほんの一部のわずかな金額で買い取ったものだ(TechCrunchTechCrunchはまだVerizonがオーナーだ)

関連記事:VerizonがTumblrをWordPressの親会社Automatticに売却

WordPressやTumblrのように公開することを重視したアプリとは異なり、Day Oneはプライバシーを重視している。このアプリはテキスト、メディア、さらには音声記録を含むすべての日記エントリーに対して、エンド・ツー・エンドの暗号化を提供する。また、自動バックアップ、Instagramの投稿の自動インポート、ボイストランスクリプション、テンプレート、リッチテキスト形式、位置情報、オプションである本へのプリントといった高度な機能や、Spotify、YouTube、Facebook、Twitterなどの他のプラットフォームとの統合も行っている。

Day OneがAutomatticに加わったことによって、ユーザーは本来プライベートな日記の一部をWordPress.comやTumblrで公開したり、近々、それらのコンテンツをDay Oneにインポートできるようになる。既存のTumblrユーザーにとっては、プライベートなエントリーを誤ってメインブログに公開するのではなく、より保護・バックアップされたライティングツールに同期するための手段としても有効だ。

Automatticの発表によると、買収後もDay OneのCEOであるPaul Mayne(ポール・メイン)氏がDay Oneの開発を継続する。12名のチームも、現在のままだ。

メイン氏はTechCrunchに次のように語った。「私たちは彼らのチームがスムーズに統合されるように努力しており、一緒になって集団的で強固な文化を作り続けることができます」。メイン氏によると、現在の顧客に関しては、移行プロセスというものはない。何もかも、これまでと同じだ。

メイン氏はブログで、Day Oneを売却した理由に触れている。それによると、WordPress.comやTumblrを支えている技術的、財務的、そしてセキュリティのメリットにDay Oneもアクセスできるようになるという魅力は大きいものだという。

「これはとてもエキサイティングなニュースです。Day Oneを立ち上げてからの10年間、私は世界で最高のデジタルジャーナリング体験を作るだけでなく、長く使っていけるものを作るために努力してきました。Automatticに参加することで、Day Oneの保存と寿命は確実なものになるとこれまで以上に確信しています」とメイン氏と語る。

メイン氏はまた、Day Oneのプライベート性を変更する予定はないが、このアプリは今後Automatticの他の製品と統合され、サブスクリプションモデルによって維持されることになると述べている。既存ユーザーには、価格の変更はないとのこと。

Sensor Towerのデータによると、Day Oneのモバイルアプリは全世界で440万インストールされている。2020年のインストール数は約99万3000件で、2019年の100万件以上から10%減ったが、このわずかな減少は、ユーザーが新型コロナウイルスによるロックダウン中に自宅のコンピュータからジャーナルを更新したため、デスクトップ版のダウンロードが増えたことが原因となった可能性がある。

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タグ:Day OneAutomatticWordPress.comTumblr買収アプリジャーナリング

画像クレジット:Day One

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)