デリバリーサービスのGopuffがフリートマネジメントプラットフォームのrideOSを127億円で買収

オンデマンドの商品・料理・アルコールデリバリーサービスのGopuff(ゴーパフ)が、フリートマネジメントプラットフォームのrideOS(ライドOS)を1億1500万ドル(約127億円)で買収した、とこの取引に詳しい関係者が語った。

今回の買収は、フィラデルフィア拠点のスタートアップであるGopuffが、11億5000万ドル(約1265億円)の資金調達を発表してからわずか数カ月後のことだ。バリュエーションは2020年10月の39億ドル(約4290億円)から89億ドル(約9790億円)へと上昇した。2020年秋には3億8000万ドル(約418億円)を調達し、飲料販売会社のBevMoを買収した。Gopuffは、今回の新たな買収にともなう最新のバリュエーションを公表していない。

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Gopuffは、米国の650以上の都市で、掃除用品、ペット用品、市販薬、料理などあらゆるものを配達している。30分以内の配達には1.95ドル(約215円)の料金を課し、非常に遅い時間まで、あるいは24時間365日の対応も行う。

このことは、同社が2021年ニューヨークに進出するにあたり、非常に重要な意味を持つ。ニューヨークでは、住民は高い家賃に加えて、フムスからオムツまであらゆるものを午前4時に届けてくれることを期待している。オムツに関して、GopuffはTechCrunchに対し、ベビー用品のカテゴリーを2倍に増やし、何百もの新しいローカル商品を追加したばかりだと語った。また、美容用品や「ベター・フォー・ユー」商品(オーガニック商品と健康的なスナックをミックスしたような商品)の配達にも進出したところだという。

また、2021年5月には英国のFancy Deliveryを買収し、海外市場への初進出を果たした。今後、より複雑で高密度な都市での展開や新たな業種への参入に向け、高度なルーティング、複雑なディスパッチ(配達員の手配)、フリートの最適化を実現するrideOSの技術は不可欠だとGopuffはいう。同社は、この新しい知財を利用して、マルチモーダルデリバリーを強化し、デリバリー時間の短縮を目指している。

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Gopuffは、rideOSを買収することで、ユニットエコノミクスを改善し、配送担当者やパートナーが現場でより組織的かつ効率的に活動できるような新しいツールを開発したいと考えている。rideOSは、Uber、Google、Appleの元社員が中心となって開発した地図やライドシェアのためのプラットフォームで、今回の買収は、規模を拡大し、インスタント・ニーズ・エコノミーを定義する最前線に立ち続けるためのチャンスだと考えている。

「Gopuffのミッションと世界的な野心は、世界中で人や物を効率的に移動させるソフトウェアを開発するというrideOS社のビジョンの自然な延長線上にあります」と、rideOSの共同創業者でCEOのJustin Ho(ジャスティン・ホー)氏は話した。そして「Gopuffの飛躍的な成長を考慮して、2021年末までに人員を大幅に増やし、シリコンバレー、ピッツバーグ、ベルリンでのプレゼンスを拡大する予定です」と語った。

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画像クレジット:Gopuff

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

サブスクで好きな都市へ気軽に移り住める、職場と住居一体シェアハウス「コリビング」の独Habytが約26.2億円調達

WeWorkが登場したとき、他の起業家たちはそのモデルを見て「コワーキングを不動産に適用できるなら、コリビング(職住一体型のシェアハウス)にも適用できるのではないか」と考えた。その結果、米国ではCommon(コモン)が登場し、アジアではHmlet(ハムレット)が現れた。一方EUでは「Habyt」が立ち上げられ、すでに競合のQuarters、Goliving、Erasmo’s Roomを吸収している。

今回Habytは、2000万ユーロ(約26億2000万円)のシリーズBラウンドをクローズし、2016年にSebastian Wuerz(セバスチャン・ウエルツ)氏によって設立されたもう1つの競合企業「homefully」と合併した。このラウンドには、HV Capital(旧Holtzbrink Ventures)、Vorwerk Ventures、P101、Picus Capitalが参加した。

2017年にLuca Bovone(ルカ・ボヴォーネ)氏がベルリンで設立したHabytは、これにより6カ国、15都市で5000以上のユニットを持つことになる。合併後の会社は、仕事や都市を頻繁に移動する20歳から35歳までの若いプロフェッショナル向けに、テクノロジーを駆使したユーザーエクスペリエンスとコミュニティへの注力とともに、家具とサービスが完備された居住ユニットを提供する。

Habytの創業者兼CEOであるルカ・ボヴォーネ氏は次のように述べた。「この1年半、当社はすばらしい旅をしてきました。完璧とはいえない市場環境にもかかわらず、M&A戦略の成功により大きな成長を遂げることができました。その結果、当社はヨーロッパにおけるこの分野のリーダーの地位を獲得し、まだまだ多くの可能性を秘めています。今回の2000万ユーロ(約26億2000万円)のシリーズBラウンドは、有機的な成長とさらなるM&Aの両方を通じてHabytを構築し続けるための扉を開くものです。我々は現在、ヨーロッパ、特にフランスとイタリア、そして他の大陸、特にアジアでの戦略的ターゲットを検討しています」。

homefullyの創業者であるセバスチャン・ウエルツ氏は次のように述べている。「コリビング市場は統合フェーズにあり、Habytはこの機会を迅速かつ効果的に捉え、世界規模でこの分野のリーダーになるための最良の道を歩んでいます。力を合わせることは、この方向に向けての重要なステップであり、私は当社チームがこの旅の一部になることを非常に楽しみにしています」。

HVのパートナーであるFelix Kluehr(フェリックス・クルーア)氏はこう述べた「Habytが欧州コリビング市場でトッププレイヤーとして台頭してきたことをうれしく思います。また、HVは、ヨーロッパを代表するコリビングカンパニーを構築するという同社チームの野心的な計画をサポートできることを楽しみにしています」。

インタビューの中で、ボヴォーネ氏はこう語った。「これはメンバーズクラブのようなものです。当社はサブスクリプションモデルを採用しており、メンバーは月々の料金を支払い、それが家賃となります。もちろんそれから、どこか他の場所に部屋を申し込むこともできます。当社はヨーロッパ全土で相当な規模を持っており、いずれは南ヨーロッパにも展開します。当社のモットーは『どこでも住める』ことです」。

同氏はまた、パンデミックの影響で人々はコワーキングスペースを利用しなくなったことを指摘し「人々は、月に50〜100ユーロ(6500円〜1万3000円)多く出しても、自宅で快適に仕事ができるようなより良い住宅環境を手に入れたいと考えている」と述べた。

「当社の顧客ベースの中には、ベルリンに6カ月、マドリッドに3カ月滞在した後、再びベルリンに戻ってくる、というようなケースがすでに見られます。従来の住宅市場では、切ることができない光熱費などの契約があり、そのようなことはできませんでした。そうした慣習は時代遅れの商品でしかないと考え、当社はその問題に取り組もうとしています」。

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画像クレジット:Habyt Room

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

建設工事受発注プラットフォーム運営のクラフトバンクが体制変更とともに約3.5億円の資金調達

建築工事の受発注プラットフォームを運営するクラフトバンクは6月15日、昨今の建設業におけるDX需要を鑑み、経営ガバナンス体制を新たにするとともに、総額約3億5000万円の資金調達を実施したと発表した。

クラフトバンクは、2020年4月より日本最大級の施工力データベースを活用した「クラフトバンク協力会社紹介」サービスを展開。2021年5月には、内装工事会社として社内DXを推進してきた実績を基に「クラフトバンク建設DX相談窓口」を開設し、建設業界のDXに向けた経営者支援をスタート。登録工事会社数は約2万3000社に上る(2021年6月時点)。

同社は内装工事業を運営する現ユニオンテックのR&D部門として約3年間、マッチング事業および受発注事業を展開してきた。そしてプラットフォーム事業に特化した企業体を設けることで、よりスピード感をもって建設業のDXに貢献すべく、2021年4月15日に会社分割を実施。取締役会および株主総会における決議を経て、社外取締役にはDCM Ventures General Partnerの本多央輔氏が、社外監査役としては前スペースマーケット取締役執行役員CFO/CHROの佐々木正将氏が就任した。

また、ユニオンテックの既存株主であったDCM Venturesとみずほキャピタル、デライト・ベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、高野秀敏氏(キープレイヤーズ代表取締役)、城下純一氏(前ロスチャイルドジャパン会長)ら個人投資家より、総額約3.5億円の資金調達を実施。さらに2021年6月より、あらゆる構造物の検査・調査・診断を行うジャストと資本業務提携を締結した。

今回調達した資金により、新規プロダクト開発の加速、プロダクトマネージャー/エンジニア/デザイナーをはじめとする人材の採用強化を行うとしている。

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ついにソフトバンク、Uber、テンセントが出資する中国ライドシェア「Didi」がIPO申請

長年の憶測を経て、中国のライドシェアの巨人であるDidi Chuxing(滴滴出行)は、ついに米国でIPOを申請した。これを読むと、これまでの赤字の歴史が垣間見える。

Didiは資金調達の規模を公表しなかった。ロイターは、1000億ドル(約11兆円)近いバリュエーションで100億ドル(約1兆1000億円)程度を調達できるはずだと報じたウォール・ストリート・ジャーナル紙は、バリュエーションは700億ドル(約7兆7000億円)以上になるとしている。Uber(ウーバー)の時価総額は現在900億ドル(約9兆9000億円)を超えている。

目論見書によると、Didiの38歳の創業者であるCheng Wei(程維、チェン・ウェイ)氏は、IPO前で同社株式の7%を所有し、15.4%の議決権を支配している。主要株主であるソフトバンク・ビジョン・ファンドは21.5%を所有しており、Uberが12.8%、Tencent(テンセント)が6.8%と続く。

2016年にUberの中国事業を買収したことで有名な創業9年目のDidiは、今ではライドシェアプラットフォーム以上の存在となっている。バイクシェアリング、食料品、都市内貨物、ドライバー向け金融サービス、電気自動車、そしてコスト削減と安全性向上の可能性を秘めた「未来のモビリティのためのデザインの頂点」と定義するレベル4のロボタクシーなど、事業のラインナップは増えている。

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ソフトバンクがリードするラウンドでDiDiの自動運転開発子会社が540億円調達

Didiは2020年5月、ソフトバンクの2つ目のビジョン・ファンドから5億ドル(約550億円)の出資を受けて自動運転車の子会社を設立した。この子会社は現在、500人以上のメンバーで構成され、100台以上の自動運転車を運用している。また、中国では、タクシーやライドシェアリング会社が化石燃料車からの脱却を進める中、同社はライドシェアリング用のEVも設計している。

市場での優位性

2021年3月末までの12カ月間に、Didiは4億9300万人の年間アクティブユーザーにサービスを提供し、1日あたり4100万件の取引を行った。第1四半期の月間ユーザー数は1億5600万人で、Uberの9800万人を大きく上回る。

中国の公式データによると、12月時点で3億6500万人のライドシェアユーザーがおり、Didiがかなりのシェアを占めていることがわかる。

中国でのモビリティーサービスは、一貫してDidiの売上の90%以上を占めている。同社は、ブラジルのライドシェア企業である99 Taxisを買収したように、海外十数カ国でそのプレゼンスを拡大しようとしている。そして、Didiの中国ベースのモビリティー売上の97%以上は、2018年から2020年の間にライドシェアからもたらされたものだ。その中にはタクシー配車、運転手、相乗りなども含まれている。モビリティビジネスは、2件の死亡事故を受けて見直された。

サードパーティのデータもDidiの優位性を物語る。アプリのトラッキング会社であるAurora Mobileによると、Didiの3月のアクティブユーザー数は7760万人だった。最も近いライバルであるGeelyが支援するCaocaoは、その10分の1にも満たなかった。

Didiは2018年から2020年まで赤字経営を続け、2020年は16億ドル(約1760億円)の純損失で1年を終えたが、2021年第1四半期には8億3700万ドル(約920億円)の純利益を計上して流れを変えることに成功した。この純利益は主に、資金を要する食料品のグループ購入を行うChengxin(橙心優選)の非連結化による投資利益と、投資していた株式の売却によるものだと思われる。

また、当四半期の売上高は前年同期比で2倍以上の66億ドル(約7260億円)となった。参考までに、Uberの同四半期の売上高は29億ドル(約3185億円)だった。

Didiは、IPOで得た資金の30%をシェアードモビリティー、電気自動車、自動運転などの技術に使う。また、30%は国際的な事業拡大に、さらに20%は新製品の開発に充てる予定だ。

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画像クレジット:Didi Chuxing

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

月額2万4800円で都内300部屋が使い放題、テレスペが多拠点セカンドハウスサービスを先着1000名に提供

ワークスペースのシェアリングサービス「テレスペ」を運営するテレワーク・テクノロジーズは6月8日、都内300部屋を24時間使い放題になる多拠点セカンドハウスサービスを開始した。安い個室の仕事場ニーズに対し、初期費用0円・月額2万4800円(税込)で多拠点の個室を提供することで、「いつでもどこでも働ける」自宅拡張体験を提供する。月額2万4800円(税込)対象の会員登録は、先着1000人限定。

同サービスは、都内50カ所300部屋の個室を、免許証・マイナンバーカードなど本人確認書類(写真付きの身分証明書)とクレジットカードを利用し会員登録を行い次第使えるようになるというもの。初期費用0円、月額2万4800円(税込)。その他、光熱費は消耗品などの管理費として1時間あたり110円がかかる。300カ所のうち99%は人を介さずに24時間利用できる。1時間単位の予約制(当初は1時間から6時間の利用)で、毎回空き部屋を予約するシステムとなっているため、まとめて30日分を予約するといったことはできない。

家具やWi-Fi環境などは整えられており、おまけに「無駄に大きなL字型デスクや、壁に沿わせない非効率なデスク」を置くなど、遊び心をくすぐる「無機質」な内装になっている。

想定されている利用者は、会社員、フリーランス、テレワークマスター制度を使う中小企業、大企業の法人契約、さらに「書斎を奥さんに占拠された大学教授」など。

また現在会員を募集中で、契約は年契約となる(3カ月経過後途中解約可能)。ただし、「月額2万4800円(税込)で事業が成り立つのかわかりませんので、月額2万4800円での提供は先着1000名までとさせてください。今後料金改定時でも既存会員様にはお申し込み時の料金で継続提供します」とのこと。現在は11物件でのスタートとなるが、6月14日からは、会員数に応じて300件まで追加される予定。

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食品ロス削減のフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが1.5億円のプレシリーズA調達をクローズ

食品ロス削減のフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが1.5億円のプレシリーズA調達クローズ

食品ロス削減のためのプラットフォーム「TABETE」(タべテ。iOS版Android版)を運営するコークッキングは6月3日、プレシリーズAにおいて、累計調達額1.5億円でクローズしたと発表した。引受先は、Social Entrepreneur3投資事業有限責任組合(既存)、taliki1号投資事業有限責任組合(新規)、永井恒男(新規/アイディール・リーダーズ株式会社代表取締役CEO)、福島保氏(新規)、﨑山謙治氏(新規/JBA関西株式会社ディレクター 公認会計士)、他3社。調達した資金はTABETEのサービス拡大に向けた資金にあて、利用エリアの拡大やアプリの改善を行う。

TABETEは、まだおいしく安全に食べられるのに、店頭では売り切るのが難しい食事をお得に「レスキュー」(購入)できる、フードシェアリングサービス。掲載店舗数は1500軒、登録ユーザー数40万人超(2021年5月時点)。飲食店・小売店で廃棄の危機にある食事と、テイクアウト購入をしたい消費者とを直接マッチングさせる仕組みによって、食品ロス発生を水際で防いでいるという。これまでに累計で11万食以上が「レスキュー」され、57トン相当以上の食品ロス削減を実現したそうだ。

食品ロス削減のフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが1.5億円のプレシリーズA調達クローズ

またTABETEでは、飲食店や小売店は、廃棄の危機にある食事を1品から出品可能。出品したメニューは即時にTABETEアプリに掲載されて40万人以上のユーザーが閲覧できるようになる。

購入が確定すると通知が届き、その後引取時間になると購入者が店頭に来店。購入者が提示するアプリの画面を確認して商品を渡せば「レスキュー」完了となる。なおユーザーは、アプリ上でクレジットカード決済を済ませてから引き取りに行く仕組みのため、店頭での金銭のやり取りは発生しない。

食品ロス削減のフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが1.5億円のプレシリーズA調達クローズ

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個人宅の台所をクラウドキッチンにして家で働けるようにするDishServeがジャカルタで事業拡大中

クラウドキッチンは、配達用の食事を準備するための集約された施設で食事を提供することで食品・飲料ブランドにかかるインフラの負担を減らす。これは、クラウドキッチン運営側にはレストラン顧客からの需要を満たすだけの十分な施設をもつ責任があり、その一方で消費者への素早い配達も確保しなければならないことを意味する。

インドネシアのDishServe(ディッシュサーブ)は、資産保有を最小限にするクラウドキッチンネットワークを運営する方法を考案した。格安ホテルスタートアップのRedDoorz(レッドドアーズ)の元COOによって立ち上げられたDishServeは自社施設を借りたり購入したりする代わりに個人宅の台所であるホームキッチンと提携している。現在はジャカルタの約100のホームキッチンと協業し、中小の食品・飲料ブランドのラストマイル配達ネットワークになることに注力している。2020年秋に創業されたDishServeは額非公開のプレシード資金をInsignia Ventures Partnersから調達した。

DishServeは2020年9月にRishabh Singhi(リシャーブ・シンギ)氏によって創業された。シンギ氏は2019年末にRedDoorzを去ったのち、ニューヨークに移った。あらゆる商業スペースをSoho Houseのような会員クラブにすばやく変えることができる新たなホスピタリティスタートアップを立ち上げようという計画だった。新生スタートアップはサンプルのプレハブの部屋を作り、2020年3月に新型コロナウイルスによってニューヨーク市がロックダウンとなったまさにそのときに不動産のリースを始めようとしていた。シンギ氏は、何をすべきか、東南アジアに戻るべきかどうか、数カ月の間「自己分析にふけった」と話した。

そして同氏は、多くのレストランがパンデミック時代を生き残るためにオンライン注文と配達に切り替えなければならず、これがMcDonald’s(マクドナルド)のような大手と競っている小規模の食品・飲料ブランドにとって平等をもたらす機会になるかもしれないと気づいた。しかしロックダウンは多くの人が住まいの近くにある限られたレストランから食事を取らなければならないことを意味した。と同時に、お金を稼ぎたいが、主婦のように家の外で働くことができない人が大勢いることにも同氏は気づいた。

DishServeは3者を結びつけるために立ち上げられた。多額の資金をかけずに事業を拡大したい食品・飲料ブランド、在宅起業家、そしてより多くの食事の選択肢を求めている消費者だ。同社の他の創業者はRedDoorzの初期従業員でフィリピンの責任者を務めたStefanie Irma(ステファニー・イルマ)氏、連続起業家のVinav Bhanawat(ヴィナブ・バナワット)氏、スリランカのオンデマンドタクシーサービスPickMeの共同創業者Fathhi Mohamed(ファティ・モハメド)氏だ。

1〜15店舗を運営し、新しく店舗を開設することなく配達を増やしたいと考えている食品・飲料ブランドとDishServeは協業している。DishServeの顧客にはまた、配達とケータリングのサービスのカバーエリアを拡大するためのラストマイルの配達でホームキッチンネットワークを活用するクラウドキッチン企業も含まれる。

「ブランドは前払い費用を払う必要はありません。また商品を配達する安価な方法でもあります。というのもブランドは電気代や配管作業費などを払う必要がないからです」とシンギ氏は話した。「そして業務を請け負う代理店(ホームキッチン運営者)にとっては家にいながら稼ぐチャンスとなります」

仕組み

ネットワークにホームキッチンを加える前、DishServeはまず一連の写真を送ってもらい、その次に実際に直接訪れてキッチンをチェックして申込者をふるいにかける。そしてキッチンがOKであれば、DishServeはネットワーク内の他のホームキッチンと同じ機器や機能性をもたせるべく申込者のキッチンをアップグレードする。アップグレードにかかる費用は同社が負担する。アップグレードの所要時間は通常3時間、費用は500ドル(約5万5000円)だ。機器の所有権は同社が持ち、ホームキッチンオーナーがDishServeを辞めると決めると、DishServeが機器を回収する。通常、キッチンの運営が始まって4カ月で同社はアップグレードの費用を回収できる、とシンギ氏は述べた。

ホームキッチンはまずトライアルとして、他のブランド向けに展開する前にDishServeの自前のホワイトレーベルブランドにサービスを展開することから始める。各ホームキッチンは追加で3つのブランドにサービスを提供することができる。

重要な留意点は、通常1人が運営するDishServeのホームキッチンは実際には調理しないということだ。食材は食品・飲料ブランドが用意し、ホームキッチン運営者はピックアップと配達のために手順に従って食事を温めてまとめ、包装する。

DishServeのホームキッチン運営者と顧客向けのアプリのスクリーンショット

DishServeは、頻繁に行うオンラインでの監査を通じて標準的な運用手順と衛生基準が保たれるようにしている。キッチン運営者はチェックリスト(食品準備エリア、フロア、壁、手洗いエリア、冷凍庫内)に基づき定期的にキッチンの写真とビデオを提出する。キッチン運営者の90%が年齢30〜55歳の女性で、平均世帯収入は1000ドル(約11万円)だとシンギ氏は話した。DishServeで働くことで、4つのブランドの業務を引き受けるようになればキッチン運営者は通常1カ月あたり600ドル(約6万6000円)稼ぐ。DishServeは食品・飲料ブランドに課金し、それをキッチン運営者と分け合う売上共有モデルを通じて収益をあげている。

食品・飲料ブランドはDishServeに加わると、協業したいホームキッチンを選び、食材を届ける。そしてDishServeのリアルタイムダッシュボードを使ってストック状況を確認する。一部の食材は保存可能期間が6カ月あり、その一方で農産物や乳製品、卵といった腐りやすいものは毎日配達される。新たに利用を始めるブランド向けのDishServeの「スターターパック」ではキッチン5カ所を選ぶことができるが、大半のブランドは、ジャカルタでより多くのエリアに配達し、また大量の食事を準備することで節約できるよう、通常10〜20のキッチンで開始するとシンギ氏は説明した。

DishServeは少なくとも2021年末までは他都市に事業を拡大せず、ジャカルタでのネットワーク成長に注力する計画だ。「当社が食品・飲料産業で変えようとしていることの1つは、現在あるようなかなり集中・集約された食品事業の代わりに、マイクロ起業家をディストリビューションネットワークとして作用させて事業を分散させるというものです」とシンギ氏は述べた。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:DishServeジャカルタインドネシアクラウドキッチン

画像クレジット:DishServe

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(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi

スーパーの商品を最短30分で届けるサービスをInstacartが導入

Instacart(インスタカート)がグローサリー配達を迅速化している。同社は米国時間5月27日、従来より速い配達サービス「Priority Delivery」を、事業を展開する米国とカナダのいくつかのマーケットで導入すると発表した。そうしたサービスがなければちょっとした買い足し、あるいは急ぎの買い物で店舗に駆け込むであろう消費者をひきつけるのが狙いだ。まずは米国のいくつかの大都市圏で展開し、30分で配達する、とInstacartは話す。同社はまた、配達時間45分と60分というオプションも含め、他の迅速配達サービスを今後数カ月以内に他の都市や小売店へ拡大する。

今日、多くの顧客は毎週、あるいは月1回のグローサリー注文でInstacartを使っているが、その日の夕食の材料など少量のアイテムが必要な時はまだ店舗に足を運んでいる。新しいPriority Deliveryはスーパーの精算エクスプレスレーンに代わるグローサリー配達選択肢になり、こうしたちょっとした買い物時に使ってもらう。

Priority Deliveryが使えるマーケットでは、Instacartアプリ内でサービスが使える小売店に稲妻マークを付ける。そこでは「30分以下」などと想定される配達時間も示される。顧客は必要に応じて精算時にスタンダード配達や配達予約の代わりにPriorityを選ぶことができる。

迅速配達では、注文数の制限や最低注文品数の決まりはない、とInstacartは話す。しかし、たとえば牛乳、チップス、ワイン数本といった急ぎのリクエストは、特選デリ商品やベーカリー商品、あるいは大量のものをリクエストするより早く準備されそうだ。

買い物量が多くなったとき、あるいは注文がやや複雑なものになったとき、アプリは30分配達は利用不可だと情報をアップデートし、新しい配達時間を表示する。

Instacartはこのサービスの価格をまだ最終的に決めていないが、Priority Deliveryはいくらかの追加料金が発生する見込みだ。しかし同社は追加料金は「わずか」で「少しずつ」であり、マーケットの考慮すべき事項に基づいて変化することになると話す。配達オプションとそれにともなう料金と税は精算時に表示され、隠れ手数料などはないとも指摘する。

Priority Deliveryはまずシカゴ、ロサンゼルス、マイアミ、サンディエゴ、サンフランシスコ、シアトルのスーパーや専門店を含む300店超で利用できるようになる見込みだ。その後、他のマーケットや小売店にもサービスを拡大する。

「1週間のまとめ買い、あるいはその日の夕食に使ういくつかの食材など、すべての買い物が同じではないことを承知しています。ですので当社は人々がその日のグローサリーを買い物する多くの方法をサポートする新しい機能を立ち上げます」と同社のプロダクト担当副社長Daniel Danker(ダニエル・ダンカー)氏は話した。「ピンチのときや急いで何かが欲しいとき、多くの顧客は時間に余裕がありません。Priority Deliveryの導入で当社は『店までひと走りする』を再定義し、顧客のためにスーパーのエクスプレスレーンをオンラインに持ってきます」と付け加えた。

またInstacartは45分と60分の配達を提供する都市を米国で拡大し、Priorityが使えなくても従来より速い配達のオプションを提供する。

対象とする店舗の多くで配達を迅速化する動きによって、同社はWalmart(ウォルマート)やAmazon(アマゾン)のグローサリー事業、Target(ターゲット)が展開するShiptといったライバルのグローサリー配達との競争で優位に立てるかもしれない。

今回の動きは、先週のAmazonの発表に続くものだ。AmazonはPrime Now配達アプリとウェブサイトを閉鎖し、グローサリーの即配を希望する買い物客をAmazonのアプリとウェブサイトに誘導すると明らかにした。しかしAmazonの場合、Amazon FreshとWhole Foodsで2時間以内の配達サービスを約束している。30分ではない。一方、Walmartの会員制の配達サービスWalmart+は現在、有料顧客向けにすら同日配達を保証していない。配達時間枠の確保は先着順となっている。残るShiptは同日配達を提供しているが、それは必ずしも30分以内ではない。

今回のアップデートでは、Gopuffの「インスタントニーズ」デリバリーサービスUber Eatsのエッセンシャルズ、そして店に買いに走るようなチップスやアイスクリーム、スパイス、パック食品などのコンビニ商品も2020年から扱うようになったDoorDashといった、グローサリー小売店にサービスを提供していない他の即配達事業者との競争でInstacartは張り合える。

Instacartの新しいサービスは対象マーケットで順次展開される。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Instacartグローサリーオンデマンド配送

画像クレジット:Instacart

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

新型コロナウイルスのワクチン接種会場や大規模接種センター周辺の駐車場を予約できる特設ページが公開

新型コロナウイルスのワクチン接種会場や大規模接種センター周辺の駐車場を予約できる特設ページが公開

駐車場予約アプリ「akippa」(Android版iOS版)を運営するakippaは5月27日、新型コロナウイルスのワクチン接種が大規模接種センターや集団接種会場において開始されたことに伴い、接種会場周辺の予約が可能な「akippa駐車場」をまとめた特設ページを公開した。

akippaは、契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設など空いているスペースに、15分単位でネット予約して駐車できるサービスおよびアプリ。誰でも簡単に駐車場をシェア可能。2021年5月現在、駐車場拠点数累計4万5000拠点を確保しており、会員数は220万人を突破した。

同社特設ページでは、自衛隊による大規模接種センター、全国の自治体による集団接種会場周辺の予約可能なakippa駐車場の検索・予約が可能。同社は「移動において人との接触を避けたい」「公共交通機関で行くことが大変」などの理由から、車で接種会場に向かいたい方々の一助になればととしている。

新型コロナウイルスのワクチン接種会場や大規模接種センター周辺の駐車場を予約できる特設ページが公開

akippa駐車場の利用方法は、同社サイトまたはアプリで利用したい駐車場を探し、予約・決済を行うだけ。駐車場情報詳細ページを開いたら、利用したい日時の空き状況や金額を確認し利用希望日時を選択。その後クレジットカードまたはキャリア決済で事前決済を行うと予約が完了する(電話やFAXでの予約は受け付けていない)。当日は予約した車室に駐車するといい。万一のトラブル時はakippaのサポート窓口が対応するとしている。

新型コロナウイルスのワクチン接種会場や大規模接種センター周辺の駐車場を予約できる特設ページが公開

事前に駐車場を予約するメリット

  • 確実に駐車できる:事前予約制なので、当日現地で空いている時間貸し駐車場を探し回る必要がない
  • 15分単位で接種に必要な時間分だけ予約・利用:akippaの駐車場は15分単位で予約可能。接種に必要な時間分だけ予約・利用できるため、安価に利用可能としている。またakippaでは遊休スペースを活用しているため、周辺の時間貸し駐車場の相場より安価な駐車場が多いという
  • 現金が不要:予約時のオンライン決済で事前に支払いを済ませているため、現地で現金が不要

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電動マイクロモビリティシェアの「LUUP」アプリが大阪梅田・難波・天王寺で電動キックボードシェア導入

電動マイクロモビリティシェアの「LUUP」アプリが大阪の梅田・難波・天王寺で電動キックボードシェア導入

Luupは5月20日、電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(ループ、Android版iOS版)内において、電動キックボードシェアの提供を開始した。利用可能エリアは、大阪キタ(梅田)・ミナミ(難波、天王寺)の2エリア。2021年4月2日より大阪で展開している小型電動アシスト自転車のシェアサービスに加えて、電動キックボードが導入される形となる。利用料金(税込)は、110円/初乗り10分、16.5円/分(実証実験特別価格)。

また、同サービスは新しいモビリティの実証実験でもあることから、西日本旅客鉄道(JR西日本)と共同で安全講習会を開催する。安全講習会の詳細は、Luupサイトにおいて告知する。

今回LUUPアプリにおいて導入する電動キックボードは、世界で唯一普及している電動マイクロモビリティという。以下の特徴を備え、さらにコロナ禍においては密を避ける新しい移動手段として世界各国で普及が進んでいる。

  • またぐ、こぐ必要がないため、スカートやスーツの方でも乗ることができる
  • 地面と足が近いため、危険を感じたら足をついてすぐに止まることができる
  • IoTデバイス搭載のため、将来的にはエリア別・ユーザー別の安全運転のための制御が可能

また電動キックボードは、日本の現行法上「原動機付自転車」に位置付けられている。そのため、ヘルメットの着用、ナンバープレート・ミラーの装着、免許の帯同、車道のみの走行など普及しにくい走行条件が課せられているという。

規制の適正化とルールづくりに向けて、Luupは「マイクロモビリティ推進協議会」という業界団体を立ち上げ、関係省庁との議論や様々な条件下での実証実験を重ねているとした。

サービス詳細

  • 内容:電動キックボードと小型電動アシスト自転車のシェアアプリ
  • 利用条件:アプリ上から「運転免許証登録」を行い、「走行ルールの確認テストで満点合格」となること。小型電動アシスト自転車のみ利用の場合は、これら対応は不要
  • 利用ガイド:「電動キックボード」利用ガイド
  • 利用可能エリア:大阪キタ(梅田)・ミナミ(難波、天王寺)の2エリア
  • 利用料金(税込):110円/初乗り10分、16.5円/分(実証実験特別価格)
  • ポート数:約100ポート。安全性の段階的な検証のために、まずはそのうち7ポートで電動キックボードを利用可能
  • 電動キックボード利用可能ポート:大阪駅中央北口(大阪府大阪市北区梅田3丁目1-1)、天王寺駅(大阪府大阪市天王寺区悲田院町10-45)、森ノ宮駅北口(大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目1-45)、森ノ宮駅南口(大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目1-45)、大阪城公園駅(大阪府大阪市中央区大阪城3)、桜ノ宮駅(大阪府大阪市都島区中野町5丁目1)、南海なんば西口(大阪府大阪市中央区難波5丁目1-60)
  • 電動キックボードの台数:10台(安全性が段階的に確認でき次第夏には増加予定)
  • 電動キックボードの最高速度:15km/hに制限
  • 保険:保険の対象は、対物賠償、対人賠償、利用者自身のケガ

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すべての街を「駅前化」するインフラを目指す電動マイクロモビリティシェアの「Luup」が7.5億円調達

「街中を『駅前化』するインフラをつくる」とのミッションのもと電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(ループ、Android版iOS版)を展開するLuupは5月19日、第三者割当増資による7億5000万円の資金調達を2021年4月に実施したと発表した。引受先は、Spiral Capital Japan Fund 2号投資事業有限責任組合をリード投資家に、ANRI3号投資事業有限責任組合、ENEOSイノベーションパートナーズ、アダストリア、非公開の投資家複数名。このラウンドは2021年夏に最終クローズの予定で、現在も投資家候補との協議を続けている。同時に、LUUPの設置を希望する全国の企業の募集も開始した。

LUUPは現在、東京の渋谷、新宿、六本木(赤坂から虎ノ門も含む)、大阪のキタ、ミナミの計5カ所でサービスを運営。街中を「駅前化」とは、駅からちょっと遠いなと感じる場所へ楽に行ける交通インフラの構築を意味しているそうだ。Luupの取締役兼CEOの岡井大輝氏によれば、同社は創設からこれまで2年半の間、アライアンス、省庁、自治体との協議が先行し、プロダクト開発とオペレーションがそれに続く形だったが、4月23日、電動キックボードのヘルメット着用義務を免除する政府の特例制度の認可を受け本格的なシェアリングサービスを開始したことで、次のフェーズに入ったという。今後は、プロダクト開発を先行させ、アライアンスやオペレーションがそれに続く形になる。

今回の投資を受け、同社はサービスエリア拡大とともに、安全で便利な新しい機体の開発も進めてゆく。将来的には、高齢者も簡単に安全に乗ることができるモビリティーの導入も目指すとのこと。そのための、営業部長とテックリードの募集も行っている。

また、今ラウンドに参加したENEOSイノベーションパートナーズとアダストリアとは、将来の協業も視野に入れている。ENEOSとは電動マイクロモビリティーのエネルギー供給体制の構築を、カジュアルファッションのSPAブランドを展開するアダストリアとは、移動手段までを含めた店舗展開で協力してゆく予定だ。

画像クレジット:Luup

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歯科医療人材をマッチングする「HANOWA」が総額6000万円を調達、ライフスタイルに合った働き方を支援

左から2番目がHANOWAの新井翔平代表

歯科医療人材のシェアリングプラットフォーム「HANOWA」を運営するHANOWAは4月30日、第三者割当増資によりプレシリーズAラウンドで総額6000万円の資金調達を行ったと発表した。調達した資金は開発体制・顧客サポート体制の強化や、マーケティング費用に充てていく。

引受先はANOBAKAと日本スタートアップ支援協会、G-STARTUPファンド、守屋実氏、端羽英子氏、大冨智弘氏、遠藤健治氏、ガゼルキャピタルの他、複数の歯科医師を含む個人投資家となる。

歯科衛生士らと歯科医院をマッチング

滑らかに働き続けることが可能に

歯科衛生士国家試験の合格者に対する免許登録事務などを行う登録歯科医療振興財団によると、歯科衛生士名簿登録者数は約29万人となっている。一方、厚生労働省の調査によると、実際に就業している歯科衛生士は13万人程度しかいない。アクティブ率は5割を切っている状況だ。

結婚や妊娠、出産、育児、介護などを機に、うまく家庭と仕事を両立させることができないでいる『潜在医療従事者』が日本には大勢いるという。歯科医療も含めて医療業界の人材不足は大きな課題となっているのだ。

これらの課題を解決するため、HANOWAを2019年1月に設立した。同社は大阪府大阪市に拠点を構える。同社が2019年12月にローンチしたHANOWAは、自身のライフスタイルに合った働き方をしたい歯科衛生士らと、働き手が欲しい歯科医院をマッチングするプラットフォームとなる。歯科衛生士はHANOWAを通じて、転職するための一歩としても、スキマ時間に単発で働くことも、メインの仕事として週に何度も働くことも可能になるのだ。

歯科衛生士の登録者数は4月30日時点で700人を超えているという。現在は東京都23区と大阪市内でサービスを利用できるが、2021年度中には全国展開を目指している。

HANOWAの新井翔平代表は「歯科医院としては、通常は固定費になる人件費をHANOWAによって変動費にできます。歯科衛生士が就職を希望するのであれば、単発で働いてもらった後にミスマッチのない人材だけを採用できるなどのベネフィットもあります」と話した。

歯科衛生士にもメリットはある。「面接だけでは見えづらい現場も実際に働いて知ることができます。地域のいくつかの歯科医院で実際に働いて自分に合うかを選び、最終的には就職を希望することも可能です。また、常勤勤務というかたちをとらなくても、結婚、妊娠、出産などのライフイベントに合わせて、キャリアを分断せずに滑らかに働き続けることができます」と新井氏は説明した。

HANOWAでは、歯科衛生士のサービス利用料や登録料は無料となる。専用アプリをダウンロードする必要はなく、PCやスマホ経由でブラウザからサービスを使うことができる。

登録後は希望自給や勤務可能な日程、自己PRといった情報をオンライン上に入力していく。地域の歯科医院はそれらの情報から、HANOWAに登録する歯科衛生士にメッセージを送り、実際に勤務可能かすり合わせていく流れだ。もちろん、歯科衛生士から仕事の依頼を行うこともできる。

また、マッチングし終わった歯科医院の院長と歯科衛生士はレビューを交換するようになっており、HANOWAではこのレビューを「アリガトウ」と呼んでいる。

HANOWAに登録している歯科医院で働いた人からのレビューも閲覧でき、安心して働く場所を選べる。歯科衛生士側もHANOWAで働くたびにレビューが積み重なっていくため、自身のキャリアに自信が持てるようになる。新井氏は「今はレビューが多くなるほど、希望自給の提示金額が上がる傾向にあります」という。

なお、マネタイズの部分では月額利用料やマッチング手数料を歯科クリニックから得ている。

看護師や薬剤師へと領域を横展開

新井氏は今後の展望について「歯科領域の人材やシフト管理や労務管理など、アナログな医院経営などをDXしていきます。具体的にはシフト管理SaaSを次に提供することで、我々の登録人材を自動で人材不足の日程に埋め込み、経営者が人材不足について考えなくて済むようなかたちにしていきます。そして歯科業界で蓄えたナレッジを基に、歯科領域と同じスキームで看護師や薬剤師へと領域を横に展開していきます」と語った。

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タグ:HANOWA資金調達医療日本マッチングサービス

画像クレジット:HANOWA

実店舗を持たない21世紀のレストランチェーン構築を目指すパリのTasterが約40億円調達

フランスのスタートアップTasterはシリーズBのラウンドで3700万ドル(約40億円)を調達した。資金はOctopus Venture、Battery Ventures、LocalGlobe、HeartCore、楽天、GFC、Founders Futureからのものだ。同社はフードデリバリープラットフォーム上にしか存在しないレストランを、数十店舗運営している。テーブルがないので、予約はできない。

Tasterはこれまで「Bian Dang(台湾料理)」「A Burgers(植物性バーガー)」「Mission Saigon(ベトナム料理)」「Out Fry(韓国料理)」「Stacksando(日本のストリートフード)」という5つのストリートフードにインスパイアされたコンセプトに注力してきた。その後、同社は40の異なる都市で数十のキッチンをオープンし、DeliverooやUber Eatsなどのフードデリバリープラットフォームにキッチンを掲載している。

Tasterは21世紀の新しいレストランチェーンを構築したいと考えている。同社は実店舗を持つレストランをオープンする代わりにフードデリバリーに焦点を当てているが、これは今ブームとなっている分野だ。パリではTasterのレストランは、McDonald’s(マクドナルド)とBurger King(バーガーキング)に次ぐDeliverooの中で第3のレストラングループとなっており、1日あたり5000食以上を提供している。

自前のキッチンを運営してきたTasterは、DeliverooやUber Eatsで注文が少ない既存のレストランと提携したいとも考えている。Tasterは独自のブランドとメニュー、そして技術的なツールを持っている。

TasterはAndroidとiOS向けに独自の配達アプリを開発したが、サードパーティーのプラットフォームでもTasterのレストランを見つけることができる。同スタートアップは車輪を再発明して、食品注文プラットフォームを置き換えることは望んでいない。しかし、エンドユーザーに直接サービスを提供するのは理に適っている。

Tasterのブランドがより身近なものになれば、初日から需要が生まれるはずだ。レストランでは最初の1週間で4000ユーロから6000ユーロ(約53万〜79万円)の収益が期待できる。Tasterはこのパートナーシップモデルにより、2025年までに1000都市で事業を展開したいと考えている。

画像クレジット:Taster

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画像クレジット:Roam Robotics

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Uberがコロナ禍後を見すえてワクチン予約やレンタカーデリバリーなど新サービスを発表

Uber(ウーバー)は最終的に収益につながるビジネスモデルに的を絞る中で、6つを超える機能を新たに立ち上げる。ここには、ユーザーがWalgreensでのワクチン接種を予約し、接種会場への乗車を手配できる機能が含まれる。

米国時間4月28日に発表された機能は、Uberが「go get」戦略と呼ぶものの一環だ。新型コロナウイルスパンデミックで14カ月にわたり閉鎖された事業を「ノーマル」に戻すことも意図している。ワクチン予約や、レンタカーを必要な場所にまで持っていくバレットサービス、最大1時間まで待機する空港での乗車の予約、乗車ルートの途中で食品をピックアップするオプションなど、数多くの機能は同社の基幹サービスであるデリバリーと配車に集中している。

2020年初め、同社は空飛ぶタクシーや自動運転車、デリバリー、ライドシェアリング、貨物予約プラットフォーム、電動自転車とスクーターのシェアリングなど広範にわたって事業を手がけ、異なる会社のようだった。2020年、Uberはマイクロモビリティシェアリングの部門Jumpを切り離し自動飛行エアタクシー事業Uber Elevateを売却した。そしてUber ATG自動運転部門と、ロジスティック部門Uber Freightの一部株式も売った(Uberはこれら事業の株式保有は維持している)。

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しかし配車事業についてはそうはしなかった。同期間、UberはPostmatesDrizlyを買収し、ライドシェアとデリバリーが収益化に向け最善の道だとしてこの2つの分野に賭けた。同社のGo Getの取り組みはそうした戦略の延長だ。競合他社もそうだったが、新型コロナでライドシェアは減った一方で、デリバリー事業は爆発的に成長した。

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画像クレジット:Uber

「2020年Uberは2つのことにかなりフォーカスして取り組むプラットフォームに進化しました」と同社のCPOであるSundeep Jain(サンディープ・ジャイン)氏は最近のインタビューで述べた。「この2つは、ユーザーが「行く」のと「手に入れる」のをサポートしています。当社はこのプラットフォームを、ユーザーがどこにでも移動し、何でも入手できるものへと真に進化させました」。

Uberにとってこれは、クルマやスクーター、バス、その他の公共交通など多様な移動手段を使って人々をどこかに「行く」ようにする、あるいはレストランで調理された食品や、最近扱うようになったグローサリー、処方薬、アルコールなどを「入手」するようにするプロダクトの構築を意味する。この「行く」「手に入れる」の方針は同社の商品開発、そして買収戦略にも影響を及ぼしている。Postmates買収でUberはiPhoneすら配達している、とジェーン氏は一例として挙げた。

新たな機能には、Uber Rent with Valetというものがある、これは、米国のユーザーがUberのアプリ内で直接クルマをレンタルできるようにするものだ。レンタカーはユーザーの自宅、あるいは空港などに届けられる。Uber Reserve機能は全米で展開されて、ここにはフライト追跡と最大60分の待ち時間、カーブサイドピックアップが含まれる。

「手に入れる」の面では、同社はPick Up and Goを立ち上げた。ライドシェアのユーザーがピックアップ用の商品を注文をし、最終目的地に向かうまでの間に注文したものを受け取るために立ち寄りを加えることができるというものだ。同社はまた、販売店舗が閉まっているときでも注文できるオプションを含む新しい「スケジュール」ボタンの提供も開始した。配達料金の割増なしで精算時に2つめの販売業者からのアイテムを追加できる機能も加わる。

Uberはまた、ユーザーが利用できるオファー、ディール、割引を表示するお買い得ハブ、アプリ内ノーティフィケーション経由で配達のリマインダーを送る新機能、Eats Passメンバーシップの延長も加えた。

さらには、1回の移動ではなくドライバー付きで数時間クルマを利用できるサービスなど、他の既存プログラムも拡大した。「米国ではあまり普及していませんが、アジアや中南米ではかなり人気です」とジェーン氏は話した。

もちろんこうした取り組みはすべて「収益化」という聖杯を目的としている。そして1年前よりは聖杯に近づいたように見える。2021年4月初め、Uberは2021年に四半期の調整後EBITDAが黒字となるとの予想を維持しているSEC書類を公開した。また、3月のグロスブッキング(受注契約の総額)が同社の12年の歴史の中で月間として最高レベルに達した、と明らかにした。モビリティ事業は年間グロスブッキングランレートが300億ドル(約3兆2583億円)を超え、1日あたりの平均グロスブッキングは前年同月比9%増と2020年3月以来の好成績となった。配達事業はまたも過去最高を記録し、年間グロスブッキングランレートは520億ドル(約5兆6479億円)超と前年比150%増だったとSEC書類にある。

結論:Uberプラットフォームでの総売上という点で3月は過去最高となった。しかし、TechCrunchのAlex Wilhelm氏が最近指摘したように、Uberの配達事業は規模を拡大したが、それでもメインのライドシェア事業より収益性は良くない。総プラットフォーム支出額は過去最高を達成したが、以前よりも儲けの少ない売上高で構成されている。

Go Getプログラムは、配車事業を立て直す新たな方法を模索し、一方で追加のコストをかけずにデリバリー事業を拡大するのが目的のようだ。配車事業は以前、調整後EBITDAで黒字となるなどすばらしい業績をあげていた。

「これまで人気のなかったユースケースである高度な予約商品にユーザーが引き寄せられるのを目にしてきました。以前は大半がオンデマンドでした」とジェーン氏は話した。「ですので当社は、先払いのドライバー配置や高度な信頼性、保険など、ユーザーエクスペリエンスを改善するために意義のある投資を行いました。だからこそ、真に人気のユースケースになった予約に関する大々的な発表を行なっているのです」。

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タグ:Uber

画像クレジット:Uber

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

インドでUber Eatsを買収したフードデリバリー「Zomato」が1200億円規模のIPO申請

インドのフードデリバリースタートアップであるZomato(ゾマト)は、インド時間4月28日にIPOを申請した。数年にわたる有望な成長を経て、同社はこれにより世界第2位のインターネット市場において、テックユニコーン企業たちの新時代をリードすることになる。

インドのグルガオンに本社を置く創業12年目の同スタートアップは、Info EdgeやAnt Groupを最大の投資家に数えており、IPOで11億ドル(約1198億円/新株発行で約10億ドル、約1089億円)を調達する予定であると、現地の市場規制当局に提出した書類の中で述べている。24の市場で事業を展開している同社は、インドの証券取引所NSE(ナショナル証券取引所)とBSE(ボンベイ/ムンバイ証券取引所)に上場する予定だ。

これまでに22億ドル以上(約2396億円、調査会社Tracxn調べ)の資金を調達し、直近の資金調達ラウンドでは54億ドル(約5880億円)の評価を受けたZomatoは、上場に向けて2億ドル(約218億円)の追加調達を検討する可能性があると述べている。

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Zomatoが最終的にインドの証券取引所に上場するかどうかには、多くのことがかかっている。上場が成功すれば、十数ある他のインドのユニコーン企業が上場に向けた取り組みを加速させることになるだろう。

インドのスタートアップ企業は過去10年間で数百億ドルの資金を調達してきたが、これまで公開市場への参入にはほとんどが消極的だった。ここ数年、IndiaMartやモバイルゲーム企業のNazaraなど、一部の企業の上場が成功したことで、インドの投資家がハイテク株に強い関心を持っていることがわかった。

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  • Zomatoが今回の申請で共有したいくつかの重要なインサイトは以下のとおりだ。

  • Zomatoはインドのフードデリバリー市場において、市場リーダーとしての地位を確立している。
  • 同社は、Prosus Venturesが支援するSwiggy(スウィギー)、そしてDomino’s(ドミノ・ピザ)、McDonald’s(マクドナルド)、Pizza Hut(ピザハット)などのレストランや、Rebel Foodsなどのクラウドキッチン事業者も競合相手として挙げている(Swiggyはソフトバンク・ビジョン・ファンド2/SVF2からの資金調達を交渉中と報じられている)。ただし、2020年にインドのフードデリバリー市場に参入したAmazon(アマゾン)はこのリストに含まれていない。
  • 同社は2020年4月1日から12月31日までの間に、1億8360万ドル(約200億円)の収益を計上した。同期間の損失は9180万ドル(約100億円)だった。

  • 同社は過去に純損失を出したことがあり、今後も経費の増加が予想されるという。
  • Info Edgeは、1億ドル(約109億円)相当の株式を売却する予定であると、証券取引所に提出した書類の中で述べている。
  • Zomatoは、今後の事業に影響を及ぼす可能性のある数十以上のリスク要因の中で「インドにおける規制の変化」「外国資本の調達能力」「政治的変化」を挙げている。
  • 2020年12月31日現在、全世界で3469名の従業員を擁するZomatoは、IPOにより調達する資金の75%を、顧客が追加特典を利用できるZomato Pro会員制度や、同社のB2B用品事業であるHyperpureの成長に投資し、提携レストランとの関係を深めることを計画している。
  • Zomatoによれば、GOV(Gross Order Value、総受注額)という指標で見ると、同社は2020年の第3四半期までにコロナ禍の危機から回復したという。しかし、外食ビジネスを含むいくつかのビジネスラインは「お客様が予防的措置として外食を控える傾向が続いているため、まだ回復途上である」としている。
  • 2020年12月の時点で同社のプラットフォームでは、16万1637人の現役デリバリーパートナーが活動し、35万174店舗の加盟レストランを掲載しており、そのうち13万2769店舗のレストランは顧客に活発にデリバリーを行っている。
  • 過去数年にわたり、Zomatoの広告・販売促進費の総収入に占める割合は下図のようになっている。

  • Zomatoは近年、フードデリバリー事業のユニットエコノミクスを改善してきたとしている。

  • Zomatoは2020年、Uber Eatsのインド事業を買収し、その一環として、米国の配車サービスであるUberにZomatoの株式9.9%を譲渡した(余談だが、Uberがこれまでに利益を上げたのは、一部の市場で事業を地元のライバル企業に売却したときだけのようだ)。1%以上の株式を保有している現在の株主リストは、以下のとおりだ。

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タグ:ZomatoインドIPOフードデリバリー

画像クレジット:Nasir Kachroo/NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

フードデリバリーのDoorDashがレストラン向け新価格設定を発表、手数料を最低15%まで引き下げ

DoorDash(ドアダッシュ)は、同社のプラットフォームを利用してデリバリーやピックアップオーダー(持ち帰り)を提供するレストラン向けに、新しい価格プランを発表した。

これまで、同社はレストラン間で統一された価格を提供していなかった。しかし、デリバリーアプリの手数料がどこまで高くなるのか(その結果、レストランが受け取る支払いがどれだけ低廉になるのか)という問題が提起される中、DoorDashは2020年秋に料金体系に関する長いブログ記事を公開した。

今日、オレゴン州とワシントン州では配達料の上限が設定されており、カリフォルニア州、ニューヨーク州、テキサス州の州議員らも同様の上限設定を提案している。DoorDashのCOOであるChristopher Payne(クリストファー・ペイン)氏は、新しい価格設定について報道陣と話した際に、立法者達の機嫌を取るために価格設定を変更したわけではない、とその観点を否定した。

「これは法規制への対応として立案されたものではありません」とペイン氏は語った。「レストラン経営者の声に耳を傾け、彼らが何を必要としているのか学んだことにより策定されました」。

DoorDashは現在、3つのプランを提供している。DoorDash Basicは、レストランが配達時に15%の手数料のみを支払うことで「配達コストの大部分を顧客にシフト」し、より狭い配達エリアをサポートする。DoorDash Plusの場合、レストランが25%を支払うことで、DoorDashのDashPassサブスクリプションプログラムに参加し、DoorDashアプリでの視認性が向上する。DoorDash Premierになると、レストランが30%を支払う代わりに、最低の顧客手数料、最大の配達エリア、そしてDoorDashが所有するCaviar(キャビア)とデリバリー&ピックアップの間で毎月20件以上の注文を保証する。

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DoorDashは今後すべてのプランにおいて、ピックアップオーダーに関しては6%の手数料のみを徴収するとしている。

同社の発表には、新プランを採用するレストランオーナーの声が掲載されている。例えば、テキサス州プラノにある「Jai Meals」のオーナーであるSherry Copeland(シェリー・コープランド)氏はこう語っている。

Jai Mealsは地元のショッピングモールで営業しているので、過去1年間の店舗閉鎖による収入減を補うためにも、デリバリーは重要な役割を果たしています。とはいえ、以前のコミッション率は私のビジネスには適していませんでした。特にデリバリーが注文の大きな割合を占めるようになると、高いコストを吸収するのは困難でした。Basicプランでは、デリバリーの利便性を求めるお客様に、私の商品、目標、お客様のニーズに合ったコストで、デリバリーを提供することができます。

ペイン氏によると、これらのプランはDoorDashに登録しているすべてのレストランで米国時間4月27日から利用可能になるが、新価格が完全に適用されるまでには最大5日かかる場合があるという。また、DoorDashは過去数カ月にわたってこれらのプランをテストしており「当社の経済性やDasher(配達員)の収入に与える影響は、ほとんどないと考えています」と同氏は付け加えた。

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画像クレジット:DoorDash

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(文:Anthony Ha、翻訳:Aya Nakazato)

シェアリング旅行の仏スタートアップBlaBlaCarが126億円を調達してプラットフォーム構築へ

フランスのスタートアップBlaBlaCarは9700万ユーロ(約126億円)の大型ラウンドを実施したことを発表した。同社はこれまで長距離移動のためのカープールのスタートアップとして知られていたが、最近Ouibusを買収したことにともない、長距離バスのチケットのマーケットプレイス事業にも進出していた。BlaBlaCarはOuibusに加えてオンラインのバス切符販売サービスBusforも買収している。

既存の投資家であるVNV Globalが今回のラウンドをリードした。新たな投資家としてOtiva J/F ABとFMZ Venturesの2社が参加している。Otiva J/F ABはAvitoの創業者であるJonas Nordlander(ヨナス・ノルトランダー)氏とFilip Engelbert(フィリップ・エンゲルベルト)氏が設立したファンドだ。Avitoはロシア市場向けの求人・案内広告を専門としている。ロシアではクラシファイド広告の大手として知られているが、世界的ハイテク投資家であるNaspersがAvitoを買収した。FMZ Venturesは、Alibabaの投資担当でLyftやTripadvisorの取締役を務めた経験を持つMichael Zeisser(マイケル・ザイサー)氏が創立したしたグロースファンドだ。

資金調達はコンバーティブル・ボンド(転換社債型新株予約権付社債)によったため、会社評価額は確定評価額ベースの資金調達ラウンドや株式上場などを待たねばならない。BlaBlaCarの共同ファウンダーでCEOのNicolas Brusson(ニコラ・ブルソン)氏は、BlaBlaCarがまだ十分な額のキャッシュを銀行口座に保有しており「プレIPOラウンド」だとしている。

同氏は、取材に対して「BlaBlaCarは今回のラウンド以前から十分なキャッシュの用意がありましたが、ラウンド後は2億ユーロ(約260億円)以上となっています」と述べた。

今回のラウンドには同社がすぐに上場しなくても(あるいは資金調達をしなくても)、一定の期限によって作動する条項がある。上場、資金調達ラウンドなどがない場合、社債は20億ドル(約2160億円)の評価額でBlaBlaCarの株式に転換される。

BlaBlaCarが今回調達した資金はカープール事業、バス事業、統合プラットフォーム構築という3つの戦略的分野に集中されるものとみられる。

コアビジネスであるカープール事業についてみる、と同社は15年前に自動車の空席と同じ方向に向かいたい乗客をマッチングさせるというシンプルな相乗りサービスからスタートした。2020年来のパンデミックによるロックダウンが逆風となったのは確かだが、カープール事業に与えた影響は電車や飛行機と比べものにならないほど軽微だった。

ブルソン氏は「BlaBlaCarには多額の固定費がありません。我々は自動車を保有していないので空車を走らせる必要はありません。すべてはコミュニティの力で成り立っています。とはいえ我々はトランザクションにともなう手数料から収入を得ているので2020年のロックダウンで売上は減少ししました」と述べた。

2020年夏には経営は回復したが、以後はパンデミックに対する規制に応じて経営はジェットコースター的に上下を繰り返している。しかし「自動車は鉄道や路線バスのような固定的サービスではなく、柔軟かつ普遍的に人々を結びつける要素です。これは今後もそうでしょう」とブルソン氏はいう。

カープールは安定した強力な収入源だ。2020年だけでもBlaBlaCarには22の市場で5000万人の利用者があった。つまりカープールは負け知らずの賭けだ。

ここ数年、第2の柱はバス事業となっている。バスは特に新興国、東欧で大きな事業がチャンスがある。

現在、バスは大量に運行されているが、多くの場合オンラインでチケットを購入できない。BlaBlaCarはこのカテゴリーでの市場の全体は巨大だとみており同社は現在オフラインでしか入手できない大量のサプライをオンライン化するプラットフォームの構築を目指している。

これが、バス座席の在庫管理システムを開発しているウクライナのスタートアップであるOctobusを買収した理由だ。ブルソン氏は「これによってBlaBlaCarのエンジニアの能力は全方位となります」と述べた。

BlaBlaCarの3つ目の柱は、プラットフォームに囲い込める忠実なユーザーの数を増やすことだ。BlaBlaCarは、カーブール、バス、将来的には電車などすべての移動方法について横断的にシェアリングによる旅行を発見できる「マルチモーダル旅行アプリ」を構築したいと考えている。

BlaBlaCarは、2021年末から2022年初めまでにマーケットプレイスに鉄道事業者を追加する予定だ。私はBursson氏に対しヨーロッパのすべての移動手段を対象とするOmioのような存在になろうとしているのかどうか尋ねた。Omio(以前のGoEuro)では、列車のチケット、バスのチケット、フライトを1つのプラットフォームで予約することができる。

ブルソン氏の戦略はこれと異なるとして「BlaBlaCarはまず特定の国に焦点を当て地域のすべての移動手段をプラットフォームに載せ、人々が期待するものをすべて販売できるようにしたいと考えています」と述べた。

BlaBlaCarアプリで「A地点からB地点への最適な移動手段を見つけることができる」ようにするのが最終的だ。つまり列車のチケット バスのチケット購入、相乗りなどユーザーのニーズ応じてさまざまなオプションがすべてプラットフォーム上で提供される。BlaBlaCarは広範囲な地域をサポートするため「2つの小さな町を結ぶ」最適な旅行手段を見つけるという困難な課題を解決するために非常に有利な立場にあるといえる。

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タグ:BlaBlaCar資金調達フランス旅行バスライドシェア

画像クレジット:BlaBlaCar

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(文:Romain Dillet、翻訳:滑川海彦@Facebook

小規模事業者がAmazonと競合できるようにする同日配達プラットフォーム「Tyltgo」

Tyltgo(ティルトゴ)は、レストランや小規模事業所がAmazonやHelloFreshなどが提供している同日配達サービスと簡単に競合できるようにしたいと考えている。このほどシードラウンドで230万カナダドル(約1億9800万円)調達したカナダ企業Tyltgoは、ホワイトラベルのUber Eatsのようなものだ。事業所をギグエコノミーの配達人と結びつけ、事業所のブランド下でのオンデマンド配達プラットフォームを提供している。

「自社のことを購入後体験の会社だと考えています」と共同創業者でCEOのJaden Pereira(ジェイデン・ペレイラ)氏はTechCrunchに語った。「消費者は直接事業者のプラットフォームにいき、そこで注文します。ですのでエクスペリエンス全体を通じて購入したブランドとやり取りしているような感じになります。当社のメッセージやノーティフィケーション、追跡ページ、配達はすべて業者のブランドにカスタマイズされますが、Tyltgoによって動いています」。

パンデミックによる外出禁止令が出ている間、Amazonのようなeコマース大手がかなりリーチを広げたのとあわせ、プロダクトを配達する必要性は同日配達を期待する社会を作り出した。Tyltgoはそうした現実の中に排他性があることに気づいた。小規模事業者は時間やリソースが限られているという事実だ。そして同社はイノベーティブなテックとギグエコノミー配達人でもって状況を改善することに乗り出した

2018年7月、ペレイラ氏はウォータールー大学で勉強しながら同級生でデベロッパーのAaron Paul(アーロン・ポール)氏と共同で会社を設立した。ペレイラ氏は自身、アルバイトで配達を行い、その一方でShopifyで消費者相手のサービスを構築した。ペレイラ氏とポール氏は真の問題は事業者が安価な価格で同日配達を提供するのに苦戦していることだと認識し、2019年10月にB2Bへとフォーカスをシフトした。

2019年12月から2020年12月にかけて、Tyltgoの売上高は2000%成長した、とペレイラ氏は話す。同社は2020年を2人で迎えたが、その年の終わりには9人に増えた。ここには、Uber Eats Canadaマーケットプレイスオペレーションの元責任者Joe Rhew(ジョー・ルー)氏、Goldman Sachsに買収されたフィンテック企業Financeitでエンジニアリングのディレクターを務めたAdnan Ali(アドナン・アリ)氏が含まれる。

VCファームTI Platform Management、Y Combinator、エンジェル投資家Charles Songhurst(チャールズ・ソングハースト)氏からの資金により、Tyltgoは2021年の売上高成長率1500%を予想する。同社の目標は、チームを拡大してAPIとアプリベースのプラットフォームを開発し、オンタリオ州で事業者を100社増やすことだ。

ペレイラ氏はTyltgoがもともと花屋、そして時々薬局にフォーカスしていたが、レストラン業界からの需要が新たなターゲットである食事キット配達につながった、と話した。

完全に計量された材料と調理法の案内で料理の難しい面をカバーしている食事キットのサービスは、その前から人気を獲得しつつあった。パンデミックに見舞われたとき、HelloFreshやBlue Apronのようなサービスはさらに成長した。レストランは店をオープンし続けるのに苦戦し、多くの店が温めるだけ、あるいはすぐに食べられるレストラン品質の食事を配達することになった。

グローバルの食事キット配達サービスマーケットは2027年までに約200億ドル(約2兆1616億円)に達すると予想されている。中でも、温めて食べるだけというオプションがかなりの割合を占める。Tyltgoは業界の成功を頼りにしている。すでにGeneral Assembly PizzaやCrafty Ramenといったレストラン、グローサリーストアやオーガニック農園の従来型の食事キットサービスとの提携を確保した。

ペレイラ氏は、花や食事キットという「準生鮮業界」での取り組みは同社にとってチャレンジであり、差別化要因だと話した。配達するものにもよるが、Tyltgoは商品の鮮度を維持できる時間を決め、その時間に合わせてドライバーをマッチする。同社はまた、数多くの配達を配達人の車両のサイズに合わせて割り当てる高度な車両管理プラットフォームを導入した。

「初期においての最も困難な部分は、商品にダメージを与えることなくそうした鮮度維持時間をマッチさせることでした」とペレイラ氏は話した。「ロジスティックでは、交通状況や気象状況、他のすべてを考慮しなければなりません。しかし35件の配達を行うのに8時間の配達時間があります」。

もう1つの課題は、ギグエコノミーの中で展開しながらTyltgoが宣伝する最高品質のサービスを確保することだ。信頼できる配達人の選択はTyltgoの業務のスピードを時に緩やかなものにしたが、同社はエラーの上限値を低く維持できる場合にのみ対応能力を拡大させる。

「当社は、配達に対応する能力がなく期待にも応えられないと考えれば、事業者をサービスに引き込みません」と同氏は述べた。

Tyltgoの食事キットへのフォーカスが長期的に事業拡大へとつながるかどうかはさておき、プラットフォームそのものはしっかりとしている。ペレイラ氏の目標は、同社がすべての小売業の部門での購入後顧客エクスペリエンスの一部になることだ。ここには配達に加えて顧客サービス、ブランディング、決済への業務拡大が含まれる。

「当社がこのサービスを行っているのは、小規模の実在店舗小売業者の多くが世界のAmazonと競うことができるようになるための時間やリソースを持っていないということが主な理由です。当社は小売業者の手に力を与えることができるようになりたいのです」とペレイラ氏は述べた。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Tyltgo配送ギグエコノミーカナダフードデリバリー

画像クレジット:Tyltgo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」を手がけるINFORICHが23億円調達

モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」を手がけるINFORICHが23億円調達

モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」(チャージスポット)を手がけるINFORICHは4月16日、23億円の資金調達を発表した。引受先は、南都銀行の投資専門子会社南都キャピタルパートナーズと、ベンチャーラボインベストメント運営のナントCVC2号投資事業有限責任組合、ひろぎんホールディングスの投資専門子会社ひろぎんキャピタルパートナーズが運営するHiCAP3号投資事業有限責任組合、日本国際経済開発機構、ピー・アンド・イー・ディレクションズなど。

調達した資金により、さらなる設置台数の拡大をはじめ、グローバルへの展開も拡大する。また、新型コロナウイルス感染拡大を受け、ChargeSPOTバッテリーの抗菌抗ウイルス対応を行うことで、安心・安全なサービスを提供する。

またChargeSPOTは、年内5万台、2022年に8万台、2023年に10万台と設置を拡大し、日常生活には必要不可欠な生活インフラ化を目指す。専用アプリを専用ダウンロードしなくても「ChargeSPOT」を手軽に利用できるよう、キャリア系決済アプリとのミニプログラム連携なども行う。

2015年9月設立のINFORICHは、ChargeSPOTを2018年4月から提供。現在では、日本全国約2万6000台、香港約3000台、台湾約3000台、タイ約1000台(2021年3月時点)の設置が完了しているという。

サービスの利用は、専用アプリのほかに、LINE公式アカウント内からも行える。事前に専用アプリをダウンロードしていなかった場合もその場で利用可能。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:INFORICH資金調達(用語)ChargeSPOT日本(国・地域)

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立てを設置完了、無料利用キャンペーン実施

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了、無料利用キャンペーン実施

傘のシェアリングサービス「アイカサ」(Android版iOS版)を運営するNature Innovation Group(アイカサ)は4月16日、2019年のJR東日本スタートアップとの資本業務提携と実証実験実施以降、首都圏主要駅を中心に傘シェアリングスポットの導入を進め、2021年1月には山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了したと発表した。山手線の乗車客に対して、3日分の無料クーポンをプレゼントするキャンペーンも実施する。

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了、無料利用キャンペーン実施

山手線展開記念無料キャンペーン

  • クーポン概要:「アイカサ」サービス3日間分無料(210円分の割引)
  • クーポン配布期間:4月30日まで
  • クーポン配布場所:山手線30駅に設置されている傘立てにクーポンコードを記載

また山手線全駅への設置完了後、アイカサ設置箇所の中で最も使われる路線となったという。認知度・傘立てへの接触人数の増加に合わせ、ジェイアール東日本企画(jeki)と共同で傘立ての前面を広告媒体として販売を開始し、傘シェアリングスポットの新たな価値を提供する。

傘立てを「広告枠」とするスキームにより、広告クライントは傘シェアリングサービスの持続可能な取り組みに参画し、傘シェアリングユーザーへの広告アプローチとSDGs貢献メッセージの双方を実現するとしている。

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了、無料利用キャンペーン実施

アイカサは、2018年12月にサービスを開始した、日本初の本格的な傘のシェアリングサービス。突発的な雨にもビニール傘をわざわざ購入せずに、アイカサを借りて利用し、雨が止んだ際には最寄りの傘スポットに傘を返却できる。

現在は、東京駅・新宿駅をはじめとする都内全域と関東、関西、福岡、岡山、愛知などでの展開を合わせて、スポット数約800カ所を展開しており、アイカサ累計登録ユーザー数は合計12万人超えを達成した。

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了、無料利用キャンペーン実施

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了、無料利用キャンペーン実施

傘がないことによって移動ができないことや濡れて不快になることをなくし、「雨の日のプラットフォーム」としてのインフラを構築、傘をシェアし使い捨て傘ゼロを実現する社会づくりをミッションとしている。

なおアイカサは4月14日、東急電鉄が運営する田園都市線・東横線全47駅に本格導入予定であることも発表済みだ。

傘シェアのアイカサが山手線全30駅に84スポット119台の傘立ての設置を完了、無料利用キャンペーン実施

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:アイカサ(サービス)SDGs(用語)JR東日本 / 東日本旅客鉄道(企業)ジェイアール東日本企画(企業)JR東日本スタートアップ(企業)Nature Innovation Group日本(国・地域)