自動運転トラックで食料・生活雑貨などを運ぶGatikがカナダ小売大手Loblawと提携

「中距離」専門の自動走行車両スタートアップGatik(ガティック)は、顧客がオンラインで注文したグローサリー、食料や生活雑貨、日常品などをWalmart(ウォルマート)のために輸送するのに自動運転ボックス型トラックを使用している。そして現在、GatikはシリーズAで2500万ドル(約26億円)を調達し、小売大手Loblaw(ロブロー)との提携の下、カナダに進出する。

Gatikは米国11月23日、トロントに配置する5台の自動運転ボックス型トラックが2021年1月からLoblawの商品輸送に使われると発表した。共同の試験事業として、全車両にセーフティドライバーが乗り込む。トロントエリアで10カ月にわたって走行するこのトラックは、カナダでは初の自動運転配達車両となる。

「多くのカナダ人がオンライングローサリーショッピングに目を向けるようになっていて、当社のサプライチェーンをより効率的なものにする方法を模索してきました。中距離の自動走行車両による配達は素晴らしい例です」とLoblawのデジタル担当上級副社長Lauren Steinberg(ローレン・ステインベルグ)氏は声明文で述べた。「今回の展開により、トロント内の店舗のPC Expressオンライングローサリー注文の需要に対応するために、当社の自動化された商品選別施設から1日に複数回商品を出すことができます」。

自動走行車両を使って配達する他の企業と異なり、Gatikは消費者をターゲットとはしていない。その代わり、同社は大型の配送センターから小売店舗へと商品を運搬するのに自動走行トラックを使っている。Loblawとの事業では、GatikはFord(フォード)のTransit 350ボックストラックに冷蔵設備、リフトゲート、そして自社の自動走行ソフトウェアを搭載する。

「小売事業者はロジスティック業務における最大の非効率性が中距離の商品輸送にあることを知っています。自動化された商品選別施設と小売店舗の間の距離が典型的なものです」とGatikの共同創業者でCEOのGautam Narang(ゴータマ・ナラン)氏は声明文で述べた。「それこそがGatikが取り組み、成功している分野であり、当社が顧客にすぐさま価値を提供できる理由です。Loblawのサプライチェーンの重要な問題を解決すべく提携できることをうれしく思います」。

Gatikの「中距離」B2BへのフォーカスはWalmart、そしてGatikのシリーズAラウンドを共同でリードしたWittington VenturesInnovation Endeavorsといった投資家を引きつけた。既存投資家のDynamo Ventures、Fontinalis Partners、AngelPadとともに、FM CapitalとIntact VenturesもシリーズAラウンドに参加した。同ラウンドはLoblawとの提携と一緒に発表された。Gatikの累計調達額は2950万ドル(約31億円)になる。

同社は調達した資金を北米での業務の増強、そしてカリフォルニア州パロアルトとトロントの施設での雇用に充てる計画だ。小売事業者との提携と車両配置の拡大を進めている、とナラン氏は述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GatikLoblawグローサリー自動運転資金調達カナダ

画像クレジット:Gatik

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。