「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達ダークストア型スーパーマーケット「Mesh」を開発するMeshは3月16日、シードラウンドとして約2億円を調達したと発表した。引受先は、Coral Capital、Delight Ventures、W ventures、堀井翔太氏(スマートバンク代表取締役CEO、エンジェル投資家)。調達した資金により、「アプリで注文したら20分以内に商品をお届け」するデリバリー専門スーパーを構築し、世界のコマースを次のステージに押し上げるとしている。

ダークストアとは、英語で「倉庫」を意味し、ユーザーが来店しないデリバリー限定の店舗を指す。同社は、調達した資金を基にMeshの開発を推進する。取り扱い商材は一般のスーパーと同様の食品・飲料・日用品とし、注文はスマートフォンアプリ経由のみ、配達時間は注文後20分以内という業態のスーパーを構築する。また当初は東京23区内でサービス提供を開始し、順次日本全国および海外にエリアを拡大する。

Meshは「頼んだら、いま、届く」体験を作ることで、生鮮食品をはじめ商材のさらなるEC化を押し進め、次のコマースのインフラを作るという。

日本のお菓子をサブスクで届けるBokksuが25億円調達、伝統的なアジアの食料品配達事業も拡大

Bokksu(ボックス)のCEOであるDanny Taing(ダニー・タン)氏は、常に日本の食と文化に夢中で、大学卒業後に東京に移り住み、そこで4年間暮らした。タン氏は大好きな日本のお菓子をスーツケースにたくさん入れてニューヨークに戻り、友人たちと分け合った。そして、他の米国人も日本のお菓子が大好きなのに、米国でそれを見つけたり購入したりする方法がないことに気づいた。

タン氏は2015年にBokksuを設立し、2016年に日本のお菓子のサブスクリプションサービスを開始した。100カ国超の顧客に100万個以上の日本のお菓子のサブスクリプションボックスを届けたBokksuは、2018年にプレミアムな日本のライフスタイル製品のデジタルマーケットプレイスBokksu Marketを立ち上げた。また、2021年にはオンライン食料品店Bokksu Groceryをオープンし、誰もが簡単に本物のアジア食材を見つけて購入できるようにした。

「100万個の(サブスクリプション)ボックスを届け、他の方法では決して試すことのなかった食品を発見して食べることを顧客がどれほど愛しているかを目の当たりにしました。私は本物のアジアのメーカーがさらにリーチを広げるのをサポートするために、より多くの方法を見つけようという気になりました」と、タン氏は話した。

ニューヨークと東京に拠点を置くBokksuは現地時間1月25日、アジアの伝統的な製品が世界中の人々に届くよう支援し、文化の架け橋となるべく、評価額1億ドル(約114億円)での2200万ドル(約25億円)のシリーズAを発表した。このラウンドはValor Siren Venturesがリードし、Company VenturesSt. CousairWorld Innovation Lab(WiL)、Headline AsiaGaingelsが参加した。

「今回の資金調達により、Bokksuは創業時をはるかに超える水準で資本を増強することができ、提供する製品の迅速な拡大や納期の改善を図るとともに、チームを増強することができます」とタン氏は話した。

調達した資金でBokksuはサブスクリプション、マーケット、グロサリーという主要なビジネスラインを加速させることができる。同氏によると、Bokksuは食料品を米国とカナダに出荷しているが、サブスクリプションとマーケットサービスは、米国、カナダ、英国、オーストラリア、ドイツ、シンガポール、スウェーデン、オランダを含む100カ国以上に提供しているとのことだ。

Bokksuは2018年から連続して前年比100%の成長を遂げており、今後も継続的な成長が期待できる、とタン氏はTechCrunchに語った。

画像クレジット:Bokksu

Bokksuが競合他社と異なるのは、日本で何十年も生産しているスナックメーカーのストーリーを伝えることにこだわっていることだとタン氏は話す。また、100社超のスナックメーカーと独占的提携を結んでいて、つまり顧客は他では手に入らないスナックをBokksuのプラットフォームで見つけることができる。

同氏はまた、Bokksuを始めた当初、日本の伝統的なスナックメーカーがその技術を世界に伝える手助けをすることが目標だったと語った。米国とアジアの両方で暮らした経験から、多くの米国人は日本について、芸者やポケモン、寿司といった表面的な理解しか持ち合わせていないことに気づいた。そして、Bokksuを通じて、日本の豊かな文化や歴史をもっと多くの人に知ってもらいたいと考えた。

Bokksuの食料品サービスは、UmamicartやWee!、そしてHMartやSunrise Martといった既存の食料品店と競合する。Bokksu Groceryは全国配送と適正価格の両方を提供すると同氏は述べた。

「最も興奮しているのは、最近のBokksu Grocery立ち上げです。これは、民族性や場所、アジア料理に関する知識などに関係なく、すべてのアメリカ人がアジア食材をより身近に感じられるようにするものです」。

World Innovation Labのゼネラルパートナー兼CEOである伊佐山元氏は「大都市圏を中心に展開する競合他社と異なり、Bokksuは全国配送を通じて幅広いファンに本物のアジアの商品と体験を届けています」と述べた。「多くのアジア系eグローサリープラットフォームは主にアジア人によって利用されていますが、Bokksuの忠実な顧客層の大半はアジア料理についてもっと知りたいと思っている非アジア人であり、Bokksuにはより大きな獲得可能市場があります」。

オンライン食料品部門は過去数年間成長し、大規模な投資を集めてきた。伊佐山氏は「eグローサリーマーケットは、スピードと利便性に重点を置き、食料品購入をより手間のかからないものにすることに注力してきました。今後、eグロサリー企業は、顧客が新しいもの、例えばスナックやフレーバーを探求し、食を通じて個々の栄養ニーズを満たすことをサポートするようになると予想しています」とTechCrunchに語った。

Valor Siren Venturesのパートナー兼ファンドマネジャーのJon Shulkin(ジョン・シュルキン)氏は「Bokksuが事業を拡大するにあたり、パートナーとして協力できることをうれしく思っています」と述べた。「Bokksuのチームは、短期間のうちに本物かつ目的志向のブランドを構築しました。厳選された商品とグルメ体験を日本から世界へ提供する彼らの成功により、Bokksuはアジア食品のためのプレミアムな目的地となる、破壊的なD2C食料品プラットフォームを構築する潜在可能性を持っていると確信しています」

Bokksuのサブスクは月額49.95ドル(約5690円)で、米国などほとんどの国で送料無料だ。また、複数月の前払いでさらにお得になるオプションもある。3カ月プランは月44.95ドル(約5120円)、6カ月プランは月42.95ドル(約4890円)、12カ月プランは月39.95ドル(約4550円)だ。

画像クレジット:Bokksu

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

レシピ動画「クラシル」のdely、スーパーの店頭商品を最短30分でオンデマンド配送する「クラシルデリバリー」開始

レシピ動画「クラシル」のdely、生鮮食品・日用品などスーパーの店頭商品をオンデマンド配送する「クラシルデリバリー」開始

管理栄養士監修のレシピを動画で提供するサービス「kurashiru」 (クラシル) 運営のdelyは12月1日、スーパーマーケットから商品をピッキングして最短30分で配達する「クラシルデリバリー」(Android版iOS版)の提供開始を発表した。

クラシルデリバリーは、生鮮食品から日用品まで、普段スーパーで購入する商品をオンデマンドで配送するサービス。ウェブやモバイルアプリから注文すると、指定したスーパーにおいて配達員がピッキングを行ない、指定の配送先に最短30分で届ける。ユーザーが利用しているスーパーを対象とすることから、プライベート商品を含めた「いつも買う商品」が揃っていることになるため、店頭での買い物と同様の豊富なラインナップから商品を選べるとしている。「今日の晩ごはんで使う食材が買いたい」など、「今欲しい」タイミングで配送できるという。

専用アプリ上では、スーパーでの買い物状況を把握でき、商品に関して直接コミュニケーションを取ることも可能で、ユーザーニーズに沿った対応を配達員にリクエストできる。また配達員の配達状況が把握可能となっており、いつ届くか正確に分かるため配達時間のために長時間拘束されることもない(完全非接触の受け渡しも可能)。レシピ動画「クラシル」のdely、生鮮食品・日用品などスーパーの店頭商品をオンデマンド配送する「クラシルデリバリー」開始

利用料は、商品代金のほかに送料(税込330円)とサービス料(税込198円)。商品代金が6000円以上の場合は送料が無料になる。

スタート期の配達エリアは東京都内3区(港区・渋谷区・中央区。一部地域を除く)、対応店舗はピーコックストア5店(代官山店・恵比寿南店・芝浦アイランド店・三田伊皿子店・トルナーレ日本橋浜町店)。受付時間は10:30〜19:00(土日・祝日も含む)。配達エリアと対応店舗は首都圏を中心に順次拡大予定。レシピ動画「クラシル」のdely、生鮮食品・日用品などスーパーの店頭商品をオンデマンド配送する「クラシルデリバリー」開始

スーパーマーケットが「クラシルデリバリー」を導入する場合

スーパーマーケットがクラシルデリバリーに出店(導入)する場合については、初期費用および固定費無料。商品在庫の管理ツールを含むすべてのシステム開発、スーパーマーケットの商品の写真撮影はdelyが行なう。商品のピッキング、ユーザー対応、レジでの支払い代行、配送までをクラシルデリバリーが行ない、スーパー側に配送費用の負担は発生しない。レシピ動画「クラシル」のdely、生鮮食品・日用品などスーパーの店頭商品をオンデマンド配送する「クラシルデリバリー」開始レシピ動画「クラシル」のdely、生鮮食品・日用品などスーパーの店頭商品をオンデマンド配送する「クラシルデリバリー」開始

食品・日用品チェーンストアEC「垂直立ち上げ」プラットフォームStailerの10Xが15億円調達、2年で流通総額10倍以上を目指す

食品・日用品チェーンストアEC「垂直立ち上げ」プラットフォーム「Stailer」の10Xが15億円調達、今後2年で流通総額10倍以上を目指す

生鮮食品・日用品など多店舗運営(チェーンストア)小売事業者向けに「垂直立ち上げ」によるEC化を行うプラットフォーム「Stailer」(ステイラー)を展開する10X(テンエックス)は7月28日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額約15億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、既存投資家のDCMベンチャーズとANRI。これにより累計調達額は約21億円となった。

10Xは、創業者で取締役CEOの矢本真丈氏が、メルカリ在籍中の同僚だった共同創業者・取締役CTOの石川洋資氏を誘って2017年6月に設立した。矢本氏は東日本大震災で避難生活を送っていたときに「火を入れた料理」に感動したことと、育休中に家族の食事を作ってきた体験から、献立アプリ「タベリー」事業を立ち上げ、そこに食材を注文できる機能を付けたことをきっかけに、ネットスーパー「タベクル」を立ち上げた。これらの事業は今は終了しているが、その経験がStailerの基礎となった。

Stailerは、スーパーマーケットやドラッグストアなどを多店舗展開を行う小売・流通事業者を対象に、「ECやドライブスルーなどの顧客体験の実現と、そのサプライチェーンの構築」を支援するプラットフォーム。エンドユーザー向けのモバイルアプリ、店舗向けのピック&パック、在庫管理システム、配送業者向けのオペレーティング・システム、分析ツールなどをフルセットで提供する。2020年5月にサービスを開始しており、すでにイトーヨーカドーをはじめ、ライフ、薬王堂などが利用している。Stailerで提供されたネットスーパーアプリの利用者翌月継続率は約70%。1カ月の平均購入額(ARPU)は約2万円と高い定着度を見せている。

食品のEC化率が物販全体の中でも低く、しかも急成長する欧米や中国に比べて立ち遅れている日本市場を、10Xは「大きな成長ポテンシャルがある」とポジティブにとらえている。今回の資金調達で、ソフトウェアエンジニア、事業開発、コーポレートなどの幅広い職種で人材を募集し、組織拡大、チェーンストアECの物流機能の拡張、顧客獲得に投資を行い、Stailerの展開を加速するとのこと。さらに、「事業シナジーの高い企業やソフトウェアプロダクト開発に強みのある企業」への出資やM&Aも積極的に検討し、「生鮮食品や日用品をオンラインで購入する体験を当たり前にするべく、Stailerプラットフォームの流通総額について、今後2年で10倍以上を目指します」と話している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:グローサリー / grocery(用語)小売(用語)、・食品 / 食料品 / 食材 / 食品加工(用語)10X(企業)ネットショッピング / eコマース(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

ウォールマートのグローサリー配達用AIがより賢くなっている

新型コロナウイルスによるパンデミックが買い物方法、特にグローサリーの買い方を変えたのは驚きではない。グローサリー配達アプリのダウンロード数は2020年3月に過去最多を記録し、同年4月にはWalmart Grocery(いまはWalmartアプリに統合されている)がAmazon(アマゾン)を抑えてGoogle PlayとApp Storeの買い物アプリランキングで1位になった。しかしパンデミックによる規制が緩和されても、消費者はまだグローサリー配達やピックアップのサービスをパンデミック前よりも頻繁に使っている。

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Walmartのグローサリー配達サービスは引き続き人気を博していて、これはAmazonやInstacartのような企業にとっては競争となり、それにともないWalmartが使うテックも拡大してきた。Walmartは米国時間6月24日、オンライングローサリー注文で賢く代替品を提案するためにどのようにAIを訓練しているかについて情報を共有した。

AIをグローサリー配達に持ってくるのはまったく目新しいことではない。2020年5月にWalmartは当時新しく導入したExpress配達サービスのための適格性を決定するためにどのようにAIを使っているかを披露した。米国が新型コロナ感染拡大に見舞われていた1年間、Instacartのエンジニアは「何がグローサリーの棚にあるか、そして駐車場を探すのにどれくらい時間がかかるのかといったことまで予測するために毎日膨大な量の情報」を処理したと報告している

では、Walmartのグローサリー代替品のためのAIをユニークなものにしているのは何なのか。Walmart Global TechのエグゼクティブバイスプレジデントSrini Venkatesan(スリニ・ヴェンカテサン)氏によると、WalmartがAIに教えるのに使うことができるデータの量は膨大なものだ。毎週2億人がWalmartの店舗とオンラインで15万を超える種類のグローサリー製品を買っている。AIはそのデータを消費者行動、好み、需要を予測するのに使っている。

「我々が構築したテックは、次に入手可能な最適のアイテムを決めるために、サイズやタイプ、ブランド、価格、買い物客の集計データ、各顧客の好み、現在の在庫など何百もの変数をリアルタイムに考慮するのに深層学習AIを使っています」とヴェンカテサン氏は説明した。「AIはあらかじめ顧客に代替品を認めるよう、あるいは欲しくないとの意思表示を示すよう尋ねます。これは将来のレコメンデーションの精度を高めるために学習アルゴリズムにフィードバックする重要なシグナルです」。

チェリーヨーグルトの代替品について即断するために(同じブランドの違う味でもいいか、あるいはより高価なブランドから出ている同じ味のものを確保するか)、Personal Shopperに聞くのではなくAIが判断する。Walmartはこのアルゴリズムの開発を2020年開始し、以来、顧客の代替品受け入れは改善した。

「アルゴリズムを導入する前はおおよそ90%でした。しかし今では97〜98%ほどです」とヴェンカテサン氏は話した。

2020年WalmartはPersonal Shoppersの数を17万人超に倍増させた。3750店舗が注文品のピックアップに、3000店が配達に対応していて、これは人口の68%をカバーしている。2021年初め、WalmartはAmazonのPrime Nowと競合するExpress配達サービスの買い物額35ドル(約3900円)以上という縛りを撤廃した。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Walmartアプリ深層学習グローサリー配送

画像クレジット:Walmart

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

スーパーの商品を最短30分で届けるサービスをInstacartが導入

Instacart(インスタカート)がグローサリー配達を迅速化している。同社は米国時間5月27日、従来より速い配達サービス「Priority Delivery」を、事業を展開する米国とカナダのいくつかのマーケットで導入すると発表した。そうしたサービスがなければちょっとした買い足し、あるいは急ぎの買い物で店舗に駆け込むであろう消費者をひきつけるのが狙いだ。まずは米国のいくつかの大都市圏で展開し、30分で配達する、とInstacartは話す。同社はまた、配達時間45分と60分というオプションも含め、他の迅速配達サービスを今後数カ月以内に他の都市や小売店へ拡大する。

今日、多くの顧客は毎週、あるいは月1回のグローサリー注文でInstacartを使っているが、その日の夕食の材料など少量のアイテムが必要な時はまだ店舗に足を運んでいる。新しいPriority Deliveryはスーパーの精算エクスプレスレーンに代わるグローサリー配達選択肢になり、こうしたちょっとした買い物時に使ってもらう。

Priority Deliveryが使えるマーケットでは、Instacartアプリ内でサービスが使える小売店に稲妻マークを付ける。そこでは「30分以下」などと想定される配達時間も示される。顧客は必要に応じて精算時にスタンダード配達や配達予約の代わりにPriorityを選ぶことができる。

迅速配達では、注文数の制限や最低注文品数の決まりはない、とInstacartは話す。しかし、たとえば牛乳、チップス、ワイン数本といった急ぎのリクエストは、特選デリ商品やベーカリー商品、あるいは大量のものをリクエストするより早く準備されそうだ。

買い物量が多くなったとき、あるいは注文がやや複雑なものになったとき、アプリは30分配達は利用不可だと情報をアップデートし、新しい配達時間を表示する。

Instacartはこのサービスの価格をまだ最終的に決めていないが、Priority Deliveryはいくらかの追加料金が発生する見込みだ。しかし同社は追加料金は「わずか」で「少しずつ」であり、マーケットの考慮すべき事項に基づいて変化することになると話す。配達オプションとそれにともなう料金と税は精算時に表示され、隠れ手数料などはないとも指摘する。

Priority Deliveryはまずシカゴ、ロサンゼルス、マイアミ、サンディエゴ、サンフランシスコ、シアトルのスーパーや専門店を含む300店超で利用できるようになる見込みだ。その後、他のマーケットや小売店にもサービスを拡大する。

「1週間のまとめ買い、あるいはその日の夕食に使ういくつかの食材など、すべての買い物が同じではないことを承知しています。ですので当社は人々がその日のグローサリーを買い物する多くの方法をサポートする新しい機能を立ち上げます」と同社のプロダクト担当副社長Daniel Danker(ダニエル・ダンカー)氏は話した。「ピンチのときや急いで何かが欲しいとき、多くの顧客は時間に余裕がありません。Priority Deliveryの導入で当社は『店までひと走りする』を再定義し、顧客のためにスーパーのエクスプレスレーンをオンラインに持ってきます」と付け加えた。

またInstacartは45分と60分の配達を提供する都市を米国で拡大し、Priorityが使えなくても従来より速い配達のオプションを提供する。

対象とする店舗の多くで配達を迅速化する動きによって、同社はWalmart(ウォルマート)やAmazon(アマゾン)のグローサリー事業、Target(ターゲット)が展開するShiptといったライバルのグローサリー配達との競争で優位に立てるかもしれない。

今回の動きは、先週のAmazonの発表に続くものだ。AmazonはPrime Now配達アプリとウェブサイトを閉鎖し、グローサリーの即配を希望する買い物客をAmazonのアプリとウェブサイトに誘導すると明らかにした。しかしAmazonの場合、Amazon FreshとWhole Foodsで2時間以内の配達サービスを約束している。30分ではない。一方、Walmartの会員制の配達サービスWalmart+は現在、有料顧客向けにすら同日配達を保証していない。配達時間枠の確保は先着順となっている。残るShiptは同日配達を提供しているが、それは必ずしも30分以内ではない。

今回のアップデートでは、Gopuffの「インスタントニーズ」デリバリーサービスUber Eatsのエッセンシャルズ、そして店に買いに走るようなチップスやアイスクリーム、スパイス、パック食品などのコンビニ商品も2020年から扱うようになったDoorDashといった、グローサリー小売店にサービスを提供していない他の即配達事業者との競争でInstacartは張り合える。

Instacartの新しいサービスは対象マーケットで順次展開される。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Instacartグローサリーオンデマンド配送

画像クレジット:Instacart

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

オンデマンドグローサリーのFood Rocketは15分配達で大手サービスに対抗、西海岸に150店のダークストア開設を目指す

Gorillas(ゴリラス)のようなオンデマンドグローサリースタートアップは現在、欧州に進出しているが、オンデマンドのすべてのものはベイエリアでは平凡であるものの、創業間もないスタートアップは何か新しいことができるかもしれないと考えている。

Food Rocket(フードロケット)はAltaIR Capital、Baring Vostok fund、そしてロシア企業YonderのPhilipp Bashyan(フィリップ・バシアン)氏を含むビジネスエンジェルのAngelsdeckグループから200万ドル(約2億2000万円)を調達したと話す。バシアン氏は投資家、そしてアドバイザーとしてこの輪に加わった。

そう、確かにこの小さなスタートアップはDoorDash、GoPuff、InstaCart、Amazon Freshと競合している。しかしこれには踏み込まないでおこう。

Food Rocketのモバイルアプリを使ってユーザーは10〜15分で配達されるフレッシュな食材や調理済みの料理、日用品などを注文できると同社は話す。このサービスはソーマ、サウスパーク、ミッション・ベイ、ジャパンタウン、ヘイズバレー、その他のエリアで提供される。インフラとして西海岸に「ダークストア」150店を開設したい考えだ。

Food RocketのCEOで共同創業者のVitaly Aleksandrov(ビタリー・アレクサンドロフ)氏は次のように述べた。「このマーケットにおける米国の競争レベルはまだ対処できるものであり、だからこそ我々は基本的なプロダクトや日用品の即配という分野でリーダーになる機会を手にしています。当社はスーパーマーケットの実在店舗に取って代わり、消費者の現在のグローサリーショッピング慣行を変えることを目指しています」。

何と言えばいいだろうか。グッド・ラック?

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Food Rocket資金調達オンデマンド配送グローサリー

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

注文から15分でグローサリーを配達するCajooがパリでサービス開始

730万ドル(約7億7000万円)を調達したフランスのスタートアップCajoo(カジュー)を紹介しよう。同社は現地時間2月4日、携帯電話から注文したグローサリーを15分後に受け取れるサービスをパリで立ち上げた。

「私は2020年8月中旬にBolt(ボルト)を離れ、2人の創業者と一緒に15分で配達する会社を立ち上げました」と共同創業者でCEOのHenri Capoul(ヘンリ・カプル)氏は筆者に語った。Boltでの経験のおかげで、同氏はおそらくロジスティックとマーケットプレイス大規模運営について多少は知っている。他の創業者メンバーはGuillaume Luscan(ギヨーム・ラスカン)氏とJeremy Gotteland(ジェレミー・ゴッテランド)氏だ。

Cajooは他のサービスとどう違うのだろうか。フランスにはInstacart(インスタカート)もなければ、他のグローサリー配達専門サービスもない。その代わり、多くのスーパーチェーンが配達サービスを提供している。スーパーのウェブサイトやアプリからグローサリーを注文し、翌日か2日後に配達される。

一部の小売業者はより迅速な対応を試みている。CarrefourのLivraison ExpressやMonoprixのMonoprix Plusなどだ。AmazonもAmazon Prime Nowのサブサービスを通じて一部のグローサリーを配達できる。ただ注文品を受け取るまでに30分、1時間、あるいは2時間かかる。

しかしDeliverooやUber Eats、他の同様のサービスの成功が示すように、人々はいますぐ届けてほしいのだ。ユニットエコノミクス、労働法、小型店舗や自治体への影響のために性急さは持続不可能だと筆者は考える。それでも、Cajooにとっては十分な需要があるようだ。

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Cajooはフルスタックのアプローチで差別化を図りたいと考えている。同社は自前のマイクロフルフィルメントセンターを運営している。独自の製品棚卸表を持つ。できるだけたくさんの配達用車両を管理する。そしてもちろん顧客に直接販売する。

また、Glovo(グロボ)は顧客の地元のグローサリー店からの配達を提供している。しかし同社は数週間前にフランスから撤退した。店舗から直接購入することでは十分なマージンを生み出せなかったようだ。スペインでGlovoは自社運営するダークストアにフォーカスしている。

Cajooは、パスタやシャンプー、キャンディなど近くの店にあるようなあらゆるものを扱う。またワインやビール、スナックも注文できる。これらは儲けの多い部門であることが、Uberによる11億ドル(約1160億円)でのDrizly(ドリズリー)買収で証明されている。

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そしてCajooは現地時間2月4日、パリの9区とその周辺でサービスを開始した。パリ全体をカバーするのにマイクロフルフィルメントセンター10カ所が必要で、展開するのに数カ月かかると同社は考えている。

Cajooはまた、空き店舗、空きガレージ、新しいオーナー待ちの小型倉庫が数多くあるという現在の経済危機の恩恵も受けている。

「当社モデルの差異化要因は当社がマーケット価格で製品を提供するというところにあります。MonoprixやCarrefour Expressの店舗と同じ価格で、そして配達料金は2ユーロ(約250円)以下です」とカプル氏は話した。

Cajooは配達料金から売上高の大半を生み出そうとはしていない。配達料金は1回にアイテム1つだけ注文するということがないためにする、最低の設定になっている。その代わり同社は他の小売企業と同様、製品そのものからマージンを得る。

FrstとXAngeがCajooのシードラウンドをリードし、Chauffeur-Privé(のちにKaptenにブランド名を変更した)の2人の共同創業者も参加した。

筆者は配達スタッフに関する同社の計画について尋ねた。2020年Gurvan Kristanadjaja(グルヴァン・クリスタナジャジャ)氏がLibérationで報じたように、フランスではフードデリバリー企業で働く請負労働者に関して深刻な問題がある。たとえばFrichtiの配達スタッフのかなりの割合が不法移民だ。DeliverooやUber Eatsの一部の配達員は不法移民にアカウントを貸している。

Cajooは配達をさばく従業員を雇用し、彼らに電動自転車を貸与するつもりだとカプル氏は話した。しかし同社はまた請負業者やフリーランサーなどのパートナーとも協業する。

「当社はDeliverooやUber Eatsと同じスタンダードにしたくありません。適切な配達スタッフを雇用し、労働許可を持っていることを確かめることは重要なことです」と同氏は述べた。各マイクロフルフィルメントセンターにはトイレや次の注文を待機する場所も設置される。

人気が出るにつれてCajooが長期にわたって高品質を維持できるかどうかが今後重要になる。少なくとも、同社のサービスは正しい考え方で始まっている。

画像クレジット:Cajoo

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:グローサリーデリバリーCajoo資金調達パリ

画像クレジット:Cajoo

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国のテック企業はこぞってグローサリー分野に注力する

中国の大手インターネット企業のほぼ全社がオンライングローサリーに関与している。ちょうど11月29日の週、Alibaba(アリババ)が創業2年のグローサリー共同購入会社Nice Tuan(ナイス・トゥアン)の4つめの資金調達ラウンドとなる1億9600万ドル(約205億円)のC3を共同でリードした。

中国の人々は、グローサリーを含め、ほぼすべてのものをオンラインで購入する。当初、グローサリーのeコマースの利用者は主に、eコマースの便利さに頼りながら育ったデジタルに精通しかつ配達のための料金を払うことを厭わない人たちだった。一方、多くの高齢者は一般に食材が安くで手に入る従来の生鮮市場に足を運ぶのを好む。

いま、中国のテック企業は全世代のグローサリー買い物客を急いで囲い込んでいる。かなりの資金を集めている新しいビジネスモデルとしてはNice Tuanがある。同サービスはいわゆるコミュニティ共同購入だ。

従来型のグローサリーeコマースにおいては、Alibabaのような仲介プラットフォームは通常、個人の買い物客を数多くの小売業者に結びつけ、玄関先まで商品を配達する。中国ではそうした商品は通常1時間以内に配達される。

それとは対照的に、コミュニティ共同購入は近所を管轄するマネージャーに頼っている。マネージャーは往々にしてパートタイムの仕事を探している主婦で、マネージャーが近所で販促をし、人気のWeChatメッセンジャーによるグループチャットで注文をまとめる。そしてマネージャーはサプライヤーに共同購入の注文を入れ、コンビニエンスストアなど地域のピックアップ場所で客に商品を渡す。

受け渡されるのを待つグローサリーバッグが山ほど店舗の隅にある光景は最近では珍しいものではない。このモデルは米国居住の中国人起業家に動機付けを与えた。

eコマースがユビキタスなものになっている中国においてすら、グローサリーショッピングの大半はいまだにオフラインで行われている。それが急速に変化している。調査会社iiMediaによると、グローサリー共同購入が始まったエリアは2020年に前年比100%増で、マーケット規模は720億元(約1兆1400億円)に達すると予想されている。

グローサリー共同購入と客によるピックアップは、玄関先まで配達される利便性が当たり前だった世界からの後退のように聞こえる。しかしグローサリー共同購入モデルにはいくつかのセールスポイントがある。グループチャットでのテキストによる注文は高齢者にとって利用しやすい。eコマースアプリはたくさんのボタン、そしてわかりにくい販売ルールがあり、使いづらさを高齢者は感じている。また、まとめ注文によりセールスマネジャーはサプライヤーからお得に購入できるかもしれない。もし共同購入会社が攻めの姿勢なら、展開するサービスにラストマイル配達をいつでも追加することができる。

中国のテック企業は明らかにオンライングローサリーについて強気で、成功のための投資を確固たるものにしようとポートフォリオを多様化している。Tencent(テンセント)はNice Tuanの主な競合相手であるXingsheng Youxuanの投資家だ(Bloomberg記事)。フードデリバリーサービスのMeituanは自前のグローサリー部門を抱えていて、従来型のデジタルグローサリー店舗、そしてWeChatベースの共同購入モデルを展開している。eコマースの新興企業Pinduoduoもグローサリー共同購入に対応している。Alibabaはすでに、オンラインとオフラインどちらでも展開しているHemaスーパーマーケットを運営している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ネットショッピンググローサリー中国

画像クレジット:A Nice Tuan user picks up her grocery order from a group-buying manager. Photo:Nice Tuan

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(翻訳:Mizoguchi

自動運転トラックで食料・生活雑貨などを運ぶGatikがカナダ小売大手Loblawと提携

「中距離」専門の自動走行車両スタートアップGatik(ガティック)は、顧客がオンラインで注文したグローサリー、食料や生活雑貨、日常品などをWalmart(ウォルマート)のために輸送するのに自動運転ボックス型トラックを使用している。そして現在、GatikはシリーズAで2500万ドル(約26億円)を調達し、小売大手Loblaw(ロブロー)との提携の下、カナダに進出する。

Gatikは米国11月23日、トロントに配置する5台の自動運転ボックス型トラックが2021年1月からLoblawの商品輸送に使われると発表した。共同の試験事業として、全車両にセーフティドライバーが乗り込む。トロントエリアで10カ月にわたって走行するこのトラックは、カナダでは初の自動運転配達車両となる。

「多くのカナダ人がオンライングローサリーショッピングに目を向けるようになっていて、当社のサプライチェーンをより効率的なものにする方法を模索してきました。中距離の自動走行車両による配達は素晴らしい例です」とLoblawのデジタル担当上級副社長Lauren Steinberg(ローレン・ステインベルグ)氏は声明文で述べた。「今回の展開により、トロント内の店舗のPC Expressオンライングローサリー注文の需要に対応するために、当社の自動化された商品選別施設から1日に複数回商品を出すことができます」。

自動走行車両を使って配達する他の企業と異なり、Gatikは消費者をターゲットとはしていない。その代わり、同社は大型の配送センターから小売店舗へと商品を運搬するのに自動走行トラックを使っている。Loblawとの事業では、GatikはFord(フォード)のTransit 350ボックストラックに冷蔵設備、リフトゲート、そして自社の自動走行ソフトウェアを搭載する。

「小売事業者はロジスティック業務における最大の非効率性が中距離の商品輸送にあることを知っています。自動化された商品選別施設と小売店舗の間の距離が典型的なものです」とGatikの共同創業者でCEOのGautam Narang(ゴータマ・ナラン)氏は声明文で述べた。「それこそがGatikが取り組み、成功している分野であり、当社が顧客にすぐさま価値を提供できる理由です。Loblawのサプライチェーンの重要な問題を解決すべく提携できることをうれしく思います」。

Gatikの「中距離」B2BへのフォーカスはWalmart、そしてGatikのシリーズAラウンドを共同でリードしたWittington VenturesInnovation Endeavorsといった投資家を引きつけた。既存投資家のDynamo Ventures、Fontinalis Partners、AngelPadとともに、FM CapitalとIntact VenturesもシリーズAラウンドに参加した。同ラウンドはLoblawとの提携と一緒に発表された。Gatikの累計調達額は2950万ドル(約31億円)になる。

同社は調達した資金を北米での業務の増強、そしてカリフォルニア州パロアルトとトロントの施設での雇用に充てる計画だ。小売事業者との提携と車両配置の拡大を進めている、とナラン氏は述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GatikLoblawグローサリー自動運転資金調達カナダ

画像クレジット:Gatik

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(翻訳:Mizoguchi