2021年最も働きがいのある米国のテック企業、スタートアップベスト10(Glassdoor調べ)

Glassdoor(グラスドア)が2021年に「最も働きがいのある米国企業」の年間ランキングを発表した。その中から大企業(従業員数1000人以上)と中小企業で、上位10社のテック企業を抜き出してみた。

大企業のリストは、従業員数1000人以上の企業の中から、そこで働く従業員のフィードバックに基づいてランキングが作成されている。Glassdoorでは、従業員がその会社のCEO、出世の機会、報酬と福利厚生、文化と価値観、ワークライフバランスといった項目で企業を評価している。大企業でランクインするためには、各属性ごとにそれぞれ75件以上の評価を得る必要がある。中小企業ランキングでは、会社が75件以上の評価を必要とする。

それでは、Glassdoorによる米国で働きたいハイテク企業トップ10をご紹介しよう。カッコ内には、ベスト100企業における各社の総合順位と平均従業員評価が記載されている。

2021年テック系企業ベスト10

1位 NVIDIA(エヌビディア)[総合2位、4.5点]
2位 HubSpot(ハブスポット)[総合4位、4.5点]
3位 Google(グーグル)[総合6位、4.5点]
4位 Microsoft(マイクロソフト)[総合9位、4.5点]
5位 Facebook(フェイスブック)[総合11位、4.4点]
6位 LinkedIn(リンクトイン)[総合13位、4.4点]
7位 DocuSign(ドキュサイン)[総合15位、4.4点]
8位 KnowBe4(ノウビフォー)[総合16位、4.4点]
9位 Salesforce(セールスフォース)[総合17位、4.4点]
10位 RingCentral(リングセントラル)[総合18位、4.4点]

そしてGlassdoorの中小企業ランキングよると、2021年に就職すべきテック系スタートアップのトップ10は以下のとおりだ。

2021年テック系スタートアップベスト10

1位 Ike(アイク)[総合3位、4.9点]
2位 Harness(ハーネス)[総合6位、4.9点]
3位 Lendio(レンディオ)[総合8位、4.9点]
4位 Jobot(ジョボット)[総合9位、4.9点]
5位 Lower(ローワー)[総合10位、4.9点]
6位 Orchard(オーチャード)[総合16位、4.8点]
7位 SimplrFlex(シンプラフレックス)[総合17位、 4.8点]
8位 Flockjay(フロックジェイ)[総合21位、4.8点]
9位 Wonolo(ウォノロ)[総合24位、4.8点]
10位 Thrasio(スラシオ)[総合27位、4.8点]

【注記】総合14位にランクインしたAsana(アサナ)は公開企業であるため、このリストから除外した。また、Ping Identity(ピン・アイデンティティ)も、従業員数が1000人近くに達しており、まず間違いなくスタートアップの段階を超えているため、このリストから除外している。

カテゴリー:その他
タグ:ランキング

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

保守派が集うアプリParlerがGoogle Playで削除、AppleのApp Storeも削除予定と報道

Twitter(ツイッター)が米国時間1月8日午後にトランプ大統領のアカウントを永久停止すると発表してからほどなくして、Google(グーグル)は保守派のソーシャルメディアアプリParler(パーラー)をGoogle Playからただちに削除することを明らかにした。声明文の中でGoogleは、デベロッパーがプラットフォーム上の不快なコンテンツに対処するモデレーションと取り締まりについての規約を遵守するまでアプリを停止すると述べた。

TechCrunchへの声明文で、Googleの広報担当は以下のように述べた。

Google Playユーザーの安全を守るため、長年展開されている当社の規約では、ユーザー生成のコンテンツを表示するアプリにモデレーション規約の整備と、暴力を扇動する投稿のような言語道断のコンテンツの削除を求めています。すべてのデベロッパーはこうした規約の遵守に同意していて、当社はここ数カ月、Parlerにこの明快な規約についてリマインドしてきました。米国で続いている暴力を扇動しようとしているParlerアプリに引き続き投稿があることを当社は把握しています。コンテンツ規約について合理的な議論があり得ること、すべての暴力的なコンテンツをただちに削除することはアプリにとって難しいかもしれないことを当社は認識しています。しかしGoogle Playを通じてアプリを配信する当社にとって、アプリが言語道断のコンテンツに対して確固たるモデレーションを適用することは不可欠です。現在も続く喫緊の安全への脅威の観点から、当社はこれら問題が解決されるまで、このアプリをPlay Storeから排除します。

ParlerのGoogle Playページは現在、非表示となっている。

保守派のプラットフォームは、暴力の脅迫を詳細につづり、議事堂の警官を含む5人の死者につながった議事堂でのひどい暴動の計画について投稿があった後にかなりの注意を集めた。主要なソーシャルメディアサイトが暴動に関連する暴力的なコンテンツを争うようにして取り締まった一方で、Parlerのプラットフォームは殺害の脅しや暴力が溢れていた。

Parlerアプリはさまざまな保守派人物のアカウントを案内しており、ここにはトランプ大統領一族の多くのアカウントが含まれるが、大統領自身のものはない。

1月8日にBuzzfeed Newsは、モデレーション改善計画を提出しなければ24時間以内にApp StoreからParlerアプリは削除されるという通知をParlerがApple(アップル)から受け取ったと報じた。ParlerのCEOであるJohn Matze(ジョン・メッツ)氏はAppleからの通知のスクリーンショットを自身のParlerアカウントに投稿して通知を受けた事実を明らかにした。

「貴サービス上のすべてのユーザー生成コンテンツ、そしてコンテンツがApp Storeの安全とユーザー保護についての要件を満たすことについてParlerは責任を負っていることを明確にしておきます」とスクリーンショットにはある。「危険で有害なコンテンツを表示するアプリは配信しません」。

ParlerアプリはApp Storeにまだ存在するが、技術上の問題が現在あるようだ。

TechCrunchはAppleにコメントを求めている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アメリカGoogleGoogle Playアプリ

画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

GoogleのAIが新たなハイブリッド焼き菓子のレシピを考案

2020年、みなさんの多くがクッキーやパン、ケーキなどのあらゆる種類のものを焼いてきたと思うが、驚くべきことにGoogle(グーグル)のAIが「breakie(ブレッキー)」と「cakie(ケーキー)」という2種類のハイブリッドスイーツのレシピを考案した。

これら新しいレシピの起源は、同社のツールAutoML Tablesのデモのようだ。AutoML Tablesはコードレスモデル生成システムで、「人工知能」というよりむしろ、スプレッドシートの自動化に近い。しかしそんな細かいことにこだわってると、レシピにたどり着けない。

昨年の春、Sara Robinson(サラ・ロビンソン)氏はこれらのツールで遊んでいた。機械学習とベーキングに興味があった彼女は、新型コロナウイルスの猛威を避けるために引きこもる間、いろいろと試し始めた。

そのとき彼女は、レシピ見てそれがパンなのか、クッキーなのか、ケーキなのかを自動的に判断しその理由も教えてくれるシステムを設計しようと思っていた。たとえばバターと砂糖の量が多いとクッキーに答え、イースト菌があればパンだと判断するような。

画像クレジット:Sara Robinson

もちろん、そんな単純でわかりやすいレシピばかりではないし、ツールも100%正確ではない。そこでソビンソン氏は考えた。それが何なのかをシステムが判断できないレシピは、どのようなものだろうか?と。

彼女はさまざまな材料を使って試し、ついに機械学習のシステムがきっちり50 / 50でクッキーでもあり、ケーキでもあると判断するレシピ「ケーキー」を考案した。

「ケーキー」(写真左)と「ブレイキー」(写真右)とロビンソン氏(画像クレジット:Sara Robinson/Google)

「おいしいです。不思議なことに、ケーキとクッキーのハイブリッドを作るようにマシンに命令したときに出来上がるだろうと私が想像していたような味がします」と彼女は書いている。

彼女が作ったもう1つのハイブリッドスイーツが、お察しのとおりパン(bread)が半分、クッキー(cookie)が半分の「ブレッキー」だ。「ふわふわのクッキー、マフィンのような触感」だという。確かにブレッキーは下の固いところがないマフィンのようだ。名前も「muffin tops(マフィントップ)」というよりもブレッキーのほうがいい(最初は「brookie(ブルーキー)」と名づけたとのこと)。

これらの材料とその比率はおそらく以前から存在していたか、試されていたものだが、古いレシピを使って新しいレシピを生み出す方法としては確かにおもしろい。

以下のレシピはそのまま使うことができるものだが、バニラやチョコチップはロビンソン氏が自身が加えたもので、アルゴリズムが考案したのは各材料の比率だけだ。また焼き方も人間が考える(AIは焼く温度や容器については何も把握していない)。いつもの週末スイーツとは違うものを作ろうとした場合、AIが考案したレシピのほうがおいしいかもしれない。

画像クレジット:Sara Robinson/Google

画像クレジット:Sara Robinson/Google

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Googleレシピ料理

画像クレジット:Sara Robinson

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

早ければ今週にもGoogleのiOSアプリにApp Storeのプライバシーラベルが追加される見込み

Google(グーグル)はApple(アップル)が最近発表したApp Storeのプライバシーラベルのポリシーに従いたくないと考え、それが理由でグーグルのiOS用アプリのアップデートが遅れていると一部で報じられた(Fast Company記事)が、そうではない。App Storeの新しいポリシーはアップルがプライバシー保護を推し進める大きな取り組みの一部で、開発者に対しApp Storeのユーザーからどのようなデータを収集し、追跡のためにデータがどのように使われるかを開示するよう求めている。TechCrunchは、グーグルがこのラベルに対抗する立場ではないことを確認した。実際には、グーグルは今週か来週にはかなりの数のiOS用アプリでプライバシーラベルを公開する準備をしている。

米国時間1月5日にFast Companyは、グーグルはユーザーから収集するデータに関する透明性の情報を提出できる状態になっていないため同社のiOS用アプリのアップデートが遅れているのではないかと推測した。これを受けて、TechCrunchはグーグルのアプリの状況を調べた。Fast Companyは、2020年12月7日以降グーグルのアプリは「1つも」アップデートされていないと述べている。2020年12月7日といえば偶然にもアップルの新しいプライバシーラベルの要件がApp Storeに適用される前日だ。

さらにFast Companyは、11月後半から12月初めにかけてグーグルのiOS用アプリが多数アップデートされたのは、グーグルがアプリにプライバシーラベルが適用される前に最後のアップデートを詰め込もうとしていたことを示すと述べている。

しかし、こうした推測にはいくつか疑問点がある。

まず、グーグルは実際にはプライバシーラベル適用以降に2つのアプリをアップデートしたことを指摘したい。ただしこのアップデートにはプライバシーラベルは含まれていない(これは、アプリが適用期日以前に承認されたものの保留になっていたことを示唆している)。

生産性向上の分野においてグーグルにとって重要なスライドプレゼンテーションアプリのGoogleスライドは、2020年12月14日にアップデートされた。教育カテゴリーの無料アプリで7位になっている宿題支援アプリのSocratic by Googleは、2020年12月15日にアップデートされた(このデータはSensor Towerの協力によりファクトチェックをした。何しろグーグルのiPhone用アプリは100個近くあるのだ!)。

グーグルはアップルの新しいルールを回避しているように見えるかもしれないが、アップデートのタイミングを深読みしすぎないように気をつけなくてはならない。通常はアプリが短い間隔でアップデートされているとしても、12月にアプリのアップデートが遅れるのはどう考えても珍しいことではない。また、アップルのApp Store自体が年末は動きが止まるため、年末年始の数週間前にアプリの変更が公開されるのも不思議なことではない。年末に動きが止まるのは毎年のことで、2020年のApp Storeは12月23日から12月27日まで止まっていた。

そしてグーグルなどの大企業は12月終わりから1月初めにコードフリーズをする。スタッフが対応できない年末年始に製品やサービスに大きな問題が起きないようにするためだ。

グーグルの主たるビジネスが広告であることを考えると、アプリのプライバシーラベルはもちろんグーグルにとって懸念材料だ。実際、グーグルは事態を深刻に受け止め、経営幹部は会議でこれに関して話し合っている。

しかしアプリのプライバシーラベルにすぐには対応できていない大手アプリ提供企業は、グーグルだけではないことを指摘しておく。たとえば本稿執筆時点でAmazon(アマゾン)の一部のアプリやPinterestはプライバシーラベルに対応したアップデートを行っていない。

こうした遅れは必ずしもその企業が新しいラベルの要件に対抗していることを意味するものではない。慎重に検討しているだけだろう。開示する情報が少ない企業よりもさらに慎重だと思われる(そしてデータの収集と広告が収益の重要な要因である企業に遅れが見られることには注意が必要だ)。

グーグルにコメントを求めたところ、同社の広報担当者はアプリ全般にプライバシーラベルを追加する予定であることを認めた。正確な日付は未定だが、今週か来週にできるだけ早くラベルの公開を開始する見込みであることも認めた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAppleApp Store

画像クレジット:Google

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

グーグルとSnapがインドの都市部以外でも人気のSNS「ShareChat」への投資を協議中

2019年にTwitter(ツイッター)を投資家に加えた(未訳記事)インドのソーシャルネットワークShareChat(シェアチャット)が、間もなくさらに2つの米国企業から支援を受けるようだ。

バンガロールを拠点とするこのスタートアップは、ツイッターを含む複数の既存の投資家だけでなく、Google(グーグル)とSnap(スナップ)から資金を調達するための協議を進めている段階にあると、この件に詳しい3人の情報筋がTechCrunchに語った。

この新たなシリーズEの資金調達ラウンドは、2億ドル(約206億円)を超える規模になる予定で、グーグルだけでも1億ドル(約103億円)以上の資金になると、匿名の情報源はいう。また、そのうち2人によれば、このラウンドでShareChatの価値は10億ドル(約1031億円)以上になるという。

この件についてShareChat、グーグル、Snapはコメントを求めてもすぐに応じなかった。ShareChatはこれまでに約2億6400万ドル(約272億円)を調達しており、2020年は7億ドル(約722億円)近い評価を受けていた

ただし、この取引条件は変更される可能性があり、協議が投資に発展しない可能性があると、情報筋は注意もしている。地元のテレビチャンネルET Nowは2020年、グーグルがShareChatを買収するための協議に入ったと報じている。

ShareChatの社名を冠したアプリは、インドで使われている15の言語に対応しており、同国の小都市や町で多くのフォロワーを得ている。一方、ツイッターとSnapはこの世界第2位のインターネット市場で、都市部を超えてユーザーを獲得するのに苦労している。大手モバイル調査会社によると、ツイッターとSnapchatのインドにおける月間アクティブユーザー数は、両社ともに5000万人程だという。

2020年のTechCrunchによるインタビューで、ShareChatの共同創業者で最高経営責任者であるAnkush Sachdeva(アンクシュ・サクデバ)氏は、同社のアプリが「飛躍的に」成長しており、ユーザーは毎日平均30分以上このアプリを使っていると語った。

今回の資金調達が成立すれば、アプリ「Snapchat(スナップチャット)」の開発元であるSnapは、インドのスタートアップ企業に初めて投資することになる。一方、最近のグーグルはやりたい放題で、2020年12月はDailyHunt(デイリーハント)とInMobi(インモビ)グループに属するGlance(グランス)に投資。どちらもショートビデオアプリを運営している企業だ。

これら両社と同様、ShareChatもショートビデオアプリを運営している。「Moj(モジ)」と呼ばれるそのアプリは、2020年9月の時点で8000万人以上の月間アクティブユーザーを獲得したと、同社は当時語っていた。これらのショートビデオアプリのいくつかと、Times Internet(タイムズインターネット)傘下のMX Playerが運営する「MX TakaTak(MXタカタック)」は、ニューデリーが2020年半ばにByteDance(バイトダンス)のTikTok(ティックトック)や他の数百もの中国製アプリを禁止したこともあり、ここ半年程で加速的な成長を見せている。

グーグルは2020年、インドに5年から7年かけて100億ドル(約1兆310億円)を投資する計画を発表した。その数日後、同社はインドの通信大手Jio Platforms(ジオプラットフォームズ)に45億ドル(約4640億円)を投資。グーグルと、同年Jio Platformsに57億ドル(5878億円)を投資したFacebook(フェイスブック)は、同国で4億人以上のユーザーにリーチしている。

グーグル、フェイスブック、ShareChat、DailyHunt、Glanceは、収益のほとんどを広告で得ている。インドの広告市場の約85%は現在、フェイスブックとグーグルによって支配されている、とBank of America(バンク・オブ・アメリカ)のアナリストは、2020年の顧客向け報告書に記している。「私たちは、この市場が2024年までに100億ドルに上ると見積もっており、フェイスブックの市場シェアはJIOとの提携によって、4年間で4%増加すると見ています。フェイスブックは2024年までに47億ドル(約4847億円)の収益を上げる可能性があると推定されます」と、TechCrunchが入手したその株式調査報告書には書かれている。

関連記事
Twitterが支援するインドのソーシャルネットワークShareChatが4000万ドルを調達
GoogleがインドのスタートアップGlanceとDailyHuntに投資、世界第2位市場へさらに注力
インド政府がTikTokなど中国企業の59のアプリを禁止すると発表
グーグルが世界最後の成長マーケットであるインドに1兆円超を投資
インド独禁監視当局がGoogleによるJio Platformsへの4740億円出資を承認
Facebookがインド最大の通信事業者Jioに約6100億円を出資

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleSnapShareChatSNSインド資金調達

画像クレジット:ShareChat

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

グーグルとアルファベットの従業員が労働組合結成を模索中

Google(グーグル)とAlphabet(アルファベット)の従業員200人以上のグループが、組合を結成する取り組みを発表した。Communication Workers of America Union’s Campaign to Organize Digital Employees(CODE-CWA、アメリカ通信労働組合のデジタル従業員組織キャンペーン)のサポートを受けて、Alphabet Workers Union(Alphabet労働組合)は従業員と契約労働者の両方に門戸を開くことを模索している。

これまでに227人が労組支援に署名し、組合費として年俸の1%を払うことを約束した。署名した労働者の多くがサンフランシスコ・ベイエリアのオフィスに勤務していて、1人はケンブリッジの勤務だ。

しかし明確にしておくと、Alphabet労働組合は従来の労組と比べ少々変わっている。現在の加入者はAlphabetの従業員13万2121人のうちわずか227人。Alphabet労組が意図するところは必ずしもAlphabet傘下企業と駆け引きができるようになることではなく、共通の目的に向かって一致して取り組むことだ。

「これは歴史的なことです。主要テック企業におけるテックワーカーによる、テックワーカーのための初の労組です」とグーグルでソフトウェアエンジニアとして働くDylan Baker(ディラン・ベイカー)氏は声明で述べた。「我々は代表を選び、民主的に決定を下し、費用を払い、そして会社に自分たちの意見を反映させたいと望むグーグルの全労働者が労組に加入できるようにするためにスキルを持つ幹事を雇います」。

Alphabet労組は、Kickstarter(キックスターター)やGlitch(グリッチ)のようなテック企業での2020年初めの労組結成に続くものだ。加えて、ピッツバーグのグーグルと契約しているHCL Technologies(HCLテクノロジーズ)の労働者とベイエリアのテック企業カフェテリアワーカーも2020年に労組を結成した。

「労働者の産業があります。労働者の新世代、特にテックとゲームの業界においては若い人が急激に増えています」とCODE-CWA組合幹事のWes McEnany(ウェス・マクアナニー)氏は、なぜテック企業に労組が増えているのかについてTechCrunchにこう述べていた。「一部の人は、本当に悪いことをしている企業で働いてかなり儲けています。彼らは、もういい加減にしろ、というような社会的地位にいると思います」。

グーグルは過去数年、多くの労働問題を抱えた。グーグルでのストライキ実行、ストライキ組織者に対する報復措置の報道、Timnit Gebru(ティムニット・ゲブル)博士の最近の退職などがあり、グーグルの労働者が取り組みを公式なものにすることに決めたというのは驚きではなない。

プレスリリースの中で労働者たちは、Alphabet傘下企業で働く労働者の半数以上が契約業者であり、それゆえに彼らは多くの福利厚生が受けられていない点も指摘した。加えて、ハラスメントで訴えられた幹部にかなりの額の退職金が支払われた件や、軍のドローン技術など政府との契約の一部も問題視している。

一方、全米労働関係委員会(NLRB)はちょうど先月、グーグルが労働者を調査し、広範に干渉し、そして全国労働関係法によって保障されている権利の行使を抑制することで全国労働関係法に違反したとしてグーグルを提訴した。

NLRBはまた、「従業員が労組を結成、加入、サポートしたり、他の保護された言動に従事する」ことをグーグルが思い止まらせていたとも主張している。

そうした主張は労働者が組合を結成したい理由だ。ただ、彼らは現在、労働条件について集団で話し合う法律上の権利を持っていない。

従来のプロセスでは、次のステップはAlphabetからの承認を模索することになるだろうが、これは難しい。Kickstarterの労働者が2019年にKickstarterに承認を要求したとき、労働者の大半が労組をサポートしていたにもかかわらず同社経営陣は却下した。承認するどころか経営陣はNLRBと正式な選挙を行うよう強制した。これを受けてKickstarterの労働者は職場をボイコットしたが、Kickstarter労組は発足してから承認されるまでにおおよそ10カ月かかった。

TechCrunchへの最初の声明に続いて出した2つめの声明文の中で、グーグルの人事担当ディレクターKara Silverstein(カラ・シルバーステイン)氏は次のように述べた。

「我々は、協力的でやりがいのある職場づくりに常に懸命に取り組んできました。従業員はもちろん当社が支持する労働の権利を有します。しかしこれまでそうしてきたように、今後も全従業員に会社が直接関わります」。

Alphabet労組は正式に承認されればCWA Local 1400に属する。

「この労組結成は、グーグルワーカーによる何年にもわたる果敢な取り組みの結果です」とグーグルでプログラムマネジャーとして働くNicki Anselmo(ニッキ・アンセルモ)氏は声明で述べた。「『実名』ポリシーとの戦いからProject Maven反対、セクハラをした幹部に支払われた言語道断の退職金への抗議に至るまで、我々が集団で行動したときのAlphabetの対応を目の当たりにしてきました。ニュースで騒がれた後でもAlphabet従業員が敬意を払われるよう、新しい労組は共有する価値観を確かなものにする持続可能な組織です」。

労働者たちはまた、労組結成を決めた理由を詳細につづった論説をニューヨークタイムズ紙に出している。

関連記事
Kickstarterの正社員たちが労働組合を結成
オンラインのコードコラボツールGlitchが労使協調の下で労働組合を結成
全米労働関係委員会がグーグルを従業員の監視やその他の労働違反で告発

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:GoogleAlphabet労働組合

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

グーグルがTikTokとInstagramのショートビデオを集約する検索機能をテスト導入

Google(グーグル)は、InstagramとTikTokのビデオをモバイル機器向けGoogleアプリの専用カルーセルに表示する新機能をテスト中だ。これは、Googleのプラットフォームから完全に離れることなく、ソーシャルビデオエンターテイメントを探しているユーザーをつなぎ止めるのに役立つだろう。この機能自体は、2020年始めに開始されたテストを拡張したもの(9to5Google記事)で、GoogleはGoogle Discoverの中で最初に「Short Videos」のカルーセルに表示された。DiscoverはGoogleモバイルアプリ内で見つけられるパーソナライズされたフィードで、一部のAndroid端末のホーム画面の左下にある。

念のためにいっておくと、この「ショートビデオ」カルーセルは、2020年10月にiOSとAndroid用のGoogle検索アプリに導入されたGoogle Stories(ストーリー)とは異なる。以前「AMP Stories」と呼ばれていたこれらの「ストーリー」は、GoogleのオンラインパブリシングであるForbes、USA Today、Vice、Now This、Bustle、Thrillistなどが制作した短編ビデオで構成されている。

一方「ショートビデオ」カルーセルは、他のプラットホームからのソーシャルビデオの集積にフォーカスしてきた。それにはGoogle自身の短編ビデオプロジェクトTangiや、インドでTikTokと競合しているTrell、そしてもちろんGoogle自身のビデオプラットホームであるYouTubeも含まれる。YouTubeは最近、ショートビデオの実験を行った

一方、「ショートビデオ」カルーセルは、Google自身の短形式ビデオプロジェクトであるTangi、インドのTikTokの競合であるTrell、Google自身のビデオプラットフォームYouTubeなど、他のプラットフォームからのソーシャルビデオを集約することにフォーカスしている(9to5Google記事)。YouTubeも最近、ショートビデオのテストを行っている

このカルーセルにInstagramやTikTokのコンテンツが含まれるようになったことは、Search Engine Roundtableが最初に報じた。彼らはGoogleアプリで「packers」を検索し、ページをスクロールダウンすることでこの機能にアクセスできたという。

そのやり方を再現すると、以下のようになる。

Googleの検索結果のスクリーンショット

Short Videosカルーセルは、Green Bay PackersのGoogle Knowledge Baseボックスをスクロールして通り過ぎると表示されスコア、Top Stories、Twitterの結果、Top Results、Images、Videosなどプレイヤーのリストや順位などのコンテンツが表示される。

Short Videosには、InstagramとTikTokのビデオがどちらも表示されていた。クリックすると、ソーシャルプラットフォームのウェブ版が表示される。ネイティブモバイルアプリではない(たとえデバイスにインストールされていても)。その結果、ビデオを見た後に検索結果に戻るのは、後ろの矢印をタップするだけなので、ユーザーはGoogleに留まる可能性が高くなる。

Googleは何年も前からビデオコンテンツのインデックスを作成しており、2015年にはTwitterと提携して検索結果のインデックスを作成した。しかし、Facebook / InstagramやTikTokとどの程度正式な関係があるのかは不明だ(これらの企業からコメントがあれば、アップデートする)。

Googleはこの計画について正式なコメントや詳細を避けたが、同社の広報担当者はTechCrunchに対して、この機能が現在、モバイルデバイスで試験運用されていることを認めた。彼らは、それが限定された初期段階の機能であることを明確にしている。いい換えれば、現在のところすべての検索クエリでビデオカルーセルが見つかるわけではない。しかし時間が経つにつれ、Googleがこのサービスを拡大していけば、ソーシャルメディアのトップビデオコンテンツをインデックス化して表示するための興味深いツールになるかもしれない。もちろん、プラットフォームがGoogleをブロックしない限りだが。

同社によると、この機能は現在、モバイルデバイス向けGoogleアプリとモバイルウェブで限定的に利用できるという。

関連記事
GoogleがiOSとAndroidの検索アプリに「ストーリー」機能を追加、まずは米国、インド、ブラジルから
YouTubeがTikTok似のショートビデオ機能「YouTube Shorts」を搭載、まずはインドで提供

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle検索TikTokInstagramショートビデオ

画像クレジット:Google

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

EUがグーグルのFitbit買収を承認、健康データの広告利用を10年間禁止することで合意

EUは米国時間12月17日、Google(グーグル)がウェアラブルメーカー、Fitbit(フィットビット)を21億ドル(約2173億7000万円)で買収するプランを承認した数カ月間にわたる規制上の審査(未訳記事)続いて、膨大な量のユーザー健康データをグーグルがむさぼり食うことに関する競争上の懸念を縮小させることを意図した、いくつかの条件を適用する。

グーグルがFitbitを買収するプランを発表したのは1年以上前のことだが、欧州委員会に取引を通知したのは2020年6月15日になってからだった。これはEUから、暫定的にゴーサインが出るまで半年かかったことを意味する。同社はまた現在、本拠地である米国で複数の角度(未訳記事)から、公的な独占禁止法違反容疑に直面している(これらはFitbitには関連していない)。

「Gitbit」誕生にあたりEUの承認を得る条件の下、グーグルは10年間、欧州経済地域内ユーザーのFitbitデータを広告ターゲティング目的のために使用しないことを約束した。

同社は、Fitbitウェアラブルを介して収集された健康データは、グーグルの他のデータから技術的に分離し、別のデータサイロに維持すると述べている。

また、EU地域のユーザーが、GoogleアカウントまたはFitbitアカウントに保存された健康データの使用をグーグルが提供する他のサービスに許可するか否か「実行選択肢(effective choice)」を持っていることを保証する、と同社は約束している。その中にはGoogle検索、Googleマップ、Googleアシスタント、YouTubeなどが含まれる。しかしそれが実施されるにあたり、どれだけ腹黒いパターン設計が適用されるのか、興味深いところだ。

興味深いことに、EUはそのような延長を正当化できる場合、10年の広告誓約をさらに10年、期間延長を決定するかもしれないとしている。

さらに同委員会は、取引が完了する前に任命されなければならない監視トラスティによって、措置の実施状況が監視されることが承認の条件であることにも言及している。

このまだ任命されていない人物は、「グーグルの記録、人材、施設、技術情報」へのアクセスを含む、欧州委員会が「広範な権限」と見なしているものを持つことになる。

EU規制当局は、このビッグテック合併の強圧に対し、「信用するが検証はする」という姿勢で臨んでいるといえるだろう。

さらに、競合に焦点を当てた誓約もある。

グーグルは、サードパーティ開発者がWeb APIを介してFitbitユーザーのデータに無料でアクセスできる機能を維持することに合意した(もちろん、ユーザーの同意を条件としている)。

また同社は、ウェアラブルメーカー競合相手のAndroid APIへのアクセスに関する誓約の数々にも合意している。スマートフォンの中で支配的なOSであるAndroidに競合するデバイスが接続する必要がある場合、すべてのコア機能において無料ライセンスを継続するという。

委員会によると、この合意は、デバイスの機能性改善を配慮したものだ。競合ウェアラブルメーカーがより良い、より有能なデバイスを開発する際、それらがAndroidエコシステムからシャットアウトされるリスクなしに技術革新を行えるようにすることを意図している。

また、グーグルは、Androidオープンソースプロジェクト(AOSP)版のモバイルプラットフォームのAPIサポートを維持しなければならない。

ここ半年間の審査と交渉の間に、欧州委員会がグーグルから引き出したもう1つの譲歩は、ユーザーエクスペリエンスの低下(警告やエラーメッセージの表示など)によって、APIを介してAndroidにアクセスするライバルのキットをサポートするための要求を回避しようとしないということだ。

率直にいって、規制当局が認可のためにそのような警告を送らなければならないとすれば、かなりの機能不全と見てとれる。そしてそれは、グーグルのビジネスがどのように運営されているかについて、蓄積された不信感のレベルを明らかにしている。

そしてこれは、グーグル・Fitbitに屈服し、合併が先に進むことを許したEU規制当局の存在に関する疑問を引き起こす。案の定、欧州委員会のPRは多少守りに入っているように聞こえる。EUの議員は、決定が「最近提案されたデジタル市場法(Digital Markets Act、DMA)を通じて、デジタル分野における公正で競争力のある市場を確保するための欧州委員会の努力を損なうものではない」としている。

また、前述の監視トラスティは同委員会に提供する報告書を、グーグルのデータ保護監督機関であるIrish Data Protection Commission(IDPC、アイルランドデータ保護委員会)と共有する権利があることにも言及している(とはいえ、グーグルの事業の他の要素に関する多数の調査を含む、膨大なビッグテック関連の案件が委員会のデスクに山積みになっていることを考えれば、グーグル側が眠れない夜を過ごす原因にはならないだろう)。

欧州委員会はまた、グーグルとの誓約には「サードパーティが行使できる迅速な紛争解決メカニズム」が含まれているとも述べている。つまり、グーグルがすでに大幅に支配している消費者向けデジタルサービス分野でのさらなる統合を正当化するために、明らかに余計なことをしようとしているのだ。しかも、米国の議員らが正反対の方向に向かっている時に、である。

ヨーロッパの市民社会(とそれ以上)は発表以来、グーグルのFitbit買収について激しく抗議の声を上げていた(未訳記事)。人権の保護を保証できない限り(未訳記事)、ビッグテックがFitbitの所有する健康データをむさぼるのを止めるよう、規制当局に働きかけてきたのだ。

12月17日、委員会はこれらのより広範な権利に関する懸念を回避した。

ひいき目に見て10年後、長くても20年後に議論を先送りしただけだろう。そして2030年(または2040年)までには、グーグルのようなデジタルゲートキーパーに制約を加えるために提案したばかりの規則が、将来の悪用を抑制できる立場にあること(未訳記事)を期待しているのだ。

よくいわれるEUの優先傾向は、巨大テクノロジー企業を規制することで、その帝国を分割することではないというが、さらなる帝国の拡大を邪魔するのも好みではないらしい。

欧州委員会の上級副委員長であるMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベステアー)氏は、次のように述べている。「合意した誓約により、ウェアラブルと新興のデジタルヘルス分野の市場がオープンで競争力のあるままであることを保証できるため、グーグルによるFitbitの買収案を承認できます。これらの誓約は、グーグルが収集したデータを広告目的でどのように使用できるか、競合するウェアラブルとAndroid間の相互運用性をどのように保護するか、そしてユーザーが選択した場合には、健康データを共有し続けることができるかを定めています。」

先に(未訳記事)欧州議会の委員会で質問を受けたベステアー氏は、Gitbitの承認が間近に迫っていることを示唆し、市場を支配するテック企業に対処するためのアプローチが米国と欧州では異なると述べた。「ヨーロッパでは独占を禁止していません」とベステアー氏は欧州議員たちに語った。「米国では法的根拠が違います。我々の場合、成功することは大歓迎だが、成功には責任がともなう、という見方です。そのために、連合条約の第102条があるのです」(条約第102条は、市場で支配的な地位を占める事業者がその地位を悪用することを防ぐことが目的)。

欧州委員会が、デジタル市場における競争法施行を強化するための新しい規制を提案する必要性を感じているのもこのためだ。しかし、DMAが施行されるまでには何年もかかるだろう。

そして、その間にEU規制当局は、グーグルがFitbitの宝庫から人々の健康データをわしづかみにし、個人情報の支配を拡大するのを許すことになる。後でやってくる完全な搾取のために。

いずれにしても、ハーバード大学のShoshana Zuboff(ショシャナ・ズボフ)教授が先に警告した(未訳記事)ように、監視資本主義のビジネスの野望は今や単なるターゲット広告をはるかに超えた規模になっている。目標は「確実性に近づくにつれてより儲かる予測のために」データを使用することだ、と彼女は警鐘を鳴らす。社会は、巨大テック企業の「認識論的クーデター」に歯止めをかけるために、公共の利益のために介入しなければならない、とも。

健康データから生成された正確な予測が、グーグルにとって非常に有益になる可能性があるのは確かだ(同社は近年、健康部門への投資を拡大している)。

それが最終的に人類にとって、善になるか悪になるかは今のところわからない。しかし、規制当局が簡単にサイコロを振って良い類のギャンブルではない。欧州委員会は競争法施行のために便利なバイパスをビッグテックに与えている一方で、道端をいじくり回しているだけだという向きも多い。

この戦いに参加してくれたすべての人に感謝しています。正当で誠実な戦いだと思いました。

個人的には大きな敗北です。大局的な見地から言えば、世界的に禁止されたビッグテックの合併は今のところ0(ゼロ)のままです(合併の総数は1000、増え続けています)。

関連記事
複数州にまたがる最新グーグル反トラスト訴訟は広告ビジネスが標的
EU競争政策担当委員の提言「巨大ハイテク企業を分割してはいけない、データアクセスを規制せよ」

カテゴリー:その他
タグ:GoogleFitbitEU買収

画像クレジット:Fitbit

原文へ

(翻訳:Nakazato)

Googleが「センシティブな話題」の研究に対する締め付けを強化しているという

Google(グーグル)は目下、AIにバイアスがあると警告した研究員を解雇して非難されているが、米国時間12月23日のReutersの報道によると、研究者がAIについて書くときには「ポジティブな口調」を求められ、また「センシティブな話題」に触れる研究については、追加のレビューを受けるように求められているという。

Reutersが同社の研究者と内部文書を引用して報じたところによると、Googleは2019年に、特定のテーマに関する論文を対象とした追加調査を実施したほか、研究の後期段階で幹部による干渉を増やしたのだという。

Timnit Gebru(ティムニット・ゲブル)博士のケースは、まさにそれに該当したのだろう。GoogleのAI研究員である彼女の辞任は、彼女のチームが行っていた仕事をめぐる彼女と上司との摩擦が原因の混乱した状況で強制されたもののようだ。これについて現在、ゲブル氏とGoogleにコメントを求めている。

Reutersが閲覧した内部ウェブページによると「センシティブな話題」の例として「石油産業、中国、イラン、イスラエル、COVID-19、ホームセキュリティ、保険、位置情報データ、宗教、自動運転車、通信、およびウェブコンテンツを推奨またはパーソナライズするシステム」といったトピックが含まれているという。

これらの問題の多くが実際にセンシティブなものであることは明らかだが、倫理委員会、査読、その他の通常の研究統制の存在を考えると、研究者に注意を払うよう助言することは不要に思える。Reutersの取材に応じた研究者の1人は、Googleからのこの種のトップダウン干渉は、近いうちに「検閲という深刻な問題」になると警告している。

そもそも、より本質的な問題は、Googleにおける重要な研究が、公表されるかされないかも不確定な比較的曖昧な状況で、企業の支援の下に行われていることだ。大規模な非公開の研究機関や組織化された科学研究の歴史は長いが、しかしFacebook(Facebook)やGoogle、Apple(アップル)、Microsoft(マイクロソフト)などの企業はAIのような分野に対して巨大な影響を及ぼしており、彼らは利益を生む技術への批判を避けつつ、もっぱらその有益性を屋根の上から叫んでいるのだ。

関連記事
GoogleのAI倫理研究チームの共同リーダーが部下宛てメールが原因で解雇されたと語る
グーグルCEOがAI倫理研究チームのゲブル博士辞任の真相調査を要求

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Google

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがKubernetesのインフラ運営の資金としてCNCFにさらに3.1億円提供

2018年にGoogle(グーグル)は、Google Cloud Platformのクレジット900万ドル(約9億3000万円)の3年分割でCloud Native Computing Foundation(CNCF)に提供し、同団体によるKubernetesプロジェクトのためのインフラストラクチャの開発と配布を支援していくと発表した。それまでGoogleがそれらのリソースを保有し、コミュニティのために管理していた。米国時間12月17日、両組織はGoogleがCNCFへの2020年の提供を300万ドル(約3億1000万円)増額して、「Kubernetesとそのエコシステムの長期的な健在と質と安定性を支えていく」と発表している。

Googleによると、調達した資金はKubernetesプロジェクトのテストとインフラに充てられ、Kubernetesには現在、月間2300のプルリクエストがあり、約40万の統合テストが実行され、そのすべてがGCP上で約30万時間のコアタイムを消費している。

「投資を継続できることを嬉しく思っている。それがKubernetesとそのコミュニティの長期的な健全性と質と安定性にとって極めて重要であることを、我々も知っており、Cloud Native Computing Foundationとのパートナーシップがずっと続いていることも喜ばしい。結局のところ、究極の目標はデベロッパーが自由に開発できることと、いうまでもなく誰にとっても重要なKubernetesがそのための優れた、堅固な、安定したスタンダードであり続けることだ」とGoogleのプロダクト管理ディレクターで、CNCFの統轄委員会の議長を務めるAparna Sinha(アパルナ・シンハ)氏は語っている。

シンハ氏によると、Googleはこのプロジェクトに大量のコードも寄贈しており、それは過去12カ月だけでも12万8000行に達する。また、そういう技術的な貢献だけでなく、チームはコミュニティへのエンゲージメントとメンタリングを通じて現物的な貢献も行っている。12月17日に行ったような、財政的貢献だけがすべてではない。

CNCFのゼネラルマネージャーであるPriyanka Sharma(プリヤンカー・シャルマ)氏は、次のように語っている。「Kubernetesプロジェクトは急速に成長してきた。次から次とリリースがある。そして大きな変化もあり、それらがいろんなところで動いている。この300万ドルの寄贈も、そんな動きの1つだ。このようにKubernetesのプロジェクトはストレスと無縁であり、1年中いつでも使えるクレジットがある。またセキュリティも重要で、現状で未知の時間である来月に、どんな環境で動いてもよいようなコードでなければならない。プロジェクトのデベロッパーとコントリビューターは、確信をもって機能の集合にフォーカスし、絶えず進化を続けるKubernetesを開発していかなければならない」。

なお、GoogleとCNCFの協力関係はこのように歩調が揃っているが、サービスメッシュのプロジェクトであるIstioに関してはGoogleの管理に若干の疑問がある。それはGoogleとIBMが数年前に孵化したプロジェクトだが、2017年のある時点でCNCFの傘の下に入れるべきという提案があった。その提案は結局流れたが、2020年になってIstioは、Open Usage Commonsの創設プロジェクトの一員になった。しかしそのプロジェクトはもっぱら商標の問題に関心があり、プロジェクトの統轄を目指していない。そして、こういったことのすべてが内輪ネタにすぎないようであり、確かにそうなのだが、オープンソースのコミュニティの一部は、CNCFのような団体へのGoogleの深入りを疑問視している。

これについてシンハ氏「Googleは、たくさんのオープンソースプロジェクトに貢献している。しかもそれらの多くはLinux Foundation傘下のオープンソースのファンデーションであり、またそうでないものも多い。それは特に新しいことではなく、改めて報告すべきことでもない。今回の議論の主題であるCNCFへのGoogleのフォーカスは、あくまでもKubernetesが軸だ。それは私の考えでは、他のプロジェクトに比べて圧倒的に多くの貢献と時間とコミットメントを注入しているプロジェクトだ」と答えている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleKubernetesCNCF

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがインドのスタートアップGlanceとDailyHuntに投資、世界第2位市場へさらに注力

インド時間12月12日、Google(グーグル)はインドの2つのスタートアップGlance(グランス)とDailyHunt(デイリーハント)への投資を発表した。Android(アンドロイド)メーカーであるGoogleにとって、世界第2位のインターネット市場へのさらなる注力を行うことが目的だ。

1億台以上のスマートフォンのロック画面上にニュースやメディアコンテンツ、ゲームを提供している(未訳記事)創業2年目のインドのスタートアップGlanceは、Googleと既存の投資家Mithril Partnersから新たな資金調達ラウンドで1億4500万ドル(約150億1000万円)を調達した。

広告大手のInMobi(インモビ)グループに属するGlanceは、AIを利用してユーザーにパーソナライズされた体験を提供している。このサービスは、普通なら何も表示されることのないロック画面上に、地元に関連するニュースやストーリー、カジュアルゲームを提供する。InMobiは2019年末、グルガオンに本社を置くスタートアップのRoposo(ロポソ)を買収し、これによってプラットフォーム上でショートビデオを提供することが可能になった。GoogleもRoposoに投資している。

Roposoは、月間アクティブユーザー数が3300万人を超えるショートビデオプラットフォームだ。同アプリのユーザーたちは、10以上の言語で提供される、様々なジャンルのコンテンツを、平均して毎日20分程度視聴している。

Glanceは、いくつかのスマートフォンの機種にプリインストールされた状態でも出荷されている。またGlanceは、インドの2大スマートフォンベンダーであるXiaomi(シャオミ)やSamsung(サムソン)を含む、ほぼすべてのトップAndroidスマートフォンベンダーとの提携も行っている。同サービスの1日のアクティブユーザー数は1億1500万人を超えている。

Googleの副社長であるCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏は声明の中で「Glanceはインドの多くの現地語でコンテンツを提供し、モバイルファーストやモバイル専用消費のためのイノベーションを提供できた好例です」と述べている。「今でも多くのインド人が、自分自身の言葉で読めるコンテンツや、自信を持って使えるサービスを探すのに苦労しています。そのことは、彼らにとってのインターネットの価値を、著しく制限しています。特に現在のように、インターネットが非常に多くの人々の生命線となっている時期にはなおさらです。今回の投資は、インドのイノベーティブなスタートアップと協力し、すべての人に利益をもたらす真に包括的なデジタル経済を構築する、という共通の目標に向けて取り組む当社の、強い信念を裏付けるものです」。

GlanceとInMobiグループの創業者であり最高経営責任者のNaveen Tewari(ナビーン・テワリ)氏は、今回の投資は「製品開発、インフラ、グローバル市場の拡大へ向けたGoogleとGlanceのより深いパートナーシップ」への道を開くものであると述べている。スタートアップは、新しい資本を米国での拡大に投入に使うことを計画している。

DailyHuntへの投資

Googleは、同じくインド時間12月12日、インドのスタートアップDailyHunt(デイリーハント)の親会社である(未訳記事)であるVerSe Innovation(バース・イノベーション)にも出資していることを発表した。DailyHuntは、同名のサービスやショートビデオプラットフォームJosh(ジョシュ)を含むアプリ全体で、インドの14の言語で3億人以上のユーザーに、ニュースやエンターテインメントコンテンツを提供しているという。スタートアップによれば、Google、Microsoft(マイクロソフト)、AlphaWave(アルファウェーブ)をはじめとする投資家たちから1億ドル(約103億5000万円)以上の資金を調達したということであり、今回の新たなラウンドによって同社の評価額は10億ドル(約1035億3000万円)以上となりユニコーンとなった。

元Facebook(フェイスブック)インドのトップだったUmang Bedi(ウマンベディ)氏が共同で運営するDailyHuntは、新規調達した資金をJoshアプリの拡大、現地語によるコンテンツの拡大、コンテンツクリエイターのエコシステムの育成、AIとMLのイノベーション、そして「バーラト(「インド」に相当するヒンディー語)のためのバーラト製ショートビデオプラットフォーム」の成長に投入する計画だ。

JoshとRoposoは、ニューデリー政府が2020年6月下旬にインドでTikTokを禁止することで生み出した空白を埋めるために(未訳記事)生み出された、沢山のインド製アプリの中に含まれている。禁止以前の時点では、TikTokはインドを最大の海外市場と認定していた。

Googleは今年発表したIndia Digitization Fund(インドデジタル化ファンド)からこれら両方への小切手を書いた。グーグルは今後数年間でインドに100億ドル(約1兆円)を投資することを約束している。すでにGoogleはこのファンドから、インドの通信大手Jio Platforms(ジオ・プラットフォーム)に45億ドル(約4653億円)を投資している

関連記事
インド独禁監視当局がGoogleによるJio Platformsへの4740億円出資を承認 
グーグルが世界最後の成長マーケットであるインドに1兆円超を投資
インド政府がTikTokなど中国企業の59のアプリを禁止すると発表

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:GoogleインドGlanceDailyHunt投資

画像クレジット:InMobi

原文へ

(翻訳:sako)

Googleとプレミアリーグ所属マンチェスター主催のサッカーAIコンペで、日本人チームが5位入賞

Googleとプレミアリーグ所属マンチェスター主催のサッカーAIコンペで日本人チームが5位入賞

quantum(クオンタム)は12月22日、同社データサイエンティストとしてquantum AIを支える大渡勝己氏を含むチーム「TamakEri」が、Kaggleコンペティション「Google Research Football with Manchester City F.C.」において、グローバルで1138チーム中5位に入賞したこと、日本人チームとして最高位を獲得したと発表した(2020年12月17日時点の公開プロフィール情報に基づく)。

Kaggleは、2017年にGoogleが買収。世界中の統計家、データ分析家、研究者などのデータサイエンティストが登録しており、分析手法を投稿し、お互いに競うプラットフォームの運営を行っている。コンペでは、主催者が投稿した課題に対し、参加者が最適なモデルを構築し競い合う。

Google Research Football with Manchester City F.C.も、同プラットフォームを利用し開催されたAIコンペのひとつで、2020年9月28日〜12日にかけて開催された。フットボール(サッカー)をプレイするAIエージェントの作成と研究加速を目的としており、プレミアリーグ所属の強豪サッカーチーム「マンチェスター・シティF.C.」とGoogle Researchがホストとなっている。

同コンペには、グローバルで活躍する大手企業や研究所などに所属する機械学習エンジニアからなる1138チームが参加。参加者が提出したAIエージェント同士による多数の試合(Google Research Football Environmentという実際のビデオゲームと同じような環境で動作)が行われ、その勝敗結果をもとに順位付け/レーティング計算が行われた。

大渡氏は、DeNAのデータサイエンティスト田中一樹氏と組んだチームで同コンペティションを戦い、並列強化学習を駆使して作成したAIエージェントで1138チーム中5位(入賞)、日本人のチームとして最高位を獲得する成績を収めた。

大渡氏は、「AIは状況に応じた反射的な判断は得意なものの、記憶、特に『長期的な記憶』に関してはまだ研究開発の途上。人間のプレイヤーの場合、過去の経験の蓄積からゲーム中に様々な判断を行うが、AIはまだそれが得意ではない。今後は、複数人での協調動作や長期的な記憶の利用による戦略変更などサッカーの強化学習を通してその長期的な記憶に関わる領域を紐解くことで、AI技術の進歩に寄与できると考えている」とコメント。quantum AIでは、長期的な記憶を獲得できる手法を研究しているという。

またquantum AIリーダーを務めるquantum代表取締役副社長 及部智仁氏は、「選手の動き、チームの動きを模倣する深層模倣学習の研究を進めることで、他のチームスポーツはもちろん、スポーツ以外の様々な新規分野へも応用できると考えている。今回のコンペでの経験を糧とし、強化学習技術を用いたAI研究開発や新規事業への応用に引き続きチャレンジしていく」とした。quantum AIは、新規事業でデータサイエンスを導入する企業向けに、アカデミアによるAI研究から機械学習の開発・運用までを一気通貫で提供していくという。

Googleとプレミアリーグ所属マンチェスター主催のサッカーAIコンペで日本人チームが5位入賞

quantumは、未来のビジネスを生み出すことにこだわるスタートアップスタジオ。同社quantum AIは、機械学習システムの開発と実装支援をするプロジェクトチーム。AIを導入する企業向けに、アカデミアによるAI研究から機械学習の開発・運用までを一気通貫で提供している。

電気通信大学との産学連携で高速演算処理対応のコンピューティングを備えるquantum AIのラボを運営し、ビジネス上の課題と機械学習をマッチングさせるフルスクラッチAI開発を可能としている。ビジネス上の課題を解決する機械学習システムを開発するために、アカデミアの知見を軸に機械学習アルゴリズムをプラットフォームロックなくゼロから開発する。

また、複合的な視点で機械学習システムを設計・実装できるメンバーが在籍。アカデミアのAI研究者、機械学習のデータサイエンティスト、データエンジニア、AI系スタートアップの起業経験者、AI系の新規事業開発経験者の視点で、機械学習システムを設計する。

関連記事
AI医療機器スタートアップのアイリスが資金調達を実施、累計調達額が約29億円に
データサイエンスとAIの作品でコンペを行うKaggleが国土安全保障省の空港のセキュリティ改善策懸賞に協力
Google、データサイエンス、機械学習のKaggle買収を確認
機械学習を利用して肺がんの兆候を早期発見する技術でKaggleが賞金100万ドルのコンペを主催

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Kagglequantum AIGoogle / グーグル(企業)DeNA日本(国・地域)

Googleがチリ、ドイツ、サウジアラビアの3リージョン追加を発表

AWS、Azure、Google(グーグル)が積極的にデータセンターのプレゼンスを世界中に拡大するなど、大手クラウドプロバイダー(未訳記事)にとっては多忙な1年となった。その年の締めくくりとしてGoogle Cloudは米国時間12月21日、今後数カ月から数年の間に稼働する新しいクラウドリージョンのセットを発表した。これらの新しいリージョンはチリ、ドイツ、サウジアラビアの3つの地域となる。同クライドサービスのリージョンでは2020年にローンチしたインドネシア、韓国、米国(ラスベガスとソルトレイクシティ)に加えてフランス、イタリア、カタール、スペインのリージョンもここ12カ月の間に発表されている。

画像クレジット:Google

グーグルは現在24のリージョンで73のアベイラビリティゾーンを運営しており、これには同社が発表した未稼働のゾーンは含まれていない。リージョン総数ではMicrosoft Azureが競合他社を大きくリードしている(まだ利用可能でないものもある)が、グーグルは現在24のリージョンを提供し、合計77のアベイラビリティゾーンを持つAWSとの差を縮めようとしている。実際、Google Cloudでは12のリージョンが発表されたことで、現在6拠点の新しいリージョンを準備しているAWSを追い抜く可能性がある。

しかし戦いの場はまもなく、現在稼働している大規模なデータセンターから、より小規模だが企業がより顧客に近い場所でサービスを提供できる都市部の中心に近いエッジゾーンに焦点が移る可能性がある。

これらはすべて、グーグルが近年クラウド戦略にどれだけの投資をしてきたかを明確に示している。Google Cloud Platformは長い間、競合他社に大きく遅れをとっていた。わずか3年前、Google Cloudは13のリージョンしか提供していなかった。今回の拡大は、海底ケーブルやエッジロケーションに対する多額の投資の上に成り立っている。

関連記事:Google Cloudの最新データセンターがソルトレークシティーにオープン

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle Cloud

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

グーグルに対する司法省の反トラスト訴訟は公判開始が2023年にずれ込む

Google(グーグル)に対する司法省の訴訟は、進展しているがその動きは極めて遅い。米国時間12/18に開催された議会の状況報告会で、米国地方裁判所判事Amit Mehta(アミット・メフタ)氏は、この訴訟の仮の日程を示した。両当事者にとっていいニュースと悪いニュースは、裁判の開始が2年以上先であることだ。

CNBCの記事によると、同氏は2023年9月12日を公判初日として選んだ。公判期間は数週間とされている。日程は変わることもありえるが、司法省とGoogleの両者はそのタイムラインをほぼ好感している。

公判まで数年ということもあり得たが、しかし10月に提訴されたGoogleに対する司法省の訴訟はすでにシリコンバレーの懸案事項だ。その訴えはGoogleの検索と広告事業を対象とし、同社がこれらの市場における独占を続けていると非難している。2023年という日程はGoogleに弁護を研ぎ澄ますに十分な時間を与え、やりたいことをやれるだろう。しかしそれと同時に、大規模な規制の脅威という怪物が、目の前に迫ってくることも意味している。

州も独自に、同社を規制するための積極的な努力を続けている。今週は、Googleの検索と広告に対する、複数の州による大型の訴訟がほぼ同時2つも立ち上がった。また先週カリフォルニア州は司法省の訴訟への参加を求め、米国時間12月17日にはミシガン州とウィスコンシン州がそれに続いた。

州の訴訟参加決定について司法次官のJeffrey A. Rosen(ジェフリー・A・ローゼン)氏は「彼らの併合提案と本日申請された複数の州の司法長官の連立による別の訴えは、Googleの検索と検索広告の慣行が反トラストの是正を要していることへの、広範で党派を超えたコンセンサスを裏書きしている」と述べている。

この歴史的な訴訟は、20年以上前のMicrosoft(マイクロソフト)に対する国の訴訟以来初めての、テクノロジー企業に対する、国による大型の反トラスト活動だ。

ここ20年間、規制らしい規制に遭うこともなく過ごしてきたテクノロジー産業は爆発的に成長した。今ではシリコンバレーのイノベーションがすべての市場と、想像できる範囲のすべての社会に織り込まれ、それに比べると、マイクロソフトの反トラストという昔話がほとんど古雅な趣すら帯びてくるのだ。

関連記事: グーグルの「独占力」を非難する米国35州が新たな反トラスト法訴訟を提起

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google

画像クレジット: BEN STANSALL/AFP/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:iwatan、a.k.a. hiwa

グーグルがARを使ったバーチャルメイクやインフルエンサー動画導入でショッピング機能を強化

Snapchat(スナップチャット)やInstagram(インスタグラム)のフィルターを使ったことがある人なら、AR(拡張現実)で人気のある利用例の1つは、たとえば口紅やアイシャドウの色合いを変えるなど、バーチャルメイクで自分の外見を変えてみることだと知っているだろう。Google(グーグル)は米国時間12月17日、この分野への参入を発表し、Google検索上でARを利用した化粧品の試用体験を開始した(Googleブログ)。同社はL’Oréal(ロレアル)、Estée Lauder(エスティ ローダー)、MAC Cosmetics(マック・コスメティクス)、Black Opal(ブラックオパール)、Charlotte Tilbury(シャーロット・ティルブリー)などのトップブランドと提携しており、消費者が様々な肌色のモデルや、スマートフォンのフロントカメラを使って自分自身のメイクアップを試せるようにしている。

グーグルは、美容ブランドにAR技術を提供しているデータパートナーのModiFaceや、人気の高い「YouCam メイク」アプリなどのAR美容技術を手がけるPerfect Corpの協力を得て、この新機能を作成した。

画像クレジット:Google

現在、消費者がGoogle検索で、特定の口紅やアイシャドウ製品、たとえば「L’Oréal’s Infallible Paints Metallic Eyeshadow(ロレアル インファリール ペインツ メタリック アイシャドウ)」などと検索すると、検索結果の上部にバーチャルな試用体験が表示されるようになっている。ここから、様々な肌色のモデルの写真をクリックして、化粧品の色合いを比較し、自分にぴったりの製品を見つけることができる。

あるいは、自分自身でその製品を使った時にどうなるかを見てみるために、スマートフォンのカメラを使うこともできる。画面にはカメラの映像の下に様々な色が表示されるので、タップしてその中から1つを選ぶと、カメラが捉えている自分の顔に適用される。ソーシャルメディアに用意されているフィルター機能と似たような仕組みで、2019年に導入されたYouTubeのARメイク機能とそっくりだ。

画像クレジット:Google

ただしグーグルの機能は、ソーシャルメディアで共有するために自分のイメージを美化しようとするためのものではない。グーグルの目的は、消費者とブランドを結びつけて売上を伸ばすことにあり、オンラインショッピング全体に向けた投資の、そしてもちろん、オンライン広告事業をさらに拡大するための一環だ。

しかし、グーグルによれば、このARを使った試用体験自体は広告フォーマットとは見なされず、ブランドはこの機能に参加するためにグーグルにお金を払っているわけではないという。広告ではなく、これはグーグルがGoogleショッピングの検索結果をより多くの小売業者に開放しようとしている動きの続きだ。過去数年間、Google検索の「ショッピング」タブは有料の商品リストに限定されていた。しかし2020年6月、グーグルはショッピングタブの小売店リストの大半(未訳記事)を無料にすると発表した(Googleブログ)。

この動きは、新型コロナウイルス感染拡大によって物理的な店舗の閉鎖を余儀なくされ、事業に大きな影響を受けていた小売業者の危機的時期に行われた。しかし、グーグルは利他的な理由でこの変更を行ったわけではない。現実は、ショッピングタブを有料広告に限定したために、ショッピングの検索結果も限定されてしまっていたからだ。しばしば在庫切れ商品にユーザーを案内するなど、データの品質にも問題を抱えていた。一方、アマゾンが広告事業に大々的に力を入れてきたことは、グーグルの広告収入を削り取る脅威となっていた。

さらに、最近の若い消費者の多くは、グーグルで買い物をすることはまったくない。彼らはソーシャルメディアで商品を知り、そのあと小売店への直接リンクをクリックして購入したり、あるいはFacebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)などのソーシャルプラットフォーム上で、アプリから離れることなく、直接買い物しているのだ。

グーグルもこのインフルエンサー主導のショッピング市場に参入しようしている。

前述のARメイクに加え、Google検索は美容、アパレル、インテリアやガーデニングの愛好家や専門家からのおすすめ商品を表示するようになる。Googleショッピングで観られる動画では、彼らがお気に入りの商品について語ってくれる。たとえばプロのメイクアップアーティストのJonetからメイクの見せ方について話を聞いたり、Homesick Candlesからホリデーギフトについて聞くことができる。

この機能は、グーグルの社内インキュベーターであるArea 120(エリア・ワントゥエンティー)から生まれたShoploopを使ったもので、フェイスブックやインスタグラム、そしてより最近では、TikTok(ティックトック)によるビデオベースのショッピング施策と競合することになる。

現在、美容ブランドの売り上げは新型コロナウイルス感染拡大によって大きく落ち込んでいる(WSJ記事)。その原因は、実店舗が閉鎖されたり、人々が自宅で仕事をするようになったからだけではない。顔の半分がマスクで隠れてしまうことで、化粧に力を入れる意味も半減してしまったからだ。

そんな時期に導入されるグーグルのARメイク機能とインフルエンサー動画は、iOSとAndroidのGoogleアプリで利用できる。

関連記事
YouTubeのAR機能でビデオを見ながら仮想メイクを試せる
グーグルがモバイル用動画ショッピングプラットフォーム「Shoploop」をローンチ

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:GoogleネットショッピングARメイクアップ

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

いま「Baby Yoda」でググるとARの彼がリビングにやってくる

Google(グーグル)は最近、小さな楽しい拡張現実でイースターエッグしまくっている。10月には(未訳記事)、いろんな検索キーワードでハロウィンをテーマに、おばけやかぼちゃ、踊るがいこつなどをARで提供していた。

そしてまた新しいARが登場した。米国時間12月18日は「The Mandalorian(マンダロリアン)」シリーズ2の最終話に合わせて、いまや「Baby Yoda(ベビーヨーダ)」という名前のほうが有名な「The Child(ザ・チャイルド)」があなたのリビングにやってくる。

正しくキーワードで検索すれば、誰でもこのAR機能を楽しむことができる。

  1. iOSやAndroidデバイスのブラウザーでGoogle.comを開く。
  2. 「The Child」や「Baby Yoda」、またはThe Childの本当の名前で検索する。
  3. 「3D表示」のボタンが出るまで下へスクロールする。ボタンをタップする(デバイスによっては、Googleの検索アプリをインストールする必要があるかもしれない。Pixelでは何もせず動いた)。
  4. カメラが起動するのを待ち、指示に従ってカメラを動かす。カメラが床の位置を計算し、そこに彼が現れる。ボリュームを最大にするのを忘れないように。

私はこの方法で表示させることができたが、デバイスによって出来の良し悪しがあるようだ。Pixelでは、速くて完璧だったが、iPhoneは照明がおかしい。

またカメラボタンがあり、写真やビデオが撮れる。また、彼をドラッグして好きな場所に移動させるすることもできる。ではでは、楽しんでください。

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:GoogleSTAR WARSThe Mandalorian

画像クレジット:

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グーグルの「独占力」を非難する米国35州が新たな反トラスト法訴訟を提起

1日が過ぎ、今日もまた、未曾有の力を有するもつ世界最大級のテック企業を解体しようと大がかりな反トラスト行動が起きている。

米国時間12月17日、38人の司法長官からなるグループがGoogle(グーグル)を相手に超党派訴訟を起こし、同社が検索および検索広告における独占を得るために、「違法な反競争的行為」に携わったたと主張した。

「グーグルの反競争行為は同社の検索全般における独占状態を保護し、競合を排除し、消費者から競争的選択の利益を奪い、イノベーションを妨げ、新たな参入や拡大の機会を蝕んでいる」とコロラド州のPhil Weiser(フィル・ワイザー)司法長官は語った。「この裁判の目的は競争を取り戻すことである」。

コロラド州はアリゾナ、アイオワ、ネブラスカ、ニューヨーク、ノースカロライナ、テネシー、およびユタの各州とともにこの訴訟の共同代表を務めている。ニューヨーク州のLetitia James(レティシア・ジェームズ)司法長官はグーグルを「インターネットの門番」と呼び、自ら収集した個人データを利用して市場の独占的地位を固めていると糾弾した。

前日発表の行われたテキサス州率いる対グーグル訴訟と比べて、第2の訴訟は35の州、ワシントンDC、プエルトリコ、およびグアムからなる広範囲な連合が主体だ。本訴訟と並行して司法省自身あ連邦訴訟(未訳記事)を起こしており、こちらも同社が独占を構成、維持するために権力を乱用していると主張している。

この新たな訴訟の原告団は、グーグルが排他的契約を結び、自身の検索エンジンマーケティングツールによってExpediaやYelpなどの特化した検索サイトを不利に、自社ビジネスを有利に扱っていると指摘している。彼らはグーグルの権力を自己補強的と評し、同社が消費者の選択肢を制限し、結果的に彼らの行動にとってより価値のあるデータが提供されることを制限している、と非難した。

競争の保護を目的とする連邦反トラスト法であるシャーマン法第2条違反であるとする同グループは、裁判所にグーグルが享受している有意性の再均衡を要請し、行動指針の一例として「組織再編」を提案している。

先週発表された46州対Facebookの訴訟と異なり、グーグルに対する米国各州の行動は二分化している。なぜ、グーグルに対する同じような告発が2つの反トラスト訴訟に分かれたのだろうか?おそらく、多くの州の指導者はテキサス州のKen Paxton(ケン・パクストン)司法長官の指揮する取り組みへの参加をためらったからだろう。同氏は4つの州で選挙結果を覆そうする不毛で望みのない裁判を率いているだけでなく、現在収賄容疑でFBIの捜査を受けている(AP NEWS記事)。

グーグルはブログで新たな訴訟に示された主張に対し、同社の消費者および小企業に対するプラスの影響を強調した。「この訴訟は、米国市民から有益な情報を奪い、企業の消費者と直接つながる能力に害を及ぼすように『検索』を再設計しようとしている」とグーグルの経済ポリシー担当ディレクターでありAdam Cohen(アダム・コーエン)氏は書いている。「法廷でそれを主張する日を待つとともに、私たちの利用者に高品質の検索体験を提供することに引き続き注力していきます」。

View this document on Scribd

関連記事
複数州にまたがる最新グーグル反トラスト訴訟は広告ビジネスが標的
Facebookが全米46州からの大型反トラスト訴訟に直面

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google反トラスト法

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルが非英語話者のためにインドでの言語対応拡大、世界第2位市場でのさらなる利用者増を狙う

インドには6億人以上のインターネットユーザーがいるが、英語が堪能な人はごく一部に過ぎない。しかし現在、ほとんどのオンラインサービスやウェブ上のコンテンツの多くは、英語のみで提供されている。

この言語の壁は、世界第2位のインターネット市場におけるデジタルデバイドを広げ続けていて、そのせいで何億人ものユーザーのワールドワイドウェブの利用が、一部のウェブサイトやサービスに限られている。

そのため、インドのような新興市場の継続的成長を期待している米国のハイテク企業たちが、ウェブとそのサービスをより多くの人が利用できるようにしようとしているのは当然のことだ。

それを示す好例の1つが、Google(グーグル)が提供している、ウェブページの内容を英語からインドの各種言語に素早く翻訳する機能だ。これはインドのユーザーにこの1年で170億回以上利用されている。

これまでこの取り組みを主導してきたグーグルが、このインド時間12月17日に、新たな取り組みの一部を発表した。インドをユーザー数で最大の市場と捉え、2020年、今後数年間で100億ドル(約1兆円)以上のインド国内投資を行うことを約束した同社は、インドのグーグルの研究センターで機械学習とAIの取り組みにさらに投資し、エコシステム全体から同社のAIモデルを誰もが利用できるようにする計画だと述べた。また同社は 現地語でユーザーにサービスを行っている地元のスタートアップたちと協力し、インドの言語を使うユーザーたちが、グーグル製品とサービスから受ける体験を「劇的に」向上させようとしている。

そうした体験の向上に向けて、同社が今回発表したのは、いくつかのサービスでより多くの現地語展開を行うための変更と、言語の翻訳に向けて同社が採用するまったく新しいアプローチだ。

製品の変更

ユーザーは、現在利用可能な英語とヒンディー語に加え、タミル語、テルグ語、バングラ語、マラーティー語でも検索結果を見ることができるようになる。今回の追加は、グーグルがインドの検索ページにヒンディー語のタブを追加してから4年後に行われた。同社によれば、そのタブの導入後、ヒンディー語での検索クエリの量は10倍以上に増加したという。たとえばクエリ結果をタミル語で表示したい人がいた場合には、英語の隣にタミル語のタブを置き、その2つをすばやく切り替えることができるようになる。

検索結果を現地の言語で得ることは便利だが、多くの場合、人びとは検索そのものもその言語で行いたいと考えている。グーグルは、英語以外の言語でのタイピングが、現在ユーザーが直面しているもう1つの課題であることを発見したと述べている。「その結果、多くのユーザーは、本当は自分が理解できる現地の言語で結果を見たいと思っていても、英語を使って検索しているのです」と同社はいう。

この問題に対処するため、検索時に現地語のクエリが英語で入力されたとしても、可能な場合には、サポートされているインドの言語で関連するコンテンツが表示されるようになる。同社が2020年1月中に展開する予定のこの機能は、ヒンディー語、バングラ語、マラーティー語、タミル語、テルグ語のインドの5つの言語をサポートしている。

また、グーグルはデバイスの言語設定を変更することなく、ユーザーがアプリで結果を表示する優先言語をすばやく変更できるようにもしている。現在Discover(ディスカバー)とGoogle Assistant(グーグル・アシスタント)で利用可能なこの機能が、さらにGoogleマップでもロールアウトされる。Googleマップはインドの9つの言語をサポートしている。

また、ユーザーが数学や科学の問題の写真を撮影すると、解答とそこに至る道筋を説明してくれるGoogleレンズの「宿題」機能は、ヒンディー語をサポートするようになった。Google IndiaのシニアプロダクトマネージャーであるNidhi Gupta(ニディグプタ)氏は、イベントでインドはGoogleレンズにとって最大の市場だと述べている。

コンサルティング企業Convergence CatalystのチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤンス・コラ)氏は、Googleレンズの新機能は、似たような領域で活動する(Sequoia Capitalが支援する)Doubtnut (未訳記事)のようなインドのスタートアップに、脅威をもたらす可能性があるという。

MuRIL

またグーグルの幹部は、音訳やスペルの違い、混合言語や言語のニュアンスを処理する際に、より効率的で正確な処理を実現する新しい言語AIモデル「Multilingual Representations for Indian Languages」(MuRIL、インドの言語のための多言語表現方式)について詳細な説明を行った。MuRILはローマ字スクリプトを使用してヒンディー語を書く際の、音訳テキストをサポートしている。この機能は以前のモデルでは欠けていたものだったと、インド時間12月17日の仮想イベントでGoogle Research Indiaの研究員であるPartha Talukdar(パツ・タクタル)氏は述べている。

同社によると、新しいモデルの学習はWikipediaの記事とCommon Crawl(コモン・クロール)と呼ばれるデータセットのテキストを使って行われたという。また、様々なソースの中から特にWikipediaからの音訳テキスト(グーグルの既存のニューラル機械翻訳モデルを利用している)を用いて訓練が行われた。その結果、MuRILは以前のより一般的な言語モデルよりも、インドの言語の扱いが改善され、音訳された文字や単語を取り扱うことができるようになった。すなわち、異なる文字体系や手書き文字に対して最も近い対応する文字を、グーグルは使うようになったのだ。

タクタル氏は、グーグルが依存していた以前のモデルでは、各言語のモデルを個別に構築しなければならなかったため、スケーラブルではないことが判明したと指摘した。「そのような言語に特化したモデリングを、個々のタスクごとに行うことは、そうしたタスク用のトレーニングデータを持っていないことが多いため、リソース効率が悪いのです」と彼はいう。MuRILは、以前のモデルを大幅に上回る結果を出しているが、ネイティブテキストでは10%、音訳テキストでは27%の改善が達成されている。インドのグーグルが開発し、約1年前から利用されていたMuRILは今回オープンソース化された。

MuRILはインドの16の言語と英語に対応している。

MuRILが得意とする多くのタスクの1つに、文章に込められた感情を判断することがある。たとえば「Achha hua account bandh nahi hua」は以前は否定的な意味を持っていると解釈されていたが、MuRILはこれを正しく肯定的な文として識別する、とタクタル氏は述べた。あるいは、人と場所を区別する能力をみてみるならば、「Shirdi ke sai baba」は以前は場所として(誤って)解釈されていたが、MuRILはそれを正しく人間のことだと判断するという。

関連記事:グーグルが世界最後の成長マーケットであるインドに1兆円超を投資

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Googleインド

画像クレジット:Sanjeev Verma / Hindustan Times / Getty Images

原文へ

(翻訳:sako)

英国のEU離脱を受けFacebookが同国の個人データをEU個人情報保護法の管轄外へ移転

英国の欧州連合(EU)離脱による取引条件の変更が迫る中、Facebook(フェイスブック)は、先行したGoogle(グーグル)に倣って(未訳記事)、英国の数千万人にのぼるユーザーの個人データを、EUの個人情報保護法の管轄外となる米国(そのような包括的な個人情報保護の枠組みを持たない)に2021年に移動させることになっていると、米国時間12月15日にReuters(ロイター)が報じた

この切り替えを認めたフェイスブックは、ロイターに次のように述べている。「他の企業と同様に、フェイスブックはBrexit(英国のEU離脱)に対応するための変更を行う必要があったので、フェイスブックアイルランドから(米国の)Facebook Inc.(フェイスブック・インク)に、英国のユーザーのための法的責任と義務を移転することになります」。

「プライバシー管理やフェイスブックが英国の人々に提供するサービスに変更はありません」とフェイスブックは付け加え、EUから米国への移行は、データとプライバシーの法的保護において大幅な格下げを必然的に伴うという事実を無視した表現を用いている。

ロイターによると、フェイスブックは今後6カ月以内にこの切り替えについてユーザーに通知するという。この法的な変更に不満がある場合、ユーザーはInstagram(インスタグラム)やWhatsApp(ワッツアップ)も含むフェイスブックが提供するサービスの使用を停止する「選択肢」が与えられる。

グーグルが2月に(未訳記事)英国のユーザーに関して同様の法的移行を発表したときにお伝えしたように、EU子会社から米国に移動させるという動きは、EUの基準から離れることを決めた英国の国民投票の結果を受けてのものだ。そのEUの基準の中には、長年維持されてきたデータ保護の枠組みも含まれる。

Brexit移行期間の終了まであと数日となった現在、英国がEUとの貿易協定を得るのか、それとも協定なしで離脱するのかはまだ不明だ。後者の場合、英国はEUからデータの適切性に関する協定も得られない可能性が高まり、データ保護基準に関する将来の乖離が生じやすくなる(EU・英国間における摩擦のないデータフローの維持に向け、継続的な協力を行うための「ニンジン」がないため)。

英国はまた、データを活用した経済復興を望んでいることを明らかにし、9月に(未訳記事)「国家データ戦略」を発表した。これは新型コロナウイルス感染拡大時におけるデータ共有を、復興後の新たな基準とするものだ。

この文書で、英国政府は「国内のベストプラクティスを推進し、国際的なパートナーと協力して、データが国境や分断された規制体制によって不適切な制約を受けないようにして、その潜在能力を最大限に活用できるようにする」ことを計画していると述べている。これはデータ保護の概念全体に影を落とすものだ。

それ以来、プライバシーの専門家たちは、(EU離脱後の)日英貿易協定が英国の既存のデータ保護体制(これはいまのところ、転換されたEUの規定に基づいている)を弱体化させており、Open Rights Group(オープン・ライツ・グループ)が2020年11月に警告した(Open Rights Groupブログ)ように、「データ保護の取り決めが弱い、または自主的に行っている」国への個人データの流出を可能にするおそれがあると、懸念を表明している(Open Rights Groupブログ)。

米国は、データ保護のための包括的な枠組みを欠いている国の1つだ。カリフォルニア州は独自の消費者プライバシー法を可決し、11月には住民投票でこの制度を強化することを決めている。しかし、連邦レベルではGDPR(EU一般データ保護規則)に相当するものはまだない。

英国のEU離脱後の基準がどこに向かっているのかという不確実性が非常に強いため、グーグルやフェイスブックのような大手テック企業が、EUのプライバシー規則の下における責任を軽減する機会を得ようとしていることは不思議ではない。フェイスブックの場合、ダブリンにある子会社の管轄から4500万以上の英国ユーザーを削除することになる。

ヨーロッパの最高裁判所が下した最近の「シュレムスII」判決(未訳記事)もまた、個人データをEUから米国へ転送することに関する法的リスクと不確実性を増大(未訳記事)させており、フェイスブックにその英国における契約条件を再構築するためのもう1つの潜在的な理由を与えている。

もちろん、英国のユーザーが失うプライバシー保護を考えれば、これはあまり良いことではない。

しかし、今回問題なのは、巨大テック企業ではなくBrexitの方だ。Brexitはこの場合、英国のユーザーは2021年から、自分たちの政府が米国のような国と貿易取引を結ぶために、国家のプライバシー基準を廃棄すると決めないように祈らなければならないことを意味する。フェイスブックが自分たちのプライバシーの利益に気を配ってくれると信じつつ(未訳紀伊J)。

そう、英国のデータ保護法は適用され続ける。幸運(未訳記事)にも英国個人情報保護監督機関(未訳記事)があなたの権利のために立ち上がってくれたらだが。

しかし、EUの法律によって定められている包括的な保証は2021年に消え失せる。

2018年に成立した米国のクラウド法(未訳記事)では、すでにインターネットサービスの利用者に関するデータを、捜査目的などで英米の機関が容易にやり取りできるようになっている。

その一方で英国政府には、監視社会(未訳記事)や暗号化への攻撃(未訳記事)に対する憂慮を巻き起こした実績もある。

英国が新たに打ち出した、インターネットサービスを規制する「子供の安全に焦点を当てた(未訳記事)」計画では、コンテンツ監視やIDチェックを義務づけるため、強力な暗号化を使用しないようにデジタルサービスに圧力をかけているようにも見える。

つまり、Brexitとは、簡単にいえば、英国人のプライバシーとオンラインの自由を速やかに減らし、データの分野におけるコントロールを取り戻すことの反対を意味するようになっているということだ。

関連記事
カリフォルニア州消費者プライバシー法が1月1日に発効
英国のデータ保護監視当局がアドテック業界に「冷静に法を守る」よう要請

カテゴリー:ネットサービス
タグ:イギリスEUFacebookGoogleプライバシー個人情報GDRPBrexit

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

Google StadiaがiOSとiPadOSでも利用可能に

iOSサポートの発表から数週間後、Google(グーグル)のクラウドゲームサービスがiPhoneとiPadをサポートした。予想通り、サービスへのアクセスはウェブアプリが使用される。またグーグルによれば、今週リリースされた最新のiOSアップデートであるiOS 14.3にアップデートする必要がある。

無料または有料のStadiaアカウントで試したい場合は、iOSデバイスからstadia.google.comにアクセスする必要がある。そしてGoogleアカウントにログインし、ホーム画面にショートカットを追加してウェブアプリを開く。

その後、ゲームを起動してプレイを開始できる。ほとんどのゲームにはゲームパッドが必要となるので、iPhoneやiPadとゲームパッドをペアリングしておくといい。

iOSは専用のコントローラーだけでなく、Bluetoothを使ったXbox OneやPlayStation 4のコントローラーにも対応している。Stadiaのコントローラーを使って遊ぶこともできるが、それは必須ではない。ゲームタイトルをチェックしたいだけなら、タッチコントロールでの操作にも対応している。

Stadiaはクラウド上で動くコンソールのように動作する。プラットフォーム専用のゲームを購入する必要があり、その後に近くのデータセンターからストリーミングされる。最近の追加作品には「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」と「Assassin’s Creed Valhalla(アサシン クリード ヴァルハラ)」がある。

これらのゲームをプレイするための追加のサブスクリプションは必要はないが、オプションでStadia Proのサブスクリプションを契約することもできる。これによりプラットフォームで購入したゲームに加えて、ゲームのライブラリにアクセスすることができ、4Kストリーミングが利用できる。Stadia Proは月額9.99ドル(約1030円)だ。

他のStadia関連ニュースでは、今週初めにUbisoftが同社の無制限サブスクリプションサービスであるUbisoft+に加入すれば、Stadiaからゲームにアクセスできると発表した。現在のところ、これは米国でベータ版のみ提供されている。

関連記事:Google StadiaとGeForce NowがウェブアプリとしてiOSにやってくる

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GoogleGoogle StadiaiOSiPadOS

画像クレジット:Google

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter