とうとうパスワードを共有せずにチームでTwitterアカウントを運営できるようになった

チームでTwitterのアカウントを運営した経験があれば、その仕組みが最悪だということが分かる。

チーム全体で一つのパスワードを共有しなければならないのだ。つまりチームの1人が交代すると全員が新しいパスワードを覚えねばならない。チームの誰かがパスワードをポストイットに書いてノートパソコンに貼っていてアカウントが乗っ取られるかもしれない。チームアカウント運用のためのサードパーティーのサービスもあるが、そのサードパーティーが倒産したり、買収されたり、サービスを閉鎖したり、セキュリティーが破られたりするかもしれない。

Twitterがスタートして10年になるというのにこの欠陥はずっと放置されてきた。それが今、ようやく正された。

他のパワーユーザー向け機能と同様、新しいチーム・ツールもTweetDeckの一部として提供される。

使い方は以下のとおり。

  • TweetDeckをダウンロードするかアップデートして最新の状態にする。新機能は今日(米国時間2/17)、ウェブ/Chrome/Windows版がリリースされる(Macアプリはまだリリースされない)。
  • メインのパスワードを管理するアカウントマネージャーを決める。このパスワードはアカウントマネージャー以外には秘密にされる。もしすでにチーム・メンバーとパスワードを共有している場合は、アカウントマネージャーは直ちにパスワードを変更する必要がある。
  • アカウントマネージャーはTweetDeckでログイン
  • 左カラムのナビゲーションから“Accounts”をクリック
  • チーム・アカウントを選択
  • 入力窓からチームメンバーを追加し、権限を設定する。 投稿者(Contributor)は ツイート、リツイート、削除、フォロー、アンフォローができる。アカウント・マネージャー(Admin)だけがチームメンバーの追加、削除ができる。
  • ユーザーがチームかが去った場合は、チームマネージャーがそのユーザーをリストから削除するだけでよい。大勢のメンバーが一斉に新しいパスワードを覚える必要はない。

ひとつだけ注意点がある。上でも述べたようにこの機能を利用するにはチーム全員がTweetDeckを使わねばならない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebookで写真を勝手に削除できる致命的バグ発見(修整済)―バックアップをお忘れなく

さて読者の皆さんはFacebookに何枚くらい写真を保存しているだろうか? そのうちで安全にバックアップされているのは何枚くらいだろうか?

先ほど明らかになったFacebookのバグは、攻撃者に多少の知識さえあれば、他のユーザーのアルバムを好き勝手に削除できるという致命的なものだった。

幸いなことに、このバグの発見者(インド在住のLaxman Muthiyah)はただちにFacebookに通報した。その結果、バグ通報報奨金として1万2500ドルを得たという。もちろんこのバグが放置されていたら生じたであろうFacebookの大損害に比べれば1万2500ドルは安すぎだが、報奨金システムというのはそういうものでやむを得ない。

いずれにせよFacebookは大急ぎで―正確には2時間ほどでバグを修整した。

Laxmanはバグの詳細をこちらで公開しているが、一言でいえば、Facebookの Graph APIがリクエストの処理にあたってユーザー認証を怠っていたのが原因だった。誰かが他人のアカウントのアルバムを削除するリクエストを送信するとGraph APIは送信者が誰かを確かめず無条件にリクエストを実行してしまう。

攻撃者のアルバム削除リクエストはたとえばこんな感じだ。

Request :-
DELETE /[相手の写真アルバムID] HTTP/1.1
Host : graph.facebook.com
Content-Length: 245
access_token=[Your(Attacker)_Facebook_for_Android_Access_Token]

犠牲者の側からみると、アルバムはある瞬間に突如消えることになる。

あまりにも単純なバグだ。こんなリクエストが通るわけがないと普通思うが、実は通ってしまう。ひどい初歩的なミスだった。

一歩間違えれば大惨事が引き起こされていたところだ。Sophos Securityによれば、Facebookの写真アルバムは単純なシーケンシャルな数値IDで管理されているという。ハッカーが簡単なスクリプトを書いて、適当な数値から始めてIDが順次増加していくようにして削除リクエストを送り続けたら、Facebookが異常に気づく前に大量のアルバムが消去されてしまったことだろう。

注意を喚起しておきたいが、Facebookは決してバックアップドライブではない。今回は助かったが、Facebookのコードに別のエラーがあれば、あなたの写真は煙のように消えかねない。大切な写真は別途安全な場所にバックアップしておこう。

画像: mkhmarketing/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、ユーザーの死後にアカウントを管理する「デジタル遺産管理人」制度を開始

われわれは自分の死後に残されたデジタルライフをある程度管理できるようになった。今日(米国時間2/12)、Facebookはユーザーが死後に自分のFacebookプロフィールを一部管理する遺産管理人(legacy contact) を選定できる制度をスタートさせた。

これまで、ユーザーが亡くなったときは友人がFacebookに通報し、それを受けてFacebookがアカウントをメモリアル・ページに移していた。しかし今後は、ユーザーがあらかじめ遺産管理人を選定しておけば、その人物がプロフィールのトップに逝去の事実と葬儀の日時場所を掲載することができる。またプロフィール写真を適切なものに更新し、友達リクエストを処理する権限も与えられる。

死後にFacebookプロフィールを一切残したくない場合は、Facebookにそのむね通告しておけば、あなたが天上のソーシャルネットワークに参加した後、Facebookがプロフィールを消去してくれる。

Facebookのプロダクト・マネージャー、Vanessa Callison-Burchは私の取材に対して「亡くなったユーザーのプロフィールを処理するコミュニティー・オペレーション・チームは、デジタル遺産の処理に関連する悲しい話をたくさん知っています」と語った。

例えば、ある女性が死んだとき、プロフィール写真は可愛い魚だった。女性の母親は娘を記念するようなプロフィール写真に変えたいと願った。また亡くなった子供のいとこがその死を知ってから友達に加えたがった。

亡くなったユーザーのプロフィール・ページにはそのことを知らせるために“Remembering”というテキストが名前の上に付け加えられる。.

遺産管理人を指定するには 設定->セキュキュリティー設定->Legacy Contactを開けばよい〔日本版ではまだこの機能は設定されていない〕。ここには「デジタル遺言」のひな形が用意されているので、自分にあった文章に書き直せばよい。さらに遺産管理人がユーザーの投稿した全コンテンツ(近況や写真)をダウンロードすることを許可するかどうかも選べる。

ただし、遺産管理人は「デジタル遺言」のメッセージ自体を事前に読むことはできない。Callison-Burchは「Facebookとしても熟慮した上で、故人の意志とプライバシーを最大限に尊重するためにこのようにしました」と語った。

遺産管理人は故人に代わって新たな投稿をしたり、プロフィールからコンテンツを削除したりすることはできない。これは遺産管理人が「故人のコンテンツをきれいにする」義務があるように感じないようにするためだという。

別の記事でも書いたが、Facebookは今や全人生の記録だ。

Facebookでは両親が『子供が生まれます!』と投稿する。ママのお腹の中にいるうちにすでにたくさんの『いいね!』を獲得する。大勢の両親の友達が胎児の超音波画像を見る。人々は生まれる前からFacebookで人生を始めている。

そしてユーザーは死後もFacebook上に存在を遺す。あなたのプロフィールはメモリアル・ページに移され、友達の間に多くの瞬間が永く記憶される。あなたはこの世界に存在する前からFacebookに存在していたが、この世界から存在しなくなってもFacebook上に存在し続けるのだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


殺した相手との自撮り写真をSnapchatに投稿した少年、第一級殺人容疑で勾留中

ペンシルバニア州ジャネットのティーンエイジャーが、第一級殺人に問われている。Snapchatに公開した、死体と一緒の自撮り写真がきっかけとなり逮捕された。

捜査員たちがPittsburgh Tribune Reviewに語ったところによれば、写真を受け取った人物がスクリーンキャプチャーして、当局に報告したものだとのこと。容疑者である16歳のMaxwell Marion Mortonの逮捕にあたり重大な証拠として採用された。

逮捕後に警察はMortonの自宅を捜査し、9mmの拳銃および空の薬莢を見つけている。これをうけてMortonも犯行を認め、現在は少年拘置所(保釈なし)に勾留されている。

Tribune Reviewの取材に対し郡地方判事のJohn Peckは、容疑者自らがが死体と一緒に写真を撮ったのを見るのは初めてだと述べている。

もっとも、最近では自らの犯罪行動の証拠をソーシャルメディアに投稿するケースは増えている。11月にはにはワシントン州では、ガールフレンドの死体写真を4chanに投稿した男性が逮捕されている。2013年にはフロリダの男性が、殺人の自白とともに、殺した妻の写真をFacebookに投稿するというようなこともあった。

今回のケースで、自撮り写真をSnapchatに投稿した真の目的は明らかになっていない。ただソーシャルメディアが、日常の出来事だけでなく、こうした「非日常」をも伝えるツールとなってきているらしいことは間違いないようだ。

[via Verge]

[IMG by Darrell Etherington]

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(翻訳:Maeda, H


急成長カップルアプリ「Couples」がテレビCMを開始–今春めどにメディア化進める

エウレカが手がけるカップル向けアプリの「Couples」が好調だ。2014年5月にリリースし、8カ月後となる2015年1月末には150万ダウンロードを達成した。

Couplesはカップルに限定してメッセージを送信したり、写真や予定を共有できるいわば「2人専用SNS」といったアプリ。サービスで先行する韓国VCNCの「Between」は2014年5月時点で100万ダウンロード(国内のみ。世界では韓国を中心に900万ダウンロード超)、TIMERSの「Pairy」は2014年5月時点で数十万ダウンロードを達成している。エウレカが公開したグラフでは社名こそ出ていないものの、両者を超えるスピードで成長しているという。150万ダウンロードを達成するのと合わせる形で、2月9日よりテレビCMも開始した。(追記2月9日9時15分:VCNCによると、Betweenの国内ダウンロード数は1月末時点で170万件となっているとのこと)

Couplesは急増するダウンロード数もさることながら、WAU(週間アクティブユーザー)40万人、MAU(月間アクティブユーザー)50万人と高いアクティブ率が特徴だという。これまで8カ月で、約7億件のメッセージがやりとりされ、約3500万枚の写真がアップロードされている。月間のページビュー(PV)は4億PVに上る。ユーザーの年齢層は18歳未満が30%、19〜22歳が29%、23〜29歳が26%、30歳以上が15%となっている。Couplesのサイト上には、実際にサービスで出会ったというカップルが顔と実名を出して登場している。

TwitterでのプロモーションとASOでユーザー拡大

これまでのプロモーションはTwitterが中心。属性を見ても分かるとおりターゲットとなっているのは高校生や大学生が中心。彼らの世代にリーチする読者モデルやタレントなどとタイアップを行ってアプリを使ってもらい、その様子をプロモツイートなどを使って積極的に露出させてきた。

「正直うざいくらい広告が出ていたかも知れないが、その結果ポジティブな反応もネガティブな反応も来る。両方が集まれば集まるほどに、その世代のバズワードとして成長していく」(エウレカ 共同創業者 代表取締役CEOの赤坂優氏)——とらえようによっては少し強引に聞こえるかも知れない発言だが、その背景にはカップルアプリの認知度の低さがある。

エウレカ 共同創業者 代表取締役CEOの赤坂優氏

実はエウレカではサービス開始前に大規模なリサーチを実施したのだが、若者の情報発信の中心地である東京・渋谷でもその認知度は10%ほど。まずはカップル向けアプリというカテゴリ自体の認知、それと同時に「カップル向けアプリと言えばCouples」となるよう考えたという。そういえば昨年紹介した動画共有サービス「MixChannel」でも同じような話があった。

また同時に、ASO(アプリストア最適化)にも力を入れた。「グロースハックなんて当たり前のこと。ランキングが上がれば1日1000件単位でダウンロード数は変わってくる。登録ページの1タップごとの突破率をはじめ、細かい数字を1つずつ見ていった結果」(赤坂氏)。また、メッセージに使用できるスタンプについては学生に積極的なヒアリングを実施。さらにはLINEの自作スタンプマーケット「LINE Creators Market」の上位に入るクリエイターなどにもアプローチして、その種類を拡大しているという。僕はASOの話などからスマホゲームの運営を思い浮かべたのだが、事実ゲーム出身の開発陣も多いそうだ。

今春からはメディア化を進める

マネタイズは現在、スタンプによる課金のみだが、今後はユーザー課金を実施するほか、Couplesをメディア化し、そこでの広告収入を狙っていくという。

前述の通り写真のアップロード数は3500万枚以上。この写真のストレージや、メッセージのバックアップなどを含むプレミアムユーザーに対しての課金機能を検討するほか、3月末にもCouples内でデートやカップルに特化したメディアを展開するという。すでにライター陣を集めているそうで、今後はネイティブ広告やタイアップ、チャンネル販売(SmartNewsで言うところの「タブ」を売っていく)なども検討。年内に億単位の売上を目指す。

原動力はマッチングサービス「Pairs」

テレビCMやCouplesのメディア化など、様々な展開を予定するエウレカ。その原動力ともなっているのが、同社のマッチングサービス「Pairs」だ。Facebook認証による安全な出会いをうたうこのマッチングサービスは会員数180万人を突破。金額は非公開ということだったが、複数関係者にも聞いたところ、すでに月間で数億円の売上はあるようだ。

そう考えると、先行する2つのカップル向けアプリとまた違った資金力での勝負を展開できることになる(CrunchBaseによるとVCNCの調達額はこれまで770万ドル(DeNAからの調達分を除く)。TIMERSの調達額は1億円)。赤坂氏も「今の状況でテレビCMまでできることを考えれば、結論として資本が武器になっていると言える」と語る。


Vine、キッズセーフなコンテンツを表示するためのVine Kidsを公開中

Vineがリリースした「Vine Kids」はもう使ってみただろうか。安全なコンテンツのみを表示する、キッズフレンドリーなVineアプリケーションだ。

コンテンツは、Vineに登録される数多くの投稿からキッズフレンドリーなものを選んで表示されるようになっている。インタフェースも子供が喜びそうな具合に変更されていて、左右にスワイプするたびに新しいコンテンツが表示されるようになっていて、スクリーンをタップした際には子供の気をひきそうなサウンドが鳴るようにもなっている。

オフィシャルブログから引いておこう。

1月に入って間もない頃、オフィス内でのちょっとした会話から生まれてきたプロダクトです。同僚の1人が、2歳になる自分の娘がVineのことをとても気に入っているのだと話していたのです。その同僚が、子供向けコンテンツが表示されるようなアプリケーションがあればよいと思うと言ったのでした。その言葉をうけて、直ちに社内ハッキング大会が始まりました。日常業務を片付けたら、嬉々としてプロダクトの形を考えたりしていたのです。そのような中、一緒に開発していた2名が、このVine Kidsを生み出しました。

もちろんご存知のことと思うが、Vineとは、Twitter社の所有するビデオサービスだ。アプリケーションを使って短いループビデオを作成して投稿したり、あるいは他の人の投稿をシェアしたりすることができる。

面白そうなコンテンツを発見しやすさを考えて、Vineはこれまでもコンテンツをさまざまなチャネルに分類して整理してきてはいる。しかし、子供にふさわしくないコンテンツなどが多く投稿されていることもまた事実だ。Vineをそのまま子供に使わせていれば、どうしてもそのような不適切なコンテンツも目に入ることになる。

そのようなことを避けようと登場してきたのがVine Kidsだ。このアプリケーションを開いて子供に渡せば、子供が次々にコンテンツを表示させても安心していられるというわけだ。

Vine Kidsについては、冒頭でもリンクしたブログ記事に詳細が記されている。

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(翻訳:Maeda, H


このグラフでTwitterの成長減速が一目瞭然

売上でも利益でもアナリストの予想を上回る好調な第4四半期決算を受けて、Twitterの株価は7%ほど上がった。しかし同時に成長が大きく減速していることもはっきりした。

前四半期にTwitterはわずか400万人の新規月間アクティブ・ユーザーしか加えることができなかった(電話会見でさらに説明があるだろう)。この400万人を加えて、Twitterの月間アクティブ・ユーザー数は2億8400万人から2億8800万人となった。

対前年同期比では20%のアップだが、直前の第3四半期からはわずか1.4%の増加にすぎない。

ただ奇妙なことに、Twitterは第4四半期のユーザー数増加が目立って低い傾向がある。上のグラフでも分かるように2012年第4四半期を例外として、他の四半期はその前後の四半期より伸びが低い。この点を考慮に入れると、2014年第4四半期のユーザー数の伸びの低下も、Twitte特有の季節変動が一因となっているのかもしれない。

とはいえ、前四半期の伸び率は危険なほどゼロに近い。もしTwitterの成長がゼロ、ないし縮小するような事態になれば、投資家はパニックを起こして現経営陣に襲いかかるに違いない。

ユーザーの伸びの低下にもかかわらず売上と利益をアップさせるのに成功するというのはTwitterにかぎらず、他のソーシャル・ネットワークでも最近多く見られる傾向だ。しかしTwitterのキャッシュフロー予測は新規ユーザーの加入を当てにしている。ユーザー数が変わらないままでいつまでも売上の増加を続けることができないのはわかりきったことだ。ユーザー数の増加はやはり決定的に重要な要素だ。

グラフ作成:Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


アートシューズ(アートをプリントした靴)のBucketFeetが$7.5Mを調達…ソーシャルメディアマーケティングの成功例

ファッションとテクノロジの合体が進んでいる。今ではいろんな企業が、テクノロジを利用して独自のファッションブランドを構築しようとしている。

このほどシリーズAで750万ドルを獲得したBucketFeetの場合は、作品を発表する機会を求めているいろんなアーチストの作品を利用して、靴の新しいブランドを作っている。ふつうのeコマースと違うのは、同社は自分のスタジオやポップアップショップがあるだけでなく、製品をNordstromやBloomingdale’s、Lord & Taylorなどの物理店でも買えることだ。

世界中のアーチストがBucketFeetのアーチストを志願でき、選ばれた作品がBucketFeetの靴にプリントされる。製造と販売はすべてBucketFeetが行い、アーチストは頭金250ドル以上をもらえる。歩合は売れた靴一足につき1ドル、初期ロットは約1000足だ。BucketFeetの協同ファウンダRaaja Nemaniによると、初期ロットは売り切れることが多いので、アーチストは採用された1作品につき、最低でも1250ドルもらえる確率が高い。

Nemaniによると、これまで1作品でアーチストが獲得した額の最高は2万ドルだった。

BucketFeetはNemaniが2008年に金融業界から足を洗って世界旅行をしているときに発想した。彼はそのとき、友だちのアーチストで写真家のアルゼンチン人Aaron Firesteinから一足の靴をもらったのだが、それは白のConverseの上にFiresteinがスプレイペイントで絵を描いたものだった。その後Nemaniは旅先の至るところで、その靴のことを聞かれた。

“彼らは靴のブランドを知りたがったのではなくて、その靴の背後にあるストーリーに興味があったのだ”、とNemaniは言う。

その後二人は、2011年の春にシカゴでBucketFeetを立ち上げた。アーチストたちのネットワークはどんどん拡大し、今ではほぼ12000名の登録アーチストが、自分の作品が靴にプリントされる機会を待っている。

BucketFeetは作品を選ぶ過程にソーシャルメディアを利用している。だいたい一人のアーチストにソーシャルメディア上のフォロワーが2000人おり、全体ではBucketFeetのアーチストに24000万あまりのフォロワーがいる。彼/彼女らが気に入った作品はリツイートなどで広まるから、いわばアーチストたちはBucketFeetの靴の、“売り込み大使”のような役を演ずることになる。それにまた、どういう層に気に入られたか、というマーケティング上の情報も無理なく得られる。

BucketFeetはこれまで合計1330万ドルの資金を調達し、最新のシリーズA 750万ドルはJumpstart Venturesがリードし、Yunsan、Gordon Segal、Crate & Barrelの創業者らが投資に参加した。

BucketFeetについて詳しく知りたい人はここへ

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleにツイートのリアルタイム検索が戻ってくる!


Twitterは決算日前夜にGoogleと極めて大きな提携契約を交わしたようだ。Bloombergによると、両社はTwitterのリアルタイムツイートを、「今年の前半」にGoogleの検索結果に含める契約に合意した。

この提携によってGoogleは、Twitterの “fire hose”[消防ホース=全ツイートデータ]を再びアクセスできるようになる。検索のライバル、YahooとMicrosoft Bingは既にこれを享受している。TwitterとGoogleは同様の契約を2009年に交わしたが、2011年には更新しなかった。その結果Googleは、ツイートをインデックスするためにTwitterのサービスをクローリングしなければならなくなった ― 時間のかかるプロセスである。今回の契約条件の下、ツイートは投稿された直後から、Googleの検索結果で見られるようになる。

この提携は、いくつかの意味で非常に大きい。Bloombergの情報源によると、契約には広告収益に関する条項はないが、Googleが「データ・ライセンシング」収益を支払うとしている。これは、Twitterが昨年1600万ドルから4100万ドルへと伸びた収益科目であり、Googleが加わった今、さらに成長することが期待できる。

そして、今週Twitterは広告事業を拡大し、プロモーテッド・ツイートがサードパーティーのアプリやサイトにも表示されるようになった ― 最初はFlipboardおよびYahoo Japan。つまり同社はTwitterに登録していないユーザーの収益にも注力している。Googleの検索結果ページに目立って表示されるようになれば、同社のビジネスは著しく促進される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


グループが自分たち専用のコミュニケーションアプリを作れるプラットホームGroupAhead

【抄訳】

グループの連絡方法としてはFacebookや共有カレンダーアプリ、Meetup.comなどを使えるが、しかし既製の汎用アプリでは、メンバーの結束を高め、今後のイベントや活動を伝え合う方法としては物足りない。そこでY Combinatorが支援するGroupAheadは、汎用アプリではなく汎用のプラットホームとして、各グループにそのグループ専用のモバイルアプリを作らせてくれる。

GroupAheadは2013年に元Google(YouTube)にいたBrian GlickとJulian Frumarが創った。Glickは最近Google+のコミュニティプラットホームにも関わったので、グループ内のコミュニケーションについてさらに詳しくなった。

Glickは次にように説明する: “いろいろ探したけど、とても緊密で団結が堅く、メンバー一人々々が個人として参加している親密なグループの、まとまりを支えるようなソリューションは皆無だった。でも今では誰もがスマートフォンやタブレットを持っているから、それらを基盤とすれば、ネットワーク上でもグループの緊密な結びつきを支えることができるはずだ”。

グループがGroupAheadを使うと、そのグループだけ用のアプリを作れて、汎用アプリのようにいちいち送信相手を指定しなくても、グループ内の連絡ができる。またメンバーリストのメンテナンスや、イベント予定表の管理、グループ内のディスカッション、連絡事項の共有といった、グループ維持のための基本的なタスクもできる。

開発チームはいろんなグループから聞き取り調査をして、このプラットホームに必要な要件をまとめ、GroupAheadの制作にとりかかった。2014年の半ばにパイロットテストを行い、今ではiTunes App StoreとGoogle Play上に16のグループのアプリがある。それらの中には、フリーメーソンや、ランニングの団体SF FrontRunnersなどもある。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

このサービスを使うためには、グループがまず、自分のグループを表すロゴや写真をアップロードする。またメンバーリストなどのデータは、既存の.CSVファイルをインポートしてもよい。カレンダーは、既存のGoogle Calendarなどとシンクすることもできる。グループの管理者にはWeb上のダッシュボードが提供されるので、その上でデータの更新…新メンバーの登録など…ができる。このプラットホームの利用は今は有料(月額49ドルから)だが、そこらの小さなママさんグループなどのための、フリーミアムとしての提供も検討している。そうなると、Meetup.comの強敵になりそうだ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マイネットが7.3億円の資金調達–ゲームのグロース事業に注力

左からマイネット取締役CFOの嶺井政人氏、マイネット代表取締役社長の上原仁氏

スマートフォン向けゲームの開発・運営を手がけるマイネットは2月5日、総額7億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。内訳は非公開だが、B Dash Venturesおよび新生企業投資、SMBCベンチャーキャピタルを割当先とした第三者割当増資と、三井住友銀行からの借入を行っている。

マイネット(創業時の社名はマイネットジャパン)の創業は2006年、ソーシャルニュースサービスの先駆けである「newsing」(2015年3月にサービスを終了予定)やモバイルサイト構築サービス「katy」(2013年にヤフーに売却。その後ヤフーがGMOコマースに売却)などを手がけてきたが、2012年以降ゲーム事業にシフト。2014年5月からは特にスマートフォンゲームのグロース事業に注力している。今回の資金調達はこのグロース事業に関わる人員強化やゲーム買収などを見越したもの。

ゲームのグロースに2つの強み

「ゲームのグロース事業」というのはあまり聞き慣れなかったのだけれども、ゲーム開発会社からゲームの運営を代行したり、ゲームを買収したりして運営を行い、ユーザーのアクティブ率や課金率を改善することで収益を上げるという事業なのだそうだ(マイネットは自社タイトルも開発している)。事業を開始してから半年弱。現在5つのタイトルのグロースを手がけている。

マイネットいわく、同社の強みは大きく2つ。1つは「集客基盤」。同社では、ゲーム開発会社29社と提携した相互送客ネットワークを構築している。ゲームはイラストや声優などに力を入れた「美麗美少女系」とも言われるジャンルに特化しているが、ネットワークに参加するゲームのMAU(月間アクティブユーザー)は数百万で、広告費換算で1社あたり月間1200万〜1300万円程度の送客を実現しているという。「相互送客は事業者間でユーザーを取りあうのではない。何もしなければ離脱するユーザーの離脱経路として、各社のゲームに流そうという試み」(マイネット取締役CFOの嶺井政人氏)。

もう1つの強みは「運営アセット」。人気ゲームほどプロデューサーやディレクターといったタレント依存のグロース施策に陥りがちなのだそうだが、マイネットではこれまで運営してきた8タイトルでのさまざまな施策を「ノウハウのデータベース」として蓄積。タレント依存しないで効果的な施策を打てるとしている。基本的には1年以内の売上V字回復を目指しているそうで、最も成果の出ているタイトルでは、最盛期と比較してDAUと売上が約2割向上しているものもあるという。

ゲームのセカンダリマーケットを取る

マイネット代表取締役社長の上原仁氏は、「1年半ほど前から(ゲームの)セカンダリマーケットのニーズを感じていた」とグロース事業参入の契機について語る。「パズル&ドラゴンズ」「モンスターストライク」といった「超」がつくほどの人気ゲームが市場を寡占する傾向があり、ゲームの開発費用も高騰。「自分たちの戦い方を考えると、2、3億円のお金と1年の開発期間をかけて、それでも(ゲームがヒットする)打率一割五分しかない打席に立つのは違っている」(上原氏)。

そこで超人気ゲームの次、それなりに人気はあるが(美麗系ゲームのような)特定の層のユーザーに特化しているために超人気…とはいかない規模のゲームに注目した。「自分たちは運営力が強い。ゲーム開発会社が新規タイトルに注力するために人員再配置をする際、自分たちの運営力で(既存のゲームを)補完するということがはまった。ゲーム業界の星野リゾート、日本電産になる」(上原氏)


SmartNewsが1000万ダウンロード突破、インターナショナル版も提供開始

先日メルカリが創業2年で1000万ダウンロードを突破したという話があったばかりだが、今度はスマートニュースがニュースアプリ「SmartNews」の1000万ダウンロードを達成した。こちらも2012年12月のリリースから2年弱での達成となる。

スマートニュースでは2014年8月からテレビCMを開始。さらに10月から米国展開を開始したことで、ダウンロード数が急増しているそうだ。日米ともにダウンロード数は好調だそうだが、その内訳については公開していない。ただ、MAU(月間アクティブユーザー)は日本が400万以上、米国が100万以上なのだそうだ。単純計算するとダウンロードしたユーザーの半数以上が月1回は利用しているということになる。ちなみに100万MAU達成までのスピードで言えば「米国は日本より速いスピード」(スマートニュース代表取締役の浜本階生氏)とのこと。

また、スマートニュースでは、日本版、米国版に加えて、インターナショナル版の提供を開始している。インターナショナル版では、世界中で話題となっている英語メディアのニュースが閲覧できる。言語設定などをベースに、「その国や地域で注目を集めているニュース」が表示される。現状閲覧できるのは英語メディアのみだが、今後各国版をリリースすることも検討しているという。また2月2日には、GoogleがAndroid端末向けに提供している「Nowカード」への対応も発表している。


スーパーボウルCM:コカコーラをコンピューターにこぼすと何が起きる?!


君はあのコカコーラのスーパーボウルCMを見たか?

そう。インターネットのせいで機嫌の悪い人たちの合成写真で始まり、切れ目なくTronスタイルのデータセンターへと場面が移ると、そこで男がサーバーの上にコークをこぼしてしまう。さて、これは悪いニュースになると思うだろうが、違う!すべてがストップする代わりに、コカコーラとポジティブ感情の奇妙な組み合わせが全員のパソコンに溢れ、何もかもが素晴らしくなる。

正直なところ、これがテクノロジーのしくみを100%正確に表現しているのかどうか定かではない。それでも、これは新たな興味深いソーシャルメディアキャンペーンだ(コカコーラはTwitterでも宣伝している)。このMake It Happyウェブサイトで説明されているように、ネガティブなツイートを見つけて、それにハッシュタグ #MakeItHappy をつけて返信するのが決まりだ。するとコークが「ツイートから作ったハッピーなアートをプレゼントする」。

これがコカコーラと何の関係があるのか?私にもわからない。そもそもポジティブはネガティブより良いものなのか?そうとは限らない、と私は思う。そして、これが本当にインターネットをもっとポジティブにするか? たぶん違う。

とは言え、このアートには思わずほほえんでしまう。特に、他のスーパーボウルCMのとめどない寒々しさの後では。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Imgur、VideoをGIF化するツールをリリース

ずっと秘密にしておいたことを告白しよう。実はこれまで、GIFを作ったことがなかったのだ。

もちろん見たことはあるし、大笑いしたこともある。後でシェアするためにリンクを保存しておいたものもある。さらには何度かGiphyを使ったこともある。

そうしながら、心の中では「この件について何か面白そうなGIFを作っておいてよ」と言われないかとどきどきしてもいた。そんなことを言われても、何をどうすれば作れるのか、まったく知識を持っていなかったのだ。

しかし、びくびくしながら過ごす日も終わりを迎えたようだ。ImgurVideoのGIF化ツールをリリースしたのだ。オンラインにあるビデオを簡単にGIF化することができるというものだ。Imgur曰く「ビデオをGIF化する最も簡単で迅速な方法である」とのこと。

これまでGIF化を作ったことがないので(という話は上にも書いた)、これが本当に「最も簡単」な方法なのかどうかはわからない(YouTubeもGIF制作ツールをリリースしている)。しかし私のような初心者にも十分わかりやすいツールであることは間違いないようだ。ビデオのURLを指定し、そしてGIF化したい部分を指定するだけだ。必要な文字情報なども加えると、数秒後にはGIFができてくる。

Imgurによると、YouTube、Vimeo、あるいはVine等、500以上のビデオサイトに対応しているのだとのこと。

試してみたところ、スタート位置ないしストップ位置を示すマーカーや、あるいはプレイ中の場所を示すマーカーの意味がわからなかったりはした。しかしなんとかGIFを作ってみることはできた。くだらない内輪受け(HBOのSilicon Valleyビデオからシーンを借りた)ではあるし、またテキストの扱い方もよくわからなかった。しかしともかくもGIFを生み出すことができたのだ。ビデオのGIF化を頼まれても、もう怖がる必要はない。

GIF化ツールに興味がなくても、Imgurの展開可能性について注目する人も多いことだろう。これまでリードオンリーだった人も、投稿者になり得るツールを提供したわけだ。本ツールのリリースにあたり、プロダクト部門ディレクターのSam Gerstenzangは「万人のためのGIF化ツールを作りたかったのです」と述べている。

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(翻訳:Maeda, H


FacebookのQ4決算は予想を上回る―売上38.5億ドル、ユーザー数3.2%増で13.9億人

Facebookの4014年度第4四半期の決算は、10期連続でアナリストの予想を上回った。Facebookのユーザーは13億9300万人となり、対前年比で3.18%増加した。これは第3四半期の2.2%より高いが、第2四半期の3.125%よりは低い。一株あたり利益は0.54ドル、売上は38.5億ドルだった。広告売上のうちモバイルが69%を占めた。これは前年同期の66%より高く、Facebookのビジネスがモバイルに確固とした足場を築いたことを確認させる数字だ。

1日あたりユーザーは8億9000万人、月間モバイル・アクティブ・ユーザーは11億9000万人(6.2%アップ)、1日あたりモバイル・ユーザーは7億4500万人(5.97%アップ」)となっている。つまりFacebookのモバイル分野における成長は依然加速中ということだ。「モバイルのみ」のユーザーは5億2600万人と対前年比で15.3%も増加した。これはデスクトップ・コンピューターの普及が遅れている途上国におけるFacebookのマーケティング活動が成功したことを意味している。

ウォール・ストリートのアナリストは売上37.8億ドル、一株あたり利益0.48ドルと予測していた。その他のFacebookの財務データとしては、GAAPベースの原価及び費用が27.2億ドル、GAAPベース利益が11.3億ドル、GAAPベース営業利益率が29%、資本費用が5.17億ドルなどとなっている。事前に予告されていたとおり、原価及び費用が急増しているが、これはOculusと人工知能研究への投資によるものだ。これらの投資は数年後にも大きな配当を生むだろう。

2014年の1年を通してみると、Facebookの売上は124.7億ドル、対前年比58%の成長となった。1日あたりユーザーは18%アップして7億5700万人、総ユーザー数は12.3億人から13%アップした。

第4四半期にFacebookはニュースフィードの質の向上に特に力を入れた。またビデオ・コンテンツの拡充にも努力し、ビデオの再生回数が大幅に伸びた。

Facebookは最近、エンタープライズ向けのプライベートSNSとしてFacebook At Workを発表している。ただしこれに基づく売上はまだ計上されていない。

Facebookの広告効果測定ツールのデータによれば、ユーザー1人あたりの広告売上が大幅に伸びていることが注目される。アメリカとカナダにおけるFacebookのユーザー数は2億400万人から2億600へとわずか0.97%の増加だが、ユーザーあたり平均広告売上は6.64ドルから8.26ドルへ24%もアップした。

今回の決算を検討すると、Facebookは「モバイル優先」というより、むしろ「モバイル専門」のビジネスになりつつあるという印象を受ける。5億人以上のユーザーがモバイル・デバイスのみからFacebookを利用している。その多くは途上国のフィーチャーフォン・ユーザーだ。今後のFacebookの課題は、こうした相対的に購買力の低いユーザーからどのようにして売上を得るかにある。これに成功すれば「世界を結びつける」というFacebookの使命は同時に極めて有利なビジネスとなるに違いない。

〔日本版〕Facebookの売上、利益の経年推移を示すインフォグラフィックスは原文参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、ソーシャルログインを独占。シェアは61%に


Facebookは長期にわたってソーシャルログイン市場を席捲して、さらにその差を広げていることが、個人認証管理プラットフォーム、Gigya

の最新データが示している。

2011年以来初めて、Facebookは60%の壁を越え、2014年第4四半期のGigyaネットワークにおける全ソーシャルログインの61%を占めた(前四半期は58%。前年同期からは10%増)。

現時点でFacebookがシェアを奪っているのは大部分がGoogleからだ。GoogleのGigyaネットワークにおけるシェアは、2014年3Qの24%から、2014年4Qには22%へと減っている。

モバイルにおけるFacebookの優位はさらに顕著だ。Facebookは全ソーシャルログインの77%を占め、前四半期の62%から急増した。この増加の犠牲になったのはGoogleで、28%からわずか16%へと後退した。

Facebookは、ほぼすべてのビジネス分野を支配している。例えばEコマースサイトのソーシャルログインの72%、教育および非営利サイトの76%を占めている。わずかな例外がメディアサイトで、そこでは「わずか」55%の市場シェアしかない。しかしGoogleにとってもそこは明るい場所ではなく、シェアはわずか21%にすぎず、TwitterとYahooがそれぞれ11%、8%と比較的人気を得ている。

私はGigyaのCEO Patrick Salyerに、このトレンドをどう説明できるか尋ねてみた。「われわれはFacebookによるログインの詳細な制御が、消費者の個人認証プロバイダーとしてのFacebookとの関わり方に大きな違いを生んでいると考えている」と彼は言った。「2014年Q4で最も差が目立つのはモバイルだが、Facebookが個人認証全体で伸び続けていくとわれわれは見ている。

今後について、彼はAppleのTouch IDが既存のログインプロバイダーにとって大きな脅威になる可能性があることも指摘した。「もしこれがモバイルアプリの認証方式としてデベロッパーの支持を得られれば、Facebookのシェアを本格的に奪い始めるかもしれない」とSalyerは語った。

ちなみに、Yahooは最大の落ち込みだった。かつてYahooは全ログインの18%を占めていたが今は6%に減少している ― Twitterのソーシャルログイン数と同等で、こちらは前年より緩やかに伸びている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Twitter、未読まとめ機能の「While You Were Away」を正式に運用開始

Twitterが「While You Were Away」の機能を公式にスタートした。見逃した大事なツイートを再生してくれる機能だ。まずはiOS版に搭載され、そしてAndroid版やウェブ版にも間もな実装されることになっている。

この機能は昨年11月にプレビュー版が発表され、12月に一部利用者に対し公開されていた。

Twitterのブログ記事には次のような記述がある。曰く「While You Were Awayは、まさにその名の通りの機能を持つものです。しばらくぶりにアプリケーションを開いた際、見逃してしまった”best tweets”をトップにまとめて表示するものです」とのこと。

見ていないうちにいろいろなことが起こるものです。アプリケーションを最後に立ち上げた時間などから判断して、きっと見逃してしまっているであろう「ベスト」ツイートを表示します。直近の出来事を確認するために、ときどきTwitterを立ち上げるという人には、まさにそのために役立つまとめが多く表示されることとなります。既に頻繁にTwitterをご利用いただいている方には、このまとめ表示はあまり行われないことになります。

この機能については、以前から疑問の声があり、そしてもちろん公式リリースとなった今回も不満の声があがっている。Twitterの「新しい順」の記事表示が乱されてしまうと考える人もいるわけで、不満があるのも当然のことだろう。気になっている現在の出来事についてのツイートを見る前に、過去記事から読めと強制されるような実装形式であることに注文を付ける人も多い。

ただし、個人的にはなかなか面白い機能だと感じている。エンゲージメント率を高める機能があるのかどうかはわからない。しかし、数時間おきないし、もう少し長めのギャップをとってアクセスするときに感じる「どれくらい遡って読まなくちゃいけないんだろうか」とか「わかんなくなっちゃった」というようなストレスを軽減してくれるのではないかと思うのだ。「すごく面白いツイートを思いついたけれど、夜中で誰も読んでくれないから朝まで待とう」なんてことを考える必要もなくなるのかもしれない。

ときに迷惑にも感じられる「In case you missed it!」という押し付けがましいツイートが減るなら、それだけでも有益なのではないかとも思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、インチキネタ投稿の排除を進める

Facebookでは「私のすべてのFacebook写真には著作権があります」とか「無料航空券進呈」とか「雪男目撃される」とかいったたぐいのネタ投稿が毎日大勢の騙されやすい人々を釣り上げている。こういう投稿をシェアしてしまった人々はやがて友人たちからのコメントでそのことを指摘され、あわてて投稿を削除することになる。Facebookはこうした嘘ニュースの投稿をニュースフィードから排除する取り組みを進めている。

Onion〔日本の虚構新聞〕のような風刺サイトの記事は大量にシェアされているし、Facebookもそういう嘘ニュースのシェアを禁止しようとしているわけではない。ただし、ネタ記事にひっかかってシェアしている投稿の表示数を減らし、さらに「これは嘘記事かもしれない」という警告を表示することにした。

長年にわたってFacebookでは数ヶ月置きに「Facebookがユーザーの投稿に著作権を主張している」ことを非難するバイラルの波が押し寄せ、そのコピペがニュースフィードに氾濫する。これはまったく馬鹿らしい。Facebookがそんな主張をしたことはないし、そもそもソーシャルメディアへの投稿には著作権など成立しない。

Facebookはこうしたデマがどのように伝搬するんのか調査し、レポートを公表したことがある。今回Facebookはそうした研究を生かして、デマ、ネタ投稿の拡大を抑制するアルゴリズムをニュースフィードに組み込んだ。このメカニズムはユーザーが一旦なにかを共有してから削除する例をチェックする。また「この投稿は嘘記事だったので非表示にする」という新しいオプションを加えた。Facebookは人力で記事の真偽を判定することはしない。その代わりにユーザーの行動から統計的にネタ記事と判断するわけだ。

実はネタ記事、嘘記事の排除は一見するよりずっと重要だ。一つにはユーザーはニュースフィードにネタ記事だろうと昔のZyngaのゲーム・スパム、くだらないジョークインチキ臭い広告その他なんであれ、不快な記事を見つけるとFacebookを非難する。また共有したユーザーも非難される。そうした不快な経験はユーザーがFacebookを訪問する回数を減らす方向に働くだろう。これはもちろんFacebookのビジネスにとって好ましくない。

そのためFacebookはニュースフィードから不快、不正な投稿を排除する努力を重ねてきた。ニュースフィードに表示できるコンテンツもユーザーのアテンションも有限である以上、有害無益な投稿にスペースを占領されてはページの自然なリーチの減少を招くことになる。嘘記事を排除することはそれだけ有用な記事のスペースが増えるわけだ。

Facebookの努力で「客観的に無益、不快な投稿」が効果的に排除されるようになるのは大いに結構だが、将来は「他人の赤ん坊の写真」のように「主観的に無益、不快」な投稿をユーザーが一括フィルターできるような機能を提供してもらいたいものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


TwitterやFacebookで自動消滅型投稿を可能とするXpire、Android版が登場(iOS版もアップデート)

FacebookやTwitterといった一般的なソーシャルネットワークに比べて、投稿が自動で消去されるSnapchatなどの方がプライバシーが保護されやすいと感じている利用者も多いようだ。「自動消滅」を完全に信じてしまうことにも問題があるようだが(たとえば2014年にはSnapchatがハックされた)、しかし投稿がオンライン上にいつまでも残るよりも、その瞬間に消費されて(閲覧されて)そして消えてしまう方が良いと考えている人が存在するのは間違いない。

そうした「非永続性」を、一般的なソーシャルネットワーク上でも実現しようという試みもいくつかある。そのひとつが、今回Android版が公開されたXpireだ。Twitter上で自動消滅型の投稿が行えるようになる。

Android版は現在のところTwitterのみをサポートしている。しかしFacebookへの対応も進めているのだとのこと。以前からリリースされているiOS版はFacebook、Twitter、およびTumblrをサポートしている。

Dallasの大学生であるJesse Staufferが作ったこのアプリケーションに対してはMark Cubanがシード資金を提供してもいる。iPhone版がリリースされたのは昨年末のことだった。投稿記事に有効期限をつけ、それに従って自分の投稿を一定時期に消去することができるものだ。またキーワードで過去の投稿を検索することもでき、削除漏れにも配慮されている。

そしてなんと、新しい版では投稿「前」に不適切な内容について警告する機能も備えている。

Staufferによると、Xpireは投稿で使われている単語のリスク度合いを計算して、一定の基準を超えると警告するようになっているのだそうだ。「また、マシンラーニングの機能を搭載して、行おうとしている投稿の内容と普段の投稿の乖離具合などを判断して警告するようなこともできるようにしたいと考えています」とのこと。

FacebookやTwitter、そしてTumblrに自動消滅型の投稿機能が必要なのかと疑問に思う人もいるだろう。しかしXpireは、若者たちの間で流行る使い方を、そうした「トラディショナル」なネットワーク上でも実現しようとしているわけだ。

ダナ・ボイドも数年前、Facebook上でのコンテンツの永続性ないしそれにより何らかの事件を誘引するリスクを減じるための手段を見つけ出すだろうと述べていた。実際、Facebookのプロフィールに何も記述しなかったり、あるいは過去の投稿をすべて削除してしまうような人もいる。また、十分な時間が取れないようなときには、アカウントを一時的に使えなくしてしまうようなケースもある。

2013年のPewレポートでも、ソーシャルメディア上のコンテンツを削除してしまうという振る舞いが増えていることが報告されている。アメリカでFacebookを利用しているティーンのうち、58%が投稿の編集ないし削除を行ったことがあると回答している。また、Instagramなどでは不人気の投稿を削除するなどして、ネットワーク上でのアイデンティティを主体的に作っていこうとすることも多く為されているようだ。

コンテンツをコントロールしようとする動きは、どのソーシャルネットワークであるかを問わずに一般化しつつあるとも言えるのだろう。だが、FacebookやTwitterなど、コンテンツを削除しないことが(少なくとも現在のところ)一般的であるネットワーク上で、コンテンツを操作するためのツールというのは果たして求められているのだろうか。

Staufferによると、どうやら求められているらしい。Xpireは昨年のリリース以来「数万件」単位でダウンロードされているのだとのこと。シード資金を得たといっても微々たるもので、マーケティングや利用者獲得キャンペーンなどが行われていない中での数字としては注目に値するものだと思う。

今後の目標としては、エンゲージメント率を高めるような機能を充実していきたいとのことだ。ごくたまに行う「ソーシャルネットワークの大掃除」の時だけでなく、日々のソーシャルネットワークツールとして使われるようにしたいと目論んでいる。

「ソーシャルメディア上のコンテンツを閲覧するのにかかる時間を減らしたいと考えています」とStaufferは言う。「多くの人は毎日、膨大な時間をコンテンツ消費に充てています。私たちはコンテンツ閲覧に効率性をもたらすためのソリューションを実現しようと考えています。自分の投稿が閲覧され得る時間をコントロールするだけでなく、コンテンツ消費にかかる時間そのものをコントロールするようなツールに育てたいのです」とのことだ。

ソーシャルメディアを閲覧する時間を減らしたいというのも、多くのティーンが望んでいることだとする話題の投稿もある。十代の若者が、友達たちのソーシャルネットワーク上での行動様式などについて記したものだ。記事の中で、若者の間ではInstagramが人気で、その理由のひとつは流れてくるフィードの量が適切であることだと書かれている。Xpireは、他のソーシャルネットワーク上においても、フィードの「シンプルさ」を実現しようと考えているのだろう。

Xpireは無料で、Android版はこちらにある。アップデートされたiOS版はこちらからダウンロードできる。

(訳注:日本語処理の問題なのか、訳者のAndroid版では正常に動作しないようでした)

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、社内SNSを構築するエンタープライズ・アプリ、 Facebook At Workをベータ公開

半年前、われわれはFacebookがエンタープライズ市場を対象とした新しいプロダクトをFB@Workというコードネームで開発中であると報じた。今日(米国時間1/14)、FacebookはiOS版とAndroid版のアプリとウェブ版の新しいサイトをFacebook At Workとして公式にデビューさせた。

Facebook At Workは企業が自社の社員を対象としたプライベート・ソーシャルネットワークを構築するためのプラットフォームだ。このソーシャルネットワークはUIも機能も通常のFacebookとほぼ同様に機能する。

Facebook At Workは現在、iOS版のみダウンロード可能だが、Android版が公開され次第、リンクをアップデートする。ただし、どちらのバージョンも限定ベータ版で、一部の招待企業のみ利用できる。Facebook At Workの詳細についてはわれわれの記事を参照。

何か質問があったとき、小さな会社なら誰に聞けばいいかはすぐ分かる。しかし会社が大きくなるに連れ、社員全員の名前はもちろん、それぞれがどんな仕事をしているのかを覚えておくことは不可能になる。一方で社内コミュニケーションのチャンネルは雑多なノイズで溢れるようになる。こうした課題を解決するため、Facebook At Workはエンタープライズにおける新しい社内コミュニケーションと共同作業のプラットフォームを提供する。

Facebook At Workでは社内の同僚のプロフィールが通常のFacebookの友達のプロフィールのように表示される。社員の投稿はアルゴリズムによって重要性、関連性の高い順にフィルターされてニュースフィードに表示さる。これによって緊密な社内に情報共有とコミュニケーションのためのコミュニティーが構築されるわけだ。

Facebook At Workの概要

Facebook At Workのアプリは現在、iOS版がこちらからダウンロードできる。(Androidもすぐに公開予定)。ただし実際に機能させることができるのは当面、限られたパートナー企業に限られている。アプリのリリース・ノートとFacebookのヘルプ・ページにやや詳しい解説がある。

Facebook At Workは「ユーザー企業にとって最新かつ重要性の高い情報」を選択し、さらに個々のユーザーに関連性の高い投稿でニュースフィードを構成する。またチャット(グループチャットを含む)、Facebookグループ、全社対象のイベント招待などの機能が提供される。Facebook At Workではコンテンツは社内ユーザー全員に公開される。通常のFacebookにあるような細かい公開範囲の設定はできない。

このプライバシー設定はこのバージョンのFacebook At Workの弱点だ。すべての投稿は全社員に公開されてしまう。またFacebookによれば「Facebook at Workの社内管理者はそのコンテンツのすべてにアクセスできる」としている。つまりボスはチャットの内容も読むことができる。

アップデート:企業はこちらのフォームからFacebook At Workへの参加を求めることができる。

適材適所

エンタープライズ向けのチーム作業のためのソフトウェアはこれまでにも数多く現れている。しかしSlackやConvoはメンバーのプロフィール表示機能が貧弱で、その人物が何をしているのか(したがって自分の質問に答えてくれそうか)を知ることが難しい。

スタートアップなどの小企業では格別のツールを用いなくてもコミュニケーションのチャンネルが閉塞することはない。しかし大企業となると、単なるプライベート・チャット以上の本格的SNSが必要になる。Facebook At Workの責任者、Lars RasmussenはTechCrunchに対して、このプロダクトは主として社員100人以上の企業を対象としていると語った。

こちらはTechCrunchのFacebook At Work紹介記事

TechCrunchのスタッフ記者は25人前後だ。それでも誰がウェアラブルに詳しいのか、テレコム企業の事業開発分野の専門家は誰なのか、私にはととても覚えきれない。われわれはConvoを使っているが、「この問題は誰に質問すればいいのか」ということを知るための手がかりになる情報を置いておく場所がない。もちろん必要な情報を的確に取り出せるような検索機能もない。もし記者が50人から100人もいたらどの記者がどの企業に詳しいかなどとうてい分からないだろう。

Facebook At Workがあれば、各記者の専門や関心分野、過去に取材したことがある企業などの情報を一瞬で知ることができる。

この場合、得られる情報はLinkedInのプロフィールに載っているような漠然とした「スキル」のようなものではない。そこでたとえば、「誰かコンピュータ・ビジョンのフローモーション分析に詳しい人はいませんか?」というように社内に助けを求めることができるだろう。

社内の情報チャンネルから雑音を取り除く

社内SNSとしてはTwitterスタイルのコミュニケーションを提供するMicrosoft Yammer のようなプロダクトもあるが、Facebook At Workにはライバルが追いつくのが難しいような機能が数多くある。過去8年にわたって、Facebookはノイズをフィルターしてユーザーにとって役立つ投稿を選択してニュースフィードに表示するアルゴリズムを改良してきた。

全社あるいは部門全体をカバーするチャット・サービスのユーザーは大量のノイズ情報に悩まされている。ジョーク、愚痴、その他自分には関係ない会話が溢れ、重要な情報が埋もれてしまう。

一方で共同作業ツールのSlack、Asana、Hipchatその他はメールを代替することを目的としている。そのため非常に苛立たしい特徴がある。メールの受信トレイ同様、どうでもいいようなメッセージが大量に送りつけられてきて、重要な情報を選り分けるためにムダな時間を費やすことになってしまう。会社が大きくなればなるほどこの雑音は耐え難いまでに増えていく。

Facebook At Workの最大の利点は、個々のユーザーにとって重要な情報を選択するフィルター機能だ。 RasmussenがWiredのインタビューで語ったところによれば、Facebook At Workのニュースフィードは、もっとも頻繁にコミュニケーションを取っている同僚からの投稿、多くのユーザーが「いいね!」した投稿を優先的に表示するる。

Facebookは過去にフィルターが強すぎだという批判を受けたことがある。ビジネス版では業務遂行上必須な情報が隠されてしまわないよう対策が取られているという。これが正しく機能すれば、無駄な時間を使わず快適に社内コミュニケーションが取れることになるだろう。

Facebook At Workは「Facebookを使っていると仕事とプライベートがごっちゃになる」というFacebookに投げかけられている批判に答えられるものになるだろう。At Workにはプライベートで利用するFacebookアカウントのプロフィールとはまったく別個のものとすることができる。しかしFacebookは過去にプライバシー方針が定まらず試行錯誤を繰り返した歴史がある。この点は大企業のCIOの懸念となるだろう。

Facebook At Workのニュースフィードが企業内コミュニケーションにどのような影響を与えるか、ベータテスト企業からのフィードバックが待たれる。

会社が大きくなるに連れて成長も社内コミュニケーションも減速し、市場の変化への対応も鈍くなる。官僚主義がはびこり、働いても楽しくない会社になりがちだ。

Facebookがスタートアップであったのはもうだいぶ前のことになるが、Facebook At Workは多くの大企業にスタートアップの空気を再導入する助けとなるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+