アマゾンのアラバマとNYスタテンアイランド物流拠点の組合票の集計が来週から始まる

Amazon(アマゾン)のアラバマ州ベッセマーにあるフルフィルメントセンター(FC)での労働組合結成への道のりは、予想通り険しいものであった。苦闘の末、2021年4月、小売業界の巨人は勝利を収めた。労働者たちはBernie Sanders(バーニー・サンダース)上院議員から共和党所属のMarco Rubio(マルコ・ルビオ)上院議員までさまざまな政治家の支持を得ていたが、結果は一方的な勝利であり、組合代表者は直ちに異議を唱えた。

Amazonが「悪質であからさまな違法行為」によって従業員を「心理的操作」してきたという告発を受けて、全米労働関係委員会(NLRB)が再投票を行うことに同意したため、小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)は年末に何とかカムバックを果たした。1月、NLRBは無記名投票の開始を2月4日と発表した。米国時間3月28日(月)に、これまで歴史的な取り組みとなってきた投票の集計が始まる。

Amazonのニューヨーク州スタテンアイランド倉庫も、比べるとかなり短い投票期間ではあるが、同様の取り組みに直面している。米国時間3月25日から始まる投票は3月31日まで行われ、その時点で集計が開始される予定だ。アラバマ州の郵便投票とは異なり、こちらは対面式で行われる。先の(ベッセマーでの)投票では、その方式が緊張の種となっていた。

この労働運動の推進は、すでにいくつかの論議を呼んでいる。元JFK8職員で組合支持者となったChristian Smalls(クリスチャン・スモールズ)氏は、2月下旬に他の2人とともに不法侵入の容疑で逮捕された。スモールズ氏は、同氏を含む3人はAmazonの従業員に食料を届けるために現場にいたのだと反論している。「これは単にAmazonが状況を作り出しているだけだ」と彼は報道陣に語った。会社側は独自の声明で反論し、同氏は「何度も警告を受けたにもかかわらず、不法侵入を繰り返した」とメディアに伝えた。

Amazonは以前から組合を弾圧する戦術で非難されており、労働者の扱いが長年にわたって厳しい批判にさらされてきた同社にとって、組合の推進が成功すれば、それが試金石となることを懸念しているのだろう。労働組合の結成が成功すれば、より多くの倉庫で働く労働者たちが勇気づけられることは間違いない。パンデミック中の状況も、多くの労働者にとっての動機づけの要因となっている。

Amazonの広報担当者であるKelly Nantel(ケリー・ナンテル)氏は、TechCrunchの取材に対し「従業員の声を反映していけることを楽しみにしています」と述べている。「Amazonがすばらしい職場であることを継続するために、チームと直接協力することに引き続き注力してまいります」。

注目すべきは、同社が労働者組織化に対する関心の高まりに直面しているいくつかの米国大手ブランドの1つであることだ。3月初めには、マンハッタンにあるREIの店舗で働く従業員が、組合結成に投票した。また、ニューヨーク州バッファローの店舗を皮切りに、全米のStarbucks(スターバックス)で一種のドミノ効果が展開されつつある。ニューヨーク州バッファローの店舗から始まり、アリゾナ州メサの店舗、そして今週初めには、同コーヒーチェーンの本拠地であるシアトルの店舗がこれに続いた。

画像クレジット:PATRICK T. FALLON/AFP / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

イーロン・マスク氏、テスラのカリフォルニア工場で組合投票を実施するよう全米自動車労働組合に挑む

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)がカリフォルニア州フリーモントの工場で全米自動車労働組合(UAW)が組合投票を行うことを阻止するために何もしないと述べた。マスク氏はツイートの中で、ベイエリアにおけるTeslaの真の課題は、求職者数より求人数が多いマイナスの失業率であり、そのため「(すばらしい)人々」をよく扱い、報酬を与えている、さもなければ彼らは去ってしまうだろう、と述べている。

マスク氏は、Biden(バイデン)大統領が一般教書演説でTeslaについて言及しなかったことを非難した際に、マスク氏の味方をしたKissのリード・シンガー、Gene Simmons(ジーン・シモンズ)氏に反応してこのツイートを投稿した。大統領は、Ford(フォード)とGeneral Mortors(ゼネラルモーターズ)が数十億ドル(数千億円)を投じて電気自動車を発売し、それによって何千人もの雇用を生み出していることを称賛しただけだった。Bloombergが指摘するように、大統領は労働組合の支持者であり、非組合員を抱えるTeslaを演説やインタビューの中でしばしば無視することがある。

マスク氏は、その後のツイートで、Teslaの工場労働者の報酬は自動車業界で最も高いと主張し、ソースとしてGMのMary Barra(メアリー・バーラ)CEOのインタビューを掲載した。そのインタビューでは、ニュースキャスターでジャーナリストのAndrew Sorkin(アンドリュー・ソーキン)氏が、Teslaの非組合員労働者は組合員労働者より多くの報酬を得ていると述べている。バーラ氏は、賃金だけでなく福利厚生も考慮しなければならないので、もっと情報を見なければならないが、ソーキン氏が言ったことは前回調べたときにはそうではなかったと答えている。

UAWは何年も前からTeslaの組合化に取り組んでおり、マスク氏は当初からそうした取り組みを批判してきた。2017年にフリーモントの労働者が劣悪な労働条件と低賃金を訴えたとき、マスク氏はUAWを攻撃すると同時に、要点を絞った手紙を従業員に送ったと伝えられている。彼は、組合の真の忠誠は「巨大な自動車会社にあり、従業員から会費で取る金はTeslaから稼ぐよりも莫大な額だ」と、述べている。

同年、全米労働関係委員会(NLRB)は、不当労働行為に関する苦情を調査した結果、同社を提訴した。NLRBによると、労働者はTeslaが組合結成について話し合えないような秘密保持契約を結んで「強制し、脅迫している」と述べた。2018年、NLRBは同社が組合活動家のRichard Ortiz(リチャード・オルティス)氏を解雇した際に労働法に違反したと認定し、逸失利益と福利厚生の補償を命じた。

また、労働委員会はマスク氏に対し、従業員への脅迫と思われるようなツイートの削除を命じた。このツイートでマスクは、同様に組合結成への取り組みを呼びかけていた。「我々の自動車工場のTeslaチームが組合に投票することを止めるものは何もない。彼らが望めば、(明日にでも)そうすることもできる」と彼は書いた。しかし、彼はこうも言っている。「だが、なぜ無駄に組合費を払い、ストックオプションをあきらめるのか?」NLRB議長のWilma Liebman(ウィルマ・リーブマン)氏は当時、従業員にとって、組合結成に投票したらストックオプションがなくなるように聞こえるかもしれないと説明した。Electrekが指摘するように、Teslaは、株式報酬制度をほとんどの従業員に提供しており、同社の株価上昇によって、この制度は非常に価値のある福利厚生となっている。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Monn(マリエラ・ムーン)氏はEngadgetのアソシエイト・エディター。

画像クレジット:Sam Hall / Bloomberg / Getty Images

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(文:Mariella Moon、翻訳:Yuta Kaminishi)

スタテンアイランドFCのAmazonワーカーの組合投票は2022年3月の予定

計画どおりいけば、来月、2022年3月下旬にAmazonのスタテンアイランドFC(フルフィルメントセンター)の労働者が待望の組合投票を行なう。対面式の選挙は、アラバマ州ベッセマーにある同社の倉庫で行われている郵便による再投票の集大成と同じ3月25日から30日に予定されている。

元ニューヨーク市ニューヨーク区のJFK8倉庫の従業員で、現在はAmazon労働組合(Amazon Labor Union)の議長であるChristian Smalls(クリスチャン・スモールズ)氏が認めるのは、Amazonがこの投票に関して全国労働関係委員会(National Labor Relations Board、NLRB)と合意に達したことだ。同社はその経過をテキストメッセージで社員に確認し、1カ月以上前から「ノー」と投票することを勧めていた。

それは、今後確実にこのリテール大手の強力な反組合運動となるものの始まりだ。Amazonは2021年4月の投票に向けて攻撃的な戦術をとった。そして結局は、社内メールボックスや「ノーに投票しよう」の看板などが小売卸百貨店組合の異議不服を買うに十分となり、今回の再投票に至った。スタテンアイランドの投票は、JKF8の従業員独自の長期的活動の成果だ。

時間を無駄にするな‼

その巨大な倉庫では2020年に事態が過熱し、ニューヨーク市における新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの最初の波が高まっている間、エッセンシャルワーカーの労働条件に従業員たちが抗議した。当時アシスタントマネージャーだったスモールズ氏は、ストライキを率いた日に解雇された。同社は彼のことを、新型コロナウイルス感染症の安全規約に違反したと非難した。噂によると同社は、その直後にスモールズ反対キャンペーンを開始した。

10月にAmazon労働組合は、すでに同社のスタテンアイランドのすべての倉庫を含む投票を推していたが、署名が得られず撤回した。代わりに、今回の最新の投票は同区の最大のFCであるJFK8に集中する。12月にはシカゴのFCのワーカーたちが、倉庫の労働条件に対する反発の盛り上がりの一環として独自のストライキを主催した。

実質的に、この国の2つの異なる場所で大規模な投票が行われるようになったことが象徴的に示すものから、確かにAmazonは逃げられなかった。同社は長年組合の結成に抵抗し、長年の否定的な報道にもひるまず、FCの労働者は公正に扱われていると主張していた。2つの投票までの数週間は大量の激論が続くだろうが、特に激しいのは、リアルで行われるニューヨークの投票だろう。

TechCrunchはAmazonとAmazon労働組合とNLRBにコメントを求めている。

画像クレジット:ANGELA WEISS/AFP/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Activision Blizzard、同社の未来を決める新たなサバイバルゲームを開発中

今でもまだ組織の混乱や組合いじめ、史上最大のゲーム企業買収がニュースの大見出しになってるようだが、当のActivision Blizzardは次のオリジナルゲームで忙しいらしい。

具体的な発表はまだほとんどないが、同社は今週、その「未発表のサバイバルゲーム」は「まったく新しい宇宙におけるサバイバルゲームだ」などと前宣伝している。その発表は求人ページにリンクしており、そこでは新しいゲームのアートをいくつか紹介している。

私たちはまったく新しい宇宙でのサバイバルゲームを作っています。私たちと一緒に次の章を書きましょう。https://t.co/yf7W5p9ERQ

そのアートの中では、毛皮を着て頭蓋骨の兜をかぶったハンターが膝をついて、おとぎ話の国の入り口の近くで何かを追っている。もう1つのコンセプトアートは、2人の人が、その魔法の国の別の入り口を覗き込んでいる現代的なシーンだ(自転車もある)。

このアートからわかることはあまりないが、そのコンセプトにはそそられるものがある。いずれにしても同社は、クリエイティブでシームレスなマルチプレイヤー世界を作るのが得意だ。しかもサバイバルという視点は、Twitchで人気になった「Fortnite(フォートナイト)」や「Rust」のようなゲームのジャンルへの、新鮮でおそらく洗練された参入になるだろう。Blizzardによる最新のフレッシュな大型IPといえば、eスポーツの大ヒットコンテンツ「Overwatch(オーバーウォッチ)」だが、その続編は制作は遅れており、リリースは2023年になるらしい。

「Call of Duty(コール オブ デューティ)」シリーズ、「オーバーウォッチ」「World of Warcraft」などのヒットゲームを発売しているActivision Blizzardは、2021年に同社でのセクハラと差別を主張するカリフォルニア州での訴訟のニュースで明らかになったスキャンダルに巻き込まれたままだ。

同社は証券取引委員会にも調べられており、手始めに2021年後期には従業員が召喚された。一方、この手広い企業を統括するのはCEOのBobby Kotick(ボビー・コティック)氏で、彼は同社の職場における不祥事や、それを放置したことの責任をよく自覚している。Bloombergの記事によるとコティック氏はMicrosoftによる買収が完了すれば現職を辞し、同社でXboxを担当していたPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏がMicrosoft GamingのCEOとして同社を率いる。

この渦中にありながら、いや、だからこそMicrosoftは2022年1月、同社を687億ドル(約7兆8764億円)で買収する計画を発表した。この記録的な金額で複数の大型コンテンツが最大のゲーム機メーカーの傘下になり、国と州の規制当局が、やみくもに独占しようとしているテクノロジー企業に対しれ神経を尖らせているこの時期に、自らの運を賭けることになる。

もうこれ以上、見出しのネタに困ることはないが、しかしActivision Blizzardはさらに、同社の事業部であるRaven SoftwareのQAテスターたちが作った組合を認めないと宣言した。Ravenのグループは1カ月ほど前に、12人の契約労働者を解雇したことに抗議してストライキをしていた。

Twitter上で複数のBlizzardの従業員たちが、オーナーが変われば会社は安定すると楽観視している。もっと良い軌道に乗り、有害な職場文化を後にすることができる、と彼らは期待している。Microsoftによる買収が成立すれば、このゲーム大手は世界でもっとも安定確立したテクノロジー企業が采配を振るうことになり、その成熟と安定が、次の大型IPOを目指す企業にとって害になることはないだろう。

関連記事:マイクロソフト、7.8兆円でゲーム大手Activision Blizzardを買収へ

画像クレジット:Chesnot

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アマゾン倉庫従業員に組合参加の是非を問う再投票は、2月に郵便投票で実施

全米労働関係委員会(National Labor Relations Board)は米国時間1月11日、Amazon(アマゾン)のアラバマ州ベッセマー倉庫の従業員に労働組合参加の是非を問う2回目の投票について、詳細を発表した。今回の再投票は、USPSの郵便投票によって行われる計画で、2月4日に郵送され、3月28日に集計される予定だ。

2021年、NLRBの第10地域の責任者は、組合結成に反対するAmazonが圧倒的な勝利を収めたことを受け、2回目の投票を行うと発表した。NLRBが発行した通知の中で、同組織は次のように記している。

2021年2月8日に始まった選挙は、雇用主が職場の正面玄関のすぐ外に投票用郵便箱を設置させたり、義務的な会議中に従業員の支持を不適切に調査するなど、選挙手続きに不正な行為が見られたことから、雇用主が従業員の自由で合理的な選択の行使を妨害したと全国労働関係委員会が判断したため、無効となりました。それゆえに、この「第2回選挙の通知」の条件に従って、新たな選挙が行われます。すべての投票資格者は、改正された全国労働関係法(National Labor Relations Act)が、いかなる関係者による干渉からも自由に、自分の思うとおりに投票する権利を彼らに与え、この権利の行使を保護するものであることを理解するべきです。

2回目の投票を行うという判決は、Amazonが敷地内に投票用郵便箱を設置したり、現場周辺に「vote no(反対に投票しよう)」という看板を設置したりしたことが投票を妨害したという小売・卸売・百貨店労働組合(RWDSU)からの苦情を受けて出されたものだ。Amazonはかねてより、組合結成の失敗は同社のフルフィルメントセンターで働く従業員の意思を反映したものだと主張している。

同社の広報担当者は当時「当社の従業員は常に組合に加入するかどうかの選択権を持っており、2022年初めには圧倒的多数がRWDSUに加入しないことを選択しました。今回、NLRBがこれらの票を数えるべきではないと判断したことは残念です」と、TechCrunchに述べていた。

RWDSUは最初の投票の際に、新型コロナウイルス感染の懸念や投票者に対する強制力の可能性などから、直接投票を行うことに疑問を呈していた。今回の投票は無記名投票で行われる。

RWDSUは、1月11日朝に報じられたニュースを受けて、TechCrunchに以下の声明を提供した。

最初の組合選挙ではAmazonの不正行為が結果を大きく汚したため、NLRBはその結果を覆し、アラバマ州ベッセマー倉庫の労働者のために2回目の選挙を指示しました。私たちは、今回の決定が、新たな選挙でAmazonが不愉快な行為を続けることを十分に防止できないのではないかと深く懸念しています。私たちはNLRBに、今回の選挙手続きを労働者にとってより公平なものにすることができるいくつかの改善策を提案しましたが、本日発表された選挙通知では取り上げられていませんでした。労働者の声は、公正かつ自由であるべき選挙をコントロールしようとするAmazonの無制限な力に邪魔されることなく、公正に聞かれるべきであり、私たちは引き続きAmazonの行動に対する責任を追及していきます。

Amazonはこのニュースに対しても「当社の従業員は常に組合に加入するかどうかの選択肢を持っており、2021年は圧倒的多数がRWDSUに加入しないことを選択しました。我々のBHM1(アラバマ州ベッセマー倉庫)で働くチームが再び声を上げてくれることを楽しみにしています」と、TechCrunchに語った。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ニューヨーク・タイムズがスポーツメディアThe Athleticを約637億円で買収

The New York Times Company(ザ・ニューヨーク・タイムズ・カンパニー)が、スポーツメディアのThe Athletic(ザ・アスレティック)を5億5千万ドル(約637億円)で買収することで合意したとThe Informationが報じている

数カ月間、憶測が飛び交っていたこの買収では、一時はThe AthleticのCEO、Alex Mather(アレックス・マザー)氏がAxios(アクシオス)に合併を持ちかけたが、実現には至らなかった。今回の買収で、The New York Timesは購読ビジネスを強化しようとしている。同社の購読者数は2021年に800万人を突破し、2025年までに購読者数を1000万人に増やすという目標を上回る勢いだ。

2016年に設立されたThe Athleticは、2021年11月時点の購読者が120万人で、購読費は年間約72ドル(約8300円)だ。しかし、The Athletic単体ではまだ黒字ではなく、2023年まで黒字を見込めていなかった。同社は600人のスタッフを抱え、2019年から2020年にかけて1億ドル(約115億円)近くを費やしたが、同時期の収益は約7300万ドル(約84億円)にとどまった。

The New York TimesによるThe Athleticの買収は、多くの媒体が統合を経験している最近のメディア業界の傾向と一致している。直近では、BuzzFeed(バズフィード)が上場前にComplex(コンプレックス)とHuffPost(ハフポスト)を買収した。しかし、メディア関係者はこうした潮流の変化に懐疑的だ。例えばBuzzFeedがHuffPostを買収した後、190人のHuffPost社員のうち47人を解雇し、HuffPostカナダ部門をすべて閉鎖してさらに23人が職を失った。パンデミック発生時、多くのメディア企業同様に、The New York TimesThe Athleticも従業員を解雇した。

パンデミックの前から、この業界では常に脅威となっていた突然の解雇や給与カットから身を守るために、組合契約を求めるメディア労働者が増えている。さらに過激なアプローチをとるジャーナリストもいる。2019年末に、Deadspin(デッドスピン)のスタッフ全員が経営陣への不満から同サイトを辞め、労働者が所有するメディア企業Defector(ディフェクター)を立ち上げた。Defectorは初年度に320万ドル(約3億7000万円)の収益を上げ、運営コストは300万ドル(約3億4000万円)だった。

The Athletic買収に比べるとはるかに小規模な取引だが、The New York Timesは2016年に製品レビューサイトのWirecutter(ワイヤーカッター)を3000万ドル(約34億円)で買収している。しかし、ここ数カ月、Wirecutterと親会社の間には大きな緊張があった。2年間にわたるスローペースの組合契約交渉の末、経営陣が感謝祭前に合意しなかったため、Wirecutterのスタッフはブラックフライデーとサイバーマンデーを含む5日間連続のストライキを実施した。その後、The New York Timesがストライキ中の給与を差し止めたことを受けて、Wirecutter組合は全米労働関係委員会に不当労働慣行の苦情を申し立てた。12月14日までに、The NewsGuild of New Yorkが代表を務める組合はThe New York Timesと合意に達し、賃上げと労働条件の改善を確保した。しかし、The New York Timesは、反組合的な行動に対する監視の目を今も向けられている。

買収のニュースが流れた後「やあ、@TheAthletic、私たちの友人@nyguildに会って欲しい」とWirecutter組合はツイートしている。

The Athleticの購読がどう変わるのか、買収によってスタッフがどのような影響を受けるのかについては、まだ言及がない。

画像クレジット:samchills / Flickr under a CC BY 2.0license.

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

全米労働関係委員会がアマゾン労働者による新しい組合投票を認可

全米労働関係委員会(NLRB)の第10地域のディレクターが、アラバマ州ベッセマーのアマゾンフルフィルメントセンターで働く労働者の新たな組合選挙を許可した。NLRBの代表者がTechCrunchにこの決定を確認したところによると、小売・卸売・百貨店労働組合(RWDSU)は2021年4月に敗北した後、同センターで働く労働者を組合に加入させる2度目のチャンスを得ることになる。

関連記事:アマゾンが労働組合結成をめぐる投票で勝利確定、RWDSUは結果に異議

その勝利はAmazon(アマゾン)の一方的なものだったが、RWDSUは、技術系ブルーカラー労働者の組合結成活動にとって大きな試練となることが予想されていた中、すぐにこの勝利はごまかしだと訴えた。当時、RWDSUはAmazonが「ひどく露骨な違法行為」によって従業員を「ガスライティング」していると非難した。

Amazonは当然ながらこの非難を否定し、次のように述べた「Amazonがこの選挙に勝ったのは、私たちが従業員を脅したからだと、組合がいうことは容易に予想できますが、それは事実ではありません。私たちの従業員は、私たちから聞いたことよりも、組合や政策立案者、メディアからはるかに多い反アマゾンのメッセージを聞いたのです」。

RWDSUの責任者であるStuart Appelbaum(スチュアート・アッペルバウム)氏は米国時間11月29日日の声明で、今回の判決がこれまでの主張を裏づけるものであると述べている。「本日の決定は、我々がずっと言っていたことを裏付づるものです。アマゾンの脅迫と妨害によって、労働者が自分の職場に組合を作るかどうかについて公正な発言をすることができなくなったということであり、地域局長が指摘したように、それは受け入れがたいことであり、違法なことです。アマゾンの労働者は職場で自分自身の声を持つべきであり、それは組合でなければできないことなのです」。

新たな選挙の日程はまだ決まっていない。しかし、パンデミックとそれに続く経済不況の中で勢いを増した組合活動にとって、新たな全国的な火薬庫となることは間違いない。

「NLRBは、単位従業員の間で2回目の無記名投票による選挙を行う」と判決で述べた。「従業員は、団体交渉のためにRWDSUによって代表されることを希望するかどうかを投票します。選挙の方法、日時、場所は、第二次選挙の通知に明記されます」。

Amazonは、本日の判決に不快感を示しめしている。広報担当のKelly Nantel(ケリー・ナンテル)氏は声明の中で次のように指摘している。

当社の従業員は常に組合に加入するかどうかの選択権を持っており、2021年初めにはRWDSUに加入しないことを圧倒的多数で選択しました。今回、NLRBがこれらの票を数えるべきではないと判断したことは残念です。会社としては、組合が従業員にとって最良の答えであるとは考えていません。私たちは日々、従業員が自分の仕事を改善する方法を見つけられるようサポートし、それが見つかった時には、その変化を早く起こしています。このような継続的な改善は、労働組合が介在すると迅速かつ軽快に行うことができません。マネージャーと従業員が直接関係を持つことのメリットは、いくら強調してもし過ぎることはありません。この関係によって、一部の人の声だけでなく、すべての従業員の声を聞くことができます。賃金や安全性などの重要な分野では大きな進歩を遂げていますが、フルフィルメントセンターでもコーポレートオフィスでも、毎日をよくするために従業員と直接協力し、より良い方法を続けることができるものがたくさんあることを知っています。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Yuta Kaminishi)

プロダクションと化した大手ストリーミングサービスの労働条件をめぐってストライキが起きそうだ

NetflixやDisney+、Apple TVなど、いわゆる「ニューメディア」企業の労働条件をめぐる紛争で、今後の組合の票決によっては、国中のプロダクションが閉鎖になるかもしれない。何千人もの労働者たちがこれまで折りに触れて、不当な給与や休憩時間、安全対策などの要求を訴えてきた。それら不当な扱いの原因となってきた契約上の抜け穴がこれらの企業に、既存の映画やテレビのプロダクションの労働基準を無視させてきた。

この紛争はエンターテインメント業界の報道が大きく扱い、またセレブたちや制作スタジオも支持を表明、そして無数の労働者たちが、これらのプロダクションにおける仕事のホラーストーリーを共有した

この問題の起源は、国際映画劇場労働組合(International Alliance of Theatrical Stage Employees, IATSE)の説明によると、Netflixなどの企業が、既存のスタジオのような労働インフラストラクチャを持たないまま、独自のプロダクションで映画等の制作を始めたときの、2009年の合意にある。これら「ニューメディア」企業の経済性は「不確実」で、そのため、未知数の参入者たちを組合の規則が邪魔するような現場の状況では、彼らには「より大きな柔軟性」が認められるとされた。

しかしその同じ合意が、これらのサービスの経済性がある程度確立してきたときには、そのことを認めた上で、新たな合意に替えられるべし、と言っている。そしてIATSEによると、その時が来た

そして今や、それに異論を唱える者はいない。今のNetflixはメディア産業の強力な企業であり、DisneyやApple、Amazonなども、これまででもっとも高名なメディアプロダクションに数十億ドルを投じている。それでも彼らは「ニューメディア」だから、Lord of the Ringsの新作でも、Bridgertonの次のシーズンでも、照明さんや小道具さんには「オールドメディア」のプロダクションのようなお昼の休憩時間や、妥当な給与計算が保証されない。


画像クレジット: IA_stories / Instagram

もちろん、これらの企業のプロダクションがすべて地獄ではない。多くはプロデューサー次第だ。しかし保証が何もないので、多くの労働者たちが体質としての搾取と呼ぶ状態が生まれる。公式の給与額よりも長時間働かされ、休日週末労働が当たり前になる。しかも収入は、UniversalやA24で同じ仕事をしたときより少ない。

これらの企業の超大作プロダクションは、いつも賑やかに報道され、お金持ちのサブスクライバーを取り合って数十億ドルの制作費が投じられる。各社が、つねに一社で数十件の企画を同時進行していて、コンテンツに対する底なしの需要を満たすために異様な過密スケジュールで製作が行われている。Stranger Thingsの新シーズンが間に合わなかったら、別のものが「新Stranger Things」になり、Netflixの投資対象になる。

関連記事: Netflixの第3四半期の新規会員数は予想を下回る220万人、新型コロナ需要の反動で伸び鈍化

それに対してテクノロジーの世界では、これらのプロダクションの人的コストについてはあまり書かれない。それは、エンターテインメント業界の話だ。でも、テクノロジー企業が「イノベーション」の有利性を強調して、その反動に関して口をつぐむのは常套手段だ。FacebookやGoogleやAmazon、Uber、DoorDashなどなどの機能やポリシーがもたらす怖ろしい結果のニュースが一つもなくて、最近の一週間が終わることはない。

そんな企業の一部が搾取的な労働環境を育てていたとしても、意外ではない。むしろ、すでに多くの企業がそれに依存しているだろう。

いずれにしても、IATSEと経営者団体である全米映画テレビ制作者連盟(Alliance of Motion Picture and Television Producers, AMPTP)の交渉は頓挫し、そして組合はストライキの可否を労働者の投票に尋ねている。数日後に出る投票の結果が「イエス」なら、大量のプロダクションが閉鎖する前に「ニューメディア」 が十分な提案を行なう最後のチャンスになる。

IATSEの理事長Matthew Loeb氏は今日のプレスリリースでこう述べている: 「私たちは一致団結して、業界全体にわたる、もっと人間的な労働条件を要求している。AMPTPを構成する巨大企業が、私たちの中核的なプライオリティへの対応を怠り、労働者を人間の尊厳をもって扱うことをしないならば、彼らの心を変えるために私たち全員の連帯が必要になるだろう」。

もちろん、関係者の全員がストライキを避けたいだろうが、もし実現すればそれは、誰がどう見ても敵対的な業界を変えようとする、組織労働者たちの感動的なデモになるだろう。交渉が成功してほしいし、プロダクションのプロフェッショナルたちは今後、メディアの新しい君主たちに踏みにじられることなく、彼らにふさわしい休憩をもらってほしい。

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: IATSE

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トヨタとホンダは米自動車メーカーに有利なEV税制優遇措置拡大に反発

Toyota Motor(トヨタ自動車)とHonda(ホンダ)は、米国内で労働組合員が製造した電気自動車の税制優遇措置を拡大する法案を、否決するようにと議員たちに要請している。

この法案は、米国内で労働組合員によって製造された自動車に対する連邦税の優遇措置を7500ドル(約82万円)から最大1万2500ドル(約137万円)に拡大するというもので、トヨタは議会に提出した書簡の中で「明らかに偏っている」「法外だ」と非難している。さらに、米国内で製造されたバッテリー搭載車には優遇措置が500ドル(約5万5000円)上乗せされる。この法案が可決された場合、トヨタ、ホンダ、Tesla(テスラ)などの自動車メーカーの車両は優遇措置の対象外となるが、デトロイトの「ビッグ3」と呼ばれるメーカーはすべて対象となる。

トヨタは議員に宛てた書簡の中で、「現在の法案は、組合に加入しないという選択をした米国の自動車労働者を差別し、電動車両の普及を加速させるという目的を二の次にする」と述べ、「これは不公平であり、間違っています。この明らかに偏った提案を否決してくださることを求めます」と嘆願している。

さらにトヨタは、この法案は富裕層、つまり電気自動車の購入に公的資金を必要としない人々を優遇するものだと述べている。この法案には、調整後所得が40万ドル(約4400万円)までの個人、または80万ドル(約8800万円)までの世帯に、優遇措置の適用を制限するという所得調査の条項が設けられている。所得制限を設けるかどうか、あるいはその所得制限をどのようにするかは、議会の民主党と共和党の間で大きな争点となっている。

テスラのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、この法案を「メキシコで電気自動車を製造しているFord(フォード)  / UAW(全米自動車労働組合)のロビイストが書いたものだ。これがどれだけ米国の納税者のためになるのかはわからない」とツイッターで批判した。

Whole Mars Catalog

労働組合のために4500ドル(約49万円)に引き上げ、米国製に対してはたったの500ドルに減らしたことには、開いた口が塞がりません。

労働組合への2500ドル(約27万4000円)はすでに馬鹿げていました。しかし、新提案ではそれを4500ドルに拡大するとは?!? 彼らは明らかに1つの企業をターゲットにしています。

Elon Musk

メキシコで電気自動車を製造しているフォード / 全米自動車労働組合のロビイストが書いたものです。これがどれだけアメリカの納税者のためになるかはわかりません。

この法案は、EVに対する最大7500ドル(約82万円)の税額控除が10年以上前に施行されて以来、初めての増額となる可能性がある。また、この法案では20万台以上のEVを販売した自動車製造業者の車両を控除の対象外とする規定が廃止されるため、General Motors(ゼネラルモーターズ)やテスラのクルマも再び対象となる。

GM、フォード、そして旧クライスラー(Chrysler)のStellantis(ステランティス)という、全米自動車労働組合に代表される従業員が働く大手自動車メーカー3社は、この法案を賞賛している。

この法案は米国時間9月14日に下院歳入委員会で審議される。この税控除拡大は、現在議会で審議されている3兆5000億ドル(約383兆6000億円)規模の巨大な予算調整法案の一部に過ぎず、その中には他にも教育、医療、気候変動などを対象とした社会的に進歩的な提案が多数含まれている。

画像クレジット:Toyota

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【中国】政府はテック巨人にもっと社会的責任を負わせたい

TechCrunchチャイナ・ラウンドアップへようこそ&おかえりなさい。中国テック業界の近況と、それが世界の人々に与える影響ついてまとめてみた。

先週、中国ゲーム業界は再び政府の標的となり、未成年プレイヤーに対する世界で最も厳格と思われるルールが施行された。また、中国のテック巨人たちは、社会的責任を取り、束縛のない拡大にブレーキをかけるようにという政府の要請に急いで答えている。

ゲーム制限令

中国政府はこの国の若きゲーマーたちに爆弾を落とした。現地時間9月1日以降、18歳未満のユーザーはゲーム時間が1日当たりのわずか1時間、金曜、土曜、日曜日の午後8時~9時のみに制限される。

この厳格なルールは、未成年に対するすでに締め付けの強いゲームポリシーに輪をかけるもので、政府はビデオゲームが近視の原因であり、精神と肉体両方の健康を害していると信じている。中国が最近、一連の校外学習の制限を発表したことを思い出して欲しい。働く親たちは子どもたちを忙しくさせるのがますます難しくなるというジョークが出回っている。

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新たな規制のいくつかは分析する価値がある。まず、新しいルールを策定したのは国家新聞出版署(NPPA)。同署は中国国内のゲームを承認する規制機関であり、2019年には9カ月間認可を凍結してTencent(テンセント、騰訊)などでゲームの在庫が底をつくことにつながった。

プレイタイムの指針が、ゲームコンテンツの審査と出版ライセンスを発行しているNPPAから出てきたことは興味深い。中国の他の業界と同じく、ビデオゲームは複数の規制機関による承認の対象となっている。NPPAの他、国の最高のインターネット監視機関であるサイバースペース管理局(CAC)、業界標準と通信インフラを司る中華人民共和国工業情報化部がある。

アナリストらは、習近平主席が長を務める中央サイバースペース管理局配下で強大な力を持つCACが、権利を手放したくない他の省庁との官僚的闘争に直面しているところを長年見てきた。これは、裕福なゲーム業界の規制にも当てはまる可能性が高い。

Tencentをはじめとする主要ゲーム会社にとって、新ルールが会社のバランスシートに与える影響は取るに足らない。ニュースが報じられた直後、NetEase(ネットイース)や 37 Games(サーティーセブン・ゲームズ)をはじめとする中国上場ゲーム会社は、未成年プレイヤーは会社売上の1%以下しか寄与していないことをすかさず発表した。

Tencentはこの変更を見越して「中国におけるゲーム売上において16歳未満の占める割合はわずか2.6%、12歳未満はわずか0.3%」であると第2四半期決算で公表している。

こうした数字が現実を反映しているかどうかはわからない。なぜなら子どもたちは、ユーザー登録に大人のIDを使うなどしてゲーム制限を回避する方法を以前から知っているからだ(前の世代が成人の友人からIDを借りてインターネットカフェに潜り込んだのと同様だ)。Tencentや他のゲーム会社は、これらの回避方法を遮断することを約束して、子どもたちにVPNを使って海外版のゲームタイトルを利用するなど高度な技の追求を強いようとしている。いたちごっこは終わらない。

ともに繁栄を

中国はテック巨人の力を削ぎ落とすだけでなく、社会的責任を果たすよう圧力をかけている。ギグワーカーの権利尊重もその1つだ。

先週、中国最高人民法院は「996」と呼ばれる午前9時から午後9時まで週6日働く長時間労働を違法と判断した。この決定は、テック業界のバーンアウト・カルチャーに対する労働者の数年にわたる抗議活動を受けたもので、「996」を実行している企業を列挙するGitHub(ギットハブ)プロジェクトなどが行われてきた。

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一方、勤勉で従順な従業員は、中国テック業界の競争優位性であると言われることも多い。それは、シリコンバレー企業、特に中国をよく知る人々が経営する企業が、この国に支社を設置してテック人材を活用している理由の一部だ。

残業が称賛、許容されていた日々は終わろうとしている。ByteDance(バイトダンス、字節跳動)と同社のショートビデオのライバルであるKuaishou(クアイショウ、快手)は、最近それぞれの週末残業ポリシーを廃止した

同様に、Meituan(メイトゥアン、美団)はフードデリバリー配達員のために強制休憩時間を導入することを発表した。オンデマンドサービスの巨人は、ライダーに過酷な労働時間や危険運転を強要する「非人間的」アルゴリズムで非難を浴びていた。

画期的な試みとして、ライドシェアリングの巨人、Didi(ディディ、滴滴出行)とAlibaba(阿里巴巴集団)のeコマースのライバル、JD.com(ジェイディードットコム、京東集団)は、社員のために労働組合を設置した。ただし、新たな組織が従業員の権利を守るために意味のある影響を持つかどうかは不明だ。

TencentとAlibabaも動いた。8月17日、習近平主席は「共同繁栄」を求める演説を行い、この国の大富豪たちから大きな注目を集めた。

「中国が2度目の100年目標に向かって進むにあたり、人民の幸福は、共同繁栄を促進して党の長期支配の基盤を強化することによって実現すべきです」。

今週TencentとAlibabaの両社は「共同繁栄」を支援するために1000億人民元(155億ドル)を拠出することを宣言した。資金の目的は、地方経済の成長から医療システムの改善まで、中国政府の国家開発目標とよく似ていてうまく連携している。

画像クレジット:Photo by Lintao Zhang/Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook

労働組合形成を支援するUnit、従業員の組織化を模索

従業員を取り巻く環境は1年前とは大きく変化した。テクノロジーという点では、リモートが職場の在り方を変えている。説明責任の拡大やリモートでの新人研修、ソーシャルディスタンスを確保するための何らかの手当など、雇用者は無数の決定を行っている。

ある初期段階(アーリーステージ)のスタートアップは、その決定権の一部を従業員に返すべきだ、と考えている。ニューヨークに拠点を置くUnit(ユニット)は、今日のメインストリームテクノロジーの中で、おそらく最もつかみどころがなく、議論を呼ぶトピックであろう「労働組合」に取り組んでいる。

組合員が非組合員よりもはるかに高い賃金と充実した福利厚生を得ていることは、多くの研究によって明らかになっている。その一方で、組合による収益への影響や、自主性を持った従業員により管理が制限されてしまうことを理由に、組合に反対する企業も多い。

Unitは、従業員が簡単にバーチャルな労働組合を組織し、管理できるようにして、従業員を雇用主から守ることを目的としている。Unit自体は労働組合ではなく、ソフトウェアと人材を組み合わせて、従業員組織による組合の設立、組合員の募集、管理を支援する。

清掃員の起業家精神

「ウォール街を占拠せよ」運動が起こったのは、Unitの創業者かつCEOのJames White(ジェームズ・ホワイト)氏が大学院生の時だった。ホワイト氏は、MIT(マサチューセッツ工科大学)やハーバード大学で働く清掃員がSEIU(Service Employees International Union、サービス従業員国際労働組合)に加盟するのをサポートしていた。サービス従業員国際労働組合はサービス業全体から約200万人が加盟する組合である。

「昼間はMITの生体計測研究室で医療用注射器の研究をして、夜や週末は学生を組織して、給料や労働条件の改善を求める清掃員を支援していました」とホワイト氏は話す。「(ボランティアによる組織化は)手作業で非効率なものでしたが、2、3年かけていくつかのことを勝ち取ることができました」。

その後10年間、ホワイト氏は医療機器関連の会社で働きながら日雇いの仕事の調査を続ける。ビジネスとセールスのノウハウを身につけたところで同氏は退職し、自分のビジネスを始めたが、労働組合のことは考え続けていた。

ホワイト氏は次のように話す。「テクノロジーを駆使した組織化は常に頭の中にあり、最も興味を魅かれたのと同時に最もインパクトのあるものでした。私は所得格差や個人の権利の拡大という側面で世界を変えたいと考えていたのです」。

組合がすぐに利用できるソリューション

Unitは、確実な組合設立プロセスのために、教育から始まる一連のサービスを提供している。具体的には、職場をバーチャルに組合化する方法を段階的に説明し、ウェブサイトで無料公開している。

Unitは組合を結成しようと決断した従業員のプロセスを支援する。従業員はウェブサイトにアクセスして資格調査を受け、同僚を組織化プラットフォームに招待する。興味を持った従業員が書類にサインすると、組織内に小さな集団が形成されていく。

同時並行で、Unitが全国労使関係委員会などの全国組合や地域組合に働きかける際に必要な、法的な自動化プロセスの処理を始める。同社は、従業員に代わって嘆願書を提出するボストンの法律事務所と連携している。

「今までに組織化アプリケーションで得られた最も良いフィードバックは、『全国組合の労働者オーガナイザーやボランティアに連絡するのではなく、Unitを選んだのは、最速な方法だと思ったから』というものです」とホワイト氏はいう。

労働組合が承認された後は、Unitが労働相談窓口の役割を担う。Unitはデジタルサービスと人的サービスを組み合わせて、組合運営の「ターンキー(すぐに利用できる)ソリューション」を実現している。

Unitは、従業員に代わって、アンケートや調査の実施、コンセンサスツールの提供、憲章の草案とレビューのプロセス(組合のガバナンス)の監督を行う。また、交渉の調査、契約書の作成と見直し、報酬、戦略的分析などのネゴシエーションも支援する。それ以外にも、Unitは新規組合員の教育やストライキの計画などの継続的な組織化や、契約の維持にも力を入れている。競合他社のUnionWare(ユニオンウェア)は組合員の管理を行うが、Unitはフルサービスの提供を目指している。

「多くの作業を自動化して作業時間を大幅に短縮することを計画しています。ソフトウェアを使って投票したり更新情報を入手したり、新しい役員を指名したり、小さな組合の中で立候補したり、すべてソフトウェアでできるようにします」とホワイト氏。いうなれば、組合員のためのShopify(ショッピファイ)だ。

従業員は組合が承認されてから組合費を支払うことになるが、同様にUnitは結成プロセスが完了してから課金する。同社によると、全国組合の組合費は賃金の1.5%で、年収4万ドル(約440万円)の従業員は月に約50ドル(約5500円)を支払う。Unitは従業員の月収の0.8%を徴収する。

「No Strings Attached(無条件)」のビジネスモデルでは、いったん組合が承認されれば、Unitは顧客の90%を失う可能性がある、とホワイト氏は話す。同社は現在、Unitのソフトウェアで組合の時間とリソースを節約、というプロモーションで全国規模の組合との提携を進め、Unitのネットワークを経由して同社が承認した組合が加盟するたびに報酬を得られるようにしようとしている。

同社は特に中小企業の組合結成を支援し、ソフトウェア開発会社、デジタルメディア企業、ファストフード店、メンタルヘルス企業などを顧客に持つ。

「解決すべきは技術的な問題ではない」

サービス従業員国際労働組合で20年間、労働組合のオーガナイザーを務めたArianna Jimenez(アリアナ・ヒメネス)氏は、組合結成プロセスが簡単過ぎると、労働者に誤った希望を与える、と注意を促す。同氏の経験では、交渉プロセスは組合結成の中でも最も難しい部分で、6カ月~10年もかかるという。

「カードに署名して法律上は組合員になったとしても、それだけでは労働者の生活を物理的に向上させることはできません」とヒメネス氏。「変化をもたらすには、労働者が法律で保護された法的手続きを踏んで、雇用主との契約を正式に変更し、福利厚生、医療保険、年金の増額などを勝ち取る必要があります」。

Unitや全国の労働組合が交渉プロセスを支援する一方、雇用主主導の弾圧や恐怖政治によって、従業員が雇用の不安を感じ、組合結成に反対票を投じることも少なくない。例えば2021年初め、Amazon(アマゾン)は従業員に圧力をかけて組織化活動に反対票を投じるよう反組合キャンペーンを実施した。その結果、Amazonは組合結成運動を阻止し、同社の27年の歴史の中で最大の組合結成運動は失敗に終わった。

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ヒメネス氏は、組合結成が完全なターンキーソリューションになるとは考えていない。なぜなら「組合の有無が労働者に与える変化を測るのは法的な基準値ではない。(組合結成による変化は)力を奪われ、権利を奪われたと感じている人たちが、力を感じるようになるという、無形の変化」であるからだ。

ヒメネス氏は、Unit の規模拡大は、米国労働法を書き換えることを意味すると話す。

「私たちが解決しなければならないのは技術的な問題ではなく、価値観の問題です」。

「考えたくない問題」を孕むベンチャー

規模を拡大するためにはベンチャーキャピタルに頼らざるを得ないだろう、とホワイト氏はいう。2020年7月、Unitは、Bloomberg Beta(ブルームバーグベータ)、Draper Associates(ドレーパーアソシエイツ)、Schlaf Angel Fund(シュラフエンジェルファンド)、Haystack(ヘイスタック)、E14(イーフォーティーン)、Gutter Capital(ガターキャピタル)などの投資家から、140万ドル(約1億5000万円)の資金調達を完了した。

そして、ホワイト氏によれば、ここにUnitとの緊張関係の核心があるという。規模を拡大するためには、VCの出資を募る必要があるが、その資産を当てにするということは、(労働者を守るという同社の)直観と相いれないことだからだ。

Unitの投資家が投資している企業において、労働組合設立を支援する例を考えてみるといい。利益相反ではないか。あるいは投資家の資本政策に影響が出ないように、投資先の労働組合設立に力を入れないよう、Unitに圧力をかけることができるのではないか。

2020年、カリフォルニア州の有権者は「Proposition(プロポジション) 22」に賛成を投じた。この法案はUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、DoorDash(ドアダッシュ)、Instacart(インスタカート)、Postmates(ポストメイツ)による、ギグワーカーには従業員と同じ労働権を与えず、個人事業主という分類を継続させるという主張を支持する。このムーブメントは、世界中の労働者団体の取り組みに打撃を与えるとともに、VCの支援を受けた企業は、労働者の福利厚生や保護への幅広い活動に反対する動機となり得ることを思い出させるものだった。

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ホワイト氏は、スピードと規模の点でVCからの支援が最適だったとしながらも、これらの問題点を認め、特に創業チームが会社の過半数を維持できない場合、投資家が後のラウンドで影響力を行使する可能性について懸念している。同氏は、Unitをできるだけ長期間、VC資金なし、あるいは限られたVC資金で運営することで、そのような懸念が現実になるのを完全に回避するか、先送りしたいと考えている。

Draper Associatesの投資家であるSiri Srinivas(シリ・スリニバス)は、Unitは、規制のある複雑なプロセスに、より優れたツールを構築しているサービスであると考えている。言い換えれば、政治的な要素を排除した、理にかなったSaaS(サービスとしてのソフトウェア)ツールということだ。

「端的にいうなら、私たちはVCとして、人々が求めるテクノロジーに投資しています。私たちはチームとして、タバコなどの特定の製品に投資しないことを強く求めていますが、これは世界にとってマイナスにしかならないと考えているからです。Unitについては、規制業界でソフトウェア製品を開発している他の企業に投資することとそれほど変わらないと考えています。Unitは労働者の公平性を実現し、ユーザーに多くの価値をもたらすことができるので、目的は一致しています」とスリニバス氏は話す。

ホワイト氏は、職場の再構築に対する一般的な関心が高まることで、Unitの案件が増え、収益の確保につながることを期待している。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がこれほどのインパクトを持ち、労働と安全に関する会話にさらに火をつけることになるとは予想できませんでした。国レベルでこのような問題に直面し、みんなが打撃を受けた今だからこそ、人々は同じ方向に向かって考えることができると思います」。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Unit労働組合アメリカ

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

アマゾンの物流労働者の組合結成に向けてチームスターズが積極的な支援を計画

米国で最も強力な労働組合の1つであるInternational Brotherhood of Teamsters(チームスターズ)は米国時間6月22日、Amazon(アマゾン)の倉庫労働者と運転手の組合結成を全国的に推進する計画を認めた。そしてそれは、穏やかにはすまないだろう。

このニュースはMotherboard(マザーボード)が最初に報じたもので、同メディアはこの取り組みを発表する動画と決議文を入手したという。チームスターズの説明によると、アマゾンの成長する物流事業で組合を結成する計画は以前から進められており、ベッセマーで組合結成が(草の根活動がアマゾン自身の激しい反対に遭い)失敗に終わったことは、なぜこのような試みが必要であるかを物語っているとしている。

チームスターズのアマゾン担当ナショナル・ディレクターを務めるRandy Korgan(ランディ・コーガン)氏は、ニュースサイトのSalon(サロン)に掲載された最近の論説の中で、この取り組みを示唆するような説明をしている。

全国のチームスターズ支部が、組合員の参加を促し、大規模なボランティア組織委員会を立ち上げ、地域社会と労働者の強力な連携を構築し、変革的な社会正義の組織化を自分たちの活動に取り入れることで、すでにこの課題に立ち向かっていることを、私は知っています。

注目を集めたアマゾンのアラバマ州ベッセマー倉庫で行われた全国労働関係委員会(NLRB)の選挙でわかったように、アマゾンは労働者が組合を結成するのを阻止するためには、法律に違反し、費用を惜しみません。

アマゾンで真の労働者の権利を構築するためには、アマゾンの労働者による現場での闘争心と、倉庫業や配送業のチームスターズとの連帯が必要です。

チームスターズの計画は、今週開催される第30回半期国際会議での可決を前提としており、特別にアマゾン部門を設け、全国のアマゾン従業員の組合活動に資金を提供して支援するというものだ。決議文には次のように書かれている(全文は記事文末を参照)。

IBT代表者会議は、アマゾンが我々の組合員にとって存在する脅威であることを認識し、組合員の関与、労働者と地域社会の関与、独占禁止法の施行と政策改革、グローバルな連帯といった中核的なプラットフォームで団結することに、組合のすべてのレベルで取り組む。

アマゾンは事あるごとに、安全で高給な労働環境にするための改善に取り組んでいることを声高に繰り返しているものの、従業員がひどい状況に置かれていたり、冷淡な人事管理を受けていたり、賃金が停滞しているといった報告が後を絶たない。アマゾンは最低賃金を時給15ドル(約1670円)に設定しているが、これは多くの倉庫作業員や運転手が他の仕事で得ている賃金よりもはるかに低いと指摘されており、今や他の事業主がアマゾンに追随して賃金を下げる動きも出ている。

アマゾンが組合潰しの戦術と汚い手口で伝統的な組合投票プロセスを潰したと非難されたベッセマーにおける紛争は、チームスターズが異なるアプローチを採ることを促した。

チームスターズはアマゾンの労働者を支持します。

アマゾンの労働者は生活向上のために団結しており、チームスターズは彼らを支援しています。なぜなら、彼らはそれに値し、私たちは組合員が懸命に取り組んできた基準を維持しなければならないからです。

ランディ・コーガン
チームスターズ アマゾン担当ナショナル・ディレクター

Motherboardによると、チームスターズはアマゾンが組合結成や交渉に応じたほうがよいと考えるようになることを期待して「業務停止、請願、その他の集団行動を含む一連の圧力キャンペーン」を計画しているという。この件について筆者は同社にコメントを求めており、返事があれば記事を更新する。

これはチームスターズが今後数年間に行う最優先の取り組みの1つだが、具体的なスケジュールや予算は明示されていない。その理由は間違いなく、現場の状況に大きく左右されるからだろう。しかし、アマゾンの何十万人もの従業員は、未開拓の巨大な労働者グループであり、その労働者が組合に加入すれば、それだけ巨額の資金がチームスターズにもたらされる可能性もある。

Teamsters Convention Resolu… by TechCrunch

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Amazon労働組合

画像クレジット:Jay Reeves / AP

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ナイジェリアのテレコム最大手MTNが治安悪化にともなうサービス停止を顧客に警告

ナイジェリア最大のテレコムプロバイダーであるMTNの加入者は、西アフリカの同国でまもなくサービス停止に直面する可能性があると、通知を見た一部のジャーナリストや報道機関が伝えている。

ロイター通信などは、カスタマーサービス担当者からの警告を引用して、ナイジェリアでの治安の悪化がMTNのサービスに支障をきたす可能性が高いと伝えた。2021年を通してナイジェリアの人々は、誘拐、農民と牧畜民の衝突、学生の大量誘拐、武装強盗などと闘うことを強いられている。

「残念ながら、ナイジェリアの各地で治安が悪化しているため、今後数日間、お客様の組織へのサービス提供に影響が出る可能性があることをお知らせします。これは、場合によっては当社のテクニカルサポートチームがお客様のサイトに行けず、障害管理における最適ターンアラウンドタイムをできるだけ早く達成できない可能性があることを意味しています」とMTNはメッセージの中で述べたと報じられている

MTNは現時点でコメントの求めに応じていない。

南アフリカのMTN Groupの子会社であるMTN Nigeriaが2021年第1四半期の財務報告書を発表した際、データ収入は前年同期比43%増の1060億N(約284億円)となり、総収入の28%に寄与するなど、力強い成長を示していた。

データ収入の増加は、有料データサブスクライバー数が前年同期比21%増の3250万人、スマートフォン普及率が前年同期比27%増の3630万人となったことなどに後押されている。これらの数字は、ナイジェリアにおけるMTNの優位性を反映している。ナイジェリア通信委員会(NCC、Nigerian Communications Commission)のデータによると、MTNはナイジェリアのインターネット加入者の43%、携帯電話加入者の38%を占めている。

ナイジェリアの他の通信事業者と同様に、MTNのサービスに関する体験談は、良いかまたは標準以下、と2分される。しかし、TechCrunchの取材に応じたナイジェリアの人々は、政府がTwitter(ツイッター)を禁止する決定を下した後のインターネット規制への懸念とともに、この数週間、後者を目の当たりにしてきた。

理由は異なるものの、現地メディアの報道もロイターの報道を裏付けるものとなっている。ナイジェリアの通信会社の幹部社員で構成されるPTECSSAN(Private Telecommunications and Communications Senior Staff Association of Nigeria)という組合は「恣意的な労働者の解雇と非正規雇用化」に抗議して、6月16日から3日間のスト権ストに入ることを発表した。

PTECSSANは声明の中で、いくつかの理由を挙げてナイジェリアの通信会社各社を非難している。第一に、結社の自由と労働者の組織化権の侵害、組合員の犠牲、そして低賃金と差別的報酬。また、通信事業者らが外国人枠を乱用し、脅迫行為を行い、従業員に嫌がらせや暴言を吐くなどの反労働行為を行っていると主張している。

TechCrunchが問い合わせたMTNのカスタマーケア担当者数人は、上記のメッセージを知らないと述べるか、否定した。「そのようなネットワーク不具合が起きる予定はありません」と1人はいった。別の担当者は「今後数日間のサービス停止に関する情報はありませんので、その旨ご了承ください。何か情報が入りましたら、できるだけ早くお客様にメッセージでお知らせします」と答えた。

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タグ:ナイジェリア労働組合

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Aya Nakazato)

アマゾンの労組結成賛否を問う従業員投票結果を受け米労組会長が「再選挙の可能性が高い」と語る

Amazon(アマゾン)のアラバマ州ベッセマー倉庫で行われた労働組合結成の賛否を問う従業員投票で、米国時間4月9日に明らかになった開票結果がどうであれ、AmazonとRWDSU(小売・卸売・百貨店労組)の戦いに終わりがないことだけは確かだった。圧倒的にAmazon有利となった開票結果を受け、組合はすぐにその結果に異議を唱えた。

RWDSUは、賛成も反対も50%を超える票がなかったことを受け、Stuart Appelbaum(スチュアート・アッペルバウム)会長の声明をいち早くTechCrunchに提供し「我々は、この選挙を腐敗させたAmazonの行動について包括的な調査を要求する」と述べている。

Amazonは、当然のことながら、すぐに勝利宣言を行った。「Amazonスタッフ」とクレジットされたブログ記事の中で、同社は次のように書いている。

アラバマ州のBHM1フルフィルメントセンターの従業員のみなさん、選挙に参加していただきありがとうございました。この数カ月間、さまざまな意見が飛び交っていましたが、最終的にみなさんの総合的な声が聞けたことをうれしく思います。結局、BHM1の従業員のうち、RWDSUの組合に加入する方に投票した人々は16%以下でした。この選挙でAmazonが勝利したのは、私たちが従業員を威嚇したからだと組合側がいうだろうことは容易に想像がつきますが、それは事実ではありません。

会社側は選挙が「終わった」と言っている一方で、RWDSUは、将来的にベッセマー倉庫で労働組合が結成される可能性と、この運動が今後のAmazonにおける組合結成活動にどのような意味を持つことになるかという両面において、まだ希望を持っている。

アッペルバウム会長は、米国時間4月9日早朝に行われた記者会見で、Amazonが労働者に対し、職を失いたくなければ組合に反対票を投じる必要があると伝えていたことを示唆した。

「私たちは、再選挙の可能性が非常に高いと考えています」と、組合長はメディアに対して語った。「Amazonがこれを勝利と考えるならば、考え直した方がいいと思います。せいぜい、ピュロスの勝利に過ぎません。この期間に何が起こったかを見てください。私たちはAmazonの非道な労働環境を、誰もがわかるように暴露したのです」。

アッペルバウム氏の発言の一部は、ノルマの厳しさを懸念して労働者が飲料水用ボトルに排尿していたという数々の報道について言及していると思われる。Amazonは、明らかにJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)CEOの指示で積極的なソーシャルメディア・キャンペーンを展開する中で、当初は上述のような報道を否定していた。しかし、数々の反論的報道を受け、一部のドライバーに該当する可能性があることを認めた。そしてすぐに、だがそれは広範な業界の問題であるとして責任を転嫁した。

「Amazonが勝ったのではなく、社員が組合加入に反対するという選択をしたのです」と、同社は投稿の中で続けている。「従業員はAmazonの心であり、魂です。私たちは常に従業員の声に耳を傾け、彼らのフィードバックを受け、継続的な改善を行うことに懸命に取り組み、安全で包括的な職場で優れた給与と福利厚生を提供するために多額の投資を行ってきました。私たちは完璧ではありませんが、我々のチームと自分たちが提供しているものを誇りに思っています。そしてこれからも日々向上するために努力を続けていきます」。

RWDSUの異議で鍵となりそうなカ所は、Amazonが全米労働関係委員会(National Labor Relations Board)の規定に反して、USPS(米郵便公社)に圧力をかけて設置させたという投票箱だ。アッペルバウム氏は、この投票箱が「監視されているような印象を従業員に与えた」と述べている。

同氏は、RWDSUがすでにAmazonの他の施設で働く従業員と連絡を取り合っていると付け加え「この選挙の前に、すでに他の施設の労働者とも話し合いを始めています」と説明した。

その後、Amazonは投票箱について次のような声明を出した。「我々は最初から、すべての従業員に投票して欲しいと言っており、簡単に投票できるようにするためにさまざまなオプションを提案しました。しかし、RWDSUはあらゆる場面でこれらに対抗し、郵送のみによる選挙を推し進めましたが、それでは投票率が下がることが、NLRB自身のデータからわかっていました。USPSだけがアクセスできる郵便箱を設置することは、従業員が簡単に投票できるようにするための、シンプルで安全な、完全に任意の方法であり、それ以上でも以下でもありません」。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Amazon労働組合労働問題

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンが労働組合結成をめぐる投票で勝利確定、RWDSUは結果に異議

Amazon(アマゾン)のアラバマ州ベッセマー倉庫における労働組合結成に向けた取り組みは、開票2日目に大差で敗北したことがわかった。3215票のうち半数以上が会社を支持する結果となったのだ。この投票が可決された場合、労働組合の役割を果たすことになっていた小売・卸売・百貨店連合(RWDSU)は、この結果にいち早く異議を唱えた。

RWDSUのStuart Appelbaum(スチュアート・アッペルバルム)会長は、TechCrunchに提供された声明の中で次のように述べている。

Amazonは、自社の従業員をガスライティングするためにあらゆる手段を講じてきました。私たちは、Amazonの嘘、ごまかし、違法行為を許すことはできないため、組合投票の際にAmazonが行ったひどい違法行為のすべてを正式に告発します。Amazonは、たとえ違法行為であっても、できる限りのことをしなければ、労働者が組合結成を支持し続けるだろうということを十分にわかっていたのです。

だからこそ、Amazonは、全従業員に虚偽と嘘に満ちた説明を何度も行う必要があり、労働者は会社から組合反対要求を聞かされることになりました。また、だからこそ、Amazonは、インターネットや電波、ソーシャルメディアを利用して、誤った情報の宣伝を流したのです。だからこそ、Amazonは、何十人もの外部の人間や組合潰しの人間を連れてきて、倉庫の床を歩かせたのです。だからこそ、Amazonは、施設内のいたるところに看板を設置し、従業員にテキストメッセージを送り、自宅には電話をかけてきたのです。そして、だからこそ、Amazonは、労働権が認められている州で、組合費が毎月給料から徴収されると嘘をついたのです。Amazonの行為は卑劣なものです。

この最初の敗北は、Amazonの27年の歴史の中で組合結成に向けた最大の取り組みが、大きく後退したことを意味する。これは小売業の巨人とブルーカラーの技術労働者の双方にとって大きな変化をもたらす可能性があったが、今のところ、圧倒的な敗北を喫している。

当然ながらAmazonは、労働者を適切に扱っているため、このような組合活動は必要ないと、長いこと主張してきた。その論拠として、同社は時給15ドル(約1640円)の最低賃金などの基準を挙げているが、これも当初は抵抗していたものの、最終的には議員からの圧力を受けて導入したものだ。

今回は双方にとって厳しい戦いとなった。Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏からMarco Rubio(マルコ・ルビオ)氏まで、多くの議員が党派を超えて組合結成のために力を貸した。後者の保守派のフロリダ州上院議員は、同社の「独自で悪質な企業行動」を指摘した。また、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領も労働者側に立ち、自らを「史上最も組合びいきの大統領」と称した。

Amazonがこの結果を正当なものと主張することは疑う余地がない。同社は以前の声明で「我々の従業員は賢明で、時給15ドル以上の初任給を得て、初日から健康管理が受けられ、そして安全で包括的な職場という真実を知っています。すべての従業員に投票をお勧めします」と述べていた。

このニュースを受けたブログ記事で、同社は次のように述べている。

この選挙でAmazonが勝ったのは、私たちが従業員を威圧したからだと組合がいうだろうことは容易に想像できますが、それは真実ではありません。当社の従業員は、我々から聞いたメッセージよりも、組合や政策立案者、メディアから反Amazonのメッセージを聞くことの方がはるかに多かったのです。そして、Amazonが勝ったわけではありません。私たちの従業員が、組合への加入に反対するという選択をしたのです。従業員はAmazonの心であり、魂です。私たちは常に従業員の声に耳を傾け、彼らのフィードバックを受け、継続的な改善を行うことに懸命に取り組み、安全で包括的な職場で優れた給与と福利厚生を提供するために多額の投資を行ってきました。私たちは完璧ではありませんが、我々のチームと自分たちが提供しているものを誇りに思っています。そしてこれからも日々向上するために努力を続けていきます。

労働委員会の規約に違反してアマゾンが設置したとされる投票箱に対する疑念も残っており、これについても組合からの異議申し立てが予想される。

「倉庫の敷地内に投票箱を設置するというAmazonの要求をNLRB(米労働関係委員会)が明確に拒否したにもかかわらず、Amazonは自分たちが法律を超えた存在であると感じ、ともかく郵便公社と協力して投票箱を設置した」と、RWDSUは書いている。同社がこのようなことをした理由は、それが労働者を威嚇する明確な手段を提供するからです」。

約6000人の労働者を雇用するAmazonのベッセマー倉庫は、ロックダウンが差し迫る中、同社が必要不可欠な労働者の運用を拡大するため、2020年3月末に開設したものだ。この件に関する報道では、厳しい就業基準を満たすために従業員が飲料水用ボトルに放尿しているという多数の報告をはじめ、同社のブルーカラー労働者の扱いをめぐるさまざまな長年の不満が表面化している。

Amazonは当初、ソーシャルメディア上でこれらの主張を否定していたが、後に謝罪の意を表したものの、業界全体の問題に責任を転嫁するような姿勢を示した。また、同社は子会社のストリーミング・プラットフォームであるTwitch(ツイッチ)で、反組合的な広告を流していたが、Twitchは「掲載を許可すべきではなかった」との声明を出し、広告を取り下げたこともある。

開票された3215票は、アラバマ州の倉庫で働く労働者の半数以上を占める。Amazonがその半数以上を獲得したにもかかわらず、集計は継続される。労組結成の挑戦は数週間にわたり続く可能性がある。

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンの倉庫労働者による組合員投票は圧倒的に会社有利に

アラバマ州ベッセマーにあるAmazon(アマゾン)の倉庫労働者のための組合投票が終わってから1週間あまりが経過した。その間は、台風の目のように何事も静かだった。しかし米国時間4月8日、本格的に開票が始まったことで状況は変わった。これまでのところ、激しい反組合運動の結果、劇的に会社有利に展開している。にはかなり劇的な好材料となっている。

4月8日の時点で反対票は賛成票の倍以上の1100対463となっている。4月9日に集計は再開され、終了する見込みだが、労働組合の役割を果たす可能性のあるRWDSU(小売・卸売・百貨店労組、Retail, Wholesale and Department Store Union)はAmazon側の戦術を非難している。

RWDSUのStuart Appelbaum(スチュアート・アペルバウム)理事長は「システムが壊れており、Amazonはそのことを最大限に利用した。私たちは州労働委員会に訴えて、キャンペーンにおける同社の違法で悪質な行為について、Amazonの責任を求めるつもりだ」とTechCrunch宛の声明で述べている。「しかし、誤解のないように言っておくが、これはそれでもなお労働者にとって重要な瞬間であり、彼らの声は聞かれるだろう」。

このコメントは、Amazonが選挙期間中にとった行動と、結果に対する異議申し立てに備えてのものであるようだ。この数字は、現在集計中の3215票のうちの約半分に相当し、同社にとっては、組合活動の敗北まであと500票というところまできている。

Amazonにアペルバウム氏のコメントに対する返答を求めたが、まだ得られていない。1カ月前にTechCrunchにくれたコメントで同社は、アペルバウム氏にあまり良い言葉を与えず、彼のことを「偽情報最高責任者(Chief Disinformation Officer)と呼び、「長年衰退している組合を救うために、(彼は)オルタナティブファクトのレベルを未曾有の高いレベルに上げてしまった」と述べている。

集計の最終結果に関わらず、このプロセスは長引くことになりそうだ。苦情の中には、同社がUSPS(米郵政公社)に違法な投票箱を設置させ、その過程で全米労働関係委員会の裁定を破ったという報道もある。

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

全米労働関係委員会がアマゾンを批判した元社員の解雇を「違法な報復行為」と認定

Amazon(アマゾン)は2020年、Emily Cunningham(エミリー・カニンガム)氏とMaren Costa(マレン・コスタ)氏を解雇した。この2人は、環境や労働の問題について公然とAmazonを批判してきた、最も率直な社員だった。

全米労働関係委員会(NLRB)は先週、2人の解雇が違法な報復行為であるとの判断を下した。カニンガム氏は、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)によるインタビューの中で、もしAmazonがこの問題に対処する措置を取らないのであれば、委員会はさらに公然とAmazonの行動に対する批判を発するだろうと指摘した。

AmazonはTechCrunchに対し、今回の決定は2人の批判が直接の原因ではなく、公表されていない社内ポリシーによるものだと述べている。「私たちは、すべての従業員が雇用主の労働条件を批判する権利を支持していますが、それはあらゆる社内ポリシーに対する全面的な免除をともなうものではありません」と、同社の広報担当者は語る。「当社は、これらの従業員が社内規定に繰り返し違反したため、解雇しました」。

一方、カニンガム氏はこの決定を「道徳的勝利」と呼んでいる。

このニュースは、2020年4月に新型コロナウイルス感染症が米国を襲った際、オンライン大手企業のAmazonが不可欠なサービスと謳われ、大規模な増強を行っていた最中に報じられたものだ。その2週間前、同社はアラバマ州ベッセマーに巨大なフルフィルメントセンターを開設している。このセンターは同社にとって新たな労働争議の焦点となった。

この倉庫では現在、労働組合結成に向けて同社の歴史上最大の活動が行われているところだ。NLRBは、3月30日に開始された労働組合結成の賛否を問う投票の集計を担当している。投票の最終日に、Amazonはソーシャルメディアで組合に対する攻撃的な呼びかけを行ったが、その後、同社の従業員が厳しいノルマを達成するためにしばしばペットボトルに排尿しているという報道にまつわるコメントにやんわりと謝罪するなど、一部を撤回している。

NLRBは、カニンガム氏とコスタ氏に加え、Amazonians United(アマゾニアンズ・ユナイテッド)の共同設立者であるJonathan Bailey(ジョナサン・ベイリー)氏についても、不当解雇であったとの決定を下した。

その後、Amazonから次のような追加声明がTechCrunchに送られてきた。「私たちはこれらの暫定的認定に同意しません。当社は、すべての従業員が雇用主の労働条件を批判する権利を支持していますが、それはあらゆる社内ポリシーに対する全面的な免除をともなうものではありません。また、我々の社内ポリシーはすべてが合法的なものです。当社がこれらの従業員を解雇したのは、暫定的認定で指摘された理由ではなく、社内規定に繰り返し違反したためです」。

関連記事:アマゾンがトイレに行く時間もなく「ペットボトルに排尿」を否定したツイートについて謝罪と釈明

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンがトイレに行く時間もなく「ペットボトルに排尿」を否定したツイートについて謝罪と釈明

Amazon(アマゾン)は、歴史的な労働組合結成の賛否を問う投票の終盤に展開したソーシャルメディアによる攻勢をわずかに後退させて、この週末の連休を迎えた。以前のコメントは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がより攻撃的な戦略を推し進めているときに出たものだと報じられている。

Amazon News(アマゾン・ニュース)のTwitter(ツイッター)アカウントは、Bernie Sanders(バーニー・サンダース)上院議員とElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員に加えて、Mark Pocan(マーク・ポーカン)下院議員とも対決することになった。このウィスコンシン州選出の民主党議員は、Amazonの顧客部門でCEOを務めるDave Clark(デイブ・クラーク)氏のコメントに反応して、Amazonの従業員がトイレに行く時間もなく、仕方なくボトルに小便をしているという、過去に報道された話を引用した。

すると、Amazon Newsのアカウントは「ボトルにおしっこをするという話を本当に信じているわけではないですよね?もしそれが本当なら、誰も私たちのために働かないでしょう。真実は、世界中で100万人以上のすばらしい従業員が、自分たちの仕事に誇りを持ち、初日からすばらしい賃金と健康管理を受けています」と、ツイートした。

デイブ・クラーク

(労働組合結成に向けた投票を行っているAmazonの従業員に会うために、サンダース氏がアラバマ州バーミンガムを訪れるという報道に対し)サンダース氏をバーミンガムに歓迎し、進歩的な職場を求める同氏の姿勢に感謝します。私はよく、我々は雇用主のバーニー・サンダースだと言っていますが、実際には我々は進歩的な職場を提供しているので、それは正しくありません。https://businessinsider.com/bernie-sanders-visiting-amazon-workers-unionizing-alabama-2021-3

マーク・ポーカン

労働者に時給15ドル(約1660円)を支払っても、労働組合を潰したり、労働者にペットボトルに小便をさせたりしているようでは「進歩的な職場」とは言えないでしょう。

Amazon News

ボトルにおしっこをするという話を本当に信じているわけではないですよね?もしそれが本当なら、誰も私たちのために働かないでしょう。真実は、世界中で100万人以上のすばらしい従業員が、自分たちの仕事に誇りを持ち、初日からすばらしい賃金と健康管理を受けています。

議員の最初の反応は、簡潔で的を射たものだった。「そうです。私はあなた方の従業員の話を信じています。あなた方は信じていないのですか?」。

その後、これらの話をさらに強化する報道が続いた。ある報道では、Amazonのドライバーの間で排尿の問題が「広範囲に渡っている」としており、さらに「排便も問題になっている」と付け加えた。これらを受け、Amazonは米国時間4月2日「ポーカン議員に謝罪しなければなりません」と述べ、ある種の非を認めた。

だが、そこから先は少々様子が変わってくる。アマゾンの謝罪文では、労働者がボトルに排尿していたことを認めているが、それはドライバーに限ったことで、今回の大規模な組合活動の中心となっている配送センターのスタッフには当てはまらないと、暗に示しているように思われた。さらに、ドライバーがボトルに排尿するのは「業界全体の問題であり、Amazonに限ったことではない」と付け加えている。

同社は親切にも、ギグエコノミーの告発やブルーカラー労働者の扱いを非難するリンクやツイートのリストを掲載している。基本的にAmazonは、自社に問題の一部があることを認めつつ、その責任を明らかにシステムに欠陥のある業界全体に分散させようとしているのだ。

労働者がボトルに小便をするという話は、ドライバーだけでなく、倉庫で働く従業員も厳しいノルマをこなすために行っていたという報告もある。

Amazonは、この個人名が表記されていないスタッフによる投稿の中で「典型的なアマゾンのフルフィルメントセンターには、何十ものトイレがあり、従業員はいつでも自分の仕事場から離れることができます。もしフルフィルメントセンターの従業員が異なる経験をした場合は、上司に相談することをお勧めします。我々は解決に向けて努力します」と書いている。

同社のアラバマ州ベッセマー倉庫では、先週から労働組合結成に向けた投票が行われている。この結果は、Amazonと業界全体に広範な影響を与える可能性がある。

関連記事:Amazonの歴史的な労働組合投票がまもなく開票

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Amazonの歴史的な労働組合投票はまもなく開票

Amazon(アマゾン)アラバマ州ベッセマー配送センターの労働組合結成に向けた歴史的投票の開票作業が米国時間3月30日に始まる。ちょうど1年前に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で急増した需要に応じるために操業が始まったこの倉庫は、近代米国史の中でも有数の労働運動の中心地となった。

投票は2月8日に郵便で開始されたが、それまでにAmazonは、投票を遅らせようとしたり、パンデミックの制約にもかかわらず、直接投票させようとした。状況は、予想どおり、日々ヒートアップを続け、3月29日の投票締切日を迎えた。Amazonの積極果敢な広報戦略の基準を踏まえても、驚くほど事態は進んでいる。

中でも、3コマース巨人はTwitterを活用して積極的アンチ組合戦略を展開した。さらに同社は、現在の労働環境のイメージを宣伝しようと試み、一方でバーモント州上院議員であるBernie Sanders(バーニー・サンダース)氏のような進歩派/左翼政治家と対決した。同議員は倉庫労働者の最低賃金時給15ドル(約1660円)をAmazonに認めさせる中心的役割を演じた人物だ。

報道によると、サンダース議員とマサチューセッツ州のElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員に対する焦土作戦は初めから過熱した。ファウンダーのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏(2021年CEOを辞任する予定)は、攻撃を推進したと言われている。

Amazon News Twitterは、反論するツイートを発信し、配達員がノルマ不達を恐れてペットボトルで用を足しているとする広く根強い報道を否定したが、その後前向きなアプローチへと転じた。しかし、投票を巡っての行動は続けられており、投票箱を監視するビデオカメラの設置を提案したが、全国労働関係委員会(NLRB)に却下された。

票集計は米国時間3月30日から始まるが、すぐに結果が出ることを期待しないように。プロセスは系統的かつ慎重だ。どちらの側からも文句の出ない方法がとられる。これが現在、ベッセマー配送センターで働いている6000人ほどの労働者よりはるかに大きい問題であることを会社が十分認識していることは、Amazonの最近の行動からも明らかだ。もし会社が勝利すれば、この決定を同社の労働条件の妥当性を証明するものだと位置づけるだろう。一方、もし労働者が組合結成に賛成すれば、会社全体に連鎖反応をもたらす可能性がある。

米国時間3月5日、アラバマ州バーミンガム。議員団がAmazon BHM1施設の組合結成活動関係者と2021年3月5日に会談した後、トラックが走り去る。Amazon施設で働く人々は現在時給15ドルを得ているが、ノルマ軽減の要求は経営陣に聞き入れられていないと感じている(画像クレジット:Megan Varner/Getty Images)

今週Amazonの ドイツ事業者の労働者はストライキを4日間決行する予定であり、先週イタリアでも同様の動きがあった。

「これはアラバマ州の労働者だけではありません。ジェフ・ベゾス氏に、もうたくさんだと言っている世界中の労働者です。話す言語は違っても、世界中のAmazon労働者はみんな、あまりにも長い間我慢を強いられてきたこの労働条件に耐えるつもりはありません」と小売・卸・百貨店労働組合(RWDSU)のStuart Applebaum(スチュアート・アップルバウム)プレジデントは声明で語った。

票集計はNLRBが管理する。もし労働者が組合結成を支持すれば、ベッセマーの労働者はRWDSUに加入する。同組織もAmazonの抵抗にあっている。先週、AmazonはTechCrunchに次のように語った。

RWDSUの最高誤情報責任者、スチュアート・アップルバウム氏は、自らの凋落しつつある組合を救うために、もう1つの事実をまったく新しいレベルに引き上げました。しかし、当社従業員は賢明であり真実を知っています。時給15ドル以上、入社初日からの健康保険、そして安全で包括的な職場。会社は全従業員に投票を推奨します。

投票用紙はNLRBのバーミンガム事務所に送られた。どちらの側もいくつかの理由でも結果に異議を唱えることができる。投票した人物が実際にAmzon従業員であることを証明する署名もその1つだ。票集計が終わったあとでも、何かが起きるに違いない。法廷闘争になる可能性も高い。最終的に数週間、数カ月間を要するかもしれない。

この戦いは超党派の政治的同盟が作られる稀な状況になっている。一方にMarco Rubio(マルコ・ルビオ)氏、他方にバーニー・サンダース氏、エリザベス・ウォーレン氏、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏といった政治家が並ぶ出来事は滅多にない。労働組合のような伝統的に対立する事象ではなおさらだ。

「すでにこの運動はさまざまな意味で勝利です」とアップルバウム氏が先週の声明で述べた。「投票結果がどうなるにせよ、この国全体で組合結成のドアを開いたと私たちは信じています」。

関連記事:アマゾンの倉庫労働者が組合結成へ向け郵便投票を開始

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米共和党のマルコ・ルビオ上院議員が労組結成を目指すアマゾン倉庫従業員を「支持する」と発言

アラバマ州ベッセマーにあるAmazon(アマゾン)の物流倉庫で働く従業員たちは、すでにBernie Sanders(バーニー・サンダース)上院議員からJoe Biden(ジョー・バイデン)米大統領まで、民主党の政治家たちから公に支持されている。後者は2020年末には「今まででもっとも労組寄りの大統領になる」と約束していた。そして今、多くの労働者が組合結成を目指す中、チームは意外なところから政治的支持を得た。

米国時間3月12日、共和党のMarco Rubio(マルコ・ルビオ)上院議員はUSA Today紙に寄稿した論説で「労働組合の無制限な影響力がもたらす危険性」はあるものの、労働者たちを支持すると述べた。フロリダ州選出の上院議員であるルビオ氏は、歴史的に共和党は経営者側に味方する傾向があることを指摘しつつ「保守派がビジネス界に当然視される時代は終わった」と付け加えている。

この記事は、伝統的に左派と同盟してきた労働組合を全面的に支持するというには程遠いものだ。ルビオ氏は冒頭で、労働組合と経営者の対立は「労働者にとっても、国の経済的競争力にとっても間違っている」と述べ若干の含みを持たせた上で「独特の悪質な企業行動」を挙げている。

ルビオ氏はこう書いている。

これが私の基準です。働く米国人と、リーダーが労働者階級の価値観に対して文化戦争をしかけようと決めた会社との間で対立が生じた場合、選択は容易です。私は労働者を支持します。ですから私は今日、Amazonのベッセマー倉庫にいる人たちを支持するのです。

同記事は、Amazonの職場環境に対する長年の不満だけでなく、文化戦争に関する共和党の不平も取り上げている。「今日は職場環境かもしれませんが、明日は、経営者が今はやりの『ウォークな(woke、人種差別などの社会的不公正の問題に高い意識を持つこと)』人事を労働者に受け入れさせる要求かもしれません」と同氏は述べた。

政治と労使関係は、奇妙な同志をもたらすようだ。オーガナイザーは左派であることが多いが、組合の目的は(実際にはどうであれ)、政治的立場に関係なく労働条件を守ることだ。

関連記事:アマゾンの倉庫労働者が組合結成へ向け郵便投票を開始

Cori Bush(コリ・ブッシュ)下院議員、Jamaal Bowman(ジャマール・ボウマン)下院議員、Andy Levin(アンディ・レビン)下院議員、Terri Sewell(テリ・シーウェル)下院議員 、Nikema Williams(ニケマ・ウィリアムス)など、多くの議員がアラバマ州を訪れ、同倉庫の従業員への支持を表明している。約6000人を雇用している同倉庫の従業員は、2月7日に郵便による投票を開始した。投票は2021 年3月末に終了する。

究極のところ企業に圧力をかける上で、知名度の高い政治家の支持は労働者にとってプラスになるかもしれない。しかし、このようなコメントを鵜呑みにしてはいけないと、組合オーガナイザーは釘を刺すこともある。

ニューヨーク大学(NYU)フェローのClarissa Redwine(クラリサ・レッドウィン)氏は、先日TechCrunchのパネルセッションでバイデン氏の支持について聞かれこう述べた。「何よりもまず、権力者がいうことは重要ではないと覚えておくことが大切です。あなたが持っているすべての力は、トップにいる人たちが与えてくれるものではありません。隣にいる人々と腕を組み団結して、その力や影響力を自分のものにすることで得られるのです」。

【更新】小売・卸売・百貨店労組(Retail, Wholesale and Department Store Union、RWDSU)のStuart Appelbaum(スチュアート・アペルバウム)会長は、TechCrunchに次のようなコメントを送った。「我々はあらゆる方面からの支持を歓迎します。ルビオ上院議員の支持は、働く人々が職場で尊厳と敬意を得るための最良の方法は、組合結成であることを示しています。これは党派的な問題であってはなりません」。

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画像クレジット:Scott R. Galvin / AP

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)