TikTokが「牛乳ケースチャレンジ」の動画を禁止、危険性からユーザーを守るため

TikTok(ティックトック)は、ユーザーの間で流行している「milk crate challenge(ミルククレート・チャレンジ)」を、このトレンドに参加した人が重症を負う恐れがあるとして、そのプラットフォーム上で禁止することにした。ミルククレート・チャレンジは、牛乳ボトル用のプラスティック製ケースをピラミッド状に積み上げ、その不安定な構造の上を歩いて乗り越えようとするものだ。

同社の広報担当者は、TechCrunchに宛てたメールで次のように述べている。「TikTokでは、危険な行為を助長したり賛美したりするコンテンツを禁止しており、そのようなコンテンツを抑止するために、動画を削除し、検索するとコミュニティガイドラインにリダイレクトするようにしています。私たちは、オンラインでもオフラインでも、みなさまが慎重な行動を取るように促していきます」。

この流行に沿ったほとんどの動画では、TikTokユーザーが、その場しのぎで積み上げられた牛乳ケースの片側から上り、もう片側から降りることを目指しながらも、途中で地面に転がり落ちる様子が見られる。複数の医療従事者が、この流行と参加者の危険性について、ソーシャルメディアで懸念を表明したことから、今回の禁止措置に至った。

現在はTikTokのアプリで「milkcratechallenge」と検索すると「検索結果はありません」という表示が出て「このフレーズはコミュニティガイドラインに違反する言動またはコンテンツと関連している可能性があります。TikTokは楽しく、オープンで健全な環境づくりに努めています」と表示される。しかし、ユーザーが「milk craate」や「milk cratee」のように、ミルククレート・チャレンジに関連するキーワードを誤った綴りで検索すると、このトレンドに沿った一部の動画がまだアプリで表示されてしまうこともある。これらの動画の再生回数はそれほど多くはないものの、禁止措置の隙間をすり抜けてアプリ上に残っていることには注意が必要だ。

TikTokの人気上昇にともない、ここ数年の間に数多くの危険なチャレンジが同プラットフォーム上で流行してきた。2019年に流行した「throw it in the air(空中に投げる)」は、TikTokユーザーが何人かで円陣を組み、誰も動いてはいけないとして、自分たちの上に空中にアイテムを放り投げ、落ちてくるその物が誰に当たるかを、床に置いたスマートフォンで撮影するというものだった。2020年、このアプリで流行した「skull-breaker(頭蓋骨破壊)」は、3人が並んで立ち、一緒にジャンプするように持ちかけながら、(騙された)中央の1人がジャンプすると両側の2人が足払いして中央の人を後ろ向きに転倒させるというものだ。このチャレンジでは10代の若者が入院したため、刑事責任を問われることになった。

最近のミルククレート・チャレンジを含むこれらの危険なトレンドから、TikTokはユーザーに危害が及ぶ状況を防ぐため、行動を起こさざるを得なくなっている。

画像クレジット:Lionel Bonaventure / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターが有料の「チケット制スペース」展開をiOSで開始

Twitter(ツイッター)は米国時間8月26日、同社のライブオーディオ機能「スペース」の一部のホストが「チケット制スペース」へのアクセスを販売できるようになったことを発表した。チケット制スペースは、18歳以上で、過去30日間に3つのスペースをホストし、1000人以上のフォロワーを持つユーザーを対象に、6月に募集を開始している。

Twitterの担当者はTechCrunchに対し「すでにチケット制スペースのためにスペースをホストしている人たちと緊密に連携していきます」と述べている。Twitterは、これまでに何人のユーザーに本機能を提供したか、またいつユーザーが一般的に利用できるようになるかについては明らかにしなかった。現在のところ、iOSユーザーは誰でも、本機能にアクセスできるユーザーが主催するスペースのチケットを購入できる。

Twitterは以前、チケット制スペースから得られるクリエイターの収益の3%を受け取ると発表していた。しかし、この機能は現在iOSでしか利用できないため、Twitterは30%のAppleのアプリ内課金の対象となるため、クリエイターにはチケット販売の67%しか還元されないことになる。ただし、チケット制スペースとSuper Followsを含むクリエイターのTwitterでの生涯収益の合計が5万ドル(約550万円)を超えた場合、同社は3%の手数料を20%に引き上げる。

チケット制スペースにより、Twitterはライブオーディオの競合他社と一線を画すことになる。ClubhouseやInstagramでは、リスナーがスピーカーにチップを渡したり、ライブオーディオスペースでバッジを授与したりすることができるが、これらのアプリはチケットの事前販売はできない。

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画像クレジット:Twitter

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アダルト系SNS「OnlyFans」が性的なコンテンツを禁止する決定を「一時的に中止」

アダルト系コンテンツで知られるOnlyFans(オンリーファンズ)は、露骨な性描写を含むコンテンツを禁止すると発表してポリシーの変更を予定していたが、広く反発を受けた後、その決定を中止した。Onlyfansは特にポルノのために作られたわけではないが、性的コンテンツは、同プラットフォームで最も目につくユースケースとなっていた。

「皆様の声をお聞かせいただきありがとうございます。当社は、多様なクリエイターのコミュニティをサポートするために必要な保証を確保し、10月1日に予定されていたポリシーの変更を中止しました」と同社は米国時間8月25日にツイートした。「OnlyFansはインクルージョンを支持しており、今後もすべてのクリエイターに活動の場を提供していきます」とも。

OnlyFansの広報担当者は、TechCrunchに対しメールで「提案されていた2021年10月1日の変更は、OnlyFansがすべてのジャンルのクリエイターをサポートできるという銀行パートナーの保証により、もはや必要ありません」と述べた。

OnlyFansは以前「銀行パートナーとペイアウトプロバイダー」の要求に応じるため、ポリシーの変更を行わざるを得ないと述べていた。同社はこれらの関係者からの圧力により、プラットフォーム上での露骨な性的表現を許可しないことを決定したと示唆していたが、OnlyFansがこの原因について公表した後、現時点では問題を解決することができたようだ。

なお、OnlyFansの公式声明では、この決定が「一時的に保留」されたとあり、このポリシー変更が完全に取り消されたわけではないことがうかがえる。

OnlyFansは、最初の発表に対するフォローアップのツイートの中で「クリエイターの皆様への公式なご連絡は、まもなくEメールでお送りします」と述べていた。

性的表現を禁止するという決定は、経済的に同プラットフォームに依存していたセックスワーカーたちを苛立たせた。この方針変更を受けて、一部のクリエイターはすでにOnlyFansのアカウントを削除し、他のサービスに移行していた。今回の決定取り消しにより、クリエイターたちはこれから、OnlyFansに戻るか、それともOnlyFansを離れて他のライバルサービスを利用するか選択しなければならない。

OnlyFansは2016年に設立され、1億3000万人以上の登録ユーザーと200万人以上のクリエイターがいるとされる。このプラットフォームは、Bella Thorne(ベラ・ソーン)、Cardi B(カーディ・B)、Bhad Bhabie(バッド・ベイビー)など、複数の有名人を引きつけることに成功している(18歳のラッパーBhad Bhabieは、OnlyFansアカウントを開設してから、わずか6時間で100万ドル[約1億1000万円]以上を稼ぎ出した)。

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画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

Facebookが音声やビデオ通話機能をFacebookアプリ本体に再統合か、公式には「アプリ切り替え回数を減らすため」

Facebook、音声やビデオ通話機能をメインアプリに再統合か。公式には「アプリ切り替え回数を減らすため」

Facebook

2014年にFacebookアプリからは音声およびビデオ通話を含むメッセージ機能が削られ、すべてメッセージアプリMessengerへと移されています。それらの機能を、再びFacebookアプリ本体に統合するテストが行われていることが報じられました。

米Bloombergによると、米国を含む一部の国ではFacebookアプリから直接、音声通話やビデオ通話が可能になっているとのことです。Messengerの製品管理担当ディレクターであるコナー・ヘイズ氏は、この機能はテスト中にすぎず、FacebookユーザーがMessengerアプリに切り替える回数を減らすことを目的としていると明かしています。

またMessengerに切り替えなくてもできることを広げるため、FacebookアプリにMessengerの受信箱の限定版を追加するテストも行っているそうです。

Facebookアプリ本体にメッセージ機能が出戻ってくる可能性は、すでに2年前から手がかりが見つかっていました。当時はFacebookアプリ内でメッセージ送信しようとすると、Messengerアプリを起動するかわりに、新たな「Chats」セクションに移動する仕様でした。

上記のヘイズ氏は、FacebookがMessengerを単独のアプリではなく、サービスとして考え始めているとの趣旨を述べています。さらに「時間の経過とともに、こうしたことがかなり多く見られるようになるでしょう」とのことです。

Facebookは昨年、InstagramとMessengerのメッセージング機能を統合しましたが、いずれWhatsAppもこれらに加える予定です。

なぜFacebookは、複数アプリのメッセージ機能を統合しようとしているのか。一説には、メッセージングプラットフォームでもSNSと同様の支配を望み、長期的にはテキストメッセージやチャット以外にも使えるプラットフォームに育て上げる思惑との推測もありました

また米MacRumorsは、各アプリを深く結びつけておけば、もっかFacebookが直面している反トラスト(独占禁止法訴訟)で敗れた場合に、分割(事業分割や売却)されにくくなる可能性があるため、と示唆しています。

Facebookはメッセージ機能の統合につき、アプリの説明では「単一のアプリをインストールしていれば、他のアプリをダウンロードしなくてもいい」とユーザーの使いやすさを強調しています。が、それ以上に野心的な戦略や、最悪の事態に備えた保険の意味合いが大きいのかもしれません。

(Source:Bloomberg。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

TikTokがAR開発ツール「Effect Studio」のベータ版を米国でテスト中

Facebook(フェイスブック)、Snap(スナップ)いずれも、デベロッパーがそれぞれのアプリ向けの拡張現実(AR)体験と機能を構築できるツールを提供している。そして今、TikTok(ティクトック)も同じことをしようとしている。同社はこのほど、TikTok Effect Studioという新しいクリエイティブツールを立ち上げた。現在ベータ版をテスト中で、同社のデベロッパーコミュニティのみがTikTokのショートビデオアプリのためにARエフェクトを構築できる。

「Effect House」と名付けられた新しいウェブサイトで、TikTokは関心を持っているデベロッパーにEffect Studioへの早期アクセスを申し込むよう呼びかけている。

デベロッパーは用意されているフォームに名前、電子メール、TikTokアカウント情報、会社名、AR制作の経験レベル、作品例などを記入する。ウェブサイトはまた、Mac、PCのどちらを使っているのか(おそらくどのデスクトッププラットフォームを優先すべきか判断するためだろう)、仕事と個人使用どちらのためにEffect Houseをテストするのかを確認する。

このプロジェクトは、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏がSam Schmir(サム・シュミル)氏のヒントを得て最初に発見した。

TikTokはウェブサイトが8月初めに開設されたことをTechCrunchに認めたが、プロジェクトそのものはまだ米国を含むいくつかのマーケットだけでテストを行っている初期段階にある。

これらのツールがいつ広く利用できるようになるのか、同社はタイムフレームを示さなかった。その代わり、Effect Studioは初期の「実験」と位置付け、実験したものすべてが実際に提供されるとは限らないと付け加えた。さらに、他の実験も初期ベータ段階から一般提供されるまでの間にかなりの変化があるかもしれない。

とはいえ、ARツールセットの立ち上げでTikTokは業界のライバルとこれまで以上に張り合えるようになりそうだ。ライバルたちは新しい機能やエクスペリエンスを追加してアプリの機能セットを拡大するのにクリエイティブなコミュニティに頼っている。例えばSnapは2020年にSnapchat AR Lens構築のために350万ドル(約3億8400万円)の基金を立ち上げた。一方、6月に開催されたFacebookのF8デベロッパー会議で同社は、Spark ARプラットフォームを190カ国のクリエイター60万人超に提供し、世界最大のモバイルARプラットフォームになったと発表した

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画像クレジット:TikTokウェブサイトのスクリーンショット

TikTokもここ数年、デベロッパーツールへの投資を増やしてきた。しかし最近は自前のアプリにTikTokをより深く統合したいサードパーティデベロッパー向けのツールキットに注力してきた。今日、TikTokのデベロッパーウェブサイトはアプリ開発者がTikTok機能をアプリに加えられるようにしているツールへのアクセスを提供している。ユーザー認証フローやサウンド共有、そしてユーザーがサードパーティの編集アプリからTikTokへとビデオを公開できるようにするその他のものなどだ。

関連記事:TikTokが開発者向け新ツールの提供開始、サードパーティーアプリの統合を拡大

ただし、新しいTikTok Effect Studioはサードパーティアプリで使うためのものではない。

消費者向けビデオアプリで直接TikTokユーザーに提供される、ARエクスペリエンス(そして他のクリエイティブなエフェクト)を構築するためのものだ。

TikTokは、TikTok Effect Studioのより広範な目標を喜んで認めたが、プロジェクトがまだ初期段階にあるとして具体的なツールの詳細を明らかにするのは却下した。

「当社は常にコミュニティに価値をもたらし、TikTokエクスペリエンスを豊かなものにする新しい方法を検討しています」とTikTokの広報担当はTechCrunchに語った。「現在当社はクリエイターのクリエイティブなアイデアをTikTokコミュニティのために現実のものにする追加のツールを提供する方法を実験しています」。

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Instagramがスワイプアップリンクをやめ、使いやすいリンクステッカーを採用

Instagram(インスタグラム)は8月30日から、Instagram Stories(インスタストーリー)のスワイプアップリンクを廃止する。昔から人気があるこの機能は、企業や人気クリエイターらのストーリーを見ている人を、特定のウェブサイトへ導き、詳しい製品情報や、特別の記事、サービスへのサインアップなど、何でもやらせたいことに誘うことができる。しかし今度からは、人気のスワイプアップリンクでアクションに誘う代わりに、新たにできたLink Sticker(リンクステッカー)を利用することになる。

このステッカーは2021年6月初めから一部のユーザーでテスト中だった。そして8月30日からは、本格的に展開される。

その発表に最初に気づいたアプリ研究家のJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏によると、スワイプアップリンクをやめる計画について、クリエイターに警告していたという。

Instagramによると、スワイプアップリンクは8月30日になくなり、代わりに「リンクステッカー」を使うとのこと。ストーリーのステッカーシートを探してみたが、リンクステッカーはない(私のところはまだのようだ)。ストーリーにリンクを置けなくなるのだろうか?

Instagramによると、現在、スワイプアップリンクを使ってる人のリンクステッカーへの変換は2021年8月30日に始まる。企業と、証明済みもしくはフォロワー数が規定数に達しているクリエイターが対象だ。Instagram自身がそのフォロワー数を明言したことはないが、いろいろなところで1万名以上と報じられている。

リンクステッカーには、スワイプアップリンクよりも良い点が2つあるそうだ。

まず、クリエイターの自由度が大きい。投票や質問や場所など、リンクの性質によってステッカーのスタイルやサイズを変えることができる。最も効果的と思える場所に、自由に置ける。スワイプアップリンクと違って、どんなポストでも読者が応答や反応を送ることが可能だ。

リンクステッカーは、利用者制限ではスワイプアップリンクと同じだが、今後はもっと多くのアカウントが使えるようにしていくとInstagramはいう。ただしアクセスの拡張は、変な人が変な目的で使ったりしないよう、細心の注意が必要だ。例えばリンクステッカーを不正な情報やスパムの散布に利用する悪者がいるかもしれない。ストーリーでリンクの共有を広げるための第一歩だが、正しく利用されるようにして欲しい。

全体として、ジェスチャーからステッカーへの移行は、ポストに加える対話機能をステッカーに統一していく動きという現在のInstagramのクリエイティブに対する方針と一致している。今度のリンクステッカーも、これまでの寄付用、音楽用、投票用などのステッカーの仲間入りをする。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ウェブデザイン変更後のツイッターはアクセシビリティが不十分と専門家は指摘

米国時間8月12日、Twitterはウェブサイトとアプリのデザインを大幅に変更した。この変更は1月の新しいフォントの導入に続くもので、同社は今回の更新を「プラットフォームのアクセシビリティを向上させる」ためのものとしているが、アクセシビリティの専門家によると、これらの変更は的外れだという。

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最もわかりやすい変更点は、ツイートがTwitter独自の書体である「Chirp」で表示されるようになったことと、背景と文字のコントラストがより強調されたことだ。不要な仕切り線がなくなり、インターフェースもすっきりとした。弱視のユーザーにとって、コントラストの高いデザインではウェブサイトがより見やすくなるが、現在のコントラストレベルは高すぎて、負担になるユーザーもいる。プラットフォームのコントラストレベルは、障害者が利用しやすいウェブサイトの推奨事項を定めたウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(Web Content Accessibility Guidelines、WCAG)の最低基準をはるかに超えている。しかし、ウェブアクセシビリティは一律ではない。高コントラストのディスプレイを必要とするユーザーもいる一方で、慢性的な偏頭痛に悩むユーザーにはもっとマイルドな表示が必要かもしれない。失読症の人は、コントラストの低いテキストの方が速く読めるという研究結果もある。

デザインリサーチャーであり、The Disabled Listの創設メンバーでもあるAlex Haagaard(アレックス・ハーガード)氏は次のように話す。「アップデート後のTwitterで、すぐに目が痛くなり、30分後には緊張性の頭痛に襲われました」「慢性的な苦痛がいくつもあるので、苦痛を悪化させるようなものを使うことはできません。痛みがますますひどくなるからです」。

2020年まで、Twitterのアクセシビリティチームはボランティアベースで、同社の社員が既存の仕事に加えてアクセシビリティのプロジェクトを担当していた(TechCrunchの記事を参照のこと)。アクセシビリティを考慮しない音声ツイート機能のリリースから数カ月後の9月、Twitterは社内に2つのアクセシビリティ専門チームを導入した。しかし、専門家は、新機能を検討する際には、最初から障害者をデザインの決定に関与させることが必要だと強調する。

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「Twitterは、この状況を変えるために、アクセシビリティや障害者の視点を設計プロセスにもっと取り入れると言っていましたが、今回の結果を見ると十分な仕事をしていないようです」とハーガード氏。「研究や構想の段階で障害者コミュニティのメンバーをコンサルタントとして関与させ、全体を把握できるようにすれば、テストの際にもはや手遅れであるような根本的な問題が生じるのを防ぐことができます」。

TwitterはTechCrunchの取材に対し「プロセスの最初から全体を通じて、障害のある人のフィードバックを取り入れてきました。人によって好みやニーズが異なるため、今後もフィードバックを集めてプラットフォームがより使いやすいものになるように改善していきます。集まったフィードバックを参考に、私たちは取り組みを続けます」と述べる。

Twitterのアクセシビリティチームは、アップデート後にユーザーから報告された眼精疲労や偏頭痛などの問題を認識している。現地時間8月13日午後、同社は、ユーザーからのフィードバックを受けて、すべてのボタンのコントラストを変更し、「目に優しい」デザインに変更したとツイートした。

Adobeのインクルーシブデザイン担当であるMatt May(マット・メイ)氏は次のように話す。「デザインの作成者の発表と同時にアクセシビリティ団体がそれについて発言するのは良いことです。両者が協力していることを意味するからです。重要なのは、常に目を凝らし、枠組みから外れてしまっているグループを見つけ、システムの別の部分で彼らを取り込むことです」。

メイ氏は、このような派手な(目に優しくない)アップデートは必ず反発を招くと指摘するが、その一方で「Twitterは通常は目立たない重要なアクセシビリティの向上を行っている」と話す。例えばTwitterは最近、ユーザーが動画にSRTファイルをアップロードして字幕を追加できるようにした。また、Twitter Spacesはライブキャプションをサポートしたが、Clubhouseのような競合他社はまだこの基本的なアクセシビリティ機能を備えていない。

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これまでユーザーが利用しやすいようにカスタマイズ機能を提供してきたTwitterが、なぜ(今回のコントラストの高いディスプレイや新しいデフォルト書体の導入に)カスタマイズ機能を追加しなかったのかは疑問だ。現在、ユーザーはデフォルトのライトモード、ダークモード、ブラックモードを切り替えたり、デフォルトのフォントサイズを変えたり、ボタンやハイパーリンクの色をパープル、オレンジ、ピンクなどに変更したりすることができる。現地時間8月12日のアップデート以前にも、ユーザーはTwitterのアクセシビリティパネルでより高いコントラストのモードを有効にすることができた。しかし、コントラストを下げたり、フォントを変更したりすることはできず、専門家はこれをデザイン上の欠陥であると指摘する。初の独自書体「Chirp」では、「感情を伝えやすくする」ことを目指していたが、ユーザーは「Chirp」以前に使用されていた「Helvetica」よりも読みにくいと報告している。

マサチューセッツ工科大学の研究者であり、WCAG基準の編集者、World Wide Web Consortium(ワールドワイド・ウェブコンソーシアム)のアクセシビリティ教育およびアウトリーチリーダーでもあるShawn Lawton Henry(ショーン・ロートン・ヘンリー)氏は「ウェブサイトは、ユーザーがフォントやコントラストレベルなどを切り替えられるカスタマイズオプションを備える必要がある」という。現在のWCAGの推奨事項にはこの件は含まれていないが、同氏は「今後のガイドラインの更新では、このようなオプションの設定が推奨されるようになる」と話す。

「主な問題は、デフォルトのコントラストがWCAG基準を満たし、ユーザーがそれを変更できるようにすることです。難しいことではありませんよね?」「デフォルトのフォントがあったとしても、それをカスタマイズできるようにする必要があります。(デフォルトのフォントが)一般的に最も読みやすいフォントであったとしても、個人差があります。変更できるようにすることが重要です」とヘンリー氏。

Twitterの広報担当者は、書体やコントラストレベルを変更するオプションに関する質問に対し「今すぐ共有できる具体的な計画はありませんが、私たちは常に使いやすさを向上させる方法を検討し、フィードバックに耳を傾けています」と回答する。

ハーガード氏は「Twitterがこの件をアクセシビリティの問題として捉えていることは残念ですが、これがブランドアイデンティティの確立につながることは明らかです」と話す。

CSS(スタイルシート)を使ってウェブサイトの設定を変更するユーザーもいるが、ヘンリー氏がWorld Wide Web Consortiumのために行った調査では、ウェブブラウザや電子書籍リーダーでは、ユーザーが設定をもっと簡単にカスタマイズできる機能を提供すべきと報告されている。CSSを書けるほどテクノロジーに精通しているユーザーは限られるし、アプリごとのアクセシビリティ設定を切り替える方が簡単なのだ。前例もある。Discordは6月、アクセシビリティの設定に彩度のスライダーを追加した。

「ウェブのメリットは、紙ではないこと、そしてそれを変えることができる、ということです」(ヘンリ画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

ツイッターがプロフィール欄にRevueのニュースレターを掲載するテストを開始

Twitter(ツイッター)は2021年1月、ニュースレターのプラットフォームであるRevue(レヴュー)を買収したが、これまでTwitterへの統合は最小限に留まっていた。例えば、Twitterのスレッドを書こうとしたときに、ニュースレターのツールについて伝える「Hello, wordsmiths」というメッセージが表示されるのを目にしたことがあるだろう。

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米国時間8月19日より、TwitterはRevueのニュースレターをTwitter体験の中でより目立たせる機能のテストを開始する。ウェブやAndroidを使用している一部のTwitterユーザーは、ライターのプロフィール上で、Revueニュースレターがフォロワー数の下に表示されるようになる。「subscribe(保存する)」をクリックすると、サンプルを読むか、Twitterアカウントに登録されているメールアドレスで購読するかを尋ねるメッセージが表示される。Revueによると、この機能は近日中にiOSでも導入される予定だという。

今日、私たちはあなたのTwitterプロフィールから直接Revueのニュースレターを購読できる機能のテストを開始します。

この機能は、すべてのRevueクリエイターがすぐに利用できます。ただし、最初はTwitter上のテストグループにのみニュースレターは表示されます。

ニュースレターの市場は活気づいている。Medium(ミディアム)とQuora(クォーラ)は最近、新たな収益化の仕組みを発表した。Substack(サブスタック)は現在6億5000万ドル(約713億円)の評価を受けており、Facebook(フェイスブック)はBulletin(ブレティン)を起ち上げ、派手なニュースレターを配信している。Tumblr(タンブラー)さえも有料購読の文章で収益を上げようとしているものの、そのユーザー層はあまり歓迎していない。Twitterのプロフィールに目立つように組み込まれたことで、Revueも勢いを増すかもしれない。

RevueのライターであるJewel Wicker(ジェウェル・ウィッカー)氏は「私がRevueのプラットフォームに乗り換えた理由の1つは、私のニュースレターとTwitterのフィードをリンクさせることで、フォロワーが簡単に購読できるようになる可能性があったからです」とツイートしている。「今回、その展開が始まったことをうれしく思います」。

Revueはクリエイターの収益の5%を受け取る。さらに処理手数料として標準2.9%プラス0.30ドル(約33円)が請求される。つまり、誰かがあなたのRevueニュースレターを5ドル(約550円)で購読した場合、あなたは4.30ドル(約470円)を受け取ることになるというわけだ。これに対し、Substackでは作者の収益の10%プラス処理手数料を取っている。

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画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターがダイレクトメッセージのシステムにいくつかの改善を実施

おもしろいツイートをTwitter(ツイッター)のDMで数人の友人と共有しようとしたとき、誤ってグループチャットを始めてしまったことはないだろうか?それはあなただけではない。

Twitterは米国時間8月19日、そのダイレクトメッセージのシステムに、Quality of Life(生活の質)を向上させるいくつかの改善を、今後数週間にわたって導入していくと発表した。それらの中には、一度に複数の人に向けて、個別の会話の中でDMを送る機能などが含まれる。研究者のJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏は2021年7月、Twitterがこの機能に取り組んでいることに気づいた。

今後数週間に、いくつかDMの改善が行われます。

ツイートの共有がより簡単になったり、会話中のナビゲーションが改善されたり、他にもいろいろと……

複数の人にツイートをDMで送ろうとしたときに、誤って(気まずい)グループチャットを始めてしまうことはもうありません。同じツイートを最大20件のDMで個別に送れるようになりました。

iOSとウェブでは導入されています。Androidでも間もなく導入予定です。

Twitterサポート

このアップデートの潜在的なマイナス面は、より多くのスパムを招いてしまう可能性があることだ。一度にメッセージを送れる相手は20人までだが、それでもかなりの人数になる。そしてメッセージを受け取った人は、それがグループ送信されたスパムかどうか、判断できない。個々のDMは、1対1のプライベートなメッセージのように見えるからだ。

Twitterによると、Androidユーザーがこの機能を利用できるようになるまでには、iOSやウェブ版よりも少し長く待たなければならないとのこと。現時点ではそれがいつになるかはわからない。過去にはiOS向けアプリに採用されたDMのアップデートが、Android版に導入されるまで何年もかかった例があるからだ。しかし、これは気休めかもしれないが、DMの会話中に上へスクロールしていった際に、下矢印ボタンを押すことでクイックスクロールし、最新のメッセージに戻ることができる機能は、AndroidとiOSの両方に導入されている。

TwitterのDMに関する他の2つの改善は、今のところiOSのみで展開されている。1つはメッセージが日ごとにグループ化されるようになるというもの。個々のDMには依然としてタイムスタンプが付与されるが、Twitterはこの変更により「タイムスタンプの乱雑さが軽減される」と述べている。

そしてもう1つの改善は、iOSユーザーはDMの中で、メッセージをダブルタップするほか、長押しするだけで「リアクションの追加」メニューにアクセスできるようになった。また、友人のメッセージを長押しすると、自分のアカウントでのみメッセージを削除したり、メッセージを報告したり、テキストをコピーしたりするオプションが表示される。

画像クレジット:Twitter(screenshot by TechCrunch)

また、Twitterは同日、Revue(レヴュー)が配信するニュースレターをユーザーのプロフィールに表示する機能のテストを開始することも発表した(Twitterは2021年初めにこのニュースレターのプラットフォームを買収している)。

Twitterは先週、より顕著なUIのアップデートを公開したが、アクセシビリティの専門家は、これによってかえって見づらくなったと指摘。このアップデートから2日経たないうちに、Twitterはボタンのコントラストを変更し、Windows上で独自フォントのChirp(チャープ)に問題があることを確認した。

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画像クレジット:Nina Riggio / Bloomberg / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)a

ユーザーの声紋と顔紋を収集するTikTokの危険な計画に上院議員が「待った」

ユーザーの生体データを収集するTikTok(ティックトック)の計画は、米国議員らの懸念を呼びおこし、収集する情報の詳細とデータの利用計画を正確に公表するよう要求されている。

2021年8月初めにTikTok CEO Shou Zi Chew(周受資)氏宛に送ったレターで、上院議員のAmy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)氏(民主党・ミネソタ州選出)とJohn Thune(ジョン・スーン)氏(共和党・サウスダコタ州選出)は「ユーザーが投稿したビデオ・コンテンツから身体的、行動的特徴を含む生体データを自動的に収集」を可能にするTikTokによる最近のプライバシーポリシー変更に不安を感じていることを訴えた。

TechCrunchは2021年6月、新プライバシーポリシーの詳細を最初に報じた。その時TikTokは「顔紋(Faceprint)と声紋(Voiceprint)」を収集するために法律で「必要な認可」を取得しようとしていると語ったが、それが連邦法なのか州法なのかその両方なのかは説明しなかった(米国で生体プライバシー法があるのはイリノイ州、ワシントン州、カリフォルニア州、テキサス州、ニューヨーク州などごくわずかな州のみ)。

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クロブシャー氏とスーン氏のレターはTikTokに対し「顔紋」と「声紋」の内容と、このデータがどのように使用され、いつまで保持されるのかを明確に説明するよう要求している。さらに両上院議員は、18歳未満のユーザーのデータを集めるのか、収集した生体データに基づきユーザーに関して何らかの推測を行うのかを問い、データをアクセスできる全サードパーティーのリストを提出するよう求めた。

「新型コロナウイルスのパンデミックで増加したオンライン活動によって、消費者のプライバシー保護の必要性は増大しています」とレターに書かれている。「これはTikTokのアクティブユーザーの32%以上を占め、友だちや大切な人とのやり取りやエンターテインメントやをTikTokなどのオンラインアプリケーションに頼っている子どもたちやティーンエージャーにとっては特にそうです」。

TikTokは議員らの質問に答えるために8月25日まで猶予を与えられている。TikTokの広報担当者はすぐにはコメントしなかった。

TikTokの過度なデータ収集計画が監視対象になったのはこれが初めてではない。2021年2月、TikTokがユーザーの生体データを違法に収集してサードパーティーに提供したと主張する集団訴訟で同社は9200万ドル(約100億9000万円)の示談金を支払った。これ以前にTikTokは、アプリが未成年のデータを収集するためには親の許可を必要とする児童オンライン保護法(COPPA)に違反したことで2019年にFTC(連邦取引委員会)から570万ドル(約6億3000万円)の罰金を課された

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画像クレジット:Greg Baker / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nob Takahashi / facebook

​​​​アダルト系SNSのOnlyFansのポルノ禁止は暗号資産決済にとって千載一遇のチャンスとなる

米国時間8月19日、​​​​アダルト系SNSとして知られるOnlyFansは、2021年後半に「性的に露骨なコンテンツ」をアプリから禁止するという大規模な爆弾発言をした。OnlyFansは、アダルトコンテンツ業界を完全に破壊し、パフォーマーが購読料を通じてファンと直接つながれるようにすることで、パフォーマーにさらなる独立への道を与えていましたが、これは明らかに大きな変化だ。今回の閉鎖は、暗号業界にとっては千載一遇のチャンスでもある。暗号業界は、今回の閉鎖と、消費者に優しい暗号資産決済インフラが次々と登場する流れを利用して、決済業者の影響を受けても崩壊しないプラットフォームを作ることができる。

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OnlyFansは、ユニコーン企業の評価額で資金調達をしようとしており、巨額の収益を上げているにもかかわらず多くの問題を抱えているが、今回の根本的な変更の理由については明言していない。OnlyFansのニュースに関する声明では「これらの変更は、我々の銀行パートナーおよびペイアウトプロバイダーの要求に応じるためのものです」と述べられている。

大衆文化の中で、セックスワークやアダルトコンテンツに対する風当たりが強くなっているにもかかわらず、銀行機関は基本的に保守的で、これらのプラットフォームを経由して流れる資金を扱うことに慎重になっている。

プラットフォームを運営する企業の多くは、ある日突然、プラットフォームが金融機関の支持を失い、すべてを失ってしまうかもしれないという不安を常に抱えている。その一方で、多くのベンチャーキャピタルは「悪徳条項」によって、これらの分野での活動を禁じられており、これらのプラットフォームが成長資金を得ることができないようになっている。アダルトコンテンツのプラットフォームが、これらの金融機関と友好的な関係を築くことができないのは明らかであり、プラットフォームとそれを利用するクリエイターたちが前進する時期がきているのだろう。

多くの意味で、OnlyFansがポルノを捨てたことは、クリエイターのネットワークに対する明白な裏切りのように見える。クリエイターたちは、自分たちの後にどんな模倣者を受け入れる際に必ず覚えているだろう。支払いプロバイダーの行き詰まりにどう対処するかについて懐疑的になる可能性が高いが、野心的なプラットフォームが成長しても、これまでと異なる結果にはならないだろう。クリプトネイティブなプラットフォームではまた別の状況になる可能性も高いが、普及率が低いことを考えると、ファンがコンテンツへの支払い方法を知らない可能性のあるプラットフォームを採用することは、クリエイターにとって大きなリスクとなる。

ポルノ業界は、ゆっくりではあるが、暗号資産による支払いを受け入れている。2018年、Pornhubは初めて暗号資産による支払いの受け付けると発表した。2020年に話を進めると、VisaとMastercardはこのプラットフォームを捨てため、現在では暗号資産による支払いとACH送金が、唯一のプレミアムサブスクリプションサービスの支払い方法になっている。この分野には、CumRocketやSpankChainなど、ニッチな視聴者を対象とした暗号プラットフォームのプレイヤーがすでにいくつか存在しているが(おそらくリブランディングが必要)、OnlyFansのような絶対的な存在がいなくなったことで、既存プレイヤーや新興プレイヤーが革新を起こしてこの市場を獲得する余地が実際にあるかもしれない。

本当の課題は、従来のウェブ決済構造が非常に合理化され、無料のアダルトコンテンツが相変わらず大量に提供される中で、規制ガイドラインに準拠しながら、新しいプラットフォームと最初の暗号ウォレットの両方に新規ユーザーを簡単に組み込めるようにすることだ。暗号資産購入を検証するためにパスポートや運転免許証をアップロードするようユーザーに求める顧客(KYC)のガイドラインは、おそらく新しい暗号資産ポルノサイトを求める最も簡単なオンボーディング要求ではない。しかし市場が少し成熟し、最初のウォレットを設定するユーザーの課題がプラットフォームのオンボーディングプロセスから切り離されると、実現すべき多くの利点が出てくる。

ポルノは、常に新しいテクノロジーの発射台のようなものだ。ここ数カ月で暗号資産の人気が急上昇し、総資産が2兆ドルを超えようとしているが、人々が実際に使用しているアプリでの暗号資産普及率は極めて低いままだ。暗号資産の購入や送信を簡略化することを目的とした新しいソリューションやスタートアップが登場していることから、OnlyFansの撤退で空いた空白を埋めて、暗号資産に全面的に取り組むより革新的なプラットフォームを構築するために、ポルノ業界が最適な場所にいる可能性があるように思う。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブックが「最も人気のある投稿のランキング」を発表するも得るものなし

Facebook(フェイスブック)は、同プラットフォームで最も人気のある投稿をまとめたレポートを新たに発行した。最も実績のあるコンテンツに関して同社が意図的に曖昧にしているとする批判をかわすためだ。

Facebookの新たな「widely viewed content reports」(よく見られたコンテンツのレポート)は四半期ごとに公開され、米国で最も多く閲覧されたニュースフィード記事が3カ月ごとに反映される。これは最新トレンドの観察に役立つであろうリアルタイムのデータモニタリングではない。

この新たなデータによってFacebookは、同社のアルゴリズムがブラックボックスの中で動作しているとする批判と戦おうとしている。しかし、誤解を招くことの多いブログでの反論や、同社がシェアしてきたいいとこ取りデータと同じく、今回の透明性に対する会社のポーズは、ないよりはましだが有用とはいえない。

では、ここから何が「わかる」のか?新しいデータセットによると、2021年第2四半期に米国で人々が見た投稿の87%は外部へのリンクを含んでいなかった。これは注目には値するがあまり意味はない、なぜならFacebookには毎日のようにリンクをシェアしたり見たりしている驚くほど多くの人々がまだいるからだ。

YouTubeは予想どおり、Facebookの選んだ指標である「contents viewers」(コンテンツ・ビュワー)のトップだった。これはニュースフィードで何らかのコンテンツを見たアカウントという定義なので、あまり役に立つ詳細データとはいえない。Amazon(アマゾン)、Gofundme(ゴーファンドミー)、TikTok(ティックトック)などもトップ10に入っておりこれも驚きはない。

Facebookが最も見られたリンクを分析し始めると、事態はより奇妙になる。トップ5リンクには、NFLのフットボールチームであるグリーンベイ・パッカーズのOB向けウェブサイトや、大麻製品CBDのオンラインマーケットプレイス、クリスチャンがテーマのグラフィックTシャツの有名とおぼしきポータル、reppnforchrist.comなどが入っている。親トランプ陰謀論その他の偽情報を拡散していることで知られるサイトEpoch Times(エポック・タイムズ)の購読ページが10位にはいっているが、2匹のネコがしっぽを交差させて歩いているTumblr(タンブラー)のリンクには負けている。

画像クレジット:Facebook

Yahoo(ヤフー)とABC News(エービーシー・ニュース)は、この形でデータを切り分けたトップ20に入った唯2つの主要メディアだ。さらにFacebookは、期間中人々が最もよく見た投稿を、ほとんど無害だが奇妙なミームのリストに沿って分類した。例えば「もしあなたのVAGINA(ネコのエモジ)またはPENIS(ナスのエモジ)が、最後に見たテレビ番組や映画にちなんで名付けれたのなら、何になりますか」など。

なぜFacebookがこの方法を選んでデータを集計、表示したのか不思議に思っているなら、それはこの会社があることを証明しようと必死だからだ。つまり、同社のプラットフォームは見出しを賑わすような政治的陰謀論や物議を醸している右翼活動家に侵略されていない、ということ。

このデータセットは、FacebookのNew York Times(ニューヨーク・タイムズ)Kevin Rose(ケビン・ローズ)記者との長年の戦いにおける最新の議論だ。同氏はTwitterアカウントを作ってFacebookの最もエンゲージメントの多い投稿を毎日紹介しており、測定はFacebook傘下のソーシャルメディアモニタリングツールであるCrowdTangle(クラウドタングル)が行っている。

エンゲージメント(いいね!、コメント、シェア、クリックなど)指標でみると、Facebookの米国での成績上位記事は、極右活動家やNewsmax(ニュースマックス)のようにFacebookが距離を置きたいであろう選挙陰謀論推進サイトによって日常的に占められている。

Facebookは、最もインタラクションの多い投稿は同プラットフォーム上のトップコンテンツを正確に表してはいない、と主張する。ある投稿を何人が見たかを測定するリーチデータの方が優れた測定基準だとFacebookは断言するが、エンゲージメントデータが同様あるいはそれ以上に有効でないという理由はない。

「最も多くの人に見られたコンテンツが、最も多くのエンゲージメントを得たコンテンツでもあるとは限りません」とFacebookは書いている。明らかにローズ氏への当てこすりだ。

会社はプラットフォーム全般において政治的コンテンツを目立たせたくない。ロシア偽情報の拡散、凶暴な極右民兵、1月に米国議会議事堂で死者を出す暴動を起こすきかっかけとなったStop the Steal(選挙泥棒を阻止せよ)運動など、これまでの歴史を踏まえれば驚くことではない。

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The New York Timesが以前報じたように、Facebookは同社のリーチデータを公開ダッシュボードで広く公開する計画を中止したことがある。「そのバージョン」のトップ投稿でさえ、状況を正しく反映しないことを恐れたためだった。

代わりに会社はそのデータのテイストを、紛らわしく凝縮された四半期レポートにして提供することを選んだ。その結果は不可解なジャンクコンテンツ(いや本当に、パッカーズのサイトが何なのだ?)ばかりで政治に関するものはない。Facebookの透明性に関するぞんざいな態度はともかく、Facebookが最も人気のあるコンテンツのより深淵で幅広いランキングを人々に見せることを妨げる理由はなにもないことは覚えておく価値がある。

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画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ツイッターが改定されたAPIにTwitterスペースのサポートを追加

Twitter(ツイッター)は、新たに改定されたAPIに変更を加え、サードパーティーデベロッパーがオーディオチャットルームサービスのTwitterスペース専用のツールやソリューションを開発できるようにする。米国時間8月18日、同社はTwitter API v2にTwitterスペースをサポートする新しいエンドポイントを追加する。初期の目的はライブまたはスケジュールされたスペースを発見できるようにすることだ。後のAP改定によって、スペースのホスト向けツールをさらに開発できるようになるかもしれない。

2020年同社は、全面改訂されたAPIを公開し、その目標は自社のデベロッパープラットフォームを刷新するとともに、Twitterの新機能をすぐにサポートしやすくなることだった。今回のTwitterスペースをサポートする新APIはその計画の一環だ。

このAPI改定によってTwitterは、ユーザーが(Twitterの中でも外でも)スペースを見つけやすくなる新製品をデベロッパーが開発できるようになることを期待している、と同社はいう。こうしてTwitterスペースを利用しやすく、オーディオチャットを多くの人に普及させることは、ますます競争の激しくなるオーディオベースSNSの世界でTwitterが地位を築く一助になるかもしれない。現在Clubhouse(クラブハウス)と戦っているのはTwitterスペースだけではない。オーディオチャット体験は、Facebook(フェイスブック)、Discord(ディスコード)、Reddit(レディット)、Public.com(パブリック・ドット・コム)、Spotify(スポティファイ)他いくつかの小規模ソーシャルアプリも提供している。

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Twitterによると、デベロッパーは新たにSpaces lookupとSpaces searchという2つのエンドポイントを使えるようになり、ライブあるいはスケジュールされたスペースをSpaces ID、user IDあるいはキーワードなどの条件を用いて検索できる。Spaces lookupは、スペースに関連付けられた公開のメタデータと属性データを探すこともできる。参加者数、スピーカー数、ホストのプロフィール情報、使用されている言語、開始時刻、予定開始時刻、作成時刻、ステータス、およびスペースにチケットがあるかどうかなどだ、とTwitterがTechCrunchに話した。

どのTwitterスペース機能を最初にAPIに組み込むかを決めるにあたり、Twitterがデベロッパーと話したところ、ユーザーが興味のあるスペースを見つけ、参加するためのリマインダーを設定する手助けができる機能が欲しいと言われたという。自分のオーディオチャットがどのくらいうまくいっているかをスペースのホストがわかる仕組みも欲しいともデベロッパーはいう。しかし、そのようなオプションのほとんどは今回のAPI改定ではまだ利用できない。Twitterは他の機能を「検討している」とだけ語った。デベロッパーが自社製品にリマインダーを組み込む機能やAPIで利用できる属性値を見る機能、分析ダッシュボードを作れる機能などだ。

こうしたその他のエンドポイントのアイデアは、Twitterのデベロッパープラットフォームロードマップにもまだ載っていない。

Twitterは、デベロッパーがTwitterスペースのスタンドアロンクライアントアプリを作れるAPIエンドポイントを作る計画はなく、デベロッパーコミュニティも興味を示していないからだとTechCrunchに語った。

何人かのデベロッパーが、TwitterのスペースチームのDaniele Bernardi(ダニエル・バーナーディ)氏が毎週ホストしているスペースに参加しており、すでに今後のアップデートのヒントを得ていた。現在v2 APIを利用できるデベロッパーは、今日から新しいエンドポイントを使った開発を始められるが、今すぐ新しい体験を公開できるデベロッパーはいない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSNSTwitter Spaces音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

​​​​アダルト系SNSのOnlyFansが「職場安全」なアプリを宣伝、約1098億円超の評価額で資金調達目指す中

アダルトコンテンツクリエイターがオーディエンスを通じて直接マネタイズできるプラットフォーム「OnlyFans(オンリーファンズ)」は、同社がiOSとGoogle Playで提供しているSFW(safe-for-work、職場でも安全)なアプリ「OFTV」をプッシュしている。広告なしのこのアプリは2021年1月にローンチされ、料理のチュートリアルやヨガのルーティン、インタビューなど、OnlyFansのクリエイターたちによる800以上のビデオを共有している。しかし、同社が既存のOnlyFans顧客ではない人々にリーチすることを目指してアプリをマーケティングするのは、今週が初めてになる。

「OFTVにはアダルトコンテンツはありません。収益化されておらず、クリエイターの収益に直接影響を与えないため、アプリストアに参入することができるのです」とOnlyFansのCEOであるTim Stokely(ティム・ストークリー)氏はBloombergに語った。App StoreとGoogle Playはいずれもポルノを禁止しているが、(Redditのような)ユーザー生成コンテンツを含むアプリの場合、NSFW(職場危険)コンテンツはそのように表示され、デフォルトでは非表示になっている限り、アプリストアに滑り込める。OnlyFansサイトはウェブ上に存在するため、AppleのApp StoreやGoogle Playでは承認されていない。

画像クレジット:OFTV(screenshots by TechCrunch)

OnlyFansは利益を上げているが、今後も成長を続けるために、10億ドル(約1098億円)以上の評価額で資金調達を目指している。Bloombergによると、OnlyFansは、アダルトな評判を気にする広告主を募るために、よりメインストリームなプラットフォームになりたいと考えているようだ。​​​​​​ヒップホップミュージシャンのCardi B(カーディ・B)やプロボクサーのFloyd Mayweather Jr.(フロイド・メイウェザー・ジュニア)といった有名人もOnlyFansに参加している。また、2020年3月、このアプリは「クリエイティブ・ファンド」を立ち上げ、4人の音楽アーティストに活動補助金として2万ポンド(約300万円)の報酬を与えた。さらに、同アプリがブログで紹介している「ライジングスター」には、ソングライター、フォトグラファー、スタイリスト、パーソナルトレーナー、シェフなどが含まれている。度同社がSFWクリエイターにスポットライトを当てようとしている姿勢は明らかであり、OFTVのプロモーションもそれを裏付けている。

同社のプラットフォームは2016年の設立以来、クリエイターに30億ドル(約3294億円)以上を支払っており、特に2020年は、パンデミックによる経済的逼迫の中で多くの人がOnlyFansに収入源を求めたことから、収益が553%以上も増加した。OnlyFansはクリエイターの収益から20%を徴収しているが、比較的にPatreon(パトレオン)は5~12%、Cameo(カメオ)は25%を徴収している。仮に(NSFWコンテンツなども考慮に入れた上で)OnlyFansがアプリストアに受け入れられたとしても、プラットフォームの20%に加えてアプリストアの手数料が30%余分にかかることになるので、クリエイターにとっては良いことではないかもしれない。しかし、OFTVはコンテンツを販売したり、未承諾のユーザーがビデオをアップロードすることを許可していないため、その目的は、ポルノではないOnlyFansのコンテンツをより盛り上げることにあるようだ。

SFWクリエイターにアピールするためには、OnlyFansのイメージを払拭する必要があるかもしれないが、それよりも重要なのは、プラットフォームがクリエイターにとって特に収益性の高い空間であることを示すことだろう。OnlyFansの売上高を見ればわかるが、それはプラットフォーム自体よりも、クリエイター経済の成長やコンテンツの性質にかかっているのかもしれない。

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タグ:OnlyFansアプリクリエイター収益化NSFWSNS

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッターはユーザーに新型コロナと選挙の誤情報報告を依頼

Twitter(ツイッター)は米国時間8月17日、ユーザーが同サービス上で遭遇した誤情報を報告し「誤解を招きやすい」ことを会社に警告できる新しいテスト機能を導入した。テストは米国、オーストラリア、韓国の大部分のユーザーに同日公開される。

この新しいテストでTwitterは、ツイートの右上隅にある3ドット「…」のコンテキストメニューに 「report tweet」(ツイートを報告)を追加し、ユーザーは誤解を招くツイートを報告するオプションを選べるようになる。次のメニューでは、ツイートが「政治」「健康」「その他」のいずれに関して誤解を招きやすいかを指定する。「政治」を選んだ場合は誤解を招く政治的ツイートが選挙に関するものかどうか、健康を選んだ場合は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するものかどうかを指定できる。

Twitterは以前、ユーザーが選挙関連誤情報を報告する方法を追加したが、その時のオプションは各国の選挙にリンクされた一時的な機能だった。2019年、同社は投票に関する誤解を招くツイートを報告して選挙の安全を守る機能をヨーロッパとインドで公開している。

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その意図は、選挙とパンデミック関連の誤情報という同社が力を入れている2つの話題に関する既存ポリシーに違反するツイートを、ユーザーが報告できるようにすることだ。このユーザー報告システムはTwitterの人力と自動を組み合わせた潜在的危険情報事前検出システムと連動する。現時点でユーザーは自分が報告した誤解を招くツイートがどうなったかについて会社からフィードバックを得ることはないが、将来機能が追加されるかもしれない。

新たな報告機能はかなり広範囲で利用可能だが、同社はこれを「実験」であると説明しており完成した機能ではない。Twitterは、ユーザーが誤情報報告ツールをどう使うかを観察してその効果を見極めようとしているが、いつ機能を全面公開するのかあるいはテスト機能を削除するのか、具体的時期は示されていない。

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今のところTwitterはユーザーが新機能を乱用する心配はあまりしていないようで、これは新しい報告オプションが実績のある管理システムと直接つながっているからだ。それでも、ユーザーが会社に「誤解を招く」ツイートを知らせるというアイデアは、すでに誤情報を拡散しがちなプラットフォームのさまざまな場所から検閲を求める新たな声を誘発することは間違いない。

誤解を招くツイート警告するオプションは新しいものだが、報告されたツイートはTwitterの既存の実行フローに合流し、そこには健康と政治の誤情報に関する確立されたルールがあり、人力とアルゴリズム混合による方法で実施されている。

そのプロセスでは報告されたツイートを優先度に応じて分類してからレビューする。フォロワーの多いユーザーのツイートや、非常に高いレベルのエンゲージメントを生み出しているツイートはレビュー行列の前の方にくる。選挙と新型コロナに関するツイートというTwitterが誤情報監視に関して力を入れている2分野についても同様だ。

新しいテストは、Twitterが自身のコミュニティに頼って誤情報を検出しようとする最新の取り組みだ。この路線におけるTwitterの最も野心的な実験がBirdwatch(バードウォッチ)で、これはクラウドソーシングを使ってユーザーがツイートにコメントと事実確認を追加し、他のユーザーがアップ / ダウン投票できる仕組みだ。今のところBirdwatchはパイロットプログラムにすぎないが、同社が監視機能の分散化に興味を持っていることは明らかであり、これはツイートを報告する方法を追加するだけよりもはるかに論点の多い実験だ。

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タグ:Twitter誤情報SNS

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Taylor Hatmake、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ジャック・ドーシー氏が「最初のツイート」をNFTとして売るために使った「Cent」が約3.3億円調達

Centは、ユーザーが良い投稿やコメントに対し報酬を暗号資産で提供し合うことができる広告なしのクリエイターネットワークとして2017年に設立された。これはRedditの表彰に似ているが、イーサリアムを使ったものだ。しかし2020年後半、Centのサンフランシスコを拠点とする小規模なチームは、ツイートのNFT市場であるValuablesを作成し、3月には、この小さなブロックチェーンスタートアップ企業に思いがけずツキが回ってきた。

CEOのCameron Hejazi(キャメロン・ヘジャジ)氏は「ちょうどその日の仕事を終えて、夕食を食べようとしていたら、たくさんの人がメールを送ってきたんです」と振り返る。それから彼は、TwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、CentのValuablesアプリを使ったTwitter史上初のツイートをしたことに気づいた。「私はその夜、ずっと震えていました。チームのみんなで、『よし、戦いに向かおう、やってやるぞ!』と話していました」。

ドーシー氏は結局、290万ドル(約3億1960万円)でNFTを売却し、その収益をGive Directlyによるアフリカの新型コロナウイルス感染症救援対策基金に寄付した。しかしCentにとっては、小さな会社が無料のマーケティングキャンペーンを受け取ったようなものだった。それから約5カ月経った現在、CentはGalaxy Interactive(ギャラクシー・インタラクティブ)、元ディズニー会長のJeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)、will.i.am(ウィル・アイ・アム)、Zynga(ジンガ)創業者のMark Pincus(マーク・ピンクス)などの投資家から300万ドル(約3億3000万円)のシード資金を調達することを発表している。

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Valuablesでは、インターネット上の誰もがすべてのツイートにオファーを出すことができ、それに対し他の人が対抗オファーを出すことが可能だ。ツイートをした人がオファーを受け入れると(Valuablesにログインするには、Twitterアカウントの認証が必要だ)、Centはそのツイートをブロックチェーン上に鋳造し、1対1のNFTを作成する。

NFT自体には、ツイートの文章、作成者のユーザー名、鋳造された時間、作成者のデジタル署名が含まれている。またNFTには、ツイートへのリンクも含まれているが、リンク先のコンテンツはブロックチェーンの範囲外だ。

画像クレジット:Cent

ツイートをNFTとして鋳造することに独自性はなく、Centと同じことを他社が行うことも可能だ。Twitterでも、最近、NFTアートの無料配布を始めたが、Centのように実際のツイートをNFTとして販売しようとはしていない。ヘジャジ氏は、ドーシー氏がセントを起用したことを賛同ととらえている — ドーシー氏自身がTwitterで290万ドル(約3億1960万円)を稼いでいることから、Twitterがセントを締め出すことは難しいと考えている。何と言っても、ドーシー氏はCentを選んだのだ(最初のツイートのスクリーンショットを撮って、その.JPGをNFTとして鋳造し、OpenSeaのようなより大きなNFTプラットフォームに投稿するのではなく)。

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「Twitterの人々と話をしました。私たちは健全な関係を築いていると確信しています」とヘジャジ氏は述べている(Twitter社は、それが事実かどうかについてのコメントや確認を拒否した)。「このアプローチをInstagramやTikTokなどの他のSNSプラットフォームに適用することも考えましたが、特にTwitterに適しているという仮説を立てました。なぜなら、Twitterは会話のプラットフォームであり、暗号資産を扱う人々が実際に生活している場所だからです」。

ヘジャジ氏はCentのシード資金を使い、プラットフォームの構築を続けていきたいと考えている。同社の目標は、クリエイティブな人なら誰でもNFTを使って収入を得られるようにすることだ。そのためには、ユーザーがNFTを簡単に作成できるツールを開発するだけでなく、クリエイターに特化した既存のSNSを充実させることも必要だ。Centに投稿されるコンテンツは、短い投稿ではなく、アートや文章などのクリエイティブな作品が多く、RedditというよりもDeviantArtに近いものがある。これらは、300万ドルのシードラウンドでは高い目標だが、Centのベータ版プラットフォームには、将来性を感じさせる側面がある。

「私たちがSNSに投稿するものには、すでに価値があります。それが広告費に取って代わっているだけで、単一の団体に多くの富が集中しなければならないというようなことはありません。その富を分散させるシステムを目指すことができるのです」とヘジャジ氏はいう。「これらのネットワークは、その存在によって配信を独占しているのです。TwitterのユーザーをCSV形式でダウンロードして、全員にメールを送信するというようなことはできません」。

CentのSNSプラットフォームのスクリーンショット

ヘジャジ氏は、独立した配信リストに加えて、広告付きのインターネットからの脱却を目指している。彼はSubstackの例に言及している。Substackでは、クリエイターが自分のリストを管理することができ、同時にプラットフォームの運営資金は、ニュースレターを購読するためにお金を払ってくれるユーザーから得ているため、広告なしの状態を維持することができる(また、ベンチャーキャピタルのサポートもある)。

しかしCentは、ユーザーが、原則自分の使っているプラットフォームで飛躍する可能性があると思うクリエイターに投資できるという点で、他とは異なる。

ユーザーは投稿を「シード」することができる。シードとは、Centのプラットフォームでクリエイターとして参加しているクリエイターを購読する方法のことだ。シードする側は、月々1ドル(110円)以上の定額料金を支払う。新進気鋭のクリエイターの支援には報酬があり、シードする人は、クリエイターの将来の利益の一部を得ることができる。これは、クリエイターが将来もすばらしいコンテンツを作り続けることに賭けるようなものだ。利益の5%はCentに寄付されるが、残りの95%はクリエイターと過去のシーダー全員で50対50で分配される。このプラットフォームに参加することで、クリエイター同士のネットワークやサポートが可能になるが、Patreonのような他のクリエイター向けプラットフォームでより直接的な収益を得ることもできる。

ユーザーは、投稿をシードするだけでなく、他の人の投稿を「スポット」することもできる。Cent版「いいね!」ボタンだ。「スポット」1つにつき、ユーザーの暗号資産から1セント(約1.1円)に相当する金額が支払われる。Centによれば、他のプラットフォームでは、投稿が1000の「いいね!」を獲得しても、名声獲得の漠然とした感覚しか得られない。しかし、Centでは、ユーザーが1000の「スポット」を獲得すれば、それだけで10ドル(約1100円)になる。しかし、このようなプロジェクトは、十分な数の人々がこのプラットフォームを利用しなければ機能しない。

「Centを立ち上げたときに暗号資産を選んだのは、創造力と暗号資産のアドレスだけでお金を稼げるというアイデアが気に入ったからです」とヘジャジ氏はいう。「時間が経つにつれ、暗号資産を実際に所有し、すぐに使えるようにしている人はほとんどおらず、決済手段としては限りがあることがわかりました。私たちは、Centを使ったクリエイターへの支払いをより簡単にする方法に取り組んでおり、暗号資産を使ったものとそうでないものの両方を検討しています」。

この考え方は、Yatのような他のNFTスタートアップにも通じるものがある。Yatでは「革新的な分散化」モデルの一環として、クレジットカードによる支払いが可能だ。これらの企業が成功するかどうかは、最終的に分散化されたブロックチェーンベースのインターネットに対する一般の人々の支持にかかっている。しかしそれまでは、Centのような企業が、クリエーターがオンラインで報酬を得る方法を再構築するための実験を続けていくことになるだろう。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ジャック・ドーシーTwitterNFTCentValuables資金調達暗号資産SNS

画像クレジット:Cent

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

Twitterが分散型ソーシャルネットワーク研究グループ「bluesky」のリーダーに暗号資産開発者を起用

Twitter(ツイッター)が野心的に発足させた分散型ソーシャルメディアに取り組む研究グループ「bluesky(ブルースカイ)」は、米国時間8月16日、重要な一歩を踏み出した。このプロトコル開発の今後の方向性を指揮する正式なプロジェクトリーダーを、Twitterが任命したのだ。

このプロジェクトの舵取りは、暗号資産開発者のJay Graber(ジェイ・グラバー)氏が、Twitterから任されることになった。Twitterはblueskyが、最終的にTwitterを含む多くのソーシャルネットワークが採用することになる分散型ソーシャルメディアプロトコルを策定することを期待している。blueskyは独立した組織として運営されるが、現在まで主にTwitterの従業員が資金提供と管理を行ってきた。

グラバー氏は、すでにblueskyチームの中で仕事をしているものの、正式な役職に就いていたわけではなく、Twitterから報酬を受けて、分散型ソーシャルエコシステムの技術的なレビューを、開発者たちの研究グループのために作成していた。以前は匿名性の高さに注力した暗号資産「Zcash(ジーキャッシュ)」の開発チームに所属していた他「Facebook Events(フェイスブック・イベント)」に競合することを狙った「Happening(ハプニング)」と呼ばれる独自の分散型ソーシャルネットワークを構築したこともある。しかし、グラバー氏は、分散化の利点に興味を持つユーザーを独力で増やすことができないという問題に行き当たり、結局、この取り組みから手を引いてしまった。この分野における新興ネットワークの多くにとって、これはほとんど克服不可能な問題になっている。

うれしいお知らせがあります。ソーシャルメディアを分散化するために@Twitterが始めたイニシアチブ、@blueskyを私が率いることになりました。最新情報はツイッターとhttp://blueskyweb.orgでフォローしてください。

ジェイ・グラバー

グラバー氏は、TechCrunchによる1月のインタビューで、莫大なユーザーベースを擁するTwitterが分散型ソーシャルスペースに参入することには、大きなチャンスを感じていると語っていた。Twitter自身も最終的にはこのプロトコルに移行すると述べている。

「Twitterが分散型プロトコルに移行することによる本当の凄さは、理想的な方法で機能するプロトコルを設計することができれば、Twitterが非常に多くのユーザーを連れてくるため、最初にニッチな場所を見つけてそこから自力で起ち上げていく努力が必要ないということです」と、グラバー氏は語っていた。

TechCrunchでは1月に、TwitterがDonald Trump(ドナルド・トランプ)元大統領を永久追放したことを受けて、さらに注目を集めていたこの取り組みについて紹介した。トランプ氏の追放後、TwitterのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOは、将来に向けたソーシャルメディアのモデレーションに関する問題に対処する継続的な取り組みの1つとして、このblueskyを強調した。ソーシャルメディアのプロトコルが分散化されれば、1つの企業や組織がネット上における会話の領域を支配的に統制することがなく、個々のネットワークが自らを律することができる。

「1つのソースに寄らず、より良いモデレーションを可能にするにはどうしたらよいか、ということはソーシャルメディアに関わる全員の大きな関心事になっていると思います」と、グラバー氏はTechCrunchに語った。

blueskyの組織はまだ初期段階にある。グラバー氏の次の仕事は、プロトコル開発者やウェブ開発者を含む最初に雇用する人材でチームを強化することだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSNS暗号資産分散型ソーシャルネットワークbluesky

画像クレジット:Amal KS/Hindustan Times / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

TikTokが13歳~17歳のアカウント対象に新たな制限、16歳未満はデフォルトで非公開・DMやダウンロード無効

TikTokが13歳~17歳のアカウント対象に新たな制限、16歳未満はデフォルトで非公開・DMやダウンロード無効

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TikTokが、10代の若者の安全とプライバシーを保護するため、13歳~17歳のユーザーを対象とした、アカウントや動画の視聴、ダイレクトメッセージ(DM)機能に関する新しい制限を設けました。

これにより、13歳~15歳のアカウントについては、デフォルトで非公開となり、動画を公開する際、誰が動画を観られるかを選択するポップアップが表示されるようになります。公開範囲としては、フォロワー、友人、自分のみが選択でき、誰でも観られる設定は行えません。また、DuetやStitchの機能も利用できません。

16歳~17歳のユーザーは、DM機能がデフォルトでオフとなります。ただしこれは設定から変更が可能。初めてDMを利用する場合にもプライバシー設定の確認を求めるメッセージが表示されます。また、同様に公開した動画のダウンロードを有効にする場合にも、同様に確認のメッセージが表示されます。なお、13歳~15歳については、DM機能は利用できず、ダウンロード機能も無効になっています。

このほか、いじめ防止や健康的なデジタル習慣の促進のため、13歳~15歳のアカウントでは午後9時から、16歳~17歳では午後10時からプッシュ通知が無効になります。

TikTokは、以前からいじめやプライバシーに関する取り組みを強化してきています。ただ、これらに関しては終わりがなく、今後数か月でさらに多くの取り組みを伝えていきたいとしています。なお、10代を対象としたプライバシー保護などの取り組みは、Instagramなども力を入れているところです。

TikTok、不快なコメント防止に2つの新機能を導入。コメント承認制も
Instagram、16歳未満の新規アカウントをデフォルトで非公開に。広告も一部制限

(Source:TikTokEngadget日本版より転載)

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ツイッターの新UIに「目が疲れる・頭が痛くなる」などの苦情多数、ボタンの表示コントラストを再調整する事態に

ツイッターの新UIに「目が疲れる」「頭が痛くなる」など苦情が殺到し、ボタンの表示コントラストを再調整と発表

Twitter

数日前、Twitterはウェブ版やスマホアプリのUIを「Chirp」(チャープ)と称する新フォントと高コントラストなバージョンにアップデートし「利用しやすく、ユニークで、会話に集中できるようになる」とその効能を自慢げに述べていました。ところが、このアップデートを誰もが歓迎したわけではなかったようで、新しいUIになった直後からユーザーからは目が疲れる、頭が痛くなったなどの苦情が多数寄せられる事態になったため、再び調整して目に優しいものにすることを発表しました。

UIの主な変更点は、白背景の場合ならボタンの色を黒基調とすることで高コントラスト化、視認性を高めたと主張されるものでした。しかし、比較的目の敏感な人にとっては、これがかえって仇になってしまったようです。たとえばフォローするボタンは、従来ならまだフォローしていないアカウントが白色で表示され、すでにフォローしているアカウントなら黒く表示されていたのが、突然反対の表示になったことでユーザーに混乱を引き起こしました。

また、新しく採用したフォントChirpについても、あるユーザーは新しいフォントに代わってから「文字が波打って見える」と述べ、またあるユーザーは「頭が痛くなるためしばらく見るとイライラして目を閉じてしまう」と報告しました。そのため「Windowsユーザー向けのChirpフォントの問題を特定し、積極的に修正に取り組んでいる」とチームは返答しています。

Twitterはこのフォントの導入について「Chirpフォントをテストした際、慣れるまでに少し時間がかかるものの、全体的にはこの変更が気に入られることがわかった」と述べていました。しかし、慣れれば最終的には気に入るはずだと言われても、眺めるだけで(慣れるまで)苦痛なSNSなど誰も望んだりはしないはず。Twitterがどれぐらいの人数を対象にテストをしたのか、本当にそれほど良い評価があったのかも気になるところです。

Twitterは今回の変更に対するネガティブな意見が多かったことや不評だったことに関してTechCrunchに「最初からずっと、障害のある方々からのフィードバックを求めていた」と説明しています。しかし、障害のある人たちのために健常な人のことを忘れてしまっては改善とはなり得ません。そこはTwitterもわかったのか、「人々にはさまざまな好みやニーズがあり、今後もこのフォントに関するフィードバックに耳を傾け、改善を続けていく」としています。

(Source:Twitter。Via CNETEngadget日本版より転載)

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タグ:アクセシビリティ(用語)アプリ / モバイルアプリ(用語)SNS / ソーシャル・ネットワーキング・サービス(用語)Twitter / ツイッター(企業)

ツイッターがウェブサイトとアプリのデザインを見やすく変更、新フォントも採用

Twitter(ツイッター)は米国時間8月11日、ウェブサイトのリニューアル版を発表した。同社によると、これによってサイトが見やすく、混乱することが減り、より使いやすくなるとのことだ。

iOSおよびAndroid向けアプリにも展開される今回の変更点の中には、Twitterの新しいフォント「Chirp(チャープ)」が採用された他、さまざまな要素のコントラストを強める変更などが含まれる。間もなく、Twitterは新しいカラーパレットも導入する予定だという。

Chirpは、Twitter初の独自書体として2021年1月に登場した。これまでTwitterは「SF Pro(サンフランシスコ・プロ)」「Roboto(ロボット)」「Helvetica Neue(ヘルベチカ・ノイエ)」などのフォントを自社ブランドに使用してきた。Chirpの目標は、Twitterに独自の視覚的表現を与えることに加えて、日常的な使用に向いたくっきりとした判読しやすい書体を提供すること、そして、動画やブランド広告に使用される際も含め、より個性的な書体を提供することだ。

私たちの新しい書体であるChirpにについて、もう少し掘り下げたいと思います。

280文字からなる書体は、Twitterの基盤となるものです。これまで当社では、我々のブランドを、SF ProやRoboto、Helvetica Neueなど、他の誰かの書体に頼ってきました。

デリット・デルーエン

しかし、そのデビュー当時、TwitterはまだChirpをより広く製品の書体として採用すると確約していたわけではなかったが、Twitterでグローバルブランドのクリエイティブディレクターを務めるDerrit DeRouen(デリット・デルーエン)氏は、そうなることが「個人的な願望」であると述べていた。

今回よりTwitterは、ChirpをTwitterのウェブサイトや、iOSやAndroidのデバイス向けアプリとモバイルウェブの中核的な部分に使用している。

また、すべての欧米言語のテキストを左寄せにしたことで、スクロールしたときに読みやすくなると同社では述べている(欧米言語以外のテキストは変更されていない)。

ウェブサイトのTwitter.comで使われる色やボタンも、よりコントラストが強いものに刷新された。顕著な変化は、Twitterの青がかなり少なくなったことだ。例えば、表示をデフォルトのテーマにして背景を白くした場合、ツイートやナビゲーションが黒に変わった。また、ボタン(例えば「フォロー」などのボタン)の変更は、最も重要なアクションを目立たせることが目的であると、Twitterは述べている。

これらの変更は、今はまだ些細なことに思えるかもしれないが、これからSuper Follow(スーパーフォロー)などの拡張された機能セットが導入されると、より重要性が高まる可能性もある。Twitterがユーザーに取ってもらいたい行動を強調するための手段となるからだ。

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今回のデザイン変更では、Twitterが「不要な仕切り線」と呼ぶような、画面上の視覚的な混乱も解消された。グレーの背景が減り、文字を読みやすくするために字間も広げられている。

これらの変更は、Twitterにとって、テキストベースの投稿に写真やその他のメディアを時々添付して共有するだけにとどまらない、これまでとは異なるオンライン体験を導入するための準備にもつながっている。

Twitterはスーパーフォローの導入によって、より多くのクリエイターをそのプラットフォームに呼び込むことを狙っている。さらに、eコマースショッピング機能やパワーユーザー向けの有料定額サービスSpaces(スペース)によるライブオーディオなどの機能も取り入れ、ブックマーク機能の改善なども行っている。

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しかし、いくつも機能を追加していくと、新たな選択肢が画面を埋め尽くしてしまい、特に初めての人にとっては、より混乱を招くことになりかねない。だからこそ、Twitterが今、ウェブサイトのデザインを一新することは理に適っているといえるだろう。しかし、Twitterユーザーがこのアップデートを評価するかどうかは、まだわからない。

今回の変更は、今後のビジュアルアップデートの始まりに過ぎないと、Twitterは述べているが、今後のアップデートにどんなものが含まれるかについては示唆していない。今のところ、より多くのカラーパレットを「間もなく」提供するとしているだけだ。このアップデートは、カラーパレットをTwitterの最新のブランドルックに近づけるためだと言われている。

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画像クレジット:Twitter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)