愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerのAWS復帰要求を裁判所が却下

連邦裁判所は保守系ソーシャルネットワークのParler(パーラー)が、自社サービスをAWSでホストするようAmazon(アマゾン)に強制しようとする訴えを却下した。Parlerの貧弱な法的主張を見た人なら大方想像がつくように、法廷は本訴訟を「おぼろげで事実と異なる憶測」にすぎず介入を正当化する理由はないと裁定した。

ワシントン州西連邦地方裁判所に提出された訴訟でBarbara Rothstein(バーバラ・ロススタイン)判事は、ParlerによるAmazon(アマゾン)とTwitter(ツイッター)が反トラスト行為を共謀し、AWSが契約を破ったとする主張を支持する材料がいかに貧弱であったかを説明した。

反トラストに関して、Parlerは何ひとつ提示することができず、シャーマン法に反する共謀についても同様だった。

主張を裏付けるために提出された証拠は薄弱であり、AWS側は異議を唱えている。重要なのは、Parlerは、取引制限のためにAWSとTwitterが意図的に、あるいはそもそも、行動をともにしたという証拠を提出していないことである。

【略】

実際、ParlerはTwitterがAWSから優遇措置を受けているという不安を募らせる以上のことをしていない。

AmazonはAWSはTwitterをホストしていることさえなく、その計画はあるもののクライアントについて、他のクライアントに話すことを防ぐ厳格なルールが定められていると説明した。これだけでParlerの浅薄な主張を疑うに十分である、とロススタイン氏は指摘した。

契約違反について、Parlerは本訴訟の中で、自分の側が契約に違反したことを事実上認めているが、カスタマーサービス契約第7.2節(b)(i)に定められている問題の修復に30日の猶予を与えるという取引条件をAmazonが破ったと主張している。しかしそれはそもそも無関係だった。

Parlerは、直後に続く第7.2節(b)(ii)で、AWSが契約を「通知直後に」終了し認められており修正の機会を与えなくてよいことを、争うどころか認識もしていなかった。

つまり30日間の猶予は、Amazonが望まなければ適用されない。この条項は緊急性のない事象にに関するものだと思われる。契約違反の主張は否定された。

Parlerによる、「Amazonは政治的敵意に動機づけられた」という主張も、同様に筋が通っていない、と判事はいう。

Parlerは、この主張のいくつかの要素を裏づけるための基本的事実を提示していない。最も致命的なのが、上で延べたようにAWSの行為が不適切な目的あるいは不当な手段によるという不十分な憶測しか提起していないことである。

【略】

反対に、現在得られている証拠は、AWSによるカスタマーサポート契約の終了は、Parlerの重大な違反に対応した結果であることを示唆している。

Parlerはほかにも、もしAWSのサービスが復帰しないと「修復不可能な損害」を受けると主張しており、実際ロススタイン氏には、一連の出来事の結果Parlerが「消滅」に直面する可能性があるという同社の主張を否定する理由がない。ただし「Parlerの修復不可能な損害に関する主張は、『損害の大部分は金銭的に補償可能』であるとParlerが認めていることで著しく弱まっている」とだけ語った。

つまり金で解決する、すなわちそれは「修復不能」ではないという意味だ。

その他の法的、技術的側面についてロススタイン氏は、Parlerの主張は根拠がなく、Amazonの主張の方がはるかに強力であると述べた。たとえば暴力的で憎悪に満ちたコンテンツを強制的にホストさせられることはAWSの評判を傷つけ、おそらく、修復不可能でさえある。

同じくこの種の訴訟で重要なのは、判事は訴訟全体の価値に基づいて裁定を下すのではなく、サービスを復旧するための差止請求に示された主張と証拠のみに基づいて判断することだ。

「誤解のないようにいうと、裁判所はこの時点でParlerによる実質的な基本的主張を棄却していない」。つまりこれは主張の内容を否定するものでも、それが実質的であることを仮定するものでもない。しかしParlerは、この種の法的介入の根拠を示すために必要なものを提示する には「程遠かった」。

本訴訟は次期日程に継続される、もしParlerが自身で警告した「消滅」にその時点で直面していなければだが。

Rothstein Order on Parler i… by TechCrunch

関連記事:AWSが愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerに対し日本時間1月11日午後のサービス停止を通告

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ParlerAmazonAWSソーシャルメディア

画像クレジット:TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonに大打撃を与えるインドRelianceによるFutureの資産買収を同国証券取引所が承認

インドの証券取引所は、インド時間1月20日午後、同国の小売大手であるReliance Retail(リライアンス・リテイル)による、Future Group(フューチャー・グループ)の34億ドル(約3521億円)の資産買収を承認した。これはAmazon(アマゾン)にとって大いなる打撃となる。Amazonはこれまで世界第2位のインターネットマーケットであるインドに対して65億ドル(約6731億円)を投資しており、前述の大手2社間の買収を阻止しようとしていた。

ボンベイ証券取引所(BSE)は通知の中で、インドの市場規制当局であるインド証券取引委員会(SEBI)と協議をしたが、この買収についての反対や異論は特に出されなかったと述べている。

この1月20日の通達は、インドの2大小売チェーンであるFuture GroupとReliance Retail間の数十億ドル(数千億円)規模の買収を阻止しようと、SEBIとインド公正取引委員会に嘆願を行っていたAmazonにとっては、最も新しい打撃となった。2020年、インドの公正取引委員会(Competition Commission of India、CCI)は両社の買収合意にゴーサインを出していた

今回の通知には「当証券取引所はここに、上場規定内での上場 / 上場廃止/ 上場継続要件に関係する事項に照らして、特に反対意見はなかったことをここに通知し、同社がNCLT(会社法裁判所)へ申請を行うことを認める」と書かれている。SEBIはFutureに対して、現在進行中のAmazonとの訴訟のさまざまな情報を、取引の承認を保留しているNCLTに提出するように助言した。

Amazonは2019年に、当時1億ドル(約103億4000万円)以上と評価された取引で、Future傘下の未上場企業1社の株式の49%を購入していた。その取引の一環として、Futureはライバル企業に資産を売却することはできないことになったはずだと、Amazonは法廷で主張してきた。

Future Groupの最高経営責任者であり創業者のKishore Biyani (キショア・ビヤニ)氏が、最近のオンライン仮想会議で、事態が変わったのは、2020年の新型コロナウイルスパンデミックが、Futureを現金不足に追い込んでからだと語っている。2020年8月にFuture Groupは、インド最大の小売チェーンを運営するAmbani(アンバニ)氏のReliance Industriesとの間で小売、卸売、物流、倉庫事業を34億ドル(約3521億円)で売却することで合意したことを発表した。

Amazonはこの取引に対して、シンガポールの仲裁人を介して抗議を行い、裁判所に対してこのインドの小売大手の間の取引を阻止するように求めた。Amazonは2020年10月下旬に、シンガポールの仲裁裁判所から、Future Grpupの売却を一時的に阻止する緊急命令を得た

仲違いした両社は、2020年にデリー高等裁判所で争ったが、そこではFutureとRelianceの間の取引に対して、Amazonが規制当局や他の公的期間に懸念や撤回を求める要請を出すことを一時的に差し止めてほしいとする、Futureからの嘆願が拒絶された。これは米国の大企業Amazonにとってのかすかな希望となった。

Amazonの広報担当者は、同社は法的救済措置を追求し続けるとTechCrunchに語っている。「BSEとNSEが発行した書簡には『調停の草案』(提案された取引)に対するSEBIのコメントが、現在進行中の仲裁やその他の法的手続きの結果に従うべきであると明記されています。私たちは、私たちの権利を行使するための法的救済措置を引き続き追求していきます」と広報担当者は述べている。

ここで争われているのはインドの小売市場だ。コンサルタント会社BCGと地元の取引グループであるインド小売業協会によれば、インドの小売市場は2019年の7000億ドル(約72兆3000億円)から2025年には1兆3000億ドル(約134兆4000億円)に膨れ上がると推定されている。オンラインショッピングは、インドの小売業全体の約3%を占めているに過ぎない。

関連記事
インド最大の小売Reliance Retailが2番手Future Groupの事業を3580億円で買収
Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資
Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認
インドの裁判所がリテール大手Future GroupのパートナーAmazonに関する請願を却下

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonReliance RetailFuture Group買収インド

画像クレジット:Noah Seelam / AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:sako)

アマゾンがバイデン新大統領の新型コロナワクチン接種公約に同社リソース提供で協力

Jos Biden(ジョー・バイデン)氏が第46代米国大統領に就任したことを受けて、Amazon(アマゾン)は新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの提供に向けた政権の目標達成に対して支援を行う。TechCrunchに送られた声明中で、Worldwide Consumer部門CEOであるDave Clark(デイブ・クラーク)氏はバイデン大統領とKamala Harris(カマラ・ハリス)副大統領を祝福する一方で、「最初の100日間で1億人の米国人にワクチンを接種するというあなたの政権の目標を達成するために、支援を提供します」と約束した。

この覚書は、バイデン大統領が2020年12月の記者会見でパンデミック対策チームのメンバーを紹介した際に掲げた誓約に言及している。同大統領は「最初の100日間では、新型コロナウイルスウイルスは終息しないでしょう。それは約束できません」と述べた。「私達はこの混乱にすぐに陥ったわけではなく、またすぐには抜け出せないでしょう。それには時間がかかります。しかし100日間で病気の経過を変え、米国の生活をより良いものに変えることができると、私は確信しています」。

最近では、新型コロナウイルスの疫学者タスクフォースのメンバーであるMichael Osterholm(マイケル・オスターホルム)氏がこの目標を「野心的であり実行可能である」と発言し、その取り組みを強化するには時間がかかるだろうと付け加えている。

クラーク氏は声明の中で、倉庫や他の労働者が必要不可欠な労働者として数多く雇用されたように、このウイルスに対するAmazonの対応について詳しく説明している。提供されているリソースには、オンサイトでワクチンを投与できる医療提供者との契約が含まれる。

「私たちはAmazonの施設でワクチンをオンサイトで投与するために、認可された第三者の労働衛生ケア提供者との契約を結んでいます」とクラーク氏は述べている。「私達はワクチンが利用可能になったときに、迅速に対応できるように準備しています。さらに当社の業務、情報技術、コミュニケーション能力および専門知識を活用して、政府の予防接種の取り組みを支援する準備ができています。私たちのスケールは新型コロナウイルスとの戦いに対して、即座に意味のある影響を与えることを可能にし、この努力を支援する準備ができています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazon新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:Photo by Mark Makela/Getty Images / Getty Images

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Amazonプライム会員の解約手続きがわかりづらいと欧米の消費者権利団体が苦情

Amazon(アマゾン)が、意図的に「Amazonプライム」の解約プロセスに摩擦を加えている、いわゆるダークパターンを使用していると、欧米の16の消費者権利団体から標的にされている。これらの団体は、規制の介入を促すために協調的な行動を取っている。

そのうちの1つであるノルウェーの消費者協議会(NCC)は、eコマース大手のAmazonが提供する有料会員サービスであるAmazonプライムの解約プロセスを「操作的」で「不合理に面倒」と表現した報告書を発表した。このリポートはイーグルスの名曲に出てくる歌詞をもじって「You can log out, but you can never leave(ログアウトはできるが、退会はできない)」という題が付けられている。

「有料会員を解約するのは、最初に申し込みした時と同じように簡単であるべきです。Amazonは顧客の邪魔をしたり、顧客を騙して必要のない有料サービスを継続させたりするのではなく、良いユーザー体験を促進するべきです」と、NCCのデジタル施策担当ディレクターであるFinn Lützow-Holm Myrstad(フィン・リュッツオ=ホルム・ミルスタッド)氏は声明で述べている。

「このような行為は、消費者の期待と信頼を裏切るだけでなく、欧州の法律に違反していると考えています」と、同氏は付け加えた。

プライム会員はAmazonの武器の中で重要なツールであり、確実に定期的な収益を生み出すと同時に、無制限の「無料」お急ぎ便配送(マーケットプレイスの商品では対象となる一部に適用される)というニンジンを使って、ユーザーが自分から何度も購入したくなるように仕向けている。

Amazonがプライム会員に「甘い汁」として用意している特典には映画、テレビ番組、音楽、ゲームのストリーミング配信や、会員限定のお得なショッピングプログラム、会員限定セールなども含まれている(特典の内容は市場によって異なるが)。

しかし、会員が解約しないように「縛る」ような雰囲気も確かにあり、それが苦情の元になっている。実際に契約を終了するボタンを見つけるためには、複数のメニューを間違いなくたどっていく必要があり、まぎらわしい言葉で書かれた複数の選択肢から選び、様々な気を散らすおよび / もしくは無関係なインタースティシャル(間に挟まるページ)を見せられ、ページをスクロールしなければならない。

そして忘れてはいけないのが、これは有名な「1クリック」ボタンの特許を取得した会社であることだ。消費者のお金を会社の利益に繋げるためには、極めて簡単なプロセスを用意しているのだ……。

NCCは以下のような動画を作成し、Amazonがプライム会員を解約から翻意させるために仕かけたダークパターンを説明している。この動画には、プライム会員を解約しようとして悪戦苦闘させられるユーザーがアニメで描かれているのだが…いや、正直にいってなんともわかり難い。

Amazonの何度もクリックを強いるプライム会員解約の手順に対する苦情はデンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、スイス、ノルウェー、米国の消費者団体によって訴えられており、様々な国および地域の消費者保護法が関係する。

たとえばNCCの訴状では、ノルウェーのマーケティングコントロール法(Marketing Control Act)を参照している。これはEUの「不公正な取引慣行に関する指令」を実行するもので、訴状の中で説明されているように、「サービス提供者が異なる市場でどのようなマーケティング、商業慣行、サービス条件を使用することが許されるか」の枠組みを定めている。

「マーケティングコントロール法第6条は、不公正な商行為が禁止されているという指令第5条の一般条項を実行するものです。不公正な商法を構成するものは第6項の第2段落で定義されており、消費者に対する『善良な商習慣』に違反し、それがなければ消費者がしなかったであろう決断をするように仕向け、消費者の金融行動を大幅に変えることができる場合には、その商法は不公正であると記されています」と、NCCは主張している。

協調的な苦情の中には、それほど型式張ったものではなく、消費者保護機関に調査を促す書簡の形をとるものもある。たとえば米国では、FTC(連邦取引委員会)に「Amazonの行為を調査し、FTC法第5条に違反していないかどうかを分析するように」求めている。

ドイツの消費者保護機関であるVZBVは、Amazonプライムの解約手順を現在評価中と我々に語ったが、ノルウェーの苦情とは「少し違う」と指摘しており、この問題について裁判所に差止命令を出すかどうかはまだ明らかになっていないと述べた。

「他の消費者団体とは異なり、私たちは当局に訴状を送っているわけではありません」と、VZBVの広報担当者は付け加えた。「私が勤務するドイツ消費者団体連合会(VZBV)は、法的な警告を発したり、停止および差し控えの要求が満たされない場合には、消費者保護法を侵害する企業を自らの権限で訴えることができます。今回の訴えに十分な法的価値が認められる場合には、そのようにしていきたいと考えています。しかし、先ほど申し上げたように、まだ完全に決まったわけではありません」。

我々は、Amazonにプライムの解約手順に対する苦情についてコメントを求めたが、それはオンラインでの「数回のクリック」または「簡単な電話」だけで済むと主張し、プライム会員の解約を不明瞭かつ困難にしているということは否定した。

以下がその声明の全文だ。

Amazonはプライム会員がいつでも解約できるように、オンラインで数回クリックするだけ、簡単な電話をするだけ、または会員オプションで自動更新をオフにするだけで、解約できるようにしています。お客様の信頼は、当社のすべての製品とサービスの中心にあり、当社の解約プロセスが不公正であるとか、不確実性を生むという主張は受け入れられません。当社は、プライムサービスと会員の生活をより快適にする数々の方法に大きな誇りを持っていますが、お客様がいつでも簡単に退会できるようにしています。オンラインの解約手順では、解約することで受けられなくなる特典やサービスの全貌をご紹介しています。

消費者団体が結束して、大手テック企業に怪しげな慣行を変えるよう圧力をかけることは、新しい現象ではない。たとえば2018年に遡ると、多くの欧州の団体が、Google(グーグル)による位置情報の「欺瞞的な」収集行為に対する苦情を取りまとめた。1年近く前にアイルランドのデータ保護委員会が正式な調査を開始しており、これは現在も継続中だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazoneコマース

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾン傘下Ringの近隣住民監視アプリ「Neighbors」にバグ、投稿者の位置情報や住所に流出の可能性

Ring(リング)の「Neighbors(ネイバーズ)」アプリにセキュリティ上の欠陥があり、このアプリに投稿したユーザーの正確な位置情報や自宅の住所が暴かれる可能性があることがわかった。

Amazon(アマゾンに)10億ドル(約1040億円)で買収されたビデオドアベルとホームセキュリティのスタートアップであるRingは、2018年にその機能をスマートフォンで利用できる単独のアプリとしてNeighborsをリリースした。Neighborsは、Nextdoor(ネクストドア)やCitizen(シチズン)のような近隣住民による監視アプリの1つで、ユーザーが匿名で近くの住民に犯罪や治安の問題を警告することができる。

ユーザーの投稿は公開されているが、アプリに投稿者の名前や正確な位置情報は表示されない(多くの場合、投稿にはRingのビデオドアベルや防犯カメラで撮影された動画が含まれている)。しかし、今回発見されたバグにより、アプリに投稿したユーザーの位置情報を取得することが可能になっていたことがわかった。その中には犯罪を報告しているユーザーも含まれていた。

とはいえ、流出の可能性を指摘されたデータが他のアプリを使用している人に見られていたというわけではない。だが、このバグは、ユーザーの緯度経度や自宅住所などの隠しデータをRingのサーバーから取得していた。

もう1つの問題は、すべての投稿が、ユーザーが新しい投稿を作成するたびに1つずつ増加するサーバーによって生成された固有の番号に関連付けられていたことだ。この番号はアプリのユーザーからは見えないようになっているものの、連続した投稿番号が使用されるため、投稿者が今はその近くの場所にいなくても、以前の投稿を辿ってその位置情報を簡単に列挙することができた。

Ring Neighborsアプリ(左)、サーバーから取得された位置情報などのデータ(右)(画像クレジット:TechCrunch)

Neighborsアプリには、2020年末までに約400万件の投稿があった。

Ringはこの問題を修正したと述べている。

「Ringでは、お客様のプライバシーとセキュリティを極めて真剣に考えています。この問題に気づいてからすぐに修正しました。この情報が不正にアクセスされたり、悪意を持って使用された証拠は確認されていません」と、Ringの広報担当者であるYassi Shahmiri(ヤッシ・シャミリ)氏は述べている。

約1年ほど前には、GizmodoがNeighborsアプリで同様のバグを発見したことがある。このバグによって隠された位置情報が明らかになり、Gizmodoは全米の何万人ものRingユーザーを地図上に表示してみせた。

Ringは現在、同社のスマートカメラがハッキングされたことで、死の恐怖や人種的中傷にさらされたと主張する数十人の人々からの集団訴訟に直面している。このハッキングに対して、Ringは二要素認証のような、ハッカーがユーザーのパスワードを使ってユーザーのアカウントにアクセスすることを防ぐ「最善の方法」を使用していなかったユーザーに責任があるとしている。

ハッカーがRingのアカウントに侵入するためのツールを作成し、1500以上のユーザーアカウントのパスワードがダークウェブ上で発見されたと報じられた後、Ringはすべてのユーザーに二要素認証を必須にした

Ringはまた、住宅所有者のドアベルカメラの映像にアクセスできるように同社と提携している全米の数百におよぶ警察署との癒着関係について、公民権団体議員からますます高まる批判にも直面している。

関連記事:1500個以上のRingのパスワードがダークウェブ上で発見

カテゴリー:セキュリティ
タグ:AmazonRing

画像クレジット:Jessica Hill / AP

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンが車やアプリ、ゲーム向けAlexaアシスタントを企業が独自開発するためのプロダクトを新たに提供

Amazon(アマゾン)は、企業がAlexaの基盤となっているテクノロジースタックを利用して独自の音声、スキル、ウェイクワードを持つインテリジェントアシスタントを開発できるようにする。これを最初に利用するのはFiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)だ。

米国時間1月15日に発表されたAlexa Custom Assistantという新しいプロダクトは、Alexaアシスタントと共存し、協調して動作する。理論的に自動車メーカーは、ドライバーがクルマと関連する特定の製品やサービスを使うときには自社製のアシスタントで操作し、他の用途ではAlexaの音声アシスタントと統合するように構築できる。Amazonは例として、ドライバーがAlexaに車の窓を開けるように頼むとそのリクエストは自動車メーカーのアシスタントに転送され、自動車メーカーのアシスタントにオーディオブックを読み上げるように頼むとそのリクエストはAlexaに転送されると説明している。

そう、つまり、あなたの次のクルマにはAlexaが2つあるかもしれない。

動作の様子を示す動画が公開されている。

Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー)はAlexa Custom Assistantを利用する初の企業だ。Amazonによれば、フィアット・クライスラーブランドのインテリジェントアシスタントは一部のモデルの車に統合されるという。

ただしAmazonが売り込もうとしている相手は自動車メーカーだけではない。Amazonは、モバイルアプリやスマートホーム、ゲーム、家電にインテリジェントアシスタントを組み込めると説明している。Alexa Custom AssistantはAlexaのテクノロジースタックをベースにしている。カスタムのウェイクワードは、Alexaのウェイクワードを開発するのと同じプロセスで作る。Amazonは、企業がAlexaの音声科学の専門家に相談しながら録音のプロセスや高度な機械学習アルゴリズムを使う音声の開発を進められるよう支援する。開発者はAlexaにあらかじめ組み込まれたコミュニケーション、ローカル検索、交通情報、ナビゲーションなどの機能を利用して商用化までの時間を短縮することもできる。

Amazonは、企業がインテリジェントアシスタントを自社の顧客に効率よく低コストで提供できるようにすることがこの新しいプロダクトの狙いだと述べている。インテリジェントなAIアシスタントの開発は複雑で、通常は開発サイクルが長く、ゼロからの開発にもその後のメンテナンスにもリソースが必要だとAmazonは説明する。

もちろんこれは、たとえAlexa以外の名前で呼びかけられるものだとしても、Alexa搭載デバイスを増やす方策の1つでもある。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:AmazonAlexa

画像クレジット:Emmanuele Contini / NurPhoto / Getty Images

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

AmazonがQAnonの陰謀論に関連する製品を排除

Amazon(アマゾン)は、QAnon(キューアノン)関連の製品を同プラットフォームから排除する取り組みを開始した。

同社広報担当者は、これには数日かかる見通しだと話している。同社のシステムを回避して製品を展示しようと試みる販売者は、全Amazon店舗での販売禁止などの処分の対象となる。

この禁止措置のニュースは、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が最初に報じた

Amazonは、先週の米連邦議会議事堂で発生した暴動でQAnon支持者らがその存在を誇示していたことを受け、QAnon支持者が販売している製品を閉め出すことで、米国で最も新しく人気の高い陰謀論を排除しようとしている。

AmazonのQAnon関連製品の販売禁止措置は、同社のウェブサーバーとクラウドサービス・プラットフォームからParler(パーラー)を排除する決定に続くものだ。

販売禁止措置は、QAnonを支持する自費出版本、衣類、ポスター、ステッカー、その他QAnonの陰謀論に関連する商品に適用される。

Amazonには「いかなる人物または団体に対するものであれ、ヘイトや暴力の奨励、扇動、賞賛」を訴える製品の販売を禁じる規約があると同社はいう。

米国時間1月11日に同プラットフォームをざっと検索してみたところ、QAnon関連製品の一部はまだ販売が続けられていた

WWG1WGA(Where We Go One We Go All、我々は全員で団結に向かう)というQAnonのスローガンで検索すると、7ページにおよぶQAnon関連製品が現れた。

非常に疑わしいQAnonの陰謀論は、さまざまな陰謀論のごちゃ混ぜから生まれ出た後、2017年に掲示板4chanで広く知られることになった。

その出現により陰謀論は保守派活動家の注目を集め、支持者は先週に議事堂を襲った暴徒の中でかなり目立っていた。同じ週、少なくとも1人のQAnon信者が議会に出席していたにも関わらずだ。

AmazonによるQAnon関連製品の販売禁止措置は、以前TechCrunchもお伝えしたように、その活動が初めて暴力に発展したときから、何年も何年も何年もかかった。

QAnon信者が関わった犯罪行為には、ニューヨークのスタッテン島でのマフィアのボス殺人未遂事件フーバーダム近くにかかる橋の武力封鎖などがある。

また陰謀論支持者たちは、ハッシュタグ「#savethechildren(子どもを救え)」をジャックし、子どもの擁護者を装い公の場で極端な思想を振りまくなどして、合法的な児童の安全を守る活動の妨害も犯している。それ以前にQAnonを出入り禁止にしたFacebook(フェイスブック)は、この妨害活動を受けて、2020年末に同ハッシュタグの使用を制限している。

関連記事
AWSが警告どおり米保守系が集うParlerへのクラウドサービス提供を停止
陰謀論組織Qアノンを支持する共和党議員がジョージア州で当選、国政へ
Facebookが陰謀論の隠れみのとして使われるQAnon懸念でハッシュタグ「save our children」の使用を制限
Facebookが陰謀論の隠れみのとして使われるQAnon懸念でハッシュタグ「save our children」の使用を制限
Facebookは全プラットフォームで米国の陰謀論グループQAnonを締め出しへ

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonQAnonアメリカ

画像クレジット:Photo by Stephanie Keith/Getty Images) / Getty Images

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

米上院議員クロブシャー氏、アマゾンのフィットネストラッカーHaloについてプライバシー面の懸念を表明

ミネソタ州選出のAmy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員は、Amazon(アマゾン)が新しく発表したフィットネストラッカーのレビューを受け、公開書簡を出している

クロブシャー上院議員は米国保健福祉省のAlex Azar(アレックス・アザー)長官宛に、「最近寄せられる報告から、Halo(ヘイロー)が個人の健康に関する、大変広範囲にわたるプライベートな情報にアクセスできることについて懸念せざるを得ません」と書き送ったのだ。そして、「ヘイローは、市販のコンシューマー向け健康デバイスの中でも前例のない規模の個人情報を収集すると考えられます」と危惧した。

このフィットネストラッカーに対する懸念を表明したのは、同議員が初めてではない。2020年8月のデバイス発表時に、人々が眉をひそめたのは事実だ。しかし、常時オンのマイクや装着者の全身ボディスキャン機能を搭載するこのデバイスに疑問を呈した人々の中で、彼女は製品に対して実際に行動を起こせる立場にある数少ない一人だ。

同議員は、TechCrunch(テッククランチ)とのインタビューの中で「私は今もFitbit(フィットビット)を着けていますよ」と述べた。それからすぐに訂正し、 「あら、今朝は着けるのを忘れていたみたい。 なんてこと。 フィットビットは、ほぼ毎日着けています。しばらく着けない時期があったんですが、2月からは大体ずっと着けています」と語った。

もちろん同議員だけではない。Pew(ピュー)が2020年1月に出したレポートによれば、米国では成人の約5人に1人がスマートウォッチかフィットネストラッカーを普段から装着している。筆者自身も着けているし、読者の中にも少なからずおられるだろう。ヘイローは一線を越えてしまったとする見方もあるかもしれないが、トラッカーにおけるプライバシー侵害の懸念はヘイローに始まったことではない。同議員は、ヘイローが収集するデータの規模が「何らかのルールと規制の必要性を感じさせるものだった」とはいえ、トラッカーの分野において全体的に監視と規制の強化が必要だ、とした。

「規定が必要だと本当に思います」とクロブシャー上院議員は述べる。「保健福祉省に書簡を送るのは、保健領域のデータのプライバシー保護について同省にもっと大きな役割を担ってほしいからですが、健康に関する個人情報が守られるためには、保健福祉省と連邦取引委員会の間で、何らかの規定を策定する必要があります。アマゾン・ヘイロー・バンドはその最たる例にすぎず、同様の問題を抱えるデバイスは他にいくつもあるのです。この点で、州レベルでの規制などはすでにありますから、あと必要なのは合衆国基準です」。

同議員が送った書簡では、アザー長官と保健福祉省に対し、健康データの保護において同省が果たす役割に関する4つの質問が提起されている。アマゾン側の言い分は、大きく次の2点だ。まず、ボディスキャンと会話検出はオプション機能であること、そしてローカルに格納されるこれらのデータに同社が直接アクセスすることはできないという点である。

クロブシャー上院議員が送った書簡について尋ねたところ、アマゾンから次のような回答が返ってきた。

「アマゾン・ヘイロー・バンドに関する質問の件につきましては、クロブシャー上院議員の事務所とやり取りさせていただいているところですが、当製品の設計と製造において、大前提にあるのはプライバシーです。ボディスキャンの『Body』や音声収集の『Tone』は任意選択の機能であって、製品の利用に必須ではありません。また、アマゾンはボディスキャン画像や収集された音声サンプルにアクセスできないようになっています。本サービスのプライバシーに対する取り組みは透明性の高いものであり、詳しくはアマゾン・ヘイロー・バンドのプライバシーホワイトペーパーにてお読みいただけます」。

クロブシャー上院議員は、「(書簡は)特に健康に関する個人情報の保護や、セキュリティとプライバシーの確保を求めているんです」と述べる。「それらすべての手段を講じているとアマゾンが言っているとしても、この分野に関わるすべての企業に対するルール作りは必要です」。

個人の健康情報に関するプライバシー保護が注目を集めるきっかけとなったのは、2019年11月にGoogle(グーグル)が21億ドル(約2100億円)でフィットビットを買収する計画を発表したことだ。その時は、この買収は2020年のどこかの時点で成立するものと思われていた。しかしフタを開けてみれば、その見込みは楽観的すぎたようだ。2020年8月の証券取引委員会への届出の際に、フィットビットは買収の成立が2021年5月にまで延びる可能性を示したのだ。

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックもこの遅延の一因になったと考えられるが、グーグルが直面している最大のハードルは政府の承認だ。Amnesty International(アムネスティ・インターナショナル)をはじめ、多くの団体や個人がこの買収に対する懸念を表明している。欧州連合(EU)は、この買収によって「グーグルが広告の提供と表示のパーソナライズに活用できるデータが、すでに掌握している膨大なデータに加えて、さらに増加するため、グーグルのオンライン広告市場における支配的地位をより強固なものにする恐れがある」と8月に判断した。

この買収に関する調査が行われ、今週ついに欧州委員会は買収へのゴーサインを出したが、これには重大なただし書きが付いている。グーグルに課せられた最大の条件は、フィットビットの健康関連データを10年間はターゲティング広告に利用しないというものだ。また、EUは期間後に、この保護措置をさらに10年間延長する権利を留保している。

クロブシャー上院議員は、プライバシーに関する条件を課すことは必須だと考えていることを述べ、「条件が十分かどうかは、事実に基づいて、米国の規制当局がこの米国で判断すべきだと思います。データサイロを作成することになって良かったです。(……)それと、合併に対する調査を大いに強化することが必要だと思います。合併のタイミングを狙って、反競争的行為として許可を与えないか、条件を課した上で許可するようにすべきなのです」と語った。

独占禁止法違反への監視強化は、同議員にとって重要なプロジェクトになっている。2019年8月には、コネチカット州選出のRichard Blumenthal(リチャード・ブルメンソール)上院議員とともに、独占行為を抑止するための法案を提出しており、新大統領の着任後に法案が通過することを希望しているところだ。

「新たな会期が重要な転機になるでしょう」とクロブシャー上院議員は述べた。「トランプ政権のもとで、これらの重要な問題が取り上げられました。遅かったですが、最終的にはやるべきことをやってくれたのです。ただ、市場の独占に対処するための法律を実際に成立させるほど力を傾ける余裕が、トランプ大統領にはありませんでした。それで、これはバイデン政権と次期司法長官の仕事になると思います」。

とはいえ、テック企業の規模と影響力を有意に抑えるには、買収時点での規制当局の調査を強化するだけでは不十分だ。多くの事案において、その規制ポイントははるか昔に通過してしまっている。

同議員も、「今後の独占的な吸収合併について考えればいい、というものではありません」と述べ、次のように続けた。「すでに起こったことも見直すのです。Facebook(フェイスブック)訴訟はそういうことですし、グーグルの訴訟も、見る角度によってはそういうことです。 他にDoubleClick(ダブルクリック)などの事案もありますが、問題の大部分は、独占力がどのように行使されているか、という点です。過去の吸収合併について訴えられることもありますが(フェイスブックの事案がそうです)、『排除行為』と呼ばれる反競争的な行為について訴えられる可能性もあります」。

フィットビットユーザーの上院議員がインタビューの結びに付け加えたのは、彼女は決してアンチテクノロジー派ではない、ということだった。「イノベーションってすばらしいと思うんです。私もいつも利用しています。まあ、オンライン注文で愉快な体験をしたこともありますよ。今、家には900グラムのメープルヨーグルトが6個もあるんです。冷蔵庫に入れていた小さいパッケージのものと勘違いして、買ってしまいました。 イノベーションはすばらしいものだとは思いますが、競争を許容しても同じようにすばらしいと思います。むしろ、さらに良くなりますよ」。

関連記事:あなたのプライバシーを守ってくれるウェブブラウザー拡張機能6選

カテゴリー:セキュリティ
タグ:プライバシー アマゾン フィットネス

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

フルHDながらリモコン付きの格安ストリーミングデバイス「Fire TV Stick」(第3世代)

Fire TV Stick」(第3世代。税込4980円)は、Amazonのストリーミングデバイスで最も安価なエントリーモデル。上位モデルとして4Kに対応した「Fire TV Stick 4K」(税込6980円)、処理能力が高いキューブ型の「Fire TV Cube」(税込1万4980円)がラインナップされているが、Fire TV Stickは上位モデルより優れている点がある。それは最新モデルということで、新UI、新機能がいち早く提供されていること。というわけで本稿では、Fire TV Stickのおさらいをしつつ、新UI、新機能についてレビューしていこう。

Amazon「Fire TV Stick」(第3世代)。参考価格は税込4980円

Amazon「Fire TV Stick」(第3世代)。参考価格は税込4980円

メジャーバージョンアップされた「Fire OS 7.2.2.8」を採用

Fire TV Stick1.7GHz/クアッドコアのプロセッサー、8GBのストレージを搭載。OSは「Fire OS 7.2.2.8」を採用している。Fire TV Stick 4KのOSは「Fire OS 6.2.7.7」なので、Fire TV StickのOSはメジャーバージョンアップされているわけだ(それぞれ2021年1月4日時点)。

Fire TV Stickのソフトウェアバージョンは「Fire OS 7.2.2.8」

Fire TV Stickのソフトウェアバージョンは「Fire OS 7.2.2.8」

通信機能はWi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.0 + LEをサポート。同梱の「Alexa対応音声認識リモコン」はFire TV Stick本体とBluetooth経由で接続するが、テレビをコントロールするために赤外線(IR)送信機能も搭載されている。

サイズ/重量は、Fire TV Stick本体が86×30×13mm/32g、リモコンが142×37×16mm/43.4g。このほかにHDMI延長ケーブル、USBケーブル、電源アダプター、単4電池2本、スタートガイドが付属する。

Fire TV Stick(第3世代)同梱品一覧

Fire TV Stick(第3世代)同梱品一覧

Fire TV Stick(第3世代)本体のサイズ/重量は86×30×13mm/32g

Fire TV Stick(第3世代)本体のサイズ/重量は86×30×13mm/32g

端子は、HDMI出力とmicroUSB(電源用)を用意

端子は、HDMI出力とmicroUSB(電源用)を用意

Alexa対応音声認識リモコンには、左上から電源、音声認識、ナビゲーション、選択、戻る、ホーム、メニュー、早戻し、再生/一時停止、早送り、音量アップ、音量ダウン、ミュートボタンを配置。また、音声認識ボタンの上にマイクが内蔵されている

Alexa対応音声認識リモコンには、左上から電源、音声認識、ナビゲーション、選択、戻る、ホーム、メニュー、早戻し、再生/一時停止、早送り、音量アップ、音量ダウン、ミュートボタンを配置。また、音声認識ボタンの上にマイクが内蔵されている

ACアダプターの仕様は、入力100-240V~0.15A、出力5V 1A、容量5W

ACアダプターの仕様は、入力100-240V~0.15A、出力5V 1A、容量5W

Fire TV Stick 4K、Chromecastとの違いは?

Fire TV Stickを、比較的価格帯が近いストリーミングデバイスであるFire TV Stick 4K、「Chromecast with Google TV」(税込7600円)と比較してみよう。下記に映像、オーディオ規格の違いをまとめてみた。

映像、オーディオ規格の違い

最大解像度がフルHDであること以上に大きな違いが、Fire TV StickのHDR方式にDolby Visionが含まれていないこと。実際にFire TV StickとFire TV Stick 4KでNetflixのDolby Vision対応コンテンツを見比べてみると、ダイナミックレンジ云々以前に色合いがまったく異なっている。Dolby Vision対応テレビで制作者の意図通りの映像を観たいのなら、Fire TV Stick 4K、またはChromecast with Google TVを選ぶべきだ。

フルHDながらリモコン付きの格安ストリーミングデバイス「Fire TV Stick」(第3世代)

対応サービスの違い

一方、Fire TV Stick/Fire TV Stick 4Kと、Chromecast with Google TV最大の違いは対応サービス。

Netflix、Amazonプライム・ビデオ、YouTube、Hulu、U-NEXT、AbemaTV、TVer、Spotifyなどほとんどのメジャーサービスはどちらでも利用できるが、YouTube MusicはFire TV Stick/Fire TV Stick 4Kに非対応、Amazon MusicはChromecast with Google TVに非対応だ。自分が利用している全サービスに対応しているストリーミングデバイスを選ぶか、どちらのストリーミングデバイスにも対応しているサービスに乗り換えるか悩ましいところだ。

Apple TV(Apple TVアプリ)はFire TV Stick/Fire TV Stick 4Kで利用できる。2021年1月4日時点では、Chromecast with Google TVはApple TVに対応していないものの、今年初旬からサポートすることが<a href="https://blog.google/products/google-tv/apple-tv/"  width=

Apple TV(Apple TVアプリ)はFire TV Stick/Fire TV Stick 4Kで利用できる。2021年1月4日時点では、Chromecast with Google TVはApple TVに対応していないものの、今年初旬からサポートすることが2020年12月16日に発表されている

新世代Fire TV Stickの新UI、新機能の使い勝手は?

さて、Fire TV Stickの新UIは目的のコンテンツにたどり着くまでの時間が着実に短縮されている。旧UIはホーム画面の上に項目を配置し、下にコンテンツのサムネイルがずらりと並ぶメニュー構成で、長いスクロール操作を強いられていた。

その点、新UIはメインメニューが画面中央に配置され、まずは左右移動で「ライブラリ」「ホーム」「探す」「ライブ」「アプリ」などの項目を選び、それに応じて切り替わる画面下のサムネイルからコンテンツやアプリを選択する構成に変更されている。

また旧UIでは「ジャンル一覧」がサムネイルの最下層近くに配置されていたが、新UIではメインメニューの「探す」の中に「映画」「TV番組」「キッズ&ファミリー」「アプリストア」の大カテゴリーを用意。さらにその下部に「おすすめカテゴリー」として、「アクション」「サスペンス」「アニメ」「お笑い」「バラエティ」「ドラマ」「ホラー」「日本映画」「時代劇」「韓国ドラマ」などを配置している。旧UIのジャンル一覧よりもカテゴリーが具体的なので、より絞り込まれたコンテンツから好みの作品に出会えるはずだ。

これは旧UI。画面上に、検索、ホーム、ライブ、マイビデオ、映画、TV番組、アプリ、設定が並ぶ

これは旧UI。画面上に、検索、ホーム、ライブ、マイビデオ、映画、TV番組、アプリ、設定が並ぶ

これが新UI。画面中央に、アカウント切り替え、ライブラリ、ホーム、探す、ライブ、アプリ、設定と並んでいる。このメインメニューで選択項目を切り替えると、画面下側のサムネイルが変化する

これが新UI。画面中央に、アカウント切り替え、ライブラリ、ホーム、探す、ライブ、アプリ、設定と並んでいる。このメインメニューで選択項目を切り替えると、画面下側のサムネイルが変化する

「探す」の中に、音声やテキストによる「検索」と、「映画」「TV番組」「キッズ&ファミリー」「アプリストアな」どの大カテゴリー、より具体的な「おすすめカテゴリー」が配置されている

「探す」の中に、音声やテキストによる「検索」と、「映画」「TV番組」「キッズ&ファミリー」「アプリストアな」どの大カテゴリー、より具体的な「おすすめカテゴリー」が配置されている

「ライブ」では、ライブ対応アプリの前に「番組表」やチャンネルがサムネイル表示されるようになった

「ライブ」では、ライブ対応アプリの前に「番組表」やチャンネルがサムネイル表示されるようになった

「マイビデオ」は「ライブラリ」に変更。「ウォッチリスト」と「購入とレンタル」だけが表示されるシンプルな構成になった

「マイビデオ」は「ライブラリ」に変更。「ウォッチリスト」と「購入とレンタル」だけが表示されるシンプルな構成になった

マイメニューでアプリを選択すると、対応アプリならコンテンツが画面下に表示され、すぐに視聴を開始できる

マイメニューでアプリを選択すると、対応アプリならコンテンツが画面下に表示され、すぐに視聴を開始できる

しかし、メインメニューで「Netflix」や「YouTube」を選択してもコンテンツは表示されなかった(2021年1月4日時点)。早期対応に期待したい

しかし、メインメニューで「Netflix」や「YouTube」を選択してもコンテンツは表示されなかった(2021年1月4日時点)。早期対応に期待したい

新たに搭載されたのが「プロフィール」機能。最大6つまでプロフィールを登録可能で、プロフィールごとにダウンロードしたアプリ、その表示順、視聴履歴、ウォッチリストを管理できる

新たに搭載されたのが「プロフィール」機能。最大6つまでプロフィールを登録可能で、プロフィールごとにダウンロードしたアプリ、その表示順、視聴履歴、ウォッチリストを管理できる

フルHDながらリモコン付きの格安ストリーミングデバイス

前述のとおりFire TV Stickは、Amazonが販売する最廉価のストリーミングデバイスだ。参考価格は税込4980円だが、11~12月のタイムセールでは税込3480円、1月のタイムセールでは税込3980円で販売されていた。最大解像度はフルHDだが、音声認識リモコン付きのストリーミングデバイスとして他社の追従を許さない価格設定といえよう。

関連記事
Amazonが新デザインのホーム画面公開、2020年9月発売の新「Fire TV Stick」から適用開始
2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢
アマゾンのFire TVでもAlexa定型アクションが利用可能に
新しいChromecastはリモコンと新しいGoogle TVのUIを搭載して約5000円で年内登場
アマゾンから新「Fire TV Stick」と低価格「Fire TV Stick Lite」が登場、双方向ビデオ通話やZoom対応も視野に
朗報!YouTubeがFire TVに、AmazonプライムビデオがChromecastとAndroid TVに相互乗り入れ

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Amazon / アマゾン(企業)Amazon Alexa(製品・サービス)Amazon Fire TV(製品・サービス)ガジェット(用語)Google Chromecast(製品・サービス)レビュー(用語)

アマゾン、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガンのヘルスケア合弁事業が正式に終了

やや漠然としているが、注目度が高く多額の資金を得られる可能性のあるジョイントベンチャーが終焉を迎えようとしている。CNBCの報道によると、Amazon(アマゾン)Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)の3社で設立されたジョイントベンチャーであるHavenは設立から3年が経過した現在、「解散」されようとしているという。主な理由の1つは、各パートナーがそれぞれのヘルスケアの課題に対して明らかに非常に異なる独自の戦略的アプローチを追求していたことであり、そもそもこの合弁事業はあまり 「共同」 ではなかったことだ。

Havenの広報担当者はCNBCに提供した声明の中で、プライマリケアへのアクセスの改善や従業員が把握しやすい保険給付パッケージなど、長年のパートナーシップから得られたいくつかの良い結果を強調した。一方アマゾンは、ワシントン州の施設の従業員のための社内ヘルスケアプログラムであるAmazon Careプログラム(未訳記事)で、独自に多くの成果を挙げた。

Amazon Careには、バーチャルと対面でのプライマリーケアの受診と処方箋の発行が含まれる。同社はこのサービスを他の事業にも拡大することを検討していると報じられており、これは当初のHaven JVと非常によく似た目的で、サービスを実際のビジネスにすることを目指していることがうかがえる。

正直にいうと、このジョイントベンチャーの設立に関する最初の発表では詳細があまり明らかにされておらず、非常に裕福な人々がクラブでキャビアや北極の氷から蒸留されたミネラルウォーターなどを飲みながら過ごしたカジュアルな午後に、共通の問題について話し合ったときに生まれるものの1つのようだったので、それが実践的なものにならなかったことは驚くに値しない。

関連記事:Amazon、JPモルガン、バークシャー・ハサウェイがヘルスケアへ――当面社員向けの福利厚生サービス

カテゴリー:ヘルステック
タグ:AmazonBerkshire HathawayJPMorgan Chase

画像クレジット:IIIerlok_Xolms

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アマゾンが米国で第4位のポッドキャストネットワークWonderyを買収

Amazon(アマゾン)は「Dirty John」や「Dr. Death.」などのポッドキャストを運営するネットワークのWonderyを買収(Amazonリリース)すると発表した。

Wonderyポッドキャスト(オリジナル番組を含む)のサポート(未訳記事)を追加したAmazon Musicの一部となる。発表では「リスナーにとっては何も変わりません」としており、同ネットワークのポッドキャストは今後も「さまざまなプロバイダー」から利用できる。

メディア企業やストリーミングオーディオプラットフォームはいずれもポッドキャストに大きく賭けており、Spotify(スポティファイ)はポッドキャストネットワークのGimlet(未訳記事)を、SiriusXMはStitcherを(未訳記事)、The New York TimesはSerial Productionsを買収するなど、続けて買収を行っている。アマゾンはこの市場に比較的遅れて参入しているが、他社に追いつくために人気ポッドキャストメーカーのサポートを受けることになる。

「Amazon Musicを利用することで、Wonderyはさらに高品質で革新的なコンテンツを提供でき、視聴者がどこで聴いていてもエンターテインメントと知識の世界をもたらすという使命を継続することができます」と、アマゾンは述べている。

買収の金銭的条件は明らかにされていない。アマゾンによるWonderyの買収交渉が進行中であり、評価額は約3億ドル(約310億円)だとThe Wall Street Journalは以前報じていた

このスタートアップは、2016年にFoxの元幹部のHernan Lopez(エルナン・ロペス)氏(未訳記事)によって設立された。Podtracの調査によると、Wonderyは2020年11月のポッドキャストパブリッシャーとして第4位に位置しており、米国では900万人以上のユニークリスナーがいるという。

Crunchbaseによると、WonderyはAdvancit Capital、BDMI、Greycroft、Lerer Hippeauらから合計1500万ドル(約15億円)の資金を調達している。

関連記事:NYタイムズが人気ポッドキャスト制作スタジオSerialを約27億円で買収

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazonポッドキャスト買収

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アマゾンがインドでコンピュータサイエンス教育プログラムの開始を計画

Amazon(アマゾン)はコンピュータサイエンスプログラムのFuture Engineerを世界第2位のインターネット市場であるインドに拡大する計画で、インドの教育分野に対する同社の関心の高まりがうかがえる。

アマゾンの人材募集記事によると、教育が行き届いていない子供や若者にコンピュータサイエンスを教えることを目的としたAmazon Future Engineerに関するインドでの初期調査が「現在進行中」で、採用されると地元の非営利団体や政府と連携して業務にあたることになるという。

アマゾンは人材募集ぺージの中で、このプログラムをインドで2021年に開始する予定だと述べている。同社が米国時間12月28日に発表したプレスリリースによると、Amazon Future Engineerは現在米国で提供されており、5000校、55万人以上がこのコンピュータサイエンスコースで学んでいるという。

アマゾンは人材募集に記載した業務内容の中で「Amazon Indiaは教育が行き届かず恵まれないコミュニティの子供や若者がより良い未来を築けるようサポートすることに特に注目しています」と述べている。同社にコメントを求めたがまだ回答は得られていない。

これまでにインドで65億ドル(約6700億円)以上を投資しているアマゾンはここ数年、同国の教育分野を探ってきた。2019年にはインドの一流テクノロジー研究機関に応募したい学生を支援するアプリ「JEE Ready」を公開した。JEE Readyはその後Amazon Academyとリブランドされ、無料のオンラインクラスを提供し模擬テストで学生の成績を分析している。

画像クレジット:Amazon

インドでは2億6000万人以上の子供が学校に通い、国民の多くは経済発展と生活の向上のために教育が重要であると考えている。このようなインドで成長を続ける教育市場に注目している米国企業はアマゾンだけではない。

2020年7月にはFacebook(フェイスブック)が、インドの私立および公立学校の教育を監督する政府機関である中等教育中央委員会(CBSE、Central Board of Secondary Education)と提携して、デジタルの安全性とオンライン上の健全な活動、拡張現実(AR)を生徒や教員に教える認定カリキュラムを開始した。

フェイスブックは2020年、バンガロールを拠点にオンライン学習クラスを提供するスタートアップのUnacademyにも投資した(未訳記事)。Google(グーグル)は2020年にEdTechスタートアップのCuemathに投資した(Entrackr記事)ほか、インドにおける教育体験をデジタル化するためにCBSEと連携して同国の100万人以上の教員をトレーニングし、G Suite for Education、Google Classroom、YouTubeなどのさまざまなツールを無償で提供している。

Microsoft(マイクロソフト)もインド政府のほかNational Skill Development Corporation(Microsoftリリース)やNasscom(Microsoftリリース)といった団体と協力して、100万人以上の人々のスキル向上を支援している。

関連記事
ニューヨークの130のハイスクールがAmazonの出資でコンピューターサイエンスのクラスを導入
Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資
Facebookがインドでデジタルリテラシー教育を促進
グーグルがインドの教育事業を強化、100万人以上の教員を対象にツールの提供と訓練の計画も発表

カテゴリー:EdTech
タグ:インドAmazon

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

インドの裁判所がリテール大手Future GroupのパートナーAmazonに関する請願を却下

インドの小売り大手Future Groupが同社の約34億ドル(約3520億円)の資産をMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏のReliance Industriesに販売しようとしたことを、パートナーのAmazon(アマゾン)に妨害および阻止されようとしたことに対して起こした訴訟で、インドの裁判所はFutureの訴えを退けた。それは、世界で2番目に大きなインターネット市場に65億ドル(約6730億円)あまりを投資している米国のeコマース企業に、かすかな希望をもたらしている。

Future Groupは、パートナーのAmazonが規制当局やその他の機関に懸念を申し立ててインドの2つの大企業間の取引を停止させようとすることを禁じる暫定差し止め命令を求めていた。デリーの最高裁は米国時間12月21日に、Amazonが「修復不可能な損害の可能性」を理由として規制当局と諸機関に懸念を申し立てることを禁じることはできない、と裁定した。その取引が合法的で承認されるべきものかは、規制当局が決定するとその裁定では述べている。

しかしながら裁判所は、Future Groupの下のFuture Retailが起こしている訴訟は有効であり、Reliance Industrieとの取引の承認を求める試みも正当と裁定した。

「名誉あるデリー最高裁による、Future Retailの求める暫定差し止め命令と、緊急時仲裁人プロセスはインドの法の下では無効とする主張を退けた裁定を私たちは歓迎する」とAmazonの広報担当者は述べている。

この裁定は、AmazonとFuture Groupという冷え込んだパートナー間での賭け金の高い抗争における最新のエピソードだ。Amazonは2019年、その価値が1億ドル(約103億円)以上といわれる取引で、Futureの非上場企業の1つの49%を手に入れた(未訳記事)。その取引では、Futureは資産をライバルに売ることはできないとなっている。Amazonは、裁判所への提出文書でそう述べている。

2020年の新型コロナウイルスパンデミックで、インドの企業がキャッシュ不足になってから事態は変わった、とFuture GroupのCEOであるKishore Biyani(キショア・ビヤニ)氏は最近のバーチャル会議で話している。Future Gropuによれば、8月に同社はアンバニ氏のReliance Industriesとの合意に達し、インド最大の小売チェーンを持つRelianceにFutureの小売りとホールセール、ロジスティクス、および倉庫業ビジネスを34億ドルで売ることになった。

数カ月後にAmazonは、シンガポールに仲裁人を立ててこの取引に抗議し、インドの小売り大手間の取引を法廷がブロックすることを求めた。Amazonは10月終わりにシンガポールで仲裁裁判に勝ち、緊急救援を確保した(未訳記事)。それによりFuture Groupは、Relianceへの売却を棚上げされた。

しかし12月21日までは、裁定がインドの法廷で有効かどうか不明だった。シンガポールの仲裁裁判所の裁定が出てから数時間後にFuture GroupとRelianceは声明で、取引を「遅滞なく進める」と発表した。

一方、Amazonはインドの監視機関であるインド競争委員会に駆け込んで、この取引をブロックするよう求めた。しかしながらインド競争委員会は、2つのインド企業間の取引を承認した。初期の聴聞でFuture Groupの弁護士は、Future Groupの取引をブロックしようとするAmazonの努力を東インド会社になぞらえた。この英国商社のインド進出により、200年近くの植民地支配が始まった。

抗争の俎上にあるのは、コンサルタント企業BCGとインドの業界団体Retailers’ Association Indiaによると2019年の7000億ドル(約72兆5000億円)が2025年には1兆3000億ドル(約134兆6000億円)になるといわれているインドの小売り市場だ。現在、インドの小売業の全売上の3%がオンラインだ。

Future Groupはまだ、コメントの求めに応じていない。

関連記事
Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資
インド最大の小売Reliance Retailが2番手Future Groupの事業を3580億円で買収
Amazonに新たな頭痛の種、インド政府がRelianceによる3580億円のFuture Group買収を承認

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Future GroupAmazonインドeコマース裁判

画像クレジット:Pradeep Gaur/Mint/Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンがマイクロソフトが獲得した1兆円超の米国防総省JEDI契約の差し止めを裁判所に要請

米国防総省が米軍に技術近代化の道筋を提供するとされていた100億ドル(約1兆300億円)、10年におよぶJEDIクラウドの契約を発表してから2年以上が経過した。Microsoft(マイクロソフト)が2019年10月に契約を獲得した一方で、Amazon(アマゾン)はその決定に抗議するために裁判所に訴え、それ以来、法的には中途半端な状態が続いている。

米国時間12月15日にはアマゾンが、マイクロソフトを選ぶという決定を差し止めるように、裁判官に求める最新の一手を法廷闘争で打ったとき、この政府調達を巡る長い物語に新たな変化が生じた。アマゾンの主張は以前にも行ったものと似ているが、今回は国防総省の再評価プロセスを狙ったものだ。この再評価時に、国防総省は契約と選定プロセスを見直した結果、マイクロソフトという決定に変わりはないと2020年9月に発表していた。

アマゾンは、この再評価に大きな欠陥があり、大統領からの不当な影響や偏見、圧力を受けていたと考えている。これを踏まえてアマゾンは、マイクロソフトが選ばれた契約の決定を差し止めるよう裁判所に求めている。

JEDIの再評価と再決定は、政治的な理由で官僚の誠実な分析と論理的思考を抑圧する政権の犠牲となり、最終的には国家安全保障と効率的で合法的な税金の使用を損なうことになる。国防総省はこの調達を客観的かつ誠実に実施していないことを改めて露わにしている。再決定は差し止められるべきである。

想像の通り、マイクロソフトのコミュニケーション担当本社副社長であるFrank X. Shaw(フランク・X・ショー)氏は、このアマゾンの主張に同意せず、自分の会社がベストプライスで落札したと信じている。

「入札で負けたアマゾンは、当社の価格設定を知らされ、当初の価格が高すぎたことに気づきました。その後、彼らは価格を下げるために入札を修正しました。しかし、すべての基準を同時に見渡したとき、国防総省のキャリア調達担当者は、優れた技術的優位性と全体的な価値を考えると、当社が最良のソリューションを提供し続けると判断したのです」と、ショー氏はTechCrunchに共有した声明の中で述べている。

アマゾンの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、「我々は単に、この契約先決定に露骨に影響を与えた技術的な誤り、偏見、政治的な干渉に関して、裁判所による公正で客観的な見直しを求めているだけです」とのことだ。

両者の立場からすれば、いい分はそうなるだろう。

国防総省は2018年に、JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)と名付けられた100億ドル、10年に渡る契約のために入札を行うと発表した。一般的な政府の契約に比べて、はるかに大規模なその金額と領域は広く注目を集め、その調達プロセスは最初から議論の的となっていた。この入札プロセスがアマゾンに有利になるように構成されていると不公正を主張する声が、特にオラクルから上がっていたからだ。

最初の発表から2年以上が経過し、マイクロソフトが当初の契約を勝ち取ってから1年以上が経過した。しかし、いまだに大手テック企業2社が互いに批判し合う法廷闘争では膠着状態が続いている(未訳記事)。どちらも譲歩しそうにないため、最終的な判断は裁判所に委ねられることになる。おそらくこれで長い戦いの物語に終止符が打たれることだろう。

【注記】国防総省はコメントを求める我々の要求に答えていない。状況に変化があればこの記事を更新する予定だ。

関連記事
ペンタゴンの100億ドル規模のプロジェクトJEDI(ジェダイ)が、クラウド企業たちを悩ます理由
AWSがマイクロソフトによるJEDI契約獲得へ異議を提出
米国防総省はMSがJEDIクラウド契約を獲得したことを再確認したがアマゾンとの戦いは終わらない
オラクルが再び敗訴、米連邦高裁は国防省の1兆円のJEDIクラウド契約は合法と判決

カテゴリー:ネットサービス
タグ:米国防総省AmazonAWSMicrosoftJEDI裁判

画像クレジット:The Washington Post / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンのProject Kuiperは3236基の衛星打ち上げに複数企業の参加を期待

Amazon(アマゾン)のデバイスとサービス担当上級副社長であるDavid Limp(デビッド・リンプ)氏を米国時間12月16日のTC Sessions:Spaceに招いて、同社のブロードバンド衛星コンステレーションProject Kuiperについて、詳しい話を聞いた。リンプ氏は、Kuiperのチームがその革命的な顧客端末で解決した技術的設計のチャレンジを詳しく共有した。彼はまた、同社のコンステレーションの打ち上げ計画についても、情報を共有。FCCが認可した現在の計画では、それは3236基の衛星で構成されるという。

リンプ氏はまず「打ち上げは誰がやってもよい」という。「誰かロケットを持ってる人をご存知だったら、お電話をください。いまがコンステレーションに適したタイミングだと思う理由の1つは、打ち上げ産業に活気があるからです。毎日のように再利用のデモがあるし、画期的な新しいエンジンのデモがある。SpaceXのRaptorがあったかと思うと、次の日にはBlue OriginのBE-4という具合だ」。

アマゾンのコンステレーションに対するFCCの認可条件の1つが、それを構成する衛星の計画量の約半分を6年以内に打ち上げることだ。相当な数であるため、速いペースが必要となる。たとえばSpaceXのStarlinkは、衛星60基の打ち上げを16回行ったが、そのうちの14回は2020年内だ。これだけのペースを達成するためには、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が個人的に所有する打ち上げ企業Blue Originにも多少の打ち上げ能力はあるが、宇宙へ行くためのライドシェアをどこかで見つけないといけないとリンプ氏はいう。

「3200個以上の物を宇宙に運ぶためには、大量の打ち上げ能力が必要だ。希望としてはそれを1社でやるのではなく、複数の打ち上げ企業にお願いしたい」とリンプ氏。

Project Kuiperが求める衛星の仕様にもよるが、Astra、Relativity SpaceそしてVirgin Orbitなど、これは新興の小さな衛星打ち上げ企業にとって大きな活躍のチャンスだ。後者は先に、打ち上げ企業の進歩について語っている。またそれは、Rocket Labのような既存の企業にとっても棚ボタかもしれない。もしかして、SpaceXも打ち上げの助っ人になる可能性がある。

別の質問への回答でリンプ氏は、Project KuiperはSpaceXのStarlinkと直接には競合しない、と述べた。世界のインターネット未供用地域は、市場としても、あまりにも広いからだ。

関連記事:Amazon子会社Project Kuiperがブロードバンド衛星ネットワーク用の小型・低コスト顧客端末を開発

カテゴリー:宇宙
タグ:AmazonProject Kuiper

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazon子会社Project Kuiperがブロードバンド衛星ネットワーク用の小型・低コスト顧客端末を開発

全地球規模のブロードバンドワイヤレスネットワークにより、これまで取り残されていた人びとや地域に低費用のインターネット接続を提供するAmazon(アマゾン)のProject Kuiperは、同社の最も意欲的なプロジェクトの1つだろう。プロジェクトは2020年にFCCの認可を得て一歩前進し、ハードウェアの重要部分のプロトタイプも作成した。それにより未来の顧客は、地上で衛星ネットワークを利用できる。

これは実際、Project Kuiperを広くアクセス可能なサービスにし、アマゾンのプロジェクトをユニークな優位性を持って業界をリードするポジションに置く開発に役立つ大きな部分を占めている。同チームが開発したプロトタイプは、無線周波数帯のKa帯で通信を行い、これを可能にする最小かつ最軽量のハードウェアだ。最大400Mbpsの速度を達成することができ、アマゾンによると将来的には改善されるという。

それをどのようにして達成し、それが最終設計にとって何を意味するのか。アマゾンのブログ記事は、設計プロセスを次のように説明している。

我々のフェーズドアレイアンテナは、異なるアプローチを採用している。アンテナの配列を互いに隣接させる代わりに我々は、小さなアンテナ素子の構造体を上下に重ねている。Ka帯でそれが達成されたことはこれまでなかった。この画期的な試みにより我々は、端末全体のサイズと重量を縮小でき、他のバンドよりも高い帯域とより良い性能で運用が可能になった。我々の設計では、デジタルとアナログの部位を組み合わせて、Ka帯のビームを頭上を通過する衛星に向けて電子的に誘導する。

その結果は、直径12インチの単一口径のフェーズドアレイアンテナとなり、レガシーなアンテナの設計に比べて1/3と小さく、軽量になった。この大幅なサイズ縮小で製造原価も同じく削減され、アマゾンは顧客により安価でインストールも容易な端末を提供できる。

画像クレジット:Amazon

その結果、アマゾンのKuiperの設計では、エンドユーザーがそのネットワークにアクセスするために必要な地上部分のインフラストラクチャの構築費用と複雑性を大幅に削減できる。またレイテンシーも低く、アマゾンが静止衛星を使って米国時間12月16日に行ったテストでは、4Kのストリーミングを送信できた。Project Kuiperの衛星は最終的に低地球軌道に乗るが、テストで使った静止衛星はその50倍遠い。

アマゾンはまだ端末の価格などを発表していないが、既存のソリューションよりも安いということをもっぱら強調している。TC Sessions:Spaceでは、アマゾンのデバイスとサービス担当上級副社長のDave Limp(デイブ・リンプ)氏に話を聞いてみるつもりだ。アンテナをはじめ、プロジェクトの細部についても話を聞きたい。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AmazonProject Kuiper

画像クレジット:Amazon

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

KDDIがAWSと5Gネットワークで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

KDDIは12月16日、AWS(Amazon Web Services)とともに、au 5Gネットワーク内で、モバイル端末やエンドユーザー向けに超低遅延アプリケーションの構築を可能にするAWSインフラストラクチャーサービス「AWS Wavelength」を東京で提供開始すると発表した。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

同サービスは、au 5Gネットワーク内にAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを配置しデータ処理することで、4Gと比べ遅延が半分以下となり、5Gの特性である超低遅延を実現可能としたもの。

AWSのAPI、ツール、機能を利用して、超低遅延が求められるアプリケーションの一部をau 5Gネットワークのエッジ部分に展開し、アジア太平洋リージョン(東京)で実行される残りのアプリケーション部分やその他のクラウドサービスとシームレスに接続させることが可能。

同サービスにより、ゲーム業界では高品質でインタラクティブ性があるクラウドゲーミングサービスの開発・提供、エンターテインメント業界では4K/8K映像の高画質なストリーミングサービスの提供など、多くのユーザーが5Gによる新たなサービスを体験できるようになるとしている。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

AWS Wavelengthは、AWSサービスを5Gネットワークのエッジに置くことで、モバイル端末からアプリケーションに接続する際に発生する遅延を最小限に低減。開発者はAWS Wavelengthを使用することで、アプリケーションを「AWS Wavelength Zone」に展開でき、アプリケーションは、端末から基地局、そしてメトロアグリゲーション拠点で実行されるAWS Wavelength Zoneまで通信すればよくなるという。

AWS Wavelength Zoneとは、5Gネットワークのエッジにある、通信事業者のデータセンター内にAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだAWSのインフラストラクチャ環境を指す。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

従来のモバイルネットワークアーキテクチャを利用したクラウドへのアクセスでは、アグリゲーション拠点間やインターネットを横断する間の複数のホップで遅延が発生していたが、AWS Wavelength Zoneはこうした状況を解消。さらに、AWS Wavelengthでは世界各国の5Gネットワークで一貫した利用体験を実現しており、開発者は馴染みのあるAWSサービス、API、ツールを使用し、次世代の超低遅延アプリケーションを構築できる。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

関連記事
AWSがウェブベースのシェル「CloudShell」を発表、AWSにコマンドラインでアクセス
5852円のAWS向けIoT開発キット「M5Stack Core2 for AWS」が販売開始
AWSがカオスエンジニアリングをクラウドサービスとして提供
AWSが機械学習のためのエンド・ツー・エンド機能を備えたSageMakerの機能を拡張
AWSが機械学習のデータ準備サービスSageMaker Data Wranglerを公開
AWSがスタートアップ支援事業「APN Global Startup Program」を拡大

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazon / アマゾン(企業)Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)AWS Wavelengthau 5GKDDI日本(国・地域)

AWSがウェブベースのシェル「CloudShell」を発表、AWSにコマンドラインでアクセス

米国時間12月15日、AWSはCloudShellを立ち上げた。それは、ウェブ上の完全な機能を持ったシェル環境で、Amazon Linux 2がベースとなっている。一部のコマンドやスクリプトをコマンドラインで動かすことが好きなデベロッパーは、今後はそれをAWS Consoleの中で行うことができる。

Amazon(アマゾン)のCTOであるワーナー・ヴォゲルス氏の説明によると、CloudShellと呼ばれるこのプロダクトは、デベロッパーにLinuxコンソールへのアクセスを与えるブラウザーベースのサービスだ。ユーザーがCloudShellのセッションを開始すると、APIの許可はユーザーがAWS Consoleにいるときと同じように、自動的に構成された状態になる。

画像クレジット:AWS

「ターミナルで仕事をするときは、多様なテストやプロダクション環境に合わせて複数のプロファイルやAPIの証明を管理することになるが、CloudShellではそれが不要だ。証明などは自動的に送られるため、CloudShellのセッションを容易に開始でき、インストールされているAWSのツールも即座に使える」とヴォゲルス氏は説明する。

AWSの通常のコマンドラインツールはすべて事前にインストールされ、またBashやPython、Node.js、PowerShell、VIM、gitなどもある。自分の好きなツールをインストールしてもよい。OSのステートは複数のセッションにまたがって存続しないので、何かが壊れたりしたら単純にリスタートできる。ただしそのために使用できる永続的ストレージは1GBまでだ。

画像クレジット:AWS

ユーザーは1リージョンで最大10までの並列シェルを無料で開くことができる。それ以上使いたいデベロッパーは、リクエストしなければならない。

現在、このサービスを利用できるAWSのリージョンは、米国東部(バージニア州北部)、米国東部(オハイオ州)、米国西部(オレゴン州)、ヨーロッパ(アイルランド)、アジア太平洋(東京)となる。もちろん、今後さらに増える。

なお、AWSと競合するGoogle Cloud PlatformやMicrosoft Azureにも、すでに同様のサービスがある。Googleはそれを「Cloud Shell」と呼び、こちらは2つの単語の間にスペースを入れる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonAWS

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSがカオスエンジニアリングをクラウドサービスとして提供

NetflixやAmazon(アマゾン)のような大企業がシステムのレジリエンスをテストしたいときは、ワーストケースのシナリオをシミュレートしてそれが実際に起きる前に問題を突き止めるカオスエンジニアリングのツールを使用する。米国時間12月15日のAWS re:Inventで、AmazonのCTOであるWerner Vogels(ワーナー・ヴォゲルス)氏が、同社のChaos Engineering as a ServiceプロダクトAWS Fault Injection Simulatorを紹介した。

マーケティング的な派手さのない名称だが、ヴォゲルス氏によるとこのサービスはカオスエンジニアリングの能力をすべての企業にもたらすという。「カオスエンジニアリングはアマゾンやNetflixのスケールで動いているショップだけでなく、誰もが取り組むべきだ。だからこそ本日、カオスの実験をクラウドで行いそのプロセスを単純化するサービスを予告できることをうれしく思っている」とヴォゲルス氏は語った。

彼の説明にもあるように、カオスエンジニアリングの目標は、アプリケーションにエラーを注入して、そのアプリケーションがどう反応するかを調べることだ。通常そのテストは、プロダクションシステム(本番システム)に対して行われる。AWSのFault Injection Simulator(FIS)は、そうしたテストをAWSの上で動くアプリケーションで動かす、完全に管理されたサービスだ。

画像クレジット:Amazon / Getty Images

「FISを使えば、安全に実験ができる。ユーザー自身が安定状態をよく知っている典型的なカオス実験のワークフローに従っている。そして仮設を立てて、エラーをアプリケーションに注入する。実験が終わると、FISは仮設が確認されたかどうかをユーザーに伝え、ユーザーはCloudWatchが集めたデータを見て改善が必要か判断する」とヴォゲルス氏の説明は続いた。

同社がこのサービスを発表するのは本日だが、ヴォゲルス氏の言い方では実際の供用開始は2021年のようだ。

なお、このようなサービスはほかにもあり、たとえばGremlinは、幅広いChaos Engineering as a Serviceを提供している。

関連記事:カオスエンジニアリングの対象をKubernetesクラスターに拡張したGremlin

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonAWS

画像クレジット:Rachael Jones

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazon Fashionが写真を元にしたカスタムTシャツ作成サービスの提供を開始

Amazon(アマゾン)は米国時間12月15日、顧客がカスタムウェアを作ることができるMade for Youという新しいサービスを立ち上げる。このサービスでは正確な寸法のカスタムTシャツを作ることができる。しかしアプリで身体をスキャンしてサイズを測定するのにモバイルテクノロジーを活用している他の企業と異なり、Amazon FashionのMade for Youサービスではカスタムフィットのための測定材料としてユーザーが身長、体重、ボディスタイルそして写真2枚を提供する。

データを提供すると、ユーザーは8通りの配色のセレクション、好みの袖とシャツの長さ、ネックライン、ファブリックを選ぶことができる。

Made for Youを利用するにあたり、ユーザーはデザインをカスタマイズするのにまず2種類のファブリックのどちらかを選ぶ。普通重量の100%ピマコットンシャツか、軽量の3種混合(56%ピマコットン、38%モダール、6%ポリウレタン)シャツだ。その後スリム、クラシック、リラックスからフィット感を選び、クルーネックあるいはVネック、半袖あるいは長袖かを決める。

おまけとしてシャツのラベルに名前をプリントすることもできる。

カスタマイズが終わると、ユーザーは発注する前に仮想ボディに着せた状態でカスタマイズしたプロダクトを閲覧できる。このカスタマイズはウェブ、Amazonアプリどちらでもできる。

カスタムシャツの値段は25ドル(約2600円)で、プライム会員だけでなく全米のアマゾン顧客が利用できる。

画像クレジット:Amazon

立ち上げにあたり、Blake Scott氏(ブレイク・スコット、Instagramフォロワー65万人)氏、Caralyn Mirand(キャラリン・ミランド、Instagramフォロワー25万3000人)氏、Sai de Silva(サイ・デ・シルヴァ、Instagramフォロワー33万人)氏らを含むインフルエンサーがアマゾンに代わって新機能を宣伝しており、同社のマーケティングで特集されている。

カスタム服はよく贅沢なものとして考えられているが、アマゾンのプロセスは手ごろなものにする。既存のサイズでは収まらないためにフィット感に悩んでいる人にとってはありがたいだろう。しかしこのサービスは同時に、Amazon Fashion事業のための顧客データを収集するための試みであることは明白だ。

しかしながらアマゾンはMade for Youを、現在展開しているオンラインショッピングの障壁をなくす取り組みの一環と位置付けている。その障壁とは今回の場合、サイズとフィット感だ。これまで同社は顧客からのフィードバックに基づいてMade for Youにより多くのスタイルとセレクションを加えたいと話している。

画像クレジット:Amazon

アマゾンは、ユーザーがスタイリングの選択肢を評価するのに役立つEcho Lookカメラで実験をするなど、何年もファッション事業に注力してきた。そしていま同社はファッションインスピレーションのための画像を「Style by Alexa」に送ったり、売上に繋げたりするのにソーシャル機能#FoundItOnAmazonからのデータを使っている。Prime Wardrobeとオプションのスタイリングサービスで、アマゾンは顧客がどんなものを着たいのかを学習し、アイテムを数回に分けて自宅で試着できるようにすることでショッピングのプロセスを自動化しようとしている。

アマゾンはAmazon Fashion事業のために収集したデータを衣服のカスタマイズ以外に使うかどうか説明しなかったが、データは安全に保管され、顧客はMade for Youホームページの上部左側にあるプロフィールのアイコンをタップしてデータをいつでも削除できると述べた。同社はまた、アップロードされた写真は保存されず、バーチャル替え玉を作って測定値を決定するのに使った後はすぐさま削除されるとも話している。

アマゾンのこうした取り組みの最終目標は、オンラインでのアパレルショッピングを向上させることであり、これは他のエリアでも応用できる可能性がある。たとえばアパレルで何十ものプライベートレーベルを構築するのに使えるかもしれない。顧客の実際のサイズにデータを加えることで、ベストなフィット感のためにどのように服をカットするかを学習することもできるかもしれない。また、後に顧客が正しいサイズを写真から選ぶのをサポートすえるシステムに取り組むことも考えられる。

Made for Youはウェブとモバイルで12月15日から米国で利用できる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazonファッションネットショッピング

画像クレジット:Caralyn Mirand

原文へ

(翻訳:Mizoguchi