1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

Razer

ゲーミング機器のRazerが、光るスマートマスク Project Hazel の販売計画を発表しました。

当初はあくまでコンセプト扱いでしたが、改良を施した製品版を今年の第4四半期(秋冬)にもオンラインのRazer公式のみで販売する計画です。

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

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今年1月に「光るゲーミングマスク」として話題になった RazerのProject Hazel は、口元が見える樹脂素材のマスクにN95グレードのフィルター、アクティブ換気ファン、マスク内マイク、そして1670万色に光るライトを備えたゲーマー向けマスクのコンセプト。

Razer、光る『スマートマスク』を本当に製品化。夏秋にも発売へ

マスクとしての高機能を備えつつ、話している口元や表情が見えない、声が聞き取れないといったソーシャルコミュニケーションの問題を解決することが狙いです。

今年4月に製品化が決定した際には、コンセプト版の機能から変更や削除の可能性があるとされていましたが、E3 2021のライブ配信中に明らかにされた新情報によると、商品版はマスク内にライトを追加するとのこと。

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

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狙いがマスクによって損なわれるソーシャルコミュニケーションの補完にあることから、口元を曇り止め加工の透明樹脂にするだけでなく、見やすく照らすライトも必要との判断のようです。このライトは周囲が暗くなると自動的に点灯します。

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

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そのほかの仕様は、漏れを減らすシリコン樹脂性フェイスシーリング、一般的な使い捨てマスクの3倍持続し廃棄物を大幅に削減できる交換式フィルタなど。

販売計画についてはオンラインのRazerストア専売で、限定数を段階的に受注・出荷する「ドロップ」方式になることが明らかにされました。

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

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最初のドロップは2021年第4四半期(10〜12月期)の早い時期。価格やそのほかの仕様を含め、詳細は今後改めて発表予定です。

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

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アクティブベンチレーションとフィルタを組み合わせたマスクは他社も販売していますが、RazerのProject Hazel は当初コンセプトにあった内蔵マイクとアンプの仕様が残るか、マスクをしたままクリアな音声コミュニケーションや音声アシスタントが使えるかあたりも注目点です。

1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加

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Xupermask

Xupermask

いわゆる「スマートマスク」製品としては、人気グループ Black Eyed Peas の will.i.am が企画、アベンジャーズやダフト・パンク等の衣装デザイナー ホセ・フェルナンデス氏がデザインを手掛ける Xupermask はすでに販売中。

こちらはフィルタと換気ファン、着脱式のイヤホン・マイクを搭載。もちろん光ります。

換気ファンとイヤホンつきマスク Xupermask、ダフト・パンク衣装や宇宙服デザイナーとwill.i.amがコラボ
The World’s Smartest Mask – Project Hazel

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:ガジェット(用語)ファッション(用語)Razer(企業)

バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

私のように、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)開催期間中のロサンゼルスのダウンタウンを懐かしく思い出しながら、この週末を過ごした人もいるに違いない。フィッシュタコス、The Last Bookstore(ザ・ラスト・ブックストア)、派手な照明のホテルのロビーでバスケットボールのプレーオフを観戦。そしてもちろん、次から次へと行われるビデオゲームのプレスカンファレンス。

だが、このゲームショーは2年連続で2021年もバーチャルな開催となった。その理由はご存知のとおり、我々の過去1年半の人生に大きな影響を及ぼしたウイルスのせいだ。2020年のショーは完全にキャンセルされた(が、いくつかの企業はオンラインでスケジュールどおりに発表を行った)。主催者が、1つのデジタルイベントとして開催することは不可能だと考えていたからだが、率直に言って、彼らがその限界を理解していたことは、結果的に最善だったと思われる。

米国時間6月12日に開幕したE3 2021は、初めてのオールバーチャル版イベントとなった。そして今のところ、バーチャルで開催されるのはこれが最後となる予定だ。Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長は、2022年にE3がLAコンベンションセンターに戻ってくることを発表してショーの幕を開けた。

ゲーム業界は2020年も好調だった。世界の一部地域ではウイルス感染が収束していないため、成長は鈍化しているものの、成長それ自体は継続している。米国時間6月14日朝に市場調査会社のNPDがタイミングよく発表した数字によると、2021年5月のゲームへの支出は45億ドル(約4950億円)で、前年同月比で3%の成長となった。年初来では17%増となっている。

2020年のショー開催中止は、ハードウェアの観点からは確かに不幸なタイミングだった。E3で次世代ゲーム機の発表は大規模なイベントとなるからだ。2020年にはPlayStation 5(プレイステーション5)とXbox Series X(エックスボックス・シリーズX)が登場したが、発表はSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)の自社イベントにとどまった。だが、それによってメーカーは、大きなイベントですべてを公開する代わりに、少しずつ詳細を明らかにしていくことで、消費者の興味を引っ張ることができた。このような戦略には、大規模なイベントよりも、バーチャルなプレゼンテーションやブログ記事の方が適している。

@XboxP3をはじめとするチームのみなさん、すばらしいショーケースおめでとうございます。ゲーマーにとってすばらしい時代に。

ソニーは今回のE3も参加を見送っている。同社が2021年の夏に、大規模な「State of Play」のバーチャルイベントを開催する可能性は高いものの、それはE3とは無関係だ。しかし、PlayStation Studios(プレイステーション・スタジオ)の責任者であるHermen Hulst(ハーメン​・フルスト)氏のようなソニーの幹部は、この機会にTwitter(ツイッター)で「すばらしいショーケース」とマイクロソフトを祝福した。それはすてきなことだ。

ビッグ3の中で、今回のE3で発表を行った企業は、今のところマイクロソフトだけである。任天堂は米国時間6月15日(日本時間6月16日午前1時)に「Nintendo Direct | E3 2021」の放送を予定しており、このイベントでは有機ELディスプレイと内部をアップグレードした「Switch Pro(スイッチ・プロ)」が登場する可能性がある。そしておそらく、発売から4年が経つゲーム機の新バージョン登場に合わせて、数々のアップグレードされたコンテンツが発表されるだろう。

一方、マイクロソフトはゲームに力を入れてきた。最近Xbox Series Xが発売されたばかりであることを考えれば当然だろう。そしてこのようなバーチャルなイベントは、たくさんのトレーラーを公開する機会として最適だ。同社は今回、全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)を発表した。そのうち27本は「Xbox Game Pass(エックスボックス ゲームパス)」に含まれるといえば、Xboxのゲームが将来的にどのような形になるか、想像がつくだろう。マイクロソフトが2021年初めにBethesda(ベセスダ・ソフトワークス)を買収したこともあり、今回のイベントは「Xbox & Bethesda Games Showcase」という名前で行われた。

「成長を続ける私たちのファミリーである23のスタジオは、私たちみんなが愛するメディアを発展させることに専念しています」と、マイクロソフトは述べている。「お伝えできてうれしいお知らせがあります。この週末から年末まで、Xbox Game Passでは、ホリデーシーズンにリリースされる『Halo Infinite(ヘイロー・インフィニット)』を含むXbox Game Studiosの5つのタイトルを筆頭に、毎月連続で新作ゲームを初日からお楽しみいただけます」。

ハイライトを以下にご紹介しよう。

「Halo Infinite」は、トレーラーとマルチプレイヤーのゲーム中の映像が公開された。Xboxの主力人気ゲームの最新作が2021年のホリデーシーズンに発売される。

「Starfield(スターフィールド)」は、2022年(ため息)11月11日に発売予定。この広大な宇宙を舞台にしたタイトルは、発売時にはXbox独占タイトルとなる。

「Forza Horizon 5(フォルツァ ホライゾン5)」は11月に発売される。この人気レースシリーズの最新作は、メキシコが舞台だ。

クロスプレイ対応の「Sea of Thieves(シー・オブ・シーヴス)」は、映画「Pirates of the Caribbean(パイレーツ・オブ・カリビアン)」とコラボレートし、キャプテン・ジャック・スパロウなどが登場するゲームプレイが追加になる。

「Age of Empires IV(エイジ・オブ・エンパイアIV)」は拡張版トレーラーとともに発売日が発表された。10月28日だ。

「Battlefield 2042(バトルフィールド2042)」は初めてゲームプレイ映像が公開された。魅力的な新しいウィングスーツも確認できる。

マイクロソフトの「Flight Simulator(フライトシミュレーター)」は、7月27日に「トップガン」の拡張コンテンツとともに新型Xboxに登場する。これは2021年公開予定の映画「Top Gun:Maverick(トップガン マーヴェリック)」を記念したものだ。

Square Enix(スクウェア・エニックス)も、日曜日に恒例の大規模なショーケースを開催した。このパブリッシャーは、Marvel(マーベル)の新作タイトルを続々とリリースする。ハイライトは以下の通り。

待望のアドベンチャータイトル「Guardians of the Galaxy(ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー)」は、2021年10月に発売予定。

一方「Marvel’s Avenger(アベンジャーズ)」では、ブラックパンサーをテーマにした拡張コンテンツ「War for Wakanda」が8月に配信される。

スクウェア・エニックスのイベントには「Final Fantasy(ファイナルファンタジー)」のスピンオフ作品が欠かせない。この長年愛されてきたRPGから、新作「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN(ストレンジャー・オブ・パラダイス ファイナル・ファンタジー・オリジン)」が誕生。2022年にさまざまなプラットフォーム向けに発売される予定だ。

Ubisoft(ユービーアイソフト)は6月12日に「Avatar(アバター)」の新作「Avatar:Frontiers of Pandora(アバター:フロンティアズ・オブ・パンドラ)」の映像を初公開して話題を呼んだ。

「Tom Clancy’s Rainbow Six:Extraction(レインボーシックス エクストラクション)」は9月16日に発売予定。元々のタイトルは「Rainbow Six:Quarantine(隔離)」と呼ばれていたが、明らかな理由で名前が変更された。

Capcom(カプコン)とTake-Two(テイクツー)は米国時間6月14日夜、Nintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)とBandai Namco(バンダイナムコ)は15日にショーケースを行う。Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)は米国時間7月22日に独自イベント「EA Play Live」を開催する予定だが、6月中に「Battlefield 6(バトルフィールド6)」に関する何らかの発表があることを予告している。さて、最後にご紹介するのは、新型Xboxの冷蔵庫の動画だ。新しいハードの発表がないなんて、誰が言った?

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ポケGOスタイルの「トランスフォーマー」ARゲームをNianticがタカラトミー、ハズブロと開発中、事前登録開始

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:E3バーチャルイベントMicrosoftXboxXbox Game PassE3 2021、冷蔵庫

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ポケGOスタイルの「トランスフォーマー」ARゲームをNianticがタカラトミー・Hasbroと開発中、事前登録開始

Niantic(ナイアンティック)は、ポケモントレーナーや魔法使いとして現実の街を歩き回ることを世界中にうながしてきた。次は何か?今度はトランスフォームする時がやってきた。

80年代に大ヒットとした変形ロボット玩具「Transformers(トランスフォーマー)」は、Nianticとのパートナーシップにより、マッピングを多用したジオロケーション中心のゲームを構築する最新のIPとなる。

詳細はまだ完全に明らかになっていないが、現時点でわかっている限りの情報をお伝えする。

  • タイトルは「TRANSFORMERS:Heavy Metal(トランスフォーマー:ヘビーメタル)」。事前登録のページはこちら
  • このゲームは、Hasbro(ハズブロ)、タカラトミー、そしてシアトルが拠点のゲーム開発スタジオ「Very Very Spaceship」とのコラボレーションで制作される。
  • 発表によると、プレイヤーは「ディセプティコンとの戦いで正義のオートボット(サイバトロン)と結束した人間のグループ」である「ガーディアンネットワーク」の一員となり、1人またはフレンドとともにターン制バトルでディセプティコンと戦う。
  • このゲームは、NianticのARプラットフォーム「Lightship Platform」上に構築されている。Lightshipプラットフォームは「Pokémon GO(ポケモンGO)」や「Harry Potter Wizards Unite(ハリー・ポッター:魔法同盟)」、そして現在開発中の「CATAN(カタンの開拓者たち)」などに使われているのと同じエンジンだ。
  • 発売日はいつ?まだ具体的には決まっていないが、近日中に「一部の市場」でソフトローンチし、その後「2021年の後半」に全世界でリリースする予定だという。このような段階的なリリースは、Nianticの典型的なアプローチだ。「ポケモンGO」はまず日本でスタートし「カタン」は2020年ニュージーランドでひっそりとリリースされた。

これまでに公開されたのはコンセプトアートのみだが、ポケモンGOや「魔法同盟」に似たゲーム性を示唆している。特に右側のバトル画面は、ポケモンGOのバトルによく似ている。

画像クレジット:Niantic

今作は、2016年の夏にポケモンGOが成し遂げたように、世界を席巻するだろうか?そうはいかないかもしれない。当時、斬新さと懐かしさが絶妙にブレンドされたポケモンGOは、ちょうどいいタイミングでツボにはまった。しかし「魔法同盟」は発売から2年経った今でも活発に開発が行われているほど多くのユーザーに支持されており、Nianticはマップを中心としたゲームを増やす余地がまだあると考えているようだ。Nianticの担当者は、このゲームが、同社が現在開発中の10本の現実世界タイトルのうちの1つであることに言及し、市場には多くの余地があると考えていることを示唆した。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:NianticポケモンGO位置情報トランスフォーマーAR

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Aya Nakazato)

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

マイクロソフトの E3 2021 Xbox & Bethesda 発表会で開幕を飾ったのは、ベセスダが開発中のSF RPG『Starfield』でした。

Starfield は2022年11月11日(現地時間)、Xbox Series X|S および PC のみで発売します。ベセスダがマイクロソフト傘下のファーストパーティスタジオになったため、発売初日から定額サービスの Xbox Game Pass で遊べます。

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

『Starfield』は、『Fallout』や『The Elder Scrolls』等で知られるベセスダが開発を続けてきた完全新作のSFオープンワールドRPG。ベセスダの完全新規IPとしては実に25年ぶりとなります。

ゲームの内容はこれまで、宇宙を舞台にしたスカイリムのようなオープンワールドRPGと説明されてきました。固定の主人公キャラクターと一本道の展開があるタイプではなく、プレーヤーが自由にキャラクターを作りさまざまなストーリー展開を選んで進めてゆく作品です。


従来はふんわり「宇宙モノ」と分かる程度のごく短いイメージ動画とタイトルロゴのみが公開されていましたが、E3 2021では初めて、インゲームのティーザートレーラーが公開となりました。

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

Starfield の舞台は、いまから数百年後の我々の宇宙。予告編で明かされた宇宙船などのテクノロジーも、未来的でありながら現実の宇宙開発の歴史と地続きであることを感じさせる、むしろクラシックでオールドファッションなSFのビジュアルです。

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

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Bethesda

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Bethesda

マイクロソフトは多機種展開の人気シリーズを多く抱えるベセスダの買収にあたって、プラットフォームを発表済みのゲームについてはこれまでどおり変更しない、今後の新しいゲームについては、ケース・バイ・ケースで判断する、経営的にはXboxとPC独占にしても充分に買収費用を回収できると説明していました。

完全新規のスターフィールドは、やはりというべきかXbox / PC独占。エンジンも新規となり、Xbox One世代では動きません。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Windows 10(製品・サービス)
Xbox / エックスボックス(製品・サービス)
ゲーム(用語)Bethesesda Game StudiosMicrosoft / マイクロソフト(企業)

マイクロソフトがXboxクラウドゲーミング専用ハードを近く発売予定

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間6月10日、ゲームストリーミングのための専用デバイスを近日中に発売すると発表した。また、いくつかのテレビメーカーと協力して、インターネット接続TVにXboxエクスペリエンスを組み込むことも計画している。さらにマイクロソフトは、2021年後半にPC用のXboxアプリにもクラウドゲーミングを導入する予定で、そこでは購入前にお試しプレイできるシナリオに重点を置くという。

これらの新しいゲームストリーミングデバイスがどのようなものになるかは不明だ。マイクロソフトは詳細を明らかにしていない。しかし、Chromecast(クロームキャスト)のようなストリーミングスティックか、Apple TVのような小型ゲーム機のどちらかである可能性は高いと思われる。また今のところ、どのテレビメーカーと提携するのかもわかっていない。

マイクロソフトがクラウドゲーミングに関して積極的なのは周知の事実だ。例えば「Xbox Game Pass Ultimate」では、サブスクライバーがAzureクラウドからストリーミングされた100種類以上のコンソールゲームをAndroidでプレイできるようにしている。数週間後にはすべてのXbox Game Pass Ultimateサブスクライバーが、Edge、Chrome、Safariのブラウザ上でクラウドゲーミングができるようになる(現在は限定的なベータ版)。また、2021年後半には、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、日本でもGame Pass Ultimateを提供する予定だ。

多くの点で、マイクロソフトはゲームとハードウェアのアンバンドリングを進めている。これは、Google(グーグル)がStadiaで試みていること(その試みは今のところGoogleにとっては失敗に終わっているが)や、Amazon(アマゾン)がLuna(ルナ)で試みていることに似ている。ここでのマイクロソフトの主な強みは人気ゲームの膨大なライブラリであり、それはNVIDIA(エヌビディア)のGeForce Nowプラットフォームを除いて、競合サービスにはほとんど見られないものだ。ただしNVIDIAのプラットフォームはサブスクリプションではなく、SteamやEpicストアなどのサードパーティストアで購入したゲームをプレイできるようにすることに重点を置いているため、ビジネスモデルが異なる。

マイクロソフトは明らかに、高性能な専用コンソールの販売台数が減ったとしても、Xboxのエコシステム全体を拡大したいと考えている。これは、音楽業界が聴き放題のサブスクリプションモデルに支えられたクラウド型サービスへと移行していることに似ている。

マイクロソフトのXbox事業を率いるPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏はこう述べた。「私たちは、ゲームやインタラクティブエンタテインメントは、ハードウェアやソフトウェアではないと考えています。ピクセルの話ではありません。ゲームは人々を結びつけるものです。ゲームは人と人との架け橋となり、絆を深め、世界中の人々との共感を生み出します。喜びとコミュニティ、それが私たちがここにいる理由です」。

なお、マイクロソフトは専用ゲーム機を廃止するわけではなく、すでに次世代のコンソールハードウェアの開発に取り組んでいるとのこと。だが、新しいXboxコンソールがすぐに登場することは期待しないほうがいいだろう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MicrosoftXboxXbox Game Passクラウドゲーム

画像クレジット:Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

アバターフィギュアなどのマーケットプレイスが付随するNFTゲームエンジンをMythical Gamesが開発中

NFT(非代替性トークン)の売上高が最も投機的な高値から下がってしまった現在も、その可能性を利用しようとしているスタートアップ企業には、暗号化された収集品には過去数カ月の間に誇大広告されたよりも、はるかに多くの可能性があると信じている投資家から、依然として多額の資金が集まっている。

ロサンゼルスを拠点とするNFTゲームのスタートアップ企業であるMythical Games(ミシカル・ゲームズ)は、新規および既存の投資家から7500万ドル(約82億円)の資金を調達した。同社は最初のタイトルにおける野心を拡大し、開発者がブロックチェーンベースのゲーム体験を構築できる実質的なプラットフォームを作り上げようとしている。

今回のシリーズBラウンドは、WestCap(ウエストキャップ)が主導し、01 Advisors(01アドバイザーズ)と、Gary Vaynerchuk(ギャリー・ヴァイナーチュック)氏のVaynerFund(ヴァイナーファンド)が、既存の投資家に加わって参加した。このスタートアップ企業は、これまでに1億2000万ドル(131億円)という莫大な資金を調達している。

Mythical Gamesは現在「Fall Guys(フォールガイズ)」と「Roblox(ロブロックス)」と「Funko Pop(ファンコポップ)」を組み合わせたような「Blankos Block Party(ブランコスブロックパーティー)」というタイトルを開発中だ。このPCゲームは、ユーザーがコンテンツを作成するというソーシャルゲームの大きなトレンドに便乗しており、さまざまなアーティストやデザイナーが作成したアバターフィギュアやアクセサリーを購入できるマーケットプレイスが付随している。ユーザーは、このマーケットプレイスを通じて、限定版もしくは通常版のアイテムを購入したり販売したりすることができる。ただし他のNFTプラットフォームとは異なり、これらのアイテムはプライベートブロックチェーン上に存在するため、OpenSea(オープンシー)のようなパブリックなマーケットプラットフォームで転売することはできない。

Mythical Gamesは、ブロックチェーンベースのゲームの仕組みを普及させようと盛り上がっている動きに加担しながらも、まだ全盛期を迎える準備が整っていないと見られている暗号プラットフォームの要素は放置している。ユーザーはBitPay(​ビットペイ)を通じて暗号資産でプラットフォーム上のアバターを購入することができるが、クレジットカードで支払うこともできるので、ウォレットを設定したり、シードフレーズを書き込んだりする手間が必ずしも要るわけではない。

Mythical Gamesはユーザー数の増加にともないBlankosに大きな期待を寄せているが、大きな投資の好機はおそらく同社のチームが構築しているゲームエンジンの方にある。その「Mythical Economic Engine(ミシカル・エコノミック・エンジン)」は、新進気鋭のゲーム開発者が、規制上の問題に巻き込まれることなく、NFTベースのマーケットプレイスを構築できるように設計されており、クリエイターがアンチマネーロンダリング法を遵守し、顧客確認を行うためのツールを備え、地域を超えたコンプライアンスに対応する。

「(NFTのような)新しい市場にはさまざまなサイクルがあります」と、Mythical GamesのJohn Linden(ジョン・リンデン)CEOは、TechCrunchに語った。「私たちは、実際にこれが長期的にはゲームを変えると考えています。ゲームスタジオと話をすればするほど、潜在的な使用例が次から次へと見つかっています」。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Mythical GamesNFT資金調達

画像クレジット:Mythical Games

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitchがプラットフォーム10周年でアニメーションEmotesを導入

Twitch(ツイッチ)は米国時間6月4日、サービス開始10周年祝いとして2021年6月、Emotesに大幅なアップデートを加えると発表した。新しい機能はAnimated Emotes、Follower Emotes、Emotesライブラリーだ。

ゲーマーのためのライブストリーミングプラットフォームとして始まって以来、Twitchの絵文字であるEmotesはTwitchカルチャーの重要な要素だった。小さなミームでKappa、TriHard、PogChampといった画像はより広範なゲームの世界、Twitchプラットフォーム外ですら使われるようになった。

「Emotesは国を超えたランゲージです」とTwitchのコミュニティプロダクト担当シニアディレクターのIvan Santana(イヴァン・サンタナ)氏は話す。「世界中どこにいてもEmotesは同じ意味を持ちます」。

Amazonが所有するTwitchは定期的に新しいグローバルEmotesを加えていて、あらゆるストリーマーのチャンネルで使うことができる。個人クリエイターは自分のコミュニティ用にカスタムEmotesを作ることができ、有料購読者はそれらをプラットフォームで使用することが可能だ。しかしアニメーション化されたgifをEmotesとして加えられるようにするのは、サンタナ氏の記憶ではずっとコミュニティから要望されていたものだ。

「私はTwitchで4年働いていますが、私がTwitchに加わる前から要望されていたものです」とサンタナ氏はTechCrunchに話した。「確かに、とても長い間です」。

アニメーションのスキルを持っていなくても心配は無用だ。テックに詳しい人はカスタムgifをアップロードできる一方で、Twitchは既存のEmotesをアニメーション化できる6つのテンプレートをストリーマー向けに用意する。これらのアニメーション化はShake(振動する)、Rave(色が変化する)、Roll(横に動く)、Spin(回転する)、Slide In(横から登場)、Slide Out(横へ消える)だ。アニメーションにセンシティブなビューワーはチャット設定でこの機能をオフにできる。

TwitchはFollower Emotesも試験している。こちらは選ばれたパートナーとアフィリエイトのみが使えるようになる。この機能は、ビューワーが初めてチェックするチャンネルにあるフォローのボタンをクリックするよう、ビューワー向けの楽しい無料のインセンティブを作る。ビューワーがチャンネルをフォローすると、クリエイターがストリーミングするときにその旨が通知され、これはゆくゆくはサブスクにつながる。Twitchはストリーマーのサブスク売上の50%を取り、これは同社にとって価値ある収入源となる。

2021年第1四半期にTwitchの視聴率は過去最高を記録し、前四半期から16.5%増となった。Twitchのビューワーは第1四半期にコンテンツを63億4000万時間視聴し、マーケットシェア72.3%となった。この視聴時間は前年同期の倍だ。Facebook GamingとYouTube Gamingのマーケットシェアはそれぞれ12.1%、15.6%だった。

「クリエイターは新しいビューワーを引きつけて歓迎する、さらに良い方法を長い間求めていました。コミュニティで多くの楽しみを、そして最高のコミュニティフィーリング作り出す方法です」とサンタナ氏は話した。

ベータ版にアクセスできるクリエイターはフォロワー向けに最大5つのEmotesをアップロードできる。しかしSubscriber Emotesと違ってフォロワーは他のチャンネルでこれらのEmotesを使うことはできない。Follower Emotesがずっと続くという保証はない。「実験」している機能であるためだが、すべて順調にいけば2021年後半に広く展開する、とサンタナ氏は語った。

最後に、ライブラリーの機能では、クリエイターは毎回削除したり再アップロードしたりすることなく簡単にサブスク内でEmotesを取り替えることができるようになる。これは、チャンネル特有のアイコンをクリエイター・ダッシュボード上のEmotesタブに集めるようになった、2021年1月のアップグレードをベースにしている。いつものように、新しいEmotesは使用前にTwitchに承認される必要がある。ライブラリーはすべてのパートナーとアフィリエイト向けに間もなく展開され、新しいEmotesがあふれるようになるまでには数カ月かかる見込みだ。

「Twitchの規模は拡大し、世界中のさまざまなカルチャーに何百万ものコミュニティを抱えています。コミュニティがこれまで以上にEmotesランゲージをコントロールできるようにし、最終的にはユニークに機能する、我々が想像もできなかった方法でEmotesを進化させられます」とサンタナ氏は述べた。

Twitchは公式10周年セレブレーションなど、プラットフォームの10年を祝うためにその他にも取り組んでいることをほのめかした。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Twitchライブストリーミング

画像クレジット:Twitch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

FacebookがRobloxのようなゲームプラットホームCraytaを支えるスタジオを買収

Facebookはこのところ、数多くの仮想現実制作スタジオをそれぞれ単発で買収してきたが、今日(米国時間6/5)の同社の発表では、今度はややでっかい買収をするようだ。それは、Robloxのようなゲーム作成プラットホームだ。

Facebookが今回買収するUnit 2 Gamesは、Crayta.と呼ばれるプラットホームを作っている。そのほかのプラットホームと同様にそれはUnreal Engineをベースとし、ユーザーにシンプルな制作インタフェイスと、発見とコミュニティの機能を提供する。Craytaは独自のニッチを作って、バトルパスのシーズンのような収益化の方式をプッシュし、プラットホームにFortnite的な雰囲気を与えている。

Unit 2の社歴は3年を超えているが、Craytaをローンチしたのは昨年の7月だ。GoogleのクラウドストリーミングプラットホームStadiaでのみ提供、という契約なので、そのオーディエンスも限られてくるが、3月時点ではEpic Games Storeにもあった。

このゲーム作成ゲームはいかにもクラウドゲーム的な軽量級という感じで、ユーザーは他のユーザーをリンクするだけでゲームへのアクセスを共有できる。Facebookはゲームの分野で自分自身の取り組みを推していくために、Craytaをどうしても使いたいようだ。

Facebookのゲーム担当副社長Vivek Sharma氏が、買収を発表するポストでこう書いている: 「Craytaは現在のクラウドストリーミング技術を最大化して、ゲームの創作を誰もが簡単にできるようにした。私たちの計画ではCraytaの創作ツールセットをFacebook Gamingのクラウドプラットホームに統合して、Facebookの上で新しい体験を簡単迅速に提供していきたい」。

チームの全体が買収の一環としてFacebookに来るが、契約の財務的条件等は明らかでない。

関連記事: VCs discuss gaming’s biggest infrastructure investment opportunities in 2021(未訳、有料記事)

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Unit 2 Games

[原文へ]

任天堂が「Nintendo Direct|E3 2021」を6月16日午前1時に配信、年内予定タイトルを公開

任天堂が「Nintendo Direct|E3 2021」を6月16日午前1時に配信、年内予定タイトルを公開
任天堂が「Nintendo Direct|E3 2021」を6月16日午前1時に配信、年内予定タイトルを公開

Nintendo

任天堂は新作発表 Nintendo Direct E3 2021 を6月16日(水)午前1時(15日(火)深夜25時)より配信します。事前収録の映像で、放送時間は約40分。

内容は「年内に予定しているタイトルを中心に、Nintendo Switchソフトの情報をお届けします」。Nintendo公式ページのほか YouTube、ニコニコ生放送でも配信予定です。

任天堂の新発表として気になるのは、うわさの上位版ニンテンドースイッチ本体、いわゆるNintendo Switch Pro (仮) の発表があるかどうか。

有機EL版Nintendo Switch、2021年秋に発売の噂(Bloomberg報道)

任天堂の歴代ハードウェア戦略としても、家庭用ゲーム機ビジネスの常道としても当然新型は作っているはずです(現行のスイッチも、Lite発売のタイミングで形状はそのまま中身が刷新され駆動時間が伸びています)。

しかし巣ごもり需要もあり現行のスイッチが売れている状況、また広範な半導体不足が意外な方面にまで影響を及ぼしつつある状況でいつ・どのように展開するかはまた別の話です。

ゲームソフトとして気になるのは、2019年のE3で発表されたゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド2 の続報があるかどうか。いまだに発売日未定のため、今年なのか来年なのかも分かりません。

速報:任天堂、ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド続編を開発発表 #E32019

このほか任天堂の発表済み新作としては、2022年発売予定のスプラトゥーン3、未定のベヨネッタ3、2017年の開発表明からほとんど続報がないメトロイドプライム4など。

任天堂が「Nintendo Direct|E3 2021」を6月16日午前1時に配信、年内予定タイトルを公開

Pokemon

発売が比較的近い作品としては、ゲームフリークが開発するポケモンの新しいアクションRPG『ポケモンLEGENDS アルセウス』が22年1月28日。ダイパリメイクことブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール (ポケモンBD・SP)は今年11月19日。

ポケモン完全新作『Pokémon LEGENDS アルセウス』発売日決定、パッケージ初公開

ポケモン ポケットモンスター ブリリアントカットダイヤモンド シャイニングパール

ポケモン

ポケモン新作BD・SPは11月19日発売 『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』パッケージ初公開

Engadget日本版より転載)

©2021 Pokémon. ©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』『ポケットモンスター シャイニングパール』 are developed by ILCA,Inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。

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任天堂が「任天堂資料館」を2024年オープン予定、京都府宇治市の工場をリノベーションし展示・体験を行う観光施設として集客目指す

任天堂は6月2日、京都府宇治市小倉町にある任天堂宇治小倉工場用地と建屋を資料館施設として利用する「任天堂資料館(仮称)」を発表しました。展示と体験を行う観光施設としての集客を目指し、2023年度(2024年3月期)の完成を予定しています。

もともと、任天堂のものづくりに対する考えを広く認知してもらう為に過去に発売した商品を展示する資料館施設の設置を検討していたとのこと。そして、近鉄小倉駅周辺の活性化を図る宇治市の意向を受けて、宇治小倉工場を資料館施設としてリノベーションすることになりました。

(Source: 任天堂Engadget日本版より転載)

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「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Mojang

マインクラフトの次期大型アップデート『Caves and Cliffs』(洞窟と崖)パート1の配信が6月8日に決定しました。

プラットフォームはWindows 10、ニンテンドースイッチ、PS5 / PS4、Xbox One / Xbox Series X|S、iOS / Android スマートフォン等で動く統合版 Bedrock Edition と、PC / Mac / Linux の Java版のすべて。

『洞窟と崖』アップデートの第一弾となる今回は、地底湖や植物で覆われた洞窟、アメシストの晶洞(ジオード)といった新たな地形が増え、初の両生類ウーパールーパーやヤギ、発光イカといった新規モブ、銅鉱石やアメシスト、望遠鏡、避雷針などさまざまな新規ブロックやアイテムが追加されます。

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Minecraft

Caves and Cliffs (洞窟と崖)は、2020年10月のイベント Minecraft Live で発表された大型アップデート。

マインクラフト大型アプデ「ケイブ&クリフ」発表。銅鉱石にウーパールーパー、地底湖や考古学など新要素多数

大量の新規要素を含む野心的な内容ですが、新型コロナウイルス感染症の流行により開発元 Mojang がリモートワークに移行し開発に遅れが生じたこと、無理に当初スケジュールに間に合わせるよりも開発陣の健康と製品の品質を優先するとの判断で、パート1とパート2の分割リリースになりました。

6月8日にリリースされるパート1は、銅やウーパールーパー、新規の洞窟バイオーム等々を追加する内容。年末予定のパート2では、音で周囲を認識する強力な敵対モブ「ウォーデン」が生息する地底世界 Deep Dark や考古学といった要素が加わる予定です。

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Minecraft

ウーパールーパー(アホロートル、幼形成熟したメキシコサンショウウオ)は、バケツで捕獲できる水生モブ。プレーヤーを守り一緒に戦ってくれます。

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Minecraft

銅鉱石の追加も大きなニュース。生成した銅を建築素材に用いた場合、時間経過で緑青を生じ、歴史的建造物によく観られる落ち着いた緑の色合いになります。

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Minecraft

銅を使ったクラフトは避雷針や望遠鏡など。

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Minecraft

緑豊かな洞窟(ラッシュケーブ)。食べられる発光ベリーの実る蔦やなど、新たな生態系が。

「マインクラフト」次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」パート1が6月8日配信決定

Minecraft

アメシストの晶洞(ジオード)。滑らかな玄武岩、方解石、凝灰岩といった新たな鉱物で構成された構造。アメシストは「芽」から結晶が育ちクラスターになる。上を歩いた時、物を当てた時、叩いた時などに独特の音がすることも特徴。望遠鏡など新たなクラフト材料にも。

マインクラフトには「光」の要素があり、モブの出現や植物の生成など世界の法則に組み込まれていますが、洞窟と崖では「音」の要素も重視されるようになります。

マインクラフト大型アプデ「ケイブ&クリフ」発表。銅鉱石にウーパールーパー、地底湖や考古学など新要素多数
Caves & Cliffs: Part I has a release date! | Minecraft

Engadget日本版より転載)

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新型コロナ蔓延下ではゲーム性よりソーシャルプラットフォームを優先したゲームが必要だ
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.9.6~9.12)

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タグ:Microsoft / マイクロソフト(企業)Minecraft / マインクラフト(製品・サービス)

【コラム】アニメーター、ライター、デザイナーに朗報、活気ある米国のゲーム業界にはチャンスが溢れている

編集注:本稿の著者Josh Vesely(オシュ・ヴェセリー)氏は、Randstadのエンタープライズソリューショングループのシニアバイスプレジデント。

ーーー

世界中の企業が新型コロナウイルスのパンデミックによって壊滅的な影響を受ける中、1180億ドル(約13兆円)規模のゲーム産業は影響を回避するどころかむしろ成長を遂げることができた。米国の消費者の55%がロックダウン中にエンターテインメントやストレス発散、気晴らし、外部との繋がりを求めてゲームに飛びついたからだ。

その結果、ゲームの売上は世界全体で20%増加し、2020年だけで約2万人の雇用が創出された。調査会社のIBISWorldによると、この傾向が勢いを失うことはしばらくないようで、過去半世紀の間に見られた前年比成長率に引き続き、2021年も継続的に成長を遂げる見込みだという。

ゲーム業界や次の大ヒット商品を開発中の企業で就職したいと考えている人にとっては朗報である。ゲーム開発やデザインスキルを持つ人の失業率はすでにゼロに近く、この分野に参入するチャンスはこれまでになく高いのである。

ゲーム業界に特化したデジタルコミュニティであるGamesmith(ゲームスミス)では、現在5750件以上の求人情報が掲載されており、中でもデザイン、エンジニアリング、アニメーションなどの職種が上位を占めている。つまりこれまでゲーム業界でのキャリアを考えたことがなく、自分のスキルセットが通用しないと思っていたとしても、拡大し続けるこの雇用市場ではありとあらゆる種類のバックグラウンドを持つ従業員が必要とされており、ゲーム以外への興味がこの分野でのキャリアにつながることになるかもしれない。

特にAutodesk MayaやAdobe Photoshopなどのデジタルアートツールを使いこなせる人など、何らかのアートスキルがある人にとって有望なキャリアパスは「アニメーション」だ。アニメーターはゲーム会社やスタジオで没入感のある風景や都市の構築、特定のキャラクターのモデリング、ユーザーインターフェースやナビゲーションコンポーネントのデザインなど、さまざまな仕事を行うことができる。最近の調査によると、アニメーション業界のほとんどの分野で前年比2〜3%の成長率というから、ここにも大きな成長が見られる。Gamesmithによると30歳の女性アーティストやアニメーターの平均年収は9万ドル(約980万円)弱だという。

文章力やウィットに富んだ会話に自信があるなら、ライターの仕事に応募してみてはどうだろう。「Grand Theft Auto(グランド・セフト・オート)」シリーズの背景で聞こえる乱暴な叫び声から「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のような大作アドベンチャーの長いセリフまで、あらゆるものを書くのがライターの仕事である。採用担当者たちはストーリー作りやキャラクターへの理解に長けたライターを求めているため、プロのライターでなくてもゲームパブリッシャーが求めるものと共通するような自分の売りを強調すると良いかもしれない。

ゲーム業界で最も重要な分野の1つであり、急成長中の分野でもあるのがゲーム体験そのものの開発とデザインだ。ニューイングランド工科大学によると、これらの職種の雇用市場は2016年から2026年の間に9.3%成長すると予測されており、この分野にはレベルデザイナーからリードデザイナー、開発者まで幅広い職種が存在する。

Gamesmithの計算によると、こういった仕事は募集人員の16%を占めているにもかかわらず、応募数は全体の5%に過ぎないという。この仕事に就くためには少なくともコンピュータサイエンスの学位とプログラミングの基礎を理解している必要があるが、勉強の苦労に見合った報酬を得ることができる。Gamesmithの推定では28歳の男性エンジニアの平均給与は10万ドル(約1090万円)を超えている。

ゲームを制作するための前述のような技術を持ち合わせていなくても、この業界に参入するための入り口は他にもたくさんある。どんなに優れたゲームでも人々に知ってもらえなければ成功することはできない。最新作が消費者に購入され、記事にしてもらえるようにするための重要な役割を担うのがマーケティングおよびプロモーションチームである。またコミュニケーション能力が高く、問題解決を得意とする人なら、企業は常にカスタマーサービス担当者を必要としている。

30代前半から半ばの白人男性だけが働く業界というイメージが強いゲーム業界の企業は現在、あらゆる分野において多様化を図り、そのイメージから脱却しようと試みている。Gamesmithの調査によると、現在ゲーム業界の従業員の74%が男性で、64%が白人であるという。

しかしそれも変わりつつある。2020年の時点で多様性に取り組むためにある程度の資金を投入したスタジオはわずか24%だというが、その内96%のスタジオが少なくとも中程度の成果と企業文化の改善があったと報告している。急速な変化とは言い難いものの、ゲーム業界がより多様な人材を得ることができれば、単にオフィスに公平性をもたらすだけでなく、将来的に優れたゲームを作ることができるようになり、またゲームをプレイする人々と同じような人々が働く業界にすることができるという考えが認識し始められている。

「多様性はきれい事ではありません。ゲーム業界が成長し、繁栄し、この国で毎日ゲームをプレイする何千万人もの人々を本当に反映させるために多様性は必要不可欠です」と英国を拠点とするゲーム団体UkieのCEOであるJo Twist(ジョー・ツイスト)氏は話す。「さまざまな文化、ライフスタイル、経験を活かした多様な業界は、プレイヤーの想像力をかきたてる、よりクリエイティブで包括的なゲームを生み出し、この業界を前進させてくれることでしょう」。

ゲーム業界の多様化が進む中、この分野では新たなチャンスが次々と生まれている。ここで重要なのは、ゲーム業界におけるキャリアには幅広い可能性があり、自分ではそう思っていなくても自分のスキルがゲーム会社が必要としている役割のどれかに当てはまるかもしれないということだ。熱心なゲーマーであれば、ゲーム機の電源を入れただけではゲームに勝てないということを知っているだろう。だからこそ自分のスキルを磨き、経験を積み、夢にまで見た業界への就職をどうか目指して欲しい。

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駒や手の動きをトレース、タッチ操作可能な「デジタル」ボードゲームをThe Last Gameboardは2021年中に出荷
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任天堂の古川俊太郎社長が2020年のSwitch販売のうち約580万世帯が2台目以降として購入と公表

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タグ:コラム求人クリエイターゲームソーシャルゲーム

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(文:Josh Vesely、翻訳:Dragonfly)

駒や手の動きをトレース、タッチ操作可能な「デジタル」ボードゲームをThe Last Gameboardは2021年中に出荷

ここ数年、何百万人もの人々がテーブルゲームの楽しさを知り、再発見したことで、テーブルゲーム業界は爆発的な成長を遂げている。The Last Gameboard(ザ・ラスト・ゲームボード)はその進化の場になりたいと考えている。デジタルボードゲームプラットフォームである当社は、クラウドファンディングから400万ドル(約4億3700万円)のシードラウンドへと進み、業界の大手企業との提携を経て、年内の出荷を予定している。

同社のCEO兼共同設立者であるShail Mehta(シャイル・メータ)氏が2021年初めのTC Early Stageのピッチ・オフで説明したように、The Last Gameboardは16インチ(40.6センチメートル)の正方形のタッチスクリーンデバイスで、カスタムOSと、ゲームの駒や手の動きを追跡する高度な技術が備わっている。狙いは、最大限の利益と最小限の妥協をもって物理的なゲームの代わりにデジタルゲームを提供することだ。

本ピッチには聞き覚えがあるかもしれない。過去に1度か2度、試みられたことがあるからだ。私は2009年に、初代Microsoft SurfaceでのD&Dの可能性に感銘を受けたことをはっきりと覚えている。また、何年も前にPAXで別のSurfaceで遊んだこともある。メータ氏によれば、ごく最近までこのような技術がなく、市場的にも準備が整っていなかったそうだ。

「以前にもこのような試みはありましたが、あまりにも高価だったり、人気がなかったのです。そして、技術的にもそこまでのものではなく、インタラクションの部分が欠けていました」と彼女は語る。確かに、例えばiPad版のゲームには物理的な要素が欠けていることは、プレイヤーなら誰でも認めるところだろう。彼女の会社が達成した進歩は、タッチスクリーンがタップやドラッグだけでなく、ゲームの駒やジェスチャー、画面上の動きなどを検出できるようにしたことだ。

メータ氏によれば「ゲームボードができることは、既存のタッチスクリーンやタブレットには到底できないことです。タッチも駒も、受動も能動も無制限に行うことができます。チェスセットを家で使って、駒を取ったり置いたりしても、それをずっと追跡することができます。タグやカスタムシェイプでユニークな識別が可能です。これは、インタラクティブサーフェスの次なるステップです」。

その方法は特別なものではないため、ゲームボードは、ユニークで高価な構造のために数千ドル(数十万円)もするSurfaceやその後継機のような運命を辿ることはない。メータ氏によれば、ゲームボードは一般的な静電容量方式のタッチデータを一般的に使用されているよりも高いフレームレートで厳密に処理し、機械学習を用いて物体の輪郭を特徴付けて追跡すると説明している。「完全に新しいメカニズムを作ったわけではなく、現在利用可能なものを最適化しているだけなのです」と彼女はいう。

画像クレジット:The Last Gameboard

ゲームボードの価格は699ドル(約6万5000円)と決して衝動買いできるものではないが、実際のところ人々はゲームに多額のお金を費やしており、拡張機能やパーツをすべて揃えると数百ドル(数万円)になるゲームタイトルもある。ボードゲームは今や200億ドル(約2兆1800億円)を超える産業だ。もし、彼らの期待通りの体験ができるのであれば、これは多くのプレイヤーが躊躇せずにできる投資だろう。

もちろん、どんなに強力なジェスチャーや機能を備えていても、そのプラットフォームにあるのが特売品や古い店の人気商品だけであったら意味がない。幸いなことに、The Last Gameboardは世界で最も人気のあるボードゲーム企業をいくつか集め、それらのゲームのデジタル版の決定版を目指している。

画像クレジット:The Last Gameboard

Asmodee Digital(アスモデ・デジタル)は、現代の名作「Catan(カタン)」や「Carcassonne(カルカソンヌ)」から、クラウドファンディングで大ヒットした「Scythe(サイズ)」や大規模なダンジョン探索ゲーム「Gloomhaven(グルームヘイヴン)」まで、今日の大ヒット作品の多くをゲーム化してきた最大の企業だろう。現在、Dire Wolf Digital、Nomad Games、Auroch Digital、Restoration Games、Steve Jackson Games、Knights of Unity、Skyship Studios、EncounterPlus、PlannarAlly、Sugar Gamersの他、個人のクリエイターや開発者がパートナーとして名を連ねている。

これらのゲームは対面でプレイするのが最適かもしれないが、デジタル版への移行にも成功しており、より大きなスクリーンと本物の駒を取り入れれば、より優れたハイブリッド体験が可能になるかもしれない。また、携帯電話やSteamのようにゲームを単品で購入する方法と、無制限にアクセスできるサブスクリプションに加入する方法がある(価格はいずれも未定)。

また、多くのゲームショップやゲーム会場でも、いくつかのゲームを用意しておきたいものだ。店頭でゲームを試した後、数本購入してストックしたり、消費者を同じやり方で説得したりすることは、すべての関係者にとってすばらしい販売戦術となるだろう。

このデバイスは、ユニークで優れたデジタル版ゲームを提供するだけでなく、他の人とつながって技を交換したり、ゲームの招待を送ったりすることができる。メータ氏によれば、OS全体が「生きている現実なのです。私たちが所有し創造しなければ、機能しません」。デバイスはストアを内蔵したAndroidに毛が生えた以上のものでありながら、Androidベースのポートを簡単に持ち込むことができる共有性がある。

コンテンツ部門の責任者であるLee Allentuck(リー・アレンタック)氏は、新型コロナウイルス流行を含むこの2、3年の間に、ゲーム開発者やパブリッシャーが、次の時代に向けた業界の準備状況について考えを改め始めたことを示唆している。「彼らは、デジタル界でのクロスオーバーが起こるだろうと考えています。もし、そのような新しいトレンドに最初から参加することができれば、大きなチャンスとなります」と語る。

ゲームボードでStop ThiefをプレイするCEOのシャイル・メータ氏(中央)とチームのメンバー(画像クレジット:The Last Gameboard)

Hasbro(ハズブロ)に勤務していたアレンタック氏によると、玩具やボードゲームの業界では、技術的により前進することに広く関心が寄せられている。しかし「ニワトリが先か、タマゴが先か」と言われるように、革新する人がいないから市場が生まれず、市場がないから誰も革新しないという状況が続いている。幸いなことに、The Last Gameboardのような会社が400万ドル(約4億3700万円)を調達して、その市場を作るためのコストをカバーできるところまで状況は進展している。

The Last Gameboardの本ラウンドは、TheVentureCity(ザ・ベンチャーシティ)が主導し、SOSV、Riot Games(ライアットゲームズ)、Conscience VC(コンシエンスVC)、Corner3 VC(コーナー3 VC)などが参加した。同社は、予定通りHAX Shenzhenのプログラムに参加しなかったものの、HAX系列の企業であることに変わりはない。SOSVのパートナーであるGarrett Winther(ガレット・ウィンザー)氏は、同社のアプローチを高く評価している。「彼らは、我々がゲームに求めるコミュニティ、ストーリーテリング、対戦の基盤を失わずに物理的なゲームプレイとデジタルなゲームプレイのコラボレーションを効果的に結びつけた最初の企業です」と語る。

メータ氏によると、新型コロナウイルスの影響で、2020年の同時期に予定されていた資金調達が頓挫し、すべてが台なしになり、会社が危うくなるところだった。「機能するプロトタイプができて、特許も申請して、人気も出てきて、資金調達もできて、すべてが順調だった時に、新型コロナウイルスが発生してしまいました。しかしながら研究開発のための時間がたくさんできたので、それが実際幸いしました。私たちのチームは超少人数だったので、誰も解雇せずに済みました。私たちは半年間ほど生存モードに入り、プラットフォームの最適化と開発を行いました。2020年は誰にとっても厳しい年でしたが、コア製品に集中することができました」。

現在、同社は2021年夏にベータプログラムを開始し、そこからのフィードバックを受けて、最初の生産台数を購入されやすい休暇シーズン前に出荷する準備をしているところだ。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:The Last Gameboardボードゲーム資金調達

画像クレジット:The Last Gameboard

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

【コラム】アクセシブルなゲーミングの未来を創る

編集注:本稿の著者Williesha Morris(ウィリーシャ・モリス)氏は10年以上のキャリアを持つ、フリーランスのジャーナリスト。執筆していないときは、本を読んだり、ビデオゲームをしたり、マーベル・シネマティック・ユニバースについてしゃべったりしている。

ーーー

2011年、プロダクト開発者Fred Davison(フレッド・デイヴィソン)氏は、発明家のKen Yankelevitz(ケン・ヤンケレヴィッツ)氏と同氏が開発した四肢麻痺患者向けのビデオゲームコントローラー「QuadControl」に関する記事を読んだ。当時、ヤンケレヴィッツ氏はリタイアを目前にしていた。デイヴィソン氏はゲーマーではなかったが、母親が進行性の神経変性疾患であるALSにかかっていたことから、ヤンケレヴィッツ氏が手を離そうとしていたことに意識が向いたという。

2014年に発売されたデイヴィソン氏のQuadStickは、幅広い業界で関心を集めていたヤンケレヴィッツ氏のコントローラーの最新モデルだ。

「QuadStickは私がこれまで携わった中で最もやりがいのあるものでした」とデイヴィソン氏はTechCrunchに語った。「(障害を持つゲーマーたちが)こうしたゲームに参加できることが何を意味するのかについて、たくさんのフィードバックを得ています」。

土台作り

デンバーのCraig Hospital(クレイグ病院)で作業療法士を務めるErin Muston-Firsch(エリン・マスタン・ファーシュ)氏は、QuadStickのようなアダプティブゲーミングのツールは同病院のセラピーチームに革命をもたらすものだったと語る。

同氏は6年前、脊髄損傷で来院した大学生のためのリハビリ療法を考案した。その青年はテレビゲームをするのが好きだったが、けがのために手が使えなくなっていたという。そこで、リハビリ療法にデイヴィソンの発明が取り入れられ、患者はWorld of Warcraft and Destinyをプレイできるようになった。

QuadStick

Jackson “Pitbull” Reece(ジャクソン・「ピットブル」・リース)氏は、QuadStickとXAC(Xboxアダプティブコントローラー)の操作に口を使うことで有名なFacebookのストリーマーだ。XACはMicrosoft(マイクロソフト)ソフトが障害者向けに設計したコントローラーで、ビデオゲームのユーザーインプットを容易にする。

リース氏は2007年のオートバイ事故で脚の機能を失い、その後、感染症のために手足の切断を余儀なくされた。同氏は、スポーツビデオゲームによって満たされていた健全な頃の生活が思い出されると語っている。ゲーミングコミュニティの一員であることは、自分のメンタルヘルスの重要な部分だという。

幸いなことに、支援技術のコミュニティ間では、ゲーマー向けのハードウェアを作ることに関して競争ではなくコラボレーションの雰囲気がある。

しかし、大手テクノロジー企業のすべてがアクセシビリティに積極的というわけではない。その一方で、障害を持つゲーマー向けにカスタマイズされたゲーミング体験を実現するアフターマーケットデバイスが提供されている。

マイクロソフトの参加

マイクロソフトでインクルーシブリードを務めるBryce Johnson(ブライス・ジョンソン)氏は2015年のハッカソンで、障害を持つ退役軍人の支援団体Warfighter Engagedと面会した。

「私たちは時を同じくして、インクルーシブデザインに対する考え方を発展させようとしていました」とジョンソン氏は語る。実際のところ、第8世代のゲーミングコンソールは、障害を持つゲーマーにとって障壁となっていた。

「コントローラーは、前提条件を設定した主要なユースケースに合わせて最適化されています」とジョンソン氏はいう。実際、従来のコントローラーのボタンやトリガーは、耐久性の高い健常者向けのものだ。

Warfighter Engaged以外にも、マイクロソフトはAbleGamers(障害のあるゲーマーのための最も有名な慈善団体)、クレイグ病院Cerebral Palsy Foundation、および英国に拠点を置く障害のある若いゲーマーのための慈善団体Special Effectと協力している。

Xboxアダプティブコントローラー

2018年にリリースされたXACは、移動性に制限のあるゲーマーが、他のゲーマーとシームレスにプレイできるように設計されている。ゲーマーたちがコメントを寄せた細部の1つに、XACは医療機器ではなく、消費者向け機器のように感じるということが挙げられている。

「このコミュニティのためにこの製品を設計する、ということは不可能だと分かっていました」とジョンソン氏はTechCrunchに語った。「コミュニティ一緒に製品を設計する必要がありました。『私たちがいなければ、私たちは何もできない』という信念を私たちは持っています。インクルーシブデザインという私たちの原則は、最初の段階からコミュニティを取り込むよう促すものです」。

大物たちの協力

他にも協力する人たちがいた。多くの発明がそうであるように、Freedom Wingの誕生は偶然の産物だった。

ATMakersのBill Binko(ビル・ビンコ)氏は、支援技術(Assistive Technology:AT)カンファレンスのブースで、ATMakersのJoystickという電動車イス向けデバイスを使用した人形「Ella」を展示した。カンファレンスにはAbleGamersを支えるブレーントラストの一員であるSteven Spohn(スティーブン・スポーン)氏も出席していた。

スポーン氏はJoystickを見て、ビンコ氏にXACで動作する同様のデバイスが欲しいと伝えた。センサーを使って、イスの代わりにゲームコントローラーを操作するというものだった。このデバイスはすでに電動車イスデバイスとして路上テストされているため、何カ月にも及ぶ研究開発とテストを必要としなかった。

ATMakers Freedom Wing 2

ビンコ氏によると、零細企業は、アクセシブルゲーミング技術の変革において先陣を切っているという。マイクロソフトやLogitech(ロジテック)のような企業は、最近になってようやく足場を固めた。

一方、ATMakersやQuadStickなどの小規模なクリエイターたちは、この業界をディスラプトすることに奔走している。

「誰もが(ゲーミングを)手にすることができ、コミュニティと関わり合う機会が広がっていきます」とビンコ氏。「ゲーミングは、人々が極めることができ、参加できるものなのです」。

参入の障壁

技術が進化するにつれて、アクセシビリティへの障害も進化する。こうした課題にはサポートチームの不足、セキュリティ、ライセンス、VRなどが含まれる。

ビンコ氏によると、需要の増加にともない、こうした機器のサポートチームを管理することは新たなハードルになっているという。AT業界に参入して機器の製造、設置、保守を支援するためには、技術的なスキルを持つ人材がさらに必要となる。

セキュリティとライセンスは、多様なハードウェア企業との協業に必要となる資金やその他のリソースのために、デイヴィソン氏のような小規模なクリエイターの手を離れている。例えば、Sony(ソニー)のライセンシングエンフォースメント技術は、新しい世代のコンソールではますます複雑化している。

デイヴィソン氏はテクノロジー業界での経験から、機密情報を保護するための制限について理解している。「製品の開発に膨大な資金を費やし、そのあらゆる側面をコントロールしたいと考えているのです」とデイヴィソン氏は語る。「力の小さい者が一緒に仕事をするのを厳しくしているだけです」。

デイヴィソン氏によると、ボタンマッピングではPlayStationが先行したが、セキュリティプロセスが厳格だという。コントローラーの使用を制限することがコンソール企業にとってどのようなメリットがあるのか、同氏には理解できない。

「PS5とDualSenseのコントローラーの暗号化は今のところクラックできないため、ConsoleTunerのTitan Twoのようなアダプターデバイスは、非公式な『中間者』攻撃のような他の弱点を見つけなければなりません」とデイヴィソン氏は述べている。

この手法を使えば、デバイスはQuadStickから最新世代のコンソールまで旧世代のPlayStationコントローラーを利用できるようになり、障害を持つゲーマーはPS5をプレイできるようになる。TechCrunchはソニーのアクセシビリティ部門に問い合わせたが、この部門の代表者によると、適応性のあるPlayStationやコントローラーに関する当面の計画はないという。しかし、同部門はアドボケイトやゲーミング開発者と協力し、最初からアクセシビリティを考慮しているとした。

これとは対照的に、マイクロソフトのライセンシングシステムはより寛容で、特にXAC、そして新システムで旧世代のコントローラーを使用する機能を備えている。

「PC業界とMacを比較してみてください」とデイヴィソン氏は続けた。「さまざまなメーカーのPCシステムを組み合わせることはできますが、Macではできません。一方はオープンスタンダードで、もう一方はクローズドです」。

よりアクセシブルな未来

日本のコントローラー会社HOLIは2021年11月、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)用に正式にライセンスされたアクセシビリティコントローラーをリリースした。現時点では米国内では販売されていないが、オンラインで購入可能な地域の制限はない。任天堂はまだこの技術を完全には採用していないが、今回の開発は、アクセシビリティを重視した任天堂の方向性を示している。

任天堂のアクセシビリティ部門は完全なインタビューには応じなかったが、TechCrunchに声明を送った。「任天堂は、誰もが楽しめる製品およびサービスの提供に努めています。当社の製品は、ボタンマッピング、モーションコントロール、ズーム機能、グレースケールと反転カラー、触覚と音声のフィードバック、その他の革新的なゲームプレイオプションなど、さまざまなアクセシビリティ機能を備えています。さらに、任天堂のソフトウェアおよびハードウェアの開発者は、現在および将来の製品でアクセシビリティを拡大するために、さまざまな技術を評価し続けています」。

障害を持つゲーマーのための、よりアクセシブルなハードウェアを求める動きはスムーズではない。これらのデバイスの多くは、資本がわずかな小規模企業のオーナーによって開発されたものだ。いくつかのケースでは、開発の初期段階で包括性の意思を持つ企業が関与している。

しかし、徐々にではあるが確実に支援技術は進歩しており、障害を持つゲーマーにとってよりアクセシブルなゲーミング体験を実現する方向に向かっている。

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(文:Williesha Morris、翻訳:Dragonfly)

ティム・クック氏はEpic Games対アップルの反トラスト裁判でしらを切る

Apple(アップル)CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は米国時間5月21日、初めて証言台に立った。おそらくEpic Games(エピックゲームス)対Appleの反トラスト訴訟で最も期待されていた証言だ。しかし、クック氏はEpicの偽りや申し立てを激しく非難するのではなく、重要な質問の多くに対して答えなかったり答えられないとして、注意深く準備された穏やかな無知を装った。

この期待はずれの結果は派手な報道にはならないものの、AppleのApp Store(アップ・ストア)が独占に当たるとする少々疑わしいが危険な主張を無力化する効果はあるかもしれない。

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Fortniteを削除されたEpic Gamesが反アップルキャンペーンを全力展開、提訴も準備
アップルがApp Storeの反トラスト訴訟でEpicの秘密プロジェクトを告発、Epicは独占を批判

Appleの弁護人に呼ばれクック氏は証言台に立った、と法定に入ることを許されたメディア関係者2名のうちの1名であるLaw360のDorothy Atkins(ドロシー・アトキンス)氏が自身の詳細な証言ライブツイートで言った。クック氏からの引用は報じられたものであり逐語的ではないことに注意されたい。裁判所の速記録は後にまとめられて公開される予定だ。ちなみに、アトキンス氏による舞台装置の描写は魅力的かつ人間味あふれるものだが、EpicのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は少々風変わりに見える。

スウィーニー氏はEpicの弁護人席に座り手元のペンを見つめている。弁護士のGary Bornsten(ゲリー・ボーンステン)氏が時折耳打ちしている。クック氏はリラックスした様子で脚を組んでいる。たった今隣に座っている人の方を向き、何かを言った後、笑った。

自社の弁護士によるクック氏に対する質問は穏やかで、AppleのApp Storeが優れていてiOSユーザーにとって十分である理由を繰り返す一方で、厳しい競争が存在していることも説明した。クック氏は少数のデベロッパーとの確執が存在していることを認め、優先度のち外や発見の改善が必要であることなどを挙げたが、デベロッパーとユーザーを維持するために会社は努力を続けていると語った。

うわべだけの無邪気な無知は、クック氏がAppleの研究開発費の数字(最近3年の年額が150~200億ドル[約1兆6330億〜2兆1770億円])を尋ねられたときに始まった。具体的には、Appleはその金額のうちどれだけがApp Storeに向けられたかを推定できない、なぜなら「当社はそういう割当て方をしていないから」だと同氏は言った。つまり、個々のプロダクトのための研究予算は、それ以外と区別されていない。

いやいやそれは納得できない、そうだろう?Appleのような会社は自社の製品や研究にいくら使っているかを1セント単位で把握している。仮に完全に分類できないとしても(MacOSコードの進展がApp Storeの一機能に取り入れられるなど)、会社は自社のリソースがどう割り振られ、どんな効果を得ているかをある程度知らないはずがない。App Storeの研究開発費の控えめな見積もりとリベラルな見積もりの違いは少なくない可能性がある。おそらく数億ドル(数百億円)単位で。しかも、そうした見積もりは間違いなく社内では行われている。そうでなければ企業として愚かである。

しかし、その数字は公表されず分類されていないため、そしてその数字はある程度曖昧であるに違いないため、クック氏は「App Storeの2019年の研究開発費は5億ドル(約540億円)である」というような具体的数字はない、と堂々と語ることができる。

確かな数字がないことはEpicの拠り所をなくす。数字はどちら向きにでも使うことができた。もし大きければ、会社は金の卵を生むガチョウを守っている(市場支配力を行使している)。もし小さければ、卵を集めている(市場支配力を通じて家賃を集めている)だけだ。Appleにとって唯一勝つ方法は何も演じないことなので、クック氏は沈黙を演じ、その結果Epicの主張は憶測のように見える(そして、Appleがいうように、作り話のように見える)。

次にクック氏は、利益に関する指摘の先手を打って、競争の激しさを訴える同様の戦略を展開した。彼は約2750億ドル(約29億9380億円)の純売上高と21%の利益率だけを挙げ、AppleはApp Storeの売上を独立事業として評価していないと語った。

たしかに、App Storeが大きなビジネス構造と非常に強固に結合された部門であるというのはわかる。しかし、独立事業として評価できないという考えはばかげている。Appleのあらゆる部門や製品ラインと同じく、App Storeの業績が社内で詳細に分析され報告されていることは間違いない。しかし、法的な目的においては「App Storeの売上と利益はこれこれである」と言えるほど単純でないこともまたたしかであり、結果的にEpicの前提はくずされる。

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しかし、これはEpicが独立した調査が必要だと考えたほど重要なことだった。そしてEpicの弁護士は、証人尋問の最初に、裁判の初期に専門家が証言したAppleのApp Storeの営業利益は約79%であるという供述を持ち出した。

こうした数字を認めることも否定することもAppleの利益にはならいので、クック氏はここでも無知を貫いた。ただし、わずかに本性が覗いたのは、Epicの弁護士がクック氏に対し、MacとiOS App Storeを合わせた機密の売上数値を分割するよう依頼した時だった。Appleがこれに反論し、それは部外秘であり非公開裁判でのみ公開できるとした一方で、クック氏はiOSの数字はMacの数字より「ずっと大きい」と発言した。

ここに見られるのは、もう1つの財務上の巧妙なごまかしだ。iOSとMacの売上を混ぜ合わせることで、Appleはそれぞれいくら金が使われいくら稼いだかを曖昧にしている。それらを分離しようとしたEpicの試みは成功しなかったが、裁判官の目は節穴ではない。彼女はEpicと同じものを見ている、ただしぼんやりと。Appleは曖昧で操作しているように思われるリスクを取ってでも、Epicの法的勝利を否定しようとしている。

これは、クック氏がAppleとGoogle(グーグル)と結んでいる検索エンジンをiOSのデフォルトにする契約について質問されたときにもあらわになった。クック氏は、具体的数字は覚えていないと語った。

世界最大のテック企業のCEOが、もう1つの世界最大級のテック企業との10年に渡る数十億ドルの契約の詳細を覚えていないと言ったら、あなたは信じるだろうか?

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それ以外の証言はほとんど何も明らかにしなかった。クック氏は、中国などの現地法が技術的、政治的な障害になる地域での経営の複雑さを述べ、Appleが30%の手数料をとっているアプリ内購入の範囲を拡大したことについての議論を最小化した。非公開法廷での証言がもう少し行われたが、機密情報に関わるため我々が知ることはないだろう。

裁判は終わりに近づき、そこに驚きはほとんどなかった。双方が最初に主張を展開し、そのほとんどは裁判長による事実の解釈に委ねられる。劇的な驚きも決定的な証拠もなかった。それは何が独占的行為を構成するかに関する新たな主張にすぎなかった。AppleはAndroidとの競争は存在し熾烈であり、ゲームの世界ではWindowsとゲーム専用機とも競争していると頑なに主張した。

判決がどちらに傾いたとしても、控訴されて上級裁判所に行くことはほぼ必然だが、判決は、Epicの主張(とAppleのぼやかし)がどこまで受け入れられたかを示す強力な指標になる。いずれにせよ、EpicやAppleのApp Store手数料(会社がどう隠そうとも莫大な利益を挙げている)を批判するその他の人々にとって、目的はすでに達成されている。Appleが最初の100万ドル(約1億1000万円)に対する手数料を15%に引き下げたことは、デベロッパーの騒動とマスコミの酷評に対する答えであることは明らかであり、今Appleはソーセージがどうやって作られているかを守る立場に立たされている。

Appleの陽極酸化アルミニウムの塔を曇らせることは、少なくとも目的の一部なので、勝っても負けてもEpicは、払った金に見合うものを手に入れた気分かもしれない。ヨーロッパでの再戦はまだこれからだ。

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画像クレジット:Josh Edelson/AFP

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Epic GamesがアーティストコミュニティのArtStationを買収、直ちに手数料を12%に引き下げ

Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Games(エピックゲームズ)は、Apple(アップル)のApp Storeのビジネスモデルに対して史上最大の訴訟を起こしたその同じ日に、アーティストポートフォリオコミュニティのArtStation(アートステーション)を買収し、直ちに販売手数料を値下げしたことを発表した。今後ArtStationの一般クリエイターは、Epic自身のPC向けGames Storeと同じ12%の手数料で利用できる。これまでは30%だった。この値下げは、幅広いコミュニティに対して「適切な」手数料率の見本を示す狙いがある。つまり今後の裁判で、Apple App StoreがEpicなどの大規模デベロッパーに課している30%の手数料との比較基準になる可能性がある。

現在ArtStationは、ゲーミング、メディア、エンターテインメントなどのクリエイターが自分たちの作品を披露し、新しい仕事を見つけるための場を提供している。同社はEpic Gamesと長年の関係があり、AirStationのクリエイターの多くがEpicのUnreal Engineの仕事をしている。しかし、ArtStationは、Unreal Engineを使わないさまざまな分野の2Dおよび3Dクリエイターの居場所でもある。

買収によってそれが変わることはない、とチームは発表文の中で述べている。むしろ、この契約によってクリエイターが作品を収益化する機会は広がる。中でも大きいのが、手数料引き下げだ。一般クリエイターの手数料は30%から12%に下がる。Pro(プロ)メンバー(月額9.95ドル、約1086円のサブスクリプション料金を払っている)の場合、手数料はさらに低く、20%から8%に引け下げられる。そしてセルフプロモーションによる販売では、手数料はわずか5%だ。ストリーミングビデオサービスのArtStation Learning(アートステーション・ラーニング)も2021年いっぱい無料だと同社はいう。

しかし手数料の引き下げこそが、EpicのArtStationに対する最も重要な変更だ。なぜならそれは、Epicが自身のクリエイターコミュニティをどう扱っているかを示す具体例になるからだ。同社はこの買収と手数料変更と自身のEpic Games Storeの低い手数料率を、Appleとの裁判で引き合いに出すに違いない。すでにEpicの動きはMicrosoft(マイクロソフト)のゲーム販売における取り分減少へと波及しており、最近同社は同様に手数料を30%から12%へと引き下げることを発表した

Epic Gamesは裁判で、AppleがiOSアプリのエコシステムを独占していることによる市場支配力を濫用し、デベロッパーにAppleの決済システムを使用することを強制し、販売およびシステムを通じて行われるアプリ内購入で手数料を支払わせていると主張するつもりだろう。Epic Gamesは、他の大手アプリメーカー同様、自らの決済システムを使用して手数料を回避したいと思っている。あるいは、最低でもユーザーが直接支払いできるウェブサイトへと誘導できるようにしたい。しかし、Appleはこれを許していないことがApp Storeガイドラインに記されている。

2020年Epic Gamesは、モバイル端末で直接支払って大幅な割引を受けられる方法を新たに導入したことで、FortniteがApp Storeから追放される事態を招いた。それは計算された行動だった。その結果AppleとGoogleは両社ともに、それぞれのApp Storeのポリシーに違反したとして同ゲームを排除した。そしてEpicが訴訟した。

Epicの戦いは厳密にはAppleとGoogleを相手にしているが、エネルギーの大部分は前者に集中している。なぜならAndroidはアプリのサイドローディング(ストア外でのインストール)を許しているのに対して、Appleは違うからだ。

一方Appleの主張は、Epic GamesはAppleの規約とガイドラインに同意しながら、意図的に違反して特別な特典を得ようとしたというものだ。Appleは、ガイドラインは全デベロッパーに公平に適用されるものであり、Epicが例外になることはないと言っている。

しかし大手テック企業に対する一連の米国反トラスト捜査の結果、実際にはAppleが過去に特別契約を結んでいたことが発見されている。下院司法委員会が捜査結果の一環として公開したメールは、AppleがAmazon Prime Videoアプリの手数料をスタート時から15%とすることに同意していたことを暴露した。通常サブスクリプション・ビデオ・アプリの手数料は1年目が30%で、2年目以降は15%になる(AppleはAmazonが新たなプログラムの要件を満たしただけだと言っている。さらに別の古いメールは、Appleが手数料を30%以上に上げる交渉を何度か行っていことも明らかにしており、Appleが手数料率に柔軟性があると考えていたことを示している。

今回のEpic Gamesによる買収以前に、ArtStationはパンデミックさなかの不確実な期間を乗り切るために、Epicから「MegaGrants」と呼ばれる巨額の資金提供を受けている。これがその後両社の繋がりを強くするきっかけになった可能性がある。

「過去7年間、私たちはクリエイターが自分の作品を世に紹介してチャンスを掴み、大好きなことをなりわいにできるための努力を続けてきました」とArtStationのCEOで共同ファウンダーであるLeonard Teo(レオナルド・テオ)氏が声明で語った。「Epicの一員となることで、私たちはこのミッションを推し進め、自分たちだけではできなかった形でコミュニティに還元し、かつArtStationの名前と精神を維持することができます」

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic GamesArtStation買収Apple

画像クレジット:ArtStation

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソニーがDiscordに出資と提携、PlayStationにチャットアプリ搭載へ

Sony(ソニー)とDiscord(ディスコード)は、ゲームに特化した人気のDiscordチャットアプリをPlayStation独自のソーシャルツールに統合する提携を発表した。Discord買収の交渉がごく最近打ち切られたことを考えると、大きな、そしてかなり驚くべき動きだ。噂されているDiscordのIPOを前に、ソニーはDiscordの少数株を取得するのにMicrosoft(マイクロソフト)よりも良い条件を提示したようだ。

関連記事:Discordがマイクロソフトによる買収を固辞、独自に新規株式公開を目指す

短い発表文の中で提携の正確な中身は示されなかった。実際に何が起きるのかTechCrunchが耳にしたことはというと、両社が「2022年初めにDiscordとPlayStationのエクスペリエンスをコンソールとモバイル上で一体化させる」ということで、これは少なくとも簡単に想像できることだ。

Discordは以前にもコンソールプラットフォームと提携しているが、その相手はMicrosoftで、特に深い統合ではなかった。今回の提携は「あなたがPS5で何をプレイしているのかを友達が見ることができる」「ソニーのシステムを利用するあらゆる人のための代替チャットインフラ」以上のものであることはほぼ確実だ。システム全域に及ぶ深い統合となる可能性があるが、あなたが友達を自分のゲームに招待したり、あるいは友達のゲームにあなたが参加したりするときに「Discordでのボイスチャットで開始する」というような、明らかにDiscordブランドのオプションだ。

2022年初めというタイムラインはまた、統合が主要なプロダクト変更であり、おそらくソニーの長期的なPS5ロードマップにおける大きなプラットフォームアップデートと同時に行われることを示唆している。

ボイスチャットに関しては新しいPlayStationが古いものよりも優れている一方で、古いものはそもそも良くなかった。そしてDiscordは扱うのは簡単というわけではないが、何百万人というゲーマーがすでに毎日使っている。そして最近ではゲームが排他的でなければ、しっかりとクロスプラットフォームであるというのが次善のオプションだ。というわけで、PS5プレイヤーがPCプレイヤーとシームレスにチャットできるのはその部分での弱点を減らすことになる。

もちろんMicrosoftはXboxとWindowsエコシステムの両方を展開しているというアドバンテージがある。しかし同社は繰り返し機会を模索してきた。Discordの買収はすべてをつなぎ合わせる欠けていたピースだったのかもしれないが、相手に逃げられてしまった。報道されたところではMicrosoftの買収交渉ではDiscordの企業価値を100億ドル(約1兆907億円)と評価したが、成長中のDiscordはIPOで自由に展開し、珍重されるペットになるよりも支配的なボイスプラットフォームになるという挑戦を選んだようだ。

金銭面に関していえば、ソニーはDiscordの直近の1億ドル(約109億円)のHラウンドに参加してすでに同社と関わっている。ソニーの拠出額は明らかにされていないが、引受額とトータルの評価額を考えたときに、必然的に少数持ち分以上とはなり得ない。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:DiscordSonyPlayStation

画像クレジット:Discord

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

クラウドゲームShadow運営のBladeを仏クラウドホスティングOVHcloud創業者が買収

クラウドゲーミングサービスのShadowを提供するフランスのスタートアップBladeが、裁判所の命令によりOctave Klaba(オクターブ・クラバ)氏のファンドに買収された。クラバ氏はフランスのクラウドホスティング企業OVHcloudの創業者として知られている。同氏はOVHcloudではなく、投資ファンドのJezby Venturesを通じてBlade(とShadow)を買収した。

Shadowはゲーマー向けのクラウドコンピューティングサービスだ。ユーザーは月額料金を支払うことで、データセンター内のゲーミングPCにアクセスできる。このゲーミングPCには自分のコンピューター、スマートフォン、タブレット、またはスマートテレビから接続できる。画面にはビデオストリームが配信され、操作はサーバに中継される。

Google StadiaやAmazon Luna、さらにはNVIDIA GeForce Nowとは異なり、サーバーには好きなゲームをインストールできる。Windows 10のインスタンスはSteamからPhotoshop、Excelまでサポートしている。

フランスのスタートアップ企業であるBladeは、複数の資金調達ラウンドで1億ドル(約110億円)以上を調達してきたが、予約注文に対応できずに自立可能なだけの十分な収益を上げられず、サービスを拡大するための資金を確保できなかった。10万人の有料ユーザーを獲得したにもかかわらず、Next INpactは同社が商業裁判所の管理下に入るしかないと報告した。

複数の企業とグループが買収提案を提出した。特にBladeのJean-Baptiste Kempf(ジャン・バティスト・ケンプ)CTOは他の従業員とチームを組み、Octave Klabaは独自のオファーを提出した。Klaba氏はJean-Baptiste Kempfをのぞく全従業員を雇用する予定だ。

今後数週間で、サービスがどのように変わるのかは興味深い。現在のサブスクリプション価格はヨーロッパで月額12.99ユーロ(約1700円)から、米国では月額11.99ドル(約1300円)からとなっている。この価格でShadowが提供され続けるのか、仕様がどのように進化するのか、または新規顧客獲得のためにサーバを増設するのかどうかは不明だ。

 

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タグ:BladeOVHcloud買収フランス

画像クレジット:Blade

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ZyngaとRollicがハイパーカジュアルゲームメーカーUncosoftを買収

Zynga(ジンガ)は2020年にハイパーカジュアルゲームメーカーRollic(ロリック)を買収した。現在RollicはZyngaの子会社であり、そして4月29日、RollicはUncosoft(アンコソフト)という別のゲームスタジオの買収を発表した。

Rollicと同じく、Uncosoftもハイパーカジュアルなゲームを開発し、トルコ拠点の会社だ(Rollicの場合イスタンブールで、Uncosoftはイズミルだ)。実際、RollicはすでにいくつかのUncosoftのゲームを公開していて、その中で最も知られているのはHigh Heelsだ。High Heelsではプレイヤーは馬鹿げているハイヒールで障害のあるコースに挑む。同社はHigh Heelsが1月の提供開始以来、6000万回超ダウンロードされたと話した。同ゲームは「App Storeチャートのトップに風変わりな喜び」をもたらしたとして称賛されした。

Rollicの共同創業者でCEOのBurak Vardal(ブラク・ヴァルダル)氏は、ハイパーカジュアルゲーム事業に携わっていると、「常に製品指向のチームを探す」と筆者に語った。これはヴァルダル氏がUncosoftのチームに見出したものに感銘を受け、「High Heelsのような新しいタイトル」をうまく制作できると自信を得た、というふうに聞こえる。

「開発スタジオ、そしてパブリッシャーとして共にゲームを制作することで、合併した会社のようにすでに機能し始めています」とヴァルダル氏は述べた。「1日中ゲームデザインについて議論し、戦略を共有し、そして企業がどのように事業を展開するか、創業者はどうなのか、アートのチームはどういう状況なのか、といったことを意図せずに学び始めます」

一方、UncosoftのCEO、Edip Enes Çakır(エディップ・エネス・チャクル)氏は、2つのチームがここ数年協業する中で「前例のない調和」があり、「グローバルなゲームを制作するという当社のカルチャーとビジョンは、RollicとZyngaの専門的ノウハウでもって増大します」と声明文で述べた。

Rollicは実際には、Zyngaのイスタンブールにおける4つめの買収で、イスタンブールやトルコがハブのようになっているのは明らかだ。ヴァルダル氏はRollicがトルコ外にもパートナーを抱えていると指摘したが、トルコが学生の多さゆえにハイパーカジュアルゲームで特に成功していると示唆した。

同氏はまた、他のハイパーカジュアルなゲームも続いて成功するようHigh Heelsが道を示した、との考えも示した。つまり、TikTokだ。

「ゲームのアニメーションとキャラクターメカニックは、我々がTikTokできるもの、と呼んでいます」と同氏は話した。「Z世代に大きなインパクトがあり、TikTokでかなりのオーガニックなリーチがありました。新世代はエコシステムを養うコンテンツを求めています」

買収の取引条件は明らかにされなかった。

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

米国の2021年第1四半期のビデオゲーム支出は30%増の1.6兆円、ハードウェアが好調

パンデミックを経て米国では人生への希望の兆しが見え始めているが、ビデオゲーム支出額の増加は続いている。2020年のかなりのビデオゲーム支出額は、米国や世界の多くのところで実施された外出禁止によるものだったことは間違いない。米国では2020年にゲーム関連の支出額が27%増加した。

しかし、人々がこれまでよりも外出するようになり、この勢いは続くのだろうかという大きな疑問が残る。差し当たっては、少なくともこの業界にとってはバラ色の状態が続いているようだ。NPDは米国時間4月29日、2021年第1四半期の米国のビデオゲーム支出額は前年同期比30%増の149億2000万ドル(約1兆6240億円)だったと明らかにした。

しかし支出の内訳を見ると、成長要因は単なるパンデミック中のエンターテインメントではないのは明らかだ。第1四半期にコンテンツへの支出は25%増え、アクセサリーが42%増、ハードウェアは82%増だった。

ハードウェアに関する数字の増加要因は、関心を持ってこの業界を追いかけている人なら誰でもすぐにわかるだろう。Nintendo Switchが2020年の売上の大半を独占し、ソニーとマイクロソフトが2020年、次世代コンソールを発売した。

「パンデミックによる消費者の行動の変化に起因するゲーム消費時間と消費額の増加がまだみられる一方で、PlayStation 5とXbox Seriesのコンソールの2020年11月の発売からの周期的なゲインを目の当たりにしています。こうした新たなプラットフォームによる成長はモバイル、PC、VRのコンテンツ支出額の増加、そして継続しているNintendo Switchの人気と併せて過去最高の支出額につながりました」とアナリストのMat Piscatella(マット・ピスカテラ)氏はリリースで述べた。

関連記事:2020年のビデオゲーム関連支出は前年比27%増、新型コロナが追い風に

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi