アマゾンが顔認識技術を地方警察には1年間提供しないと表明、FBIへの提供についてはノーコメント

Amazon(アマゾン)はその意外なブログ記事で、同社の顔認識技術を向こう1年間警察に提供しないと発表したが、それがFBIなど国レベルの法執行機関にも適用されるのかについては口をつぐんでいる。

この一時停止措置の2日前にはIBMが書簡で「顔認識技術の市場から全面的に撤退する」と発表した。その中でIBMのCEOであるArvind Krishna(アービンド・クリシュナ)氏は、先月ミネアポリスで白人警察官がGeorge Floyd(ジョージ。フロイド)氏を殺害した事件に触れ、「正義と人種間の平等」に言及した。

アマゾンの声明はわずか102語と短く、一時停止の理由も述べていないが、議会が顔認識技術の利用を統制するより強力な規制に取り組んでいる「ようだ」という注記がある。しかしこの件についても、詳細はない。それは、今審議中のJustice in Policing Act(警察の正義法)へ法案の反応のようでもあり、これが成立すれば警察による顔認識技術の利用が制限されることになる。

アマゾンの無署名ブログ記事には「この1年間の一時停止が、議会が適切な規則を実装するための十分な時間を与えることを期待し、また私たちも、望まれれば協力したい」と書かれている。

しかし声明は、一時停止が連邦政府にも適用されるのかについては何も言及していない。同社の顔認識技術がもっとも酷評されたのは、連邦政府レベルでの利用だった。さらに声明は、1年という期間が終わったあとどうするのかについても触れていない。

同社は、自社開発の顔認識技術であるRekognitionを、移民・関税執行局など連邦政府の省庁に販売してき(The Verge記事)ことで知られている。昨年、アマゾンのクラウド部門のトップであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は「アマゾンはRekognitionを『いかなる』連邦省庁にも提供する」とインタビュー内で述べている(Rreuters記事)。

アマゾンのスポークスパーソンであるKristin Brown(クリスティン・ブラウン)氏はコメントを断り、一時停止が連邦の法執行機関に適用されるのかについても無言だった。

警察に顔認識技術を提供している企業は何十社もあるが、アマゾンはその中でも圧倒的に最大だ。同社の顔スキャン技術であるRekognitionは有色人種に対する偏向を示したため、最も注目を浴び、話題にもなった。

2018年にACLU(米自由人権協会)は、「28名の国会議員をRekogintionが顔写真データベースに載っている犯罪者と判定した」と報告(Medium記事)した。アマゾンは、ACLUが顔認識システムの信頼度閾値を下げたためだと反論したが、その1年後にマサチューセッツ州のACLUは「Rekognitionがニューイングランドのプロのアスリート27名を顔写真データベースの犯罪者とマッチさせた」と発表した。ACLUによると、どちらのテストでもミスマッチの大半が黒人だった。

1年前のアマゾンの株主総会では投資家が、同社が顔認識技術を政府機関や法執行機関に売ることを禁ずる提議を行った。しかし票決ではアマゾンが大差で勝った

ACLUは、同団体が「市民の権利と自由に対する脅威」と呼んでいるRekognitionのアマゾンによる販売休止に賛意を表したが、同社やそのほかの企業に、一時休止以上の前向きな態度を求めた。

関連記事: Amazonの株主たちが顔認識技術を法執行機関に売らないことを要請

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米アマゾン上でのマスクの価格釣り上げで3Mが悪徳業者を訴訟

Amazon(アマゾン)は、新型コロナウイルス(COVID-19)が全世界的なパンデミックになって以降のサードパーティーによる価格釣り上げを警戒すると約束している。しかしながら同社の取り組みは、同社の巨大なeコマースプラットフォームを利用するベンダーの数があまりにも多いこともありうまくいったとはいえない。今週、カリフォルニアで起こされた訴訟において3M(スリーエム)は、売り手が傷物や偽造品に著しい高価格を付けていたと主張している。

同社によると「被告はその不正なマスクに、3MのN95マスクがつけている定価の20倍以上の価格にしていた、と弊社は申し立てている。アマゾンは、被告がこれらの法外な価格を付けたものの正体を偽り、購入者が3M製でないマスクを受け取ったこと、購入した数よりも少ない数、包装が疑わしい商品、欠陥品や破損品を受け取ったことを知った。アマゾンは同社のプラットフォーム上でそれらのアカウントをブロックした」と主張(3Mリリース)している。

N95は濾過効率がたいへん良いため、現在の危機において最も需要の大きい個人防護具になっている。CDCの推奨によると、外科用マスクよりもこのマスクを推奨(CDCリリース)している。後者は多くの場合、大きな飛沫や液体の遮断に適している。一方、N95マスクは、大小の大気中微粒子の95%以上を遮断できる。そのため多くの団体が、最前線の疾病対応者のためにそのマスクを優先確保することを主張してきた。

関連記事:アマゾンが新型コロナ禍の便乗値上げ禁止の法制化を米議会に求める

アマゾンは、同社がこの訴訟に関わっていることを認め、本誌に対して「アマゾンには偽物を売ったり価格を釣り上げたりするような場所はない。3Mと協力してこれらの悪質な者たちに法的責任を課すことを誇りに思う。アマゾンは長年のポリシーとして偽造品の販売や価格釣り上げに反対してきており、疑わしい製品や言語道断な価格を事前に排除するプロセスもある。弊社のポリシーに違反している悪者を見つけたときには直ちにその製品を排除し、悪者に対してそれにふさわしい処置をとる。それは私たちがかねてから行なってきたことだが、このたび3Mのようなブランドの協力を歓迎する」とのことだ。

同社サイトによると、これまでに排除した製品は50万品目あまりで、価格釣り上げで停止したアカウントは6000件を超えている。一方、3Mのプレスリリースによれば、同社は偽造製品や不正な主張のある3000以上のサイトの削除に関わってきたという。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SlackとAWSの統合がMicrosoft Teams+Azureコンビを焦らす

SlackAmazonが米国時間6月4日の夕方、大きな統合を発表した。この統合によりSlackは通話機能にAmazon Chimeを利用することになり、また同社自身のインフラを担うクラウドサービスとして引き続きAWSを利用する。一方、Amazonは、社内コミュニケーション全般でSlackをそのためのオプションとして利用することで合意した。

Amazonのスポークスパーソンは本誌に「Amazonの一部は以前からSlackをライセンスしているが、全社員のオプションになるのはこれが初めてだ」と語った。

ここで強調しておきたいのは、この動きは確かにSaaSのコミュニケーションツールがAWSとの関係を深めたという大きな統合だが、それと同時にこの合意はMicrosoftとSlackのライバル製品である同社のTeamsへの対抗策でもあることだ。そのためクラウドではMicrosoftのライバルであるAmazon AWSと手を組んだのだ。過去にSlackのCEOであるStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は、テクノロジー大手が彼の企業を自分たちの存在を脅かすものと見ている、とからかったこともある。

いずれにしても、Teamsは巨大テクノロジー企業が作った小さなソフトウェアにすぎないが、今回の契約を上記の文脈でみないことはできない。AWSとの関係強化はMicrosoftに対するメッセージであり、インフラサービスであるAzureはAWSと競合している。

もちろんバターフィールド氏自身がそう口にしたわけではない。彼は今回の契約のシナジー効果に関する声明で「AWSと戦略的なパートナーシップを結んだことは、今後の需要に対応するスケール能力を両社に与え、顧客にエンタープライズ級のサービスを提供できるようになる。AWSのサービスをSlackのチャンネル方式のメッセージングプラットホームと統合すれば、開発チームは彼らのクラウドインフラストラクチャのプロジェクトを、Slackを去ることなく容易にそしてシームレスに管理できる」と語っている。

この契約には、AWS Key Management ServiceとSlack Enterprise Key Management(EKM)との統合による暗号キーの管理や、AWSのチャットボットサービスとの連携強化、AWS AppFlowとの直接統合などといったことも含まれている。AppFlowの統合によって、SlackとAmazon S3ストレージやAmazon Redshiftデータウェアハウスとの安全なデータ転送が可能になる。

AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏からみれば、これは純粋な統合劇だ。「AWSとSlackが共同で開発者チームに、フロントエンドのアプリケーションで迅速なコラボレーションとイノベーションの能力を与える。それと同時にバックエンドのクラウドインフラストラクチャに関しても、効率的な管理能力を与える」とジャシー氏は声明で述べている。

良好な契約の例に漏れず、これも明らかにWin-Winの関係だ。SlackはAWSに大きな顧客を獲得し、AWSはそのサービスの多くをSlackに直接統合する。エンタープライズユーザーがこれほどまでもSlackに惚れ込んでいる理由は、フォーカスをあっちこっち変えたり、いろんなインタフェイスを行ったり来たりしなくても、ただ1つの場所で仕事を完了できるからだ。

SlackとAmazonの統合によって、両社共通のユーザーにより多くのメリットをもたらし、その一方で共通の敵を焦らす。まさしく、Win-Winだ。

関連記事:SlackのバタフィールドCEOがマイクロソフトの「比較広告グラフ」を非難

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンがインド第3位の通信事業者の株式を2000億円以上で取得検討か

Amazon(アマゾン)はインドで急成長している通信市場の一端を手に入れるために、米国の同志であるFacebook(フェイスブック)と同じ道をたどろうとしているのかもしれない。

ロイターが匿名の情報源からの話として伝えたところによると、インドですでに65億ドル(約7080億円)を投資しているアマゾンは、インド第3位の通信事業者であるBharti Airtel(バハーティ・エアテル)の株式の5%を20億ドル(約2178億円)以上で取得する交渉の初期段階にあるという。

アマゾンにコメントを求めたが回答はなかった。一方のBharti Airtelは「我々は常にあらゆるデジタルおよびOTT企業と連携し、各社の製品、コンテンツ、サービスを我々の多くのお客様に提供するために深く関わっている。これ以上はお伝えする動きはない」と述べた。

Google(グーグル)がインド第3位の通信事業者であるVodafone Ideaの株式取得について交渉中(未訳記事)の模様であると報じられている中で、アマゾンはBharti Airtelに関心を持ったようだ。2020年4月にはライバルのフェイスブックがインド第1位の通信事業者であるReliance Jio Platformsの株式の9.99%を取得した。地元メディアの報道によると、Microsoft(マイクロソフト)もReliance Jio Platformsと交渉中で、20億ドル(約2178億円)の投資をする可能性があるという。

Vodafone Global GroupのMDで現在はAccloudのCOO兼パートナーであるAmit Pau(アミット・ポー)氏は、Facebookの出資はインドがテック大手にとっての新たな主戦場であることの表れだと語る。

「フェイスブックはJio Platformsとの連携によりインドのeコマース市場でアマゾンに狙いを定めて攻撃をしかけたが、これは世界最大級の企業が争う壮大な戦いの火ぶたを切ったものだ。インドの消費者はデジタル化によってより良いサービスを利用できるようになり、経済が発展するだろう」とポー氏。

米国の大手企業はこれまでに重要な海外市場であるインドの通信事業者と連携し、インドでの市場を拡大してきた。マイクロソフトはReliance Jioと連携してOffice 365を多くの中小企業に購入補助付きの価格で提供(未訳記事)している。グーグルはGoogle Cloudスイートに関してAirtelと同様の連携を続けている

インドのクラウド市場をリードしているアマゾンは、現時点では通信事業者との同様の取引はしていない。ただし過去にはBharti Airtelと連携(Business Today記事)していた。

画像:Manjunath Kiran/AFP / Getty Images(画像は加工しています)

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(翻訳:Kaori Koyama)

Amazon Airが貨物機を12機追加し地上運用を拡大

Amazon(アマゾン)は米国時間6月4日、Amazon Airに12の新しい貨物機を追加した、これによって所有する貨物機は80機以上になった。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック時による輸送需要の増加も追加が行われた理由の一因である。

改造されたボーイングの航空機767-300が、Air Transport Services Groupからリースされた。Amazonは、新しい貨物機の1機は今月にも輸送を開始し、残りは来年到着すると述べている。

また、同社はAmazon Airの地上ネットワークを拡大しており、今月からはテキサス州オースティンのオースティン・バーグストローム国際空港と、プエルトリコのサンフアンのルイス・ムニョス・マリーン国際空港に地域のエアハブを運用し、今年の夏にはフロリダ州のレイクランド・リンダー国際空港、来年にはサンベルナディーノ国際空港を開港すると述べている。また来年には、シンシナティ/ノーザンケンタッキー国際空港に新しい中央アマゾンエアハブをオープンする。

発表の中で、Amazon Global Airの副社長である Sarah Rhoads(サラ・ロード)氏は、「Amazon Airは、私たちが直面している現在とそれ以後の環境の両方で、お客様への迅速なデリバリーを確実にするために重要なものです」と語る。

Amazonは、配達の速度を上げ、サードパーティのロジスティクスプロバイダーへの依存を減らすために、2016年に自社ブランドの貨物機の運行を開始した。たとえば昨年、FedExがAmazonとのエクスプレスデリバリー契約の終了を発表した後、AmazonはAmazon Airを拡大(未訳記事)した。

在宅避難命令を受けている多くの米国人は、オンライン注文をAmazonに頼っている。同社はパンデミックに関連した需要を満たすために17万5000人の臨時雇いの労働者を投入しており、そのうち約12万5000人が今月中にフルタイムに移行する予定(未訳記事)だ。

しかし、同社はまた、労働者たちの安全性についても監視されている。先月末の時点で、Amazonの倉庫作業員8人が新型コロナウイルスで死亡した。同社は、従業員の何人がウイルス陽性であるかを明らかにしていないが、もし同僚がCOVID-19検査陽性となった場合には、ソーシャルディスタンス手法を強制し、同じ施設内の他の人びとに対して警告を行なうと述べている。13の州の司法長官(AG)たちは連名で、労働者の保護を強化するようアマゾンに要請した。

関連記事:米国13州の州司法長官がアマゾンとホール・フーズに新型コロナ禍の労働環境について公開書簡

画像クレジット: Stephen Brashear (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

アマゾンのEcho Lookは役目を終えて2020年7月には機能停止

2017年の半ばに導入されたEcho Lookは、Echoシリーズの中でも印象の薄いものであり、はっきりいえば奇妙な感じのものだった。オーナー自身のビデオとセルフィーを撮影する小さなカメラを内蔵し、機械学習を利用して服装を選ぶアドバイスをするように設計されていた。

この製品がブームにならなかったのも、実際驚くには値しない。そして発売から3年が経過した今、使命を終えることになった。Voicebot.aiが最初に指摘したことだが、Amazon(アマゾン)は顧客への書簡で、Lookが製造中止になったこと、そしてそのためのサービスはこの2020年7月に完全に終了することを通知した。

アマゾンも正式に公表したように、この3年は機械学習アルゴリズムをトレーニングするための実験と訓練だったのだろう。同社はTechCrunchに対し、以下のように述べている。

3年前にEcho Lookを導入したときの目標は、Alexaをトレーニングして、スタイルアシスタントにすることでした。AIと機械学習をファッションに適用する、まったく新しい手法です。実際にお客様の助けを借りてサービスを進化させ、Alexaが服装についてアドバイスしたり、スタイルを提案をできるようになったのです。そこで、このStyle by Alexaの機能をAmazonショッピングアプリとAlexa対応デバイスに移植し、さらに便利なものにして、より多くのアマゾンのお客様が利用できるようにしてきました。そうした理由で、Echo Lookを収束させるときが来たと判断したのです。2020年7月24日以降は、Echo Lookと、そのアプリがいずれも機能しなくなります。Amazonショッピングアプリや、Alexa対応デバイスをご利用のお客様は、引き続きAlexaからのスタイルアドバイスをお楽しみいただけます。私たちは、Alexaを通して、お客様のスタイルに関するニーズをサポートし続けることを楽しみにしています。

やはり思った通りだ。とはいえ、この製品に実際に200ドル(約2万1600円)を払った人にとっては、まったくがっかりだろう。このLookは、そもそも見た目からして、それほど世間の注目を集めるようなものには思えなかった。現在、米国アマゾンのEcho関連製品リストの中では、51番目のベストセラーと位置づけられている。もしかすると、この記事を読んで、初めてEcho Lookの存在を知ったという人も少なくないのではないかと思う。何度も言うようだが、Echoシリーズの中でもニッチな存在にならざるを得ない製品にとって、こうした運命が待ち受けていたことに、何の驚きもない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

イリノイの工場再開でRivianのアマゾン向け電動配送バンの生産は計画どおり実行

Amazon(アマゾン)、Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)、Ford(フォード)が支援する電気自動車メーカーのRivian(リビアン)は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる一時閉鎖が解除されたのを受けて、米国イリノイ州ノーマルの工場を再開させた。

一般消費者向け電気自動車R1TとR1S、それにアマゾン向けの電気配送バン10万台を生産することになっているこの工場は、従業員が段階的に戻って来ることになり再始動した。工場閉鎖の後の段階的再開ではあるが、アマゾンが5月28日に発表した声明によれば、アマゾン向けの配送トラックの生産スケジュールに変更はないとのことだ。

アマゾンは昨年9月、2040年までに炭素排出量をゼロにするという「気候変動対策に関する誓約」(The Climate Pledge)の一環として、Rivianに電気配送バン10万台を発注した。この電気バンを使った宅配は、最初の予定どおり2021年にスタートする。「2022年には早くも1万台の電気バンが走り回ることになり、10万台すべてがそろうのは2030年になる」と5月28日に発表した声明でアマゾンは述べている。

Rivianは、R1TとR2Tの生産開始は2021年に先延ばしした。当初は、その電気ピックアップと電気SUVの生産と出荷を2020年後半に予定していたのだが調整された。Rivianでは、以前からR1Tが先でR1Sはその後と決めている。

新型コロナウイルスのパンデミックによって部材の供給が制限され、同社はスケジュール変更を余儀なくされたためだ。しかしRivianは、R1TとR1Sの生産と出荷の時期を近づける努力をしている。

今のところ同社は、工場の内外での作業に力を注いでいる。新型コロナ禍が起きる前は、およそ335人の従業員がRivianの工場で働いていた。現在は116人が出勤しているが、残りの従業員も次第に呼び戻す予定だ。Rivianは、1人の従業員もレイオフせず、すべての従業員に給料を払い続けてきた。

およそ109人の建築請負作業員も工場に戻り、内部での作業を再開した。工場の外では、その他の120人から140人の建築作業員も、工場を約24万平方mから約28万平方mに拡張する工事を再開した。

RivianのCEOであるRJ Scaringe(R・J・スカーリンジ)氏によると、同社は4段階の新たな安全対策を導入したという。体温チェックが実施され、従業員には防護服と防護具が配布されている。

「車両のエンジニアリングとデザインの部門では、作業スケジュールを予定どおり進めるためのデジタル管理の方法を開発した」とスカーリンジ氏は話していた。

“新型コロナウイルス

画像クレジット:Amazon/Jordan Stead

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(翻訳:金井哲夫)

Amazonの倉庫作業員8人が新型コロナで死亡

Amazonの従業員8人が新型コロナウイルス(COVID-19)で亡くなった。同社は倉庫作業員の感染拡大の状況を透明化せず調査を受けているが、その最中にこの知らせは届いた。

広報担当者はこの報道内容を認め、TechCrunchに対して「オハイオ州ランダルの施設で働いていた1人の仲間を失い、私たちは悲しみに暮れています。彼女の家族と愛する人たちのことを私たちは心に留め、彼女の同僚たちのサポートを行っています」という。

検査結果が陽性だったAmazon従業員の全体数は、不明のままだ。同社は、そうした情報は公表しないという立場をとり続けている。「その数字がきわめて重要だとは考えていません」とAmazonは、以前、TechCrunchに送った声明で述べている。また、次のようにも語っていた。

感染者の割合は、私たちが操業している地域社会の割合と同じか、それ以下です。隔離者の割合も同じです。隔離者の割合は、職場の状況を知る上で非常に重要な手がかりとなりますが、それが、社会的距離の確保に向けた私たちの賢明の努力が効果を表していることを示しています。HIPPA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に触れない部分を隠そうとする業者とは異なり、私たちは現場のすべての従業員に対し、陽性の診断が出た場合には必ず警告を発しています。この警告は、従業員に直接メッセージで送られ、陽性と診断された人物が最後に施設のどこにいたかを知らせています。

透明性の欠如は、Amazonの新型コロナウイルス感染症対策にまつわる数多くの批判の中のひとつだ。

出荷センターの従業員を保護するために、できることはすべて行っているが、従業員が倉庫内でウイルスに曝露する危険性を排除するのは、適切な個人防護具を使用したとしても困難であると同社は繰り返し主張してきた。2020年5月の初め、13の州の検事総長はAmazonに対して、ウイルスに感染した従業員の数を明らかにするよう要請する書簡を送った。

「要求はしましたが、新型コロナウイルスに感染した従業員、そしてそれが元で亡くなられた方の人数について、情報は得られていません」と書簡には書かれている。「この件に関して、貴各社の州ごとの内訳を提出するよう求めます」。

今週の初め、ニューヨーク・タイムズは、ペンシルベニア州北東部に特に深刻な倉庫があると伝えた。そこでは明らかに100人以上の従業員がウイルス検査を受け陽性と診断されたという。Amazonが公表していないため、正確な数字はわからない。米国時間5月21日、ウィスコンシン州の地元紙ミルウォーキー・ジャーナル・センティネルは、ケノーシャ近くの倉庫で少なくとも30人の従業員に陽性の検査結果が出たと伝えた。

自宅待機をする米国人のAmazonの配達への依存度が高まるにつれて、多くの州が定めている「必要な仕事」の担い手として作業員たちへの依存も増している。5月中旬、Amazonは1時間2ドル(約215円)の「危険手当」の支給を5月末まで延長すると発表したが、6月には通常の給与に戻るとし、次のように話した。

従業員のみなさんへの感謝と、増大する需要の対応のために、私たちは、新型コロナ禍が始まって以来、就業初日から給与の全額支払いを続けるとともに、従業員とパートナーに8億ドル(約860億円)近くを追加で支給してきました。需要の安定を受け、来月からは業界トップクラスの基本時給15ドル(約1615円)に戻す所存です。

Amazonは、新型コロナ禍の最中に社会的懸念を招いた数名の従業員を解雇したことから、追加的な調査の対象になっている。同社はその解雇は報復ではないと否定しているが、それが新たな書簡の発行につながる十分な理由となった。今回の書簡には、Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏、Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏も名を連ねている。

画像クレジット:PHILIPPE LOPEZ / AFP / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾンが新型コロナ禍中のインドでフードデリバリーを開始

Amazon(アマゾン)は、インドでオンラインフードデリバリー市場に参入する。地元大手のSwiggy(スウィギー)とZomato(ゾマト)が新型コロナウイルスのパンデミック時代をなんとか切り抜けようと従業員を解雇(未訳)する中での動きだ。

インドに65億ドル(約7000億円)超を投資したeコマース大企業のアマゾンは米国時間5月21日、バンガロールの一部エリアでフードデリバリーサービスAmazon Foodを立ち上げた。元々は昨年開始しようと計画していたが、その後今年3月立ち上げに後ろ倒しし(未訳)、さらにはインド政府が3月下旬に全土に出した外出禁止令によって延期されていた。

立ち上げまでの準備期間、アマゾンは今年初めにバンガロールのいくつかの提携レストランとフードデリバリーサービスのテストを進めていた。

「Amazon」アプリを通じて利用できるAmazon Foodは現在バンガロール郊外のベランダ、ハラルアー、マラサハリ、ホワイトフィールドで展開されている

「『顧客から、必需品の買い物に加えでアマゾンで調理された食事を注文できれば』との要望があった。これは、安全のために外出を控えている現状と密接に関連している」とアマゾンの広報担当はTechCrunchに語った。

「また地元の事業者があらゆるサポートを必要としていることも認識している。厳選されたローカルのレストランと我々の厳しい衛生基準をクリアしたクラウドキッチンに顧客が注文できるAmazon Foodをバンガロールの一部で立ち上げる。顧客が楽しい体験をしながら安全を確保できるよう、最も厳しい安全基準を導入している」と広報担当は付け加えた。このサービスをいつインド全土に拡大するのかについては語らなかった。

同社のフードデリバリー市場への参入は、Swiggyが支援するProsus Ventures(プロサス・ベンチャーズ)や、今年1月にUber(ウーバー)のEatsインド事業を買収した(未訳)創業11年のスタートアップZomato、バンガロールで事業展開しフードデリバリーを主要事業の1つと位置付けているGoogle(グーグル)が支援するDunzo(デゥンゾー)にとって(未訳)新たな脅威となるかもしれない。

これまでに合わせて20億ドル(約2150億円)以上を調達したSwiggyとZomatoはまだ黒字化できておらず、新規顧客の獲得と既存顧客の維持のために毎月1500万ドル(約16億円)超の損失を出している。

投資会社India QuotientのAnand Lunia(アナンド・ルニア)氏は今年初め「フードデリバリー会社は顧客の大半がサービスを利用するだけの経済的余裕がないため、プラットフォームの料理のコストを助成し続けるより他に方法がない」と話していた。

収益化への道を探し出すのは、米国のように発展した国と違ってインドではかなり難しい。バンガロール拠点の調査会社RedSeerの推定では、米国では各デリバリー料理の価格は33ドル(約3600円)だが、同じような料理がインドでは4ドル(約430円)だ。

さらには、マーケットを寡占してきたZomatoとSwiggyは新たな難題に直面している。多くの人が新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオンラインでフード注文するのに慎重になっているため、4月だけでSwiggyは従業員2100人超を、Zomatoは約520人を解雇した。両社ともそれぞれのプラットフォームでの注文は今年初めには300万件近くあったが、今では100万件に満たない。

バンガロール拠点のSwiggyはクラウドキッチンのオペレーションと関連事業をさらに縮小した。一方で5月21日に同社は、ジャールカンド州ラーンチーでアルコール飲料の配達を開始している。Zomatoもまた同日からアルコール飲料の配達サービスを提供すると明らかにした。そして両社はつい最近、グローサリーの配達も開始している。

アマゾンは近年、生鮮食品やグローサリーを販売するためにインドでPrime NowとAmazon Freshのプラットフォームを立ち上げ、その過程でいくつかの都市に倉庫を設けている。

画像クレジット: Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi